JPWO2010134525A1 - 飲酒検知システム及びコンピュータプログラム - Google Patents

飲酒検知システム及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

飲酒の有無の判定をより正確に行うようにする。エアパックにより検出した背部の脈波の周波数に関する時系列変動の傾向を求める周波数動的情報処理手段610と、この周波数動的情報処理手段610により得られた周波数に関する時系列変動の傾向が非飲酒時における周波数に関する時系列変動の傾向と乖離している場合に飲酒状態と判定する飲酒状態判定手段650を有している。非飲酒時における周波数に関する時系列変動と比較して飲酒状態か否かを判定する構成であって、人の体調によって変化する脈波の周波数を周波数解析するだけでなく、その時系列変動を用いて判定する構成であるため、従来よりも正確に飲酒の有無を判定することができる。

Description

本発明は、呼気ではなく、人の動脈の脈波を用いて飲酒状態を検知する飲酒検知システム及びコンピュータプログラムに関する。
飲酒運転を防止する手段として、近年、アルコール・インターロック装置を自動車に搭載することが試みられている。しかしながら、呼気による飲酒検知装置では、同乗者の呼気によってごまかす懸念もある。
一方、本出願人は、運転中の運転者の生体状態を非侵襲で監視するシステムとして、例えば、特許文献1〜3において、シートクッション部に圧力センサを配置し、臀部脈波を採取して分析し、人の状態を推定する手法を開示している。具体的には、脈波の時系列信号を、それぞれ、SavitzkyとGolayによる平滑化微分法により、極大値と極小値を求める。そして、5秒ごとに極大値と極小値を切り分け、それぞれの平均値を求める。求めた極大値と極小値のそれぞれの平均値の差の二乗をパワー値とし、このパワー値を5秒ごとにプロットし、パワー値の時系列波形を作る。この時系列波形からパワー値の大域的な変化を読み取るために、ある時間窓Tw(180秒)について最小二乗法でパワー値の傾きを求める。次に、オーバーラップ時間Tl(162秒)で次の時間窓Twを同様に計算して結果をプロットする。この計算(移動計算)を順次繰り返してパワー値の傾きの時系列波形を得る。一方、脈波の時系列信号をカオス解析して最大リアプノフ指数を求め、上記と同様に、平滑化微分によって極大値を求め、移動計算することにより最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形を得る。そして、パワー値の傾きの時系列波形と最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形が逆位相となっており、さらには、パワー値の傾きの時系列波形で低周波、大振幅の波形が生じている波形を、入眠予兆を示す特徴的な信号と判定し、その後に振幅が小さくなったポイントを入眠点と判定している。
また、特許文献4として、内部に三次元立体編物を挿入した空気袋(エアパック)を備え、このエアパックを人の腰部に対応する部位に配置し、エアパックの空気圧変動を測定し、得られた空気圧変動の時系列データから人の生体信号を検出し、人の生体の状態を分析するシステムを開示している。また、非特許文献1及び2においても、腰腸肋筋に沿うようにエアパックセンサを配置して人の生体信号を検出する試みが報告されている。腰部付近の脈波は、心拍に伴う下行大動脈を流れる血流の循環変動を示すものであり、特許文献1及び2の臀部脈波を利用する場合よりも、心拍変動に即した人の状態変化をより正確に捉えることができる。
そして本出願人は、非特許文献3として、特許文献1〜4、非特許文献1,2の技術をさらに発展させ、エアパックセンサから得られる脈波の周波数解析を行うことで飲酒の有無の判定が可能であることを報告している。
特開2004−344612号公報 特開2004−344613号公報 WO2005/092193A1公報 特開2007−90032号公報
「非侵襲型センサによって測定された生体ゆらぎ信号の疲労と入眠予知への応用」、落合直輝(外6名)、第39回日本人間工学会 中国・四国支部大会 講演論文集、平成18年11月25日発行、発行所:日本人間工学会 中国・四国支部事務局 「非侵襲生体信号センシング機能を有する車両用シートの試作」、前田慎一郎(外4名)、第39回日本人間工学会 中国・四国支部大会 講演論文集、平成18年11月25日発行、発行所:日本人間工学会 中国・四国支部事務局 「飲酒状態の非侵襲センシングシステム」、小島重行(外10名)、自動車技術春季学術講演会前刷集、No.37−07、15−18,2007年5月23日発行、発行所:社団法人自動車技術会
非特許文献3は、上記のように、エアパックセンサから得られる背部の大動脈の脈波の時系列波形を周波数解析して飲酒の有無の判定が可能であることを示したが、より精度よく飲酒判定を行うことが望ましい。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、人が飲酒したか否かの検知をより確実に行うことができる飲酒検知システム及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、人の胴部に対応して配置されるエアパックの空気圧変動を検出するセンサから得られる生体信号を解析して飲酒の有無を推定する飲酒解析推定部を備えた飲酒検知システムであって、前記飲酒解析推定部が、前記生体信号の時系列波形からその周波数に関する時系列変動を求める周波数動的情報処理手段と、前記周波数動的情報処理手段により得られた周波数に関する時系列変動の傾向が非飲酒時における周波数に関する時系列変動の傾向と乖離している場合に飲酒状態と判定する飲酒状態判定手段とを具備することを特徴とする飲酒検知システムを提供する。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数時系列波形が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、前記飲酒状態判定手段は、所定時間範囲における前記卓越周波数時系列波形の卓越周波数の値のバラツキ度合いが、非飲酒時よりも拡大しているか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段を有し、前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段と、前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の傾きの時系列変化を卓越周波数傾き時系列波形として出力する卓越周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数傾き時系列解析演算手段により得られる卓越周波数傾き時系列波形の基線位置に対して、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも乖離しているか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否か、及び、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
また、本発明は、人の胴部の脈波を検出可能な部位に対応して配置されるエアパックと、前記エアパックの空気圧変動を検出するセンサとを備えた生体信号測定装置から得られる生体信号の時系列信号を分析して飲酒の有無を推定する飲酒検知システムの記憶部に設定される飲酒解析推定部を構成するコンピュータプログラムであって、前記飲酒解析推定部が、前記生体信号の時系列波形からその周波数に関する時系列変動を求める周波数動的情報処理手段と、前記周波数動的情報処理手段により得られた周波数に関する時系列変動の傾向が非飲酒時における周波数に関する時系列変動の傾向と乖離している場合に飲酒状態と判定する飲酒状態判定手段とを具備することを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数時系列波形が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、前記飲酒状態判定手段は、所定時間範囲における前記卓越周波数時系列波形の卓越周波数の値のバラツキ度合いが、非飲酒時よりも拡大しているか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段を有し、前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段と、前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の傾きの時系列変化を卓越周波数傾き時系列波形として出力する卓越周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数傾き時系列解析演算手段により得られる卓越周波数傾き時系列波形の基線位置に対して、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも乖離しているか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより判定する構成とすることができる。
前記周波数動的情報処理手段は、前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段と、前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否か、及び、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより飲酒状態を判定する構成とすることができる。
本発明によれば、生体信号測定装置により人の上体より検出した生体信号の周波数に関する時系列変動の傾向を求め、非飲酒時における周波数に関する時系列変動と比較して飲酒状態か否かを判定する構成である。人の体調によって変化する生体信号の周波数を周波数解析するだけでなく、その時系列変動を用いて判定する構成であるため、従来よりも正確に飲酒の有無を判定することができる。
図1は、本発明の一の実施形態に係る生体信号測定装置をシートに組み込んだ状態を示した図である。 図2は、上記実施形態に係る生体信号測定装置をより詳細に示した図である。 図3は、エアパックユニットを示した図であり、(a)は正面方向から見た断面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)のA−A線断面図である。 図4は、エアパックユニットの分解斜視図である。 図5(a),(b)は、試験例で用いたエアパックユニットのサイズを説明するための図である。 図6は、生体状態分析装置の構成を示した図である。 図7は、生体信号測定装置により検出した生体信号(心拍変動)のピーク値を用いて、周波数変動時系列波形、周波数変動時系列波形の基線、周波数変動の傾き時系列である周波数傾き時系列波形、及び積分曲線を求める方法を説明するための図である。 図8は、生体信号測定装置により検出した生体信号(心拍変動)のゼロクロス地点を用いて、周波数変動時系列波形、周波数変動時系列波形の基線、周波数変動の傾き時系列である周波数傾き時系列波形、及び積分曲線を求める方法を説明するための図である。 図9は、試験例において、呼気アルコール濃度により測定した各被験者の呼気アルコール濃度の変動の様子を示した図である。 図10(a)は被験者Aの飲酒前における計測開始5分間分の指尖容積生体信号とエアパック脈波の原波形を示し、(b)は当該指尖容積脈波の周波数解析結果を示し、(c)は当該エアパック脈波の周波数解析結果を示した図である。 図11は、時間窓300秒で求めた被験者Aの指尖容積脈波及びエアパック脈波の卓越周波数時系列波形を示した図である。 図12は、時間窓90秒で求めた被験者Aのエアパック脈波の飲酒前−3000〜−1800秒間、飲酒後1200〜2400秒間、飲酒後5400〜6000秒間、飲酒後9600〜10800秒間における卓越周波数時系列波形を詳細に示した図である。 図13は、時間窓300秒で求めた被験者Aのエアパック脈波の飲酒前−3000〜−1800秒間、飲酒後1200〜2400秒間、飲酒後5400〜6000秒間、飲酒後9600〜10800秒間における卓越周波数時系列波形を詳細に示した図である。 図14(a)は、図12の卓越周波数時系列波形から求めた卓越周波数変動時系列波形を示した図であり、図14(b)は、図12の卓越周波数時系列波形から求めた卓越周波数傾き時系列波形を示した図である。 図15(a)は、図13の卓越周波数時系列波形から求めた卓越周波数変動時系列波形を示した図であり、図15(b)は、図13の卓越周波数時系列波形から求めた卓越周波数傾き時系列波形を示した図である。 図16(a)は、周波数変動時系列解析演算手段により得られた被験者Aのエアパック脈波の周波数変動時系列波形を示した図であり、図16(b)は、周波数傾き時系列解析演算手段により得られた被験者Aのエアパック脈波の周波数傾き時系列波形を示した図である 図17は、被験者Aの周波数傾き時系列波形を正の傾きと負の傾きに分けて積分した波形を示した図である。 図18は、図16の周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を示した図である。 図19は、エアパック脈波のリアプノフ指数を用いて、時間窓100秒、オーバーラップ時間を90秒間に変えたエアパック脈波のパワースペクトルを示した図である。 図20は被験者Aの指尖容積脈波から得られた脈拍数変動のウェーブレット解析結果を示した図である。 図21は、他の実施形態に係る生体信号測定装置の一例を示した図である。 図22は、他の実施形態に係る生体信号測定装置の他の例を示した図である。 図23は、図21又は図22に示した生体信号測定装置をシートに組み込む過程を説明するための図である。 図24は、試験例2の心部揺動波の計測前後に測定した呼気アルコール濃度の変動の様子を示した図である。 図25(a)〜(f)は、心部揺動波の原波形の周波数解析結果を示した図である。 図26は、図25の卓越周波数の時系列変化を示した図である。 図27(a)〜(f)は、検証として示した指尖容積脈波の原波形の周波数解析結果を示した図である。 図28は、図27の卓越周波数の時系列変化を示した図である。 図29は、周波数変動時系列波形から求めた差分値と呼気アルコール濃度との相関を捉えた図であり、(a)はピーク検出法を用いて周波数変動時系列波形を用いた場合の結果であり、(b)はゼロクロス法を用いて周波数変動時系列波形を用いた場合の結果である。
以下、図面に示した本発明の実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る飲酒検知システム60の分析対象である心部揺動波(人の上体の背部から検出される心房の動き及び大動脈の揺動に伴う生体信号)を採取する生体信号測定装置1を組み込んだ自動車用のシート500の外観を示した図である。この図に示したように、生体信号測定装置1は、シートバック部510に組み込まれて用いられる。ここで、生体信号測定装置1によって採取される信号には、生体信号成分以外のノイズ信号がより少ないことが望ましい。そこで、本実施形態の生体信号測定装置1は、以下に説明するように、自動車の走行中等の振動環境下においても、センサの出力信号自体に含まれるノイズ信号を少なくできるような工夫がなされている。
生体信号測定装置1は、エアパックユニット100と、第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20と、第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30とを有して構成されている。エアパックユニット100は、収容体15と、該収容体15に収容した2つのエアパック10を備えて構成される。各エアパック10は、図3及び図4に示したように、表側エアパック11と裏側エアパック12とが積層されて構成され、収容体15の左右にそれぞれ配置される。表側エアパック11は、3つの小空気袋111が縦方向に連接されている一方、そのそれぞれは空気の流通がないように形成されている。各小空気袋111内には、復元力付与部材としての三次元立体編物112が配置されている。
裏側エアパック12は、3つの小空気袋111を連接してなる表側エアパック11の全長と同じ長さの大空気袋121とこの大空気袋121内に収容される復元力付与部材としての三次元立体編物122とを備えて構成される(図4参照)。表側エアパック11と裏側エアパック12とは、長手方向に沿った一方の側縁同士が接合され、接合された側縁を中心にして2つ折りにされて、相互に重ね合わせられて用いられる(図3(d)及び図4参照)。
本実施形態では、このように表側エアパック11と裏側エアパック12とが相互に重ね合わせられたエアパック10が左右に配置される。左右に配置することにより、着座者の背への当たりが左右均等になり、違和感を感じにくくなる。また、左右の表側エアパック11,11のいずれか一方を構成するいずれかの小空気袋111にセンサ取付チューブ111aが設けられ、その内側に空気圧変動を測定するセンサ111bが固定されている。なお、センサ取付チューブ111aは密閉されている。裏側エアパック12を構成する大空気袋121にセンサを配設することもできるが、容量の大きい空気袋に設けると、生体信号による空気圧変動が吸収されてしまう場合があるため、小空気袋111に設けることが好ましい。但し、図4に示したように、予め、大空気袋121に取付チューブ121aを設けその部位にセンサを配設しておき、必要に応じて、大空気袋121の空気圧変動を測定することで、小空気袋111の測定結果の検証に利用できるようにしておいてもよい。小空気袋111は、このような生体信号による空気圧変動に敏感に反応させるために、大きさは、幅40〜100mm、長さ120〜200mmの範囲が好ましい。小空気袋111の素材は限定されるものではないが、例えば、ポリウレタンエラストマー(例えば、シーダム株式会社製、品番「DUS605−CDR」)からなるシートを用いて形成することができる。センサ111bとしては、小空気袋111内の空気圧を測定できるものであればよく、例えば、コンデンサ型マイクロフォンセンサを用いることができる。
大空気袋121の大きさ及び小空気袋111を3つ連接した場合の全体の大きさとしては、自動車のシート500のシートバック部510に用いる場合、幅40〜100mm、全長400〜600mmの範囲とすることが好ましい。長さが短い場合、シートバック部510において、着座者が、腰部付近の一部分のみに異物感を感じるため、400mm以上の長さとして、できるだけ、着座者の背全体に対応させることが好ましい。
空気圧変動を検出するセンサ111bは、本実施形態では、着座者の左側に配置されるエアパック10を構成する表側エアパック11の中央の小空気袋111に設けている。この小空気袋111の位置は、着座者の背部から採取される心房の動き及び大動脈(特に、「下行大動脈」)の揺動に伴う生体信号(心部揺動波)を検知可能な領域に相当する。この心部揺動波を検知可能な領域は、着座者の体格により一律ではないが、身長158cmの日本人女性から身長185cmの日本人男性までの様々な体格の被験者20名で測定したところ、該小空気袋111(幅60mm、長さ160mm)をシートバック部510の中心寄りの側縁と下縁の交差部P(図2及び図3参照)が、シートクッション部520の上面からシートバック部510の表面に沿った長さL:220mm、シートバック部510の中心からの距離M:80mmとなるように設定したところ、上記全ての被験者において心部揺動波を検知できた。小空気袋111の大きさが、幅40〜100mm、長さ120〜200mmの範囲の場合、交差部Pの位置を、シートクッション部520の上面からシートバック部510の表面に沿った長さで150〜280mm、シートバック部510の中心から60〜120mmの範囲に設定することが好ましい。
上記した2つのエアパック10をシートバック部510において容易に所定の位置に設定できるようにユニット化しておくことが好ましい。従って、図2〜図4に示したような収容体15にエアパック10を装填したエアパックユニット100として構成とすることが好ましい。収容体15は、両側にエアパック10を収容する袋状のエアパック収容部151を有し、2つのエアパック収容部151間に接続部152を有している。
2つのエアパック収容部151には、それぞれエアパック10が挿入される。また、エアパック収容部151には、エアパック10とほぼ同じ大きさの三次元立体編物40を、エアパック10の裏側エアパック12の背面側に重ねて挿入することが好ましい(図3(d)参照)。三次元立体編物40を配置することにより、エアパック10が該三次元立体編物40によっていわば浮くように支持されるため、シートバック部510からの外部振動が伝わりにくくなる。すなわち、三次元立体編物40を配置することにより、高周波小振幅の外部振動が入力された場合には、三次元立体編物40のパイルと空気圧の変動から、エアパック内にバネ定数の低い、バネ・マス・ダンパ系が作られる。そして、それが三次元立体編物40を内蔵したエアパック10において、低・高周波入力に対するフィルタ(ローパスフィルタ・ハイパスフィルタ)として作用し、該外部振動を減衰する。
接続部152は、2つのエアパック部151を所定間隔をおいて支持できるものであればよく、幅60〜120mm程度で形成される。接続部152も、袋状に形成し、その内部に三次元立体編物45を挿入することが好ましい(図3(d)及び図4参照)。これにより、該接続部152を通じて入力される振動も、該三次元立体編物45を挿入することにより効果的に除振でき、センサ111bを備えたエアパック10への外部振動の伝達を抑制できる。
なお、上記したように、小空気袋111は、例えば、ポリウレタンエラストマー(例えば、シーダム株式会社製、品番「DUS605−CDR」)からなるシートを用いて形成されるが、裏側エアパック12を形成する大空気袋121及び収容体15も、同じ素材を用いて形成することが好ましい。また、小空気袋111、大空気袋121、エアパック収容部151及び接続部152内に装填される各三次元立体編物は、例えば、特開2002−331603号公報に開示されているように、互いに離間して配置された一対のグランド編地と、該一対のグランド編地間を往復して両者を結合する多数の連結糸とを有する立体的な三次元構造となった編地である。
一方のグランド編地は、例えば、単繊維を撚った糸から、ウェール方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラットな編地組織(細目)によって形成され、他方のグランド編地は、例えば、短繊維を撚った糸から、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する編み目構造に形成されている。もちろん、この編地組織は任意であり、細目組織やハニカム状以外の編地組織を採用することもできるし、両者とも細目組織を採用するなど、その組み合わせも任意である。連結糸は、一方のグランド編地と他方のグランド編地とが所定の間隔を保持するように、2つのグランド編地間に編み込んだものである。このような三次元立体編物としては、例えば、以下のようなものを用いることができる。なお、各三次元立体編物は、必要に応じて複数枚積層して用いることもできる。
(1)製品番号:49076D(住江織物(株)製)
材質:
表側のグランド編地・・・300デシテックス/288fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸と700デシテックス/192fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸との撚り糸
裏側のグランド編地・・・450デシテックス/108fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸と350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントとの組み合わせ
連結糸・・・・・・・・・350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント
(2)製品番号:49011D(住江織物(株)製)
材質:
グランド編地(縦糸)・・・600デシテックス/192fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸
グランド編地(横糸)・・・300デシテックス/72fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸
連結糸・・・・・・・・・800デシテックス/1fのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント
(3)製品番号:49013D(住江織物(株)製)
材質:
表側のグランド編地・・・450デシテックス/108fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸の2本の撚り糸
裏側のグランド編地・・・450デシテックス/108fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸の2本の撚り糸
連結糸・・・・・・・・・350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント
(4)製品番号:69030D(住江織物(株)製)
材質:
表側のグランド編地・・・450デシテックス/144fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸の2本の撚り糸
裏側のグランド編地・・・450デシテックス/144fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸と350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントとの組み合わせ
連結糸・・・・・・・・・350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント
(5)旭化成せんい(株)製の製品番号:T24053AY5−1S
第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20と第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30とは、シートバック部510の表皮部材とエアパック10を収容した収容体15(エアパックユニット100)との間に配設され、2つのエアパック10の全長に相当する長さを有し、2つのエアパック10の頂部間の長さに相当する幅を有している。従って、長さが400〜600mm、幅が250〜350mm程度の大きさのものを用いることが好ましい。これにより、2つのエアパック10が共に覆われるため、2つのエアパック10の凹凸を感じにくくなる。
第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20は、平板状に形成されたビーズ発泡体と、その外面に貼着される被覆材とから構成されている。ビーズ発泡体としては、ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンのいずれか少なくとも一つを含む樹脂のビーズ法による発泡成形体が用いられる。なお、発泡倍率は任意であり限定されるものではない。被覆材は、ビーズ発泡体の外面に接着により貼着され、高い伸度と回復率を有する素材であり、好ましくは、伸度200%以上、100%伸長時の回復率が80%以上である弾性繊維不織布が用いられる。例えば、特開2007−92217号公報に開示された熱可塑性エラストマー弾性繊維が相互に溶融接着された不織布を用いることができる。具体的には、KBセーレン(株)製、商品名「エスパンシオーネ」を用いることができる。
第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30は、第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20と同様にビーズ発泡体を備えて構成されるが、その外面を覆う被覆材としては、第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20において用いた弾性繊維不織布よりも伸縮性の小さい素材、例えば、熱可塑性ポリエステルからなる不織布が用いられる。具体的には、帝人(株)製のポリエチレンナフタレート(PEN)繊維(1100dtex)から形成した2軸織物(縦:20本/inch、横:20本/inch)を用いることができる。
第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20と第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30とを積層する順序は限定されるものではないが、シートバック部510の表皮部材511に近い側に、弾性の高い第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20を配設することが好ましい。また、第1及び第2のビーズ発泡樹脂弾性部材20,30を構成するビーズ発泡体は、厚さ約5〜6mm程度とし、その外面に、厚さ約1mm以下の上記した弾性繊維不織布や熱可塑性ポリエステルからなる不織布を貼着して形成される。なお、本実施形態では、第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20の表皮部材511に対向する面、第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30のエアパックユニット100に対向する面に、それぞれPENフィルムなどのポリエステルフィルムを貼着している。これにより、生体信号の伝達性が向上する。
本実施形態において人体支持手段を構成するシート500のシートバック部510は、表皮部材511と該表皮部材511の背面側に配設されるクッション支持部材512とを備えてなり、該表皮部材511とクッション支持部材512との間にエアパック10を保持した収容体15(エアパックユニット100)と第1及び第2のビーズ発泡樹脂弾性部材20,30が組み込まれる。この際、クッション支持部材512側にまずエアパック10を保持した収容体15(エアパックユニット100)が配置され、その表面側に第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30が、さらにその表面側に第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20が配置された上で、表皮部材511により被覆される。なお、クッション支持部材512は、例えば、三次元立体編物をシートバック部510の左右一対のサイドフレームの後端縁間に張って形成することもできるし、合成樹脂板から形成することもできる。表皮部材511は、例えば、三次元立体編物、合成皮革、皮革、あるいはこれらの積層体などを左右一対のサイドフレームの前縁間に張って設けることができる。
このように、本実施形態においては、表皮部材511の裏面側に所定の大きさの第1のビーズ発泡樹脂弾性部材20及び第2のビーズ発泡樹脂弾性部材30が積層して配置され、さらにその後方に左右一対のエアパック10を保持した収容体15(エアパックユニット100)が配置される構成であるため、着座者が背にエアパック10の凹凸を感じることなくなり、生体信号を測定するためのエアパック10を有する構成でありながら、座り心地が向上する。
次に、飲酒検知システム60の構成について図6に基づいて説明する。飲酒検知システム60には、生体信号測定装置1により検出された生体信号である心部揺動波(以下、場合により「エアパック脈波」という)の時系列波形を解析して飲酒の有無を推定する飲酒解析推定部600が組み込まれている。なお、本実施形態で用いた生体信号測定装置1は、上記のようにノイズ対策を施しているため、検出信号へのノイズの混入は少ないが、特に、自動車運転中のような動的環境下では検出信号に心部揺動波以外のノイズが含まれることが多くなる。従って、その場合には、飲酒解析推定部600で処理する前の前処理として、検出信号を心部揺動波が含まれている所定周波数でフィルタリングするなどして処理し、この前処理した検出信号を心部揺動波(エアパック脈波)の時系列波形として用いることが好ましい。
本実施形態では、飲酒解析推定部600を、飲酒検知システム60の記憶部に設定したコンピュータプログラムから構成している。すなわち、飲酒解析推定部600は、生体信号測定装置1から得られるエアパック脈波の時系列波形からその周波数に関する時系列変動を求める周波数動的情報処理手段610と、周波数動的情報処理手段610により得られた周波数に関する時系列変動の傾向が非飲酒時における周波数に関する時系列変動の傾向と乖離している場合に飲酒状態と判定する飲酒状態判定手段650とを具備する。
周波数動的情報処理手段610は、さらに、卓越周波数時系列波形演算手段621、卓越周波数変動時系列解析演算手段622、卓越周波数傾き時系列解析演算手段623、周波数演算手段631、周波数変動時系列解析演算手段632、周波数傾き時系列解析演算手段633を有して構成される。
なお、これらのコンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROMなどの記録媒体へ記憶させて提供することもできるし、通信回線を通じて伝送することも可能である。
卓越周波数時系列波形演算手段621は、エアパック脈波の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める。例えば、90秒、300秒といった時間窓におけるエアパック脈波の時系列波形を周波数解析して求める。この卓越周波数時系列波形は、図11に示したように、300秒の時間窓毎にオーバーラップさせることなく、卓越周波数を求めるようにしてもよいが(すなわち、図11の場合、20分間の測定時間において、4点の卓越周波数が求められる)、図12及び図13に示したように、例えば、90秒の時間窓、300秒の時間窓を設定して、その90%の時間をオーバーラップさせて、それぞれの時間窓毎に卓越周波数を求めるようにしても良い。図11の処理よりも、図12及び図13の処理の方が卓越周波数の変遷の傾向が反映されるという利点がある。
卓越周波数変動時系列解析演算手段622は、卓越周波数時系列波形演算手段621により得られる卓越周波数時系列波形に、所定の時間幅の時間窓(好ましくは180秒)を設定し、周波数の平均値を求める(図7の[3],[4]のステップ参照)。次に、所定のオーバーラップ時間(好ましくは162秒)で設定した所定の時間窓(好ましくは180秒)毎にその間に算出された卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、プロットする。そして、時間窓毎にプロットされた周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する(図7の[7]のステップ参照)。
卓越周波数傾き時系列解析演算手段623は、卓越周波数時系列波形演算手段621により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に卓越周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる卓越周波数の傾きの時系列変化を卓越周波数傾き時系列波形として出力する。具体的には、まず、ある時間窓Tw1における周波数の傾きを最小二乗法により求めてプロットする(図7の[3],[5]のステップ参照)。次に、オーバーラップ時間Tl(図7の[6]のステップ)で次の時間窓Tw2を設定し、この時間窓Tw2における卓越周波数の傾きを同様に最小二乗法により求めてプロットする。この計算(移動計算)を順次繰り返し、エアパック脈波の卓越周波数の傾きの時系列変化を卓越周波数傾き時系列波形として出力する(図7の[8]のステップ参照)。なお、時間窓Twの時間幅は180秒に設定することが好ましく、オーバーラップ時間Tlは162秒に設定することが好ましい。これは、本出願人による上記特許文献3(WO2005/092193A1公報)において示したように、時間窓Twの時間幅及びオーバーラップ時間Tlを種々変更して行った睡眠実験から、人の状態を示す特徴的な信号波形が最も感度よく出現する値として選択されたものである。
周波数演算手段631は、生体信号測定装置1から得られるエアパック脈波の時系列波形における周波数の時系列波形を求める。具体的には、まず、エアパック脈波の時系列波形を平滑化微分して極大値(ピーク)を求める。例えば、SavitzkyとGolayによる平滑化微分法により極大値を求める。次に、5秒ごとに極大値を切り分け、その5秒間に含まれる時系列波形の極大値(波形の山側頂部)間の時間間隔の逆数を個別周波数fとして求め、その5秒間における個別周波数fの平均値を当該5秒間の周波数Fの値として採用する(図7の[1]のステップ参照)。そして、この5秒毎に得られる周波数Fをプロットすることにより、周波数の時系列波形を求める(図7の[2]のステップ参照)。
周波数変動時系列解析演算手段632は、周波数演算手段631により得られたエアパック脈波の周波数の時系列波形(図7の[2]のステップ参照)に、所定の時間幅の時間窓(好ましくは180秒)を設定し、周波数の平均値を求める(図7の[3],[4]のステップ参照)。次に、所定のオーバーラップ時間(好ましくは162秒)で設定した所定の時間窓(好ましくは180秒)毎にエアパック脈波の周波数の平均値を求める移動計算を行い、プロットする。そして、時間窓毎にプロットされた周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する(図7の[7]のステップ参照)。
周波数時系列解析傾き演算手段633は、周波数演算手段631により得られたエアパック脈波の周波数の時系列波形から、所定の時間幅の時間窓を設定し、時間窓毎に最小二乗法により該エアパック脈波の周波数の傾きを求め、その時系列波形を出力する。具体的には、まず、ある時間窓Tw1における周波数の傾きを最小二乗法により求めてプロットする(図7の[3],[5]のステップ参照)。次に、オーバーラップ時間Tl(図7の[6]のステップ参照)で次の時間窓Tw2を設定し、この時間窓Tw2における周波数の傾きを同様に最小二乗法により求めてプロットする。この計算(移動計算)を順次繰り返し、エアパック脈波の周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する(図7の[8]のステップ参照)。
なお、周波数演算手段631は、図7のステップに従った処理(以下、「ピーク検出法」という)ではなく、図8のステップに従った処理(以下、「ゼロクロス法」という)で実行することができる。図7のピーク検出法は、周波数演算手段631が、生体信号測定装置1から得られるエアパック脈波の時系列波形を平滑化微分して極大値(ピーク値)を求めているが、図8のゼロクロス法では、エアパック脈波の時系列波形において、正から負に切り替わる地点(以下、「ゼロクロス地点」という)を求める。そして、5秒毎にゼロクロス地点を切り分け、その5秒間に含まれる時系列波形のゼロクロス地点間の時間間隔の逆数を個別周波数fとして求め、その5秒間における個別周波数fの平均値を当該5秒間の周波数Fの値として採用する(図8の[1]のステップ参照)。そして、この5秒毎に得られる周波数Fをプロットすることにより、周波数の時系列波形を求める(図8の[2]のステップ参照)。
その後は、図7の場合と同様に、周波数変動時系列解析演算手段632によって移動計算を行い、周波数変動時系列波形を求める(図8の[3],[4],[6],[7]のステップ参照)。また、周波数傾き時系列解析演算手段633によって移動計算を行い、周波数傾き時系列波形を求める(図8の[3],[5],[6],[8]のステップ参照)。
後述の飲酒状態判定手段650において、周波数傾き時系列波形、周波数変動時系列波形及びその基線を用いて人の状態を判定する場合、ピーク検出法、ゼロクロス法のいずれを用いてもよい。いずれがより人の状態を明確に示すかは個人差があるため、人により、適する方法を予め設定できるようにすることが好ましい。
飲酒状態判定手段650は、本実施形態では、上記した各種の周波数動的情報処理手段610により得られた周波数に関する時系列変動を基に、飲酒状態か否かを判定する以下のような複数のプログラムのうちの少なくとも一つから構成される。
(a)卓越周波数時系列波形演算手段621により得られる卓越周波数時系列波形が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する手段
(b)所定時間範囲における卓越周波数時系列波形の卓越周波数の値のバラツキ度合いが、非飲酒時よりも拡大しているか否かにより飲酒状態を判定する手段
(c)卓越周波数変動時系列解析演算手段622により得られる卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する手段
(d)卓越周波数傾き時系列解析演算手段623により得られる卓越周波数傾き時系列波形の基線位置に対して、卓越周波数変動時系列解析演算手段622により得られる卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも乖離しているか否かにより飲酒状態を判定する手段
(e)周波数変動時系列解析演算手段632により得られる周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する手段
(f)周波数傾き時系列解析演算手段633により得られる周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより飲酒状態を判定する手段
飲酒状態判定手段650は、(a)〜(f)の複数の判定手段を備えていることにより、いずれか一つにおいて飲酒状態と判定されたならば、その旨(飲酒状態であること)を出力するように設定すれば、飲酒の検知感度を高めることができる。その一方、(a)〜(f)のうち、例えば、2つ以上の手段において飲酒状態と判定されたならば、その旨(飲酒状態であること)を出力するように設定することもできる。後者によれば、誤検知を少なくすることができるという利点がある。これは、本実施形態の飲酒検知システム60を用いる用途により、例えば、診断用、飲酒運転検知用などにより、適宜の組み合わせで設定することが可能である。また、いずれも、予め、非飲酒時の測定結果(卓越周波数時系列波形、卓越周波数変動時系列波形、卓越周波数傾き時系列波形、周波数変動時系列波形、周波数傾き時系列波形、周波数傾き時系列波形から得られる正の傾きの積分値と負の傾きの積分値等)を個人毎に記憶させておく。そして、ある時点における測定結果が得られたならば、飲酒状態判定手段650が、記憶されている非飲酒時の測定結果を読み込み、当該ある時点における測定結果と比較する。それにより、(a)〜(f)の各判定手段において、非飲酒時と乖離した傾向を示すと「飲酒状態」と判定できる。但し、どの程度乖離している場合に、「飲酒状態」と判定するかについては、上記(a)〜(f)の各判定手段に対応して、個人毎に予め閾値を設定しておくことが好ましい(つまり、非飲酒時のデータと飲酒時のデータとを比較して、どの程度乖離していると飲酒状態となるかについてのデータを予めとり、閾値を定めておく)。
なお、上記実施形態においては、生体信号測定装置1を構成するエアパック10、第1及び第2のビーズ発泡樹脂弾性部材20,30を自動車用のシートに組み込んでいるが、自動車用のシートに限らず、ベッドなどの寝具、病院設備における診断用の椅子等に組み込むこともできる。
(試験例1)
健康な20歳代から40歳代の日本人男性4名を被験者としてそれぞれ上記シート500に着座させて実験を行った。なお、以下において、エアパック脈波は、上記シート500に着座させて生体信号測定装置1(以下、場合により「エアパックセンサ」という)から得られた心部揺動波である。また、指尖容積脈波は、光学式指尖容積脈波計((株)アコム製、フィンガークリッププローブ SR−5C)により測定して得られたものであり、呼気アルコール濃度は、「東海電子(株)製 ALC−mini」により測定して得られたものである。被験者には,あらかじめ飲酒実験とは別の日にエタノールパッチテストを行い、活性型(NN型)であることを確認した。尚、被験者の体重および身長は、被験者Aは体重71kg、身長167cm、被験者Bは体重68kg、身長178cm、被験者Cは体重65kg、身長171cm、被験者Dは体重59kg、身長166cmの被験者である。
非侵襲センサであるエアパックセンサと他のセンサ(光学式指尖容積脈波計、呼気アルコール濃度計)による生体信号の計測は、飲酒前に20分間の計測を1回行い、その後、飲酒(ビール:500ml)をして、飲酒後に最も血液中のアルコール濃度が高くなるとされている20〜40分後の20分間に1回目の計測を行った。その後、被験者Aについては時間経過による変化を見るために、一定時間を空けて90〜110分後、160〜180分後の2回の計4回測定を行った。被験者は飲酒開始時間より前、最低3時間以上食事をしていない状態とし、空腹状態に近い状態を再現した。また通常の飲酒状態を模擬するため、飲酒時に適量のおつまみを摂取した。また実験中には、これ以外には水分補給のみ行い、他のものの飲食は行わないようにした。生体信号の計測前後には、呼気アルコール濃度を計測した。その変動の様子を図9に示す。
図10に被験者Aの場合の指尖容積脈波とエアパック脈波(心部揺動波)のそれぞれ計測開始5分間分のデータでの原波形と5分間分の周波数解析結果を示す。指尖容積脈波とエアパック脈波の卓越周波数のピーク位置はほぼ一致しており、同等の周波数特性を有した生体信号が得られていることがわかる。
図11は、卓越周波数時系列波形演算手段621により求められた被験者Aのエアパック脈波の300秒毎の時間窓をオーバーラップさせずに求めた卓越周波数の変遷を示す。図11には、指尖容積脈波の卓越周波数の300秒分ごとの変遷も示している。図9及び図11から、飲酒による呼気アルコール濃度の上昇に対応してエアパック脈波の周波数の変動が認められ、飲酒により心拍数が上昇した状態が検出できる。そして時間の経過と共に、呼気アルコール濃度の低下が生じ、飲酒前の心拍数に近づいていることもわかる。また、図11から、飲酒前と比較して、飲酒後20〜40分間、飲酒後90〜110分間では卓越周波数のバラツキ度合いが拡大していることがわかる。飲酒後160〜180分間の場合も、飲酒前より卓越周波数のバラツキ度合いが若干拡大している。従って、この卓越周波数の値のバラツキ度合いが拡大するか否かを判定することにより、飲酒状態を判定することができることがわかる。なお、この点は、次に述べるように、図12及び図13の場合でも同様である。
図12は、時間窓90秒に設定して90%のオーバーラップ時間で各時間窓毎に求めた、卓越周波数時系列波形演算手段621により得られた卓越周波数の変遷の詳細を示し、図13は、時間窓300秒に設定して90%のオーバーラップ時間で各時間窓毎に求めた、卓越周波数時系列波形演算手段621により得られた卓越周波数の変遷の詳細を示す。
図9から、被験者Aは、飲酒後20〜40分間に酒気帯び運転法定基準の境界値である0.15mg/l程度の呼気アルコール濃度が検出され、飲酒後90〜110分間も0.05mg/lからそれ以下の呼気アルコール濃度が検出されている。
図12では、飲酒前の卓越周波数時系列波形が概ね1.4〜1.55Hzで推移し、飲酒後160〜180分間の卓越周波数時系列波形が概ね1.45〜1.55Hzの間で推移しているのに対し、飲酒後20〜40分間は概ね1.52〜1.75Hz、飲酒後90〜110分間は概ね1.49〜1.75Hzと、卓越周波数時系列波形は全体的に高い傾向にある。従って、飲酒状態判定手段650は、この卓越周波数時系列波形を飲酒前と比較することにより、飲酒状態を判定することができることがわかる。
また、卓越周波数のバラツキ度合いは、飲酒前が0.15Hzであるのに対し、飲酒後20〜40分間が0.23Hz、飲酒後90〜110分間が0.26Hzと拡大している。飲酒後160〜180分間は0.1Hzと再度バラツキ度合いが小さくなっている。従って、このバラツキ度合いの閾値を設定することにより飲酒状態を判定することができることがわかる。
図13の場合には、飲酒前の卓越周波数時系列波形が概ね1.44〜1.46Hz(800秒における突出値は体動によるものと思われる)(バラツキ度合い0.02Hz)で推移しているのに対し、飲酒後20〜40分間は概ね1.55〜1.64Hz(バラツキ度合い0.09Hz)、飲酒後90〜110分間は概ね1.55〜1.62Hz(バラツキ度合い0.07Hz)、飲酒後160〜180分間は概ね1.44〜1.52Hz(バラツキ度合い0.08Hz)となっており、図12の場合と同様に、飲酒により、卓越周波数時系列波形は全体的に高い傾向になると共に、バラツキ度合いが拡大する傾向にあることがわかる。
図14(a),(b)及び図15(a),(b)は、卓越周波数変動時系列解析演算手段622により得られる卓越周波数変動時系列波形と、卓越周波数傾き時系列解析演算手段623により得られる卓越周波数傾き時系列波形と出力したグラフであり、図14は時間窓90秒に設定して求めたグラフであり、図15は時間窓300秒に設定して求めたグラフである。これらのグラフから明らかなように、卓越周波数変動時系列波形は、その基線位置が、飲酒後20〜40分間及び飲酒後90〜110分間は、いずれも概ね1.6Hz前後であり、飲酒前及び飲酒後160〜180分間の基線位置が概ね1.5Hz前後であると比較すると、明らかに高くなっていることがわかる。よって、例えば、閾値1.6Hzに設定し、基線位置が1.6Hz以上に至ったならば、飲酒状態判定手段650が飲酒と判定するようにすることができる。なお、閾値を何Hzに設定するかは、個人毎に設定できるようにすることが好ましい。
図16(a),(b)は、周波数変動時系列解析演算手段632及び周波数傾き時系列解析演算手段633により得られた被験者Aのエアパック脈波の周波数変動時系列波形と周波数傾き時系列波形を示す。
周波数変動時系列解析演算手段632により得られた周波数変動時系列波形の基線位置は、飲酒前が1.37〜1.44Hz程度であるのに対し、飲酒後20〜40分間が1.5〜1.55Hzの範囲、飲酒後90〜110分間が1.5Hz〜1.6Hzの範囲、飲酒後160〜180分間が1.4〜1.5Hz程度であり、非飲酒時よりも飲酒時の方が基線位置が高くなっていることがわかる。従って、この基線位置の閾値を設定すれば、飲酒状態判定手段650により飲酒状態を判定することができる。
また、図16の周波数変動時系列波形を見ると、飲酒前は周波数の値が試験時間の全域に亘り僅かに上下しながらほぼ水平に推移しているのに対し、飲酒後20〜40分間、飲酒後90〜110分間、飲酒後160〜180分間では、試験開始から約1000秒程度まで右下がりの傾向で推移し、1000秒経過後、試験終了まで上昇傾向にある。この試験は、シート500に20分間着座する試験であるが、時間経過と共に被験者は疲労する。このとき、飲酒前であれば、疲労の進行に対して交感神経の代償作用が機能し、活性度を上げて対応しようとするため、周波数変動時系列波形は右下がりにはならない。しかし、飲酒により生体が休息モードになると、交感神経の代償作用が機能しないために心拍変動が低下気味になる。これにより、周波数変動時系列波形は右下がりに推移していくと考えられる。従って、周波数変動時系列波形の基線位置に加えて、周波数変動時系列波形が右下がりに推移するか否かにより、飲酒状態を判定すれば、判定精度がよりよくなる。なお、試験終了間際において周波数変動時系列波形が上昇しているのは、試験がもうすぐ終了するという刺激が入るためである。
図17は、図16(b)に示した周波数傾き時系列波形の積分値を示す。具体的には、図16(b)の周波数傾き時系列波形を正の傾きと負の傾きで別々に分けて積分を行った。周波数変動の傾き時系列波形の積分値を飲酒前後で比較すると、呼気アルコール濃度の増加に伴い、負の成分は増加傾向にあるが、一方呼気アルコール濃度の低下が生じると飲酒前の状態と差の少ない状態に戻っていくのがわかる。また正の成分は、呼気アルコール濃度の増加に伴い減少していき、呼気アルコール濃度の減少が生じると増加していく。これは周波数変動の傾き時系列波形はエアパック脈波の周波数成分のゆらぎ度合を現しているためであり、飲酒によって、エアパック脈波の周波数変動のゆらぎの仕方が変化していることがわかる。従って、飲酒状態判定手段650は、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより飲酒状態を判定することができる。
図18に図16(b)の周波数変動の傾き時系列波形の周波数解析結果を示す。飲酒による呼気アルコール濃度の増加に伴い、卓越周波数ピークが低周波側に移っていくのがわかる。その後、呼気アルコール濃度の低下に伴い、高周波側に移ってゆく。これは図17に示す積分値の変動の様子と一致し、飲酒によりエアパック脈波の周波数の変動のゆらぎからカオス性がなくなり、ゆらぎが単調になっていることを示唆する。
図19はエアパック脈波のリアプノフ指数を用いて、時間窓100秒、オーバーラップ時間を90秒間に変えたエアパック脈波のパワースペクトルを示す。飲酒によるエアパック脈波のリアプノフ指数のゆらぎの強弱はパワースペクトルの強弱で表わされる。このパワースペクトルの低下からも、飲酒による呼気アルコール濃度の増加は、エアパック脈波の周波数変動のゆらぎを小さくすることが分かる。
図20は被験者Aの指尖容積脈波から得られた脈拍数変動のウェーブレット解析結果を示す。飲酒により、交感神経の影響を表すLF/HFのバースト波の出る割合が増加し、またHFの基線のレベルが低下している。飲酒により交感神経の亢進を示していると考えられる。飲酒後には、飲酒前の安静時に比べて、心臓副交感(迷走)神経活動が抑制され、心臓交換神経活動が亢進した状態にあることが推測される。さらに脈波のカオス解析から、交感神経緊張状態や心筋梗塞にてIABP(大動脈バルンパンピング)中でIABPにより機械的に脈波が生成される場合などでは、脈波が単純化してカオス性が低下することが指摘されている。これらの知見より、飲酒による呼気アルコール濃度の増加に伴う指尖容積脈波・エアパック脈波の周波数のゆらぎを小さくしているのは、飲酒に伴う交感神経の亢進とそれに伴う脈波の単純化が関連していることが考えられる。また、時間の経過による呼気アルコール濃度の減少に伴い、この交感神経の亢進は抑えられていくが、飲酒前の状態と異なり、緊張を伴ったもので、リラックス状態には戻りきっていないことも確認された。尚、ほかの3名の試験事例も本試験例と同様の結果になった。
また、生体信号測定装置としては、上記したエアパック10を用いたものに限らず、図21に示したものを用いることもできる。図21に示した生体信号測定装置200は、三次元立体編物210、三次元立体編物支持部材215、フィルム216、板状発泡体221,222、振動センサ230を有して構成される。
三次元立体編物210は、図1等に示した生体信号測定装置1と同様のものを用いることができる。三次元立体編物210は、厚み方向の荷重−たわみ特性が、測定板上に載置して直径30mm又は直径98mmの加圧板で加圧した際に、荷重100Nまでの範囲で、人の臀部の筋肉の荷重−たわみ特性に近似したバネ定数を備えることが好ましい。具体的には直径30mmの加圧板で加圧した際の当該バネ定数が0.1〜5N/mmの範囲、又は、直径98mmの加圧板で加圧した際の当該バネ定数が1〜10N/mmであるものを用いることが好ましい。人の臀部の筋肉の荷重−たわみ特性に近似していることにより、三次元立体編物と筋肉とが釣り合い、生体信号が伝播されると、三次元立体編物が人の筋肉と同様の振動を生じることになり、生体信号を大きく減衰させることなく伝播できる。
板状発泡体221,222は、ビーズ発泡体により構成することが好ましい。ビーズ発泡体としては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンのいずれか少なくとも一つを含む樹脂のビーズ法による発泡成形体が用いることができる。ビーズ発泡体からなる板状発泡体221,222は、個々の微細なビーズを構成している発泡により形成された球状の樹脂膜の特性により、微小な振幅を伴う生体信号を膜振動(横波)として伝播する。この膜振動(横波)が三次元立体編物に弦振動として伝わり、これらの膜振動(横波)と弦振動が重畳され、生体信号は、膜振動(横波)と弦振動が重畳されることによって増幅された機械振動として、後述する振動センサ230により検出される。従って、生体信号の検出が容易になる。
板状発泡体221,222をビーズ発泡体から構成する場合、発泡倍率は25〜50倍の範囲で、厚さがビーズの平均直径以下に形成されていることが好ましい。例えば、30倍発泡のビーズの平均直径が4〜6mm程度の場合では、板状発泡体221,222の厚さは3〜5mm程度にスライスカットする。これにより、板状発泡体221,222に柔らかな弾性が付与され、振幅の小さな振動に共振し、フィルム上を伝わる横波に減衰が生じにくくなる。なお、板状発泡体221,222は、本実施形態のように、三次元立体編物210を挟んで両側に配置されていても良いが、いずれか片側、好ましくは、シートバック側のみに配置した構成とすることもできる。
ここで、三次元立体編物210は、幅40〜100mm、長さ100〜300mmの範囲の短冊状のものが用いられる。この大きさのものだと、三次元立体編物210に予備圧縮(連結糸に張力が発生する状態)を生じやすくなり、人と三次元立体編物210との間で平衡状態が作りやすい。本実施形態では、人が背部が当接した際の違和感軽減のため、脊柱に対応する部位を挟んで対象に2枚配設するようにしている。三次元立体編物210を簡単に所定位置に配置するようにするため、図21に示したように、三次元立体編物210は三次元立体編物支持部材215に支持させた構成とすることが好ましい。三次元立体編物支持部材215は、板状に成形され、脊柱に対応する部位を挟んで対称位置に、縦長の配置用貫通孔215a,215aが2つ形成されている。三次元立体編物支持部材215は、上記板状発泡体221,222と同様に、板状に形成されたビーズ発泡体から構成することが好ましい。三次元立体編物支持部材215をビーズ発泡体から構成する場合の好ましい発泡倍率、厚さの範囲は上記板状発泡体221,222と同様である。但し、生体信号により膜振動(横波)をより顕著に起こさせるためには、三次元立体編物210,210の上下に積層される板状発泡体221,222の厚さが、三次元立体編物支持部材215の厚さよりも薄いことが好ましい。
三次元立体編物支持部材215に形成した配置用貫通孔215a,215aに、2つの三次元立体編物210,210を挿入配置した状態で、三次元立体編物210,210の表側及び裏側にフィルム216,216を積層する。なお、配置用貫通孔215a,215aの形成位置(すなわち、三次元立体編物210,210の配設位置)は、心房と大動脈(特に、「下行大動脈」)の拍出に伴う動きによって生じる揺れ及び大動脈弁の動き(心部揺動波)を検知可能な領域に相当する位置とすることが好ましい。この結果、三次元立体編物210,210は、上下面が板状発泡体221,222によりサンドイッチされ、周縁部が三次元立体編物支持部材215によって取り囲まれており、板状発泡体221,222及び三次元立体編物支持部材215が共振箱(共鳴箱)の機能を果たす。
また、三次元立体編物支持部材215よりも、三次元立体編物210,210の方が厚いものを用いることが好ましい。つまり、三次元立体編物210,210を配置用貫通孔215a,215aに配置した場合には、三次元立体編物210,210の表面及び裏面が、該配置用貫通孔215a,215aよりも突出するような厚さ関係とする。これにより、フィルム216,216の周縁部を配置用貫通孔215a,215aの周縁部に貼着すると、三次元立体編物210,210は厚み方向に押圧されるため、フィルム216,216の反力による張力が発生し、該フィルム216,216に固体振動(膜振動(横波))が生じやすくなる。一方、三次元立体編物210,210にも予備圧縮が生じ、三次元立体編物の厚さ形態を保持する連結糸にも反力による張力が生じて弦振動が生じやすくなる。なお、フィルム216,216は、三次元立体編物210,210の表側及び裏側の両側に設けることが好ましいが、いずれか少なくとも一方に設けた構成とすることも可能である。フィルム216,216としては、例えば、ポリウレタンエラストマーからなるプラスチックフィルム(例えば、シーダム株式会社製、品番「DUS605−CDR」)等を用いることができる。
振動センサ230は、上記したフィルム216,216を積層する前に、いずれか一方の三次元立体編物210に固着して配設される。三次元立体編物210は一対のグランド編地と連結糸とから構成されるが、各連結糸の弦振動がグランド編地との節点を介してフィルム216,216及び板状発泡体221,222に伝達されるため、振動センサ230は感知部230aを三次元立体編物210の表面(グランド編地の表面)に固着することが好ましい。振動センサ230としては、マイクロフォンセンサ、中でも、コンデンサ型マイクロフォンセンサを用いることが好ましい。本実施形態では、マイクロフォンセンサを配置した部位(すなわち、三次元立体編物210を配置した配置用貫通孔215a)の密閉性を考慮する必要がないため、マイクロフォンセンサのリード線の配線は容易に行うことができる。生体信号によって生じる人の筋肉を介した体表面の振動は、三次元立体編物210だけでなく、板状発泡体221,222、フィルム216にも伝播され、それらが振動(弦振動、膜振動(横波))して減衰を防止しつつ重畳されて増幅する。よって、振動センサ230は、三次元立体編物210に限らず、振動伝達経路を構成する板状発泡体221,222及びフィルム216に、その感知部230aを固定することもできる。
生体信号測定装置200としては、図21に示したものに限定されず、例えば、図22(a)に示したように、2つの三次元立体編物210,210の両方を覆うことのできる大きさのフィルム217を少なくとも一方に用いても良い。また、図22(b)に示したように、略長方形の三次元立体編物を両端縁から中央部に向かって折り曲げ、重なり合った部分の中央部を縫い合わせたランバーサポート218を配置するようにしてもよい。ランバーサポート218は、三次元立体編物支持部材215に面ファスナ等を用いて固定される。ランバーサポート218をこのようにして設けることにより、狭いスペース中でストローク感を高めるのに寄与する。
上記した生体信号測定装置200は、例えば、図23に示したように、自動車用シート1000のシートバックフレーム1100に被覆される表皮1200の内側に配置される。なお、配置作業を容易にするため、生体信号測定装置200を構成する三次元立体編物210、三次元立体編物支持部材215、フィルム216、板状発泡体221,222、振動センサ230等は予めユニット化しておくことが好ましい。
上記した生体信号測定装置200によれば、生体信号により、筋肉の荷重−たわみ特性に近似する荷重−たわみ特性をもつ板状発泡体221,222やフィルム216に膜振動(横波)が生じると共に、人の筋肉の荷重−たわみ特性に近似した荷重−たわみ特性を有する三次元立体編物210に弦振動が生じる。そして、三次元立体編物210の弦振動は再びフィルム216等の膜振動(横波)に影響を与え、これらの振動が重畳して作用する。その結果、生体信号に伴って体表面から入力される振動は、減衰することなく弦振動と膜振動(横波)との重畳によって増幅された固体振動として直接振動センサ230により検出されることになる。
図1等に示したエアパック10内の空気圧変動を検出する生体信号測定装置1の場合、体積と圧力が反比例関係にあるため、密閉袋の体積を小さくしないと圧力変動を検出しにくい。これに対し、図21〜図22に示した生体信号測定装置200によれば、空気圧変動ではなく、上記のように、機械的増幅デバイス(三次元立体編物210、板状発泡体221,222、フィルム216又はフィルム217)に伝播される増幅された固体振動を検出するものであるため、その容積(体積)が検出感度の観点から制限されることはほとんどなく、心部揺動波という振幅の小さな振動を感度良く検出できる。このため、多様な体格を有する人に対応できる。従って、図21〜図22に示した生体信号測定装置200は、乗物用シートのように、多様な体格を有する人が利用し、さらに多様な外部振動が入力される環境下においても感度良く生体信号を検出できる。
(試験例2)
図22に示した生体信号測定装置200を、図23に示したように自動車用シート1000に装着し、試験例1と同様の飲酒実験を行った。
被験者は健康な20歳代から40歳代の日本人男性4名(G,H,I,J)としてそれぞれ上記シート1000に着座させて心部揺動波の計測を行った。心部揺動波の計測と同時に、指尖容積脈波を光学式指尖容積脈波計((株)アコム製、フィンガークリッププローブ SR−5C)により計測し、心部揺動波の計測の前後で呼気アルコール濃度を、「東海電子(株)製 ALC−mini」により計測した。被験者には,あらかじめ飲酒実験とは別の日にエタノールパッチテストを行い、活性型(NN型)であることを確認した。尚、被験者の体重および身長は、被験者Gは体重76kg、身長178cm、被験者Hは体重64kg、身長167cm、被験者Iは体重51kg、身長173cm、被験者Jは体重61kg、身長174cmである。その他の試験方法等は試験例1と全く同様である。
結果を図24〜図28に示す。なお、図24は、心部揺動波の計測前後に測定した呼気アルコール濃度の変動の様子を示したものである。また、被験者I,Jについては、飲酒実験の日とは別の日に飲酒無しで、ほぼ同時刻の実験スケジュールにて比較検証実験を行った。図25は、心部揺動波の原波形の周波数解析結果であり、図26は、図25の卓越周波数の時系列変化を示している。図27は、検証として示した指尖容積脈波の原波形の周波数解析結果であり、図28は、図27の卓越周波数の時系列変化を示している。
まず、図25の心部揺動波の原波形の周波数解析結果と図27の指尖容積脈波の原波形の周波数解析結果とを比較すると、本試験例において使用した生体信号測定装置200から得られた生体信号である心部揺動波が、指尖容積脈波とピーク位置がいずれの被験者もほぼ一致しており、指尖容積脈波と同等の周波数特性を有していることがわかる。
そして、図26の卓越周波数の時系列変化より、被験者G,H,Iは飲酒により卓越周波数が上昇していることがわかる。これは飲酒による心拍数の上昇によって生じていると考えられる。図24と比較した場合、呼気アルコール濃度は、飲酒後1回目の計測(1200−2400秒)の際にピークを迎えているが、卓越周波数はやや遅れて、飲酒後2回目の計測(5400−6600秒)の際にピークを迎えていることがわかる。
被験者Jは、飲酒した際には卓越周波数はほとんど変化が見られない。しかし、飲酒無しの場合には、時間経過と共に卓越周波数が低下している。このことから、被験者Fの場合も、飲酒無しとの比較において、飲酒した際には相対的な卓越周波数の上昇が見られることがわかる。この点は、被験者Hも同様である。つまり、飲酒した場合には、飲酒無しとの比較において、相対的に、卓越周波数が時間経過と共に上昇する現象が捉えられる。
なお、図26の心部揺動波の卓越周波数の時系列変化は、図28の指尖容積脈波の卓越周波数の時系列変化とほぼ同様の傾向を示しており、本試験例において使用した生体信号測定装置200から得られた生体信号を利用することが有効であることがわかる。
図29は、本試験例において使用した生体信号測定装置200から得られた生体信号(心部揺動波)を、周波数変動時系列解析演算手段632によって処理し、その結果得られた周波数変動時系列波形を用いて呼気アルコール濃度との相関を捉えたグラフである。具体的には、着座疲労の影響の少ない0−600秒間の周波数変動時系列波形の平均値を求め、その平均値と飲酒前との値との差分値を求め、得られた差分値を呼気アルコール濃度との相関で示したものである。なお、図29(a)はピーク検出法を用いて周波数変動時系列波形を用いた場合の結果であり、(b)はゼロクロス法を用いて周波数変動時系列波形を用いた場合の結果である。
図29(a),(b)から、ピーク検出法、ゼロクロス法共に、飲酒による呼気アルコール濃度の上昇に伴い、周波数変動の差分値がプラス方向に増加し、その後の呼気アルコール濃度の低下に伴い、元の周波数に近づいていることがわかる。一方、飲酒無しの場合には差分値がマイナス方向に増加していくことが分かる。このことから、飲酒無しの場合と飲酒している場合とでは大きな差がある。そこで、このような周波数変動の差分値を求め、所定以上の差分値が生じている場合には、飲酒状態と推定するようにすることが可能である。また、図29(a),(b)に示したような呼気アルコール濃度と差分値との対応テーブルを個人毎にコンピュータに記憶させておけば、周波数変動の差分値を算出することで呼気アルコール濃度を推定することもできる。
1 生体信号測定装置
10 エアパック
11 表側エアパック
111 小空気袋
111b センサ
112 三次元立体編物
12 裏側エアパック
121 大空気袋
122 三次元立体編物
15 収容体
100 エアパックユニット
20 第1のビーズ発泡樹脂弾性部材
30 第2のビーズ発泡樹脂弾性部材
40,45 三次元立体編物
500 シート
510 シートバック部
511 表皮部材
512 クッション支持部材
520 シートクッション部
60 飲酒検知システム
600 飲酒解析推定部
610 周波数動的情報処理手段
621 卓越周波数時系列波形演算手段
622 卓越周波数変動時系列解析演算手段
623 卓越周波数傾き時系列解析演算手段
631 周波数演算手段
632 周波数変動時系列解析手段
633 周波数傾き時系列解析手段
650 飲酒判定手段

Claims (16)

  1. 生体信号測定装置により人の上体から採取した生体信号を解析して飲酒の有無を推定する飲酒解析推定部を備えた飲酒検知システムであって、
    前記飲酒解析推定部が、
    前記生体信号の時系列波形からその周波数に関する時系列変動を求める周波数動的情報処理手段と、
    前記周波数動的情報処理手段により得られた周波数に関する時系列変動の傾向が非飲酒時における周波数に関する時系列変動の傾向と乖離している場合に飲酒状態と判定する飲酒状態判定手段と
    を具備することを特徴とする飲酒検知システム。
  2. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数時系列波形が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項1記載の飲酒検知システム。
  3. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、所定時間範囲における前記卓越周波数時系列波形の卓越周波数の値のバラツキ度合いが、非飲酒時よりも拡大しているか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項1記載の飲酒検知システム。
  4. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項2記載の飲酒検知システム。
  5. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段と、
    前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の傾きの時系列変化を卓越周波数傾き時系列波形として出力する卓越周波数傾き時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数傾き時系列解析演算手段により得られる卓越周波数傾き時系列波形の基線位置に対して、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも乖離しているか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項2記載の飲酒検知システム。
  6. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項1記載の飲酒検知システム。
  7. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより判定する請求項1記載の飲酒検知システム。
  8. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否か、及び、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項1記載の飲酒検知システム。
  9. 生体信号測定装置により人の上体から採取した生体信号を分析して飲酒の有無を推定する飲酒検知システムの記憶部に設定される飲酒解析推定部を構成するコンピュータプログラムであって、
    前記飲酒解析推定部が、
    前記生体信号の時系列波形からその周波数に関する時系列変動を求める周波数動的情報処理手段と、
    前記周波数動的情報処理手段により得られた周波数に関する時系列変動の傾向が非飲酒時における周波数に関する時系列変動の傾向と乖離している場合に飲酒状態と判定する飲酒状態判定手段と
    を具備することを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数時系列波形が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項9記載のコンピュータプログラム。
  11. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の所定時間範囲における時系列波形を周波数解析して卓越周波数を得て、卓越周波数時系列波形を求める卓越周波数時系列波形演算手段を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、所定時間範囲における前記卓越周波数時系列波形の卓越周波数の値のバラツキ度合いが、非飲酒時よりも拡大しているか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項9記載のコンピュータプログラム。
  12. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項10記載のコンピュータプログラム。
  13. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の平均値の時系列変化を卓越周波数変動時系列波形として出力する卓越周波数変動時系列解析演算手段と、
    前記卓越周波数時系列波形演算手段により得られる卓越周波数時系列波形を、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記卓越周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記卓越周波数の傾きの時系列変化を卓越周波数傾き時系列波形として出力する卓越周波数傾き時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記卓越周波数傾き時系列解析演算手段により得られる卓越周波数傾き時系列波形の基線位置に対して、前記卓越周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも乖離しているか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項10記載のコンピュータプログラム。
  14. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項9記載のコンピュータプログラム。
  15. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより判定する請求項9記載のコンピュータプログラム。
  16. 前記周波数動的情報処理手段は、
    前記生体信号の時系列波形における周波数の時系列波形を求める周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する周波数変動時系列解析演算手段と、
    前記周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する周波数傾き時系列解析演算手段と
    を有し、
    前記飲酒状態判定手段は、前記周波数変動時系列波形の基線位置が非飲酒時よりも高いか否か、及び、前記周波数傾き時系列波形を、正の傾きと負の傾きとに分け、それぞれの傾きを積分し、飲酒前の正常状態の積分値と比較して、正の傾きの積分値が予め設定した差分以上減少し、負の傾きの積分値が予め設定した差分以上増加しているか否かにより飲酒状態を判定する構成である請求項9記載のコンピュータプログラム。
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