JP2005108653A - 有機電界発光装置およびその製造方法 - Google Patents

有機電界発光装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エージング処理に要する時間を短縮するとともに信頼性の高い有機電界発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板1上に、ホール注入電極2、ホール注入層3a、ホール輸送層3b、発光層3c、電子輸送層3d、電子注入層3eを順に形成する。その後、真空蒸着装置内にオゾンを含むガスを導入する。そして、真空蒸着装置内の圧力を20hPaとした後、ヒータにより、作製途中の有機EL装置100を所定の加熱時間の間、所定の加熱温度に加熱することによりエージング処理を行う。エージング処理の加熱温度は、50℃〜90℃の範囲が好ましく、60℃〜80℃の範囲がより好ましい。また、オゾン濃度は、0.02ppm〜10ppmの範囲が好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機電界発光装置およびその製造方法に関する。
近年、情報機器の多様化に伴い、一般に使用されているCRT(陰極線管)に比べて消費電力が少ない平面表示素子に対するニーズが高まってきている。このような平面表示素子の一つとして、高効率・薄型・軽量・低視野角依存性等の特徴を有する有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と呼ぶ)が注目され、この有機EL装置を用いたディスプレイの開発が活発に行われている。
しかしながら、有機EL装置は、長時間安定に発光させることが困難である。有機EL装置を長時間安定に発光させるための方法として、エージング処理によって有機EL装置の素子特性を安定化させることが知られている。これにより、有機EL装置の寿命を延ばすことができるとともに、故障の発生を防止することができる。
例えば、特許文献1に示されているエージング処理は、有機EL装置を酸素雰囲気下において行われる。
特開平10−208880号公報
エージング処理は、エージング中の有機EL装置の輝度低下が緩やかになったときをもって終了とすることが望ましい。これは、一般的に、輝度変化が緩やかになったところで有機EL装置が安定化するためである。
しかしながら、上記のように、有機EL装置を酸素雰囲気の下でエージング処理する方法は、有機EL装置が安定化するまで長い時間を要する。
本発明の目的は、エージング処理に要する時間を短縮するとともに信頼性の高い有機電界発光素子およびその製造方法を提供することである。
第1の発明に係る有機電界発光装置の製造方法は、基板上に第1の電極、有機層および第2の電極を含む1または複数の有機電界発光素子を形成する工程と、1または複数の有機電界発光素子を封止材により封止する工程と、1または複数の有機電界発光素子の少なくとも有機層をオゾンを含む雰囲気下で所定温度に加熱することによりエージング処理を行う工程とを備えたものである。
第1の発明に係る有機電界発光装置の製造方法においては、オゾンを含むガス雰囲気中で、有機電界発光装置を加熱することによりエージング処理を行う。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。その結果、信頼性の高い有機電界発光装置を得ることができる。
1または複数の有機電界発光素子の有機層の形成後に基板上の第1の電極および有機層を取り囲むオゾンを含む雰囲気を形成する工程をさらに備え、エージング処理を行う工程は、基板上の第1の電極および有機層をオゾンを含む雰囲気下で基板を所定温度に加熱し、1または複数の有機電界発光素子を形成する工程は、エージング処理の終了後に1または複数の有機電界発光素子の有機層上に第2の電極を形成してもよい。
この場合、有機電界発光装置の作製の過程において、オゾンを含むガス雰囲気中で、有機電界発光装置を加熱することによりエージング処理を行う。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。その結果、信頼性の高い有機電界発光装置を得ることができる。
1または複数の有機電界発光素子の第2の電極の形成後に基板上の第1の電極、有機層および第2の電極を取り囲むオゾンを含む雰囲気を形成する工程をさらに備え、封止する工程は、オゾンを含む雰囲気下で基板上の第1の電極、有機層および第2の電極を封止材により封止し、エージング処理を行う工程は、封止する工程後に、1または複数の有機電界発光素子を所定温度に加熱してもよい。
この場合、有機電界発光装置の作製の過程において有機電界発光装置内にオゾンを導入し、封止材により有機電界発光装置を封止した後に加熱することによりエージング処理を行う。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。また、オゾンは時間経過とともに酸素に分解するので、有機電界発光装置内部にオゾンが長期間にわたって残留することもない。
1または複数の有機電界発光素子の第2の電極の形成後で封止する工程前にオゾン吸収材を設ける工程をさらに備えてもよい。
この場合、オゾンが導入された有機電界発光装置にオゾン吸収材を設けることにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期をさらに延ばすことができる。
また、有機電界発光装置内部のオゾンがオゾン吸収材により速やかに除去されるので、有機電界発光装置内部にオゾンが長期間にわたって残留することもない。その結果、より信頼性の高い有機電界発光装置を得ることができる。
オゾン吸収材は、繊維状または粒状の活性炭および金属錯体よりなる群から選択される1種または2種以上を含んでもよい。それにより、オゾンを十分に吸収することができる。
加熱温度は、50℃以上90℃以下であってもよい。それにより、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。
加熱温度は、60℃以上80℃以下であってもよい。それにより、有機電界発光装置の輝度半減期をさらに延ばすことができる。
オゾンを含む雰囲気におけるオゾンの濃度は、0.02ppm以上10ppm以下であってもよい。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。
第2の発明に係る有機電界発光装置は、第1の発明に係る有機電界発光装置の製造方法により製造されたものである。
第2の発明に係る有機電界発光装置の製造の際には、オゾンを含むガス雰囲気中で、有機電界発光装置を加熱することによりエージング処理を行う。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。その結果、信頼性の高い有機電界発光装置を得ることができる。
第3の発明に係る有機電界発光装置は、1または複数の有機電界発光素子と、オゾン吸収材と、1または複数の有機電界発光素子およびオゾン吸収材を封止する封止材とを備えたものである。
第3の発明に係る有機電界発光装置においては、製造時にオゾンを用いたエージング処理を行った場合でも、1または複数の有機電界発光素子および封止材を含む有機電界発光素子内部のオゾンがオゾン吸収材により速やかに除去されるので、有機電界発光装置内部にオゾンが長期間にわたって残留することはない。その結果、より信頼性の高い有機電界発光装置を得ることができる。
本発明に係る有機電界発光装置の製造方法によれば、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機電界発光装置の輝度半減期を延ばすことができる。その結果、信頼性の高い有機電界発光装置を得ることができる。
以下の実施の形態では、本発明に係る有機電界発光装置の一例として有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と称する)について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係る有機EL装置を示す模式的な平面図であり、図2は図1の有機EL装置のA−A線断面図である。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る有機EL装置100を作製するには、まず、基板1上に、スパッタ法により光透過性のインジウム−スズ酸化物(ITO)等からなる例えば厚さ150nmの透明導電膜を形成する。基板1は、ガラスまたはプラスチック等からなる透明基板である。
次に、塩酸等のエッチング液を用いた湿式エッチング法により、上記透明導電膜をパターニングして複数本のホール注入電極2を平行に形成する。各ホール注入電極2の幅は例えば0.5mmであり、隣接するホール注入電極2間の間隔は例えば0.3mmである。ホール注入電極2が形成される領域を所定領域Cとする。
ホール注入電極2が形成された基板1を洗浄した後、真空蒸着装置内に設けられるヒータの直下に基板1を固定する。次に、図2に示すように、10-4Pa以下の真空度において、真空蒸着法により、下記式(1)に示される銅フタロシアニン(Copper phthalocyanine:以下、CuPcと略記する)からなる例えば厚さ10nmのホール注入層3aを、ホール注入電極2を覆うように所定領域Dに形成する。
Figure 2005108653
所定領域Dは、複数のホール注入電極2のそれぞれのエッジを覆うように設定されることが好ましい。なお、本実施の形態においては、所定領域Dを単一の領域として設定したが、所定領域Dを複数の領域に分割してもよい。
次に、下記式(2)に示されるN,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(N,N'-Di(naphthalene-1-yl)-N,N'-diphenyl-benzidine:以下、NPBと略記する)からなる例えば厚さ150nmのホール輸送層3bをホール注入層3a上に形成する。
Figure 2005108653
次に、炭素原子間結合を有する発光性物質を含有する例えば厚さ37nmの発光層3cをホール輸送層3b上に形成する。発光層3cは、主成分として下記式(3)に示されるトリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum:以下、Alqと略記する)を98質量%含有し、副成分として下記式(4)に示される緑色の発光性を有する10-(2-benzothiazolyl)-2,3,6,7-tetrahydro-1,1,7,7-tetramethyl-1H,5H,11H-[1]Benzopyrano[6,7,8-ij]quinolizin-11-one(以下、C545Tと略記する)を含有する。
Figure 2005108653
Figure 2005108653
次に、Alqからなる例えば厚さ38nmの電子輸送層3dを発光層3c上に形成する。次に、酸化リチウム(Li2O)からなる例えば厚さ2nmの電子注入層3eを電子輸送層3d上に形成する。
ここで、有機EL装置100の作製途中で真空蒸着装置内に濃度x(ppm)のオゾンを含むガスを導入する。そして、真空蒸着装置内の圧力を20hPaとした後、ヒータにより、作製途中の有機EL装置100を所定の加熱時間t(分)の間、加熱温度T(℃)に加熱する(以下、この加熱処理をエージング処理と称する)。
エージング処理の加熱温度Tは、50℃〜90℃の範囲が好ましく、60℃〜80℃の範囲がより好ましい。さらに、オゾン濃度xは、0.02ppm〜10ppmの範囲が好ましい。
その後、オゾンを含むガスを排気し、真空蒸着装置内を10-4Pa以下の真空度に戻した後、電子注入層3e上にマグネシウムを主成分として95質量%以上含有し、銀を副成分として4質量%含有する混合物または合金からなる例えば厚さ30nmの導電性薄膜をシャドウマスクを用いてホール注入電極2に交差するように複数本の第1の電子注入電極4aを平行に形成する。各第1の電子注入電極4aの幅は例えば0.5mmであり、隣接する第1の電子注入電極4aの間隔は例えば0.3mmである。第1の電子注入電極4aが形成される領域を所定領域Eとする。
なお、所定領域Eは、ホール注入電極2が形成される所定領域Cに直交するように設定されることが好ましい。本実施の形態では、所定領域Eが所定領域Cと直交し、所定領域C,Eを幅0.5mmの複数のラインが間隔0.3mmで平行に配置されるように設定したが、これに限定されるものではなく、予め特定された領域にパターニングしてもよい。
次に、第1の電子注入電極4a上に含有量が98質量%以上の銀からなる例えば厚さ150nmの第2の電子注入電極4bを形成する。
続いて、一酸化ケイ素(SiO)からなる例えば厚さ100nmのカルコゲナイド(chalcogenide)系の保護膜5を第2の電子注入電極4b上の所定領域Fに形成する。
なお、所定領域Fは、所定領域Cと所定領域Eとが交差した領域である発光領域Gを少なくとも覆うように設定されることが好ましい。本実施の形態では、所定領域Fを複数の発光領域Gの全てを覆うような単一の領域として設定したが、所定領域Fを複数の領域に分割してもよい。
次に、この作製途中の有機EL装置100を乾燥ガスの雰囲気に置き、エポキシ系紫外線硬化型の接着剤からなる接着層6所定領域Fを取り囲むを所定領域Hに形成する。その後、乾燥ガスの雰囲気の圧力を940hPaとしてから、封止缶8を被せ、接着層6を紫外線により硬化させる。
接着層6が十分硬化し、封止缶8の内部の空隙7の気密が保たれるようになった後、この有機EL装置100の周囲を大気圧に戻し、有機EL装置100の作製を終了する。
ホール注入電極2と第2の電子注入電極4bとの各交差部において、ホール注入電極2、ホール注入層3a、ホール輸送層3b、発光層3c、電子輸送層3d、電子注入層3e、第1の電子注入電極4aおよび第2の電子注入電極4bが有機EL素子を構成する。本実施の形態では、有機EL装置100は4つの有機EL素子を含むが、有機EL素子の数はこれに限定されない。
上述したように、本実施の形態においては、有機EL装置100の作製の過程において、オゾンを含むガス雰囲気中で、有機EL装置100を加熱することによりエージング処理を行う。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機EL装置100の輝度半減期を延ばすことができる。その結果、信頼性の高い有機EL装置100を得ることができる。なお、輝度半減期とは、有機EL装置100の輝度が初期値の1/2に減少するまでの時間をいう。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る有機EL装置101においては、第1の実施の形態に係る有機EL装置100と同様の方法で基板1上にホール注入電極2、ホール注入層3a、ホール輸送層3b、発光層3c、電子輸送層3d、電子注入層3e、第1の電子注入電極4a、第2の電子注入電極4bおよび保護膜5を形成し、さらに所定領域Fを取り囲むように接着層6を形成する。
次に、真空蒸着装置内に濃度xのオゾンを導入し、オゾンを含む真空蒸着装置内の圧力(hPa:以下、雰囲気圧力と称する)を所定の圧力pにした後、接着層6まで形成された有機EL装置101に対して封止缶8を被せ、接着層6を紫外線により硬化させる。すなわち、この場合、空隙7にはオゾンが含まれる。
接着層6が十分硬化し、封止缶8の内部の空隙7の気密が保たれるようになった後、この有機EL装置101の周囲を大気圧に戻す。その後、有機EL装置101を加熱することによりエージング処理を行って有機EL装置101の作製を終了する。
エージング処理後にオゾンが封止缶8内の空隙7に残留する場合でも、時間の経過とともにオゾンは分解し、有機EL素子に悪影響を与えない酸素となる。
このように、本実施の形態においては、有機EL装置101の作製の過程において有機EL装置101の空隙7にオゾンを導入し、封止缶8により有機EL装置101を封止した後に加熱することによりエージング処理を行う。それにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機EL装置101の輝度半減期を延ばすことができる。また、オゾンは酸素に分解するので、有機EL装置100内部にオゾンが長期間にわたって残留することもない。
その結果、信頼性の高い有機EL装置101を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図3は第3の実施の形態に係る有機EL装置を示す模式的な断面図である。
図3に示すように、第3の実施の形態に係る有機EL装置102が、第2の実施の形態に係る有機EL装置101と異なる点は、空隙7内において、繊維状または粒状の活性炭、金属錯体等からなるオゾン吸収材9を封止缶8上に設ける点である。
この場合、エージング処理の終了後に、空隙7内に残留するオゾンがオゾン吸収材9により吸収される。それにより、空隙7内に残留するオゾンが速やかに除去される。
このように、本実施の形態においては、オゾンが導入された空隙7にオゾン吸収材9を設けることにより、エージング処理に要する処理時間を短縮することができるとともに、有機EL装置102の輝度半減期をさらに延ばすことができる。
また、有機EL装置102内部のオゾンがオゾン吸収材9により速やかに除去されるので、有機EL装置102内部にオゾンが長期間にわたって残留することもない。その結果、より信頼性の高い有機EL装置102を得ることができる。
第1、第2および第3の実施の形態においては、有機EL装置100,101,102が有機電界発光装置に相当し、有機EL素子が有機電界発光素子に相当し、ホール注入電極2が第1の電極に相当し、第1の電子注入電極4aおよび第2の電子注入電極4bが第2の電極に相当し、ホール注入層3a、ホール輸送層3b、発光層3c、電子輸送層3dおよび電子注入層3eが有機層に相当し、封止缶8が封止材に相当する。
なお、第1、第2および第3の実施の形態においては、ガラス等からなる基板1を用いて有機EL装置100,101,102を作製したが、TFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)基板を用いてもよい。この場合、TFT基板上に平坦化膜等が設けられるので、TFT基板に対してオゾンが悪影響を及ぼすことはない。
以下、上記第1〜第3の実施の形態に基づいて実施例1〜43および比較例1〜21の有機EL装置を作製し、作製された有機EL装置の輝度半減期Lを測定した。
(1)実施例1〜23および比較例1〜9
実施例1〜23では、第1の実施の形態に係る有機EL装置100と同様の構造を有する有機EL装置を作製し、エージング処理の処理条件であるオゾン濃度x(ppm)、加熱時間t(分)および加熱温度T(℃)を変化させ、有機EL装置の輝度半減期L(時間)を測定した。
比較例1〜9の有機EL装置においては、オゾンの代わりに窒素を含む雰囲気下でエージング処理を行った。
輝度半減期Lの測定においては、有機EL装置に直流電流を流し、輝度値が予め定めた初期値L0となった後、電流値を一定に保ち、輝度値の経時的な変化を観察した。そして、輝度値が初期値L0の1/2に減少するまでの時間を輝度半減期Lとして測定した。この場合、初期値L0は800cd/m2である。測定結果を表1に示す。
Figure 2005108653
なお、上記有機EL装置のホール注入電極2と第2の電子注入電極4bとの間に、7Vの直流電圧を印加して電流を流したところ、発光ピーク波長525nmの緑色光が得られた。ホール注入電極2と第2の電子注入電極4bとの間に印加する電圧を変化させても、発光ピーク波長に変化は確認されなかった。
表1に示すように、比較例1においては、エージング処理を行わなかった。比較例1の有機EL装置の輝度半減期Lは550時間となった。
また、比較例2〜9においては、窒素雰囲気の下でエージング処理を行った。比較例2〜9における有機EL装置のエージング処理の処理条件は、加熱時間tを統一して30分に設定し、加熱温度Tを30℃〜100℃の範囲でそれぞれ設定した。比較例2〜9の有機EL装置の輝度半減期Lは540〜590時間となった。
一方、実施例1〜4においては、オゾン濃度xが1ppmの雰囲気の下でエージング処理を行った。エージング処理の処理条件は、加熱時間tを15〜60分の範囲でそれぞれ設定し、加熱温度Tを統一して80℃に設定した。実施例1〜4の有機EL装置の輝度半減期Lは800〜1100時間となった。
また、実施例5〜11においては、オゾン濃度xが1ppmの雰囲気の下でエージング処理を行った。エージング処理の処理条件は、加熱時間tを統一して30分に設定し、加熱温度Tを30℃〜100℃の範囲でそれぞれ設定した。実施例5〜11の有機EL装置の輝度半減期Lは500〜760時間となった。
また、実施例12〜23においては、オゾン濃度xを0.02〜30ppmの範囲でそれぞれ設定し、エージング処理を行った。エージング処理の処理条件は、加熱温度Tを統一して80℃に設定した。
実施例12〜16では、加熱時間tを1〜15分の範囲でそれぞれ設定し、実施例17〜23では、加熱時間tを統一して30分に設定した。実施例12〜16の有機EL装置の輝度半減期Lは400〜830時間となった。この場合、オゾン濃度xを低くかつ加熱時間tを長く設定すると輝度半減期Lは長くなり、逆にオゾン濃度を高くかつ加熱時間tを短く設定すると輝度半減期Lは短くなることがわかった。
実施例17〜23の有機EL装置の輝度半減期Lは600〜800時間となった。この場合、オゾン濃度xが高くなるにつれ輝度半減期Lも長くなった。
以上の実施例5〜11の結果と比較例2〜9の結果の比較から、加熱温度Tが100℃の場合を除いては、オゾンを含む雰囲気下でエージング処理を行うことにより有機EL装置の輝度半減期Lを延ばすことができることがわかった。この場合、加熱温度Tは、50℃以上90以下が好ましく、60℃以上80以下がより好ましいことがわかった。
また、実施例12〜23の結果からオゾン濃度xは、0.02ppm以上10ppm以下が好ましいことがわかった。
(2)実施例24〜43および比較例10〜21
実施例24〜26および比較例10〜21においては、第2の実施の形態に係る有機EL装置101と同様に有機EL装置を作製し、エージング処理の処理条件である雰囲気圧力p(hPa)、オゾン濃度x(ppm)、加熱時間t(分)および加熱温度T(℃)を変化させ、有機EL装置の輝度半減期L(時間)を測定した。ただし、比較例10〜21の有機EL装置においては、オゾンの代わりに窒素を含む雰囲気の下でエージング処理を行った。
実施例27〜43においては、第3の実施の形態に係る有機EL装置102と同様に有機EL装置を作製し、エージング処理の処理条件である雰囲気圧力p(hPa)、オゾン濃度x(ppm)、加熱時間t(分)および加熱温度T(℃)を変化させ、有機EL装置の輝度半減期L(時間)を測定した。オゾン吸収材9としては繊維状活性炭を用いた。
輝度半減期Lの測定においては、有機EL装置に直流電流を流し、輝度値が予め定めた所定値となった後、電流値を一定に保ち、輝度値の経時的な変化を観察した。そして、輝度値が初期値L0の1/2に減少するまでの時間を輝度半減期Lとして測定した。この場合、初期値L0は800cd/m2である。測定結果を表2に示す。
Figure 2005108653
表2に示すように、比較例10〜21においては、窒素雰囲気の下でエージング処理を行った。比較例10〜21における有機EL装置のエージング処理の処理条件は、雰囲気圧力pを920hPa〜1030hPaの範囲でそれぞれ設定し、加熱温度tを統一して30分に設定し、加熱温度Tを統一して80℃に設定した。比較例10〜21の有機EL装置の輝度半減期Lは600〜630時間となった。
一方、実施例24〜26においては、オゾン濃度xが1ppmの雰囲気の下でエージング処理を行った。エージング処理の処理条件は、雰囲気圧力pを統一して940hPaに設定し、加熱時間tを15〜45分の範囲でそれぞれ設定し、加熱温度Tを統一して80℃に設定した。実施例24〜26の有機EL装置の輝度半減期Lは570〜600時間となった。
また、実施例27〜29においては、オゾン濃度xが1ppmの雰囲気の下でエージング処理を行った。エージング処理の処理条件は、雰囲気圧力pを統一して940hPaに設定し、加熱時間tを15〜45分の範囲でそれぞれ設定し、加熱温度Tを統一して80℃に設定した。実施例27〜29の有機EL装置の輝度半減期Lは700〜960時間となった。
また、実施例30〜43においては、オゾン濃度xが1ppmの雰囲気の下でエージング処理を行った。エージング処理の処理条件は、雰囲気圧力pを920hPa〜1060hPaの範囲でそれぞれ設定し、加熱時間tを統一して30分に設定し、加熱温度Tを統一して80℃に設定した。実施例30〜43の有機EL装置の輝度半減期Lは930〜970時間となった。
以上の実施例24〜26の結果と実施例27〜29の結果の比較から、空隙7にオゾン吸収材9を設けることにより有機EL装置の輝度半減期Lを大幅に延ばすことができることがわかった。
また、実施例30〜40の結果と比較例10〜21の結果の比較から、空隙7内にオゾンを導入しかつオゾン吸収材9により空隙7内のオゾンを除去することにより、有機EL装置の輝度半減期Lを大幅に延ばすことができることがわかった。
なお、本実施例においては、CuPcのモル質量は576.08g/molであった。NPBのモル質量は588.75g/mol、融点は277℃、ガラス転移温度は96℃であり、イオン化ポテンシャルは5.4eVであり、最低空分子軌道(LUMO)レベルと最高被占有分子軌道(HOMO)レベルとのエネルギーギャップは3.1eVであった。Alqのモル質量は459.4318g/molであり、融点は存在せず、熱分解温度は412℃、ガラス転移温度は175℃、イオン化ポテンシャルは5.7eV、LUMOレベルとHOMOレベルとのエネルギーギャップは2.7eVであった。
本発明に係る有機EL装置は、各種表示装置、各種光源等に利用することができる。
第1の実施の形態に係る有機EL装置を示す模式的な平面図である。 図1の有機EL装置のA−A線断面図である。 第3の実施の形態に係る有機EL装置を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 基板
2 ホール注入電極
3a ホール注入層
3b ホール輸送層
3c 発光層
3d 電子輸送層
3e 電子注入層
4a 第1の電子注入電極
4b 第2の電子注入電極
5 保護膜
6 接着層
7 空隙
8 封止缶
9 オゾン吸収材
100,101,102 有機EL装置

Claims (10)

  1. 基板上に第1の電極、有機層および第2の電極を含む1または複数の有機電界発光素子を形成する工程と、
    前記1または複数の有機電界発光素子を封止材により封止する工程と、
    前記1または複数の有機電界発光素子の少なくとも前記有機層をオゾンを含む雰囲気下で所定温度に加熱することによりエージング処理を行う工程とを備えたことを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  2. 前記1または複数の有機電界発光素子の前記有機層の形成後に前記基板上の前記第1の電極および前記有機層を取り囲むオゾンを含む雰囲気を形成する工程をさらに備え、
    前記エージング処理を行う工程は、前記基板上の前記第1の電極および前記有機層をオゾンを含む雰囲気下で前記基板を所定温度に加熱し、
    前記1または複数の有機電界発光素子を形成する工程は、前記エージング処理の終了後に前記1または複数の有機電界発光素子の前記有機層上に前記第2の電極を形成することを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置の製造方法。
  3. 前記1または複数の有機電界発光素子の前記第2の電極の形成後に前記基板上の前記第1の電極、前記有機層および前記第2の電極を取り囲むオゾンを含む雰囲気を形成する工程をさらに備え、
    前記封止する工程は、オゾンを含む雰囲気下で前記基板上の前記第1の電極、前記有機層および前記第2の電極を前記封止材により封止し、
    前記エージング処理を行う工程は、前記封止する工程後に、前記1または複数の有機電界発光素子を所定温度に加熱することを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置の製造方法。
  4. 前記1または複数の有機電界発光素子の前記第2の電極の形成後で前記封止する工程前にオゾン吸収材を設ける工程をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の有機電界発光装置の製造方法。
  5. 前記オゾン吸収材は、繊維状または粒状の活性炭および金属錯体よりなる群から選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項4記載の有機電界発光装置の製造方法。
  6. 前記加熱温度は、50℃以上90℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光装置の製造方法。
  7. 前記加熱温度は、60℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機電界発光装置の製造方法。
  8. 前記オゾンを含む雰囲気におけるオゾンの濃度は、0.02ppm以上10ppm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機電界発光装置の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする有機電界発光装置。
  10. 1または複数の有機電界発光素子と、
    オゾン吸収材と、
    前記1または複数の有機電界発光素子および前記オゾン吸収材を封止する封止材とを備えたことを特徴とする有機電界発光装置。
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