JPWO2010150472A1 - 振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した通信装置 - Google Patents

振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した通信装置 Download PDF

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Abstract

振動発電器200と、整流回路ブリッジ205と、出力制御回路201と、負荷回路202と、周波数検出回路204とを備え、振動発電器200の周波数を検出し、周波数に応じて出力制御回路101のインピーダンスを制御することで、振動発電装置200の発電電力を効率よく取り出すことができる。

Description

本発明は、振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した通信装置に関し、エレクトレット材料を用いた静電誘導型振動発電器、振動発電装置、及びその振動発電装置を搭載した電気機器、及びこの振動発電装置を搭載した通信装置に関するものである。
可変容量の一方の電極に電荷を与え、対向する電極へ静電誘導により電荷を誘起し、容量の変化により、誘起される電荷に変化を生じさせ、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出す静電誘導型振動発電装置は、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7に、前記特許文献1に記載された、静電誘導型振動発電器を示す。図7は、エレクトレットを用いた振動発電器10の概略断面図である。
この静電誘導型発電器は、複数の導電性表面領域13を備えた第1の基板11と、複数のエレクトレット材料領域15を備えた第2の基板16とで構成される。前記第1の基板11と、前記第2の基板16は、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。エレクトレット材料領域15を含む第2の基板16は固定されている。導電性表面領域13を含む第1の基板11は固定構造17にバネ19を介して連結されている。バネ19は、第1の基板11の両側面に接続されるとともに、固定構造17に接続されている。このバネ19により、第1の基板11は定位置に戻ることができ、或いは、第1の基板は側方運動(例えばX軸方向運動)を行い、定位置に戻ることができる。この動きにより、エレクトレット材料領域15と、対向する導電性表面領域13との重なり面積の増減が生じ、導電性表面領域13に電荷の変化が生じる。静電誘導型発電器は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う。
特許文献2は、静電誘導型振動発電器を用いた静電動作装置を開示している。特許文献2には、静電動作装置の一例が示されている。図8に示すように、この装置41は、
・複数の可動電極22a、22bを備えた第1電極部20と、エレクトレット膜32と、当該膜32の上面に形成された第1誘電体層34を含む第2電極部30と、第1誘電体層34とエレクトレット膜32との間に設けられた第1絶縁膜33とで構成される振動発電器、
・複数の電極22a、22bそれぞれに接続されるブリッジ整流回路42a、42b、
・ブリッジ整流回路に接続されるDC−DCコンバータ43a、43b、および
・負荷40
からなる。ブリッジ整流回路は、可動電極22のそれぞれから出力される交流電圧を整流して直流電圧に変換する。変換された直流電圧は、DC−DCコンバータにより電圧変換され、負荷に出力される。
特表2005−529574号公報(第10−11頁、図4) 国際公開第2008/053793号パンフレット(図1、図10)
図9に、ある一つの静電誘導型振動発電器(以下、「振動発電器」と呼ぶことがある)において、いずれか一方の電極を同一振幅で振動させたときの、負荷抵抗と出力電力の関係を表す。振動発電器は、容量の変化により誘起される電荷を電気エネルギーとして取り出すことによって発電を行う。したがって、負荷が整合インピーダンスであるときに(即ち、負荷のインピーダンスと振動発電器のインピーダンスとが整合しているときに)最大の出力電力が得られ、それ以外の負荷条件では出力電力は小さくなる。また、振動発電器は、その振動周波数に応じて、内部インピーダンスが変化し、それにより整合インピーダンスも変化する。即ち、負荷と接続した振動発電装置は、負荷の状態または振動の状態により、発電量が変化するといった課題を有していた。
さらに、これまでに提案された振動発電器は、その出力状態(周波数、出力電力)を示す信号を他の回路に送信するように構成されていない。そのため、例えば、振動発電器が振動しておらず発電していないときに、負荷が不必要に動作し、蓄電池または他の電源から、電力を無駄に消費することがある。
本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたものである。本発明は、特に、負荷の状態が変化した場合でも、出力電力を低下させることなく、負荷を駆動させ得る、振動発電装置、ならびに振動周波数に応じて効率よく電力を取り出すことが可能な振動発電器および振動発電装置、発電状態を検出することを可能にする振動発電器および振動発電装置、ならびにこれらの振動発電装置または振動発電器を利用した通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、負荷回路の状態および/または振動発電器の振動の周波数を検出して、出力制御回路のインピーダンスを制御する振動発電装置を提供する。
本発明は、第1の要旨において、
振動発電器と、
前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
前記振動発電器の振動周波数を検出する周波数検出回路と
を含み、
前記周波数検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
振動発電装置を提供する。
本発明の第1の要旨に係る振動発電装置において、振動発電器は、
第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
を含み、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力する
振動発電器であることが好ましい。その場合、前記前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号が、前記周波数検出回路に送信され、当該信号に基づいて、前記周波数検出回路がフィードバック信号を出力制御回路に送信することとなる。
本発明はまた、第2の要旨において、
振動発電器と、
前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
前記負荷回路の負荷状態を検出する負荷検出回路と
を含み、
前記負荷検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
振動発電装置を提供する。
第1の要旨および第2の要旨に係る振動発電装置は、負荷回路の状態または振動発電器の振動の周波数を検出し、検出結果に基づいてインピーダンスを制御すること(またはそのような制御を可能にすること)を特徴とする。この特徴によって、振動発電器で発生する電力を効率良く且つ安定的に取り出すことが可能となり、その結果、振動発電装置を高効率で作動させることが可能となる。
本発明はまた、第3の要旨において、
第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
を含み、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力し、
前記第3の電極と前記第1の電極とで構成される容量が、前記第2の電極と前記第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、前記第3の電極が形成されている、
振動発電器を提供する。第3の要旨に係る振動発電器は、第1の要旨に係る振動発電装置において振動発電器として有用である。あるいは、この振動発電器は、第1の電極と第3の電極との重なり面積の変化を利用して出力される発電の周波数に応じた信号を、発電状態を検出するための信号として用いることを可能にし、それにより、この振動発電器が発電した電力により駆動される負荷回路において、不要な電力損失を無くすことができる。
本発明の第1の要旨に係る振動発電装置は、振動発電器の振動の周波数が変化した場合に、振動周波数に応じて出力制御を行うことができ、振動周波数の変化に起因する出力電力の低下を低減することができる。さらにまた、第1の要旨に係る振動発電装置においては、振動発電器の振動周波数に合わせて負荷を制御することができ、その結果、振動発電器からの出力電力の安定を図ることが可能である。本発明の第2の要旨に係る振動発電装置は、負荷の状態が変化した場合に、振動発電器からの出力電力の低下を低減することができる。本発明の第1および第2の要旨に係る振動発装置を用いる場合には、インピーダンス制御を用いない場合と比較して、負荷回路に必要な電圧レベルへの変換が容易となる。
また、本発明の第3の要旨に係る振動発電器は、例えば、本発明の第1の要旨に係る振動発電装置の振動発電器として用いることができる。その場合に、達成される効果は先に説明したとおりである。あるいは、本発明の第3の要旨に係る振動発電器は、振動発電器における発電状態を検出し、発電状態に基づいて負荷回路を直接制御すること、または出力制御回路を介して負荷回路を制御することを可能にする。それにより、負荷回路における不要な電力損失を無くすことができる。
本発明の振動発電装置または振動発電器を用いた通信装置は、電池のみを電源とする装置と比較して、電池交換等のメンテナンス回数を低減でき、あるいは用途によっては、電池交換が不要となる。
(a)本発明の実施の形態1における振動発電装置を示すブロック図(b)本発明の実施の形態1における振動発電装置に接続される負荷回路を示すブロック図 (a)本発明の実施の形態1における振動発電器の所定の振動周波数における出力電流と出力電圧の関係を示すグラフ(b)本発明の実施の形態1における振動発電装置で駆動される負荷回路の状態と出力電圧の関係の一例を示すグラフ (a)本発明の実施の形態2における振動発電装置を示すブロック図(b)本発明の実施の形態2における振動発電装置を構成する振動発電器の断面図 本発明の実施の形態2における振動発電器の3つの周波数における出力電流と出力電圧の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態3における振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態4における通信装置を示すブロック図 従来の静電誘導型振動発電器の構造を示す断面図 従来の静電誘導型振動発電装置を示すブロック図 静電誘導型振動発電器の負荷抵抗と出力電力の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態4における振動発電装置で駆動される負荷回路の状態と出力電圧の関係の一例を示すグラフ (a)本発明の振動発電器における、第3の電極と第2の電極の配置の一例を示す平面図(b)本発明の振動発電器における、第3の電極と第2の電極の配置の別の例を示す平面図 本発明の実施の形態5における振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態5の変形例における振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態6における通信装置を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における振動発電装置(単に「発電装置」と呼ぶこともある)およびこれに接続された負荷のブロック図である。
図1において、振動発電器(単に「発電器」と呼ぶこともある)100の出力端子は、整流回路ブロックに接続される。整流回路ブロック105は、4つのダイオードおよびコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック105は、出力制御回路101に接続され、振動発電器100の出力がこの回路101に送られる。出力制御回路101は、負荷回路102に接続されている。負荷検出回路103は、負荷回路102の負荷状態を検出して、出力制御回路101に負荷状態をフィードバックする。
振動発電器100は、エレクトレット電極と容量電極の重なり面積の増減により、容量電極に誘起される電荷を電気エネルギーとして取り出すことで発電を行う。ここで、「電極の重なり面積」は、電極が設けられる基板の主表面に対して垂直な方向から見て、2つの電極が重なっている面積を指す。振動発電器の構成は、特に限定されず、例えば、背景技術の欄で説明したような構成のものであってよい。
負荷回路102は、具体的には、例えば、図1(b)に示すような構成を有してよい。図1(b)に示す負荷回路102は、少なくとも制御回路111と、無線通信回路112と、アンテナ113と、センサ114とで構成される。この負荷回路を含むデバイスは、無線ICタグ(またはRFIDタグ)と呼ばれることもある。
図1(b)に示す負荷回路102に接続される振動発電装置の動作について、以下に説明する。
振動発電器100からは、外部からの振動により静電誘導によって誘起される電荷が、電気エネルギーとして取り出される。この時、振動発電器100からの出力は、外部振動の周波数に応じた交流信号となる。交流信号は、整流ブロック105により直流電圧に変換されて、出力制御回路101へ入力される。
出力制御回路101は、負荷回路102への供給電力を制御する。負荷回路102の動作が軽い負荷となり、(振動発電器100の供給電力)>(負荷回路の消費電力)となる場合は、蓄電回路等(図1(a)には示していない)に電荷を蓄積することが好ましい。また、負荷回路102の動作が重い負荷となり、(振動発電器100の供給電力)<(負荷回路の消費電力)となる場合は、蓄電回路または場合によっては電池(図1(a)には示していない)等から電力を供給するといった制御を行う。
このとき、負荷検出回路103は、負荷回路102の動作に応じて、出力制御回路101のインピーダンスを制御し、整流回路ブロック105から見たインピーダンスが一定となるように制御を行う。制御は、例えば、スイッチング素子等を用いて、負荷回路103の動作に合わせて出力制御回路101のインピーダンスの切り替えを行うことによって制御できる。制御それ自体は、電気/電子回路で一般的に使用されている方法を用いて実施することができる。
負荷検出回路103は、負荷が動作しているときに、動作している負荷が実際に消費している電力を検出するものであってよい。あるいは、負荷検出回路103は、負荷がある動作をする前に、当該動作により消費される電力を検出するものであってよく、あるいはまた、負荷がある動作をした後に、当該動作の後に行われる別の動作により消費される電力を検出するものであってよい。即ち、本発明の振動発電装置に用いられる負荷検出回路は、負荷が実際に消費している電力をその場で検出する回路であってよく、および/または消費される電力を予測する回路であってよい。
負荷回路102が、図1(b)に示す回路である場合には、負荷検出回路103を、制御回路111に接続することにより、負荷回路102の動作を検出することができる。ここでは、制御回路に入力される電流を検出することにより、動作している負荷が実際に消費している電力を検出する例を示す。図1(b)に示す負荷回路は、スタンバイ(電流小)、マイコン動作(電流中)、および通信(電流大)の3つの動作モードを有している。したがって、負荷回路102の負荷変動は、負荷検出回路103を制御回路111に接続することによって、検出する(予測することも含む)ことができる。検出した負荷変動に基づいて出力制御回路101にフィードバック信号として送信すると、動作モードに応じて、出力制御回路101が負荷インピーダンスを制御できる。
また、その動作モードの切り変えのタイミングは、制御回路111によって制御されている。したがって、負荷回路102の負荷変動は、負荷検出回路103を制御回路111に接続することによって、予測することも可能である。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
1)負荷の状態が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
2)負荷インピーダンスを効率的な発電を行うことができるように制御することによって、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
上記1)の効果を、図2を参照して、さらに説明する。図2(a)は、振動発電器の出力電流−電圧特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は振動発電器の出力電流であり、縦軸は振動発電器の出力電圧である。出力電圧は、このグラフにおいて実線で示すように、開放状態のときに最大となり(電圧最大)、短絡状態のときに最小となる(電圧最小)。この実施の形態の振動発電装置においては、負荷の状態に応じて負荷インピーダンスが制御されるため、振動発電器の発電電力は、負荷整合の状態にて、効率良く取り出すことができる。
また、図2(a)に示す特性を有する振動発電器は、出力電圧を開放電圧の75%〜85%の電圧に制御すると、高効率での動作が可能となる。より詳細には、図2(a)に示すグラフにおいて、等電力曲線を、電力が最大となるように記載すると、破線で示す曲線となる。この等電力曲線と、電流−電圧特性を示す曲線と接する点は、おおよそ最大出力電圧(負荷開放での出力電圧)の80%である。したがって、出力電圧を、開放電圧の75%〜85%、好ましくは80%となるように制御すると、効率よく誘起電荷を取り出すことが可能となる。本実施の形態によれば、そのような出力電圧の制御は、負荷インピーダンスを制御することによって実現することができる。
上記2)の効果を説明する。負荷インピーダンスを振動発電器が効率的な発電を行うことができるように制御すると、振動発電器の出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が、負荷状態の検出に基づく制御を行わない場合と比べて、容易になる。
図1(b)に示す負荷回路を駆動させる場合、負荷回路の主要な動作は、センサ114からのデータをメモリへ蓄積するマイコン動作(動作1)、メモリに蓄積されたデータを無線通信により送信する動作(動作2)、負荷回路102がスタンバイとなる動作(動作3)である。これらの動作の際に加わる負荷(消費電力)は、図2(b)に示すように、動作2>動作1>動作3の順に小さくなり、その変化に応じて、負荷インピーダンスが変化する。この負荷回路を、振動発電器100の発電電力で駆動させる場合、最大出力が得られるときに無線通信(動作2)が行われ、それよりも小さい電力でセンサが動作し(動作1)、出力電圧が最大となる付近でスタンバイ状態(動作3)となる。ここで、振動発電器が効率的な発電を行うことができるよう(常に最大出力となるよう)に負荷インピーダンスを制御すると、出力される電圧も一定となり、負荷変動による出力電圧レベルの変動が抑制される。その結果、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
以上のような出力制御が可能となれば、蓄電回路および他の電源からの電力の供給が不要となる。したがって、そのような制御が可能となるように、負荷回路および振動発電器を設計することによって、電池または蓄電部を無くすことができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における振動発電装置のブロック図である。実施の形態1の発電装置においては、負荷回路の状態を検出し、検出結果を出力制御回路にフィードバックして、出力を制御しているのに対して、本実施の形態では、発電器の振動周波数(出力電圧の周波数)を検出して、出力制御回路を制御している。その点において、実施の形態2の発電装置は、実施の形態1の発電装置とは異なる。
図3(a)に示すように、この実施の形態の発電装置において、振動発電器200の出力端子は、整流回路ブロック205に接続される。整流回路ブロック205は、ダイオード4つとコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック205は、出力制御回路に接続され、振動発電器200の出力がこの回路ブロック205に送られる。出力制御回路201は、負荷回路202に接続されている。周波数検出回路204は、振動発電器200からの出力電力の周波数を検出して、出力制御回路201に出力状態をフィードバックする。
次に、本実施の形態で好ましく使用される振動発電器の構造を、図3(b)を用いて説明する。図3(b)において、振動発電器200は、第1の構造体211(第1の基板を含む)と第2の構造体212(第2の基板を含む)により構成される。図3(b)において、第1の電極213(電極群A)は第1の構造体211上に形成される。第1の構造体211は、弾性構造体214により第2の構造体212に、接続される。図3(b)に示すように、第2の電極215および第3の電極216(電極群B)は第2の構造体212上に、第1の電極213と対向する位置に形成される。
第1の構造体211と第2の構造体212は、第1の電極213と第2の電極215が向かい合うように接続される。このように固定することで、第1の構造体211上に形成された第1の電極213が、第2の構造体212上に形成された第2の電極215に対して相対的に変位可能な構造となる。振動発電器200は、従来の構造に示す静電誘導型振動発電器と同様に、第1の電極213と第2の電極215の重なり面積の増減により、第2の電極215に誘起される電荷を電気エネルギーとして取り出すことによって、発電を行う。
また、図3(b)に示す振動発電器では、第2の構造体212上に、振動周波数の変化を検出するための第3の電極216が形成され、第2の電極215とともに、第2の構造体212上で電極群Bを形成している。第3の電極216は、第2の電極215と同様に、第1の電極213と向かい合うように形成されている。第1の構造体211が振動することにより、第1の電極213と第3の電極216の重なり面積に増減が生じ、電荷が第3の電極216に誘起され、第2の電極215と同じ周波数の交流電圧が、第3の電極216から出力される。
図3(b)に示す振動発電器において、電極群Aおよび電極群Bのいずれか一方は、電荷を保持した膜を含む。電荷を保持した膜(エレクトレットとも呼ばれる)を構成する材料として、ポリプロピレン、ポリエステルテレフタレート、およびポリビニルクロライドなどの高分子材料、および酸化シリコンなどの無機材料が挙げられる。
第3の電極216は、1つであってもよく、あるいは複数であってよい。即ち、第3の電極と第1の電極とで構成される容量が、第2の電極と第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、第3の電極が形成されていてよい。その場合には、第3の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスが、第2の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスよりも高いインピーダンスとなる。第3の電極216は、周波数の変化を検出するためのものであるから、発電のための第2電極とは異なり、負荷とインピーダンスを整合させる必要がない。したがって、第3の電極216がたとえ一つであっても、インピーダンスを適宜調節することにより、周波数の検出を十分に行うことができる。
第3の電極は、第2の基板の中心またはその近くに形成することが好ましい。第3の電極が、第2の基板の端部(振動中心から遠い側)に位置すると、第2の基板が第1の基板に対して相対的に移動して振動しているときに、第3の電極と第1の電極との重なり(クロスオーバー)が生じなくなって、周波数を正しく検出できない可能性がある。
具体的には、図11(a)および図11(b)に示すように、第2の電極215および第3の電極216を第2の基板に設けることが好ましい。図11(a)および図11(b)において、Cで表される破線は、第2の基板が両矢印で示される方向に振動する場合において、振動の中心線となる。図11(a)において、第3の電極216は、第2の電極215と等間隔に配置されている。したがって、第3の電極216から出力される電圧は、第2の電極215から出力される電圧と同相となる。図11(b)において、第3の電極216は、等間隔で配置された第2の電極215の間に、割り込むように設けられている。したがって、第3の電極216から出力される電圧は、第2の電極215から出力される電圧の逆相となる。
上記のように構成された振動発電器を含む、振動発電装置の動作を説明する。
振動発電器200が発電した電力は、実施の形態1と同様に、負荷回路202に供給されて、負荷回路102で消費される。実施の形態2の発電装置が実施の形態1のそれとは異なる点は、負荷回路202が固定であること、および外部から加えられる力の変化に起因する、振動発電器200の振動周波数の変化が検出されることである。
ここで、周波数検出回路204をより詳細に説明する。周波数検出回路204は、振動発電器200の第3の電極216に誘起される電荷を検出し、周波数変換を行う。検出された周波数情報に基づいて、出力制御回路201は、振動発電器200からの出力電力が最大となるように、インピーダンス制御を行う。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
1)振動の周波数が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
2)出力制御回路のインピーダンスを一定に制御することによって、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
上記1)の効果を、図4を参照して、さらに説明する。図4は、振動発電器の出力電流−電圧特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は振動発電器の出力電流であり、縦軸は振動発電器の出力電圧である。このグラフには、それぞれ周波数の異なる出力特性(周波数A、周波数B、周波数C)を示している。周波数は、周波数A<周波数B<周波数Cの順に高くなっている。周波数が変化することにより、出力可能な電流値が異なる。この実施の形態においては、周波数の変化に応じて、電力を効率よく取り出すことができるように、周波数の変化に応じて、インピーダンスを変化させている。この実施の形態においても、実施の形態1で説明したように、出力周波数の出力特性に応じて、出力電圧を、開放電圧の75%から85%、好ましくは80%となるように制御することによって、高効率で発電器を動作させることができる。
上記2)の効果を説明する。振動発電器の周波数を検出し、検出した結果に基づいて出力制御回路を制御するように回路を設計すると、振動発電器の出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が、周波数検出に基づく制御を行わない場合と比べて、容易になる。
図3において、振動発電器は、振動周波数検出回路に接続される出力端子と接続された第3の電極を備えた形態のものである。実施の形態2の変形例において、振動発電器は、第1の電極および第2の電極で形成され、第3の電極を備えていないものであってよく、例えば、従来の振動発電器であってよい。そのような発電器を用いるときには、振動発電器で得られる電力の一部を、周波数の検出を行う回路に送って、周波数の検出を行う。したがって、その場合、負荷に送るべき電力が検出回路で消費されることがあり、図3に示す振動発電器を用いる場合と比較して、振動発電器の効率が低下することがある。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における振動発電装置のブロック図である。本実施の形態では、負荷回路の状態、及び振動発電器の振動周波数(出力電圧の周波数)の両方を検出し、それらの検出結果をフィードバックして、出力制御回路を制御している。
図5に示すように、この実施の形態の発電装置において、振動発電器300の出力端子は、整流回路ブロック305に接続される。整流回路ブロック305は、ダイオード4つとコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック305は、出力制御回路に接続され、振動発電器300からの出力がこの回路ブロック305に送られる。出力制御回路301は、負荷回路302に接続されている。
負荷検出回路303は、負荷回路302の動作の状態(負荷状態)を検出し、出力制御回路301に負荷状態をフィードバックする。出力制御回路301は、このフィードバックに基づいて、振動発電器300からの出力電力が最大となるように、制御を行う。
周波数検出回路304は、振動発電器300からの出力電力の周波数を検出して、出力制御回路301に出力状態をフィードバックする。出力制御回路301は、このフィードバックに基づいて、周波数に応じて最大の出力電力が得られるように、制御を行う。
本実施の形態に用いる負荷回路302および振動発電器300は、それぞれ実施の形態1および実施の形態2で説明した負荷回路102および振動発電器200と同様である。負荷検出回路303は、実施の形態1で説明した負荷検出回路103と同様である。周波数検出回路304は、実施の形態2で説明した周波数検出回路204と同様である。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
1)振動の周波数が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
2)負荷の状態が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
3)出力制御回路のインピーダンスを一定に制御することによって、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
上記効果は、実施の形態1、及び実施の形態2で述べたとおりである。即ち、この形態の振動発電装置は、負荷回路の動作モードの変化に対応してインピーダンスを変化させることが可能となる、及び外部からの振動が変化する環境での動作においても、誘起された電荷を有効に取り出すことが可能となる等、有用な効果をもたらす。
(実施の形態4)
図6は、自動車に搭載されるタイヤ空気圧モニタリングシステムで使用される通信装置のブロック図である。図6において、発電装置として、実施の形態3で示された振動発電装置が使用され、出力制御回路401は、電源制御部401Aおよび蓄電部401Bを含むように構成される。
図6において、通信装置410は、振動により発電を行う振動発電器400、整流回路ブロック405、及び振動発電器の振動周波数を検出する周波数検出回路404、出力制御回路401、負荷回路402、及び負荷の状態を検出する負荷検出回路403で構成される。
出力制御回路401は、前述のように、電源制御部401Aと蓄電部401Bを含む。また、負荷回路402は、制御回路411、無線通信回路412、アンテナ413、および圧力センサ414からなる。
この構成の通信装置410の動作を説明する。圧力センサ414、制御回路411、無線通信回路412が動作するために必要な電力を、振動発電装置から供給する。振動発電装置は、タイヤの振動により振動させられる振動発電器400から取り出される交流電力を、負荷402に供給する。取り出された交流電力は、整流回路ブロック405で直流に変換され、電源制御部に出力される。電源制御部は、負荷検出回路403が検出した負荷回路402の状態に応じて、振動発電器からの電力のみ、振動発電器からの電力と蓄電部からの電力、または蓄電部からの電力のみを、負荷回路402に供給する。圧力センサ414は、タイヤの空気圧を測定し、測定結果を電圧信号に変換し、この電圧信号は制御回路411に入力される。制御回路411で処理された信号は、無線通信回路412へ入力され、高周波信号としてアンテナ413から伝搬される。
負荷回路402の主要な動作は、センサ414からのデータをメモリへ蓄積する動作(動作1)、メモリに蓄積されたデータを無線通信により送信する動作(動作2)、負荷回路402がスタンバイとなる動作(動作3)である。これらの動作の際に加わる負荷(消費電力)は、動作2>動作1>動作3の順に小さくなり、その変化に応じて、負荷インピーダンスが変化する。この動作1、動作2、動作3の状態を、負荷検出403で検出し、検出結果を出力制御回路401へフィードバックすることにより、振動発電器400からの出力電力が最大となるように制御を行う。
制御は、具体的には、出力制御回路401のインピーダンスを制御し、整流回路ブロック405から見たインピーダンスが一定となるように行われる。例えば、図12に示すように、負荷回路402が動作2の状態にあるインピーダンスにて、振動発電器400の発電量が最大となる回路において、負荷回路402の動作が動作1に変化したときには、出力制御回路の入力インピーダンスが一定となるように、蓄電回路に電荷を供給する。さらに、動作3に変化したときには、蓄電回路のインピーダンスを制御し、入力インピーダンスが一定となるようにする。制御は、スイッチング素子等を用いて、動作に合わせて切り替えを行うことにより、簡単に行うことができる。
さらに、この通信装置においては、振動発電器400からの出力電力の周波数を周波数検出回路404が検出して、出力制御回路401にフィードバックする。出力制御回路401は、このフィードバックに基づいて、周波数に応じて最大の出力電力が得られるように制御を行う。
このように、本発明の振動発電装置を通信装置の電源として利用する場合、電池交換等のメンテナンス作業回数の低減することが可能であり、或いは電池交換を無くすことが可能である。これらは、本発明の振動発電装置の有用な効果である。
本実施の形態では、出力制御回路が蓄電部を含み、振動発電器からの電力の一部を蓄電部に供給し、蓄電した電力を必要に応じて、負荷に供給する例を示した。別の形態において、蓄電部に代えて、又は蓄電部とともに、電池を使用してよい。あるいは、振動発電器からの出力電力が、圧力センサ、制御回路、通信部等で消費する電力、および通信に必要な電力を十分にまかなうことができるものであれば、蓄電部および/または電池を無くして、振動発電器のみを電力源としてよい。その場合、蓄電部および/または電池、ならびに電源制御部が不要となり、機器の小型化において有利である。
(実施の形態5)
図12は、本発明の第3の要旨に係る振動発電器を備えた振動発電装置のブロック図である。実施の形態2の発電装置においては、発電器からの出力周波数を検出し、検出結果を出力制御回路に入力して、出力を制御している。これに対して、本実施の形態では、実施の形態2で用いた振動発電器と同様の振動発電器を用いて、発電器の振動発電の有無を検出して、負荷回路を制御している。その点において、実施の形態5の発電装置は、実施の形態2の発電装置とは異なる。
図12に示すように、この実施の形態の発電装置において、振動発電器200の出力端子は、整流回路ブロック205に接続される。整流回路ブロック205は、ダイオード4つとコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック205は、出力制御回路に接続され、振動発電器200の出力がこの回路ブロック205に送られる。出力制御回路201は、負荷回路202に接続されている。504で示される回路は、振動発電器200の出力状態を検出して、負荷回路202に出力状態をフィードバックする。ここでは、504で示す回路を、便宜的に、発電検出回路と呼ぶ。
本実施の形態で好ましく使用される振動発電器の構造は、実施の形態2で説明した図3(b)に示すものと同じである。本実施の形態においても、第1の電極213と第3の電極216の重なり面積に増減が生じ、電荷が第3の電極216に誘起され、第2の電極215と同じ周波数の交流電圧が、第3の電極216から出力される。本実施の形態において、発電検出回路504は、第3の電極216から出力された周波数信号を受信して、振動発電器が発電状態にあるか否かのみを検出するものであってよく、あるいは、その周波数信号から、振動発電器200から出力されている電力の値を検出するものであってよい。即ち、本実施の形態において、発電検出回路504は、発電の有無、出力電力の値、および出力電圧の値のいずれか1つまたは複数を検出するために用いられる。
次に、振動発電装置の動作を説明する。
振動発電器200が発電した電力は、実施の形態2と同様に、負荷回路202に供給されて、負荷回路202で消費される。本実施の形態の発電装置が実施の形態2のそれとは異なる点は、周波数検出回路に代えて発電検出回路504が設けられ、発電検出回路502の出力が負荷回路202に入力されることである。
ここで、発電検出回路504をより詳細に説明する。発電検出回路504は、振動発電器200の第1の電極213と前記第3の電極216との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号に基づいて、振動発電器200の第3の電極216に誘起される電荷(発電の有無)を検出する。即ち、振動発電器200において、振動が生じていない又は振動の周波数がある一定以下の値である場合に、発電検出回路504は、振動発電器200の第3の電極216に電荷が誘起されておらず、したがって発電が行われていないと判断する。発電検出回路504は、振動発電器200における発電の状態(即ち、発電の有無)に応じて、負荷回路202の動作のオン・オフ制御を行う。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、振動発電器が発電していない場合において、負荷回路をオフとすることによって、負荷回路における不要な電力消費を抑制することができる。具体的には、後述のタイヤ空気圧モニタリングシステムのように、自動車が走行しておらず、タイヤの空気圧をモニタする必要が無いとき、即ち、振動発電器が振動していないときに、負荷を動作させる必要がないときに、負荷の動作を止めて、乾電池または蓄電池から電力が不必要に消費されることを抑制することができる。
本実施の形態では、発電検出回路504は、負荷回路202に接続されて、直接、負荷回路202の制御を行う。本実施の形態の他の変形例においては、発電検出回路504を出力制御回路201に接続して、出力制御回路201から負荷回路202への出力を停止するように制御するようにしてよい。その場合でも、図12に示した装置と同様の効果を得られる。
また、本実施の形態の他の変形例(図13参照)では、実施の形態1と同様に、負荷回路302により負荷の検出を行って、検出した結果を出力制御回路301へフィードバックし、かつ、発電検出回路504により発電器300の発電状況の検出を行い、出力制御回路301へフィードバックを行う。このように制御を行うことで、負荷状態に合わせた負荷制御(具体的には、インピーダンス制御)を行うとともに、振動発電器が発電していない場合において、負荷回路における不要な電力消費を抑制することができる。
(実施の形態6)
図14は、自動車に搭載されるタイヤ空気圧モニタリングシステムで使用される通信装置のブロック図である。図14において、発電装置として、実施の形態5で示された振動発電装置が使用され、発電検出回路404は、負荷回路402を構成する無線通信回路412へ接続される。図14に示す通信装置410は、図6に示す通信装置とは、図6に示す周波数検出回路404に代えて、発電検出回路504が設けられている点においてのみ異なる。
図14において、通信装置410は、振動により発電を行う振動発電器400、整流回路ブロック405、及び振動発電器の発電の有無を検出する発電検出回路404、出力制御回路401、負荷回路402、及び負荷の状態を検出する負荷検出回路403で構成される。
出力制御回路401は、前述のように、電源制御部と蓄電部を含む。また、負荷回路402は、制御回路411、無線通信回路412、アンテナ413、および圧力センサ414からなる。
この構成の通信装置410の動作を説明する。圧力センサ414、制御回路411、および無線通信回路412が動作するために必要な電力を、振動発電装置から供給する。振動発電装置は、タイヤの振動により振動させられる振動発電器400から取り出される交流電力を、負荷402に供給する。取り出された交流電力は、整流回路ブロック405で直流に変換され、電源制御部401Aに出力される。電源制御部401Aは、負荷検出回路403が検出した負荷回路402の状態に応じて、振動発電器からの電力のみ、振動発電器からの電力と蓄電部401Bからの電力、または蓄電部401Bからの電力のみを、負荷回路402に供給する。負荷回路402の主要な動作は、実施の形態4に関連して説明したとおりである。具体的には、圧力センサ414は、タイヤの空気圧を測定し、測定結果を電圧信号に変換し、この電圧信号は制御回路411に入力される。制御回路411で処理された信号は、無線通信回路412へ入力され、高周波信号としてアンテナ413から伝搬される。
発電検出回路504の動作について説明を行う。通常、タイヤ空気圧モニタリングシステムは、タイヤの空気圧を測定し、空気圧に異常がある場合は運転手に知らせ、自動車が安定に走行することを補助するものである。つまり、自動車が停止している状態では、タイヤの空気圧情報を無線通信回路412から送信する必要はなく、また、圧力センサによるタイヤの空気圧を測定する必要もない。
そこで、発電検出回路504は、発電器400の発電の有無、つまり、自動車が走行状態にあるかどうかを判断し、発電状態にあれば、そのことを示す信号を無線通信回路412に送信し、当該信号を受け取った無線通信回路412は空気圧情報を受信部(図示していない)に送信するように動作する。一方、発電器が発電していない場合(即ち、自動車が停止している場合、または自動車が停止しているとみなされる状態にある場合)には、発電検出回路504はそのことを示す信号を無線通信回路412に送信し、当該信号を受け取った無線通信回路412は動作を停止する。このように、発電検出回路504からの検出信号に基づいて、負荷回路402がオン/オフすることによって、不要な電力損失を無くすことが可能となる等の有用な効果を得ることができる。
あるいは、本実施の形態の変形例では、発電器が発電状態に無い場合、圧力センサ414の動作を停止してよい。その場合にも、前記の効果を得ることができる。あるいは、別の変形例において、発電検出回路504は、制御回路411に接続されていてよい。そのような変形例において、発電検出回路504から、発電器が発電状態に無いという信号が送信されたときに、制御回路411が、無線通信回路412および/または圧力センサの動作を止める制御信号を送る。そのような構成の通信装置においては、さらに不要な電力損失を無くすことができる。
本実施の形態では、発電の有無により、負荷回路の動作のオンおよびオフを行う例を示した。別の実施の形態においては、例えば、発電検出回路504は、第1の電極と第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号に基づいて、発電器の出力電力を検出するものであってよい。その場合、発電検出回路504が検出した出力電力が所望の値以下である場合に、例えば、圧力センサ414のみが動作し、無線通信回路412が無線通信する頻度を下げるように、負荷回路402が動作するように、通信装置410を構成してよい。そのような通信装置410においても、不要な電力損失を無くすことができる。
実施の形態2において説明した振動発電器に関する説明は、第3の電極から出力された周波数信号が、発電検出回路によって、振動発電器の発電状態を検出するために用いられる、振動発電装置において用いられる振動発電器にすべてあてはまる。即ち、実施の形態5および6に代表される、振動発電器の発電状態が検出される振動発電装置において、振動発電器は、
第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
を含み、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力する
振動発電器である。
この振動発電器においては、第3の電極と第1の電極とで構成される容量が、第2の電極と第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、第3の電極が形成されていることが好ましい。第3の電極と第1の電極との重なり面積の変化により発生する信号は、発電状態を検出するための信号として用いられ、発電には用いられない。したがって、発電される電力を大きくするためには、それらの電極が形成する容量を小さくして、第2の電極と第1の電極とで構成される容量が大きくなるようにすることが好ましい。尤も、第3の電極と第1の電極との重なり面積の変化により発生する信号が、発電状態を検出するための信号として用いられる限りにおいて、第3の電極と第1の電極とで構成される容量が、第2の電極と第1の電極とで構成される容量と同じ、またはそれよりも大きくなることは妨げられない。
この振動発電器においては、第3の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスが、第2の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスよりも高いインピーダンスとなるように、第3の電極が形成されていることが好ましい。その理由は、実施の形態2において説明したとおりである。
この振動発電器においては、第3の電極は、前記第2の基板の中心付近に形成されていることが好ましい。その理由は、実施の形態2において説明したとおりである。
この振動発電器においては、第3の電極は、第2の基板の中心付近に形成されている。その理由は、実施の形態2において説明したとおりである。また、この振動発電器において、第3の電極は、出力端子に発電検出回路が接続されるべきものであることが好ましい。
なお、上記において説明した実施の形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内において、すべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる振動発電装置は、負荷回路のインピーダンスが変化した場合、および振動発電器の振動周波数が変化した場合において、効率よく誘起電荷を振動発電器から取り出すことができ、静電誘導型振動発電装置として有用である。また、本発明にかかる振動発電装置は、小電力の無線通信モジュール等の用途において、電池の長寿命化、或いは電池レス動作を可能とするものであり、非常に有用である。
100 振動発電器
101 出力制御回路
102 負荷回路
103 負荷検出回路
111 制御回路
112 無線通信回路
113 アンテナ
114 センサ
204 周波数検出
211 第1の構造体
212 第2の構造体
213 第1の電極
214 弾性構造体
215 第2の電極
216 第3の電極
400 通信装置
504 発電検出回路
本発明は、振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した通信装置に関し、エレクトレット材料を用いた静電誘導型振動発電器、振動発電装置、及びその振動発電装置を搭載した電気機器、及びこの振動発電装置を搭載した通信装置に関するものである。
可変容量の一方の電極に電荷を与え、対向する電極へ静電誘導により電荷を誘起し、容量の変化により、誘起される電荷に変化を生じさせ、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出す静電誘導型振動発電装置は、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7に、前記特許文献1に記載された、静電誘導型振動発電器を示す。図7は、エレクトレットを用いた振動発電器10の概略断面図である。
この静電誘導型発電器は、複数の導電性表面領域13を備えた第1の基板11と、複数のエレクトレット材料領域15を備えた第2の基板16とで構成される。前記第1の基板11と、前記第2の基板16は、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。エレクトレット材料領域15を含む第2の基板16は固定されている。導電性表面領域13を含む第1の基板11は固定構造17にバネ19を介して連結されている。バネ19は、第1の基板11の両側面に接続されるとともに、固定構造17に接続されている。このバネ19により、第1の基板11は定位置に戻ることができ、或いは、第1の基板は側方運動(例えばX軸方向運動)を行い、定位置に戻ることができる。この動きにより、エレクトレット材料領域15と、対向する導電性表面領域13との重なり面積の増減が生じ、導電性表面領域13に電荷の変化が生じる。静電誘導型発電器は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う。
特許文献2は、静電誘導型振動発電器を用いた静電動作装置を開示している。特許文献2には、静電動作装置の一例が示されている。図8に示すように、この装置41は、
・複数の可動電極22a、22bを備えた第1電極部20と、エレクトレット膜32と、当該膜32の上面に形成された第1誘電体層34を含む第2電極部30と、第1誘電体層34とエレクトレット膜32との間に設けられた第1絶縁膜33とで構成される振動発電器、
・複数の電極22a、22bそれぞれに接続されるブリッジ整流回路42a、42b、
・ブリッジ整流回路に接続されるDC−DCコンバータ43a、43b、および
・負荷40
からなる。ブリッジ整流回路は、可動電極22のそれぞれから出力される交流電圧を整流して直流電圧に変換する。変換された直流電圧は、DC−DCコンバータにより電圧変換され、負荷に出力される。
特表2005−529574号公報(第10−11頁、図4) 国際公開第2008/053793号パンフレット(図1、図10)
静電誘導型振動発電器(以下、「振動発電器」と呼ぶことがある)、いずれか一方の電極を同一振幅で振動させたときの容量の変化により誘起される電荷を電気エネルギーとして取り出すことによって発電を行う。したがって、負荷が整合インピーダンスであるときに(即ち、負荷のインピーダンスと振動発電器のインピーダンスとが整合しているときに)最大の出力電力が得られ、それ以外の負荷条件では出力電力は小さくなる。また、振動発電器は、その振動周波数に応じて、内部インピーダンスが変化し、それにより整合インピーダンスも変化する。即ち、負荷と接続した振動発電装置は、負荷の状態または振動の状態により、発電量が変化するといった課題を有していた。
さらに、これまでに提案された振動発電器は、その出力状態(周波数、出力電力)を示す信号を他の回路に送信するように構成されていない。そのため、例えば、振動発電器が振動しておらず発電していないときに、負荷が不必要に動作し、蓄電池または他の電源から、電力を無駄に消費することがある。
本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたものである。本発明は、特に、負荷の状態が変化した場合でも、出力電力を低下させることなく、負荷を駆動させ得る、振動発電装置、ならびに振動周波数に応じて効率よく電力を取り出すことが可能な振動発電器および振動発電装置、発電状態を検出することを可能にする振動発電器および振動発電装置、ならびにこれらの振動発電装置または振動発電器を利用した通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、負荷回路の状態および/または振動発電器の振動の周波数を検出して、出力制御回路のインピーダンスを制御する振動発電装置を提供する。
本発明は、第1の要旨において、
振動発電器と、
前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
前記振動発電器の振動周波数を検出する周波数検出回路と
を含み、
前記周波数検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
振動発電装置を提供する。
本発明の第1の要旨に係る振動発電装置において、振動発電器は、
第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
を含み、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力する
振動発電器であることが好ましい。その場合、前記前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号が、前記周波数検出回路に送信され、当該信号に基づいて、前記周波数検出回路がフィードバック信号を出力制御回路に送信することとなる。
本発明はまた、第2の要旨において、
振動発電器と、
前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
前記負荷回路の負荷状態を検出する負荷検出回路と
を含み、
前記負荷検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
振動発電装置を提供する。
第1の要旨および第2の要旨に係る振動発電装置は、負荷回路の状態または振動発電器の振動の周波数を検出し、検出結果に基づいてインピーダンスを制御すること(またはそのような制御を可能にすること)を特徴とする。この特徴によって、振動発電器で発生する電力を効率良く且つ安定的に取り出すことが可能となり、その結果、振動発電装置を高効率で作動させることが可能となる。
本発明はまた、第3の要旨において、
第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
を含み、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力し、
前記第3の電極と前記第1の電極とで構成される容量が、前記第2の電極と前記第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、前記第3の電極が形成されている、
振動発電器を提供する。第3の要旨に係る振動発電器は、第1の要旨に係る振動発電装置において振動発電器として有用である。あるいは、この振動発電器は、第1の電極と第3の電極との重なり面積の変化を利用して出力される発電の周波数に応じた信号を、発電状態を検出するための信号として用いることを可能にし、それにより、この振動発電器が発電した電力により駆動される負荷回路において、不要な電力損失を無くすことができる。
本発明の第1の要旨に係る振動発電装置は、振動発電器の振動の周波数が変化した場合に、振動周波数に応じて出力制御を行うことができ、振動周波数の変化に起因する出力電力の低下を低減することができる。さらにまた、第1の要旨に係る振動発電装置においては、振動発電器の振動周波数に合わせて負荷を制御することができ、その結果、振動発電器からの出力電力の安定を図ることが可能である。本発明の第2の要旨に係る振動発電装置は、負荷の状態が変化した場合に、振動発電器からの出力電力の低下を低減することができる。本発明の第1および第2の要旨に係る振動発装置を用いる場合には、インピーダンス制御を用いない場合と比較して、負荷回路に必要な電圧レベルへの変換が容易となる。
また、本発明の第3の要旨に係る振動発電器は、例えば、本発明の第1の要旨に係る振動発電装置の振動発電器として用いることができる。その場合に、達成される効果は先に説明したとおりである。あるいは、本発明の第3の要旨に係る振動発電器は、振動発電器における発電状態を検出し、発電状態に基づいて負荷回路を直接制御すること、または出力制御回路を介して負荷回路を制御することを可能にする。それにより、負荷回路における不要な電力損失を無くすことができる。
本発明の振動発電装置または振動発電器を用いた通信装置は、電池のみを電源とする装置と比較して、電池交換等のメンテナンス回数を低減でき、あるいは用途によっては、電池交換が不要となる。
(a)本発明の実施の形態1における振動発電装置を示すブロック図(b)本発明の実施の形態1における振動発電装置に接続される負荷回路を示すブロック図 (a)本発明の実施の形態1における振動発電器の所定の振動周波数における出力電流と出力電圧の関係を示すグラフ(b)本発明の実施の形態1における振動発電装置で駆動される負荷回路の状態と出力電圧の関係の一例を示すグラフ (a)本発明の実施の形態2における振動発電装置を示すブロック図(b)本発明の実施の形態2における振動発電装置を構成する振動発電器の断面図 本発明の実施の形態2における振動発電器の3つの周波数における出力電流と出力電圧の関係を示すグラフ 本発明の実施の形態3における振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態4における通信装置を示すブロック図 従来の静電誘導型振動発電器の構造を示す断面図 従来の静電誘導型振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態4における振動発電装置で駆動される負荷回路の状態と出力電圧の関係の一例を示すグラフ (a)本発明の振動発電器における、第3の電極と第2の電極の配置の一例を示す平面図(b)本発明の振動発電器における、第3の電極と第2の電極の配置の別の例を示す平面図 本発明の実施の形態5における振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態5の変形例における振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態6における通信装置を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における振動発電装置(単に「発電装置」と呼ぶこともある)およびこれに接続された負荷のブロック図である。
図1において、振動発電器(単に「発電器」と呼ぶこともある)100の出力端子は、整流回路ブロックに接続される。整流回路ブロック105は、4つのダイオードおよびコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック105は、出力制御回路101に接続され、振動発電器100の出力がこの回路101に送られる。出力制御回路101は、負荷回路102に接続されている。負荷検出回路103は、負荷回路102の負荷状態を検出して、出力制御回路101に負荷状態をフィードバックする。
振動発電器100は、エレクトレット電極と容量電極の重なり面積の増減により、容量電極に誘起される電荷を電気エネルギーとして取り出すことで発電を行う。ここで、「電極の重なり面積」は、電極が設けられる基板の主表面に対して垂直な方向から見て、2つの電極が重なっている面積を指す。振動発電器の構成は、特に限定されず、例えば、背景技術の欄で説明したような構成のものであってよい。
負荷回路102は、具体的には、例えば、図1(b)に示すような構成を有してよい。図1(b)に示す負荷回路102は、少なくとも制御回路111と、無線通信回路112と、アンテナ113と、センサ114とで構成される。この負荷回路を含むデバイスは、無線ICタグ(またはRFIDタグ)と呼ばれることもある。
図1(b)に示す負荷回路102に接続される振動発電装置の動作について、以下に説明する。
振動発電器100からは、外部からの振動により静電誘導によって誘起される電荷が、電気エネルギーとして取り出される。この時、振動発電器100からの出力は、外部振動の周波数に応じた交流信号となる。交流信号は、整流ブロック105により直流電圧に変換されて、出力制御回路101へ入力される。
出力制御回路101は、負荷回路102への供給電力を制御する。負荷回路102の動作が軽い負荷となり、(振動発電器100の供給電力)>(負荷回路の消費電力)となる場合は、蓄電回路等(図1(a)には示していない)に電荷を蓄積することが好ましい。また、負荷回路102の動作が重い負荷となり、(振動発電器100の供給電力)<(負荷回路の消費電力)となる場合は、蓄電回路または場合によっては電池(図1(a)には示していない)等から電力を供給するといった制御を行う。
このとき、負荷検出回路103は、負荷回路102の動作に応じて、出力制御回路101のインピーダンスを制御し、整流回路ブロック105から見たインピーダンスが一定となるように制御を行う。制御は、例えば、スイッチング素子等を用いて、負荷回路102の動作に合わせて出力制御回路101のインピーダンスの切り替えを行うことによって制御できる。制御それ自体は、電気/電子回路で一般的に使用されている方法を用いて実施することができる。
負荷検出回路103は、負荷が動作しているときに、動作している負荷が実際に消費している電力を検出するものであってよい。あるいは、負荷検出回路103は、負荷がある動作をする前に、当該動作により消費される電力を検出するものであってよく、あるいはまた、負荷がある動作をした後に、当該動作の後に行われる別の動作により消費される電力を検出するものであってよい。即ち、本発明の振動発電装置に用いられる負荷検出回路は、負荷が実際に消費している電力をその場で検出する回路であってよく、および/または消費される電力を予測する回路であってよい。
負荷回路102が、図1(b)に示す回路である場合には、負荷検出回路103を、制御回路111に接続することにより、負荷回路102の動作を検出することができる。ここでは、制御回路に入力される電流を検出することにより、動作している負荷が実際に消費している電力を検出する例を示す。図1(b)に示す負荷回路は、スタンバイ(電流小)、マイコン動作(電流中)、および通信(電流大)の3つの動作モードを有している。したがって、負荷回路102の負荷変動は、負荷検出回路103を制御回路111に接続することによって、検出する(予測することも含む)ことができる。検出した負荷変動に基づいて出力制御回路101にフィードバック信号として送信すると、動作モードに応じて、出力制御回路101が負荷インピーダンスを制御できる。
また、その動作モードの切り変えのタイミングは、制御回路111によって制御されている。したがって、負荷回路102の負荷変動は、負荷検出回路103を制御回路111に接続することによって、予測することも可能である。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
1)負荷の状態が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
2)負荷インピーダンスを効率的な発電を行うことができるように制御することによって、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
上記1)の効果を、図2を参照して、さらに説明する。図2(a)は、振動発電器の出力電流−電圧特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は振動発電器の出力電流であり、縦軸は振動発電器の出力電圧である。出力電圧は、このグラフにおいて実線で示すように、開放状態のときに最大となり(電圧最大)、短絡状態のときに最小となる(電圧最小)。この実施の形態の振動発電装置においては、負荷の状態に応じて負荷インピーダンスが制御されるため、振動発電器の発電電力は、負荷整合の状態にて、効率良く取り出すことができる。
また、図2(a)に示す特性を有する振動発電器は、出力電圧を開放電圧の75%〜85%の電圧に制御すると、高効率での動作が可能となる。より詳細には、図2(a)に示すグラフにおいて、等電力曲線を、電力が最大となるように記載すると、破線で示す曲線となる。この等電力曲線と、電流−電圧特性を示す曲線と接する点は、おおよそ最大出力電圧(負荷開放での出力電圧)の80%である。したがって、出力電圧を、開放電圧の75%〜85%、好ましくは80%となるように制御すると、効率よく誘起電荷を取り出すことが可能となる。本実施の形態によれば、そのような出力電圧の制御は、負荷インピーダンスを制御することによって実現することができる。
上記2)の効果を説明する。負荷インピーダンスを振動発電器が効率的な発電を行うことができるように制御すると、振動発電器の出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が、負荷状態の検出に基づく制御を行わない場合と比べて、容易になる。
図1(b)に示す負荷回路を駆動させる場合、負荷回路の主要な動作は、センサ114からのデータをメモリへ蓄積するマイコン動作(動作1)、メモリに蓄積されたデータを無線通信により送信する動作(動作2)、負荷回路102がスタンバイとなる動作(動作3)である。これらの動作の際に加わる負荷(消費電力)は、図2(b)に示すように、動作2>動作1>動作3の順に小さくなり、その変化に応じて、負荷インピーダンスが変化する。この負荷回路を、振動発電器100の発電電力で駆動させる場合、最大出力が得られるときに無線通信(動作2)が行われ、それよりも小さい電力でセンサが動作し(動作1)、出力電圧が最大となる付近でスタンバイ状態(動作3)となる。ここで、振動発電器が効率的な発電を行うことができるよう(常に最大出力となるよう)に負荷インピーダンスを制御すると、出力される電圧も一定となり、負荷変動による出力電圧レベルの変動が抑制される。その結果、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
以上のような出力制御が可能となれば、蓄電回路および他の電源からの電力の供給が不要となる。したがって、そのような制御が可能となるように、負荷回路および振動発電器を設計することによって、電池または蓄電部を無くすことができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における振動発電装置のブロック図である。実施の形態1の発電装置においては、負荷回路の状態を検出し、検出結果を出力制御回路にフィードバックして、出力を制御しているのに対して、本実施の形態では、発電器の振動周波数(出力電圧の周波数)を検出して、出力制御回路を制御している。その点において、実施の形態2の発電装置は、実施の形態1の発電装置とは異なる。
図3(a)に示すように、この実施の形態の発電装置において、振動発電器200の出力端子は、整流回路ブロック205に接続される。整流回路ブロック205は、ダイオード4つとコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック205は、出力制御回路に接続され、振動発電器200の出力がこの回路ブロック205に送られる。出力制御回路201は、負荷回路202に接続されている。周波数検出回路204は、振動発電器200からの出力電力の周波数を検出して、出力制御回路201に出力状態をフィードバックする。
次に、本実施の形態で好ましく使用される振動発電器の構造を、図3(b)を用いて説明する。図3(b)において、振動発電器200は、第1の構造体211(第1の基板を含む)と第2の構造体212(第2の基板を含む)により構成される。図3(b)において、第1の電極213(電極群A)は第1の構造体211上に形成される。第1の構造体211は、弾性構造体214により第2の構造体212に、接続される。図3(b)に示すように、第2の電極215および第3の電極216(電極群B)は第2の構造体212上に、第1の電極213と対向する位置に形成される。
第1の構造体211と第2の構造体212は、第1の電極213と第2の電極215が向かい合うように接続される。このように固定することで、第1の構造体211上に形成された第1の電極213が、第2の構造体212上に形成された第2の電極215に対して相対的に変位可能な構造となる。振動発電器200は、従来の構造に示す静電誘導型振動発電器と同様に、第1の電極213と第2の電極215の重なり面積の増減により、第2の電極215に誘起される電荷を電気エネルギーとして取り出すことによって、発電を行う。
また、図3(b)に示す振動発電器では、第2の構造体212上に、振動周波数の変化を検出するための第3の電極216が形成され、第2の電極215とともに、第2の構造体212上で電極群Bを形成している。第3の電極216は、第2の電極215と同様に、第1の電極213と向かい合うように形成されている。第1の構造体211が振動することにより、第1の電極213と第3の電極216の重なり面積に増減が生じ、電荷が第3の電極216に誘起され、第2の電極215と同じ周波数の交流電圧が、第3の電極216から出力される。
図3(b)に示す振動発電器において、電極群Aおよび電極群Bのいずれか一方は、電荷を保持した膜を含む。電荷を保持した膜(エレクトレットとも呼ばれる)を構成する材料として、ポリプロピレン、ポリエステルテレフタレート、およびポリビニルクロライドなどの高分子材料、および酸化シリコンなどの無機材料が挙げられる。
第3の電極216は、1つであってもよく、あるいは複数であってよい。即ち、第3の電極と第1の電極とで構成される容量が、第2の電極と第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、第3の電極が形成されていてよい。その場合には、第3の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスが、第2の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスよりも高いインピーダンスとなる。第3の電極216は、周波数の変化を検出するためのものであるから、発電のための第2電極とは異なり、負荷とインピーダンスを整合させる必要がない。したがって、第3の電極216がたとえ一つであっても、インピーダンスを適宜調節することにより、周波数の検出を十分に行うことができる。
第3の電極は、第2の基板の中心またはその近くに形成することが好ましい。第3の電極が、第2の基板の端部(振動中心から遠い側)に位置すると、第2の基板が第1の基板に対して相対的に移動して振動しているときに、第3の電極と第1の電極との重なり(クロスオーバー)が生じなくなって、周波数を正しく検出できない可能性がある。
具体的には、図10(a)および図10(b)に示すように、第2の電極215および第3の電極216を第2の基板に設けることが好ましい。図10(a)および図10(b)において、Cで表される破線は、第2の基板が両矢印で示される方向に振動する場合において、振動の中心線となる。図10(a)において、第3の電極216は、第2の電極215と等間隔に配置されている。したがって、第3の電極216から出力される電圧は、第2の電極215から出力される電圧と同相となる。図10(b)において、第3の電極216は、等間隔で配置された第2の電極215の間に、割り込むように設けられている。したがって、第3の電極216から出力される電圧は、第2の電極215から出力される電圧の逆相となる。
上記のように構成された振動発電器を含む、振動発電装置の動作を説明する。
振動発電器200が発電した電力は、実施の形態1と同様に、負荷回路202に供給されて、負荷回路202で消費される。実施の形態2の発電装置が実施の形態1のそれとは異なる点は、負荷回路202が固定であること、および外部から加えられる力の変化に起因する、振動発電器200の振動周波数の変化が検出されることである。
ここで、周波数検出回路204をより詳細に説明する。周波数検出回路204は、振動発電器200の第3の電極216に誘起される電荷を検出し、周波数変換を行う。検出された周波数情報に基づいて、出力制御回路201は、振動発電器200からの出力電力が最大となるように、インピーダンス制御を行う。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
1)振動の周波数が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
2)出力制御回路のインピーダンスを一定に制御することによって、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
上記1)の効果を、図4を参照して、さらに説明する。図4は、振動発電器の出力電流−電圧特性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は振動発電器の出力電流であり、縦軸は振動発電器の出力電圧である。このグラフには、それぞれ周波数の異なる出力特性(周波数A、周波数B、周波数C)を示している。周波数は、周波数A<周波数B<周波数Cの順に高くなっている。周波数が変化することにより、出力可能な電流値が異なる。この実施の形態においては、周波数の変化に応じて、電力を効率よく取り出すことができるように、周波数の変化に応じて、インピーダンスを変化させている。この実施の形態においても、実施の形態1で説明したように、出力周波数の出力特性に応じて、出力電圧を、開放電圧の75%から85%、好ましくは80%となるように制御することによって、高効率で発電器を動作させることができる。
上記2)の効果を説明する。振動発電器の周波数を検出し、検出した結果に基づいて出力制御回路を制御するように回路を設計すると、振動発電器の出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が、周波数検出に基づく制御を行わない場合と比べて、容易になる。
図3において、振動発電器は、振動周波数検出回路に接続される出力端子と接続された第3の電極を備えた形態のものである。実施の形態2の変形例において、振動発電器は、第1の電極および第2の電極で形成され、第3の電極を備えていないものであってよく、例えば、従来の振動発電器であってよい。そのような発電器を用いるときには、振動発電器で得られる電力の一部を、周波数の検出を行う回路に送って、周波数の検出を行う。したがって、その場合、負荷に送るべき電力が検出回路で消費されることがあり、図3に示す振動発電器を用いる場合と比較して、振動発電器の効率が低下することがある。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における振動発電装置のブロック図である。本実施の形態では、負荷回路の状態、及び振動発電器の振動周波数(出力電圧の周波数)の両方を検出し、それらの検出結果をフィードバックして、出力制御回路を制御している。
図5に示すように、この実施の形態の発電装置において、振動発電器300の出力端子は、整流回路ブロック305に接続される。整流回路ブロック305は、ダイオード4つとコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック305は、出力制御回路に接続され、振動発電器300からの出力がこの回路ブロック305に送られる。出力制御回路301は、負荷回路302に接続されている。
負荷検出回路303は、負荷回路302の動作の状態(負荷状態)を検出し、出力制御回路301に負荷状態をフィードバックする。出力制御回路301は、このフィードバックに基づいて、振動発電器300からの出力電力が最大となるように、制御を行う。
周波数検出回路304は、振動発電器300からの出力電力の周波数を検出して、出力制御回路301に出力状態をフィードバックする。出力制御回路301は、このフィードバックに基づいて、周波数に応じて最大の出力電力が得られるように、制御を行う。
本実施の形態に用いる負荷回路302および振動発電器300は、それぞれ実施の形態1および実施の形態2で説明した負荷回路102および振動発電器200と同様である。負荷検出回路303は、実施の形態1で説明した負荷検出回路103と同様である。周波数検出回路304は、実施の形態2で説明した周波数検出回路204と同様である。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
1)振動の周波数が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
2)負荷の状態が変化した場合においても、振動発電器で発電した電力を効率よく取り出すことができる。
3)出力制御回路のインピーダンスを一定に制御することによって、出力電圧を負荷に適した電圧レベルへ変換する電圧変換回路の設計が容易となる。
上記効果は、実施の形態1、及び実施の形態2で述べたとおりである。即ち、この形態の振動発電装置は、負荷回路の動作モードの変化に対応してインピーダンスを変化させることが可能となる、及び外部からの振動が変化する環境での動作においても、誘起された電荷を有効に取り出すことが可能となる等、有用な効果をもたらす。
(実施の形態4)
図6は、自動車に搭載されるタイヤ空気圧モニタリングシステムで使用される通信装置のブロック図である。図6において、発電装置として、実施の形態3で示された振動発電装置が使用され、出力制御回路401は、電源制御部401Aおよび蓄電部401Bを含むように構成される。
図6において、通信装置410は、振動により発電を行う振動発電器400、整流回路ブロック405、及び振動発電器の振動周波数を検出する周波数検出回路404、出力制御回路401、負荷回路402、及び負荷の状態を検出する負荷検出回路403で構成される。
出力制御回路401は、前述のように、電源制御部401Aと蓄電部401Bを含む。また、負荷回路402は、制御回路411、無線通信回路412、アンテナ413、および圧力センサ414からなる。
この構成の通信装置410の動作を説明する。圧力センサ414、制御回路411、無線通信回路412が動作するために必要な電力を、振動発電装置から供給する。振動発電装置は、タイヤの振動により振動させられる振動発電器400から取り出される交流電力を、負荷402に供給する。取り出された交流電力は、整流回路ブロック405で直流に変換され、電源制御部に出力される。電源制御部は、負荷検出回路403が検出した負荷回路402の状態に応じて、振動発電器からの電力のみ、振動発電器からの電力と蓄電部からの電力、または蓄電部からの電力のみを、負荷回路402に供給する。圧力センサ414は、タイヤの空気圧を測定し、測定結果を電圧信号に変換し、この電圧信号は制御回路411に入力される。制御回路411で処理された信号は、無線通信回路412へ入力され、高周波信号としてアンテナ413から伝搬される。
負荷回路402の主要な動作は、センサ414からのデータをメモリへ蓄積する動作(動作1)、メモリに蓄積されたデータを無線通信により送信する動作(動作2)、負荷回路402がスタンバイとなる動作(動作3)である。これらの動作の際に加わる負荷(消費電力)は、動作2>動作1>動作3の順に小さくなり、その変化に応じて、負荷インピーダンスが変化する。この動作1、動作2、動作3の状態を、負荷検出403で検出し、検出結果を出力制御回路401へフィードバックすることにより、振動発電器400からの出力電力が最大となるように制御を行う。
制御は、具体的には、出力制御回路401のインピーダンスを制御し、整流回路ブロック405から見たインピーダンスが一定となるように行われる。例えば、図に示すように、負荷回路402が動作2の状態にあるインピーダンスにて、振動発電器400の発電量が最大となる回路において、負荷回路402の動作が動作1に変化したときには、出力制御回路の入力インピーダンスが一定となるように、蓄電回路に電荷を供給する。さらに、動作3に変化したときには、蓄電回路のインピーダンスを制御し、入力インピーダンスが一定となるようにする。制御は、スイッチング素子等を用いて、動作に合わせて切り替えを行うことにより、簡単に行うことができる。
さらに、この通信装置においては、振動発電器400からの出力電力の周波数を周波数検出回路404が検出して、出力制御回路401にフィードバックする。出力制御回路401は、このフィードバックに基づいて、周波数に応じて最大の出力電力が得られるように制御を行う。
このように、本発明の振動発電装置を通信装置の電源として利用する場合、電池交換等のメンテナンス作業回数の低減することが可能であり、或いは電池交換を無くすことが可能である。これらは、本発明の振動発電装置の有用な効果である。
本実施の形態では、出力制御回路が蓄電部を含み、振動発電器からの電力の一部を蓄電部に供給し、蓄電した電力を必要に応じて、負荷に供給する例を示した。別の形態において、蓄電部に代えて、又は蓄電部とともに、電池を使用してよい。あるいは、振動発電器からの出力電力が、圧力センサ、制御回路、通信部等で消費する電力、および通信に必要な電力を十分にまかなうことができるものであれば、蓄電部および/または電池を無くして、振動発電器のみを電力源としてよい。その場合、蓄電部および/または電池、ならびに電源制御部が不要となり、機器の小型化において有利である。
(実施の形態5)
(実施の形態5)
11は、本発明の第3の要旨に係る振動発電器を備えた振動発電装置のブロック図である。実施の形態2の発電装置においては、発電器からの出力周波数を検出し、検出結果を出力制御回路に入力して、出力を制御している。これに対して、本実施の形態では、実施の形態2で用いた振動発電器と同様の振動発電器を用いて、発電器の振動発電の有無を検出して、負荷回路を制御している。その点において、実施の形態5の発電装置は、実施の形態2の発電装置とは異なる。
11に示すように、この実施の形態の発電装置において、振動発電器200の出力端子は、整流回路ブロック205に接続される。整流回路ブロック205は、ダイオード4つとコンデンサで構成される全波整流回路である。整流回路ブロック205は、出力制御回路に接続され、振動発電器200の出力がこの回路ブロック205に送られる。出力制御回路201は、負荷回路202に接続されている。504で示される回路は、振動発電器200の出力状態を検出して、負荷回路202に出力状態をフィードバックする。ここでは、504で示す回路を、便宜的に、発電検出回路と呼ぶ。
本実施の形態で好ましく使用される振動発電器の構造は、実施の形態2で説明した図3(b)に示すものと同じである。本実施の形態においても、第1の電極213と第3の電極216の重なり面積に増減が生じ、電荷が第3の電極216に誘起され、第2の電極215と同じ周波数の交流電圧が、第3の電極216から出力される。本実施の形態において、発電検出回路504は、第3の電極216から出力された周波数信号を受信して、振動発電器が発電状態にあるか否かのみを検出するものであってよく、あるいは、その周波数信号から、振動発電器200から出力されている電力の値を検出するものであってよい。即ち、本実施の形態において、発電検出回路504は、発電の有無、出力電力の値、および出力電圧の値のいずれか1つまたは複数を検出するために用いられる。
次に、振動発電装置の動作を説明する。
振動発電器200が発電した電力は、実施の形態2と同様に、負荷回路202に供給されて、負荷回路202で消費される。本実施の形態の発電装置が実施の形態2のそれとは異なる点は、周波数検出回路に代えて発電検出回路504が設けられ、発電検出回路504の出力が負荷回路202に入力されることである。
ここで、発電検出回路504をより詳細に説明する。発電検出回路504は、振動発電器200の第1の電極213と前記第3の電極216との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号に基づいて、振動発電器200の第3の電極216に誘起される電荷(発電の有無)を検出する。即ち、振動発電器200において、振動が生じていない又は振動の周波数がある一定以下の値である場合に、発電検出回路504は、振動発電器200の第3の電極216に電荷が誘起されておらず、したがって発電が行われていないと判断する。発電検出回路504は、振動発電器200における発電の状態(即ち、発電の有無)に応じて、負荷回路202の動作のオン・オフ制御を行う。
この実施の形態にかかる振動発電装置によれば、振動発電器が発電していない場合において、負荷回路をオフとすることによって、負荷回路における不要な電力消費を抑制することができる。具体的には、後述のタイヤ空気圧モニタリングシステムのように、自動車が走行しておらず、タイヤの空気圧をモニタする必要が無いとき、即ち、振動発電器が振動していないときに、負荷を動作させる必要がないときに、負荷の動作を止めて、乾電池または蓄電池から電力が不必要に消費されることを抑制することができる。
本実施の形態では、発電検出回路504は、負荷回路202に接続されて、直接、負荷回路202の制御を行う。本実施の形態の他の変形例においては、発電検出回路504を出力制御回路201に接続して、出力制御回路201から負荷回路202への出力を停止するように制御するようにしてよい。その場合でも、図11に示した装置と同様の効果を得られる。
また、本実施の形態の他の変形例(図12参照)では、実施の形態1と同様に、負荷回路302により負荷の検出を行って、検出した結果を出力制御回路301へフィードバックし、かつ、発電検出回路504により発電器300の発電状況の検出を行い、出力制御回路301へフィードバックを行う。このように制御を行うことで、負荷状態に合わせた負荷制御(具体的には、インピーダンス制御)を行うとともに、振動発電器が発電していない場合において、負荷回路における不要な電力消費を抑制することができる。
(実施の形態6)
13は、自動車に搭載されるタイヤ空気圧モニタリングシステムで使用される通信装置のブロック図である。図13において、発電装置として、実施の形態5で示された振動発電装置が使用され、発電検出回路404は、負荷回路402を構成する無線通信回路412へ接続される。図13に示す通信装置410は、図6に示す通信装置とは、図6に示す周波数検出回路404に代えて、発電検出回路504が設けられている点においてのみ異なる。
13において、通信装置410は、振動により発電を行う振動発電器400、整流回路ブロック405、及び振動発電器の発電の有無を検出する発電検出回路404、出力制御回路401、負荷回路402、及び負荷の状態を検出する負荷検出回路403で構成される。
出力制御回路401は、前述のように、電源制御部と蓄電部を含む。また、負荷回路402は、制御回路411、無線通信回路412、アンテナ413、および圧力センサ414からなる。
この構成の通信装置410の動作を説明する。圧力センサ414、制御回路411、および無線通信回路412が動作するために必要な電力を、振動発電装置から供給する。振動発電装置は、タイヤの振動により振動させられる振動発電器400から取り出される交流電力を、負荷402に供給する。取り出された交流電力は、整流回路ブロック405で直流に変換され、電源制御部401Aに出力される。電源制御部401Aは、負荷検出回路403が検出した負荷回路402の状態に応じて、振動発電器からの電力のみ、振動発電器からの電力と蓄電部401Bからの電力、または蓄電部401Bからの電力のみを、負荷回路402に供給する。負荷回路402の主要な動作は、実施の形態4に関連して説明したとおりである。具体的には、圧力センサ414は、タイヤの空気圧を測定し、測定結果を電圧信号に変換し、この電圧信号は制御回路411に入力される。制御回路411で処理された信号は、無線通信回路412へ入力され、高周波信号としてアンテナ413から伝搬される。
発電検出回路504の動作について説明を行う。通常、タイヤ空気圧モニタリングシステムは、タイヤの空気圧を測定し、空気圧に異常がある場合は運転手に知らせ、自動車が安定に走行することを補助するものである。つまり、自動車が停止している状態では、タイヤの空気圧情報を無線通信回路412から送信する必要はなく、また、圧力センサによるタイヤの空気圧を測定する必要もない。
そこで、発電検出回路504は、発電器400の発電の有無、つまり、自動車が走行状態にあるかどうかを判断し、発電状態にあれば、そのことを示す信号を無線通信回路412に送信し、当該信号を受け取った無線通信回路412は空気圧情報を受信部(図示していない)に送信するように動作する。一方、発電器が発電していない場合(即ち、自動車が停止している場合、または自動車が停止しているとみなされる状態にある場合)には、発電検出回路504はそのことを示す信号を無線通信回路412に送信し、当該信号を受け取った無線通信回路412は動作を停止する。このように、発電検出回路504からの検出信号に基づいて、負荷回路402がオン/オフすることによって、不要な電力損失を無くすことが可能となる等の有用な効果を得ることができる。
あるいは、本実施の形態の変形例では、発電器が発電状態に無い場合、圧力センサ414の動作を停止してよい。その場合にも、前記の効果を得ることができる。あるいは、別の変形例において、発電検出回路504は、制御回路411に接続されていてよい。そのような変形例において、発電検出回路504から、発電器が発電状態に無いという信号が送信されたときに、制御回路411が、無線通信回路412および/または圧力センサの動作を止める制御信号を送る。そのような構成の通信装置においては、さらに不要な電力損失を無くすことができる。
本実施の形態では、発電の有無により、負荷回路の動作のオンおよびオフを行う例を示した。別の実施の形態においては、例えば、発電検出回路504は、第1の電極と第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号に基づいて、発電器の出力電力を検出するものであってよい。その場合、発電検出回路504が検出した出力電力が所望の値以下である場合に、例えば、圧力センサ414のみが動作し、無線通信回路412が無線通信する頻度を下げるように、負荷回路402が動作するように、通信装置410を構成してよい。そのような通信装置410においても、不要な電力損失を無くすことができる。
実施の形態2において説明した振動発電器に関する説明は、第3の電極から出力された周波数信号が、発電検出回路によって、振動発電器の発電状態を検出するために用いられる、振動発電装置において用いられる振動発電器にすべてあてはまる。即ち、実施の形態5および6に代表される、振動発電器の発電状態が検出される振動発電装置において、振動発電器は、
第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
を含み、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力する
振動発電器である。
この振動発電器においては、第3の電極と第1の電極とで構成される容量が、第2の電極と第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、第3の電極が形成されていることが好ましい。第3の電極と第1の電極との重なり面積の変化により発生する信号は、発電状態を検出するための信号として用いられ、発電には用いられない。したがって、発電される電力を大きくするためには、それらの電極が形成する容量を小さくして、第2の電極と第1の電極とで構成される容量が大きくなるようにすることが好ましい。尤も、第3の電極と第1の電極との重なり面積の変化により発生する信号が、発電状態を検出するための信号として用いられる限りにおいて、第3の電極と第1の電極とで構成される容量が、第2の電極と第1の電極とで構成される容量と同じ、またはそれよりも大きくなることは妨げられない。
この振動発電器においては、第3の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスが、第2の電極と第1の電極とで構成されるインピーダンスよりも高いインピーダンスとなるように、第3の電極が形成されていることが好ましい。その理由は、実施の形態2において説明したとおりである。
この振動発電器においては、第3の電極は、前記第2の基板の中心付近に形成されていることが好ましい。その理由は、実施の形態2において説明したとおりである。
この振動発電器においては、第3の電極は、第2の基板の中心付近に形成されている。その理由は、実施の形態2において説明したとおりである。また、この振動発電器において、第3の電極は、出力端子に発電検出回路が接続されるべきものであることが好ましい。
なお、上記において説明した実施の形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内において、すべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる振動発電装置は、負荷回路のインピーダンスが変化した場合、および振動発電器の振動周波数が変化した場合において、効率よく誘起電荷を振動発電器から取り出すことができ、静電誘導型振動発電装置として有用である。また、本発明にかかる振動発電装置は、小電力の無線通信モジュール等の用途において、電池の長寿命化、或いは電池レス動作を可能とするものであり、非常に有用である。
100 振動発電器
101 出力制御回路
102 負荷回路
103 負荷検出回路
111 制御回路
112 無線通信回路
113 アンテナ
114 センサ
204 周波数検出
211 第1の構造体
212 第2の構造体
213 第1の電極
214 弾性構造体
215 第2の電極
216 第3の電極
400 通信装置
504 発電検出回路

Claims (20)

  1. 振動発電器と、
    前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
    前記振動発電器の振動周波数を検出する周波数検出回路と
    を含み、
    前記周波数検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
    振動発電装置。
  2. 前記振動発電器が、
    第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
    第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
    を含み、
    前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
    前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
    前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
    前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
    前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力する
    振動発電器であり、
    前記前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号が、前記周波数検出回路に送信され、当該信号に基づいて、前記周波数検出回路がフィードバック信号を出力制御回路に送信する、請求項1に記載の振動発電装置。
  3. 前記振動発電器において、前記第3の電極と前記第1の電極とで構成される容量が、前記第2の電極と前記第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、前記第3の電極が形成されている、請求項1に記載の振動発電装置。
  4. 前記振動発電器において、前記第3の電極と前記第1の電極とで構成されるインピーダンスが、前記第2の電極と前記第1の電極とで構成されるインピーダンスよりも高いインピーダンスとなるように、前記第3の電極が形成されている、請求項3に記載の振動発電装置。
  5. 前記振動発電器において、前記第3の電極は、前記第2の基板の中心付近に形成されている、請求項2に記載の振動発電装置。
  6. 前記出力制御回路は、振動発電器の出力電圧が、開放電圧の75%から85%になるように、インピーダンスを制御する、請求項1に記載の振動発電装置。
  7. 振動発電器と、
    前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
    前記負荷回路の負荷状態を検出する負荷検出回路と
    を含み、
    前記負荷検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
    振動発電装置。
  8. 前記出力制御回路は、振動発電器の出力電圧が、開放電圧の75%から85%になるように、インピーダンスを制御する、請求項7に記載の振動発電装置。
  9. 振動発電器と、
    前記振動発電器の出力交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流回路からの出力を制御して負荷回路に入力する出力制御回路と、
    前記負荷回路の負荷状態を検出する負荷検出回路と、
    前記振動発電器の振動周波数を検出する周波数検出回路と
    を含み、
    前記負荷検出回路および前記周波数検出回路からのフィードバック信号に基づいて出力制御回路のインピーダンスを制御する
    振動発電装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の振動発電装置を含む、通信装置。
  11. さらに電池を含む、請求項10に記載の通信装置。
  12. 第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
    第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
    を含み、
    前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
    前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
    前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
    前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
    前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力し、
    前記第3の電極と前記第1の電極とで構成される容量が、前記第2の電極と前記第1の電極とで構成される容量よりも小さくなるように、前記第3の電極が形成されている、
    振動発電器。
  13. 前記第3の電極と前記第1の電極とで構成されるインピーダンスが、前記第2の電極と前記第1の電極とで構成されるインピーダンスよりも高いインピーダンスとなるように、前記第3の電極が形成されている、請求項12に記載の振動発電器。
  14. 前記第3の電極は、前記第2の基板の中心付近に形成されている、請求項12に記載の振動発電器。
  15. 第1の基板上に形成された、複数の第1の電極から成る電極群Aと、
    第2の基板上に形成された、第2の電極と第3の電極とからなる電極群B
    を含み、
    前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方は、前記第1の基板および第2の基板に平行な平面内における少なくとも一つの方向で振動することができ、
    前記電極群Aおよび前記電極群Bのいずれか一方の群の各電極は、電荷を保持した膜を含み、
    前記電極群Aと前記電極群Bとは、それらの間に間隙を有する状態で互いに対向しており、
    前記第1の電極と前記第2の電極との重なり面積の変化を利用して発電を行い、
    前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じた信号を出力する
    振動発電器を含む振動発電装置であって、
    前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号が、振動発電器の発電状態を示す信号として利用される、振動発電装置。
  16. 出力制御回路をさらに含み、
    前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号が、振動発電器の発電状態を示す信号として、出力制御回路に送信される、請求項15に記載の振動発電装置。
  17. 前記第1の電極と前記第3の電極との重なり面積の変化を利用して、発電の周波数に応じて出力される信号が、振動発電器の発電状態を示す信号として、前記振動発電装置に接続されるべき負荷回路に接続されるようになっている、請求項15に記載の振動発電装置。
  18. 振動発電器の発電状態を示す信号が、振動発電器が発電状態にあるか否かを示す信号、振動発電器の出力電力、および振動発電器の出力電圧から選択される、1または複数の信号である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の振動発電装置。
  19. 請求項15〜18のいずれか1項に記載の発電装置を含む、通信装置。
  20. さらに電池を含む、請求項19に記載の通信装置。
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