JP6746901B2 - 発電装置 - Google Patents
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Description
このような環境的な振動エネルギーを有効利用する方法としては、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法がある。
発電方式としては、圧電素子を利用する方法、静電誘導を利用する方法、電磁誘導を利用する方法などが知られている。
特許文献1に記載の発電装置は共振周波数調節器を備えており、最大出力電力が得られるように電気的に共振周波数を調整するようになっている。
大型トラックの荷台の振動周波数の分布をグラフに表した場合、図18(http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor35/06.pdf1の図5)に示すように、単一の周波数を有するスペクトルであることは少なく、低周波領域の振動で且つワイドバンドに分布している。図18においてPSDは(Power spectrum Density)の略である。
また、共振周波数調節器の存在自体がコストアップの要因となる。さらに、電磁誘導方式では発電出力が移動速度の2乗に比例するため、トラックの荷台の振動等のように低周波領域での効率の良い発電はあまり期待できない。
図1及び図2に基づいて第1の実施形態を説明する。図1(a)に示すように、本実施形態に係る発電装置1は、可撓性を有し、薄肉で平板形状の素子2と、素子2をその上端部の1箇所で吊り下げた状態に支持する支持部材としての変形可能な可変支持部材3とを有している。可変支持部材3は、柔軟性を有する紐材でループ状に形成されており、素子2の変形に伴って可変支持部材3自体も捻り等の変形や変位が可能となっている。
カバー部材5は、厚さ75μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂のフィルムを2枚重ね状態にして素子本体4を覆うようにラミネート加工したものである。カバー部材5の上端部の接着部位には小さな穴6が開けられており、穴6に可変支持部材3が通されている。
穴6は必ずしも必要ではなく、柔軟性又は弾性を有する紐状の可変支持部材の一端を素子本体4に接合するだけの支持構成でもよい。この場合にも素子2の変形及び支持部材の追随変形が容易に得られる。カバー部材5の材質、厚さは上記に限定されない。
揺れ方向は、基本的には、矢印Zで示す上下方向(重力方向)や、これに交差する左右方向(矢印X方向)、前後方向(矢印Y方向)である。
素子2が振動を受けると、素子2は可撓性を有しているため、図1(b)に示すように振動により揺れ、曲がり変形、捻り変形、あるいはこれらが混在した複合的変形が生じる。素子2の変形に伴い、可変支持部材3も変形するため、固定支持に比べて素子2の変形が大きくなる。
振動を受けている間、変形及びその戻り変形による発電が繰り返されることになる。
発電の構成、原理を図2に基づいて具体的に説明する。
エレクトレット電極9は半永久的に電荷を保持するように電荷を注入されたエレクトレット誘電体で構成されている。
素子2が変形すると、図2(b)に示すように、電極間距離が狭まったり、対向する電極幅(重なり面積)が変化することで、静電誘導の原理により発電する。各金属電極10を導線で接続することにより電気を取り出すことができる。
本実施形態では基材7、8に電極を配置する構成としたが、カバー部材5自体を基材として配置するようにしてもよい。
図3に示すように、本実施形態に係る水平配置型の発電装置15は、可撓性を有する薄肉で平板状の素子16と、素子16の一端部(右側端部)を吊り下げた状態に支持する可変支持部材3と、素子16の他端部(左側端部)を一定の面積を挟むように支持する固定支持部材17とを有している。従って、素子16は空中で浮いた状態に支持される。
素子16は、可撓性を有し、変形によって発電が可能な圧電素子としての素子本体18と、カバー部材5とから構成されている。
本実施形態では、金属電極である第1の電極19と第2の電極21には、導電布Sui-10-70(セーレン株式会社)を使用しているが、以下のようにこれに限定されない。
第1の電極、及び第2の電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の電極、及び第2の電極において、その材質、形状、大きさ、構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第1の電極、及び第2の電極の材質としては、例えば、金属、炭素系導電材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー(CF)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェンなど)、金属フィラー(金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケルなど)、導電性高分子材料(ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の電極の形状、及び第2の電極の形状としては、例えば、薄膜などが挙げられる。第1の電極の構造、及び第2の電極の構造としては、例えば、織物、不織布、編物、メッシュ、スポンジ、繊維状の炭素材料が重なって形成された不織布であってもよい。
中間層は、可撓性を有する。
中間層においては、以下の条件(1)及び条件(2)の少なくともいずれかを満たす。
条件(1):中間層の面に対して直交する方向から中間層が加圧された際に、中間層における第1の電極側の変形量と、中間層における第2の電極側の変形量とが、異なる。
条件(2):中間層の第1の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H1)と、中間層の第2の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H2)とが、異なる。
本発明において、変形量とは、以下の条件で中間層を押し付けた際の、圧子の最大押し込み深さである。
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
初期荷重:0.02mN
最大荷重:1mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:10秒間
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
押し込み深さ:10μm
初期荷重:0.02mN
最大荷重:100mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:50秒間
例えば、ゴム、ゴム組成物などが挙げられる。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム(ラテックス)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましい。
前記シリコーンゴムとしては、オルガノポリシロキサン結合を有するゴムであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゴム組成物としては、例えば、フィラーと前記ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。これらの中でも、前記シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物は発電性能が高いため好ましい。
前記有機フィラーとしては、例えば、アクリル微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粒子、シリコーンパウダー(シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダー)、ゴム粉末、木粉、パルプ、デンプンなどが挙げられる。
前記酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられる。前記水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、ケイ酸ジルコン、カオリン、タルク、マイカ、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、モンモロナイト、セリサイト、活性白土、ガラス、中空ガラスビーズなどが挙げられる。前記窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられる。
前記炭素類としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン(誘導体を含む)、グラフェンなどが挙げられる。
前記有機無機複合フィラーとしては、有機化合物と無機化合物とを分子レベルで組み合わせた化合物であれば特に制限されずに用いることができる。前記有機無機複合フィラーとしては、例えば、シリカ・アクリル複合微粒子、シルセスキオキサンなどが挙げられる。
前記平均粒径は、公知の粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば添加剤などが挙げられる。前記その他の成分の含有量は、本発明の目的を損なわない程度で適宜選定することができる。
前記中間層を構成する材料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゴム組成物の調製方法としては、前記ゴム及び前記フィラー、更に必要に応じて前記その他の成分を混合し、混錬分散することにより調製することができる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゴム組成物の薄膜の形成方法としては、前記ゴム組成物を、基材上にブレード塗装、ダイ塗装、ディップ塗装などで塗布し、その後、熱や電子線などで硬化する方法が挙げられる。
中間層において、両面での変形量、又は硬度を異ならせる方法としては、例えば、表面改質処理、不活性化処理などが挙げられる。これらの処理は、両方を行ってもよいし、片方のみを行ってもよい。
表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン処理、放射線(X線、α線、β線、γ線、中性子線)照射処理などが挙げられる。これらの処理の中でも、処理スピードの点から、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理が好ましいが、ある程度の照射エネルギーを有し、材料を改質しうるものであれば、これらに限定されない。
プラズマ処理の場合、プラズマ発生装置としては、例えば、平行平板型、容量結合型、誘導結合型のほか、大気圧プラズマ装置でも可能である。耐久性の観点から、減圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理における反応圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05Pa〜100Paが好ましく、1Pa〜20Paがより好ましい。
プラズマ処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス、希ガス、酸素などのガスが有効であるが、効果の持続性においてアルゴンが好ましい。
プラズマ処理における照射電力量は、(出力×照射時間)により規定される。前記照射電力量としては、5Wh〜200Whが好ましく、10Wh〜50Whがより好ましい。照射電力量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
コロナ放電処理における印加エネルギー(積算エネルギー)としては、6J/cm2〜300J/cm2が好ましく、12J/cm2〜60J/cm2がより好ましい。印加エネルギーが、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
電子線照射処理における照射量としては、1kGy以上が好ましく、300kGy〜10MGyがより好ましい。照射量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
電子線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
紫外線照射処理における紫外線としては、波長365nm以下で200nm以上が好ましく、波長320nm以下で240nm以上がより好ましい。
紫外線照射処理における積算光量としては、5J/cm2〜500J/cm2が好ましく、50J/cm2〜400J/cm2がより好ましい。積算光量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
さらに加えて「架橋密度向上による緻密化」に起因して離型性が向上すると考えられる。なお、本発明においても一部活性基は形成されてしまうが、後述するカップリング剤や風乾処理にて、活性基を不活性化させている。
中間層の表面は、各種材料を用いて、適宜不活性化処理が施されてもよい。
不活性化処理としては、中間層の表面を不活性化させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性化剤を前記中間層の表面に付与する処理が挙げられる。不活性化とは、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などによる励起又は酸化によって発生した活性基(例えば、−OHなど)を不活性化剤と反応させて、中間層の表面の活性度を下げることで、中間層の表面を、化学反応を起こしにくい性質に変化させることを意味する。
カップリング剤としては、例えば、金属アルコキシド、金属アルコキシドを含む溶液などが挙げられる。
R1 (4−n)Si(OR2)n・・・一般式(1)
ただし、一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、アルキルポリエーテル鎖、及びアリール基のいずれかを表す。nは、2〜4の整数を表す。
中間層前駆体としてシリコーンゴムを用いた場合は、前記表面改質処理を行った後に、空気中に静置して風乾することにより、失活させてもよい。
中間層において、酸素濃度のプロファイルが極大値を示す位置と、炭素濃度のプロファイルが極小値を示す位置とは、一致することがより好ましい。
酸素濃度のプロファイル、及び炭素濃度のプロファイルは、X線光電子分光分析法(XPS)によって求めることができる。
測定方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
測定装置:Ulvac−PHI QuanteraSXM、アルバック・ファイ株式会社製
測定光源:Al(mono)
測定出力:100μmφ、25.1W
測定領域:500μm×300μm
パスエネルギー:55eV(narrow scan)
エネルギーstep:0.1eV(narrow scan)
相対感度係数:PHIの相対感度係数を使用
スパッタ源:C60クラスターイオン
Ion Gun 出力:10 kV、10 nA
Raster Control:(X=0.5,Y=2.0)mm
スパッタレート:0.9nm/min(SiO2換算)
XPSでは、光電子効果により飛び出す電子を捕捉することにより、測定対象物中の原子の存在濃度比や結合状態を知ることができる。
図5は、シリコーンゴムを用い、更に前記表面改質処理(プラズマ処理)及び前記不活性処理を行って得られた中間層のサンプルである。図5において、横軸は表面から内部方向への分析深さであり、縦軸は存在濃度比である。
その結果を図6に示す。図6の測定対象は、図5の測定に用いたサンプルである。図6において、横軸は結合エネルギーであり、縦軸は強度比である。また、下から上に向かっては深さ方向での測定スペクトルを示している。
一般に、ピークシフトの量は結合状態に依存することが知られており、本件に関するシリコーンゴムの場合、Si2p軌道において高エネルギー側にピークがシフトするということは、Siに結合している酸素の数が増えていることを示す。
さらに図5のαの位置で検出された酸素の極大値は、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトすることと一致(図6のαの位置)しており、酸素増加がSiに結合した酸素の数に起因することが示されている。
図7には、図5にみられたような酸素濃度の極大値、及び炭素濃度の極小値は見られない。更に、図8より、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトする様子もみられないことから、Siに結合した酸素の数も変化していないことが確認された。
結果として、中間層は、3つ〜4つの酸素原子と結合したケイ素原子を有するポリオルガノシロキサンを含有することとなる。
前処理:温度30℃相対湿度40%雰囲気に24h静置後、除電を60sec(Keyence製のSJ−F300を使用)
装置:Treck Model344
測定プローブ:6000B−7C
測定距離:2mm
測定スポット径:直径10mm
素子は、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有することが好ましい。そうすることにより、発電量を増やすことができる。
前記空間を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間にスペーサを配置する方法などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記スペーサの形態としては、例えば、シート、フィルム、織布、不織布、メッシュ、スポンジなどが挙げられる。前記スペーサの形状、大きさ、厚み、設置場所は、素子の構造に応じて適宜選択することができる。
これにより、同じ変形付与力である加圧力Fが第1の電極a側と第2の電極c側に作用した場合、中間層bの第1の電極a側の変形の度合いが、第2の電極c側よりも小さくなる。
支持部材の材質、形状、大きさ、厚さ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、高分子材料、ゴム、金属などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、セルロースなどが挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、硬鋼、シリコンクロム鋼、リン青銅、ピアノ線などが挙げられる。
支持部材の形状としては、例えば、紐状、ループ状、バネ形状、平板形状、ブロック形状などが挙げられる。
カバー部材の材質、形状、大きさ、厚さ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記カバー材の材質としては、例えば、高分子材料、ゴムなどが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリル、ポリサルファイドゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
すなわち、素子16はその平面部が振動源の振動方向(Z方向)に対して交差(直交)するように支持されている。
表1(日通総合研究所の調査によるデータ)に示すように、例えばトラック輸送においてはZ方向(表1の上下方向)の振動(縦揺れ)が大きい。
振動実験は、4隅の下端がコイルバネで支持された矩形のサンプル台の上面に加振プローブを当ててサンプル台を上下に振動させる構成の振動試験機を用い、サンプル台の上に発電装置を載せて行った。
変位:3.5mm(±1.75mm)
周波数:15Hz
加速度:3G
この場合には固定支持部材17により両端部の一部が面をもって拘束されるので、紐状の可変支持部材3による支持に比べて素子16の変形量が低下するため、図14に示すように発電量も低下する。
図14から明らかなように、図1で示した「吊り下げ」構成では、素子2が縦揺れ方向(Z方向)に平行となっているため、振動による変形の度合いが小さく、発電量は最も少ない。
この場合、素子16の両端共に拘束力の小さい支持となるため、振動による素子16の変形量が大きく、図14に示すように、発電量も多くなる。
このときトラックの振動と同等の上下方向に0.9G程度の振動を加えた時の周波数特性を図15に示す。
変位:1.4mm(±0.7mm)
周波数:(5Hz、10Hz、20Hz、30Hz、40Hz、50Hz)
加速度:0.9G
従来のこの種の発電装置では、共振周波数から少しでもずれると極端に発電量が低下するが、図15に示すように、本実施形態の発電装置では周波数が変化した場合の発電量の変化の勾配が緩やかである。
すなわち、本発明の発電装置によれば、特許文献1に記載の発電装置のように共振周波数を調節することなくトラックの荷台の振動周波数のほぼ全域に亘って発電することができる。
図13に示すように、紐状の可変支持部材3に代えて、素子16の両端を弾性部材としてのコイルバネ24で支持した両端吊るしタイプの発電装置25としてもよい。可変支持部材3は1本のゴム紐でもよい。
振動の大きさや種類に応じて可変支持部材の材質を変えたり、張り度合い(張力)を調整できるようにすれば、発電効率を高めることができる。
従って、支持部材で繋がれた状態で振動面に自重で面接触状態で載置され、当該振動面の振動で揺れて変形するような状況でも発電が可能となる。
図16に示すように、発電パッケージ26は、上プレート27、中プレート28、下プレート29を重ねて接合した構成を有している。中プレート28には4つの矩形状の空間部30が形成されており、これらの空間部30にはそれぞれ独立して発電装置23が素子変形可能に宙吊り状態で設置されている。
トラックの走行時の荷台の振動がパレット32を介して発電装置23に伝わり、素子16が変形して発電がなされる。
発電パッケージ26は荷台に直に置いてもよく、トラックの荷台の屋根に設置してもよい。要するに振動が得られる場所であればどこでもよい。
発電パッケージ26で得られた電気は、例えばトラックの荷物収容庫内の温度を検知する温度センサの電力源としたり、発電パッケージ26内に一体に配置され、あるいは発電パッケージ26と共に積まれる蓄電体に充電するようにしてもよい。
発電パッケージ26の筐体(プレート)は、荷物等が載る場合にはその重みで変形しない材料、例えばアルミニウム等で形成される。発電パッケージ26は常設的にパレット32に一体に固定してもよい。
本実施形態ではトラックの荷台を振動源とする使用形態を例示したが、本発明の使用形態はこれに限定されず、上述した環境的振動を利用することができる種々の場面で使用することができる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2、16 素子
3、17、24 支持部材
4、18 素子本体
9 エレクトレット電極
10 金属電極
19 第1の電極
20 中間層
21 第2の電極
Claims (8)
- 可撓性を有し、変形により発電が可能な素子と、
前記素子の少なくとも1箇所を支持する支持部材と、
を備え、
前記素子は、振動を受けた際に、曲がり変形、捻り変形、あるいはこれらの複合的変形が可能であり、
前記素子は、第1の電極と、中間層と、第2の電極とをこの順序で積層してなり、前記中間層は可撓性を有し、前記中間層の第1の電極側と第2の電極側とは同じ変形付与力に対する変形の度合いが異なるものである発電装置。 - 請求項1に記載の発電装置において、
前記支持部材は前記素子を空間で浮いた状態に支持する発電装置。 - 請求項1又は2に記載の発電装置において、
前記素子が、素子本体と、前記素子本体を覆うカバー部材とで構成され、前記カバー部材が前記支持部材に支持されている発電装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の発電装置において、
前記支持部材が、前記素子が変形したときにこれに伴って変形する材質又は構成を有している発電装置。 - 請求項4に記載の発電装置において、
前記支持部材が、紐状ないしループ状をなす発電装置。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の発電装置において、
前記素子が平板形状を有している発電装置。 - 請求項6に記載の発電装置において、
前記素子が、その平面部が振動方向に対して交差するように少なくとも2箇所で宙吊り状態に支持されている発電装置。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の発電装置において、
前記素子又は素子本体が、圧電効果又は圧電効果に準じた特性を利用したものである発電装置。
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