JP2003160489A - オンダンセトロン経皮吸収用医薬組成物 - Google Patents

オンダンセトロン経皮吸収用医薬組成物

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JP2003160489A
JP2003160489A JP2001364680A JP2001364680A JP2003160489A JP 2003160489 A JP2003160489 A JP 2003160489A JP 2001364680 A JP2001364680 A JP 2001364680A JP 2001364680 A JP2001364680 A JP 2001364680A JP 2003160489 A JP2003160489 A JP 2003160489A
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ondansetron
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fatty acid
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JP2001364680A
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Taku Ito
卓 伊藤
Minoru Iwazu
稔 岩津
Hiroki Takada
浩樹 高田
Mitsuo Murakami
満生 村上
Junko Yamada
純子 山田
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Takada Seiyaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オンダンセトロンを皮膚から吸収させるため
の医薬組成物。 【解決手段】 オンダンセトロンを皮膚から吸収させる
ため、不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸など)を吸収促進剤として使用し、オンダンセトロ
ン1重量部に対して不飽和脂肪酸3〜7重量部を配合し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、がん化学療法剤な
どの投与時の副作用である嘔吐の発現を抑制するオンダ
ンセトロンの経皮吸収用医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】がん化学療法剤の投与により副作用とし
て発現する嘔吐は、がんの効果的な治療上の障害となっ
ている。このようながん化学療法剤の投与により発現す
る嘔吐を抑制するためには、従来から、オンダンセトロ
ンなど種々の制吐剤の経口投与または注射剤による投与
などが行われてきた。ところが、抗がん剤による嘔吐
は、投薬中のみならず、休薬中も認められるところか
ら、制吐剤投与による効果は長期間継続することが必要
であり、従って、投与が容易であることが望まれる。
【0003】すでに、1日1回の投与で充分に制吐効果
を維持することができるような薬剤が実用化されていた
り、服用しやすくするために口腔内速溶錠やシロップ剤
などの剤形が開発されているものもある。しかしなが
ら、小児や高齢者には経口による服用が困難であった
り、服用してもすぐに嘔吐してしまったりして、薬剤の
充分な効果を保証することが困難であった。
【0004】また、がん化学療法剤の投与経路は、通
常、注射による場合が多いため、更に制吐剤を注射によ
り投与することは、患者の苦痛を伴うだけでなく、治療
施設の整った限定された施設で点滴静注を受けるなどの
対処を余儀なくされて、在宅治療では行うことができな
いという使用上の制限がある。
【0005】近年、がん患者の在宅治療が増加する傾向
があり、将来も増えると予想されていることから、患者
のQOL(Quality of Life)という観点からは、従来
の経口投与や注射剤投与は好ましいものではない。
【0006】一方、近年、経皮吸収製剤の開発が以下の
利点により積極的に進められている。すなわち、経皮吸
収製剤では、 1.体内に吸収された薬物が初回循環では肝臓を通過し
ないため、経口投与法の場合のように腸で吸収された薬
物が肝臓へ循環して代謝を受けその薬効が減退するとい
う欠点が少ない、 2.注射剤に比べると患者の精神的負担、肉体的苦痛が
少ない上、投薬に際して、医師、看護婦などの人手を要
しない、 3.血中濃度を長時間必要レベルに維持しやすく、長時
間にわたって連続投与が可能である、 4.必要に応じて投与を容易に中断し得る、 などの利点を有している。
【0007】以上のことから、オンダンセトロンなどの
制吐剤の経皮吸収製剤が強く望まれており、その製剤開
発は医療上極めて有益である。
【0008】一般的に、皮膚は本来外部からの異物の侵
入を防ぐ働きを有しているので、単に製剤を皮膚に塗布
または貼付しただけでは、薬効の発現に必要かつ充分な
量の薬物を生体内に送り込むことは難しい。しかも、オ
ンダンセトロンは、エタノールやプロピレングリコール
などに溶解しただけの溶液を用いても、まったく皮膚か
ら吸収されないことが知られている。また、溶剤やパッ
プ剤の基剤、粘着剤などに対する溶解性が悪く、結晶が
析出しやすいため、必要量を溶解状態で安定に保持する
ことさえ極めて困難である。薬物が結晶化すると、皮膚
からの吸収は妨げられる。そのため、オンダンセトロン
の経皮吸収製剤開発は、テープ剤を含めて、製剤の安定
性、経皮吸収性、薬効発現性、薬効持続性などの問題を
解決できていない。
【0009】ある種の医薬品の経皮吸収に、オレイン酸
が吸収促進剤として働くことが知られており、例えば、
再公表WO96/15793号では、プロスタグランジ
ン(PGI)の経皮吸収促進剤としてオレイン酸が用
いられている。また、特開平10−218793号で
は、フェルビナクなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬の経
皮吸収促進剤としてオレイン酸が用いられている。
【0010】オンダンセトロンの経皮吸収に対するオレ
イン酸の効果については、BIOMEDICAL CH
ROMATOGRAPHY Vol.14 p.141−14
3(2000)に記載がある。この文献に記載されてい
る実験は、オンダンセトロンを大量のプロピレングリコ
ールに溶解後、オレイン酸を加えて、皮膚透過試験を行
っているものであるが、この実験で使用された組成物
は、オンダンセトロン1重量部に対して、オレイン酸を
30倍以上用いており、到底実用化に供し得る製剤処方
ではない。すなわち、オンダンセトロンの経皮吸収製剤
としては、未だ医療上実用化可能なものは知られるに至
っていない。従来知られている処方では、医療上使用さ
れるに至るものはなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】オンダンセトロンの経
皮吸収製剤は、上記の通り従来から検討されてはいるも
のの、経皮吸収効果が高く、かつ皮膚刺激の低い、実用
化可能な経皮吸収製剤は未だ開発されていないのが現状
である。本発明の目的は、オンダンセトロンの優れた制
吐作用を生かしつつ、その主作用が長時間持続し、副作
用の発現がなく、かつ適用も容易で患者に苦痛を与える
ことのない経皮吸収製剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、上記の問題を解決する目的で、がん化学療
法剤などの投与時の副作用である嘔吐の発現を抑制する
オンダンセトロンの新たな経皮吸収剤組成物を得るべく
鋭意検討した結果、オンダンセトロンに、特定の比率
(重量)で不飽和脂肪酸を配合した組成物が極めて優れ
た経皮吸収性を示し、前記の諸問題が解消された理想的
な経皮吸収用製剤が得られることを見出した。
【0013】すなわち、本発明は、オンダンセトロンを
効率よく経皮吸収させるためには、オンダンセトロンに
対して特定の比率(重量)で不飽和脂肪酸を配合すれば
よいという、驚くべき新知見に基づいて完成されたもの
である。特に、この配合比率は、それより不飽和脂肪酸
の配合量が少ない場合はもとより、それより配合量が多
くても、所期の経皮吸収は達成できない点が重要であ
る。具体的には、オンダンセトロン1重量部に対して、
不飽和脂肪酸3〜7重量部を配合した製剤において、皮
膚を経て吸収されるオンダンセトロンの吸収効率が特に
高くなることを見出したことにより、本発明のオンダン
セトロン経皮吸収用組成物を完成した。
【0014】さらに、本発明は、その別の観点におい
て、オンダンセトロンの経皮吸収用組成物を調製するに
際して、オンダンセトロンを溶解するために使用する溶
剤の種類と量を特定したものでもある。具体的には、オ
ンダンセトロン1重量部に対して、溶剤4〜20重量部
を配合し、これを上記の比率で不飽和脂肪酸と配合する
ことにより、さらに皮膚に対する吸収効率が高くなるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0015】本発明は、皮膚からの吸収効率を高めた、
オンダンセトロンの経皮吸収用製剤組成物に関する。先
に述べたように、オンダンセトロンに対して30倍以上
のオレイン酸を配合して、その経皮吸収を検討した文献
はあるが(BIOMEDICAL CHROMATOG
RAPHY Vol.14 p.141−143(200
0))、このように大量の酸を含有する組成物は到底実
用化できない。本発明者らは、オンダンセトロンの経皮
吸収製剤には吸収促進剤の配合が必須であることに鑑
み、種々の化合物およびその配合比を検討した。その結
果、一般に不飽和脂肪酸がオンダンセトロンの吸収促進
効果を有することを確認し、驚くべきことに、オンダン
セトロンと不飽和脂肪酸との配合比率が、オンダンセト
ロンの皮膚透過率に大きな影響を及ぼすことを発見し
た。すなわち、オンダンセトロン1重量部に対して、不
飽和脂肪酸を3〜7重量部含有したものが、最も皮膚透
過率が良いことを見出した。
【0016】また、一般的に経皮吸収製剤は、その剤形
が変わると、薬物自体およびその含量が同じであって
も、吸収促進剤の種類や量によっては、かならずしも同
様な経皮吸収効果を示さないことが経験的に知られてい
る。しかしながら、本発明者らは、特定比率(重量)の
不飽和脂肪酸を配合したオンダンセトロンの経皮吸収製
剤においては、その剤形に依存することなく、常に好ま
しい経皮吸収効果が得られることを確認した。すなわ
ち、本発明のオンダンセトロン経皮吸収用組成物は、テ
ープ剤、ハップ剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション
剤、外用液剤などあらゆる経皮吸収製剤に、その剤形の
相違にかかわりなく適用可能である。
【0017】本発明に用いられる経皮吸収促進剤は、不
飽和脂肪酸類であり、特に好ましくは、二重結合1〜3
個を有する炭素数6〜24の不飽和脂肪酸である。本発
明において使用できる不飽和脂肪酸は、好ましくは、二
重結合1〜3個を有する炭素数15〜20の不飽和脂肪
酸であり、さらに好ましくは、オレイン酸、リノール酸
およびリノレン酸である。さらに最も好ましいのは、オ
レイン酸である。これらの不飽和脂肪酸は、遊離の酸と
してだけでなく、それらの塩またはエステルなどの形態
でも使用され得る。また、不飽和脂肪酸は二種類以上の
混合物として使用されてもよい。
【0018】さらに、本発明は、オンダンセトロンの経
皮吸収用組成物を調製するに際して、オンダンセトロン
を溶解するために使用する溶剤として、特定の種類の溶
剤を、一定量使用することにも関する。オンダンセトロ
ンは塩酸塩の状態で水、その他の極性溶媒に溶解するこ
とは知られており、前述の通り、文献上ではプロピレン
グリコールを用いている例がある。しかしながら、この
文献では、プロピレングリコールは、たまたま、単に溶
解剤として大過剰量を用いているにすぎない。しかしな
がら、本発明者らは種々検討を重ねる過程において、同
じ吸収促進剤を用いた場合であっても、溶媒の種類によ
って、また、溶媒の量によって、オンダンセトロンの透
過量に影響を与えることを見出した。特に、溶媒として
のプロピレングリコールまたはイソプロパノールがオン
ダンセトロンの経皮吸収促進効果を増加させる効果があ
り、特に、プロピレングリコールの場合は、その効果は
その量に依存するという予想外の結果を得た。
【0019】本発明の経皮吸収用組成物において、溶剤
としてプロピレングリコールを用いる場合、プロピレン
グリコールの量はオンダンセトロンを充分に溶解する量
であればよいが、特に、オンダンセトロン1重量部に対
して、プロピレングリコール4〜20重量部、好ましく
は5〜10重量部、さらに好ましくは5〜8重量部を用
いることができる。このように、経皮吸収を促進する最
適量が存在するということは、プロピレングリコール
が、単にオンダンセトロンを溶解するだけの働きではな
く、上記配合比範囲において、皮膚からの吸収促進に直
接関与している可能性を示唆するものと考えられる。
【0020】溶媒としてイソプロパノールを用いる場合
は、目的とする剤形によって使用する量が異なる。例え
ば、液剤またはゲル剤に用いる場合は、特に、オンダン
セトロン1重量部に対して、イソプロパノール1〜50
0重量部、好ましくは1〜100重量部を用いることが
できる。また、テープ剤、ハップ剤などの場合は、オン
ダンセトロン1重量部に対して、イソプロパノール4〜
20重量部、好ましくは5〜10重量部、さらに好まし
くは5〜8重量部を用いることができる。
【0021】本発明の経皮吸収用組成物の有効成分であ
るオンダンセトロンは、1,2,3,9−テトラヒドロ−
9−メチル−3−[(2−メチル−1H−イミダゾール−
1−イル)メチル]−4H−カノレバゾール−4−オンの
化学構造を有し、本発明には、その薬学上許容される
塩、溶媒和物および生理学上許容される同等物を用いる
ことができる。
【0022】オンダンセトロンは、一次求心性神経の末
端に位置し、また、中枢神経系中に存在する型の「神経
細胞の」5HTレセプターにおける5−ヒドロキシトリ
プトアミン(5HT)の有効な選択的アンタゴニストとし
て知られている。オンダンセトロンは、神経細胞の5H
Tレセプター機能の障害により引き起こされる症状のヒ
トまたは動物の治療において、特に片頭痛または神経障
害、例えば、精神分裂病の治療において使用される。ま
た、オンダンセトロンは、不安、肥満症および躁病のよ
うな症状の治療において有効である。欧米特許出願公開
第226266号明細書によれば、オンダンセトロンは
また、抗制吐剤であることが見出され、悪心および嘔吐
の治療または予防において使用される。嘔吐の治療にお
けるオンダンセトロンの使用はまた、欧米特許出願公開
第201165号明細書に記載されており、この明細書
にはさらに、過敏性腸症候群の治療におけるこれらの化
合物の使用が言及されている。多数の臨床的研究におい
て、嘔吐、特にがんの化学療法および放射線治療に関連
し、かつ手術後に起こる悪心および嘔吐の治療に対して
オンダンセトロンの有効性が証明されている。現在、日
本において承認されている適応症は、抗悪性腫瘍剤(シ
スプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)、
術後悪心、嘔吐の防止、放射線療法に伴う悪心・嘔吐で
ある。従来、この薬剤は注射によるか、または、経口的
に投与されている。
【0023】本発明の製剤には必要に応じて、使用可能
な防腐剤、粘着付与剤、可溶化剤、保存剤、香料、吸収
促進補助剤および安定化剤などの添加剤を加えても良
い。
【0024】本発明の製剤は、製剤的に安定な持続性の
製剤であり、腕、胸などに、1日に1回ないし数回また
は1週間に1回ないし数回塗布または貼付することによ
り、適用が容易で安全性が高く、安定した薬効が得られ
ることが期待される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の製剤の形態は、経皮投与
可能な形態、例えば、ゲル剤、軟膏剤、外用液剤、テー
プ剤、貼付剤、スプレー剤などが用いられ、いずれも通
常の工程を経て製造されるものである。例えば、オンダ
ンセトロンを溶媒(例えば、プロピレングリコールな
ど)に溶解後、経皮吸収剤としての不飽和脂肪酸(例え
ば、オレイン酸など)を添加することにより外用液剤を
得ることができる。また、オンダンセトロンを、溶媒
(例えば、プロピレングリコールなど)に溶解後、不飽
和脂肪酸(例えば、オレイン酸)、アクリル酸メチル・
アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョ
ンなどを加えて、粘着剤の混合溶液とし、PETフィル
ムなどの上に適量の上記混合溶液を均一に展延・乾燥
後、必要な大きさに切断することによりテープ剤を得る
ことができる。また、オンダンセトロンを溶媒(例え
ば、プロピレングリコール)に溶解し、不飽和脂肪酸
(例えば、オレイン酸)、濃グリセリンおよび疎水化ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースなどを添加し、均一
に分散するまで撹拌を行い、さらに精製水およびイソプ
ロパノールなどを加えて均一にゲル化するまで撹拌する
ことによりゲル剤を得ることができる。また、その他の
剤形についても一般的な常法によって製造することがで
きる。
【0026】本発明に用いられる製剤の基剤としては、
経皮吸収製剤に用いられる基剤であればよく、例えば、
シリコンオイル、白色ワセリン、プラスチベース、流動
パラフィン、アルコール系、グリコール系基剤、感圧性
シリコン粘着剤、シリコンゴム、スチレン−イソブチレ
ン−スチレンブロック共重合体ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ポリイソブチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、天然ゴム、ポリビニルアルキルエーテ
ル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリアミ
ド、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル
エステル−アクリル酸共重合体、ヒドロキシプロピルセ
ルロースまたはこれら2種以上の混合物が挙げられる。
好ましくは、シリコンオイル、感圧性シリコン粘着剤、
シリコンゴム、天然ゴム、ポリ(メタ)アクリル酸系粘着
剤またはこれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0027】また、テープ剤などにした場合の支持体
は、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン
テレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナ
イロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩
化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
リデン、アルミニウムなどが挙げられる。
【0028】本発明によって、オンダンセトロンの制吐
剤としての作用を損なうことなく、その作用が長時間持
続し、副作用がなく、適用も容易で患者に苦痛を与える
ことのない製剤を提供することができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0030】[実施例1]外用液剤の製造 塩酸オンダンセトロン(OND)10mgをイソプロパノー
ル(IP)400mgに溶解後、オレイン酸を50mg添加
し、精製水を添加して総量1gとなる外用液剤を得た。
【0031】同様にして、種々の吸収促進剤を代えて実
施例2〜3および比較例1〜6を得た。
【0032】
【表1】
【0033】[試験例1]皮膚透過試験 ユカタンミニブタ(5ヶ月齢、メス)冷凍保存皮膚をF
ranz型拡散セルに挟着し、レセプター層(pH 7.0 リ
ン酸緩衝液)の温度を37℃に保ち、ドナー層に外用液
剤を適用した。適用後28時間にわたり、経時的に0.
5mLずつサンプリングを行った。サンプリング液は高速
液体クロマトグラフィーにより定量を行い、単位時間か
つ単位面積当たりのオンダンセトロン皮膚透過量を皮膚
透過速度(μg/cm/hr)として算出した。なお、実
施例または比較例が固形化した場合、試験に適用する直
前に40〜50℃の恒温槽にて加温溶解後、使用した。
【0034】
【表2】
【0035】代表的な吸収促進剤として不飽和脂肪
酸、脂肪酸エステル、有機酸のうち一種類を含む外
用液剤を調製後、ミニブタ皮膚を用いたオンダンセトロ
ン透過試験を行った。その結果、不飽和脂肪酸を添加す
ることにより、オンダンセトロンの皮膚透過量はコント
ロール(吸収促進剤を含まない外用液剤)に比べて顕著
に増大した。本結果から、オンダンセトロンの皮膚透過
を促進させるには、不飽和脂肪酸が有効であることが認
められた。
【0036】[実施例4]外用液剤の製造 塩酸オンダンセトロン(OND)10mgをプロピレングリ
コール(PG)10mgに溶解後、オレイン酸を50mg添加
して外用液剤を得た。
【0037】同様にして、リノール酸に代えてリノレン
酸を用いて実施例5〜6を得た。
【0038】
【表3】
【0039】[試験例2]皮膚透過試験 試験例1と同様な試験を行った。
【0040】
【表4】
【0041】本結果から、溶媒としてプロピレングリコ
ールを用いることにより、これを加えない場合に比し
て、顕著に皮膚透過率が向上したことが確認できる。
【0042】[実施例7]外用液剤の製造 塩酸オンダンセトロン(OND)10mgをプロピレングリ
コール(PG)50mgに溶解後、異なる量のオレイン酸を
添加・撹拌することにより外用液剤を得た。
【0043】同様にして、吸収促進剤の添加量を変えて
実施例8〜13および比較例7を得た。
【0044】
【表5】
【0045】[試験例3]皮膚透過試験 試験例1と同様な試験を行った。
【0046】
【表6】
【0047】オレイン酸の添加量を変化させた時のオン
ダンセトロン皮膚透過量を比較した結果、オレイン酸5
0mg、つまり塩酸オンダンセトロンの5倍量添加した
時、皮膚透過量は最大となった。本結果から、オレイン
酸の最適濃度は塩酸オンダンセトロンの3〜7倍量、特
に5倍量が良い結果となることが判る。
【0048】[実施例14]外用液剤の製造 塩酸オンダンセトロン(OND)10mg、オレイン酸50
mgを混合した後、異なる量のプロピレングリコール(P
G)を添加・撹拌することにより外用液剤を得た。
【0049】同様にして、プロピレングリコールの量を
変えて実施例15〜17を得た。
【0050】
【表7】
【0051】[試験例4]皮膚透過試験 試験例1と同様な試験を行った。
【0052】
【表8】
【0053】プロピレングリコールの添加量を変化させ
た時のオンダンセトロン皮膚透過量を比較した結果、プ
ロピレングリコールの最適濃度は塩酸オンダンセトロン
の5〜10倍量であることが示された。
【0054】[比較例8]外用液剤の製造 実施例12と同様の操作により、プロピレングリコール
に代えて他のグリコール類を用いて比較例8〜11の外
用液剤を得た。
【0055】
【表9】
【0056】[試験例5]皮膚透過試験 溶解剤比較試
験 試験例1と同様な試験を行った。
【0057】
【表10】
【0058】吸収促進剤(オレイン酸)を用いない場
合、すなわち溶解剤のみ(比較例8〜10)では、オン
ダンセトロンは吸収されない。また、吸収促進剤を用い
た場合でもジプロピレングリコールやブチレングリコー
ルでは吸収される量は非常に少なかった。
【0059】[実施例18]ゲル剤の製造 塩酸オンダンセトロン(OND)50mgを容量10mLのガ
ラス容器に移した後、プロピレングリコール(PG)を加
えることによりオンダンセトロンを溶解した。次に、オ
レイン酸、濃グリセリンおよび疎水化ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース(商品名 サンジェロース90L:
S90L)をそれぞれ添加し、S90Lが均一に分散す
るまで撹拌を行った。さらに精製水およびイソプロパノ
ール(IP)を加えて均一にゲル化するまで撹拌し、ゲル
剤を得た。
【0060】同様にして、吸収促進剤の添加量を変えて
実施例19〜22および比較例12を得た。
【0061】
【表11】
【0062】[試験例6]皮膚透過試験 試験例1と同様な試験を行った。
【0063】
【表12】
【0064】オレイン酸の添加量を変化させたときの、
ゲル剤からのオンダンセトロン皮膚透過速度を比較した
結果、オレイン酸を塩酸オンダンセトロンの5倍量添加
したとき、皮膚透過速度は最大となった。本結果から、
ゲル剤におけるオレイン酸の最適添加量は塩酸オンダン
セトロンの3〜7倍量、特に5倍量が良い結果を与える
ことが判った。
【0065】[実施例23]テープ剤の製造 塩酸オンダンセトロン(OND)を容量10mLのガラス容
器に移し、プロピレングリコール(PG)を加えて溶解し
た。次に、ポリビニルピロリドン(PVP)、オレイン
酸、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル共重合樹脂エマルジョン(商品名 ニカゾールTS−
620:ニカゾール)、精製水および無水エタノールを
それぞれ加えて均一に撹拌し、粘着剤の混合溶液とし
た。次に、ステンレス製バット上にバッキングレイヤー
としてPETフィルムを用意し、その上に適量の上記混
合溶液を滴下した後、均一に展延した。60℃で2〜3
時間乾燥後、必要な大きさに切断し、テープ剤を得た。
【0066】同様にして、吸収促進剤の添加量を変えて
実施例24〜27および比較例13を得た。
【0067】
【表13】
【0068】[試験例7]皮膚透過試験 試験例1と同様な試験を行った。
【0069】
【表14】
【0070】オレイン酸の添加量を変化させたときの、
テープ剤からのオンダンセトロン皮膚透過速度を比較し
た結果、オレイン酸を塩酸オンダンセトロンの5倍量添
加したとき、皮膚透過速度は最大となった。本結果か
ら、テープ剤におけるオレイン酸の最適添加量は塩酸オ
ンダンセトロンの3〜7倍量、特に5倍量が良い結果を
与えることが判った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 9/70 405 A61K 9/70 405 47/10 47/10 47/12 47/12 A61P 1/08 A61P 1/08 3/04 3/04 25/00 25/00 25/06 25/06 25/18 25/18 25/22 25/22 35/00 35/00 (72)発明者 村上 満生 埼玉県さいたま市土呂町2−71−6 (72)発明者 山田 純子 埼玉県行田市緑町7−12 Fターム(参考) 4C076 AA06 AA11 AA17 AA72 BB31 CC01 CC16 CC21 CC27 DD37 DD38 DD41 FF12 FF31 FF34 FF56 FF68 4C086 AA01 AA02 BC38 GA07 MA02 MA03 MA05 MA16 MA28 MA32 MA63 NA08 NA10 NA11 NA12 ZA02 ZA08 ZA18 ZA70 ZA71 ZB26 ZC42

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オンダンセトロン1重量部に対して、吸
    収促進剤として不飽和脂肪酸3〜7重量部を含有してな
    るオンダンセトロン経皮吸収用医薬組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和脂肪酸が、二重結合1〜3個を有
    する炭素数6〜24の脂肪酸またはそれらの2種以上の
    混合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和脂肪酸が、二重結合1〜3個を有
    する炭素数15〜20の脂肪酸またはそれらの2種以上
    の混合物である、請求項1または2に記載の医薬組成
    物。
  4. 【請求項4】 不飽和脂肪酸が、オレイン酸、リノール
    酸もしくはリノレン酸またはそれらの2種以上の混合物
    である、請求項1〜3の何れかに記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 テープ剤、ハップ剤、クリーム剤、ゲル
    剤、ローション剤または外用液剤である、請求項1〜4
    の何れかに記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 プロピレングリコールを含有する、請求
    項1〜5の何れかに記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 オンダンセトロン1重量部に対して、プ
    ロピレングリコール4〜20重量部を含有する、請求項
    6に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 オンダンセトロン1重量部に対して、プ
    ロピレングリコール5〜8重量部を含有する、請求項7
    に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 イソプロパノールを含有する、請求項1
    〜5の何れかに記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 オンダンセトロン1重量部に対して、
    オレイン酸5重量部を含有する、請求項1〜9の何れか
    に記載の医薬組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008511663A (ja) * 2004-09-01 2008-04-17 ネクスメツド・ホールデイングス・インコーポレイテツド 経皮制吐送達系、そのための方法および組成物
WO2010050423A1 (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 日本臓器製薬株式会社 オンダンセトロン含有外用医薬組成物
US9186352B2 (en) 2012-08-24 2015-11-17 Integurx Therapeutics, Llc Chemical compositions for enhancing transdermal delivery of therapeutic agents

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