JP3051921B2 - 超音波モ―タおよび超音波モ―タ付き電子機器 - Google Patents

超音波モ―タおよび超音波モ―タ付き電子機器

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JP3051921B2
JP3051921B2 JP11002287A JP228799A JP3051921B2 JP 3051921 B2 JP3051921 B2 JP 3051921B2 JP 11002287 A JP11002287 A JP 11002287A JP 228799 A JP228799 A JP 228799A JP 3051921 B2 JP3051921 B2 JP 3051921B2
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賢二 鈴木
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鈴木  誠
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    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/16Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors using travelling waves, i.e. Rayleigh surface waves
    • H02N2/166Motors with disc stator
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/14Drive circuits; Control arrangements or methods
    • H02N2/145Large signal circuits, e.g. final stages
    • H02N2/147Multi-phase circuits

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子の励振に
基づいて励振信号を生成する発振駆動回路を備えた超音
波モータおよび超音波モータ付き電子機器の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近時、マイクロモータの分野において、
圧電素子の圧電効果を利用して駆動力を得る超音波モー
タが注目されている。この超音波モータは、機械的共振
現象を利用したモータであり、その駆動周波数は環境温
度や外部負荷により変化するため、外部発振器に周波数
追尾機能を付加するなどの複雑な駆動回路が必要にな
る。しかし、圧電素子を接合した振動体を自励発振させ
て駆動する発振駆動方式を用いることで簡単に駆動する
ことができる。
【0003】このような自励発振を利用した発振駆動回
路の例として、図23に示すように、励振する圧電素子
102と、この励振に基づく初期信号を励振信号に増幅
するトライ・ステート・インバータ502ならびにトラ
イ・ステート・バッファ501a、501bと、この励
振信号を所定の周波数に設定するコンデンサ505,5
06とを有するタイプが知られている(特開平8−25
1952号公報参照)。
【0004】そして、圧電素子102に接合した振動体
101に屈曲定在波を生じさせ、振動体101に加圧し
た移動体(図示外)に摩擦力を加えて、移動体を所定の
方向へ回転させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように自励発振を利用した発振駆動回路405では、発
振駆動を停止してから再起動するとき、コンデンサー5
05,506の残存電荷の問題や、トライ・ステート・
インバータ502ならびにトライ・ステート・バッファ
501a、501bを能動状態にしても半導体プロセス
のばらつきにより起こるPchトランジスタとNchト
ランジスタの両方がOFFの状態、即ち、出力がハイ・
インピーダンス状態になる問題があり、自励発振のタネ
になる初期信号が発振駆動回路405に発生しずらくな
り発振の立ち上げに多くの時間を要したり、さらには、
発振起動不良にまで至るなど、信頼性や超音波モータの
特徴である高応答性が損なわれるという課題を有してい
た。
【0006】そこで、本発明の目的は、再起動時の応答
性や安定性に優れる信頼性の高い超音波モータおよび超
音波モータ付き電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載するように、発振駆動回路は、励振
信号を増幅する電力増幅器と、励振信号の周波数を調整
するための容量性回路と、容量性回路を構成する容量性
素子に並列接続されるとともに起動/停止信号発生手段
からの出力信号に基づいて容量性素子の端子間を短絡さ
せるためのスイッチング回路とからなる構成として、起
動/停止信号発生手段の出力信号に基づき発振駆動回路
が停止状態にあるとき、スイッチング回路をONにして
容量性素子の端子間を短絡させる。
【0008】この発明によれば、停止状態にあるときに
容量性素子に残存している電荷を放電し、再起動時に発
振のタネになる初期信号を生成し易くして良好な発振立
ち上がり特性が得られ、応答性に優れる信頼性の高い超
音波モータおよび超音波モータ付き電子機器を実現し
た。請求項2に記載の発明は、発振駆動回路が、励振信
号を増幅する電力増幅器と、励振信号の周波数を調整す
るための容量性回路と、起動/停止信号発生手段の出力
信号に基づいて発振起動トリガを発生する発振起動回路
とからなる構成として、起動/停止信号発生手段の出力
信号に基づき発振駆動回路が能動状態になり発振を開始
する立ち上がり期間に発振起動回路を動作させる。
【0009】この発明によれば、電力増幅器が能動状態
にあるにもかかわらず半導体プロセスのバラツキによっ
て起こる発振の立ち上がり時に生じる電力増幅器の出力
のハイ・インピーダンス状態に対して、発振を開始する
立ち上がり期間に発振起動トリガを発生させることで発
振起動不良を回避して、良好な発振立ち上がり特性が得
られる高応答で信頼性の高い超音波モータならびに超音
波モータ付き電子機器を実現できる。
【0010】請求項3に記載の発明は、発振駆動回路
が、励振信号を増幅する電力増幅器と、励振信号の周波
数を調整するための容量性回路と、容量性回路を構成す
る容量性素子に並列接続されるとともに起動/停止信号
発生手段からの出力信号に基づいて容量性素子の端子間
を短絡させるためのスイッチング回路と、起動/停止信
号発生手段の出力信号に基づいて発振起動トリガを発生
する発振起動回路とからなる構成として、起動/停止信
号発生手段の出力信号に基づき発振駆動回路が停止状態
にあるとき、スイッチング回路をONにして容量性素子
の端子間を短絡させ、起動/停止信号発生手段の出力信
号に基づき発振駆動回路が能動状態になるときスイッチ
ング回路がOFFになるとともに、発振を開始する立ち
上がり期間に発振起動トリガを発生する発振起動回路を
動作させる。
【0011】この発明によれば、停止状態にあるときに
容量性素子に残存している電荷を放電し、再起動時に発
振のタネになる初期信号を生成し易くするとともに、半
導体プロセスのバラツキによって起こる発振の立ち上が
り時に生じる電力増幅器の出力のハイ・インピーダンス
状態に対して、発振を開始する立ち上がり期間に発振起
動トリガを発生させることで発振起動不良を回避するこ
とで、より良好な発振立ち上がり特性が得られ、応答性
に優れる信頼性の高い超音波モータおよび超音波モータ
付き電子機器を実現した。
【0012】請求項4に記載の発明は、発振駆動回路
が、励振信号の周波数を調整するための容量性回路と、
励振信号を増幅するためのものであって入力部がインバ
ータを用いて構成された電力増幅器とからなる構成とし
ている。この発明によれば、半導体プロセスのバラツキ
による発振起動不良を回避して、良好な発振立ち上がり
特性が得られ、応答性に優れる信頼性の高い超音波モー
タおよび超音波モータ付き電子機器を実現した。
【0013】請求項5に記載の発明は、発振駆動回路
を、励振信号の周波数を調整するための容量性回路と、
容量性回路を構成する容量性素子に並列接続されるとと
もに起動/停止信号発生手段からの出力信号に基づいて
容量性素子の端子間を短絡させるためのスイッチング回
路と、励振信号を増幅するためのものであって入力部が
インバータを用いて構成された電力増幅器とからなる構
成として、起動/停止信号発生手段の出力信号に基づき
発振駆動回路が停止状態にあるとき、スイッチング回路
をONにして容量性素子の端子間を短絡させる。
【0014】この発明によれば、停止状態にあるときに
容量性素子に残存している電荷を放電し、再起動時に発
振のタネになる初期信号を生成し易くするとともに、半
導体プロセスのバラツキによる発振起動不良を回避する
ことで、より良好な発振立ち上がり特性が得られ、応答
性に優れる信頼性の高い超音波モータおよび超音波モー
タ付き電子機器を実現した。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項4または
請求項5に記載の超音波モータにおいて、発振駆動回路
の電力増幅器は、その入力部に設けられたインバータと
インバータと出力部の間に設けられたプリバッファで構
成されるとともに、そのインバータとプリバッファの反
転電圧が電源電圧の2分の1であることを特徴としてい
る。
【0016】この発明によれば、発振の動作点が電源電
圧の2分の1であるため、より良好な発振立ち上がり特
性が得られる。請求項7に記載の発明は、請求項1ない
し請求項6のいずれか1項に記載の超音波モータにおい
て、圧電素子の表面上には複数の電極からなる2組の電
極群が形成されており、発振駆動回路は、圧電素子の表
面上に形成された2組の電極群の各々に対して出力端子
が接続され各々の電極群を独立に励振駆動するための2
つの電力増幅器を有し、起動/停止信号発生手段の出力
信号に基づき、圧電素子の表面上に形成された2組の電
極群の各々に対して出力端子が接続された2つの電力増
幅器のどちらの電力増幅器を能動状態にするかの選択に
より移動体の回転方向を切り換えることを特徴としてい
る。
【0017】この発明によれば、圧電素子の2つの電極
群の使い分けによって回転方向を切り替える超音波モー
タであり、電力増幅器を選択的に能動状態にすることで
発振させてモータ駆動を行なうため、発振をさせやすく
て発振立ち上がり特性のよい自励振駆動式の超音波モー
タが得られる。請求項8に記載の発明は、請求項7に記
載の超音波モータにおいて、圧電素子の表面上に形成さ
れた2組の電極群に対して出力端子が接続された2つの
電力増幅器は、並列接続された複数の電力増幅回路から
各々構成され、複数の電力増幅回路のうち機能させる電
力増幅回路を選択して電力増幅器の出力インピーダンス
を調整するための信号を出力する出力調整信号発生手段
とからなることを特徴としている。
【0018】この発明によれば、圧電素子の2つの電極
群の使い分けによって回転方向を切り替える超音波モー
タであり、電力増幅器を選択的に能動状態にすることで
発振させてモータ駆動を行なうため、電力増幅器を並列
接続された複数の電力増幅回路から各々構成すること
で、起動/停止や回転方向切換えの方法同様、電力増幅
器の出力インピーダンス、すなわち、モータ出力を調整
することができる。そのため、負荷や外部環境の変化に
対して最適なモータ駆動が可能な高性能かつ信頼性の高
い自励振駆動式の超音波モータが実現できる。
【0019】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の超音波モータにおいて、電源の電源電圧を検出する電
圧検出手段と、予め設定した電源電圧データと、電圧検
出手段の検出した電圧と予め設定した電源電圧データを
比較する電圧比較手段とを追加したことが特徴になって
いる。この発明によれば、電圧比較手段による比較の結
果、電圧検出手段の検出した電圧と電源電圧データが一
致しない場合、出力調整信号発生手段により電力増幅器
の出力インピーダンスを調整することが可能になり、電
源電圧の変化などにも対応できる信頼性の高い自励振駆
動式の超音波モータが実現できる。
【0020】請求項10に記載の発明は、請求項1ない
し請求項9のいづれか1項に記載の超音波モータにおい
て、起動/停止信号発生手段あるいは出力調整信号発生
手段の出力信号に基づき発振駆動回路を構成する電力増
幅器の出力段トランジスタのドレイン側の接続を切るこ
とで電力増幅器の出力インピーダンスを調整することを
特徴としている。
【0021】この発明によれば、起動/停止、回転方向
切換え、さらにはモータの出力調整をするための電力増
幅器の出力インピーダンス調整が非常に簡単な回路構成
で実現でき、応答性や信頼性の高い自励振駆動式の超音
波モータが安価に実現できる。請求項11に記載の発明
は、圧電素子を接合した振動体が自励発振で振動波を発
生するための発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態
/停止状態にして超音波モータの起動/停止を制御する
ための信号を発生する起動/停止信号発生手段と、を有
するとともに、圧電素子の表面上には複数の電極からな
る2組の電極群が形成されており、発振駆動回路は、圧
電素子の表面上に形成された2組の電極群の各々に対し
て出力端子が接続され各々の電極群を独立に励振駆動す
るための2つの電力増幅器と、励振信号の周波数を調整
するための容量性回路とからなり、起動/停止信号発生
手段の出力信号に基づき、圧電素子の表面上に形成され
た2組の電極群の各々に対して出力端子が接続された2
つの電力増幅器のどちらの電力増幅器を能動状態にする
かの選択により移動体の回転方向を切り換える超音波モ
ータであって、超音波モータを起動するときは、前記2
つの電力増幅器を両方とも能動状態にして発振駆動回路
に初期信号を生成するとともに、初期信号が発振駆動回
路により励振信号まで増幅された後に、起動/停止信号
発生手段の出力信号に応じてどちらか一方の電力増幅器
を停止状態にして駆動を開始する自励発振立ち上げ制御
手段とを備えたことを特徴としている。
【0022】この発明によれば、モータの駆動は2組の
電極群のうち片側のみを用いるが、発振立ち上げ時には
両方の電極群を用いるため、発振駆動回路のループゲイ
ンが高くなり発振立ち上がり時間が大幅に短くなり、ま
た発振立ち上げ時の信頼性も向上し応答性に優れた超音
波モータおよび超音波モータ付き電子機器が実現した。
【0023】請求項12に記載の発明は、請求項1ない
し請求項11のいずれか1項に記載の超音波モータにお
いて、発振駆動回路は、圧電素子を接合した振動体が機
械的共振状態でもつ誘導性を利用して、振動体と容量性
素子とで構成した共振回路であることが特徴になってい
る。この発明によれば、振動体の機械的共振が鋭いた
め、周波数選択性に優れた安定性の高い発振駆動回路が
構成できる。
【0024】請求項13に記載の発明は、請求項1ない
し請求項12のいずれか1項に記載の超音波モータにお
いて、圧電素子の少なくとも一方の表面にほぼ等間隔に
4の倍数個の電極を形成するとともに、隣接する2つず
つの電極を1組として組ごとに方向が交互に逆転するよ
うな分極処理を施し、電極を各々1つおきに電気的に短
絡させて2組の電極群を構成するための第1の結線手段
および第2の結線手段と、振動体の一方の表面上の、圧
電素子の少なくとも一方の平面上にほぼ等間隔の4の倍
数個形成された電極の境界付近の1つおきの位置に移動
体に動力を伝達するために設けられた突起とからなる構
成としている。
【0025】この発明によれば、2組の電極群の選択に
よって回転方向の切換えが可能な単相駆動の超音波モー
タが得られ、単相駆動であるため発振駆動回路の構成が
非常に簡単になるという効果が得られる。請求項14の
発明は、請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記
載の超音波モータにおいて、移動体の回転状態を検出す
るための回転情報検出手段と、回転情報検出手段からの
出力信号に基づき移動体の回転数を調整するための回転
数制御手段としての静電容量調整回路とからなる構成と
している。
【0026】この発明によれば、発振駆動回路の容量性
回路の静電容量を調整するのみで、駆動環境や負荷変動
等に対して、安定度の高い超音波モータが実現できる。
請求項15の発明は、超音波モータ付き電子機器であっ
て、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の
超音波モータを備えたことを特徴としている。この発明
によれば、超音波モータがもつ特徴により高性能な電子
機器がより信頼性高く構成することが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図22を参照して本
発明を適用した実施の形態を詳細に説明する。 {実施の形態1}超音波モータは、機械的構成としての
超音波モータ本体と、超音波モータ本体を駆動させる駆
動部と、駆動部と超音波モータ本体を制御する制御部か
ら構成されている。以下、これらについて説明する。
【0028】図1は、本発明を適用した超音波モータの
構造を示す図である。先ず、超音波モータ本体は、図1
において、圧電素子102と、圧電素子102に接合さ
れる振動体101と、振動体101に設けた突起107
に当接される移動体108と、移動体108と振動体1
01を加圧する加圧手段109と、振動体101の中央
に設けられた孔に固定される支持軸202と、支持軸2
02の基端を固定した固定台201を備えている。な
お、固定台201の上には第1の結線手段104a、第
2の結線手段104bが配置されている。
【0029】図2は、超音波モータに適用された振動体
101の平面構造および断面構造を示す図であり、図3
は、圧電素子102の平面構造を示す図である。図2
(a)に示すように、円板形状の振動体101に周方向
に3波長の定在波を発生させるため、圧電素子102の
一方の平面状にはほぼ均等に12分割された1/4波長
分に相当する扇形状電極(a1、b1、・ ・ ・ 、a
6、b6)が形成されている。
【0030】分極処理は、隣接する2つの電極を組とし
て各組ごと交互に方向が逆になるような厚み方向の分極
処理が施してある。ここで、図中の(+)もしくは
(−)は、分極処理の方向を示しており、(+)は振動
体101との接合面に対して正の電界を印加し、(−)
は振動体101との接合面に対して負の電界を印加し
た。さらに、図3(a)に示すように、分極処理を施し
た後、短絡電極を用いて各電極の1つおきに短絡された
2組の電極パターン103a、103bを形成する。こ
れらの電極は、蒸着、スパッタリング、印刷等の薄膜形
成手段により形成する。そして、図2(b)に示すよう
に、2つの電極パターン103a、103bは各々結線
手段104a、104bに結線されている。
【0031】振動体101は、図2に示すように、金属
製の円板状であり、圧電素子102の分割部の境界(定
在波の節と腹の中間位置)について一つおきに、振動体
101の振動エネルギを移動体108の駆動力に変換す
るための矩形状突起107が設けられている。図4は、
超音波モータの動作原理を示す図である。
【0032】同図(a)において、圧電素子102の一
方の電極パターン(103aもしくは103b)に励振
信号入力すると、該分割部は所定の周波数で励振し、振
動体101に3波長分の屈曲定在波が発生する。このと
き、同図(b)に示すように、振動体101に設けられ
た突起107は、屈曲定在波の腹と節に中間に位置する
ため、弧を描きながら上下運動を行う。この突起107
は、図中左から右方向へ運動するときにのみ移動体10
8に当接するため、移動体108は図中矢印方向へ移動
される。
【0033】一方、同図(a)において、他方の電極パ
ターンに励振信号を入力すると、振動体101に前述の
屈曲定在波と1/4波長分だけ位置的な位相の異なる屈
曲定在波を発生する。このとき、同図(c)に示すよう
に、突起107は、図中右から左方向へ運動するときに
のみ移動体108に当接するため、前述とは逆方向へ移
動される。
【0034】図5は、本実施の形態の超音波モータに適
用した発振駆動回路を示す図である。超音波モータの駆
動部は、圧電素子102等に接続された発振駆動回路4
05からなり、制御部は、発振駆動回路405に接続さ
れた切換回路106と、切換回路106に接続された起
動/停止信号発生手段110から構成されている。
【0035】発振駆動回路405は、出力端子を圧電素
子102の電極パターン103a,103bに接続する
とともに制御端子を切換回路106に接続したトライ・
ステート・バッファ501a,501bと、一端を電極
の役割を兼ねる振動体101に接続するとともに他端を
接地した容量性回路としてのコンデンサ505と、一端
を振動体101およびコンデンサ505に接続し他端を
接地するとともに制御端子を切換え回路106に接続し
たスイッチング回路としてのプルダウンスイッチ508
と、制御端子を切換回路106に接続したトライ・ステ
ート・インバータ502と、トライ・ステート・インバ
ータ502に並列接続した抵抗503と、一端をトライ
・ステート・インバータ502の出力端子に直列接続し
た抵抗504と、一端を抵抗504の他端と接続すると
ともに他端を接地した容量性回路としてのコンデンサ5
06と、一端をコンデンサ506の一端およびトライ・
ステート・バッファ501a、501bの入力端子に接
続し他端を接地するとともに制御端子を切換回路106
に接続したスイッチング回路としてのプルダウンスイッ
チ507から構成されている。
【0036】ここで、トライ・ステート・バッファ50
1a,501bは、制御端子にLow信号が反転されて
入力されると、入力端子から入力された信号を増幅し
て、該信号を圧電素子102の電極パターン103a,
103bに出力する。トライ・ステート・インバータ5
02は、制御端子にLow信号が反転されて入力される
と、振動体101から入力端子に入力された信号を反転
増幅し、抵抗504を介してコンデンサ506を充放電
させる。トライ・ステート・バッファ501a、501
bはその信号を入力し、非反転増幅した信号を出力す
る。
【0037】コンデンサ505,506は、発振駆動回
路405に生成された励振信号を所定の周波数に設定す
る。スイッチング回路としてのプルダウンスイッチ50
7,508は、発振駆動回路405の停止時に、制御端
子にHigh信号が入力されると、コンデンサ505,
506に残存している電荷を放電してコンデンサ50
5,506を零電荷状態にし、トライ・ステート・イン
バータ502およびトライ・ステート・バッファ501
a,501bの入力端子をLowレベルに設定する。こ
のように、コンデンサ507,508に電荷が蓄えられ
ていない方が、起動する瞬間に発振駆動回路405に大
きな電流が流れ、自励発振のタネとなる初期信号が発生
し易くなる。
【0038】なお、スイッチング回路にプルアップスイ
ッチを用いた場合には、発振駆動回路405の停止時に
コンデンサ505,506に電荷を充電して飽和状態に
することになり、トライ・ステート・インバータ502
およびトライ・ステート・バッファ501a,501b
の入力端子をHighレベルに設定する。そして、起動
時に、充電した電荷の一部が放電されることにより、大
きな電流が発振駆動回路405に流れ、初期信号が発生
し易くなる。
【0039】起動/停止信号発生手段110は、発振駆
動回路405の能動状態/停止状態を決定する第1の出
力端子110a、移動体108の正/逆回転を決定する
第2の出力端子110bを有し、2つの出力端子110
a,110bからHigh信号もしくはLow信号を出
力する。切換回路106は、起動/停止信号発生手段1
10の第1の出力端子110aからHigh信号が出力
されると、トライ・ステート・インバータ502の制御
端子に反転されたLow信号を入力し、スイッチング回
路としてのプルダウンスイッチ507,508の制御端
子にHigh信号を入力する。そして、トライ・ステー
ト・インバータ502はディセーブルとなり、プルダウ
ンスイッチ507,508はオンになる。
【0040】一方、第1の出力端110aからLow信
号が出力されると、トライ・ステート・インバータ50
2の制御端子に反転されたHigh信号を入力し、プル
ダウンスイッチ507,508の制御端子にLow信号
を入力する。そして、トライ・ステート・インバータ5
02はイネーブルとなり、プルダウンスイッチ507,
508はオフになる。
【0041】このとき、起動/停止信号発生手段110
の第2の出力端子110bからHigh信号を出力する
と、トライ・ステート・バッファ501aはイネーブル
になり、トライ・ステート・バッファ501bはディセ
ーブルになる。一方、第2の出力端子110bからLo
w信号を出力すると、トライ・ステート・バッファ50
1aはディセーブルになり、トライ・ステート・バッフ
ァ501bはイネーブルになる。そして、移動体108
の正逆方向の回転が決定される。
【0042】次に、図5に基づいて、本実施の形態に係
わる超音波モータの動作について説明する。起動/停止
信号発生手段110の第1の出力端子110aからHi
gh信号が出力される。このとき、該High信号は反
転されてトライ・ステート・インバータ502の制御端
子に入力され、トライ・ステート・インバータ502を
ディセーブルにし、発振駆動回路405を停止状態にす
る。また、該High信号はプルダウンスイッチ50
7,508の制御端子に入力され、該High信号はプ
ルダウンスイッチ507,508をオン状態にする。こ
こで、コンデンサ505,506に残存した電荷は放電
され、コンデンサ505,506に蓄えられる電荷は零
になり、トライ・ステート・インバータ502およびト
ライ・ステート・バッファ501a,501bの入力端
子はLowレベルに設定される。
【0043】次に、起動/停止信号発生手段110の第
1の出力端子110aからLow信号を出力し、第2の
出力端子110bからHigh信号を出力する。このと
き、該Low信号は反転されてトライ・ステート・イン
バータ502の制御端子に入力され、トライ・ステート
・インバータ502をイネーブルにし、発振駆動回路4
05を能動状態にする。一方、該Low信号はプルダウ
ンスイッチ507,508の制御端子に入力され、プル
ダウンスイッチ507,508をオフ状態にする。
【0044】また、Low信号は反転されてトライ・ス
テート・バッファ501aの制御端子に入力され、トラ
イ・ステート・バッファ501aをイネーブルにし、H
igh信号は反転されてトライ・ステート・バッファ5
01bの制御端子に入力され、トライ・ステート・バッ
ファ501bをディセーブルにする。ここで、コンデン
サ505,506は零電荷状態なので、発振駆動回路4
05に大きな電流が流れ、自励発振のタネである初期信
号が発振駆動回路405に発生する。該初期信号は、第
1の電極パターン103aに入力されて、圧電素子10
2および振動体101を励振させ、振動体101からト
ライ・ステート・インバータ502に入力して反転増幅
され、該反転増幅された初期信号は抵抗504を介して
コンデンサ506を充放電させて位相を調整するととも
に、トライ・ステート・バッファ501aの入力端子に
入力してさらに増幅される。このように、初期信号は反
転増幅、増幅を繰り返して発振可能な励振信号にまで増
幅される。
【0045】さらに、大きい初期信号は、少ない増幅回
数で励振信号にまで増幅されるため、超音波モータの立
ち上げに要する時間が短くなり、発振自起動性が向上し
高い信頼性が得られる。そして、この励振信号は、コン
デンサ505,506によって所定の位相に設定され、
固有周波数を主成分とした励振信号が永続的に発生す
る。
【0046】以降、振動体101は固有振動数の屈曲定
在波を発生して移動体108に所定のタイミングで当接
し、摩擦力を加えられた移動体108は正方向へ回転さ
れる。一方、起動/停止信号発生手段110の第2の出
力端子110bからLow信号が出力されると、反転さ
れたLow信号はトライ・ステート・バッファ501a
の制御端子に入力され、トライ・ステート・バッファ5
01aをディセーブルにし、反転されたHigh信号は
トライ・ステート・バッファ501bの制御端子に入力
され、トライ・ステート・バッファ501bをイネーブ
ルにする。
【0047】このとき、励振信号は圧電素子102の第
2の電極パターン103bに入力され、振動体102は
1/4波長位相の異なる屈曲定在波を発生して、移動体
108は逆方向へ回転される。図6は、発振が立ち上が
る時の回路動作のタイミングチャートである。ここで、
図6を用いて発振駆動回路405の動作原理を説明す
る。起動/停止信号発生手段110の出力に基づき、超
音波モータが停止状態の時、トライ・ステ−ト・インバ
ータ502ならびにトライ・ステ−ト・バッファ501
a、501bの出力はハイインピ−ダンス状態であり、
スイッチング回路としてのプルダウンスイッチ507、
508はオン状態にある。すなわち、トライ・ステート
・インバータ502およびトライ・ステート・バッファ
501a、501bの入力端子と出力端子はLOWにな
っている。
【0048】ここで、起動/停止信号発生手段が起動命
令を出力すると、トライ・ステート・インバータ502
およびトライ・ステート・バッファ501aもしくは5
01bが能動状態になるとともに、スイッチング回路と
してのプルダウンスイッチはオフ状態になる。この時点
では、トライ・ステート・インバータは入力端子がLO
Wであるため出力端子にHIGHを出力し、一方トライ
・ステート・バファ501aもしくは501bは入力端
子がLOWであるため出力端子にLOWを出力する。ト
ライ・ステート・インバータ502の出力端子がHIG
Hであるため、コンデンサ505は帰還抵抗503を介
して充電を開始し、コンデンサ506は抵抗504を介
して充電を開始する。本実施の形態では、帰還抵抗50
3は1MΩと非常に高いため帰還抵抗503とコンデン
サ505の時定数τ1は抵抗504とコンデンサ506
の時定数τ2より大きいため、トライ・ステート・バフ
ァ501aもしくは501bは入力電圧が反転電圧を超
えてHIGHを出力する(図6のタイミングA)。
【0049】次に、トライ・ステート・インバータ50
2の入力電圧が反転電圧を超えてLOWを出力する(図
6のタイミングB)。以後、トライ・ステ−ト・インバ
ータ502は動作点が決まり、振動体101に発生する
固有周波数を主成分とする信号を入力して反転増幅を行
い、抵抗504を介してコンデンサ506の充放電を繰
り返す。トライ・ステ−ト・バッファ501aもしくは
501bはコンデンサ506に充放電される信号を入力
し、圧電素子102を励振駆動する。
【0050】トライ・ステ−ト・インバータ502と、
抵抗504とコンデンサ506と、トライ・ステート・
バッファ501aもしくは501bと、コンデンサ50
5と、からフィードバックループが構成され、振動体1
01に発生する主成分とする信号はこのフィードバック
ループにより反転増幅された駆動信号となり、圧電素子
101は安定継続した自励振発振を行うこととなる(図
6のタイミングC)。
【0051】これと同時に圧電素子102が接合された
振動体101に発生する振動波により、移動体108を
摩擦駆動する。以上より、本実施の形態によれば、発振
駆動回路405が起動/停止信号発生手段110の出力
に応じて能動状態になった瞬間に大きな電流が流れ、自
励発振のタネである初期信号が発生し易くなり、少ない
増幅回数で短時間のうちに励振信号にまで増幅するよう
にしたので、再起動時にも優れた応答性が得られる。そ
して、安定した発振立ち上がり特性を有する信頼性の高
い超音波モータを実現している。
【0052】また、発振駆動回路405が停止状態のと
き、スイッチング回路としてのプルダウンスイッチ50
7、508をオン状態にしておくことは、トライ・ステ
ート・インバータ502およびトライ・ステート・バッ
ファ501a、501bの入力端子を所定の電位、即
ち、この場合はLOWレベルに固定され、貫通電流を抑
えるという効果も得られる。また、このスイッチング回
路としてのプルダウンスイッチ507、508は、モー
タ駆動中にON状態にすることで発振駆動回路405の
発振を停止させることができるため、超音波モータを停
止させるときに見られる振動体101の残留振動を瞬時
に打ち消すことで急停止させる手段としても利用可能で
ある。
【0053】{実施の形態2}図7は、本発明を適用した
超音波モータの実施の形態2に係わるブロック図であ
る。圧電素子102の表面上には複数の電極からなる少
なくとも2組の電極群103a、103bが形成されて
いる。
【0054】圧電素子102と振動体101は発振駆動
回路405に対してメカニカルフィルターとして働き、
振動体101には固有周波数を主成分とする信号が発生
する。反転電力増幅器502は入力部にインバータ61
5からなる構成とし、圧電素子102のもう一方の面に
形成された電極103cあるいは振動体101より発生
する励振信号を入力とし反転増幅して容量性回路である
位相調整回路599に出力する。
【0055】容量性回路である位相調整回路599は反
転電力増幅器502が出力する励振信号を入力とし、励
振信号の位相調整を行い、電力増幅器501へ出力す
る。電力増幅器501は入力部にインバータ620と、
インバータ620の出力を少なくとも2つの電力増幅器
501a、501bと接続した構成で、少なくとも2つ
の電力増幅器501a、501bの出力端子は圧電素子
102の表面上に形成された2組の電極群103a、1
03bにそれぞれ接続され、各々の電極群を独立に励振
駆動する。
【0056】起動/停止信号発生手段110aは、反転
電力増幅器502と電力増幅器501とスイッチング回
路507、508の動作を制御する信号を出力する。正
逆転信号発生手段110bは、移動体108の回転方向
を設定するための正逆転信号を切換回路106に出力す
る。切換回路106の出力端子は、電力増幅器501の
2つの電力増幅器501a、501bに接続されてお
り、起動/停止信号発生手段110aの出力信号と正逆
転信号発生手段110bの出力信号に基づき2つの電力
増幅器501a、501bの少なくとも1つを選択す
る。ここで切換回路106からの出力信号により作動さ
せる電力増幅器を変えると移動体の回転方向は逆転す
る。
【0057】スイッチング回路507、508は、起動
/停止信号発生手段110aが出力する制御信号に基づ
き、オン/オフする。図8は、本発明を適用した超音波
モータの実施の形態2に係わる発振駆動回路の構成図で
ある。振動体101には、一方の平面には複数の電極か
らなる2組の電極群103a、103bが形成されてい
る圧電素子102が接着等の手段で接合されている。振
動体101は電極としての役割も兼ねており、トライ・
ステ−ト・インバータ502の入力端子とコンデンサ5
05の一端とスイッチング回路としてのプルダウンスイ
ッチ507の一端に接続されている。コンデンサ505
の他端およびプルダウンスイッチ507の他端は接地さ
れている。
【0058】トライ・ステ−ト・インバータ502は、
圧電素子102の表面に形成された電極103cもしく
は振動体101より励振情報である電気的信号を反転増
幅するための反転電力増幅器の役割を果たす。このトラ
イ・ステ−ト・インバータ502は、圧電素子102か
らの励振信号をインバータ615から入力し、インバー
タ615は後段のプリバッファであるNAND613と
NOR614を介して各々Pchトランジスタ611と
Nchトランジスタ612を駆動して、反転増幅した信
号を出力する。
【0059】抵抗503は、トライ・ステ−ト・インバ
ータ502に並列接続された帰還抵抗であり、トライ・
ステ−ト・インバータ502の動作点を安定化する。位
相調整回路599は、抵抗504およびコンデンサ50
6から構成され、トライ・ステ−ト・インバータ502
の出力端子は抵抗504の一方に接続され、他端がコン
デンサ506の一端とプルダウンスイッチ508とトラ
イ・ステ−ト・バッファ501の入力端子に接続されて
いる。コンデンサ506の他端およびプルダウンスイッ
チ508の他端は接地されている。位相調整回路599
は、トライ・ステ−ト・インバータ502の出力する励
振信号を入力とし、励振信号の位相調整を行い、トライ
・ステ−ト・バッファ501へ出力する。
【0060】トライ・ステ−ト・バッファ501は、位
相調整回路599が出力する励振信号を、インバータ6
20から入力し、後段の少なくとも2組のトライ・ステ
−ト・バッファ501a、501bへ出力する。2組の
トライ・ステ−ト・バッファ501a、501bの出力
端子は、圧電素子102の一方の平面に形成された2組
の電極群103a、103bにそれぞれ接続される。
【0061】圧電素子102に形成された2つの電極群
103a、103bの直前に2組のトライ・ステ−ト・
バッファ501a、501bをそれぞれ配置すること
は、トライ・ステ−ト・インバータ502の入力端子と
出力端子に、位相調整ならびに直流遮断などの目的でコ
ンデンサ505、506が接続されることに加えて、圧
電素子102が基本的には容量性負荷であることから、
超音波モータから高出力を得るために非常に有効とな
る。
【0062】正逆転信号発生手段110bは、超音波モ
ータの回転方向を設定するための正逆転信号を切換回路
106に出力する。切換回路106の出力端子は、発振
駆動回路405の2組のトライ・ステ−ト・バッファ5
01a、501bの制御端子にそれぞれ接続されてお
り、正逆転信号発生手段110bの出力信号に基づき2
組のトライ・ステ−ト・バッファ501a、501bの
一方を通常のバッファとして機能させ、すなわち能動状
態にして、他方のバッファの出力端子をハイインピ−ダ
ンス状態としてディスエ−ブルにする。
【0063】振動体101は、切換回路106の出力信
号によって選択され能動状態にあるトライ・ステ−ト・
バッファで駆動される。振動体101は、切換回路10
6によって能動状態になるトライ・ステート・バッファ
が交換されると、超音波モータの回転方向が逆転する。
超音波モータを停止する際は、起動/停止信号発生手段
110aからの出力信号により、トライ・ステ−ト・イ
ンバータ502の出力がハイインピ−ダンス状態とな
る。同時にプルダウンスイッチ507、508がオンし
てコンデンサ506、507に残っている電荷をすみや
かに放電し、再起動時の発振立ち上がりをスムーズなも
のにする。また、トライ・ステ−ト・インバータ502
の入力信号とトライ・ステ−ト・バッファ501の入力
端子がLOWとなり、貫通電流を抑えるという効果も得
られる。同時に、起動/停止信号発生手段110aと正
逆転信号発生手段110bからの出力信号に基づいて出
力される切替回路106からの出力信号により、2つの
トライ・ステ−ト・バッファ501a、501bの出力
が両方ともハイインピ−ダンス状態となり、超音波モー
タを停止することができる。
【0064】プルダウンスイッチ507、508は、超
音波モータ停止直後のコンデンサ506、507に残っ
ている電荷によって、再起動時の発振立ち上げ時間が長
くなるのを抑える効果がある。また、このプルダウンス
イッチ507、508はモータの停止時に各電力増幅器
の入力端子を固定電位に設定して貫通電流を抑える効果
も有する。また、このスイッチング回路としてのプルダ
ウンスイッチ507、508は、モータ駆動中にON状
態にすることで発振駆動回路405の発振を停止させる
ことができるため、超音波モータを停止させるときに見
られる振動体101の残留振動を瞬時に打ち消すことで
急停止させる手段としても利用可能である。
【0065】次に、この発振駆動回路405の起動時の
動作を説明する。超音波モータが停止状態の時、起動/
停止信号発生手段110aは制御信号ENXにHIGH
を出力し、正逆転信号発生手段110bは制御信号DI
Rに正転の場合はHIGHを逆転の場合はLOWを出力
する。切換回路106は制御信号ENXのLOW入力を
受け、制御信号FXとRXにHIGHを出力する。制御
信号ENXがHIGHの時、トライ・ステ−ト・インバ
ータ502とトライ・ステ−ト・バッファ501a、5
01bは出力がハイインピ−ダンス状態となる。プルダ
ウンスイッチ507と508はENXがHIGHの時に
オン状態になりコンデンサ506、507に残っている
電荷をすみやかに放電し、再起動時の発振立ち上がり特
性を良好にする。また、トライ・ステ−ト・インバータ
502の入力信号UXINとトライ・ステ−ト・バッフ
ァ501の入力信号UBFINをLOWレベルにする。
【0066】超音波モータを起動する時、起動/停止信
号発生手段110aは制御信号ENXにLOWを出力す
る。トライ・ステ−ト・インバータ502は起動直前の
LOWレベルの入力信号UXINを入力し、出力信号U
XOにHIGHを出力する。切換回路106が出力する
制御信号DIRがHIGHの場合、トライ・ステ−ト・
バッファ501は起動直前のLOWレベルにある入力信
号UBFINを入力し、出力信号UFにLOWを出力す
る。プルダウンスイッチ507、508はENX=LO
Wによりオフ状態になる。
【0067】コンデンサ505は帰還抵抗503を介し
て、トライ・ステ−ト・インバータ502の出力UXO
がHIGHであるため充電を開始し、コンデンサ506
は抵抗504を介して、充電を開始する。ここで、本実
施の形態における帰還抵抗503は1MΩと高抵抗を用
いており、帰還抵抗503とコンデンサ505の時定数
τ1は、抵抗504とコンデンサ506の時定数τ2よ
り大きい。そのため、まずトライ・ステ−ト・バッファ
501の入力信号UBFINの電圧がトライ・ステ−ト
・バッファ501の入力部として設けられたインバータ
620の反転電圧を越えて、トライ・ステ−ト・バッフ
ァ501は出力信号UFにHIGHを出力する。
【0068】次にトライ・ステ−ト・インバータ502
の入力電圧がインバータ615の反転電圧を越えると、
インバータ615は出力をHIGHからLOWに反転
し、これに伴いNAND613、NOR614はともに
HIGHを出力する。即ち、Pchトランジスタ611
とNchトランジスタ612の入力信号が同相であるた
め、トライ・ステ−ト・インバータ502の出力は必ず
HIGHもしくはLOWとなり、ハイインピ−ダンス状
態にはならない。
【0069】即ち、トライ・ステ−ト・インバータ50
2の動作点は、入力部のインバータ615の反転電圧に
よってのみ決まるため、反転電圧が増減した場合でも、
Pchトランジスタ611とNchトランジスタ112
は同相で駆動され、反転増幅が確実に動作する。厳密に
は、インバータ615の出力がHIGHからLOWもし
くはLOWからHIGHへ遷移する過渡応答時におい
て、 NAND613とNOR614の出力が同相でな
い場合が考えられるが、インバータ615の電圧利得が
十分大きいので、NAND613とNOR614の出力
が同相でない期間は極めて短く、トライ・ステ−ト・イ
ンバータ502の出力がハイインピ−ダンス状態で安定
する確率は極めて小さい。
【0070】また、ここではトライ・ステ−ト・インバ
ータ502を例に説明したが、トライ・ステ−ト・バッ
ファ501の入力部のインバータ620と後段の電力増
幅器501a、501bのPchトランジスタ621、
631及びNchトランジスタ622、632について
も同様の効果を奏する。以後、トライ・ステ−ト・イン
バータ502は動作点が決まり、振動体101に発生す
る固有周波数を主成分とする信号UXINを入力し、反
転増幅して位相調整回路599に出力する。トライ・ス
テ−ト・バッファ501は位相調整回路599が出力す
る励振信号UBFINを増幅し、振動体101を励振駆
動する。
【0071】トライ・ステ−ト・インバータ502と位
相調整回路599とトライ・ステ−ト・バッファ501
によりフィードバックループが構成され、振動体101
に発生する主成分とする信号はこのフィードバックルー
プにより反転増幅された駆動信号となり、圧電素子10
1は安定継続した自励発振を行うこととなる。これと同
時に圧電素子102が接合された振動体101に発生す
る振動波により、移動体108を摩擦駆動する。
【0072】以上のように、トライ・ステ−ト・インバ
ータ502ならびにトライ・ステート・バッファ501
の入力部にインバータ620ならびに615を用いて構
成することにより、半導体プロセスのばらつきなどによ
ってその反転電圧がどのように変化しても、発振駆動回
路405の起動時、すなわち発振の立ち上がり時に各電
力増幅器の出力端子がハイインピーダンス状態に陥るこ
とを抑制でき、良好な発振立ち上がり特性が得られ、応
答性ならびに信頼性の優れた超音波モータが実現でき
た。
【0073】なお、本実施の形態では、再起動時の発振
立ち上がり特性をより良くするためにプルダウンスイッ
チも併用しているが、このプルダウンスイッチ507、
508が無くとも、各々の電力増幅器を入力部にインバ
ータをもちいた構成にすることのみでも、同様の効果が
得られる。 {実施の形態3}図9は、本発明を適用した超音波モータ
の実施の形態3に係わるブロック図である。
【0074】本実施の形態は、基本的には実施の形態2
とほぼ同様の構成であるが、電力増幅器501aとして
並列接続した電力増幅回路501cおよび501dを用
い、電力増幅器501bとして並列接続した電力増幅回
路501eおよび501fを用いた構成として、出力端
子を圧電素子の2組の電極103a、103bに接続し
た電力増幅器501a、501bの出力インピーダンス
を調整できることが特徴になっている。
【0075】電圧検出手段701は、電源の電源電圧を
検出し、電圧比較手段702は電圧検出手段701の検
出した電圧と予め設定した電源電圧デ−タを比較し、比
較情報を出力調整信号発生手段703へ出力する。この
比較情報において、予め設定した電源電圧デ−タと電圧
検出手段701が検出した電源電圧が一致しない場合、
出力調整信号出力手段703は電力増幅器501の出力
インピーダンスを調整する制御信号を選択回路704へ
出力する。
【0076】選択回路704は出力調整信号発生手段7
03の出力信号に基づき、電力増幅回路501dならび
に501fの動作を選択する。すなわち、電力増幅回路
501cを電力増幅器501aの基本とし、電力増幅回
路501eを電力増幅器501bの基本として、出力調
整信号発生手段の出力により電力増幅回路501c、5
01eに電力増幅回路501d、501fを加えるか否
かが決定される。
【0077】図10は、本発明を適用した超音波モータ
の実施の形態3に係わる発振駆動回路の構成図である。
本実施の形態は、先の実施の形態2と基本的には同様の
構成をとっており、電力増幅器501aとしてトライ・
ステ−ト・バッファ501cと501dを並列接続し、
電力増幅器501bとして電力増幅回路501eと50
1fを並列接続した点に特徴を有する。
【0078】出力調整信号発生手段703は出力インピ
ーダンス調整用のトライ・ステ−ト・バッファ501
d、501fの動作を選択するための制御信号TBXを
出力する。OR711とOR712は、出力調整信号発
生手段703の出力信号TBXに基づき、トライ・ステ
−ト・バッファ501d、501fの動作を選択する選
択回路704の役割を果たす。
【0079】トライ・ステ−ト・バッファ501d、5
01fは、選択回路704から出力される信号に基づい
て動作が許可され、トライ・ステ−ト・バッファ501
a、501bの出力インピーダンスを変化させる。超音
波モータを正転駆動する場合、起動/停止信号出力手段
110aは制御信号ENXにLOWを、正逆転信号出力
手段110bは制御信号DIRにHIGHを出力する。
切換回路106は起動/停止信号出力手段110aが出
力する制御信号ENXと正逆転信号出力手段110bが
出力する制御信号DIRに基づき、FXにLOWをRX
にHIGHを出力する。
【0080】出力調整信号出力手段703が出力信号T
BXにHIGHを出力した場合、選択回路704を構成
するOR711とOR712はHIGHを出力し、トラ
イ・ステ−ト・バッファ501d、501fは動作を許
可されず出力をハイインピ−ダンス状態にする。出力調
整信号出力手段703が出力信号TBXにLOWを出力
した場合、選択回路704を構成するOR711はLO
Wを出力し、OR712はHIGHを出力する。トライ
・ステ−ト・バッファ501dはOR711のLOW出
力に従い、動作を許可される。トライ・ステ−ト・バッ
ファ501dはトライ・ステ−ト・バッファ501cと
全く同じ構成なので、トライ・ステート・バッファ50
1aの出力インピーダンスは、トライ・ステ−ト・バッ
ファ601cのみのときの半分となる。
【0081】逆転動作の場合は、正逆転信号出力手段1
10bは制御信号DIRにLOWを出力し、切換回路1
06はFXにHIGHをRXにLOWを出力し、OR7
11はHIGHをOR712はLOWを出力するため、
トライ・ステ−ト・バッファ501fの動作が許可さ
れ、トライ・ステート・バッファ501bの出力インピ
ーダンスは半分になる。
【0082】本実施の形態においても、実施の形態2と
同様に、トライ・ステート・バッファ501は入力部に
インバータ602を用いた構成をとっており、発振の立
ち上がり時間を短くするとともに、並列接続したトライ
・ステ−ト・バッファ501cとトライ・ステ−ト・バ
ッファ501dもしくはトライ・ステ−ト・バッファ5
01eとトライ・ステ−ト・バッファ501fの伝達遅
延時間の違いによる出力のコンフリクトを最小限に抑え
ることによって、超音波モータの安定動作と低消費動作
のために非常に有効となる。
【0083】また、以上の構成により、電源電圧の変化
に対応して電力増幅器501の出力インピーダンスを調
整することが可能となり、低電圧においても超音波モー
タの所望の出力を得ることが容易にできる。なお、本実
施の形態では、電源電圧を検出して電力増幅器の出力イ
ンピーダンスを調整してモータ出力を制御しているが、
超音波モータの回転数を検出して電力増幅器501の出
力インピーダンスを調整しても良い。
【0084】{実施の形態4}図11は、本発明を適用し
た超音波モータの実施の形態4に係わる発振駆動回路の
電力増幅器の構成図である。本実施の形態は、先の実施
の形態2と基本構成は同じであり、トライ・ステ−ト・
バッファ501a、501bの構成に特徴がある。トラ
イ・ステート・バッファ501aおよび501bの構成
は全く同じであり、図11にはトライ・ステート・バッ
ファ501aのみを示す。
【0085】Pchトランジスタ621にPchトラン
ジスタ628を、Nchトランジスタ622にNchト
ランジスタ629を各々並列に接続し、Pchトランジ
スタ628とNchトランジスタ629のドレイン側の
接続を切ることができる構成とした点に特徴がある。P
chトランジスタ628とNchトランジスタ629の
ゲート入力を、Pchトランジスタ621とNchトラ
ンジスタ622のゲート入力と同じ、プリバッファ62
3、624の出力により駆動することから、Pchトラ
ンジスタ628とNchトランジスタ629のドレイン
側の接続690の有無にかかわらず、プリバッファ62
3、624から見た負荷は変化しないため、Pchトラ
ンジスタ628とNchトランジスタ629のゲート信
号はドレイン側の接続の有無に影響されない。
【0086】これにより、励振信号の位相条件に大きな
影響を生じることなく、出力インピーダンスを変化する
ことが可能となる。なお、本実施の形態においては、先
の実施の形態2の構成において、この構成をトライ・ス
テ−ト・バッファ501aおよび501bに適用してい
るが、電力増幅器の出力インピーダンスを調整できる実
施の形態3においても、トライ・ステート・バッファ5
01c、501d、501e、501fならびにトライ
・ステ−ト・インバータ502にも同様に適応可能であ
る。
【0087】{実施の形態5}図12は本発明を適用した
超音波モータの実施の形態5に係わるブロック図であ
る。基本構成は先の実施の形態1と同様であって、発振
駆動回路405の発振立ち上がり期間に起動/停止信号
発生手段110aの出力に基づき発振起動トリガを発生
する発振起動回路597を備えたことが本実施の形態の
特徴になっている。
【0088】図13は、本実施の形態に係わる発振駆動
回路の構成図である。振動体101には、一方の平面に
は複数の電極からなる2組の電極群103a、103b
が形成されている圧電素子102が接着等の手段で接合
されている。振動体101は電極としての役割も兼ねて
おり、トライ・ステ−ト・インバータ502とコンデン
サ505とスイッチング回路としてのプルダウンスイッ
チ507に接続されている。コンデンサ505の他端は
接地されている。
【0089】トライ・ステ−ト・インバータ502は、
圧電素子102の表面に形成された電極103cもしく
は振動体101より励振情報である電気的信号を反転増
幅するための反転電力増幅器の役割を果たす。抵抗50
3は、トライ・ステ−ト・インバータ502に並列接続
され、トライ・ステ−ト・インバータ502の動作点を
安定化する。
【0090】容量性回路である位相調整回路599はト
ライ・ステ−ト・インバータ502の出力する励振信号
を入力とし、励振信号の位相調整を行い、2組のトライ
・ステ−ト・バッファ501a、501bへ出力する。
容量性回路である位相調整回路599は抵抗504とコ
ンデンサ506とで構成され、トライ・ステ−ト・イン
バータ502の出力が抵抗504の一方に接続され、他
端がコンデンサ506とスイッチング回路としてのプル
ダウンスイッチ508と2組のトライ・ステ−ト・バッ
ファ501a、501bの入力端子に接続されている。
コンデンサ506の他端は接地されている。
【0091】発振起動回路597は、所定の抵抗値をも
つ抵抗509とプルダウンスイッチ510の直列接続回
路で構成され、スイッチング回路としてのプルダウンス
イッチ508と並列に接続される。2つのトライ・ステ
−ト・バッファ501a、501bの出力端子は、圧電
素子102の一方の平面に形成された2組の電極群10
3a、103bにそれぞれ接続される。圧電素子102
に形成された2つの電極群103a、103bの直前に
2つのトライ・ステート・バッファ501a、501b
をそれぞれ配置することは、トライ・ステ−ト・インバ
ータ502の入力端子と出力端子に、位相調整ならびに
直流遮断などの目的でコンデンサ505、506が接続
されることに加えて、圧電素子102が基本的には容量
性負荷であることから、超音波モータから高出力を得る
ために非常に有効となる。
【0092】正逆転信号発生手段110bは、超音波モ
ータの回転方向を設定するための正逆転信号を切換回路
106に出力する。切換回路106の出力端子は、発振
駆動回路405の2つのトライ・ステ−ト・バッファ5
01a、501bの制御端子にそれぞれ接続されてお
り、正逆転信号発生手段110bの出力信号に基づき2
つのトライ・ステ−ト・バッファ501a、501bの
一方を通常のバッファとして機能させ、他方のバッファ
の出力端子をハイインピ−ダンス状態としてディスエ−
ブルにする。
【0093】振動体101は、切換回路106の出力信
号によって選択された通常のバッファとして機能するト
ライ・ステ−ト・バッファで駆動される。振動体101
は、切換回路106によって能動状態になった、すなわ
ち通常のバッファとしての機能を許されたトライ・ステ
−ト・バッファのみで駆動され、切換回路106により
能動状態となるトライ・ステ−ト・バッファが交換され
ると、超音波モータの回転方向が逆転する。
【0094】超音波モータを停止する際は、起動/停止
信号発生手段110aからの出力信号により、トライ・
ステ−ト・インバータ502の出力がハイインピ−ダン
ス状態となる。同時に、起動/停止信号発生手段110
aと正逆転信号発生手段110bからの出力信号に基づ
いて出力される切換回路106からの出力信号により、
2つのトライ・ステ−ト・バッファ501a、501b
の出力が両方ともハイインピ−ダンス状態となり、超音
波モータを停止することができる。
【0095】さらに、起動/停止信号発生手段110a
の出力信号に基づき、スイッチング回路としてのプルダ
ウンスイッチ507、508がオン状態になり、再起動
時の発振立ち上がり特性を良好にする。ここで、スイッ
チング回路としてのプルダウンスイッチ507、508
ならびに抵抗509とプルダウンスイッチ510からな
る発振起動回路は、双方とも発振駆動回路405の起動
時の発振立ち上がり特性を良好にするためのものであ
る。本実施の形態においては、その両方を発振駆動回路
405に組み込んでいるが、スイッチング回路もしくは
発振起動回路のどちらか一方でも効果が得られる。
【0096】本実施の形態においては、スイッチング回
路と発振起動回路の双方を組み込んでおり、特に優れた
発振立ち上がり特性を有し、応答性が高く信頼性ある超
音波モータが得られている。図14は、本実施の形態に
係わる発振が立ち上がる時の回路動作のタイミングチャ
ートである。
【0097】超音波モータの起動方法とその動作に関し
て、図14のタイミングチャートを用いて詳細に説明す
る。超音波モータが停止状態の時、起動/停止信号発生
手段110aは制御信号ENXにHIGHを出力し、正
逆転信号発生手段110bは制御信号DIRに正転の場
合はHIGHを逆転の場合はLOWを出力する。切換回
路106は制御信号ENXのLOWレベルの入力を受
け、制御信号FXとRXにHIGHを出力する。制御信
号ENXがHIGHの時、トライ・ステ−ト・インバー
タ502とトライ・ステ−ト・バッファ501aと50
1bの出力はハイインピ−ダンス状態となる。プルダウ
ンスイッチ507、508はENXがHIGHの時にオ
ン状態になり、超音波モータの停止期間にコンデンサ5
05、506の残留電荷を放電させ、再起動時にスムー
ズな発振立ち上げができるように準備する。また、同時
にトライ・ステ−ト・インバータ502の入力信号UX
INとトライ・ステ−ト・バッファ501a、501b
の入力信号UBFINをLOWレベルにする。
【0098】超音波モータを起動する時、起動/停止信
号発生手段110aは制御信号ENXにLOWを出力
し、発振駆動回路405の動作を開始する。トライ・ス
テ−ト・インバータ502は起動直前の入力信号UXI
N=LOWを入力し、出力信号UXOにHIGHを出力
する。切換回路106が出力する制御信号DIRがHI
GHの場合、トライ・ステ−ト・バッファ501aは起
動直前の入力信号UBFIN=LOWを入力し、出力信
号UFにLOWを出力する。プルダウンスイッチ50
7、508はENX=LOWによりオフ状態になる。
【0099】コンデンサ505は帰還抵抗503を介し
て、トライ・ステ−ト・インバータ502の出力UXO
=HIGHにより充電を開始し、コンデンサ506は抵
抗504を介して、充電を開始する。本実施の形態にお
いて、帰還抵抗503は1MΩと非常に高い抵抗を用い
ており、帰還抵抗503とコンデンサ505の時定数τ
1は、抵抗504とコンデンサ506の時定数τ2より
大きい。このため、まずトライ・ステ−ト・バッファ5
01aの入力信号UBFINの電圧がトライ・ステ−ト
・バッファ501aのプリバッファ557とプリバッフ
ァ558の反転電圧を越えて(図14のタイミング
A)、トライ・ステ−ト・バッファ501aは出力信号
UFにHIGHを出力する。
【0100】ここで、半導体プロセスのばらつきによ
り、例えば電源電圧が3.0Vとして、トライ・ステ−
ト・インバータ502のPchプリバッファ575の反
転電圧が1.4V、Nchプリバッファ576の反転電
圧が1.6Vである場合、トライ・ステ−ト・インバー
タ502の入力電圧が0Vから上昇して1.4Vに至っ
た時、Pchトランジスタ571とNchトランジスタ
572が両方ともオフの状態、即ち、トライ・ステ−ト
・インバ−タ502の出力がハイインピ−ダンス状態と
なる場合がある(図14のタイミングB)。
【0101】このような場合、トライ・ステ−ト・イン
バ−タ502の出力がハイインピ−ダンス状態となる
と、コンデンサ505とコンデンサ506と抵抗503
と抵抗504の閉回路が構成され、コンデンサ505と
コンデンサ506との電位差により、コンデンサ506
は放電を始める(図14のタイミングB−C間)。ここ
で、起動/停止信号発生手段110aが出力する制御信
号TRGにより、発振起動トリガ信号を発生する発振起
動回路としてのプルダウンスイッチ510をオンする。
【0102】プルダウンスイッチ510をオンすると、
トライ・ステ−ト・バッファ501aの入力電位がプリ
バッファ557とプリバッファ558の反転電圧以下と
なり、トライ・ステ−ト・バッファ501aはLOWを
出力する。トライ・ステ−ト・バッファ501aがLO
Wを出力した瞬間、圧電素子102は電極103aと電
極103cあるいは振動体101との間の電位を維持す
る。
【0103】このため、トライ・ステ−ト・インバータ
502の入力信号UXINの電位が低下し(図14のタ
イミングC)、トライ・ステ−ト・インバータ502の
Pchプリバッファ575の反転電圧以下となり、Pc
hトランジスタ571がオンし、トライ・ステ−ト・イ
ンバータ502はHIGHを出力する。トライ・ステ−
ト・インバータ502がHIGHを出力すると、トライ
・ステ−ト・バッファ501a、501bの入力信号U
BFINの電位が上昇し(図14のタイミングD)、ト
ライ・ステ−ト・バッファ501aのプリバッファ55
7の反転電圧を越えて、トライ・ステ−ト・バッファ5
01aは元のHIGHを出力する。
【0104】するとUXINの電位も元に戻り、トライ
・ステ−ト・インバータ502のPchプリバッファ5
75の反転電圧を越えて、 Pchトランジスタ571
がオフし、トライ・ステ−ト・インバータ502の出力
はハイインピ−ダンス状態に戻る。トライ・ステ−ト・
インバータ502の出力がハイインピ−ダンス状態にな
ると、コンデンサ505と抵抗503と抵抗504と発
振起動回路を構成する抵抗509及びプルダウンスイッ
チ510とで閉回路が構成され、コンデンサ506は放
電を始める(図14タイミングD−E間)。
【0105】以上の様に、トライ・ステ−ト・バッファ
501a及び3ステ−トインバータ502の出力がオ
ン、オフをしばらく繰り返すことで、フィ−ドバックル
−プが構成される。これにより圧電素子102を有する
振動体101は自励発振を開始し、振動体101に発生
する固有周波数による発振に至る(図14タイミング
F)。これと同時に圧電素子102が接合された振動体
101に発生する振動波により、移動体を摩擦駆動す
る。
【0106】圧電素子102は自励発振を開始した後、
起動/停止信号発生手段110aが出力する制御信号T
RGにより、発振起動トリガを発生するプルダウンスイ
ッチ510をオフする。なお、発振起動トリガを発生す
るプルダウンスイッチ510をオンするタイミングに関
しては、トライ・ステ−ト・インバ−タ502の出力が
ハイインピ−ダンス状態に至る以前に開始しても同じ効
果を奏する。すなわち、半導体プロセスのバラツキによ
っては発振立ち上がり時にトライ・ステート・インバー
タ502の出力がハイインピーダンス状態になる可能性
があり、そのような場合を例にとって本実施の形態にお
ける動作原理を説明したが、このような状態にならなく
とも、この発振起動回路を設けることは発振の立ち上が
り特性を良好にする効果がある。
【0107】また、本実施例では正転動作の場合につい
て述べたが、逆転動作においても同じ効果を奏する。ス
イッチング回路としてのプルダウンスイッチ507、5
08ならびに抵抗509とプルダウンスイッチ510か
らなる発振起動回路は、双方とも発振駆動回路405の
起動時の発振立ち上がり特性を良好にするためのもので
ある。本実施の形態においては、その両方を発振駆動回
路405に組み込んでいるが、スイッチング回路もしく
は発振起動回路のどちらか一方でも効果が得られる。本
実施の形態においては、スイッチング回路と発振起動回
路の双方を組み込んでおり、特に優れた発振立ち上がり
特性を有し、応答性が高く信頼性ある超音波モータが得
られている。
【0108】また、先の実施の形態1でも用いているス
イッチング回路としてのプルダウンスイッチ507、5
08は、発振の立ち上がりをスムーズにする効果に加え
て、モータの停止時に各電力増幅器の入力端子を固定電
位に設定して貫通電流を抑える効果も有する。さらに
は、モータ駆動中にON状態にすることで発振駆動回路
405の発振を停止させることができるため、超音波モ
ータを停止させるときに見られる振動体101の残留振
動を瞬時に打ち消すことで急停止させる手段としても利
用可能である。
【0109】{実施の形態6}図15は、本発明を適用し
た超音波モータの実施の形態6に係わる発振駆動回路の
構成図である。本実施の形態は、実施の形態1の超音波
モータ本体、駆動部と略同様の構成であるが、制御部に
特徴を有する。
【0110】即ち、制御部は、本発明の自励発振の立ち
上げ制御手段としての起動/停止信号発生手段111か
らなり、この起動/停止信号発生手段111は、トライ
・ステート・インバータ502の制御端子、トライ・ス
テート・バッファ501a、501bの制御端子、スイ
ッチング回路としてのプルダウンスイッチ507,50
8の制御端にダイレクトにそれぞれHigh信号もしく
はLow信号に出力するMain信号発生部111a、
Pull−down信号発生部111b、DirA信号
発生部111c、DirB信号発生部111dから構成
されている。
【0111】次に、図16、図17、図18に基づい
て、本実施の形態に係わる超音波モータの動作について
説明する。図16は、超音波モータの駆動/停止および
回転方向を切り換えるタイミングチャートを示す。図1
7は、圧電素子102を接合した振動体101のアドミ
タンス−周波数特性を示す図である。図18は、発振駆
動回路405のループゲイン・フェーズ特性を示す図で
ある。
【0112】図16において、停止状態の場合、Mai
n信号発生部111aからHigh信号が出力され、該
High信号は反転されてトライ・ステート・インバー
タ502の制御端子に入力され、トライ・ステート・イ
ンバータ502をディセーブル、即ち出力端子をハイイ
ンピーダンス状態にする。このとき、Pull−dow
n信号発生部111bからHigh信号が出力され、該
High信号はプルダウンスイッチ507,508の制
御端子に入力され、プルダウンスイッチ507,508
をオン状態にし、コンデンサ505,506に蓄えられ
た残留電荷を放電して零状態にする。DirA信号発生
部111cからHigh信号が出力され、該High信
号は反転されてトライ・ステート・バッファ501aの
制御端子に入力され、トライ・ステート・バッファ50
1aをディセーブルにする。DirB信号発生部111
dからHigh信号が出力され、該High信号はバッ
ファ501bの制御端子に反転して入力され、トライ・
ステート・バッファ501bをディセーブルにする。
【0113】発振の立ち上げを行う場合、Main信号
発生部111aからLow信号が出力され、該Low信
号は反転されてトライ・ステート・インバータ502の
制御端子に入力し、トライ・ステート・インバータ50
2をイネーブル、即ち能動状態にする。このとき、Pu
ll−down信号発生部111bからLow信号が出
力され、該Low信号はプルダウンスイッチ507,5
08をオフ状態にする。また、DirA信号発生部11
1c、DirB信号発生部111dからLow信号が出
力され、該Low信号は反転されてトライ・ステート・
バッファ501a、501bの制御端子に入力され、ト
ライ・ステート・バッファ501a、501bをともに
イネーブルにする。
【0114】ここでは、トライ・ステート・バッファ5
01a,501bにより増幅され信号は、各々電極パタ
ーン103a,103bに入力され、圧電素子102の
両組の分極パターン103a、103bの両方で振動体
101を励振する。これは、図17に示すように1つの
電極パターン(103aあるいは103b)より両方の
電極パターン(103aと103b)を用いた方が、共
振が鋭く、より強い励振力が得られ自励発振に有利に働
くためである。さらに、図18の振動体101を組み込
んだ発振駆動回路405のループゲイン・フェーズ特性
においては、両方の電極パターン103aおよび103
bを用いることで高いループゲインが得られ、自励発振
の立ち上がりが早くなることが分かる。また、フェーズ
特性もより鋭い位相反転が見られ高い発振安定性が得ら
れることも分かる。そこで、これらの特性を利用して上
述のように両方の電極パターン(103aと103b)
を用いて自励発振の立ち上げを行うことにした。そし
て、励振信号が成長して発振が立ち上がった後に、正転
駆動する場合にはDirB信号発生部111dからHi
gh信号が出力される。該High信号は反転されてト
ライ・ステート・バッファ501bをディセーブル、す
なわち出力端子をハイインピーダンスにし、トライ・ス
テート・バッファ501aのみがイネーブル、すなわち
能動状態を維持し、移動体108は正方向へ回転され
る。
【0115】一方、逆転駆動する場合にはDirA信号
発生部111cからHigh信号が出力され、DirB
信号発生部111dからLow信号が出力される。該H
igh信号はトライ・ステート・バッファ501aの制
御端子に反転入力されてトライ・ステート・バッファ5
01aをディセーブルにし、該Low信号はトライ・ス
テート・バッファ501bの制御端子に反転入力されて
トライ・ステート・バッファ501bをイネーブルにす
る結果、移動体108を逆方向へ回転させる。
【0116】以上より、本実施の形態によれば、発振の
立ち上げ時にはトライ・ステート・バッファ501a,
501bにより増幅された信号を電極パターン103
a,103bに入力する、すなわち圧電素子102の両
方の電極パターン103aと103bを用いることで、
発振駆動回路405のループゲインは大きくなり、さら
に短時間で励振信号が成長するようにしたので再起動時
により優れた発振駆動特性を示す。
【0117】なお、本実施の形態では、より優れた発振
立ち上がり特性を得る為にスイッチング回路としてのプ
ルダウンスイッチ507、508も併用しているが、圧
電素子102の両方の電力群103a、103bを用い
て発振の立ち上げを行なう手段のみでも、短時間で発振
立ち上げを可能にするという効果は得られる。 {実施の形態7}図19は、本発明を適用した超音波モ
ータの実施の形態7に係わるブロック図である。
【0118】図20は、本実施の形態に係わる発振駆動
回路の構成図である。本実施の形態は、実施の形態6と
略同様の構成であるが、加えて回転数制御手段112、
回転情報検出手段113を設けた点を特徴とする。ここ
で、回転数制御手段112として、図20に示すよう
に、発振駆動回路405の容量性回路の静電容量を調整
する静電容量調整回路406を用いている。静電容量調
整回路406は、発振駆動回路405のコンデンサ50
5に接続したコンデンサ112aと、一端をコンデンサ
112aと接続し他端を接地した容量可変ダイオード1
12bと、容量可変ダイオード112bに並列に接続し
た可変電源112cからなる。そして、回転情報検出手
段113からの情報をもとに可変電源112の電圧を制
御して発振駆動回路405の容量性回路の静電容量を変
化させることで、発振駆動周波数を調整し、超音波モー
タの回転数を制御している。
【0119】これらの制御は、CPU(Central Proces
sing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(R
andom Access Memory)等から構成されるマイクロコン
ピュータシステムによって実行される。ROMは、制御
プログラムおよび移動体108の制御回転数データであ
る目標回転数情報を格納している。RAMはCPUの命
令に応じて制御プログラム、目標回転数情報、後述する
回転情報を一時的に記憶する。CPUは、ROMに格納
された制御プログラムをRAM上に展開し、目標回転数
情報と回転情報を比較して制御情報を生成し、この制御
情報を可変電源112cに出力する。
【0120】また、回転情報検出手段113は、例え
ば、移動体108に設けたマークを検出するエンコーダ
であり、移動体108の回転数を検出して回転情報を生
成し、この回転情報を回転数制御手段112に出力す
る。次に、本実施の形態の制御について説明する。図1
9において、回転数制御手段112のCPUは、ROM
に格納された制御プログラムをRAM上に展開し、この
プログラムを実行する。
【0121】回転情報検出手段113により移動体10
8の回転数が検出され、該回転情報は、回転数制御手段
112に入力され、RAM上に一時的に記憶される。該
回転情報は、CPUにより目標回転数情報と比較され、
回転情報と目標回転情報の一致、不一致を表す比較情報
が生成される。該比較情報において、回転情報と目標回
転数情報が一致しない場合、可変電源112cの電圧を
変更する制御情報が生成され、該制御情報は可変電源1
12cに出力される。
【0122】該制御情報は、可変電源112cの電圧を
変更し、電圧の変更に追従して可変容量ダイオード11
2bの容量を変更させる。即ち、発振駆動回路405の
コンデンサ505,506、静電容量調整回路406の
コンデンサ112a、可変容量ダイオードの合計の静電
容量が変更され、発振駆動回路405の発振条件が変化
する。
【0123】このとき、発振条件の変化は発振周波数の
変化をもたらし、結果として振動体101の振動振幅を
変化させる。そして、振動体101の振動振幅の変化は
移動体108に加えられる突起107の変位量を変化さ
せ、移動体108の回転数を目標の回転数に調整され
る。以上より、本実施の形態によれば、実施の形態1お
よび実施の形態6の効果が得られる上に、移動体108
の回転数と目標回転数が一致しない場合、発振駆動回路
405の容量性回路の静電容量を変更して、発振駆動周
波数を調整することで振動体101の出力を調整し移動
体108の回転数を目標回転数に制御維持される。
【0124】ここでは、発振駆動回路405の容量性回
路の静電容量を調整することで、一定の回転数を得てい
るが、先の実施の形態3で用いている電力増幅器501
の出力インピーダンスを調整する方法を併用することも
可能であり、また、トライ・ステート・インバータ50
2とトライ・ステート・バッファ501a,501bに
供給する電圧を調整してもよい。
【0125】{実施の形態8}図21は、本発明を適用
した実施の形態8に係わる超音波モータ付きアナログ式
時計の断構造を示す図である。本アナログ式時計は、前
述の振動体101、圧電素子102、突起107、移動
体108、加圧ばね109と、振動体101の中心に設
けられた案内ピン302、止ねじ303と、止ねじ30
3を押える地板301と、地板301の前面に配置され
た文字盤308と、文字盤308の前面に設けられた時
針、分針、秒針と、移動体歯車108aと噛合するとと
もに、回転軸を秒針と一体に設けられた四番車304
と、四番車304の回転軸と噛合する三番車305と、
三番車305の回転軸と噛合し、分針と一体に設けられ
た分車306と、分車306の前方にあって、時針と一
体に設けられた筒車307とから構成されている。
【0126】ここで、分車306及び三番車305は、
四番車304、即ち秒針の回転速度に対して、分針を1
/60の回転速度になるように歯車の歯数を設定し、筒
車307および裏車(図示省略)は四番車304に対し
て時針を1/720の回転速度になるように歯車比を設
定する。次に、図21に基づいて、アナログ式時計の動
作について説明する。
【0127】移動体108を回転させると、移動体歯車
108aは所定の回転速度で四番車304を回転させ、
四番車304と一体の秒針は、従動して回転し秒を表示
する。四番車304の回転速度は三番車305と分車3
06により減速される。分車306と一体の分針は、秒
針の1/60の回転速度で従動回転し、分を表示する。
【0128】一方、四番車304の回転速度は図示しな
い裏車と筒車307により減速される。筒車307と一
体の時針32は、秒針34の1/720の回転速度で従
動回転して、時を表示する。以上より、本実施の形態に
よれば、超音波モータを用いたアナログ式時計が実現さ
れる。
【0129】なお、時刻情報の表示は、上記のように複
数の輪列と指針により行うほかに、移動体108の軸方
向に直接指針や指標を取付けて行ってもよく、これら
は、文字盤308側から、および加圧ばね109側から
見ることもできる。さらに、モータ制御回路により発振
駆動回路から圧電素子102に入力する励振信号の周波
数の調整により秒針を毎秒のステップ運針若しくは連続
運針させてもよい。また、時刻表示以外にも年月日など
のカレンダ表示、電池残量、環境情報、からくり等の表
示を行わせてもよい。
【0130】{実施の形態9}図22は、本発明に係わ
る超音波モータを電子機器に適用した実施の形態9のブ
ロック図を示す。本電子機器は、前述の振動体101、
圧電素子102、移動体108と、移動体108と振動
体108を加圧する加圧機構510と、移動体101と
一体に可動する伝達機構520と、伝達機構520の動
作に基づいて動作する出力機構530とを備えることに
より実現する。
【0131】ここで、本発明に係わる電子機器として
は、例えば、電子時計、計測器、カメラ、プリンタ、印
刷機、工作機械、ロボット、移動装置などが実現でき
る。伝達機構520には、例えば、歯車、摩擦車等の伝
達車を用いる。出力機構530には、例えば、カメラに
おいてはシャッタ駆動機構、レンズ駆動機構を、電子時
計においては指針駆動機構、カレンダ駆動機構を、工作
機械においては刃具送り機構、加工部材送り機構等を用
いる。
【0132】なお、移動体に出力軸を取り付け、出力軸
からトルクを伝達するための動力伝達機構を有する構成
にすれば、超音波モータの駆動機構が実現できる。
【0133】
【発明の効果】以上より、請求項1記載の発明によれ
ば、容量性素子の端子間を短絡させるためのスイッチン
グ回路を設けることにより、発振駆動回路に自励発振の
タネになる初期信号を発生し易くし、少ない増幅回数で
短時間のうちに励振信号に増幅するようにしたので、再
起動時にも優れた応答性を示す。また、請求項2記載の
発明によれば、発振を開始する立ち上がり期間に発振起
動トリガを発生する発振起動回路を設けたことにより、
半導体プロセスのばらつきがあっても発振起動不良を回
避でき短時間で発振が立ち上がるようになるので、優れ
た応答性を有する。
【0134】また、請求項3記載の発明によれば、容量
性素子の端子間を短絡させるためのスイッチング回路と
発振を開始する立ち上がり期間に発振起動トリガを発生
する発振起動回路を設けたので、優れた応答性と高い信
頼性が得られる。また、請求項4記載の発明によれば、
発振駆動回路の電力増幅器の入力部にインバータを用い
たので、半導体プロセスのばらつきがあっても発振の立
ち上がり時間が短く高応答性を示す。
【0135】また、請求項5記載の発明によれば、発振
駆動回路の電力増幅器の入力部にインバータを用いると
ともに、容量性素子の端子間を短絡させるためのスイッ
チング回路と設けたので、優れた応答性と高い信頼性が
得られる。また、請求項6記載の発明によれば、発振駆
動回路の電力増幅器の入力部にインバータと、入力部の
インバータと出力部の間にプリバッファを設けるととも
に、入力部のインバータとプリバッファの反転電圧を電
源電圧の2分の1にしたので、より良好な発振の立ち上
がり特性が得られる。
【0136】また、請求項7記載の発明によれば、圧電
素子の表面上に形成された2組の電極群の各々に対して
独立に励振駆動するための2つの電力増幅器を配置し、
その電力増幅器の使分けにより回転方向を切換えるよう
にしたので、発振させ易く良好な発振立ち上がり特性が
得られる。また、請求項8記載の発明によれば、圧電素
子の表面上に形成された2組の電極群の各々に対して独
立に励振駆動するための2つの電力増幅器が、各々並列
接続された複数の電力増幅回路から構成することで各々
の電力増幅器の出力インピーダンスを調整できるように
したので、負荷や外部環境の変化に対しても高性能を有
する超音波モータが得られる。
【0137】また、請求項9記載の発明によれば、電源
電圧を検出する電圧検出手段と予め設定した電源データ
と両者を比較する電圧比較手段とを設けて電圧比較手段
の結果により電力増幅器の出力インピーダンスを調整す
るようにしたので、電源電圧の変化などにも対応できる
信頼性の高い自励振駆動式の超音波モータが得られる。
【0138】また、請求項10記載の発明によれば、電
力増幅器を構成する並列接続された複数の電力増幅回路
について出力段のトランジスタのみを並列接続した構成
にして、出力段トランジスタのドレイン側の接続を切り
電力増幅器の出力インピーダンスを調整するようにした
ので、駆動環境や駆動条件などが変化した際の出力イン
ピーダンス調整が容易になり、発振駆動回路をより簡素
化できる。
【0139】また、請求項11記載の発明によれば、圧
電素子の表面上に形成された2組の電極群の各々に対し
て独立に励振駆動するための2つの電力増幅器を配置
し、発振の立ち上げ時には両方の電力増幅器を用いて発
振立ち上げを行い、初期信号が励振信号にまで増幅され
た後、一方の電力増幅器を停止状態にすることでモータ
駆動を開始するような自励発振立ち上げ手段を設けたの
で、発振立ち上げ時間が大幅に短くなり高応答性と高い
信頼性が得られる。
【0140】また、請求項12記載の発明によれば、圧
電素子を接合した振動体が機械的共振状態でもつ誘導性
を利用して振動体と容量性素子とで発振駆動回路を構成
したので、振動体の機械的共振が鋭いことにより周波数
選択性に優れた安定性のある駆動回路が得られる。ま
た、請求項13記載の発明によれば、少なくとも一方の
表面にほぼ4の倍数個の電極を形成して隣接する2つず
つの電極を1組として組ごとに方向が交互に逆転するよ
うな分極処理を施し、第1の結線手段と第2の結線手段
により電極を各々1つおきに電気的に短絡させて2組の
電極群を構成し、振動体一方の表面上に電極の境界付近
の1つおきの位置に突起を設けたので、2組の電極群の
選択により回転方向の切換えが可能な単層駆動の超音波
モータが得られ、発振駆動回路が非常に簡単な構成にな
る。
【0141】また、請求項14記載の発明によれば、回
転情報検出手段と発振駆動回転の容量性回路の静電容量
を変化させる回転数制御手段を設けたので、駆動環境や
負荷変動等に対して高い駆動安定性が得られる。また、
請求項15記載の発明によれば、超音波モータ付き電子
機器に請求項1ないし請求項14のいずれか1項記載の
超音波モータを搭載するようにしたので、超音波モータ
付き電子機器が性能ならびに信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した超音波モータの実施の形態1
に係わる構造図である。
【図2】本発明を適用した超音波モータの実施の形態1
に係わる振動体の平面構造および断面構造を示す図であ
る。
【図3】本発明を適用した超音波モータの実施の形態1
に係わる圧電素子の平面構造を示す図である。
【図4】本発明を適用した超音波モータの実施の形態1
に係わる動作原理を示す図である。
【図5】本発明を適用した超音波モータの実施の形態1
に係わる発振駆動回路を示す図である。
【図6】本発明を適用した超音波モータの実施の形態1
に係わる発振が立ち上がる時の回路動作のタイミングチ
ャートである。
【図7】本発明を適用した超音波モータの実施の形態2
に係わるブロック図である。
【図8】本発明を適用した超音波モータの実施の形態2
に係わる発振駆動回路の構成図である。
【図9】本発明を適用した超音波モータの実施の形態3
に係わるブロック図である。
【図10】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
3に係わる発振駆動回路の構成図である。
【図11】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
4に係わる発振駆動回路の電力増幅器の構成図である。
【図12】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
5に係わるブロック図である。
【図13】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
5に係わる発振駆動回路の構成図である。
【図14】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
5に係わる発振が立ち上がる時の回路動作のタイミング
チャートである。
【図15】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
6に係わる発振駆動回路の構成図である。
【図16】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
6に係わる駆動/停止および回転方向を切り換えるタイ
ミングチャートを示す図である。
【図17】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
6に係わる圧電素子を接合した振動体のアドミタンス−
周波数特性を示す図である。
【図18】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
6に係わる発振駆動回路のループゲイン・フェーズ特性
を示す図である。
【図19】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
7に係わるブロック図である。
【図20】本発明を適用した超音波モータの実施の形態
7に係わる発振駆動回路の構成図である。
【図21】本発明を適用した実施の形態8に係わる超音
波モータ付きアナログ式時計の断構造を示す図である。
【図22】本発明に係わる超音波モータを電子機器に適
用した実施の形態9のブロック図である。
【図23】従来技術に係わる超音波モータの回路を示す
図である。
【符号の説明】
101 振動体 102 圧電素子 103a 電極パターン 103b 電極パターン 106 切換回路 107 突起 108 移動体 110 起動/停止信号発生手段 405 発振駆動回路 501a トライ・ステート・バッファ 501b トライ・ステート・バッファ 502 トライ・ステート・インバータ 505 コンデンサ 506 コンデンサ 507 スイッチング回路 508 スイッチング回路 597 発振起動回路 615 インバータ 620 インバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯野 朗弘 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 鈴木 誠 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツルメンツ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−170772(JP,A) 特開 平4−281373(JP,A) 特開 平3−18282(JP,A) 特開 平2−287281(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を接合した振動体を有し、圧電
    素子の伸縮運動により振動体に発生する振動波によって
    移動体を摩擦駆動する超音波モータにおいて、圧電素子
    を接合した振動体が、自励発振で振動波を発生するため
    の発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態/停止状態
    にして超音波モータの起動/停止を制御するための信号
    を発生する起動/停止信号発生手段とを有し、 前記発振駆動回路は、励振信号を増幅する電力増幅器
    と、励振信号の周波数を調整するための容量性回路と、
    容量性回路を構成する容量性素子に並列接続されるとと
    もに、前記起動/停止信号発生手段からの出力信号に基
    づいて容量性素子の端子間を短絡させるためのスイッチ
    ング回路とから構成され、起動/停止信号発生手段の出
    力信号に基づき発振駆動回路が停止状態にあるとき、ス
    イッチング回路がONとなり容量性素子の端子間が短絡
    状態になることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 圧電素子を接合した振動体を有し、圧電
    素子の伸縮運動により振動体に発生する振動波によって
    移動体を摩擦駆動する超音波モータにおいて、圧電素子
    を接合した振動体が、自励発振で振動波を発生するため
    の発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態/停止状態
    にして超音波モータの起動/停止を制御するための信号
    を発生する起動/停止信号発生手段とを有し、 前記発振駆動回路は、励振信号を増幅する電力増幅器
    と、励振信号の周波数を調整するための容量性回路と、
    起動/停止信号発生手段の出力信号に基づいて発振起動
    トリガを発生する発振起動回路とから構成され、起動/
    停止信号発生手段の出力信号に基づき発振駆動回路が能
    動状態になり発振を開始する立ち上がり期間に、発振起
    動トリガを発生する発振起動回路を動作させることを特
    徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】 圧電素子を接合した振動体を有し、圧電
    素子の伸縮運動により振動体に発生する振動波によって
    移動体を摩擦駆動する超音波モータにおいて、圧電素子
    を接合した振動体が、自励発振で振動波を発生するため
    の発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態/停止状態
    にして超音波モータの起動/停止を制御するための信号
    を発生する起動/停止信号発生手段とを有し、 前記発振駆動回路は、励振信号を増幅する電力増幅器
    と、励振信号の周波数を調整するための容量性回路と、
    容量性回路を構成する容量性素子に並列接続されるとと
    もに、起動/停止信号発生手段からの出力信号に基づい
    て容量性素子の端子間を短絡させるためのスイッチング
    回路と、起動/停止信号発生手段の出力信号に基づいて
    発振起動トリガを発生する発振起動回路とから構成さ
    れ、起動/停止信号発生手段の出力信号に基づき発振駆
    動回路が停止状態にあるとき、スイッチング回路がON
    となり容量性素子の端子間が短絡状態になり、起動/停
    止信号発生手段の出力信号に基づき発振駆動回路が能動
    状態になるときスイッチング回路がOFFになるととも
    に、発振を開始する立ち上がり期間に発振起動トリガを
    発生する発振起動回路を動作させることを特徴とする超
    音波モータ。
  4. 【請求項4】 圧電素子を接合した振動体を有し、圧電
    素子の伸縮運動により振動体に発生する振動波によって
    移動体を摩擦駆動する超音波モータにおいて、圧電素子
    を接合した振動体が、自励発振で振動波を発生するため
    の発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態/停止状態
    にして超音波モータの起動/停止を制御するための信号
    を発生する起動/停止信号発生手段とを有し、 前記発振駆動回路は、 励振信号を増幅する電力増幅器
    と、励振信号の周波数を調整するための容量性回路とか
    ら構成され、発振駆動回路の電力増幅器は、入力部にイ
    ンバータを用いて構成されることを特徴とした超音波モ
    ータ。
  5. 【請求項5】 圧電素子を接合した振動体を有し、圧電
    素子の伸縮運動により振動体に発生する振動波によって
    移動体を摩擦駆動する超音波モータにおいて、圧電素子
    を接合した振動体が、自励発振で振動波を発生するため
    の発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態/停止状態
    にして超音波モータの起動/停止を制御するための信号
    を発生する起動/停止信号発生手段とを有し、 前記発振駆動回路は、励振信号を増幅するためのもので
    あって入力部にインバータを用いて構成される電力増幅
    器と、励振信号の周波数を調整するための容量性回路
    と、容量性回路を構成する容量性素子に並列接続される
    とともに、起動/停止信号発生手段からの出力信号に基
    づいて容量性素子の端子間を短絡させるためのスイッチ
    ング回路とから構成され、起動/停止信号発生手段の出
    力信号に基づき発振駆動回路が停止状態にあるとき、ス
    イッチング回路がONとなり容量性素子の端子間が短絡
    状態になることを特徴とする超音波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の超音波
    モータにおいて、発振駆動回路の電力増幅器は、入力部
    のインバータと、入力部のインバータと出力部の間に設
    けられたプリバッファとから構成され、入力部のインバ
    ータとプリバッファの反転電圧が電源電圧の2分の1で
    あることを特徴とする超音波モータ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    に記載の超音波モータにおいて、圧電素子の表面上には
    複数の電極からなる2組の電極群が形成されており、発
    振駆動回路は、圧電素子の表面上に形成された2組の電
    極群の各々に対して出力端子が接続され各々の電極群を
    独立に励振駆動するための2つの電力増幅器を有し、起
    動/停止信号発生手段の出力信号に基づき、圧電素子の
    表面上に形成された2組の電極群の各々に対して出力端
    子が接続された2つの電力増幅器のどちらの電力増幅器
    を能動状態にするかの選択により移動体の回転方向を切
    り換えることを特徴とする超音波モータ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の超音波モータにおい
    て、圧電素子の表面上に形成された2組の電極群に対し
    て出力端子が接続された2つの電力増幅器は、並列接続
    された複数の電力増幅回路から各々構成され、複数の電
    力増幅回路のうち機能させる電力増幅回路を選択して電
    力増幅器の出力インピーダンスを調整するための信号を
    出力する出力調整信号発生手段を有することを特徴とす
    る超音波モータ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の超音波モータにおい
    て、電源の電源電圧を検出する電圧検出手段と、予め設
    定した電源電圧データと、電圧検出手段の検出した電圧
    と予め設定した電源電圧データを比較する電圧比較手段
    とを有するとともに、電圧比較手段による比較の結果、
    電圧検出手段の検出した電圧と電源電圧データが一致し
    ない場合、出力調整信号発生手段により電力増幅器の出
    力インピーダンスを調整することを特徴とした超音波モ
    ータ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項に記載の超音波モータにおいて、起動/停止信号発生
    手段あるいは出力調整信号発生手段の出力信号に基づき
    発振駆動回路を構成する電力増幅器の出力段トランジス
    タのドレイン側の接続を切ることで電力増幅器の出力イ
    ンピーダンスを調整することを特徴とした超音波モー
    タ。
  11. 【請求項11】 圧電素子を接合した振動体を有し、圧
    電素子の伸縮運動により振動体に発生する振動波によっ
    て移動体を摩擦駆動する超音波モータにおいて、圧電素
    子を接合した振動体が、自励発振で振動波を発生するた
    めの発振駆動回路と、発振駆動回路を能動状態/停止状
    態にして超音波モータの起動/停止を制御するための信
    号を発生する起動/停止信号発生手段とを有し、圧電素
    子の表面上には複数の電極からなる2組の電極群が形成
    されており、発振駆動回路は、圧電素子の表面上に形成
    された2組の電極群の各々に対して出力端子が接続され
    各々の電極群を独立に励振駆動するための2つの電力増
    幅器と、励振信号の周波数を調整するための容量性回路
    とを有し、起動/停止信号発生手段の出力信号に基づ
    き、圧電素子の表面上に形成された2組の電極群の各々
    に対して出力端子が接続された2つの電力増幅器のどち
    らの電力増幅器を能動状態にするかの選択により移動体
    の回転方向を切り換える超音波モータであって、超音波
    モータを起動するときは、前記2つの電力増幅器を両方
    とも能動状態にして発振駆動回路に初期信号を生成する
    とともに、初期信号が発振駆動回路により励振信号まで
    増幅された後に、起動/停止信号発生手段の出力信号に
    応じてどちらか一方の電力増幅器を停止状態にして駆動
    を開始する自励発振立ち上げ制御手段とを備えたことを
    特徴とする超音波モータ。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のいずれか
    1項に記載の超音波モータにおいて、発振駆動回路は、
    圧電素子を接合した振動体が機械的共振状態でもつ誘導
    性を利用して、振動体と容量性素子とで構成した共振回
    路を有する、ことを特徴とした超音波モータ。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12のいずれか
    1項に記載の超音波モータにおいて、圧電素子は、少な
    くとも一方の表面にほぼ等間隔に4の倍数個の電極を形
    成するとともに、隣接する2つずつの電極を1組として
    組ごとに方向が交互に逆転するような分極処理を施して
    あり、電極を各々1つおきに電気的に短絡させて2組の
    電極群を構成するための第1の結線手段および第2の結
    線手段と、振動体の一方の表面上の、圧電素子の少なく
    とも一方の平面上にほぼ等間隔の4の倍数個形成された
    電極の境界付近の1つおきの位置に、移動体に動力を伝
    達するために設けられた突起とを有することを特徴とし
    た超音波モータ。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    1項に記載の超音波モータにおいて、移動体の回転状態
    を検出するための回転情報検出手段と、回転情報検出手
    段からの出力信号に基づき移動体の回転数を調整するた
    めの回転数制御手段とを有し、回転数制御手段が発振駆
    動回路の容量性回路の静電容量を変化させる静電容量調
    整回路であることを特徴とする超音波モータ。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項14のいずれか
    1項に記載の超音波モータを備えたことを特徴とする超
    音波モータ付き電子機器。
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