JP2003152694A - データ・クロック再生装置 - Google Patents

データ・クロック再生装置

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JP2003152694A
JP2003152694A JP2001349319A JP2001349319A JP2003152694A JP 2003152694 A JP2003152694 A JP 2003152694A JP 2001349319 A JP2001349319 A JP 2001349319A JP 2001349319 A JP2001349319 A JP 2001349319A JP 2003152694 A JP2003152694 A JP 2003152694A
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JP
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phase
jitter
clock
frequency
locked loop
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JP2001349319A
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English (en)
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Hitoshi Tagami
仁之 田上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L7/00Arrangements for synchronising receiver with transmitter
    • H04L7/02Speed or phase control by the received code signals, the signals containing no special synchronisation information
    • H04L7/033Speed or phase control by the received code signals, the signals containing no special synchronisation information using the transitions of the received signal to control the phase of the synchronising-signal-generating means, e.g. using a phase-locked loop
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/07Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop using several loops, e.g. for redundant clock signal generation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ITU-Tで規定されたジッタトランスファ規格
とジッタトレランス規格を同時に満足することができ、
かつ設計の自由度を拡大すること。 【解決手段】 入力されるデータ信号の周波数に同期
し、かつ当該データ信号の変化点に位相同期した第1ク
ロック信号を生成する位相同期ループ103と、第1ク
ロック信号に周波数および位相が同期した第2クロック
信号を生成する位相同期ループ104とを備え、入力さ
れるデータ信号に重畳されたジッタ信号が抑圧されずに
第1クロック信号に伝達される位相同期ループ103で
のジッタ通過周波数の上限値が、当該装置に要求される
ジッタ通過周波数の上限値以上であり、入力されるデー
タ信号に重畳されたジッタ信号が抑圧されずに第2クロ
ック信号に伝達される位相同期ループ103から104
までのジッタ通過周波数の上限値が、当該装置に要求さ
れるジッタ通過周波数の上限値以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力データ信号
からクロック信号を再生し、再生したクロック信号に従
って入力データ信号を識別再生するデータ・クロック再
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】入力データ信号からクロック信号を再生
し、再生したクロック信号に従って入力データ信号を識
別再生するデータ・クロック再生装置としては、従来、
例えば文献“A 155-MHz Clock Recovery Delay-and Pha
se-Locked Loop"(Thomas H.Lee、John F.Bulzacchelli
著、IEEE JOURNAL Solid-state Circuits, vol.27, No.
12, pp.1736-1746,DECEMBER 1992)に示されたものが知
られている。図6は、上記文献に示された従来のデータ
・クロック再生装置の構成例である。
【0003】図6において、データ・クロック再生装置
600は、データ信号入力端子601とクロック信号出
力端子602との間に位相同期ループ603が設けら
れ、データ信号入力端子601とデータ信号出力端子6
04との間に識別器605が設けられている。位相同期
ループ603は、基本構成として、位相比較器631と
帯域制限回路632と発振器633とを備えている。
【0004】位相比較器631は、データ信号入力端子
601から入力されるデータ信号と発振器633が出力
するクロック信号との位相比較を行い、位相比較結果を
帯域制限回路632に出力する。帯域制限回路632
は、入力された位相比較結果から低周波成分を抽出し、
それを制御信号として発振器633に出力する。発振器
633は、入力された制御信号のレベルに応じた周波数
のクロック信号を発生し、クロック信号出力端子602
と位相比較器631と識別器605とに出力する。識別
器605は、データ信号入力端子601から入力される
データ信号を発振器633から入力されるクロック信号
に基づき識別し、再生したデータ信号をデータ信号出力
端子604に出力する。
【0005】次に、従来のデータ・クロック再生装置6
00の動作について説明する。データ・クロック再生装
置600では、位相同期ループ603において、入力デ
ータ信号からクロック信号の抽出(周波数同期)が行わ
れ、同時に位相制御(位相同期)が行われる。並行して
識別器605において、位相同期ループ603にて再生
されたクロック信号の最適なクロック位相で入力データ
信号を識別することが行われる。位相同期ループ603
を構成する各要素の構成は様々であり、また周波数同期
と位相同期を実現する動作はよく知られているので、こ
こでは、図7を参照して位相同期ループ603における
同期動作の一例を概念的に説明する。
【0006】図7は、位相同期ループ603の動作を説
明するタイミングチャートである。図7(a)は、デー
タ信号(1)のビットレートとクロック信号(2)の周
波数とが等しく、かつデータ信号(1)の変化点位相と
クロック信号(2)の変化点位相とが一致した状態、す
なわち、周波数同期と位相同期がともに確立された後の
安定状態を示している。
【0007】この状態では、位相比較器631は、図7
(a)(3)に示すように、データ信号(1)の立ち上がり
変化点タイミングで立ち上がって+Vpとなり、クロッ
ク信号(2)の立ち下がり変化点タイミングで立ち下が
って−Vpとなり、クロック信号(2)の立ち上がり変
化点タイミングで立ち上がって0レベルとなる3値信号
を出力する。
【0008】帯域制限回路632は、クロック信号
(2)の周波数に対して十分狭い低周波通過帯域を有
し、位相比較器631の出力信号の高周波成分を帯域制
限して出力する。すなわち、帯域制限回路632は、位
相比較器631の出力信号の平均値を制御信号として発
振器633に出力する。図7(a)では、周波数同期と
位相同期がともに確立された後の状態であり、データ信
号(1)の立ち上がり変化点タイミングとクロック信号
(2)の立ち上がり変化点タイミングが一致しているの
で、位相比較器631の出力信号の平均値は、0レベル
となる。したがって、帯域制限回路632は、図7(a)
(3)中の太点線701で示すように、0レベルの制御信
号を発振器633に出力する。
【0009】発振器633は、帯域制限回路632の出
力レベルに応じて、発振周波数を変化させる。例えば、
帯域制限回路632の出力が0レベルであれば現状の発
振周波数を維持し、帯域制限回路632の出力がプラス
(+)電位であれば0レベルとの電位差に応じて発振周
波数を増加し、帯域制限回路632の出力がマイナス
(−)電位であれば0レベルとの電位差に応じて発振周
波数を減少する。図7(a)では、帯域制限回路632
の出力が0レベルであるので、発振器633は、現状の
発振周波数を維持し、周波数同期と位相同期が維持され
る。
【0010】図7(b)は、データ信号(1)のビット
レートがクロック信号(2)の周波数よりも高く、周波
数が非同期の状態である場合を示している。第1データ
702の立ち上がり変化点は、クロック信号(2)の立
ち上がり変化点タイミングと一致しているとすると、帯
域制限回路632の出力信号703が0レベルであるの
で、発振器633は、現状の発振周波数を維持する。し
かし、データ信号(1)のビットレートがクロック信号
(2)の周波数よりも高いので、第3データ704ある
いは第5データ705の立ち上がり変化点は、クロック
信号(2)の立ち上がり変化点タイミングよりも早くな
る。
【0011】その結果、位相比較器631の出力信号
は、図7(b)(3)に斜線部706で示したように、プラ
ス(+)電位側のパルス幅が広がるので、帯域制限回路
632の出力信号707は、0レベルから徐々にプラス
(+)電位側にシフトする。したがって、発振器633
は、発振周波数を増加し、データ信号(1)の立ち上が
り変化点タイミングとクロック信号(2)の変化点タイ
ミングが一致する方向に動作する。最終的に図7(a)
に示す周波数同期と位相同期が確立されるまで図7
(b)に示す動作が繰り返される。
【0012】図7(c)は、データ信号(1)のビット
レートとクロック信号(2)の周波数が等しく周波数同
期は確立されたが、データ信号(1)の立ち上がり変化
点タイミングがクロック信号(2)の立ち上がり変化点
タイミングよりも早い、つまり、データ位相<クロック
位相なる位相同期が取れていない状態である場合を示し
ている。データ信号(1)の立ち上がり変化点がクロッ
ク信号(2)の立ち上がり変化点タイミングよりも早い
ので、位相比較器631の出力信号は、図7(c)(3)に
斜線部708で示したように、プラス(+)電位側のパ
ルス幅が広がる。その結果、帯域制限回路632の出力
信号709は、0レベルから徐々にプラス(+)電位側
にシフトする。したがって、発振器633は、発振周波
数を増加し、データ信号(1)の立ち上がり変化点タイ
ミングとクロック信号(2)の立ち上がり変化点タイミ
ングが一致する方向に動作する。最終的に図7(a)に
示す周波数同期と位相同期が確立されるまで図7(c)
に示す動作が繰り返される。
【0013】このように、位相同期ループ603は、デ
ータ信号変化点位相とクロック信号変化点位相との位相
比較結果に基づいてクロック信号周波数を変化させ、図
7(a)に示す周波数同期と位相同期が確立される状態
に収束する。この収束した状態では、図7(a)に示す
ように、クロック信号(2)の立ち下がりタイミングが
データ信号(1)の変化点間の中央にあるので、識別器
605は、最適な識別位相でデータ信号を識別すること
ができる。
【0014】ところで、ITU-T(International Telecomm
unication Union-Telecommunication Standardization
Sector)では、光伝送装置が満足すべきジッタ特性とし
て、ジッタトランスファ特性、ジッタトレランス特性、
ジッタジェネレーション特性が規定されている。そこ
で、図8を参照して、データ・クロック再生装置600
が満足すべきジッタ特性について説明する。なお、図8
は、ITU-Tの規格が示す特性とそれを満足するようにパ
ラメータ設定を行って求められたデータ・クロック再生
装置600の特性とを比較した図である。図8(a)は、
ジッタトランスファ特性を示し、横軸は、ジッタ周波数
(Jitter Freq.;単位Hz)であり、縦軸はジッタ利得
(Jitter Gain;単位dB)である。図8(b)は、ジッタ
トレランス特性を示し、横軸は、ジッタ周波数(Jitter
Freq.;単位Hz)であり、縦軸はジッタ耐力を示すジ
ッタ振幅(Jitter Amplitude;単位UIpp)である。
【0015】ジッタトランスファ特性は、データ・クロ
ック再生装置600においては、位相同期ループ603
における入力データ信号に重畳されたジッタの抑圧特性
である。図8(a)において、破線で示すITU-T Mask(IT
U-Tジッタトランスファ規格マスク)801は、ITU-Tで
規定された伝送速度STM-64(9.95328Gbit/s)でのジッ
タトランスファ規格の一例を示す。ITU-T Mask 801
に示されているように、ITU-Tでは、ジッタトランスフ
ァのカットオフ周波数の上限を8MHzとし、8MHz
以下の周波数を有するジッタは0.1dBの相対利得以
下で通過し(0.1dB≦8MHz)、8MHz以上の周波数を有
するジッタは20dB/decadeで規定される相対利得以
下に抑圧することが規定されている。
【0016】データ・クロック再生装置600でのジッ
タトランスファ特性は、次のようにして求められる。す
なわち、位相同期ループ603のジッタトランスファ特
性Jtra(s)およびカットオフ角周波数ωcは、位相同期ル
ープ603のクローズドループ伝達関数をM(s)、ダン
ピングファクタをζ、自然角周波数をωnとすると、次
の式(1)(2)で求められる。
【0017】
【数1】
【0018】ただし、ダンピングファクタζおよび自然
角周波数ωnは、位相同期ループ603のオープンルー
プ利得をとし、帯域制限回路632をラグ・リード型フ
ィルタ回路とした場合の時定数をτ1,τ2として次の式
(3)(4)となる。
【0019】
【数2】
【0020】そうすると、式(2)〜式(4)から、カット
オフ角周波数がITU-Tのジッタトランスファ規格を満足
する条件は、次の式(5)で与えられる。
【0021】
【数3】
【0022】図8(a)において、実線で示すTransfer
(ジッタトランスファ特性)802は、式(1)から求めら
れるITU-T規格を満足するカットオフ周波数fc=8M
Hzを有する位相同期ループ603のジッタトランスフ
ァ特性の一例を示す。Transfer802に示されるよう
に、式(1)から得られるジッタトランスファ特性は、近
似的にカットオフ周波数fc=8MHz以下の周波数を
有するジッタはそのまま通過し、カットオフ周波数fc
=8MHz以上の周波数を有するジッタは20dB/de
cade の傾きを持って抑圧される特性となる。なお、説
明を簡略化するために、Transfer802の計算では、カ
ットオフ周波数がITU-Tの規格値と一致するようにパラ
メータを設定してある。また、識別器605は、データ
信号を位相同期ループ603の出力クロックタイミング
で識別するので、識別器605の出力信号のジッタトラ
ンスファ特性は、位相同期ループ603のジッタトラン
スファ特性と同一となる。
【0023】次に、ジッタトレランス特性は、データ・
クロック再生装置600においては、ジッタの重畳され
たデータ信号入力に対して位相同期ループ603がジッ
タ抑圧したクロック信号を生成し、識別器605がジッ
タの重畳されたデータ信号をジッタの抑圧されたクロッ
ク信号で識別できる最大のジッタ振幅を規定したジッタ
耐力特性である。図8(b)において、破線で示すITU-T
Mask(ITU-Tジッタトランスファ規格マスク)803
は、ITU-Tで規定された伝送速度STM-128(9.95328Gbit/
s)でのジッタトレランス規格を示す。ITU-T Mask80
3に示されるように、ITU-Tでは、ジッタトレランスの
低位コーナー周波数の上限を400KHz、高位コーナ
ー周波数の下限を4MHzとしている。400KHz以
下の周波数を有するジッタについては、1.5UI(1U
I=1/9.95328GHz)のジッタ振幅以上の識別耐力を有し
(1.5UI≦0.4MHz)、400KHz〜4MHzの周波数を
有するジッタについては、20dB/decadeで規定され
るジッタ振幅以上の識別耐力を有し、4MHz以上の周
波数を有するジッタについては、0.15UIのジッタ
振幅以上の識別耐力を有する(0.15UI≦4MHz)ことが規定
されている。
【0024】データ・クロック再生装置600でのジッ
タトレランス特性は、次のようにして求められる。すな
わち、データ・クロック再生装置600のジッタトレラ
ンス特性Jtol(s)およびコーナー角周波数ωcは、位相同
期ループ603のクローズドループ伝達関数をM(s)、
ダンピングファクタをζ、自然角周波数をωn、識別器
605の識別位相余裕をΦとすると、次の式(6)(7)で
求められる。
【0025】
【数4】
【0026】その結果、式(2)と式(7)から、ジッ
タトランスファ特性のカットオフ周波数とジッタトレラ
ンス特性のコーナー周波数は等しいことが分かる。図8
(b)において、実線で示すDFF Tolerance(ジッタトラン
スファ特性)804は、式(6)から得られるITU-T規格を
満足するコーナー周波数を有する位相同期ループ603
を含むデータ・クロック再生装置600のジッタトレラ
ンス特性の一例を示している。但し論点を明確にするた
めに、識別器605の識別位相余裕は、ITU-T規格を満
足するための最悪条件であるΦ=0.15UI(1UI=1/9.95328
GHz)としてある。
【0027】DFF Tolerance804に示されるように、
式(6)から得られるジッタトレランス特性は、近似的
に、低位コーナー周波数400KHzでのジッタトレラ
ンスは3.0UIである(3UI@0.4MHz)。低位コーナー
周波数400KHzからコーナー周波数fc=4MHzまで
の周波数を有するジッタについては、低位コーナー周波
数400KHzに向かうにつれて20dB/decade の
傾きを持ってジッタ耐力が増加し、コーナー周波数fc
=4MHz以上の周波数を有するジッタについては、識別器
605の識別位相余裕()に等しいジッタ耐力を有して
いる(0.15UI≧4MHz)。また、式(2)〜式(4)から、
識別器605の識別位相余裕が0.15UIである最悪の場合
に、コーナー周波数fcがITU-Tのジッタトレランス規
格を満足する条件は次式(8)で与えられる。
【0028】
【数5】
【0029】なお、ITU-Tでは、さらにジッタジェネレ
ーションが規格化されている。ジッタジェネレーション
は、ジッタ重畳されない入力データ信号に対して位相同
期ループ603が発生する内部ジッタの発生量を規定す
るものであるが、この発明とは直接関係しないので、説
明を割愛する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
ITU-Tで規定されたジッタトランスファ規格とジッタト
レランス規格を同時に満足するデータ・クロック再生装
置600を得るためには、式(5)と式(8)を同時に
満たす必要がある。すなわち、識別器605の識別位相
余裕が0.15UIである最悪の場合には、ジッタトランスフ
ァ特性のカットオフ周波数(=ジッタトレランス特性の
コーナー周波数)が4MHz〜8MHzの狭い周波数範
囲になければならない。
【0031】式(2)〜式(4)で与えられるように、ジッ
タトランスファ特性のカットオフ周波数は、位相同期ル
ープ603のオープンループ利得や、帯域制限回路63
2であるラグ・リード型フィルタ回路の時定数τ1,τ2
によって定まる。しかし、特にデータ・クロック再生装
置600を集積回路上で実現する場合に、オープンルー
プ利得Kの温度、電源電圧変動、製造プロセスの特性ば
らつきなどを含めて、ジッタトランスファ特性のカット
オフ周波数を上記周波数範囲内に収めるには、設計マー
ジンが少なく、余裕を持った設計が困難である。
【0032】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
ITU-Tで規定されたジッタトランスファ規格とジッタト
レランス規格を同時に満足するための設計自由度の拡大
が図れるデータ・クロック再生装置を得ることを目的と
している。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明にかかるデータ・クロック再生装置は、入
力されるデータ信号の周波数に同期し、かつ当該データ
信号の変化点に位相同期した第1クロック信号を生成す
る第1位相同期ループと、入力される前記データ信号を
前記第1クロック信号で識別再生する第1識別手段と、
前記第1クロック信号に周波数および位相が同期した第
2クロック信号を生成する第2位相同期ループと、前記
第1識別手段の出力データ信号を前記第2クロック信号
で識別再生する第2識別手段とを備えるデータ・クロッ
ク再生装置であって、入力される前記データ信号に重畳
されたジッタ信号が抑圧されずに前記第1クロック信号
に伝達される前記第1位相同期ループでのジッタ通過周
波数の上限値が、当該装置に要求されるジッタ通過周波
数の上限値以上であり、入力される前記データ信号に重
畳されたジッタ信号が抑圧されずに前記第2クロック信
号に伝達される前記第1位相同期ループから前記第2位
相同期ループまでのジッタ通過周波数の上限値が、当該
装置に要求されるジッタ通過周波数の上限値以下である
ことを特徴とする。
【0034】この発明によれば、入力されるデータ信号
の周波数に同期し、かつ当該データ信号の変化点に位相
同期した第1クロック信号を生成する第1位相同期ルー
プと、第1位相同期ループが生成する第1クロック信号
に周波数および位相が同期した第2クロック信号を生成
する第2位相同期ループとが縦列接続される。その結
果、入力される前記データ信号に重畳されたジッタ信号
が抑圧されずに第1クロック信号に伝達される第1位相
同期ループでのジッタ通過周波数の上限値が、当該装置
に要求されるジッタ通過周波数の上限値以上に設定さ
れ、入力される前記データ信号に重畳されたジッタ信号
が抑圧されずに前記第2クロック信号に伝達される前記
第1位相同期ループから前記第2位相同期ループまでの
ジッタ通過周波数の上限値が、当該装置に要求されるジ
ッタ通過周波数の上限値以下に設定される。
【0035】つぎの発明にかかるデータ・クロック再生
装置は、上記の発明において、前記第1位相同期ループ
が生成する前記第1クロック信号を分周して複数の並列
低速クロック信号を生成し、生成した並列低速クロック
信号を基準クロックとして前記第2位相同期ループに出
力する分周手段を備え、前記第1識別手段は、入力され
る前記データ信号を前記分周手段が出力する前記低速ク
ロック信号に従って識別することを特徴とする。
【0036】この発明によれば、上記の発明において、
分周手段にて、第1位相同期ループが生成する第1クロ
ック信号を分周して複数の並列低速クロック信号が生成
され、生成された並列低速クロック信号が基準クロック
として第2位相同期ループに出力され、また第1識別手
段に識別クロックとして出力される。第1識別手段で
は、入力される高速データ信号を分周手段が出力する低
速クロック信号に従って識別し、展開することが行われ
る。また、第2位相同期ループでは、分周手段が生成す
る低速クロック信号に同期したクロック信号を生成する
ので、その低速クロック信号を識別クロック信号とする
第2識別手段では、第1識別手段からの低速データ信号
を一つの低速クロックで識別し、出力することが行われ
る。
【0037】つぎの発明にかかるデータ・クロック再生
装置は、上記の発明において、前記第1位相同期ループ
が生成する前記第1クロック信号を分周して複数の並列
低速クロック信号を生成し、生成した並列低速クロック
信号を基準クロックとして前記第2位相同期ループに出
力する分周手段を備え、前記第1識別手段は、入力され
る前記データ信号を差動信号として入力される前記第1
位相同期ループが生成する前記第1クロック信号に従っ
て識別し、2系統の並列低速データ信号を出力すること
を特徴とする。
【0038】この発明によれば、上記の発明において、
分周手段にて、第1位相同期ループが生成する第1クロ
ック信号を分周して複数の並列低速クロック信号が生成
され、生成された並列低速クロック信号が基準クロック
として第2位相同期ループに出力される。また、第1識
別手段では、入力される高速データ信号を、差動信号と
して入力される第1位相同期ループが生成する第1クロ
ック信号に従って識別し、2系統の並列低速データ信号
を出力することが行われる。第2位相同期ループでは、
分周手段が生成する低速クロック信号に同期したクロッ
ク信号を生成するので、その低速クロック信号を識別ク
ロック信号とする第2識別手段では、第1識別手段の出
力する2系統の並列低速データ信号をそれぞれ識別して
出力することが行われる。
【0039】つぎの発明にかかるデータ・クロック再生
装置は、上記の発明において、前記第1位相同期ループ
が生成する前記第1クロック信号を分周して複数の並列
低速クロック信号を生成し、生成した並列低速クロック
信号を基準クロックとして前記第2位相同期ループに出
力する分周手段と、前記第1識別手段が出力するデータ
信号を前記分周手段が出力する前記低速クロック信号に
従って識別し、前記第2識別手段に出力する第3識別手
段とを備えたことを特徴とする。
【0040】この発明によれば、上記の発明において、
分周手段にて、第1位相同期ループが生成する第1クロ
ック信号を分周して複数の並列低速クロック信号が生成
され、生成された並列低速クロック信号が基準クロック
として第2位相同期ループに出力され、また、第3識別
手段に識別クロックとして出力される。第3識別手段で
は、第1識別手段が出力するデータ信号が分周手段が出
力する低速クロック信号に従って識別され、低速データ
信号に展開され、第2識別手段に出力される。第2位相
同期ループにて生成された低速クロックを識別クロック
信号とする第2識別手段では、第3識別手段が出力する
低速データを一つの低速クロックで識別して出力するこ
とが行われる。
【0041】つぎの発明にかかるデータ・クロック再生
装置は、上記の発明において、前記第1識別手段は、入
力される前記データ信号を前記分周手段が出力する前記
低速クロック信号に従って識別することを特徴とする。
【0042】この発明によれば、上記の発明において、
第1識別手段では、入力されるデータ信号を分周手段が
出力する低速クロック信号に従って識別することが行わ
れる。第3識別手段では、第1識別手段が識別し、展開
した低速データ信号が低速クロック信号によって識別さ
れ、低速データ信号に展開される。第2位相同期ループ
にて生成された低速クロックを識別クロック信号とする
第2識別手段では、第3識別手段が出力する低速データ
を識別して出力することが行われる。
【0043】つぎの発明にかかるデータ・クロック再生
装置は、上記の発明において、前記第2識別手段は、前
記第2位相同期ループが生成する前記第2クロック信号
を分周して複数の並列低速クロック信号を生成する分周
手段と、前記第1識別手段が出力するデータ信号を前記
複数の並列低速クロック信号に従って識別し、並列低速
データに展開するデータ分離手段とを備えたことを特徴
とする。
【0044】この発明によれば、上記の発明において、
第2識別手段では、分周手段にて、第2位相同期ループ
が生成する前記第2クロック信号を分周して複数の並列
低速クロック信号が生成され、データ分離手段にて、第
1識別手段が出力するデータ信号が複数の並列低速クロ
ック信号に従って識別され、並列低速データに展開され
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるデータ・クロック再生装置の好適な実施の
形態を詳細に説明する。
【0046】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1であるデータ・クロック再生装置の構成を示すブ
ロック図である。図1において、データ・クロック再生
装置100は、データ信号入力端子101とクロック信
号出力端子102との間に、位相同期ループ103,1
04が縦列に接続して設けられている。また、データ信
号入力端子101とデータ信号出力端子105との間
に、識別器106,107が直列に接続されて設けられ
ている。
【0047】位相同期ループ103は、基本構成とし
て、位相比較器131と帯域制限回路132と発振器1
33とを備えている。位相比較器131は、データ信号
入力端子101から入力されるデータ信号と発振器13
3が出力するクロック信号との位相比較を行い、位相比
較結果を帯域制限回路132に出力する。帯域制限回路
132は、入力された位相比較結果から低周波成分を抽
出して制御信号を発振器133に出力する。発振器13
3は、入力された制御信号のレベルに応じた周波数のク
ロック信号を発生し、位相比較器131と識別器106
とに出力するとともに、次段の位相同期ループ104に
基準クロックとして出力する。識別器106は、データ
信号入力端子101から入力されるデータ信号を発振器
133から入力されるクロック信号に基づき識別し、再
生したデータ信号を次段の識別器107に出力する。
【0048】位相同期ループ104も同様に、基本構成
として、位相比較器141と帯域制限回路142と発振
器143とを備えている。位相比較器141は、前段の
位相同期ループ103から入力される基準クロックと発
振器143が出力するクロック信号との位相比較を行
い、位相比較結果を帯域制限回路142に出力する。帯
域制限回路142は、入力された位相比較結果から低周
波成分を抽出して制御信号を発振器143に出力する。
発振器143は、入力された制御信号のレベルに応じた
周波数のクロック信号を発生し、位相比較器141と識
別器107とに出力するとともに、クロック信号出力端
子102に出力する。識別器107は、前段の識別器1
06から入力されるデータ信号を発振器143から入力
されるクロック信号に基づき識別し、再生したデータ信
号をデータ信号出力端子105に出力する。
【0049】次に、このように構成されるデータ・クロ
ック再生装置100の動作について説明する。図1にお
いて、データ・クロック再生装置100では、前段の位
相同期ループ103において、入力データ信号からクロ
ック信号の抽出(周波数同期)が行われ、同時に位相制
御(位相同期)が行われる。並行して前段の識別器10
6において、位相同期ループ103にて再生されたクロ
ック信号の最適なクロック位相で入力データ信号を識別
することが行われる。
【0050】また、後段の位相同期ループ104におい
ても、同様の動作によって前段の位相同期ループ103
から供給される基準クロックについての周波数同期と位
相同期の制御が行われる。並行して識別器107におい
ても、位相同期ループ104にて再生されたクロック信
号の最適なクロック位相で前段の識別器106から供給
されるデータ信号を識別することが行われる。
【0051】ここで、前段の位相同期ループ103の出
力に対するジッタトランスファ特性は、式(1)で表さ
れ、識別器106の出力に対するジッタトレランス特性
は、式(6)で表される。また、後段の位相同期ループ
104の出力に対するジッタトランスファ特性も同様
に、式(1)で表され、識別器107の出力に対するジ
ッタトレランス特性も同様に、式(6)で表される。
【0052】ところで、データ・クロック再生装置10
0としてのジッタトランスファ特性は、データ信号入力
端子101から入力されるデータ信号に重畳されている
ジッタがクロック信号出力端子102に出力されるクロ
ック信号、あるいはデータ信号出力端子105から出力
されるデータ信号に現れる、クロック信号出力あるいは
データ信号出力での抑圧特性である。また、データ・ク
ロック再生装置100としてのジッタトレランス特性
は、識別器106,107がジッタの重畳されたデータ
信号をジッタの抑圧されたクロック信号で識別できる最
大のジッタ振幅である。
【0053】そこで、図1に示すデータ・クロック再生
装置100の総合のジッタトランスファ特性Jtrat(s)お
よびカットオフ角周波数ωctは、前段の位相同期ループ
103のクローズドループ伝達関数をMa(s)、後段の位
相同期ループ104のクローズドループ伝達関数をMb
(s)、データ信号入力からクロック信号出力までの総合
のダンピングファクタζtを、総合の自然角周波数をωn
tとすると、次の式(9)(10)となる。
【0054】
【数6】
【0055】ここで、位相ロックループのジッタトラン
スファ特性は、一般に一次の周波数遮断特性を有するの
で、前段の位相同期ループ103のカットオフ角周波数
をωca、ダンピングファクタをζa、自然角周波数をωn
a、後段の位相同期ループ104のカットオフ角周波数
をωcb、ダンピングファクタをζb、自然角周波数をωn
bとすると、次式(11)(12)(13)で近似できる。
【0056】
【数7】
【0057】そして、説明を簡略にするために、前段の
位相同期ループ103のカットオフ角周波数ωcaと後段
の位相同期ループ104のカットオフ角周波数ωcbとが
等しいとすると、式(11)から次式(14)が成り立
つ。
【0058】
【数8】
【0059】式(14)から、実施の形態1によるデー
タ・クロック再生装置100は、前段の位相同期ループ
103および後段の位相同期ループ104のカットオフ
角周波数を、図6に示した従来例における位相同期ルー
プ603のカットオフ角周波数に比べて√2倍に広げて
も、総合のカットオフ角周波数は、従来例による位相同
期ループ603と変わらないことがわかる。
【0060】図2は、ITU-Tの規格が示す特性とそれを
満足するようにパラメータ設定を行って求められたデー
タ・クロック再生装置100の特性とを比較した図であ
る。図2(a)は、ジッタトランスファ特性を示し、横軸
は、ジッタ周波数(Jitter Freq.;単位Hz)であり、
縦軸は、ジッタ利得(Jitter Gain;単位dB)である。
図2(b)は、ジッタトレランス特性を示し、横軸は、ジ
ッタ周波数(Jitter Freq.;単位Hz)であり、縦軸
は、ジッタ耐力を示すジッタ振幅(Jitter Amplitude;
単位UIpp)である。横軸の対数目盛では、例えば、“1.E
+07”は、1×107Hz=10MHzを示してい
る。なお、ITU-Tの規格が示す特性801,803は、
図8に示したものである。
【0061】図2(a)では、式(9)から求められる実施
の形態1によるデータ・クロック再生装置100のジッ
タトランスファ特性の一例が示されている。なお、図2
(a)において、1st PLL Transfer201は、前段の位相
同期ループ103のジッタトランスファ特性を示す。2n
d PLL Transfer202は、後段の位相同期ループ104
のジッタトランスファ特性を示す。Total Transfer20
3は、総合のジッタトランスファ特性を示す。前段の位
相同期ループ103のジッタトランスファ特性と後段の
位相同期ループ104のジッタトランスファ特性は、同
じになるので、1st PLL Transfer201と2nd PLL Tran
sfer202は、重なって示されている。但し、説明を簡
略化するために本計算例では、総合のジッタトランスフ
ァ特性203がITU-Tマスクと一致する最大のカットオ
フ周波数となるようにパラメータを設定してある。
【0062】ここで、ITU-Tのジッタトランスファ規格
マスク801は、一次の周波数遮断特性を考えて、上限
値8MHzを超えた高周波領域では20dB/decade
の傾きを定義しているが、実施の形態1では、位相同期
ループを2段縦列接続している。したがって、1st PLL
Transfer201と2nd PLL Transfer202は、ITU-Tの
ジッタトランスファ規格マスク801の上限値8MHz
を超えた高周波領域において、ほぼ同様に20dB/de
cade の傾きを持ってジッタ通過帯域を制限する特性を
示すが、Total Transfer203は、高周波領域では40
dB/decadeの傾きで急峻にジッタ通過帯域を制限する
ので、ITU-Tのジッタトランスファ規格マスク801の
範囲内に収まる特性になっている。したがって、実施の
形態1の構成による位相同期ループ103,104のカ
ットオフ周波数を従来例による位相同期ループ603の
カットオフ周波数に比べて2倍(fca=fcb=16MHz)
に広げてもITU-Tの規格マスクを満足することができ
る。
【0063】また、前段の識別器106の出力に対する
ジッタトレランス特性Jtola(s)およびコーナー角周波数
ωcaは、前段の位相同期ループ103のクローズドルー
プ伝達関数をMa(s)、ダンピングファクタをζa、自然角
周波数をωnaとし、識別器106の識別位相余裕をΦa
とすると、次式(15)(16)で求められる。
【0064】
【数9】
【0065】また、後段の識別器107の出力に対する
ジッタトレランス特性Jtolb(s)およびコーナー角周波数
ωcbは、後段の位相同期ループ104のクローズドルー
プ伝達関数をMb(s)、ダンピングファクタをζb、自然
角周波数をωnbとし、識別器107の識別位相余裕をΦ
bとすると、次式(17)(18)で求められる。
【0066】
【数10】
【0067】式(12)と式(16)から、前段の位相
同期ループ103の出力に対するジッタトランスファ特
性のカットオフ周波数と、前段の識別器106の出力に
対するジッタトレランス特性のコーナー周波数とは、等
しく16MHzであることが分かる。また、式(13)
と式(18)から、後段の位相同期ループ104の出力
に対するジッタトランスファ特性のカットオフ周波数
と、後段の識別器107の出力に対するジッタトレラン
ス特性のコーナー周波数とは、等しく16MHzである
ことが分かる。
【0068】図2(b)では、図2(a)で示したITU-T規
格を満足する総合のジッタトランスファ特性のカットオ
フ周波数を有するデータ・クロック再生装置100にお
いて、識別器106,107のジッタトレランス特性の
一例が示されている。なお、図2(b)において、1st DF
F Tolerance204は、式(15)から得られる前段の識
別器106におけるジッタトレランス特性の一例を示
す。2nd DFF Tolerance205は、式(17)から得られ
る後段の識別器107におけるジッタトレランス特性の
一例を示す。但し論点を明確にするために、識別器10
6,107の識別位相余裕には、ITU-T規格を満足する
ための最悪条件であるΦa=Φb=0.15UIを採用してい
る。
【0069】図2(b)に示されるように、式(15)か
ら得られる前段の識別器106の出力に対するジッタト
レランス特性(1st DFF Tolerance204)は、低位コー
ナー周波数400KHzでのジッタトレランスが、図6
に示した従来例によるジッタトレランス3.0UIの2
倍に増加した6.0UIである(6UI@0.4MHz)。ここから
コーナー周波数fca=16MHzまでの周波数を有する
ジッタについては、近似的に、低位コーナー周波数40
0KHzに向かうにつれて20dB/decadeの傾きを持
ってジッタ耐力が増加し、コーナー周波数fca=16M
Hz以上の周波数を有するジッタについては、識別器1
06の識別位相余裕(0.15UI)に等しいジッタ耐力を有
している(0.15UI、≧6MHz)。
【0070】また、式(16)から、識別器106の識
別位相余裕が0.15UIである最悪の場合に、コーナー周波
数がITU-Tのジッタトレランス規格を満足する条件は、
次式(19)で与えられる。
【0071】
【数11】
【0072】また、図2(b)に示されるように、式(1
7)から得られる後段の識別器107の出力に対するジ
ッタトレランス特性(2nd DFF Tolerance205)は、低
位コーナー周波数400KHzでのジッタトレランス
が、図6に示した従来例によるジッタトレランス3.0
UIの2倍に増加した6.0UIである(6UI@0.4MHz)。
ここからコーナー周波数fcb=16MHzまでの周波数
を有するジッタについては、低位コーナー周波数400
KHzに向かうにつれて識別器107の識別位相余裕()
から20dB/decade の傾きを持ってジッタ耐力が増
加する。すなわち、コーナー周波数fcb=16MHz以
下の周波数を有するジッタについては、近似的に1st DF
F Tolerance204と重なる特性となる。
【0073】そして、コーナー周波数以上の周波数を有
するジッタについては、式(17)では、分母に|Ma(s)
|が乗算されているので、近似的に、識別器106の識
別位相余裕(0.15UI)から20dB/decade の傾きを
持ってジッタ耐力の増加する特性となる。コーナー周波
数fcb=16MHz以上の周波数を有するジッタについ
てジッタ耐力が増加するのは、定性的には、データ信号
入力に重畳されたジッタが前段の位相同期ループ103
でジッタ抑圧されたクロック信号で識別され、後段の識
別器107に入力されるためである。
【0074】また、式(18)式から、識別器107の
識別位相余裕が0.15UIである最悪の場合に、コーナー周
波数fcbがITU-Tのジッタトレランス規格を満足する条件
は次式(20)で与えられる。
【0075】
【数12】
【0076】このように、実施の形態1によるデータ・
クロック再生装置100によれば、データ入力信号端子
101から入力されるデータ信号に重畳されたジッタ信
号が抑圧されずに前段の位相同期ループ103の再生ク
ロック信号に伝達される当該位相同期ループ103での
ジッタ通過周波数の上限値は、ITU-Tにて要求されるジ
ッタ通過周波数の上限値以上に設定することができる。
そして、データ入力信号端子101から入力されるデー
タ信号に重畳されたジッタ信号が抑圧されずに後段の位
相同期ループ104の再生クロック信号に伝達される位
相同期ループ103から位相同期ループ104までの総
合のジッタ通過周波数の上限値は、ITU-Tにて要求され
るジッタ通過周波数の上限値以下に設定することができ
る。
【0077】つまり、ITU-Tで規定されたジッタトラン
スファ規格とジッタトレランス規格を同時に満足するに
は、識別器106,107の識別位相余裕が0.15UIであ
る最悪の場合には、縦列接続される位相同期ループ10
3,104のジッタトランスファ特性のカットオフ周波
数(=ジッタトレランス特性のコーナー周波数)が4M
Hz〜16MHzの周波数範囲にあれば良いので、従来
例によるカットオフ周波数範囲4MHz〜8MHzに比
べて周波数範囲を拡大することができる。これによっ
て、オープンループ利得の温度、電源電圧変動、製造プ
ロセスの特性ばらつきなどを含めて設計自由度が拡大す
ることができ、ITU-Tの規定を満たすデータ・クロック
再生装置の設計が容易に行えるようになる。
【0078】なお、実施の形態1では、識別器106,
107の識別位相余裕として、ITU-T規格を満足するた
めの最悪条件であるΦa=Φb=0.15UIとして説明した
が、通常更に大きな識別位相余裕を有している。この場
合、従来例では、カットオフ周波数の下限が識別位相余
裕の増加に対応して4MHz以下に減少していくが、こ
の実施の形態1による構成では、更に低いカットオフ周
波数の下限値となるので、同様に、ジッタトランスファ
規格とジッタトレランス規格を同時に満足するカットオ
フ周波数範囲を拡大することができる。
【0079】実施の形態2.図3は、この発明の実施の
形態2であるデータ・クロック再生装置の構成を示すブ
ロック図である。図3に示すように、実施の形態2によ
るデータ・クロック再生装置200では、図1に示した
構成において、前段の位相同期ループ103と後段の位
相同期ループ104との間に、分周器201が設けら
れ、それに伴い、識別器106に代えて識別器202が
設けられている。その他は、図1に示した構成と同様で
ある。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心
に説明する。
【0080】図3において、分周器201は、前段の位
相同期ループ103における発振器133の出力クロッ
ク信号を分周し、互いに異なる位相を有する複数の並列
低速クロック信号を生成する。生成された複数の並列低
速クロック信号は、後段の位相同期ループ104におけ
る位相比較器141と識別器202とに入力される。し
たがって、後段の位相同期ループ104では、複数の並
列低速クロック信号に周波数および位相が同期した低速
クロック信号を生成し、クロック信号出力端子102と
識別器107とに出力することになる。
【0081】また、識別器202は、入力データ信号を
分周器201から入力される複数の並列低速クロック信
号で識別して並列低速データに展開し、識別器107に
出力する。すなわち、識別器202は、データ信号入力
端子101に入力される高速データ信号を複数の並列低
速データ信号に展開するデータ分離器として機能してい
る。この場合、並列低速データの変化点位相は各々を識
別した低速クロック信号の位相となるため、識別器10
7において最終的に1つの低速クロックで再び識別する
ことにより、全ての並列低速データの変化点位相は同一
となる。
【0082】このように構成されるデータ・クロック再
生装置200のジッタ特性について説明する。まず、ジ
ッタトランスファ特性は、次のようになる。分周器20
1は、入力クロック信号を低速クロック信号に分周する
だけであるので、低速クロック信号に重畳されるジッタ
の絶対量(Second単位)は、発振器133の出力クロッ
ク信号に重畳されたジッタの絶対量に等しい。したがっ
て、分周器201の出力でのジッタトランスファ特性
は、実施の形態1と同様であり式(1)〜式(8)で示
される。また、データ信号入力端子101からクロック
信号出力端子102までの総合のジッタトランスファ特
性も実施の形態1と同様であり式(9)〜式(14)で示さ
れる。
【0083】次にジッタトレランス特性について説明す
る。識別器202でのジッタトレランス特性は、低速ク
ロック信号に重畳されるジッタの絶対量(Second単位)
が発振器133の出力クロック信号に重畳されたジッタ
の絶対量に等しいので、実施の形態1と同様であり、式
(15)〜式(16)で示される。
【0084】ここで、識別器202でのデータ分離数ま
たは分周器201での分周比をNとすると、識別器10
7に入力される並列データ信号のビットレートは、入力
データ信号の1/Nになる。このため、識別器107の
位相余裕は、実施の形態1に比べてN倍相当に増加し、
次式(21)で示されるジッタトレランス特性が得られ
る。式(21)から、ジッタトレランス特性が実施の形態
1よりも改善されることがわかる。
【0085】
【数13】
【0086】すなわち、実施の形態2では、実施の形態
1に比べて後段の識別器107でのジッタトレランス耐
力が増加するので、後段の位相同期ループ104におけ
るジッタトランスファ特性のカットオフ周波数を実施の
形態1よりも更に1/Nまで低周波数側に設定しても、
ITU-Tで規定されたジッタトランスファ規格とジッタト
レランス規格を同時に満足することができる。また、こ
のことは、実施の形態2における前段の位相同期ループ
103でのジッタトランスファ特性のカットオフ周波数
を実施の形態1よりも更に高周波数側に設定することが
できることも意味している。
【0087】このように、実施の形態2によるデータ・
クロック再生装置200では、ITU-Tで規定されたジッ
タトランスファ規格とジッタトレランス規格を同時に満
足するためのジッタトランスファ特性のカットオフ周波
数(=ジッタトレランス特性のコーナー周波数)の設定
範囲は、実施の形態1よりも更に広範囲となる。その結
果、オープンループ利得の温度、電源電圧変動、製造プ
ロセスの特性ばらつきなどを含めて設計自由度が拡大す
るので、ITU-Tの規定を満たすデータ・クロック再生装
置の設計が実施の形態1よりも一層容易に行えるように
なる。
【0088】なお、実施の形態2では、分周器201の
出力が識別器202に入力されるとして説明したが、図
3に破線で示すように、識別器202には、分周器20
1の出力に代えて発振器133の出力クロックを正相と
逆相からなる差動信号で入力し、識別器202が2系統
の並列低速データ信号を出力するようにしてもよい。こ
れによっても上記と同様の効果が得られる。
【0089】実施の形態3.図4は、この発明の実施の
形態3であるデータ・クロック再生装置の構成を示すブ
ロック図である。図4に示すように、実施の形態3によ
るデータ・クロック再生装置300では、図1に示した
構成において、前段の位相同期ループ103と後段の位
相同期ループ104との間に、分周器301が設けら
れ、それに伴い、前段の識別器106と後段の識別器1
07との間に第3の識別器302が設けられている。そ
の他は、図1に示した構成と同様である。ここでは、こ
の実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0090】図4において、分周器301は、実施の形
態2における分周器201と同様に、前段の位相同期ル
ープ103における発振器133の出力クロック信号を
分周し、互いに異なる位相を有する複数の並列低速クロ
ック信号を生成する。生成された複数の並列低速クロッ
ク信号は、後段の位相同期ループ104における位相比
較器141と第3の識別器302とに入される。したが
って、後段の位相同期ループ104では、実施の形態2
と同様に、複数の並列低速クロック信号に周波数および
位相が同期した低速クロック信号を生成し、クロック信
号出力端子102と識別器107とに出力することにな
る。
【0091】また、識別器302は、前段の識別器10
6から入力されるデータ信号を分周器301から入力さ
れる複数の並列低速クロック信号で識別して並列低速デ
ータに展開し、識別器107に出力する。すなわち、識
別器302は、前段の識別器106から入力される高速
データ信号を複数の並列低速データ信号に展開するデー
タ分離器として機能している。この場合、並列低速デー
タの変化点位相は各々を識別した低速クロック信号の位
相となるため、識別器107において最終的に1つの低
速データで再び識別することにより、全ての並列低速デ
ータの変化点位相は同一となる。
【0092】このように構成されるデータ・クロック再
生装置300のジッタ特性について説明する。まず、ジ
ッタトランスファ特性は、次のようになる。実施の形態
2で説明したのと同様に、分周器301の出力でのジッ
タトランスファ特性は、実施の形態1と同様であり、式
(1)〜式(8)で示される。また、データ信号入力端
子101からクロック信号出力端子102までの総合の
ジッタトランスファ特性も実施の形態1と同様であり、
式(9)〜式(14)で示される。
【0093】次にジッタトレランス特性について説明す
る。実施の形態2で説明したのと同様に、前段の識別器
106でのジッタトレランス特性は、実施の形態1と同
様であり、式(15)〜式(16)で示される。また、
分周器301から出力される低速クロック信号および前
段の識別器106の出力データ信号に重畳されるジッタ
の絶対量(Second単位)は、発振器133の出力クロッ
ク信号に重畳されたジッタの絶対量に等しい。さらに、
第3の識別器302での入力データ信号と分周器301
から入力されるクロック信号のジッタ量は等しく、ジッ
タトレランス特性は無限大となる。
【0094】ここで、分周器301での分周比をNとす
ると、後段の識別器107に入力される並列データ信号
のビットレートは、入力データ信号の1/Nになる。し
たがって、第3の識別器302の位相余裕は、実施の形
態2における識別器202と同様に、N倍相当に増加す
るので、上記式(21)で示されるジッタトレランス特性
が得られる。したがって、実施の形態2と同様に、ジッ
タトレランス特性が実施の形態1よりも改善される。
【0095】すなわち、実施の形態3では、実施の形態
1に比べて後段の識別器107でのジッタトレランス耐
力が増加するので、後段の位相同期ループ104におけ
るジッタトランスファ特性のカットオフ周波数を実施の
形態1よりも更に1/Nまで低周波数側に設定しても、
ITU-Tで規定されたジッタトランスファ規格とジッタト
レランス規格を同時に満足することができる。また、こ
のことは、実施の形態3における前段の位相同期ループ
103でのジッタトランスファ特性のカットオフ周波数
を実施の形態1よりも更に高周波数側に設定することが
できることも意味している。
【0096】このように、実施の形態3によるデータ・
クロック再生装置300では、ITU-Tで規定されたジッ
タトランスファ規格とジッタトレランス規格を同時に満
足するためのジッタトランスファ特性のカットオフ周波
数(=ジッタトレランス特性のコーナー周波数)の設定
範囲は実施の形態1よりも更に広範囲となる。その結
果、オープンループ利得の温度、電源電圧変動、製造プ
ロセスの特性ばらつきなどを含めて設計自由度が拡大す
るので、実施の形態2と同様に、ITU-Tの規定を満たす
データ・クロック再生装置の設計が実施の形態1よりも
一層容易に行えるようになる。
【0097】なお、実施の形態3では、発振器133の
出力クロック信号が前段の識別器106に入力されると
して説明したが、図4に破線で示すように、前段の識別
器106には、発振器133の出力クロック信号に代え
て分周器301の出力クロック信号を入力し、前段の識
別器106が実施の形態2における識別器202のよう
にデータ分離器として動作するようにしてもよい。これ
によっても上記と同様の効果が得られる。
【0098】実施の形態4.図5は、この発明の実施の
形態4であるデータ・クロック再生装置の構成を示すブ
ロック図である。図5に示すように、実施の形態4によ
るデータ・クロック再生装置400では、図1に示した
構成において、後段の識別器107に代えて、識別器4
01が設けられている。その他は、図1に示した構成と
同様である。ここでは、この実施の形態3に関わる部分
を中心に説明する。
【0099】図5において、識別器401は、分周器4
11とデータ分離器412とを備えている。分周器41
1は、後段の位相同期ループ104で生成されたクロッ
ク信号を分周して互いに異なる位相を有する複数の並列
低速クロック信号を生成し、データ分離器412に供給
する。データ分離器412は、前段の識別器106が出
力するデータ信号を複数の並列低速クロック信号で識別
し、並列低速データに展開する。データ信号出力端子1
05には、並列低速データ信号が出力される。すなわ
ち、当該データ・クロック再生装置400は、データ信
号入力端子101から入力される高速データ信号を複数
の並列低速データ信号に分離するデータ分離装置として
機能している。
【0100】このように構成されるデータ・クロック再
生装置400のジッタ特性について説明する。実施の形
態4では、後段の位相同期ループ104における発振器
143の出力クロック信号を分周して識別クロック信号
とするので、ジッタトランスファ特性およびジッタトレ
ランス特性は、実施の形態1と同様であり、式(9)〜
式(20)で示される。したがって、実施の形態4にお
いても、実施の形態1で説明したのと同様に、ジッタト
ランスファ規格とジッタトレランス規格を同時に満足す
るためのカットオフ周波数範囲が拡大できる効果が得ら
れる。
【0101】ところで、図5に示す構成において、後段
の位相同期ループ104を削除し、発振器133の出力
クロック信号を分周器411に入力しても、上記したデ
ータ分離装置としての機能を同様に達成できる。この場
合のジッタトランスファ特性および識別器106でのジ
ッタトレランス特性は、従来例と同様であり、式(1)
〜式(8)で示される。また、分周器411は、発振器
133の出力クロック信号を分周するので、分周された
クロック信号のジッタの絶対量(Second単位)は、発振
器133でのジッタの絶対量に等しい。したがって、デ
ータ分離器412でのジッタトレランス特性も、発振器
133の出力クロック信号を分周したクロック信号を識
別クロック信号とするので、従来例と同様であり、式
(6)〜式(8)で示される。つまり、位相同期ループ
が、従来例のように、1段の構成では、オープンループ
利得Kの温度、電源電圧変動、製造プロセスの特性ばら
つきなどを含めた設計自由度の拡大が図れないことがわ
かる。
【0102】なお、実施の形態4では、実施の形態1へ
の適用例を示したが、実施の形態2および実施の形態3
においても同様に、識別器107に代えて、分周器とデ
ータ分離器を備える識別器を設けるようにしてもよい。
同様の効果が得られる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、入力されるデータ信号の周波数に同期し、かつ当該
データ信号の変化点に位相同期した第1クロック信号を
生成する第1位相同期ループと、第1位相同期ループが
生成する第1クロック信号に周波数および位相が同期し
た第2クロック信号を生成する第2位相同期ループとが
縦列接続される。その結果、入力されるデータ信号に重
畳されたジッタ信号が抑圧されずに第1クロック信号に
伝達される第1位相同期ループでのジッタ通過周波数の
上限値が、当該装置に要求されるジッタ通過周波数の上
限値以上に設定され、入力される前記データ信号に重畳
されたジッタ信号が抑圧されずに前記第2クロック信号
に伝達される前記第1位相同期ループから前記第2位相
同期ループまでのジッタ通過周波数の上限値が、当該装
置に要求されるジッタ通過周波数の上限値以下に設定さ
れる。したがって、装置に要求されるジッタ特性を満た
す周波数範囲を、位相ロックループが1段の場合よりも
広く設定できるので、設計の自由度を拡大でき、要求さ
れるジッタ特性を満たすデータ・クロック再生装置の設
計が容易に行えるようになる。
【0104】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、分周手段にて、第1位相同期ループが生成する第1
クロック信号を分周して複数の並列低速クロック信号が
生成され、生成された並列低速クロック信号が基準クロ
ックとして第2位相同期ループに出力され、また第1識
別手段に識別クロックとして出力される。第1識別手段
では、入力される高速データ信号を前記分周手段が出力
する低速クロック信号に従って識別し、展開することが
行われる。また、第2位相同期ループでは、分周手段が
生成する低速クロック信号に同期したクロック信号を生
成するので、その低速クロック信号を識別クロック信号
とする第2識別手段では、第1識別手段からの低速デー
タ信号を一つの低速クロックで識別し、出力することが
行われる。したがって、設計の自由度を一層拡大できる
とともに、高速データ信号を低速並列データ信号に分離
できるデータ分離装置が得られる。
【0105】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、分周手段にて、第1位相同期ループが生成する第1
クロック信号を分周して複数の並列低速クロック信号が
生成され、生成された並列低速クロック信号が基準クロ
ックとして第2位相同期ループに出力される。また、第
1識別手段では、入力される高速データ信号を、差動信
号として入力される第1位相同期ループが生成する第1
クロック信号に従って識別し、2系統の並列低速データ
信号を出力することが行われる。第2位相同期ループで
は、分周手段が生成する低速クロック信号に同期したク
ロック信号を生成するので、その低速クロック信号を識
別クロック信号とする第2識別手段では、第1識別手段
の出力する2系統の並列低速データ信号をそれぞれ識別
して出力することが行われる。したがって、設計の自由
度を一層拡大できるとともに、高速データ信号を低速並
列データ信号に分離できるデータ分離装置が得られる。
【0106】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、分周手段にて、第1位相同期ループが生成する第1
クロック信号を分周して複数の並列低速クロック信号が
生成され、生成された並列低速クロック信号が基準クロ
ックとして第2位相同期ループに出力され、また、第3
識別手段に識別クロックとして出力される。第3識別手
段では、第1識別手段の出力するデータ信号が分周手段
の出力する低速クロック信号に従って識別され、低速デ
ータ信号に展開され、第2識別手段に出力される。第2
位相同期ループにて生成された低速クロックを識別クロ
ック信号とする第2識別手段では、第3識別手段が出力
する低速データを一つの低速クロックで識別して出力す
ることが行われる。したがって、設計の自由度を一層拡
大できるとともに、高速データ信号を低速並列データ信
号に分離できるデータ分離装置が得られる。
【0107】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、第1識別手段では、入力されるデータ信号を前記分
周手段が出力する低速クロック信号に従って識別するこ
とが行われる。第3識別手段では、第1識別手段が識別
し、展開した低速データ信号が低速クロック信号によっ
て識別され、低速データ信号に展開される。第2位相同
期ループにて生成された低速クロックを識別クロック信
号とする第2識別手段では、第3識別手段が出力する低
速データを識別して出力することが行われる。したがっ
て、高速データ信号を低速並列データ信号に分離する際
に、第1識別手段と第3識別手段とで、低速データに展
開する割合を分担することができる。
【0108】つぎの発明によれば、上記の発明におい
て、第2識別手段では、分周手段にて、第2位相同期ル
ープが生成する前記第2クロック信号を分周して複数の
並列低速クロック信号が生成され、データ分離手段に
て、第1識別手段の出力するデータ信号が複数の並列低
速クロック信号に従って識別され、並列低速データに展
開される。したがって、設計の自由度を拡大できるとと
もに、高速データ信号を低速並列データ信号に分離でき
るデータ分離装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるデータ・クロ
ック再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 ITU-Tの規格が示す特性とそれを満足するよ
うにパラメータ設定を行って求められた図1に示すデー
タ・クロック再生装置の特性とを比較した図である。
(a)は、ジッタトランスファ特性を示す。(b)は、ジッ
タトレランス特性を示す。
【図3】 この発明の実施の形態2であるデータ・クロ
ック再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3であるデータ・クロ
ック再生装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態4であるデータ・クロ
ック再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 従来のデータ・クロック再生装置の構成を示
すブロック図である。
【図7】 図6に示すデータ・クロック再生装置におけ
る位相同期ループの動作を説明するタイミングチャート
である。
【図8】 ITU-Tの規格が示す特性とそれを満足するよ
うにパラメータ設定を行って求められた図6に示すデー
タ・クロック再生装置の特性とを比較した図である。
(a)は、ジッタトランスファ特性を示す。(b)は、ジッ
タトレランス特性を示す。
【符号の説明】
100,200,300,400 データ・クロック再
生装置、101 データ信号入力端子、102 クロッ
ク信号出力端子、103,104 位相同期ループ、1
05 データ信号出力端子、106,107,202,
302,401識別器、131,141 位相比較器、
132,142 帯域制限回路、133,143 発振
器、201,301,411 分周器、412 データ
分離器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されるデータ信号の周波数に同期
    し、かつ当該データ信号の変化点に位相同期した第1ク
    ロック信号を生成する第1位相同期ループと、入力され
    る前記データ信号を前記第1クロック信号で識別再生す
    る第1識別手段と、 前記第1クロック信号に周波数および位相が同期した第
    2クロック信号を生成する第2位相同期ループと、 前記第1識別手段の出力データ信号を前記第2クロック
    信号で識別再生する第2識別手段と、を備えるデータ・
    クロック再生装置であって、 入力される前記データ信号に重畳されたジッタ信号が抑
    圧されずに前記第1クロック信号に伝達される前記第1
    位相同期ループでのジッタ通過周波数の上限値が、該装
    置に要求されるジッタ通過周波数の上限値以上であり、 入力される前記データ信号に重畳されたジッタ信号が抑
    圧されずに前記第2クロック信号に伝達される前記第1
    位相同期ループから前記第2位相同期ループまでのジッ
    タ通過周波数の上限値が、当該装置に要求されるジッタ
    通過周波数の上限値以下である、ことを特徴とするデー
    タ・クロック再生装置。
  2. 【請求項2】 前記第1位相同期ループが生成する前記
    第1クロック信号を分周して複数の並列低速クロック信
    号を生成し、生成した並列低速クロック信号を基準クロ
    ックとして前記第2位相同期ループに出力する分周手
    段、を備え、 前記第1識別手段は、入力される前記データ信号を前記
    分周手段が出力する前記低速クロック信号に従って識別
    する、 ことを特徴とする請求項1に記載のデータ・クロック再
    生装置。
  3. 【請求項3】 前記第1位相同期ループが生成する前記
    第1クロック信号を分周して複数の並列低速クロック信
    号を生成し、生成した並列低速クロック信号を基準クロ
    ックとして前記第2位相同期ループに出力する分周手
    段、を備え、 前記第1識別手段は、入力される前記データ信号を、差
    動信号として入力される前記第1位相同期ループが生成
    する前記第1クロック信号に従って識別し、2系統の並
    列低速データ信号を出力する、ことを特徴とする請求項
    1に記載のデータ・クロック再生装置。
  4. 【請求項4】 前記第1位相同期ループが生成する前記
    第1クロック信号を分周して複数の並列低速クロック信
    号を生成し、生成した並列低速クロック信号を基準クロ
    ックとして前記第2位相同期ループに出力する分周手段
    と、 前記第1識別手段が出力するデータ信号を前記分周手段
    が出力する前記低速クロック信号に従って識別し、前記
    第2識別手段に出力する第3識別手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載のデータ・ク
    ロック再生装置。
  5. 【請求項5】 前記第1識別手段は、入力される前記デ
    ータ信号を前記分周手段が出力する前記低速クロック信
    号に従って識別することを特徴とする請求項4に記載の
    データ・クロック再生装置。
  6. 【請求項6】 前記第2識別手段は、 前記第2位相同期ループが生成する前記第2クロック信
    号を分周して複数の並列低速クロック信号を生成する分
    周手段と、 前記第1識別手段が出力するデータ信号を前記複数の並
    列低速クロック信号に従って識別し、並列低速データに
    展開するデータ分離手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つ
    に記載のデータ・クロック再生装置。
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