JPH10231248A - ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤 - Google Patents

ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤

Info

Publication number
JPH10231248A
JPH10231248A JP3513197A JP3513197A JPH10231248A JP H10231248 A JPH10231248 A JP H10231248A JP 3513197 A JP3513197 A JP 3513197A JP 3513197 A JP3513197 A JP 3513197A JP H10231248 A JPH10231248 A JP H10231248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
preparation
percutaneous absorption
acid
dihydroethorphine
transdermal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3513197A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Morimoto
雍憲 森本
Kenji Sugibayashi
堅次 杉林
Toshinobu Seki
俊暢 関
Teruaki Hayashi
輝朗 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK filed Critical T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority to JP3513197A priority Critical patent/JPH10231248A/ja
Publication of JPH10231248A publication Critical patent/JPH10231248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジヒドロエトルフィンの薬効が長時間持続す
る製剤を得る。 【解決手段】 ジヒドロエトルフィンまたはその薬学的
に妥当な塩を経皮吸収型の製剤にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジヒドロエトルフ
ィンまたはその薬学的に妥当な塩を有効成分として含有
する新規な経皮吸収型製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ジヒドロエトルフィン〔化学名:7a-[1-
(R)-hydroxy-1-methylbutyl] 6-,14-endo-ethanotetrah
ydro-oripavine〕は1964年に初めて英国で合成され
た(K.W. Bentley, Endeavour, 23, 97 (1964))。ジヒ
ドロエトルフィンはモルヒネ様の強い鎮痛作用を示す
が、その作用は極めて強く、モルヒネの12,000
倍、エトルフィンの4倍に相当しているといわれてい
る。鎮痛作用が強くなると、一般に副作用も強くなる傾
向があるが、ジヒドロエトルフィンは習慣性が弱く、精
神的な依存性もモルヒネよりは著しく低いという長所が
あり、また、身体的な依存性は未だ観察されていない。
中華人民共和国においては、注射剤(通常投与量10μ
g)および舌下錠(1錠当たり20μg含有)が癌患者
の鎮痛を目的として使用されている。ところが、これら
の製剤における最も大きな問題は、有効時間が短い点で
あって、薬効は約3〜4時間しか持続しない。また、経
口剤は消化管等による初回通過代謝が多分高いであろう
という理由で実用化されていない。したがって、徐放性
の経口剤が今後出現する可能性は低いものと考えられ
る。
【0003】本発明者等は末期癌患者の鎮痛を目的とし
たモルヒネ経皮吸収型製剤を開発した(特願平3−87
394号等)。モルヒネは一日当たりの用量が数十mg
であって、これを皮膚を介して体内に送り込むためには
強力な吸収促進剤を必要としていたので、この経皮吸収
型製剤では基剤を水系とし、これにメント−ルとエタノ
−ル等を組み合わせたものを促進剤系としていた。とこ
ろが、ジヒドロエトルフィンのような極く少量でも十分
な作用を発揮する薬物に上記のような水系の基剤と促進
剤系を適用して適切なジヒドロエトルフィンの経皮吸収
型製剤を得るには治療に必要な量を遙に超える大量の薬
物を製剤中に含有させなければならず、また、上記のよ
うな水系の基剤と促進剤系を適用して十分な血中濃度や
薬効を示すジヒドロエトルフィンの経皮吸収型製剤がも
し得られたとしても、上記のように大量の薬物を用いな
ければならないところから、生物学的な利用効率の面か
ら見ても、注射剤や舌下錠に比べて著しく不利になると
いう問題があった。
【0004】また、ニトログリセリンや硝酸イソソルビ
ドを含有する経皮吸収型製剤が既に市場に出回ってお
り、この製剤は通常1枚当たり10mg前後の薬物を懸
濁状態で疎水性の基剤中に含有するテ−プ剤またはパッ
チ剤である。ところが、この疎水性の基剤中でジヒドロ
エトルフィンを懸濁させるには大量の薬物を必要とする
ので、一日当たりの用量が普通20μgという非常に少
量であるジヒドロエトルフィンに、この基剤系と薬物含
有系を適用することにも、前記と同様に生物学的な利用
効率の面から見て好ましくないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、前述のよ
うな優れた性能を示すジヒドロエトルフィンは末期癌の
状態まで病状が進んでいる患者や術後の患者等において
感じられる疼痛を管理するのに極めて好適であると考え
られる。しかし、上に述べたように、薬効の持続時間が
短いため、頻繁な投与が必要となって、このような投与
はクオリティ−・オブ・ライフ(QOL)の妨げとなっ
ていた。それで、薬効が長時間持続して、その投与回数
が少なくてすむ製剤の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々研究を重ねた結果、(1) ジヒドロ
エトルフィンまたはその薬学的に妥当な塩を経皮吸収型
の製剤にすることによって、それらの優れた薬効が長時
間にわたって持続する製剤が得られること、および(2)
この製剤において経皮吸収を促進させる経皮吸収促進剤
を併用すると、ジヒドロエトルフィンの高い経皮吸収作
用が発揮される結果、製剤の貼付面積または塗布面積が
縮小されること、(3) 前記(1) の製剤において経皮吸収
を持続させる経皮吸収持続化剤を併用すると、ジヒドロ
エトルフィンの経皮吸収性が持続化する結果、製剤の適
用頻度を少なくできること、および(4) 前記(1) の製剤
において前記経皮吸収促進剤と前記経皮吸収持続化剤と
をを併用すると、前記(1) および(2) に述べた利益が得
られるばかりでなく、ジヒドロエトルフィンの単位時間
当たりの経皮吸収量および経皮吸収持続時間を適宜制御
できること、を見出した。
【0007】本発明は、このような知見に基づいて発明
されたもので、ジヒドロエトルフィンまたはその薬学的
に妥当な塩の優れた薬効を長時間にわたって持続できる
製剤、およびこのジヒドロエトルフィンの単位時間当た
りの経皮吸収量および経皮吸収持続時間を適宜制御でき
る経皮吸収型製剤を提供することを目的とし、 1.有効成分としてジヒドロエトルフィンまたはその薬
学的に妥当な塩を含有する経皮吸収型製剤、および 2.有効成分としてジヒドロエトルフィンまたはその薬
学的に妥当な塩と、経皮吸収促進剤および経皮吸収持続
化剤のいずれか一方または双方とを含有する経皮吸収型
製剤、に係わるものである。
【0008】前記経皮吸収促進剤としては、炭素原子数
1〜20の一価または多価アルコ−ル、炭素原子数2〜
20の脂肪酸、炭素原子数2〜20の脂肪酸と炭素原子
数1〜20の一価または多価アルコ−ルとのエステル、
尿素類、ピロリドン誘導体、環状モノテルペン、1−ド
デシルアザシクロヘプタン−2−オン、シクロデキスト
リンおよびチオグリコ−ル酸カルシウムが好ましく用い
られ、これらの経皮吸収促進剤は2種以上組み合わせて
使用することもできる。
【0009】前記経皮吸収持続化剤としては、炭素原子
数12〜32の炭化水素、炭素原子数12〜32の高級
アルコ−ル、グリコ−ル類、炭素原子数6〜32の高級
脂肪酸、炭素原子数6〜32の高級脂肪酸エステル、植
物油、動物油、ゴム類、ポリウレタン、シリコ−ン樹
脂、水溶性高分子化合物、セルロ−ス類、尿素類、シク
ロデキストリン、増粘剤、ゲル化剤、懸濁剤および乳化
剤が好ましく用いられ、これらの経皮吸収持続化剤は2
種以上組み合わせて使用することもできる。
【0010】既に述べたことから明らかなように、本発
明の製剤においては経皮吸収促進剤と経皮吸収持続化剤
とを組み合わせて使用することができる。また、上に挙
げた経皮吸収促進剤および経皮吸収持続化剤のうち、こ
のいずれのものとしても挙げられているものは、この両
方の特性を兼備しているので、このようなものは一方の
添加薬剤として本発明の製剤中に加えられていても、他
方の添加薬剤としての作用を発揮することができる。
【0011】本発明に係わる経皮吸収型製剤の剤形は、
投与部位として皮膚を利用することができるものであれ
ば特に限定されるものではなく、その例として、軟膏
剤、クリ−ム剤、液剤、ロ−ション剤、リニメント剤、
パップ剤、プラスタ−剤、パッチ剤、ゲル剤、硬膏剤ま
たはテ−プ剤を挙げることができる。本発明の製剤にお
いて有効成分として作用するジヒドロエトルフィンは遊
離型のものであっても、あるいはその薬学的に妥当な
塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、臭化水素塩、硝酸塩もしく
はリン酸塩等の無機酸付加塩、または酢酸塩、コハク酸
塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩もしくはシュウ酸塩等の有
機酸付加塩であってもよい。
【0012】本発明の製剤中に含有されるジヒドロエト
ルフィンの濃度は剤形および基剤成分の種類等によって
左右されるが、一般に0.001〜10重量%、好まし
くは0.01〜5重量%、そして特に0.01〜1重量
%である。経皮吸収促進剤が用いられる本発明の製剤に
おいては、ジヒドロエトルフィン以外の薬物を有効成分
とする従来の経皮吸収型製剤で通常使用されていた経皮
吸収促進剤を使用することもできるが、前に挙げたもの
が好ましく用いられる。
【0013】前記経皮吸収促進剤のうち、炭素原子数1
〜20の一価または多価アルコ−ルとしては、例えば、
メチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ
−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル、ヘ
プチルアルコ−ル、オクチルアルコ−ル、カプリルアル
コ−ル、ノニルアルコ−ル、デシルアルコ−ル、ウンデ
シルアルコ−ル、ラウリルアルコ−ル、トリデシルアル
コ−ル、ミリスチルアルコ−ル、ペンタデシルアルコ−
ル、セチルアルコ−ル、ヘキサデシルアルコ−ル、ヘプ
タデシルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オレイル
アルコ−ル、ノナデシルアルコ−ル、エイコシルアルコ
−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
1,3−ブタンジオ−ルおよびグリセリンが挙げられ
る。これらの中で、エチルアルコ−ル、オクチルアルコ
−ル、ノニルアルコ−ル、ラウリルアルコ−ル、ミリス
チルアルコ−ル、オレイルアルコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、1,3−ブタンジオ−ルおよびグリセリンが好
ましく、特にラウリルアルコ−ルおよびプロピレングリ
コ−ルが好ましい。
【0014】炭素原子数2〜20の脂肪酸としては、例
えば、酢酸、プロピオン酸、酪酪、吉草酸、カプロン
酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、安息香酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン
酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸およびフタル酸が挙げ
られる。これらの中で、乳酸、フマル酸、マレイン酸、
ラウリル酸およびミリスチン酸が好ましく、特に乳酸、
マレイン酸およびミリスチン酸が好ましい。
【0015】炭素原子数2〜20の脂肪酸と炭素原子数
1〜20の一価または多価アルコ−ルとのエステルとし
ては、例えば、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸ラウ
リル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプ
ロピル、ステアリン酸ブチルおよびミリスチン酸ミリス
チルが挙げられる。これらの中で、乳酸ミリスチル、乳
酸セチル、ミリスチン酸ミリスチルおよびミリスチン酸
イソプロピルが好ましく、特に乳酸セチルおよびミリス
チン酸イソプロピルが好ましい。
【0016】尿素類としては、例えば尿素およびチオ尿
素が挙げられ、これらの中で尿素が好ましい。ピロリド
ン誘導体としては、例えば2−ピロリドン、1−メチル
−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1,
5−ジメチルピロリドンおよび1−エチルピロリドンが
挙げられ、これらのうち1−メチル−2−ピロリドンが
好ましい。
【0017】環状モノテルペンとしては、例えば、メン
ト−ル、リモネンおよびα−テルピネオ−ルが挙げら
れ、これらのうち、メント−ルはジヒドロエトルフィン
の経皮吸収を促進させる作用の他に、鎮痛作用、局所麻
酔作用および止痒作用等の好ましい作用も有するので、
このメント−ルが好ましい。メント−ルは天然ペパ−ミ
ントまたはその他のミントオイルから得られたもので
も、あるいは合成されたものであってもよい。
【0018】上記の経皮吸収促進剤は単独でも、また2
種以上組み合わせても使用できるが、多価アルコ−ルを
単独でまたは2種以上組み合わせて、またメント−ルを
単独でまたは多価アルコ−ルと組み合わせて使用するの
が好ましく、特に水を含んでいる剤形の場合には、この
ように多価アルコ−ルまたはメント−ルを使用するのが
好ましい。
【0019】経皮吸収持続化剤が用いられる本発明の製
剤においては、ジヒドロエトルフィン以外の薬物を有効
成分とする従来の経皮吸収型製剤で通常使用されていた
経皮吸収持続化剤を使用することもできるが、前に挙げ
たような経皮吸収持続化剤が好ましく用いられる。前記
経皮吸収持続化剤のうち、炭素原子数12〜32の炭化
水素としては、種々の炭化水素の混合物である流動パラ
フィン、分枝鎖状パラフィン、固形パラフィンおよび白
色ワセリンを挙げることができ、このうち流動パラフィ
ンおよび白色ワセリンが好ましい。
【0020】炭素原子数12〜32の高級アルコ−ルと
しては、例えばラウリルアルコ−ル、トリデシルアルコ
−ル、ミリスチルアルコ−ル、ペンタデシルアルコ−
ル、セチルアルコ−ル、ヘキサデシルアルコ−ル、ヘプ
タデシルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オレイル
アルコ−ル、ノナデシルアルコ−ル、エイコシルアルコ
−ル、セリルアルコ−ルおよびメリシルアルコ−ルを挙
げることができ、このうちセチルアルコ−ルおよびステ
アリルアルコ−ルが好ましい。
【0021】グリコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、
1,3−ブタンジオ−ルおよびポリエチレングリコ−ル
が挙げられ、このうちプロピレングリコ−ル、1,3−
ブタンジオ−ルおよびポリエチレングリコ−ルが好まし
い。また、マクロゴ−ル400(商標名)のような重合
度の低いポリエチレングリコ−ルとマクロゴ−ル400
0(商標名)のような重合度の高いポリエチレングリコ
−ルとが適当な割合で混合されている混合物も好適に使
用することができる。
【0022】炭素原子数6〜32の高級脂肪酸として
は、このような炭素原子数を有する飽和または不飽和の
脂肪酸、具体的には、例えばカプロン酸、エナント酸、
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル
酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、オレイン酸、ノナデカン酸、アラキドン酸、リノ−
ル酸、リノレル酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチ
ン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラク
セル酸、エライジン酸およびブラシジン酸が挙げられ、
このうちミリスチン酸およびオレイン酸が好ましい。
【0023】高級脂肪酸エステルとしては、例えば
(A)炭素原子数10〜32の脂肪酸と炭素原子数14
〜32の脂肪族一価アルコ−ルとのエステル、および
(B)炭素原子数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸
とグリセリンとのエステルおよびその水素添加物が挙げ
られる。前記(A)のエステルとしては例えば、パルミ
チン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、ミリスチ
ン酸ミリスチル、リグノセリン酸セリル、セロチン酸ラ
クセリルおよびラクセル酸ラクセリルなどの脂肪酸エス
テル、蜜蝋、鯨蝋およびセミック蝋などの動物由来の天
然蝋、カルナウバ蝋およびカンデリラ蝋などの植物由来
の天然蝋が挙げられる。
【0024】前記(B)のエステルとしては例えば、グ
リセリルモノラウレ−ト、グリセリルモノミリステアレ
−ト、グリセリルモノステアレ−ト、グリセリルモノオ
レエ−ト、グリセリルジラウレ−ト、グリセリルジミリ
ステ−ト、グリセリルジステアレ−ト、グリセリルトリ
ラウレ−ト、グリセリルトリミリステ−トおよびグリセ
リルトリステアレ−トなどが挙げられ、このうち、グリ
セリルモノラウレ−ト、グリセリルモノミリステアレ−
トおよびグリセリルモノオレエ−トが好ましい。
【0025】植物油としては例えば、ヒマシ油、オリ−
ブ油、ダイズ油、ゴマ油、ヘントウ油、サフラワ−油、
綿実油およびテレピン油、並びにこれが水素添加された
植物油が挙げられ、このうちヒマシ油、オリ−ブ油、ダ
イズ油、ゴマ油および綿実油が好ましい。動物油として
は例えば、ミンク油、卵黄油、スクワランおよびスクワ
レンが挙げられ、さらにラノリン誘導体も使用できる。
これらの動物油は単独でも、また2種以上混合して使用
することもできる。
【0026】ゴム類としては例えば、天然ゴム、SB
S、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルアルキ
ルエ−テル、ポリ(メタ)アクリレ−ト、ポリウレタ
ン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ジメ
チルポリシロキサン、ポリイソプレンゴム、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレンブタ
ジエンゴム、ポリイソブチレンおよびブチレンゴムが使
用できる。
【0027】水溶性高分子化合物としては例えば、ポリ
アクリル酸またはその塩、アクリル酸エステル−アクリ
ル酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピリ
ドンおよびヒドロキシプロピルセルロ−スが使用でき、
また、これらの水溶性高分子化合物をミョウバン、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムまたは水酸化カルシウムなどの
多価金属塩によって架橋させたもの、または水溶性高分
子化合物に放射線を照射するか、または凍結解凍処理を
施すことによってこの化合物を架橋させたもの等を用い
ることができる。
【0028】増粘剤、ゲル化剤、懸濁剤および乳化剤と
しては例えば、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、
ペクチンおよびトラガントゴム等が挙げられ、セルロ−
スとしては例えば、メチルセルロ−ス、ヒドロキシメチ
ルセルロ−スおよびヒドロキシエチル澱粉が挙げられ
る。粘土類としては例えば、ベントナイトおよびビ−ガ
ムHVが挙げられる。
【0029】その他、種々の界面活性剤、澱粉、グリセ
リン、高粘度カルボキシメチルセルロ−スおよびカルボ
キシビニルポリマ−などが用いられる。本発明の製剤中
に含有される経皮吸収促進剤または経皮吸収持続化剤の
濃度、あるいはこの両者の合計濃度は、剤形および基剤
成分の種類等によって左右されるが、一般に0.01〜
99.99重量%、好ましくは0.1〜99.99重量
%である。
【0030】本発明の製剤は、必要に応じて更に基剤、
補助剤および添加剤のいずれかを単独で、または組み合
わせて含むことができる。基剤としては、本発明の製剤
の剤形に応じて、この技術分野で通常使用される基剤が
用いられる。例えば、本発明の経皮吸収型製剤を軟膏剤
またはクリ−ム剤とする場合には、基剤として油脂性ま
たは乳剤性の基剤を用いることができる。
【0031】油脂性の基剤としては、例えば炭化水素、
高級アルコ−ル、グリコ−ル類、高級脂肪酸、高級脂肪
酸エステル、植物油および動物油が使用できる。O/W
型基剤としては、界面活性剤の存在下または不存在下
で、ラノリン、プロピレングリコ−ル、ステアリルアル
コ−ル、ワセリン、シリコ−ン油、流動パラフィンまた
はグリセリルモノステアレ−トなどの成分を水相中に乳
化、分散させたクリ−ムが挙げられる。
【0032】W/O型基剤としては、ワセリン、親水基
をあまり持たない非イオン性界面活性剤の存在下に、高
級脂肪族アルコ−ルまたは流動パラフィンなどの成分
に、水を加えて乳化、分散させたものが挙げられる。懸
濁性基剤としては、水に澱粉、グリセリン、高粘度カル
ボキシメチルセルロ−ス、カルボキシビニルポリマ−、
ポリビニルアルコ−ルまたはヒドロキシプロピルセルロ
−スなどの懸濁剤を加えてゲル状にした水性基剤が挙げ
られる。
【0033】本発明の製剤を液剤とする場合には、基剤
として水を用いることができる。本発明の製剤をロ−シ
ョン剤とする場合には、これを懸濁型、乳剤型または溶
液型のいずれの型のものにも調製することができる。懸
濁型のロ−ション剤とする場合には、ゴム類、セルロ−
ス類または粘土類のような懸濁化剤と水との混合物が基
剤として使用できる。
【0034】乳剤型のロ−ション剤とする場合には、水
に脂肪酸または高級アルコ−ルなどの油性物質を乳化さ
せたものが基剤として使用できる。溶液型のロ−ション
剤とする場合には、基剤として水またはアルコ−ルが使
用できる。本発明の製剤をリニメント剤とする場合には
例えば、オリ−ブ油、ダイズ油、ゴマ油、ヘントウ油、
綿実油またはテレビン油などの植物油、エチルアルコ−
ル、プロピルアルコ−ルまたはイソプロピルアルコ−ル
などのアルコ−ル、またはアルコ−ルと水との混合物が
基剤として使用できる。
【0035】本発明の製剤をパップ剤とする場合には例
えば、ポリアクリル酸またはその塩、ポリビニルアルコ
−ル、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピル
セルロ−スなどの水溶性高分子化合物またはその架橋体
が基剤として使用される。この架橋体としては、これら
の水溶性高分子化合物をミョウバン、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウムまたは水酸化カルシウムなどの多価金属塩に
よって架橋させたもの、または水溶性高分子化合物に放
射線を照射するか、または凍結解凍処理を施すことによ
ってこの化合物を架橋させたものを用いることができ
る。パップ剤は不織布のような支持体上に置くこともで
きる。
【0036】本発明の製剤をゲル剤とする場合には例え
ば、ポリアクリル酸またはその塩、ポリビニルアルコ−
ル、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スまた
はその塩、ポリビニルアルコ−ルおよびポリビニルピロ
リドンなどの水溶性高分子化合物またはその架橋体が基
剤として使用される。この架橋体としては、これらの水
溶性高分子化合物をミョウバン、硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウムまたは水酸化カルシウムなどの多価金属塩により架
橋させたゲル化させるか、あるいはジイソプロパノ−ル
アミン、トリエチルアミン、トリエタノ−ルアミンまた
はトリアミルアミンなどを用いるpH調整によりゲル化
させたものが用いられる。
【0037】本発明の製剤をプラスタ−剤、パッチ剤、
軟膏剤またはテ−プ剤とする場合には、支持体、弾性
体、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、架橋剤
または剥離処理剤などの、その製剤を構成させるための
成分が必要であって、これらの成分としては、これらの
剤形に通常使用されている成分が使用できる。前記支持
体としては例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカ−
ボネ−トまたはポリウレタンからなるフィルムおよび不
織布が使用できる。
【0038】弾性体としては例えば、天然ゴム、SB
S、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルアルキ
ルエ−テル、ポリ(メタ)アクリレ−ト、ポリウレタ
ン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ジメ
チルポリシロキサン、ポリイソプレンゴム、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレンブタ
ジエンゴム、ポリイソブチレンおよびブチレンゴムが使
用できる。
【0039】粘着付与剤としては、例えば、弾性体と相
溶性であるものが好ましく、例えばポリテルペン樹脂、
ロジンもしくはそのエステルおよびフェノ−ル樹脂が挙
げられる。これらの成分は必要に応じて使用され、そし
てそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用さ
れる。本発明の製剤には、必要に応じてさらに、保存
料、着香料、さらには乳化剤、分散剤、湿潤剤、pH調
整剤、安定剤、防腐剤または懸濁剤などの補助剤または
添加剤を含有させることもでき、これらの補助剤および
添加剤は、製剤技術の分野でそれぞれ通常使用されてい
るものであれば、そのいずれも使用することができる。
【0040】保存料としては、例えば、パラオキシ安息
香酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラ
ベン、クロロブタノ−ルおよびベンジルアルコ−ルが挙
げられる。着香料としては、例えば、エタノ−ル、1-
メント−ル、α- テルピネオ−ル、ケイヒ油、テレビン
油およびd- カンフルが挙げられる。
【0041】乳化剤としては、例えば、ステアリン酸ナ
トリウム、精製卵黄レシチン、モノオレイン酸ソルビタ
ン、ポリソルベ−ト40およびモノパルミチン酸ソルビ
タンが好適に使用され、また軟膏剤においては、W/O
型またはO/W型の乳化剤が好適に使用される。分散剤
としては、例えば、塩化ベンゼトニウム、セチル硫酸ナ
トリウム、ラノリンアルコ−ル、ポリソルベ−ト60お
よびモノステアリン酸ソルビタンが挙げられる。
【0042】湿潤剤としては、例えば、アジピン酸ジイ
ソブチル、オレイン酸ナトリウム、マクロゴ−ル100
0、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油E.O.およびプ
ロピレングリコ−ルが挙げられる。pH調整剤として
は、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸および燐酸のよう
な無機酸および酢酸、琥珀酸、フマル酸、リンゴ酸、蓚
酸、乳酸、グルタル酸、サリチル酸および酒石酸のよう
な有機酸、またはこれらの酸の塩が挙げられる。
【0043】安定剤としては、例えば、アスコルビン
酸、塩化亜鉛、エリソルビン酸、没食子酸プロピルおよ
び硫酸カリウムが挙げられる。防腐剤としては、例え
ば、安息香酸、クロロクレゾ−ル、サリチル酸、2- ナ
フト−ルおよびフェノ−ルが挙げられる。懸濁剤として
は、例えば、エリソルビン酸ナトリウム、結晶セルロ−
ス・カルメロ−スナトリウム、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、マクロゴ−ル6000およびメチルセルロ−
スが挙げられる。
【0044】本発明の経皮吸収型製剤は定法にしたがっ
て製造することができる。これを軟膏剤、クリ−ム剤、
パップ型製剤またはゲル剤とする場合には、これらの剤
形に応じて必要な基剤原料を練合、乳化、懸濁または溶
解させてそれぞれの基剤を調製した後、ジヒドロエトル
フィン並びに必要な補助剤および添加剤を添加して、慣
用されている混合機、例えばスクリュ−ミキサ−、ホモ
ジナイザ−、ニ−ダ−またはロ−ルミル中で混合するこ
とによって製造できる。
【0045】本発明の製剤をリニメント剤とする場合に
は、基剤に、ジヒドロエトルフィンを溶解させてから、
必要な補助剤および添加剤を添加、混合することによっ
て製造できる。本発明の製剤をプラスタ−剤、パッチ
剤、軟膏剤またはテ−プ剤とする場合には、ホットメル
ト法、溶液法又は熱圧法などの常法にしたがって製造で
き、このうちホットメルト法による場合には、弾性体と
して、特に高温で流動性を示すブロック共重合体、例え
ばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ス
チレン−エチレン−スチレンブロック共重合体またはエ
チレン−酢酸ビニルブロック共重合体がを用いて、この
弾性体とその他の必要な成分とを混合し、この混合物を
高温で溶解させてそれにジヒドロエトルフィンを均一に
溶解させたものを支持体上に塗布することによって製造
できる。
【0046】溶液法による場合には、クロロホルム、酢
酸エチル、ヘキサンまたはメチルエチルケトンなどの有
機溶剤に基剤を溶かし、これにジヒドロエトルフィンお
よびその他必要な成分を添加して、これらを均一に溶解
または分散させたものをアプリケ−タ−で支持体上に塗
布することによって製造できる。熱圧法による場合に
は、ジヒドロエトルフィンおよびその他必要な成分をロ
−ル機などで均質な混合物が形成されるまで練り合わ
せ、その結果得られた混合物を、熱と圧力が加えられて
いるキャレンダ−を剥離紙上に均一の厚みとなるように
塗布して、ジヒドロエトルフィン含有層を剥離紙上に形
成させ、この層を支持体表面上に密着、積層させること
によって製造できる。
【0047】本発明の経皮吸収型製剤を液剤またはロ−
ション剤とする場合には、必要な基剤成分を水に添加し
て、混合、攪拌した後、ジヒドロエトルフィンおよびそ
の他必要な成分を加えて、均質な混合物が形成されるま
で混合することによって製造できる。
【0048】
【実施例】実施例を参照して本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明は勿論これらの実施例に限定されない。 実施例1 表1に示される重量比で、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(Cariflex TR-1107 、シェル
化学製;表1の中ではSISブロック共重合体と表され
ている)、ロジンエステル(KE-311、荒川化学工業
製)、ミリスチン酸イソプロピル、クロロホルムおよび
ジヒドロエトルフィンを合わせたものを、均質な混合物
が得られるまで十分に攪拌して、混合溶液1〜4を調製
した。
【0049】
【表1】 つぎに、ガラス板上にバッキングレイヤ−としてのポリ
エステルフィルムを用意して、その上に適量の上記混合
溶液1〜4をそれぞれ滴下し、アプリケ−タ−(八幡精
機製作所製)を用いてフィルム上にこれらの溶液を素早
く塗布して、ジヒドロエトルフィン含有層を形成させ
た。ついで、ポリエステルフィルムをガラス板から外し
て、60℃で15分間乾燥させた後、その乾燥したジヒ
ドロエトルフィン含有層に剥離層としてのシリコ−ン処
理済のポリエステルフィルムを密着させて、上記混合溶
液1〜4から1cm2 当たりそれぞれ0.570、1.1
4、5.70および28.4μgのジヒドロエトルフィ
ンを含有するテ−プ剤1〜4をそれぞれ製造した。これ
らのテ−プ剤からジヒドロエトルフィンが放出される速
さは極めて速く、例えば、上記テ−プ剤4においては、
添付図面の図1に示されるように、10時間経過後まで
にその100%が放出された。
【0050】ついで、ddY系雄性マウス(5週齢、体
重29±4g)の背部を除毛して、その部分に直径0.
7cmの円形(適用面積0.385cm2 )とした上記テ−
プ剤1〜4を適用した。これらのテ−プ剤1〜4中には
ジヒドロエトルフィンがそれぞれ0.22、0.44、
2.19および10.9μg含まれていた。この適用の
20分後および3時間後に0.7%酢酸溶液を注射で腹
腔内に投与し(投与量:0.01ml/gマウス)、その
5分後から10分間の間マウスのwrithing反応(痛みの
反応)をカウントした(F. Porreca, H.I. Mosberg, J.
R. Omnaas, T.F. Burks and A.Cowan, J. Pharmacol. E
xp. Ther., 240, 890 (1987))。また、対照として、ジ
ヒドロエトルフィンを含んでいないテ−プ剤を同様に適
用した。また、10μg/kgの投与量でジヒドロエト
ルフィンを腹腔内注射または経口で投与し、その20分
後および3時間後に同様に0.7%酢酸溶液を腹腔内に
投与し、その5分後から10分間の間マウスのwrithing
反応をカウントした。
【0051】これらの結果、すなわち適用20分後およ
び適用3時間後の鎮痛効果は、それぞれ添付図面の図2
および図3に示される。図2に見られるように、製剤を
適用してから20分経過後におけるジヒドロエトルフィ
ンの鎮痛効果は、腹腔内注射およびテ−プ剤4では10
0%であったのに対して、その3時間経過後では、図3
から明らかなように、テ−プ剤3および4だけに100
%の鎮痛効果が見られた。また、経口投与では、その鎮
痛効果が同量投与の腹腔内注射に比べて著しく低かっ
た。このような結果から、ジヒドロエトルフィンを経皮
吸収型の製剤にすると、他の投与方式に比べて効果的
に、かつ持続的にジヒドロエトルフィンの薬効を発揮で
きることがわかる。
【0052】実施例2 ジヒドロエトルフィンのテ−プ剤が持続的な薬効を示す
のを確認するために、前記テ−プ剤3を用いて、その適
用後の所定の経過時間毎に示される薬効を測定した。す
なわち、前記ddY系雄性マウスの除毛された背部に直
径0.7cmの円形テ−プ剤3を適用して、その適用20
分後〜24時間後に0.7%酢酸溶液を腹腔内に投与し
(投与量:0.01ml/gマウス)、投与の5分後から
10分間の間マウスのwrithing反応をカウントした。ま
た、対照として、10μg/kgのジヒドロエトルフィ
ンを腹腔内注射して同様に薬理反応を測定した。
【0053】これらの結果は図4に示される。腹腔内注
射では投与後2時間で薬効は完全に消失していて、ジヒ
ドロエトルフィンの効果は持続しないことが確認された
のに対して、テ−プ剤3では100%の鎮痛効果が3時
間持続し、10時間後でもなおwrithing反応が対照の半
分にまで抑制された。このような結果から、ジヒドロエ
トルフィンをテ−プ剤の形の経皮吸収型製剤にすること
によって、その薬効を持続化できることが明らかとなっ
た。
【0054】実施例3 上述のような効果がジヒドロエトルフィン塗布剤につい
ても得られるのかを調べるために、ゲル基剤成分として
ヒドロキシプロピルセルロ−ス(このヒドロキシプロピ
ルセルロ−スは表2の中ではHPCと表されている)を
用いて、ジヒドロエトルフィンを含有するヒドロキシセ
ルロ−スゲルを常法にしたがって調製した。調製された
ゲル剤1〜4の組成は表2に示される。
【0055】
【表2】 除毛したddY系雄性マウスの背部に、それぞれ2.
5、5.0、25.0および125μgのジヒドロエト
ルフィンを含有する上記ゲル剤1〜4を1.54cm2
面積にわたり(直径1.4cmの円形)、25mg適用し
て、その適用3時間後に0.7%酢酸溶液を腹腔内に投
与し(投与量:0.01ml/gマウス)、投与の5分後
から10分間の間writhing反応をカウントした。また、
対照として、ジヒドロエトルフィンを含まないゲル剤も
調製して、このゲル剤の適用試験も実施した。
【0056】これらの結果は図5に示される。この図か
ら、製剤適用3時間後におけるジヒドロエトルフィンの
鎮痛効果はゲル剤1で50%近く、またゲル剤2〜4で
80%以上であったのに対して、腹腔内注射ではその効
果は全く認められなかった。このような結果から、塗布
型の経皮吸収型製剤によってもジヒドロエトルフィンの
十分な薬効と持続性が得られることが判った。
【0057】実施例4 本発明のジヒドロエトルフィン経皮吸収型製剤における
経皮吸収促進剤の有効性を確認するため、この経皮吸収
促進剤としてテルピネオ−ルを含有するゲル剤5(組成
は表2に示されている)を調製して、ジヒドロエトルフ
ィンのin vitro皮膚透過性を測定した。すなわち、37
℃の水が循環している縦型の拡散セルに雄性ヘアレスラ
ット(体重:約180g)の腹部から摘出した皮膚を挟
み、レシ−バ(真皮)側に蒸留水4.5mlを入れて磁気
攪拌機により攪拌し、他方、角質層側には上記のテルピ
ネオ−ルを含有していない表2のゲル剤3または前記ゲ
ル剤5をそれぞれ0.5g/cm2 適用してジヒドロエト
ルフィンの皮膚透過試験を実施した。
【0058】その結果は図6に示される。この図から、
テルピオネ−ルの添加によりジヒドロエトルフィンの経
皮吸収量が増大することが判る。以上の実施例に示され
る結果から、経皮吸収型にしたジヒドロエトルフィン製
剤は即効性と持続性との両面で優れた製剤であることが
明らかになった。すなわち、経皮吸収型に製剤化するこ
とによって、十分な鎮痛効果が発揮されるばかりでな
く、腹腔内注射に見られるような薬効の急速な減衰が回
避できることが判った。また、経口投与による鎮痛効果
が腹腔内注射によるものよりも低かったのは、消化管や
肝臓における薬物の初回通過代謝が大きいことを示して
いるものと理解される。経口投与の場合とほぼ同じ量の
投与量であったテ−プ剤の薬効が経口投与による薬効よ
りも優れていることから、テ−プ剤のバイオアベイラビ
リティ−は経口剤よりも高いことが判った。
【0059】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明によれば、ジヒドロエトルフィンの基剤からの放出
性、皮膚に対する吸収性およびこれらの特性の持続性の
高いジヒドロエトルフィン製剤、したがって薬効につい
て即効性と持続性との両方で優れているジヒドロエトル
フィン製剤が提供される。さらに、本発明によれば、投
与が簡便であるばかりでなく、その投与に当たっては、
従来の腹腔内注射等による投与では患者に与えることが
避けられなかった肉体的な苦痛も、また精神的な不安も
排除され、さらにQOLの改善に寄与するとともに、臨
床上にも有益なジヒドロエトルフィン製剤が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】テ−プ剤4とした本発明によるジヒドロエトル
フィン製剤から放出されるジヒドロエトルフィンの放出
率を適用後の経過時間に沿って示すグラフである。
【図2】テ−プ剤1〜4、腹腔内注射および経口による
投与でそれぞれ適用20分後に得られた、ジヒドロエト
ルフィンの鎮痛効果を示すグラフである。
【図3】テ−プ剤1〜4、腹腔内注射および経口による
投与でそれぞれ適用3時間後に得られた、ジヒドロエト
ルフィンの鎮痛効果を示すグラフである。
【図4】テ−プ剤3および腹腔内注射による投与で得ら
れたジヒドロエトルフィンの鎮痛効果をそれぞれ適用後
の経過時間に沿って示すグラフである。
【図5】ゲル剤1〜4および腹腔内注射による投与で得
られたジヒドロエトルフィンの鎮痛効果をそれぞれ示す
グラフである。
【図6】ゲル剤3およびゲル剤5から放出されたジヒド
ロエトルフィンの累積皮膚透過量をそれぞれ示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/14 A61K 47/14 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分としてジヒドロエトルフィンま
    たはその薬学的に妥当な塩を含有する経皮吸収型製剤。
  2. 【請求項2】 製剤中のジヒドロエトルフィンまたはそ
    の薬学的に妥当な塩の濃度が0.001〜10重量%で
    ある請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  3. 【請求項3】 有効成分としてジヒドロエトルフィンま
    たはその薬学的に妥当な塩と、経皮吸収促進剤および経
    皮吸収持続化剤のいずれか一方または双方を含有する
    経皮吸収型製剤。
  4. 【請求項4】 製剤中のジヒドロエトルフィンまたはそ
    の薬学的に妥当な塩の濃度が0.001〜10重量%で
    あり、そして経皮吸収促進剤および経皮吸収持続化剤の
    いずれか一方または双方の合計濃度が0.01〜99.
    99重量%である請求項3記載の経皮吸収型製剤。
  5. 【請求項5】 経皮吸収促進剤が、炭素原子数1〜20
    の一価または多価アルコ−ル、炭素原子数2〜20の脂
    肪酸、炭素原子数2〜20の脂肪酸と炭素原子数1〜2
    0の一価または多価アルコ−ルとのエステル、尿素類、
    ピロリドン誘導体、環状モノテルペン、1−ドデシルア
    ザシクロヘプタン−2−オン、シクロデキストリンおよ
    びチオグリコ−ル酸カルシウムからなる群から選択され
    る請求項3または4記載の経皮吸収型製剤。
  6. 【請求項6】 経皮吸収持続化剤が、炭素原子数12〜
    32の炭化水素、炭素原子数12〜32の高級アルコ−
    ル、グリコ−ル類、炭素原子数6〜32の高級脂肪酸、
    高級脂肪酸エステル、植物油、動物油、ゴム類、ポリウ
    レタン、シリコ−ン樹脂、水溶性高分子、セルロ−ス
    類、尿素類、シクロデキストリン、増粘剤、ゲル化剤、
    懸濁化剤および乳化剤からなる群から選択される請求項
    3ないし5記載の経皮吸収型製剤。
JP3513197A 1997-02-19 1997-02-19 ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤 Pending JPH10231248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3513197A JPH10231248A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3513197A JPH10231248A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10231248A true JPH10231248A (ja) 1998-09-02

Family

ID=12433384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3513197A Pending JPH10231248A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10231248A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004012734A1 (ja) * 2002-08-02 2004-02-12 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 経皮投与用貼付剤
JP2004099591A (ja) * 2002-07-17 2004-04-02 Taisho Pharmaceut Co Ltd 点鼻剤組成物
JP2005053841A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Kyouto Biomedical Science:Kk 皮膚外用剤
WO2007015453A1 (ja) * 2005-08-01 2007-02-08 Maruho Co., Ltd. ピリドンカルボン酸誘導体を含有するローション剤
JPWO2005011683A1 (ja) * 2003-08-04 2007-10-04 杏林製薬株式会社 経皮吸収型製剤
US9206190B2 (en) 2008-12-08 2015-12-08 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphines and their preparation
US9402802B2 (en) 1998-12-03 2016-08-02 Meda Pharma Sarl Topical compositions comprising ascomycins
WO2017017453A1 (en) * 2015-07-30 2017-02-02 Euro-Celtique S.A. Transdermal delivery system
CN108025077A (zh) * 2015-07-30 2018-05-11 欧洲凯尔特公司 经皮递送系统
US10898479B2 (en) 2013-05-30 2021-01-26 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphine for the provision of pain relief and anaesthesia

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9402802B2 (en) 1998-12-03 2016-08-02 Meda Pharma Sarl Topical compositions comprising ascomycins
JP4569080B2 (ja) * 2002-07-17 2010-10-27 大正製薬株式会社 点鼻剤組成物
JP2004099591A (ja) * 2002-07-17 2004-04-02 Taisho Pharmaceut Co Ltd 点鼻剤組成物
JP2004067539A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc 経皮投与用貼付剤
WO2004012734A1 (ja) * 2002-08-02 2004-02-12 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 経皮投与用貼付剤
JPWO2005011683A1 (ja) * 2003-08-04 2007-10-04 杏林製薬株式会社 経皮吸収型製剤
JP2005053841A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Kyouto Biomedical Science:Kk 皮膚外用剤
US8778965B2 (en) 2005-08-01 2014-07-15 Maruho Co., Ltd. Lotion preparation containing pyridonecarboxylic acid derivative
JPWO2007015453A1 (ja) * 2005-08-01 2009-02-19 マルホ株式会社 ピリドンカルボン酸誘導体を含有するローション剤
WO2007015453A1 (ja) * 2005-08-01 2007-02-08 Maruho Co., Ltd. ピリドンカルボン酸誘導体を含有するローション剤
US9206190B2 (en) 2008-12-08 2015-12-08 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphines and their preparation
EP3018133A1 (en) 2008-12-08 2016-05-11 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphines
US9481681B2 (en) 2008-12-08 2016-11-01 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphines and their preparation
US10745406B2 (en) 2008-12-08 2020-08-18 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphines and their preparation
US10898479B2 (en) 2013-05-30 2021-01-26 Euro-Celtique S.A. Dihydroetorphine for the provision of pain relief and anaesthesia
WO2017017453A1 (en) * 2015-07-30 2017-02-02 Euro-Celtique S.A. Transdermal delivery system
CN108025077A (zh) * 2015-07-30 2018-05-11 欧洲凯尔特公司 经皮递送系统
CN108136028A (zh) * 2015-07-30 2018-06-08 欧洲凯尔特公司 经皮递送系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4542429B2 (ja) フェンタニル経皮外用貼付剤
JP5248040B2 (ja) 5−メチル−1−フェニル−2−(1h)−ピリドン含有貼付剤
US20050181031A1 (en) Solifenacin transdermal preparation and method for enhancing transdermal permeation thereof
JP5403948B2 (ja) メマンチン含有経皮吸収製剤
JP2019501215A (ja) 局所皮膜形成スプレー
WO1993009768A1 (en) Fomentation containing ketorolac
JPH1045570A (ja) フェンタニル含有経皮投与テープ製剤
AU709379B2 (en) Transdermal formulation
JPH0525045A (ja) 経皮吸収製剤
JPH10231248A (ja) ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収型製剤
CA2370592A1 (en) Percutaneous absorption preparations containing oxybutynin
JP4764337B2 (ja) 消炎鎮痛貼付剤
EP1652523A1 (en) Transdermal absorption preparation
EP1787648A1 (en) Medicinal composition for percutaneous perospirone administration
JPH0834731A (ja) グラニセトロン含有経皮吸収型製剤
WO2004024155A1 (ja) 貼付剤
KR100998856B1 (ko) 경피투여제제
HU205722B (en) Method for producing self-adhesive device serving for percutaneous feeding agent
JPH1053527A (ja) カフェイン含有経皮吸収製剤
CA2203566C (en) Percutaneously administration preparation
JPH0525046A (ja) ニセルゴリン経皮吸収製剤
JP2001058961A (ja) 経皮吸収促進剤及び経皮吸収型製剤
JP6512905B2 (ja) フェンタニル含有貼付剤
JPH09208469A (ja) 経皮吸収貼付剤
JP7352283B2 (ja) クエン酸フェンタニル含有経皮吸収製剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624