JPWO2010095477A1 - 内燃機関の気筒吸入空気量算出装置 - Google Patents

内燃機関の気筒吸入空気量算出装置 Download PDF

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Abstract

内燃機関の気筒に吸入される新気量である気筒吸入空気量を算出する気筒吸入空気量算出装置が提供される。機関の吸気通路を通過する新気の流量である吸入空気流量が取得されるとともに、吸気温及び吸気圧が検出される。吸気圧、吸気温、及び気筒容積に基づいて理論気筒内吸入空気量が算出され、気筒吸入空気量の前回算出値を理論気筒内吸入空気量で除算することにより体積効率が算出される。吸気温、吸気圧、体積効率、吸入空気流量、及び気筒吸入空気量の前回算出値を用いて、気筒吸入空気量が算出される。

Description

本発明は、内燃機関の気筒内に吸入される新気量である気筒吸入空気量を算出する気筒吸入空気量算出装置に関する。
特許文献1には、機関回転数、吸気圧、及び充填効率(体積効率)を用いて気筒吸入空気量を算出する装置が示されている。この装置によれば、充填効率の変動を補正する空燃比学習値が、検出空燃比に応じて算出され、空燃比学習値で補正した充填効率を用いて気筒吸入空気量が算出される。
また特許文献2には、機関の体積効率を示す体積効率相当値を算出し、体積効率相当値の今回算出値及び前回算出値と、検出新気量とを用いて気筒吸入空気量を算出する装置が示されている。この装置によれば、体積効率相当値は、機関回転数に応じた係数f(Ne)、排気還流率に応じた係数G(Regr)、吸気圧、及び大気圧に応じて算出される。
特開平7−259630号公報 特許第4120524号公報
特許文献1に示された装置では、機関回転数及び吸気圧に応じて設定されたマップを検索することにより、充填効率が算出されるため、予めマップを設定するために工数を必要とする。また、吸気弁(及び排気弁)の作動特性(リフト量、開閉弁時期)を変更する動弁機構を備えた機関では、吸気弁(及び排気弁)の作動特性に応じて複数のマップを設ける必要があり、マップ設定工数が膨大なものとなる。またマップ設定時の機関運転状態と異なる運転状態に対応するために、マップ検索値の補正(例えば上述した空燃比学習値による補正)が必要となる。
特許文献2に示された装置では、係数f(Ne)及び係数G(Regr)は、予め設定されたテーブルを用いて算出されるため、機関特性の経時変化によってテーブルの設定値が不適切な値となった場合に対応できない(あるいは別途補正が必要となる)。また排気還流率の算出が必要となり、演算処理が複雑化するという課題がある。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、マップやテーブルを用いることなく気筒吸入空気量を算出することができ、しかも機関特性の経時変化の影響を受けることなく常に正確な気筒吸入空気量を得ることできる気筒吸入空気量算出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の気筒に吸入される新気量である気筒吸入空気量(GAIRCYLN)を算出する、内燃機関の気筒吸入空気量算出装置において、前記機関の吸気通路を通過する新気の流量である吸入空気流量(GAIR,HGAIR)を取得する吸入空気流量取得手段と、前記機関の吸気圧(PBA)を検出する吸気圧検出手段と、前記機関に吸入される空気の温度である吸気温(TA)を検出する吸気温検出手段と、前記吸気圧(PBA)及び吸気温(TA)に基づいて理論気筒吸入空気量(GAIRSTD)を算出する理論気筒吸入空気量算出手段と、前記気筒吸入空気量の前回算出値(GAIRCYLN(k-1))を前記理論気筒吸入空気量(GAIRSTD)で除算することにより前記機関の体積効率(ηv)を算出する体積効率算出手段と、前記体積効率(ηv)、前記吸入空気流量(GAIR,HGAIR)、及び前記気筒吸入空気量の前回算出値(GAIRCYLN(k-1))を用いて、前記気筒吸入空気量(GAIRCYLN)を算出する気筒吸入空気量算出手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、吸気圧及び吸気温に基づいて理論気筒吸入空気量が算出され、気筒吸入空気量の前回算出値を理論気筒吸入空気量で除算することにより体積効率が算出され、体積効率、吸入空気流量、及び気筒吸入空気量の前回算出値を用いて、気筒吸入空気量が算出される。したがって、マップやテーブルを用いることなく気筒吸入空気量を算出することができ、また体積効率が検出パラメータを用いて更新されるので、機関特性の経時変化の影響を受けることなく常に正確な気筒吸入空気量を得ることできる。
前記吸入空気流量取得手段は、吸入空気流量センサ(13)を用いて前記吸入空気流量(GAIR)を検出することが望ましい。
この構成によれば、吸入空気流量センサを用いて検出された吸入空気流量を用いて気筒吸入空気量が算出される。吸入空気流量は、吸気圧やスロットル弁の開度を用いて推定することもできるが、流量センサにより直接的に検出することにより、推定による誤差を含まない気筒吸入空気量が得られる。
前記吸入空気流量取得手段は、前記機関のスロットル弁の開度(TH)及び前記吸気圧(PBA)に基づいて前記吸入空気流量(HGAIR)を推定するようにしてもよい。
この構成によれば、機関のスロットル弁の開度及び吸気圧に基づいて推定された吸入空気流量を用いて気筒吸入空気量が算出されるので、吸入空気流量センサを設ける必要がなくなり、コストを低減できる。また過渡的な運転状態では、吸入空気量センサを用いる場合に比べて検出の遅れの影響が小さく、正確な気筒吸入空気量が得られる。また、吸入空気流量センサを併用することにより、過渡的な運転状態での吸入空気流量センサの検出遅れを補償することができる。その場合にはさらに、吸入空気流量センサの故障検出を行うことができ、気筒吸入空気量に適用する吸入空気流量の信頼性を高めることができる。
前記体積効率算出手段は、前記気筒吸入空気量算出手段により算出された気筒吸入空気量を前記前回算出値(GAIRCYLN(i-1))として用いて、前記体積効率(ηv(i))を少なくとも1回更新し、前記気筒吸入空気量算出手段は、更新された体積効率(ηv(i))を用いて前記気筒吸入空気量(GAIRCYLN(i))を少なくとも1回更新することが望ましい。
この構成によれば、気筒吸入空気量算出手段により算出された気筒吸入空気量を前回算出値として用いて、体積効率が少なくとも1回更新され、さらに更新された体積効率を用いて気筒吸入空気量が少なくとも1回更新されるので、過渡的な機関運転状態においてより正確な(真の値に近い)体積効率及び気筒吸入空気量を得ることができる。
前記体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段は、それぞれ前記体積効率の更新及び前記気筒吸入空気量の更新を所定回数(iMAX)実行することが望ましい。
この構成によれば、体積効率の更新及び気筒吸入空気量の更新が所定回数実行されるので、更新演算に要する時間を一定とすることができる。
前記体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段は、それぞれ前記体積効率の更新及び前記気筒吸入空気量の更新を、前記体積効率の前回値と更新された値との差(Dηv)が第1所定量(DηvL)より小さくなるまで、または前記気筒吸入空気量の前回値と更新された値との差(DGACN)が第2所定量(DGACNL)より小さくなるまで実行するようにしてもよい。
この構成によれば、体積効率の前回値と更新された値との差が第1所定量より小さくなるまで、または気筒吸入空気量の前回値と更新された値との差が第2所定量より小さくなるまで、体積効率及び気筒吸入空気量の更新が行われるので、更新演算を適切な時期に終了することができる。
また前記体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段は、前記機関の始動直後においては、前記気筒吸入空気量の前回算出値として、前記理論気筒吸入空気量を用いることが望ましい。
機関の始動直後においては、気筒吸入空気量の前回算出値が存在しないので、理論気筒吸入空気量を用いることにより、正確な気筒吸入空気量を早期に得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 図1に示す機関を模式的に示す図である。 スロットル弁を開弁したときのスロットル弁通過空気流量(GAIRTH)及び気筒吸入空気量(GAIRCYLN)の推移を示すタイムチャートである。 気筒吸入空気量(GAIRCYLN)を算出するモジュールの構成を示すブロック図である(第1の実施形態)。 気筒吸入空気量(GAIRCYLN)を算出するモジュールの構成を示すブロック図である(第2の実施形態)。 推定吸入空気流量(HGAIR)の算出に使用されるテーブルを示す図である。 本発明の第3の実施形態における気筒吸入空気量算出処理のフローチャートである。 図7の処理を説明するためのタイムチャートである。 図7の処理の変形例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態における気筒吸入空気量算出処理のフローチャートである。 理論気筒吸入空気量の他の算出手法を説明するための図である。 理論気筒吸入空気量(GAIRSTD)を算出する処理のフローチャートである。 図12の処理で参照されるテーブルを示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関とその制御装置の構成を示す図であり、図1において、例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、吸気弁の作動位相を連続的に変更する弁作動特性可変機構40を備えている。
エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはその開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が連結されており、スロットル弁開度THに応じた電気信号を出力して電子制御ユニット(以下(ECU)という)5に供給する。スロットル弁3には、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ7が接続されており、アクチュエータ7は、ECU5によりその作動が制御される。
吸気管2には、スロットル弁3を介してエンジン1に吸入される空気(新気)の流量である吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ13が設けられ、さらにスロットル弁3の上流側に吸気温TAを検出する吸気温センサ9が設けられている。これらのセンサ13及び9の検出信号は、ECU5に供給される。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
エンジン1の各気筒の点火プラグ12は、ECU5に接続されており、ECU5は点火プラグ12に点火信号を供給し、点火時期制御を行う。
スロットル弁3の下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ8が取付けられている。またエンジン1の本体には、エンジン冷却水温TWを検出するエンジン冷却水温センサ10が取り付けられている。これらのセンサ8及び10の検出信号は、ECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ11が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ11は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
ECU5には、エンジン1によって駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ31、エンジン1により駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ32、及び大気圧PAを検出する大気圧センサ33が接続されている。これらのセンサの検出信号は、ECU5に供給される。
またエンジン1は排気還流機構(図示せず)を備えており、エンジン1の排気が吸気管2のスロットル弁3の下流側に還流される。
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路のほか、アクチュエータ7、燃料噴射弁6、弁作動特性可変機構40に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
ECU5のCPUは、上記センサの検出信号に応じて、点火時期制御、スロットル弁3の開度制御、エンジン1に供給する燃料量(燃料噴射弁6の開弁時間)の制御、並びに吸気弁の作動位相制御を行う。
さらにECU5のCPUは、検出される吸入空気流量GAIR、吸気圧PBA、及び吸気温TAに基づいてエンジン1の気筒に吸入される新気量である気筒吸入空気量GAIRCYLN[g/TDC](1TDC期間、すなわちエンジン1のクランク軸が180度回転するのに要する時間当たりの空気量)を算出する。算出した気筒吸入空気量GAIRCYLNは、燃料供給量や点火時期の制御に適用される。
図2はエンジン1を模式的に示す図であり、吸気弁21、排気弁22、気筒1aが示されている。吸気管2のスロットル弁下流側部分2a内の空気量の変化量DGAIRINは、下記式(1)で与えられる。式(1)のVinはスロットル弁下流側部分2aの容積、TAKは絶対温度に変換した吸気温TA、Rは気体定数、DPBAは吸気圧PBAの変化量(PBA(k)−PBA(k-1))である。また「k」はTDC期間で離散化した離散化時刻である。
DGAIRIN=Vin×DPBA/(R×TAK) (1)
したがって、スロットル弁3を通過する新気の流量(吸入空気流量)であるスロットル弁通過空気流量GAIRTH[g/TDC]と、気筒吸入空気量GAIRCYLN[g/TDC]の差は、下記式(2)で示されるように上記変化量DGAIRINと等しくなる。
DGAIRIN=GAIRTH(k)−GAIRCYLN(k-1) (2)
一方、気筒吸入空気量GAIRCYLNは、下記式(3)で与えられる。式(3)のVcylは気筒容積であり、ηvは体積効率である。
GAIRCYLN=Vcyl×ηv×PBA/(R×TAK) (3)
式(3)を用いると、吸気圧変化量DPBAは、下記式(4)で与えられる。式(4)で与えられるDPBA及び式(2)の関係を式(1)に適用することにより、下記式(5)が得られる。
Figure 2010095477
したがって、遅れ係数CGAIRCYLNを下記式(6)で定義すると、式(5)は下記式(5a)で示され、気筒吸入空気量GAIRCYLNは、スロットル弁通過空気流量GARITHを入力とする一次遅れモデルの式を用いて算出することができる。
CGAIRCYLN=Vcyl×ηv/Vin (6)
GAIRCYLN(k)=
(1−CGAIRCYLN)×GAIRCYLN(k-1)
+CGAIRCYLN×GAIRTH(k) (5a)
図3は、スロットル弁3を急激に開弁したときのスロットル弁通過空気流量GAIRTH(破線)、及び気筒吸入空気量GAIRCYLN(実線)の推移を示す図であり、式(5a)により近似できることが確認される。
式(6)により遅れ係数CGAIRCYLNを算出するためには、体積効率ηvを算出することが必要である。体積効率ηvは、エンジン運転状態(エンジン回転数NE,吸気圧PBA)、吸気弁の作動位相、排気還流率などに依存して変化するものであり、上記特許文献2に示される手法で算出すると、エンジン特性の経時変化に対応できない、あるいは演算処理が複雑化するという問題がある。
そこで本実施形態では、下記式(7)により、気筒吸入空気量GAIRCYLN(k)の算出に用いる体積効率ηvを算出するようにしている。
ηv=GAIRCYLN(k-1)/GAIRSTD(k) (7)
式(7)のGAIRSTD(k)は下記式(8)により算出される理論気筒吸入空気量である。
GAIRSTD(k)=PBA(k)×Vcyl/(R×TAK) (8)
式(7)を用いることにより、マップやテーブルを用いることなく体積効率ηvを算出することが可能となり、常に更新されるのでエンジン特性の経時変化の影響を受けることなく最適な値を得ることできる。
図4は、上述した手法により気筒吸入空気量GAIRCYLNを算出する気筒吸入空気量算出モジュールの構成を示すブロック図である。このモジュールの機能は、実際にはECU5のCPUによる演算処理により実現される。
図4に示す気筒吸入空気量算出モジュールは、遅れ係数算出部51と、変換部52と、気筒吸入空気量算出部53とを備えている。
遅れ係数算出部51は、上記式(6)〜(8)を用いて遅れ係数CGAIRCYLNを算出する。変換部52は、検出される吸入空気流量GAIR[g/sec]及びエンジン回転数NEを下記式(9)に適用し、1TDC期間当たりの吸入空気量であるスロットル弁通過空気流量GAIRTH[g/TDC]を算出する。式(9)のKCVは変換係数である。
GAIRTH=GAIR×KCV/NE (9)
気筒吸入空気量算出部53は、上記式(5a)を用いて気筒吸入空気量GAIRCYLNを算出する。
式(5a)は漸化式であり、また体積効率ηvを算出する式(7)も、気筒吸入空気量GAIRCYLNの前回値を用いるため、気筒吸入空気量GAIRCYLNの初期値GAIRCYLNINIの設定が必要である。本実施形態では、初期値GAIRCYLNINIは、下記式(10)により、理論気筒吸入空気量GAIRSTDに設定される。よって体積効率ηvの初期値は「1」となる(式(7))。
GAIRCYLNINI=GAIRSTD
=PBA×Vcyl/(R×TAK) (10)
以上のように本実施形態では、吸気圧PBA、吸気温TA、及び気筒容積Vcylに基づいて理論気筒吸入空気量GAIRSTDが算出され、気筒吸入空気量の前回算出値GAIRCYLN(k-1)を理論気筒吸入空気量GAIRSTDで除算することにより体積効率ηvが算出され、体積効率ηv、スロットル弁通過空気流量GAIRTH、及び気筒吸入空気量の前回算出値GAIRCYLN(k-1)を用いて、気筒吸入空気量GAIRCYLN(k)が算出される。したがって、マップやテーブルを用いることなく気筒吸入空気量GAIRCYLNを算出することができ、また体積効率ηvが式(7)を用いて更新されるので、エンジン特性の経時変化の影響を受けることなく常に正確な気筒吸入空気量GAIRCYLNを得ることできる。
本実施形態では、吸入空気流量センサ13が吸入空気流量取得手段に相当し、吸気圧センサ8及び吸気温センサ9が、それぞれ吸気圧検出手段及び吸気温検出手段に相当する。またECU5が、理論気筒吸入空気量算出手段、体積効率算出手段、及び気筒吸入空気量算出手段を構成する。
[第2の実施形態]
本実施形態は、図3に示す気筒吸入空気量算出モジュールに代えて、図5に示す気筒吸入空気量算出モジュールを用いるようにしたものである。以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
図5の気筒吸入空気量算出モジュールは、図3のモジュールに吸入空気流量推定部54を追加し、変換部52及び気筒吸入空気量算出部53をそれぞれ変換部52a及び気筒吸入空気量算出部53aに変更したものである。
吸入空気流量推定部54は、吸気温TA,吸気圧PBA,スロットル弁開度TH,及び大気圧PAに応じて、吸入空気流量GAIRの推定値である推定吸入空気流量HGAIRを、下記式(11)により算出する。式(11)のKCは流量の単位を[g/sec]とするための変換定数であり、KTH(TH)はスロットル弁開度THに応じて算出される開口面積流量関数であり、Ψ(RP)は、スロットル弁3の上流側圧力である大気圧PAと、下流側圧力である吸気圧PBAとの比率RP(=PBA/PA)に応じて算出される圧力比流量関数であり、Rは気体定数である。開口面積流量関数KTH(TH)の値は、予め実験的に求められた図6(a)に示すKTHテーブルを用いて算出される。また圧力比流量関数Ψは、下記式(12)で与えられる。式(12)の「κ」は空気の比熱比である。ただし、空気流速が音速を超えると、圧力比流量関数Ψは圧力比に拘わらず極大値をとるので、実際の演算処理では、圧力比流量関数Ψ(RP)の値も予め設定されたΨ(RP)テーブル(図6(b))を用いて算出される。
Figure 2010095477
変換部52aは、推定吸入空気流量HGAIR[g/sec]及びエンジン回転数NEを下記式(9a)に適用し、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTH[g/TDC]を算出する。
HGAIRTH=HGAIR×KCV/NE (9a)
気筒吸入空気量算出部53aは、下記式(5b)を用いて気筒吸入空気量GAIRCYLNを算出する。
GAIRCYLN(k)=
(1−CGAIRCYLN)×GAIRCYLN(k-1)
+CGAIRCYLN×HGAIRTH(k) (5b)
本実施形態では、スロットル弁開度TH及び吸気圧PBAに基づいて推定吸入空気流量HGAIRが算出され、推定吸入空気流量HGAIRを用いて気筒吸入空気量GAIRCYLNが算出されるので、吸入空気流量センサ13を設ける必要がなくなり、コストを低減できる。また過渡的な運転状態では、吸入空気量センサ13を用いる場合に比べて検出の遅れの影響が小さく、正確な気筒吸入空気量GAIRCYLNが得られる。また吸入空気流量センサ13を併用することにより、過渡的な運転状態での吸入空気流量センサ13の検出遅れを補償することができる。その場合にはさらに、吸入空気流量センサ13の故障検出を行うことができ、気筒吸入空気量GAIRCYLNに適用する吸入空気流量GAIRの信頼性を高めることができる。
さらにエンジンの定常的な運転状態において、吸入空気流量センサ13により検出される吸入空気流量GAIRTHと、推定吸入空気流量HGAIRとの差を推定誤差DGAIREとして算出し、推定吸入空気流量算出部54における演算に適用される開口面積流量関数KTHを、推定誤差DGARIEが「0」となるように修正するようにしてもよい。これにより、より正確な推定吸入空気流量HGAIRが得られる。
本実施形態では、図5の吸入空気流量推定部54が吸入空気流量取得手段に相当する。
[第3の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態において離散化時刻kにおける体積効率ηv、遅れ係数CGAIRCYLN、及び気筒吸入空気量GAIRCYLNの演算を複数回実行することにより、エンジンの過渡運転状態においてより正確な気筒吸入空気量GAIRCYLNを得られるようにしたものである。以下に説明する点以外は第1の実施形態と同一である。
図7は、本実施形態における気筒吸入空気量算出処理のフローチャートである。この処理は、TDCパルスの発生に同期して1行程毎に(4気筒エンジンであればクランク軸が180度回転する毎に)ECU5のCPUで実行される。
ステップS11では、前記式(8)により理論気筒吸入空気量GAIRSTD(k)を算出する。ステップS12では、初期化フラグFINIが「1」であるか否かを判別する。エンジンの始動直後は、初期化フラグFINIは「0」であるので、ステップS13に進み、気筒吸入空気量GAIRCYLN(k)を理論気筒吸入空気量GAIRSTD(k)に設定するとともに、体積効率ηv(k)を「1.0」に設定する。次いで初期化フラグFINIを「1」に設定する(ステップS14)。
初期化フラグFINIが「1」であるときは、ステップS13からステップSS15に進み、更新演算の実行回数を計数するインデクスパラメータiを「0」に設定する。以下の説明ではインデクスパラメータiを付したGAIRCYLN(i)、ηv(i)、及びCGAIRCYLN(i)をそれぞれ更新気筒吸入空気量、更新体積効率、及び更新遅れ係数という。
ステップS16では、更新気筒吸入空気量GAIRCYLN(i)(i=0)を気筒吸入空気量の前回値GAIRCYLN(k-1)に設定するとともに、更新体積効率ηv(i)(i=0)を体積効率の前回値ηv(k-1)に設定する。
ステップS17では、インデクスパラメータiを「1」だけインクリメントし、ステップS18では下記式(7a)により、更新体積効率ηv(i)を算出する。
ηv(i)=GAIRCYLN(i-1)/GAIRSTD(k) (7a)
ステップS19では、下記式(6a)により、更新遅れ係数CGAIRCYLN(i)を算出する。
CGAIRCYLN(i)=Vcyl×ηv(i)/Vin (6a)
ステップS20では、下記式(5c)により、更新気筒吸入空気量GAIRCYLN(i)を算出する。
GAIRCYLN(i)=
(1−CGAIRCYLN(i))×GAIRCYLN(i-1)
+CGAIRCYLN(i)×GAIRTH(k) (5c)
ステップS21では、インデクスパラメータiが上限値iMAXに達したか否かを判別する。本実施形態では、上限値iMAXは例えばCPUの処理能力(演算速度)に応じて2以上の値に設定される。最初はステップS21の答は否定(NO)であるので、ステップS22に進み、下記式(21)により体積効率変化量Dηvを算出する。
Dηv=|ηv(i)−ηv(i-1)| (21)
ステップS23では、体積効率変化量Dηvが所定閾値DηvLより小さいか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときはステップS17に戻り、ステップS17〜S20により、更新体積効率ηv(i)及び更新気筒吸入空気量GAIRCYLN(i)の算出を再度実行する。
ステップS21またはS23の答が肯定(YES)となると、ステップS24に進み、その時点の体積効率ηv(k)及び気筒吸入空気量GAIRCYLN(k)を、それぞれその時点の更新体積効率ηv(i)及び更新気筒吸入空気量GAIRCYLN(i)に設定する。
図8は、図7の処理を説明するためのタイムチャートであり、気筒吸入空気量GAIRCYLNが増加する過渡状態における理論気筒吸入空気量GAIRSTD、気筒吸入空気量GAIRCYLN、及び体積効率ηvの推移が示されている。気筒吸入空気量GAIRCYLN及び体積効率ηvの推移を示す破線は、第1の実施形態の算出手法に対応し、実線が本実施形態の算出手法に対応する。
時刻kにおける演算において、細い実線の矢印がi=1の演算を示し、破線の矢印がi=2の演算を示し、一点鎖線の矢印がi=3の演算を示す。この例では、時刻kにおいてインデクスパラメータiが「3」となるまで更新演算がおこなわれたことが示されており、時刻(k+1)、(k+2)においても同様に更新演算が行われ(図示省略)、時刻(k+2)において、定常状態に達した気筒吸入空気量GAIRCYLNを得ることができる。このように更新演算を行うことにより、過渡的な運転状態においてより正確な体積効率ηv及び気筒吸入空気量GAIRCYLNを得ることができる。
またインデクスパラメータiが上限値iMAXに達する前でも、体積効率変化量Dηvが所定閾値DηvLより小さくなったときは、更新演算を終了するようにしたので、更新演算を適切な時期に終了することができる。
本実施形態では、図7のステップS11が理論気筒吸入空気量算出手段に相当し、ステップS12〜S24が体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段に相当する。
[変形例1]
図9は図7に示す処理の変形例を示すフローチャートである。図9の処理は、図7のステップS22及びS23をそれぞれステップS22a及びS23aに変えたものである。ステップS22aでは、下記式(22)により気筒吸入空気量変化量DGACNを算出する。
DGACN=|GAIRCYLN(i)−GAIRCYLN(i-1)|
(22)
ステップS23aでは、気筒吸入空気量変化量DGACNが所定閾値DGACNLより小さいか否かを判別し、その答が否定(NO)である間はステップS17に戻り、肯定(YES)となるとステップS24に進む。
この変形例では、インデクスパラメータiが上限値iMAXに達する前でも、気筒吸入空気量変化量DGACNが所定閾値DGACNLより小さくなったときは、更新演算が終了する。
[変形例2]
図7のステップS22及びS23を削除し、ステップS21の答が否定(NO)であるときは直ちにステップS17に戻るようにしてもよい。この変形例では、更新演算は常にインデクスパラメータiが上限値iMAXに達するまで実行される。
[第4の実施形態]
本実施形態は、第2の実施形態に第3の実施形態と同様の更新演算を導入したものである。
図10は本実施形態における気筒吸入空気量算出処理のフローチャートであり、図7の処理にステップS11aを追加するとともに、ステップS20をステップS20aに変更したものである。
ステップS11aでは、第2の実施形態の吸入空気流量推定部54及び変換部52aにおける演算処理を実行し、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHを算出する。
ステップS20aでは、下記式(5d)により更新気筒吸入空気量GAIRCYLN(i)を算出する。式(5d)は式(5c)のスロットル弁通過空気流量GAIRTHを推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHに変えたものである。
GAIRCYLN(i)=
(1−CGAIRCYLN(i))×GAIRCYLN(i-1)
+CGAIRCYLN(i)×HGAIRTH(k) (5d)
本実施形態では、検出吸入空気流量GAIRに代えて推定吸入空気流量HGAIRが適用されるので、前述したように、エンジンの過渡的な運転状態では、吸入空気流量の検出遅れの影響が小さくなり、第3の実施形態に比べてより正確な気筒吸入空気量GAIRCYLNが得られる。
本実施形態においても、ステップS22及びS23を図9の処理と同様にステップS22a及びS23aに変更してもよい。
本実施形態では、ステップS11a,S12〜S19,S20a,及びS21〜S24が体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では式(8)を用いて理論気筒吸入気量GAIRSTDを算出するようにしたが、以下に説明する手法により算出するようにしてもよい。
図11は、理論気筒吸入気量GAIRSTDを算出する他の手法を説明するための図であり、エンジン回転数NEが一定の条件下における吸気圧PBAと、気筒吸入空気量GAIRCYLとの関係を示す。図11のPA0は、基準状態の大気圧(例えば101.3kPa(760mmHg))であり、GAIRWOTは吸気圧PBAが基準大気圧PA0に等しく且つ実際の吸入空気温度が基準温度TA0(例えば25℃)であるときに実測された気筒吸入空気量である(以下「最大気筒吸入空気量」という)。最大気筒吸入空気量GAIRWOTは、吸入空気流量センサにより検出された吸入空気流量GAIRを式(9)に適用することにより得られる。
吸気圧PBAが変化すると、理論気筒吸入空気量は図11に示す理論線LSTD上を移動し、大気圧PAが変化したときは最大気筒吸入空気量GAIRWOTが理論線LSTD上を移動するので、図11に示す理論線LSTDを大気圧PAの変化に拘わらず使用することができる。したがって、エンジン回転数NEに応じて最大気筒吸入空気量GAIRWOTを算出し、下記式(21)に検出される吸気圧PBAとともに適用することにより、基準状態における理論気筒吸入空気量である基本理論気筒吸入空気量GAIRSTDBを算出することができる。
GAIRSTDB=GAIRWOT×PBA/PA0 (21)
さらに基本理論気筒吸入空気量GAIRSTDBを検出される吸気温TA及びエンジン冷却水温TWに応じて補正することにより、理論気筒吸入気量GAIRSTDが得られる。実際の吸入空気温度は、エンジン温度(特に吸気ポート温度)の影響で吸気温センサ9により検出される吸気温TAからずれるので、エンジン冷却水温TWに応じた補正を行うことが望ましい。
図12は、上述した手法により、理論気筒吸入気量GAIRSTDを算出する処理のフローチャートである。
ステップS31では、エンジン回転数NEに応じて図13(a)に示すGAIRWOTテーブルを検索し、最大気筒吸入空気量GAIRWOTを算出する。ステップS32では、上記式(21)により基本理論気筒吸入空気量GAIRSTDBを算出する。
ステップS33では、検出される吸気温TAに応じて図13(b)に示すKTAGAIRテーブルを検索し、吸気温補正係数KTAGAIRを算出する。KTAGAIRテーブルは、吸気温TAが高くなるほど吸気温補正係数KTAGAIRが減少するように設定されている。
ステップS34では、検出されるエンジン冷却水温TWに応じて図13(c)に示すKTWGAIRテーブルを検索し、冷却水温補正係数KTWGAIRを算出する。KTWGAIRテーブルは、冷却水温TWが高くなるほど冷却水温補正係数KTWGAIRが減少するように設定されている。
ステップS35では、下記式(22)により、理論気筒吸入空気量GAIRSTD(k)を算出する。
GAIRSTD(k)=
GAIRSTDB×KTAGAIR×KTWGAIR (22)
図12の処理によれば、前述した式(8)による演算に比べて演算量の増加を抑制しつつ、理論気筒吸入空気量GAIRSTDの算出精度を向上させることができる。
また上述した実施形態では、大気圧センサ33により検出した大気圧PAを用いて推定吸入空気流量HGAIRを算出するようにしたが、公知の大気圧推定手法(例えば米国特許第6016460号公報参照)を用いて算出した推定大気圧HPAを用いて推定吸入空気流量HGAIRを算出するようにしてもよい。
また上述した実施形態では、本発明をガソリン内燃エンジンに適用した例を示したが、本発明はディーゼル内燃エンジンにも適用可能である。また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどにも適用が可能である。
1 内燃機関
1a 気筒
2 吸気管
3 スロットル弁
5 電子制御ユニット(理論気筒吸入空気量算出手段、体積効率算出手段、気筒吸入空気量算出手段)
8 吸気圧センサ(吸気圧検出手段)
9 吸気温センサ(吸気温検出手段)
13 吸入空気流量センサ(吸入空気流量取得手段)
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の気筒に吸入される新気量である気筒吸入空気量(GAIRCYLN)を算出する、内燃機関の気筒吸入空気量算出装置において、前記機関の吸気通路を通過する新気の流量である吸入空気流量(GAIR,HGAIR)を取得する吸入空気流量取得手段と、前記機関の吸気圧(PBA)を検出する吸気圧検出手段と、前記機関に吸入される空気の温度である吸気温(TA)を検出する吸気温検出手段と、前記吸気圧(PBA)及び吸気温(TA)に基づいて理論気筒吸入空気量(GAIRSTD)を算出する理論気筒吸入空気量算出手段と、前記気筒吸入空気量の前回算出値(GAIRCYLN(k-1))を前記理論気筒吸入空気量(GAIRSTD)で除算することにより前記機関の体積効率(ηv)を算出する体積効率算出手段と、前記体積効率(ηv)、前記吸入空気流量(GAIR,HGAIR)、及び前記気筒吸入空気量の前回算出値(GAIRCYLN(k-1))を用いて、前記気筒吸入空気量(GAIRCYLN)を算出する気筒吸入空気量算出手段とを備え、前記体積効率算出手段は、前記気筒吸入空気量算出手段により算出された気筒吸入空気量を前記前回算出値(GAIRCYLN(i-1))として用いて、前記体積効率(ηv(i))を1行程内で少なくとも1回更新し、前記気筒吸入空気量算出手段は、更新された体積効率(ηv(i))を用いて前記気筒吸入空気量(GAIRCYLN(i))を1行程内で少なくとも1回更新することを特徴とする。
この構成によれば、吸気圧及び吸気温に基づいて理論気筒吸入空気量が算出され、気筒吸入空気量の前回算出値を理論気筒吸入空気量で除算することにより体積効率が算出され、体積効率、吸入空気流量、及び気筒吸入空気量の前回算出値を用いて、気筒吸入空気量が算出される。したがって、マップやテーブルを用いることなく気筒吸入空気量を算出することができ、また体積効率が検出パラメータを用いて更新されるので、機関特性の経時変化の影響を受けることなく常に正確な気筒吸入空気量を得ることできる。また、気筒吸入空気量算出手段により算出された気筒吸入空気量を前回算出値として用いて、体積効率が1行程内で少なくとも1回更新され、さらに更新された体積効率を用いて気筒吸入空気量が1行程内で少なくとも1回更新されるので、過渡的な機関運転状態においてより正確な(真の値に近い)体積効率及び気筒吸入空気量を得ることができる。

Claims (14)

  1. 内燃機関の気筒に吸入される新気量である気筒吸入空気量を算出する、内燃機関の気筒吸入空気量算出装置において、
    前記機関の吸気通路を通過する新気の流量である吸入空気流量を取得する吸入空気流量取得手段と、
    前記機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
    前記機関に吸入される空気の温度である吸気温を検出する吸気温検出手段と、
    前記吸気圧及び吸気温に基づいて理論気筒吸入空気量を算出する理論気筒吸入空気量算出手段と、
    前記気筒吸入空気量の前回算出値を前記理論気筒吸入空気量で除算することにより前記機関の体積効率を算出する体積効率算出手段と、
    前記体積効率、前記吸入空気流量、及び前記気筒吸入空気量の前回算出値を用いて、前記気筒吸入空気量を算出する気筒吸入空気量算出手段とを備えることを特徴とする内燃機関の気筒吸入空気量算出装置。
  2. 前記吸入空気流量取得手段は、吸入空気流量センサを用いて前記吸入空気流量を検出する請求項1の気筒吸入空気量算出装置。
  3. 前記吸入空気流量取得手段は、前記機関のスロットル弁の開度及び前記吸気圧に基づいて前記吸入空気流量を推定する請求項1の気筒吸入空気量算出装置。
  4. 前記体積効率算出手段は、前記気筒吸入空気量算出手段により算出された気筒吸入空気量を前記前回算出値として用いて、前記体積効率を少なくとも1回更新し、
    前記気筒吸入空気量算出手段は、更新された体積効率を用いて前記気筒吸入空気量を少なくとも1回更新する請求項1から3の何れか1項の気筒吸入空気量算出装置。
  5. 前記体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段は、それぞれ前記体積効率の更新及び前記気筒吸入空気量の更新を所定回数実行する請求項4の気筒吸入空気量算出装置。
  6. 前記体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段は、それぞれ前記体積効率の更新及び前記気筒吸入空気量の更新を、前記体積効率の前回値と更新された値との差が第1所定量より小さくなるまで、または前記気筒吸入空気量の前回値と更新された値との差が第2所定量より小さくなるまで実行する請求項4の気筒吸入空気量算出装置。
  7. 前記体積効率算出手段及び気筒吸入空気量算出手段は、前記機関の始動直後においては、前記気筒吸入空気量の前回算出値として、前記理論気筒吸入空気量を用いる請求項1から6の何れか1項の気筒吸入空気量算出装置。
  8. 内燃機関の気筒に吸入される新気量である気筒吸入空気量を算出する、内燃機関の気筒吸入空気量算出方法において、
    a)前記機関の吸気通路を通過する新気の流量である吸入空気流量を取得し、
    b)前記機関の吸気圧を検出し、
    c)前記機関に吸入される空気の温度である吸気温を検出し、
    d)前記吸気圧及び吸気温に基づいて理論気筒吸入空気量を算出し、
    e)前記気筒吸入空気量の前回算出値を前記理論気筒吸入空気量で除算することにより前記機関の体積効率を算出し、
    f)前記体積効率、前記吸入空気流量、及び前記気筒吸入空気量の前回算出値を用いて、前記気筒吸入空気量を算出することを特徴とする内燃機関の気筒吸入空気量算出方法。
  9. 前記ステップa)では、吸入空気流量センサを用いて前記吸入空気流量が検出される請求項8の気筒吸入空気量算出方法。
  10. 前記ステップa)では、前記機関のスロットル弁の開度及び前記吸気圧に基づいて前記吸入空気流量が推定される請求項8の気筒吸入空気量算出方法。
  11. 前記ステップe)は、前記ステップf)で算出された気筒吸入空気量を前記前回算出値として用いて、前記体積効率を少なくとも1回更新するステップを含み、
    前記ステップf)は、更新された体積効率を用いて前記気筒吸入空気量を少なくとも1回更新するステップを含む請求項8から10の何れか1項の気筒吸入空気量算出方法。
  12. 前記体積効率及び前記気筒吸入空気量はそれぞれ所定回数更新される請求項11の気筒吸入空気量算出方法。
  13. 前記体積効率及び前記気筒吸入空気量は、それぞれ前記体積効率の前回値と更新された値との差が第1所定量より小さくなるまで、または前記気筒吸入空気量の前回値と更新された値との差が第2所定量より小さくなるまで更新される請求項11の気筒吸入空気量算出方法。
  14. 前記機関の始動直後においては、前記気筒吸入空気量の前回算出値として、前記理論気筒吸入空気量が用いられる請求項8から13の何れか1項の気筒吸入空気量算出方法。
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