JPWO2010122844A1 - ガラス成形体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

高精度な光学面を有するガラス成形体を製造することが可能なガラス成形体の製造装置を提供する。溶融ガラスを受ける下型と、該下型に供給された溶融ガラスを下型とで加圧成形する上型と、を有するガラス成形体の製造装置において、上型は、光学面を転写する第1の成形面と、第1の成形面の周縁に設けられた平坦な第2の成形面と、第2の成形面の周縁に設けられ、第1の成形面の中心を通る上型の中心軸に対し、下型の方向に広がるように傾斜した第3の成形面と、を有する。

Description

本発明は、ガラス成形体の製造装置に関し、特に、溶融ガラスを成形金型で加圧成形してガラス成形体を得るガラス成形体の製造装置に関する。
ガラス製の光学素子は、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズ、各種ミラー等として利用されるようになり、その用途は広範囲に及んでいる。このようなガラス製の光学素子は、ガラス素材を成形金型で加圧成形するプレス成形法により製造されることが多くなってきた。特に、光学面として非球面を有する光学素子は、研削・研磨加工による面形成が容易でないことから、成形金型によるプレス成形法による製造が一般的になりつつある。その中でも、溶融ガラスを成形金型で直接加圧成形してガラス製の光学素子を得るダイレクトプレス法は、高い生産効率を期待できることから注目されている。
溶融ガラスを成形金型で直接加圧成形してガラス製の光学素子を得る方法として、ノズル先端からの溶融ガラスを下型に滞留させた後、下型上の溶融ガラスを上型と下型とで加圧成形する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された方法のように溶融ガラスを成形金型で直接加圧成形する方法においては、金型に該金型よりも高温の溶融ガラスが供給され、供給された溶融ガラスは主に金型との接触面からの放熱によって冷却されて固化する。
しかしながら、成形の過程で溶融ガラスの冷却される速度が、溶融ガラスの上面と下面、あるいは中心部と周辺部において異なり、冷却による収縮量が不均一になることから、特に、溶融ガラスが最初に下型に接触して急冷される下面側に精度の高い光学面を形成することは非常に困難であった。
そこで、特許文献1では、溶融ガラスの温度が比較的安定する上面側の光学面のみを上型の成形面の転写によって形成し、ガラス成形体を形成した後、下面側の光学面は追加工(研削・研磨加工)によって形成することでガラスレンズを製造する方法が提案されている。
特開2008−230874号公報
ところで、特許文献1に記載された方法のように溶融ガラスを成形金型で直接加圧成形する方法で形成されたガラス成形体においては、下面側の光学面は転写性が乏しく追加工を要することから、追加工の際に必要な基準面を成形時に形成している。
ここで、従来知られている基準面の代表的な形成方法について図4、図5を用いて説明する。図4は、従来の成形金型の一例による概略構成を示す断面模式図、図5は、従来の成形金型の別例による概略構成を示す断面模式図である。
1.図4に示すように、例えば上型10にガラス成形体の側面の外径を規制する為の円筒状の成形面10kを設け、該成形面10kにより、ガラス成形体の側面に平坦な基準面を形成する方法。
2.図5に示すように、例えば非球面の成形面10aが形成された上型10の該非球面の成形面10aの周縁に平坦な成形面10hを設け、該平坦な成形面10hにより、ガラス成形体の上面の周縁に平坦な基準面を形成する方法。
しかしながら、前記1の方法においては、加圧過程で、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80の周縁へ広がる速度が場所により異なり、例えばA部がB部よりも先に成形面10kに接触し、急速に冷却される。すなわち、溶融ガラス80のA部とB部の冷却速度に大きな差が生じる。その結果、成形時における溶融ガラス80の収縮量が均一にならず、ガラス成形体の上面側に高精度な光学面を得ることは困難であった。
また、前記2に記載の方法においては、加圧過程で、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80が周縁へ均等に広がらず、図5(b)に示すように、例えばA部が、成形面10hへ大きくはみ出す場合がある。その結果、前記1の方法の場合と同様に、成形時における溶融ガラス80の収縮量が均一にならず、ガラス成形体の上面側に高精度な光学面を得ることは困難であった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、高精度な光学面を有するガラス成形体を製造することが可能なガラス成形体の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1から3の何れか1項に記載の発明によって達成される。
1.溶融ガラスを受ける下型と、該下型に供給された前記溶融ガラスを前記下型とで加圧成形する上型と、を有するガラス成形体の製造装置において、
前記上型は、光学面を転写する第1の成形面と、
前記第1の成形面の周縁に設けられた平坦な第2の成形面と、
前記第2の成形面の周縁に設けられ、前記第1の成形面の中心を通る前記上型の中心軸に対し、前記下型の方向に広がるように傾斜した第3の成形面と、を有することを特徴とするガラス成形体の製造装置。
2.前記第3の成形面の前記中心軸に対する傾斜角度は、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする前記1に記載のガラス成形体の製造装置。
10°<θ<60° (1)
但し、
θ:第3の成形面の上型の中心軸に対する傾斜角度
3.前記第3の成形面の前記中心軸の方向の寸法と、前記ガラス成形体の前記第3の成形面による転写面を含む側面の前記中心軸の方向の寸法は、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする前記1または2に記載のガラス成形体の製造装置。
0.1<d/D<0.7 (2)
但し、
d:第3の成形面の中心軸の方向の寸法
D:ガラス成形体の第3の成形面による転写面を含む側面の中心軸の方向の寸法
本発明によれば、上型の光学面を転写する第1の成形面の周縁に平坦な第2の成形面を設け、該第2の成形面の周縁に第1の成形面の中心を通る上型の中心軸に対し、下型の方向に広がるように傾斜した第3の成形面を設ける構成とした。すなわち、第1の成形面の周縁に、第2の成形面と第3の成形面で形成される断面がV字状の成形面を設ける構成とした。
このV字状の成形面により、加圧過程で、下型の受け面に貯留された溶融ガラスの周縁への不要な広がりを抑えることができるとともに、均等に広がるようすることができる。これにより、溶融ガラスの部位による冷却速度の差が抑えられ、成形時における溶融ガラスの収縮量を均一することができる。その結果、ガラス成形体の上面側に高精度な光学面を得ることが可能となる。
本発明の実施形態に係わるガラス成形体の製造装置の概略構成を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係わる成形金型の概略構成を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係わるガラス成形体、及び非球面レンズの一例を示す断面模式図である。 従来の成形金型の一例による概略構成を示す断面模式図である。 従来の成形金型の別例による概略構成を示す断面模式図である。
以下図面に基づいて、本発明に係わるガラス成形体の製造装置の実施の形態を説明する。尚、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
最初に、本発明におけるガラス成形体の製造装置の概略構成を図1を用いて説明する。図1は、ガラス成形体の製造装置1の概略構成を示す断面模式図である。尚、図1において左図は、溶融ガラスの供給工程における状態を、右図は、加圧工程における状態を、それぞれ示している。
ガラス成形体の製造装置1は、溶融槽70、上型10、下型20、及び加圧部50等を有している。
下型20は、図示しない駆動手段により、ノズル71の下方で溶融ガラス80を受ける為の位置P1と、上型10と対向して溶融ガラス80を加圧成形する為の位置P2との間で移動可能に構成されている。
溶融槽70は、内部に投入されたガラス材料を溶融し、溶融ガラス80を生成する。溶融槽70の下部には、ノズル71が設けられ、ノズル71より溶融ガラス80を下型20の受け面20aに供給する。また、溶融槽70の内部には、図示しない攪拌翼が設けられており、該攪拌翼を回転させて、溶融ガラス80を攪拌し均質化する。
溶融槽70、ノズル71、及び攪拌翼の材料としては、例えば、白金を用いることができる。また、溶融槽70の外側には、槽全体を支える為に、図示しない耐火物製補強部材を設けてもよい。また、溶融槽70やノズル71の周囲には、それぞれを所定の温度に加熱制御する、図示しないヒータ、及び温度センサが設けられている。
成形金型は、上型10、及び下型20等から構成される。上型10には、ガラス成形体の光学面を形成する為の凹の非球面形状の成形面10aが形成されている。また、成形面10aの周縁には、加圧過程で、下型10の受け面20aに貯留された溶融ガラス80の周縁への不要な広がりを抑える為の後述する成形面が形成されている。下型20には、溶融ガラス80を受ける為の平坦な面形状の受け面20aが形成されている。
尚、本実施形態においては、上型10の成形面10aは、凹の非球面に形成されているが、凸の非球面や球面であってもよい。また、下型20の受け面20aは、平坦な面形状に形成されているが、凹面であってもよい。
上型10、下型20には、それぞれを所定温度に加熱制御する図示しないヒータ、及び温度センサが設けられている。
ヒータ、及び温度センサは、それぞれの部材を独立して温度調節することができる構成としてもよいし、成形金型全体を一つ、あるいは複数のヒータでまとめて加熱するような構成としてもよい。ヒータとしては、公知の各種のヒータの中から適宜選択して用いることができる。例えば、部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒータや、部材の外側に接触させて使用するシート状のヒータ、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を用いることができる。また、温度センサとしては、種々の熱電対の他、白金測温抵抗体、各種サーミスタ等公知のセンサを用いることができる。
成形金型の内、上型10の加熱温度は、溶融ガラス80に成形面10aの形状を良好に転写できる温度範囲に設定する必要があり、通常、成形するガラスのTg(ガラス転移点)−100℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。加熱温度が低すぎると溶融ガラス80に成形面10aの形状を良好に転写させることが困難になってくる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎることは、溶融ガラス80と成形金型との融着を防止する観点や、成形金型の寿命の観点から好ましくない。実際には、成形するガラスの材質や、ガラス成形体の形状、大きさ、成形金型の材質、保護膜の種類、ヒータや温度センサの位置等種々の条件を考慮に入れて適正な温度を決定する。
下型20の加熱温度については、上型10とは異なり受け面20aの転写性を考慮する必要はないが、溶融ガラス80の冷却速度に影響することから、上型10の場合と同様に、成形するガラスのTg−100℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。
上型10、下型20の材料は、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、カーボン等、ガラス成形体を加圧成形する為の成形金型として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。また、これらの材料の表面に各種金属やセラミックス、カーボン等の保護膜を形成したものを用いることもできる。上型10、下型20を同一の材質としてもよいし、それぞれ別の材質としてもよい。
加圧部50の機構としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の加圧機構を用いることができる。加圧部50は、上型10を駆動することで、溶融ガラス80を加圧成形する。尚、本実施形態においては、加圧部50は、上型10を駆動する構成としたが、これに限定されることなく、下型20、または上型10と下型20の両方を駆動する構成としてもよい。
また、ガラス材料は、特に限定されることなく、光学的用途に用いられる周知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、リン酸系ガラス、ランタン系ガラス等が挙げられる。
次に、このような構成のガラス成形体の製造装置1を用いたガラス成形体の製造方法の概要を前述の図1を用いて説明する。
本実施形態においては、溶融ガラス80の温度よりも低い所定温度に加熱された成形金型の下型20の受け面20aに、溶融槽70の下部に設けられたノズル71より溶融ガラス80を供給する(溶融ガラス供給工程)。このとき、溶融槽70とノズル71は図示しないヒータによってそれぞれ所定の温度に加熱されている。溶融ガラス80が供給された下型20は上型10の下方まで移動し、下型20と上型10とで溶融ガラス80を加圧成形して、それぞれの成形面(成形面10a、受け面20a)が転写されたガラス成形体を得る(加圧工程)。
このような構成のガラス成形体の製造装置1において、本発明は、加圧過程で、下型10の受け面20aに貯留された溶融ガラス80の周縁への不要な広がりを抑える為の成形面を、上型10の非球面形状の成形面10aの周縁に形成するものである。以下、その詳細を図2を用いて説明する。図2(a)は、成形金型の概略構成を示す断面模式図、図2(b)は、成形過程における溶融ガラス80広がりを示す平面模式図である。
上型10には、図2(a)に示すように、非球面形状の成形面10a(第1の成形面)、成形面10aの周縁に平坦な面形状の成形面10b(第2の成形面)が形成されている。成形面10bは、成形面10aが成形する非球面の光軸K(上型10の中心軸)に垂直な平坦面である。さらに、成形面10bの周縁には、光軸Kに対し、下型20の方向に広がるように傾斜した成形面10c(第3の成形面)が形成されている。また、下型20には、溶融ガラス80を受ける為の平坦な受け面20aが形成されている。
尚、本実施形態においては、上型10の成形面10aは、凹の非球面に形成されているが、前述のように凸の非球面や球面であってもよい。また、下型20の受け面20aは、平坦な面に形成されているが、凹面や凸面であってもよい。
このような構成の成形金型において、加圧過程で、下型10の受け面20aに貯留された溶融ガラス80は、図2(a)中A部で示す、成形面10bと成形面10cとで形成される断面がV字状の成形面により、周縁への不要な広がりを抑えられる。また、図2(b)に示すように、周縁へ均等に広がる。これにより、溶融ガラス80の部位による冷却速度の差が抑えられ、成形時における溶融ガラス80の収縮量を均一することができる。その結果、ガラス成形体100の上面側に高精度な光学面を得ることが可能となる。
ここで、上型10の成形面10c(第3の成形面)の光軸K(上型10の中心軸)に対する傾斜角度は、以下の条件式(1)を満たすことが好ましい。
10°<θ<60° (1)
但し、
θ:成形面10cの光軸Kに対する傾斜角度
条件式(1)の下限値を下回り、成形面10cの傾斜が急峻になり過ぎると、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80は、成形面10cによりその伸延が妨げられた状態で冷却され固化する。この為、周辺の平面部が形成されず2次加工に支障をきたす。一方、条件式(1)の上限値を上回り、成形面10cの傾斜が緩慢になり過ぎると、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80の周縁への不要な広がりが生じ、周縁へ均等に広がらなくなる。この為、アスが発生する。よって、条件式(1)を満足することで、溶融ガラス80の伸延を妨げることなく、周縁への不要な広がりを抑えることができる。その結果、ガラス成形体100の上面側に高精度な転写面100a(光学面)を得ることが可能となる。
また、成形面10c(第3の成形面)の光軸K(上型10の中心軸)方向の寸法と、ガラス成形体100の成形面10cによる転写面100cを含む側面の光軸K方向の寸法は、以下の条件式(2)を満たすことが好ましい。
0.1<d/D<0.7 (2)
但し、
d:成形面10cの光軸K方向の寸法
D:ガラス成形体100の第3の成形面10cによる転写面100cを含む側面の光軸K方向の寸法
条件式(2)の下限値を下回り、成形面10cの高さが低くになり過ぎると、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80の周縁への不要な広がりが生じ、周縁へ均等に広がらなくなる。この為、アスが発生する。一方、成形面10cの高さが高くなり過ぎると、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80は、成形面10cによりその伸延が妨げられた状態で冷却され固化する。この為、周辺の平面部が形成されず2次加工に支障をきたす。よって、条件式(2)を満足することで、条件式(1)の場合と同様に、溶融ガラス80の伸延を妨げることなく、周縁への不要な広がりを抑えることができる。その結果、ガラス成形体100の上面側に高精度な転写面100a(光学面)を得ることが可能となる。
次に、このような構成のガラス成形体の製造装置1を用いて形成されるガラス成形体を図3(a)を用いて説明する。図3(a)は、ガラス成形体100の一例を示す断面模式図である。
図3(a)に示すように、ガラス成形体100の一方の面には、上型10による凸の非球面の転写面100a(光学面)、転写面100aの周縁に平坦な面形状の転写面100bが形成されている。さらに、転写面100bの周縁には、光軸Kに対し、下方に広がるように傾斜した転写面100cが形成されている。また、他方の面には、下型20による平坦な転写面100dが形成されている。尚、下型20による転写面100dは、転写性が乏しいことから、後工程で機械加工により、例えば破線で示すような凸の球面(機械加工面100e)に高精度に仕上げるものである。機械加工の基準面としては、平坦な面形状の転写面100bを用いることができる。
このようにして仕上げられた非球面レンズ100Aの一例を図3(b)に示す。図3(b)に示すように、非球面レンズ100Aの一方の面には、加圧成形により凸の非球面の転写面100a(光学面)が形成され、他方の面には、機械加工により凸の球面の機械加工面100e(光学面)が形成されている。尚、本実施形態においては、機械加工面100eは凸面に形成されているが、凸面に限定されることなく凹面であってもよい。
機械加工方法としては、高速研削機(カーブジェネレータ)等を用いた粗摺工程、ダイヤモンドペレット等を用いた精研削工程、研磨剤で表面を仕上げる研磨工程といった工程によって光学面を形成することができるが、これに限定されることはなく、公知の手法を適宜選択して用いることができる。また、研削等によって非球面レンズ100Aのコバ面を形成する工程を備えていてもよい。
このように、本発明に実施形態におけるガラス成形体の製造装置1においては、上型10の非球面形状の成形面10a(第1の成形面)の周縁に平坦な面形状の成形面10b(第2の成形面)を設け、該第2の成形面の周縁に第1の成形面の面頂点を通る上型10の中心軸(光軸K)に対し、下型20の方向に広がるように傾斜した成形面10c(第3の成形面)を設ける構成とした。すなわち、第1の成形面の周縁に、第2の成形面と第3の成形面で形成される断面がV字状の成形面を設ける構成とした。
このV字状の成形面により、加圧過程で、下型20の受け面20aに貯留された溶融ガラス80の周縁への不要な広がりを抑えることができるとともに、均等に広がるようすることができる。これにより、溶融ガラス10の部位による冷却速度の差が抑えられ、成形時における溶融ガラス80の収縮量を均一することができる。その結果、ガラス成形体100の上面側に高精度な転写面100a(光学面)を得ることが可能となる。
1 ガラス成形体の製造装置
10 上型
10a、10b、10c 成形面(第1成形面、第2成形面、第3成形面)
10h 成形面
10k 成形面
20 下型
20a 受け面
50 加圧部
70 溶融槽
71 ノズル
80 溶融ガラス
100 ガラス成形体
100a 転写面(非球面)
100b 転写面
100c 転写面
100d 転写面(平坦面)
100e 機械加工面
100A 非球面レンズ
K 光軸

Claims (3)

  1. 溶融ガラスを受ける下型と、該下型に供給された前記溶融ガラスを前記下型とで加圧成形する上型と、を有するガラス成形体の製造装置において、
    前記上型は、光学面を転写する第1の成形面と、
    前記第1の成形面の周縁に設けられた平坦な第2の成形面と、
    前記第2の成形面の周縁に設けられ、前記第1の成形面の中心を通る前記上型の中心軸に対し、前記下型の方向に広がるように傾斜した第3の成形面と、を有することを特徴とするガラス成形体の製造装置。
  2. 前記第3の成形面の前記中心軸に対する傾斜角度は、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体の製造装置。
    10°<θ<60° (1)
    但し、
    θ:第3の成形面の上型の中心軸に対する傾斜角度
  3. 前記第3の成形面の前記中心軸の方向の寸法と、前記ガラス成形体の前記第3の成形面による転写面を含む側面の前記中心軸の方向の寸法は、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス成形体の製造装置。
    0.1<d/D<0.7 (2)
    但し、
    d:第3の成形面の中心軸の方向の寸法
    D:ガラス成形体の第3の成形面による転写面を含む側面の中心軸の方向の寸法
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