JP5643547B2 - 磁気検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサで検出された磁気ベクトルが、球面座標上の座標点データとして求められる磁気検知装置に係り、特に、座標点データの基準を求めるキャリブレーション処理を、最少の演算処理で行うことができる磁気検知装置に関する。
3軸に配置された磁気センサを使用した磁気検知装置は、地磁気を検知する方位センサや角速度センサなどとして使用される。磁気検知装置は、互いに直交するX軸とY軸およびZ軸に向けて配置された磁気センサによって地磁気などの磁界強度が検知されると、その検知出力に基づいて、磁気ベクトルが三次元検知座標上の座標点として認識される。
この種の磁気検知装置は、電源を投入した時点で、オフセット磁界の存在や外部からの磁気ノイズの影響で、磁気ベクトルが三次元検知座標上のどの位置に現れるか不明である。そのため、キャリブレーション処理を行って、検知された座標点データを、予め決められている原点を中心とする三次元検知座標上のデータに変換することが必要である。
以下の特許文献1には、磁気検知装置で地磁気を検知して得られた方位データが楕円に近似する座標系上に現れることが指摘されており、演算により、測定値の座標系を数学的に理想的な円形リングに変換して補償することが記載されている。
以下の特許文献2には、少ないデータ量で三次元検知座標上の基準原点を求める方法として、複数の地磁気ベクトルを検知して3つの座標点データが得られたときに、3つの座標点データから等距離の点を求め、この点を基準原点とする発明が開示されている。
特表平7−507874号公報 特開2007−163389号公報
特許文献1に示すキャリブレーション処理は、演算処理によって求めるべき未知数が多いため、演算に時間が係り、正確なキャリブレーション処理を行うことが難しい。
特許文献2に記載のキャリブレーション処理は、演算が簡単であるが、少数のデータから基準原点を求めているため、演算後の基準原点の誤差が大きくなる可能性が高い。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、最少の演算処理で精度の高いキャリブレーション処理を行うことができる磁気検知装置を提供することを目的としている。
本発明は、直交する3軸方向の磁界強度を検知する磁気センサを有する磁気検知部および演算部とを有し、前記演算部は、
(a)3軸方向の磁界強度の検出値から、磁気ベクトルの向きを三次元検知座標上の座標点データとして求め、
(b)複数の座標点データを得たときに、複数の座標点データとの誤差が最小となる仮球面座標を最小二乗法に基づいて求めるとともに、三次元検知座標上における前記仮球面座標の中心の座標を求め、
(c)それぞれが定数である3軸方向の検知誤差係数a,b,cの組み合わせを予め複数組設定しておき、前記仮球面座標の中心と一致し且つ複数組の検知誤差係数a,b,cのいずれかを当てはめて得られる以下の数2で示される複数の非球面座標のうち、複数の座標点データとの誤差が最も少ないものを最小二乗法に基づいて求めて、座標点データが位置する非球面座標として特定する、
ことを特徴とするものである。
Figure 0005643547
ただし、xc,yc,zcは、三次元検知座標上における前記仮球面座標の中心の座標である。
さらに、本発明は、
(d)複数の座標点データとの誤差が最も少ない非球面座標の検知誤差係数a,b,cと、前記仮球面座標の中心の座標とから、座標点データを、補正球面座標上の補正座標点データに換算するものである。
磁気検知部の検知出力から得られる座標点データは、三次元検知座標の原点から離れた位置に中心を有し、且つX軸とY軸およびZ軸のそれぞれの検知誤差係数a,b,cを含む楕円球や長円球などの非球面座標上の点として現れる。したがって、三次元検知座標の原点から非球面座標の中心までのオフセット距離と、前記検知誤差係数a,b,cを求めないと、磁気ベクトルの方位や動きを正確に把握することができない。したがって、複数の座標点データを得たときに、その座標点データが現れる座標面と、非球面座標との誤差を求めることが必要である。
そこで、座標点データが仮球面座標に現れると仮定して、各未知数のうちの三次元検知座標の原点から非球面座標の中心までのオフセット距離のみを求め、検知誤差係数a,b,cに関しては、予め設定しておいた複数の定数の組み合わせのうちの実際の座標面との誤差が最も少ないものを求める。これにより、最少の演算数で、精度の高いキャリブレーション処理を行うことができる。
本発明は、前記(b)における仮球面座標の方程式は、数1で表わされる。
本発明は、前記補正球面座標上の補正座標点データから、磁気ベクトルの方位を求めることができる。または、前記補正球面座標の中心に対する複数の補正座標点データの開き角度から、磁気検知部の回動角度を求めることができ、さらに、前記補正球面座標の中心に対する複数の補正座標点データの開き角度および複数の前記補正座標データが得られた時間とから、磁気検知部の角速度を求めることができる。
本発明は、キャリブレーション処理の演算で求めるべき未知数のうち、三次元検知座標の原点からのオフセット距離のみを演算で求め、3軸の検知誤差係数a,b,cは予め決められた定数から選択する。
そのため、演算で求めるべき未知数が少なくなり、演算部での演算処理を短時間で行えるようになる。
本発明の実施の形態の磁気検知装置の回路ブロック図、 データバッファの処理動作を示す説明図、 磁気検知部に設けられたX軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの説明図、 三次元検知座標上での非球面座標と仮球面座標および座標点データを示す説明図、 伏角の演算を示す説明図、 三次元検知座標の原点に中心を有する補正球面座標と補正座標点データを示す説明図、
図1に示す本発明の実施の形態の磁気検知装置1は、主に方位センサとして使用されるものであり、地磁気検知部2と3軸加速度センサ8とを有している。
図3に示すように、磁気検知装置1は、互いに直交する基準軸であるX1軸とY1軸およびZ1軸が固定軸として決められている。X1軸とY1軸およびZ1軸で三次元検知座標が決められている。磁気検知装置1は携帯用機器などに搭載されており、三次元検知座標のX1軸とY1軸およびZ1軸の直交関係を維持したまま、空間内で自由に移動できる。
図3に示すように、地磁気検知部2には、X軸センサ3がX1軸に沿って固定され、Y軸センサ4がY1軸に沿って固定され、Z軸センサがZ1軸に沿って固定されている。X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5は、いずれもGMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)で構成されている。GMR素子は、Ni−Co合金やNi−Fe合金などの軟磁性材料で形成された固定磁性層および自由磁性層と、固定磁性層と自由磁性層との間に挟まれた銅などの非磁性導電層とを有している。固定磁性層の下に反強磁性層が積層され、反強磁性層と固定磁性層との交換結合により、固定磁性層の磁化が固定されている。
X軸センサ3は、地磁気ベクトルのX1方向に向く成分を検知するものであり、固定磁性層の磁化の向きがX1軸に沿うPX方向に固定されている。自由磁性層の磁化の向きは地磁気の向きに反応する。自由磁性層の磁化の向きがPX方向と平行になるとX軸センサ3の抵抗値が極小になり、自由磁性層の磁化の向きがPX方向と逆向きになるとX軸センサ3の抵抗値が極大になる。また、自由磁性層の磁化の向きがPX方向と直交すると、抵抗値が前記極大値と極小値との平均値となる。
図1に示す磁場データ検知部6では、X軸センサ3と固定抵抗とが直列に接続され、X軸センサ3と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、X軸センサ3と固定抵抗との間の電圧がX1軸の検知出力として取り出される。X軸センサ3にX1方向に向く磁界が与えられていないとき、またはPXに対して直交する磁界が与えられているときに、X1軸の検知出力が中点電位となる。
地磁気検知部2の全体を傾け、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向PXを地磁気ベクトルVと同じ向きにするとX軸センサ3に与えられる磁界成分が極大値となる。このときのX1軸の検知出力は、前記中点電位に対してプラス側の極大値となる。逆に、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向PXを地磁気ベクトルVと反対に向けると、X軸センサ3に与えられる逆向きの磁界成分が極大値となる。このときのX1軸の検知出力は、前記中点電位に対してマイナス側の極大値となる。
Y軸センサ4とZ軸センサ5も、それぞれ固定抵抗とが直列に接続され、Y軸センサ4またはZ軸センサ5と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、各センサと固定抵抗との間の電圧がY1軸またはZ1軸の検知出力として取り出される。
Y軸センサ4の固定磁性層の磁化の固定方向PYを地磁気ベクトルVと同じ向きにすると、Y1軸の検知出力は、中点電位に対してプラス側の極大値になる。Y軸センサ4の固定磁性層の磁化の固定方向PYを地磁気ベクトルVと反対に向けると、Y1軸の検知出力は、中点電位に対してマイナス側の極大値となる。同様に、Z軸センサ5の固定磁性層の磁化の固定方向PZを地磁気ベクトルVと同じ向きにすると、Z1軸の検知出力が、中点電位に対してプラス側の極大値になる。Z軸センサ5の固定磁性層の磁化の固定方向PYを地磁気ベクトルVと反対に向けると、Z1軸の検知出力は、中点電位に対してマイナス側の極大値となる。
地磁気ベクトルVの大きさが一定であれば、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5からの検知出力は、いずれもプラス側の極大値の絶対値と、マイナス側の極大値の絶対値とが同じである。
X軸センサ3としては、地磁気ベクトルの向きによってプラス側の検知出力とマイナス側の検知出力が得られ、プラス側の検知出力の極大値とマイナス側の検知出力の極大値とで絶対値が同じになれば、GMR素子以外の地磁気センサで構成することもできる。例えば、X1軸に沿ってプラス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子と、マイナス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子を組み合わせて、X軸センサ3として使用してもよい。これは、Y軸センサ4とZ軸センサ5においても同じである。
図1に示すように、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力は、演算部10に与えられる。演算部10は、A/D変換部とCPUおよびクロック回路などから構成されている。演算部10のクロック回路の計測時間に応じて、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力が、短いサイクルで間欠的にサンプリングされて演算部10に読み出される。それぞれの検知出力は、演算部内に設けられた前記A/D変換部によってディジタル値に変換される。
演算部10を構成するCPUにはメモリ7が接続されている。メモリ7には、演算処理のためのソフトウエアがプログラミングされて格納されている。演算部10の演算処理は前記ソフトウエアによって実行される。
演算部10は、ソフトウエアに基づいて演算処理を行う。ディジタルデータに変換されたX1軸の検知出力とY1軸の検知出力およびZ1軸の検知出力は、演算部10で演算処理され、図4に示すX1−Y1−Z1の三次元検知座標上の座標点データDi(xi,yi,zi)に変換されて、図2に示すデータバッファ(バッファメモリ)11に格納される(iは1からNまでの整数であり、これは以下において同じである)。クロック回路と同期して短いサイクルでサンプリングされて演算された前記座標点データDiは、データバッファ11の格納部11aに与えられる。座標点データDiが格納部11aに与えられる毎に、その前に得られた座標点データDiが格納部11aから11mまで順に送り出され、最終段の格納部11mの座標点データDiが捨てられる。磁気検知装置1が動作している間は、磁場データ検知部6から最新のデータが一定時間毎に読み出され続け、演算後の座標点データDiがデータバッファ11に順番に格納されていく。
図1に示すように、磁気検知装置1には、3軸加速度センサ8が設けられている。この3軸加速度センサ8は、X1軸とY1軸およびZ1軸のそれぞれに沿う向きの加速度を検知するものであり、その検知出力が姿勢検知部9に与えられる。姿勢検知部9では、X1軸とY1軸およびZ1軸のそれぞれに沿う向きの加速度から、図5に示す重力加速度ベクトルAが算出され、その情報が演算部10に与えられる。
図4に示すように、地磁気検知部2が地球上のいずれかの場所に置かれると、地磁気検知部2のX軸センサ3から検知出力xiが得られ、Y軸センサ4から検知出力yiが得られ、Z軸センサ5から検知出力ziが得られる。図1に示す演算部10において、各軸の検知出力xi,yi,ziから、X1−Y1−Z1軸の三次元検知座標上で、地磁気ベクトルVの向きを示す座標点データDi(xi,yi,zi)が演算される。
測定場所が北半球の場合、地磁気ベクトルVは地平線に向かって所定の伏角で入射する。図4に示すように、X1−Y1−Z1軸を有する三次元検知座標では、地磁気ベクトルVがキャリブレーション前の非球面座標Gaの中心Ocに向かい、地磁気ベクトルVの向きは、非球面座標Ga上の座標点データDi(xi,yi,zi)として表わされる。
図4に示すように、電源が投入されて地磁気の検知が開始された直後は、座標点データDi(xi,yi,zi)が現れる非球面座標Gaの中心Ocが三次元検知座標の原点Oから離れていることが多く、中心Ocと原点Oとの距離が、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5で地磁気の磁界強度を検知するときのオフセット量となっている。
X1−Y1−Z1の三次元検知座標の原点Oは、磁気ノイズなどが無く、各センサ3,4,5で純粋に地磁気のみを検知できたときに、地磁気ベクトルVが向く原点である。ただし、磁気検知装置1が内蔵される各種電子機器の筐体内には、磁気ノイズを発生する他の電子回路が存在する。また、地磁気を検知しようとする環境下では、近くに磁石が存在したり、鉄骨などの大きな磁性材料が存在するなどし、これらも磁気ノイズの原因となる。磁気ノイズなどに起因するバイアス磁界が各センサ3,4,5に作用すると、図4に示すように、地磁気ベクトルVが向く中心Ocが、三次元検知座標の原点Oから離れた位置に存在するようになる。
また、地磁気を検知するときに、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5のそれぞれの感度が一致し、磁場データ検知部6においてX軸とY軸およびZ軸の磁界を検知する回路の特性が一致し、さらに磁性材料などが近くに存在していないときは、地磁気ベクトルVの向きを示す座標点データDi(xi,yi,zi)が、中心Ocを有する真の球面形状の球面座標上に現れる。しかし、実際には、X軸とY軸およびZ軸において地磁気強度を検知するときのセンサの感度に差があり、磁場データ検知部6の回路にも特性のばらつきがある。さらには、地磁気検知部2の近くにノイズを吸収するための磁気シートが存在するなど、地磁気検知部2が設置される環境に応じても、X軸とY軸およびZ軸の検知出力に誤差が生じる。
図4では、X軸の検知誤差係数をaで示し、Y軸の検知誤差係数をbで示し、Z軸の検知誤差係数をcで示している。非球面座標Gaの立体形状は、以下の数3に示すように、検知誤差係数a,b,cに応じて変化する。X軸とY軸およびZ軸の検知誤差係数a,b,cが互いに一致しない限り、非球面座標Gaは真の球面にはならず、楕円球や長円球になる。検知誤差係数a,b,cは、地磁気の測定を開始した時点で、前述の各種磁気ノイズなどに起因して発生するものであり、検知誤差係数a,b,cは、地磁気の測定を開始する度に相違し、地磁気検知部2が使用される環境においても変動する。
したがって、電源が投入されて、検知動作が開示されると、座標点データDi(xi,yi,zi)が非球面座標Gaの表面に現れるが、この時点では、非球面座標Gaの中心Ocの座標(xc,yc,zc)が不明であり、また非球面座標Gaの形状も不明である。
そこで、演算部10では、複数の座標点データDi(xi,yi,zi)が得られて図2に示すデータバッファ11に順番に格納された時点で、非球面座標Gaの中心Ocの座標(xc,yc,zc)を求め、非球面座標Gaの形状を求めるためのキャリブレーション処理を行う。
キャリブレーション前の非球面座標Gaの方程式は、以下の数3の通りである。
Figure 0005643547
キャリブレーション処理は、数3のxc,yc,zcおよびa,b,cの値を求めるために行われる。複数得られる座標点データDi(xi,yi,zi)にばらつきが無く、それぞれの座標点データDiが同じ非球面座標Ga上に現れるのであれば、複数得られるxi,yi,zi(i=1,2,3,4,・・・)のそれぞれの値を数3のx,y,zに代入して、連立方程式を解くと、xc,yc,zcおよびa,b,cの値を求めることができる。
しかし、実際にはそれぞれの座標点データDi(xi,yi,zi)にばらつきが存在し、同じ非球面座標Gaの表面に現れるとは限らない。そこで、数3の方程式のx,y,zに複数の座標点データDiのxi,yi,ziを代入し、最小二乗法により、複数の座標点データDiとの誤差が最も小さくなる楕円球を求めることで、数3に示す方程式のxc,yc,zcおよびa,b,cを求める。しかし、この演算手法では、xc,yc,zcおよびa,b,cの6個の未知数を求めなくてはならないため、演算量が非常に大きくなる。
そこで、以下のキャリブレーション処理では、最小二乗法によりxc,yc,zcの3個の未知数のみを演算で求める。a,b,cについては、予め複数の数字の組み合わせを用意しておき、実際の座標点データDi(xi,yi,zi)のばらつきに最も近似した非球面の形状(a,b,cの値)を演算で求めるのではなく、予め決められたa,b,cの数字の組み合わせの中から選択するという手法を用いる。
まず、オフセット量であるxc,yc,zcの未知数を演算するために、図4に示すように、非球面座標Gaと同じ中心Ocを共有する半径がRの幾何学的に正確な球である仮球面座標G1を想定し、複数の座標点データDi(xi,yi,zi)との誤差が最も小さい仮球面座標G1を演算で求める。仮球面座標G1の方程式は、以下の数4に示す通りであり、演算で求めるべき未知数はxc,yc,zcと半径Rの4個のみであり、検知誤差係数a,b,cが含まれない。検知誤差係数a,b,cを演算で求める必要がないため、演算量を少なくできる。
Figure 0005643547
演算部10の演算処理では、数4の仮球面座標G1の方程式を以下の数5に記載のようにFiで表し、さらに、複数の座標点データDi(xi,yi,zi)のそれぞれについて得られるFiを2乗して累積加算した値を1/2としたJを求める。Jが最小となるxc,yc,zcおよびRを求めることは、複数得られている座標点データDi(xi,yi,zi)との誤差が最小となる仮球面座標G1の方程式を最小二乗法で求めることに等しい。
Figure 0005643547
上記Jが最小となるときのxc,yc,zcおよびRを求めるために、以下の数6に示すように、Jをxc,yc,zcおよびRのそれぞれの未知数で偏微分した値を0とする連立方程式を求める。この連立方程式を解くことで、Jが最小となるときのxc,yc,zcおよびRを求めることができる。
Figure 0005643547
ただし、
Figure 0005643547
である。
前記数6は非線形連立方程式であるため、一般的な解法で解くことができないが、Gauss-Newton法などの数値解法による反復計算を行うことで解くことができる。
ただし、上記反復計算によらずに、数5のFiを以下の数8に示す線形方程式に変形してから、xc,yc,zcおよびRの値を求めることも可能である。
Figure 0005643547
数8における各未知数a1,a2,a3および未知数の方程式a4は、以下の数9に示す通りである。
Figure 0005643547
よって、数6に示す連立方程式と同等の連立方程式を数8の方程式を用いて表わすと、以下の数10の連立方程式となる。
Figure 0005643547
数10を行列式で表わすと以下の数11となる。
Figure 0005643547
上記行列式は未知数a1,a2,a3,a4を含む線形連立方程式であるため、ガウスの消去法などの数値解析で解くことができる。この数値解析は、数6に示す非線形方程式を解く場合のような反復計算が不要になるため、CPUなどにおいて比較的短時間で解を得ることができる。
未知数a1,a2,a3,a4を解くことで、以下の数12に示すように、xc,yc,zcとRを求めることができる。
Figure 0005643547
次に、検知誤差係数a,b,cは、演算部10内のメモリに、複数の数字の組み合わせのデータとして保持されている。前記演算により求められたxc,yc,zcを、数3に示す楕円球の方程式に代入し、さらに、予め定数として決められている検知誤差係数a,b,cの複数の組み合わせのうちのいずれかを、数3の方程式に代入することで、図4に示す座標点(xc,yc,zc)に中心Ocを有する多種の形状の楕円球を設定することができる。
検知誤差係数a,b,cの数字の複数の組み合わせは、X軸センサ3、Y軸センサ4、Z軸センサ5の特性の測定値に基づいたり、磁気検知装置1が搭載される電子機器の筐体の内部に配置され他の電子回路や、磁気シールドなどに応じて、予め生じるであろう球面座標の歪みの範囲を想定し、その範囲に入る多数の形状の楕円球の形状を予測して決められる。
そして、それまでに得られている複数の座標点データDi(xi,yi,zi)と、複数の形状の楕円球の誤差を最小二乗法などで求め、この誤差が最も小さい楕円球を、座標点データDi(xi,yi,zi)が現れている非球面座標Gaとして選択し特定する。
上記キャリブレーション処理は、電源が投入されて磁気検知装置1が始動し、その後に所定数の座標点データDi(xi,yi,zi)が得られたときに行われる。あるいは、定期的に行われる。
上記キャリブレーション処理によって、図4に示す座標点(xc,yc,zc)に中心Ocを有する楕円球が非球面座標Gaとして特定されると、特定された座標値xc,yc,zcおよび特定された検知誤差係数a,b,cが演算部10のメモリに定数として保持される。そして、キャリブレーション処理後に得られる座標点データDi(xi,yi,zi)が、数13の式に代入されることで、補正座標点データDi´(xi´,yi´,zi´)が得られる。
すなわち、座標点データDi(xi,yi,zi)を、図6に示すように、三次元検知座標の原点Oに中心を有し、検知誤差係数a,b,cによる歪みを補正した真の球形状である補正球面座標G0上の補正座標点データDi´(xi´,yi´,zi´)に変換することができる。
(数13)
xi´=a・(xi−xc)
yi´=b・(yi−yc)
zi´=c・(zi−zc)
補正球面座標G0の中心は、X1−Y1−Z1軸の三次元検知座標の原点Oに一致しているため、この補正球面座標G0に現れる補正座標点データDi´(xi´,yi´,zi´)と、図1に示す3軸加速度センサ8の検知出力とから、地磁気ベクトルの伏角Iを求めることができる。
図5には、3軸加速度センサ8で検知された重力加速度ベクトルAが示されている。また、磁気検知装置1が空間上で同じ姿勢で停止しているときに補正座標点データDi´(xi´,yi´,zi´)から得られる地磁気ベクトルをMで示している。
以下の数13に示すように、重力加速度ベクトルAと静止時の地磁気ベクトルMとの内積から、両ベクトルの相対角度αを求めることができ、αから90度を減算することで地磁気ベクトルMの伏角Iを求めることができる。
Figure 0005643547
図6は、重力加速度ベクトルAがZ軸のマイナスに向くように補正したX0−Y0−Z0軸の三次元補正座標を示している。三次元補正座標は、X0−Y0平面が水平面の向きに一致する。測定場所が北半球のとき、地磁気ベクトルMは、X0−Y0平面からプラス側の角度(伏角)Iを有する向きで示される。
また、三次元補正座標の赤道を通る基準水平面H0に、地磁気ベクトルMを投影することで、地磁気検知装置1の地球上での姿勢を示す方位角βを求めることができる。
この磁気検知装置1が携帯機器に搭載されているとき、磁気検知装置1を回転させると、補正球面座標G0上で、補正座標点データDi´(xi´,yi´,zi´)が移動する。その移動軌跡を測定することで、携帯機器の回転方向と回転角度を知ることができる。また、原点Oに対する複数の補正座標点データDi´(xi´,yi´,zi´)の開き角度と、そのデータが得られたサンプリング時間とから携帯機器の角速度を求めることもできる。
1 磁気検知装置
2 地磁気検知部
3 X軸センサ
4 Y軸センサ
5 Z軸センサ
6 磁場データ検知部
7 メモリ
10 演算部
8 3軸加速度センサ
11 データバッファ
Ga 非球面座標
G1 仮球面座標
G0 補正球面座標
X1−Y1−Z1 三次元検知座標
X0−Y0−Z0 三次元補正座標
Di 座標点データ
Di´ 補正座標点データ
a,b,c 検知誤差係数
xc,yc,zc 非球面座標の中心座標

Claims (6)

  1. 直交する3軸方向の磁界強度を検知する磁気センサを有する磁気検知部および演算部とを有し、前記演算部は、
    (a)3軸方向の磁界強度の検出値から、磁気ベクトルの向きを三次元検知座標上の座標点データとして求め、
    (b)複数の座標点データを得たときに、複数の座標点データとの誤差が最小となる仮球面座標を最小二乗法に基づいて求めるとともに、三次元検知座標上における前記仮球面座標の中心の座標を求め、
    (c)それぞれが定数である3軸方向の検知誤差係数a,b,cの組み合わせを予め複数組設定しておき、前記仮球面座標の中心と一致し且つ複数組の検知誤差係数a,b,cのいずれかを当てはめて得られる以下の数2で示される複数の非球面座標のうち、複数の座標点データとの誤差が最も少ないものを最小二乗法に基づいて求めて、座標点データが位置する非球面座標として特定する、
    ことを特徴とする磁気検知装置。
    Figure 0005643547
    ただし、xc,yc,zcは、三次元検知座標上における前記仮球面座標の中心の座標である。
  2. (d)複数の座標点データとの誤差が最も少ない非球面座標の検知誤差係数a,b,cと、前記仮球面座標の中心の座標とから、座標点データを、補正球面座標上の補正座標点データに換算する請求項1記載の磁気検知装置。
  3. 前記(b)における仮球面座標の方程式は、以下の数1で表わされる請求項1または2記載の磁気検知装置。
    Figure 0005643547
    ただし、xc,yc,zcは、三次元検知座標上における前記仮球面座標の中心の座標である。
  4. 前記補正球面座標上の補正座標点データから、磁気ベクトルの方位を求める請求項に記載の磁気検知装置。
  5. 前記補正球面座標の中心に対する複数の補正座標点データの開き角度から、磁気検知部の回動角度を求める請求項に記載の磁気検知装置。
  6. 前記補正球面座標の中心に対する複数の補正座標点データの開き角度および複数の前記補正座標データが得られた時間とから、磁気検知部の角速度を求める請求項に記載の磁気検知装置。
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