JP2014207391A - 発電素子、発電デバイス、発電ユニット及び発電素子の設置方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電ポリマーを使用した圧電発電において、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現する。
【解決手段】本発明の発電素子1は複数の気孔20Aを有する多孔質樹脂層20を備え、この多孔質樹脂層20が主成分としてフッ素樹脂を含み、樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得るものである。複数の気孔20Aは連通孔を含んでいることが好ましい。多孔質樹脂層20は、テトラフルオロエチレンを単量体単位として含む重合体を主成分とすることが好ましい。本発明の発電デバイス5は、発電素子1に弾性体を積層したものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の発電素子1は複数の気孔20Aを有する多孔質樹脂層20を備え、この多孔質樹脂層20が主成分としてフッ素樹脂を含み、樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得るものである。複数の気孔20Aは連通孔を含んでいることが好ましい。多孔質樹脂層20は、テトラフルオロエチレンを単量体単位として含む重合体を主成分とすることが好ましい。本発明の発電デバイス5は、発電素子1に弾性体を積層したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、発電素子、発電デバイス、発電ユニット及び発電素子の設置方法に関する。
近年、自然界にあるエネルギを電気エネルギに変換する環境発電が普及している。環境発電の代表的なものとしては、太陽光発電、風力発電、地熱発電、潮力発電、波浪発電等が挙げられる。これらの発電方法は、環境に優しい反面、大規模な発電設備を必要とし、発電場所の制約が大きい等の不都合がある。このような不都合の少ない環境発電として、振動エネルギを電気エネルギに変換して利用する振動発電も提案されている。振動発電としては、電磁誘導発電、静電発電、圧電型発電等が提案されている。
(1)電磁誘導発電
電磁誘導発電は、コイルと永久磁石の相対運動によりコイルに発生する誘導電圧を利用するものである。このような電磁誘導発電を利用したものとして、例えばスイッチモジュールが実用化されている(例えば非特許文献1参照)。
電磁誘導発電は、コイルと永久磁石の相対運動によりコイルに発生する誘導電圧を利用するものである。このような電磁誘導発電を利用したものとして、例えばスイッチモジュールが実用化されている(例えば非特許文献1参照)。
(2)静電発電
静電発電は、対向する電極の振動により静電容量が変化した際の電荷移動を利用して発電を行うものである(例えば特開2009−240058号公報、特開2009−268309号公報、国際公開第2008/114489号、国際公開第2009/123022号等参照)。
静電発電は、対向する電極の振動により静電容量が変化した際の電荷移動を利用して発電を行うものである(例えば特開2009−240058号公報、特開2009−268309号公報、国際公開第2008/114489号、国際公開第2009/123022号等参照)。
(3)圧電発電
圧電発電は、振動に基づく圧電素子の変形により発生する電圧を利用するものである。圧電素子としては、一般に圧電体としてセラミックスを採用したものが主流である(例えば特許第4504292号公報参照)。圧電発電としては、圧電体として圧電ポリマーを使用するものも開発されている(例えば特開2012−23345号公報参照)。特開2012−23345号公報に記載の圧電発電装置は、圧電ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が使用され、引張り応力を与えることで発電させるものである。
圧電発電は、振動に基づく圧電素子の変形により発生する電圧を利用するものである。圧電素子としては、一般に圧電体としてセラミックスを採用したものが主流である(例えば特許第4504292号公報参照)。圧電発電としては、圧電体として圧電ポリマーを使用するものも開発されている(例えば特開2012−23345号公報参照)。特開2012−23345号公報に記載の圧電発電装置は、圧電ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が使用され、引張り応力を与えることで発電させるものである。
http://www.enocean.com/en/enocean_modules_315mhz/ptm-200c//
しかし、電磁誘導発電及び静電発電は、発電装置の構造が複雑で、製造コストが高いという不都合がある。特に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により製造した静電発電装置は、製造コストが高くなる。
また、電磁誘導発電、静電発電及び圧電セラミックスによる圧電発電は、発電装置の構造的制約及び圧電体の材料物性的制約により、発電効率の高い周波数帯が狭い上、発電装置の大面積化が困難である。そのため、発電装置を設置できる環境及び場所の制限が大きい。さらに、電磁誘導発電等による発電装置は、柔軟性に乏しいため、曲面には設置し難いという不都合もある。
一方、PVDF等の圧電ポリマー及びこの圧電ポリマーを利用した発電装置は、先に説明した他の発電装置のような不都合は少ない。しかし、圧電ポリマーは他の振動発電に使用される圧電体に比べて発電性能が低い。また、圧電ポリマーに引張り応力を与えることで発電させる構成を採用すると、発電装置の構造が複雑化し、圧電ポリマーに引張り応力を作用させるための駆動力が必要となる。その結果、製造コスト低減メリットが少なく、実質的に利用できる発電量が少なくなるため実質的な発電効率が悪い。
本発明は、圧電ポリマーを使用した圧電発電において、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現することを目的とする。
本発明は、複数の気孔を有する樹脂フィルムを備え、
この樹脂フィルムが主成分としてフッ素樹脂を含み、
上記樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得る発電素子である。
この樹脂フィルムが主成分としてフッ素樹脂を含み、
上記樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得る発電素子である。
本発明によれば、圧電ポリマーを使用した圧電発電において、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現することが可能となる。
[本発明の実施形態の説明]
上記課題を解決するためになされた本発明は、
複数の気孔を有する樹脂フィルムを備え、
この樹脂フィルムが主成分としてフッ素樹脂を含み、
上記樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得る発電素子である。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
複数の気孔を有する樹脂フィルムを備え、
この樹脂フィルムが主成分としてフッ素樹脂を含み、
上記樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得る発電素子である。
当該発電素子は、主成分としてフッ素樹脂を含み、複数の気孔を有する樹脂フィルムを備えている。この樹脂フィルムには圧電化処理がなされており、圧電体として機能するものである。そのため、当該発電素子は、圧電体が樹脂フィルムであることから、電磁誘導発電及び静電発電に比べて構造を簡略化でき、当該発電素子を安価に製造することが可能となる。特に、当該発電素子の製造に、MEMSのような複雑な製造工程も必要ないことから、製造工程が簡略化され、製造コスト的に有利である。また、当該発電素子は、MEMS技術のような複雑かつ微細な加工工程を必要とせず、例えばフィルム形成、圧電処理等により製造することができるため、当該発電素子の大面積化が可能となる。
さらに、当該発電素子は、樹脂フィルムの厚み変化により電気エネルギを得るものであるため、
(1)振動により電気エネルギを得るもの、例えば電磁誘導発電、静電発電、セラミックス圧電体を使用する圧電発電等に比べて、構造的及び材料物性的制約に起因する発電可能周波数帯の狭幅化を抑制でき、
(2)引張り力を与えることにより電力を取り出す構成に比べて、発電装置の構成を簡略できるためにコスト的に有利に発電効率を向上させることができるとともに、発電効率の向上を図ることができ、
(3)PVDF等の圧電ポリマーを使用する場合に比べて、発電性能が高くすることができ、
(4)主に横振動にて発電する電磁誘導発電、静電発電と異なり縦振動により発電することができる。環境振動の多くは縦振動であり、例えば装置の表面に設置した際には横振動(表面の面内方向の振動)ではなく縦振動(面に直交する方向の振動)により発電することができる。
このように、当該発電素子によれば、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現することが可能となる。
さらに、当該発電素子は、樹脂フィルムの厚み変化により電気エネルギを得るものであるため、
(1)振動により電気エネルギを得るもの、例えば電磁誘導発電、静電発電、セラミックス圧電体を使用する圧電発電等に比べて、構造的及び材料物性的制約に起因する発電可能周波数帯の狭幅化を抑制でき、
(2)引張り力を与えることにより電力を取り出す構成に比べて、発電装置の構成を簡略できるためにコスト的に有利に発電効率を向上させることができるとともに、発電効率の向上を図ることができ、
(3)PVDF等の圧電ポリマーを使用する場合に比べて、発電性能が高くすることができ、
(4)主に横振動にて発電する電磁誘導発電、静電発電と異なり縦振動により発電することができる。環境振動の多くは縦振動であり、例えば装置の表面に設置した際には横振動(表面の面内方向の振動)ではなく縦振動(面に直交する方向の振動)により発電することができる。
このように、当該発電素子によれば、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現することが可能となる。
上記複数の気孔が連通孔を含むとよい。このように複数の気孔が連通孔を含むことで、連通孔によって適切に電荷をトラップできるため、高い圧電性を発現させることが可能となる。また連通孔であるため独立泡と比べて厚み方向の変形度が大きくなること、また変形の仕方が不均一、すなわち帯電荷の相対位置が不均一に変化する結果として高い圧電性を発現することが可能となる。
上記樹脂フィルムの主成分としては、テトラフルオロエチレンを単量体単位として含む重合体が好ましい。このように樹脂フィルムの主成分として上記重合体を含むことで、高い圧電性を発現させることが可能となる。
当該発電素子は、上記樹脂フィルムの少なくとも片面に形成された非多孔質樹脂層をさらに備えることが好ましい。このような非多孔質樹脂層を備えることで、樹脂フィルムにおいてより適切に電荷をトラップできるため、圧電性の向上を図ることが可能となる。非多孔質樹脂層と連通孔を有す層との界面は効率的に電荷をトラップできるためである。
上記樹脂フィルムの一方の面に接触する第1電極と、上記樹脂フィルムの他方の面に接触する第2電極と、をさらに備え、
上記第1電極及び上記第2電極のうちの少なくとも一方の電極が、上記樹脂フィルムと接着されていない部分を有しているとよい。
上記第1電極及び上記第2電極のうちの少なくとも一方の電極が、上記樹脂フィルムと接着されていない部分を有しているとよい。
樹脂フィルムが有する電荷により第1電極及び第2電極に逆の電荷が誘起されるが、樹脂フィルムと第1電極及び第2電極が接着されていない部分では、第1電極及び第2電極と樹脂フィルム間の距離が変動したり相対的にスライドしたりし、その誘起電荷量が変わるため発電が起こる。第1電極及び第2電極が接着された状態、例えば第1電極及び第2電極の表面の凹凸に樹脂が入り込むアンカー効果や分子間力により第1電極及び第2電極と樹脂が密に固定化されている場合、樹脂フィルムと第1電極及び第2電極の間に接着層を設けて第1電極及び第2電極を固定化させる場合には、このような発電効果が見られない。すなわち、第1電極及び第2電極と樹脂フィルムとが接着していない部分を有することで、第1電極及び第2電極における接着されていない部分の相対位置の変動も発電に寄与させることができる。その結果、発電効率を高めることができる。また、第1電極及び第2電極を接着しないことで、第1電極及び第2電極を接着する工程が不要になるために製造が容易となる。
上記課題を解決するためになされた別の本発明は、
当該発電素子と、
上記発電素子に積層された弾性体と
を備える発電デバイスである。
当該発電素子と、
上記発電素子に積層された弾性体と
を備える発電デバイスである。
当該発電デバイスによれば発電効率が改善される。その理由は明確ではないが、デバイスの厚み方向への負荷を、弾性体を介して発電素子に作用させた場合、その負荷が弾性体によって、樹脂フィルムに対しては不均一に作用する(負荷が分散する)ものと考えられる。そのため、より多くの気孔を厚み方向に変形させることで、入力された厚み方向の負荷が効率良く電気エネルギに変換されるものと推察される。また本樹脂フィルムは変形時に帯電部の相対位置が変わることにより圧電性を発現するものであるから弾性体が引き起こす、不均一な変形による相対位置の変化が電気エネルギ変換に好適なものであると推察される。
上記弾性体がエラストマーを含むとよい。このように弾性体がエラストマーを含むことで、より適切に発電効率を改善することが可能となる。
上記エラストマーがゴムであるとよい。このようにエラストマーがゴムであることで、安価かつ簡易な構成によって、より適切に発電効率を改善することが可能となる。
上記弾性体が板状であり、上記樹脂フィルムの厚み方向の負荷に対する変形態様が互いに異なる第1領域及び第2領域を有していることが好ましい。このように弾性体が、変形態様が異なる第1領域及び第2領域を有することで、より適切に発電効率を改善することが可能となる。
上記弾性体が、当該発電素子に対する積層面に形成された凸部及び凹部のうちの少なくとも一方を有していることが好ましい。このように弾性体が凸部及び凹部のうちの少なくとも一方を有することで、簡易な構成によって、より適切に発電効率を改善することが可能となる。
このように、本実施形態での「弾性体」は、弾性体の構成材料の特性として弾性を有するもの、凹部、凸部等を形成することで弾性の改善が図られたものを含む。
当該発電デバイスは、振動子を備えるとよい。このように当該発電デバイスが振動子を備えることで、振動子の適当な重量によって振動を拾い、それを発電素子に伝えることにより効率よい発電が可能となる。
上記弾性体が上記振動子であるとよい。このように弾性体が振動子を兼ねることで、より薄く、簡単な構造の発電デバイスを実現することができる。
上記振動子が、上記発電素子の振動面側に積層されているとよい。このように振動子が発電素子の振動面側に積層されていると、この振動子は振動外力に対して同期または非同期で振動することにより、発電性能を高めることが可能となる。また、発電素子を振動面に積層することで、振動子を設置面(機械などに設置する際に接する面)から離した位置に設置し、振動面と設置面との間に発電素子が配置されるため、効率良く振動を拾い発電素子に伝えることができる。
上記振動子の重さ、重心、形状及び材料のうちの少なくとも1つを調節できることが好ましい。このように重さ、重心、形状又は弾性材で調節できることが望ましい。このように発電デバイスにおいて外力の振動周波数と同期又は非同期で振動できるため、発電効率を高めることができる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の本発明は、
当該発電デバイスと、
上記発電デバイスから上記電気エネルギを取り出す電気回路と
を備える発電ユニットである。
当該発電デバイスと、
上記発電デバイスから上記電気エネルギを取り出す電気回路と
を備える発電ユニットである。
当該発電ユニットによれば、当該発電デバイスを備えていることから、入力された厚み方向の負荷から効率良く電気エネルギを得ることができる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の本発明は、
当該発電素子を、振動発生源の下に設置する発電素子の設置方法である。
当該発電素子を、振動発生源の下に設置する発電素子の設置方法である。
当該設置方法によれば、稼働する機器などの振動源の下に圧電素子を設置することで、振動が直接、高い効率で圧電素子に伝わるため発電効率を高めることができる。
ここで、本実施形態において「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。「振動面」とは、発電素子における外力又は振動が入力される面であり、弾性体とともに相対的に位置変化する面である。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る発電素子、発電デバイス及び発電システムを説明する。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る発電素子、発電デバイス及び発電システムを説明する。
〔発電素子〕
図1の発電素子1は厚み変化から電気エネルギを得るものである。この発電素子1は、樹脂フィルム2、電極10,11及び保護層12,13を備えている。
図1の発電素子1は厚み変化から電気エネルギを得るものである。この発電素子1は、樹脂フィルム2、電極10,11及び保護層12,13を備えている。
<樹脂フィルム(第1の実施形態)>
樹脂フィルム2は、多孔質樹脂層20の両面に非多孔質樹脂層21,22が積層されたものである。樹脂フィルム2は、コロナ放電等による圧電処理により圧電性が付与されている。
樹脂フィルム2は、多孔質樹脂層20の両面に非多孔質樹脂層21,22が積層されたものである。樹脂フィルム2は、コロナ放電等による圧電処理により圧電性が付与されている。
樹脂フィルム2は、例えば別々に作製した多孔質樹脂層20と非多孔質樹脂層(21,22)とを重ね合わせた後に圧着処理又は焼結処理を行い、さらに圧電処理を行うことにより形成することができる。樹脂フィルム2はまた、後述するように多孔質樹脂層20上に、非多孔質樹脂層21,22に直接形成したものであってもよい。
なお、非多孔質樹脂層は、必ずしも多孔質樹脂層20の両面に形成する必要はなく、多孔質樹脂層20の片面に選択的に形成してもよく、また省略することもできる。
<樹脂フィルム(第2の実施形態)>
図2に示したように、樹脂フィルム3としては、複数の多孔質樹脂層30,31(図では2つ)を備えたものを使用することもできる。この樹脂フィルム3は、非多孔質樹脂層32、多孔質樹脂層31、非多孔質樹脂層33、多孔質樹脂層30及び非多孔質樹脂層34を、この順序で積層したものである。樹脂フィルム3は、基本的には図1の樹脂フィルム2と同様なプロセスにより形成することができる。
図2に示したように、樹脂フィルム3としては、複数の多孔質樹脂層30,31(図では2つ)を備えたものを使用することもできる。この樹脂フィルム3は、非多孔質樹脂層32、多孔質樹脂層31、非多孔質樹脂層33、多孔質樹脂層30及び非多孔質樹脂層34を、この順序で積層したものである。樹脂フィルム3は、基本的には図1の樹脂フィルム2と同様なプロセスにより形成することができる。
樹脂フィルム3は、2つの多孔質樹脂層30,31の構成樹脂の種類、厚み、気孔率、製造方法等が同じものであってもよいし、異なったものであってもよい。非多孔質樹脂層32,33,34は、構成樹脂の種類、厚み、製造方法等が同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、樹脂フィルムにおける多孔質樹脂層の数は3つ以上であってもよく、非多孔質樹脂層の数は4以上であってもよい。
樹脂フィルム2,3の平均厚みの下限としては、例えば5μm、好ましくは10μm、より好ましくは15μmである。上記平均厚みの上限としては、例えば100μm、好ましくは75μm、より好ましくは50μmである。樹脂フィルム2,3の平均厚みを適正化することで、樹脂フィルム2,3が適度な可撓性を有するものとなるため、曲面にも設置可能な発電素子1を提供することが可能となる。
(圧電処理)
圧電処理は、樹脂フィルム2,3に圧電性を付与するために行われる。この圧電処理としては、樹脂フィルム2,3に高電圧を印加する方法、高電界下に数分間保持する方法、コロナ放電により荷電させる方法等が挙げられる。但し、高電圧を印加する方法の場合、樹脂フィルム2(3)に電極10,11を設けた後に、圧電処理が行われる。
圧電処理は、樹脂フィルム2,3に圧電性を付与するために行われる。この圧電処理としては、樹脂フィルム2,3に高電圧を印加する方法、高電界下に数分間保持する方法、コロナ放電により荷電させる方法等が挙げられる。但し、高電圧を印加する方法の場合、樹脂フィルム2(3)に電極10,11を設けた後に、圧電処理が行われる。
圧電処理としては、コロナ放電を利用する方法が好ましい。コロナ放電による圧電処理は、例えば図3に示したように、金属板40及び高圧電源41を備えた装置を用いて行われる。この装置では、金属板40上に樹脂フィルム2(3)を載置した状態で、高圧電源41によって高電圧を印加することで、針電極42から樹脂フィルム2(3)に向けて放電が生じる。
針電極42としては、例えばチタン製のものが使用される。針電極42の先端と樹脂フィルム2(3)との間の距離は、例えば3mm以上20mm以下、好ましくは5mm以上10mm以下とされる。高圧電源41による電圧の印加は、例えば印加電圧が−20kV以上−1kV以下、電圧印加時間が30秒以上300秒以下、好ましくは印加電圧が−15kV以上−5kV以下、電圧印加時間が60秒以上120秒以下とされる。
(多孔質樹脂層)
図1及び図2の多孔質樹脂層20,30,31は、厚み変化から電気エネルギを得るものである。この多孔質樹脂層20,30,31は、電荷をトラップできる複数の気孔20A,30A,31Aを有する多孔質体である。複数の気孔20A,30A,31Aは、連通孔を含んでいるとよい。複数の気孔20A,30A,31Aが連通孔を含むことで、複数の気孔20A,30A,31Aによって適切に電荷をトラップすることができ、また連通孔であるため独立泡と比べて軽い力でも厚み方向の変形度が大きくなること、また変形の仕方が不均一、すなわち帯電荷の相対位置が不均一に変化する結果として高い圧電性を発現することが可能となる。また多孔質体であることには発電素子が軽量化できるというメリットもある。
図1及び図2の多孔質樹脂層20,30,31は、厚み変化から電気エネルギを得るものである。この多孔質樹脂層20,30,31は、電荷をトラップできる複数の気孔20A,30A,31Aを有する多孔質体である。複数の気孔20A,30A,31Aは、連通孔を含んでいるとよい。複数の気孔20A,30A,31Aが連通孔を含むことで、複数の気孔20A,30A,31Aによって適切に電荷をトラップすることができ、また連通孔であるため独立泡と比べて軽い力でも厚み方向の変形度が大きくなること、また変形の仕方が不均一、すなわち帯電荷の相対位置が不均一に変化する結果として高い圧電性を発現することが可能となる。また多孔質体であることには発電素子が軽量化できるというメリットもある。
気孔20A,30A,31Aの大きさは、コロナ放電等の圧電処理時に電荷を適切にトラップできれば特に限定されない。気孔20A,30A,31Aの大きさとしては、0.5μm以上3μm以下が好ましい。気孔20A,30A,31Aの大きさが上記下限未満であると、適度な変形性を得ることが困難となって、十分な圧電性を発現しないおそれがある。一方、気孔20A,30A,31Aの大きさが上記上限を超えると、圧電処理時の電荷トラップ能が低下して圧電性が低くなる。また繰り返し付与される負荷に対する耐久性が低くなって、経時的な変形が生じることで圧電性能が変化してしまうおそれがある。
ここで、気孔20A,30A,31Aの大きさは、多孔質樹脂層20,30,31の厚み方向の任意の切断面に存在する気孔断面の長さを基準として測定される。具体的には、気孔20A,30A,31Aの大きさは、切断面に存在する複数の気孔について、厚み方向の断面長を測定し、測定された断面長のうちの最高断面長から降順で50個の断面長をピックアップし、それらの断面長の平均値(A50)として定義される。なお、切断面の観察は、FIB加工や凍結破断により、多孔質樹脂層20,30,31を厚み方向に切断し、得られた断面を走査型電子顕微鏡等により撮像することで行うことができる。走査型電子顕微鏡等による撮像結果は、画像データ化され、この画像データを解析することで気孔20A,30A,31Aの大きさを測定することができる。
多孔質樹脂層20,30,31の気孔率は、コロナ放電等の圧電処理時に電荷を適切にトラップできれば特に限定されない。上記気孔率の下限としては、10%が好ましく、15%以上がより好ましい。上記気孔率の上限としては、40%が好ましく、35%以下がより好ましい。上記気孔率が大きすぎると、繰り返し付与される負荷に対する耐久性が低くなって、経時的な変形が生じることで圧電性能が変化してしまうおそれがある。一方、気孔率が小さすぎると、負荷に対する変形量が小さくなり、十分な圧電性を発現できないおそれがある。気孔率は、例えば多孔質樹脂層20,30,31の見かけの体積(V)に占める気孔体積(V0)の割合をいい、下記式より求められる。
気孔率(%)=(V0/V)×100
式中、多孔質樹脂層20,30,31の見かけの体積Vは、多孔質樹脂層20,30,31の厚みと、この厚みに直交する方向に沿った面積から算出される。気孔体積(V0)は、多孔質樹脂層20,30,31の樹脂部分体積(R)を、多孔質樹脂層20,30,31の見かけの体積から差し引くことにより算出される(V0=V−R)。樹脂部分体積(R)は、多孔質樹脂層20,30,31の乾燥重量を樹脂の真比重(ポリテトラフルオロエチレンなら2.17g/cm3)で除することにより算出される。
多孔質樹脂層20,30,31の厚みは特に限定されないが、圧電処理のしやすさ、圧電特性の付与効率、多孔質樹脂層20,30,31の可撓性等の点から決定すればよい。上記厚みの下限としては、5μmが好ましく、7μmがより好ましい。上記厚みの上限としては、80μmが好ましく、50μmがより好ましい。また、透明性の高い多孔質樹脂層20を得たい場合には、上記厚みとしては、7μm以上20μm以下が好ましい。
多孔質樹脂層20,30,31は、フッ素樹脂を主成分とするものである。フッ素樹脂としては、例えばフルオロエチレンを単量体単位として含むフルオロエチレン重合体が挙げられる。フルオロエチレン重合体としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(EPA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロ・テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体等が挙げられる。これらの中で電荷のトラップ能力という観点からその構成元素が炭素とフッ素、水素からなるものが好ましく、炭素とフッ素からなるものが特に好ましい。特にこれらの中でも、PTFEが好ましい。PTFEの多孔体は電荷のトラップ能力に優れ、融点が高いため融点がより低温の非多孔質樹脂層を形成する際にも孔が潰れたりする等の変形が起こらないためである。PTFEは、他の1種以上のフルオロエチレン重合体との混合物として使用することもできる。PFA、FEP、EPA等のテトラフルオロエチレン共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、ペンダント型共重合体のいずれであってもよい。
(多孔質樹脂層の製造方法)
多孔質樹脂層20,30,31は、一例において、以下に説明する製造方法(1)又は製造方法(2)により製造することができる。
多孔質樹脂層20,30,31は、一例において、以下に説明する製造方法(1)又は製造方法(2)により製造することができる。
・製造方法(1)
多孔質樹脂層20,30,31は、PTFE等のフッ素樹脂粒子と潤滑剤との混合ペーストをシート状又はチューブ状に押出成形し、必要に応じて圧延した後、延伸、焼結を行うことにより形成することができる。チューブ状に押出成形した場合は、切開によりフィルム状とすることで多孔質樹脂層20として使用される。延伸処理は、一軸延伸であってもよいし、2軸延伸であってもよい。
多孔質樹脂層20,30,31は、PTFE等のフッ素樹脂粒子と潤滑剤との混合ペーストをシート状又はチューブ状に押出成形し、必要に応じて圧延した後、延伸、焼結を行うことにより形成することができる。チューブ状に押出成形した場合は、切開によりフィルム状とすることで多孔質樹脂層20として使用される。延伸処理は、一軸延伸であってもよいし、2軸延伸であってもよい。
・製造方法(2)
多孔質樹脂層20は、フッ素樹脂粉末を分散媒中に分散したディスパージョンを、基材上に塗布した後、分散媒の乾燥及びフッ素樹脂粉末の焼結を行い、その後、延伸処理を施すことにより形成することができる。延伸処理は、一軸延伸であってもよいし、2軸延伸であってもよい。
多孔質樹脂層20は、フッ素樹脂粉末を分散媒中に分散したディスパージョンを、基材上に塗布した後、分散媒の乾燥及びフッ素樹脂粉末の焼結を行い、その後、延伸処理を施すことにより形成することができる。延伸処理は、一軸延伸であってもよいし、2軸延伸であってもよい。
先の製造方法で得られた多孔質樹脂層20,30,31は、さらに厚み方向に圧縮処理を施してもよい。この圧縮処理により、多孔質樹脂層20,30,31を薄くでき、気孔20A,30A,31Aの厚み方向の大きさを小さくすることが可能となる。厚み方向の圧縮処理は、シート状とされた多孔質樹脂層20,30,31の場合は、プレス機等でプレスすることにより行えばよく、長尺のフィルムの場合は、圧延ロールで圧延しながら巻き取るようにして行えばよい。
このような圧縮処理は、加熱下で行うことが好ましい。加熱下で圧縮処理を行うことにより、多孔質樹脂層20,30,31の厚みを効率よく小さくできる。圧縮処理時の加熱温度は、多孔質樹脂層20,30,31を構成するフッ素樹脂の種類により適宜選択されるが、通常、100℃以上、好ましくは110℃以上200℃以下である。
このようにして製造される多孔質樹脂層20,30,31は、製造方法、延伸方法等を選択することで、種々の気孔形状、気孔率を有するものとされる。通常、延伸多孔質PTFEの場合、ノードと称される粒子塊(二次粒子)が、フィブリルと称される繊維状の部分で繋がれた網状構造を有している。このような網状構造を有するフィルムでは、フィブリル間、フィブリル・ノード間の間隙が気孔20A,30A,31Aに該当する。
(非多孔質樹脂層)
非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、多孔質樹脂層20,30,31の圧電性向上効果を得るためのものである。この非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、多孔質樹脂層20,30,31を構成する樹脂とは異なる種類のフッ素樹脂を主成分とする。
非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、多孔質樹脂層20,30,31の圧電性向上効果を得るためのものである。この非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、多孔質樹脂層20,30,31を構成する樹脂とは異なる種類のフッ素樹脂を主成分とする。
非多孔質樹脂層21,22,32〜34を構成するフッ素樹脂としては、多孔質樹脂層20,30,31を構成するフッ素樹脂と同様なものが挙げられる。その中でも、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)が好ましい。非多孔質樹脂層21,22,32〜34を構成するフッ素樹脂としては、変性PTFEを使用することもできる。この変性PTFEは、例えば、ポリテトラフルオロエチレンの側鎖又は末端に、パーフルオロエチレン若しくはそのポリマーブロック、又はヘキサフルオロプロピレン若しくはそのポリマーブロックを有するものである。また、樹脂フィルムに積層する加工の観点では樹脂フィルムの孔が潰れたり、極度に変形がしないように融点が樹脂フィルムより低いものを選ぶことが望ましい。樹脂フィルムが連通孔を有するPTFEであり、非多孔樹脂層がPFA、FEPである場合が最も好ましい。
非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、実質的に非多孔質であればよい。具体的には、非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、例えば、ガーレー秒が300秒以上、好ましくは1000秒以上、より好ましくは5000秒以上である。ここで、ガーレー秒とは、JIS P 8117(2009年)等に記載されている透気度(空気の透過量)を表す指標であり、100mlの空気が645cm2の面積を通過する時間(秒)を示している。
非多孔質樹脂層21,22,32〜34の厚みの上限としては、例えば30μm、好ましくは25μm、より好ましくは20μmである。上記厚みの下限としては、例えば2μm、好ましくは5μmである。上記厚みが大きすぎると、樹脂フィルム2において多孔質樹脂層20,30,31による圧電性の向上効果が得られにくくなる。一方、上記厚みが小さすぎると、均一な膜厚に形成するのが困難となるおそれがある。
非多孔質樹脂層21,22,32〜34の製造方法は、特に限定されないが、例えば、国際公開第2008/18400号公報に開示の方法を採用することができる。具体的には、非多孔質樹脂層21,22,32〜34は、フッ素樹脂粉末を分散媒中に分散したディスパージョンを基材上に塗布した後、分散媒の乾燥及びフッ素樹脂粉末の焼結を行い、その後、基材を除去することにより製造することができる。
基材上に、ディスパージョンを塗布することに代えて、多孔質樹脂層20,30,31上にディスパージョンを塗布した後、気泡が入らないように平滑な箔を被せる方法を採用してもよい。このような方法では、多孔質樹脂層20,30,31上に非多孔質樹脂層21,22,32〜34を直接形成することができる。
なお、ディスパージョンの塗布方法としては、キャピラリー方式、グラビア方式、ロール方式、ダイ(リップ)方式、スリット方式、バー方式等を採用することができる。これらのうち、キャピラリー方式、ダイ方式、スリット方式及びバー方式は、薄膜を形成する点から好ましく用いられる。
平滑な箔としては、例えば金属箔が使用され、特に銅箔、アルミ箔が好ましい。金属箔を用いて非多孔質樹脂層21,22を製造する場合、この金属箔を保持したまま圧電処理に供してもよく、エッチング等により金属箔の一部だけを除去した状態で圧電処理に供してもよい。これらの場合、金属箔は、圧電素子の電極又は回路とすることも可能である。
<電極>
電極10,11は、樹脂フィルム2(3)から電気エネルギを外部に取り出すものである。これらの電極10,11は、非多孔質樹脂層21,22(32〜34)の表面に蒸着等の公知の手法により金属膜を形成することで得ることができる。電極10,11は、上述のように非多孔質樹脂層21,22(32〜24)を形成する際に利用した金属箔から形成することもできる。製造が容易であること、金属箔と樹脂フィルム3間の相対位置の変動も発電に寄与させることができることから、樹脂フィルム3と電極10,11としての金属箔は接着されていない方が好ましい。金属箔には樹脂フィルムの有する電荷により逆の電荷が誘起される。金属箔と樹脂フィルム間の距離が変動したり相対的にスライドしたりするとその誘起電荷量が変わる。すなわち発電が起こる。接着された状態、例えば金属箔表面の凹凸に樹脂が入り込むアンカー効果や分子間力により金属箔と樹脂が密に固定化されている場合、樹脂フィルムと金属箔の間に接着層を設けて金属箔を固定化させる場合にはこの発電効果が見られない。例えば樹脂フィルムと金属箔を単純に積層した上で金属箔と樹脂フィルムが分離しないように保護層12,13で両者を包むことが望ましい。
金属箔は電気特性、価格、入手容易性、薄膜加工が可能であることから銅箔、アルミ箔が好ましい。特にアルミ箔が好ましい。
電極10,11は、樹脂フィルム2(3)から電気エネルギを外部に取り出すものである。これらの電極10,11は、非多孔質樹脂層21,22(32〜34)の表面に蒸着等の公知の手法により金属膜を形成することで得ることができる。電極10,11は、上述のように非多孔質樹脂層21,22(32〜24)を形成する際に利用した金属箔から形成することもできる。製造が容易であること、金属箔と樹脂フィルム3間の相対位置の変動も発電に寄与させることができることから、樹脂フィルム3と電極10,11としての金属箔は接着されていない方が好ましい。金属箔には樹脂フィルムの有する電荷により逆の電荷が誘起される。金属箔と樹脂フィルム間の距離が変動したり相対的にスライドしたりするとその誘起電荷量が変わる。すなわち発電が起こる。接着された状態、例えば金属箔表面の凹凸に樹脂が入り込むアンカー効果や分子間力により金属箔と樹脂が密に固定化されている場合、樹脂フィルムと金属箔の間に接着層を設けて金属箔を固定化させる場合にはこの発電効果が見られない。例えば樹脂フィルムと金属箔を単純に積層した上で金属箔と樹脂フィルムが分離しないように保護層12,13で両者を包むことが望ましい。
金属箔は電気特性、価格、入手容易性、薄膜加工が可能であることから銅箔、アルミ箔が好ましい。特にアルミ箔が好ましい。
<保護層>
保護層12,13は、発電素子1の表面に耐湿性、耐衝撃性等を付与するものである。これらの保護層12,13は、例えばポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリプロピレンフィルム等を接着剤を用いて貼着することで形成することができる。なお、発電素子1において樹脂フィルム2及び電極10,11は必須の構成要素であるが、保護層12,13は必須ではなく、例えば後述する弾性体、振動子を直接積層することや、それらを保護層12,13とすることでも構わない。また、保護層12,13として厚み方向の負荷に対する変形態様が互いに異なる第1領域及び第2領域を有しているものや凹凸があるものを使うと電極および樹脂フィルム2に不均一に力がかかる結果、高い発電効率を得ることができるので好ましい。
保護層12,13は、発電素子1の表面に耐湿性、耐衝撃性等を付与するものである。これらの保護層12,13は、例えばポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリプロピレンフィルム等を接着剤を用いて貼着することで形成することができる。なお、発電素子1において樹脂フィルム2及び電極10,11は必須の構成要素であるが、保護層12,13は必須ではなく、例えば後述する弾性体、振動子を直接積層することや、それらを保護層12,13とすることでも構わない。また、保護層12,13として厚み方向の負荷に対する変形態様が互いに異なる第1領域及び第2領域を有しているものや凹凸があるものを使うと電極および樹脂フィルム2に不均一に力がかかる結果、高い発電効率を得ることができるので好ましい。
発電素子1は、主成分としてフッ素樹脂を含み、複数の気孔20A(30A,31A)を有する多孔質樹脂層20(30,31)を備えている。この多孔質樹脂層20(30,31)は、圧電体として機能するものである。そのため、発電素子1は、圧電体が多孔質樹脂層20(30,31)であることから、電磁誘導発電及び静電発電に比べて構造を簡略化でき、発電素子1を安価に製造することが可能となる。特に、発電素子1の製造に、MEMSのような複雑な製造工程も必要ないことから、製造工程が簡略化され、製造コスト的に有利である。また、発電素子1は、MEMS技術のような複雑かつ微細な加工工程を必要とせず、例えばフィルム形成、圧電処理等により製造することができるため、発電素子1の大面積化が可能となる。
さらに、発電素子1は、多孔質樹脂層20(30,31)の厚み変化により電気エネルギを得るものであるため、
(1)振動により電気エネルギを得るもの、例えば電磁誘導発電、静電発電、セラミックス圧電体を使用する圧電発電等に比べて、構造的及び材料物性的制約に起因する発電可能周波数帯の狭幅化を抑制でき、
(2)引張り力を与えることにより電力を取り出す構成に比べて、発電装置の構成を簡略できるためにコスト的に有利に発電効率を向上させることができるとともに、発電効率の向上を図ることができ、
(3)PVDF等の圧電ポリマーを使用する場合に比べて、発電性能が高くすることができ、
(4)主に横振動にて発電する電磁誘導発電、静電発電と異なり縦振動により発電することができる。
(1)振動により電気エネルギを得るもの、例えば電磁誘導発電、静電発電、セラミックス圧電体を使用する圧電発電等に比べて、構造的及び材料物性的制約に起因する発電可能周波数帯の狭幅化を抑制でき、
(2)引張り力を与えることにより電力を取り出す構成に比べて、発電装置の構成を簡略できるためにコスト的に有利に発電効率を向上させることができるとともに、発電効率の向上を図ることができ、
(3)PVDF等の圧電ポリマーを使用する場合に比べて、発電性能が高くすることができ、
(4)主に横振動にて発電する電磁誘導発電、静電発電と異なり縦振動により発電することができる。
このように、発電素子1によれば、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現することが可能となる。
発電素子1の樹脂フィルム2は、多孔質樹脂層20の両面に非多孔質樹脂層21,22を有し、それを電極10,11で挟んだものであり、各層が積層されていることから高い発電性能が得ることができる。
〔発電デバイス〕
図4の発電デバイス5は、発電素子1に弾性体50を積層したものである。
図4の発電デバイス5は、発電素子1に弾性体50を積層したものである。
<弾性体>
図4及び図5に示した弾性体50は、全体として板状に形成されている。この弾性体50は、片面51Aに形成された複数の溝51Bを有している。複数の溝51Bは、ストライプ状に形成されている。弾性体50は、複数の溝51Bが形成されることで、変形しやすい部分である複数の溝51B(凹部)と、溝51の間に位置する変形しにくい複数の凸部51Cとが交互に形成されたものとなっている。すなわち、弾性体50は、複数の溝51B(凹部)と複数の凸部51Cによって変形態様の異なる2種類の領域を有するものとなっている。このような弾性体50は、片面51A(複数の溝51B)が発電素子1側に位置するように発電素子1に積層されている。したがって、発電素子1の片面あるいは両面に積層しても良い。
図4及び図5に示した弾性体50は、全体として板状に形成されている。この弾性体50は、片面51Aに形成された複数の溝51Bを有している。複数の溝51Bは、ストライプ状に形成されている。弾性体50は、複数の溝51Bが形成されることで、変形しやすい部分である複数の溝51B(凹部)と、溝51の間に位置する変形しにくい複数の凸部51Cとが交互に形成されたものとなっている。すなわち、弾性体50は、複数の溝51B(凹部)と複数の凸部51Cによって変形態様の異なる2種類の領域を有するものとなっている。このような弾性体50は、片面51A(複数の溝51B)が発電素子1側に位置するように発電素子1に積層されている。したがって、発電素子1の片面あるいは両面に積層しても良い。
このような形態の弾性体50によれば、厚み方向に入力された負荷が、弾性体によって樹脂フィルムに対しては不均一に作用する(負荷が分散する)ことが期待される。そのため、多孔質樹脂層20における気孔20A(図1参照)をより多く厚み方向に変形させることができる。また本樹脂フィルムの帯電部の相対位置を厚さ方向及び平面方向に大きく変化させることができる。その結果、発電デバイス5では、弾性体50を積層されることで発電効率が向上させられる。
弾性体50による発電効率の向上を適切に図るため、弾性体50の各部の寸法は以下のように設定される。弾性体50の厚みの下限は、例えば0.05mmである。上記厚みの上限は、例えば100mmである。溝51(凹部)の深さの下限は、例えば0.05mmである。上記深さの上限は、例えば100mmである。溝51(凹部)の幅の下限は、例えば0.1mmである。溝51(凹部)の幅の上限は、例えば10mmである。凸部の幅の下限は、例えば0.1mmである。凸部の幅の上限は、例えば10mmである。
弾性体50は、振動子としての機能を有していてもよい。弾性体50が振動子を兼ねることで発電デバイス5を薄く、簡単な構造とすることができる。振動子は、弾性体50とは別に振動子を設けてもよい。この場合の振動子は、発電素1子の振動面側に積層されていることが好ましい。振動子は、圧電素子1より重い重量を持つことにより振動を拾い、それを発電素子1に伝えることにより効率よい発電を可能とする。適当な重量を有すものであれば材質や形状は問わない。弾性体50が振動子を兼ねることで、発電デバイス5より薄く、簡単な構造とすることができる。
<他の弾性体>
弾性体としては、厚み方向に負荷が作用したときに変形し、負荷が除去されたときに復元できるものであればよく、例えば図6から図9に示したものを使用することができる。ただし、図6から図9に示した弾性体52,53,54,55は一例であり、本願発明の弾性体を限定するものではなく、発泡体等の多孔体のように他の形態のものを使用することもできる。
弾性体としては、厚み方向に負荷が作用したときに変形し、負荷が除去されたときに復元できるものであればよく、例えば図6から図9に示したものを使用することができる。ただし、図6から図9に示した弾性体52,53,54,55は一例であり、本願発明の弾性体を限定するものではなく、発泡体等の多孔体のように他の形態のものを使用することもできる。
図6の弾性体52は、複数の溝52aを有する基材52Aと、複数の溝52aに充填された充填材52Bとを有している。
基材52Aは、図5の弾性体50と同様な形態を有している。この基材52Aは、全体として板状であり、複数の溝52aがストライプ状に形成されたものである。基材52Aは、後述するエラストマーにより形成するのが好ましい。
充填材52Bは、基材52Aとは異なる材料、例えば基材52Aとは弾性率の異なる材料により形成されている。充填材52Bを形成する材料は、エラストマーであってもよいし、プラストマーであってもよい。
このような弾性体52は、複数の溝52aが発電素子1側に位置するように発電素子1(図4参照)に積層される。また、弾性体52は、複数の溝52aが形成され、それらの溝52aに充填材52Bが充填されていることから、変形態様の異なる複数の領域を有するものとなっている。その結果、入力した負荷が弾性体52によって多孔質樹脂層20に対しては不均一に作用する(負荷が分散する)ことが期待されるため、多孔質樹脂層20における気孔20A(図1参照)をより多く厚み方向に変形させることで、発電効率が向上させられる。
図7の弾性体53は、複数の貫通孔53aを有する基材53Aと、複数の貫通孔53aに充填された充填材53Bとを有している。
基材53Aは、全体として板状に形成されており、後述するエラストマーにより形成するのが好ましい。
複数の貫通孔53aは、例えばマトリクス状に配置されている。各貫通孔53aは、例えば円柱状、多角柱状等に形成されている。
充填材53Bは、基材53Aとは異なる材料、例えば基材53Aとは弾性率の異なる材料により形成されている。充填材53Bを形成する材料は、エラストマーであってもよいし、プラストマーであってもよい。
弾性体53は、基材53Aと充填材53Bとが異なる材料により形成されているため、変形態様の異なる複数の領域を有している。その結果、入力した負荷が弾性体53によって多孔質樹脂層20に対しては不均一に作用する(負荷が分散する)ことが期待されるため、多孔質樹脂層20における気孔20A(図1参照)をより多く厚み方向に変形させることで、発電効率が向上させられる。
図8の弾性体54は、複数のブロック状の凸部54Aがマトリクス状に形成されたものである。この弾性体54は、全体として板状に形成されており、凸部54Aが発電素子1側に位置するように発電素子1(図4参照)に積層される。このような弾性体54においても、入力した負荷が弾性体52によって多孔質樹脂層20に対しては不均一に作用する(負荷が分散する)ことが期待されるため、多孔質樹脂層20における気孔20A(図1参照)をより多く厚み方向に変形させることで、発電効率が向上させられる。
なお、凸部54Aの形状、数、配置場所は、入力した負荷を適切に分散できる範囲において、適宜変更可能である。
図9の弾性体55は、複数の凹部55Aがマトリクス状に配置されたものである。この弾性体55は、全体として板状に形成されており、凹部55Aが発電素子1側に位置するように発電素子1(図4参照)に積層される。このような弾性体55においても、入力した負荷が弾性体55によって多孔質樹脂層20に対しては不均一に作用する(負荷が分散する)ことが期待されるため、多孔質樹脂層20における気孔20A(図1参照)をより多く厚み方向に変形させることで、発電効率が向上させられる。
なお、凹部55Aの形状、数、配置場所は、入力した負荷を適切に分散できる範囲において、適宜変更可能である。
図5から図9の弾性体50,52〜55(基材52A,53A)は、エラストマーを含むのが好ましい。エラストマーを弾性体50,52〜55(基材52A,53A)の材料として用いることにより、弾性体50,52〜55に入力した負荷を適切に分散させることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性エラストマーとしては、例えば、
ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム;NBR)、エチレン−プロピレンゴム等のジエン系合成ゴム;
エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系合成ゴム;
天然ゴムなどが挙げられる。
ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム;NBR)、エチレン−プロピレンゴム等のジエン系合成ゴム;
エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等の非ジエン系合成ゴム;
天然ゴムなどが挙げられる。
中でも、安価に入手可能で、加工が容易なことから、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム等が好ましい。
弾性体50,52〜55の硬度は、ショアA硬度において、例えば下限が15、好ましくは30である。上記ショアA硬度の上限としては、例えば100、好ましくは80である。上記硬度が小さすぎると十分な弾性を発揮することができないおそれがある。一方、上記硬度が大きすぎると、入力された負荷を樹脂フィルム2に不均一に作用させる(分散させる)のが困難となるおそれがある。ここで、「ショアA硬度」は、JIS K 6253(1993年)に準拠して、「デュロメータ(タイプA)」を用いて測定した値である。
発電デバイス5は、機械等の振動発生源の下に敷くのが好ましい。これにより、適当な重量を持つ弾性体(振動子)が振動を拾い、それを発電素子1に伝えることにより効率よい発電が可能となる。
発電デバイス5が振動子を備える場合(弾性体が兼用する場合を含む)、振動子を設置面(機械などに設置する際に接する面)から離して発電素子の振動面に設置し、設置面と振動子の間に発電素子が位置するようにしてもよい。その場合、効率良く振動を拾い発電素子に伝えられるので好ましい。
発電デバイスは、弾性体に加えて、弾性体に代えて、又は弾性体を兼ねて振動子を積層しても構わない。また、この振動子は、振動外力に対して同期または非同期で振動することにより,発電性能を高めることが可能となる。従って、振動子は,必要に応じて,外力の振動周波数と同期又は非同期で振動するように、重さ、重心、形状、弾性材等を設定するのが好ましい。
弾性体は、変形態様の異なる複数の領域を有するものに限らず、弾性率が平面方向に漸次変化するようなものであってもよい。この弾性体では、変形態様に平面方向のグラデーションを与えることができる。
発電デバイスは、複数の発電素子、弾性体及び振動子を積層した構成であってもよい。特に、複数の発電素子を有すること、複数の発電素子を積層することで本デバイスの発電量を増加することができるため好ましい。
〔発電システム〕
図4の発電システム6は、発電デバイス5に電気回路60を接続したものである。
図4の発電システム6は、発電デバイス5に電気回路60を接続したものである。
<電気回路>
電気回路60は、発電デバイス5から電極10,11を介して電気エネルギを取り出すものである。図10示すように、電気回路60は、整流器61、及び蓄電器62を含む蓄電回路として構成されている。
電気回路60は、発電デバイス5から電極10,11を介して電気エネルギを取り出すものである。図10示すように、電気回路60は、整流器61、及び蓄電器62を含む蓄電回路として構成されている。
整流器61は、発電デバイス5から出力される交流電圧を直流電圧に変換するものである。整流器61としては、公知の種々のものを使用することができ、全波整流器及び半波整流器のいずれであってもよい。電力損出等の観点から、全波整流器が好ましい。
蓄電器63は、発電デバイス5からの出力を蓄えるものである。この蓄電器63が発電デバイス5の発電能力等に応じて構成すればよく、例えばキャパシタを使用することができる。蓄電器63としては、二次電池等の公知の充電池を使用することもできる。
電気回路60は、目的、用途等に応じて適宜設計すればよく、必ずしも整流器61及び蓄電器62の全てを備えている必要はなく、蓄電回路以外として構成することもできる。また、電気回路60には、整流器61及び蓄電器62以外の電子機器や回路を含ませてもよい。
次に、本発明を実施例により説明する。ただし、実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔評価〕
本実施例では、発電デバイスに動的荷重を加えたときの発電量を評価した。
本実施例では、発電デバイスに動的荷重を加えたときの発電量を評価した。
〔発電デバイス〕
発電デバイスとしては図11又は図12に示した構成のものを使用した。具体的には、発電デバイスとしては、圧電体Aの両面に電極Bを形成し、電極Bの表面に保護層Cを積層したものを使用した。なお、発電デバイスの各部A〜Dの具体的な構成は、表1及び表2に示す通りである。なお、図11の発電デバイスは弾性体を備えておらず、図12の発電デバイスは弾性体Dを備えている。
発電デバイスとしては図11又は図12に示した構成のものを使用した。具体的には、発電デバイスとしては、圧電体Aの両面に電極Bを形成し、電極Bの表面に保護層Cを積層したものを使用した。なお、発電デバイスの各部A〜Dの具体的な構成は、表1及び表2に示す通りである。なお、図11の発電デバイスは弾性体を備えておらず、図12の発電デバイスは弾性体Dを備えている。
〔動的荷重〕
動的荷重は、両面テープEを介して発電デバイスを弾性材Fに固定し、300Hzの油圧サーボ動特性試験機(株式会社鷺宮製作所製)により弾性材Fにより固定されていない面から付与した。発電デバイスに対する加振周波数は5〜100Hz、振幅は±0.5mmとした。
動的荷重は、両面テープEを介して発電デバイスを弾性材Fに固定し、300Hzの油圧サーボ動特性試験機(株式会社鷺宮製作所製)により弾性材Fにより固定されていない面から付与した。発電デバイスに対する加振周波数は5〜100Hz、振幅は±0.5mmとした。
〔発電量の測定〕
発電量は、動的荷重を加えたときに発電デバイスから出力される電圧を、データロガー(商品名「NR500」(キーエンス製)、内部抵抗1MΩ)で計測し、電力量に換算した。発電量の測定結果については、図13に示した。なお、図13においては、横軸を加振周波数、縦軸を単位荷重当たりの発電量として示した。
発電量は、動的荷重を加えたときに発電デバイスから出力される電圧を、データロガー(商品名「NR500」(キーエンス製)、内部抵抗1MΩ)で計測し、電力量に換算した。発電量の測定結果については、図13に示した。なお、図13においては、横軸を加振周波数、縦軸を単位荷重当たりの発電量として示した。
図13から明らかなように、圧電体Aとして(FEP/PTFE/FEP)を使用した実施例1,2は圧電体AとしてPVDFを使用した比較例1よりも発電量が大きかった。特に、弾性体Dを使用した実施例2は、圧電体Aとして同じ(FEP/PTFE/FEP)を使用した実施例1よりも発電量が大きくなった。
本発明によれば、圧電ポリマーを使用した圧電発電において、発電性能及び発電効率の向上を簡易な構成によってコスト的に有利に実現することが可能となる。
1 発電素子
10,11 電極
12,13 保護層
2,3 樹脂フィルム
20,30,31 多孔質樹脂層
20A,30A,31A 気孔
21,22,32,33,34 非多孔質樹脂層
40 金属板
41 高圧電源
42 針電極
5 発電デバイス
50,52〜55 弾性体
51A 片面
51B 溝
51C 凸部
52A 基材
52B 充填材
52a 溝
53A 基材
53a 貫通孔
53B 充填材
54A 凸部
55A 凹部
6 発電システム
60 電気回路
61 整流器
62 蓄電器
10,11 電極
12,13 保護層
2,3 樹脂フィルム
20,30,31 多孔質樹脂層
20A,30A,31A 気孔
21,22,32,33,34 非多孔質樹脂層
40 金属板
41 高圧電源
42 針電極
5 発電デバイス
50,52〜55 弾性体
51A 片面
51B 溝
51C 凸部
52A 基材
52B 充填材
52a 溝
53A 基材
53a 貫通孔
53B 充填材
54A 凸部
55A 凹部
6 発電システム
60 電気回路
61 整流器
62 蓄電器
Claims (15)
- 複数の気孔を有する樹脂フィルムを備え、
この樹脂フィルムが主成分としてフッ素樹脂を含み、
上記樹脂フィルムの厚み変化から電気エネルギを得る発電素子。 - 上記複数の気孔が連通孔を含む請求項1に記載の発電素子。
- 上記樹脂フィルムの主成分がテトラフルオロエチレンを単量体単位として含む重合体である請求項1又は請求項2に記載の発電素子。
- 上記樹脂フィルムが、多孔質樹脂層と、この多孔質樹脂層の少なくとも片面に形成された非多孔質樹脂層とを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発電素子。
- 上記樹脂フィルムの一方の面に接触する第1電極と、上記樹脂フィルムの他方の面に接触する第2電極と、をさらに備え、
上記第1電極及び上記第2電極のうちの少なくとも一方の電極が、上記樹脂フィルムと接着されていない部分を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発電素子。 - 請求項1に記載の発電素子と、
上記発電素子に積層された弾性体と
を備える発電デバイス。 - 上記弾性体がエラストマーを含む請求項6に記載の発電デバイス。
- 上記弾性体が、板状であり、かつ上記樹脂フィルムの厚み方向の負荷に対する変形態様が互いに異なる第1領域及び第2領域を有している請求項6又は請求項7に記載の発電デバイス。
- 上記弾性体が、上記発電素子に対する積層面側に形成された凸部及び凹部のうちの少なくとも一方を有している請求項8に記載の発電デバイス。
- 振動子を備える請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の発電デバイス。
- 上記弾性体が上記振動子である請求項10に記載の発電デバイス。
- 上記振動子が、上記発電素子の振動面側に積層されている請求項10又は請求項11に記載の発電デバイス。
- 上記振動子の重さ、重心、形状及び弾性のうちの少なくとも1つを調節できる請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の発電デバイス。
- 請求項6に記載の発電デバイスと、
上記発電デバイスから上記電気エネルギを取り出す電気回路と
を備える発電ユニット。 - 請求項1に記載の発電素子を、振動発生源の下に設置する発電素子の設置方法。
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- 2013-04-15 JP JP2013085310A patent/JP2014207391A/ja active Pending
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