JP2009089476A - 静電動作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電量や駆動力が小さくなるのを抑制することが可能な静電動作装置を提供する。
【解決手段】この静電動作装置(静電誘導型発電装置1)は、集電電極22および23と、集電電極22および23に対向するように設けられるエレクトレット膜12およびエレクトレット膜12の表面上に形成される第2導電体層13のうちの少なくともエレクトレット膜12とを備え、集電電極22および23とエレクトレット膜12とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状であるか、または、第2導電体層13が形成されている場合は、集電電極22および23と第2導電体層13とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状である。
【選択図】図2
【解決手段】この静電動作装置(静電誘導型発電装置1)は、集電電極22および23と、集電電極22および23に対向するように設けられるエレクトレット膜12およびエレクトレット膜12の表面上に形成される第2導電体層13のうちの少なくともエレクトレット膜12とを備え、集電電極22および23とエレクトレット膜12とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状であるか、または、第2導電体層13が形成されている場合は、集電電極22および23と第2導電体層13とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状である。
【選択図】図2
Description
本発明は、静電動作装置に関し、特に、エレクトレット膜を備えた静電動作装置に関する。
従来、エレクトレット膜を備えた静電動作装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載の静電動作装置は、短冊状(矩形状)の電極と、電極に対向するように設けられる短冊状(矩形状)のエレクトレットとを備えている。この静電動作装置では、電極とエレクトレットとの相対的な位置が変化することにより、電極に誘導される電荷が変化し、その変化分が電流として出力される。
しかしながら、上記特許文献1に記載の静電動作装置では、静電動作装置を静電誘導型発電装置に用いたとき、矩形状の電極と矩形状のエレクトレットとの長辺(または短辺)方向がずれた状態で、電極とエレクトレットとが設置された場合、電極とエレクトレットとの対向する部分の面積が小さくなるので、発電量が小さくなるという問題点がある。また、静電動作装置を静電アクチュエータに用いたときには、静電アクチュエータの駆動力が小さくなるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、発電量や駆動力が小さくなるのを抑制することが可能な静電動作装置を提供することである。
この発明の一の局面による静電動作装置は、第1電極と、第1電極に対向するように設けられるエレクトレット膜およびエレクトレット膜の表面上に形成される第2電極のうちの少なくともエレクトレット膜とを備え、第1電極とエレクトレット膜とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状であるか、または、第2電極が形成されている場合は、第1電極と第2電極とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。図2は、図1の100−100線に沿った断面図である。図3は、図1の200−200線に沿った断面図である。図4は、円弧状の電極の形状を説明するための図である。図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置1の構造について説明する。なお、本実施形態では、静電動作装置の一例である静電誘導型発電装置1に本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。図2は、図1の100−100線に沿った断面図である。図3は、図1の200−200線に沿った断面図である。図4は、円弧状の電極の形状を説明するための図である。図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置1の構造について説明する。なお、本実施形態では、静電動作装置の一例である静電誘導型発電装置1に本発明を適用した場合について説明する。
この第1実施形態による静電誘導型発電装置1は、図1に示すように、第1電極部10と第2電極部20とが対向するように配置されている。以下詳細に説明する。
図1に示すように、約50nm〜約1000nmの厚みを有するAlからなる第1導電体層11の表面上に、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂やシリコン酸化膜からなるエレクトレット膜12が形成されている。また、エレクトレット膜12は、コロナ放電により全面に負電荷が注入されることによって電荷が全体的に分布されて約−20V〜約−2000Vの電位に調整されている。また、エレクトレット膜12の上面上には、約50nm〜約1000nmの厚みを有する第2導電体層13が形成されている。なお、第2導電体層13は、本発明の「第2電極」の一例である。ここで、第1実施形態では、第2導電体層13は、図2に示すように、円弧状に形成された部分を櫛歯状に接続した形状を有している。また、第2導電体層13の円弧状に形成された部分は、図4に示すように、同一の半径を有する2つの円をずらした状態で重ね合わせ、一方の円からはみ出した他方の円の一部を切り取った形状を有する。これにより、第1実施形態では、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の外径と内径とは、同一の半径を有するように構成される。また、第1実施形態では、第2導電体層13の円弧状に形成された部分は、それぞれ、円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、第1実施形態では、第2導電体層13の円弧状に形成された部分のそれぞれは、同一の形状を有しており、円弧状に形成された部分の外径と内径とは、それぞれ等しい。また、第1実施形態では、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の間隔W1は、少なくとも、円弧状に形成された部分の幅W2よりも大きくなるように構成されている。また、第1実施形態では、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の幅W2は、端部に向かって徐々に小さくなるように構成される。また、第1実施形態では、複数の第2導電体層13の円弧状に形成された部分の幅W2は、それぞれ等しい。また、第2導電体層13は、接地されている。この第2導電体層13は、エレクトレット膜12に蓄積される電荷による電界のガード電極としての機能を有する。つまり、エレクトレット膜12の第2導電体層13が形成されない領域の表面上の電界は強く、エレクトレット膜12の第2導電体層13が形成される領域の表面上の電界は弱くなる。これにより、エレクトレット膜12の表面上の電界の強弱が形成される。
また、図1に示すように、約300μm〜約1000μmの厚みを有する石英からなる基板21の下面上には、約50nm〜約1000nmの厚みを有するAlからなる集電電極22および23が形成されている。なお、集電電極22および23は、本発明の「第1電極」の一例である。また、第1実施形態では、集電電極22および23は、図3に示すように、それぞれ、第2導電体層13と同様に、円弧状に形成された部分を櫛歯状に接続した形状を有している。また、集電電極22および23は、集電電極22の櫛歯の歯と歯の間に、集電電極23の櫛歯の歯が配置されるように構成されている。集電電極22および23の円弧状に形成された部分は、図4に示すように、同一の半径を有する2つの円をずらした状態で重ね合わせ、一方の円からはみ出した他方の円の一部を切り取った形状を有する。これにより、第1実施形態では、円弧状に形成された部分の外径と内径とは、同一の半径を有するように構成される。また、第1実施形態では、集電電極22および23の円弧状に形成された部分は、それぞれ、円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、第1実施形態では、それぞれの円弧状に形成された部分は、同一の形状を有しており、円弧状に形成された部分の外径と内径とは、それぞれ等しい。また、第1実施形態では、集電電極22および23の円弧状に形成された部分の間隔W3は、円弧状に形成された部分の幅W4よりも大きくなるように構成されている。また、第1実施形態では、複数の集電電極22および23の円弧状に形成された部分の間隔W3は、それぞれ等しい。
また、第1実施形態では、第2導電体層13(第1電極部10)と、集電電極22および23(第2電極部20)との位置決めは、図2および図3に示す、第2導電体層13と集電電極22および23との円弧状の部分の凸方向と反対側の点Aにおいて行うように構成されている。この点Aで位置決めを行った後、この点を通る第1電極部10および第2電極部20の長辺方向の線上の所定の点において、位置決めが行われる。
次に、図1を用いて、本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置1の発電動作について説明する。
図1に示すように、静電誘導型発電装置1に振動が加わらない状態では、エレクトレット膜12の第2導電体層13が形成されない表面と集電電極23とが所定の間隔を隔てて対向するように配置されている。ここで、エレクトレット膜12の表面は、負の電位(約−20V〜約−2000V)に調整されているので、集電電極23は、静電誘導によって正電荷が誘導される。一方、第2導電体層13と集電電極22とが所定の間隔を隔てて対向するように配置されている。
次に、静電誘導型発電装置1に水平方向(X方向)の振動が加わり、第1電極部10と第2電極部20との位置が相対的に変化することにより、集電電極23は、第2導電体層13と対向する位置に移動する。これにより、集電電極23に対向する電位が、エレクトレット膜12の電位(約−20V〜約−2000V)から第2導電体層13の電位(接地)に変化するので、集電電極23に静電誘導によって誘導される電荷の量が減少する。一方、集電電極22は、エレクトレット膜12の第2導電体層13が形成されない表面と対向する位置に移動する。これにより、集電電極22に対向する電位が、第2導電体層13の電位(接地)からエレクトレット膜12の電位(約−20V〜約−2000V)に変化するので、集電電極22に静電誘導によって正電荷が誘導される。この電荷の変化分を、集電電極22および23に接続される回路により取り出すことによって、発電が継続して行われる。
第1実施形態では、上記のように、集電電極22および23と、第2導電体層13とは、円弧状に形成される部分(静電誘導型発電装置1の振動方向Xと直交する方向、または、直交する方向から微少量ずれた方向に対して非対称な形状の部分)を含むことによって、集電電極22および23と、第2導電体層13との長辺方向がずれた場合でも、集電電極22および23と、第2導電体層13とが、矩形状に形成されている場合に比べて、平面的に見て集電電極22または23と、第2導電体層13とが重なる部分の面積が小さくなるのを抑制することができる。これにより、静電誘導型発電装置1の発電量が小さくなるのを抑制することができる。なお、集電電極22および23と、第2導電体層13とが矩形状に形成されている場合よりも、円弧状に形成されている場合の方が、平面的に見て集電電極22または23と、第2導電体層13とが重なる部分の面積が小さくなるのを抑制することができる点は、後述する本願発明者によるシミュレーションにより確認済みである。
また、第1実施形態では、上記のように、第2導電体層13と、集電電極22および23との位置決めは、円弧状の凸方向と反対側の点Aにおいて行うように構成することによって、円弧状の凸方向側の点によって位置決めを行う場合に比べて、発電量が小さくなるのを抑制することができる。なお、この点は、後述する本願発明者によるシミュレーションにより確認済みである。
また、第1実施形態では、上記のように、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とは、それぞれ、複数設けられ、複数の集電電極22および23の円弧状の部分のそれぞれの外径と内径とは等しく、複数の第2導電体層13の円弧状の部分のそれぞれの外径と内径とは等しい。これにより、静電誘導型発電装置1の振動の振幅が、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とのピッチ以上に大きくなった場合でも、円弧状に形成される部分の大きさが同じなので、どの位置においても、円弧状に形成された部分の全体を利用して発電を行うことができる。なお、ピッチとは、円弧状に形成された部分の中央部分の幅と、円弧状に形成された部分の間隔とを加算した長さを意味する。
また、第1実施形態では、上記のように、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分との外径および内径は、それぞれ、同一の半径を有するように構成することによって、集電電極22および23の円弧状に形成された部分の幅と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の幅とは、端部に向かって小さくなる。これにより、集電電極22および23の円弧状に形成された部分の間隔W3と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の間隔W1とを詰めても、集電電極22および23の円弧状に形成された部分の端部と第2導電体層13の円弧状に形成された部分の端部とが平面的に見て重なるのを抑制することができる。その結果、一定面積内において集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分との数を多くすることができるので、発電量を大きくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とを、円弧状の凸方向が静電誘導型発電装置1の振動方向X1に向くように配置することによって、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とを詰めて配置することができるので、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分との数を多くすることができる。これにより、発電量を大きくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の集電電極22および23の円弧状に形成された部分の間隔W3と、複数の第2導電体層13の円弧状に形成された部分の間隔W1とは、それぞれ、集電電極22および23の円弧状に形成された部分の幅W4と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の幅W2とよりも大きくなるように構成することによって、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とが平面的に見て重ならないように配置することができる。これにより、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とが常に部分的に重なる場合と比べて、発電量を大きくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の集電電極22および23の円弧状に形成された部分の幅W4はそれぞれ等しく、複数の第2導電体層13の円弧状に形成された部分の幅W2は、それぞれ等しくなるように構成することによって、静電誘導型発電装置1の振動の振幅が、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分とのピッチ以上の場合でも、どの位置においても、円弧状に形成された部分のX1方向の幅の全体を利用して発電を行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、集電電極22および23の円弧状に形成されたの部分の幅W4と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の幅W2とは、それぞれ、集電電極22および23の円弧状に形成された部分と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分との中央部分から端部に向かって徐々に細くなるように形成することによって、容易に、集電電極22および23の円弧状に形成された部分の間隔と、第2導電体層13の円弧状に形成された部分の間隔とを小さくすることができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。図6は、図5の300−300線に沿った断面図である。図4、図5および図6を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、エレクトレット膜12aが、円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1aについて説明する。
図5は、本発明の第2実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。図6は、図5の300−300線に沿った断面図である。図4、図5および図6を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、エレクトレット膜12aが、円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1aについて説明する。
この第2実施形態による静電誘導型発電装置1aは、図5に示すように、約50μm〜約1000μmの厚みを有する非導電性の基板11aの表面上に、導電性の第3導電体層14が形成されている。また、第3導電体層14の表面上には、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂やシリコン酸化膜からなる複数のエレクトレット膜12aが形成されている。ここで、第2実施形態では、エレクトレット膜12aは、図6に示すように、円弧状に形成されている。なお、第3導電体層14も、エレクトレット膜12aと同様の形状を有する。また、エレクトレット膜12aは、図4に示すように、同一の半径を有する2つの円をずらした状態で重ね合わせ、一方の円からはみ出した他方の円の一部を切り取った形状を有する。これにより、第2実施形態では、エレクトレット膜12aの円弧状に形成された部分の外径と内径とは、同一の半径を有するように構成される。また、第2実施形態では、エレクトレット膜12aは、それぞれ、円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、複数のエレクトレット膜12aは、同一の形状を有しており、外径と内径とは、それぞれ等しい。また、第2実施形態では、エレクトレット膜12aの間隔W5は、少なくとも、エレクトレット膜12aの幅W6よりも大きくなるように構成されている。また、第2実施形態では、エレクトレット膜12aの円弧状に形成された部分の幅W6は、端部に向かって徐々に小さくなるように構成される。また、第2実施形態では、複数のエレクトレット膜12aの円弧状に形成された部分の幅W6は、それぞれ等しい。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態の効果において、第2導電体層13(図2参照)の円弧状に形成された部分を、エレクトレット膜12aに置き換えた場合と同様である。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態による静電誘導型発電装置の第2導電体層の平面図である。図8は、本発明の第3実施形態による静電誘導型発電装置の集電電極の平面図である。図9は、円弧からなる電極の形状を説明するための図である。図1および図7〜図9を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、第2導電体層13aの円弧状の部分と、集電電極22aおよび23aの円弧状の部分との外径および内径が同心円の一部から形成されている静電誘導型発電装置1bについて説明する。
図7は、本発明の第3実施形態による静電誘導型発電装置の第2導電体層の平面図である。図8は、本発明の第3実施形態による静電誘導型発電装置の集電電極の平面図である。図9は、円弧からなる電極の形状を説明するための図である。図1および図7〜図9を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、第2導電体層13aの円弧状の部分と、集電電極22aおよび23aの円弧状の部分との外径および内径が同心円の一部から形成されている静電誘導型発電装置1bについて説明する。
第3実施形態による静電誘導型発電装置1b(図1参照)の第2導電体層13aは、図7に示すように、円弧状に形成された部分を櫛歯状に接続した形状を有している。なお、第2導電体層13aは、本発明の「第2電極」の一例である。また、第2導電体層13aの円弧状に形成された部分は、図9に示すように、互いに半径の異なる2つの同心円を重ね合わせ、一方の円からはみ出した他方の円の一部を切り取った形状を有する。また、第3実施形態では、複数の第2導電体層13aの円弧状に形成された部分は、それぞれ、円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、複数の第2導電体層13aの円弧状に形成された部分のそれぞれは、同一の形状を有しており、円弧状に形成された部分の外径と内径とは、それぞれ等しい。また、第3実施形態では、第2導電体層13aの円弧状に形成された部分の間隔W7は、少なくとも、円弧状に形成された部分の幅W8よりも大きくなるように構成されている。また、第2導電体層13aは、接地されている。
また、第3実施形態による集電電極22aおよび23aは、図8に示すように、それぞれ、第2導電体層13aと同様に、円弧状に形成された部分を櫛歯状に接続した形状を有している。なお、集電電極22aおよび23aは、本発明の「第1電極」の一例である。また、集電電極22aおよび23aは、集電電極22aの櫛歯の歯と歯の間に、集電電極23aの櫛歯の歯が配置されるように構成されている。また、集電電極22aおよび23aの円弧状に形成された部分は、図9に示すように、互いに半径の異なる2つの同心円を重ね合わせ、一方の円からはみ出した他方の円の一部を切り取った形状を有する。また、第3実施形態では、複数の集電電極22aおよび23aの円弧状に形成された部分は、それぞれ、円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、複数の集電電極22aおよび23aの円弧状に形成された部分のそれぞれは、同一の形状を有しており、円弧状に形成された部分の外径と内径とは、それぞれ等しい。また、第3実施形態では、集電電極22aおよび23aの円弧状に形成された部分の間隔W9は、少なくとも、円弧状に形成された部分の幅W10よりも大きくなるように構成されている。また、第3実施形態では、複数の集電電極22aおよび23aの円弧状に形成された部分の間隔W9は、それぞれ等しい。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第3実施形態の効果は、上記第1実施形態の効果において、第1実施形態の集電電極22および23(図3参照)の幅と、第2導電体層13(図2参照)の幅とが端部に向かって小さくなっていることによる効果以外の効果と同様である。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態によるエレクトレット膜の平面図である。図5、図9および図10を参照して、この第4実施形態では、上記第3実施形態と異なり、エレクトレット膜12bが、円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1cについて説明する。
図10は、本発明の第4実施形態によるエレクトレット膜の平面図である。図5、図9および図10を参照して、この第4実施形態では、上記第3実施形態と異なり、エレクトレット膜12bが、円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1cについて説明する。
この第4実施形態による静電誘導型発電装置1cは、図5に示すように、約50μm〜約1000μmの厚みを有する非導電性の基板11aの表面上に、導電性の第3導電体層14aが形成されている。また、第3導電体層14aの表面上には、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂やシリコン酸化膜からなる複数のエレクトレット膜12bが形成されている。ここで、第4実施形態では、エレクトレット膜12bは、図10に示すように、円弧状に形成されている。また、エレクトレット膜12bは、図9に示すように、互いに半径の異なる2つの同心円を重ね合わせ、一方の円からはみ出した他方の円の一部を切り取った形状を有する。また、第4実施形態では、エレクトレット膜12bの円弧状に形成された部分は、それぞれ、円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、第4実施形態では、エレクトレット膜12bの円弧状に形成された部分のそれぞれは、同一の形状を有しており、円弧状に形成された部分の外径と内径とは、それぞれ等しい。また、第4実施形態では、エレクトレット膜12bの円弧状に形成された部分の間隔W11は、円弧状に形成された部分の幅W12よりも大きくなるように構成されている。また、第4実施形態では、複数の円弧状に形成された部分の幅W12は、それぞれ等しい。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
また、第4実施形態の効果は、上記第3実施形態の効果において、第2導電体層13a(図7参照)の円弧状に形成された部分を、エレクトレット膜12bに置き換えた場合と同様である。
(シミュレーション1)
図11〜図13は、導電体層と集電電極との重なり面積の変化量を示す図である。図14は、導電体層と集電電極との回転軸を示す図である。図15は、回転角と第2導電体層および集電電極の重なり面積の変化量との関係を示す図である。図16は、回転角と、回転軸の位置と、導電体層および集電電極の重なり面積の変化量との関係を示す図である。図11〜図16を参照して、導電体層と集電電極との重なり面積の変化量について行ったシミュレーション1について説明する。なお、重なり面積の変化量とは、図11〜図13において、基板31(31a、31b)および基板33(33a、33b)の一方をX1方向に±160μm動かして、導電体層32(32a、32b)と集電電極34(34a、34b)とを平面的に見たときの重なり面積の最大値と最小値との差を意味する。
図11〜図13は、導電体層と集電電極との重なり面積の変化量を示す図である。図14は、導電体層と集電電極との回転軸を示す図である。図15は、回転角と第2導電体層および集電電極の重なり面積の変化量との関係を示す図である。図16は、回転角と、回転軸の位置と、導電体層および集電電極の重なり面積の変化量との関係を示す図である。図11〜図16を参照して、導電体層と集電電極との重なり面積の変化量について行ったシミュレーション1について説明する。なお、重なり面積の変化量とは、図11〜図13において、基板31(31a、31b)および基板33(33a、33b)の一方をX1方向に±160μm動かして、導電体層32(32a、32b)と集電電極34(34a、34b)とを平面的に見たときの重なり面積の最大値と最小値との差を意味する。
図11に示すように、2cmの横幅W13と2.6cmの縦幅W14を有する基板31上に形成される矩形状の導電体層(またはエレクトレット膜)32と、基板31と同一の大きさを有する基板33上に形成される矩形状の集電電極34とが対向するように配置されている。なお、導電体層(またはエレクトレット膜)32および集電電極34は複数設けられ、それぞれの間隔W15は160μmである。なお、導電体層(またはエレクトレット膜)32および集電電極34の幅W16は、100μmである。また、基板33は、基板31に対して、所定の角度分回転した状態で基板31と対向している。なお、図11に示す斜線の部分は、導電体層(またはエレクトレット膜)32と集電電極34とが平面的に見て重なっている部分を示す。このシミュレーション1において、基板33の回転軸は、図14に示すように、基板33の上部である回転軸上と、基板の中央である回転軸中と、基板の下部である回転軸下との3つの回転軸を考える。
また、図12に示すように、基板31a上に形成され、外径と内径とが2cmの同一の半径を有する円弧状の導電体層(またはエレクトレット膜)32aと、基板33a上に形成され、外径と内径とが2cmの同一の半径を有する円弧状の集電電極34aとが対向するように配置されている。なお、基板31aおよび33aの大きさは、図11に示す基板31および33と同じである。また、図12に示す構成は、上記第1および第2実施形態に対応している。また、導電体層(またはエレクトレット膜)32aおよび集電電極34aは複数設けられ、それぞれの間隔W17は、中央部において160μmである。なお、導電体層(またはエレクトレット膜)32aおよび集電電極34aの幅W18は、中央部において100μmである。また、基板33aは、基板31aに対して、所定の角度分回転した状態で基板31aと対向している。なお、図12に示す斜線の部分は、導電体層(またはエレクトレット膜)32aと集電電極34aとが平面的に見て重なっている部分を示す。
また、図13に示すように、基板31b上に形成される外径と内径とが同心円の一部からなる円弧状の導電体層(またはエレクトレット膜)32bと、基板33b上に形成される同心円の一部からなる円弧状の集電電極34bとが対向するように配置されている。なお、基板31bおよび33bの大きさは、図11に示す基板31および33と同じである。また、図13に示す構成は、上記第3および第4実施形態に対応している。また、導電体層(またはエレクトレット膜)32bおよび集電電極34bは複数設けられ、それぞれの間隔W19は中央部において160μmである。なお、導電体層(またはエレクトレット膜)32bおよび集電電極34bの幅W20は、中央部において100μmである。また、基板33bは、基板31bに対して、所定の角度分回転した状態で基板31bと対向している。なお、図13に示す斜線の部分は、導電体層(またはエレクトレット膜)32bと集電電極34bとが平面的に見て重なっている部分を示す。
図11〜図13に示す基板33(33a、33b)の回転軸が回転軸下の場合、導電体層(エレクトレット膜)32(32a、32b)と集電電極34(34a、34b)との重なり面積の変化量は、図15に示すように、基板33(33a、33b)の回転角の増加とともに減少していることが判明した。また、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合(図11参照)よりも、円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32a(32b)と円弧状の集電電極34a(34b)との場合(図12および図13参照)の方が重なり面積の変化量が大きいことが判明した。つまり、発電量は、重なり面積の変化量に比例するので、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合よりも、円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32a(32b)と円弧状の集電電極34a(34b)との場合の方が発電量が大きいことが確認された。なお、外径と内径とが同一の半径からなる円弧(図12参照)と、外径と内径とが同心円の一部からなる円弧(図13参照)とでは、重なり面積の変化量は、ほぼ同様であった。
次に、回転角と、回転軸の位置と、重なり面積の変化量との関係について説明する。なお、回転角については、0(deg)、0.2(deg)、0.5(deg)および1(deg)の4通りについてシミュレーションを行った。図16に示すように、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合では、回転軸が、上(軸の位置13000μm)、中(軸の位置0μm)および下(軸の位置−13000μm)において、重なり面積の変化量は、ほぼ同じであることが判明した。一方、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合では、回転軸が、上、中および下において、重なり面積の変化量は、回転軸が下の場合が一番大きく、回転軸が上の場合が一番小さくなることが判明した。また、回転軸が下の場合では、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合よりも、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合の方が、重なり面積の変化量が大きくなることが判明した。なお、回転軸が上および中の場合では、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合よりも、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合の方が、重なり面積の変化量が大きくなるか、ほぼ等しいことが判明した。これにより、回転軸が下の場合では、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合よりも、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合の方が、発電量が大きくなることが判明した。
(シミュレーション2)
次に、図11〜図13に示す複数の導電体層(エレクトレット膜)32(32a、32b)と複数の集電電極34(34a、34b)とのそれぞれの間隔W15(W17、W19)は、中央部において100μmの場合のシミュレーション2について説明する。なお、基板31(31a、31b)および基板33(33a、33b)の横幅W13と、縦幅W14(図11参照)とは、それぞれ、2cmと2cmとである。
次に、図11〜図13に示す複数の導電体層(エレクトレット膜)32(32a、32b)と複数の集電電極34(34a、34b)とのそれぞれの間隔W15(W17、W19)は、中央部において100μmの場合のシミュレーション2について説明する。なお、基板31(31a、31b)および基板33(33a、33b)の横幅W13と、縦幅W14(図11参照)とは、それぞれ、2cmと2cmとである。
図11〜図13に示す基板33(33a、33b)の回転軸が下の場合、導電体層(エレクトレット膜)32(32a、32b)と集電電極34(34a、34b)との重なり面積の変化量は、図17に示すように、シミュレーション1の場合(図15参照)と同様に、基板33(33a、33b)の回転角の増加とともに減少していることが判明した。また、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合(図11参照)よりも、円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32a(32b)と円弧状の集電電極34a(34b)との場合(図12および図13参照)の方が重なり面積の変化量が大きいことが判明した。これにより、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合よりも、円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32a(32b)と円弧状の集電電極34a(34b)との場合の方が発電量が大きいことが確認された。なお、外径と内径とが同一の半径からなる円弧(図12参照)の場合と、外径と内径とが同心円の一部からなる円弧(図13参照)の場合とでは、重なり面積の変化量は、ほぼ同様であった。
次に、回転角と、回転軸の位置と、重なり面積の変化量との関係について説明する。なお、回転角については、0(deg)、0.2(deg)、0.5(deg)および1(deg)の4通りについてシミュレーションを行った。図18に示すように、シミュレーション1の場合(図16参照)と同様に、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合では、回転軸が、上(軸の位置10000μm)、中(軸の位置0μm)および下(軸の位置−10000μm)において、重なり面積の変化量は、ほぼ同じであることが判明した。一方、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合では、回転軸が、上、中および下において、重なり面積の変化量は、回転軸が下の場合が一番大きく、回転軸が上の場合が一番小さくなることが判明した。また、回転軸が下の場合では、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合よりも、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合の方が、重なり面積の変化量が大きくなることが判明した。なお、回転軸が上および中の場合では、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合よりも、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合の方が、重なり面積の変化量が大きくなるか、ほぼ等しいことが判明した。これにより、回転軸が下の場合では、矩形状の導電体層(エレクトレット膜)32と矩形状の集電電極34との場合よりも、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の導電体層(エレクトレット膜)32aと、外径と内径とが同一の半径からなる円弧状の集電電極34aとの場合の方が、発電量が大きくなることが判明した。
次に、シミュレーション2の結果において、外径と内径とが同一の半径からなる円弧(図12参照)の場合と、外径と内径とが同心円の一部からなる円弧(図13参照)の場合との重なり面積の変化量の比較を、以下の表1に示す。
(第5実施形態)
図19は、本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の第2導電体層の平面図である。図20は、本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の集電電極の平面図である。図21は、多角形からなる電極の形状を説明するための図である。図19〜図21を参照して、この第5実施形態では、上記第1〜第4実施形態と異なり、第2導電体層13bと集電電極22bおよび23bとが多角形からなる円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1dについて説明する。
図19は、本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の第2導電体層の平面図である。図20は、本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の集電電極の平面図である。図21は、多角形からなる電極の形状を説明するための図である。図19〜図21を参照して、この第5実施形態では、上記第1〜第4実施形態と異なり、第2導電体層13bと集電電極22bおよび23bとが多角形からなる円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1dについて説明する。
第5実施形態による静電誘導型発電装置1d(図1参照)の第2導電体層13bは、図19に示すように、多角形からなる円弧状に形成された部分を櫛歯状に接続した形状を有している。なお、第2導電体層13bは、本発明の「第2電極」の一例である。また、多角形からなる円弧状に形成された部分は、円弧状に近い形状であればよい。また、第2導電体層13bの多角形からなる円弧状に形成された部分は、図21に示すように、八角形の上端部を切り取った形状を有する。ここで、第5実施形態では、第2導電体層13bの多角形からなる円弧状に形成された部分は、それぞれ、多角形からなる円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、第2導電体層13bの多角形からなる円弧状に形成された部分のそれぞれは、同一の形状を有している。また、第5実施形態では、第2導電体層13bの多角形からなる円弧状に形成された部分の間隔W21は、少なくとも、多角形からなる円弧状に形成された部分の幅W22よりも大きくなるように構成されている。また、第5実施形態では、複数の多角形からなる円弧状に形成された部分の幅W22は、それぞれ等しい。また、第2導電体層13bは、接地されている。
また、第5実施形態による集電電極22bおよび23bは、図20に示すように、それぞれ、第2導電体層13bと同様に、多角形からなる円弧状に形成された部分を櫛歯状に接続した形状を有している。なお、集電電極22bおよび23bは、本発明の「第1電極」の一例である。また、集電電極22bおよび23bは、集電電極22bの櫛歯の歯と歯の間に、集電電極23bの櫛歯の歯が配置されるように構成されている。また、集電電極22bおよび23bの多角形からなる円弧状に形成された部分は、図21に示すように、八角形の上端部を切り取った形状を有する。ここで、第5実施形態では、集電電極22bおよび23bの多角形からなる円弧状に形成された部分は、それぞれ、多角形からなる円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、集電電極22bおよび23bの多角形からなる円弧状に形成された部分のそれぞれは、同一の形状を有している。また、第5実施形態では、集電電極22bおよび23bの多角形からなる円弧状に形成された部分の間隔W23は、少なくとも、多角形からなる円弧状に形成された部分の幅W24よりも大きくなるように構成されている。
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第5実施形態では、上記のように、第2導電体層13bと、集電電極22bおよび23bとを、多角形からなる円弧状に形成することによって、集電電極22bおよび23bと、第2導電体層13bとの長辺(または短辺)方向がずれた場合でも、集電電極22bおよび23bと、第2導電体層13bとが、矩形状に形成されている場合に比べて、平面的に見て第2導電体層13bと、集電電極22bまたは23bとが重なる部分の面積が小さくなるのを抑制することができる。これにより、静電誘導型発電装置1dの発電量が小さくなるのを抑制することができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
図22は、本発明の第6実施形態によるエレクトレット膜の平面図である。図5、図21および図22を参照して、この第6実施形態では、上記第5実施形態と異なり、エレクトレット膜12cが、多角形からなる円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1eについて説明する。
図22は、本発明の第6実施形態によるエレクトレット膜の平面図である。図5、図21および図22を参照して、この第6実施形態では、上記第5実施形態と異なり、エレクトレット膜12cが、多角形からなる円弧状に形成されている静電誘導型発電装置1eについて説明する。
この第6実施形態による静電誘導型発電装置1eは、図5に示すように、約50μm〜約1000μmの厚みを有する非導電性の基板11aの表面上に、導電性の第3導電体層14bが形成されている。また、第3導電体層14bの表面上には、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂やシリコン酸化膜からなる複数のエレクトレット膜12cが形成されている。ここで、第6実施形態では、エレクトレット膜12cは、図22に示すように、多角形からなる円弧状に形成されている。また、多角形からなる円弧状に形成された部分は、円弧状に近い形状であればよい。また、エレクトレット膜12cは、図21に示すように、八角形の上端部を切り取った形状を有する。また、第6実施形態では、エレクトレット膜12cの多角形からなる円弧状に形成された部分は、それぞれ、多角形からなる円弧状の凸方向がX1方向に向くように配置されている。また、第6実施形態では、エレクトレット膜12cの多角形からなる円弧状に形成された部分の間隔W25は、少なくとも、多角形からなる円弧状に形成された部分の幅W26よりも大きくなるように構成されている。また、第6実施形態では、複数の多角形からなる円弧状に形成された部分の幅W26は、それぞれ等しい。
なお、第6実施形態のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
また、第6実施形態の効果は、上記第5実施形態の効果において、第2導電体層13b(図19参照)を、エレクトレット膜12cに置き換えた場合と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第5および第6実施形態では、第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を八角形からなる多角形から形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、八角形以外の多角形から形成してもよい。なお、多角形の角の数を増やすことにより、第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を、第1〜第4実施形態に示す円弧状に近づけることが可能となる。
また、上記第1〜第6実施形態では、円弧状の第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、図23に示す第1変形例のように、三角形からなる第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を用いてもよい。また、図24に示す第2変形例のように、静電誘導型発電装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な四角形の第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を用いてもよい。また、図25に示す第3変形例のように、同心円の楕円からなる外径と内径とを有する第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を用いてもよい。また、図26に示す第4変形例のように、中央部が静電誘導型発電装置の振動方向と直交する方向に対して平行であり、端部の幅が徐々に細くなりながら静電誘導型発電装置の振動方向に端部が湾曲する第2導電体層、エレクトレット膜および集電電極を用いてもよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では静電動作装置の一例である静電誘導型発電装置に本発明を適用した場合について示したが、本発明はこれに限らず、静電アクチュエータなどの静電誘導型発電装置以外の静電動作装置に適用してもよい。
12、12a、12b、12c エレクトレット膜
13、13a、13b 第2導電体層(第2電極)
22、22a、22b、23、23a、23b 集電電極(第1電極)
13、13a、13b 第2導電体層(第2電極)
22、22a、22b、23、23a、23b 集電電極(第1電極)
Claims (5)
- 第1電極と、
前記第1電極に対向するように設けられるエレクトレット膜および前記エレクトレット膜の表面上に形成される第2電極のうちの少なくとも前記エレクトレット膜とを備え、
前記第1電極と前記エレクトレット膜とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状であるか、または、前記第2電極が形成されている場合は、前記第1電極と前記第2電極とが装置の振動方向と直交する方向に対して非対称な形状である、静電動作装置。 - 前記第1電極と、前記エレクトレット膜または第2電極とは、円弧状に形成される部分を含む、請求項1に記載の静電動作装置。
- 前記第1電極と、前記エレクトレット膜または第2電極との位置決めは、前記円弧状の凸方向と反対側の所定の点において行うように構成されている、請求項2に記載の静電動作装置。
- 前記第1電極の円弧状に形成された部分と、前記エレクトレット膜または第2電極の円弧状に形成された部分とは、それぞれ、複数設けられ、
前記複数の第1電極の円弧状の部分のそれぞれの外径と内径とは等しく、前記複数のエレクトレット膜または第2電極の円弧状の部分のそれぞれの外径と内径とは等しい、請求項2または3に記載の静電動作装置。 - 前記第1電極の円弧状に形成された部分と、前記エレクトレット膜または第2電極の円弧状に形成された部分との外径および内径は、それぞれ、同一の半径を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の静電動作装置。
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2007
- 2007-09-28 JP JP2007253126A patent/JP2009089476A/ja active Pending
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