JP5144701B2 - 磁界検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直交する3方向のそれぞれに向けられた磁気センサで検出された磁気ベクトルが球面座標上の座標点として求められる磁界検知装置に係り、特に、外部磁界などの影響で検知出力が変動したときに、新たな検知基準を簡単に求めることができる磁界検知装置に関する。
互いに直交する3方向の磁界強度を検知する3軸の磁気センサを使用した磁界検知装置は、地磁気を検知する方位センサやジャイロ装置などに適用される。
特許文献1に記載された方位センサは、互いに直交するX軸とY軸およびZ軸に向けて配置された磁気センサによって地磁気が検知される。3軸方向に向けられたそれぞれの磁気センサで検知された検知出力により、地磁気の方位が三次元座標上の座標点として認識される。
この種の磁界検知装置は、使用時に意識的に回転させて、磁気センサと地磁気ベクトルとを相対的に回転させ、地磁気ベクトルの検知出力の回転軌跡から少なくとも2つの回転円を作成し、2つの回転円の中心軸の交点を検知基準の原点とするなどのキャリブレーションが行われる。しかし、その後に作用する地磁気以外の外部磁界の影響や磁気センサの動作誤差あるいは回路に重畳するノイズなどの要因によって、磁気センサにオフセット磁界が印加されると、三次元座標上で検知基準が動いてしまい、その後の方位の検知や角速度の検知などに誤差が発生する。
これを防止するためには、何度もキャリブレーションをやり直すことが必要になる。しかし、使用者に頻繁にキャリブレーションを行なわせることは煩雑であり実用的ではない。
以下の特許文献1には、オフセットの補正方法に関する発明が開示されている。この補正方法は、地磁気ベクトルを検知して3つの座標点が得られたときに、3つの座標点から等距離の点を求め、この点を新たなキャリブレーションの検知基準点とするというものである。
しかし、座標点は、三次元座標上に現れるために、特許文献1に記載されたオフセットの補正方法を行なおうとすると、3つの座標点を、X−Y座標とY−Z座標およびX−Z座標の3つの平面座標に投影し、それぞれの平面座標で投影された3つの座標点から等距離の点を求め、それぞれの平面座標で得られた等距離の点から、三次元座標上の点を求めるというきわめて複雑な演算が必要になる。
特開2007−163389号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、検知出力にオフセットが現れたときに、比較的簡単な演算によって、新たな検知基準の原点を求めることができる磁界検知装置を提供することを目的としている。
本発明は、互いに直交するX方向とY方向およびZ方向が基準方向として決められた磁気検知部と、演算部とを有し、
前記磁気検知部に、X方向が磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が極大値となるX軸センサと、Y方向が磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が極大値となるY軸センサ、およびZ方向が磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が極大値となるZ軸センサが搭載され、
前記演算部では、前記検知出力に基づいて、磁気ベクトルが、三次元座標上に中心点を有する球面座標上の座標点として求められ、
先に設定された球面座標から外れた複数のシフト座標点が得られたときに、
(a)1つのシフト座標点を中心とする仮想球と、他の1つのシフト座標点を中心とする仮想球との交叉円を求め、前記交叉円の上の任意の点を新たな球面座標の中心点として設定する演算が行われることを特徴とするものである。
本発明は、2つのシフト座標点から仮想球を設定して交叉円を求めるという簡単な演算で新たな球面座標の中心点を求めることができる。仮に新たな中心点が実際のオフセットと一致していなかったとしても、前記演算を繰り返すことで、オフセット量を反映した中心点に収束させることができる。
なお、それぞれの前記仮想球は、先に設定された球面座標と同じ半径で求められることが好ましい。
例えば、本発明は、前記交叉円上で、先に設定された球面座標の前記中心点から最も近い位置にある点が、新たな球面座標の中心点として設定される。
ただし、前記交叉円上において、先に設定された球面座標の中心点に向けられた所定角度範囲の円弧上で任意の点を選択し、新たな球面座標の中心点として設定することもできる。
本発明は、先に設定された球面座標から外れた複数のシフト座標点が得られたときに、前記(a)の演算に代えて、
(b)前記2つのシフト座標点を結ぶ線の中点を通り前記線と直交する平面と、先に設定された球面座標の中心点から前記平面に降ろした垂線と前記平面との交点を求め、前記交点と前記中点とを結ぶ線上の任意の点を新たな球面座標の中心点として設定する演算が行われるものである。
例えば、前記交点と前記中点を結ぶ線上で、前記中点から、先に設定された球面座標と同じ半径だけ離れた点を新たな球面座標の中心点として設定する。
上記(b)の演算は、前記(a)の演算において、交叉円を求め、交叉円上の点を新たな球面座標の中心点とすることと同等である。また(b)の演算は、最少の演算数で新たな球面座標の中心点として設定することができる。
本発明は、オフセット磁界によって検知基準の原点が移動したときに、簡単な演算によって、新たな検知基準の原点を得ることができる。
また、地磁気を検知してキャリブレーションを行う装置の場合に、何度もキャリブレーションを繰り返さなくても、新たな検知基準の原点を得ることができる。
本発明の実施の形態の磁界検知装置の回路ブロック図、 図1に示す磁界検知装置に設けられた演算部の機能を説明するブロック図、 データバッファの処理動作を示す説明図、 磁気検知部に設けられたX軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの説明図、 地磁気ベクトルの検知動作を示す三次元座標の説明図、 オフセット補正の原理を示す説明図、 オフセット補正の演算処理を示す説明図、 オフセット補正の演算処理を示す説明図、
図1に示す本発明の実施の形態の磁界検知装置1は、地磁気検知装置として使用されるものであり、磁気検知部2を有している。図4に示すように、磁気検知部2は、互いに直交する基準軸であるX軸とY軸およびZ軸が固定軸として決められている。磁界検知装置1は携帯用機器などに搭載されており、磁気検知部2は、X軸とY軸およびZ軸の直交関係を維持したまま、空間内で自由に移動できる。
図4に示すように、磁気検知部2には、X軸センサ3がX軸に沿って固定され、Y軸センサ4がY軸に沿って固定され、Z軸センサがZ軸に沿って固定されている。X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5は、いずれもGMR素子で構成されている。GMR素子は、Ni−Co合金やNi−Fe合金などの軟磁性材料で形成された固定磁性層および自由磁性層と、固定磁性層と自由磁性層との間に挟まれた銅などの非磁性導電層とを有している。固定磁性層の下に反強磁性層が積層され、反強磁性層と固定磁性層との反強結合により、固定磁性層の磁化が固定されている。
X軸センサ3は、地磁気のX方向に向く成分を検知するものであり、固定磁性層の磁化の向きがX軸に沿うPX方向に固定されている。自由磁性層の磁化の向きは地磁気の向きに反応する。自由磁性層の磁化の向きがPX方向と平行になるとX軸センサ3の抵抗値が極小になり、自由磁性層の磁化の向きがPX方向と逆向きになるとX軸センサ3の抵抗値が極大になる。また、自由磁性層の磁化の向きがPX方向と直交すると、抵抗値が前記極大値と極小値との平均値となる。
図1に示す磁場データ検知部6では、X軸センサ3と固定抵抗とが直列に接続され、X軸センサ3と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、X軸センサ3と固定抵抗との間の電圧がX軸の検知出力として取り出される。X軸センサ3にX方向に向く磁界が与えられていないとき、またはPXに対して直交する磁界が与えられているときに、X軸の検知出力が中点電位となる。
磁気検知部2の全体を傾け、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向PXを地磁気ベクトルVと同じ向きにするとX軸センサ3に与えられる磁界成分が極大値となる。このときのX軸の検知出力は、前記中点電位に対してプラス側の極大値となる。逆に、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向PXを地磁気ベクトルVと反対に向けると、X軸センサ3に与えられる逆向きの磁界成分が極大値となる。このときのX軸の検知出力は、前記中点電位に対してマイナス側の極大値となる。
Y軸センサ4とZ軸センサ5も、それぞれ固定抵抗とが直列に接続され、Y軸センサ4またはZ軸センサ5と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、各センサと固定抵抗との間の電圧がY軸またはZ軸の検知出力として取り出される。
Y軸センサ4の固定磁性層の磁化の固定方向PYを地磁気ベクトルVと同じ向きにすると、Y軸の検知出力は、中点電位に対してプラス側の極大値になる。Y軸センサ4の固定磁性層の磁化の固定方向PYを地磁気ベクトルVと反対に向けると、Y軸の検知出力は、中点電位に対してマイナス側の極大値となる。同様に、Z軸センサ5の固定磁性層の磁化の固定方向PZを地磁気ベクトルVと同じ向きにすると、Z軸の検知出力は、中点電位に対してプラス側の極大値になる。Z軸センサ5の固定磁性層の磁化の固定方向PZを地磁気ベクトルVと反対に向けると、Z軸の検知出力は、中点電位に対してマイナス側の極大値となる。
地磁気ベクトルVの大きさが一定であれば、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5からの検知出力は、いずれもプラス側の極大値の絶対値と、マイナス側の極大値の絶対値とが同じである。
X軸センサ3としては、地磁気ベクトルの向きによってプラス側の検知出力とマイナス側の検知出力が得られ、プラス側の検知出力の極大値とマイナス側の検知出力の極大値とで絶対値が同じになれば、GMR素子以外の磁気センサで構成することもできる。例えば、X軸に沿ってプラス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子と、マイナス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子を組み合わせて、X軸センサ3として使用してもよい。これは、Y軸センサ4とZ軸センサ5においても同じである。
図1に示すように、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力は、演算部10に与えられる。演算部10は、A/D変換部とCPUおよびクロック回路などから構成されている。演算部10のクロック回路の計測時間に応じて、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力が、短いサイクルで間欠的にサンプリングされて演算部10に読み出される。それぞれの検知出力は、演算部内に設けられた前記A/D変換部によってディジタル値に変換される。
演算部10を構成するCPUにはメモリ7が接続されている。メモリ7には、演算処理のためのソフトウエアがプログラミングされて格納されている。演算部10の演算処理は前記ソフトウエアによって実行される。
図2に示すように、演算部10は、ソフトウエアに基づいて複数段階の演算処理を行う。ディジタルデータに変換されたX軸の検知出力とY軸の検知出力およびZ軸の検知出力は、主演算部15で演算処理され、図5に示すX−Y−Zの三次元座標上の座標点データDに変換されて、データバッファ(バッファメモリ)11に格納される。クロック回路と同期して短いサイクルでサンプリングされて演算された前記座標点データDは、図3に示すデータバッファ11の格納部11aに与えられる。座標点データDが格納部11aに与えられる毎に、座標点データDが格納部11aから11mまで順に送り出され、最終段の格納部11mの座標点データDが捨てられる。磁界検知装置1が動作している間は、磁場データ検知部6から最新のデータが一定時間毎に読み出され続け、演算後の座標点データDがデータバッファ11に順番に格納されていく。
図5に示す三次元座標のX−Y−Zの各軸は、磁界検知装置1に固定されて設定されており、図4に示すように、X軸センサ3はX軸に沿って固定され、Y軸センサ4はY軸に沿って固定され、Z軸センサ5はZ軸に沿って固定されている。
図5に示すように、磁気検知部2が地球上のいずれかの場所に置かれると、磁気検知部2のX軸センサ3から検知出力xが得られ、Y軸センサ4から検知出力yが得られ、Z軸センサ5から検知出力zが得られる。図2に示す演算部10の主演算部15において、三次元の検知出力から座標点データD(x,y,z)が演算される。座標点データD(x,y,z)はサンプリング周期毎に次々と得られ、データバッファ11に順に格納されていく。
この磁界検知装置1は、電源が投入された直後にキャリブレーションを行う必要がある。このキャリブレーションは、磁界検知装置1を搭載した携帯機器などを任意の方向へ数回だけ回転させることで行われる。主演算部15では、キャリブレーションにおいて次々に得られる座標点データDのいくつかをサンプリングする。少なくとも3個の座標点データDを得ることで、その時点での座標点データDの回転軌跡に一致する円を特定できる。この円が少なくとも2個求められ、それぞれの円の中心を通る中心線が求められ、さらに中心線の交点が演算される。主演算部10では、キャリブレーションの結果として得られた前記交点が、X−Y−Zの三次元座標の初期の基準原点O1となるように補正される。
キャリブレーションにより三次元座標の初期の基準原点O1が得られると、その後の検知出力から演算される座標点データD(x,y,z)は、三次元座標上の初期の基準原点O1を中心とする球面座標G1上の点として把握される。この初期の球面座標G1の半径Rは、X軸センサ3、Y軸センサ4、Z軸センサ5の検知出力の極大値の絶対値に相当する。球面座標G1の半径Rは、そのときの測定場所によって相違し、検知される地磁気ベクトルVの絶対値の大小に応じて球面座標G1の半径Rも変化する。
図5は、磁界検知装置1に設定されているZ軸が重力方向に向けられている状態を示している。この場合、検知出力から得られる座標点データD(x,y,z)と、三次元座標の基準原点O1を結ぶ線が地磁気ベクトルVである。磁界検知装置1をZ軸を中心として(重力方向に向く軸を中心として)回転させると、次々とサンプリングされていく座標点データD(x,y,z)が、Z軸を中心とし且つX−Y軸と平行な水平緯度線Haに沿って移動する。
磁界検知装置1には、地磁気以外の外部磁界が作用しやすい。磁界検知装置1を搭載した携帯機器などが、他の電子機器に接近したり大きな金属に接近することで磁界検知装置1に作用する外部磁界が変化する。また、磁界検知装置1と共に携帯機器などに搭載されている電子回路からも磁界が与えられることがある。磁界検知装置1に外部磁界が与えられると、実際に検知される地磁気ベクトルと、先のキャリブレーションで設定された初期の基準原点O1との間にオフセットが生じる。また、それぞれの磁気センサ3,4,5の検知誤差や温度特性による感度の変動、検知回路の温度特性などによっても、実際に検知される磁気ベクトルと、先のキャリブレーションで設定された初期の基準原点O1との関係にオフセットが生じることがある。
この場合に、新たなキャリブレーション動作を行い新たな基準原点を求めることでオフセットを解消できるが、使用者に頻繁にキャリブレーションを行わせることは実用的ではない。
そこで、図2に示す演算部10でソフトウエアにより実行されるオフセット計算部12において、外部磁界などの影響によるオフセットを補正できるようにしている。
検知出力がオフセットしていないとき、座標点データDは、キャリブレーションで得られた初期の基準原点O1を中心とする半径Rの球面座標G1上の点として現れる。検知出力がオフセットすると、座標点データDが球面座標G1から外れる。オフセット計算部12では、データバッファ11に次々と格納されていく座標点データDが、球面座標G1から所定の距離だけ離れるか否か、すなわち、基準原点O1からの距離が、初期の球面座標G1の半径Rから所定の割合で外れるか否かを監視する。
球面座標G1から所定の距離だけ離れた座標点データをシフト座標点データとし、シフト座標点データが所定数以上検出されたらオフセット補正処理に移行する。オフセット補正処理では、図6に示すように、複数のシフト座標点データのうちの2つのシフト座標点データDa,Dbが選択される。地磁気ベクトルの大きさが変化していないと仮定すると、オフセット後の新たな基準原点は、シフト座標点データDaを中心とする半径Rの仮想球Gaの表面、およびシフト座標点データDbを中心とする半径Rの仮想球Gbの表面に位置していると予測できる。
2つの仮想球GaとGbが交叉する交叉円Sを求めると、オフセット後の新たな基準原点がこの交叉円S上に存在している可能性が高い。そこで、交叉円S上の任意の点を新たな基準原点O2と仮定し、仮定した新たな基準原点O2が球面座標の中心となるように三次元座標が補正される。その後に得られる座標点データDが、新たな基準原点O2を中心とする半径Rの球面座標G2の表面に現れれば、その後は、基準原点をO2を基準として地磁気ベクトルVの向きが認識される。その後に得られる座標点データDが、新たな基準原点O2を中心とする球面座標G2から所定距離外れ、それが所定回数続いた場合には、また同じ補正を行う。この補正を繰り返すことにより、算定される基準原点をオフセット量を解消した本来の基準原点に収束させる確率を高くできる。
交叉円S上で仮定される基準原点を、オフセット量を解消した本来の基準原点に収束させるためには、図6に示す交叉円Sの上において先の基準原点O1になるべく近い点を新たな基準原点O2とすることが好ましい。例えば、交叉円Sのうちの、先の基準原点O1の側に向く半分の領域のいずれかの点を新たな基準原点O2とする。または、先の基準原点O1の側に向く所定の角度範囲で円弧上に位置する任意の点を新たな基準原点O2とする。
さらに好ましくは、交叉円Sの円弧上において、先の基準原点O1に最も近い点が新たな基準原点O2として仮定される。新たな基準原点O2を先の基準原点O1と最短の位置に仮定すると、算定される新たな基準原点を、オフセット量を解消した本来の基準原点にさらに収束させやすくなる。
図7は、交叉円Sの円弧上において先の基準原点O1に最も近い点を求める演算方法の一例を示している。この演算方法では、三次元座標上で、交叉円Sを含む平面Pが求められる。先の基準原点O1から平面Pへの垂線L1を降ろし、その垂線L1と平面Pとの交点Iを求める。交点Iと交叉円Sの中心Osとを結ぶ線L2を求め、線L2と交叉円Sとの交点を新たな基準原点O2と仮定する。この新たな基準原点O2は、交叉円S上において先の基準原点O1に最も近い点となる。
図8は、交叉円S上において、先の基準原点O1に最も近い新たな基準原点O2を求めるための実際の演算方法を説明するものである。
初期の基準原点O1を中心とする半径Rの球面座標G1から所定距離外れた2つのシフト座標点データは、Da(xa,ya,za)と、Db(xb,yb,zb)で表わされる。シフト座標点データDaとDbを結ぶ線Laの中点Osを通り且つ線Laと直交する平面Pの方程式を求める。その方程式は以下の通りである。
(xb−xa){x−(xa+xb)/2}+(yb−ya){y−(ya+yb)/2}+(zb−za){z−(za+zb)/2}=0
これを展開すると、L・x+M・y+N・z+g=0である。
基準原点O1の座標データを(x1,y1,z1)とし、基準原点O1と平面Pとの距離が最小値となる平面P上の座標を求めれば、それが、先の基準原点O1から平面Pに降ろした垂線L1と平面Pとの交点Iとなる。
次に、シフト座標点データDaとDbを結ぶ線Laの中点Osと、交点Iとを結ぶ線L2を求め、この線L2上において、交点Osから半径Rだけ離れた点を求めれば、新たな基準原点O2を求めることができる。
先の基準原点O1を新たな基準原点O2に補正することでオフセットが解消されると、座標点データDは、新たな基準原点O2を中心とする半径Rの新たな球面座標G2上の点として求められる。磁界検知装置1に重力の向きを検知する加速度センサが設けられていれば、磁界検知装置1に設定されているZ軸と重力の向きとの関係を理解できる。これにより、座標点データから地磁気ベクトルの伏角を知ることができ、磁界検知装置1と地磁気ベクトルとの方位の関係も知ることができる。
また、図2に示す回転軸計算部13では、磁界検知装置1を搭載した携帯機器などが動いたときに、その回転運動の回転軸が計算される。また、角速度計算部14では、複数の座標点データの回転中心から開き角度と、その座標点データのサンプリング時間とから携帯機器などの角速度を求めることができる。
本発明の磁界検知装置は、方位センサ、ジャイロに応用でき、携帯用のゲーム装置やゲーム装置の入力装置に使用することもできる。またロボットの腕や関節などの姿勢の変化を検知する検知部として使用することもできる。
さらに、本発明の磁界検知装置は、地磁気以外の外部磁界の磁気ベクトルの向きや動きを検知する装置として使用可能である。例えば磁気検知装置を固定し、外部の磁気ベクトルがどの方向からどのような運動で接近してきているかの検知も可能である。
1 磁界検知装置
2 磁気検知部
3 X軸センサ
4 Y軸センサ
5 Z軸センサ
6 磁場データ検知部
7 メモリ
10 演算部
11 データバッファ
12 オフセット計算部
13 回転軸計算部
14 角速度計算部
15 主演算部
G1 初期の球面座標
R 半径
O1 初期の基準原点
Da,Db シフト座標点データ
Ga,Gb 仮想球
S 交叉円
Os 交叉円の中心
P 平面
I 平面と垂線との交点
O2 新たな基準原点

Claims (5)

  1. 互いに直交するX方向とY方向およびZ方向が基準方向として決められた磁気検知部と、演算部とを有し、
    前記磁気検知部に、X方向が磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が極大値となるX軸センサと、Y方向が磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が極大値となるY軸センサ、およびZ方向が磁気の方向に向けられたときに検知出力の絶対値が極大値となるZ軸センサが搭載され、
    前記演算部では、前記検知出力に基づいて、磁気ベクトルが、三次元座標上に中心点を有する球面座標上の座標点として求められ、
    先に設定された球面座標から外れた複数のシフト座標点が得られたときに、
    (a)1つのシフト座標点を中心とする仮想球と、他の1つのシフト座標点を中心とする仮想球との交叉円を求め、前記交叉円の上の任意の点を新たな球面座標の中心点として設定する演算が行われることを特徴とする磁界検知装置。
  2. それぞれの前記仮想球は、先に設定された球面座標と同じ半径で求められる請求項1記載の磁界検知装置。
  3. 前記交叉円上で、先に設定された球面座標の前記中心点から最も近い位置にある点が、新たな球面座標の中心点として設定される請求項1または2記載の磁界検知装置。
  4. 先に設定された球面座標から外れた複数のシフト座標点が得られたときに、前記(a)の演算に代えて、
    (b)前記2つのシフト座標点を結ぶ線の中点を通り前記線と直交する平面と、先に設定された球面座標の中心点から前記平面に降ろした垂線と前記平面との交点を求め、前記交点と前記中点とを結ぶ線上の任意の点を新たな球面座標の中心点として設定する演算が行われる請求項1記載の磁界検知装置。
  5. 前記交点と前記中点を結ぶ線上で、前記中点から、先に設定された球面座標と同じ半径だけ離れた点を新たな球面座標の中心点として設定する請求項4記載の磁界検知装置。
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