JPWO2010109877A1 - 有機電界発光装置,有機電界発光装置の製造方法,画像表示装置,及び画像表示装置の製造方法 - Google Patents

有機電界発光装置,有機電界発光装置の製造方法,画像表示装置,及び画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

この有機電界発光装置は、基板(11,101)と、前記基板(11,101)上に形成され、画素領域を有する第一電極(12,102)と、前記基板(11,101)上に形成され、前記第一電極(12,102)を区画し、凹凸形状の表面を有する隔壁(23,203)と、前記画素領域上及び前記隔壁(23,203)上に形成され、前記隔壁(23,203)上の膜厚が前記凹凸形状に応じて不均一である発光媒体層(19,109)と、前記発光媒体層(19,109)上に形成された第二電極(17,107)とを含む。

Description

本発明は、有機電界発光装置,有機電界発光装置の製造方法,画像表示装置,及び画像表示装置の製造方法に関する。
本願は、2009年3月25日に出願された特願2009−073551号,2009年3月25日に出願された特願2009−073567号,及び2009年7月21日に出願された特願2009−169849号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、直流低電圧駆動による高輝度発光が可能な発光素子である有機電界発光素子(以下、有機EL素子と称する)の開発が進められている。有機EL素子は、互いに対向する二つの電極と、この二つの電極の間に設けられた正孔輸送材料からなる正孔輸送層又は有機発光材料からなる有機発光層とを有する簡便な構造によって構成されている。この有機EL素子においては、二つの電極の間に電流を流すことによって、有機発光層が発光し、この発光光が光透過性電極から取り出される。
このような構造を有する有機EL素子においては、前記発光層の両側に直接両電極が配置された構造を採用してもよいが、発光効率を増大する等を実現するために、注入層又は輸送層、或いは注入層及び輸送層の両者配置された構造が採用されることが多い。具体的に、正孔注入層又は正孔輸送層、或いは注入層及び輸送層の両者が陽極と発光層との間に設けられた構造が挙げられる。或いは、電子注入層又は電子輸送層が陰極と発光層との間に設けられた構造が挙げられる。有機EL素子においては、両電極間に挟まれた上記複数の層膜を含む構造体の全体が、発光媒体層と呼ばれている。
有機EL素子の種類は、有機発光層に用いられる有機発光材料に応じて、低分子有機発光材料を用いた有機EL素子(以下、低分子有機EL素子と称する)と、高分子有機発光材料を用いた有機EL素子(以下、高分子有機EL素子と称する)とに大別される。
低分子有機EL素子を形成する方法においては、一般的に真空蒸着法等のドライコーティング法を用いて薄膜が形成される。このような低分子有機EL素子を形成する方法において、正孔輸送層又は有機発光層のパターニングが必要である場合は、メタルマスク等を用いて、マスクの開口部に応じたパターンを有する層が形成される。しかしながら、このようなパターニング方法においては、基板の面積が増加するほど、所望のパターニング精度を得ることが難しいと問題がある。また、真空中で成膜されるため、スループットが低いという問題がある。また、正孔輸送層又は有機発光層の下方に位置する下地部が有する凹凸形状の影響を受け易くなり、それにより、正孔輸送層又は有機発光層を有する画像表示装置が表示する画像にムラが発生することがある。
高分子有機EL素子を形成する方法においては、有機発光材料が溶剤に溶された塗工液を準備し、ウェットコーティング法を用いて塗工液を基板上に塗布し、薄膜を形成する方法が試みられている。薄膜を形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等が知られている。しかしながら、これらのウェットコーティング法を用いる場合においては、高精細に薄膜をパターニングしたり、RGBからなる3色を別々に塗布して薄膜を形成したりすることが難しい。そのため、高分子有機EL素子を形成する方法においては、複数の材料を別々に塗布しながらパターニングすることが可能な印刷法を用いて薄膜を形成することが最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法のなかでも、有機EL素子又はディスプレイにおいては基板としてガラス基板を用いることが多い。このため、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は、高分子有機EL素子を形成する方法に適していない。一方、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法,同じく弾性を有するゴム版,又は感光性樹脂版を用いる凸版印刷法は、高分子有機EL素子を形成する方法に適している。実際に、これらの印刷法による試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1),凸版印刷による方法(特許文献2)等が提唱されている。
高分子有機EL素子においては、低い引加電圧で発光を得るために、正孔輸送層が設けられる。この正孔輸送材層に用いられる材料としては、発光層と同様に、通常は低分子有機材料と高分子有機材料とが用いられている。
低分子正孔輸送材料の代表例としては、TPD(トリフェニレンアミン系誘導体:特許文献3を参照)が知られている。高分子正孔輸送材料の代表例としてはPEDOT:PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物:特許文献4を参照)が知られている。成膜法に関しては、有機発光材料と同様に、ドライコーティング法又はウェットコーティング法が用いられる。
ところで、正孔輸送材料として無機材料を用いる方法も試みられている(特許文献5参照)。この特許文献5においては、上述したTPD又はPEDOT:PSS等の有機化合物を正孔輸送材料に用いた有機EL素子の耐久性が乏しいことが示唆されている。しかしながら、有機EL素子の発光特性において、初期的な特性(以下、初期特性と称する)では、高輝度かつ高効率な発光が得られ、直流低電圧駆動が実現されるが、連続駆動状態又は長期保存に起因して輝度の低下或いは効率の低下等が生じ、発光特性が劣化することが確認されている。
有機EL素子の耐久性が低い要因としては、低分子有機化合物材料であるTPDからなる薄膜の耐熱性が低いこと、通電により非結晶薄膜内の分子が変化して微結晶になることに起因して、機能が低下することが考えられる。また、高分子材料であるPEDOT:PSSを用いる場合、有機層が通電され、イオン成分が電極又は有機発光層等へ拡散することに起因して、機能が低下することが考えられている。無機材料は、耐熱性及び電気化学的安定性に優れている材料を多く含むため、正孔輸送材料として無機材料を用いることにより、上記の問題に対処することが可能である。
図20Aは、一般的な有機EL素子の構造を示す図である。基板101上に第一電極102が形成されており、第一電極102上に正孔輸送層104,有機発光層106,及び第二電極107が順に積層されている。正孔輸送層に求められる特性としては、耐熱性又は電気化学的安定性以外にも、光透過性、高仕事関数、耐環境性等が挙げられるが、もっとも求められる特性は、電荷注入性が高いことである。
電荷注入性に影響を与える要因としては、仕事関数、バンドギャップ、比抵抗等が挙げられる。これらの各特性は、正孔輸送層として用いられる無機材料を選定することにより調節が可能である。しかしながら、求められる特性を全て満たすことは困難である。仕事関数、バンドギャップの要求特性を満たした材料を用いたとしても、比抵抗が低い場合には以下に説明する問題が生じる。
図20Bは、一般的な有機EL表示装置の断面図である。有機EL素子の層構成は図20Aと同様であるが、RGBの3色を表示する画像表示装置を構成するために、画素を区分する隔壁203が設けられている。正孔輸送層104,有機発光層106,及び第二電極107は、第一電極102及び隔壁203を被覆するように成膜されている。このような画像表示装置を駆動させるには、画素毎に発光を制御する必要がある。
通常の有機EL素子の電界発光においては、基板と第一電極とが接触する面の反対方向から正孔が注入され、第一電極と直交するように正孔輸送層内を正孔が移動する。更に、陰極から注入された電子と正孔とが有機発光層内で再結合し、発光光が得られる。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 日本国特許第2916098号公報 日本国特許第2851185号公報 特開平9−63771号公報
図20Bにおいて、正孔輸送層104の膜厚方向における比抵抗を垂直比抵抗と称し、正孔輸送層104の膜面方向(正孔輸送層104の表面に水平な方向)における比抵抗を水平比抵抗と称した場合、垂直比抵抗が水平比抵抗よりも低ければ、通常の電界発光が得られる。しかしながら、垂直比抵抗が水平比抵抗よりも高い場合、発光現象に寄与しない電流(以下、リーク電流と称する)が膜面方向に流れ、正孔が隔壁203上に形成された正孔輸送層104内を移動し、有機EL素子の特性が低下する。また、このような有機EL素子によって構成された画層表示装置において、互いに隣接する画素間にリーク電流が流れると、所望の表示を制御することが困難であるという問題がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであって、画素を区分する隔壁上を含む表示領域全体に所定の発光媒体層が形成された有機電界発光装置において、製造が容易でかつリーク電流を低減又は抑制することのできる有機電界発光装置及びその製造方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、無機材料を用いた正孔輸送層を有する有機EL素子を用いて、前記正孔輸送層の膜面方向におけるリーク電流を低減させ、素子特性を向上させた有機電界発光装置,画像表示装置,及び画像表示装置の製造方法を提供することを第2の目的とする。
上記の目的を達するために、本発明の第1態様の有機電界発光装置は、基板と、前記基板上に形成され、画素領域を有する第一電極と前記基板上に形成され、前記第一電極を区画し、凹凸形状の表面を有する隔壁と、前記画素領域上及び前記隔壁上に形成され、前記隔壁上の膜厚が前記凹凸形状に応じて不均一である発光媒体層と、前記発光媒体層上に形成された第二電極と、を含む。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記隔壁上に形成された前記発光媒体層は、正孔輸送層であることが好ましい。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記正孔輸送層は、無機化合物であることが好ましい。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記無機化合物は、遷移金属を一種以上含むことが好ましい。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記無機化合物は、酸化物、窒化物、又は硫化物であることが好ましい。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記無機化合物の膜厚は、1nm以上50nm以下であることが好ましい。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記凹凸形状の表面における凸部の平均間隔は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
本発明の第1態様の有機電界発光装置においては、前記隔壁上に形成された前記発光媒体層は、前記凹凸形状に応じて形成された凹凸膜であることが好ましい。
上記の目的を達するために、本発明の第2態様の有機電界発光装置の製造方法は、基板を準備し、前記基板上に、画素領域を有する第一電極を形成し、前記基板上に、前記第一電極を区画し、凹凸形状の表面を有する隔壁を形成し、ドライ成膜法を用いて、発光媒体層の少なくとも一部を前記画素領域上及び前記隔壁上に形成し、前記発光媒体層上に第二電極を形成する。
本発明の第2態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記隔壁の前記表面にプラズマ処理を施すことにより、前記凹凸形状を設けることが好ましい。
本発明の第2態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記プラズマ処理において用いられるチャンバに供給される導入ガスは、アルゴン、酸素、窒素、ヘリウム、フッ素、水素から選択された一種類のガス又は二種類以上の混合ガスであることが好ましい。
本発明の第2態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記プラズマ処理においては、酸素を含むプラズマが50W以上300W以下の電力で、前記隔壁の前記表面に照射されることが好ましい。
上記の目的を達するために、本発明の第3態様の有機電界発光装置は、基板と、前記基板上に形成された第一電極と、前記第一電極に対向するように形成された第二電極と、前記第一電極と第二電極との間に挟持され、少なくとも無機化合物からなる正孔輸送層及び有機発光層を含む発光媒体層と、前記正孔輸送層からなる不連続な島状部と、を含む。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記第一電極を複数の画素に区画する隔壁を有し、前記正孔輸送層は、前記第一電極上及び前記隔壁上に形成され、前記正孔輸送層は、少なくとも前記第一電極上又は前記隔壁上に形成された前記島状部を構成することが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記無機化合物は、遷移金属を一種以上含むことが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記無機化合物は、酸化物、窒化物、又は硫化物であることが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、可視光波長領域における前記無機化合物の平均光透過性は、75%以上であることが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記無機化合物の膜厚は、0.5〜20nm以下であることが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記正孔輸送層は、前記第一電極上に形成された前記島状部を構成することが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記正孔輸送層は、前記隔壁上に形成された前記島状部を構成することが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記第一電極は、透明な電極であり、前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることが好ましい。
本発明の第3態様の有機電界発光装置においては、前記第二電極は、透明な電極であり、前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることが好ましい。
上記の目的を達するために、本発明の第4態様の画像表示装置は、上述の有機電界発光素子を表示素子として用いる。
上記の目的を達するために、本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法は、基板を準備し、前記基板上に第一電極を形成し、無機化合物からなり、不連続な島状部を有する正孔輸送層を前記第一電極上に形成し、湿式成膜法を用いて、前記正孔輸送層上に、バッファ層を形成し、前記バッファ層上に、有機発光層を形成し、前記第一電極に対向する第二電極を形成する。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記第一電極を複数の画素に区画する隔壁を形成し、前記正孔輸送層を前記第一電極上及び前記隔壁上に形成することが好ましい。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記正孔輸送層を構成する前記無機化合物は、遷移金属を一種以上含む酸化物、窒化物、又は硫化物であり、前記無機化合物の膜厚は、0.5〜20nm以下であることが好ましい。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記バッファ層は、インターレイヤであることが好ましい。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、湿式成膜法を用いて、前記有機発光層を形成することが好ましい。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、印刷法を用いて、前記有機発光層を形成することが好ましい。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記第一電極は、透明な電極であり、前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることが好ましい。
本発明の第5態様の有機電界発光装置の製造方法においては、前記第二電極は、透明な電極であり、前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることが好ましい。
上記の目的を達するために、本発明の第6態様の画像表示装置の製造方法は、上述の有機電界発光装置の製造方法を用いて、表示素子を形成する。
本発明の第1態様及び第2態様によれば、隔壁の表面に形成された凹凸形状により、表示領域の全面に発光媒体層を形成した場合であってもリーク電流による表示不良がなく、且つEL特性も良好なEL装置を作製することが可能である。
本発明の第3態様及び第4態様においては、正孔輸送層が薄膜状に形成され、正孔輸送層からなる不連続な島状部を有しており、即ち、正孔輸送層が島状構造を有している。この構成によれば、膜面方向の電荷輸送性が膜厚方向の電荷輸送性よりも低くなるため、電極から注入された電荷がリーク電流となるのを抑制することが可能である。従って、正孔輸送層が島状構造を有することにより、比抵抗の値に関わらず、正孔輸送材料として多くの無機材料を用いることが可能である。
本発明において、「膜面方向」とは、層が延在する方向に平行な方向を意味し、即ち、正孔輸送層(発光媒体層)が延在する方向を意味する。例えば、正孔輸送層(発光媒体層)が第一電極のような平面に沿って形成されている場合には、「膜面方向」は、平面に沿った方向を意味する。また、正孔輸送層(発光媒体層)が隔壁に形成された曲面に沿って形成されている場合には、「膜面方向」は、曲面に沿った方向を意味する。
島状構造の正孔輸送層の最適な膜厚としては、無機材料の種類によって最適な膜厚は異なるが、0.5〜20nm以下が適当である。20nm超過の膜厚においては、島状構造の正孔輸送層を形成することが難しく、比抵抗が低い無機材料を用いる際にリーク電流が流れ易くなる。
また、正孔輸送層の材料として、一種以上の遷移金属を含む無機化合物を採用し、無機化合物として酸化物、硫化物、又は窒化物を採用し、また、これらの材料からなる単層,積層,又は混合層を形成することにより、有機EL素子の正孔輸送材料として求められる仕事関数を得ることが可能である。
また、正孔輸送層正孔輸送層の材料として、一種以上の遷移金属を含む無機化合物を採用し、無機化合物として酸化物、硫化物、又は窒化物を採用し、これらの材料からなる単層,積層,又は混合層を形成し、0.5〜20nm以下の膜厚を有する島状構造を形成することにより、有機EL素子の正孔輸送材料として求められる光透過性を得ることが可能である。
また、正孔輸送層の全面に不連続な島状部(島状構造)を設ける必要はなく、隔壁上のみ、又は電極上のみ等、一部分のみに島状構造を設けてもよい。これにより、電極材料、隔壁材料、正孔輸送材料として、多くの材料を用いることが可能である。
本発明の第5態様及び第6態様においては、正孔輸送層が薄膜状に形成され、正孔輸送層からなる不連続な島状部を有しており、即ち、正孔輸送層が島状構造を有している。この構成によれば、膜面方向の電荷輸送性が膜厚方向の電荷輸送性よりも低くなるため、電極から注入された電荷がリーク電流となるのを抑制することが可能である。
また、湿式成膜法を用いて発光媒体層を形成することにより、島状部上に配置される発光媒体層が不均一に形成されることが防止され、発光媒体層の表面が平滑化され、均一な膜面を得ることができる。これによって、均一な膜面を有する発光媒体層を発光させることができ、発光ムラを低減させることが可能である。
島状構造の正孔輸送層の最適な膜厚としては、無機材料の種類によって最適な膜厚は異なるが、0.5〜20nm以下が適当である。20nm超過の膜厚においては、島状構造の正孔輸送層を形成することが難しく、比抵抗が低い無機材料を用いる際にリーク電流が流れ易くなる。
また、正孔輸送層の材料として、一種以上の遷移金属を含む無機化合物を採用し、無機化合物として酸化物、硫化物、又は窒化物を採用し、また、これらの材料からなる単層,積層,又は混合層を形成することにより、有機EL素子の正孔輸送材料として求められる仕事関数を得ることが可能である。
また、正孔輸送層正孔輸送層の材料として、一種以上の遷移金属を含む無機化合物を採用し、無機化合物として酸化物、硫化物、又は窒化物を採用し、これらの材料からなる単層,積層,又は混合層を形成し、0.5〜20nm以下の膜厚を有する島状構造を形成することにより、有機EL素子の正孔輸送材料として求められる光透過性を得ることが可能である。
また、正孔輸送層の全面に不連続な島状部(島状構造)を設ける必要はなく、隔壁上のみ、又は電極上のみ等、一部分のみに島状構造を設けてもよい。これにより、電極材料、隔壁材料、正孔輸送材料として、多くの材料を用いることが可能である。
本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の断面模式図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の断面模式図である。 パッシブ型有機EL表示装置の電極構成を示す平面模式図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL素子であって、ボトムエミッション型の有機EL素子の積層構造を示す断面模式図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL素子であって、トップエミッション型の有機EL素子の積層構造を示す断面模式図である。 本発明の第1実施形態において、凹凸形状を付与するための表面処理が施された隔壁を示す断面模式図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の一部を説明する断面模式図であって、第一電極から1層目の発光媒体層が隔壁上に形成されている構造を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の一部を説明する断面模式図であって、第一電極から2層目の発光媒体層が隔壁上に形成されている構造を示す図である。 本発明の第1実施形態において、発光媒体層の成膜工程を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子を示す断面図である。 従来の有機EL素子を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の積層構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の積層構造を示す断面図である。 本発明の説明するための有機EL素子を示す断面図である。 本発明の説明するための有機EL素子を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の正孔輸送層の構成例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の正孔輸送層の構成例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の正孔輸送層の構成例を示す断面図である。 成膜法による発光媒体層の積層状態の違いを説明するための断面図である。 成膜法による発光媒体層の積層状態の違いを説明するための断面図である。 本発明の実施例に係る正孔輸送層の光透過性特性の図である。 本発明の実施例に係る正孔輸送層の仕事関数特性の図である。 本発明の第2実施形態に係る凸版印刷装置の概略断面図である。 本発明の実施例に係る有機EL素子の電圧−発光輝度特性の図である。 本発明の実施例に係る有機EL素子の電圧−発電流効率特性の図である。 本発明の実施例に係る有機EL素子の電圧−電流密度特性の図である。 一般的な有機電界発光素子及び発光表示装置を示す断面図である。 一般的な有機電界発光素子及び発光表示装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の有機EL表示装置(有機電界発光装置)の構成を示す断面図である。
図1に示す第1実施形態に係る有機EL素子を用いた表示装置50は、基板11,第一電極(陽極,画素電極)12,隔壁23,正孔輸送層14,有機発光層16,第二電極(陰極)17,発光媒体層19(図4A参照),及び封止体28を含む。第一電極12は、基板11に画素毎に設けられている。隔壁23は、第一電極12の画素間を区画する。正孔輸送層14は、第一電極12の上方に形成されている。有機発光層16は、正孔輸送層上に形成されている。第二電極17は、発光層の全面を被覆するように形成されている。発光媒体層19は、第一電極12,隔壁23,正孔輸送層14,有機発光層16を含む。封止体28は、第二電極17を覆うように基板11と接触している。
封止体28としては、図1に示すように有機EL素子を覆う封止キャップ26を用いて、封止キャップ26内に不活性ガスが封入された構造が採用される。
図2は、本発明の第1実施形態の有機EL表示装置の構成を示す断面図である。
図2に示す第1実施形態に係る有機EL素子を用いた表示装置51は、図1に示す電極,層,及び隔壁を含む。表示装置51においては、第二電極17を覆うように樹脂層21が設けられ、樹脂層21を介して基板11に封止板29が貼り合わされている。このような図2においては、樹脂層21及び封止板29が封止体28を構成する。
図1及び図2においては、各画素を制御するためのスイッチング素子(薄膜トランジスタ)が第一電極に接続されている(不図示)。
図3は、パッシブ型有機EL表示装置の電極構成を示す平面模式図である。
本発明の第1実施形態においては、ストライプ状の第一電極12と、ストライプ状の第二電極17とが交差し、第一電極12と第二電極17との間に発光媒体層19が設けられた構成を採用してもよい。即ち、交差部分に位置する画素を点灯させるパッシブマトリクス方式の有機EL表示装置に、本発明の構造を適用してもよい。
以下の説明においては、第一電極12及び第二電極17の間に発光媒体層が挟持されている領域を発光領域或いは有機EL素子と称し、隔壁23を含む有機EL素子のアレイ全体を表示領域と称する。
図1〜図3において、発光媒体層19は、第一電極(陽極)12と第二電極(陰極)17に挟持された層である。図1に示す構造においては、正孔輸送層14及び有機発光層16が発光媒体層19に相当する。これ以外にも、正孔注入層,電子輸送層,電子注入層等の層を適宜加えてもよい。電極間に存在する層であって、電極間においてキャリア(正孔、電子)を移動させる層であれば、この層は、発光媒体層に該当する。
例えば、図1に示す構造においては、透明電極(陽極)12上に順に積層された正孔輸送層14と有機発光層16の二層によって発光媒体層19が構成されているが、正孔注入層と有機発光層16の二層によって発光媒体層19が構成されてもよい。また、正孔注入層,正孔輸送層14,及び有機発光層16が順次積層された三層によって発光媒体層19が構成されてもよい。また、一つの層が、上記複数の層の各々の機能を有していてもよい。例えば、発光媒体層19において、有機発光層16が正孔輸送機能を有してもよい。また、発光媒体層19が正孔注入層及び電子輸送層から構成され、正孔注入層及び電子輸送層の界面で発光する構成を採用してもよい。
発光媒体層19の膜厚は、発光層単層から構成される場合も、多層構造の場合も、発光媒体層全体として1000nm以下であり、好ましくは50〜300nmである。
図1及び図2に示す有機EL表示装置においては、パターニングされた電極毎に、赤(R)、緑(G)、青(B)の発光波長に対応するようにそれぞれパターニングされた有機発光層16R,16G,16Bが形成されている。これによって、フルカラー表示が可能なディスプレイパネルが実現される。このような表示方式以外の式としては、青色発光層及び色素変換層を用いた色素変換方式を用いてもよい。また、白色に発光する複数の有機EL素子の各々に対応させて、カラーフィルタが設けられた構造を採用してもよい。
図4A及び図4Bは、本発明の有機EL素子の積層部分、即ち、発光領域を示す断面図である。
図4Aは、ボトムエミッション型の有機電界発光素子を示し、基板11上に第一電極12,発光媒体層19,及び第二電極17aが順に積層された構造を示す。第一電極12,発光媒体層19,及び第二電極17aがこの順番に積層されている発光媒体層19の構造において、正孔輸送層14及び有機発光層16以外にもインターレイヤ15、或いはその他の発光媒体層が各層の間に配置されてもよい。第二電極17aは、光非透過性電極である。第二電極17aの材料として金属等の反射率の高い材料を用いることにより、第二電極17aに向けて発光された光を第二電極17aで反射させて、光透過性電極である第一電極12を通じて、有機EL素子の外部へ発光光を出射することができる。このため、光取り出し効率を向上させることができる。
図4Bは、トップエミッション型の有機EL素子を示し、基板11上に反射層31,第一電極12,正孔輸送層14,インターレイヤ15,有機発光層16,及び第二電極17bがこの順で積層されている。これらの層がこの順番に積層されている有機EL素子の構造において、その他の層が複数の層の間に配置されてもよい。第二電極17bは光透過性電極である。第一電極12に向けて発光された光は、第一電極12を透過して反射層で反射され、第二電極17bを通じて、有機EL素子の外部へ出射される。一方、第二電極17bに向けて発光された光は、同様に第二電極を透過して有機EL素子の外部へ出射される。
以下の説明においては、ボトムエミッション型の有機電界発光素子を例として本実施形態を説明するが、第二電極17bの材料として透明導電膜が用いられたトップエミッション型に本実施形態の構造を適用することも可能である。
本発明の有機EL表示装置においては、図5に示すように、隔壁23の表面に微細な凹凸形状が設けられている。この凹凸形状は、所定の表面処理を隔壁23に施すことによって、凹凸形状が隔壁23付与される。
後述するように、所定の発光媒体層をこの隔壁23上に設けることによって、発光媒体層が凹凸形状に沿って形成され、発光媒体層からなる凹凸膜が形成される。これによって、発光媒体層の膜厚が不均一になる。また、発光媒体層は、凹凸形状に応じて部分的に分断されている。これによって、発光媒体層には、部分的に孔部が形成されている。このため、発光媒体層の膜面方向の比抵抗が増大する。このため、発光媒体層を基板11の全面に形成した場合であっても、隔壁23の表面に形成された発光媒体層を通じて流れるリーク電流を抑制することができる。なお、ここでいう「発光媒体層の膜が不均一である」とは、隔壁23に形成された発光媒体層の一部の膜厚が非常に薄くなっている状態、或いは、図7に示すように隔壁23の断面において、発光媒体層が非連続に分布している状態を含む。また、隔壁23の凹凸形状に沿って形成された発光媒体層は、隔壁23の凹部及び凸部の各々に形成される。このように形成された発光媒体層は、凹凸膜を構成する。このため、「発光媒体層の膜が不均一である」とは、凹部と凸部との間の段差に起因して、発光媒体層は、部分的に絶縁されている状態を含む。また、凹部に形成された発光媒体層と、凸部に形成された発光媒体層とは、微細な段差部を介して接続されている。このように、凹凸形状に沿って形成された発光媒体層の膜厚は、平坦面に沿って形成された発光媒体層の膜厚よりも小さい。従って、凹凸形状に沿って形成された発光媒体層の膜面方向の比抵抗が増大する。
また、後述するように、例えば、蒸着法等の気相成膜法を用いて発光媒体層を隔壁23に成膜する場合、発光媒体層の材料は、蒸着源に対して露出している露出部に成膜され、蒸着源に対して露出されていない部分、例えば、段差部に起因する影部には成膜されない。具体的に、基板11の水平方向に対して斜め方向に傾斜している隔壁23の表面に発光媒体層の材料が成膜されると、段差部に起因する影部には発光媒体層の材料が到達しない。このため、隔壁23に成膜された発光媒体層は、段差部によって部分的に分断される。
なお、隔壁23に成膜された発光媒体層のうち、全ての発光媒体層は段差部によって分断されていない。上記のように、隔壁23に段差部が形成されている場合であっても、凹部に形成された発光媒体層と、凸部に形成された発光媒体層とが部分的に電気的に接続された発光媒体層も隔壁23の表面に形成されている。しかしながら、段差部に形成された発光媒体層の導電性は、他の部位に形成された発光媒体層の導電性よりも低い。結果的に、凹凸形状に沿って形成された発光媒体層の膜面方向の比抵抗が増大する。
凹凸形状を有する隔壁23上に形成される発光媒体層19aは、第一電極12と有機発光層16との間に位置する層であることが好ましい。例えば、第一電極が陽極である場合には、発光媒体層19aは、正孔輸送層,正孔注入層,或いは電子ブロック層等の中間層である。図6Aのように、第一電極12上の第一層目として表示領域の全面に発光媒体層19aが形成されている場合においては、隔壁23上に発光媒体層19aが直接形成されることが好ましい。また、例えば、図6Bのように、第一電極12の画素領域に対応するように、第一層目の発光媒体層19bがパターニングによって画素領域上に形成され、第二層目以降の発光媒体層であって基板11上の全面に配置される発光媒体層19bが隔壁23の表面に形成されている構成を採用してもよい。
ドライプロセスを用いて隔壁23の表面に発光媒体層19aを形成する場合、発光領域上における発光媒体層19aの平均膜厚(以下、これを成膜膜厚、あるいは単に膜厚と称する)は、1nm以上50nm以下、より好ましくは30nm以下であることが好ましい。1nm未満の膜厚である場合、機能性薄膜として発光媒体層19aの機能を得ることができず、EL素子の発光強度が低下する。また、発光媒体層19aの膜厚が50nmより大きいと、隔壁23の表面上に連続的に形成された発光媒体層19aの膜厚が増加し、隔壁23の表面において発光媒体層19aを断続的に形成することができなくなり、リーク電流を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
ところで、スパッタリング法又は抵抗加熱蒸着法等の物理蒸着法を用いて形成される無機材料は、材料が成膜される表面の状態に依存して成膜される。無機材料の膜厚が1nm以下の超薄膜である場合、平坦な基板であっても島状に無機材料が形成され、無機材料からなる非連続膜が得られる場合がある。
これに対し、本発明においては、隔壁23の表面に凹凸形状を形成することによって、次の効果が得られる。
(1)隔壁23の表面積が大きくなり、隔壁23の表面に形成される発光媒体層の実質的な膜厚を低下させることができる。
(2)隔壁23の凹凸形状に沿って発光媒体層を形成することにより、膜厚が不均一な発光媒体層を隔壁23上に堆積させることができる。これによって、膜の非連続性を維持したまま発光媒体層を成長させることができる。
本実施形態においては、このような効果が得られるので、より大きな膜厚を有し、かつ、電気抵抗が増加された膜を隔壁23の表面に形成することができる。また、図7に示すように、基板11上に垂直方向に均一に膜を堆積させる成膜工程においては、隔壁23の凹凸面(表面)上に発光媒体層9aが不均一に形成され易いので、好適に上記の効果が得られる。
隔壁23の凹凸面における算術表面粗さRaは、発光領域上における発光媒体層19aの平均膜厚Dよりも大きいことが好ましい。しかしながら、前述の効果を考慮すると、発光媒体層19aの膜厚Dが15nm以下の場合においては、即ち、隔壁23の表面粗さの値が成膜される膜の厚さより小さい場合においては、膜の非連続性が得られると考えられる。発光媒体層の材料として無機材料を用いた場合、一般的にその比抵抗が小さいので、本発明の効果を効率的に得られる。上記のように、発光媒体層19aを不連続的(断続的)に、隔壁23の表面に形成することにより、或いは隔壁23の一部の領域において発光媒体層19aの膜厚が薄くなり、隔壁23上の発光媒体層19aの抵抗を高くすることができる。
なお、算術表面粗さRaは、例えば、触針式段差計を用いて測定することができる。ただし、後述するように、プラズマ照射によって凹凸面を形成する場合、微細で急峻な凹凸形状が形成されるため、値は探針の太さに依存する。したがって、実際の表面粗さは、測定値の〜10倍である場合がある。このように正確な測定が困難である場合には、隔壁23の表面の凹凸面の平均凸部間隔を測定してもよい。エッチング等によって凹凸が形成された場合、互いに隣接する凸部の間隔が狭いほど、急峻な(アスペクト比の高い)凹凸が得られている。本発明の場合、平均凸部間隔は、5〜100nmが好ましく、より好ましくは15〜50nmである。5nmよりも平均凸部間隔が小さい場合、非連続或いは不均一に形成できる発光媒体層9aの膜厚が小さくなり、発光効率が低下する。これに対し、平均凸部間隔が100nmを超えると、凹凸形状がなだらかになり、非連続或いは不均一に発光媒体層19aを形成できないおそれがある。隔壁23の表面における平均凸部間隔は、例えば、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いて撮影された写真から算出することができる。
次に、隔壁23上に形成される発光媒体層19aとして正孔輸送層を採用した場合の本発明の各構成要素及び製造方法について説明する。また、この製造方法においては、発光層の形成方法として、基板11の全面に対して形成する方法ではなく、画素領域毎に発光層の材料を配置することによって発光層を形成する方法が採用されている。
なお、本発明の構成はこれに限られない。発光媒体層19aとして、正孔輸送層以外の層を隔壁23の表面に形成してもよく、発光層を含まない構造を採用してもよく、画素領域毎に材料を配置しない方法を採用してもよい。
第1実施形態においては、発光媒体層19は、正孔輸送層14,有機発光層16を含んでいる。このような構成を有する発光媒体層19のうち少なくとも一層は、画素領域上及び前記隔壁上に形成されている。
以下に、第1実施形態に係る有機EL素子において用いられる具体的な材料及び形成方法について説明する。
基板11の材料は、例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、あるいは、トップエミッション型の有機発光電界素子の場合には、これに加えて、上記のプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、酸窒化珪素等の金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた光透過性基板や、アルミニウムやステンレス等の金属箔、シート、板、プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属膜を積層させた光非透過性基板等を用いることができる。なお、本発明においては、上記の材料に限定されず、他の材料が用いられてもよい。
有機EL表示装置50がボトムエミッション型である場合、発光媒体層において生じた発光光は、基板11に隣接する第一電極12を通じて、有機EL表示装置50の外部に取り出される。一方、トップエミッション型の場合、発光光は、基板11と対向する第二電極16を通じて、外部に取り出される。上記材料からなる基板11においては、有機EL表示装置50内への水分や酸素の浸入を防止するために、基板11全面もしくは片面に無機膜を形成する処理,或いは樹脂を塗布する処理等により、防湿処理又は疎水性処理が予め施されていることが好ましい。特に、発光媒体層19への水分の浸入を避けるために、基板11における含水率,水蒸気透過率,及びガス透過係数が小さいことが好ましい。
本発明の第1実施形態に係る第一電極12は、基板11上に成膜され、必要に応じてパターニングによって形成される。第一電極12は、隔壁23によって区画され、各画素(サブピクセル)に対応した画素電極である。
第一電極12の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やIZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、AZO(亜鉛アルミニウム複合酸化物)等の金属複合酸化物や、金、白金等の金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂等に分散した微粒子分散膜が使用される。また、第一電極12の構造としては、単層構造もしくは積層構造が採用される。また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウム等の前駆体を前記基板上に塗布後、熱分解によって酸化物を形成する塗布熱分解法等により、第一電極12を形成することもできる。
第一電極12が陽極である場合、ITO等の仕事関数が高い材料を選択することが好ましい。アクティブマトリクス駆動の有機電界発光表示装置においては、第一電極12の材料が低抵抗の材料であることが好ましく、例えば、シート抵抗で20Ω・sq以下である材料が第一電極12の材料として好適に用いることが可能である。
第一電極12の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。なお、基板11の周辺に形成され、第一電極12に接続されている取り出し電極(不図示)は、同一工程で、かつ、同一材料で形成することが可能である。
第一電極12のパターニング方法としては、材料又は成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等の既存のパターニング法が用いられる。また、必要に応じてUV処理、プラズマ処理等を用いて、第一電極12の表面を活性化させてもよい。
トップエミッション型の場合、第一電極12の下部に反射層31(図4A及び図4B参照)を形成することが好ましい。反射層の材料としては、高反射率の材料を用いることが好ましく、例えば、Cr、Mo、Al、Ag、Ta、Cu、Ti、Niが採用される。また、反射層の構造としては、上記材料を一種以上含んだ単膜,積層膜,合金膜,上記材料からなる膜にSiO、SiO、TiO等の保護膜が形成された構造が採用される。反射率としては、可視光波長領域の全平均で80%以上であることが好ましく、90%以上であれば好適に反射層を用いることが可能である。
反射層の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。
反射層のパターニング方法としては、材料又は成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等の既存のパターニング法を用いることができる。
本発明の第1実施形態においては、各画素に対応した発光領域を区画するように隔壁23が形成されている。隔壁23は、複数の画素の各々を仕切る仕切部材として機能する。ウェットコーティング法を用いるパターニングによって発光媒体層を各画素に配置する場合、上記のように隔壁23が設けられているので、互いに隣接する画素間において混色を防ぐことが可能になる。また、隔壁23の表面には凹凸形状が設けられているので、後述のように表示領域全面に形成される発光媒体層におけるリーク電流が低減される。
隔壁23は、第一電極12の端部を覆うように形成されていることが好ましい。一般的に、アクティブマトリクス駆動型有機電界発光表示装置50においては、各画素に第一電極12が形成されており、各画素の面積をできるだけ広くするために、第一電極12の画素領域が露出されている面積を大きくしている。このため、隔壁23は、第一電極12の端部を覆うように形成されている。隔壁23の最も好ましい平面形状は、格子状である。隔壁23は、互いに隣接する画素電極12を区切るように画素電極12の間に配置されている。隔壁23の構造としては、多段に構成された構造(多層構造)を採用しても良い。この場合、少なくとも最上段に位置する隔壁部が凹凸形状を有する必要がある。凹凸形状が設けられていない隔壁部については、後述の第二の実施形態に記載された構成と同様の材料・作製方法を採用してもよい。
隔壁23を構成する材料としては、凹凸形状を容易に形成できる感光性樹脂が好ましい。感光性樹脂としては、ポジ型レジスト又はネガ型レジストのどちらも用いられる。市販されているレジストを用いてもよい。レジストは、絶縁性を有することが必要である。隔壁23が十分な絶縁性を有していない場合、隔壁23を通じて互いに隣接する画素電極12の間に電流が流れてしまい表示不良が発生する。隔壁23の材料としては、具体的に、ポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といった材料が採用される。なお、本発明においては、上記の材料に限定されず、他の材料が用いられてもよい。また、有機EL素子の表示品位を向上させるために、光遮光性を有する材料を上記の感光性材料に含有させてもよい。
隔壁23を形成する感光性樹脂は、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、マスクを用いた露光工程によって感光性樹脂がパターニングされ、露光された感光性樹脂は現像され、隔壁23のパターンが形成される。このように隔壁23のパターンを形成する工程としては、従来公知の露光、現像方法が用いられる。また、焼成工程においては、オーブン、ホットプレート等を用いる従来公知の方法を用いて隔壁23を焼成することができる。
隔壁23のパターニング方法としては、基板11上に感光性樹脂を塗工し、フォトリソグラフィ法を用いて所定のパターンを得る方法が挙げられるが、なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。必要に応じて、レジスト及び感光性樹脂にプラズマ照射又はUV照射等の表面処理を施してもよい。
隔壁23の膜厚は、0.5μmから5.0μmの範囲であることが望ましい。隔壁23を互いに隣接する画素電極12の間に設けることによって、透明電極(陽極)12の端部において、互いに隣接する画素電極12間のショートが発生することを防止できる。隔壁23の高さ(膜厚)が低すぎると、ショートを防止する効果が得られないことがある。また、隔壁23の高さ(膜厚)が高すぎると、隔壁23によって急峻な段差面が形成され、この段差面には対向電極(陰極,第二電極)17が成膜し難くなる。この段差面に起因して対向電極(陰極,第二電極)17が断線した場合には、表示不良が生じる。また、上記範囲の膜厚を有する隔壁が形成されている場合、印刷法を用いて発光媒体層を形成した際に各画素電極12上に印刷された発光媒体層インキ(発光媒体層となる液体材料)の広がりを抑えることができる。
次に、隔壁23の表面に凹凸形状を付与するための表面処理を行う。表面処理の方法としては、一般的なウェット或いはドライのエッチング法を用いることができる。この中で、特にスパッタリング効果が得られる条件においてプラズマを照射することが好ましい。特に、樹脂で構成された隔壁の場合、隔壁表面に容易に凹凸形状を付与することができる。このような表面処理が行われるチャンバに供給される導入ガスとしては、Ar、N、He、F、O、H、NH等が用いられ、これらのガスを一種、あるいは二種以上用いてもよい。特に、隔壁23の表面を酸素プラズマ(酸素ガスを含むプラズマ)に曝すことにより、隔壁23の表面を切削する効果が好適に得られる。
凹凸形状における凹部及び凸部のサイズ又は深さは、プラズマを生成する際のガス種、電力、圧力、照射時間により調整することが可能である。凹部及び凸部のサイズ又は深さを調整することにより、凹部上及び凸部上に成膜される膜を分断させる効果又は比抵抗を増大させる効果が得られる。算術平均粗さRaが200nmを超えるまでプラズマ照射を行う場合、隔壁23の膜質が変化してしまうため、Raは1nm〜200nmであることが好ましく、1nm〜50nmであることがより好ましい。酸素プラズマを用いる場合、50W〜300Wの電力で照射すると、5分前後(2〜10分の範囲)で所望の凹凸形状を形成することが可能である。効率の観点において、真空度は1Pa以下であることが好ましい。
また、基板の前処理工程においてプラズマ処理を採用する場合、隔壁23の表面処理と基板の前処理とを同時に行うことが可能である。また、基板の前処理工程と隔壁23の表面処理とを別々に行ってもよく、また、どちらを先に行ってもよい。
また、陽極として用いている第一電極表面の洗浄と仕事関数の調整とを行うため、基板の前処理工程として、UV処理、プラズマ処理等を行なってもよい。正孔を効率よく発光媒体層に注入するためには、発光媒体層に接触する陽極の表面の仕事関数と、発光媒体層の仕事関数とが、近いことが好ましい。従って、表面処理が施された陽極の表面の仕事関数と、陽極に接する発光媒体層の仕事関数との差が0.5eV以下であることが好ましく、0.2eV以下であることがより好ましい。
ITOを用いる場合、表面処理前の仕事関数は約4.8eVである。これに対し、後述のように陽極上に発光媒体層として正孔輸送層又は正孔注入層を形成する場合、例えば、酸化モリブデンの仕事関数は約5.8eVである。従って、表面処理前の状態においては、陽極の仕事関数と正孔輸送層の仕事関数との差が大きすぎるため、正孔注入障壁が高くなり、正孔が注入され難い。そこで、表面処理によって陽極の仕事関数を高くし、陽極の仕事関数を正孔輸送層の仕事関数に近づける。
また、UV処理の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマランプ等が用いられる。本発明ではいずれの光源を用いてもよい。酸素プラズマ処理を用いる場合は、電力、圧力、プラズマ照射時間を調整することにより、陽極の仕事関数を所望に制御することが可能である。なお、酸素プラズマ処理を用いる場合、陽極の表面処理と同時に、隔壁23において多少のエッチング効果が生じる。このため、陽極の表面処理においては、隔壁23におけるエッチング効果を考慮して処理条件を調整する必要がある。
表面処理されたITO表面は、経時変化により元の状態に戻るため、陽極の表面処理は正孔輸送層14を形成する直前に行うことが好ましい。
次に、正孔注入層は透明電極(陽極)から正孔を注入する機能を有する層であり、正孔輸送層は発光層に正孔を輸送する機能を有する層である。これらの層は、正孔注入機能と正孔輸送機能とを共に有する場合がある。この場合、これらの機能の程度に応じてどちらか一方の名称で、或いは両方の名称で機能層が称されている。本発明の各実施形態においては、正孔輸送層と称されている層は、正孔注入層も含む。
正孔輸送層14から正孔輸送層の上層に位置する発光媒体層(例えば、インターレイヤ)へ正孔を効率的に注入するために、正孔輸送層14の物性値として、正孔輸送層14が陽極(第一電極12)の仕事関数と同等以上の仕事関数を有することが好ましい。選択される陽極の材料に応じて、正孔輸送層14の適切な物性値は異なるが、4.5eV以上6.5eV以下の仕事関数を有する正孔輸送層14を用いることができる。陽極がITO又はIZOである場合、5.0eV以上6.0eV以下の仕事関数を有する正孔輸送層14が好適に用いることが可能である。また、ボトムエミッション構造では第一電極12を透過させて発光光が取り出されるため、正孔輸送層14の光透過性が低い場合には取り出し効率が低下する。このため、可視光波長領域において、正孔輸送層14の平均光透過性は、75%以上であることが好ましく、85%以上であればより好ましい。
このような正孔輸送層を構成する材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の高分子材料を用いることができる。この他にも、導電率が10−2〜10−6S/cmである導電性高分子を好ましく用いることができる。高分子材料は、湿式法による成膜工程に使用可能である。このため、正孔注入層又は正孔輸送層を形成する際に高分子材料を用いることが好ましい。このような高分子材料は、水又は溶剤によって分散或いは溶解され、分散液又は溶液として使用される。
正孔輸送材料として無機材料を用いる場合、CuO、Cr、Mn、NiO、CoO、Pr、AgO、MoO、ZnO、TiO、V、Nb、Ta、MoO、WO、MnO等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物を用いることができる。
正孔輸送層14を形成する方法としては、基板11上の表示領域全面にスピンコート法,ダイコート法,ディッピング法,又はスリットコート法等の簡便な方法で一括形成する方法が採用される。正孔輸送層14を形成する際には、前記正孔輸送材料が水、有機溶剤、或いはこれらの混合溶剤に溶解されたインキ(液体材料)が用いられる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン、テトラリン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等が使用できる。また、インキには、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
正孔輸送層14が無機材料である場合には抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のドライプロセスを用いて形成することができる。
本発明によれば、特にドライプロセスを用いて形成される無機材料正孔輸送層の場合に、製造工程を容易に行なうことができ、かつ、リーク電流を低減することができるという2つの効果が得られる。従来、画素毎にマスクを用いてパターニングすることは、パターンと画素の位置精度の点から困難であった。本発明の方法によれば、パターニングすることなくリーク電流の少ない有機EL表示装置を実現できる。
第一電極12が陽極である場合には、正孔輸送層14は発光媒体層19の第一層目として形成される。このため、凹凸形状を有する隔壁23の表面を含む表示領域全面に正孔輸送層14を形成することが好ましい。前述のように、正孔輸送層14を容易に形成することができ、また、本発明の構成によれば、正孔輸送層14を基板11上の全面に形成しても、リーク電流を抑制することができる。この場合、発光画素部(画素領域)には均一に成膜されるが、凹凸形状の表面を有する隔壁23上においては正孔輸送層14の膜厚が不均一である。従って、上述したように、膜の比抵抗が増大する。ここでいう「正孔輸送層14の膜厚が不均一である」とは、隔壁23に形成された正孔輸送層14の一部の膜厚が非常に薄くなっている状態、或いは、図7に示すように隔壁23の断面において、発光媒体層が非連続に分布している状態を含む。正孔輸送層14の膜厚が凹凸形状における深さ以下である場合においては、正孔輸送層14の膜は凹凸形状の凹部及び凸部によって分断される。これによって、正孔輸送層14は不連続な膜として隔壁23上に形成される。これによって、水平方向(膜面方向)に流れるリーク電流が抑制又は低減される。また、正孔輸送層14を凹凸の深さ以上の膜厚で成膜した場合であっても、正孔輸送層の膜厚が不均一になることにより、微細な凹凸形状により比抵抗が増大し、水平方向へのリーク電流が抑制又は低減される。
電子ブロック層としてのインターレイヤ15を有機発光層と正孔輸送層の間に設けることが好ましい。有機EL素子の発光寿命を向上させことができる。トップエミッション型の素子構造においては、正孔輸送層14を形成した後に、インターレイヤ15を正孔輸送層14の上に積層することができる。通常、正孔輸送層14を被覆するように、インターレイヤ15は形成されるが、必要に応じてパターニングによってインターレイヤ15を形成してもよい。
インターレイヤ15の材料としては、有機材料ではポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等の、芳香族アミンを含むポリマー等が挙げられる。また、無機材料では、CuO、Cr、Mn、NiO、CoO、Pr、AgO、MoO、ZnO、TiO、V、Nb、Ta、MoO、WO、MnO等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物が挙げられる。なお、本発明においては、上記の材料に限定されず、他の材料が用いられてもよい。
インターレイヤ15の有機材料は、溶媒に溶解され、又は安定に分散され、有機インターレイヤインキ(有機インターレイヤの液体材料)として用いられる。有機インターレイヤの材料を溶解又は分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独又はこれらの混合溶媒が用いられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機インターレイヤ材料の溶解性の観点から好適に用いられる。また、有機インターレイヤインキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
これらインターレイヤの材料として、正孔輸送層14よりも仕事関数が同等以上である材料を選択することが好ましく、更に、有機発光層16よりも仕事関数が同等以下である材料を選択することがより好ましい。この理由は、正孔輸送層14から有機発光層16に向けてキャリアが注入される時に、不必要な注入障壁を形成しないためである。また、有機発光層16から発光に寄与できなかった電荷を閉じ込める効果を得るため、バンドギャップが3.0eV以上である材料を採用することが好ましく、3.5eV以上である材料を採用することより好ましい。
インターレイヤ15の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、インクジェット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。
また、有機発光層16においては、第一電極12及び第二電極17の間に印加された電圧によって注入された電子と正孔とが再結合され、この再結合の際に生じる発光光が得られる。発光光は、透光性の電極を透過し、有機EL素子の外部に出射される。互いに隣接する画素の各々に形成される発光層が異なる場合、例えば、RGBのフルカラー表示の表示装置においては、各有機発光層16R、16G、16Bが第一電極12の各々の発光画素部(画素領域)にパターニングによって形成される。
有機発光層16の材料としては、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィリン系、キナクドリン系、N,N’−ジアルキル置換キナクドリン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものが使用できる。また、有機発光層16の材料としては、デンドリマー材料、PPV系やPAF系、ポリパラフェニレン系等の高分子発光材料を用いることも可能である。また、有機発光層16の材料は、水又は溶剤に可溶である材料であることが好ましい。
これらの発光層の材料は、溶媒に溶解され、又は安定に分散され、有機発光インキ(発光層の液体材料)として用いられる。有機発光材料を溶解又は分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独又はこれらの混合溶媒が用いられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の観点から好適に用いられる。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
上述した高分子材料に加え、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン等の低分子系発光材料が使用できる。
各有機発光層16の材料が低分子の発光材料である場合においては、主に蒸着法等のドライプロセスを用いて有機発光層16を形成することができる。各有機発光層16の材料が高分子発光材料又は低分子発光材料を高分子に分散させた材料である場合においては、スクリーン印刷法又はインクジェット法等の印刷法を用いて有機発光層16を形成することができる。印刷法を用いて有機発光層16を形成する場合には、前記発光材料が、有機溶剤、水、或いはこれらの混合溶剤に溶解されたインキを用いることができる。
電子注入層は、陰極から電子を輸送する機能を有する層である。電子輸送層は、発光層に電子を輸送する機能を有する層である。これらの層は、電子輸送機能と電子注入機能とを共に有する場合がある。この場合、これらの機能の程度に応じてどちらか一方の名称で、或いは両方の名称で機能層が称されている。
このような電子注入層又は電子輸送層を構成する材料としては、例えば、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)等のニトロ置換フルオレン、ジフェニルキソン誘導体等が挙げられる。
次に、発光媒体層19上には、本発明の第1実施形態に係る第二電極(対向電極)17が形成される。アクティブマトリクス駆動型の有機EL表示装置においては、第二電極は表示領域の全面に形成される。第二電極17の具体的な材料としては、Mg、Al、Yb等の金属単体が用いられる。また、第二電極17と発光媒体層19との間の界面にLi,酸化Li,LiF等の化合物が1nm程度形成され、安定性・導電性の高いAl又はCuがこの化合物に積層された構造を採用してもよい。また、電子注入効率と安定性とを両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的に、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を使用することができる。また、ITO(インジウムスズ複合酸化物),IZO(インジウム亜鉛複合酸化物),AZO(亜鉛アルミニウム複合酸化物)等の金属複合酸化物からなる透明導電膜を用いることができる。
トップエミッション構造を有する有機EL表示装置においては、発光媒体層19から発光された光は、第二電極17を透過する。このため、第二電極17は、可視光波長領域において光透過性を有する必要がある。このため、透明導電膜の膜厚については、可視光波長領域において85%以上の平均光透過性が得られるように膜厚を調節することが好ましい。第二電極17の材料として、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いる場合には、膜厚は20nm以下であることが好ましく、2〜7nm以内であることがより好ましい。金属膜の場合の膜厚については、可視光波長領域において70%以上の平均光透過性が得られるように膜厚を調節することが好ましい。
第二電極17の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。
封止体28は、例えば、第一電極12、隔壁23、発光媒体層19、及び第二電極17が形成された基板11に設けられる。具体的に、基板11の周辺部において、封止体28と基板11とが接着され、封止体28と基板11とが封止される。
トップエミッション構造を有する有機EL表示装置においては、発光媒体層から出射された光は、基板11とは反対側に位置する封止体28を透過し、有機EL表示装置の外部に取り出される。このため、可視光波長領域において高い光透過性が必要である。可視光波長領域において85%以上の平均光透過性が得られていることが好ましい。
封止体28の構造として、凹部を有するガラスキャップ又は金属キャップ等の封止キャップ26を用いる場合について説明する。この場合、封止キャップ26の内側の空間に、第一電極12、隔壁23、発光媒体層19、及び第二電極17が配置されるように、封止キャップ26の周辺部と基板11の周辺部と接続され、封止キャップ26と基板11との間の空間が封止される。封止キャップ26と基板11とは、接着剤を用いて接着される。また、凹部内には、吸湿剤が形成され、窒素ガス等の不活性ガスが充填される。これによって、水分,ガス等が凹部内に浸入することに起因する有機EL素子の劣化を防ぐことができる。
また、封止構造として、封止板29及び樹脂層21が用いられた構造を採用してもよい。この場合、第一電極12,隔壁23,発光媒体層19,及び第二電極17が形成された基板11と封止板29との間に樹脂層21が設けられた構造が採用される。この構造を形成する方法としては、封止板29上に樹脂層21を形成し、樹脂層21と基板11とを対向させながら、封止板29と基板11とが貼り合わせる方法が挙げられる。
封止板29の材料としては、水分や酸素の透過性が低い基板が用いられる。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルム等を挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基板の両面にSiOをCVD法で形成したフィルム,光透過性の小さいフィルム,吸水性のあるフィルム,又は吸水剤が塗布された重合体フィルム等が挙げられる。耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、1×10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層21の材料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂等からなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物等の熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層21を封止板29の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法等を挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を樹脂層21の材料に含有させることもできる。封止板29上に形成される樹脂層21の厚みは、封止される有機EL素子の大きさや形状に応じて任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。
第一電極12,隔壁23,発光媒体層19,及び第二電極17が形成された基板11と封止体28とを貼り合わせる工程は、不活性ガス雰囲気下あるいは真空下において行われることが好ましい。封止体28の構造として封止板29と樹脂層21からなる2層構造を採用し、樹脂層21の材料として熱可塑性樹脂を使用した場合においては、加熱されたロールを用いて封止体28を基板11に圧着することが好ましい。
一方、樹脂層21の材料として熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱されたロールを用いて封止体28を基板11に圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。
更に、樹脂層21の材料として光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールを用いて封止体28を基板11に圧着した後、さらに光を光硬化性接着樹脂に照射することによって樹脂を硬化することができる。なお、上記の方法においては、封止板29上に樹脂層21を形成したが、基板11上に樹脂層21を形成し、封止板29と基板11とを貼り合わせることも可能である。
封止板29を用いて基板11上の有機EL素子を封止する前工程として、又は上記のような封止工程に代えて、例えば、パッシベーション膜からなる封止体28を形成してもよい。この場合、EB蒸着法又はCVD法等のドライプロセスを用いて、窒化珪素膜等無機薄膜からなるパッシベーション膜が形成される。また、パッシベーション膜と上記の封止構造とが組み合わされた構造を採用することも可能である。パシベーション膜の膜厚としては、例えば、100〜500nmに設定される。材料の透湿性、水蒸気光透過性等に応じて適した膜厚は異なるが、150〜300nmの膜厚が好適である。トップエミッション型の構造においては、上記の特性に加え、光透過性を考慮して封止構造における材料の種類を選択して膜厚を調整する必要がある。可視光波長領域において、全平均の光透過性は70%以上であることが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、上述した第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。また、第1の実施形態の構成と第2の実施形態の構成とが矛盾しない限りにおいて、第1の実施形態で説明された形態を第2実施形態においても採用することができる。
図8Aは、本発明の第2実施形態の有機電界発光素子(有機EL素子)の断面図である。
図8Aに示す第2実施形態の有機EL素子100においては、第一電極102と第二電極107との間に発光媒体層109が設けられている。発光媒体層109は、発光層106及び正孔輸送層104を含む。発光媒体層109は、発光層106及び正孔輸送層104以外にも、電荷ブロック層(インターレイヤ105),正孔注入層,電子注入層,電子輸送層等が適宜組み合わされた積層構造を含んでもよい。
第一電極102は、画素毎にパターニングによって複数形成されている。第一電極102の各々に対応するように、赤(R)、緑(G)、青(B)の発光波長で発光する発光層106、色素変換層、又はカラーフィルタが形成されている。
図8Aに示す本発明の有機EL素子においては、パターニングされた第一電極(陽極)102上と、第一電極が形成されていない領域を含む基板全面とに、正孔輸送層104が形成されている。
正孔輸送層は、基板上及び第一電極102上に島状に形成されている。即ち、基板上及び第一電極102上には、正孔輸送層からなる複数の島状部が形成されている。この複数の島状部の位置は、基板上及び第一電極102上において、不連続に分布されている。このような島状部は、第一電極102から第二電極107に向けて突起するように、設けられている。
また、第一電極102の表面においては、島状部が形成されている部位と、島状部が形成されていない部位とが存在する。島状部が形成されていない部位上には、インターレイヤ105が形成されている。
このような図8Aの構成においては、発光媒体層109における上向き矢印で示されているように、陽極(第一電極)102から陰極(第二電極)107に向けて電流が流れ、有機EL素子が発光する。
一方、図8Bに示す従来の有機EL素子においては、正孔輸送層104は基板上及び第一電極102上に平面的に形成されている。しかしながら、図8Bの従来例においては、陽極(第一電極)102から陰極(第二電極)107に向けて電荷が移動するだけでなく、正孔輸送層104において膜面方向にも電荷が移動する。従って、破線矢印に示すようなリーク電流が生じる。
第2実施形態の有機EL素子の構造においては、正孔輸送層104からなる島状部が不連続に形成されている。このため、正孔輸送層104の膜面方向における抵抗値が顕著に大きくなり、正孔輸送層104に起因するリーク電流を抑制することができる。
図9は、本発明の第2実施形態の有機EL表示装置(有機EL素子)の断面図である。
図9に示す本発明の第2実施形態に係る有機EL素子を用いた表示装置200は、基板101,第一電極(陽極,画素電極)102,隔壁203,正孔輸送層104,インターレイヤ105,有機発光層106,発光媒体層109,第二電極(陰極)107,及び封止体208を含む。第一電極102は、基板101上に、画素毎に設けられている。隔壁203は、第一電極102の画素間を区画する。正孔輸送層104は、第一電極102の上方に形成されている。インターレイヤ105は、正孔輸送層104上に形成されている。有機発光層106は、インターレイヤ105上に形成されている。第二電極107は、有機発光層106上の全面を被覆するように形成されている。発光媒体層109は、第一電極102,隔壁203,正孔輸送層104,インターレイヤ105,及び有機発光層106を含む、封止体208は、第二電極107を覆うように基板11と接触している。
発光媒体層109は、第一電極(陽極)102と第二電極(陰極)107との間に挟持された層である。図9に示す発光媒体層109においては、正孔輸送層104,インターレイヤ105,及び有機発光層106が発光媒体層109に相当する。また、正孔注入層,電子輸送層,電子注入層等の層が発光媒体層109に適宜加入されていてもよい。
図10A及び図10Bは、第2実施形態の有機EL素子の積層部分の断面図である。
図10Aは、ボトムエミッション型の有機電界発光素子を示す。
基板101上に第一電極102,正孔輸送層104,有機発光層106,及び第二電極107aがこの順で積層されている。この順番に複数の層が積層された構造においては、インターレイヤ105又は他の発光媒体層が複数の層の間に配置されてもよい。第二電極107は、光不透過性電極である。第二電極107の材料として、金属等の反射率の高い材料を用いることにより、第二電極107向けて発光された光は、第二電極107で反射される。反射された光は、光透過性電極である第一電極102を透過し、有機EL素子の外部へ出射する。このため、光を取り出す効率が向上する。
図10Bはトップエミッション型の有機EL素子の例であり、基板101上に反射層301、第一電極102、正孔輸送層104、インターレイヤ105、有機発光層106、第二電極107bの順で積層されている。この順番に複数の層が積層された構造においては、その他の層が複数の層の間に配置されてもよい。第二電極107は、光透過性電極である。第一電極102に向けて発光された光は、第一電極102を透過して、反射層301で反射される。反射された光は、第二電極107を透過して有機EL素子の外部へ出射する。一方、第二電極107に向けて発光された光は、同様に、第二電極107を透過して有機EL素子の外部へ出射する。
以下の説明においては、ボトムエミッション型の有機電界発光素子について説明するが、第二電極107が透明導電膜であるトップエミッション型についても適用される。
基板101の材料としては、上述した第1実施形態の基板11と同じ材料が採用される。また、第1実施形態と同様に、基板101には、防湿処理又は疎水性処理が施されていることが好ましい。また、基板101における含水率及びガス透過係数が小さいことが好ましい。
第一電極102は、基板101上に成膜され、必要に応じてパターニングによって形成される。第一電極102は、隔壁203によって区画され、各画素(サブピクセル)に対応した画素電極である。
第一電極102の材料としては、上述した第1実施形態の第一電極12と同じ材料が採用される。
また、第一電極102の構造としては、上述した第1実施形態の第一電極12と同じ構造が採用される。
また、第一電極102の形成方法としては、上述した第1実施形態の第一電極12と同じ形成方法が採用される。
また、第一電極102のパターニング方法としては、上述した第1実施形態の第一電極12と同じパターニング方法が採用される。
トップエミッション型の場合、第一電極下部に反射層301(図10A及び図10B参照)を形成することが好ましい。
反射層301の材料としては、上述した第1実施形態の反射層31と同じ材料が採用される。
反射層301の構造としては、上述した第1実施形態の反射層31と同じ構造が採用される。
反射層301の形成方法としては、上述した第1実施形態の反射層31と同じ形成方法が採用される。
反射層301のパターニング方法としては、上述した第1実施形態の反射層31と同じパターニング方法が採用される。
本発明の第2実施形態においては、各画素に対応した発光領域を区画するように隔壁203が形成されている。
隔壁203は、第一電極102の端部を覆うように形成されていることが好ましい。一般的に、アクティブマトリクス駆動型有機電界発光表示装置200においては、各画素に第一電極102が形成されており、各画素の面積をできるだけ広くするために、第一電極102の画素領域が露出されている面積を大きくしている。このため、隔壁203は、第一電極102の端部を覆うように形成されている。隔壁203の最も好ましい平面形状は、格子状である。隔壁203は、互いに隣接する画素電極102を区切るように画素電極102の間に配置されている。
隔壁203の材料としては、絶縁性を有する材料が用いられ、感光性材料等が用いられる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよい。光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等が用いられる。また、隔壁203の材料として無機材料を用いる場合、SiO、TiO等が用いられる。
隔壁203の好ましい高さは、0.1μm以上30μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下程度である。20μmよりも高さが大きい場合、隔壁203によって急峻な段差面が形成され、この段差面には対向電極(陰極,第二電極)107が成膜し難くなる。この段差面に起因して対向電極(陰極,第二電極)107が断線した場合には、表示不良が生じる。
隔壁203の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。
隔壁203のパターニング方法としては、材料又は成膜方法に応じて、基体(基板101及び第一電極102)上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法が挙げられる。また、パターニング方法としては、基体上に感光性樹脂が塗工され、フォトリソグラフィ法を用いて所定のパターンとする方法が挙げられる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。必要に応じてレジスト及び感光性樹脂に撥水剤を添加してもよい。また、隔壁23の構造としては、多段に構成された構造(多層構造)が採用されてもよい。例えば、親水性材料からなる層と疎水性材料からなる層とが積層された多層構造を採用してもよい。また、隔壁203が形成された後に、プラズマ又はUVを照射して、隔壁203上に成膜される材料に対する撥水性又は親水性を付与してもよい。
本発明の第2実施形態に係る正孔輸送層104は、第一電極102とインターレイヤ105との間に積層されている。図10に示すように正孔輸送層104が第一電極上で島状に形成されている場合には、インターレイヤ105は、第一電極102上に部分的に接触して形成される。
この構造において、第一電極(陽極)102から正孔が注入され、正孔輸送層104は、インターレイヤ105に向けて電荷を運ぶ機能を有する。正孔輸送層104に限らず、第一電極(陽極)102に接する層においては、素子構造に起因してリーク電流が生じるという問題がある。
次に、図11A及び図11Bを参照して、リーク電流が生じるという問題について説明する。
図11Aは、有機EL素子の初期特性を評価するために用いられた有機EL素子の構造を示す断面図である。
図11Aにおいては、基板101の全面に、第一電極102の材料が成膜され、その後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングによって第一電極102が形成されている。第一電極102の端面と基板表面との角度は、60〜90度である。高いカバレッジが得られるCVD法を除き、ドライプロセス又はウェットプロセスを用いてに発光媒体層109及び第二電極107を第一電極102上に形成すると、第一電極102の端面に形成された膜の厚さは、第一電極102の表面上に形成された膜の厚さよりも薄くなる。
この構造においては、第一電極102の表面上に形成された膜を除いて、膜に電流が流れ難い。一方、第一電極102の表面においては、電流が流れ易く、正常な発光が得られやすい。このため、比抵抗の小さい無機材料を用いて発光媒体層109を形成した場合であっても、リーク電流が流れ難い。
図11Bは、有機EL素子の断面図である。第一電極102の端部に隔壁203が形成されていることに関し、図11Aに示す構造と図11Bに示す構造とは相違している。
隔壁203の端部の表面と第一電極102の表面との角度は、およそ30〜50度である。第一電極102上及び隔壁上に正孔輸送層104,インターレイヤ105,有機発光層106,及び第二電極107を形成すると、第一電極102上に形成された膜の厚さ、隔壁上に形成された膜の厚さは、同程度になる。
この構造においては、正孔輸送層104の材料として比抵抗の小さい無機材料を用いた場合、第一電極102から注入された電荷が隔壁203上の正孔輸送層104に移動し、リーク電流が生じ、正常な発光が得られない。この構造においては、有機EL素子の特性が低下する。このように、特に、互いに隣接する画素間に隔壁203が形成された構造においては、有機EL素子の全面に形成された正孔輸送層104を通じるリーク電流が生じ、このリーク電流は、有機EL素子の特性に大きな影響を与える。
図11Bに示す素子構造における問題点を解決するには、第2実施形態の有機EL素子の正孔輸送層104が上述の島状部を有する構造が好適に採用される。
第2実施形態の有機EL素子及び有機EL表示装置においては、正孔輸送層104の少なくとも一部において、正孔輸送層を構成する材料が複数の微小な孤立領域(島)に分断されて配置されることで、非連続な領域となっている。換言すると、正孔輸送層104は、島状部が形成されている領域を有する。
次に、図12A〜図12Cを参照して、リーク電流の発生を抑制する顕著な効果を得ることができる正孔輸送層104の例について説明する。
図12Aは、第一電極102および隔壁203の全面に、島状構造を有する正孔輸送層104が形成された構造を示す。この構成によれば、正孔輸送層104の膜面方向に移動する電荷の経路が不連続であり、この経路が断絶される。このため、第一電極102以外の領域から第二電極107に向けて流れる電流を顕著に抑制することができる。
図12Bは、隔壁203上のみに島状構造を有する正孔輸送層104が形成された構造を示す。上記の図11Bにおいては、第一電極102から注入された電荷が隔壁203の曲面形状に沿って形成された正孔輸送層104に移動し、リーク電流が発生している。これに対し、図12Bに示す構成によれば、隔壁203上に島状構造を有する正孔輸送層が形成され、即ち、不連続な正孔輸送層が形成されている。この構成によって、リーク電流を顕著に抑制することができる。
図12Cは、第一電極102上のみに島状構造を有する正孔輸送層104が形成された構造を示す。この構成によれば、電圧が印加される第一電極102上に正孔輸送層が不連続に形成されているので、第一電極102上に形成された正孔輸送層104から、隔壁203上に形成された正孔輸送層104に向けて移動する電荷の経路を断絶することができる。これによって、リーク電流を顕著に抑制することができる。
以上のように、図12A〜図12Cに示す構造の全てにおいては、第一電極102上に形成された正孔輸送層104から隔壁203上に形成された正孔輸送層104までの水平方向(膜面方向)の比抵抗が高い。このため、リーク電流を抑制できる。
正孔輸送層104の島状構造の膜厚は、0.5nm以上20nm以下の範囲が適当である。20nm超過の膜厚では、島状構造の正孔輸送層104を形成し難く、比抵抗が低い無機材料によって正孔輸送層104が形成されている構造においてリーク電流が流れ易くなる。また、膜厚が30nm以上である場合、島状構造を形成できたとしても、正孔輸送層104の表面に形成された凹凸形状における頂部(凸部)と底部(凹部)との差が大きくなる。このため、正孔輸送層104が複数の層からなる発光媒体層109に接触し、有機EL素子の特性が低下するおそれがある。また、正孔輸送層104の膜厚が0.5nmよりも薄くなると、正孔輸送層104の特性が低下する。
正孔輸送層104の材料としては、CuO、Cr、Mn、NiO、CoO、Pr、AgO、MoO、ZnO、TiO、V、Nb、Ta、MoO、WO、MnO等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物が採用される。正孔輸送層104の構造としては、上記の材料によって構成された単層構造、複数の層からなる積層構造、又は混合層が採用される。
正孔輸送層104の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、スピンコート法、ゾルゲル法、等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられ、一般的な成膜法を用いることができる。
薄膜の結晶成長は、基板上に形成される膜の表面エネルギーと基板の表面エネルギー、および膜と基板の界面エネルギーのバランスにより影響される。
膜の表面エネルギーをσで表し、基板の表面エネルギーをσで表し、界面エネルギーをσfsで表し、薄膜が基板と接触角θで接していると、以下の式(1)に示すヤングの式が成立する。

σ COSθ + σfs = σ ・・・ (1)

島状構造を有する薄膜を得るためには、基板(或いは隔壁)上において薄膜粒子が自由に動き難い(ぬれ性が低い)状態を示す以下の式(2)が成立すればよい。

σ + σfs = σ ・・・ (2)

この場合、膜の表面エネルギーは、無機材料自体の特性、成膜法の特性に基づいて決定される。例えば、スパッタ法を用いる場合においては、低い成膜速度かつ高圧下で成膜される。これのように形成された薄膜は、基板101上或いは隔壁203上で動き難くなり、島状構造の薄膜を得ることが可能である。また、基板の種類を適切に選定し、基板に対する表面処理(前処理,例えば、プラズマ処理等)の種類を適切に選択し、表面処理の条件を調整することにより、基板101の表面エネルギーを適切に制御することが可能である。
正孔輸送層104の物性値は、第1実施形態の正孔輸送層14と同様の物性値であることが好ましい。
また、ボトムエミッション構造では第一電極102を透過させて発光光が取り出されるため、正孔輸送層104の光透過性が低い場合には取り出し効率が低下する。このため、可視光波長領域において、正孔輸送層104の平均光透過性は、75%以上であることが好ましく、85%以上であればより好ましい。
本発明の第2実施形態に係るインターレイヤ105の機能は、第1実施形態のインターレイヤ15と同じである。
また、インターレイヤ105の材料としては、上述した第1実施形態のインターレイヤ15と同じ材料が採用される。
また、インターレイヤ105の材料が溶解又は分散される溶媒としては、上述した第1実施形態と同様の溶媒が採用される。
また、インターレイヤ105の構造としては、上述した第1実施形態のインターレイヤ15と同じ構造が採用される。
また、インターレイヤ105の形成方法としては、上述した第1実施形態のインターレイヤ15と同じ形成方法が採用される。
また、インターレイヤ105のパターニング方法としては、上述した第1実施形態のインターレイヤ15と同じパターニング方法が採用される。
また、第2実施形態の有機EL素子においては、湿式成膜法を用いて、島状構造を有数する不連続な正孔輸送層104上に発光媒体層109が形成されることが好ましい。以下に、この理由について説明する。
図13A及び図13Bは、有機発光媒体層109’を形成するために用いられる成膜方法の違いに起因する、発光媒体層109’の構造の相違点を説明するための図である。
図13Aは、湿式成膜法を用いて形成された発光媒体層109’を有する有機EL素子を示す。図13Bは、乾式成膜法を用いて形成された発光媒体層109’を有する有機EL素子を示す。
また、図13A及び図13Bは、図12Aと同様に、第一電極102の表面と隔壁203の表面とに正孔輸送層104の島状部が形成された構造を示す。
上述したように、第2実施形態の正孔輸送層104は、島状構造(島状部)を有するため、正孔輸送層104の表面に凹凸部が形成される。図13Bに示すように、例えば、真空蒸着法等を用いて発光媒体層109’を形成した場合、不連続な下地膜(正孔輸送層104,島状部)の凹凸形状に沿って発光媒体層109’が形成される。これによって、発光媒体層109’には、下地膜の凹凸形状に対応する凹凸面が形成される。また、発光媒体層109’の凹凸面上に形成された有機発光層106は、膜厚が大きい部分と、膜厚が小さい部分とを有する。この場合、有機発光層において層厚が小さい部分に、局所的に高電界が印加されるので、この部分に大きな負荷がかかる場合がある。
これに対し、図13Aのように、乾式成膜法を用いて形成された発光媒体層109’においては、発光媒体層109’のインキ(液体材料)は、島状構造を有する正孔輸送層104と、第一電極102の表面と、隔壁203の表面とに塗布され、インキのレベリング効果(レベリング性)が生じる。発光媒体層109’は、このようにレベリングされたインキから形成される。これによって、第一電極102の表面形状と隔壁203の表面形状に沿って発光媒体層109’が形成される。発光媒体層109’の表面においては、島状部の凹凸形状に対応する凹凸部が設けられていない。また、発光媒体層109’の表面形状に沿って有機発光層106が形成される。有機発光層106の膜厚は、図13Aに示すように均一である。
このような構造においては、有機発光層106に対して局所的に高電界が印加されることが防止され、多大な負荷がかかることを抑制することができる。これによって、有機EL素子の長寿命化を実現できる等の効果が得られる。
特に、湿式成膜法の中でも、凸版印刷法は、版の凸部を用いてインキを押し広げながら、互いに隣接する隔壁203の間の開口部の画素にインキを転写することができ、レベリング性に優れる。
このように正孔輸送層104と発光層106との間の有機発光媒体層109’を湿式成膜法で形成することにより、有機発光媒体層109’は、膜を平坦化するために用いられるバッファ層としての機能を有する。
図8A,図8B,及び図9に示す有機EL素子及び有機EL表示装置の構造においては、インターレイヤ105が湿式成膜法を用いて形成されており、インターレイヤ105をバッファ層として機能させることができる。バッファ層は、複数の有機発光媒体層からなる構成されてもよいが、有機EL素子の特性を低下させないために、単層で正孔輸送層104の凹凸形状を覆うことが好ましい。このため、バッファ層の膜厚は、特に、正孔輸送層104の膜厚以上であることが好ましい。
有機発光層106は、先に形成されたインターレイヤ105上に積層される。有機発光層106の発光光が単色の場合、隔壁を含む表示領域全面を被覆するように有機発光層106を形成してもよい。多色の発光光を得るには、必要に応じて、パターニングによって、画素毎に異なる発光色を有する有機発光層106を形成する。
有機発光層106を形成するために用いられる有機発光材料としては、上述した第1実施形態の有機発光層16と同じ材料が採用される。
また、有機発光層16の形成方法についても、上述した第1実施形態の有機発光層16と同じ形成方法が採用される。
有機発光層106の形成方法のうち、特に湿式成膜法を用いて有機発光層106を形成する場合には、前述のように、有機発光層106の下層に位置する有機発光媒体層109’を湿式成膜法を用いて形成することが好ましい。この場合、塗布されたインキによるレベリング効果が得られ、島状部が形成されている領域に生じている凹凸形状が被覆され、第一電極102の表面形状及び隔壁203の表面形状に沿って有機発光媒体層109’が形成される。これによって、有機発光層106の膜厚が均一となり、発光ムラのない有機EL素子を形成することができる。
また、上記成膜法の中でも、特に、印刷法を有機発光層160の形成方法及び有機EL表示装置の製造工程に適用することが好ましい。印刷法によれば、基板上11の全面にインキを塗布する必要がなく、複数の画素の各々の位置にインキを配置することが可能であり、生産性、製造コストにも優れる。
次に、上記の有機発光層106上には、第二電極107が形成される。アクティブマトリクス駆動型の有機EL表示装置の場合、第二電極107は、表示領域の全面に形成される。
また、第二電極107の材料としては、上述した第1実施形態の第二電極17と同じ材料が採用される。
また、第二電極107の構造としては、上述した第1実施形態の第二電極17と同じ構造が採用される。
また、第二電極107の形成方法としては、上述した第1実施形態の第二電極17と同じ形成方法が採用される。
また、封止体208による封止構造としては、上述した第1実施形態と同じ封止構造が採用される。
また、封止板209の材料としては、上述した第1実施形態の封止板29と同じ材料が採用される。
また、樹脂層210の材料としては、上述した第1実施形態の樹脂層21と同じ材料が採用される。
また、樹脂層210の形成方法としては、上述した第1実施形態の樹脂層21と同じ形成方法が採用される。
また、樹脂層210の膜厚としては、上述した第1実施形態の樹脂層21と同じ膜厚が採用される。
また、封止板209及び樹脂層210による封止構造としては、上述した第1実施形態の封止板29及び樹脂層21による同じ封止構造が採用される。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態においては、有機電界発光装置の一つである有機EL表示装置について説明したが、本発明は表示装置を限定しない。本発明の有機電界発光装置は、照明装置にも適用可能である。
次に、上述した第1実施形態及び第2実施形態の有機EL表示装置の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例によって制限されない。
まず、実施例1〜3と比較例1を参照し、第1実施形態の有機EL表示装置の実施例について説明する。
[実施例1]
まず、対角が2.2インチサイズのガラス基板(透光性基板)を準備した。このガラス基板上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成した。フォトリソグラフィ法と酸溶液によるエッチング法とを用いてITO膜をパターニングした。これによって、複数のラインパターンを有する画素電極を形成した。この複数のラインパターンにおいて、線幅は136μmであり、互いに隣接する線の間隔は30μmである。また、約40mm角であるガラス基板上には、192本のラインが形成されている。
次に、隔壁を以下のように形成した。画素電極が形成されたガラス基板上にポジ型感光性ポリイミド(東レ社製フォトニース,DL−1000)をガラス基板の全面にスピンコートした。スピンコートの条件として、ガラス基板を150rpmで5秒間回転させた後に、ガラス基板を500rpmで20秒間回転させた。隔壁の高さ(ポジ型感光性ポリイミドの膜厚)は1.5μmである。フォトリソグラフィ法を用いてガラス基板の全面に塗布された感光性材料を露光し、この感光性材料を現像した。これによって各画素電極の端部を覆うようにして、ラインパターンを有する隔壁を形成した。この後、オーブンを用いて、隔壁を230℃30分の条件で焼成した。
次に、ITOの表面処理として、紫外線照射を行った。具体的に、オーク製作所製のUV/O洗浄装置を用いて隔壁が形成されたガラス基板に紫外線照射を3分間行った。紫外線照射前のITOの仕事関数は、4.8eVであった。紫外線照射前のITOの仕事関数は、5.3eVであった。
次に、隔壁の表面処理として、プラズマ装置(ヤマト科学社製)を用いて、酸素ガス圧力0.003torr,投入電力150Wで、隔壁が形成されたガラス基板に対して5分間酸素プラズマ照射を行った。隔壁の表面における算術平均粗さRaは、0.5nmから10nmに変化した。また、SEMを用いて隔壁の表面を観察すると、表面にナノオーダーの微細な凹凸が多数形成されていた。
次に、正孔輸送層14を形成した。正孔輸送層14を構成する無機材料として酸化モリブデンを用いた。表示領域の全面が成膜されるように、スパッタリング法を用いて酸化モリブデンを10nm成膜した。なお、酸化モリブデンの膜厚は成膜時間及び成膜速度から算出したものであり、以下の各実施例においても同様の膜厚が採用されている。パターニング工程においては、33mm×33mmの開口を有するメタルマスクを用いた。
酸化モリブデンは、発光画素部に均一に成膜された。また、隔壁上に形成された酸化モリブデンの膜は、隔壁上に形成された微細な凹凸によって分断された。これによって、隔壁上に、不連続な酸化モリブデンの膜が形成された。
次に、有機発光材料として、ポリフェニレンビニレン誘導体を採用し、この材料の濃度が1%になるように、この材料がトルエンに溶解された有機発光インキを準備した。このインキ用いて、隔壁に挟まれた画素電極上に、画素電極のラインパターンに一致するように、凸版印刷法を用いて発光層を印刷した。印刷工程の後に乾燥された発光層の膜厚は、100nmであった。
次に、発光層の上にCa、Alからなる陰極層のラインパターンを形成した。具体的には、陰極層のラインパターンと画素電極のラインパターンとが直交するように、抵抗加熱蒸着法を用いるマスク蒸着によって陰極層を形成した。
最後に、外部の酸素又は水分から保護するために、上記のように形成された有機EL構成体を、ガラスキャップと接着剤とを用いて密閉封止し、有機EL表示装置を作製した。
このように得られた有機EL表示装置の表示領域の周辺部においては、画素電極毎に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極層に接続されている陰極側の取り出し電極とが設けられている。これら取り出し電極を電源に接続し、有機ELディスプレイパネルを点灯かつ表示させ、点灯状態及び表示状態を確認した。
このように得られた有機ELディスプレイパネルを駆動したところ、7Vの駆動電圧で、3000cd/cmの輝度が得られ、リーク電流によるクロストークは見られなかった。
[実施例2]
まず、実施例1と同様に、ガラス基板を準備し、画素電極を形成し、隔壁を形成し、ITOの表面処理を行った。
次に、実施例2においては、隔壁の表面処理として、プラズマ装置(ヤマト科学社製)を用いて、酸素ガス圧力0.003torr,投入電力150Wで、隔壁が形成されたガラス基板に酸素プラズマ照射を8分間行った。隔壁の表面における算術平均粗さRaは、0.5nmから15nmに変化した。また、SEMを用いて隔壁の表面を観察すると、表面にナノオーダーの微細な凹凸が多数形成されていた。
次に、正孔輸送層14を形成した。正孔輸送層14を構成する無機材料として酸化モリブデンを用いた。表示領域の全面が成膜されるように、スパッタリング法を用いて酸化モリブデンを30nm成膜した。パターニング工程においては、33mm×33mmの開口を有するメタルマスクを用いた。
酸化モリブデンは発光画素部に均一に成膜された。また、隔壁上に形成された酸化モリブデンの膜の比抵抗は、隔壁上に形成された微細な凹凸形状に起因して、増大した。
次に、実施例1と同様に、発光層と陰極層とを形成した。
このように得られた有機EL表示装置を駆動したところ、7Vの駆動電圧で2400cd/cmの輝度が得られ、リーク電流によるクロストークは見られなかった。
[実施例3]
まず、実施例1と同様に、ガラス基板を準備し、画素電極を形成し、隔壁を形成し、ITOの表面処理を行った。
次に、実施例3においては、隔壁の表面処理として、プラズマ装置(ヤマト科学社製)を用いて、アルゴンガス圧力0.003torr,投入電力150Wで、隔壁が形成されたガラス基板にアルゴンプラズマ照射を10分間行った。隔壁の表面における算術平均粗さRaは、0.5nmから8nmに変化した。また、SEMを用いて隔壁の表面を観察すると、表面にナノオーダーの微細な凹凸が多数形成されていた。
次に、実施例1と同様に、正孔輸送層14,発光層,及び陰極層を形成した。
このように得られた有機ELディスプレイパネルを駆動したところ、7Vの駆動電圧で2800cd/cmの輝度が得られ、リーク電流によるクロストークは見られなかった。
[比較例1]
まず、実施例1と同様に、ガラス基板を準備し、画素電極を形成し、隔壁を形成し、ITOの表面処理を行った。
次に、比較例1においては、隔壁に対する表面処理としてプラズマ照射を行わなかった。
次に、正孔輸送層を形成した。正孔輸送層を構成する無機材料として酸化モリブデンを用いた。表示領域の全面が成膜されるように、スパッタリング法を用いて酸化モリブデンを30nm成膜した。パターニング工程においては、120mm×300mmの開口を有するメタルマスクを用いた。
酸化モリブデンは、発光画素部に均一に成膜された。また、発光画素部に形成された酸化モリブデンの比抵抗と、隔壁上に形成された酸化モリブデンの比抵抗とは変化していなかった。
次に、実施例1と同様に、正孔輸送層,発光層,及び陰極層を形成した。
このように得られた有機ELディスプレイパネルを駆動したところ、7Vの駆動電圧で300cd/cmの輝度が得られ、リーク電流によるクロストークが発生していた。
実施例1〜3の条件,比較例1の条件,及び評価結果を表1に示す。
なお、実施例及び比較例におけるクロストークの評価方法として、発光画素部以外の領域が発光されているか否かを判定した。また、実施例及び比較例における輝度の測定方法として、画素部のみから発光されている光を集光し、この集光された光の輝度を測定した。
比較例1の評価結果から明らかなように、隔壁の表面処理を行わない場合、隔壁上に成膜される正孔輸送層は分断されないため、又は発光画素部に形成された酸化モリブデンの比抵抗と隔壁上に形成された酸化モリブデンの比抵抗とは変化していないため、リーク電流が発生し、クロストーク又は発光輝度の低下が生じた。
一方、本発明の実施例1,2,及び3においては、隔壁に表面処理を施すことによって、隔壁上に微細な凹凸形状を多数形成している。次に、隔壁上に正孔輸送層を成膜している。ここで、隔壁上に形成された凹凸形状によって正孔輸送層が分断される。或いは、隔壁上に形成された正孔輸送層の比抵抗が発光画素部に形成された正孔輸送層の比抵抗よりも増大する。このため、リーク電流が低減又は抑制され、クロストークを生じることがなく、発光輝度の高い有機ELディスプレイパネルが得られた。
Figure 2010109877
次に、実施例4と比較例3を参照し、第2実施形態の有機EL表示装置の実施例について説明する。
[実施例4]
まず、アクティブマトリクス基板101を準備した。このアクティブマトリクス基板101においては、第一電極(画素電極)102としてITO薄膜が形成されており、基板のサイズは対角6インチであり、画素数は320×240である。
次に、基板101上に設けられている第一電極102の端部を被覆するように、かつ、複数の画素の各々を区画するように隔壁203を形成した。隔壁203の形成方法として、ポジレジストを用いて、スピンコーター法により、基板101全面に厚み2μmを有する隔壁材料を配置し、その後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングして隔壁203を形成した。この隔壁203によって、サブピクセル数が960×240ドットであり、0.12mm×0.36mmの面積を有する画素領域が区画された。
隔壁203が形成されたアクティブマトリックス基板101上にUV/O洗浄を行った。この洗浄工程においては、照度13mW/cmの低圧水銀ランプが4本設置された装置を用いて、光を基板101に2分間照射した。
UV/O洗浄が施されたアクティブマトリックス基板101に、正孔輸送層104を形成した。正孔輸送層104を構成する無機材料として酸化モリブデンを用いた。ここで、酸化モリブデンの膜厚が8nmであるアクティブマトリックス基板(試料1)と、酸化モリブデンの膜厚が30nmであるアクティブマトリックス基板(試料2)とを準備した。
アクティブマトリックス基板上に酸化モリブデンを成膜する方法としては、スパッタリング法を用い、表示領域の全面が成膜されるように116mm×87mmの開口を有するメタルマスクを用いてパターニングを行った。
スパッタリングにおいては、純度99.9%のモリブデン金属ターゲットを用いて、不活性ガスであるアルゴンと反応性ガスである酸素をスパッタリング装置のチャンバ内に供給した。また、リアクティブDCマグネトロンスパッタ法を用いて酸化モリブデンをアクティブマトリックス基板101上に成膜した。ターゲットの電力密度は、1.3W/cmである。チャンバ内に供給される混合ガスの比率としては、アルゴンが2であるのに対して、酸素が1である。スパッタリング時の真空度が0.3Paとなるように、チャンバに設けられた排気バルブを調整し、チャンバに供給されるガスの量を調節した。酸化モリブデンの膜厚は、スパッタリング時間を調整することにより、制御した。これによって、正孔輸送層の膜厚が8nmであるアクティブマトリックス基板(試料1)と、正孔輸送層の膜厚が30nmであるアクティブマトリックス基板(試料2)とを準備した。
上述した酸化モリブデンの光透過性を図14に示す。また、酸化モリブデンの仕事関数を図15に示す。図14に示すように、可視光波長領域の平均光透過性において、膜厚8nmの酸化モリブデンは96%であり、30nmの酸化モリブデンは88%であった。また、図15に示すように、仕事関数において、膜厚8nmの酸化モリブデンは平均5.8eVであり、30nmの酸化モリブデンは平均5.8eVであった。これらの結果より、正孔輸送層として必要な特性が満たされていることが分かった。
次に、インターレイヤ105の材料としてポリビニルカルバゾール誘導体を採用し、この材料の濃度が0.5%になるように、この材料をトルエンに溶解させた。これによって、インターレイヤ105の材料となるインキを得た。
次に、画素電極102,隔壁203,及び正孔輸送層104が形成された基板101を被印刷基板602として、図16に示す凸版印刷装置600にセッティングした。
凸版印刷装置600は、アニロックスロール605と、ドクタ606と、感光性樹脂で形成された凸版607と、版胴608とを含む。アニロックスロール605の表面には、インキ層609が塗布される。
被印刷基板602上には、隔壁203で囲まれた画素電極102が形成され、画素電極102上には、正孔輸送層204が形成されている。
上記インキを用いて、画素電極のラインパターンに一致するように、インターレイヤ105を正孔輸送層204上に凸版印刷法を用いて印刷した。このような凸版印刷法においては、300線/インチのアニロックスロール605及び凸版607を使用した。インキが印刷され、かつ、インキが乾燥された後のインターレイヤ105の膜厚は、20nmであった。
次に、有機発光層106の有機発光材料として、ポリフェニレンビニレン誘導体を採用し、この材料の濃度が1%になるように、この材料をトルエンに溶解させた。これによって、有機発光層106の材料となる有機発光インキを得た。
次に、画素電極102,隔壁203,正孔輸送層104,及びインターレイヤ105が形成された基板101を被印刷基板602として、図16に示す凸版印刷装置600にセッティングした。
被印刷基板602上には、隔壁203で囲まれたインターレイヤ205が形成されている。
上記有機発光インキを用いて、インターレイヤ205のラインパターンに一致するように、有機発光層106をインターレイヤ205上に凸版印刷法を用いて印刷した。このような凸版印刷法においては、150線/インチのアニロックスロール605及び感光性樹脂で形成された凸版607を使用した。インキが印刷され、かつ、インキが乾燥された後の有機発光層106の膜厚は80nmであった。
次に、真空蒸着法を用いて、第二電極(対向電極)107としてカルシウム膜を有機発光層106上に5nmの厚さで成膜した。カルシウム膜の形成工程においては、116mm×87mmの開口を有するメタルマスクを用いた。その後、真空蒸着法を用いて、アルミニウム膜をカルシウム膜上に200nmの厚さで形成した。アルミニウム膜の形成工程においては、120mm×90mmの開口を有するメタルマスクを用いた。
その後、封止体208として、中央部が凹状に加工されたガラス基板を準備した。封止体208の凹部内に第二電極(陰極)107が配置されるように、封止体208とアクティブマトリックス基板110とを接合した。また、ガラス基板(封止体208)の凹部には、水分又は酸素の浸入に起因する劣化を防止するために、吸湿剤を設置した。
こうして得られた有機電界発光表示装置200を駆動したところ、図17に示す輝度特性が得られた。図17は、0.5V〜13Vまで電圧を印加した場合の電圧−発光輝度特性を示している。図17に示すように、酸化モリブデンの膜厚が30nmであるアクティブマトリックス基板(試料2)を用いた表示装置よりも、酸化モリブデンの膜厚が8nmであるアクティブマトリックス基板(試料1)を用いた表示装置の輝度が高いことが分かった。
また、図18は、0.5V〜13Vまで電圧を印加した場合の電圧−電流効率特性を示している。図18に示すように、電圧が7Vである場合、酸化モリブデンの膜厚が30nmであるアクティブマトリックス基板(試料2)の効率は1cd/Aであり、酸化モリブデンの膜厚が8nmであるアクティブマトリックス基板(試料1)の効率は5cd/Aの効率であった。従って、試料2の効率よりも試料1の効率が高いことが分かった。
図19は、発光開始電圧前の電流値を示している。図19に示すように、酸化モリブデンの膜厚が30nmであるアクティブマトリックス基板(試料2)の場合は発光開始前から電流が多く流れており、発光現象に寄与しないリーク電流が流れていることが分かった。一方、酸化モリブデンの膜厚が8nmであるアクティブマトリックス基板(試料1)の場合は、発光開始前では電流量が抑えられている。
正孔輸送層として不連続な島状構造の薄膜が用いられているため、膜面方向のキャリア輸送性が膜厚方向のキャリア輸送性よりも低くすることができた。画素電極102から注入されたキャリアが発光現象に寄与しない電流になることを抑制することができた。
[参考]
次に、参考例の有機発光媒体層の成膜方法として、乾式成膜法を用いた比較例について説明する。参考例においては、第2実施形態と同様に有機発光媒体層を作成しているが、有機発光媒体層の成膜法として、真空蒸着法を用いた乾式成膜法を採用した。
また、実施例4においては、インターレイヤ層としてポリビニルカルバゾール誘導体を採用したが、参考例においては、この材料に代えてCuPc(銅フタロシアニン)を選択した。CuPcの成膜法としては、抵抗加熱蒸着法を採用した。蒸着時の真空度は3.0〜5.0×10−4である。蒸着室内に配置された水晶振動子を用いた測定器をモニタリングすることによって、膜の厚さを制御し、1.5〜2.0Å/secの蒸着速度で20nmの膜厚を有するCuPc膜を成膜した。
また、実施例4においては、有機発光層としてポリフェニレンビニレン誘導体を採用したが、参考例においては、この材料に代えて、低分子材料として一般的に知られている発光材料であるAlq(アルミニウムキノリノール錯体)を選択した。この低分子材料の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着法を採用した。蒸着時の真空度は2.0〜4.0×10−4である。3.0〜4.0Å/secの蒸着速度で、60nmの膜厚を有する有機発光層を成膜した。
次に、低分子材料からなる有機発光層上に、陰極として、2nmの膜厚を有するLiF(フッ化リチウム)を成膜した。更に、保護膜として、150nmの膜厚を有するAlを成膜した。封止工程は、実施例4と同様に行われた。
このように得られた比較例3の有機EL表示装置を駆動したところ、画素欠陥が多く確認された。蒸着法を用いた成膜方法を用いる場合は、有機発光層の下方に形成された正孔輸送層の表面形状に沿って有機発光層が形成される。具体的に、不連続な複数の島状部を有する正孔輸送層の表面に形成された凹凸形状に沿って有機発光層が形成される。このため、有機発光層は、膜厚が大きい部分と、膜厚が小さい部分とを含む。このように形成された有機発光層においては、層厚が小さい部分に局所的に高電界が印加されるので大きな負荷がかかる。そのため、有機発光層上に形成された層と、有機発光層の下に形成された層とがショートし(接続され)、画素欠陥が生じたと考えられる。
以上詳述したように、本発明は、画素を区分する隔壁上を含む表示領域全体に所定の発光媒体層が形成された有機EL表示装置において、製造が容易でかつリーク電流を低減又は抑制することのできる有機EL表示装置及びその製造方法に有用である。また、本発明は、正孔輸送層の膜面方向におけるリーク電流を低減させ、素子特性を向上させた有機電界発光素子,画像表示装置,及び画像表示装置の製造方法に有用である。
50・・・表示装置(有機EL素子)
11,101・・・基板
12,102・・・第一電極(画素電極)
14,104・・・正孔輸送層/正孔注入層
15,105・・・インターレイヤ
16,106・・・有機発光層
17,107・・・第二電極(陰極)
17a,107a・・・光非透過性第二電極
17b,107b・・・光透過性第二電極
19,109・・・発光媒体層
19a・・・隔壁上に形成された発光媒体層
19b・・・パターニングされた発光媒体層
21,210・・・樹脂層
50,200・・・有機電界発光表示装置(有機電界発光装置)
23,203・・・隔壁
23a・・・微細な凹凸が形成された隔壁
26・・・封止キャップ
28,208・・・封止体
29,209・・・封止板
31,301・・・反射層
100・・・有機電界発光素子
600・・・凸版印刷装置
601・・・ステージ
602・・・被印刷基板
603・・・インキタンク
604・・・インキチャンバ
605・・・アニロックスロール
606・・・ドクタ
607・・・凸版
608・・・版胴
609・・・インキ層

Claims (32)

  1. 有機電界発光装置であって、
    基板と、
    前記基板上に形成され、画素領域を有する第一電極と、
    前記基板上に形成され、前記第一電極を区画し、凹凸形状の表面を有する隔壁と、
    前記画素領域上及び前記隔壁上に形成され、前記隔壁上の膜厚が前記凹凸形状に応じて不均一である発光媒体層と、
    前記発光媒体層上に形成された第二電極と、
    を含むことを特徴とする有機電界発光装置。
  2. 請求項1に記載の有機電界発光装置であって、
    前記隔壁上に形成された前記発光媒体層は、正孔輸送層であることを特徴とする有機電界発光装置。
  3. 請求項2に記載の有機電界発光装置であって、
    前記正孔輸送層は、無機化合物であることを特徴とする有機電界発光装置。
  4. 請求項3に記載の有機電界発光装置であって、
    前記無機化合物は、遷移金属を一種以上含むことを特徴とする有機電界発光装置。
  5. 請求項4に記載の有機電界発光装置であって、
    前記無機化合物は、酸化物、窒化物、又は硫化物であることを特徴とする有機電界発光装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の有機電界発光装置であって、
    前記無機化合物の膜厚は、1nm以上50nm以下であることを特徴とする有機電界発光装置。
  7. 請求項1に記載の有機電界発光装置であって、
    前記凹凸形状の表面における凸部の平均間隔は、1nm以上100nm以下であることを特徴とする有機電界発光装置。
  8. 請求項1に記載の有機電界発光装置であって、
    前記隔壁上に形成された前記発光媒体層は、前記凹凸形状に応じて形成された凹凸膜であることを特徴とする有機電界発光装置。
  9. 有機電界発光装置の製造方法であって、
    基板を準備し、
    前記基板上に、画素領域を有する第一電極を形成し、
    前記基板上に、前記第一電極を区画し、凹凸形状の表面を有する隔壁を形成し、
    ドライ成膜法を用いて、発光媒体層の少なくとも一部を前記画素領域上及び前記隔壁上に形成し、
    前記発光媒体層上に第二電極を形成する
    ことを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記隔壁の前記表面にプラズマ処理を施すことにより、前記凹凸形状を設けることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記プラズマ処理において用いられるチャンバに供給される導入ガスは、アルゴン、酸素、窒素、ヘリウム、フッ素、水素から選択された一種類のガス又は二種類以上の混合ガスであることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記プラズマ処理においては、酸素を含むプラズマが50W以上300W以下の電力で、前記隔壁の前記表面に照射されることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  13. 有機電界発光装置であって、
    基板と、
    前記基板上に形成された第一電極と、
    前記第一電極に対向するように形成された第二電極と、
    前記第一電極と第二電極との間に挟持され、少なくとも無機化合物からなる正孔輸送層及び有機発光層を含む発光媒体層と、
    前記正孔輸送層からなる不連続な島状部と、
    を含むことを特徴とする有機電界発光装置。
  14. 請求項13に記載の有機電界発光装置であって、
    前記第一電極を複数の画素に区画する隔壁を有し、
    前記正孔輸送層は、前記第一電極上及び前記隔壁上に形成され、
    前記正孔輸送層は、少なくとも前記第一電極上又は前記隔壁上に形成された前記島状部を構成することを特徴とする有機電界発光装置。
  15. 請求項13に記載の有機電界発光装置であって、
    前記無機化合物は、遷移金属を一種以上含むことを特徴とする有機電界発光装置。
  16. 請求項15に記載の有機電界発光装置であって、
    前記無機化合物は、酸化物、窒化物、又は硫化物であることを特徴とする有機電界発光装置。
  17. 請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の有機電界発光装置であって、
    可視光波長領域における前記無機化合物の平均光透過性は、75%以上であることを特徴とする有機電界発光装置。
  18. 請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の有機電界発光装置であって、
    前記無機化合物の膜厚は、0.5〜20nm以下であることを特徴とする有機電界発光装置。
  19. 請求項13に記載の有機電界発光装置であって、
    前記正孔輸送層は、前記第一電極上に形成された前記島状部を構成することを特徴とする有機電界発光装置。
  20. 請求項14に記載の有機電界発光装置であって、
    前記正孔輸送層は、前記隔壁上に形成された前記島状部を構成することを特徴とする有機電界発光装置。
  21. 請求項13に記載の有機電界発光装置であって、
    前記第一電極は、透明な電極であり、
    前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることを特徴とする有機電界発光装置。
  22. 請求項13に記載の有機電界発光装置であって、
    前記第二電極は、透明な電極であり、
    前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることを特徴とする有機電界発光装置。
  23. 画像表示装置であって、
    請求項13に記載の有機電界発光装置を表示素子として用いたことを特徴とする画像表示装置。
  24. 有機電界発光装置の製造方法であって、
    基板を準備し、
    前記基板上に第一電極を形成し、
    無機化合物からなり、不連続な島状部を有する正孔輸送層を前記第一電極上に形成し、
    湿式成膜法を用いて、前記正孔輸送層上に、バッファ層を形成し、
    前記バッファ層上に、有機発光層を形成し、
    前記第一電極に対向する第二電極を形成することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  25. 請求項24に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記第一電極を複数の画素に区画する隔壁を形成し、
    前記正孔輸送層を前記第一電極上及び前記隔壁上に形成することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  26. 請求項24に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記正孔輸送層を構成する前記無機化合物は、遷移金属を一種以上含む酸化物、窒化物、又は硫化物であり、
    前記無機化合物の膜厚は、0.5〜20nm以下であることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  27. 請求項24に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記バッファ層は、インターレイヤであることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  28. 請求項24から請求項27のいずれか一項に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    湿式成膜法を用いて、前記有機発光層を形成することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  29. 請求項28に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    印刷法を用いて、前記有機発光層を形成することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  30. 請求項24から請求項27のいずれか一項に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記第一電極は、透明な電極であり、
    前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  31. 請求項24から請求項27のいずれか一項に記載の有機電界発光装置の製造方法であって、
    前記第二電極は、透明な電極であり、
    前記第一電極と前記第二電極との間において、前記第一電極上に前記正孔輸送層が形成され、前記正孔輸送層上に前記有機発光層が形成されていることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  32. 画像表示装置の製造方法であって、
    請求項24に記載の有機電界発光装置の製造方法を用いて、表示素子を形成することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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