JPWO2011040146A1 - インクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

インクジェット記録装置に使用されるキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部を洗浄する機能を備えるインクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法を提供することを目的とし、インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドと、前記ノズル側に凹部を対向させた状態で前記記録ヘッドに当接可能なキャップと、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とするインクジェット記録装置。

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法に関するものである。
インクジェット記録は、低騒音で高速印字が可能な記録方法であり、最近急速に普及しつつある記録方法である。このようなインクジェット記録は、記録液であるインクを加熱あるいは加圧といった方法により小液滴として吐出させ、それを紙等の被記録材に付着させて記録を行うものである。
インクジェット記録装置は、通常、ノズルからの溶媒の蒸発防止、すなわちインクの固化及び増粘化の防止、ノズルへの塵埃の付着防止等を目的として、ノズル面を覆うキャップを備えている。このキャップは、通常、インクジェット記録装置の運転停止時において、自動的にノズル面に装着され、溶媒の蒸発及び塵埃の付着を防止する。
しかしながら、上記キャップを用いる構成において、キャッピングをした際にキャップにインク等が付着することがある。このため、キャップに付着したまま増粘,固着することもあり、その結果、キャッピングの性能を低下させるおそれがある。
キャップに付着したインクを除去する方法としては、例えば、洗浄液を用い、キャップに供給する洗浄液の量をキャップの内部容積以上にしてキャップから洗浄液を溢れさせ、キャップの記録ヘッドとの当接部や外周部を洗浄する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−276598号公報
特許文献1に開示されているように、キャップから洗浄液を溢れさせ、キャップの記録ヘッドとの当接部や外周部を洗浄する方法は、キャップに対するインク除去に対して有効な方法である。特に、洗浄液による洗浄は、増粘,固着したインク除去の確実性から極めて有効であると言える。
しかしながら、キャップが当接するノズル面の部分は、洗浄液と接触することができず、洗浄効果を得ることができない。したがって、キャップが当接するノズル面の部分に付着したインクによりキャッピングの性能を低下させるおそれがあるため、必ずしも十分な信頼性を得ることができなかった。
そして、このような問題はインクとして水性顔料インクを用いた場合により一層顕著になる。
すなわち、水性顔料インクは、染料系インクに比べ水分蒸発に伴う粘度上昇、顔料凝集等の問題が生じやすいことより、キャップやノズル面にインクが付着したまま長時間露出させておくと、インクの溶媒が蒸発し、顔料等の成分が増粘化あるいは固化してしまう。
このように水性顔料インクは、染料を用いた通常の染料系インクよりも固着しやすい上、固着した場合における回復性が非常に悪く、特に一般的にはいわゆる分散剤としてのポリマーを含む場合には、その回復性が一層悪くなる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット記録装置に使用されるキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部を洗浄する機能を備えるインクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
前記ノズル側に凹部を対向させた状態で前記記録ヘッドに当接可能なキャップと、
前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、
前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とするインクジェット記録装置。
2.前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させた状態を所定時間保持することを特徴とする1に記載のインクジェット記録装置。
3.前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることにより、溢れた洗浄液を前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とする1または2に記載のインクジェット記録装置。
4.前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態を所定時間保持した後、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることを特徴とする3に記載のインクジェット記録装置。
5.前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させた後、離間する動作を複数回行うことを特徴とする3または4に記載のインクジェット記録装置。
6.前記洗浄液が付着した前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部を含むノズル面をワイピングするワイピング手段を備えることを特徴とする1から5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
7.前記ワイピング手段によるワイピング後に、前記ノズルから少なくとも前記ノズル内の前記洗浄液を吐出させる吐出手段を備えることを特徴とする6に記載のインクジェット記録装置。
8.前記洗浄液が、塩基性化合物を含有することを特徴とする1から7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
9.前記インクが、水性顔料インクであることを特徴とする1から8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
10.インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドの前記ノズル側に凹部を対向させた状態で前記記録ヘッドに当接可能なキャップを用い、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液を供給し、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させて洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とするインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
11.前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させた状態を所定時間保持することを特徴とする10に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
12.前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることにより、溢れた洗浄液を前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とする10または11に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
13.前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態を所定時間保持した後、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることを特徴とする12に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
14.前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させた後、離間する動作を複数回行うことを特徴とする12または13に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
15.前記洗浄工程の後に、前記洗浄液が付着した前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部を含むノズル面をワイピングするワイピング工程を含むことを特徴とする10から14の何れか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
16.前記ワイピング工程の後に、前記ノズルから少なくとも前記ノズル内の前記洗浄液を吐出させる吐出工程を含むことを特徴とする15に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
17.前記洗浄液が、塩基性化合物を含有することを特徴とする10から16の何れか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
18.前記インクが、水性顔料インクであることを特徴とする10から17の何れか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
本発明によれば、インクジェット記録装置に使用されるキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部を洗浄する機能を備えるインクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法を提供することができる。
本実施形態のインクジェット記録装置の概略構成を表す斜視図である。 インクジェット記録装置のインク供給系及びヘッドメンテナンス系を示す模式図である。 インクジェット記録装置のキャップと吸収体の模式図であり、(a)は吸収体装着前、(b)は吸収体装着後の模式図である。 インクジェット記録装置の主制御構成を表すブロック図である。 作業終了モードのフローチャートである。 ノズル面清掃モードのフローチャートである。 ヘッド内清掃モードのフローチャートである。 ノズル面強力清掃モードのフローチャートである。 ノズル孔内清掃モードのフローチャートである。 キャップ清掃モードのフローチャートである。
図1は、本発明が適用された実施形態のインクジェット記録装置の要部構成を示した斜視図であり、図2は、インクジェット記録装置のインク供給系及びヘッドメンテナンス系の模式図である。
図1に示す通り、インクジェット記録装置1には、記録媒体Pを下方から支持するプラテン2が水平となるように配置されている。このプラテン2の上方には、水平に延在するガイドレール(図示せず)に沿って、記録媒体Pの搬送方向Aに直交する走査方向Bに複数の記録ヘッド4を走査させるキャリッジ5が設けられている。
このキャリッジ5は、駆動プーリ40aと遊転プーリ40bとの間に掛け渡されたタイミングベルト40(図2参照)に接続されている。そして、駆動プーリ40aは、走査用モータ22(図4参照)の回転軸に接合されている。このため、キャリッジ5は、走査用モータ22が駆動すると走査方向Bに移動する。
複数の記録ヘッド4は、インクジェット記録装置1で使用される各色毎のインクをそれぞれ記録媒体Pに向けて吐出するものであり、各記録ヘッド4のノズル面41(図2参照)にはインクを吐出するための多数のノズル42(図2参照)が配列されている。これらの記録ヘッド4には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクを貯留する複数のインクタンク6が、インクを導くインク流路7を介して接続されている。インクの詳細は後述するが、本実施形態では、水性顔料インクを用いている。
更に、図示はしないが、これらの記録ヘッド4には、例えば、それぞれの記録ヘッド4に対応したインク吐出動作をノズルから行わせるための圧電素子等の吐出エネルギー発生手段及びその駆動回路等が一体的に組み込まれている。
本実施形態では、この吐出エネルギー発生手段が、本発明の吐出手段として機能する。
インクジェット記録装置のインク供給系及びヘッドメンテナンス系の詳細を図2を用いて説明する。なお、図1に示すインク供給系及びヘッドメンテナンス系には、記録ヘッド4の個数分である4組のインク供給系、メンテナンス系が設けられているが、各組のインク供給系、メンテナンス系は同一構成であるため、そのうちの1組について説明する。
インク流路7の途中には、インクを一旦貯留するサブタンク8が設けられている。このサブタンク8には、サブタンク8が満タンであるか否かを検出する満タン検出センサ81が設けられている。そして、サブタンク8の上流側には、サブタンク8内に流入するインクを調整するためのインク供給弁82が設けられている。一方、サブタンク8の下流側には、インク流路7を開閉して、インクの供給を制御するピンチ弁83が設けられている。このピンチ弁83は、通常時は開状態でインクの供給を可能とし、後述する洗浄工程では、インク流路7を閉じることでサブタンク8への洗浄液の流入を防止するようになっている。そして、このピンチ弁83の下流側には、インクが記録ヘッド4に流入する以前に、インクを一旦貯留することでインクの圧力変動を吸収するダンパ9が設けられている。このダンパ9はキャリッジ5に搭載されていて、キャリッジ5の走査等が基で吐出時のインクに生じる圧力変動を吸収して、インクの吐出が不安定になることを防止するようになっている。
インク供給弁82及びピンチ弁83は、開閉状態が電気的に制御可能な弁、例えば、電磁弁によって構成される。
そして、プラテン2の側方には、記録ヘッド4のメンテナンスを行うメンテナンスユニット12が設けられている。このメンテナンスユニット12は、上下方向及び水平方向に移動することができるようになっている。
また、メンテナンスユニット12には、上方に向かって延出する可撓性のワイパーブレード13が設けられていて、メンテナンスユニット12自体を上方向に移動させて、このワイパーブレード13と記録ヘッド4のノズル面41とが接触した状態で、メンテナンスユニット12自体を水平方向に移動させれば、ワイパーブレード13が記録ヘッド4のノズル面41を摺擦し、キャップ15が当接する部分も含めてノズル面41全体に付着したインクや洗浄液等を除去するようになっている。そして、ワイピング動作が終了したならば、メンテナンスユニット12を下降させ、ワイパーブレード13とノズル面41との接触状態を解除する。
ワイパーブレード13は、例えば、ゴム等の弾性部材で構成されている。本実施形態では、このワイパーブレード13が、本発明のワイピング手段として機能する。
また、メンテナンスユニット12には、記録ヘッド4のノズル内のインクを吸引するインク吸引部14が設けられている。インク吸引部14には、図2に示すように、メンテナンスユニット12の昇降に応じて、記録ヘッド4のノズル面41に接離されるキャップ15が設けられている。このキャップ15は、ノズル内のインクを吸引する際にはメンテナンスユニット12の上昇に伴ってノズル面41に密着するまで近接されて、ノズル面41に備わる全てのノズルを覆い、吸引が完了するとメンテナンスユニット12の下降に伴ってノズル面41から離間されるようになっている。そして、キャップ15には、ノズル面41に密着した際に、キャップ15の凹部30とノズル面41との間に形成される空間を吸引するための吸引ポンプ16が、廃液流路17を介して接続されている。また、廃液流路17の最下流には、排出された廃液を貯留する廃液タンク19が設けられている。廃液流路17は、例えば、樹脂製チューブによって形成されている。吸引ポンプ16は廃液流路17を構成する樹脂製チューブをローラーで挟み、このローラーをチューブに沿って移動させることでチューブ内の空気等をチューブの端部から排気する所謂チューブポンプが好適に用いられる。
さらに、プラテン2の側方には、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンク3と、この洗浄液タンク3とキャップ15の凹部30との間を連通する送液路11と、この送液路11の途中に配設された送液弁10と、送液路11におけるキャップ15と送液弁10との間に配設されキャップ15の凹部30内を大気を連通させる大気連通弁18とが設けられている。送液弁10及び大気連通弁18は、開閉状態が電気的に制御可能なバルブ、例えば、電磁バルブによって構成される。
本実施形態では、この洗浄液タンク3と送液路11と送液弁10が、本発明の洗浄液供給手段として機能する。
本実施形態では、この洗浄液タンク3に貯留される洗浄液として、塩基性化合物を含有する洗浄液を用いている。洗浄液タンク3に貯留される洗浄液は、洗浄作用を有する液体であれば特に限定されないが、塩基性化合物を含有する洗浄液が好ましく用いられる。塩基性化合物を含有する洗浄液は、塩基性化合物を含有しない洗浄液に比べて増粘,固着したインクに対する洗浄作用を強くすることができる。このため、キャップ15の記録ヘッド4との当接部及び記録ヘッド4のキャップ15との当接部で増粘,固着したインクを比較的短時間、例えば数秒で洗浄除去できる。送液路11は、送液弁10の作動によって洗浄液が流れる通路であり、例えば、樹脂製チューブによって構成されている。
洗浄液タンク3は、キャップ15の位置(記録ヘッド4に当接した位置)よりも高い位置に配設されているため、水頭差により容易にキャップ15の凹部30に洗浄液を供給することができる。図2では、キャップ15の凹部30の内部容積を超える量の洗浄液Wが供給され、溢れた状態を示している。
送液弁10は送液路11の連通状態を制御する。即ち、送液弁10の開放状態では、洗浄液タンク3内とキャップ15の凹部30とは送液路11を通じて連通する。従って、送液弁10を適宜開放させると、洗浄液は凹部30内に供給される。一方、送液弁10の閉状態では、送液路11は送液弁10の位置で遮断される。このため、洗浄液タンク3内と凹部30との間も遮断される。
キャップ15について図3を用いてさらに詳細に説明する。
キャップ15は、図3に示すように、矩形状板材の底部31と、この底部31の周縁から上方に起立させた側壁部32とを備え、これらの底部31と側壁部32とによって、記録ヘッド4側の上面が開放された凹部30を区画形成する。側壁部32の上端面29が記録ヘッド4のノズル面41に密着して封止する。このキャップ15は、ゴム等の弾性部材をトレイ状に成型することにより作製される。
底部31には、送液路11に連通した洗浄液供給口27及び廃液流路17に連通した洗浄液排出口28が形成されている。また、凹部30内には繊維状の吸収体23が洗浄液供給口27及び洗浄液排出口28を覆った状態で配設される。
また、凹部30内に装着される繊維状の吸収体23は、液体を吸収保持可能なフェルトやスポンジ等の吸液材によって構成されている。本実施形態の繊維状の吸収体23は、図3(b)に示すように、その厚さが凹部30の高さよりも薄く構成されている。このため、キャップ15によるノズル面41の封止状態で、繊維状の吸収体23の上面は、ノズル面41よりも下側に離隔する。
図4は、インクジェット記録装置1の主制御構成を表すブロック図である。この図4に示すように、インクジェット記録装置1には、各駆動部を制御する制御部20が設けられている。制御部20には、記録媒体Pを搬送方向Aに沿って搬送させるための搬送部21と、キャリッジ5を走査させる走査用モータ22と、メンテナンスユニット12を水平方向及び上下方向に移動させるメンテナンスユニット用モータ24と、画像記録開始指示やメンテナンスモード選択などの各種指示が入力される入力部25と、インク供給弁82と、ピンチ弁83と、大気連通弁18と、吸引ポンプ16と、満タン検出センサ81と、記録ヘッド4と、送液弁10と、記憶部26が電気的に接続されている。なお、制御部20には、これら以外にもインクジェット記録装置1の各駆動部などが接続されている。そして、制御部20は、記憶部26中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従い各種機器を制御するようになっている。また、制御部20は、計時タイマを備えており、装置の非使用期間やメンテナンスプロセスでの各工程の所定時間等を計時できるようになっている。
次に、インクジェット記録装置1のメンテナンス方法について説明する。
画像記録開始時になると、作業者は画像記録開始指示を入力する。
制御部20は、画像記録開始指示の入力に伴って、搬送部21を制御して、記録媒体Pを搬送方向Aに間欠に搬送させる。搬送中に記録媒体Pが停止されると、制御部20は、走査用モータ22を制御して、キャリッジ5を走査方向Bに走査させる。この走査に対応して、制御部20は画像データに基づいて記録ヘッド4を制御し、記録媒体P上にインクを吐出して画像を記録する。
そして、キャップ15や記録ヘッド4を洗浄してメンテナンスするためのメンテナンスタイミングになると、制御部20は、各部を制御してキャップ15や記録ヘッド4のメンテナンスを行わせる。
本メンテナンスのモードは、キャップ15の凹部30にその内部容積を超える量の洗浄液を供給し、溢れた洗浄液がキャップ15の記録ヘッド4との当接部(上端面29)に接触した状態で、キャップ15を記録ヘッド4に当接させることで、キャップ15の記録ヘッド4との当接部(上端面29)のみならず、記録ヘッド4のキャップ15との当接部をも洗浄する洗浄工程を含むキャップ清掃モードを有する事を特徴としている。そして本実施例において該メンテナンスモードは想定されるキャップ15の回復機能の劣化状況や記録ヘッド4の目詰まりの状況等により複数種類のモードを有している。
メンテナンスモードの実行は、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25からいずれかのメンテナンスモードを選択するか、あるいは、制御部20がいずれかのメンテナンスモード実行が必要と判断した場合に行われる。この判断は、例えば、記録ヘッド4がインク滴を吐出していない非使用期間の情報や記録ヘッドのノズルからの吐出に関わる印字不良の情報に基づいてなされる。即ち、非使用期間が閾値以上(例えば数時間以上)であった場合やノズルの目詰まりやインク滴の吐出曲がりなどが検知手段により検知された場合に、制御部20は、キャップの記録ヘッドとの当接部や記録ヘッドのノズル面、ノズル内にインクの固化物又は増粘化物が付着している可能性が高いとして、その状況に応じていずれかのモードを選択してメンテナンスを行うと判断する。
また、例えば、制御部20に報知手段を接続していれば、いずれかのメンテナンスモードによるメンテナンスを行うと判断されるとその旨を報知手段に報知させて、使用者に知らせることが可能となる。この報知を基として使用者にメンテナンスが必要であるか否かを判断させれば、例えば急ぎの印刷物を仕上げてからメンテナンスを開始することもできる。
(キャップ清掃モード)
キャップ清掃モードは、キャップ15の記録ヘッド4との当接部(上端面29)や外周部や記録ヘッド4のキャップ15との当接部に付着して固着あるいは増粘してしまったインクの除去を主な目的としている。以下、キャップ清掃モードの動作手順を図10に従って説明する。
開始時(通常時)は、インク供給弁82と送液弁10と大気連通弁18は閉状態、ピンチ弁83は開放の状態である。
ステップS501では、制御部20は、キャップ清掃モードを選択する。例えば、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25からキャップ清掃モードを選択するか、あるいは、制御部20がキャップ清掃モードの実行が必要と判断した場合である。この判断は、例えば、キャップ15の回復機能の劣化に関わる情報に基づいてなされる。例えば、ノズルの目詰まりやインク滴の吐出曲がりなどが検知手段により検知された場合でキャップ15による吸引による回復動作を行っても回復しない場合に、制御部20は、キャップ15の記録ヘッド4との当接部や記録ヘッド4のキャップ15との当接部にインクが固着していて密閉性が低下している可能性が高いとしてキャップ清掃モードによるメンテナンスを行うと判断する。
制御部20は、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置にない場合は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。
ステップS502では、制御部20は、送液弁10を開放して洗浄液タンク3からキャップ15への洗浄液の送液を開始する。
ステップS503では、制御部20は、所定時間T12を計時する。ここで、所定時間T12とは、洗浄液がキャップ15の凹部30から溢れる時間である。構成にもよるが、例えば、3秒程度である。所定時間T12は、後述する図5のステップS3における所定時間T1よりも長くすることが好ましい。本実施形態では、T12>T1である。
ステップS504では、制御部20は、送液弁10を閉鎖する。
ステップS505では、制御部20は、制御部20は、所定時間T13を計時する。ここで、所定時間T13とは、キャップ15に洗浄液を供給してからキャップ15から溢れた洗浄液がこの当接部(上端面29)や外周部を洗浄し、固着インクや増粘インクを溶解または剥離除去する効果を高められる時間である。構成にもよるが、例えば、1分程度である。
ステップS506では、制御部20は、ピンチ弁83を閉鎖する。これにより、記録ヘッド4からサブタンク8が切り離される。次のステップS507〜S510の間において、ピンチ弁83は常に閉鎖状態に制御されているので、凹部30内の洗浄液が記録ヘッド4を経由してサブタンク8内に逆流してしまう不具合を防止することができる。
ステップS507では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15と記録ヘッド4のノズル面41とが密着するまでキャップ15(メンテナンスユニット12)を上昇させる。即ち、キャップ15の上端面29をノズル面41に密着させる。これにより、凹部30から溢れて充填された洗浄液がノズル面41に押し当てられて接触して洗浄する。
ステップS508では、制御部20は、所定時間T14を計時する。ここで、所定時間T14とは、キャップ15から溢れた洗浄液がキャップ15との当接部を含むノズル面41全体を洗浄し、ノズル面41上の固着インクや増粘インクを溶解または剥離除去する効果を高められる時間である。構成にもよるが、例えば、数秒程度である。なお、キャップ15がノズル面41に当接した状態においても完全に密着することはなく、キャップ15やノズル面41のそれぞれの当接面の凹凸や、インクの付着物による凸部により形成される隙間に存在する洗浄液により洗浄が行われる。
ステップS509では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15と記録ヘッド4のノズル面41とが離間するまでキャップ15(メンテナンスユニット12)を下降させる。
ステップS510では、制御部20は、ステップS507〜S509の処理を所定回数N2(N2は1以上の整数)だけ実施する。ここで、所定回数N2とは、洗浄液が、キャップ15の記録ヘッド4との当接部(上端面29)や記録ヘッド4のキャップ15との当接部を含むノズル面41全体を洗浄し、固着インクや増粘インクを溶解または剥離除去する効果を高められる回数である。構成にもよるが、複数回実施することが好ましく、例えば、2回程度である。ステップS508では十分な洗浄効果が得られない場合に、複数回繰り返して行うことにより十分な洗浄効果を得ることができる。
ステップS511では、制御部20は、ピンチ弁83を開放する。
ステップS512は、制御部20は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とワイパーブレード13とが対峙する位置まで、図2おける左方向に向けて移動するように、キャリッジ5を移動させる。ワイパーブレード13がノズル面41と対峙すると、制御部20は、ワイパーブレード13がノズル面41に対峙しない退避位置まで、水平方向に移動するように、メンテナンスユニット用モータ24を制御する。次いで、制御部20は、ワイパーブレード13の上端がノズル面41よりも上位に位置するまでワイパーブレード13(メンテナンスユニット12)が上昇するように、メンテナンスユニット用モータ24を制御する。その後、制御部20は、ワイパーブレード13がキャップとの当接面も含めてノズル面41全体を摺擦しながら通過するまで、水平方向に移動するように、メンテナンスユニット用モータ24を制御する。これにより、キャップとの当接面も含めてノズル面41全体に付着していたインクや洗浄液はワイパーブレード13によって除去されることになる。
ステップS513では、制御部20は、キャップ15の凹部30が吸引されるように吸引ポンプ16を作動させる。これによって、凹部30内の洗浄液の排出を開始する。
ステップS514では、制御部20は、所定時間T15を計時する。ここで、所定時間T15とは、吸引ポンプ16を作動させてから凹部30内の洗浄液を廃液タンク19に排出するまでの時間である。構成にもよるが、例えば、1分程度である。
ステップS515では、制御部20は、吸引ポンプ16を停止させる。
以上で、キャップ清掃モードのメンテナンス処理を終了する。
また、メンテナンス後に記録動作を行う予定がない場合は、メンテナンスが終了すると、記録ヘッド4のノズル面41がキャップ15によって覆われたままの状態で待機する。
以上のように、キャップ清掃モードによれば、供給する洗浄液の量をキャップ15の内部容積を超える量にしてキャップ15から洗浄液を溢れさせ、洗浄液をキャップ15の記録ヘッド4との当接部(上端面29)や外周部に接触させるか、好ましくは、この状態で所定時間保持することにより当接部や外周部を洗浄し、この当接部や外周部の固着インクあるいは増粘インクを溶解または剥離除去する。しかる後、キャップ15を記録ヘッド4のノズル面41に当接させ、洗浄液を記録ヘッド4のキャップ15との当接部を含むノズル面41全体に接触させるか、好ましくは、この状態で所定時間保持することにより記録ヘッド4のキャップ15との当接部を含むノズル面41全体を洗浄し、固着インクあるいは増粘インクを溶解または剥離除去する。キャップ15を記録ヘッド4のノズル面41に当接させることにより、洗浄液は、ノズル面41に押し当てられて接触するため洗浄作用を強くすることができる。しかる後、ワイパーブレード13を用いてキャップ15との当接部を含むノズル面41全体をワイピングすることにより、記録ヘッド4から固着インクなどをより確実に除去することができる。さらに、吸引ポンプ16を用いてキャップ15内の洗浄液を溶解したインクと共に吸引排出することにより、キャップ15の記録ヘッド4との当接部や外周部から固着インクなどを確実に除去することができる。
これにより、キャップ15の記録ヘッド4との当接部や記録ヘッド4のキャップ15との当接部への固着インクの堆積による回復機能の劣化や、固着インクの、キャッピングによる記録ヘッド4への付着が抑えられ、記録ヘッド4からのインクの安定した吐出を維持することができる。
また、キャップ15から洗浄液を溢れさせた状態でキャップ15をノズル面41に密着させて、洗浄液をノズル面41に接触させて、好ましくは、所定時間保持してノズル面41を洗浄し、キャップ15を離間させる動作を繰り返して行うことにより、複数回洗浄する効果に加えて洗浄液の流動性が高められる結果、洗浄液に接触させて所定時間保持しただけでは容易に除去できない、キャップ15の記録ヘッド4との当接部(上端面29)や記録ヘッド4のキャップ15との当接部に固着あるいは増粘したインクを容易に除去できる。
(作業終了モード)
作業終了モードは、ノズル面41上で乾燥して固着あるいは増粘してしまったインクの除去を主な目的としている。また、メンテナンス後に記録動作を行う予定がない場合に特に有効である。以下、作業終了モードの動作手順を図5に従って説明する。
開始時(通常時)は、インク供給弁82と送液弁10と大気連通弁18は閉状態、ピンチ弁83は開放の状態である。
ステップS1では、制御部20は、作業終了モードを選択する。例えば、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25から作業終了モードを選択するか、あるいは、制御部20が作業終了モードの実行が必要と判断した場合である。この判断は、例えば、記録ヘッド4がインク滴を吐出していない非使用期間の情報や記録ヘッドのノズルからの吐出に関わる印字不良の情報に基づいてなされる。
制御部20は、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置にない場合は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。
ステップS2では、制御部20は、送液弁10を開放して洗浄液タンク3からキャップ15への洗浄液の送液を開始する。
ステップS3では、制御部20は、所定時間T1を計時する。ここで、所定時間T1とは、洗浄液でキャップ15の凹部30が満たされる(充填される)時間である。構成にもよるが、例えば、2秒程度である。
ステップS4では、制御部20は、送液弁10を閉鎖する。
ステップS5では、制御部20は、ピンチ弁83を閉鎖する。これにより、記録ヘッド4からサブタンク8が切り離される。次のステップS6〜S11の間において、ピンチ弁83は常に閉鎖状態に制御されているので、凹部30内の洗浄液が記録ヘッド4を経由してサブタンク8内に逆流してしまう不具合を防止することができる。
ステップS6では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15と記録ヘッド4のノズル面41とが密着するまでキャップ15(メンテナンスユニット12)を上昇させる。即ち、キャップ15の上端面29をノズル面41に密着させる。これにより、凹部30内に充填された洗浄液とノズル面41とが接触して、ノズル面が洗浄される。
ステップS7では、制御部20は、所定時間T2を計時する。ここで、所定時間T2とは、凹部30に充填された洗浄液がノズル面の固着インクあるいは増粘インクを溶解または剥離除去する効果を高められる時間である。構成にもよるが、例えば、数秒程度である。
ステップS8では、制御部20は、大気連通弁18を開放する。
ステップS9では、制御部20は、キャップ15の凹部30が吸引されるように吸引ポンプ16を作動させる。これによって、凹部30内の洗浄液の排出を開始する。
ステップS10では、制御部20は、所定時間T3を計時する。ここで、所定時間T3とは、吸引ポンプ16を作動させてから凹部30内の洗浄液を廃液タンク19に排出するまでの時間である。構成にもよるが、例えば、1分程度である。
ステップS11では、制御部20は、吸引ポンプ16を停止させる。
ステップS12では、制御部20は、ピンチ弁83を開放する。
ステップS13では、制御部20は、大気連通弁18を閉鎖する。
以上で、作業終了モードのメンテナンス処理を終了する。
この作業終了モードでは、メンテナンス後に記録動作を行う予定がないので、メンテナンスが終了すると、記録ヘッド4のノズル面41がキャップ15によって覆われたままの状態で待機する。
以上のように、作業終了モードによれば、キャップ15の凹部30内に洗浄液を供給し、キャップ15の凹部30内を洗浄液で満たす。この状態でキャップ15をノズル面41に密着させ、洗浄液をノズル面41に接触させるか、好ましくは、この状態で所定時間保持することによりノズル面を洗浄し、このノズル面41上の固着インクあるいは増粘インクを溶解または剥離除去する。しかる後、吸引ポンプ16を用いてキャップ15内の洗浄液を溶解したインクと共に吸引排出することにより、記録ヘッド4のノズル面41から固着インクなどを確実に除去することができる。
(ノズル面清掃モード)
ノズル面清掃モードは、ノズル面41上で乾燥して固着または増粘してしまったインクの除去を主な目的としている。また、メンテナンス後に記録動作を行う予定がある場合に特に有効である。以下、ノズル面清掃モードの動作手順を図6に従って説明する。
開始時(通常時)は、インク供給弁82と送液弁10と大気連通弁18は閉状態、ピンチ弁83は開放の状態である。
ステップS101では、制御部20は、ノズル面清掃モードを選択する。例えば、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25からノズル面清掃モードを選択するか、あるいは、制御部20がノズル面清掃モードの実行が必要と判断した場合である。この判断は、例えば、記録ヘッド4がインク滴を吐出していない非使用期間の情報や記録ヘッドのノズルからの吐出に関わる印字不良の情報に基づいてなされる。
制御部20は、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置にない場合は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。
ステップS102〜S112は、図5のステップS2〜S12と同様の動作を行うので説明は省略する。
但し、ステップS103における所定時間T4は、図5のステップS3における所定時間T1と同じにしてもよいし、異ならせても良い。本実施形態では、T4=T1である。
ステップS107における所定時間T5は、図5のステップS7における所定時間T2と同じにしてもよいし、異ならせても良い。本実施形態では、T5=T2である。
ステップS110における所定時間T6は、図5のステップS10における所定時間T3と同じにしてもよいし、異ならせても良い。本実施形態では、T6=T3である。
ステップS113では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15がノズル面41から離間して、ワイパーブレード13の上端がノズル面41よりも下位に位置するまでメンテナンスユニット12を下降させる。つまり、メンテナンスユニット12の下降が完了すれば、記録ヘッド4がワイパーブレード13とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させたとしても、ワイパーブレード13がノズル面41から退避しているために、両者が接触しないことになる。
ステップS114では、制御部20は、大気連通弁18を閉鎖する。
ステップS115は、図10のステップS512と同様の動作を行うので説明は省略する。
ステップS116では、プリント準備が完了し、プリント可能な状態になる。
以上で、ノズル面清掃モードのメンテナンス処理を終了する。
このノズル面清掃モードでは、メンテナンス後に記録動作を行う予定があるので、メンテナンスが終了すると、キャップ15が記録ヘッド4のノズル面41から離間した状態で待機する。
以上のように、ノズル面清掃モードによれば、キャップ15の凹部30内に洗浄液を供給し、キャップ15の凹部30内を洗浄液で満たす。この状態でキャップ15をノズル面41に密着させて、洗浄液をノズル面41に接触させるか、好ましくは、この状態で所定時間保持することによりノズル面を洗浄し、このノズル面41上の固着インクあるいは増粘インクを溶解または剥離除去する。しかる後、吸引ポンプ16を用いてキャップ15内の洗浄液を溶解したインクと共に吸引排出し、ワイパーブレード13を用いて洗浄液が付着したノズル面41をワイピングすることにより、記録ヘッド4のノズル面41から固着インクなどをより確実に除去することができる。また、ノズル面41に付着している洗浄液によりワイパーブレード13を洗浄できるという効果も得られる。
(ヘッド内清掃モード)
ヘッド内清掃モードは、ノズル面41上で乾燥して固着あるいは増粘してしまったインクの除去やノズル内で増粘して目詰まりしているインクを除去することを主な目的としている。以下、ヘッド内清掃モードの動作手順を図7に従って説明する。
開始時(通常時)は、インク供給弁82と送液弁10と大気連通弁18は閉状態、ピンチ弁83は開放の状態である。
ステップS201では、制御部20は、ヘッド内清掃モードを選択する。例えば、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25からヘッド内清掃モードを選択するか、あるいは、制御部20がヘッド内清掃モードの実行が必要と判断した場合である。この判断は、例えば、記録ヘッド4がインク滴を吐出していない非使用期間の情報や記録ヘッドのノズルからの吐出に関わる印字不良の情報に基づいてなされる。
制御部20は、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置にない場合は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。
ステップS202では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15と記録ヘッド4のノズル面41とが密着するまでキャップ15(メンテナンスユニット12)を上昇させる。即ち、キャップ15の上端面29をノズル面41に密着させる。
ステップS203では、制御部20は、キャップ15の凹部30が吸引されるように吸引ポンプ16を作動させる。これにより、記録ヘッド4内のインクのノズルからの吸引を開始する。
ステップS204では、制御部20は、所定時間T7を計時する。ここで、所定時間T7とは、吸引ポンプ16を作動させてからノズル内に目詰まりしているインクが排出されるまでの時間である。構成にもよるが、例えば、5秒程度である。
ステップS205では、制御部20は、吸引ポンプ16を停止させる。
ステップS206では、制御部20は、大気連通弁18を開放する。
ステップS207では、制御部20は、キャップ15の凹部30が吸引されるように吸引ポンプ16を作動させる。これによって、凹部30内のインクの排出を開始する。
ステップS208では、制御部20は、所定時間T8を計時する。ここで、所定時間T8とは、吸引ポンプ16を作動させてから凹部30内のインクを廃液タンク19に排出するまでの時間である。構成にもよるが、例えば、1分程度である。
ステップS209では、制御部20は、吸引ポンプ16を停止させる。
ステップS210では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15と記録ヘッド4のノズル面41とが離間するまでキャップ15(メンテナンスユニット12)を下降させる。
ステップS211では、制御部20は、大気連通弁18を閉鎖する。
ステップS212では、制御部20は、図6に示すノズル面清掃モードを実施する。
以上で、ヘッド内清掃モードのメンテナンス処理を終了する。
また、メンテナンス後に記録動作を行う予定がない場合は、メンテナンスが終了すると、記録ヘッド4のノズル面41がキャップ15によって覆われたままの状態で待機する。
以上のように、ヘッド内清掃モードによれば、記録ヘッド4のノズル内の増粘インクをノズルから吸引排出する。しかる後、キャップ15の凹部30内に洗浄液を供給し、キャップ15の凹部30内を洗浄液で満たす。この状態でキャップ15をノズル面41に密着させて、洗浄液をノズル面41に接触させるか、好ましくは、この状態で所定時間保持することによりノズル面を洗浄し、このノズル面41上の固着インクあるいは増粘インクを溶解または剥離除去する。しかる後、吸引ポンプ16を用いてキャップ15内の洗浄液を溶解したインクと共に吸引排出し、さらに、ワイパーブレード13を用いて洗浄液が付着したノズル面41をワイピングすることにより、記録ヘッド4のノズル面41から固着インクなどをより確実に除去することができる。また、ノズル面41に付着している洗浄液によりワイパーブレード13を洗浄できるという効果も得られる。
(ノズル面強力清掃モード)
ノズル面強力清掃モードは、ノズル面41上で乾燥して固着または増粘してしまったインクの除去やノズル内で増粘して目詰まりしているインクを除去することを主な目的としている。このノズル面強力清掃モードは図6のノズル面清掃モードよりも清掃能力を強くできるため、より強固に固着したインクも除去できる。以下、ノズル面強力清掃モードの動作手順を図8に従って説明する。
開始時(通常時)は、インク供給弁82と送液弁10と大気連通弁18は閉状態、ピンチ弁83は開放の状態である。
ステップS301では、制御部20は、ノズル面強力清掃モードを選択する。例えば、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25からノズル面強力清掃モードを選択するか、あるいは、制御部20がノズル面強力清掃モードの実行が必要と判断した場合である。この判断は、例えば、記録ヘッド4がインク滴を吐出していない非使用期間の情報や記録ヘッドのノズルからの吐出に関わる印字不良の情報に基づいてなされる。
制御部20は、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置にない場合は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。
ステップS302では、制御部20は、図6に示すノズル面清掃モードを実施する。
ステップS303では、制御部20は、図7に示すヘッド内清掃モードを実施する。
ステップS304では、制御部20は、ステップS302〜S303の処理を所定回数N1(N1は1以上の整数)だけ実施する。ここで、所定回数N1とは、ノズル面41により強固に固着したインクを溶解または剥離除去する効果が高められる回数である。構成にもよるが、例えば、2回程度である。
ステップS305では、プリント準備が完了し、プリント可能な状態になる。
以上で、ノズル面強力清掃モードのメンテナンス処理を終了する。
また、メンテナンス後に記録動作を行う予定がない場合は、メンテナンスが終了すると、記録ヘッド4のノズル面41がキャップ15によって覆われたままの状態で待機する。
以上のように、ノズル面強力清掃モードによれば、ノズル面清掃モードの後にヘッド内清掃モードを実施する一連の処理を少なくとも1回実行することにより、記録ヘッド4から増粘インクやより強固に固着したインクなどをより確実に除去することができる。
(ノズル孔内清掃モード)
ノズル孔内清掃モードは、ノズル面41上で乾燥して固着または増粘してしまったインクの除去やノズル内で固化して目詰まりしているインクを除去することを主な目的としている。以下、ノズル孔内清掃モードの動作手順を図9に従って説明する。
開始時(通常時)は、インク供給弁82と送液弁10と大気連通弁18は閉状態、ピンチ弁83は開放の状態である。
ステップS401では、制御部20は、ノズル孔内清掃モードを選択する。例えば、使用者が該インクジェット記録装置本体の入力部25からノズル孔内清掃モードを選択するか、あるいは、制御部20がノズル孔内清掃モードの実行が必要と判断した場合である。この判断は、例えば、記録ヘッド4がインク滴を吐出していない非使用期間の情報や記録ヘッドのノズルからの吐出に関わる印字不良の情報に基づいてなされる。
制御部20は、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置にない場合は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。
ステップS402では、制御部20は、送液弁10を開放して洗浄液タンク3からキャップ15へ洗浄液の送液を開始する。
ステップS403では、制御部20は、所定時間T9を計時する。ここで、所定時間T9とは、洗浄液でキャップ15の凹部30が満たされる時間である。構成にもよるが、例えば、2秒程度である。所定時間T9は、図5のステップS3における所定時間T1と同じにしてもよいし、異ならせても良い。本実施形態では、T9=T1である。
ステップS404では、制御部20は、送液弁10を閉鎖する。
ステップS405では、制御部20は、メンテナンスユニット用モータ24を制御して、キャップ15と記録ヘッド4のノズル面41とが密着するまでキャップ15(メンテナンスユニット12)を上昇させる。即ち、キャップ15の上端面29をノズル面41に密着させる。これにより、凹部30内に充填された洗浄液とノズル面41とが接触する。
ステップS406では、制御部20は、所定時間T10を計時する。ここで、所定時間T10とは、少なくとも凹部30に充填された洗浄液がノズル孔内のインクを溶解あるいは剥離除去しながらノズル孔内に侵入するのに要する時間である、構成にもよるが、例えば、30秒程度である。所定時間T10は、図5のステップS7における所定時間T2よりも長くすることが好ましい。本実施形態では、T10>T2である。
ステップS407では、制御部20は、大気連通弁18を開放する。
ステップS408では、制御部20は、キャップ15の凹部30が吸引されるように吸引ポンプ16を作動させる。これによって、凹部30内の洗浄液の排出を開始する。
ステップS409では、制御部20は、所定時間T11を計時する。ここで、所定時間T11とは、吸引ポンプ16を作動させてから凹部30内の洗浄液を廃液タンク19に排出するまでの時間である。構成にもよるが、例えば、1分程度である。所定時間T11は、図5のステップS10における所定時間T3と同じにしてもよいし、異ならせても良い。本実施形態では、T11=T3である。
ステップS410では、制御部20は、吸引ポンプ16を停止させる。
ステップS411〜S413は、図6のステップS113〜S115と同様の動作を行うので説明は省略する。
ステップS414では、制御部20は、走査用モータ22を制御し、記録ヘッド4とキャップ15とが対峙する位置までキャリッジ5を移動させる。記録ヘッド4がキャップ15と対峙すると、制御部20は、記録ヘッド4の吐出エネルギー発生手段を駆動して全ノズル吐出を所定回数繰り返すフラッシング動作を行う。
ステップS415では、プリント準備が完了し、プリント可能な状態になる。
以上で、ノズル孔内清掃モードのメンテナンス処理を終了する。
また、メンテナンス後に記録動作を行う予定がない場合は、メンテナンスが終了すると、記録ヘッド4のノズル面41がキャップ15によって覆われたままの状態で待機する。
このノズル孔内清掃モードでは、メンテナンス後に記録動作を行う予定があるので、メンテナンスが終了すると、キャップ15が記録ヘッド4のノズル面41から離間した状態で待機する。
以上のように、ノズル孔内清掃モードによれば、キャップ15の凹部30内に洗浄液を供給し、キャップ15の凹部30内を洗浄液で満たす。この状態でキャップ15をノズル面41に密着させて、洗浄液をノズル面41に接触させる。そして、この接触状態を、所定時間T10、例えば図5のノズル面清掃モードの所定時間T2よりも長い時間に亘って保持する。これにより、キャップ15内の洗浄液は、ノズル面41上の固着あるいは増粘したインクに加えてノズル孔内に固着あるいは増粘したインクを溶解あるいは剥離除去させる。しかる後、吸引ポンプ16を用いてキャップ15内の洗浄液を溶解したインクと共に吸引排出し、さらに、ワイパーブレード13を用いてノズル面41をワイピングすることにより、記録ヘッド4から増粘インクや固着インクなどをより確実に除去することができる。また、ワイピング後のフラッシング動作により、ノズル孔内に洗浄液が残っていたとしても確実に除去できる。
(洗浄液)
次いで、本発明に係るインクジェット記録装置に適用する洗浄液について説明する。
本発明に係る洗浄液は、塩基性化合物を含有していることが好ましく、インクの固着物や増粘化物の溶解、剥離除去に有効であり、特に、水性顔料インク中に使用される酸成分含有樹脂の再溶解もしくは再分散に効果的である。
インクジェット記録装置に適用する洗浄液に求められる機能としては、長期間にわたり安定して洗浄能力を維持し、かつ洗浄後の記録ヘッドの吐出特性に影響を与えないことが重要である。
本発明に係る洗浄液においては、表面張力が35mN/m未満の溶剤を含有することが好ましく、表面張力が35mN/m未満の溶剤としては、アルキレングリコールモノエーテル類あるいはアルカンジオール類が好ましい。
本発明に係る洗浄液に好適に用いることができるアルキレングリコールモノエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(28.2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(27.4)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(31.8)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(33.6)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(32.1)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(25.9)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(28.8)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(30.0)等が挙げられる。なお、括弧内の数値は表面張力値(mN/m)を表す。
また、本発明に係る洗浄液に好適に用いることができるアルカンジオール類としては、1,2−アルカンジオール類が好ましく、例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール(28.1)、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。
上記各溶剤の中でも、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類が好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが、特に好ましい。
本発明において、溶剤の表面張力の測定方法としては、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、垂直板法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。本発明では、具体的には、表面張力は、表面張力計CBVP式A−3型(協和科学株式会社)を用いて測定した。
本発明に適用可能な塩基性化合物としては、無機塩基化合物でも有機塩基化合物でもよいが、有機塩基化合物を用いることがより好ましい。
無機塩基化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化物や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、炭酸水素カリウムや、炭酸水素ナトリウムなどの重炭酸塩を用いることができる。
有機塩基化合物としては、アンモニア、アルカノールアミン類、アルキルアミン類等を用いることができる。
有機塩基化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N−メチル−ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノールなどを用いることができる。
中でも、アンモニア、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N−メチル−ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N,N−ジエチルアミノエタノールを好ましく用いることができる。
本発明に係る洗浄液には、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、界面活性剤、保湿剤、防培剤などを添加しても良い。
(水性顔料インク)
次いで、本発明のインクジェット記録装置に適用するインクの構成について説明する。
本発明のインクジェット記録装置に適用するインクとしては、特に制限はないが、本発明に係るキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部を洗浄する機能を備えるインクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法による効果を十分に発揮できる観点から、水性顔料インクが好ましく、少なくともイエロー顔料インク、マゼンタ顔料インク、シアン顔料インク及びブラック顔料インクの4色顔料インクから構成されるインクセットを用い、少なくとも1色の水性顔料インクが、インク全質量に対する顔料固形分量が6.0質量%以上で、かつ総樹脂固形分量が6.0質量%以上であることが好ましい。その中でも、特に、ブラック顔料インクの顔料固形分が6.0%以上であることが好ましい。
水性顔料インクは、染料を用いた通常の染料系インクよりも固着しやすい上、固着した場合における回復性が非常に悪く、特に一般的にはいわゆる分散剤としてのポリマーを含む場合には、その回復性が一層悪くなるが、本発明に係るキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部を洗浄する機能を備えるインクジェット記録装置及びそのメンテナンス方法によればキャップや記録ヘッドに付着した固化物又は増粘化物の除去を効果的に行うことができる。
本発明に用いることができる顔料としては、水系で安定に分散できるものであれば特に制限はなく、例えば、顔料単体の他、高分子樹脂により分散した顔料分散体、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料、顔料表面を修飾し、分散樹脂を用いなくても分散可能な自己分散顔料等を挙げることができる。特に、インクの保存性を重視する場合は、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料を選択することが好ましい。
高分子樹脂により分散した顔料分散体を用いる場合、高分子樹脂としては水溶性のものを用いることができる。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂等を挙げることができる。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明に係る顔料分散体の粗粒分を除去する目的で遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましく用いられる。
また、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料を用いる場合、水不溶性樹脂とは弱酸性乃至弱塩基性の範囲の水に対して不溶な樹脂であり、好ましくはpH4乃至10の水溶液に対する溶解度が2%未満の樹脂である。
このような樹脂としては、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各樹脂を挙げることができる。
また、樹脂として疎水性モノマーと親水性モノマーとを共重合した樹脂を用いることができる。
疎水性モノマーとしては、アクリル酸エステル(アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル等)、スチレン等が挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等が挙げられ、アクリル酸のような酸性基を有するものは、重合後に塩基で中和したものを好ましく用いることができる。
樹脂の分子量としては、平均分子量で3000から500000のものを用いることができる。好ましくは7000から200000のものを用いることができる。樹脂のTgは、−30℃から100℃程度のものを用いることができる。好ましくは−10℃から80℃程度のものを用いることができる。
重合方法としては、溶液重合、乳化重合を用いることができる。重合は予め顔料と別途合成してもよいし、顔料を分散した系内にモノマーを供給して、重合してもよい。
顔料を樹脂で被覆する方法としては公知の種々の方法を用いることができるが、好ましくは展相乳化法や酸析法の他に顔料を重合性界面活性剤を用いて分散し、そこへモノマーを供給し、重合しながら被覆する方法から選択することがよい。より好ましい方法としては、水不溶性樹脂をメチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解し、更に塩基にて樹脂中の酸性基を部分的、もしくは完全に中和後、顔料及びイオン交換水を添加し、分散した後、有機溶剤を除去、必要に応じて加水し、調製する製造方法が好ましい。
顔料と樹脂の質量比率は、顔料/樹脂比で100/40から100/150の範囲で選択することができる。特に画像耐久性と射出安定性やインク保存性が良好なのは100/60から100/110の範囲である。
水不溶性樹脂で被覆された顔料粒子の平均粒子径は、80乃至150nm程度がインク保存安定性、発色性の観点から好ましい。
また、自己分散顔料としては表面処理済みの市販品を用いることもでき、例えば、CABO−JET200、CABO−JET300(キャボット社製)、ボンジェットCW1(オリエント化学工業(株)製)等を挙げることができる。
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
本発明に係る水性顔料インクにおいては、記録媒体への定着性を高め、耐擦性、接着性、耐水性などを高めるため、樹脂成分を含有することが好ましい。
樹脂成分としては、従来から用いられている顔料分散用樹脂として用いても良いし、インク調製時に追加添加したものでもよい。
本発明においては、少なくとも1色の水性顔料インクが、樹脂成分固形分としてインク中に6.0質量%以上含有することが、定着性を高める上で好ましい。
本発明でいう樹脂成分とは、水溶性樹脂であっても水分散性樹脂であってもよく、両者を併用しても良い。
水溶性樹脂としては、樹脂中に疎水性成分と親水性成分をあるバランスで有するものを設計して用いる。この際、親水性成分としてはイオン性のもの、ノニオン性のものどちらを用いてもよいが、より好ましくはイオン性のものであり、更に好ましくはアニオン性のものである。特に、アニオン性のものを揮発可能な塩基成分で中和することで水溶性を付与したものが好ましい。特に、インク溶解性樹脂の少なくとも1種は酸性基としてカルボキシル基またはスルホン酸基を有しており、且つ酸価が80mgKOH/g以上、300mgKOH/g未満である樹脂が好ましい。酸価としては、90mgKOH/g乃至200mgKOH/g程度のものを用いる。
酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数である。
このような樹脂としては、例えば、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系の各樹脂を挙げることができ、特に、アクリル共重合体及びスチレン−アクリルが好ましい。
疎水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル等)、スチレン等が挙げられる。
親水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等が挙げられ、アクリル酸のような酸性基を有するものは、重合後に塩基で中和したものを好ましく用いることができる。
樹脂の分子量としては、平均分子量で3000から30000のものを用いることができる。好ましくは7000から20000のものを用いることができる。
樹脂のTgは−30℃から100℃程度のものを用いることができる。好ましくは−10℃から80℃程度のものを用いることができる。
重合方法としては、溶液重合を用いることが好ましい。
樹脂の酸性モノマー由来の酸性基は部分的、あるいは完全に塩基成分で中和することが好ましい。この場合の中和塩基としては、アルカリ金属含有塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等や、アミン類(アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン等を用いることができる)を用いることができる。特に、沸点が200℃未満のアミン類で中和することは、画像耐久性向上の観点から特に好ましい。
本発明のインクは水溶性樹脂の他に水分散性樹脂を併用してもよい。特に、Tgが20−80℃の水分散性樹脂を、水溶性樹脂より少ない量添加することは、いっそうの耐擦性向上する上で好ましい。
水性顔料インクは、普通紙やインク吸収層を具備したインクジェット専用紙はもとよりインク吸収性層のない、コート紙やフィルムなどの樹脂素材や布帛、皮革素材などにもプリントできるものが好ましい。このような機能を持つためにも、樹脂成分固形分としてインク中に6.0質量%以上含有することがこのましい。
本発明に係るインクにおいては、表面張力が35mN/m未満の有機溶剤を10質量%から30質量%含有することが好ましい。印刷用コート紙、フィルム基材、樹脂材料、布帛などさまざまな媒体にプリントした場合、十分にインク混じりが防止でき、布帛では繊維にそったにじみをいっそう抑えることが出来好ましい。
本発明に係るインクの表面張力は、23〜30mN/mの範囲に調整することが好ましい。インクの表面張力を上記の範囲に調整する手段としては、表面張力35mN/m未満の有機溶剤を10%から30%含有させ、さらに、シリコン系もしくはフッ素系の界面活性剤を添加することで調整することができる。この様な表面張力値とすることにより、プラスチックフィルムなどの記録媒体に対しても、インク混じりを抑制してプリントすることができる。シリコン系の界面活性剤としては、好ましくはポリエーテル変性ポリシロキサン化合物があり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK347、BYK348などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素の代わりに、その一部または全部をフッ素で置換したものを意味する。この内、分子内にパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
フッ素系の界面活性剤の内、ある種のものはDIC社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、旭硝子社からサーフロン(Surflon)なる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、またファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
本発明に係る水性顔料インクには、必要に応じて、吐出安定性、記録ヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
(記録媒体)
本発明に係る水性顔料インクは、ポリ塩化ビニルシート等の非吸収性記録媒体、普通紙、コート紙、インクジェット専用紙等に印字するのに適している。
非吸収性記録媒体としては、高分子シート、ボード(軟質塩ビ、硬質塩ビ、アクリル板、ポリオレフィン系等)、ガラス、タイル、ゴム、合成紙等が挙げられる。
低吸収もしくは吸収性記録媒体としては、種々の布帛(綿、絹、毛、ポリエステル等)、普通紙(コピー紙、印刷用普通紙)、コート紙、アート紙、インクジェット専用紙、インクジェット光沢紙、ダンボール、木材等が挙げられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、図5〜図10に示す6つのメンテナンスモードを選択的に実行してキャップ15や記録ヘッド4のノズル面41の洗浄を行う場合を例示したが、これに限らず、例えば、図10に示すキャップ清掃モードを少なくとも含む少なくとも1つのメンテナンスモードを有するように構成すればよい。
また、本実施形態では、図9に示すノズル孔内清掃モードにおいてワイピング後のフラッシング動作を行う場合を例示したが、例えば、図6のノズル面清掃モードや図10のキャップ清掃モードにおいてもワイピング後のフラッシング動作を行うように構成してもよい。ワイピングによりノズル孔内に洗浄液が押し込まれたとしても、ワイピング後のフラッシング動作により、ノズル孔内の洗浄液を確実に除去できる。
また、本実施形態では、図10のキャップ清掃モードにおいてキャップ15と記録ヘッド4の当接、離間する動作を複数回行う場合に、最初に当接する前にのみ洗浄液を凹部30に溢れさせて充填する動作を行う場合を例示したが、例えば、キャップ15と記録ヘッド4を当接させる都度、その当接前に、洗浄液を凹部30に溢れさせて補充する動作を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、各メンテナンスモードにおける一連の処理を制御部20の制御下で自動で実行する場合を例示したが、これに限らず、例えば、各メンテナンスモードにおける一連の処理を制御部20への使用者の指示により手動で実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図10のキャップ清掃モードにおいて、キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液がキャップの記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、キャップを記録ヘッドに当接させることにより、溢れた洗浄液を記録ヘッドのキャップとの当接部に接触させて洗浄する場合を例示したが、溢れた洗浄液をキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部に接触させるように構成すればよく、例えば、キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液がキャップの記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、キャップを記録ヘッドに近接させることにより、溢れた洗浄液を記録ヘッドのキャップとの当接部に接触させて洗浄するようにしてもよい。また、キャップを記録ヘッドに近接させた状態で、キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液を供給し、溢れた洗浄液をキャップの記録ヘッドとの当接部及び記録ヘッドのキャップとの当接部に接触させて洗浄するようにしてもよい。
なお、近接とは、溢れた洗浄液が記録ヘッドのキャップとの当接部に接触する程度にキャップを記録ヘッドに近づけることを意味し、近接と離間動作を繰り返して行う場合、離間とは、凹部から溢れた洗浄液が記録ヘッドのキャップとの当接部に接触しない程度にキャップを記録ヘッドから遠ざけることを意味する。
1 インクジェット記録装置
3 洗浄液タンク
4 記録ヘッド
6 インクタンク
10 送液弁
15 キャップ
18 大気連通弁
20 制御部
30 凹部
41 ノズル面
42 ノズル
W 洗浄液

Claims (18)

  1. インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
    前記ノズル側に凹部を対向させた状態で前記記録ヘッドに当接可能なキャップと、
    前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、
    前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させた状態を所定時間保持することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることにより、溢れた洗浄液を前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態を所定時間保持した後、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記洗浄液供給手段により前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させた後、離間する動作を複数回行うことを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記洗浄液が付着した前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部を含むノズル面をワイピングするワイピング手段を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記ワイピング手段によるワイピング後に、前記ノズルから少なくとも前記ノズル内の前記洗浄液を吐出させる吐出手段を備えることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記洗浄液が、塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクが、水性顔料インクであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドの前記ノズル側に凹部を対向させた状態で前記記録ヘッドに当接可能なキャップを用い、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液を供給し、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させて洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とするインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  11. 前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液を前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部及び前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させた状態を所定時間保持することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  12. 前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることにより、溢れた洗浄液を前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部に接触させることを特徴とする請求項10または11に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  13. 前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態を所定時間保持した後、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  14. 前記洗浄工程は、前記キャップの凹部にその内部容積を超える量の洗浄液が供給され、溢れた洗浄液が前記キャップの前記記録ヘッドとの当接部に接触した状態で、前記キャップを前記記録ヘッドに近接または当接させた後、離間する動作を複数回行うことを特徴とする請求項12または13に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  15. 前記洗浄工程の後に、前記洗浄液が付着した前記記録ヘッドの前記キャップとの当接部を含むノズル面をワイピングするワイピング工程を含むことを特徴とする請求項10から14の何れか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  16. 前記ワイピング工程の後に、前記ノズルから少なくとも前記ノズル内の前記洗浄液を吐出させる吐出工程を含むことを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  17. 前記洗浄液が、塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項10から16の何れか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  18. 前記インクが、水性顔料インクであることを特徴とする請求項10から17の何れか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
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