JP6672817B2 - 素子 - Google Patents

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Description

本発明は、素子に関する。
従来から、道路、橋、建築物等の構造体の振動、自動車、鉄道車両等の移動体の振動、人の運動による振動、及び波力、風力による振動のエネルギーを電気エネルギーに変換して有効利用する技術が提案されている。
特許文献1には、振動荷重によって変形する弾性シートと、弾性シートの表面に設置された圧電フィルムと、圧電フィルムの両面に配置された電極と、を有し、弾性シートの変形に伴う圧電フィルムの引っ張り力又は圧縮力による歪みで発電する振動発電デバイスが提案されている。
圧電フィルムとしては、高分子圧電体であるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)が用いられている。
PVDF等の高分子圧電体は柔軟性を有するため、硬度が高いセラミック系の圧電体に比べて適用範囲が広い。
例えば、人の動きを利用して発電するウェアラブル発電デバイスとして、上記高分子圧電体の利用を考えた場合、柔軟性を有するといってもその変形範囲は材質上の歪み範囲内である。
すなわち、単なる曲げ動作への追従性はあるが、面に平行な方向の延びはあくまでも歪み範囲内であるため、例えば人が着る服に配置した場合、腕の曲げ動作に伴う肘部位での3次元変形には追従できず、突っ張り感(着用の違和感)が生じる。
前記3次元変形に追従できれば、電極面積の増加により発電量を向上させることができるが、従来の高分子圧電体では追従が困難であるため、歪み範囲内の変形による発電量に留まる。換言すれば、人の動きを発電エネルギー源として利用しても、単に曲げた場合の変形による発電量よりも大きな発電量は期待できない。
また、従来の発電デバイスでは、上記のように発電エネルギー源として環境で生じる振動に重きを置いているが、発電エネルギー源となり得るものは他にも多々存在する。
上記人の腕や足の屈曲、屈伸動作の他に、例えば生産ラインで用いられる組み立てロボットの屈曲、屈伸動作や、シャフトの直線的な進退の繰り返し動作等である。
従来の圧電体では歪み範囲内での変形追従性しか得られないため、上記のような屈曲、屈伸、直線進退動作等の伸縮動作は発電エネルギー源として着目されず、利用されていなかった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、人又は環境における屈曲、屈伸、直線進退動作等の伸縮動作を発電エネルギー源として有効に利用することができる素子の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の素子は、動作体の動作に伴って伸縮し、伸縮時の変形により発電する圧電体と、前記圧電体の変形によって生じる電荷を取り出すための電極と、を有する。
本発明によれば、人又は環境における屈曲、屈伸、直線進退動作等の伸縮動作を発電エネルギー源として有効に利用することができる素子を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る素子としての発電装置を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す図である。 膝の部位に対応する発電装置を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す図である。 発電装置の形状を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す斜視図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す斜視図である。 発電装置の形状を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す断面図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す断面図である。 発電装置におけるLEDの点灯回路図である。 第2の実施形態における素子としての発電装置を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す図である。 同発電装置の形状を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す断面図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す断面図である。 第3の実施形態における素子としての発電装置を示す図で、(a)は伸縮していない状態を示す断面図、(b)は伸縮による変形が生じている状態を示す断面図である。 表面改質処理、及び不活性化処理を行った中間層(シリコーンゴム)のXPS測定結果を示す特性図である。 図9で測定した中間層のSi2p結合エネルギーの厚み方向の変化を示すグラフである。 未処理の中間層(シリコーンゴム)のXPS測定結果を示す特性図である。 図11で測定した中間層のSi2p結合エネルギーの厚み方向の変化を示すグラフである。 表面改質処理、及び不活性化処理を行った中間層を有する素子の特性を説明するための断面模式図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1乃至図5に基づいて第1の実施形態を説明する。図1(a)に示すように、本実施形態に係る素子としての発電装置1は、表面に多数のLED2が取り付けられた電飾ジャケット3Aとズボン3Bの複数個所に部分的に取り付けられている。
具体的には、発電装置1は、電飾ジャケット3Aの両腕部の肘の部位に対応して設けられた発電装置1aと、ズボン3Bの両膝の部位に対応して設けられた発電装置1bとから構成されている。
発電装置1a、1bは、電飾ジャケット3Aの生地とズボン3Bの生地に例えば縁周りを縫い付けられて固定されている。発電装置1a、1bは裏地に設けて外側からは見えないようにしてもよい。また、面状ファスナー等により着脱自在に設けてもよい。
図1(b)に示すように、動作体としての人の腕や足を伸縮(屈曲、屈伸、直線的往復動作の概念を含む)させると、これに伴って発電装置1a、1bも変形する。すなわち、図2(a)に示す状態から足を折り曲げると、図2(b)に示すように、発電装置1bは膝の突出に伴って変形する。
発電装置1bは、図3(a)に示すように一定の面積を有するシート状をなしているが、変形時には図3(b)に示すように、面に平行な全方向に延び、膝の形状に沿った3次元変形となる。足が図2(b)に示す状態から伸ばされると、発電装置1bは弾性による復元力で図2(a)で示す状態に戻る。この変形動作は発電装置1aにおいても同様である。
発電装置1aは、図4(a)に示すように、動作体の動作に伴って伸縮し、伸縮時の変形により発電する圧電体としての中間層4と、中間層4の変形によって生じる電荷を取り出すための一対の電極とを有している。
一対の電極は、中間層4の一方の面に少なくとも一部が接触する第1の電極5と、中間層4の他方の面に少なくとも一部が接触する第2の電極6とからなる。すなわち、発電装置1aは、中間層4の厚み方向における両側を一対の電極で挟む積層構造を有している。
第1の電極5と第2の電極6は共に導電性ゴムからなり、第1の電極5と第2の電極6の外側は、伸縮時の変形に伴って変形可能なカバー部材としての弾性を有するゴムシート7で覆われている。
発電装置1bも同様の構成を有している。
図4(b)は発電装置1aが延びた状態を示している。上記のように、発電装置1aは肘の動作に伴って伸縮し、発電装置1bは膝の動作に伴って伸縮する。
従って、本実施形態における発電装置1a、1bの伸縮は、圧電体及び電極自体の材質による伸びと縮みとによってなされる。
図5に示すように、発電装置1aで発生した電荷は、第1の電極5と第2の電極6及び配線8を介して整流器としてのダイオードブリッジ9に導かれ、ダイオードブリッジ9により一定方向の電流に変換された後、LED2群を点灯させることができる。
また、LED駆動回路10を追加し、LED2の明暗ないし明滅を制御してもよい。
発電装置1bについても同様である。
本実施形態では、発電装置1を部分的に設ける構成としたが、服の面積のほぼ全体に亘って配置する構成としてもよい。
第1の電極5及び第2の電極6と中間層4との間は接合されていてもよく、また、接合されていなくてもよい。また、接合は一部だけでもよい。
中間層4は一般的な歪みの程度を超えた大幅な伸縮変形が可能なゴム又はゴム組成物からなり、積層方向における一方側が、該一方側と他方側とで同じ変形付与力に対する変形の度合いが異なるように且つ電荷を蓄積できるように表面改質処理及び/又は不活性化処理がなされている。この点については後で詳細に説明する。
第1の電極5及び第2の電極6と中間層4との間の未接合部では、変形が生じると、中間層4とこれに対向する電極との間に摩擦ないし剥離帯電が生じ、電荷が蓄えられるとともに、中間層4と電極との間に静電容量の変化が生じて発電がなされる。また、第1の電極5及び第2の電極6と中間層4との間の接合部では、変形が生じると、中間層4と電極との間に静電容量の変化が生じて発電がなされる。
発電装置1の伸縮時の変形においては、上記の原理で伸長時、収縮時の双方で発電がなされる。
本実施形態における発電装置1は、上記のように動作体の動作に伴って伸縮し、伸縮の度合いは、特許文献1のように高分子圧電体の歪み範囲内の変形ではなく、面に平行な方向に大きく延びる変形である。
このため、単位設置面積あたりの電極面積を増加させることができ、発電量を大幅に向上させることができる。
また、体の動きに合わせて伸縮するので、着用時の違和感を低減できる利点もある。
中間層4には、表面改質処理及び不活性化処理を施したシリコーンゴムを用いている。表面改質処理を施すと、中間層4の第1の電極側と第2の電極側とは同じ変形付与力に対する変形の度合いが異なり、すなわち硬度が異なり、この特性により発電効率が向上する。
従って、本実施形態の発電装置1では、伸縮時の電極面積の増加による発電量の増加と、中間層4の表面改質処理による発電効率の向上とが相まった発電量の増加が得られる。
本実施形態ではダンスパフォーマー等が着るエンターテインメント分野での電飾ジャケット3への適用例を示したが、作業現場での警備員の安全を目的としたLED付ジャケットの電源としても使用できる。
また、本発明の発電素子は、ウェアラブル端末の電源としても利用することができる。
また、本実施形態では素子として発電装置を例示したが、例えばゴルフウェアに設置して電圧の変化をモニタすることにより体の動きの変化を知るためのセンサとしての利用も可能である。この場合、上記発電効率の向上はセンサ感度の向上と等価である。
図6及び図7に基づいて第2の実施形態を説明する。上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態では、従来見過ごされてきたロボット等における日常的な繰り返し動作を発電エネルギーとして利用することを目的としている。
図6は、製造ラインにおける動作体としての部品移送ロボット12を示している。部品移送ロボット12はリンク14とアーム16とを有し、アーム16には把持部18を有するシャフト20が直線的に往復動(進退動)可能に設けられている。
リンク14とアーム16との間には発電装置22が設けられており、アーム16とシャフト20との間には発電装置24が設けられている。
発電装置22は、図7(a)に示すように、動作体が作用しない状態で屈曲形状が連続した蛇腹形状を呈するように形成されており、且つ、装置全体として可撓性を有している。
発電装置22は、可撓性を有するシート状の圧電体26と、圧電体26の厚み方向の両側に配置された可撓性を有する第1の電極28、第2の電極30と、第1の電極28、第2の電極30の外側を覆うカバー部材32とからなる積層構造を有している。第1の電極28と第2の電極30は分かりやすくするためにハッチングで表示している。
一対のカバー部材32は、熱可塑性樹脂であるPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムで折り癖を付けて形成されており、これにより動作体が作用しない状態での蛇腹形状(第1の状態)が維持される。カバー部材32の全体形状は弾性変形可能となっている。
図6(b)、図7(b)に示すように、部品移送ロボット12が動作してリンク14とアーム16との間が拡がると、発電装置22が伸張して屈曲部の角度が大きい第2の状態となり、上記と同様の原理で発電がなされる。
発電装置22で発生した電荷はブリッジダイオード等の整流器と蓄電体とを備えた蓄電装置34に電気エネルギーとして蓄えられる。蓄えられた電気エネルギーは適宜他の電気機器に利用される。
本実施形態では圧電体26として、第1の実施形態の中間層4と同じものを用いているがこれに限定されない。
すなわち、本実施形態における伸縮は屈曲形状の変化、換言すれば、第1の状態と、第1の状態とは異なる第2の状態との間の可逆的な形状変化によってなされるので、圧電体26自体には面に平行な延びは要求されず、カバー部材32の変形に追随する可撓性を有すればよい。
このため、圧電体26としては歪み範囲内でしか延びが得られないPVDF等でも構わない。
発電装置22では伸長時、収縮時の双方で発電がなされる。発電装置24においても同様である。本実施形態における発電装置22、24は第1の実施形態と同様に人を動作体とする発電にも利用可能である。
本実施形態における発電装置22、24は、部品移送ロボット12の動作に強制的に拘束されるため、カバー部材32の全体形状の弾性変形性は必ずしも必要ではないが、元の状態への復元力を有していれば、例えば間欠的に一方向のみの力が作用する場合にも利用可能となる。
図8に基づいて第3の実施形態を説明する。
図8(a)に示すように、本実施形態における発電装置36は、伸縮自在な弾性支持部材としての一対のゴムシート38を有し、中間支持部材としてのカバー部材40がゴムシート38に伸縮方向に間欠的に固定されることにより屈曲形状をなすように支持されている。カバー部材40はPETフィルムで構成されているが、これに限定されない。
図8(b)に示すように、動作体の動作に伴って伸張するときはゴムシート38が延び、固定点40aの間隔が大きくなる。
収縮時にはゴムシート38の弾性力で復元する。
本実施形態における発電装置36も、人やロボット等を動作体とする発電に利用可能である。
上記のように、本発明によれば、人又は環境における屈曲、屈伸、直線進退動作等の伸縮動作を発電エネルギー源として有効に利用することができる。
以下に、前記特性を発現させるための電極(第1の実施形態の電極を除く)と中間層の材質等の詳細を説明する。
[第1の電極、及び第2の電極]
第1の電極、及び第2の電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の電極、及び第2の電極において、その材質、形状、大きさ、構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第1の電極、及び第2の電極の材質としては、例えば、金属、炭素系導電材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。炭素系導電材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、炭素繊維、黒鉛などが挙げられる。導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーと、ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。
前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー(CF)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェンなど)、金属フィラー(金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケルなど)、導電性高分子材料(ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の電極の形状、及び第2の電極の形状としては、例えば、薄膜などが挙げられる。第1の電極の構造、及び第2の電極の構造としては、例えば、織物、不織布、編物、メッシュ、スポンジ、繊維状の炭素材料が重なって形成された不織布であってもよい。
前記電極の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性及び可撓性の点から、0.01μm〜1mmが好ましく、0.1μm〜500μmがより好ましい。前記平均厚みが、0.01μm以上であると、機械的強度が適正であり、導電性が向上する。また、前記平均厚みが、1mm以下であると、素子が変形可能であり、発電性能が良好である。
[中間層]
中間層は、可撓性を有する。
中間層においては、以下の条件(1)及び条件(2)の少なくともいずれかを満たす。
条件(1):中間層の面に対して直交する方向から中間層が加圧された際に、中間層における第1の電極側(一方側)の変形量と、中間層における第2の電極側(他方側)の変形量とが、異なる。
条件(2):中間層の第1の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H1)と、中間層の第2の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H2)とが、異なる。
中間層においては、以上のように、両面での変形量、又は硬度が異なることにより、大きな発電量を得ることができる。
本発明において、変形量とは、以下の条件で中間層を押し付けた際の、圧子の最大押し込み深さである。
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
初期荷重:0.02mN
最大荷重:1mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:10秒間
ユニバーサル硬度は、以下の方法により求められる。
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
押し込み深さ:10μm
初期荷重:0.02mN
最大荷重:100mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:50秒間
ユニバーサル硬度(H1)と、ユニバーサル硬度(H2)との比(H1/H2)としては、1.01以上が好ましく、1.07以上がより好ましく、1.13以上が特に好ましい。比(H1/H2)の上限値としては、特に制限はなく、例えば、使用状態において要求される可撓性の程度、使用状態における負荷等により適宜選択されるが、1.70以下が好ましい。ここで、H1は、相対的に硬い面のユニバーサル硬度であり、H2は、相対的に柔らかい面のユニバーサル硬度である。
中間層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム、ゴム組成物などが挙げられる。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム(ラテックス)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましい。
前記シリコーンゴムとしては、オルガノポリシロキサン結合を有するゴムであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、変性シリコーンゴム(例えば、アクリル変性、アルキッド変性、エステル変性、エポキシ変性)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物としては、例えば、フィラーと前記ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。これらの中でも、前記シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物は発電性能が高いため好ましい。
前記フィラーとしては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、有機無機複合フィラーなどが挙げられる。前記有機フィラーとしては、有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記有機フィラーとしては、例えば、アクリル微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粒子、シリコーンパウダー(シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダー)、ゴム粉末、木粉、パルプ、デンプンなどが挙げられる。前記無機フィラーとしては、無機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記無機フィラーとしては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属、又はその他の化合物などが挙げられる。
前記酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。
前記硫酸塩としては、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、ケイ酸ジルコン、カオリン、タルク、マイカ、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、モンモロナイト、セリサイト、活性白土、ガラス、中空ガラスビーズなどが挙げられる。
前記窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられる。
前記炭素類としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン(誘導体を含む)、グラフェンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
前記その他の化合物としては、例えば、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、硫化モリブテン、などが挙げられる。なお、前記無機フィラーは、表面処理をしていてもよい。
前記有機無機複合フィラーとしては、有機化合物と無機化合物とを分子レベルで組み合わせた化合物であれば特に制限されずに用いることができる。
前記有機無機複合フィラーとしては、例えば、シリカ・アクリル複合微粒子、シルセスキオキサンなどが挙げられる。
前記フィラーの平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜30μmが好ましく、0.1μm〜10μmがより好ましい。前記平均粒径が、0.01μm以上であると、発電性能が向上することがある。また、前記平均粒径が、30μm以下であると、中間層が変形可能であり、発電性能の増加を図ることができる。
前記平均粒径は、公知の粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記フィラーの含有量は、ゴム100質量部に対して、0.1質量部〜100質量部が好ましく、1質量部〜50質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部以上であると、発電性能が向上することがある。また、前記含有量が、100質量部以下であると、中間層が変形可能であり、発電性能の増加を図ることができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば添加剤などが挙げられる。前記その他の成分の含有量は、本発明の目的を損なわない程度で適宜選定することができる。
前記添加剤としては、例えば、架橋剤、劣化防止剤、耐熱剤、着色剤などが挙げられる。
前記中間層を構成する材料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゴム組成物の調製方法としては、前記ゴム及び前記フィラー、更に必要に応じて前記その他の成分を混合し、混錬分散することにより調製することができる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゴム組成物の薄膜の形成方法としては、前記ゴム組成物を、基材上にブレード塗装、ダイ塗装、ディップ塗装などで塗布し、その後、熱や電子線などで硬化する方法が挙げられる。
中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変形追従性の点から、1μm〜10mmが好ましく、20μm〜1mmがより好ましい。また、平均厚みが、好ましい範囲内であると、成膜性が確保でき、かつ変形を阻害することもないため、良好な発電を行うことができる。
中間層は、絶縁性であることが好ましい。絶縁性としては、10Ωcm以上の体積抵抗率を持つことが好ましく、1010Ωcm以上の体積抵抗率を持つことがより好ましい。中間層は、複層構造であってもよい。
(表面改質処理、及び不活性化処理)
中間層において、両面での変形量、又は硬度を異ならせる方法としては、例えば、表面改質処理、不活性化処理などが挙げられる。これらの処理は、両方を行ってもよいし、片方のみを行ってもよい。
<表面改質処理>
表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン処理、放射線(X線、α線、β線、γ線、中性子線)照射処理などが挙げられる。これらの処理の中でも、処理スピードの点から、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理が好ましいが、ある程度の照射エネルギーを有し、材料を改質しうるものであれば、これらに限定されない。
《プラズマ処理》
プラズマ処理の場合、プラズマ発生装置としては、例えば、平行平板型、容量結合型、誘導結合型のほか、大気圧プラズマ装置でも可能である。耐久性の観点から、減圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理における反応圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05Pa〜100Paが好ましく、1Pa〜20Paがより好ましい。
プラズマ処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス、希ガス、酸素などのガスが有効であるが、効果の持続性においてアルゴンが好ましい。
その際、酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
プラズマ処理における照射電力量は、(出力×照射時間)により規定される。前記照射電力量としては、5Wh〜200Whが好ましく、10Wh〜50Whがより好ましい。照射電力量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
《コロナ放電処理》
コロナ放電処理における印加エネルギー(積算エネルギー)としては、6J/cm〜300J/cmが好ましく、12J/cm〜60J/cmがより好ましい。印加エネルギーが、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
《電子線照射処理》
電子線照射処理における照射量としては、1kGy以上が好ましく、300kGy〜10MGyがより好ましい。照射量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
電子線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
《紫外線照射処理》
紫外線照射処理における紫外線としては、波長365nm以下で200nm以上が好ましく、波長320nm以下で240nm以上がより好ましい。
紫外線照射処理における積算光量としては、5J/cm〜500J/cmが好ましく、50J/cm〜400J/cmがより好ましい。積算光量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
紫外線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
従来技術として、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより励起又は酸化させることで活性基を形成し、層間接着力を高めることが提案されている。しかし、その技術は、層間への適用に限定され、最表面への適用はむしろ離型性を低下させるため好ましくないことがわかっている。また、反応を酸素リッチな状態下で行い、効果的に反応活性基(水酸基)を導入している。そのため、そのような従来技術は、本発明の前記表面改質処理とは本質が異なる。
本発明の前記表面改質処理は、酸素が少なく減圧された反応環境による処理(例えば、プラズマ処理)のため、表面の再架橋及び結合を促し、例えば、「結合エネルギーの高いSi−O結合の増加」に起因して耐久性が向上する。
さらに加えて「架橋密度向上による緻密化」に起因して離型性が向上すると考えられる。なお、本発明においても一部活性基は形成されてしまうが、後述するカップリング剤や風乾処理にて、活性基を不活性化させている。
<不活性化処理>
中間層の表面は、各種材料を用いて、適宜不活性化処理が施されてもよい。
不活性化処理としては、中間層の表面を不活性化させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性化剤を前記中間層の表面に付与する処理が挙げられる。不活性化とは、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などによる励起又は酸化によって発生した活性基(例えば、−OHなど)を不活性化剤と反応させて、中間層の表面の活性度を下げることで、中間層の表面を、化学反応を起こしにくい性質に変化させることを意味する。
不活性化剤としては、例えば、非晶質樹脂、カップリング剤などが挙げられる。非晶質樹脂としては、例えば、主鎖にパーフルオロポリエーテル構造を有する樹脂などが挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、金属アルコキシド、金属アルコキシドを含む溶液などが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物や、重合度2〜10程度のそれらの部分加水分解重縮合物又はそれらの混合物などが挙げられる。
(4−n)Si(OR・・・一般式(1)
ただし、一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、アルキルポリエーテル鎖、及びアリール基のいずれかを表す。nは、2〜4の整数を表す。
不活性化処理は、例えば、ゴムなどの中間層前駆体に前記表面改質処理を行った後に、中間層前駆体の表面に不活性化剤を塗布又はディッピング等により含浸させることによって行うことができる。
中間層前駆体としてシリコーンゴムを用いた場合は、前記表面改質処理を行った後に、空気中に静置して風乾することにより、失活させてもよい。
中間層の厚み方向における酸素濃度のプロファイルは、極大値を有することが好ましい。中間層の厚み方向における炭素濃度のプロファイルは、極小値を有することが好ましい。
中間層において、酸素濃度のプロファイルが極大値を示す位置と、炭素濃度のプロファイルが極小値を示す位置とは、一致することがより好ましい。
酸素濃度のプロファイル、及び炭素濃度のプロファイルは、X線光電子分光分析法(XPS)によって求めることができる。
測定方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
{測定方法}
測定装置:Ulvac−PHI QuanteraSXM、アルバック・ファイ株式会社製
測定光源:Al(mono)
測定出力:100μmφ、25.1W
測定領域:500μm×300μm
パスエネルギー:55eV(narrow scan)
エネルギーstep:0.1eV(narrow scan)
相対感度係数:PHIの相対感度係数を使用
スパッタ源:C60クラスターイオン
Ion Gun 出力:10 kV、10 nA
Raster Control:(X=0.5,Y=2.0)mm
スパッタレート:0.9nm/min(SiO換算)
XPSでは、光電子効果により飛び出す電子を捕捉することにより、測定対象物中の原子の存在濃度比や結合状態を知ることができる。
シリコーンゴムは、シロキサン結合を有し、主成分がSi、O、及びCである。そのため、中間層において、その材質としてシリコーンゴムを用いた場合、XPSのワイドスキャンスペクトルを測定し、各元素の相対ピーク強度比から、表層から内部に存在する各原子(Si、O、及びC)の深さ方向の存在濃度比(atomic%)を求めることができる。その一例を図9に示す。
図9は、シリコーンゴムを用い、更に前記表面改質処理(プラズマ処理)及び前記不活性処理を行って得られた中間層のサンプルである。図9において、横軸は表面から内部方向への分析深さであり、縦軸は存在濃度比である。
更に、シリコーンゴムの場合、Siの2p軌道の電子が飛び出すエネルギーを測定することにより、ケイ素に結合している元素及び結合状態を知ることができる。そこで、Siの結合状態を示すSi2p軌道におけるナロースキャンスペクトルからピーク分離を行い、化学結合状態を求めた。
その結果を図10示す。図10の測定対象は、図9の測定に用いたサンプルである。図10において、横軸は結合エネルギーであり、縦軸は強度比である。また、下から上に向かっては深さ方向での測定スペクトルを示している。
一般に、ピークシフトの量は結合状態に依存することが知られており、本件に関するシリコーンゴムの場合、Si2p軌道において高エネルギー側にピークがシフトするということは、Siに結合している酸素の数が増えていることを示す。
これによれば、シリコーンゴムにおいて、表面改質処理及び不活性化処理を行うと、表層から内部に向かって酸素が多くなり極大値を持ち、また炭素が減少し極小値を持つ。さらに深さ方向に分析をすすめると酸素が減少して炭素が増加し、ほぼ未処理のシリコーンゴムと同等の原子存在濃度となる。
さらに図9のαの位置で検出された酸素の極大値は、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトすることと一致(図10のαの位置)しており、酸素増加がSiに結合した酸素の数に起因することが示されている。
未処理のシリコーンゴムについて同様の分析をした結果を、図11及び図12に示す。
図11には、図9にみられたような酸素濃度の極大値、及び炭素濃度の極小値は見られない。更に、図12より、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトする様子もみられないことから、Siに結合した酸素の数も変化していないことが確認された。
以上のように、カップリング剤等の不活性化剤を中間層の表面に塗布又はディッピングして浸透させることにより、不活性化剤が中間層に染み込んでいく。カップリング剤が、一般式(1)で表される化合物などの場合、中間層においては、ポリオルガノシロキサンが濃度分布をもって存在するようになり、この分布はポリオルガノシロキサンに含まれる酸素原子が深さ方向に極大値を有するような分布となる。
結果として、中間層は、3つ〜4つの酸素原子と結合したケイ素原子を有するポリオルガノシロキサンを含有することとなる。
なお、不活性化処理の方法としては、ディッピング工法に限らない。例えば、ポリオルガノシロキサンに含まれる酸素原子が、中間層の深さ方向(厚み方向)に極大値を有するような分布を実現できればよく、プラズマCVD、PVD、スパッタリング、真空蒸着、燃焼化学気相蒸着などの方法でもよい。
中間層は、静置状態において初期表面電位を持つ必要はない。なお、静置状態における初期表面電位は、以下の測定条件で測定できる。ここで、初期表面電位を持たないとは、下記測定条件で測定した際に、±10V以下を意味する。
{測定条件}
前処理:温度30℃相対湿度40%雰囲気に24h静置後、除電を60sec(Keyence製のSJ−F300を使用)
装置:Treck Model344
測定プローブ:6000B−7C
測定距離:2mm
測定スポット径:直径10mm
本実施形態の素子においては、摩擦帯電に似たメカニズムでの帯電と、内部電荷留保による表面電位差の発生とが、中間層の両面の硬度差に基づく変形量の差に起因して静電容量の偏りを生み出すことにより、電荷が移動して発電すると推測される。
素子は、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有することが好ましい。そうすることにより、発電量を増やすことができる。
前記空間を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間にスペーサを配置する方法などが挙げられる。
前記スペーサとしては、その材質、形態、形状、大きさなどについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記スペーサの材質としては、例えば、高分子材料、ゴム、金属、導電性高分子材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。前記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリンなどが挙げられる。前記導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーとゴムとを含有する組成物などが挙げられる。前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)、金属(例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなど、導電性高分子材料(例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、変性シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、ウレタンゴム、イソブチルゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンゴム、天然ゴム(ラテックス)などが挙げられる。
前記スペーサの形態としては、例えば、シート、フィルム、織布、不織布、メッシュ、スポンジなどが挙げられる。
前記スペーサの形状、大きさ、厚み、設置場所は、素子の構造に応じて適宜選択することができる。
図13に示すように、第1の電極をa、中間層をb、第2の電極をcと表示すると、中間層bの第1の電極a側に上記表面改質処理又は不活性化処理を行った場合、中間層bの第1の電極a側が第2の電極c側よりも硬くなり、ユニバーサル硬度についてH1>H2となる。
これにより、同じ変形付与力である加圧力Fが第1の電極a側と第2の電極c側に作用した場合、中間層bの第1の電極a側の変形の度合いが、第2の電極c側よりも小さくなる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1a、1b、22、24、36 素子としての発電装置
4 圧電体としての中間層
5、28 電極としての第1の電極
6、30 電極としての第2の電極
12 動作体としての部品移送ロボット
32 カバー部材
38 弾性支持部材としてのゴムシート
40 中間支持部材としてのカバー部材
特開2013−99130号公報

Claims (6)

  1. 動作体の動作に伴って伸縮し、伸縮時の変形により発電する圧電体と、
    前記圧電体の変形によって生じる電荷を取り出すための電極と、
    伸縮自在な弾性支持部材と、
    前記弾性支持部材に伸縮方向に間欠的に固定されることにより屈曲形状をなすように支持された可撓性を有する中間支持部材と、
    を有し、
    前記伸縮が、第1の状態と、第1の状態とは異なる第2の状態との間の可逆的な形状変化によってなされ、前記動作体が作用しない状態で第1の状態と第2の状態のうちいずれか一方の状態をとり、前記第1の状態と前記第2の状態のうちいずれか一方の状態が前記屈曲形状であり、
    前記圧電体と前記電極とが共に可撓性を有して前記中間支持部材に支持されている
    ことを特徴とする素子。
  2. 請求項1に記載の素子において、
    前記圧電体の厚み方向における両側を一対の電極で挟む積層構造を有している素子。
  3. 請求項2に記載の素子において、
    前記一対の電極の外側が、前記伸縮時の変形に伴って変形可能なカバー部材で覆われている素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の素子において、
    前記伸縮が、前記圧電体及び前記電極自体の材質による伸びと縮みとによってなされる素子。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の素子において、
    前記第1の状態と前記第2の状態とは弾性による復元力で戻る素子。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載の素子において、
    前記屈曲形状に形成された可撓性を有するカバー部材を有し、前記圧電体と前記電極とが前記カバー部材に支持されている素子。
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