JPWO2010140362A1 - 被膜形成物および被膜形成物の製造方法 - Google Patents

被膜形成物および被膜形成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

スパッタリング法によりターゲットの構成元素を含む被膜を基板の表面に形成して被膜形成物を製造する方法であって、前記ターゲットと前記基板との距離dを、前記構成元素のスパッタガス中における平均自由行程に対して、0.5倍から1.5倍の範囲とする被膜形成物の製造方法が提供される。

Description

本発明は、被膜形成物および被膜形成物の製造方法に関する。
酸化亜鉛は、可視光に対する透過率が高く、適切な不純物が添加されると導電性を示すので、透明導電膜材料として期待されている。特許文献1には、不純物としてGaをドープした酸化亜鉛薄膜の製造方法が記載されている。
特許文献1 特開平9−87833号公報
しかし、酸化亜鉛の低抵抗率化が難しい。低抵抗率化の方法として、電気伝導の担い手となるキャリア密度を増やす方法があるが、キャリア密度を増やすにつれて、キャリアのプラズマ振動による光学的吸収が、赤外領域から可視光領域の波長に及び始める。それは、可視光を利用する光デバイスに酸化亜鉛を使用する支障となる。キャリア密度が1×1021/cm程度となると、プラズマ振動による光学的吸収が赤外領域から可視光領域に及んでくる。酸化亜鉛の可視光透過率を損なわないことを目的として、上記の値をキャリア密度の上限としながら、酸化亜鉛の低抵抗率化を図る必要がある。
本発明者は、キャリア密度を上記上限値に留めながら、キャリア移動度を向上させることにより、酸化亜鉛の低抵抗率化を図る研究を通じて本発明に至った。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、スパッタリング法によりターゲットの構成元素を含む被膜を基板の表面に形成して被膜形成物を製造する方法であって、前記ターゲットと前記基板との距離を、前記構成元素のスパッタガス中における平均自由行程に対して、0.5倍から1.5倍の範囲とする被膜形成物の製造方法が提供される。
上記距離を、前記平均自由行程の0.8倍から1倍の範囲としてよい。上記平均自由行程は、亜鉛原子がアルゴン中を飛翔するときの平均自由行程であってよい。上記距離は、プラズマ化した前記スパッタガスが前記基板に接触しない距離であってよい。
本発明の第2の態様においては、スパッタリング法によりターゲットの構成元素を含む被膜を基板の表面に形成して被膜形成物を製造する方法であって、前記ターゲットと前記基板との距離をd[mm]、前記ターゲットと前記基板との間におけるガス圧力をp[Pa]とするとき、d/pが、600以上、800以下の範囲になる条件において前記被膜を形成する被膜形成物の製造方法が提供される。
上記距離が、150mmから170mmの範囲であってよい。上記ガス圧力が、0.15Paから0.3Paの範囲であってよい。上記ターゲットを構成する物質は、六方晶系の結晶構造を有する物質であってよい。上記ターゲットを構成する前記物質は、酸化亜鉛であってよい。
本発明の第3の態様においては、有機物を含む基板と、前記基板の上に形成されたn型の伝導型を有する酸化亜鉛と、を備えた被膜形成物であって、前記酸化亜鉛は、電子移動度が12[cm/V・s]以上である被膜形成物が提供される。
本発明の第4の態様においては、有機物を含む基板と、前記基板の上に形成されたn型の伝導型を有する酸化亜鉛と、を備えた被膜形成物であって、前記酸化亜鉛は、平均粒径(カラム径)が、30[nm]以上である被膜形成物が提供される。
前記基板は、樹脂であり、前記樹脂の軟化点は、80℃以上、120℃以下の範囲であってよい。ここで、軟化点とは、JIS K7207(A法)により測定される荷重たわみ温度をいう。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
被膜形成物100の断面の一例を概略的に示す。 成膜装置構成の一例を概略的に示す。 被膜形成物の製造方法の一例を表すフローチャートを示す。 キャリア移動度と距離dとの関係を示す。 キャリア移動度と成膜時の圧力pとの関係を示す。 キャリア移動度とd/pとの関係を示す。 SEMにより観察した酸化亜鉛被膜の断面の一例を示す。 消衰係数kとd/pとの関係を示す。 SEMにより観察した酸化亜鉛被膜の断面の一例を示す。 SEMにより観察した酸化亜鉛被膜の断面の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一の実施形態である被膜形成物100の断面の一例を概略的に示す。被膜形成物100は、基板102と、被膜104とを備える。
基板102は、その表面が被膜104の形成に適する基板である。基板102は、その上に形成される被膜104の支持基板として十分な機械的強度を有する基板である。基板102は、有機物を含む基板であってよい。当該有機物を含む基板の一例は、樹脂基板である。当該樹脂の軟化点は、80℃以上、120℃以下の範囲であってよい。樹脂基板の材料として、アクリル、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエステルが例示できる。
基板102は、石英基板、アルミナ基板、SiC基板、シリコン基板、GaAs基板、または金属基板等であってよい。基板102は、単結晶、多結晶または非晶質の材料であってよい。例えば、基板102に形成する化合物被膜104が酸化亜鉛である場合に、酸化亜鉛は、非晶質基板上においても、容易に基板面に対して垂直方向に六方晶のc軸が配向した膜成長をするので、基板102として、多結晶または非晶質材料を使用してもよい。また、後述の化合物被膜の製造方法において、高いエネルギーを持ち、入射方向が一様であるターゲットイオンによって成膜するので、多結晶または非晶質の基板の上でも、結晶性のよい化合物被膜104が形成できる。
被膜104は、基板102の表面に接して形成されてよい。被膜104は、n型の伝導型を有する酸化亜鉛であってよい。上記酸化亜鉛は、電子移動度が12[cm/V・s]以上であってよい。上記酸化亜鉛は、平均結晶粒径(カラム径)が、30[nm]以上であってよい。
図2は、被膜形成物100を製造するスパッタ成膜装置200の構成を概略的に示す。成膜装置200は、マグネトロンスパッタ成膜装置であってよい。成膜装置200は、成膜室202と、基板ホルダー204と、カソード212と、ターゲット214と、カソード216と、ターゲット218と、バルブ222と、マスフローコントローラ224と、バルブ226と、ガス容器228と、バルブ232と、マスフローコントローラ234と、バルブ236と、ロータリーポンプ242と、バルブ244と、ターボー分子ポンプ246と、バルブ248と、リークバルブ252と、バルブ254と、リークバルブ 256と、真空計258とを備える。
成膜室202は、基板102に被膜104を成膜する真空容器である。成膜室202には、図示されないロードロックチャンバーが接続されてよい。成膜前後における基板の出し入りが、ロードロック方式によって行ってよい。ロードロック方式を採用することにより、成膜室202は、通常真空状態に保たれており、被膜中に意図しない不純物が混入する可能性を極力排することができる。
基板ホルダー204は、成膜過程において基板102を保持する。基板102は、被膜104を成長させる基板面を下向きにして基板ホルダー204に設置される。基板ホルダー204は、成膜過程において、基板ホルダー204の中心を鉛直に通るZ軸を回転軸として回転してよい。この回転により、基板102の表面に均一な被膜104が生成できる。
基板ホルダー204は、基板ホルダー204の中心を鉛直に通るZ軸方向に、図2にhで示すように一定の範囲で昇降できてよい。基板ホルダー204の昇降により、ターゲット214またはターゲット218と基板ホルダー204に固定された基板102との距離を調整することができる。ターゲットと基板との距離dの一例として、ターゲット214またはターゲット218から基板ホルダー204の中心までの距離をもって示す。
ロータリーポンプ242、バルブ244、ターボー分子ポンプ246、バルブ248、リークバルブ252、バルブ254、リークバルブ256および真空計258は、成膜室202の内部圧力pを制御する真空系統を構成する。真空計258は、バラトロン真空計であってよい。真空引きの初期段階では、バルブ254を開き、ロータリーポンプ242を用いて真空に引く。所定の真空度になってから、バルブ254を閉め、バルブ244とバルブ248を開き、ターボー分子ポンプ246を用いて、引き続き真空に引く。成膜過程において、バルブ248の開度を調整することにより、成膜室202の内部圧力pを制御できる。
カソード212およびカソード216は、成膜室202の下部に設置される。ターゲット214およびターゲット218は、それぞれカソード212およびカソード216に固定される。図2には、カソード212およびカソード216、二つのカソードを図示しているが、カソード212またはカソード216と等価な位置に更にカソードが設けてられて、そのそれぞれにターゲットが固定されてよい。成膜過程において、複数のターゲットを利用して、同時に放電することにより成膜してよい。図2において、点線で示す部分は、放電により形成したプラズマをイメージする。
ターゲット214またはターゲット218を構成する物質は、六方晶系の結晶構造を有する物質であってよい。六方晶系の結晶構造を有する物質は、基板表面に対して垂直方向に六方晶のc軸が配向した膜成長がしやすいので、形成される被膜の結晶粒が大きく、キャリア移動度が高い。なお、同様の理由で成膜速度も速い。ターゲット214またはターゲット218を構成する物質は、酸化亜鉛であってよい。ターゲット214またはターゲット218は、不純物元素を供給するターゲットであってよい。当該不純物元素として、Al、Ga、In等が例示できる。
バルブ222、マスフローコントローラ224、バルブ226、ガス容器228、バルブ232、マスフローコントローラ234およびバルブ236は、スパッタガスの供給系統を構成する。このスパッタガスの供給系統により、それぞれのターゲットの近傍までスパッタガスを供給することができる。スパッタガス流量は、マスフローコントローラ224およびマスフローコントローラ234によって、任意に制御できる。マスフローコントローラ224およびマスフローコントローラ234は、制御信号に従って、スパッタガスの流量を時間的に変調することができる。図2には、スパッタガスとしてArガスを示すが、スパッタガスは、他の希ガスであってもよい。
成膜時に、成膜室202にスパッタガスを導入しつつ、ターゲットに電力を供給すると、ターゲットの上にグロー放電が生じ、ターゲット元素からなるイオン、中性原子、クラスター、マクロパーティクルなど、様々な状態の粒子が生成する。これらの粒子が基板102に供給され、被膜104が形成される。
図3は、被膜形成物100の製造方法の一例を表すフローチャートを示す。被膜形成物100の製造方法は、予備設定を行う段階S310と、成膜装置の真空引きを行う段階S320と、基板を成膜装置に設置する段階S330と、スパッタガスを導入する段階S340と、放電させる段階S350と、放電を停止する段階S360と、基板を取り出す段階S370とを備える。
予備設定を行う段階S310において、ターゲット214またはターゲット218を、カソード212またはカソード216に設置する。ターゲット214およびターゲット218を、それぞれカソード212およびカソード216に設置してもよい。例えば、不純物としてAlを含む酸化亜鉛を形成する場合、酸化亜鉛のターゲットをカソード212に、Alのターゲットをカソード216に設置してよい。
基板ホルダー204を昇降させ、距離dを調整する。距離dは、ターゲット構成元素の粒子のスパッタガス中における平均自由行程に対して、0.5倍から1.5倍の範囲としてよい。距離dは、上記平均自由行程の0.8倍から1倍の範囲としてよい。上記平均自由行程は、亜鉛原子がアルゴン中を飛翔するときの平均自由行程であってよい。距離dは、プラズマ化した上記スパッタガスが基板102に接触しない距離であってよい。距離dは、150mmから170mmの範囲であってよい。
また、同じターゲット材料を使用して、同じ距離dの条件で、繰り返し被膜形成物100を製造する場合には、ターゲット214およびターゲット218を一回設置してから、それが完全に消耗されるまで、後続の製造プロセスにおいて、この段階S310は省略できる。
前述のように、n型の伝導型を有する酸化亜鉛を形成する場合に、酸化亜鉛の可視光透過率を損なう理由により、キャリア密度を増やすことにより低抵抗率化を実現するのに限界がある。そこで、本発明者らは、キャリア移動度を向上させることにより、酸化亜鉛の低抵抗率化を実現することを考えた。n型酸化亜鉛のキャリア電子の移動度は、電子の不純物による散乱と、結晶粒界による散乱に影響される。本発明者らは、酸化亜鉛被膜の結晶粒を大きくして、粒界散乱を減少させ、キャリア移動度を向上させることを試みた。
成膜時に、グロー放電により、様々なエネルギーを持つターゲット元素の粒子が生成する。そのうち、基板102に到達しても、成長中の被膜104の中で十分に拡散できるエネルギーを持たないものが存在する。このような低エネルギー粒子は、被膜の結晶化を妨げると考えられる。そこで、本発明者らは、これらの粒子を選別して、大きいエネルギーを持つ粒子だけを用いて成膜すれば、結晶性が高く、結晶粒が大きい、均一で高品位の被膜を形成でき、それにより、被膜のキャリア移動度を高め、抵抗率を下げることができると考えた。それは、距離dを通常のスパッタより大きくとることにより実現できた。
距離dを大きくとり、粒子の平均自由行程の近傍に設定することにより、エネルギーの低い粒子は、他の粒子との衝突を繰り返して、エネルギーを失い、基板102に到達できず、成膜に寄与しない。高いエネルギーを持つ粒子だけが、自由行程の範囲内で他の粒子と衝突することなく、高いエネルギーを保ったまま基板102に到達して、成膜に寄与する。高エネルギーの粒子は、成長中の被膜104の内部でも十分拡散でき、被膜104の結晶化、均一化に寄与できる。
距離dを大きくとることにより、図2に示すように、基板102がプラズマに触れなくなり、基板102に及ぼすプラズマの悪影響を排除できる。距離dを大きくとることにより、基板102がプラズマに触れる配置に比して、基板102に対して極端に斜めから入射する粒子が少なくなり、成膜に寄与する粒子の多くは、基板面に垂直に近い方向から入射することになる。入射方向が一様になることと、入射粒子のエネルギーが大きいことは、均一な膜成長を促進する。
通常、成膜中に、基板を加熱して被膜の結晶化を促進することができる。しかし、この場合、樹脂基板のような、加熱により変形、変質しやすい基板は使用できない。これは、デバイスの軽量化、コストダウンに大きな障害となる。本実施態様は、上述通り、距離dを大きくとることにより、基板を加熱しなくても、結晶性が高く、結晶粒が大きい、均一で高品位の被膜を形成できる。また、基板は、プラズマに触れないので、プラズマの影響をほとんど受けない。そこで、本実施態様においては、熱に弱く、プラズマにより変質しやすい樹脂基板も支障なく利用できる。
成膜装置の真空引きを行う段階S320において、成膜室202を真空に引く。まずバルブ254を開き、ロータリーポンプ242を用いて真空に引く。所定の真空度になってから、バルブ254を閉め、バルブ244とバルブ248を開き、ターボー分子ポンプ246を用いて、引き続き真空に引く。バルブ248の開度を調整することにより、成膜室202の内部圧力pを制御できる。
成膜時の圧力pは、0.15Paから0.3Paの範囲であってよい。上記距離dがmm単位で表示され、圧力pがPa単位で表示される場合に、成膜時のdとpの比d/pは、600以上、800以下の範囲であってよい。圧力pを低くとることにより、粒子の平均自由行程が長くなり、同じ距離dの条件でも、より多い粒子が高いエネルギーを保ったまま基板に到達でき、結晶性の高い被膜の形成に寄与できる。
基板を成膜装置に設置する段階S330において、基板102を基板ホルダー204に設置する。ロードロック方式を利用すれば、成膜室202の真空度を維持しながら、基板102の出し入りができる。基板ホルダー204を回転させる。
スパッタガスを導入する段階S340において、Ar等スパッタガスを導入する。ターゲット214の近傍に供給するスパッタガスは、バルブ222とバルブ226とを開き、マスフローコントローラ224によって流量を制御しながら、ガス容器228から導入する。ターゲット218の近傍に供給するスパッタガスは、バルブ232とバルブ236とを開き、マスフローコントローラ234によって流量を制御しながら、ガス容器228から導入する。
放電をさせる段階S350において、ターゲットに電力を供給して、ターゲットの上にグロー放電を生じさせる。グロー放電により、ターゲット元素からなるイオン、中性原子、クラスター、マクロパーティクルなど、様々な状態の粒子が生成される。これらの粒子が基板102に供給され、被膜104が形成される。前述のとおり、距離dと圧力pを調整することにより、上記粒子から高エネルギーの粒子だけを選別して成膜するので、結晶性が高く、結晶粒が大きい被膜104が形成できる。その結果、被膜104におけるキャリア移動度を高め、低抵抗率が実現できる。成膜室202の内部圧力pの制御は、バルブ248の開度を調整することにより行ってよい。
放電を停止する段階S360において、ターゲット214およびターゲット218に供給する電力を停止して、バルブ222とバルブ236とを止めて、スパッタガスの供給を停止する。
基板を取り出す段階S370において、基板102に被膜104が形成された被膜形成物100を成膜室202から取り出す。ロードロック方式を利用すれば、成膜室202の真空度を維持しながら、被膜形成物100を取り出すことができる。以上により、被膜形成物100の製造プロセスが終了する。連続して被膜形成物100を製造する場合には、次の基板102を成膜装置に設置する段階330から上述の製造過程を繰り返せばよい。
被膜104の他の例として、窒化アルミニウムが挙げられる。窒化アルミニウムも六方晶の結晶構造を有する。この場合にも、上記距離dをアルミニウムの平均自由行程程度とすることにより、結晶性が高い窒化アルミニウムを成膜することができる。
(実施例1)
図2に示す構成を有する成膜装置200を用いて、図3に示す製造方法に従って、n型酸化亜鉛被膜を成膜して、被膜における電子移動度を調べた。基板102として、合成石英ガラスウェハを使用した。成膜中に、基板102の加熱は行わず、なお、基板102がプラズマから十分離れた位置に設置されたので、基板の温度がほぼ室温であった。被膜の原料ターゲット214として、ZnOを使用し、不純物ターゲット218として、Alを使用した。スパッタガスとして、Arガスを用いた。
距離dを105mmから190mmの範囲で変化させて、酸化亜鉛被膜を形成して、電子移動度と距離dとの関係を調べた。また、成膜時の圧力pを0.22Paから0.5Paの範囲で変化させて、酸化亜鉛被膜を形成して、電子移動度と圧力pとの関係を調べた。
所定の距離dを設定し、合成石英ガラスウェハを基板ホルダー204に設置して、基板ホルダー204を回転させた。成膜室202を真空に引き、真空計258によって成膜室202内の圧力が1×10−4Pa以下となったことを確認した後、13.56MHzの高周波電源から、ZnOターゲット214に200Wの電力、Alターゲット218に22.5Wの電力を同時に投入して放電して成膜した。予めの実験により、この投入電力の比率でAlをドープすると、形成されたZnO膜の電気抵抗率が極小値を示すことが分かったので、本装置における最適ドーピング条件とした。スパッタガスとして、マスフローコントローラ224およびマスフローコントローラ234により、ターゲット214およびターゲット218の近傍に、それぞれ10sccmのArガスを供給した。成膜時間を調整することにより、各条件で形成した被膜の厚さをすべて200nmとした。
一方、Ar雰囲気におけるターゲット元素の平均自由行程を計算した。A粒子とB粒子が存在する場合のA粒子の平均自由行程λは次の式により算出できる。
AB:A粒子とB粒子の直径の平均
:A粒子の直径
:B粒子の直径
:B粒子の密度
:A粒子の質量
:B粒子の質量
p:成膜時の圧力
:ボルツマン定数
ターゲットを構成する金属成分である亜鉛イオンをA粒子とし、スパッタガスのアルゴンをB粒子とした場合、次のデータを式(3)、(2)及び(1)に代入して、亜鉛イオンの平均自由行程を計算した。
Zn2+イオンの直径: DZn = 1.5×10−10
Arの直径: DAr = 1.4×10−10
Znの質量: mZn = 1.1×10−25kg
Arの質量: mAr = 6.6×10−26kg
成膜時の圧力p: p = 0.22Pa
絶対温度T: T = 300K
計算の結果、亜鉛イオンの平均自由行程λZn=0.175m=175mmである。
上記亜鉛イオンの代わりに、ターゲットを構成する非金属成分である酸素イオンをA粒子とした場合、次のデータを式(3)、(2)及び(1)に代入して、酸素イオンの平均自由行程を計算した。
2−イオンの直径: D = 2.8×10−10
2−イオンの質量: m = 2.6×10−26kg
計算の結果、酸素イオンの平均自由行程λ=0.114m=114mmである。
なお、不純物ドープに用いるターゲットを構成するアルミニウムイオンをA粒子とした場合、次のデータを式(3)、(2)及び(1)に代入して、アルミニウムイオンの平均自由行程を計算した。
Al3+イオンの直径: DAl = 1.1×10−10
Al3+イオンの質量: m = 4.5×10−26kg
計算の結果、アルミニウムイオンの平均自由行程λ=0.296m=296mmである。
また、酸化亜鉛被膜についてX線回折を行い、ZnO(002)格子面のロッキングカーブの半値幅から酸化亜鉛被膜の結晶性を評価した。成膜時の圧力pを0.3Paに固定して、距離dをそれぞれ105mm、135mm、160mm、170mm、180mm、190mmに設定した条件で形成した酸化亜鉛被膜について評価した結果、距離d=170mmのとき、ロッキングカーブの半値幅が最も狭く、形成された被膜の結晶性が最もよいことが分かった。この距離は、ZnOの結晶成長に最も寄与すると考えられるZnイオンの平均自由行程の上記計算値とよく一致している。即ち、距離dをZnイオンの平均自由行程の近傍に設定すれば、結晶性の良い酸化亜鉛被膜が形成できると考えられる。
図4は、キャリア移動度と距離dとの関係を示す。図4は、成膜時の圧力pを0.22Paに固定して、距離dをそれぞれ105mm、135mm、160mm、170mm、180mm、190mmに設定した条件で形成した酸化亜鉛被膜のキャリア移動度を測定した結果である。キャリア移動度は、ホール抵抗測定装置を用いて測定した。横軸が距離dを示し、縦軸が酸化亜鉛被膜のキャリア移動度を示す。
キャリア移動度は、距離dを105mmから増やすことにつれて、増加するが、d=160mmにおいて、極大値17.4cm/V・sを示す。更にdを増やすと、キャリア移動度が徐々に低下する。即ち、ある一定の圧力pに対して、キャリア移動度が極大値を示す最適な距離dが存在する。この最適距離dの近傍において、基板102を加熱しなくても、キャリア移動度の高い酸化亜鉛被膜が形成できる。
その原因について、次のようなことが考えられる。ある圧力pにおいて、距離dが長くなるにつれて、低エネルギーを持つ粒子が次第に基板に到達できなくなり、基板に対して斜めに入射する粒子の割合も減少する。成膜に寄与する粒子のうち、大きいエネルギーを持ち、基板に垂直に入射する粒子が支配的になり、被膜の結晶性が向上し、キャリア移動度が上昇する。しかし、圧力pで定まる平均自由行程よりも、距離dを極端に大きくとると、成膜に寄与する粒子の持つエネルギーが、他の粒子との衝突により低下する確率が増える。その結果、基板に到達した粒子の被膜における拡散距離が短くなり、被膜の結晶性が劣化して、キャリア移動度が低下する。よって、二つのパラメータ距離dと圧力pには最適関係が存在する。
図5は、キャリア移動度と成膜時の圧力pとの関係を示す。図5は、距離dを170mmに固定して、圧力pをそれぞれ0.1Pa、0.125Pa、0.22Pa、0.3Pa、0.5Paに制御した条件で形成した酸化亜鉛被膜のキャリア移動度を測定した結果である。横軸が圧力pを示し、縦軸が酸化亜鉛被膜のキャリア移動度を示す。キャリア移動度は、圧力pが高圧側から徐々に低くなると、増加するが、p=0.22Paにおいて、極大値を示す。更に低圧になると、キャリア移動度が低下する。即ち、ある一定の距離dに対して、キャリア移動度が極大値を示す最適な圧力pが存在する。圧力pで決まる平均自由行程とdとの関係しだいで、圧力を低くすると、かえって被膜成長時の結晶性が劣化することも考えられる。
以上の測定結果は、キャリア移動度が、距離dおよび圧力pとは密接な関係があり、そのいずれに対しても極値を有する可能性を示す。そこで、本発明者らは、距離dと圧力pの比(d/p)をパラメータとして、キャリア移動度と(d/p)との関係を図6に示した。図6の横軸がd/pを示し、縦軸がキャリア移動度を示す。図6に示すように、キャリア移動度は、d/pが増加すると共に、d/p=730(mm/Pa)まで単調に増加する傾向にあり、d/p=730(mm/Pa)で極大値17.4cm/V・sを示す。極大値でのdとpは、それぞれd=160mmと0.22Paである。また、d/pが更に増加すると、キャリア移動度は緩やかに減少する。そこで、基板がプラズマに触れない範囲でdを設定して、d/pが730(mm/Pa)近傍となるようにpを制御することにより、キャリア移動度が最大となる酸化亜鉛被膜を形成することができる。
図7は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、観察した酸化亜鉛被膜の断面の一例を示す。酸化亜鉛被膜104の結晶は、基板102と被膜104との界面806に垂直する方向に柱状(カラム状)に成長している。破線808で示したように、SEM像において、界面806から150nmの高さに線を引き、その線上の結晶(カラム)の幅を読み取り、その平均値を結晶の平均粒径(カラム径)とした。キャリア移動度が12cm/V・s以上の酸化亜鉛被膜は、30nm以上の平均カラム径を有する。
図8は、500nm波長の光に対する酸化亜鉛被膜の消衰係数kと(d/p)との関係を示す。図8は、距離dを、上述のロッキングカーブの半値幅による結晶性評価において最も結晶性の良い結果を示した170mmに固定して、圧力pを変更して形成した被膜について測定した結果である。図8の横軸がd/pを示し、縦軸が消衰係数kを示す。図8に示すように、d/pが600〜1400(mm/Pa)の条件で形成された酸化亜鉛被膜は、d/pが増加すると共に、500nm波長の光に対する消衰係数kが単調に低下する。d/pが680(mm/Pa)以上である場合に、消衰係数kが0.013以下になり、形成された酸化亜鉛被膜に良好な光透過率を有することが分かった。
図9及び図10は、SEMを用いて、それぞれd/pが618(mm/Pa)及び756(mm/Pa)である条件で形成された酸化亜鉛被膜の断面を観察した結果であり、これらの断面像から酸化亜鉛被膜のおおよその結晶性が判断できる。図8の測定結果と対応して検討すると、d/pが618(mm/Pa)である場合に、図9に示すように、酸化亜鉛被膜の結晶性が悪く、消衰係数kが0.018と高くて、光透過率が低い。d/pが756(mm/Pa)である場合に、図10に示すように、酸化亜鉛被膜の結晶性が良く、消衰係数kが0.011と低くて、光透過率が高い。即ち、d/p>700(mm/Pa)であれば、良好な結晶性を有する酸化亜鉛被膜が形成でき、高い光透過率が得られることが分かった。
図6に示すキャリア移動度の結果と総合すると、上述の被膜製造方法において、700(mm/Pa)<d/p<900(mm/Pa)の条件を選択すれば、成膜時に基板102を加熱しなくても、結晶性の高い酸化亜鉛被膜結晶が得られ、キャリア移動度と光透過率が共に高い酸化亜鉛被膜を形成できることが分かった。基板102がプラズマに触れないので、その影響をほとんど受けない。そこで、この製造方法は、次の実施例に示すように、熱に弱い樹脂材料の基板にも適用でき、更に形成される被膜の実用性を高めることができる。
(実施例2)
図2に示す構成を有する成膜装置200を用いて、図3に示す製造方法に従って、n型酸化亜鉛被膜を樹脂基板上に成膜して、被膜における電子移動度を調べた。基板102として、アクリル樹脂基板(三菱レイヨン(株)製アクリライト(登録商標))を使用した。当該アクリル樹脂基板の軟化点は100℃である。成膜中に、基板102の加熱は行わず、なお、基板102がプラズマから十分離れた位置に設置されたので、基板の温度がほぼ室温であり、アクリル樹脂基板の軟化点を超えず、基板の劣化はなかった。
被膜の原料ターゲット214として、ZnOを使用し、不純物ターゲット218として、Alを使用した。スパッタガスとして、Arガスを用いた。
樹脂基板はそのまま真空中に導入して成膜に使用すると、基板表面の汚れおよび真空中における基板からの脱ガスにより、その樹脂基板上に形成される被膜の付着強度が弱くなってしまう。そこで、被膜の付着力の低下を防ぐ目的で、以下のように基板の前処理を行った。
まず、エタノールを用いて基板102を洗浄した。別途設けられた準備室に洗浄した基板102を導入して、基板102に対して逆スパッタ処理を行った。具体的には、圧力が約1×10−4Paの真空状態において、13.56MHzの高周波電源を用いて、基板102に50Wの電力を印加して放電させ、30分間の逆スパッタを行った。この処理において、放電により生成したエネルギー粒子、例えば、イオン等により基板102が照射され、基板102の表面に付着した汚染物を除去できるだけでなく、真空中で積極的に基板の脱ガスを促進して、成膜時の脱ガスの影響を抑えることができる。逆スパッタ処理を行う準備室は、成膜装置200のロードロック室であってよい。
上記前処理を施した基板102を成膜室202に導入して成膜した。成膜時の距離dと圧力pは、それぞれ実施例1において、移動度が高く、電気抵抗率が最も小さくなる被膜が得られた170mmと0.22Paにした。その他の成膜条件は、実施例1と同じにした。成膜時間を調整することにより、被膜の厚さを200nmとした。
形成された酸化亜鉛被膜の特性を調べたところ、電気抵抗率は1.8×10−3Ω・cm、キャリア密度は2.69×1020cm−3、キャリア移動度は12.5cm/V・sであった。この結果は、アクリル樹脂基板上に形成された酸化亜鉛被膜が、実施例1において合成石英ガラスウェハ上に形成された酸化亜鉛被膜と同程度となる12cm/V・s以上の高いキャリア移動度を示すこと、即ち、本実施形態によりアクリル樹脂基板上でも高いキャリア移動度を持つ被膜を形成できることを実証した。なお、この結果は、本実施形態により、100℃より高い軟化点を有する樹脂材料、例えば、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエステル等の基板上にも同程度のキャリア移動度を持つ被膜を形成できることを示唆する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100 被膜形成物、102 基板、104 被膜、200 成膜装置、202 成膜室、204 基板ホルダー、212 カソード、214 ターゲット、216 カソード、218 ターゲット、222 バルブ、224 マスフローコントローラ、226 バルブ、228 ガス容器、232 バルブ、234 マスフローコントローラ、236 バルブ、242 ロータリーポンプ、244 バルブ、246 ターボー分子ポンプ、248 バルブ、252 リークバルブ、254 バルブ、256 リークバルブ、258 真空計、806 界面、808 破線

Claims (13)

  1. スパッタリング法によりターゲットの構成元素を含む被膜を基板の表面に形成して被膜形成物を製造する方法であって、
    前記ターゲットと前記基板との距離を、前記構成元素のスパッタガス中における平均自由行程に対して、0.5倍から1.5倍の範囲とする
    被膜形成物の製造方法。
  2. 前記距離を、前記平均自由行程の0.8倍から1倍の範囲とする
    請求項1に記載の被膜形成物の製造方法。
  3. 前記平均自由行程は、亜鉛原子がアルゴン中を飛翔するときの平均自由行程である
    請求項1または請求項2に記載の被膜形成物の製造方法。
  4. 前記距離は、プラズマ化した前記スパッタガスが前記基板に接触しない距離である
    請求項1から請求項3の何れかに記載の被膜形成物の製造方法。
  5. スパッタリング法によりターゲットの構成元素を含む被膜を基板の表面に形成して被膜形成物を製造する方法であって、
    前記ターゲットと前記基板との距離をd[mm]、前記ターゲットと前記基板との間におけるガス圧力をp[Pa]とするとき、
    d/pが、600以上、800以下の範囲になる条件において前記被膜を形成する
    被膜形成物の製造方法。
  6. 前記距離が、150mmから170mmの範囲である
    請求項5に記載の被膜形成物の製造方法。
  7. 前記ガス圧力が、0.15Paから0.3Paの範囲である
    請求項5に記載の被膜形成物の製造方法。
  8. 前記ターゲットを構成する物質は、六方晶系の結晶構造を有する物質である
    請求項1から請求項7の何れかに記載の被膜形成物の製造方法。
  9. 前記ターゲットを構成する前記物質は、酸化亜鉛である
    請求項8に記載の被膜形成物の製造方法。
  10. 前記被膜を前記基板の表面に形成する前に、前記基板に対して粒子を照射する
    請求項1から請求項9の何れかに記載の被膜形成物の製造方法。
  11. 有機物を含む基板と、
    前記基板上に形成されたn型の伝導型を有する酸化亜鉛と、
    を備えた被膜形成物であって、
    前記酸化亜鉛は、電子移動度が12[cm/V・s]以上である
    被膜形成物。
  12. 有機物を含む基板と、
    前記基板上に形成されたn型の伝導型を有する酸化亜鉛と、
    を備えた被膜形成物であって、
    前記酸化亜鉛は、平均粒径(カラム径)が、30[nm]以上である
    被膜形成物。
  13. 前記有機物を含む基板は、樹脂基板であり、
    前記樹脂基板の樹脂の軟化点は、80℃以上、120℃以下の範囲である
    請求項11または請求項12に記載の被膜形成物。
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