JPWO2010103966A1 - 地磁気検知装置 - Google Patents

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Abstract

地磁気を検知する3軸のセンサを有し、傾いた姿勢であっても、地磁気ベクトルを検知して正確な方位を知ることができ、さらに角速度を計算できる地磁気検知装置を提供する。地磁気ベクトルを検知するX軸センサとY軸センサおよびZ軸センサが設けられ、各センサの検知出力から地磁気ベクトルの向きが球面座標Bb上で求められる。装置の基準軸z0が重力方向に対してγzだけ傾いて回転したときに、球面座標Bb上の地磁気ベクトルの座標位置を3点D1,Dx,Dnで検出することで、緯度線Hbを含む回転平面と軸Oaを特定できる。さらに緯度線Hb上を移動するデータの距離を時間で微分することで、角速度を知ることができる。

Description

直交する3方向のそれぞれに向けられたセンサで地磁気を検知する地磁気検知装置に係り、特にセンサを搭載した磁気検知部が三次元空間内で回動したときにその姿勢を判別して、方位や角速度を正確に知ることができる地磁気検知装置に関する。
互いに直交する3方向の磁界強度を検知する3軸の磁気センサを使用して地磁気を検知する地磁気検知装置は、方位検出装置、回転検出装置、姿勢検知装置などとして使用されている。
特許文献1に記載された磁気式ジャイロは、3軸直交座標上に配置された地磁気を検知する3軸磁気センサを有している。この磁気式ジャイロは、三次元空間内で回転させたときに、3軸の出力データを用いて異なる2時点間の差分ベクトルを求め、その差分ベクトルが予め決められたしきい値よりも小さくなるか否かを判定して、3軸のうちのどの軸を中心として回転しているのかを特定するというものである。
特許文献1に記載された磁気式ジャイロは、磁気センサの向きで決められた3軸のいずれの軸を中心として回転したときに、回転状態を検知することができるが、前記3軸以外の軸を中心として回転させたときには回転軸を認識できなくなり、どの回転平面内で回転しているのかを特定できなくなる。つまり、特許文献1に記載された1個の磁気式ジャイロだけで、三次元空間内の任意の軸を中心として回転させたときの角速度を検知できない。
特許文献2には、飛行機などに搭載される姿勢センサが開示されている。この姿勢センサは、地磁気検出装置を有しているとともに、負荷おもりとこの負荷おもりに作用する重力を検知する力検出装置が設けられている。飛行機などとともに姿勢センサが傾いたときに、力検出装置の検知出力により重力の方向に対する傾きを検出し、地磁気検出装置で得られる方位出力を、力検出装置で得られた傾き姿勢に関する情報を用いて修正するというものである。
特許文献2に記載された姿勢センサは、地磁気検出装置のみならず負荷おもりとこの負荷おもりに作用する重力を検知する力検出装置が設けられているために、装置が大きくまた重くなり、例えば携帯用の小型機器などに搭載することが難しい。
特許文献3に記載された3軸姿勢検出装置は、目的物体の姿勢を検出するものであるが、3方向の検出が可能な磁気センサと、3方向の検出が可能なジャイロセンサの双方が搭載されている。そのため、携帯用の小型機器などに搭載するのに適しておらず、また、磁気センサとジャイロセンサの双方を搭載しているため、消費電力が多くなる欠点を有している。
特開2008−224642号公報 特開平2−238336号公報 特開平11−248456号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、直交する3軸の方向に向くセンサで地磁気を検知するものであり、センサを有する磁気検知部が傾いた姿勢となっても、方位や角速度を高精度に検知することができる地磁気検知装置を提供することを目的としている。
本発明は、互いに直交する基準X方向と基準Y方向および基準Z方向が決められた磁気検知部と、演算部とを有し、
前記磁気検知部に、基準X方向が地磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が最大となるX軸センサと、基準Y方向が地磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が最大となるY軸センサ、および基準Z方向が地磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が最大となるZ軸センサが搭載され、前記磁気検知部は、X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサの直交関係を維持しながら三次元方向へ回動自在であり、
前記演算部では、前記X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサのそれの検知出力に基づいて、X−Y−Zの三次元座標上で地磁気ベクトルの座標位置を特定し、前記磁気検知部が回転したときに、少なくとも3箇所の前記地磁気ベクトルの座標位置のデータを使用して、前記磁気検知部の回転軸と、前記座標位置を含む回転平面の少なくとも一方が演算されることを特徴とするものである。
本発明は、X軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの検知出力によって特定される地磁気ベクトルの情報を常に複数個取得して、絶対空間内での磁気検知部の回転軸を算出し、または回転平面を算出している。よって、磁気検知部の基準X方向と基準Y方向および基準Z方向が、空間内で傾いていても、絶対的な方位の検出が可能である。
また本発明は、2つの地磁気ベクトルの座標位置のデータを抽出して、2つの地磁気ベクトルの座標位置の前記回転軸からの開き角度と、2つの前記地磁気ベクトルを得た時間を求め、前記開き角度を前記時間で微分して、前記磁気検知部の角速度を求めるものである。
上記のように、磁気検知部の基準X方向と基準Y方向および基準Z方向が、空間内で傾いていても、空間内での地磁気検知装置の運動の角速度を正確に知ることができる。
さらに、本発明は、算出された角速度を前記時間で微分して角加速度を求めることも可能である。
また、本発明は、前記演算部は、クロック信号に基づいて、前記X軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの検知出力を間欠的に抽出して地磁気ベクトルの座標位置を求めるとともに、検知出力の抽出時間よりも長い一定の時間を空けて少なくとも3箇所の地磁気ベクトルの座標位置を特定して、前記回転軸または回転平面を算出するものである。
また本発明では、前記演算部は、クロック信号に基づいて、前記X軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの検知出力を間欠的に抽出して地磁気ベクトルの座標位置を求めるものであり、
間欠的に得られた複数の座標位置のデータを順番にバッファメモリに格納し、前記バッファメモリに格納された複数の座標位置のデータから、地磁気ベクトルの開き角度が予め決められたしきい値よりも大きくなる2つの座標位置のデータを2つ選択し、選択した2つの座標位置の開き角度を、選択した2つの座標位置のデータの時間で微分して、前記磁気検知部の角速度を求めることが好ましい。
例えば、座標位置の最新のデータから過去にさかのぼり、前記最新のデータからの開き角度が前記しきい値を超える位置にある過去のデータを選択し、最新のデータと選択した過去のデータとから角速度を求める。
上記のように開き角度がしきい値を超える2つの座標位置のデータから角速度を演算することにより、地磁気検知装置が低速で回転しているときの角速度を求めることが可能になる。
さらに本発明は、前記演算部では、前記X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサのそれぞれの検知出力の絶対値が最大となった値を地磁気ベクトルの絶対値(R)とし、基本Z方向と地磁気ベクトルとの成す角度を伏角(θ)、X−Y平面に投影した地磁気ベクトルと基本X方向との成す角度を方位角(φ)として、前記地磁気ベクトルの座標位置を、前記絶対値(R)と伏角(θ)および方位角(φ)とで表される三次元の極座標上の検知点として特定し、
2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線と、他の2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線との交点から前記回転軸を求めるものである。
また、本発明は、前記演算部では、前記X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサのそれぞれの検知出力の絶対値が最大となった値を地磁気ベクトルの絶対値(R)とし、基本Z方向と地磁気ベクトルとの成す角度を伏角(θ)、X−Y平面に投影した地磁気ベクトルと基本X方向との成す角度を方位角(φ)として、前記地磁気ベクトルの座標位置を、前記絶対値(R)と伏角(θ)および方位角(φ)とで表される三次元の極座標上の検知点として特定し、
2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線と、他の2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線との交点のうちの2つの前記垂直二等分線が最短となる前記交点を前記回転平面の中心として特定するものである。
上記のように三次元の極座標を特定し、地磁気ベクトルを極座標上の点のデータとして処理することで、地磁気ベクトルの向きを簡単な演算で知ることができるようになる。なお、前記伏角の代わりに、前記地磁気ベクトルとX−Y平面とが成す仰角を使用してもよい。
また、本発明は、演算部は、装置が始動したときに、前記回転軸を2つ以上演算し、2つ以上の回転軸の交点を、三次元の基準X方向と基準Y軸方向および基準Z軸方向の原点として認識するものである。
前記のように、複数の地磁気ベクトルから複数の回転軸を特定することで、基準X方向と基準Y方向および基準Z方向の原点を求めることができる。すなわち本発明の演算処理を行うことで、電源が投入されるなどして装置が始動したときに、自動的にキャリブレーションを行うことができる。
本発明は、直交する3軸方向に向けられたX軸センサとY軸センサおよびZセンサを設けるだけの簡単な構成で、空間内で全体が傾いたときでも、絶対的な方位や角速度を高精度に検知できる。
また3軸方向に向けられた磁気のセンサのみで構成されるため、小型化と薄型化ができ、消費電力も少ない地磁気検知装置を提供することができる。
本発明の実施の形態の地磁気検知装置の回路ブロック図、 図1に示す地磁気検知装置に設けられたメモリのデータの格納領域を説明する説明図、 図1に示す地磁気検知装置に設けられた角速度演算部の機能を説明するブロック図、 データバッファの処理動作を示す説明図、 地磁気検知部に設けられたX軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの説明図、 基準軸z0が重力方向に向けられた状態での地磁気ベクトルの演算動作を説明する三次元極座標の説明図、 基準軸z0以外の軸Oaが重力方向に向けられた状態での地磁気ベクトルの演算動作を説明する三次元極座標の説明図、 回転平面の求め方と角速度の算出方法を説明する説明図、 角速度の算出方法をさらに詳しく説明する説明図、
図1に示す本発明の実施の形態の地磁気検知装置1は、磁気検知部2を有している。磁気検知部2には、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5が搭載されている。磁気検知部2は、互いに直交する基準X方向と基準Y方向および基準Z軸が予め固定軸として決められている。図5は、基準X方向を基準軸xで示し、基準Y方向を基準軸yで示し、基準Z方向を基準軸zで示している。基準軸xと基準軸yおよび基準軸zの交点が、基準原点Oである。
図5に示すように、X軸センサ3は基準軸xに沿って固定され、Y軸センサ4は基準軸yに沿って固定され、Z軸センサは基準軸zに沿って固定されている。
図5の実施の形態では、X軸センサ3、Y軸センサ4およびZ軸センサ5が、いずれもGMR素子で構成されている。GMR素子は、Ni−Co合金やNi−Fe合金で形成された軟磁性材料で形成された固定磁性層および自由磁性層と、固定磁性層と自由磁性層との間に挟まれた銅などの非磁性導電層とを有している。固定磁性層の下に反強磁性層が積層され、反強磁性層と固定磁性層との反強結合により、固定磁性層の磁化が固定されている。
X軸センサ3は、地磁気の基準X方向に向く成分Bxを検知するものであり、基準X方向でのプラス方向の磁界成分B+xと、基準X方向でのマイナス方向の磁界成分B−xを検知できる。
図5に示すように、X軸センサ3は、固定磁性層の磁化の向きがX軸に沿う方向であるPx方向に固定されている。自由磁性層の磁化の向きは地磁気の向きによって決められる。自由磁性層の磁化の向きが固定磁性層の固定磁化の向きであるPx方向と平行になるとX軸センサ3の抵抗値が極小になり、自由磁性層の磁化の向きがOx方向と逆向きになるとX軸センサ3の抵抗値が極大になる。また、自由磁性層の向きがPx方向と直交すると、抵抗値が前記極大値と極小値との平均値となる。
図1に示す磁場データ検知部6では、X軸センサ3と固定抵抗とが直列に接続され、X軸センサ3と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、X軸センサ3と固定抵抗との間の中点電圧がX軸の検知出力として取り出される。X軸センサ3に対して、基準X方向に向く磁場成分が与えられていないとき、またはPxに対して直交する磁場が与えられているときに、X軸の検知出力が原点となる。
磁気検知部2の全体を傾け、図5に示す基準軸xを地磁気ベクトルに一致させ、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向Pxを地磁気ベクトルと同じ向きにするとX軸センサ3に与えられる磁界成分B+xが最大となる。このときのX軸の検知出力が、前記原点に対してプラス側の最大値となる。逆に、図5に示す基準軸xを地磁気ベクトルに一致させ、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向Pxを地磁気ベクトルと反対に向けると、X軸センサ3に与えられる磁界成分B−xが最大となる。このときのX軸の検知出力が、前記原点に対してマイナス側の最大値となる。
同様に、Y軸センサ4に対してY軸方向の磁界成分Byが与えられていないとき、またはPy方向と直交する磁場が与えられているときに、磁場データ検知部6から出力されるY軸の検知出力が原点となる。基準軸yを地磁気ベクトルに一致させ、地磁気ベクトルの向きを固定磁性層の磁化の固定方向Pyに一致させると、Y軸センサ4に与えられる磁界成分B+yが最大になり、Y軸の検知出力が原点に対してプラス側の最大値となる。地磁気ベクトルの向きを固定方向Pyと逆向きにすると、Y軸センサ4に与えられる磁界成分B−yが最大になり、Y軸の検知出力が、原点に対してマイナス側の最大値となる。
また、Z軸センサ5に対してZ軸方向の磁界成分Bzが与えられていないとき、またはPzと直交する磁場が与えられているとき、磁場データ検知部6から出力されるZ軸の検知出力が原点となる。基準軸zを地磁気ベクトルに一致させ、地磁気ベクトルの向きを固定磁性層の磁化の固定方向Pzに一致させると、Z軸センサ5に与えられる磁界成分B+zが最大になり、Z軸の検知出力が原点に対してプラス側の最大値となる。地磁気ベクトルの向きを固定方向Pzと逆向きにすると、Z軸センサ5に与えられる磁界成分B−yが最大になり、Z軸の検知出力が、原点に対してマイナス側の最大値となる。
X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5は、いずれもプラス側の検知出力の最大値の絶対値と、マイナス側の検知出力の絶対値とが同じである。
なお、X軸センサ3としては、磁界成分B+xによってプラス側の検知出力が得られ、磁界成分B−xによってマイナス側の検知出力が得られ、プラス側の検知出力の最大値とマイナス側の検知出力の最大値とで絶対値が同じになれば、GMR素子以外の磁気センサで構成することができる。例えば、基準軸xに沿ってプラス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子と、マイナス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子を組み合わせて、X軸センサ3として使用してもよい。これは、Y軸センサ4とZ軸センサ5においても同じである。
図1に示すように、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力は、演算部10に与えられる。演算部10は、A/D変換部とCPUおよびクロック回路などから構成されている。演算部10のクロック回路の計測時間に応じて、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力は、短いサイクルで間欠的に演算部10に読み出され、それぞれの検知出力は、演算部内に設けられた前記A/D変換部によってディジタル値に変換される。
演算部10は、方位演算部10aと角速度演算部10bと角加速度演算部10cとして機能する。これら演算部は、いずれもプログラミングされたソフトウエアによって実行される。ただし、方位演算部10aと角速度演算部10bと角加速度演算部10cでは、一部のデータ処理が共通に行われる。
演算部10を構成するCPUにはメモリ7が接続されている。図2に示すメモリ7には、方位演算部10aと角速度演算部10bと角加速度演算部10cのそれぞれの処理を行うソフトウエアがプログラミングされて格納されている。メモリ7には、方位演算用のソフトウエアおよび計算結果であるデータが格納される格納領域8aと、角速度演算用のソフトウエアおよび計算結果であるデータが格納される格納領域8bを有しており、さらに方位演算用のデータおよび角速度演算用のデータとして共通に使用される共通データの格納領域8cを有している。
図3に示すように、角速度演算部10bでは、ソフトウエアで複数段階の処理が行われる。磁場データ検知部6から、X軸の検知出力とY軸の検知出力およびZ軸の検知出力が、クロック回路と同期して短いサイクルで間欠的に読み出されると、これら検知出力はA/D変換部でディジタルデータに変換される。さらに、演算部10内の演算処理によって、間欠的に読み出されたX軸の検知出力とY軸の検知出力およびZ軸の検知出力が、図6に示す極座標上で地磁気ベクトルBgの座標位置を示すデータに変換されて、データバッファ(バッファメモリ)11に格納される。クロック回路と同期して短いサイクルで読み出されて演算された前記座標位置のデータは、図4に示すデータバッファ11の格納部11aに与えられる。データが格納部11aに与えられる毎に、データが格納部11aから11nまで順に送り出され、最終段の格納部11nのデータが捨てられる。地磁気検知装置1が動作している間は、磁場データ検知部6から最新のデータが読み出され続け、データバッファ11に順番に格納されていく。
角速度演算部10bのデータ選択処理15は、データバッファ11の格納部11aないし11nに格納されている地磁気ベクトルBgの座標位置を示す複数のデータのうちの、演算に必要なものを読み出す。読み出されたデータは、回転平面計算処理12と回転軸計算処理13に与えられる。回転平面計算処理12および回転軸計算処理13での演算結果は、角速度計算処理14に送られて、その瞬間の角速度が継続的に演算される。
図3に示す角速度演算部10bのデータバッファ11、データ選択処理15、回転平面計算処理12および回転軸計算処理13は、図1に示す方位演算部10aにおいて共通の処理として実行される。回転平面計算処理12および回転軸計算処理13で演算された結果は、必要に応じてメモリ7の共通データの格納領域8cに格納されて、方位演算用データとしても使用される。さらに、共通データの格納領域8cに保持されるデータに基づいて、キャリブレーション処理が行われ、このキャリブレーション処理によって算出された図6と図7に示す三次元の極座標の原点Ogの位置情報も共通データの格納領域8cに格納される。
次に、演算部10の処理を角速度演算部10bを中心として説明する。図6と図7は、演算部10での演算処理を図解で説明するためのものである。
図6と図7には、地磁気検知部10bの演算処理におけるデータ上の基準軸x0と基準軸y0および基準軸z0が直交座標で示されている。基準軸x0と基準軸y0および基準軸z0は、図5に示す磁気検知部2において、X軸センサ3を配置する基準軸xとY軸センサ4を配置する基準軸yおよびZ軸センサ5を配置する基準軸zのそれぞれに対応している。
図6は、磁気検知部2の基準軸xと基準軸yが地球上の地平面と水平に設置され、基準軸zが重力方向に向けられた姿勢のときに、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5で検知される地磁気ベクトルBgを示している。
図6に示す地磁気ベクトルBgの大きさは、X軸センサ3による検知出力XgとY軸センサ4による検知出力YgおよびZ軸センサ5による検知出力Zgとして検出される。演算部10では、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5の検知出力Xg,Yg,Zgが、三次元の極座標上で地磁気ベクトルBgの位置を示す座標点S(R,θ,φ)のデータに変換される。この変換処理は演算部10内に格納された変換プログラムによって行われる。
図6に示す三次元の極座標におけるパラメータθは、磁気検知部2の基準軸z(図6では、基準軸zが重力方向に向けられている)に対応するデータ上の基準軸z0に対する地磁気ベクトルBgの伏角であり、φは、基準軸xに対応するデータ上の基準軸x0に対する地磁気ベクトルBgの方位角である。
また、図5に示すX軸センサ3の固定磁化の方向Pxが地磁気に向けられたときのX軸センサ3のプラス側の検知出力が最大となるが、その絶対値を(R)とし、Pxを地磁気と逆向きとしたときのマイナス側の検知出力の最大値の絶対値を(R)とする。同じくY軸センサ4およびZ軸センサ5のプラス側の検知出力の最大値の絶対値と、マイナス側の検知出力の最大値の絶対値をともに(R)とすると、図6に示すように、三次元の極座標上では地磁気ベクトルBgの絶対値をRで表すことができる。そして、三次元の極座標の上で地磁気ベクトルBgを表す座標点S(R,θ,φ)は、半径Rの球面座標Bb上の点として求めることができる。
図5に示す磁気検知部2を、地球の赤道上において、基準軸xと基準軸yを地平面に対して水平に向け、基準軸zを重力方向に向けた姿勢にすると、伏角θ=90度となり、地磁気ベクトルBgの三次元座標上の座標点S(R,θ,φ)は、図6に示すデータ上で設定される球面座標Bbの赤道線Hg上に存在する。
図6に示すように、地球の北半球の所定の緯度の場所において、基準軸xと基準軸yを地平面に水平に向け基準軸zを重力方向に向けて磁気検知部2を設置すると、その場所での地磁気ベクトルBgによって伏角θが決まり、地磁気ベクトルBgの三次元座標上の座標点S(R,θ,φ)は、データ上の基準軸z0を中心とする緯度線Ha上に存在する。
地球の赤道上において、地磁気検知装置1を、基準軸zが重力方向に向く姿勢のままで回動させると、地磁気ベクトルBgの三次元座標上の座標点S(R,θ,φ)は、図6に示す球面座標Bbの赤道線Hg上を移動する。また、地球の北半球の所定の緯度の場所で、地磁気検知装置1を、基準軸zが重力方向に向く姿勢のままで回転させると、前記座標点S(R,θ,φ)は、球面座標Bbの前記緯度線Ha上を移動する。
ここで、地磁気検知装置1を、重力方向に向く基準軸zを中心として回転させれば、座標点S(R,θ,φ)が赤道線Hg上を移動し、または緯度線Ha上を移動する。または、基準軸zを重力方向に向けた姿勢で地磁気検知装置1を手で保持して地面上で円を描くように歩いて移動した場合も、緯度方向へ長い距離移動しなければ、空間での地磁気ベクトルBgの向きと大きさがほとんど変わらないため、基準軸zを中心として回転させたときと同様に、座標点S(R,θ,φ)は赤道線Hg上を移動し、または緯度線Ha上を移動する。
図7は、図5に示す磁気検知部2を、基準軸x,y,zとは別の軸Oaを重力方向に向けた姿勢のときの検知状態を示している。図7では、基準軸zと重力方向を示している軸Oaとの傾き角度がγzである。
地球の赤道上において、軸Oaを重力方向に向けて、地磁気検知装置1を軸Oaを中心として回転させ、または軸Oaを重力方向に向けたまま地平面上で円を描くように移動すると、地磁気ベクトルBgの三次元座標上の座標点S(R,θ,φ)が、球面座標Bbにおいて、前記軸Oaと同じだけ傾いた赤道線Hgbの上を移動する。図6に示す赤道線Hgと図7に示す赤道線Hgbとの傾き角度はγzである。
次に、図6の測定のときに座標点S(R,θ,φ)が緯度線Ha上に存在していたのと同じ北半球の場所において、地磁気検知装置1の軸Oaを重力方向に向けて、軸Oa中心として回転させ、または軸Oaを重力方向に向けたまま地平面上で円を描くように移動すると、地磁気ベクトルBgの三次元座標上の座標点S(R,θ,φ)は、図7に示す緯度線Hbの上を移動する。図7に示す緯度線Hbと図6に示す緯度線Haは、北半球の同じ場所での測定であるならば、半径が同じであり、球面座標Bb内での緯度線Haと緯度線Hbとの傾き角度はγzである。
図1と図3に示す角速度演算部10bのデータ選択処理15では、図4に示すデータバッファ11に格納された複数の地磁気ベクトルBgの球面座標Bb上の座標点S(R,θ,φ)を示すデータから計算に必要なデータが選択され、そのデータが回転平面計算処理12および回転軸計算処理13に送られる。
回転平面計算処理12では、データバッファ11から選択された複数の座標点S(R,θ,φ)のデータから図6に示す緯度線Haを含む回転平面、または図7に示す緯度線Hbを含む回転平面が求められる。同様に、地磁気検知装置1が地球の赤道上で使用されている場合は、図6に示す赤道線Hgを含む回転平面または図7に示す赤道線Hgbを含む回転平面が求められる。また、回転軸計算処理13では、磁気検知部2を回転させたときの回転軸(図6の基準軸z0または図7の軸Oa)が求められる。
以下では、図7に示すように、北半球の所定の緯度の位置において、基準軸zから角度γzだけ傾いている軸Oaを重力へ向けて、磁気検知部2を反時計方向(CCW)へ回転させまたは円運動させたときの、緯度線Hbを含む回転平面を求める演算処理、および回転軸である軸Oaを求める演算処理を説明する。
軸Oaを重力へ向けて、磁気検知部2を反時計方向(CCW)へ回転させまたは円運動させたとき、球面座標Bb上に現れる地磁気ベクトルBgの極座標上の座標点S(R,θ,φ)は、緯度線Hb上を移動する。図8は、クロック回路に基づいて間欠的に検出されたX,Y,Zの検知出力から演算された座標点S(R,θ,φ)の極座標データを、順番にD1,D2,・・・Dnで示している。このデータD1,D2,・・・Dnは、図4に示すデータバッファ11に順番に格納されており、最新のデータDnがデータバッファ11の最新の格納部11nに格納されている。
回転平面を求めるためには、データ選択処理15によって、最新のデータDnを基準とし、過去にさかのぼる複数の極座標データD1,D2,・・・Dn−1の中から、前記基準の座標点から予め決められた所定の距離だけ離れた座標点を示すデータDxが選択され、さらにデータDxからさらに過去にさかのぼって、データDxが示す座標点から予め決められた距離だけ離れた座標点を示すデータD1が選択される。
選択されたデータDn,Dx,D1が与えられた回転平面計算処理12では、図8に示すように、データD1の座標位置とデータDxの座標位置を結ぶ直線Laを算出するとともに、直線Laを二分し且つ直線Laに垂直な垂直二等分線Vaを求める。同様に、データDxの座標位置とデータDnの座標位置を結ぶ直線Lbを算出するとともに、直線Lbを二分し且つ直線Lbに垂直な垂直二等分線Vbを求める。
次に、前記垂直二等分線Vaと垂直二等分線Vbの交点を算出する。ここで、垂直二等分線Vaと垂直二等分線Vbの交点は無限に存在するため、前記交点のうちの垂直二等分線Vaの長さVa1が最も短く且つ垂直二等分線Vbの長さVb1が最も短くなる前記交点を求めれば、この交点を緯度線Hbを含む回転平面の回転中心Oa1として特定できる。
または、データD1からデータDxまでのベクトルと、データDxからデータDnまでのベクトルとの外積から緯度線Hbを含む平面を特定できる。したがって、例えば、データD1からデータDxまでのベクトルに対して垂直なベクトルと、データDxからデータDnまでのベクトルに対して垂直なベクトルの外積などのベクトル計算を行うことで、データD1,Dx,Dnから一義的に緯度線Hbを含む回転平面の回転中心Oa1を特定できる。
回転軸計算処理13では、回転平面計算処理12で求められた緯度線Hbを含む回転平面に垂直で且つ前記回転中心Oa1を通る線を算出することで、現時点での回転軸となっている軸Oaが特定される。なお、回転軸計算処理13では、回転平面計算処理12の計算結果を使用しなくても、回転軸となっている軸Oaを特定できる。すなわち、図8に示す直線Laを二分し且つ直線Laに垂直な垂直二等分線Vaと、直線Lbを二分し且つ直線Lbに垂直な垂直二等分線Vbとの交点は無限に存在しているため、この交点をいずれか2つ求め、この2つの交点を結ぶことで回転軸となっている軸Oaを特定することが可能である。
次に、図3に示す角速度計算処理14では、データバッファ11に格納された最新の極座標データDnで示される座標点と、その前に得られたデータDn−1(またはDn−2やDn−3などであってもよい)で示される座標点の、回転平面の中心Oa1からの開き角度αが求められ、この角度αを、2つのデータDnとDn−1が得られた時間tで微分することで、角速度が算出される。
なお、回転平面を求めなくても、回転軸計算処理13において回転軸となる軸Oaが特定されていれば、この軸Oa上の任意の点を中心として、データDnで示される座標点と、データDn−1(またはDn−2やDn−3などであってもよい)で示される座標点との開き角度を算出し、これを時間tで微分することで角速度を得ることができる。
図9は、前記角速度計算処理14におけるさらに好ましい角速度の計算手法を示している。
図8に示すデータD1,D2,D3,・・・を得るサンプリング時間は例えば50msや30ms以下のきわめて短い時間である。したがって、前述のように最新のデータDnが示す座標点と、そのすぐ前のデータDn−1が示す座標点との開き角度、または最新のデータDnが示す座標点と、その少し前に得られたデータDn−2やDn−3が示す座標点との開き角度から角速度を求めようとすると、地磁気検知装置1の回転または円運動の角速度が小さい場合に、選択したデータの複数の座標点の位置が検出ノイズ内に埋もれてしまい、角速度を正確に算出することが難しくなる。
図9では、最新のデータDnが得られたときの、地磁気ベクトルBgの座標点S(R,θ,φ)をIで示しており、それよりも過去にさかのぼって得られたデータDn−1,Dn−2,Dn−3,・・・が示す座標点を、H,G,F,E,D,・・・で示している。
角速度計算処理14では、角速度の計算の基礎とすべき2つの座標点の距離または開き角度を予めしきい値α0として定めておく。このときのしきい値α0は、離れている2つの座標点の開き角度を検出ノイズに埋もれさせることなく識別できる長さに設定される。図9では、ノイズによる検出点のゆらぎを、模式的にD,E,Fで示しており、しきい値α0は前記ゆらぎの範囲よりも十分に長く設定される。
データ選択処理15では、最新のデータDnが示す座標点Iを基準にして、過去にさかのぼってしきい値α0を超える距離または開き角度となる座標点Cに対応するデータが選択されて角速度計算処理14に与えられる。角速度計算処理14では、選択された2つのデータが示す座標点Iと座標点Cの開き角度を、2つのデータが得られた時間で微分することで角速度を算出する。
地磁気検知装置1の運動の角速度が大きい場合は、最新のデータDnを基準として過去にさかのぼって選択されるデータが比較的近いものとなる。逆に、運動の角速度が小さい場合は、最新のデータDnと、しきい値α0を越えたものとして選択された過去のデータが遠いものとなる。この場合に最も離れているデータは、図4に示すデータバッファ11に格納されているデータのうちの格納部11nに格納されているデータと格納部11aに格納されているデータであり、データバッファ11のバッファ数の最大値である。
上記処理を行うことで、低速で運動しているときの角速度の算出が可能になる。
なお、角速度計算処理14において演算された角速度データは、X成分とY成分およびZ成分の3つのデータとして出力されて、地磁気検知装置1を搭載した携帯用機器などの主制御部に与えられる。
図7において、基準軸z0、x0、y0の直交関係を維持したまま、基準軸z0を回転軸となる軸Oaに一致させるように傾けたときの、基準軸z0の傾き角度をγz、基準軸x0の傾き角度をγx、基準軸z0の傾き角度をγyとし、傾いた直交軸における角速度の分力を(dαx/dt)、(dαy/dt)、(dαz/dt)とすると、加速度データのX成分GxとY成分GyおよびZ成分Gyは以下の通りである。
Gx=(dαx/dt)・cos(γx)
Gy=(dαy/dt)・cos(γy)
Gz=(dαz/dt)・cos(γz)
例えば、図6に示すように、基準軸zが重力方向に向けられた姿勢で地磁気検知装置1を回転させたときの加速度の演算結果は、γx、γy、γzが全て0度で、cos(γx)、cos(γy)、cos(γz)が全て1である。このときZ方向の角速度成分(dαz/dt)は0であるから、角速度は、X成分のGx=(dαx/dt)と、Y成分のGy=(dαy/dt)のみで表される。
なお、図1に示す方位演算部10aでは、角速度演算部10bでの演算結果を共通データとして使用することができる。
まず、地磁気検知装置1の電源を投入して動作を開始したときに、地磁気検知装置1を一定の方向へ少し回転させると、角速度演算部10bの回転軸計算処理13で回転軸となる軸Oaを算出できる。さらに地磁気検知装置1の傾き角度を変えて回転させると、回転軸計算処理13で、他の回転軸となる軸Oaを算出できる。2つの軸Oaを算出し、その交点を求めれば、図6と図7に示す原点Ogを求めることができ、この原点Ogと地磁気ベクトルBgの絶対値Rとから、図6と図7に示す球面座標Bbを特定するいわゆるキャリブレーションを行うことができる。
また、図3に示す角速度演算部10bの回転平面計算処理12では、地磁気検知装置1に電源を投入して、いずれかの姿勢で少しだけ回転させると、図7に示す緯度線Hbを含む回転平面を特定できる。よって、地磁気検知装置1をそのままの姿勢で回転を停止させると、そのときの座標点S(R,θ,φ)の極座標データから、地磁気ベクトルの方向すなわち地球上での方位を知ることができる。
すなわち、従来は、図7に示すように、重力の方向に対して基準軸zを傾けてしまうと、別に設けた加速度センサなどを使用して、図5に示す磁気検知部2の傾き姿勢を検知し、この傾き姿勢の検知出力で補正して、基準軸zを重力方向へ向けたのと同じ検出値に換算する必要があった。しかし、前記回転平面計算処理12を使用すると、地磁気検知装置1をどのような姿勢で使用しても、少しだけ回転させれば、回転平面を特定できるので、その後は地磁気ベクトルの向き、すなわち方位を正確に知ることができ、加速度センサなどを別に設けて補正することが不要になる。
また、図10aに示す角加速度演算部10cでは、角速度計算処理14において計算した角速度をさらに時間tで微分することで角加速度が算出され、この角加速度の計算結果を、X成分とY成分およびZ成分として出力できる。
本発明の地磁気検知装置は、携帯電話機などの携帯用機器に搭載して、地球上の方位を知る方位計として使用することができる。また三次元の角速度を算出でき、さらに三次元の角速度を検知できるので、携帯機器を使用してゲーム装置、ゲーム装置の入力装置に使用することができ、またロボットの腕や関節などの姿勢の変化を検知する検知部として使用することができる。
1 地磁気検知装置
2 磁気検知部
3 X軸センサ
4 Y軸センサ
5 Z軸センサ
6 磁場データ検知部
7 メモリ
10 演算部
10a 方位演算部
10b 角速度演算部
10c 角加速度演算部
11 データバッファ
12 回転平面計算処理
13 回転軸計算処理
14 角速度計算処理
15 データ選択処理
Bb 球面座標
Bg 地磁気ベクトル
Hg,Hgb 赤道線
Ha,Hb 緯度線

Claims (9)

  1. 互いに直交する基準X方向と基準Y方向および基準Z方向が決められた磁気検知部と、演算部とを有し、
    前記磁気検知部に、基準X方向が地磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が最大となるX軸センサと、基準Y方向が地磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が最大となるY軸センサ、および基準Z方向が地磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が最大となるZ軸センサが搭載され、前記磁気検知部は、X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサの直交関係を維持しながら三次元方向へ回動自在であり、
    前記演算部では、前記X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサのそれの検知出力に基づいて、X−Y−Zの三次元座標上で地磁気ベクトルの座標位置を特定し、前記磁気検知部が回転したときに、少なくとも3箇所の前記地磁気ベクトルの座標位置のデータを使用して、前記磁気検知部の回転軸と、前記座標位置を含む回転平面の少なくとも一方が演算されることを特徴とする地磁気検知装置。
  2. 2つの地磁気ベクトルの座標位置のデータを抽出して、2つの地磁気ベクトルの座標位置の前記回転軸からの開き角度と、2つの前記地磁気ベクトルを得た時間を求め、前記開き角度を前記時間で微分して、前記磁気検知部の角速度を求める請求項1記載の地磁気検知装置。
  3. 算出された角速度を前記時間で微分して角加速度を求める請求項2記載の地磁気検知装置。
  4. 前記演算部は、クロック信号に基づいて、前記X軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの検知出力を間欠的に抽出して地磁気ベクトルの座標位置を求めるとともに、検知出力の抽出時間よりも長い一定の時間を空けて少なくとも3箇所の地磁気ベクトルの座標位置を特定して、前記回転軸または回転平面を算出する請求項1ないし3のいずれかに記載の地磁気検知装置。
  5. 前記演算部は、クロック信号に基づいて、前記X軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの検知出力を間欠的に抽出して地磁気ベクトルの座標位置を求めるものであり、
    間欠的に得られた複数の座標位置のデータを順番にバッファメモリに格納し、前記バッファメモリに格納された複数の座標位置のデータから、地磁気ベクトルの開き角度が予め決められたしきい値よりも大きくなる2つの座標位置のデータを2つ選択し、選択した2つの座標位置の開き角度を、選択した2つの座標位置のデータの時間で微分して、前記磁気検知部の角速度を求める請求項2または3記載の地磁気検知装置。
  6. 座標位置の最新のデータから過去にさかのぼり、前記最新のデータからの開き角度が前記しきい値を超える位置にある過去のデータを選択し、最新のデータと選択した過去のデータとから角速度を求める請求項5記載の地磁気検知装置。
  7. 前記演算部では、前記X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサのそれぞれの検知出力の絶対値が最大となった値を地磁気ベクトルの絶対値(R)とし、基本Z方向と地磁気ベクトルとの成す角度を伏角(θ)、X−Y平面に投影した地磁気ベクトルと基本X方向との成す角度を方位角(φ)として、前記地磁気ベクトルの座標位置を、前記絶対値(R)と伏角(θ)および方位角(φ)とで表される三次元の極座標上の検知点として特定し、
    2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線と、他の2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線との交点から前記回転軸を求める請求項1ないし6のいずれかに記載の地磁気検知装置。
  8. 前記演算部では、前記X軸センサと前記Y軸センサおよび前記Z軸センサのそれぞれの検知出力の絶対値が最大となった値を地磁気ベクトルの絶対値(R)とし、基本Z方向と地磁気ベクトルとの成す角度を伏角(θ)、X−Y平面に投影した地磁気ベクトルと基本X方向との成す角度を方位角(φ)として、前記地磁気ベクトルの座標位置を、前記絶対値(R)と伏角(θ)および方位角(φ)とで表される三次元の極座標上の検知点として特定し、
    2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線と、他の2つの検知点を結ぶ線の垂直二等分線との交点のうちの2つの前記垂直二等分線が最短となる前記交点を前記回転平面の中心として特定する請求項1ないし6のいずれかに記載の地磁気検知装置。
  9. 演算部は、装置が始動したときに、前記回転軸を2つ以上演算し、2つ以上の回転軸の交点を、三次元の基準X方向と基準Y軸方向および基準Z軸方向の原点として認識する請求項1ないし8のいずれかに記載の地磁気検知装置。
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