JPWO2010110184A1 - 回路、制御システム、制御方法及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
高周波ジッタと低周波ワンダとの抑圧にあたっては、以下の4つの問題がある。
図1は、本願発明に関連するPLL(Phase Locked Loop)回路で発生する第1の問題を説明するための図である。第1の問題は、図1に示すように、非同期スタッフ多重方式の宿命である、0(ゼロ)スタッフ時におけるジッタ・ワンダ(Waiting Time Jitter/Wander)が発生することである。
図1〜図4において、OTU(Optical Transport Unit)3は、OTNで規定された約40Gb/sの速度を持つ光インタフェースである。STM(Synchronous Transport Module)−64及び10GbE(Gigabit Ethernet)は、それぞれSDH及びEthernetで規定される、いずれも約10Gb/sの速度のインタフェースである。
本来、スタッフ多重方式においては、OTN信号とSDH信号またはEthernet信号の周波数を監視すれば、最適なPLL遮断周波数を算出できる。しかし、周波数の監視のためには高精度発振器(オーブン制御水晶発振器)もしくは外部同期用クロック(いわゆるBuilding Integrated Timing Supply,Synchronization Supply Unit or Clock Supply Moduleからの高精度クロック)が必要となる。このため、システムが非常に高価となってしまう。
また、仮に0スタッフ時におけるジッタ・ワンダ抑圧のためにPLL遮断周波数を小さくした場合、PLL回路の周波数追従能力が低下する。この場合、PLL回路の出力ワンダが増加してしまう。
図2は、本願発明に関連するPLL回路で発生する第2の問題を説明するための図である。第2の問題は、再生信号のメモリスリップによって、回線障害が発生する場合があるということである。
図2に示すように、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号を再生する場合、周波数調整用(すなわちクロック載せ換え用)のメモリが使用される。しかし、SDH信号またはEthernet信号が常にOTN信号に追従していないと、メモリオーバーフローまたはアンダーフローによる再生信号のメモリスリップが発生する。その結果、最終的に回線障害が発生する場合がある。
この場合、周波数追従速度を上げれば第2の問題は解決される。しかし、その代わりに、ジッタ・ワンダ抑圧性能が失われてしまう。
図3は、本願発明に関連するPLL回路で発生する第3の問題を説明するための図である。第3の問題は、SDH信号またはEthernet信号を図3に示すように多段接続(カスケード接続もしくはタンデム接続)した場合、ワンダが重畳してしまい、SDHまたはEthernet再生信号のメモリスリップが発生する場合があるということである。
多段接続により発生するワンダは、第1の問題で説明したスタッフ多重方式で発生するワンダとは異なり、PLL自身のジッタ・ワンダ成分及びネットワークワンダ成分の双方に大きく依存する。
しかしながら、PLL自身のジッタ・ワンダ成分及びネットワークワンダのジッタ・ワンダ成分をシミュレーションするためには,数多くのパラメータの全ての組み合わせを計算する必要がある。
このため、多段接続によるワンダを事前に算出することは非常に困難である。
図4は、本願発明に関連するPLL回路で発生する第4の問題を説明するための図である。第4の問題は、障害状態にあったシステムが復旧した場合に、その復旧したシステムの出力周波数の異常が発生し、それが後段の全てのシステムにおいて時間差で発生する場合があるということである。第4の問題は、図4に示すように、SDH信号またはEthernet信号を多段接続した図3と同様の構成において発生する場合がある。この問題は、第2の問題と同様、周波数追従速度を上げれば解決できる。しかし、その代わり、ジッタ・ワンダ抑圧性能が失われてしまう。
このようなことから、ジッタ・ワンダ抑圧性能を満足しつつ、高速な周波数追従性能を実現することが可能なシステムの開発が必要とされている。
なお、本願発明に関連する文献として、Transient Wander成分(入力位相跳躍成分)のみを自動検出し、出力位相を入力位相変動前の位相に立て直す技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
また、位相誤差を小さくでき、かつ高周波ジッタ成分および低周波ワンダ成分を同時に抑圧することができる技術について開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
本願発明は、上述した課題を解決するための回路、制御システム、制御方法及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
<回路>
本願発明にかかる回路は、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、PLL手段のループゲインを制御する制御手段を備える。
<制御システム>
本願発明にかかる制御システムは、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、PLL手段のループゲインを制御する。
<制御方法>
本願発明にかかる制御方法は、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、PLL手段のループゲインを制御する。
<プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体>
本願発明にかかるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、PLL手段のループゲインを制御する処理を、コンピュータに実行させるプログラムを記録している。
本願発明の第1の実施形態は、本願発明の回路を、PLL回路に適用したものである。
図5は、本願発明の第1の実施形態のPLL回路の構成例を示す図である。まず、図5を参照しながら、第1の実施形態のPLL回路の概要について説明する。
第1の実施形態のPLL回路は、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL部100の位相比較データに基づいて、ジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を検出して処理する。そして、第1の実施形態のPLL回路は、その結果に基づいて、PLL部100のループゲインを制御する。
具体的には、第1の実施形態のPLL回路は、Jitter/Wander Detector部200と、Frequency Change Slope Detector部300と、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400と、を備える。Jitter/Wander Detector部200は、ジッタ・ワンダ成分を検出して処理し、ジッタ・ワンダ情報を生成する。Frequency Change Slope Detector部300は、周波数変動状態を検出して処理し、周波数変動情報を生成する。PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、ジッタ・ワンダ情報、及び、周波数変動情報に基づいて、PLL部のループゲインを制御する。
これにより、第1の実施形態のPLL回路は、ジッタ・ワンダ抑圧性能を満足しつつ、高速な周波数追従性能を実現することができる。以下、添付図面を参照しながら、第1の実施形態のPLL回路について詳細に説明する。
以下では、まず各部の構成を説明し、その後にそれぞれの動作を説明する。
<PLL回路の構成>
まず、図5を参照しながら、第1の実施形態のPLL回路の構成について説明する。
本実施形態のPLL回路は、OTU3信号(43.018413559GHz)から、SDHクロック(622.08MHz)またはEthernetクロック(644.53125MHz)を再生するFeed Forward型PLL回路である。
第1の実施形態のPLL回路は、PLL部100と、Jitter/Wander Detector部200と、Frequency Change Slope Detector部300と、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400と、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500と、を備える。
PLL部100は、外部からの制御パラメータでダイナミックに動作可能な、一般的な完全積分型ディジタルPLLである。
Jitter/Wander Detector部200は、FFT(Fast Fourier Transform)により、PLL部100の位相比較データ(Phase Data/Clock)からジッタ・ワンダ成分をリアルタイムに検出して処理する。
Frequency Change Slope Detector部300は、PLL部100の位相比較データ(Phase Data/Clock)から周波数の変動傾き(周波数変動状態)をリアルタイムに検出して処理する。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Jitter/Wander Detector部200からのジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)、及び、Frequency Change Slope Detector部300からの周波数変動情報(Frequency Change Information)に基づいて、PLL部100内のループゲインをリアルタイムに制御する。
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、Jitter/Wander Detector部200及びFrequency Change Slope Detector部300の動作を、各ユーザ設定データ(USER Setting)に基づいて自動的に制御するための情報を生成する。各ユーザ設定データ(USER Setting)としては、図5に示すように、以下の情報が挙げられる。
PLL Device Parameter(e.g.VCO gain etc.)
FFT Frequency Band Width
FFT Sampling Frequency
FFT Maximum Point
これらの情報は、後に説明する図18の処理で使用される。
PLL Device Parameterは、PLLの設計パラメータである。FFT Frequency Band Widthは、FFTの算出範囲である。FFT Sampling Frequencyは、位相差でもある周波数情報を、1秒間にサンプリングする回数である。FFT Maximum Pointは、FFTのポイント数である。
第1の実施形態のPLL回路の構成を図5に示す。本実施形態のPLL回路は、PLL部100の位相比較データ(Phase Data/Clock)からジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態をリアルタイムに検出して処理する。そして、第1の実施形態のPLL回路は、その結果をリアルタイムにPLL部100に反映することが可能なFeed Forward型PLL回路を構成する。その結果、第1の実施形態のPLL回路は、本来トレードオフ関係であるジッタ・ワンダ抑圧性能と周波数追従性能とについて、ジッタ・ワンダ抑圧性能を満足しつつ、高速な周波数追従性能を実現する。
<PLL部100の構成>
次に、PLL部100の構成について説明する。
PLL部100は、Phase Detector部101と、Digital Amp1部102と、Digital Amp2部103と、Integrator部104と、ADDER部105と、DAC部106と、VCO部107と、Divider部108と、を備える。
Phase Detector部101は、入力信号(Reference Clock)とVCO再生信号(Recovered Clock)との位相差を検出する。
Digital Amp1部102は、Phase Detector部101から出力された信号を増幅し、ADDER部105に入力する。
Digital Amp2部103は、Digital Amp1部102から出力された信号を増幅し、Integrator部104に入力する。
Integrator部104は、Digital Amp2部103から出力された信号の積分処理を行い、ADDER部105に入力する。
ADDER部105は、Digital Amp1部102から出力される信号とIntegrator部104から出力される信号とを加算処理し、その結果をディジタル信号として出力する。
DAC部106は、ADDER部105から入力されたディジタル信号をアナログ信号に変換する。
VCO部107は、DAC部106から出力されたアナログ信号に基づいて出力周波数を変化させる。
Divider部108は、VCO部107からの出力信号を分周する。
PLL部100において、Phase Detector部101、Digital Amp1部102、Digital Amp2部103及びIntegrator部104は、アンプゲインなどのパラメータを外部からDynamicに制御可能なFunction Blockである。
<Jitter/Wander Detector部200の構成>
次に、Jitter/Wander Detector部200の構成について説明する。
Jitter/Wander Detector部200は、Dithering Amp1部201と、Digital Filter部202と、FFT処理部203と、Absolute部204と、Dithering Amp2部205と、を備える。
Dithering Amp1部201は、PLL部100から入力されるPhase Data/ClockのFFT処理の高精度化を実現する。Dithering Amp1部201は、Phase Detector部101が出力する位相比較データが示すジッタ・ワンダの振幅を、予めn倍するディザリング乗算処理を行う。
Digital Filter部202は、PLL部100の位相比較データ(Phase Data/Clock)をFFT処理用データとするために、FFT処理の帯域を制限するフィルタ処理を行う。フィルタ処理に関しては、後ほど説明する。
FFT処理部203は、ジッタ・ワンダ成分を検出して処理する。
すなわち、FFT処理部203は、Digital Filter部202から入力されたデータから、PLL部100から入力される位相比較データに含まれるジッタ・ワンダ成分を検出する。そして、FFT処理部203は、FFTポイント毎のジッタ・ワンダ振幅を複素数として出力する。
Absolute部204は、FFT処理部203が出力する複素数を絶対値変換する。
Dithering Amp2部205は、FFTデータを本来の振幅値に戻すためのディザリング除算処理を行う。
すなわち、Dithering Amp2部205は、Dithering Amp1部201でn倍(n≧2)された、位相比較データが示すジッタ・ワンダの振幅を、1/n倍するディザリング除算処理を行う。以降、ディザリング乗算処理とディザリング除算処理とを合わせてディザリング処理と呼ぶことがある。ディザリング処理に関しては、Jitter/Wander Detector部200の処理動作の項で詳しく説明する。
Jitter/Wander Detector部200において、Dithering Amp1部201、Digital Filter部202、FFT処理部203、Dithering Amp2部205は、外部ユーザ情報(Corner Frequency,FFT Point,Dithering Amp Factor)に基づいて動作するFunction Blockである。
<Frequency Change Slope Detector部300の構成例>
次に、Frequency Change Slope Detector部300の構成例について説明する。
Frequency Change Slope Detector部300は、TAP部301と、Compare部302と、Phase Threshold部303と、を備える。
TAP部301は、PLL部100から入力される位相比較データ(Phase Data/Clock)をサンプリング時間毎に保持する。
Compare部302は、過去データと現在データとを比較する。
すなわち、Compare部302は、位相比較周期毎に位相比較データを保持可能なTAP部301からの過去の位相比較データと、PLL部100からの現在の位相比較データと、を比較する。Compare部302の動作に関しては、後で説明する。
Phase Threshold部303は、Compare部302から出力された位相変動量が閾値以上か否かを判断し、周波数急変があったかどうかの周波数変動情報(Frequency Change Information)をPLL Feed Forward Real−time Actuator部400に通知する。
Frequency Change Slope Detector部300において、TAP部301、Phase Threshold部303は、外部ユーザ情報(TAP Interval,Phase Threshold)に基づいてTAPインターバルやTAP数などを算出するFunction Blockである。
<PLL Feed Forward Real−time Actuator部400の機能>
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400の機能について説明する。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Jitter/Wander Detector部200からのジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)、及び、Frequency Change Slope Detector部300からの周波数変動情報(Frequency Change Information)に基づいて、PLL部100を制御するための信号を出力する。すなわち、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、PLL部100が、期待されるジッタ・ワンダ抑圧特性及び周波数追従特性を満足するように、PLL部100を制御する。このために、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、PLL部100内のDigital Amp1部102及びDigital Amp2部103のアンプゲインをリアルタイムに算出して設定する。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、さらに、PLL部100内のPhase Detector部101及びIntegrator部104のリセット制御をリアルタイムに実行する。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400の動作の詳細は、後ほどPLL Feed Forward Real−time Actuator部400の処理動作の項で説明する。
<Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500の機能>
次に、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500の機能について説明する。
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、Jitter/Wander Detector部200及びFrequency Change Slope Detector部300内の動作パラメータを、各ユーザ設定データ(USER Setting)に基づいて算出する機能を持つ。
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500の動作の詳細は、後ほどAutomatic Phase/Frequency Detection Controller部500の処理動作の項で説明する。
<第1の実施形態のPLL回路の処理動作>
次に、本実施形態のPLL回路の処理動作について説明する。
Telcordia/ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で勧告化されている出力ジッタ・ワンダ性能を満足させるためには、まず、基本となるPLL回路が必要である。
PLL部100は、入力されたOTN信号(Reference Clock)に同期した信号を再生する。
まず、Phase Detector部101は、入力信号(Reference Clock)と、VCO部107の出力をDivider108で分周した再生信号(Recovered Clock)と、の位相差を検出する。そして、Phase Detector部101は、検出した位相差を、位相差データ(Phase Data/Clock)としてDigital Amp1部102に出力する。
Digital Amp1部102は、Phase Detector部101から出力された信号の増幅処理を行う。そして、Digital Amp1部102は、その増幅処理を行った信号をDigital Amp2部103とADDER部105とに出力する。
Digital Amp2部103は、Digital Amp1部102から入力された信号の増幅処理を行う。そして、Digital Amp2部103は、その増幅処理を行った信号をIntegrator部104に出力する。
Integrator部104は、二次ループの積分処理を行う。そして、Integrator部104は、その積分処理を行った二次ループ信号をADDER部105に出力する。
完全積分型のPLLは、一次ループで周波数制御を行い、二次ループで位相制御を行う。ADDER部105は、この2つのループからの信号(一次ループ信号(First Loop Data/Clock)と二次ループ信号(Second Loop Data/Clock))とを加算する。そして、DAC部106は、その加算結果をディジタル・アナログ変換してアナログ信号としてVCO部107に出力する。VCO部107は、入力されたアナログ信号によって制御される周波数の信号を発生する。
上述したPLL部100の処理動作では、入力信号(Reference clock)に大きな振幅のジッタ・ワンダ成分がある場合や周波数の急変が発生した場合は、ジッタ・ワンダ成分が完全に抑圧されないまま出力信号(Recovered Clock)に現れてしまう。このため、本実施形態では、二つの検出回路(Jitter/Wander Detector部200及びFrequency Change Slope Detector部300)と、二つの制御回路(PLL Feed Forward Real−time Actuator部400及びAutomatic Phase/Frequency Detection Controller部500)と、を備えることによって、上記の問題を解決する。
<第1の検出回路;Jitter/Wander Detector部200の処理動作>
第1の検出回路であるJitter/Wander Detector部200は、PLL部100からの位相比較データ(Phase Data/Clock)を位相比較周期毎に受信する。
位相比較データは、Phase Detector部101が検出した、入力信号(Reference Clock)と、VCO部107の出力をDivider108で分周した再生信号(Recovered Clock)との位相差の振幅情報である。
ジッタ・ワンダ成分の処理には、一般的にFFT処理が用いられる。FFT処理では、FFTサンプリング周波数が高いほど精度の高い処理結果が得られる。しかし、FFTサンプリング周波数を高くするためには、高価なDSP(Digital Signal Processor)等のFFT処理デバイスが必要となる。また、ジッタ・ワンダの振幅が小さいと、FFT処理時の四捨五入等の処理により振幅に含まれる誤差が大きくなる場合がある。
このように、高い周波数でのFFTサンプリングを低価格なデバイスを用いて実現することは困難であるとともに、ジッタ・ワンダの振幅が小さい場合には、位相比較データをそのままFFT処理してもジッタ・ワンダ成分が正しく検出されない場合がある。
これらの課題を解決するために、Jitter/Wander Detector部200は、Dithering Amp1部201、及び、Dithering Amp2部205を備えるとともに、後述するように、FFT処理の負荷の軽減を図る手段を備えている。Dithering Amp1部201は、予め位相比較データが示すジッタ・ワンダの振幅をn(n≧2)倍する。Dithering Amp2部205は、FFT処理後にジッタ・ワンダの振幅を1/n倍する。これらのディザリング処理を行うDithering Amp1部201、及び、Dithering Amp2部205を備えることにより、FFT処理部203におけるFFT処理の高精度化が図られる。
ここで、nは、予め設定された2以上の数である。
動作イメージを図6及び図7に示す。
図6は、FFT処理の高精度化を説明するための第1の図である。
図6は、位相比較データをそのままFFT処理した場合の出力振幅を示す。ここでは、ジッタの振幅の分解能を「3.2ns(311.04MHz)」として説明する。
以下の説明において、「1bit幅のジッタが発生した」とは、3.2nsのジッタが発生したことを示す。
図6(a)においては、10回のサンプリング中2回のみ1bit幅のジッタが実際に発生している。しかし、実際のFFT処理の出力データにおけるジッタ振幅は、FFT処理内バタフライ演算などにおける四捨五入等の処理により、0bitすなわち0nsになってしまう。
同様に、図6(b)においては、サンプリング10回中8回の1bit幅のジッタが実際に発生している。しかし、実際のFFT処理の出力データにおけるジッタ振幅は、1bitすなわち3.2nsの振幅となってしまう。
つまり、PLLサンプリング周期が3.2nsの場合には、3.2ns以下のジッタ振幅を検出できない。
図7は、FFT処理の高精度化を説明するための第2の図である。
図7においては、上記問題を改善するために、予め位相比較データにおけるジッタ振幅を10倍(n=10)し、FFT処理の出力データにおけるジッタ振幅を1/10倍にすることで、PLLサンプリング周期以下の分解能でもジッタ振幅を検出できるようにしている。
実際のFFT処理においては、Digital Filter部202は、FFT処理が行われる周波数範囲に基づいて、帯域制限を行う。そして、FFT処理部203は、Digital Filter部202の出力に対してFFT処理を行う。さらに、Absolute部204は、FFT処理部203の出力である複素数を絶対値に変換して出力する。Dithering Amp2部205は、FFT処理後のジッタ・ワンダの振幅を1/n倍して、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400にジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)として出力する。
本実施形態においては、以下に説明するように、FFT処理部203における、FFT処理の負荷の軽減を図っている。その結果、安価なDSP(Digital Signal Processor)などのFFT処理デバイスでも上記の処理が可能となる。
FFT処理の負荷軽減化するための処理イメージを図8に示す。例えば、1Hz〜1kHzの範囲でFFT処理する場合、通常は1000〜10000ポイントのFFTポイントが必要である。DSPなどのプロセッサ性能にもよるが、リアルタイムに1000〜10000ポイントのFFTを実行するためには、高価なDSPやFPGA(Field Programmable Gate Array)などが必要である。例えば、10Hz以上の帯域では、1Hzポイント単位でFFT処理した場合、10Hz・11Hz・12Hz・13Hz・・・や100Hz・101Hz・102Hz・・・でFFT処理が行われる。これは、本実施形態において必要とされるFFT処理においては、過剰な処理となる場合がある。
本実施形態では、このような過剰な処理の発生によるPLL回路の価格上昇を回避するために、FFT分割処理を行う。FFT分割処理とは、図8に示すように、FFT周波数毎にサンプリング周波数を変化させる処理である。FFT分割処理を行うことで、従来では1000〜10000ポイント必要だったFFTポイント数を例えば以下に説明するように384ポイントとすることができる。すなわち、FFT分割処理によって、FFTポイント数が通常の処理の約1/3〜1/26に低減される。
具体的には、FFT帯域をLOG decadeスケール単位で分割する。100Hz〜1kHz帯域では、FFTサンプリング周波数を従来と同様の10kHzとし、ポイント数を128ポイントとすることで、分解能が78HzのFFT処理が行われる。
同様に10Hz〜100Hz帯域では、FFTサンプリング周波数を従来の1/10の1kHzとし、ポイント数を128ポイントとすることで、分解能が7.8HzのFFT処理が行われる。また、1Hz〜10Hz帯域では、FFTサンプリング周波数を従来の1/100の100Hzとすることで、分解能が0.78HzのFFT処理が行われる。
従って、FFT分割処理によって、FFTポイント数は128×3=384ポイントとなる。
FFT分割処理を行う場合は、前段のDigital Filter部202が分割した帯域の数だけ必要となる。しかし、FFTポイント数の減少による処理量の低減と比較すれば、Digital Filter部202の増加は全体の処理に大きな影響はない。
なお、本来FFT処理を行う場合は、有限長サンプリングデータを無限長サンプリングデータとして扱うため、有限長サンプリングデータの始点と終点とに必ず不連続点が発生する。このため、その不連続点によって発生しうるジッタ・ワンダの誤検出を少なくするために、一般的には窓関数が使用される。
しかし、図8に示すFFT分割処理を採用すると、有限長サンプリングデータの不連続点の存在に起因する、ジッタ・ワンダ誤検出が発生しうる領域はFFT処理に使用されない。このため、本実施形態においては窓関数を使用する必要がない。従って、FFT分割処理の採用によってDSPの負荷軽減を図ることが可能となる。その理由は、例えば10kHzサンプリングの場合は、FFTポイントが存在する演算範囲は80Hz〜5kHzであるのに対して、実際の解析範囲は100Hz〜1kHzであることから、高周波側と低周波側の領域はFFT解析には使用されないからである。
Jitter/Wander Detector部200は、以上の手順によってリアルタイムに検出して処理したジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)に基づいたPLLパラメータを、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400に出力する。
ここで、Jitter/Wander Detector部200でリアルタイムに検出して解析したジッタ・ワンダ情報によるPLL部100の制御の詳細については、第1の制御回路であるPLL Feed Forward Real−time Actuator部400の処理で説明する。
<第2の検出回路;Frequency Change Slope Detector部300の処理動作>
第2の検出回路であるFrequency Change Slope Detector部300は、Jitter/Wander Detector部200と同様に、PLL部100からの位相比較データ(Phase Data/Clock)を位相比較周期毎に受信する。
Frequency Change Slope Detector部300は、ある任意の時間間隔における、位相比較データが示す位相変動量を計測することで、周波数の急変を検出する。具体的には、Compare部302は、位相比較周期毎に位相比較データを保持可能なTAP部301からの過去の位相比較データと、PLL部100からの現在の位相比較データとを比較する。そして、Frequency Change Slope Detector部300は、位相比較周期毎の位相変動量を検出し、その位相変動量を、以下の算出式に代入し、周波数の急変があったかどうかを判断する。
[2πΔf(Hz)]/[直流ループゲイン]=[位相変動量(ラジアン)]・・・式1(既知の関数)
[2π]=位相比較周期(sec)=1/位相比較周波数(Hz)・・・式2(既知の関数)
[Δf]=周波数変動分(Hz)=位相比較周波数(Hz)×周波数変動量(ppm)・・・式3(既知の関数)
[(1/位相比較周波数)×(位相比較周波数×周波数変動量)×(1/直流ループゲイン)]=[周波数変動量(ppm)]/[直流ループゲイン]=[位相変動量(sec)]・・・式4(既知の関数)
ここで、Phase Threshold部303は、外部から設定された位相変動閾値(周波数急変閾値)に基づいて、Compare部302から出力された位相変動量が閾値以上か否かを判断する。そして、Phase Threshold部303は、Compare部302から出力された位相変動量が閾値以上の場合に、周波数の急変があった旨の周波数変動情報(Frequency Change Information)をPLL Feed Forward Real−time Actuator部400に通知する。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、PLL部100の動作を周波数の急変に対して高速に追従させる。このために、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、周波数変動情報(Frequency Change Information)に基づいて、PLL部100内のPhase Detector部101やIntegrator部104のリセット制御を行う。
ここで、Phase Detector部101へのリセット制御を行うことで、Phase Detector部101は周波数情報がクリアされ,リセット直後の周波数から同期(検出)を開始する。また、電源投入時にIntegrator部104のリセット制御を行うことで、Integrator部104の位相情報がクリアされるため、Integrator部104は、リセット直後の位相で同期(積算)を開始する。
更に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、PLL部100内のDigital Amp1部102及びDigital Amp2部103のアンプゲインをリアルタイムで制御する。
このように、Frequency Change Slope Detector部300は、リアルタイムに検出及び処理した周波数変動情報(Frequency Change Information)に基づいて、PLL部100の動作を周波数の急変に対して高速に追従させる。その結果、PLL部100は、SDH信号またはEthernet信号の周波数急変時に発生しうる回線障害や、多段接続時の障害復旧時に発生しうる周波数異常アラームを抑制することができる。
ここで、Frequency Change Slope Detector部300がリアルタイムに検出及び処理した周波数変動情報によるPLL部100の制御の詳細については、以下のPLL Feed Forward Real−time Actuator部400の処理動作の項で説明する。
<第1の制御回路;PLL Feed Forward Real−time Actuator部400の処理動作>
第1の制御回路であるPLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Jitter/Wander Detector部200から入力されたジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)、及び、Frequency Change Slope Detector部300から入力された周波数変動情報(Frequency Change Information)を収集する。そして、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、それらの情報に従ってPLL部100を制御する。まず、Jitter/Wander Detector部200からのジッタ・ワンダ情報に従って、Real−time Actuator部400がPLL100部を制御する手順について説明する。
Jitter/Wander Detector部200は、ジッタ・ワンダ情報として、FFT解析した結果を出力する。FFT解析結果とは、FFTポイント毎の周波数情報及び振幅情報である。ここで、ジッタの振幅情報はPLLサンプリング周期(3.2ns)1bitを単位として表される。PLLサンプリング周期はPLLサンプリング周波数(位相差を1秒間にサンプリングする回数)の逆数である。本実施形態では、PLLサンプリング周波数を311.04MHzとしているので、PLLサンプリング周期は3.2nsとなる。すなわち、振幅情報1bitあたりのジッタ・ワンダ振幅を3.2nsとして説明する。
図9にPLL部100のジッタ・ワンダ抑圧特性(等価的にはローパスフィルタ)とジッタ計測器内ハイパスフィルタによる抑圧特性との合成特性を示す。細実線が、PLL部100内のジッタ・ワンダ遮断周波数(fc=Corner Frequency)が10Hz時のジッタ・ワンダ抑圧特性(デフォルト特性)である。ここでは、PLL部100のジッタ・ワンダ抑圧特性は、−20dB/decadeの傾きであるとする。細点線は、ITU−T O.172で勧告化されているジッタ計測器のフィルタ特性である。ジッタ計測器のフィルタは、fc=20kHzのハイパスフィルタ(HPF)である。
これら2つのジッタ・ワンダ抑圧特性を合成した合成特性、すなわちジッタ計測器にて計測される見た目上のジッタ・ワンダ抑圧性能は、太点線に示す特性となる(図9に示すTotal(LPF+HPF))。
図9の太点線は、10Hz〜20kHzの周波数範囲では、−66dBのジッタ抑圧性能があることを示す。但し、実際の特性は、PLL回路のデバイス誤差や計測器の計測誤差などを含んでいる。従って、これらの誤差をマージンとして考慮すると、グラフ上でジッタの抑圧量が「−66dB」となっているポイントにおいて得られる、実際のジッタ抑圧量は「−50dB」程度となる(図9に太実線で示すTotal(デバイス誤差考慮))。
この場合は、図9に示す太実線の10Hz以下及び20kHz以上の部分を延長した直線とJitter/Wander Gain=0dBの直線との交点の周波数から、LPFのfcは100Hz、HPFのfcは3kHz程度と考えることができる。
本実施形態では、このマージン分を考慮した上で説明する。
図10〜図12に被計測対象物(DUT:Device Under Test)に対する入力ジッタ周波数及び振幅と出力計測ジッタ周波数及び振幅の関係を示す。
なお、本実施形態では、1UIがSTM64のレート(9953.28MHz)の場合について説明する。
DUTの内部規格である「0.05UIp−p」の根拠は、以下の通りである。Telcordia/ITU−Tでは、ジッタ規格が「0.3UIp−p以下」と規定されている。この規格を満足させるために、OTN/SDHデバイスそのものが持つ残留ジッタ・ワンダ成分を「0.1UIp−p」とし、ジッタ計測器の残留ジッタ・ワンダ成分を「0.1UIp−p」とした。そして、残り「0.1UIp−p」中においてマージン分を考慮すると、「0.05UIp−p」までジッタ・ワンダ抑圧をさせる必要がある。その結果、DUTの内部規格を「0.05UIp−p」とした。
図10の左上の図は、入力ジッタ・ワンダ周波数が10Hz、入力ジッタ・ワンダ振幅が311.04MHz 1bit(32UIp−p)である場合の出力計測結果である。この時のジッタ振幅は、「0.1UIp−p」となるので、DUT内部規格である「0.05UIp−p」以内を満足することができない。
なお、図10において、棒グラフの縦軸はジッタ・ワンダ振幅を示す。また、例えば32UIp−p(311.04MHz 1bit)とは、ジッタ・ワンダの振幅が32UIp−pであり、その振幅はPLLサンプリング周波数が311.04MHzである場合の1ビット(3.2ns)であることを示す。
同様に、図11は、入力ジッタ・ワンダ周波数50Hz,入力ジッタ・ワンダ振幅が311.04MHz 4bit(128UIp−p)である場合の出力計測結果を示す。図12は、入力ジッタ・ワンダ周波数が100Hz、入力ジッタ・ワンダ振幅が311.04MHz 2bit(64UIp−p)である場合の出力計測結果を示す。
図10〜図12に示すように、何れの出力計測結果もDUT内部規格である「0.05UIp−p」以内を満たすことはできない。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、上記問題を解決するため、入力ジッタ・ワンダ検出・解析情報に基づいて、以下の式6からfcを算出し、リアルタイムにジッタ・ワンダ成分に応じたジッタ・ワンダ抑圧制御を行う。これにより、fcが常時低い場合(例えば、fc=0.1Hzなど)に発生する、入力周波数追従性能の低下に伴う出力ワンダの増加を改善することができる。すなわち、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400はジッタ・ワンダが少ない場合には追従性能を上げ、ジッタ・ワンダがある程度存在する場合には、その周波数・振幅に見合うようにジッタ・ワンダ抑圧性能を改善するように、ジッタ・ワンダ抑圧制御を行う。
詳細を以下具体例1〜3、及び、図13〜図15に示す。
図13〜図15は、本願発明の実施形態における、被計測対象物(DUT:Device Under Test)に対する入力ジッタ周波数及び振幅と出力計測ジッタ周波数及び振幅の関係を示す第1〜第3の図である。
なお、以下の説明において、「デフォルトfc」とは、fcの初期値(10Hz)を意味する。
具体例1は、ジッタ・ワンダ周波数が10Hz,ジッタ・ワンダ振幅がPLLサンプリング周期1bit発生(32UIp−pに相当)、という場合である(図13(a))。この場合、ジッタ・ワンダ振幅を「0.05UIp−p」以下に抑圧するためには、20Log(0.05/32)≒−56dBであるから、「−56dB」以下のジッタ・ワンダ抑圧性能が必要である。
また、図9において、10Hzにおけるジッタ・ワンダ抑圧量は50dBである。従って、ジッタ・ワンダ抑圧性能を−56dBとするためには、(−56dB)−(−50dB)=−6dBであるから、ジッタ・ワンダ抑圧性能を6dB改善する必要がある。このため、この後で説明する式5を用いて、fcをf1に変更する。具体例1では、式6において、V2=−6dBとして、f1=5Hzが得られるので、fcがデフォルトfc=10Hzからfc=5Hzに変更される(図13(b)、(c))。LPFのfcがfc=5Hzに変更された結果、10Hzのジッタ・ワンダにおいて−56dBのジッタ・ワンダ抑圧特性が得られる。この場合のジッタ・ワンダ抑圧合成特性は図13(d)のようになる。そして、ジッタ・ワンダ振幅は要求値である0.05UIp−pを満たす(図13(e))。
具体例2は、ジッタ・ワンダ周波数が50Hz,ジッタ・ワンダ振幅がPLLサンプリング周期4bit発生(128UIp−pに相当)、という場合である(図14(a))。この場合、ジッタ・ワンダ振幅を「0.05UIp−p」以下に抑圧するためには、20Log(0.05/128)≒−68dBであるから、「−68dB」以下のジッタ・ワンダ抑圧性能が必要である。具体例2では、(−68dB)−(−50dB)=−18dBであるから、ジッタ・ワンダ抑圧性能を18dB改善する必要がある。具体例1と同様に式6を用いた計算により、デフォルトfcがfc=10Hzからfc=1.26Hzに変更される(図14(b)、(c))。LPFのfcがfc=1.26Hzに変更された結果、50Hzのジッタ・ワンダにおいて−68dBのジッタ・ワンダ抑圧特性が得られる。この場合のジッタ・ワンダ抑圧合成特性は図14(d)のようになる。そして、ジッタ・ワンダ振幅は要求値である0.05UIp−pを満たす(図14(e))。
具体例3は、ジッタ・ワンダ周波数が100Hz,ジッタ・ワンダ振幅はPLLサンプリング周期2bit発生(64UIp−pに相当)、という場合である(図15(a))。具体例1、2と同様の計算により、ジッタ・ワンダ振幅を「0.05UIp−p」以下に抑圧するためには、「−62dB」以下のジッタ・ワンダ抑圧性能が必要である。
具体例3においては、(−62dB)−(−50dB)=−12dBであるから、ジッタ・ワンダ抑圧性能を改善するために、デフォルトfcがfc=10Hzからfc=2.51Hzに変更される(図15(b)、(c))。LPFのfcがfc=2.51Hzに変更された結果、100Hzにおいて−62dBのジッタ・ワンダ抑圧特性が得られる。この場合のジッタ・ワンダ抑圧合成特性は図15(d)のようになる。そして、ジッタ・ワンダ振幅は要求値である0.05UIp−pを満たす(図16(e))。
以上の計算により、DUTは、ジッタ・ワンダ振幅の内部規格である0.05UIp−pを満足する。
−20dB/decade=[20LOG(V1/V2)]/[LOG(f1/f2)]・・・式5(既知の関数)
式5は、図9に記載した、横軸に周波数、縦軸に振幅をそれぞれ対数目盛でプロットしたジッタ・ワンダ抑圧特性の傾きを表す。
式5において、−20dB/decadeはカットオフ周波数以上の領域でのLPFの減衰率、V1及びV2はジッタ・ワンダ振幅,f1及びf2はジッタ・ワンダ周波数を示す。
従って、式5をf1について解き、V1=0dB,f2=10Hzとすれば、以下の式6からfcを算出することができる。
fc=f1=10^[−LOG((10^(0dB/20))/(10^(V2dB/20)))]×10Hz・・・式6
このように、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Jitter/Wander Detector部200からのジッタ・ワンダ情報に基づいて、上記式6から常に最適なジッタ・ワンダ遮断周波数を算出する。そして、その算出したジッタ・ワンダ遮断周波数(=fc)に見合ったアンプゲインをPLL部100内のDigital Amp1部102及びDigital Amp2部103に設定する。その結果、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、リアルタイムにジッタ・ワンダ抑圧を行うことができる。
なお、本実施形態における、ジッタ・ワンダ遮断周波数(=fc)からアンプゲインを算出する過程は既知であるため、具体的な算出方法についての説明は省略する。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、さらに、Frequency Change Slope Detector部300からの周波数変動情報に従ったPLL制御を行う。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、PLL部100を高速追従させるために、周波数変動情報によってPLL部100内のPhase Detector部101をリセットする。更に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、PLL部100内のDigital Amp1部102及びDigital Amp2部103のアンプゲインをリアルタイムに制御する。これにより、PLL部100が、周波数に対して高速に追従して動作することを可能にしている。
なお、図5には、Integrator Reset信号が記載されている。本信号は、PLL部100が電源投入(Power Up)などから動作開始した場合に、PLL部100を高速追従させるための機能である。
実際に周波数の急変が発生した場合の具体例を図16に示す。
図16中の実線は、デフォルトfc=10Hz時の位相・周波数特性である。
この場合、入力周波数差が−100ppmから+100ppmに急変した場合、図16の(a)に示すように、位相変動量が、OTN非同期スタッフメモリ容量(MEM)から定まる許容量である1μsを超え、回線に障害を与えてしまう。そのため、予めFrequency Change Slope Detector部300のPhase Threshold部303には、位相変動閾値が設定される。そして、Frequency Change Slope Detector部300は、位相変動量が位相変動閾値を超えた場合に、周波数の急変が発生した旨の周波数変動情報をPLL Feed Forward Real−time Actuator部400に通知する。PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、その周波数変動情報の通知を受けると、PLL部100内のDigital Amp1部102及びDigital Amp2部103のアンプゲインをリアルタイムに変更する。
図16では、一例として、周波数変動量を200ppm、OTN非同期スタッフメモリ容量から定まる位相変動の許容量1μs、検出閾値を128bit(311.04MHzサンプリング)としている。
検出閾値は、ITU−T Jitter Tolerance Maskの規定に従って、64bit以上、かつ、メモリ容量の約半分において、周波数急変閾値を検出することとして設定されている。これらについては、後述するAutomatic Phase/Frequency Detection Controller部500で自動設定することができる。図16に示した例では、周波数変動量が周波数変動閾値を超えた場合、fcを10Hzから100Hzに変更している。実際は以下の式を用いてfcを算出する。
[Pull−in/Hold−in Range(ppm)]/[直流ループゲイン]=[メモリ容量で定まる位相変動許容量/2(sec)]・・・式7
ここで、Pull−in/Hold−in RangeはPLL部100の周波数引き込み範囲である。
fc=[直流ループゲイン]/[2π]・・・式8(既知の関数)
上記式7及び式8より、以下の式9が、周波数急変の発生時のfcとなることが導かれる。
fc≧[Pull−in/Hold−in Range]/[メモリ容量/2]/[2π]・・・式9
具体例として、Pull−in/Hold−in Range=200ppm,メモリ容量を1μsとする。この場合、fc≧63.66Hzであれば、周波数急変の発生時にも、メモリスリップを発生させることなく、高速追従動作が可能である。
以上説明したPLL Feed Forward Real−time Actuator部400の処理動作例(PLL Feed Forward Real−time Actuation Flow)を図17に示す。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Jitter/Wander Detector部200からジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)を受信する。そして、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Frequency Change Slope Detector部300から周波数変動情報(Frequency Change Information)を受信する(ステップS1)。ジッタ・ワンダ情報(Jitter/Wander Information)としては、FFT Frequency,FFT Gain(311.04MHz 1bit/Dithering bit)等が挙げられる。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Frequency Change Informationに基づいて、周波数の急変があったかどうかを判断する(ステップS2)。周波数の急変があった場合は(ステップS2/Yes)、DUTのPull−in/Hold−in Range(ppm)及びMemory Depth/2(sec)からfcを算出する(ステップS3)。
Memory Depthは、OTN信号をSDH信号またはEthernet信号へ変換するためのメモリ容量である。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、ステップS3で算出したfcに見合ったアンプゲインを算出する(ステップS4)。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Integrator Reset,Phase Detector ResetをPLL部100に送信する。Integrator Resetは、Integrator部104をリセットする信号である。Phase Detector Resetは、Phase Detector部101をリセットする信号である。更に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Amp1 Parameter,Amp2 ParameterをPLL部100に送信し、Digital Amp1部102及びDigital Amp2部103に、ゲインとしてそれぞれAmp1及びAmp2を設定する(ステップS5)。
なお、Integrator Resetは、PLL部100の電源投入時にのみ行われる。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、ステップS2における、周波数の急変の判断を優先して行う。その結果、周波数の急変による実際の回線障害を未然に防止することができる。
PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、周波数の急変がない場合は(ステップS2/No)、全てのFFTポイントのジッタ・ワンダから最大振幅値(A)を検出する(ステップS6)。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、ステップS6で検出した最大振幅値(A)において必要となる、ジッタ・ワンダ抑圧ゲイン(B)を算出する(ステップS7)。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、ステップS7で算出した情報に基づいてジッタ・ワンダ遮断周波数fcを算出し、その周波数をfc_fftとする(ステップS8)。
fcの算出は、すでに説明したように、式6によって行われる。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、ステップS8で算出したfc_fftが10Hz以上の場合は(ステップS9/No)、fcを上げる必要はないので、現在のfcの値を更新しない(10Hz→fc;ステップS11)。ステップS8で算出したfcが10Hz未満の場合の場合は(ステップS9/Yes)、fcを更新する(ステップS10)。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、fc情報に見合ったアンプゲインを算出する(ステップS12)。
次に、PLL Feed Forward Real−time Actuator部400は、Digital Amp1部102及びDigital Amp2部103に、ゲインとしてそれぞれAmp1及びAmp2を設定する(ステップS13)。
以上説明したように、本実施形態のPLL回路は、オーブン制御水晶発振器などの高価なデバイスを搭載することなく、多段接続時に発生しうるカスケードワンダなどの、従来は予測不可能であったワンダ成分を抑圧することができる。
<第2の制御回路;Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500の処理動作>
第2の制御回路であるAutomatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、Jitter/Wander Detector部200及びFrequency Change Slope Detector部300内の動作を自動で最適化する機能を持つ。
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500の処理動作例(Automatic Phase/Frequency Detection Control Flow)を図18に示す。
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500には、各ユーザ設定データ(USER Setting)が入力され(ステップA1)、入力された各ユーザ設定データに基づいて、FFTポイント数の算出処理を行う(ステップA2)。各ユーザ設定データ(USER Setting)としては、例えば、以下の情報が挙げられる。
位相比較方式(e.g.EX−OR,SR−FF,D−FF etc.)
位相比較周波数(Hz)
PLLサンプリング周波数(Hz)
VCO可変特性(ppm/V)
VCO APR(ppm)
Pull−in/Hold−in Range(ppm)
Memory Depth(sec)
FFT Frequency Band Width
FFT Sampling Frequency
FFT Maximum Point
各ユーザ設定データ(USER Setting)の意味は次の通りである。位相比較方式は、位相比較器の回路方式である。位相比較周波数は、Phase Detector部101において1秒間に位相比較を行う回数である。PLLサンプリング周波数は、位相差を1秒間にサンプリングする回数である。VCO可変特性はVCOの周波数変換利得、VCO APR(Absolute Pulling Range)はVCOの絶対周波数可変幅である。Pull−in/Hold−in RangeはPLLの周波数引き込み範囲である。Memory Depthは、OTN信号をSDH信号またはEthernet信号へ変換するためのメモリ容量である。FFT Frequency Band WidthはFFT解析を行う周波数範囲である。FFT Sampling Frequencyは位相差でもある周波数情報を、1秒間にサンプリングする回数である。FFT Maximum Pointは、FFTの最大ポイント数である。
そして、図18のステップA6にある「Frequency Settling Time at a Phase Threshold Point」は、PLL引き込み時間、すなわち周波数が位相変動閾値まで引き込まれる時間である。この時間は、周波数変動前の位相から周波数変動後の位相までの時間を示す。この値を算出するために、位相比較方式、位相比較周波数、PLLサンプリング周波数、VCO可変特性及びVCO APRの情報が使用される。
また、図18のステップA2では,FFT Frequency Band Width、FFT Sampling Frequency及びFFT Maximum Pointの情報を使用する。
さらに、図18のステップA5では、Memory Depthの情報が使用される。
本実施形態では、各ユーザ設定データは、以下のようになっているものとする。
位相比較方式→D−FF
位相比較周波数(Hz)→100kHz
PLLサンプリング周波数(Hz)→311.04MHz
VCO可変特性(ppm/V)→100ppm/1V
VCO APR(ppm)→150ppm
Pull−in/Hold−in Range(ppm)→±100ppm
Memory Depth(sec)→1μs
FFT Frequency Band Width→1Hz〜1kHz
FFT Sampling Frequency→10kHz
FFT Maximum Point→500Point
<ステップA2;FFTポイント数算出>
以下の説明で、FFT Band Width Low Frequencyは、FFT解析を行う周波数範囲の下限の周波数である。FFT Band Width High Frequencyは、FFT解析を行う周波数範囲の最高周波数である。
また、FFT Pointは、FFT解析を実行するポイント数である。decade Numberは、分割したFFT帯域の数である。
まず、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、ユーザ設定データが以下の式を満足するか否かを判定する(ステップA21)。
FFT Sampling Frequency/FFT Band Width Low Frequency<FFT Max Point
ユーザ設定データが上記の式を満足する場合は(ステップA21/Yes)、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、FFT PointをFFT sampling Frequency/FFT Band Width Low Frequencyに設定する(ステップA22)。
また、ユーザ設定データが上記の式を満足しない場合は(ステップA21/No)、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、FFT周波数範囲をdecade毎に分割する。そして、decade毎のFFTポイント数をFFT Pointとする(ステップA23)。
FFT Point→Partition/decade
そして、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、FFT PointをFFT Max Point/decade Numberから求める(ステップA24)。
例えば、FFT周波数範囲が1Hz〜1kHzで、FFTサンプリング周波数が10kHzの場合、通常FFTポイント数は10kHz/1Hz=10000ポイントとなる。しかし、FFT解析能力の問題からFFT最大ポイント数が500ポイントに制限される場合は、期待したポイント数でFFT解析できない(ステップA21/No)。この場合、周波数Decade単位でFFT周波数を分割する(ステップA23)。この場合、FFT周波数範囲は、1Hz〜10Hz,10Hz〜100Hz,100Hz〜1kHzの3帯域に分割されることになる。
実際のFFTポイント数は、500ポイント/3分割=166ポイントと算出できる(ステップA24)。一般的にFFTポイント数は、2のべき乗であるので、最終的には、128ポイント×3帯域でFFT解析を実行することになる。
次に、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、FFT解析のためのDigital Filterの遮断周波数(fc)の算出を行う(ステップA3)。
<ステップA3;Digital Filterの遮断周波数算出>
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、ステップA21において、FFT sampling Frequency/FFT Band Width Low FrequencyがFFT Max Pointより小さい場合は(ステップA21/Yes)、Digital Filter fcをFFT Band Width High Frequencyに設定する(ステップA31)。
また、ステップA21において、FFT sampling Frequency/FFT Band Width Low FrequencyがFFT Max Point以上の場合は(ステップA21/No)、FFT解析を行う帯域が分割される。そして、Digital Filter fcには、分割されたFFT解析帯域ごとの上限の周波数であるFFT Band Width High Frequencyが設定される(ステップA32)。
例えば、FFT周波数範囲が100Hz〜1kHzで、FFTサンプリング周波数が10kHz、最大FFTポイント数が500ポイントの場合、FFTポイント数は100ポイントとなる。このため、遮断周波数は、FFT周波数範囲の高周波側の1kHzとなる(ステップA31)。
また、FFT周波数範囲が1Hz〜1kHzで、FFTサンプリング周波数が10kHz、最大FFTポイント数が500ポイントの場合、FFTポイントは前記の通り、128ポイント×3帯域となる。このため、FFT分割帯域毎の最高周波数である1kHz,100Hz,10Hzが、遮断周波数として算出されることになる(ステップA32)。
次に、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、FFT解析の高精度化のためのディザリング処理用アンプゲインの算出を行う(ステップA4)。
<ステップA4;FFTディザリング処理用アンプゲイン算出>
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、Dithering Amp Factorを(1/PLL Sampling Frequency)×(1/100ps)に設定する(ステップA41)。
Dithering Amp Factorは、Dithering Amp1部201のアンプゲインである。
期待するジッタ・ワンダの検出精度にもよるが、一般的に10Gbps信号のジッタ処理を行う場合には、最低でも「100ps(10Gbps 1bit分解能)」の精度は必要である。このため、ディザリング処理によって、PLLサンプリング周期が疑似的に100psとなるようにジッタ・ワンダの振幅に処理を加える必要がある。
実際のJitter/Wander Detector部200内Dithering Amp1部201では、ジッタ・ワンダの振幅にDithering Amp1部201のアンプゲインを乗算し、Dithering Amp2部205では、逆にジッタ・ワンダの振幅をDithering Amp2部205のアンプゲインで除算することになる。例えば、PLLサンプリング周期が3.2nsの場合は、Dithering Amp1部201でジッタ・ワンダ振幅を32(=3.2ns/100ps)倍し、Dithering Amp2部205でジッタ・ワンダ振幅を1/32倍するディザリング処理を行うことになる。
次に、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、周波数変動検出のための位相変動閾値の算出を行う(ステップA5)。
<ステップA5;位相変動閾値算出>
以下において、Memory Slip Pointはメモリスリップが発生する位相差であり、Memory Depthに等しい。Jitter Tolerance Mask 311.04MHz 64bitは、ITU−Tで規定された、PLLサンプリング周波数が311.04MHzの場合における周波数変動閾値である。この閾値は、位相変動閾値検出後の高速追従速度を考慮し、メモリ容量の1/2とする。但し、入力ジッタ成分が周波数急変状態として誤検出されないように、閾値は、国際勧告化されているJitter Tolerance Mask上の最大ジッタ振幅である311.04MHz 64bit分以上とする。
まず、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、以下の式を満足するか否かを判定する(ステップA51)。
Memory Depth/2=Memory Slip Point/2 < Jitter Tolerance Mask 311.04MHz 64bit
Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、上記式を満足する場合は(ステップA51/Yes)、Phase ThresholdをMemory Slip Point/2に設定する(ステップA52)。
また、上記式を満足しない場合は(ステップA51/No)、Phase Thresholdを64bitに設定する(ステップA53)。
次に、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、周波数の急変を検出するための過去データ保持周期の算出を行う(ステップA6)。
<ステップA6;過去データ保持周期算出>
まず、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、以下の式が満足されるか否かを判定する(ステップA61)。PLL Phase Compare Timeは、位相比較周期であり、位相比較周波数の逆数である。また、TAP Intervalは、過去データを保持するためのTAP数である。
Frequency Settling Time at a Phase Threshold Point < PLL Phase Compare Time
そして、Automatic Phase/Frequency Detection Controller部500は、上記式が満足される場合は(ステップA61/Yes)、TAP Intervalを1に設定する(TAP Interval=1;ステップA62)。
また、上記式が満足されない場合は(ステップA61/No)、TAP IntervalをFrequency Settling Time at a Phase Threshold Point/PLL Phase Compare Timeに設定する(TAP Interval=Frequency Settling Time at a Phase Threshold Point/PLL Phase Compare Time;ステップA54)。
本実施形態の周波数急変検出方法は、PLL位相比較周期毎に位相データを保持可能なTAP部301からの過去データとPLL部100からの現在データとを比較する。しかし、PLL位相比較周期によっては、周波数急変による位相変動時間が短いと、周波数の急変を検出することができない。これは、周波数の急変が、見かけ上、ワンダに同期するからである。従って、過去データを保持するためのTAP数を周波数引き込み時間分確保する必要がある。
例えば、位相比較周波数100kHz(=10μs)で、位相変動閾値までの引き込み時間が約2msの場合は、TAP数が200(=2ms/10μs)以上必要である。
なお、TAP数は自然数であるので、上記の除算が割り切れない場合は、除算結果の小数点以下を切り上げて得られる整数をTAP数とすればよい。
<第1の実施形態のPLL回路の作用・効果>
このように、本実施形態のPLL回路は、PLL部100の位相比較データに基づいて、ジッタ・ワンダ成分及び周波数急変状態をリアルタイムに検出して処理し、その結果に基づいて、PLL部100のループゲインを制御する。これにより、本来トレードオフ関係であるジッタ・ワンダ抑圧性能と周波数追従性能とについて、ジッタ・ワンダ抑圧性能を満足しつつ、高速な周波数追従性能を同時に実現することができる。
また、第1の実施形態のPLL回路は、0スタッフジッタをSDH信号などの周波数監視で検出するのではなく、PLL部100の位相比較データに基づいて、ジッタ・ワンダ成分をFFT解析によりリアルタイムに検出して処理する。そして、第1の実施形態のPLL回路は、ジッタ・ワンダ成分の処理結果をリアルタイムにPLL部100に反映することでジッタ・ワンダを抑圧する。その結果、第1の実施形態のPLL回路は、システムを安価に実現することができる。
また、第1の実施形態のPLL回路は、カスケードワンダの発生を予測するのではなく、PLL部100の位相比較データに基づいて、ジッタ・ワンダ成分をFFT解析によりリアルタイムに検出して処理し、その結果をリアルタイムにPLL部100に反映する。これによって、本実施形態のPLL回路は、カスケードワンダを抑圧することができる。
また、第1の実施形態のPLL回路は、PLL部100の位相比較データに基づいて、周波数変動状態をリアルタイムに検出して処理する。そして、本実施形態のPLL回路は、その結果をリアルタイムにPLL部100に反映することで周波数追従性能を確保することができる。
なお、上述した第1の実施形態は、本願発明の好適な実施形態の一つを示したものである。そして、上記実施形態のみに本願発明の範囲は限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した図5に示すPLL回路を構成する各部100,200,300,400,500の制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
また、第1の実施形態におけるPLL回路は、一次ループ及び二次ループを備えた構成を例にとって説明した。しかし、本願発明の回路を、実施形態で説明した構成以外のPLL回路にも適用してもよい。
さらに、第1の実施形態におけるPLL回路は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
図19は、本願発明の第2の実施形態の回路の構成を示す図である。
図19に示す回路900は、制御部901を備える。図示されないPLL部は、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生する。
制御部901は、図示されないPLL部が出力する位相比較データ902に基づいて、ジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理する。そして、制御部901は、処理結果に基づいて、図示されないPLL部のループゲインを制御するための信号903を出力する。
すなわち、第2の実施形態の回路900の制御部901には、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL部の位相比較データ902が入力される。そして、制御部901は、入力された位相比較データ902に基づいて、ジッタ・ワンダ成分及び周波数急変状態をリアルタイムに検出して処理する。そして、その結果に基づいて、制御部901は、PLL部のループゲインを制御するための信号903を出力する。これにより、第2の実施形態の回路は、本来トレードオフ関係にあるジッタ・ワンダ抑圧性能と周波数追従性能とについて、ジッタ・ワンダ抑圧性能を満足しつつ、高速な周波数追従性能を同時に実現させるための制御信号を出力することができる。
以上、第1及び第2の実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年3月23日に出願された日本出願特願2009−070347を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
200 Jitter/Wander Detector部200
300 Frequency Change Slope Detector部
400 PLL Feed Forward Real−time Actuator部
500 Automatic Phase/Frequency Detection Controller部
101 Phase Detector部
102 Digital Amp1部
103 Digital Amp2部
104 Integrator部
105 ADDER部
106 DAC部
107 VCO部
108 Divider部
201 Dithering Amp1部
202 Digital Filter部
203 FFT処理部
204 Absolute部
205 Dithering Amp2部
301 TAP部301
302 Compare部
303 Phase Threshold部
900 第2の実施形態の回路
901 制御部
902 位相比較データ
903 ループゲインを制御するための信号
Claims (13)
- OTN(Optical Transport Network)信号からSDH(Synchronous Digital Hierarchy)信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、前記PLL手段のループゲインを制御する制御手段を備えることを特徴とする回路。
- 前記制御手段は、
ジッタ・ワンダ成分を処理し、ジッタ・ワンダ情報を生成するJitter/Wander Detector部と、
周波数変動状態を処理し、周波数変動情報を生成するFrequency Change Slope Detector部と、
前記ジッタ・ワンダ情報、及び、前記周波数変動情報に基づいて、前記PLL手段のループゲインを制御するPLL Feed Forward Real−time Actuator部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の回路。 - 前記Jitter/Wander Detector部は、
前記位相比較データをn(nは、予め設定した2以上の数)倍し、FFT処理後に1/n倍するディザリング処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の回路。 - 前記Jitter/Wander Detector部は、
前記FFT処理を所定の帯域毎に分割して行うことを特徴とする請求項2または3に記載の回路。 - 前記Frequency Change Slope Detector部は、
前記位相比較データに基づいて位相変動量を算出し、前記位相変動量が閾値以上か否かを判断し、前記位相変動量が閾値以上である場合は、周波数変動があった旨の周波数変動情報を生成することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の回路。 - 前記PLL Feed Forward Real−time Actuator部は、
前記周波数変動情報に基づいて、周波数変動がある場合は、DUT(Device Under Test)のPull−in/Hold−in Range及びMemory Depthに基づいて、遮断周波数を算出し、該算出した遮断周波数に応じたアンプゲインを前記PLL手段に設定し、前記PLL手段のループゲインを制御することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の回路。 - 前記PLL Feed Forward Real−time Actuator部は、
前記周波数変動情報に基づいて、周波数変動がない場合は、前記ジッタ・ワンダ情報に基づいて、遮断周波数を算出し、前記算出した遮断周波数に応じたアンプゲインを前記PLL手段に設定し、前記PLL手段のループゲインを制御することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の回路。 - 前記PLL Feed Forward Real−time Actuator部は、
前記遮断周波数が所定の周波数以上の場合は、前記遮断周波数を所定の周波数に変更し、前記変更した所定の周波数に応じたアンプゲインを前記PLL手段に設定し、
前記遮断周波数が所定の周波数未満の場合は、前記遮断周波数に応じたアンプゲインを前記PLL手段に設定することを特徴とする請求項7に記載された回路。 - 前記Jitter/Wander Detector部で用いる制御パラメータと、前記Frequency Change Slope Detector部で用いる制御パラメータと、を設定するAutomatic Phase/Frequency Detection Controller部を備えることを特徴とする請求項2から8の何れか1項に記載の回路。
- 請求項1から9のいずれかに記載された回路、及び、OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段を備えた、PLL回路。
- OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、前記PLL手段のループゲインを制御することを特徴とする制御システム。
- OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、前記PLL手段のループゲインを制御することを特徴とする制御方法。
- OTN信号からSDH信号またはEthernet信号のクロックを再生するPLL手段の位相比較データに基づいてジッタ・ワンダ成分及び周波数変動状態を処理した結果に基づいて、前記PLL手段のループゲインを制御する処理を、コンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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