JPWO2010103967A1 - 有機エレクトロニクス素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、製造コストが低く、性能安定性に優れる有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供する。特に製造コストが低く、発光ムラの発生や封止のガスバリア性の低下による寿命劣化や発光効率の低下が少ない有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。この有機エレクトロニクス素子の製造方法は、可撓性の基材の上に、第1電極、少なくとも1層の有機層及び第2電極を有する有機エレクトロニクス構造体を形成した後、前記有機エレクトロニクス構造体上に可撓性の封止基材を貼合し、熱処理する有機エレクトロニクス素子の製造方法において、前記熱処理の温度が前記基材のTg(ガラス転移点)未満で、かつ前記封止基材のTg(ガラス転移点)以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、有機エレクトロニクス素子の製造方法及びその製造方法により製造された有機エレクトロニクス素子に関する。詳しくは、面光源やディスプレイ、太陽電池等として利用される有機エレクトロニクス素子の製造方法、特に、プラスチックフィルム等の可撓性基材上に設けられた有機エレクトロニクス素子の製造方法及び該製造方法によって製造された有機エレクトロニクス素子に関する。
従来、有機エレクトロニクス素子の有機層(有機化合物層ともいい、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及びホール輸送層等が挙げられる)の形成には、蒸着法、スパッタ法、CVD、PVD、溶剤を用いた塗布法等の様々な方法が使用できるが、これらの方法の中で、製造工程の簡略化、製造コストの低減、加工性の改善、バックライトや照明光源等のフレキシブルな大面積素子への応用等の観点からは塗布法等の湿式成膜法が有利であることが知られている。例えば、特開2002−170676号公報に、枚葉のガラスフィルム上にスピンコート法により有機化合物層を形成する方法が記載されている。特開2003−142260号公報には、枚葉のフィルム上にインクジェット方式で順次有機化合物層を形成する方法が記載されている。これらの方式はいずれもフィルムとして枚葉フィルムを使用しているため、大面積フルカラー表示素子を作製するのは装置が大きくなり、コストも高くなるという欠点を有している。このため、固体発光型の大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視されている有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)について、特許文献1等に記載されているように、安価な製造方法とされているロールツーロール方式により作製する方法が検討されている。
例えば、透光性基板としてプラスチックフィルムを使用し、このプラスチックフィルム上に陰極と、有機物質からなる一つまたは複数の発光層と、陽極層を設けた有機ELディスプレイを製造する方法として、有機発光層にポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子材料中に低分子の発光色素を分散または溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリアルキルフルオレン誘導体等の高分子材料を使用し、適当な溶媒を用いることで塗布法により巻き取り生産をする方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
一方、現在、有機EL材料には低分子系のものと高分子系のものが挙げられる。低分子材料は昇華精製することが可能で、精製が行いやすく、高純度な有機EL材料を用いることができ、効率、寿命という面で非常に優れているのに対し、高分子材料は高純度な精製が難しく、効率、寿命といった性能が劣化するというデメリットがあり、最近では低分子材料での湿式成膜法が検討されている。
封止済みの素子に熱処理する場合、基材のTg以上の高温熱処理では、発光ムラや基材の波状の変形が発生するため、Tg未満の温度で熱処理することが知られているが(特許文献2参照)、Tg未満で温熱処理した場合でも、寿命劣化や発光面積の減少がみられる。検討した結果、低温で熱処理する場合に基材と封止基材の内部応力に起因する封止材の剥離や破壊が原因と思われる封止のガスバリア性の低下があることが分かった。
特開2003−77669号公報 国際公開第05/096675号パンフレット
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は製造コストが低く、性能安定性に優れる有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することにあり、特に製造コストが低く、発光ムラの発生や封止のガスバリア性の低下による寿命劣化や発光面積の減少が少ない有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.可撓性の基材の上に、第1電極、少なくとも1層の有機層及び第2電極を有する有機エレクトロニクス構造体を形成した後、前記有機エレクトロニクス構造体上に可撓性の封止基材を貼合し、熱処理する有機エレクトロニクス素子の製造方法において、前記熱処理の温度が前記基材のTg(ガラス転移点)未満で、かつ前記封止基材のTg(ガラス転移点)以上であることを特徴とする有機エレクトロニクス素子の製造方法。
2.前記封止基材にバリア膜が形成されていることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
3.前記基材が長尺基材であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
4.前記有機エレクトロニクス素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
本発明により、製造コストが低く、性能安定性に優れる有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することができる。特に製造コストが低く、発光ムラの発生や封止のガスバリア性の低下による寿命劣化や発光面積の減少が少ない有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
(a)は、有機EL素子の全体の基本的構成を示す模式図、(b)は有機EL素子の有機EL構造体部分の構成を示す模式図である。 基材上に封止基材を熱硬化型接着剤で接着する封止工程と断裁位置を示す工程の概念図である。 本発明に係る有機EL素子の製造装置及び製造プロセスの模式図である。 本発明に係る封止基材接着・断裁工程の一例を示す模式図である。 有機層の除去に用いられる装置の概略図である。
有機エレクトロニクス素子の一つである有機EL素子は、発光層中で励起子を形成し発光に至るまでの電気化学的なプロセスを妨害する水分・酸素等に代表される物質に対して非常に敏感である。これらの物質が外界から拡散してくると、発光の効率や駆動寿命が著しく短くなり実用的な照明や表示のための性能を得ることができなくなる。また、水・酸素等は、電極表面や内部の電気的、化学的な特性を変化させ、電子や正孔の移動を妨害する場合もあり、その結果、実用的な特性を大きく劣化させる。従って、有機EL素子は、乾燥剤を封入して、ガラスや金属缶で密閉した構造の中に収めたり、水分や酸素等のガス成分に対して、バリア性能を有する封止基材を用いて、性能を確保したりすることが検討されている。
本発明者らは、この封止基材を用いて熱硬化型接着剤により上記有機EL素子を封止する際の熱処理(加熱接着)について詳細に検討した。
その結果、可撓性の基材上に有機EL構造体を形成した後、基材のTg以上の温度で熱処理すると、素子に発光ムラや寿命劣化、発光効率の低下が発生するが、Tg未満の温度で熱処理すると、これらの問題が解消される。
この理由は、Tg以上の温度で熱処理すると、張力が掛かっている基材は軟化・変形し、内部応力が増加してこれに接する有機EL構造体はダメージを受ける。その結果、素子に発光ムラや寿命劣化、発光効率の低下が発生したものと推定される。これに対して、基材のTg未満の温度で熱処理すると、基材の軟化・変形は少なく、有機EL構造体はダメージを受け難く、発光ムラや寿命劣化、発光効率の低下等の問題が解消されるものと思われる。
また、可撓性の基材上に有機EL構造体を形成した後、封止基材のTg未満の温度で熱処理すると、素子に寿命劣化や発光効率の低下が発生するが、封止基材のTg以上の温度で熱処理すると、これらの問題が解消されることを見出した。
この理由は、封止基材をTg未満の温度で熱処理すると、封止基材が硬いため、これと貼合する有機EL構造体は貼合工程での圧力によりダメージを受けるとともに、封止基材は有機EL構造体の形状に追従しないため、密着性が低下しガスバリア性が低下する。その結果、素子に寿命劣化や発光効率の低下が発生したものと推定される。これに対して、封止基材をTg以上の温度で熱処理すると、封止基材は軟化し、これと貼合する有機EL構造体の形状に追従するため、有機EL構造体はダメージを受け難く、寿命劣化や発光効率の低下等の問題が解消されるものと思われる。
本発明の有機エレクトロニクス素子の製造方法は、特に、有機EL素子の製造方法として好適に用いることができる。
本発明の有機エレクトロニクス素子の製造方法により製造された有機EL素子は、ガスバリア性が向上し、半減寿命、発光効率等の性能において優れている。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態・態様について詳細に説明する。
《有機エレクトロニクス素子の製造方法の概要》
本発明の有機エレクトロニクス素子の製造方法は、可撓性の基材の上に、第1電極、少なくとも1層の有機層及び第2電極を有する有機エレクトロニクス構造体を形成した後、前記有機エレクトロニクス構造体上に可撓性の封止基材を貼合し、熱処理する有機エレクトロニクス素子の製造方法において、前記熱処理の温度を前記基材のTg(ガラス転移点)未満で、かつ前記封止基材のTg(ガラス転移点)以上の温度とすることが特徴である。
以下、有機エレクトロニクス素子の製造方法における工程について、その一つである有機EL素子の場合について、適宜、図を参照して説明する。
〈洗浄工程〉:ロール状に巻かれた基材を繰り出して、超音波洗浄槽に浸漬させて洗浄する等の湿式洗浄とプラズマ洗浄等の乾式洗浄を組み合わせた工程により基材の洗浄を行う工程である。
〈有機EL構造体を形成する工程〉:蒸着法、スピンコート法、押し出し塗布法、インクジェット法、印刷法等の周知の技術により基材上に電極、各種有機層等からなる有機EL構造体を形成する工程である。本発明では、この工程において、可撓性の基材の上に、第1電極、少なくとも1層の有機層及び第2電極を有する有機EL構造体を形成する。
図1に、有機エレクトロニクス素子の一つである有機EL素子の基本的構成を示す。電極は図示せず。図1(a)は、有機EL素子の全体の構成を示す模式図である。有機EL素子1は、基材12上の有機EL構造体2を接着剤16Aと封止基材(封止フィルム)16Bからなる封止基材層16で封止した構成である。図1(b)は、当該有機EL素子の有機EL構造体2部分の構成を示す模式図であり、陰極21、電子注入層22、発光層23、正孔輸送層24、正孔注入層25、陽極26からなる。有機EL素子1を構成する各要素の詳細については後述する。
〈基材供給工程〉:前記有機EL構造体2が設けられたロール状の基材11を繰り出し供給する工程である。
〈封止工程〉:前記有機EL構造体2を覆うように前記基材11上に長尺の封止基材16Bを熱硬化型接着剤16Aで接着して封止基材層16を形成する封止工程である。封止基材16B及び熱硬化型接着剤16Aの詳細については後述する。
本発明では、この工程において、有機EL構造体上に、有機EL構造体の電極引き出し部を除いた中央部のみに可撓性の封止基材を貼合し、前記基材のTg未満で、かつ前記封止基材のTg以上の温度で熱処理する。
〈断裁工程〉:前記封止基材16Bを接着後、熱硬化型接着剤16Aが硬化した後、有機EL構造体2と封止基材層16が設けられた基材11の断裁を行い、有機EL素子を形成する断裁工程である。
図2(a)は、有機EL構造体が設けられた基材上に封止基材を熱硬化型接着剤で接着する封止工程と熱硬化型接着剤が硬化した後、断裁を行う断裁工程の概念図である。図2(b)は断裁された1個の有機EL素子、図2(c)は、図2(b)の側面図である。
本発明においては、上記手段により、有機EL構造体はダメージを受け難く、発光ムラや寿命劣化、発光効率の低下等の問題が解消される。
〔有機EL素子の基本的構成〕
有機EL素子の有機EL構造体の基本的層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(i)基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)基板/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)基板/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)基板/陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
ここで、発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していることが好ましく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。また、正孔輸送層には正孔注入層、電子阻止層も含まれる。
(基材)
本発明に係る基材としては、有機EL素子に可撓性(フレキシブル性)を与えることが可能な可撓性基材、例えば、樹脂フィルムを用いることを要する。ただし、目的に応じて、部分的に、金属、ガラス、石英等を基材として用いることもできる。基材としては、生産性の観点から長尺基材が好ましい。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)あるいはアペル(商品名、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
基材の厚さは、一概には規定できないが、3〜400μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜200μmがさらに好ましい。
本発明に係る基材として好ましく用いられる樹脂フィルムの種類とTgは以下の通りである。
ポリエチレン −20℃
ポリプロピレン −20℃
ポリ塩化ビニル 80℃
ポリスチレン 100℃
ポリカーボネート 150℃
無延伸PET 80℃
無延伸PEN 120℃
延伸PET 110℃
延伸PEN 155℃
樹脂フィルムとしては上記の他に、ナイロン(Ny)、塩化ビニリデン(PVDC)をコートしたナイロン(KNy)、PVDCをコートしたポリプロピレン(KOP)、PVDCをコートしたセロハン(KPT)、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)を用いることが可能である。また、これら樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせ積層した多層フィルム等も使用できる。さらに必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも可能である。本発明では、多層フィルムのTgは、構成する樹脂の内最もTgが低い樹脂のTgと定義する。
樹脂フィルムの表面には、バリア膜が形成されていてもよく、バリア膜のガスバリア性は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(40℃、90%RH)が0.01g/(m・day・atm)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらにはJIS K 7126−1992に準拠した方法で測定された酸素透過度(20℃、100%RH)が10−3g/(m・day)以下、水蒸気透過度が10−3g/(m・day)以下の高バリア性フィルムであることが好ましく、前記の水蒸気透過度、酸素透過度がいずれも10−5g/(m・day)以下であることが、さらに好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
(電極)
本発明に係る有機EL素子においては、少なくとも第1電極と第2電極とを有する。通常は、一方が陽極、他方が陰極で構成される。以下に好ましい陽極、及び陰極の構成について述べる。
〈陽極〉
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性光透過性材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
〈陰極〉
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、アルミニウム、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方は、光透過性となるよう構成される。
(発光層)
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に係る発光層は、含まれる発光材料が前記要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。
本発明における発光層の膜厚の総和は1〜200nmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは、より低い駆動電圧を得ることができることから5〜100nmである。
発光層の作製には、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、押し出し塗布法、インクジェット法、印刷法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
本発明においては、各発光層には複数の発光材料を混合してもよく、また燐光発光材料と蛍光発光材料を同一発光層中に混合して用いてもよい。また、発光層を複数の層から形成してもよい。
本発明においては、発光層の構成として、ホスト化合物、発光材料(発光ドーパント化合物ともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子の発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらに好ましくは燐光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
本発明に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位を持つ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもいい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移点)である化合物が好ましい。ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
次に、発光材料について説明する。
本発明に係る発光材料としては、蛍光性化合物、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物等ともいう)を用いる。
本発明において、燐光発光材料とは励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にて燐光発光する化合物であり、燐光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましい燐光量子収率は0.1以上である。
上記燐光量子収率は第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中での燐光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明において燐光発光材料を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて上記燐光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
燐光発光材料の発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーを燐光発光材料に移動させることで燐光発光材料からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つは燐光発光材料がキャリアトラップとなり、燐光発光材料上でキャリアの再結合が起こり燐光発光材料からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、燐光発光材料の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
燐光発光材料は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に燐光発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.,40巻,1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
本発明に係る有機EL素子には、蛍光発光体を用いることもできる。蛍光発光体(蛍光性ドーパント)の代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
本発明においては、少なくとも一つの発光層に2種以上の発光材料を含有していてもよく、発光層における発光材料の濃度比が発光層の厚さ方向で変化していてもよい。
(注入層:電子注入層、正孔注入層)
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)は極薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
(阻止層:正孔阻止層、電子阻止層)
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜30nmである。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、押し出し塗布法、インクジェット法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き換わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、押し出し塗布法、インクジェット法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
〔有機EL構造体の作製方法〕
本発明に係る有機EL構造体の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL構造体の作製法について説明する。
まず、適当な支持基板上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に有機EL構造体材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如く真空蒸着法、スピンコート法、押し出し塗布法、インクジェット法、印刷法等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、押し出し塗布法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。さらに層毎に異なる製膜法を適用してもよい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設ける。
この有機EL構造体の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
〔有機EL素子の封止〕
本発明では、可撓性の基材の上に、第1電極、少なくとも1層の有機層及び第2電極を有する有機EL構造体を形成した後、前記有機EL構造体上に可撓性の封止基材を貼合し、前記基材のTg(ガラス転移点)未満で、かつ下記封止基材のTg(ガラス転移点)以上の温度で熱処理することが特徴である。基材と封止基材のTgの差は30〜50℃が好ましく、好ましい基材−封止基材の組合せは、延伸PEN−延伸PET、延伸PEN−無延伸PET、無延伸PEN−無延伸PET、延伸PEN−無延伸PETである。熱処理の温度は、基材のTg未満でかつ封止基材のTg以上で、絶対値としては100〜140℃が好ましい。
可撓性の封止基材の貼合では、不活性ガスによりパージされた環境下で、封止基材で陰極面を覆うようにして、有機EL素子を封止することができる。不活性ガスとしては、Nの他、He、Ar等の希ガスが好ましく用いられ、気体中に占める不活性ガスの割合は、90〜99.9体積%であることが好ましい。不活性ガスによりパージされた環境下で封止することにより、保存性が改良される。
(封止基材)
本発明に係る封止基材は、有機EL素子を封止し、当該素子を温度変化、湿度、酸素、衝撃等の過酷な外部環境から守るためのものである。
封止基材としては、前記基材で説明した樹脂フィルムを用いることができる。本発明で好ましく用いられる樹脂フィルムの種類とTgは以下の通りである。
ポリエチレン −20℃
ポリプロピレン −20℃
ポリ塩化ビニル 80℃
ポリスチレン 100℃
ポリカーボネート 150℃
無延伸PET 80℃
無延伸PEN 120℃
延伸PET 110℃
延伸PEN 155℃
樹脂フィルムとしては上記の他に、ナイロン(Ny)、塩化ビニリデン(PVDC)をコートしたナイロン(KNy)、PVDCをコートしたポリプロピレン(KOP)、PVDCをコートしたセロハン(KPT)、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)を用いることが可能である。また、これら樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせ積層した多層フィルム等も当然使用できる。さらに必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。本発明では、多層フィルムの封止基材のTgは、構成する樹脂の内最もTgが低い樹脂のTgと定義する。
封止基材の厚さは、一概には規定できないが、3〜400μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。
前記封止基材にはバリア膜が形成されていることが好ましい。バリア膜としては、金属蒸着膜、金属箔、無機蒸着膜が挙げられる。貼合時にバリア膜が封止基材の形状に追従しやすい金属箔が好ましい。バリア膜の厚さは材質によるが数μm〜50μmが好ましい。
金属蒸着膜や金属箔に用いられる金属としては、金属の種類に特に限定はなく、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、黄銅、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、銅合金、ステンレス、スズ(Sn)、高ニッケル合金等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、バリア性(透湿度、酸素透過率)及びコストの観点から、アルミニウムが挙げられる。
無機膜としては、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
封止基材のガスバリア性は、酸素透過度10−3g/(m・day)以下、水蒸気透過度10−3g/(m・day)以下のものであることが好ましい。また、前記の水蒸気透過度、酸素透過度がいずれも10−5g/(m・day)以下であることがさらに好ましい。
(接着剤)
封止基材を接着するための接着剤としては、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する熱硬化型接着剤等を挙げることができる。市販品としては、スリーボンド1152、1153等を使用することができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、封止基材のTg以上でかつ、前記基材のTg未満の温度で1時間以内に硬化する熱硬化型接着剤が好ましい。例えば、基材として延伸ポリエチレンナフタレート(Tg、155℃)、封止基材として延伸ポリエチレンテレフタレート(Tg、110℃)を用いる場合は、硬化条件が120℃、1時間で硬化するエポキシ系熱硬化接着剤が挙げられる。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に、封止基材で封止する前に当該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、当該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造をもたせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
〔有機EL構造体の製造装置〕
本発明に係る有機EL構造体の製造装置及びそれを用いた製造方法(プロセス)の一例について、図3を参照して説明する。
図3は、基材を使用し多層構造を有する有機EL構造体を作製する製造装置及び製造プロセスの模式図である。なお、本図で示す製造装置の説明は、有機EL素子の一例として、可撓性の基材上にガスバリア層、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子注入層、第2電極、封止層の順番に形成されている有機EL素子の場合について行う。本図では、可撓性の基材上にガスバリア層、第1電極が既に形成されたものを使用するため、第1電極形成工程は省略してある。
当該製造プロセスは、基材の供給工程3′と、正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程4′と、発光層を形成する発光層形成工程5′と、第1回収工程6′と、電子注入層を形成する電子注入層形成工程7′と、第2電極を形成する第2電極形成工程8′と、封止層を形成する封止層形成工程9′と、第2回収工程10′とを有している。本図で示される製造プロセスは、供給工程3′〜発光層形成工程5′迄を連続して大気圧条件下で行い、大気圧条件下で一旦巻き取った後、電子注入層形成工程7′〜封止層形成工程9′迄を連続して減圧条件下で行う場合を示している。第2回収工程10′は大気圧条件下または減圧条件下のいずれに配設しても構わない。
供給工程3′は、繰り出し工程301′と表面処理工程302′とを有している。繰り出し工程301′では、少なくとも一つの有機EL素子を形成するのに使用されるガスバリア膜と第1電極を含む少なくとも一つ陽極層とがこの順番で既に形成された基材301′b(基材Aとする)が巻き芯に巻き取られロール状態で供給されるようになっている。301′aは基材301′bの元巻きロールを示す。表面処理工程302′は洗浄表面改質処理装置302′aと、第1帯電防止手段302′bを有している。洗浄表面改質処理装置302′aは、正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に繰り出し工程301′から送られてきた基材Aの第1電極(不図示)表面を洗浄改質するため、例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等を使用することが好ましい。低圧水銀ランプによる洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、波長184.2nmの低圧水銀ランプを、照射強度5〜20mW/cmで、距離5〜15mmで照射し洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。プラズマ洗浄装置による洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、大気圧プラズマが好適に使用される。洗浄条件としてはアルゴンガスに酸素1〜5体積%含有ガスを用い、周波数100kHz〜150MHz、電圧10V〜10kV、照射距離5〜20mmで洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。
第1帯電防止手段302′bは、非接触式除電防止装置302′b1と接触式除電防止装置302′b2とを有している。非接触式除電防止装置302′b1としては例えば、非接触式のイオナイザーが挙げられイオナイザーの種類については特に制限はなく、イオン発生方式はAC方式、DC方式どちらでも構わない。ACタイプ、ダブルDCタイプ、パルスACタイプ、軟X線タイプが用いることができるが、特に精密除電の観点から、ACタイプが好ましい。ACタイプの使用の際に必要となる噴射気体については、空気かNが用いられるが、十分に純度が高められたNで行うことが好ましい。また、インラインで行う観点より、ブロワータイプもしくはガンタイプより選ばれる。
接触式除電防止装置302′b2としては、除電ロールまたはアース接続した導電性ブラシを用いて行われる。除電器としての除電ロールは、接地されており、除電された表面に回転自在に接触して表面電荷を除去する。このような除電ロールとしては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属製ロールの他に、カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の導電性材料を混合した弾性のあるプラスチックやゴム製のロールが使用される。特に、帯状可撓性連続シートとの接触をよくするため、弾性のあるものが好ましい。アース接続した導電性ブラシとは、一般には、線状に配列した導電性繊維からなるブラシ部材や線状金属製のブラシを有する除電バーまたは除電糸構造のものを挙げることができる。除電バーについては、特に限定はないが、コロナ放電式のものが好ましく用いられ、例えば、キーエンス社製のSJ−Bが用いられる。除電糸についても、特に限定はないが、通常フレキシブルな糸状のものが好ましく用いることができる。
非接触式帯電防止装置302′b1は可撓性の基材Aの第1電極面側に使用し、接触式帯電防止装置302′b2は可撓性の基材Aの裏面側に使用することが好ましい。第1帯電防止手段により基材の帯電除去が図られ、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。
正孔輸送層形成工程4′は基材Aを保持するバックアップロール401′と、バックアップロール401′に保持された基材Aに正孔輸送層形成用塗布液を外部取り出し電極となる一部を除いて塗布する湿式塗布機402′と、基材A上の第1電極(不図示)上に形成された正孔輸送層形成用塗膜a′の溶媒を除去し正孔輸送層b′を形成する乾燥風の供給口403′a、排気口403′bと、搬送用ロール403′cとを有する乾燥装置403′とを有している。なお、乾燥装置403は加熱処理を可能とする部分を内部に有している。
404′は、形成された正孔輸送層b′の除電を行う第2除電処理手段を示す。第2除電処理手段404′は第1除電処理手段302′bと同じ非接触式除電防止装置404′aと接触式除電防止装置404′b2とを有している。
発光層形成工程5′は、第1塗布工程5′aと第1乾燥工程5′bと、第2塗布工程5′cと第2乾燥工程5′dと、第3塗布工程5′eと第3乾燥工程5′fとを有している。第1塗布工程5′aは第1液滴吐出手段として静電ノズル吐出装置5′a1と保持台5a2と、第1アキュームレータ部5′a3とを有している。第1塗布工程5′aで静電ノズル吐出装置5′a1による塗布は、静電ノズル吐出装置5′a1より吐出された液滴が一定間隔で正孔輸送層上に着弾し不連続状発光層形成用塗膜c′(不連続状第2有機機能層形成用塗膜)を形成する。ここでは、塗布手段として静電ノズル吐出装置を用いたが、他の既存の塗布装置(例えば、押し出し塗布装置での連続塗布と拭き取り装置による塗布膜の一部拭き取り除去による不連続塗膜の形成)でもかまわない。
第1アキュームレータ部5′a3は、ロール5′a31が上下方向(図中の矢印方向)に移動することで、正孔輸送層形成工程4′と、第1塗布工程5′aとの搬送速度の差を調整するために配設されており、速度差に応じてロール5′a31の増設が可能となっている。
第1乾燥工程5′bは、乾燥風の供給口5′b11、排気口5′b12と、搬送用ロール5′b13とを有する乾燥装置5′b1と、形成された不連続状発光層形成用塗膜c′の除電を行う第3除電処理手段5′b2とを有している。第3除電処理手段5′b2は第1除電処理手段302′bと同じ非接触式除電防止装置5′b21と接触式除電防止装置5′b22とを有している。なお、乾燥装置5′b1は加熱処理を可能とする部分を内部に有している。不連続状発光層形成用塗膜c′(不連続状第2有機機能層形成用塗膜)は乾燥装置5′b1で溶媒が除去され不連続状発光層d′(不連続状第2有機機能層)を形成する。
第2塗布工程5′cは第2液滴吐出手段として静電ノズル吐出装置5′c1と載置台5′c2と第2アキュームレータ部5′c3を有している。第2塗布工程5′cで静電ノズル吐出装置5′c1による塗布は、静電ノズル吐出装置5′c1より吐出された液滴が、第1塗布工程5′aで形成された不連続状発光層d′(不連続状第2有機機能層)の未塗布部分に着弾し、連続状発光層形成用塗膜e′(連続状第2有機機能層形成用塗膜)を形成する。ここでは、塗布手段として静電ノズル吐出装置を用いたが、他の既存の塗布装置(例えば、押し出し塗布装置での連続塗布と拭き取り装置による塗布膜の一部拭き取り除去による不連続塗膜の形成)でもかまわない。
第2アキュームレータ部5′c3は、ロール5′c31が上下方向(図中の矢印方向)に移動することで、第1塗布工程5′aと、第2塗布工程5′cとの搬送速度の差を調整するために配設されており、速度差に応じてロール5′c31の増設が可能となっている。第2乾燥工程5′dは、乾燥風の供給口5′d11、排気口5′d12と、搬送用ロール5′d13とを有する乾燥装置5′d1と、形成された連続状発光層f′の除電を行う第4除電処理手段5′d2とを有している。第4除電処理手段5′d2は第1除電処理手段302′bと同じ非接触式除電防止装置5′d21と接触式除電防止装置5′d22とを有している。なお、乾燥装置5′d1は加熱処理を可能とする部分を内部に有している。
第3塗布工程5′eは第3液滴吐出手段として静電ノズル吐出装置5′e1と、載置台5′e2と、第3アキュームレータ部5′e3とを有している。第3アキュームレータ部5′e3は、ロール5′e31が上下方向(図中の矢印方向)に移動することで、第2塗布工程5′cと、第3塗布工程5′eとの搬送速度の差を調整するために配設されており、速度差に応じてロール5′e31の増設が可能となっている。第3塗布工程5′eで静電ノズル吐出装置5′e1による塗布は、発光層形成用塗布液と同じ溶媒を使用し静電ノズル吐出装置5′e1より吐出された液滴が、形成された連続状発光層f′の上に着弾し、溶媒塗膜g′を形成する。なお、静電ノズル吐出装置5′a1、静電ノズル吐出装置5′c1及び静電ノズル吐出装置5′e1は基材の幅方向への移動が可能となるように装置のフレーム(不図示)に配設することが好ましい。ここでは、塗布手段として静電ノズル吐出装置を用いたが、他の既存の塗布装置(例えば、押し出し塗布装置での連続塗布と拭き取り装置による塗布膜の一部拭き取り除去による不連続塗膜の形成)でもかまわない。
第3乾燥工程5′fは、乾燥風の供給口5′f11、排気口5′f12と、搬送用ロール5′f13とを有する乾燥装置5′f1と、形成された連続状発光層h′の除電を行う第4除電処理手段5′f2とを有している。第4除電処理手段5′f2は第1除電処理手段302′bと同じ非接触式除電防止装置5′f21と接触式除電防止装置5′f22とを有している。乾燥装置5′f1は加熱処理を可能とする部分を内部に有している。
溶媒塗膜g′は発光層形成用塗布液に使用した溶媒と同じ溶媒であるため、乾燥装置5′f1で除去されるまでに、連続状発光層f′(連続状第2有機機能層)を溶解することで連続状発光層f′(連続状第2有機機能層)の均一化及び表面のレベリングが行われ均一の連続状発光層h′が形成される。なお、第3塗布工程5′eと、第3乾燥工程5′fとは、連続状発光層のさらなる均一化のためには配設することは好ましく、必要に応じて適宜配設することが可能となっている。
第1回収工程6′は第4アキュームレータ部6′aと、巻き取り装置(不図示)とを有している。連続状発光層h′が形成された基材(基材Bとする)は巻き芯に巻かれロール状基材B601′で回収される。第4アキュームレータ部6′a、ロール6′a1が上下方向(図中の矢印方向)に移動することで、第3塗布工程5′eの搬送速度と、第1回収工程6′の巻き取り速度との差を調整するために配設されており、速度差に応じてロール6′a1の増設が可能となっている。
電子注入層形成工程7′は、供給部701′と、電子注入層形成部702′とを有している。供給部701′では、前工程で作製されたロール状基材B601′が繰り出され電子注入層形成部702′へ供給される。電子注入層形成部702′では、連続状発光層h′上に電子注入層i′が形成される。702′aは蒸着装置を示し、702′bは蒸発源容器を示す。電子注入層i′が形成された可撓性の基材は、引き続き、第2電極形成工程8′へ送られる。
第2電極形成工程8′は、第2電極形成部801′で電子注入層形成部702′で形成された電子注入層i′上に第2電極j′が形成される。801′aは蒸着装置を示し、801′bは蒸発源容器を示す。
第2電極j′が形成された可撓性の基材は、引き続き、保護層形成工程9′に送られる。保護層形成工程9′は、第5アキュームレータ部901′と、保護層形成装置902′と、第5帯電防止手段903′とを有している。第5帯電防止手段903′は第1除電処理手段302′bと同じ非接触式除電防止装置903′aと接触式除電防止装置903′bとを有している。第2電極形成工程8で形成された第2電極j′の端部を除いて第2電極j′上に保護層形成装置902′により保護層k′が形成されることで基材上に少なくとも一つの有機EL素子が作製される。
回収工程10′は、巻き取り装置(不図示)を有している。回収工程10では少なくとも一つの有機EL素子が形成された可撓性の基材(可撓性の基材Cとする)が巻き取り装置(不図示)により、保護層k′側を内側にして巻き取られ回収される。10′aは可撓性の基材Cが巻き芯に巻き取られロール状として回収されたロール状基材を示し、性能維持等を考慮し、酸素濃度1〜100ppm、水分濃度1〜100ppmの環境下に保管することが好ましい。
封止前に有機EL構造体上に保護層を形成した例を示したが、必ずしも形成するは必要ない。
本図に示される第1塗布工程5′aで静電ノズル吐出装置5′a1による塗布、第2塗布工程5′cで静電ノズル吐出装置5′c1による塗布及び第3塗布工程5′eで静電ノズル吐出装置5′e1による塗布は、静電ノズル吐出装置5a1、静電ノズル吐出装置5c1及び静電ノズル吐出装置5e1を基材の搬送速度に合わせ基材の幅方向に移動する方法が挙げられる。
本図では、電子注入層形成工程7′、第2電極形成工程8′、が蒸着装置の場合を示したが、電子注入層及び第2電極の形成方法については、蒸着法によらない電子注入層及び第2電極の形成方法も使用可能である。また、本図に示す封止層の代わりに、封止フィルムを貼着する方式であっても構わない。
図5に示される製造プロセスで使用する正孔輸送層形成用塗布液、及び発光層形成用塗布液は、少なくとも1種の有機化合物材料と少なくとも1種の溶媒とを有し、塗布時のハジキ、塗布ムラ等を考慮し、表面張力が15×10−3〜55×10−3N/mであることが好ましい。
図5に示される有機EL素子の構成層である正孔輸送層及び発光層を形成する工程は、正孔輸送層及び発光層の性能維持、異物付着に伴う故障欠陥の防止等を考慮し、露点温度−20℃以下、かつJISB 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス3〜クラス5で、かつ、乾燥部を除き10〜45℃の大気圧条件下で形成されることが好ましい。
〈封止基材接着工程と断裁工程〉
図4は、封止基材層形成工程140及び断裁工程150の1例を示す模式図である。
封止基材層形成工程140は、貼合工程142、硬化工程143を有する。
貼合工程142では、接着剤層16Aを有する封止基材16Bを基材11にローラにより圧着して有機EL構造体上に封止部材16Bからなる封止基材層16が形成される。
この工程で、封止基材層で覆われない、電極引き出し部の一部(図2のE1、E2)が形成される。
接着剤層に用いられる接着剤としては、エポキシ系、アクリル系、アクリルウレタン系等の加熱手段による加熱により硬化する熱硬化型接着剤、紫外線照射手段の紫外線照射により硬化する紫外線硬化型接着剤を用いることができるが、熱硬化型接着剤が好ましく用いられる。
硬化工程143では、加熱手段143Aでの加熱により接着剤層16Aが硬化し、封止層16は有機EL構造体の上面に固着される。なお、接着剤が紫外線硬化を利用したタイプの時には、UV光を照射して硬化させる。
硬化工程143は、断裁工程の前にあってもよいし、断裁工程の後にあってもよいが、製造の効率性等の面から断裁工程の後にあることが、好ましい態様である。
断裁工程150は、封止基材層16が形成された基材を所定の位置で切断し、各々の有機EL素子を得る工程である。
断裁工程150は断裁手段151Aを有し、有機EL構造体及び封止基材層が形成された長尺基板11は切断工程150にて断裁手段151Aより断裁され有機EL素子が得られる。得られた有機EL素子は、基材上に第一電極、正孔輸送層、有機発光層、第二電極層、電子注入層、封止基材層を有している。
断裁手段151Aは、上下動するギロチンカッターでもよいし、振動を抑えた円形の回転カッターを利用してもよい。
断裁する位置は、図2に示す巾手方向に断裁する断裁線Aに沿って行われる。この場合、断裁線Aと第一電極及び第二電極の引き出し部との距離は、1mm以上であることが接着層のガスバリア性や電極のショート防止の面から好ましい。断裁線に沿って断裁されたものが、個々の有機EL素子である。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
〈有機EL素子1の作製〉
(第一電極の形成)
厚さ100μm、幅200mm、長さ500mのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デュポン社製フィルム、以下、PENと略記する)に、バリア膜を形成した基材(特開2007−83644号の実施例1に記載の方法で形成した)を準備した。なお、基材には、予め第一電極を形成する位置を示すためにアライメントマークを設け、5×10−1Paの真空環境条件で厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタリング法により、マスクパターン成膜を行い、引き出し部を基材の巾手方向の両端側に有する10mm×10mmの大きさの第一電極を一定間隔に12列を連続的に形成し巻き取った。
(第一正孔輸送層形成)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5質量%で希釈した溶液を第一正孔輸送層形成用塗布液として、基材上全面(但し、両端の10mmは除く)に、押し出し塗布機を使用し乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。塗布後、乾燥・加熱処理を行い、第一正孔輸送層を形成した。
塗布条件
第一正孔輸送層形成用塗布液の塗布条件は、温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。
(第一正孔輸送層のパターン化:除去工程1)
第一正孔輸送層が形成された基材に、マイクロ波(2.45GHz)を照射して第一電極を熱パターンとしてその位置を検出して、これを位置決めマークとして用い、第一電極の取り出し電極部分の上及び第一電極の周囲の不要の部分に、正孔輸送層に対してこれを膨潤させる良溶媒であるメチルエチルケトンを供給して、図5の拭き取り装置により、装置内温度10℃で1.96×10Pa程度の押圧でワイピングヘッド(押圧ロール及びテープ状部材)の基材との相対速度が5cm/秒となるよう擦って、有機エレクトロニクス構造体の間を連続的に拭き取り除去した。なお、温度は5℃、メチルエチルケトンの蒸気圧は5℃において4173Paである。また、マイクロ波照射機は四国計測工業(株)製 μ−reactorを用いた。
第一正孔輸送層を除去後、基材を乾燥し一旦巻き取った。なお、溶剤の供給量は10ml/min、温度10℃で行った。
次いで、以下の通り、第二正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次、押し出し塗布機を使用し塗布、乾燥、巻き取りを繰り返すことで形成した。搬送速度は、3m/minとした。
(第二正孔輸送層)
窒素雰囲気下で、50mgの正孔輸送材料1(下記)を10mlのトルエンに溶解した溶液を押し出し塗布法により製膜した。乾燥後、窒素雰囲気下、180秒間紫外光を照射し、光重合・架橋を行い、膜厚約20nmの第二正孔輸送層を形成した。
(有機発光層)
第二正孔輸送層上に、PVK、ドーパント4をそれぞれ1質量%、0.1質量%含むトルエン溶液を押し出し塗布法により製膜した。120℃で乾燥し、膜厚約50nmの発光層とした。
(電子輸送層)
発光層上に、0.5質量%の電子輸送材料1を含有する1−ブタノール溶液を同様に押し出し塗布法により製膜した。60℃で乾燥し、膜厚約15nmの電子輸送層とした。
塗布条件は、同様に、いずれも温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境、大気圧下で、且つ清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。
(有機層のパターン化:除去工程2)
巻き取った前記、第一正孔輸送層が形成された基材を供給して、基材上に形成された第一電極パターンを位置決めマークとして、マイクロ波センサを用いて、位置決めを行い、第一電極の取り出し電極部分の上及び第一電極の周囲の不要の部分を、図7の拭き取り装置により、第二正孔輸送層、発光層に対し親和性が高い溶剤であるo−キシレン、電子輸送層に対して良溶媒である1−ブタノールをそれぞれ2:1の混合比で混合した溶剤を供給して、温度15℃、前記同様、押圧ロール(テープ状部材)の基材との相対速度が5cm/秒となるよう擦って連続的に拭き取り除去した。なお、ワイピングヘッドの押圧は1.96×10Paとした。拭き取り温度は、拭き取り装置内を15℃まで冷却して溶剤のトータルの供給量は20ml/minで行った。
因みに、1−ブタノールの15℃における蒸気圧は368Pa、また、o−キシレンの15℃における蒸気圧は475Paである。
これにより膨潤また溶解された3つの有機層を一度に擦って除去パターニングを行った。パターニング後、乾燥装置で乾燥し、一旦巻き取り1時間保管した。
次いで、以下に示す条件で前記有機層の上に順次陰極バッファー層(電子注入層)、第二電極、封止層を形成し、断裁しさらに熱処理を行い、有機ELパネルを作製し試料No.1とした。
(陰極バッファー層(電子注入層)の形成)
パターン化された有機層が形成されたロール状の基材に付けられた陽極の位置に従って電子輸送層の上及び第一電極の引き出し部を除いた部分に蒸着装置で5×10−4Paの真空環境条件にてLiFを用い、マスクパターン蒸着成膜して、厚さ0.5nmの陰極バッファー層(電子注入層)を積層した。
(第二電極の形成)
引き続き、同様に陰極バッファー層(電子注入層)上に第一電極の大きさに合わせ、第一電極の引き出し部と反対側に第二電極の引き出し部が配置されるように、5×10−4Paの真空下にてアルミニウムを使用し蒸着法にてマスクパターン成膜し、厚さ100nmのアルミニウム層からなる第二電極を積層し有機EL構造体を形成した。
(封止部材の貼合)
次いで、有機EL構造体を有する基材に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って第一電極及び第二電極の引き出し部の一部を除いて、接着剤層を有する長尺の封止基材を貼合した。
長尺の封止部材の貼合には、図4に示す装置を用い、封止部材としてPET50μmに、バリア膜としてアルミ箔30μmをラミネートしたフィルムを用いた。
また、接着剤層の接着剤には、メルティングポイント120℃の熱硬化型接着剤を用い、層厚は30μmとした。
(熱硬化)
封止基材貼合後に、100℃で1時間熱硬化を行った。
(断裁)
次いで、作製した複数の有機EL構造体を有する基材を個別の有機EL素子の大きさに、アライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って断裁し、有機EL素子1を得た。
《有機EL素子2〜15の作製》
有機EL素子1の作製において、基材の樹脂、封止基材の樹脂、及び貼合後の熱処理温度を表1のように変更した以外は同様にして有機EL素子2〜15を作製した。
《有機EL素子の評価》
上記の方法により作製した有機EL素子について、発光ムラ及び発光割合を測定し評価した。
(発光ムラ)
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し200cd/cmで発光させた。50倍の顕微鏡で発光ムラを観察し、下記基準で評価した。
◎:発光ムラはない
○:実技上問題とならない僅かな発光ムラがある
×:均一発光部分が7割未満である実技上問題となる発光ムラがある
(発光面積(バリア性))
温度25℃にて減圧環境33330Paに24時間保存後、加速劣化条件下(60℃90%RH、250時間)で保存後のダークスポット等の未発光部を除く発光部の面積を測定した。初期発光面積との比率を下記基準で評価した。
◎:100〜95%以上
○:95%未満〜90%以上
△:90%未満〜85%以上
×:85%未満
評価の結果を表1に示す。
表1より明らかなように、本発明に係る有機EL素子は、発光ムラが少なく、かつ発光割合が高いことが分かる。比較例の有機EL素子の発光割合が低いのは、内部応力の影響で封止性能が低下して、端部から発光しなくなる及びダークスポット(未発光点)の増加や成長があり、発光面積の縮小となったと考えられる。
実施例2
実施例1の有機EL素子2の作製において、正孔注入層を形成した後、下記発電層塗布液を塗布し、120℃で乾燥し、乾燥後の厚さが150nmの原反ウェブを作製した以外は、有機EL素子2の作製と同様にして、乾燥剤を素子内に有する有機光電変換素子を作製した。
(発電層塗布液)
クロロベンゼン6mlに、数平均分子量45000のレジオレギュラーP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)と、フラーレン誘導体PCBM(6,6−フェニル−C61−ブチル酸メチルエステル)を質量比が1:1で、3質量%となるように溶解した溶液を用いた。製膜後、140℃の乾燥ゾーンをゆっくり搬送しながら、窒素気流下で乾燥し、乾燥膜厚150nmの発電層を形成した。
得られた乾燥剤を素子内に有した有機光電変換素子について、ソーラシミュレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの強度で照射し続けたときの短絡電流密度Jscを評価したところ、長時間に渡って高い安定性を示し、十分な耐光性を有することが明らかになった。また、有機EL素子と同様に、有機光電変換素子においても、量産レベルの工程において、製品の歩留まり、すなわち製造コストを低廉にすることができることが明らかになった。
1 有機EL素子
2 有機EL構造体
3′ 供給工程
301′ 基材
4′ 正孔輸送層形成工程
5′ 発光層形成工程
5′a 第1塗布工程
5′a1 静電ノズル吐出装置
5′b 第1乾燥工程
5′c 第2塗布工程
5′c1 静電ノズル吐出装置
5′d 第2乾燥工程
5′e 第3塗布工程
5′e1 静電ノズル吐出装置
5′f 第3乾燥工程
7′ 電子注入層形成工程
8′ 第2電極形成工程
9′ 保護層形成工程
10 回収工程
11、12 基材
16 封止基材層
16A 接着剤
16B 封止基材(封止フィルム)
111 拭き取り装置の基台
112 拭き取りユニット
115 テープ状部材
116 送り出しロール
117 巻き取りロール
118 溶剤保持タンク
119 供給パイプ
121 押圧ロール
122 シリンダ
140 封止基材層形成工程
150 断裁工程
151A 断裁刃

Claims (5)

  1. 可撓性の基材の上に、第1電極、少なくとも1層の有機層及び第2電極を有する有機エレクトロニクス構造体を形成した後、前記有機エレクトロニクス構造体上に可撓性の封止基材を貼合し、熱処理する有機エレクトロニクス素子の製造方法において、前記熱処理の温度が前記基材のTg(ガラス転移点)未満で、かつ前記封止基材のTg(ガラス転移点)以上であることを特徴とする有機エレクトロニクス素子の製造方法。
  2. 前記封止基材にバリア膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
  3. 前記基材が長尺基材であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
  4. 前記有機エレクトロニクス素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
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