JP6746901B2 - 発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発電装置に関する。
近年、道路や橋、建築物などの構造体の振動や、トラック等の自動車や鉄道車両などの走行体の振動などによる振動エネルギーを有効利用する試みがなされている。
このような環境的な振動エネルギーを有効利用する方法としては、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法がある。
発電方式としては、圧電素子を利用する方法、静電誘導を利用する方法、電磁誘導を利用する方法などが知られている。
特許文献1には、電磁誘導方式の発電装置が開示されている。出力電力の正味の増加を電気的調整により実現することを目的に、2つの磁心が、軸に沿って中心位置に対し共振周波数で相対的に振動可能なようにバイアス素子によりマウントされており、これにより、コイルアセンブリに結合された磁束の変化を引き起こしてコイルアセンブリ内に電位を発生させる構成となっている。
特許文献1に記載の発電装置は共振周波数調節器を備えており、最大出力電力が得られるように電気的に共振周波数を調整するようになっている。
環境的な振動エネルギーの一例として、例えば、トラックの荷台の振動を利用して発電することが考えられる。この場合、振動源としては、エンジンによる振動、走行中の路面の凹凸による振動、加速時やブレーキ操作、ハンドル操作などの運転操作による加速度による負荷などが挙げられる。
大型トラックの荷台の振動周波数の分布をグラフに表した場合、図18(http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor35/06.pdf1の図5)に示すように、単一の周波数を有するスペクトルであることは少なく、低周波領域の振動で且つワイドバンドに分布している。図18においてPSDは(Power spectrum Density)の略である。
特許文献1の発電装置では共振周波数調節器を備えているものの、環境振動の全ての周波数帯に対応させることは難しく、調整範囲が振動周波数の分布から大きくずれている場合には振動周波数の一部しか利用できず、効率の良い発電が困難になる。
また、共振周波数調節器の存在自体がコストアップの要因となる。さらに、電磁誘導方式では発電出力が移動速度の2乗に比例するため、トラックの荷台の振動等のように低周波領域での効率の良い発電はあまり期待できない。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、共振周波数の調節を要することなく環境的な振動の全ての周波数帯で効率良く発電できる発電装置の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の発電装置は、可撓性を有し、変形により発電が可能な素子と、前記素子の少なくとも1箇所を支持する支持部材と、を備え、前記素子は、振動を受けた際に、曲がり変形、捻り変形、あるいはこれらの複合的変形が可能である。
本発明によれば、共振周波数の調節を要することなく環境的な振動の全ての周波数帯で効率良く発電できる発電装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る発電装置を示す図で、(a)は振動を受けない状態の斜視図、(b)は振動で変形した状態を示す図である。 図1(a)のA−A線での一部の概要断面図で、(a)は振動を受けない状態の図、(b)は振動で変形した状態の図である。 第2の実施形態に係る発電装置の振動を受けない状態の斜視図である。 図3のB−B線での断面図である。 表面改質処理、及び不活性化処理を行った中間層(シリコーンゴム)のXPS測定結果を示す特性図である。 図5で測定した中間層のSi2p結合エネルギーの厚み方向の変化を示すグラフである。 未処理の中間層(シリコーンゴム)のXPS測定結果を示す特性図である。 図7で測定した中間層のSi2p結合エネルギーの厚み方向の変化を示すグラフである。 表面改質処理、及び不活性化処理を行った中間層を有する素子の特性を説明するための断面模式図である。 第2の実施形態に係る発電装置の振動を受けた状態の斜視図である。 素子の支持構成の変形例を示す斜視図である。 素子の支持構成の変形例を示す斜視図である。 素子の支持構成の変形例を示す斜視図である。 各支持構成における発電量の違いを示すグラフである。 両端吊るし構成の発電装置の周波数特性を示す図である。 本発明に係る発電装置の使用形態の一例を示す発電パッケージの分解斜視図である。 使用状態を示す斜視図である。 大型トラックの荷台振動の周波数特性を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1及び図2に基づいて第1の実施形態を説明する。図1(a)に示すように、本実施形態に係る発電装置1は、可撓性を有し、薄肉で平板形状の素子2と、素子2をその上端部の1箇所で吊り下げた状態に支持する支持部材としての変形可能な可変支持部材3とを有している。可変支持部材3は、柔軟性を有する紐材でループ状に形成されており、素子2の変形に伴って可変支持部材3自体も捻り等の変形や変位が可能となっている。
素子2は、可撓性を有し、変形によって発電が可能な素子本体4と、柔軟性を有し、素子本体4の外面全体を覆うカバー部材5とから構成されている。
カバー部材5は、厚さ75μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂のフィルムを2枚重ね状態にして素子本体4を覆うようにラミネート加工したものである。カバー部材5の上端部の接着部位には小さな穴6が開けられており、穴6に可変支持部材3が通されている。
穴6は必ずしも必要ではなく、柔軟性又は弾性を有する紐状の可変支持部材の一端を素子本体4に接合するだけの支持構成でもよい。この場合にも素子2の変形及び支持部材の追随変形が容易に得られる。カバー部材5の材質、厚さは上記に限定されない。
本実施形態における発電装置1は、上記のように、素子2を上端部の一点で吊り下げた構成を有している。可変支持部材3の上端側が何等かの固定部材に固定された状態で振動が生じると、振動は可変支持部材3を介して素子2に伝達され、素子2は振動により揺れる。
揺れ方向は、基本的には、矢印Zで示す上下方向(重力方向)や、これに交差する左右方向(矢印X方向)、前後方向(矢印Y方向)である。
素子2と可変支持部材3とは点接触状態の関係にあり、可変支持部材3自体も柔軟性を有する材料で形成されているため、可変支持部材3に対して素子2は上下方向を除いて殆ど拘束されない状態で支持されている。
素子2が振動を受けると、素子2は可撓性を有しているため、図1(b)に示すように振動により揺れ、曲がり変形、捻り変形、あるいはこれらが混在した複合的変形が生じる。素子2の変形に伴い、可変支持部材3も変形するため、固定支持に比べて素子2の変形が大きくなる。
「可撓性」は、変形後に復元力で元に戻る復元性も含む概念である。素子2が振動で変形した場合、その変形により発電が生じ、その変形が元に戻るときの変形でもまた発電が生じる。
振動を受けている間、変形及びその戻り変形による発電が繰り返されることになる。
発電の構成、原理を図2に基づいて具体的に説明する。
図2は、図1(a)のA−A線における断面の一部を示している。図2(a)に示すように、素子本体4は、可撓性を有する非導電性の基材7、8と、基材7、8にそれぞれ対向するように配置されたエレクトレット電極9、金属電極10と、を有している。
エレクトレット電極9は半永久的に電荷を保持するように電荷を注入されたエレクトレット誘電体で構成されている。
基材7、8間には、エレクトレット電極9と金属電極10との間に間隔を形成するスペーサが設けられている。
素子2が変形すると、図2(b)に示すように、電極間距離が狭まったり、対向する電極幅(重なり面積)が変化することで、静電誘導の原理により発電する。各金属電極10を導線で接続することにより電気を取り出すことができる。
本実施形態では基材7、8に電極を配置する構成としたが、カバー部材5自体を基材として配置するようにしてもよい。
図3乃至図10に第2の実施形態を示す。上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、既にした構成上及び機能上の説明は適宜省略して要部のみ説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る水平配置型の発電装置15は、可撓性を有する薄肉で平板状の素子16と、素子16の一端部(右側端部)を吊り下げた状態に支持する可変支持部材3と、素子16の他端部(左側端部)を一定の面積を挟むように支持する固定支持部材17とを有している。従って、素子16は空中で浮いた状態に支持される。
素子16は、可撓性を有し、変形によって発電が可能な圧電素子としての素子本体18と、カバー部材5とから構成されている。
素子本体18は、図3のB−B線での断面図である図4に示すように、第1の電極19と、中間層20と、第2の電極21とをこの順序で積層してなる。
本実施形態では、金属電極である第1の電極19と第2の電極21には、導電布Sui-10-70(セーレン株式会社)を使用しているが、以下のようにこれに限定されない。
本実施形態に係る素子本体18は、圧電効果に準じた特性を利用したものであり、中間層20の第1の電極側と第2の電極側とは同じ変形付与力に対する変形の度合いが異なり、この特性により発電する。以下に前記特性を発現させるための材質等の詳細を説明する。
[第1の電極、及び第2の電極]
第1の電極、及び第2の電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の電極、及び第2の電極において、その材質、形状、大きさ、構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第1の電極、及び第2の電極の材質としては、例えば、金属、炭素系導電材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。炭素系導電材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、炭素繊維、黒鉛などが挙げられる。導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーと、ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。
前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー(CF)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェンなど)、金属フィラー(金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケルなど)、導電性高分子材料(ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の電極の形状、及び第2の電極の形状としては、例えば、薄膜などが挙げられる。第1の電極の構造、及び第2の電極の構造としては、例えば、織物、不織布、編物、メッシュ、スポンジ、繊維状の炭素材料が重なって形成された不織布であってもよい。
前記電極の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性及び可撓性の点から、0.01μm〜1mmが好ましく、0.1μm〜500μmがより好ましい。前記平均厚みが、0.01μm以上であると、機械的強度が適正であり、導電性が向上する。また、前記平均厚みが、1mm以下であると、素子が変形可能であり、発電性能が良好である。
[中間層]
中間層は、可撓性を有する。
中間層においては、以下の条件(1)及び条件(2)の少なくともいずれかを満たす。
条件(1):中間層の面に対して直交する方向から中間層が加圧された際に、中間層における第1の電極側の変形量と、中間層における第2の電極側の変形量とが、異なる。
条件(2):中間層の第1の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H1)と、中間層の第2の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H2)とが、異なる。
中間層においては、以上のように、両面での変形量、又は硬度が異なることにより、大きな発電量を得ることができる。
本発明において、変形量とは、以下の条件で中間層を押し付けた際の、圧子の最大押し込み深さである。
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
初期荷重:0.02mN
最大荷重:1mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:10秒間
ユニバーサル硬度は、以下の方法により求められる。
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
押し込み深さ:10μm
初期荷重:0.02mN
最大荷重:100mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:50秒間
ユニバーサル硬度(H1)と、ユニバーサル硬度(H2)との比(H1/H2)としては、1.01以上が好ましく、1.07以上がより好ましく、1.13以上が特に好ましい。比(H1/H2)の上限値としては、特に制限はなく、例えば、使用状態において要求される可撓性の程度、使用状態における負荷等により適宜選択されるが、1.70以下が好ましい。ここで、H1は、相対的に硬い面のユニバーサル硬度であり、H2は、相対的に柔らかい面のユニバーサル硬度である。
中間層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、ゴム、ゴム組成物などが挙げられる。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム(ラテックス)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましい。
前記シリコーンゴムとしては、オルガノポリシロキサン結合を有するゴムであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、変性シリコーンゴム(例えば、アクリル変性、アルキッド変性、エステル変性、エポキシ変性)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物としては、例えば、フィラーと前記ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。これらの中でも、前記シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物は発電性能が高いため好ましい。
前記フィラーとしては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、有機無機複合フィラーなどが挙げられる。前記有機フィラーとしては、有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機フィラーとしては、例えば、アクリル微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粒子、シリコーンパウダー(シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダー)、ゴム粉末、木粉、パルプ、デンプンなどが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、無機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記無機フィラーとしては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属、又はその他の化合物などが挙げられる。
前記酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられる。前記水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。前記硫酸塩としては、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、ケイ酸ジルコン、カオリン、タルク、マイカ、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、モンモロナイト、セリサイト、活性白土、ガラス、中空ガラスビーズなどが挙げられる。前記窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられる。
前記炭素類としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン(誘導体を含む)、グラフェンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。前記その他の化合物としては、例えば、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、硫化モリブテン、などが挙げられる。なお、前記無機フィラーは、表面処理をしていてもよい。
前記有機無機複合フィラーとしては、有機化合物と無機化合物とを分子レベルで組み合わせた化合物であれば特に制限されずに用いることができる。前記有機無機複合フィラーとしては、例えば、シリカ・アクリル複合微粒子、シルセスキオキサンなどが挙げられる。
前記フィラーの平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜30μmが好ましく、0.1μm〜10μmがより好ましい。前記平均粒径が、0.01μm以上であると、発電性能が向上することがある。また、前記平均粒径が、30μm以下であると、中間層が変形可能であり、発電性能の増加を図ることができる。
前記平均粒径は、公知の粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記フィラーの含有量は、ゴム100質量部に対して、0.1質量部〜100質量部が好ましく、1質量部〜50質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部以上であると、発電性能が向上することがある。また、前記含有量が、100質量部以下であると、中間層が変形可能であり、発電性能の増加を図ることができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば添加剤などが挙げられる。前記その他の成分の含有量は、本発明の目的を損なわない程度で適宜選定することができる。
前記添加剤としては、例えば、架橋剤、劣化防止剤、耐熱剤、着色剤などが挙げられる。
前記中間層を構成する材料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゴム組成物の調製方法としては、前記ゴム及び前記フィラー、更に必要に応じて前記その他の成分を混合し、混錬分散することにより調製することができる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゴム組成物の薄膜の形成方法としては、前記ゴム組成物を、基材上にブレード塗装、ダイ塗装、ディップ塗装などで塗布し、その後、熱や電子線などで硬化する方法が挙げられる。
中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変形追従性の点から、1μm〜10mmが好ましく、20μm〜1mmがより好ましい。また、平均厚みが、好ましい範囲内であると、成膜性が確保でき、かつ変形を阻害することもないため、良好な発電を行うことができる。
中間層は、絶縁性であることが好ましい。絶縁性としては、10Ωcm以上の体積抵抗率を持つことが好ましく、1010Ωcm以上の体積抵抗率を持つことがより好ましい。中間層は、複層構造であってもよい。
(表面改質処理、及び不活性化処理)
中間層において、両面での変形量、又は硬度を異ならせる方法としては、例えば、表面改質処理、不活性化処理などが挙げられる。これらの処理は、両方を行ってもよいし、片方のみを行ってもよい。
<表面改質処理>
表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン処理、放射線(X線、α線、β線、γ線、中性子線)照射処理などが挙げられる。これらの処理の中でも、処理スピードの点から、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理が好ましいが、ある程度の照射エネルギーを有し、材料を改質しうるものであれば、これらに限定されない。
《プラズマ処理》
プラズマ処理の場合、プラズマ発生装置としては、例えば、平行平板型、容量結合型、誘導結合型のほか、大気圧プラズマ装置でも可能である。耐久性の観点から、減圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理における反応圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05Pa〜100Paが好ましく、1Pa〜20Paがより好ましい。
プラズマ処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス、希ガス、酸素などのガスが有効であるが、効果の持続性においてアルゴンが好ましい。
その際、酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
プラズマ処理における照射電力量は、(出力×照射時間)により規定される。前記照射電力量としては、5Wh〜200Whが好ましく、10Wh〜50Whがより好ましい。照射電力量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
《コロナ放電処理》
コロナ放電処理における印加エネルギー(積算エネルギー)としては、6J/cm〜300J/cmが好ましく、12J/cm〜60J/cmがより好ましい。印加エネルギーが、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
《電子線照射処理》
電子線照射処理における照射量としては、1kGy以上が好ましく、300kGy〜10MGyがより好ましい。照射量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
電子線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
《紫外線照射処理》
紫外線照射処理における紫外線としては、波長365nm以下で200nm以上が好ましく、波長320nm以下で240nm以上がより好ましい。
紫外線照射処理における積算光量としては、5J/cm〜500J/cmが好ましく、50J/cm〜400J/cmがより好ましい。積算光量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
紫外線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
従来技術として、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより励起又は酸化させることで活性基を形成し、層間接着力を高めることが提案されている。しかし、その技術は、層間への適用に限定され、最表面への適用はむしろ離型性を低下させるため好ましくないことがわかっている。また、反応を酸素リッチな状態下で行い、効果的に反応活性基(水酸基)を導入している。そのため、そのような従来技術は、本発明の前記表面改質処理とは本質が異なる。
本発明の前記表面改質処理は、酸素が少なく減圧された反応環境による処理(例えば、プラズマ処理)のため、表面の再架橋及び結合を促し、例えば、「結合エネルギーの高いSi−O結合の増加」に起因して耐久性が向上する。
さらに加えて「架橋密度向上による緻密化」に起因して離型性が向上すると考えられる。なお、本発明においても一部活性基は形成されてしまうが、後述するカップリング剤や風乾処理にて、活性基を不活性化させている。
<不活性化処理>
中間層の表面は、各種材料を用いて、適宜不活性化処理が施されてもよい。
不活性化処理としては、中間層の表面を不活性化させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性化剤を前記中間層の表面に付与する処理が挙げられる。不活性化とは、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などによる励起又は酸化によって発生した活性基(例えば、−OHなど)を不活性化剤と反応させて、中間層の表面の活性度を下げることで、中間層の表面を、化学反応を起こしにくい性質に変化させることを意味する。
不活性化剤としては、例えば、非晶質樹脂、カップリング剤などが挙げられる。非晶質樹脂としては、例えば、主鎖にパーフルオロポリエーテル構造を有する樹脂などが挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、金属アルコキシド、金属アルコキシドを含む溶液などが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物や、重合度2〜10程度のそれらの部分加水分解重縮合物又はそれらの混合物などが挙げられる。
(4−n)Si(OR・・・一般式(1)
ただし、一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、アルキルポリエーテル鎖、及びアリール基のいずれかを表す。nは、2〜4の整数を表す。
不活性化処理は、例えば、ゴムなどの中間層前駆体に前記表面改質処理を行った後に、中間層前駆体の表面に不活性化剤を塗布又はディッピング等により含浸させることによって行うことができる。
中間層前駆体としてシリコーンゴムを用いた場合は、前記表面改質処理を行った後に、空気中に静置して風乾することにより、失活させてもよい。
中間層の厚み方向における酸素濃度のプロファイルは、極大値を有することが好ましい。中間層の厚み方向における炭素濃度のプロファイルは、極小値を有することが好ましい。
中間層において、酸素濃度のプロファイルが極大値を示す位置と、炭素濃度のプロファイルが極小値を示す位置とは、一致することがより好ましい。
酸素濃度のプロファイル、及び炭素濃度のプロファイルは、X線光電子分光分析法(XPS)によって求めることができる。
測定方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
{測定方法}
測定装置:Ulvac−PHI QuanteraSXM、アルバック・ファイ株式会社製
測定光源:Al(mono)
測定出力:100μmφ、25.1W
測定領域:500μm×300μm
パスエネルギー:55eV(narrow scan)
エネルギーstep:0.1eV(narrow scan)
相対感度係数:PHIの相対感度係数を使用
スパッタ源:C60クラスターイオン
Ion Gun 出力:10 kV、10 nA
Raster Control:(X=0.5,Y=2.0)mm
スパッタレート:0.9nm/min(SiO換算)
XPSでは、光電子効果により飛び出す電子を捕捉することにより、測定対象物中の原子の存在濃度比や結合状態を知ることができる。
シリコーンゴムは、シロキサン結合を有し、主成分がSi、O、及びCである。そのため、中間層において、その材質としてシリコーンゴムを用いた場合、XPSのワイドスキャンスペクトルを測定し、各元素の相対ピーク強度比から、表層から内部に存在する各原子(Si、O、及びC)の深さ方向の存在濃度比(atomic%)を求めることができる。その一例を図5に示す。
図5は、シリコーンゴムを用い、更に前記表面改質処理(プラズマ処理)及び前記不活性処理を行って得られた中間層のサンプルである。図5において、横軸は表面から内部方向への分析深さであり、縦軸は存在濃度比である。
更に、シリコーンゴムの場合、Siの2p軌道の電子が飛び出すエネルギーを測定することにより、ケイ素に結合している元素及び結合状態を知ることができる。そこで、Siの結合状態を示すSi2p軌道におけるナロースキャンスペクトルからピーク分離を行い、化学結合状態を求めた。
その結果を図6に示す。図6の測定対象は、図5の測定に用いたサンプルである。図6において、横軸は結合エネルギーであり、縦軸は強度比である。また、下から上に向かっては深さ方向での測定スペクトルを示している。
一般に、ピークシフトの量は結合状態に依存することが知られており、本件に関するシリコーンゴムの場合、Si2p軌道において高エネルギー側にピークがシフトするということは、Siに結合している酸素の数が増えていることを示す。
これによれば、シリコーンゴムにおいて、表面改質処理及び不活性化処理を行うと、表層から内部に向かって酸素が多くなり極大値を持ち、また炭素が減少し極小値を持つ。さらに深さ方向に分析をすすめると酸素が減少して炭素が増加し、ほぼ未処理のシリコーンゴムと同等の原子存在濃度となる。
さらに図5のαの位置で検出された酸素の極大値は、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトすることと一致(図6のαの位置)しており、酸素増加がSiに結合した酸素の数に起因することが示されている。
未処理のシリコーンゴムについて同様の分析をした結果を、図7及び図8に示す。
図7には、図5にみられたような酸素濃度の極大値、及び炭素濃度の極小値は見られない。更に、図8より、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトする様子もみられないことから、Siに結合した酸素の数も変化していないことが確認された。
以上のように、カップリング剤等の不活性化剤を中間層の表面に塗布又はディッピングして浸透させることにより、不活性化剤が中間層に染み込んでいく。カップリング剤が、一般式(1)で表される化合物などの場合、中間層においては、ポリオルガノシロキサンが濃度分布をもって存在するようになり、この分布はポリオルガノシロキサンに含まれる酸素原子が深さ方向に極大値を有するような分布となる。
結果として、中間層は、3つ〜4つの酸素原子と結合したケイ素原子を有するポリオルガノシロキサンを含有することとなる。
なお、不活性化処理の方法としては、ディッピング工法に限らない。例えば、ポリオルガノシロキサンに含まれる酸素原子が、中間層の深さ方向(厚み方向)に極大値を有するような分布を実現できればよく、プラズマCVD、PVD、スパッタリング、真空蒸着、燃焼化学気相蒸着などの方法でもよい。
中間層は、静置状態において初期表面電位を持つ必要はない。なお、静置状態における初期表面電位は、以下の測定条件で測定できる。ここで、初期表面電位を持たないとは、下記測定条件で測定した際に、±10V以下を意味する。
{測定条件}
前処理:温度30℃相対湿度40%雰囲気に24h静置後、除電を60sec(Keyence製のSJ−F300を使用)
装置:Treck Model344
測定プローブ:6000B−7C
測定距離:2mm
測定スポット径:直径10mm
本実施形態の素子においては、摩擦帯電に似たメカニズムでの帯電と、内部電荷留保による表面電位差の発生とが、中間層の両面の硬度差に基づく変形量の差に起因して静電容量の偏りを生み出すことにより、電荷が移動して発電すると推測される。
素子は、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有することが好ましい。そうすることにより、発電量を増やすことができる。
前記空間を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間にスペーサを配置する方法などが挙げられる。
前記スペーサとしては、その材質、形態、形状、大きさなどについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記スペーサの材質としては、例えば、高分子材料、ゴム、金属、導電性高分子材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。前記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリンなどが挙げられる。前記導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーとゴムとを含有する組成物などが挙げられる。前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)、金属(例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなど、導電性高分子材料(例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記スペーサの形態としては、例えば、シート、フィルム、織布、不織布、メッシュ、スポンジなどが挙げられる。前記スペーサの形状、大きさ、厚み、設置場所は、素子の構造に応じて適宜選択することができる。
図9に示すように、第1の電極をa、中間層をb、第2の電極をcと表示すると、中間層bの第1の電極a側に上記表面改質処理又は不活性化処理を行った場合、中間層bの第1の電極a側が第2の電極c側よりも硬くなり、ユニバーサル硬度についてH1>H2となる。
これにより、同じ変形付与力である加圧力Fが第1の電極a側と第2の電極c側に作用した場合、中間層bの第1の電極a側の変形の度合いが、第2の電極c側よりも小さくなる。
[支持部材]
支持部材の材質、形状、大きさ、厚さ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、高分子材料、ゴム、金属などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、セルロースなどが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリル、ポリサルファイドゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、硬鋼、シリコンクロム鋼、リン青銅、ピアノ線などが挙げられる。
支持部材の形状としては、例えば、紐状、ループ状、バネ形状、平板形状、ブロック形状などが挙げられる。
[カバー部材]
カバー部材の材質、形状、大きさ、厚さ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記カバー材の材質としては、例えば、高分子材料、ゴムなどが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリル、ポリサルファイドゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
本実施形態に係る素子16は、図3に示すように素子16全体が宙に浮いた状態で支持されているため、図10に示すように、縦揺れの振動を多く受けることができる。
すなわち、素子16はその平面部が振動源の振動方向(Z方向)に対して交差(直交)するように支持されている。
表1(日通総合研究所の調査によるデータ)に示すように、例えばトラック輸送においてはZ方向(表1の上下方向)の振動(縦揺れ)が大きい。
Figure 0006746901
この縦揺れの方向に対して素子16の平面部が直交するように支持すれば、素子16が大きく揺れ、曲がり変形や捻り変形、あるいはこれらの複合的変形が生じ、発電量が大きくなる。他構成との発電量の比較結果を図14に「片端固定」の表示で示す。
振動実験は、4隅の下端がコイルバネで支持された矩形のサンプル台の上面に加振プローブを当ててサンプル台を上下に振動させる構成の振動試験機を用い、サンプル台の上に発電装置を載せて行った。
実験条件は、下記の通りである。加振プローブとサンプル台とが接触する点をゼロ点とする。
変位:3.5mm(±1.75mm)
周波数:15Hz
加速度:3G
図11に示すように、素子16の両端を固定支持部材17で支持した「両端固定」の発電装置22としてもよい。
この場合には固定支持部材17により両端部の一部が面をもって拘束されるので、紐状の可変支持部材3による支持に比べて素子16の変形量が低下するため、図14に示すように発電量も低下する。
図14から明らかなように、図1で示した「吊り下げ」構成では、素子2が縦揺れ方向(Z方向)に平行となっているため、振動による変形の度合いが小さく、発電量は最も少ない。
図12に示すように、素子16を両端の2箇所で可変支持部材3により宙吊り状態に支持した「両端吊るし」構成の発電装置23としてもよい。
この場合、素子16の両端共に拘束力の小さい支持となるため、振動による素子16の変形量が大きく、図14に示すように、発電量も多くなる。
このときトラックの振動と同等の上下方向に0.9G程度の振動を加えた時の周波数特性を図15に示す。
図15での実験は、上記振動試験機で下記条件の下、周波数のみを変更している。加振プローブとサンプル台とが接触する点をゼロ点とする。
変位:1.4mm(±0.7mm)
周波数:(5Hz、10Hz、20Hz、30Hz、40Hz、50Hz)
加速度:0.9G
図15から、10Hz〜30Hz程度まで発電することがわかる。また、40Hz以上でも1V程度の発電は行われている。
従来のこの種の発電装置では、共振周波数から少しでもずれると極端に発電量が低下するが、図15に示すように、本実施形態の発電装置では周波数が変化した場合の発電量の変化の勾配が緩やかである。
図18に示すように、トラックの荷台の振動は30Hz以下の振動であるので、トラックの荷台を振動源とした場合、本発明に係る発電装置によれば振動を無駄なく発電に利用することができる。
すなわち、本発明の発電装置によれば、特許文献1に記載の発電装置のように共振周波数を調節することなくトラックの荷台の振動周波数のほぼ全域に亘って発電することができる。
また、図12等から明らかなように、本発明によれば、特許文献1の電磁誘導方式の発電装置等のような複雑な構成を要することなく、簡単な平面形状で低周波領域でも効率的に発電を行うことができる。このため、環境振動が生じる様々な場面で容易に使用できる利点を有している。
図13に示すように、紐状の可変支持部材3に代えて、素子16の両端を弾性部材としてのコイルバネ24で支持した両端吊るしタイプの発電装置25としてもよい。可変支持部材3は1本のゴム紐でもよい。
図12等に示すように、素子を宙吊りにする場合の張り具合は、張り過ぎると発電量が少なくなることが実験により確認されている。ある程度たるみをもった状態で水平に吊る構成が、素子の変形(波打つ度合い)が大きくなり、発電量も多くなる。
振動の大きさや種類に応じて可変支持部材の材質を変えたり、張り度合い(張力)を調整できるようにすれば、発電効率を高めることができる。
本発明における可変支持部材による支持は、素子が支持部材から離れるのを繋ぎ留める係留の意味を含む概念である。
従って、支持部材で繋がれた状態で振動面に自重で面接触状態で載置され、当該振動面の振動で揺れて変形するような状況でも発電が可能となる。
上記各実施形態では、素子又は素子本体にエレクトレット電極を用いたもの、圧電効果に準じた特性を有する中間層(発電ゴム)を備えた素子本体18を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されない。素子又は素子本体が圧電効果の特性を有するPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を備えたものなどを用いてもよい。
図16及び図17に基づいて、本発明に係る発電装置の使用形態の一例について述べる。図12で示した両端吊るしタイプの発電装置23で、トラックの荷台における振動を利用する例である。
図16に示すように、発電パッケージ26は、上プレート27、中プレート28、下プレート29を重ねて接合した構成を有している。中プレート28には4つの矩形状の空間部30が形成されており、これらの空間部30にはそれぞれ独立して発電装置23が素子変形可能に宙吊り状態で設置されている。
発電パッケージ26は、図17に示すように、例えば、トラックの荷台に荷物31を載せた状態で積載されるパレット32の上面に設置される。
トラックの走行時の荷台の振動がパレット32を介して発電装置23に伝わり、素子16が変形して発電がなされる。
発電パッケージ26は荷台に直に置いてもよく、トラックの荷台の屋根に設置してもよい。要するに振動が得られる場所であればどこでもよい。
発電パッケージ26で得られた電気は、例えばトラックの荷物収容庫内の温度を検知する温度センサの電力源としたり、発電パッケージ26内に一体に配置され、あるいは発電パッケージ26と共に積まれる蓄電体に充電するようにしてもよい。
振動を利用した発電であるので、太陽光発電のように天候に左右されない。
発電パッケージ26の筐体(プレート)は、荷物等が載る場合にはその重みで変形しない材料、例えばアルミニウム等で形成される。発電パッケージ26は常設的にパレット32に一体に固定してもよい。
本実施形態ではトラックの荷台を振動源とする使用形態を例示したが、本発明の使用形態はこれに限定されず、上述した環境的振動を利用することができる種々の場面で使用することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 発電装置
2、16 素子
3、17、24 支持部材
4、18 素子本体
9 エレクトレット電極
10 金属電極
19 第1の電極
20 中間層
21 第2の電極
特表2011−517277号公報

Claims (8)

  1. 可撓性を有し、変形により発電が可能な素子と、
    前記素子の少なくとも1箇所を支持する支持部材と、
    を備え、
    前記素子は、振動を受けた際に、曲がり変形、捻り変形、あるいはこれらの複合的変形が可能であり、
    前記素子は、第1の電極と、中間層と、第2の電極とをこの順序で積層してなり、前記中間層は可撓性を有し、前記中間層の第1の電極側と第2の電極側とは同じ変形付与力に対する変形の度合いが異なるものである発電装置。
  2. 請求項1に記載の発電装置において、
    前記支持部材は前記素子を空間で浮いた状態に支持する発電装置。
  3. 請求項1又は2に記載の発電装置において、
    前記素子が、素子本体と、前記素子本体を覆うカバー部材とで構成され、前記カバー部材が前記支持部材に支持されている発電装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の発電装置において、
    前記支持部材が、前記素子が変形したときにこれに伴って変形する材質又は構成を有している発電装置。
  5. 請求項4に記載の発電装置において、
    前記支持部材が、紐状ないしループ状をなす発電装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の発電装置において、
    前記素子が平板形状を有している発電装置。
  7. 請求項6に記載の発電装置において、
    前記素子が、その平面部が振動方向に対して交差するように少なくとも2箇所で宙吊り状態に支持されている発電装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の発電装置において、
    前記素子又は素子本体が、圧電効果又は圧電効果に準じた特性を利用したものである発電装置。
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