JPWO2010109544A1 - 核酸を有効成分とする外用剤組成物 - Google Patents

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Abstract

皮膚透過性の良好な核酸含有の外用剤組成物を提供する。核酸をトリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩の低級脂肪酸系イオン液体に溶解させ、有機溶媒及び/又はトリイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩の脂肪酸系イオン液体を加えて、核酸の溶解度を調節し、核酸の混合イオン液体溶液を作製する。該イオン液体溶液を軟膏基剤やマトリックス貼付基剤に混合し分散させることにより、非水系外用剤組成物を作製した。本発明で得られる核酸を含有する外用剤組成物は、皮膚透過性に優れた外用剤組成物であり、核酸の種類に応じて適切な外用剤組成物を提供することができる。

Description

本発明は、核酸を溶解した脂肪酸系イオン液体を必須成分とする外用剤用の組成物に関するものである。
核酸の経皮吸収製剤については、幾つか公表されている。例えば、核酸とカチオン性アミノグリコシドの複合体を有効成分とするもの(特許文献1)、核酸とポリペプチドの混合物を利用するもの(特許文献2)、核酸とアルギン酸の混合物を利用するもの(特許文献3、4)が知られている。例えば、NFκB核酸を使用した新しい抗炎症軟膏の開発が進められており、特に重症アトピー性皮膚炎の顔面病変に対する治療薬として臨床適用が期待されている。
一方、核酸は、分子量が大きく、通常約10,000以上であり、経皮吸収可能な分子量の範囲を大きく超えている。即ち、皮膚では外界と生体内部環境を隔てるバリヤー機能が極めてよく発達しているため、分子量1,000を超える物質の透過は著しく抑制されている。従って、核酸を経皮吸収させることは著しく困難であった。
そこで、核酸をナノ粒子に吸着担持させて、ナノ粒子の皮膚内、及び細胞内への浸透に伴い、核酸を経皮吸収させることも行われている(特許文献5)。更には、核酸を溶解させ経皮吸収させるために、プロトン性イオン液体が有効であることが報告されている(特許文献6)このように、色々な試みがなされているが、充分な核酸の経皮吸収性はまだ得られていなかった。
特表2005-511644号公報 特表2000-509394号公報 特開2007-137891号公報 特表2006-111591号公報 特開2008-56611号公報 特開2008-184402号公報
本発明は、核酸を溶解し、経皮吸収性が向上した非水系外用剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、炭素数が2〜20である脂肪酸系イオン液体を溶媒として使用することによって外用剤中での核酸の溶解性を高めることができ、しかも核酸の経皮吸収性を向上させることができることを見出した。
その際、本発明者らは、複数の脂肪酸系イオン液体を混合することによって、あるいは有機溶媒で脂肪酸系イオン液体を希釈することによって、核酸の溶解度をコントロールできることを見出した。その結果、イオン液体中の核酸の溶解度を飽和近くにコントロールすることにより、核酸の経皮吸収性を最も最適な状態に設定できることを見出した。即ち、核酸をよく溶解するイオン液体(溶解用イオン液体)に、核酸をあまり溶解しない溶液(有機溶媒あるいは希釈用のイオン液体)で希釈し、核酸の溶解度をコントロールできる。また、核酸の経皮吸収性は、製剤中の核酸濃度が高いほど、経皮吸収性が良くなる傾向にあることも見出した。本発明者らは、これらの知見により本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)転写因子デコイ以外の核酸が脂肪酸系混合イオン液体に溶解して含有される非水系外用剤組成物であって、脂肪酸系混合イオン液体の組成が、
a)炭素数2〜7の低級脂肪酸のトリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩である低級脂肪酸系イオン液体の一つ以上と、
b)核酸の溶解度が1w/w%以下である炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体、及び/又は脂肪酸系イオン液体に溶解し且つ核酸の溶解度が1w/w%以下の有機溶媒、とからなるものであり、該混合イオン液体が外用剤基剤に混合分散されていることを特徴とする、外用剤組成物。
(2)炭素数2〜7の低級脂肪酸が、グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸の中から一つ以上が選択されるものである、上記(1)に記載の非水系外用剤組成物。
(3)低級脂肪酸系イオン液体が、レブリン酸ジエタノールアミン塩及び/又はレブリン酸トリエタノールアミン塩である、上記(1)または(2)に記載の非水系外用剤組成物。
(4)核酸の溶解度が1w/w%以下である炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体が、炭素数2〜20の脂肪酸のイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩の中から一つ以上が選択されるものである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水系外用剤組成物。
(5)炭素数2〜20の脂肪酸が、グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸、イソステアリン酸の中から1つ以上が選択されるものである、上記(4)に記載の非水系外用剤組成物。
(6)有機溶媒が、アルコール系溶媒及び/又はエステル系溶媒である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非水系外用剤組成物。
(7)アルコール系溶媒が、イソプロパノールであり、エステル系溶媒が乳酸エチルエステルである、上記(6)に記載の非水系外用剤組成物。
(8)転写因子デコイ以外の核酸が脂肪酸系混合イオン液体に溶解して含有される非水系外用剤組成物であって、脂肪酸系混合イオン液体の組成が、
a)レブリン酸又はグリコール酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩であるイオン液体の一つ以上と、
b)グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸又はイソステアリン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩であるイオン液体の1つ以上、とからなるものであり、該混合イオン液体が軟膏基剤又は貼付剤基剤に混合分散されていることを特徴とする、上記(1)記載の非水系外用剤組成物。
(9)転写因子デコイ以外の核酸が脂肪酸系混合イオン液体に溶解して含有される非水系外用剤組成物であって、脂肪酸系混合イオン液体の組成が、
a)レブリン酸ジエタノールアミン塩及び/又はレブリン酸トリエタノールアミン塩であるイオン液体と、
b)レブリン酸、デカン酸、オレイン酸又はイソステアリン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩であるイオン液体の1つ以上、とからなるものであり、該混合イオン液体が軟膏基剤又は貼付剤基剤に混合分散されていることを特徴とする、上記(1)記載の非水系外用剤組成物。
(10)外用剤基剤が軟膏基剤のゲル化炭化水素または白色ワセリンである、上記(1)記載の非水系外用剤組成物。
本発明により、炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体を組合わせて使用し、イオン液体の核酸の溶解度をコントロールして、適切な治療濃度の核酸を溶解し、経皮吸収性が最適になるように製剤設計を行なうことが可能になった。また、希釈用の有機溶媒を使用することによっても、イオン液体の核酸の溶解度をコントロールでき、核酸の経皮吸収性を向上できるため、これらの溶解用のイオン液体と希釈用の有機溶媒、希釈用のイオン液体を組み合わせて経皮吸収性を最適化させ、核酸を含有する各種の外用剤、例えば液剤、軟膏、貼付剤などの製品を目的、用途に合わせて提供することができるようになった。
ラットピーリング試験の評価結果を示したグラフである。
発明を実施するための形態
本発明は、転写因子デコイ以外の核酸と炭素数2〜20の脂肪酸系混合イオン液体を必須成分として含有する非水系外用剤組成物に関するものである。
本明細書において「核酸」とは、薬効成分であるDNAおよびRNAを総称して言うものである。DNAとしては、遺伝子治療に用いられるDNAであれば特に限定されるものではない。例えばDNAワクチン、アンチセンス、リボザイム、アプタマー、siRNA等を挙げることができる。
核酸の外用剤組成物中の含量としては、経皮吸収されて治療上有効な到達量になるものであれば良く、特に限定されるものではない。
本発明において「脂肪酸系混合イオン液体」とは、次の組成(重量比)からなる混合イオン液体であって、
a)炭素数2〜7の低級脂肪酸のトリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩である低級脂肪酸系イオン液体の一つ以上と、
b)核酸の溶解度が1w/w%以下である炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体、及び/又は脂肪酸系イオン液体に溶解し且つ核酸の溶解度が1w/w%以下の有機溶媒、とからなるものを言う。
本明細において「炭素数2〜7の低級脂肪酸系イオン液体」とは、炭素数2〜7の脂肪酸とエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの3種の有機アミン化合物との等モルの常温溶融塩又は当モルの平衡混合物を表すが、使用する核酸の濃度や、他の添加物の影響を考慮し、脂肪酸又は有機アミンを過剰量添加することができる。過剰量としては、0.2倍モル量以内が望ましい。
また、炭素数2〜7の脂肪酸系イオン液体は単一であっても良く、複数の脂肪酸系イオン液体(有機アミン化合物のみが相違する場合のイオン液体も含む)の混合イオン液体であってもよい。
好ましい低級脂肪酸系イオン液体としては、グリコール酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、メトキシ酢酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、レブリン酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩を挙げることができる。より好ましい低級脂肪酸系イオン液体としては、レブリン酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩を挙げることができる。
低級脂肪酸系イオン液体を希釈して得られる「脂肪酸系混合イオン液体」の使用量としては、核酸を溶解させ、適切な溶解度を保持するために必要な量を使用できる。従って、製剤中の核酸の使用量に依存するが、好ましくは0.1〜30w/w%を挙げることができ、より好ましくは0.1〜10w/w%を挙げることができる。
本発明において「炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体」とは、炭素数2〜20の脂肪酸と炭素数4〜12の有機アミン化合物との等モルの常温溶融塩又は当モルの平衡混合物を表すが、使用する核酸の濃度や、他の添加物の影響を考慮し、脂肪酸又は有機アミン化合物を過剰量添加することができる。過剰量としては、0.2倍モル量以内が望ましい。好ましい脂肪酸としては、例えば、グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸、ヘキサン酸等の炭素数2〜7の低級脂肪酸、例えば2−エチルへキサン酸、オクタン酸、デカン酸等の炭素数8〜12の中級脂肪酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の炭素数13〜20の高級脂肪酸を挙げることができる。好ましい有機アミン化合物としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンを挙げることができる。
本発明では、核酸の溶解度が1w/w%以下のイオン液体を使用するので、好ましい脂肪酸系イオン液体として炭素数2〜7の低級脂肪酸を使用する場合には、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩を挙げることができる。より好ましいものとしては、グリコール酸のジイソプロパノールアミン塩,トリイソプロパノールアミン塩,レブリン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩を挙げることができる。
好ましい脂肪酸系イオン液体として炭素数が8〜12の中級脂肪酸を使用する場合には、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、イソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩を挙げることができる。より好ましいものとしては、デカン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩を挙げることができる。
好ましい脂肪酸系イオン液体として炭素数が13〜20の高級脂肪酸を使用する場合には、中級脂肪酸と同様の有機アミン化合物を使用することができ、より好ましいものとして、イソステアリン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩を挙げることができる。
本発明において「有機溶媒」とは、脂肪酸系イオン液体中の核酸を希釈し、溶媒和する働き示すものを言う。即ち、核酸溶解用の脂肪酸系イオン液体を希釈して核酸の溶解度を低下させるために、有機溶媒の核酸溶解度が1w/w%以下であり、脂肪酸系イオン液体に均一に溶解する有機溶媒であることが必要である。このような有機溶媒としては、溶媒和を促進するための溶媒としてプロトン・アクセプターとしてエステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒が挙げられる。また、プロトン・ドナーとしてアルコール系溶媒が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えばTHF、ブチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエーテル等を挙げることができる。ケトン系溶媒としては、例えばメチルイソブチルケトン等を挙げることができる。エステル系溶媒としては、例えば酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸プロピル、酪酸エチル等の低級アルキルカルボン酸エステル、例えばセバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル等の脂肪酸エステル類、例えば炭酸プロピレン等の炭酸エステル類、例えばオリーブ油、やし油等の植物油類等を挙げることができる。アルコール系溶媒としては、例えばプロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ペンタノール、オクタノール、ドデカノール等の炭素数3〜12の低級アルコール、例えば、ベンジルアルコール,ラウリルアルコール,ミリスチルアルコール,セチルアルコール,ステアリルアルコール,セトステアリルアルコール,2−オクチルドデカノール等の高級アルコール、例えばグリセリン等の多価アルコール等を挙げることができる。好ましいものとしては、エステル系溶媒とアルコール系溶媒を挙げることができ、より好ましいアルコール系溶媒としてはイソプロパノール、より好ましいエステル系溶媒としては乳酸エチルを挙げることができる。
これら有機溶媒の添加量としては、必要に応じて適宜増減することができる。
なお、上記とは逆になるが、核酸の溶解度の高い有機溶媒を使用し、核酸溶解度の低い脂肪酸系イオン液体と混合すると、当該イオン液体の核酸溶解度を高めることが出来る。従って、前述のように脂肪酸系混合イオン液体を作製したが、核酸の溶解度が低くなり過ぎた場合には、必要に応じて溶解度の高い有機溶媒,例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶媒を使用し、溶解度を上げることもできる。このように、溶解度の微調整などのために、核酸溶解液量を増やす必要がある場合などに、核酸の溶解度が1w/w%よりも高い有機溶媒も必要に応じて使用できる。
本発明において「非水系外用剤組成物」とは、水を構成成分として含有しない外用剤組成物のことである。本発明の非水系外用剤は、前述の「脂肪酸系混合イオン液体」に加えて、外用剤基剤を含有し、更に通常の外用剤に添加されているような添加剤を適宜含有することができる。また、その製造方法は、製剤学的に汎用されている手段を採用して行うことができる。
本発明において「外用剤基剤」とは、例えば、液剤、ゲル剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤などに使用される基剤のことを言う。
含有される添加剤としては、一般に使用される公知の抗酸化剤、防腐剤、増粘剤、保存剤を使用することができる。
抗酸化剤としてはアスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸、パラオキシ安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン)、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸イソブチル、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸又はその混合物等を挙げることができる。好ましくは、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウムとサリチル酸又はその混合物等を挙げることができる。
増粘剤としては、常温で固体であり、水に難溶な物質のことを言う。例えば、無機材料としては、例えば非晶性二酸化ケイ素、カオリン(石膏)、珪藻土、タルク、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム等のものを挙げることができる。有機材料としては、例えば、結晶セルロース等を挙げることができる。好ましいものとしては、軽質無水ケイ酸を挙げることができる。
更に、核酸の分解を抑制するために保存剤として、キレート剤を使用することができる。即ち、皮膚表面に存在するDNA分解酵素の活性を抑制するため、Zn等の2価金属イオンを除去することに使用されるキレート剤のことを言う。具体的には、この目的で使用でき、皮膚刺激性の少ないものが挙げられ、例えば、エデト酸2ナトリウム塩(EDTA・2Na)、アセチル酢酸メチルエステル、アセチル酢酸エチルエステル等のアセチル酢酸エステルなどを挙げることができる。好ましくは、EDTA・2Naを挙げることができる。
本発明の外用剤は、薬効成分である核酸を溶解した脂肪酸系混合イオン液体を製剤の基剤となる構成成分に溶解または混合分散させ、懸濁して作製することができる。外用剤の基剤としては、例えば軟膏剤においては、白色ワセリン、流動パラフィン、ゲル化炭化水素などを基剤とすることが挙げられる。ゲル状炭化水素とは、流動パラフィン、パラフィン、イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ポリブテン等の炭化水素をゲル化したものである。特に、流動パラフィンをポリエチレン樹脂でゲル化したもの、油脂をゴム・エラストマーでゲル化したものが好ましい。例えば、流動パラフィン(日局)を5〜10重量%のポリエチレン樹脂でゲル化したプラスチベース(商品名)、ポロイド(商品名)、ゲル化炭化水素にグリセリン脂肪酸エステルを加えて親水性を付与した親水ゲル化炭化水素(プラスチベースハイドロフィリック(商品名))などが挙げられる。
液剤においては、例えば、イソプロパノール、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類と、例えばオリーブ油、ダイズ油等の油脂類との混合溶液を基剤とすることが挙げられる。
貼付剤においては、粘着剤が基剤とされる。ここで言う粘着剤とは、主にエラストマーと粘着付与剤、軟化剤、充填剤、抗酸化剤等からなるものである。特に、軟化剤、充填剤、抗酸化剤は必要に応じ適宜増減、削除できる。
上記エラストマーとしては、例えばスチレン−イソプレン−スチレン・ブロック(以下SISという)共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンゴム−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、シリコンゴム等の合成ゴム、例えばポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸系樹脂、天然ゴムなどを挙げることができる。好ましいものとしては、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリイソプレン、ブチルゴム、天然ゴム等のゴム系重合体をベースとするものが挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記樹脂フィルムは単独で使用されてもよく、二種以上が積層されて使用されてもよい。
上記粘着付与剤とは、脂環族炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、ポリスチレン系樹脂、ロジン、水添ロジン等を言う。好ましいものとしては、脂環族炭化水素樹脂を挙げることができる。
上記軟化剤としては、例えばプロセスオイル、低分子ポリブテン等の石油系軟化剤、例えばヒマシ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、精製ラノリン等を挙げることができる。
上記充填剤としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸類などのものを挙げることができる。
上記のようにして製造される本発明の非水系外用剤組成物は、核酸の低濃度でも経皮吸収できるため、DNAワクチン等の治療に好適であり、鳥インフルエンザを始めとする感染症の防御のために、ヒトまたは他の哺乳動物に対して、経皮的に投与することができる。
以下、実施例および試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
実施例1:脂肪酸系イオン液体(単一イオン液体)に対する核酸(サケ精子DNA)の溶解度
脂肪酸としてレブリン酸、グリコール酸、デカン酸、イソステアリン酸を使用し、塩基としてエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンを使用して、それぞれ脂肪酸と塩基を等モル秤取して混合し、80℃で20分間加温して、合計24種の脂肪酸系イオン液体を作製した。
サケ精子(Salmon Sperm)DNA(Applichem社製)約5mgをサンプル容器に秤量し、約100mgの上記脂肪酸系イオン液体を添加し、80℃、約1時間加温した。室温に放冷後、核酸の溶解状況を目視で確認した。不溶の場合は更に該イオン液体を添加する。この該イオン液体の添加操作は、DNAが溶解するまで行なう。一方、最初のイオン液体の添加で溶解した場合には、該DNAを更に秤量して添加する。この添加操作は、DNAが溶解しなくなるまで行なう。DNAが残存する場合には、該イオン液体を更に追加して、均一に溶解させ、添加したDNA量の総量と添加したイオン液体の総量から、DNAの溶解度(g/イオン液体100g)を算出する。
この結果を、以下の表1と表2に示す。
Figure 2010109544
[注記]
N.D.:レブリン酸とエタノールアミンとの反応等が進行し、不溶物が沈殿。
Figure 2010109544
上記表1で示されるように、塩基がエタノールアミン類の場合、レブリン酸系イオン液体とグリコール酸系イオン液体にDNAがよく溶解する。しかし、デカン酸系イオン液体、イソステアリン酸系イオン液体には、DNAはほとんど溶解しなかった。また、上記表2で示されるように、塩基がイソプロパノールアミン類の場合には、どの脂肪酸系イオン液体においてもDNAがほとんど溶解しなかった。
実施例2:混合イオン液体に対する核酸(サケ精子DNA)の溶解度
(1)レブリン酸系混合イオン液体(トリエタノールアミン塩/トリイソプロパノールアミン塩):
上記表1と表2に示されるように、レブリン酸トリエタノールアミンは核酸の溶解度が高いが、レブリン酸トリイソプロパノールアミンは核酸の溶解度が低い。そこで、両者を表3の重量比で混合した混合イオン液体を作製し、その組成比の混合イオン液体における核酸の溶解度変化を検討した。
実施例1の方法に準じてサケ精子(Salmon Sperm)DNAの溶解度を同様に測定した。その結果を以下の表3に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
・トリイソ:トリイソプロパノールアミン
(2)レブリン酸系混合イオン液体(ジエタノールアミン塩/トリイソプロパノールアミン塩):
前項(1)と同様にして、表4の組成比のレブリン酸ジエタノールアミンとレブリン酸トリイソプロパノールアミンの混合イオン液体を作製し、核酸の溶解度を検討した。
その結果を以下の表4に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
・トリイソ:トリイソプロパノールアミン
(3)グリコール酸系混合イオン液体(トリエタノールアミン塩/トリイソプロパノールアミン塩):
前項(1)と同様にして、表5の組成比のグリコール酸トリエタノールアミンとグリコール酸トリイソプロパノールアミンの混合系イオン液体を作製し、核酸の溶解度を評価した。
その結果を以下の表5に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
・トリイソ:トリイソプロパノールアミン
実施例3:イオン液体中の溶解度に対する核酸分子の分子量の影響
実施例1と同様にして、サケ精子(Salmon Sperm)DNA(500−1000bp)と配列番号1で示される合成2本鎖DNA(93bp)を使用して、イオン液体(レブリン酸トリエタノールアミン塩)への溶解度を評価した。各DNAを約5mgサンプル容器に秤取し、該イオン液体を約100mg秤取して、80℃、約30分間加温した。室温に放冷後、各DNAの溶解状況を確認した。溶解していなければ更にイオン液体を追加し、溶解するまで上記作業を繰り返えした。
上記のようにして、各DNAの溶解度を求めたところ、以下の表6のようになった。
Figure 2010109544
表6に示されるように、サケ精子DNAと合成2本鎖DNA(配列番号1)の溶解度を比較すると、分子量の大きいサケ精子DNAの方の溶解度が少し低いことが示された。しかし、分子量の違いに、大きく影響されないことが分かった。
実施例4:合成2本鎖DNAの混合イオン液体における溶解度
合成2本鎖DNA(配列番号1)を用いて、混合イオン液体(レブリン酸トリエタノールアミン塩とレブリン酸トリイソプロパノールアミン塩)の溶解度を検討した。以下の表7の組成比(重量比)の混合イオン液体を作製し、イオン液体中での合成2本鎖DNAの濃度が1%になるようにDNAを秤取して混合イオン液体に添加・撹拌した。その結果、表7のようにレブリン酸トリエタノールアミン塩とレブリン酸トリイソプロパノールアミン塩との混合比が1:4の時が飽和限界となった。
この結果を、サケ精子DNAの溶解度と対比して表7に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
・トリイソ:トリイソプロパノールアミン
上記表7に示されるように、溶解性に関しては、合成2本鎖DNAの方が少しよいので、1%濃度の飽和溶解度を設定するためには、サケ精子DNAの場合と比較して、希釈用イオン液体(レブリン酸トリイソ)の添加量を増やす必要があることが確認された。
実施例5:イオン液体の核酸溶解度の変化が及ぼす経皮吸収性への効果
実施例2で示されるように、混合イオン液体の組成を変化させると、核酸の溶解度が変化する。そこで、核酸の経皮吸収性がイオン液体の核酸溶解度によってどのような影響を受けるかを検討した。まず、合成2本鎖DNA(配列番号1)0.5mgをサンプル容器に秤取し、各レブリン酸系の混合イオン液体を0.05g添加し溶解した。更にゲル化炭化水素 0.95gを添加し、以下の表8の組成(w/w%)の軟膏製剤(製剤例1〜7)を作製した。
作製された製剤例1〜7の軟膏製剤を用いて、試験例1の経皮吸収性評価試験(ピーリング評価試験)を行ない、各混合イオン液体の経皮吸収性を評価した。
その結果を表9と図1に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン、トリイソ:トリイソプロパノールアミン
a)他の添加物としてEDTA、防腐剤、増粘剤を含む。
b)他の添加物として抗酸化剤を含有。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
・トリイソ:トリイソプロパノールアミン
上記表9の製造例1と2に示されるように、核酸をイオン液体に溶解させることにより、核酸が経皮吸収されることを見出した。
更に核酸の経皮吸収性を向上させるために、希釈用のイオン液体を使用して、混合イオン液体を作製し、混合イオン液体中の核酸の溶解度を低下させた。このようにして、核酸のイオン液体に対する飽和度を上げて行くと、製剤例2〜6に示されるように、イオン液体中の核酸の飽和度が上昇するに従い、経皮吸収性が向上していることが、表9と図1の結果で示された。
実施例6:イオン液体の核酸溶解度に及ぼすアルコール系溶媒の添加効果
イオン液体としてレブリン酸トリエタノールアミン塩を使用し、アルコール系溶媒としてイソプロパノールを使用した。イソプロパノールは、該イオン液体に均一に溶解する。まず、サケ(Salmon Sperm)DNA2mgをサンプル容器に秤量し、該イオン液体とイソプロパノールを使用して、実施例2と同様にサケ精子(Salmon Sperm)DNAの溶解度を測定した。その結果を以下の表10に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
上記表10の結果から、アルコール類(イソプロパノール)は、イオン液体に溶解して、実施例2の希釈用イオン液体と同様に、溶解用イオン液体(レブリン酸トリエタノールアミン塩)の核酸溶解度を低下させることが分かった。従って、これらのアルコール類は溶解度調節用の希釈溶媒として使用できることが明らかとなった。
実施例7:イオン液体の核酸溶解度に及ぼすエステル系溶媒の添加効果
イオン液体としてレブリン酸トリエタノールアミン塩を使用し、エステル系溶媒として乳酸エチルエステルを使用した。乳酸エチルエステルは、該イオン液体に均一に溶解する。まず、サケ精子(Salmon Sperm)DNA2mgをサンプル容器に秤量し、実施例6と同様にして、サケ精子DNAの溶解度を測定した。その結果を以下の表11に示す。
Figure 2010109544
[注記]
・トリエタ:トリエタノールアミン
上記表11の結果から、イオン液体に溶解するエステル類は、実施例6のイソプロパノールと同様に、溶解用イオン液体(レブリン酸トリエタノールアミン塩)の核酸溶解度を低下させることが分かった。従って、これらのエステル類は溶解度調節用の希釈溶媒として使用できることが明らかとなった。
試験例1:皮膚への経皮吸収性の評価試験(ピーリング試験)
Wister系雄性ラット(6週令)の背部の皮膚を剃毛した。実施例5で得られたサンプル(製剤例1〜6)を剃毛した皮膚の直径1.5cmの円形の範囲に塗布した。塗布後、薬剤塗布面を粘着パッドを保護した。塗布の30分後、粘着パッドを剥がし、皮膚に残存するサンプルを拭き取った。
塗布部分の皮膚に粘着テープを貼付し、剥離した。更に、粘着テープの貼付、剥離を2回繰り返し、3枚のテープから、抽出溶媒(超純水2mLと10mM Tris-EDTA(pH7.0)0.5mL)でテープからサンプル中のDNAを抽出し、その抽出量をHPLCで定量した。
その結果を表9と図1に示した。
本発明の非水系外用剤組成物は、核酸の優れた皮膚透過性を示すので、核酸の簡便かつ有効なDDS製剤となり得る。また、DNAワクチンなどの分野において、本発明の非水系外用剤組成物は、より簡便で有効な製品を供給することができる。

Claims (10)

  1. 転写因子デコイ以外の核酸が脂肪酸系混合イオン液体に溶解して含有される非水系外用剤組成物であって、脂肪酸系混合イオン液体の組成が、
    a)炭素数2〜7の低級脂肪酸のトリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩である低級脂肪酸系イオン液体の一つ以上と、
    b)核酸の溶解度が1w/w%以下である炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体、及び/又は脂肪酸系イオン液体に溶解し且つ核酸の溶解度が1w/w%以下の有機溶媒、とからなるものであり、該混合イオン液体が外用剤基剤に混合分散されていることを特徴とする、外用剤組成物。
  2. 炭素数2〜7の低級脂肪酸が、グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸の中から一つ以上が選択されるものである、請求項1に記載の非水系外用剤組成物。
  3. 低級脂肪酸系イオン液体が、レブリン酸ジエタノールアミン塩及び/又はレブリン酸トリエタノールアミン塩である、請求項1または2に記載の非水系外用剤組成物。
  4. 核酸の溶解度が1w/w%以下である炭素数2〜20の脂肪酸系イオン液体が、炭素数2〜20の脂肪酸のイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩の中から一つ以上が選択されるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系外用剤組成物。
  5. 炭素数2〜20の脂肪酸が、グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸、イソステアリン酸の中から1つ以上が選択されるものである、請求項4に記載の非水系外用剤組成物。
  6. 有機溶媒が、アルコール系溶媒及び/又はエステル系溶媒である、請求項1〜5のいずれかに記載の非水系外用剤組成物。
  7. アルコール系溶媒が、イソプロパノールであり、エステル系溶媒が乳酸エチルエステルである、請求項6に記載の非水系外用剤組成物。
  8. 転写因子デコイ以外の核酸が脂肪酸系混合イオン液体に溶解して含有される非水系外用剤組成物であって、脂肪酸系混合イオン液体の組成が、
    a)レブリン酸又はグリコール酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩であるイオン液体の一つ以上と、
    b)グリコール酸、メトキシ酢酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸又はイソステアリン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩であるイオン液体の1つ以上、とからなるものであり、該混合イオン液体が軟膏基剤又は貼付剤基剤に混合分散されていることを特徴とする、請求項1記載の非水系外用剤組成物。
  9. 転写因子デコイ以外の核酸が脂肪酸系混合イオン液体に溶解して含有される非水系外用剤組成物であって、脂肪酸系混合イオン液体の組成が、
    a)レブリン酸ジエタノールアミン塩及び/又はレブリン酸トリエタノールアミン塩であるイオン液体と、
    b)レブリン酸、デカン酸、オレイン酸又はイソステアリン酸のジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩であるイオン液体の1つ以上、とからなるものであり、該混合イオン液体が軟膏基剤又は貼付剤基剤に混合分散されていることを特徴とする、請求項1記載の非水系外用剤組成物。
  10. 外用剤基剤が軟膏基剤のゲル化炭化水素または白色ワセリンである、請求項1記載の非水系外用剤組成物。
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