JP2009124807A - 電圧変換回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】電圧変換効率の劣化を抑制することが可能な電圧変換回路を供給する。
【解決手段】電圧変換回路9を含む電源装置100は、交流電源1と整流回路2を有する電源回路3と、複数のコンデンサ4およびこの複数のコンデンサ4を電源回路3に対して直列接続と並列接続とに切り替えるスイッチング回路5を有する電圧変換回路9と、負荷回路10とから主に構成される。電圧変換回路9は電源回路3と負荷回路10との間に接続され、さらに電圧変換回路9には複数のコンデンサ4の接続数(昇降圧段数)の増減を制御する増幅率制御回路6が接続されている。この増幅率制御回路6は、周波数検出回路7からの交流電源1の周波数と、電圧検出回路8からの交流電源1の整流後の電圧(電圧変換回路9への入力電圧)の各情報に基づいて複数のコンデンサ4の接続数の増減の制御を行う。
【選択図】図1
【解決手段】電圧変換回路9を含む電源装置100は、交流電源1と整流回路2を有する電源回路3と、複数のコンデンサ4およびこの複数のコンデンサ4を電源回路3に対して直列接続と並列接続とに切り替えるスイッチング回路5を有する電圧変換回路9と、負荷回路10とから主に構成される。電圧変換回路9は電源回路3と負荷回路10との間に接続され、さらに電圧変換回路9には複数のコンデンサ4の接続数(昇降圧段数)の増減を制御する増幅率制御回路6が接続されている。この増幅率制御回路6は、周波数検出回路7からの交流電源1の周波数と、電圧検出回路8からの交流電源1の整流後の電圧(電圧変換回路9への入力電圧)の各情報に基づいて複数のコンデンサ4の接続数の増減の制御を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、電圧変換回路に関し、特に交流電源から入力された電圧を昇圧または降圧するための電圧変換回路に関する。
一般に負荷回路に電力を供給する外部交流電源からの電源電圧を所望の電圧値に昇圧または降圧する回路としてチャージポンプ回路(電圧変換回路)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、チャージポンプ回路としてスイッチドキャパシタタイプDC−DCコンバータが採用され、このDC−DCコンバータでは、負荷回路にかかる電圧(コンバータからの出力電圧)が高いと昇圧または降圧段数を増加させて電圧を下げ、負荷回路にかかる電圧が低いと昇圧または降圧段数を減少させて電圧を上げることにより、負荷回路に供給する電力を制御している。具体的には、DC−DCコンバータに供給される入力電圧と昇圧または降圧後の出力電圧とをモニタすることで、DC−DCコンバータの昇圧あるいは降圧段数の制御を行っている。
特開2004−23832号公報
しかしながら、外部交流電源として静電誘導型の振動発電装置を用いた場合には、その出力インピーダンス(内部抵抗)が負荷回路の抵抗よりも高いため、外部交流電源からの電圧を降圧するために昇圧または降圧段数を増加させても負荷回路にかかる電圧(コンバータからの出力電圧)が上がってしまうという現象が生じる。これにより、従来の電圧モニタによる制御方法では、電圧をさらに降圧するための制御がなされ、チャージポンプ回路の昇圧または降圧後の出力電圧を所望の電圧することができなくなる状態が生じる。この結果、チャージポンプ回路の電圧変換効率が劣化してしまうということが懸念される。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電圧変換効率の劣化を抑制することが可能な電圧変換回路を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る電圧変換回路は、交流電源と負荷回路との間に接続され、複数のコンデンサの接続状態および接続数を切り替えることにより交流電源から入力された電圧を昇圧または降圧する電圧変換回路であって、複数のコンデンサを交流電源および負荷回路に対して直列接続と並列接続とに接続状態を切り替えるスイッチング回路と、複数のコンデンサの接続数を制御する制御回路とを備え、制御回路は交流電源から複数のコンデンサに供給される入力電圧と交流電源の周波数とに基づいて制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、電圧変換効率の劣化を抑制することが可能な電圧変換回路が提供される。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は本実施形態にかかる電圧変換回路9を含む電源装置100の基本構成を示すブロック図である。
本実施形態の電圧変換回路9を含む電源装置100は、図1に示すように、交流電源1と整流回路2を有する電源回路3と、電圧変換回路(複数のコンデンサ4、この複数のコンデンサ4を電源回路3に対して直列接続と並列接続とに切り替えるスイッチング回路5、及び複数のコンデンサ4の接続数を切り替えるスイッチング回路5aを有する電圧変換回路)9と、負荷回路10と、から主に構成される。電圧変換回路9は電源回路3と負荷回路10との間に接続され、さらに電圧変換回路9には複数のコンデンサ4の接続数(昇降圧段数)の増減を制御する増幅率制御回路6が接続されている。この増幅率制御回路6は、周波数検出回路7からの交流電源1の周波数と、電圧検出回路8からの交流電源1の整流後の電圧(電圧変換回路9への入力電圧)の各情報に基づいて、複数のコンデンサ4の接続数の増減の制御を行っている。また、スイッチング回路5は整流回路2を介さずに交流電源1と接続され、交流電源1の電位変動(出力信号が立ち下がる際の電位差あるいは立ち下がる際の電位差)によりスイッチングするように構成されている。
具体的には以下のとおりである。
電源回路3は、交流電源1と整流回路2とが直列に接続されて構成される。交流電源1には、たとえば、静電誘導型の振動発電装置が用いられ、外部からの振動により発電を行い、交流電圧(交流信号)を発生させる。なお、こうした振動発電装置では、その動作中に交流周波数が変動するとともに、この交流周波数によって開放電圧(発電装置を外部回路から切り離した状態での端子電圧)や出力インピーダンスが変動する。整流回路2は、たとえば、4つのダイオードからなるブリッジ整流回路と平滑コンデンサで構成され、これらを介して交流電源1からの交流電圧を直流電圧に変換する。
電圧変換回路9は、複数のコンデンサ4、この複数のコンデンサ4を電源回路3に対して直列接続と並列接続とに切り替えるスイッチング回路5、及び複数のコンデンサ4の接続数を切り替えるスイッチング回路5aからなる昇降圧部を有し、さらに複数のコンデンサ4の接続数の増減を制御する増幅率制御回路6、交流電源1の周波数をモニタする周波数検出回路7、及び交流電源1の整流後の電圧(電圧変換回路9への入力電圧)をモニタする電圧検出回路8からなる制御部を有する。
電圧変換回路9の昇降圧部では、複数のコンデンサ4は、整流回路2を介して交流電源1が接続され、電源回路3から整流後の出力電力が充電されるように接続されている。そして、複数のコンデンサ4は、電源回路3に対して直列接続と並列接続とに接続状態を切り替えられるとともに、さらに接続状態の切り替わるコンデンサの接続数(段数)を変更できるように構成されている。スイッチング回路5は、整流回路2を介さずに交流電源1が直接接続され、交流電源1の電位変動(出力信号が立ち下がる際の電位差あるいは立ち下がる際の電位差)によりスイッチング動作を行うように構成されている。
そして、電圧変換回路9から出力される電圧を降圧する際には、まず複数のコンデンサ4の中から選択されているコンデンサに対して、スイッチング回路5を切り替えて各々のコンデンサが電源回路3および負荷回路10に対して直列に接続し、電源回路3から電圧変換回路9(直列接続されたコンデンサ)にエネルギーを充電する。そして、スイッチング回路5を切り替えて各々のコンデンサが電源回路3および負荷回路10に対して並列に接続し、電圧変換回路9(並列接続されたコンデンサ)からエネルギーを出力する。こうしたエネルギーは定電圧回路11を介して負荷回路10に供給される。電圧変換回路9の昇降圧部では、このようにして電圧変換動作を行い、電源電圧を降圧して負荷回路10に供給する。そして、負荷回路10への電流(電力)を増幅させている。
なお、スイッチング回路5の切り替えは、並列接続ではコンデンサの充電が一定の電位を超えた場合に、スイッチング回路5の所定の端子に交流電源1からの整流前の信号波形の電位変動(出力信号が立ち上がる際の電位差)を印加することにより行う。そして、直列接続ではコンデンサの充電が一定の電位より下がった場合に、スイッチング回路5の所定の端子に交流電源1からの整流前の信号波形の電位変動(出力信号が立ち下がる際の電位差)を印加することにより行う。
具体的に、コンデンサ数が5個の場合を例に、接続状態の切り替えおよび接続数の切り替えについて説明する。
図2は電圧変換回路9の昇降圧部を構成する回路図である。図2(A)は5個のコンデンサが直列接続状態、図2(B)は5個のコンデンサが並列接続状態を示す。
図2(A)に示すように、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)の接続数を切り替えるスイッチング回路5aを構成するスイッチ(破線で囲われたスイッチ)の内、スイッチSW13〜SW43をオフ状態、スイッチSW15〜SW45をオン状態にする。これにより、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)のすべてで接続状態の切り替えが可能となる。そして、VDD(電源回路3)から電圧変換回路9にエネルギーを充電するために、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)の接続状態を切り替えるスイッチング回路5を構成するスイッチの内、スイッチSW11〜SW41およびスイッチSW12〜SW42をオフ状態、スイッチSW14〜SW44をオン状態にする。これにより、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)がVDD(電源回路3)および負荷回路10に対して直列に接続される。
一方、電圧変換回路9からエネルギーを負荷回路10に供給するために、図2(B)に示すように、スイッチSW11〜SW41およびスイッチSW12〜SW42をオン状態、スイッチSW14〜SW44をオフ状態にする。これにより、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)がVDD(電源回路3)および負荷回路10に対して並列に接続される。
図3は電圧変換回路9の昇降圧部において複数のコンデンサ4の接続数を減少させた状態の回路図(直列接続状態)である。図3(A)はコンデンサ接続数を4個に減少させた状態の例および図3(B)はコンデンサ接続数を3個に減少させた状態の例を示す。
5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)のうち、電圧の昇降圧に利用可能な数を4個に減少させる場合には、図3(A)に示すように、スイッチSW43をオン状態およびスイッチSW45をオフ状態に切り替える。これにより、1個のコンデンサ(コンデンサC5)が切り離され、4個のコンデンサ(コンデンサC1〜C4)での接続状態の切り替えが可能となる。
また、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)うち、電圧の昇降圧に利用可能な接続数を3個に減少させる場合には、上記のようにコンデンサC5が切り離された状態から、図3(B)に示すように、スイッチSW33をオン状態およびスイッチSW35をオフ状態に切り替える。これにより、さらに1個のコンデンサ(コンデンサC4)が切り離され、3個のコンデンサ(コンデンサC1〜C3)での接続状態の切り替えが可能となる。
電圧の昇降圧に利用可能なコンデンサの数(接続数)の減少はこのように行われ、5個のコンデンサ(コンデンサC1〜C5)の接続数を1個まで減少させることができる。
一方、電圧の昇降圧に利用可能なコンデンサの数(接続数)を増加させる場合には、各スイッチのオン・オフ状態を逆にしていくことで、接続数を増加させることができる。
電圧変換回路9の制御部では、昇降圧部での電圧変換動作を行う際、交流電源1の周波数と電圧変換回路9への入力電圧の各情報に基づいて、複数のコンデンサ4の接続数の切り替え制御を行っている。具体的には、交流電源1の動作中に周波数が変動した際あるいは負荷回路10の動作中に負荷抵抗が変動した際、電圧変換回路9への入力電圧が交流電源1の周波数に対応する開放電圧の半分の電圧を超えるとコンデンサの接続数を減少させ、電圧変換回路9への入力電圧が交流電源1の周波数に対応する開放電圧の半分の電圧を下回るとコンデンサの接続数を増加させる制御を行っている。
図4は、電圧変換回路9の制御部を構成する周波数検出回路7および電圧検出回路8の回路図である。なお、本実施形態では、周波数検出回路7と電圧検出回路8とは1つの回路として構成されている。
図4に示すように、検出回路は、2つの抵抗(抵抗R1および抵抗R2)の間に直列に配置された2つのスイッチSW1およびスイッチSW2から構成されている。ここで、スイッチSW1とスイッチSW2は、交流電源1の整流前の電圧が印加されることによりスイッチのオン・オフが制御され、一方がオン状態になると、もう一方がオフ状態になる。なお、各スイッチのオン状態とオフ状態は、交流電源1の周波数の1周期に1回切り替わる。
また、スイッチSW1とスイッチSW2との間にコンデンサCaが接続され、抵抗R1とスイッチSW1との間およびスイッチSW2と抵抗R2との間に、電圧の安定化のためのコンデンサCb1およびコンデンサCb2がそれぞれ接続されている。そして、2つのスイッチが切り替わることにより、コンデンサCaは充電または放電を行い、コンデンサCb1の電荷をコンデンサCb2へ移動させる。
また、抵抗R1には電源回路3が接続され、さらにノードBを介して昇降圧部(コンデンサ4およびスイッチング回路5,5a)に接続されている。そして、抵抗R2には負荷回路10が接続され、抵抗R1とスイッチSW1との間のノードAを介して増幅率制御回路6が接続されている。
上述の検出回路では、交流電源1の周波数が高い場合、2つのスイッチの切り替えが高速で行われるため、コンデンサCb1からコンデンサCb2への電荷の移動の抵抗が低くなり、ノードAでの電圧が高くなる。そして、増幅率制御回路6に印加される。一方、交流電源1の周波数が低い場合、2つのスイッチの切り替えが低速で行われるため、コンデンサCb1からコンデンサCb2への電荷の移動の抵抗が高くなり、ノードAでの電圧が低くなる。そして、増幅率制御回路6に印加される。このように、交流電源1の周波数に応じてノードAの電圧が変動し、増幅率制御回路6に印加される。
負荷回路10は、負荷抵抗と平滑コンデンサとが並列に接続されて構成される。そして、この負荷回路10には、昇圧または降圧された電圧が定電圧回路11を介して一定の電圧で供給される。なお、負荷回路10は、回路で消費される電力が変動することにより、消費される電力に応じてその負荷抵抗が変動する。
定電圧回路11は、負荷回路10に入力される電圧が一定となるように調整する回路である。定電圧回路11は、一般的な定電圧回路が採用され、たとえば、Nチャネルエンハンスト型電界効果トランジスタのドレイン側にVDD(電圧変換回路9から入力される電圧)を接続し、ソース側に負荷回路10を接続する。そして、ゲート側にツェーナーダイオードを介して0Vまたは負電圧が印加されるように構成することで、負荷回路10に供給される電圧を一定に制御している。
蓄電手段12は、負荷回路10と並列に接続されており、たとえば、コンデンサや蓄電池などが採用される。そして、電圧変換回路9から出力される電力が充電され、その後、充電された電力が定電圧回路11を介して負荷回路10に供給される。
以上のように本実施形態に係る電圧変換回路を含む発電装置は構成される。
なお、電源回路3は本発明の「電源回路」、負荷回路10は本発明の「負荷回路」、コンデンサ4は本発明の「コンデンサ」、スイッチング回路5は本発明の「スイッチング回路」、交流電源1は本発明の「交流電源」、整流回路2は本発明の「整流回路」、電圧変換回路9は本発明の「電圧変換回路」、及び増幅率制御回路6は本発明の「制御回路」の一例である。
図5は本実施形態に係る電圧変換回路9を含む電源装置100におけるコンデンサ4の昇降圧段数と負荷回路10で消費される消費電力(負荷回路10に供給される電力)との相関図である。なお、図5(A)は交流電源(開放電圧40V、出力インピーダンス10MΩ)と負荷回路(負荷抵抗1MΩ)との組み合わせの例、図5(B)は交流電源(開放電圧40V、出力インピーダンス10MΩ)と負荷回路(負荷抵抗0.4MΩ)との組み合わせの例、図5(C)は交流電源(開放電圧40V、出力インピーダンス100MΩ)と負荷回路(負荷抵抗1MΩ)との組み合わせの例、及び図5(D)は交流電源(開放電圧20V、出力インピーダンス10MΩ)と負荷回路(負荷抵抗1MΩ)との組み合わせの例である。
各図からコンデンサ4の昇降圧段数によって負荷回路10で消費される消費電力が変動していることが分かる。そして、図5(A)ではコンデンサ3段、図5(B)ではコンデンサ5段、図5(C)ではコンデンサ10段、図5(D)ではコンデンサ3段で、負荷回路10で消費される消費電力が最大となっており、交流電源1と負荷回路10の組み合わせによって消費電力が最大となる昇降圧段数が異なることが分かる。したがって、動作中に交流電源1や負荷回路10の各条件が変動する場合には、最大の消費電力の状態で電圧変換回路9の動作を行うために、変動した条件に応じて昇降圧段数を増減させる必要がある。
図6は本実施形態に係る電圧変換回路9を含む電源装置100におけるコンデンサ4の昇降圧段数と電圧変換回路9に入力される電圧(入力電圧)との相関図である。なお、図6(A)〜図6(D)は先の図5(A)〜図5(D)にそれぞれ対応する。各図からコンデンサ4の昇降圧段数によって電圧変換回路9に入力される電圧(入力電圧)が変動していることが分かる。図6(A)から最大消費電力となる昇降圧段数3段では入力電圧が20Vであり、交流電源1の開放電圧の半分の電圧となっている。また、それ以外の条件についても同様である。詳細には、図6(B)では昇降圧段数5段で入力電圧20V、図6(C)では昇降圧段数10段で入力電圧20V、図6(D)では昇降圧段数3段で入力電圧10Vとなっており、負荷回路10で消費される消費電力が最大となる昇降圧段数では、その際の電圧変換回路9に入力される電圧(入力電圧)が交流電源1の開放電圧の半分の電圧となっている。
以上のことから、電圧変換回路9に入力される電圧(入力電圧)を交流電源1の開放電圧の半分の電圧とすることにより、負荷回路10に供給される電力(負荷回路10で消費される消費電力)を最大とすることができることが分かる。
図7は交流電源1の交流周波数と開放電圧との相関図である。なお、同図では、交流電源1として櫛歯状に加工されたエレクトレット膜を用いた静電誘導型の振動発電装置を採用している。
図7に示すように、交流周波数が低い場合には開放電圧は小さく、交流周波数が高いと開放電圧は飽和し一定となっており、発電の際の開放電圧は交流周波数に依存して変動することが分かる。このことは、交流電源1の交流周波数を測定することにより交流電源1の開放電圧を予測することが可能なことを示している。
したがって、本実施形態の電圧変換回路9を含む電源装置100によれば、交流電源1の動作中に周波数が変動した際あるいは負荷回路10の動作中に負荷抵抗が変動した際、交流電源1の周波数に基づいて交流電源1の開放電圧を予測し、これを電圧変換回路9に入力される電圧(入力電圧)と所定の関係となるように比較制御することにより、電圧変換回路9のコンデンサ4の接続数を増減させ、負荷回路10に供給される電力(負荷回路10で消費される消費電力)を最大とすることができる。
具体的な電圧変換回路9の制御部における増幅率(コンデンサ接続数)制御方法について説明する。図8は電圧変換回路9の制御部における制御フローチャートである。
まず、電源回路(交流電源1)において発電を開始する。
ステップ1では、交流電源1の交流周波数を検出し、その交流周波数に対応する開放電圧を予測する。さらに、ステップ2では、電圧変換回路9に印加されている電圧(入力電圧)を検出する。
ステップ3aでは、入力電圧がステップ1で予測した開放電圧の半分(半分程度)の電圧であるかどうかを判別する。そして、入力電圧が開放電圧の半分(半分程度)の電圧であれば増幅率(コンデンサ接続数)をそのままとする(ステップ4a)。入力電圧が開放電圧の半分(半分程度)の電圧でなければ次のステップ3bに進む。
ステップ3bでは、入力電圧がステップ1で予測した開放電圧の半分(半分程度)の電圧以下であるかどうかを判別する。そして、入力電圧が開放電圧の半分(半分程度)の電圧以下であれば増幅率(コンデンサ接続数)を増加させる(ステップ4b)。入力電圧が開放電圧の半分(半分程度)の電圧以下でなければ、増幅率(コンデンサ接続数)を減少させる(ステップ4c)。
ステップ5では、ステップ4a〜4cの各条件に応じて、電圧変換回路9の昇降圧部に対して昇降圧動作を行わせ、負荷回路10にかかる電圧を維持または上昇または減少させる。
ステップ6では、電源回路3(交流電源1)の交流周波数の変動の有無、または負荷回路10の負荷抵抗の変動の有無を判別する。交流周波数と負荷抵抗のいずれかが変動していれば、ステップ1からの制御ステップを繰り返し、変動していなければ増幅率(コンデンサ接続数)をそのままとし、ステップ5からの制御ステップを繰り返す。
本実施形態における電圧変換回路9の制御部では、このようにして増幅率(コンデンサ接続数)の制御を行っている。
本発明の本実施形態に係る電圧変換回路9およびこうした電圧変換回路9を含む電源装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)交流電源1の周波数をモニタして複数のコンデンサ4の接続数(昇降圧段数)を制御するため、従来のように電圧変換回路9から出力される電圧をモニタすることなく、接続数の切り替えを行うことができる。したがって、交流電源として、出力インピーダンス(内部抵抗)が負荷回路10の抵抗よりも高い、静電誘導型の振動発電装置を用いた場合でも、精度よく昇圧または降圧の電圧変換を行うことができる。この結果、電圧変換回
路9の電圧変換効率の改善された電源装置100とすることができる。
路9の電圧変換効率の改善された電源装置100とすることができる。
(2)交流電源1の動作中に周波数が変動した際、電圧変換回路9に入力される電圧(入力電圧)を、交流電源1の周波数に応じて変動する開放電圧の半分の電圧またはその近傍の電圧となるように複数のコンデンサ4の接続数を制御したことで、電圧変換回路9の電圧変換効率の最大の状態で負荷回路10に電力を供給することができる。
(3)電圧変換回路9におけるスイッチング回路5を、整流回路2を介さずに交流電源1と接続し、スイッチング回路5の動作制御(オン・オフ制御)を、整流前の交流電源1の電位変動(整流前の交流電源1の電源電圧と整流後の基準電位GNDとの電位差)を用いて行うようにしたことで、従来の発振回路を用いることなく交流電源1から入力された電源電圧を昇圧または降圧することができる。このため、発振回路に起因した消費電流(消費電力)が削減され、電圧変換回路9およびこれを含む電源装置100の低消費電力化を図ることができる。
(4)発振回路を用いることなく交流電源1から入力された電源電圧を降圧(または昇圧)することができるので、発振回路を用いる場合に比べてより少ない電流で電圧変換回路9を動作させることが可能となる。このため、静電誘導型の振動発電装置のように、振動により発生する電流量が少ない交流電源1を採用する場合でも、電圧変換回路9を含む電源装置100を有効に動作させ、負荷回路10に供給する電流(電力)を増幅することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
上記実施形態では、交流電源として静電誘導型の振動発電装置を採用した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、電磁誘導型の振動発電装置や圧電体発電装置を採用してもよい。こうした場合にも対応する上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、スイッチング回路に対し、電源回路の整流回路を介さずに直接交流電源からの出力電圧を入力する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、従来と同様、電源回路の整流回路を介して交流電源から整流後の出力電力を入力するようにしてもよい。この場合には、少なくとも上記(1)および(2)の効果を享受することができる。
上記実施形態では、電圧変換回路を構成するスイッチング回路として、たとえば、PチャネルMOS電界効果トランジスタおよびNチャネルMOS電界効果トランジスタを用いて構成してもよいし、Pチャンネル接合型電界効果トランジスタおよびNチャネル接合型電界効果トランジスタを採用してもよい。また、PNP型バイポーラトランジスタおよびNPN型バイポーラトランジスタを採用してもよい。あるいは、IGBTあるいはサイリスタを用いてもよい。また、これらを組み合わせて使用してもよい。こうした場合にも上記効果を享受することができる。
特に、スイッチング回路としてPチャネルMOS電界効果トランジスタおよびNチャネルMOS電界効果トランジスタを用いた場合には、バイポーラ型や接合型のトランジスタを用いる場合に比べて、ゲート部分が電流を流しにくい絶縁体(絶縁膜)を介して構成される分、ゲート部分に起因したリーク電流が抑制され、電圧変換回路としての消費電流が低減される。これにより、電圧変換回路およびこれを含む電源装置のさらなる低消費電力化を図ることができる。
上記実施形態の電圧検出回路において、電圧変換回路から出力される電圧(出力電圧)を別途モニタするように構成してもよい。この場合には、電圧降下などが生じた場合でも電圧変換回路を有効に動作させ、電圧変換効率のさらに改善された電圧変換回路とすることができる。
1 交流電源、2 整流回路、3 電源回路、4 コンデンサ、5 スイッチング回路、6 増幅率制御回路、7 周波数検出回路、8 電圧検出回路、9 電圧変換回路、10 負荷回路、11 定電圧回路、12 蓄電手段、100 電源装置。
Claims (3)
- 交流電源と負荷回路との間に接続され、複数のコンデンサの接続状態および接続数を切り替えることにより前記交流電源から入力された電圧を昇圧または降圧する電圧変換回路であって、
前記複数のコンデンサを前記交流電源および前記負荷回路に対して直列接続と並列接続とに接続状態を切り替えるスイッチング回路と、前記複数のコンデンサの接続数を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は前記交流電源から前記複数のコンデンサに供給される入力電圧と前記交流電源の周波数とに基づいて前記制御を行うことを特徴とした電圧変換回路。 - 前記交流電源の開放電圧は前記周波数の変動に対応して電圧が変動する開放電圧であって、
前記制御回路では、前記交流電源の動作中に前記周波数が変動した際、前記入力電圧が前記開放電圧の半分の電圧より大きい場合には前記接続数を減少させ、前記入力電圧が前記開放電圧の半分の電圧より小さい場合には前記接続数を増加させる制御を行うことを特徴とした請求項1に記載の電圧変換回路。 - 前記複数のコンデンサは、前記交流電源からの電圧を整流する整流回路を介して前記交流電源と接続され、
前記スイッチング回路は、前記整流回路を介さずに前記交流電源と接続され、前記交流電源の電位変動によりスイッチングすることを特徴とした請求項1または2記載の電圧変換回路。
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