JPWO2010104059A1 - 3相モータ制御装置、3相モータシステム、3相モータ制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
3相モータを駆動するドライバを制御する3相モータ制御装置4が、目標回転角度を生成する目標回転角度生成部5と、前記3相モータの回転角度である検出回転角度を検出する角度検出器2と、3相モータ1のq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度とに応答して生成するフィードバック制御器6と、q軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する駆動トルク補正部7及び加算器10と、q軸指令値に応答して3相モータを駆動するドライバ回路3を制御する制御信号を生成する2相3相変換部8とを具備している。駆動トルク補正部7は、3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を保持する角度参照テーブル11を有しており、検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択する。選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値が補正されてq軸指令値が生成される。
Description
本発明は、3相モータ制御装置に関し、特に、ベクトル制御によって3相モータを制御する為の技術に関する。
3相モータを目標回転角速度で回転するように制御する方式の一つが、ベクトル制御である。ベクトル制御は、2次側の電気的状態(例えば、電流や電圧)を磁束軸成分(d軸成分)とトルク軸成分(q軸成分)に分離して表現し、それぞれの軸成分を制御することにより、3相モータ(例えば、誘導電動機、同期電動機、永久磁石電動機)を直流機と同様に扱うように考えられた方式である。
図1は、3相モータをd−q軸に変換したベクトル制御を行う3相モータ制御装置を備える3相モータシステムの構成の例を示すブロック図である。図1の3相モータシステムは、3相モータ101と、角度検出器102と、ドライバ回路103と、3相モータ制御装置104とを備えている。3相モータ制御装置104は、目標回転角度生成部105と、フィードバック制御器106と、2相3相変換部108とを備えている。
図1の3相モータシステムの動作は、概略的には下記の通りである。3相モータ101のロータの回転角度が角度検出器102によって検出される。以下では、角度検出器102によって検出された回転角度を検出回転角度θと記載する。また、ロータの回転角度の目標値(目標回転角度)θ*が目標回転角度生成部105によって生成される。目標回転角度θ*は、負荷を取り付けた3相モータ101が目標回転角速度で回転するように生成される。フィードバック制御器106は、目標回転角度θ*と検出回転角度θとに応答して、フィードバック制御によりd軸指令値Vd*とq軸指令値Vq*とを生成する。d軸指令値Vd*とq軸指令値Vq*に対して2相3相変換部108によって2相−3相変換が行われて3相指令値Vu*、Vv*、Vw*の指令値が生成される。ドライバ回路103は、その3相指令値Vu*、Vv*、Vw*に応答して、3相電力線103aを介して3相電力を供給して、3相モータ101を駆動する。図1の3相モータシステムでは、フィードバック制御器106が電流制御や速度制御のようなフィードバック制御を行うことにより、所望の回転角速度を実現することができる。
図1のような3相モータシステムは、様々な特許文献に開示されている。例えば、特許第3244744号公報(特許文献1)は、フィードバック制御にPI制御とニューラルネットが用いられている構成を開示している。特開平9−215399号公報(特許文献2)は、フィードバック制御として速度制御を行ってq軸指令値を計算する構成を開示している。さらに、特開2006−149176号公報(特許文献3)では、フィードバック制御器は、電流制御器または速度制御器と繰り返し制御器を用いて構成される。
また、特開平7−170799号公報(特許文献4)は、フィードバック制御系に含まれる電流検出器における誤差(オフセット値/非直線性誤差)を補正することにより、制御の精度を向上し、また、トルクリップの発生を防止する技術を開示している。更に、特開平8−322299号公報(特許文献5)は、フィードバック制御に使用される三角関数の関数値を少ないメモリ容量で発生する技術を開示している。更に、再公表特許WO2005/067137号公報(特許文献6)は、回転角度(位置)の検出値を補正して正確な回転角度を算出する技術を開示している。
図1のような3相モータシステムにおける一つの問題は、3相モータ101のロータの回転に同期したトルク外乱(以下、「回転同期トルク外乱」という)への対処である。3相モータ101に取り付けられた負荷が、3相モータ101のロータシャフトの回転中心に対してオフセットしている等の理由により、3相モータ101のロータの回転中心に対する慣性モーメントの分布にアンバランスがあると、回転に同期してトルクが変動してしまう。言い換えれば、3相モータ101のロータの回転は、回転同期トルク外乱の影響を受ける。この回転同期トルク外乱により、ベクトル制御を行っても、3相モータ101の回転角度は、目標回転角度θ*に一致しない。言い換えれば、3相モータ101のロータの角速度は、目標回転角速度に一致しない。
3相モータ101の回転角度を目標回転角度θ*に近づけるための一つの対処方法は、フィードバック制御系の制御帯域を高くする、即ち、角度検出器102や3相モータ制御装置104の動作周波数を高くすることである。しかしながら、現実には、角度検出器102のサンプリング周波数の制約やフィードバック系の発振の防止の必要から実現可能な制御帯域が制限されるから、この対処方法では不充分である。フィードバック制御系の制御帯域が制限される一方で回転同期トルク外乱が大きくなると、各サンプリング時刻における目標回転角度と検出回転角度との差が許容値より大きくなることが生じる。
本発明の目的は、フィードバック制御系の制御帯域が制限されても、回転同期トルク外乱の影響を抑制して3相モータの実際の回転角度の目標回転角度からの誤差を小さくすることができる3相モータの制御技術を提供することにある。
本発明の一の観点では、3相モータを駆動するドライバを制御する3相モータ制御装置が、目標回転角度を生成する目標回転角度生成手段と、3相モータの回転角度である検出回転角度を検出する回転角度検出手段と、3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度に応答して生成するq軸指令値生成手段と、q軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する駆動トルク補正手段と、q軸指令値に応答して3相モータを駆動するドライバを制御する制御信号を生成する制御信号生成手段とを具備している。駆動トルク補正手段は、3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を保持する角度参照テーブルを有しており、検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択し、選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する。
本発明の他の観点では、3相モータシステムが、3相モータと、モータを駆動するドライバと、目標回転角度を生成する目標回転角度生成手段と、3相モータの回転角度である検出回転角度を検出する回転角度検出手段と、3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度に応答して生成するq軸指令値生成手段と、q軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する駆動トルク補正手段と、q軸指令値に応答して3相モータを駆動するドライバを制御する制御信号を生成する制御信号生成手段とを具備する。駆動トルク補正手段は、3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を保持する角度参照テーブルを有しており、検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択し、選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する。
本発明の更に他の観点では、3相モータを制御する3相モータ制御方法が、
目標回転角度を生成するステップと、
3相モータの回転角度である検出回転角度を検出するステップと、
3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度に応答して生成するステップと、
3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を角度参照テーブルに保持するステップと、
検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択するステップと、選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成するステップと、q軸指令値に応答して3相モータを駆動するステップと
を具備する。
目標回転角度を生成するステップと、
3相モータの回転角度である検出回転角度を検出するステップと、
3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度に応答して生成するステップと、
3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を角度参照テーブルに保持するステップと、
検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択するステップと、選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成するステップと、q軸指令値に応答して3相モータを駆動するステップと
を具備する。
本発明の更に他の観点では、記憶媒体に記憶されるプログラムが、下記のステップをディジタルコントローラに実行させる:
3相モータの回転角度である検出回転角度を検出するステップと、
3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度に応答して生成するステップ、
3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を角度参照テーブルに保持するステップ、
検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択するステップ、
選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成するステップ、及び
q軸指令値に応答して3相モータを駆動するドライバを制御する制御信号を生成するステップ。
3相モータの回転角度である検出回転角度を検出するステップと、
3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と検出回転角度に応答して生成するステップ、
3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を角度参照テーブルに保持するステップ、
検出回転角度に応じて要素のいずれかを選択するステップ、
選択された要素の値に基づいてq軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成するステップ、及び
q軸指令値に応答して3相モータを駆動するドライバを制御する制御信号を生成するステップ。
上記発明の目的、効果、特徴は、添付される図面と連携して実施の形態の記述から、より明らかになる。
図1は、3相モータをベクトル制御によって制御する3相モータシステムの典型的な構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施形態における3相モータシステムの構成を示すブロック図である。
図3は、本発明の第2の実施形態の3相モータシステムが適用された走査装置の構成を示すブロック図である。
図4は、本発明の第2の実施形態における3相モータシステムの構成を示すブロック図である。
図5は、第2の実施形態の3相モータシステムの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図6は、第2の実施形態の3相モータシステムの動作の他の例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態における3相モータ制御装置について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態の3相モータ制御装置を備えた3相モータシステムの構成を示す図である。本実施形態では、3相モータシステムが、負荷を取り付けた3相モータ1と角度検出器2とドライバ回路3と3相モータ制御装置4とを備えている。
図2は、第1の実施形態の3相モータ制御装置を備えた3相モータシステムの構成を示す図である。本実施形態では、3相モータシステムが、負荷を取り付けた3相モータ1と角度検出器2とドライバ回路3と3相モータ制御装置4とを備えている。
3相モータ1は、ドライバ回路3から3相電力線3aを介して3相電力の供給を受けて動作する。3相モータ1としては、誘導電動機、(永久磁石電動機を含む)同期電動機を使用できる。3相モータ1には、観測機器などの負荷が取り付けている。上述のように、3相モータ1に取り付けた負荷が、3相モータ1の軸の回転中心に対してオフセットしている等の理由により3相モータ1の軸の回転中心に対する慣性モーメントの分布にアンバランスが存在すると、3相モータ1のロータの回転に同期する回転同期トルク外乱が発生する。
角度検出器2は、所定のサンプリング周期で3相モータ1のロータの回転角度を検出する。以下では、角度検出器2によって検出された回転角度を、検出回転角度θと記載する。角度検出器2としては、例えば、レゾルバ、エンコーダ、磁気センサ、ホール素子等が使用される。
ドライバ回路3は、3相電力線3aを介して3相モータ1に3相電力を供給する。ドライバ回路3は、3相電力線3aの各相の電圧(u相電圧Vu、v相電圧Vv、w相電圧Vw)が3相モータ1の逆起電力の影響を受けても3相指令値Vu*、Vv*、Vw*の値に維持されるように3相電力線3aの電流制御を行う。3相電力線3aの電流制御は、例えば、PWM制御によって行われ得る。一実施形態では、ドライバ回路3は、電源とアナログ回路とで構成される。
3相モータ制御装置4は、目標回転角度生成部5とフィードバック制御器6と駆動トルク補正部7と2相3相変換部8と加算器10とを備えている。3相モータ制御装置4は、角度検出器2によって検出された検出回転角度θに応答して、ドライバ回路3を制御する3相指令値Vu*、Vv*、Vw*を生成する。以下、3相モータ制御装置4の構成を詳細に説明する。
目標回転角度生成部5は、目標回転角速度から各時刻における目標回転角度θ*を生成する。
フィードバック制御器6は、検出回転角度θを目標回転角度θ*に追従させるq軸指令基準値Vq*_refを生成する。一実施形態では、フィードバック制御器6は、レートループ制御器とポジションループ制御器とで構成される。レートループ制御器は、回転角速度を推定するレート生成部と、外乱補償を行いながら回転角速度を目標回転角速度に追従させるレートループ補償要素部とで構成する。レート生成部は、ハイパスフィルタ(低周波数微分)を用いて3相モータ1の回転角速度を検出回転角度θから推定する。レートループ補償要素部は、回転角速度誤差(=[目標回転角速度]−[回転角速度推定値])にゲインを乗じることにより検出回転角度θを目標回転角度θ*に追従させるq軸指令基準値Vq*_refを生成する。また、レートループ補償要素部は、ラグリードフィルタにより低周波領域の外乱補償を行う。ポジションループ制御器は、回転角度誤差Δθ(=[目標回転角度θ*]−[検出回転角度θ])を入力として積分器とリードラグフィルタを用いてレート指令を生成し、積分器によりループ帯域以下の周波数領域の外乱補償を行いながら、リードラグフィルタにより制御系の安定性を高める。
一方、駆動トルク補正部7は、検出回転角度θに応じて駆動トルク補正値ΔVq*を生成する。後述のように、駆動トルク補正値ΔVq*とは、q軸指令基準値Vq*_refを補正してq軸指令値Vq*を生成するために使用される補正値である。駆動トルク補正部7の構成、及び駆動トルク補正部7による駆動トルク補正値ΔVq*の生成については、後に詳細に説明する。
信号加算器10は、q軸指令基準値Vq*_refと駆動トルク補正値ΔVq*を加えてq軸指令値Vq*を生成する。
d軸指令値設定部14は、d軸指令値Vd*を生成する。このd軸指令値Vd*は、3相モータ1の目標回転角速度に応じた一定値に設定される。即ち、d軸指令値Vd*は、目標回転角速度の設定が変更されない限り一定に保たれる。d軸指令値Vd*を一定にすると、3相モータ1の駆動トルクがq軸指令値Vq*に比例するので、駆動トルクの最適な制御、即ち、q軸指令値Vq*の最適な算出を簡単な回路構成や演算で実現することができる。
2相3相変換部8は、d軸指令値Vd*とq軸指令値Vq*とに対して2相3相変換を行うことによって3相指令値Vu*、Vv*、Vw*を生成する。一実施形態では、2相3相変換部8は、位相基準信号演算器と2相3相変換器で構成される。位相基準信号演算器は、検出回転角度θから算出された回転角速度と目標回転角速度とから位相基準信号を生成する。2相3相変換器は、位相基準信号を含む座標変換行列をd軸指令値Vd*とq軸指令値Vq*に作用させて3相指令値Vu*、Vv*、Vw*を生成する。なお、位相基準信号演算器で使用する回転角速度を検出回転角度θから2相3相変換部8において算出する代わりに、フィードバック制御器6において算出された回転角速度を2相3相変換部8の位相基準信号演算器において使用してもよい。3相指令値Vu*、Vv*、Vw*は、ドライバ回路3に供給され、ドライバ回路3の制御信号として使用される。
続いて、駆動トルク補正部7の構成、及び、駆動トルク補正部7による駆動トルク補正値ΔVq*の生成について説明する。駆動トルク補正部7は、角度参照テーブル11とフィルタ12と加算器13とを備えている。減算器9は、目標回転角度θ*から検出回転角度θを減じて回転角度誤差Δθを生成する。
角度参照テーブル11は、駆動トルク補正値ΔVq*の生成に使用される要素A(1)〜A(m)を記憶するテーブルである。角度参照テーブル11に記憶される要素の数mは、1回転を目標回転周波数ω*(Hz)とサンプリング周期T(sec)の積で割った値に設定される。例えば、目標回転数を60rpmとし、角度検出器2のサンプリング周期を10msecとした場合、目標回転周波数は1Hzなので、配列数mは、下記式:
m=1/(ω*×T),
=1/(1×0.01)
=100
によって計算される。この場合、角度参照テーブル11は、要素A(1)〜A(100)を記憶するテーブルとして構成される。角度参照テーブル11の各要素は、要素番号iによって参照され、要素番号iに対応する要素が、要素A(i)である。
m=1/(ω*×T),
=1/(1×0.01)
=100
によって計算される。この場合、角度参照テーブル11は、要素A(1)〜A(100)を記憶するテーブルとして構成される。角度参照テーブル11の各要素は、要素番号iによって参照され、要素番号iに対応する要素が、要素A(i)である。
各要素A(i)は、検出回転角度θの特定の角度範囲に対応付けられている。以下では、要素A(i)に対応付けられた角度範囲を角度範囲#iと記載する。角度範囲#1〜#mは、0°〜360°の全範囲をカバーするように決定される。例えば、要素の数mが100である場合、角度範囲#1〜#mは、下記のように、3.6°(=360°/100)刻みで決定される:
358.2°<θ≦1.8° :角度範囲#1(要素A(1)に対応)
1.8°<θ≦5.4° :角度範囲#2(要素A(2)に対応)
・・・
352.8°<θ≦358.2° :角度範囲#100(要素A(100)に対応)
358.2°<θ≦1.8° :角度範囲#1(要素A(1)に対応)
1.8°<θ≦5.4° :角度範囲#2(要素A(2)に対応)
・・・
352.8°<θ≦358.2° :角度範囲#100(要素A(100)に対応)
フィルタ12は、角度参照テーブル11から送られてきた値の特定周波数成分を通過させ他の周波数成分を除去して駆動トルク補正値ΔVq*を生成する。例えば、目標回転周波数が1Hzの場合、一実施形態では、フィルタ12が高周波成分を除去する帯域10Hzの1次のローパスフィルタで構成される。
加算器13は、検出回転角度θと回転角度誤差Δθとに応答して、角度参照テーブル11の更新値A’(i)を算出する。後述のように、更新値A’(i)は、角度参照テーブル11の値の更新に使用される。
このように構成された駆動トルク補正部7では、以下の手順で駆動トルク補正値ΔVq*が生成される。検出回転角度θがサンプリングされる毎に、検出回転角度θに応じて要素A(1)〜A(m)のいずれかが選択され、選択された要素の値が、角度参照テーブル11からフィルタ12に送られる。ここで、検出回転角度θが角度範囲#iに属する場合には、要素A(i+α)の値がフィルタ12に送られる。ただし、i+αがmを超える場合には、要素A(i+α−m)の値がフィルタ12に送られる。ここでαは、制御系の遅れ、具体的には、角度参照テーブル11の出力から検出回転角度θの検出までの位相遅れを回転角度に換算して得られるオフセットである。例えば、目標回転数60rpmに対応する周波数1Hzの制御系の位相遅れが36°である場合、オフセットαは、
α=[位相遅れ]/360×m=36/360×100=10,
と決定される。制御系の遅れに基づいて要素の選択が行われることは、適切な駆動トルク補正値ΔVq*を生成する為に有効である。
α=[位相遅れ]/360×m=36/360×100=10,
と決定される。制御系の遅れに基づいて要素の選択が行われることは、適切な駆動トルク補正値ΔVq*を生成する為に有効である。
このようにして選択された要素A(i+α)の値に対して高周波成分を除去するローパスフィルタ処理がフィルタ12により行われて駆動トルク補正値ΔVq*が算出される。なお、ローパスフィルタ処理は本発明の原理上は必須の処理ではないことに留意されたい。ただし、フィルタ12によるローパスフィルタ処理は制御の安定性のために有効である。
駆動トルク補正値ΔVq*の算出と並行して、検出回転角度θに対応する要素A(i)が更新される。詳細には、検出回転角度θが角度範囲#iに属する場合、更新値A’(i)が要素A(i)と回転角度誤差Δθの和として算出され、角度範囲#iに対応する要素A(i)が更新値A’(i)に更新される。このようにして要素A(i)が更新されることにより、要素A(i)の値は、3相モータ1の回転角度が角度範囲#iに属する場合について過去に算出された回転角度誤差Δθを積算して得られる積算値になる。
本実施形態の3相モータシステムでは、このようにして生成された駆動トルク補正値ΔVq*を用いてq軸指令基準値Vq*_refを補正してq軸指令値Vq*を生成することにより、回転角度誤差Δθが減少されている。このような制御において重要な点は、駆動トルク補正値ΔVq*が検出回転角度θに応じて決定されることである。駆動トルク補正値ΔVq*が検出回転角度θに応じて決定されることは、3相モータ1の回転に同期して発生する回転同期トルク外乱による影響を抑えるために有効である。例えば、特定の検出回転角度θにおいて回転角度誤差Δθが大きくなる場合でも、当該検出回転角度θに対応して決定される駆動トルク補正値ΔVq*を用いてq軸指令値Vq*が生成され、回転角度誤差Δθが減少される。このように、本実施形態の3相モータシステムでは、回転同期トルク外乱による影響を抑えて回転角度誤差Δθを小さくことができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、図3に図示されているように、本発明が3相モータ31に装着した回転体(負荷)32で対象物35を走査する構成の走査装置に適用される。図3の3相モータシステムは、3相モータ31に装着した回転体32を一定の目標回転角速度(定常回転角速度)で回転方向33の向きに回転させるように構成される。
第2の実施形態では、図3に図示されているように、本発明が3相モータ31に装着した回転体(負荷)32で対象物35を走査する構成の走査装置に適用される。図3の3相モータシステムは、3相モータ31に装着した回転体32を一定の目標回転角速度(定常回転角速度)で回転方向33の向きに回転させるように構成される。
第2の実施形態の3相モータシステムでは、第1の実施形態とは異なり、回転体32が基準信号Indexに同期して回転するように3相モータ31が制御される;第1の実施形態の3相モータ制御装置4の構成は、3相モータ31の回転が基準信号Indexに同期するように構成されていない。詳細には、第2実施形態では、基準信号Indexがアサートされたときに回転体32が対象物35の特定の場所を指向するように、即ち、基準信号Indexがアサートされたときの3相モータ31のロータの回転角度が所定の基準角度θ_0になるように3相モータ31が制御される。このような動作に対応するために、第2の実施形態では、3相モータ制御装置4の構成・動作が、3相モータ31が基準信号Indexに同期して回転するように変更される。なお、回転体の回転角度を基準信号に同期するように制御する方法は、例えば、特開2005−351981号公報(特許文献7)に開示されている。この特許文献7には、回転体の回転角度が所定の基準位置になる位相と基準信号の位相との差に応じて制御ゲインを変化させる構成が開示されている。
図4は、第2の実施形態における3相モータシステムの構成を示すブロック図である。第2の実施形態の3相モータシステムの構成は、第1の実施形態と類似しているが、3相モータ制御装置4に基準信号同期制御部15が追加される点、及び、駆動トルク補正部7に角度参照テーブルオンオフスイッチ16が追加されることが異なる。基準信号同期制御部15は、3相モータ31のロータの回転角度を基準信号Indexに同期させるための制御を実行する。角度参照テーブルオンオフスイッチ16は、駆動トルク補正部7に設けられた角度参照テーブル11の更新・不更新を切り替えるためのスイッチである。角度参照テーブルオンオフスイッチ16の役割・動作については後述する。
ロータの回転角度と基準信号Indexの同期を実現するために、基準信号同期制御部15は、3相モータ31のロータの回転角速度を制御する。より具体的には、基準信号同期制御部15は、基準信号Indexがアサートされた時点における検出回転角度θと基準角度θ_0との誤差Δθ_0を算出する。そして、基準信号同期制御部15は、検出回転角度θが基準角度θ_0よりも進んでいる場合には目標回転角速度Vel*を定常回転角速度VRATEDよりも減少させ、検出回転角度θが基準角度θ_0よりも遅れている場合には目標回転角速度Vel*を定常回転角速度VRATEDよりも増加させる。このような制御により、基準信号同期制御部15は、基準信号Indexがアサートされた時点における検出回転角度θを基準角度θ_0に近づける。目標回転角度生成部5は、目標回転角速度Vel*に基づいて(詳細には、目標回転角速度Vel*を積分して)目標回転角度θ*を生成する。
一つの問題は、3相モータ31のロータの回転角速度を変更する制御と、角度参照テーブル11を用いたq軸指令値Vq*の補正とを同時に実行すると、目標回転角度θ*と回転体32の回転角度との誤差が大きくなる現象が生じ得ることである。これは、回転角速度を変更することにより発生する回転角度誤差Δθの変動を角度参照テーブル11が積算してしまうためである。駆動トルク補正値ΔVq*を適切に生成するためには、角度参照テーブル11の各要素A(i)に積算される値から回転角速度を変更することにより発生する回転角度誤差Δθの変動の影響を除くことが望ましい。
角度参照テーブルオンオフスイッチ16は、角度参照テーブル11に積算される値から回転角速度を変更することにより発生する回転角度誤差Δθの変動の影響を除くために設けられる。回転角速度が定常回転角速度VRATEDに設定される場合、角度参照テーブルオンオフスイッチ16がオンされる。この場合、回転角度誤差Δθは、目標回転角度θ*から検出回転角度θを減じた値に設定される。一方、回転角速度が定常回転角速度VRATEDから変化される場合、角度参照テーブルオンオフスイッチ16がオフにされる。この場合、回転角度誤差Δθが0に設定される。これにより、角度参照テーブル11の更新値A’(i)が更新前の要素A(i)の値に一致され、角度参照テーブル11の更新が停止される。
以下では、外部基準信号同期制御器15の構成、および、外部基準同期制御器15の動作について詳細に説明する。
基準信号同期制御器15は、目標回転角速度Vel*を生成する。一実施形態では、基準信号同期制御器15は、基準角度誤差演算部と目標回転角速度生成部と角度参照テーブル制御部とを備えている。基準角度誤差演算部は、基準信号Indexがアサートされた時点の検出回転角度θと基準角度θ_0との差である基準角度誤差Δθ_0を算出する。ここで、基準角度θ_0は、予め与えられる所定値であり、基準信号Indexがアサートされた時点において、回転体32が向くべき角度である。目標回転角速度生成部は、基準角度誤差Δθ_0が所定範囲にある場合に、より具体的には、基準角度誤差Δθ_0の絶対値が所定の設定値θLMTより小さい場合に、目標回転角速度Vel*を所定の定常回転角速度VRATEDに設定する。ここで、本実施形態では、定常回転角速度VRATEDは、基準信号Indexがアサートされる周期をTindexとして、360°/Tindexと設定される。基準角度誤差Δθ_0の絶対値が所定の設定値θLMTより大きい場合、目標回転角速度生成部は、目標回転角速度Vel*を、基準角度誤差Δθ_0に応じた値に設定する。一実施形態では、Δθ_0(=θ−θ_0)>θLMTである場合には、目標回転角速度Vel*を定常回転角速度VRATEDより高い所定値に設定し、Δθ_0(=θ−θ_0)<θLMTである場合には、目標回転角速度Vel*を定常回転角速度VRATEDより低い所定値に設定する。
基準信号同期制御器15は、目標回転角速度Vel*を生成する。一実施形態では、基準信号同期制御器15は、基準角度誤差演算部と目標回転角速度生成部と角度参照テーブル制御部とを備えている。基準角度誤差演算部は、基準信号Indexがアサートされた時点の検出回転角度θと基準角度θ_0との差である基準角度誤差Δθ_0を算出する。ここで、基準角度θ_0は、予め与えられる所定値であり、基準信号Indexがアサートされた時点において、回転体32が向くべき角度である。目標回転角速度生成部は、基準角度誤差Δθ_0が所定範囲にある場合に、より具体的には、基準角度誤差Δθ_0の絶対値が所定の設定値θLMTより小さい場合に、目標回転角速度Vel*を所定の定常回転角速度VRATEDに設定する。ここで、本実施形態では、定常回転角速度VRATEDは、基準信号Indexがアサートされる周期をTindexとして、360°/Tindexと設定される。基準角度誤差Δθ_0の絶対値が所定の設定値θLMTより大きい場合、目標回転角速度生成部は、目標回転角速度Vel*を、基準角度誤差Δθ_0に応じた値に設定する。一実施形態では、Δθ_0(=θ−θ_0)>θLMTである場合には、目標回転角速度Vel*を定常回転角速度VRATEDより高い所定値に設定し、Δθ_0(=θ−θ_0)<θLMTである場合には、目標回転角速度Vel*を定常回転角速度VRATEDより低い所定値に設定する。
また、角度参照テーブル制御部は、基準角度誤差Δθ_0の絶対値が設定値θLMTより小さい場合には角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLをアサートし、そうでない場合には、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLをネゲートする。角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLがアサートされると、角度参照テーブルオンオフスイッチ16がオンされ、角度参照テーブル11の内容が更新される。一方、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLがネゲートされると角度参照テーブルオンオフスイッチ16がオフされ、角度参照テーブル11の内容は、そのままに維持される。
図5は、本実施形態におけるモータシステムの動作の一例を示すタイミングチャートであり、基準信号Index、検出回転角度θ、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTL、目標回転角速度Vel*、及び、目標回転角度θ*の変化を図示している。
基準信号Indexは、所定の時間間隔でアサートされる。基準信号Indexがアサートされる毎に、検出回転角度θと基準角度θ_0との差である基準角度誤差Δθ_0が算出され、算出された基準角度誤差Δθ_0に応じて、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTL及び目標回転角速度Vel*が設定される。
より具体的には、基準信号Indexがアサートされる時刻t1においては、基準角度誤差Δθ_0の絶対値が設定値θLMTよりも大きい。この場合、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLがネゲートされ(図5では、“L”レベルに設定され)、目標回転角速度Vel*が基準角度誤差Δθ_0に応じた値に設定される。図5の動作では、目標回転角速度Vel*が定常回転角速度VRATEDよりも低い角速度V1に設定される。これにより、目標回転角度θ*は、時刻t1以降は、定常回転角速度VRATEDに対応する目標回転角度軌道41から角速度V1に対応する目標回転角度軌道42へと変化する。目標回転角速度Vel*が定常回転角速度VRATEDよりも低い角速度V1に設定されることにより、基準角度誤差Δθ_0は減少していく。
この間、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLがネゲートされているので、角度参照テーブル11は更新されない。これにより、基準角度誤差Δθ_0が不適正に大きい場合に回転角度誤差Δθ(=θ * −θ*)の変動を角度参照テーブル11が積算してしまう不具合が回避される。
その後、時刻t2においては、基準信号Indexがアサートされた時点における基準角度誤差Δθ_0が設定値θLMTよりも小さくなる。図5では、時刻t2における基準角度誤差Δθ_0は0である。この場合、この場合、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLがアサートされ(図5では、“H”レベルに設定され)、目標回転角速度Vel*が定常回転角速度VRATEDに設定される。これにより、目標回転角度θ*は、時刻t2以降は、角速度V1に対応する目標回転角度軌道43から定常回転角速度VRATEDに対応する目標回転角度軌道42に変化する。
時刻t2以降においては、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTLがアサートされるので、角度参照テーブル11は更新され、角度参照テーブル11の各要素に回転角度誤差Δθが積算される。角度参照テーブル11を用いて駆動トルク補正値ΔVq*を決定し、その駆動トルク補正値ΔVq*を用いてq軸指令値Vq*を補正することにより、回転角度誤差Δθを減少させることができる。
図6は、本実施形態におけるモータシステムの動作の他の例を示すタイミングチャートであり、基準信号Index、検出回転角度θ、角度参照テーブルオンオフ信号ONOFF_CTL、目標回転角速度Vel*、及び、目標回転角度θ*の変化を図示している。図6の動作では、基準信号Indexがアサートされた時点において基準角度誤差Δθ_0が設定値θLMTより大きい場合に目標回転角速度Vel*が基準角度誤差Δθ_0に対応して段階的に変化される。具体的には、時刻t1においては、基準角度誤差Δθ_0が設定値θLMTより大きいため、目標回転角速度Vel*が定常回転角速度VRATEDよりも低い角速度V11に設定される。その後、基準信号Indexがアサートされる時刻である時刻t2においては、目標回転角速度Vel*が定常回転角速度VRATEDよりも低く角速度V11よりも大きい角速度V12に設定される。以下、同様の手順により、基準信号Indexがアサートされる毎に目標回転角速度Vel*が角速度V1nまで段階的に増大される。基準信号Indexがアサートされる時刻である時刻t3においては、基準角度誤差Δθ_0の絶対値が設定値θLMTよりも小さくなり、目標回転角速度Vel*が定常回転角速度VRATEDに設定される。
なお、図6では、基準信号Indexがアサートされた時点で目標回転角速度Vel*が変化されているが、基準信号Indexがアサートされるタイミングの間のタイミングで目標回転角速度Vel*が変化されてもよい。
本実施形態の3相モータシステムでは、基準信号Indexがアサートされた時刻における基準角度誤差Δθ_0に応じて目標回転角速度Vel*が生成されると共に、基準角度誤差Δθ_0の絶対値が大きい場合には角度参照テーブル11の更新が停止される。このようにして生成された駆動トルク補正値ΔVq*を用いてq軸指令基準値Vq*_refを補正してq軸指令値Vq*を生成することにより、基準信号Indexに同期しながら回転角度誤差Δθの悪化を抑えている。このような制御において重要な点は、基準角度誤差Δθ_0に応じて目標回転角速度Vel*を決定し、角度参照テーブルオンオフスイッチ16を設定することである。角度参照テーブルの更新値A’(i)が基準角度誤差Δθ_0に応じて決定されることは、基準信号Indexと同期をとるための回転角度誤差Δθの変動による影響を抑えるために有効である。例えば、目標回転角速度Vel*の切り替えに伴い過渡的に回転角度誤差Δθが大きくなる場合でも、角度誤差の変動を角度参照テーブル11に反映させないことにより基準信号Indexに同期した後の回転角度誤差Δθの悪化に伴う制御系の収束時間を短縮することができる。
上述には本発明の具体的な実施形態が記述されているが、本発明は、当業者には自明な様々な変更がなされて実施され得ることに留意されたい。例えば、上述の実施形態において、3相モータ制御装置4は、上記の各ブロックを備えるハードウェアとして実装されてもよい。その代わりに、3相モータ制御装置4の各ブロックの機能をソフトウェアで実現してもよい。例えば、一実施形態では、3相モータ制御装置4は、数値演算をソフトウェア的に行うディジタルコントローラとして実装されてもよい。この場合、各ブロックの機能を実現するソフトウェアプログラムがディジタルコントローラとして使用される演算装置にインストールされる。一実施形態では、このインストールには記録媒体が使用される。
また、上述の実施形態では、d軸指令値、q軸指令値、3相指令値としては、それぞれ、d軸電圧、q軸電圧、3相電圧(u相電圧、v相電圧、w相電圧)の指令値が用いられるが、その代わりに、d軸指令値、q軸指令値、3相指令値としてd軸電流、q軸電流、3相電流(u相電流、v相電流、w相電流)の指令値を用いてもよい。
本発明によれば、フィードバック制御系の制御帯域の制約を克服して、3相モータの実際の回転角度の目標回転角度からの誤差を小さくすることができる。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本出願は、日本出願番号2009−055299および日本出願番号2009−258996に基づく優先権を主張するものであり、日本出願番号2009−055299および日本出願番号2009−258996における開示内容は引用により本出願に組み込まれる。
Claims (13)
- 3相モータを駆動するドライバを制御する3相モータ制御装置であって、
目標回転角度を生成する目標回転角度生成手段と、
前記3相モータの回転角度である検出回転角度を検出する回転角度検出手段と、
前記3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を前記目標回転角度と前記検出回転角度とに応答して生成するq軸指令値生成手段と、
前記q軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する駆動トルク補正手段と、
前記q軸指令値に応答して前記3相モータを駆動する前記ドライバを制御する制御信号を生成する制御信号生成手段と
を具備し、
前記駆動トルク補正手段は、前記3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を保持する角度参照テーブルを有しており、前記検出回転角度に応じて前記要素のいずれかを選択し、選択された前記要素の値に基づいて前記q軸指令基準値を補正して前記q軸指令値を生成する
3相モータ制御装置。 - 請求項1に記載の3相モータ制御装置であって、
前記角度範囲のそれぞれに対応付けられた前記要素の値は、前記3相モータの前記検出回転角度が前記角度範囲にある場合について過去に算出された前記回転角度誤差を積算して得られる積算値である
3相モータ制御装置。 - 請求項1又は2に記載の3相モータ制御装置であって、
前記駆動トルク補正手段は、前記検出回転角度に加え、前記角度参照テーブルからの前記選択された要素の出力から前記検出回転角度の検出までの制御系の位相遅れに応じて前記要素のいずれかを選択する
3相モータ制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の3相モータ制御装置であって、
前記駆動トルク補正手段は、選択された前記要素の値に対してフィルタ処理を行って前記駆動トルク補正値を算出し、前記駆動トルク補正値で前記q軸指令基準値を補正して前記q軸指令値を生成する
3相モータ制御装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の3相モータ制御装置であって、
前記3相モータのd軸電圧又はd軸電流を制御するd軸指令値を出力するd軸指令値設定手段を更に備え、
前記d軸指令値設定手段は、前記d軸指令値を、前記3相モータの目標回転角速度に応じた一定値に設定する
3相モータ制御装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の3相モータ制御装置であって、
当該3相モータ制御装置の外部から供給される基準信号に同期して目標回転角速度を生成する基準信号同期制御手段を更に具備し、
前記目標回転角度生成手段は、前記目標回転角速度に応答して目標回転角度を生成し、
前記基準信号同期制御手段は、前記基準信号がアサートされた時点における前記検出回転角度と所定の基準角度との差である基準角度誤差に応答して前記目標回転角速度を生成し、
前記駆動トルク補正手段は、前記基準角度誤差に応じて前記角度参照テーブルの前記要素の更新を行い、又は、更新を行わない
3相モータ制御装置。 - 請求項6に記載の3相モータ制御装置であって、
前記基準信号同期制御手段は、前記基準信号がアサートされた時点における前記基準角度誤差が所定範囲内にある場合、前記目標回転角速度を前記基準信号がアサートされる時間間隔に同期する定常回転角速度に設定し、前記基準角度誤差が前記所定範囲外にある場合には前記目標回転角速度を前記定常回転角速度と異なる角速度に設定する
3相モータ制御装置。 - 3相モータと、
前記モータを駆動するドライバと、
目標回転角度を生成する目標回転角度生成手段と、
前記3相モータの回転角度である検出回転角度を検出する回転角度検出手段と、
前記3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を前記目標回転角度と前記検出回転角度とに応答して生成するq軸指令値生成手段と、
前記q軸指令基準値を補正してq軸指令値を生成する駆動トルク補正手段と、
前記q軸指令値に応答して前記3相モータを駆動する前記ドライバを制御する制御信号を生成する制御信号生成手段と
を具備し、
前記駆動トルク補正手段は、前記3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を保持する角度参照テーブルを有しており、前記検出回転角度に応じて前記要素のいずれかを選択し、選択された前記要素の値に基づいて前記q軸指令基準値を補正して前記q軸指令値を生成する
3相モータシステム。 - 請求項8に記載の3相モータシステムであって、
外部から供給される基準信号に同期して目標回転角速度を生成する基準信号同期制御手段を更に具備し、
前記目標回転角度生成手段は、前記目標回転角速度に応答して目標回転角度を生成し、
前記基準信号同期制御手段は、前記基準信号がアサートされた時点における前記検出回転角度と所定の基準角度との差である基準角度誤差に応答して前記目標回転角速度を生成し、
前記駆動トルク補正手段は、前記基準角度誤差に応じて前記角度参照テーブルの前記要素の更新を行い、又は、更新を行わない
3相モータシステム。 - 3相モータを制御する3相モータ制御方法であって、
目標回転角度を生成するステップと、
前記3相モータの回転角度である検出回転角度を検出するステップと、
前記3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を前記目標回転角度と前記検出回転角度とに応答して生成するステップと、
前記3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を角度参照テーブルに保持するステップと、
前記検出回転角度に応じて前記要素のいずれかを選択するステップと、
選択された前記要素の値に基づいて前記q軸指令基準値を補正して前記q軸指令値を生成するステップと、
前記q軸指令値に応答して前記3相モータを駆動するステップと
を具備する
3相モータ制御方法。 - 請求項10に記載の3相モータ制御方法であって、
外部から供給される基準信号に同期して、前記基準信号がアサートされた時点における前記検出回転角度と所定の基準角度との差である基準角度誤差に応答して目標回転角速度を生成するステップと、
前記角度参照テーブルの前記要素の更新を行うステップと
を更に備え、
前記目標回転角度が前記目標回転角速度に応答して生成され、
前記角度参照テーブルの前記要素の更新は、前記基準角度誤差に応じて実行され、又は、実行されない
3相モータ制御方法。 - 目標回転角度を生成するステップと、
前記3相モータの回転角度である検出回転角度を検出するステップと、
前記3相モータのq軸電圧又はq軸電流を制御するq軸指令基準値を目標回転角度と前記検出回転角度とに応答して生成するステップと、
前記3相モータの回転角度の角度範囲のそれぞれに対応付けられた要素の値を角度参照テーブルに保持するステップと、
前記検出回転角度に応じて前記要素のいずれかを選択するステップと、
選択された前記要素の値に基づいて前記q軸指令基準値を補正して前記q軸指令値を生成するステップと、
前記q軸指令値に応答して前記3相モータを駆動するドライバを制御する制御信号を生成するステップと
をディジタルコントローラに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体。 - 請求項12に記載のプログラムを記憶する記憶媒体であって、
外部から供給される基準信号に同期して、前記基準信号がアサートされた時点における前記検出回転角度と所定の基準角度との差である基準角度誤差に応答して目標回転角速度を生成するステップと、
前記角度参照テーブルの前記要素の更新を行うステップと
を更に前記ディジタルコントローラに実行させ、
前記目標回転角度が前記目標回転角速度に応答して生成され、
前記角度参照テーブルの前記要素の更新は、前記基準角度誤差に応じて実行され、又は、実行されない
プログラムを記憶する記憶媒体。
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