JPWO2010092869A1 - 放射線検出器および放射線検出器の製造方法 - Google Patents

放射線検出器および放射線検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】隣り合うシンチレータ素子との間隔が100μm以下の高解像度X線CT装置用途の放射線検出器において、クロストークが小さい反射材を設けた放射線検出器および放射線検出装置の製造方法を提供する。【解決手段】複数の半導体光検出素子がマトリクス状に配列された半導体光検出素子アレイ上に、複数のシンチレータ素子の各々の底面が各半導体光検出素子に対向するように取り付けて配列し、シンチレータ素子の底面を除く面に光反射材を設ける。光反射材は下地材と金属反射材とを順に形成する。

Description

本発明は、X線、α線、β線、γ線などの放射線を扱うコンピュータ断層撮影(CT)装置に用いられる放射線検出器に関するもので、特にシンチレータ素子を用いた分解能の高いX線CT装置用放射線検出器に関するものである。
放射線CT装置は、被撮影体を中心に対称の位置関係で放射線源(例えばX線管)と放射線検出器とを配置したもので、検出位置ごとの放射線強度を測定して被撮影体の内部構造を観察する構成になっている。
放射線検出器の基本構造は、複数の配列した半導体光検出素子にシンチレータ素子を配置したものであり、シンチレータ素子が放射線源側に開口してX線などの放射線を受けるようになっている。シンチレータ素子は一般的に柱状に加工されたCdWO、BiGe12、GdSなどの材料からなり、複数のシンチレータ素子が互いに隣接する素子と間隔をあけて2次元配置されている。放射線がシンチレータ素子の開口面に入射すると、シンチレータ素子自身が発光して可視光を発し、この可視光を開口面の反対面に配置された半導体光検出素子が受光して電気信号を出力する。放射線CT装置では、隣り合って配置された複数のシンチレータ素子がCT画像の各画素に相当する。従って、放射線検出器のシンチレータ素子は、出来るだけ小さくかつ隣の素子との間隔が狭くなるように設計され、解像度、分解能の向上が図られている。
柱状に加工されたシンチレータ素子の外周面は、半導体光検出素子との対向面を除いて光反射材が被覆されている。特許文献1には、シンチレータ素子に酸化チタンなどの粉末をエポキシ系などの樹脂で混練した白色塗料(光反射材)を被覆する例が開示されている。このように、シンチレータ素子の外周面を光反射材で被覆することにより、シンチレータ素子で発光した可視光はシンチレータ素子内部に閉じ込められ、効率良く半導体光検出素子に導かれる。
シンチレータ素子を被覆する光反射材の他の例として、特許文献2には、スパッタリング法、CVD(化学気相堆積)法などの方法でシンチレータ素子表面にAu、Ag、Al、Ni等の金属反射材を被覆する例が開示されている。
また、金属反射材としては、特許文献3に金属粒子の焼結体を反射材とする例が開示されている。本文献では、溶媒に粒径1μm以下、好ましくは0.1μm以下の金属微粒子を分散させたコーティング材を焼結することで、金属反射材が得られるとしている。
特開平5―19060号公報 特開2005―189234号公報 特開2004−333381号公報
放射線CT装置の高解像度化の要求に伴い、シンチレータ素子を用いた放射線検出器は、シンチレータ素子の開口面積は小さく、隣の素子との間隔は狭く配置する改良がなされてきた。近年では、隣り合うシンチレータ素子の間隔は100μm以下が要求されるようになってきている。このような狭い間隔でシンチレータ素子を並べる放射線検出器の作製では、従来技術において以下のような問題があった。
従来技術では、特許文献1のように、隣り合うシンチレータ素子の隙間に酸化チタンなどの粉末をエポキシ系樹脂などで混練した白色塗料を充填して反射材としていた。この方法では、シンチレータ素子が発した可視光は、白色塗料中の酸化チタン粉末で反射して、半導体光検出素子に導かれる。
ところが、隣り合うシンチレータ素子の間隔が狭くなると、充填される白色塗料が薄くなってしまい、シンチレータ素子が発した可視光の一部は酸化チタン粉末で反射せず、白色塗料を透過して隣り合うシンチレータ素子に侵入してしまう。この現象はクロストークと呼ばれるもので、放射線検出器の解像度、分解能を下げる原因となってしまう。
図8は、酸化チタン粉末とエポキシ系樹脂を混練した白色塗料の、反射材厚みと波長500nmの光の光透過率との関係を示したものである。反射材である白色塗料が薄くなると光透過率は増大する傾向がある。特に100μm以下の厚さになると光透過率の増大が顕著であり、このような光透過率では、放射線検出器においてクロストークの発生は避けられない。
この問題を解決する方法として、エポキシ系樹脂と混練する酸化チタン粉末の量を増やし、酸化チタン粉末の密度を上げて光が透過しないようにする方法が考えられる。しかし、酸化チタン粉末の量を増やすほど白色塗料の粘度が高くなり、隣り合うシンチレータ素子の隙間に充填しにくくなる。
従って、隣り合うシンチレータ素子の間隔が狭い放射線検出器に、酸化チタンなどの粉末をエポキシ系樹脂などで混練した白色塗料を充填することは、充填性と光学特性の両立の観点から困難であることがわかっている。
一方、反射材が金属の場合、概ね厚さが0.1μm以上の金属であれば、可視光を透過することなく全反射することが可能である。従って、シンチレータ素子を被覆する反射材に金属を用いれば、隣り合うシンチレータ素子の間隔が狭くなってもクロストークを回避することができる。
しかし、隣り合うシンチレータ素子の隙間に金属反射材を形成するのは、隙間に対してシンチレータ素子が厚いので非常に困難である。例えば、隣り合うシンチレータ素子の隙間が100μm、シンチレータ素子の厚みが1.7mmとすると、幅100μm、深さ1.7mmの溝の側面に金属反射材を形成しなければならないことになる。このように、アスペクト比の高い溝の側面に、特許文献2に開示されるような、蒸着法、スパッタリング法、CVD法などを用いて金属反射膜を形成しようとしても、溝の底面に近くなるほど膜厚は薄くなってしまうので、反射材として機能する厚さの金属をシンチレータ素子側面全体に形成するのは非常に困難である。
図9は、スパッタリング法を用いて、幅100μm、深さ1.7mmの溝内にAg膜を形成したときの、溝深さ方向のAg膜厚分布である。図9では溝最上部のAg膜厚が1μmになるように膜を形成しているが、溝の側面に形成されるAgの膜厚は溝深さに比例して薄くなり、表面からの深さが0.2mm以上になると溝側面にはAg膜は形成されなくなってしまう。従って、図9のような方法では、隣り合うシンチレータ素子の隙間に反射材を形成することはできない。
他に、アスペクト比の高い溝の側面に金属反射材を形成する方法として、特許文献3に開示されるような、金属微粒子を含む溶液を塗布・焼結して金属膜を形成する方法が考えられる。しかしこの方法では、膜組織が金属微粒子の粒径を反映して粗くなるため、光が散乱して高い光反射率を得ることはできない。
図10は、平均粒径25nmのAg微粒子を分散させた溶液をシンチレータ素子表面に塗布して焼結したAg膜の反射特性を示したものである。図10のAg膜では、波長400nmから900nmの可視光域全域において、50%以下の光反射率しか得られない。
さらに、金属微粒子を含む溶液は、金属微粒子を作製して溶媒に分散させる工程が必要になることから、非常に高価な溶液になる。従って、金属微粒子を含む溶液を用いると、放射線検出器の製造コストが高くなってしまう問題がある。
本願発明は、以上の問題を解決するものであり、隣り合うシンチレータ素子の間隔が狭くても、クロストークが小さい、放射線検出器およびその製造方法を提供するものである。
本発明の放射線検出器は、複数の半導体光検出素子がマトリクス状に配列された半導体光検出素子アレイ上に、複数のシンチレータ素子の各々がその底面を各半導体光検出素子に対向して配列され、シンチレータ素子の底面以外の面に光反射材を設けた放射線検出器であって、
前記シンチレータ素子は互いに100μm以下の間隔をもって隣り合って配列され、光反射材は下地材と金属反射材とが順に形成されたものであることを特徴としている。
ここで、前記下地材が無機酸化物を含む下地材であってもよい。また、前記無機酸化物が酸化シリコンを含んでもよい。さらに、前記無機酸化膜が酸化チタンを含んでもよい。
また、本発明の放射線検出器の一態様によると、前記酸化シリコンを含む無機酸化物がSOG(Spin On Glass)の焼成物であってもよい。また、前記酸化チタンを含む無機酸化物が酸化チタン前駆体の焼成物であってもよい。また、前記金属反射材がAg、Au、Al、Niの少なくとも一つを含む有機金属化合物の焼成物であってもよい。
本願発明の放射線検出器の製造方法は、シンチレータ基板の片面に格子状で幅100μm以下の加工溝を形成する工程、前記加工溝側面に無機酸化物の下地材と金属反射材とを順に形成する工程、前記シンチレータ基板の溝加工面と反対の面を加工して複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイを形成する工程、複数の半導体光検出素子からなる半導体光検出素子アレイと前記シンチレータアレイとを、半導体光検出素子とシンチレータ素子とが対向するように接着する工程を備えたこと特徴としている。
また、ここで無機酸化物の前駆体溶液を、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法のいずれかの方法で前記加工溝に充填し焼成して、前記下地材を形成してもよい。さらに前記無機酸化物の前駆体溶液の粘度を20cP(0.020Pa・s)以下としてもよい。
また、本発明の放射線検出器の製造方法の一態様では、有機金属化合物溶液を、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法のいずれかの方法で前記下地材を形成した前記加工溝に充填し焼成して、前記金属反射材を形成してもよい。また、前記有機金属化合物溶液の粘度を20cP(0.020Pa・s)以下としてもよい。
本発明によれば、隣り合うシンチレータ素子の間隔が狭くても、クロストークが小さい放射線検出器とすることができる。そして、本発明の放射線検出器は、解像度、分解度が高い、高解像度X線CT装置用放射線検出器として用いることができる。
本発明の実施の形態に係る放射線検出器の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る放射線検出器の断面拡大図である。 本発明の実施の形態に係る放射線検出器の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る金属反射材のSEM像を表す説明図である。 本発明の実施例の一例に係る金属反射材のSEM像を表す説明図である。 本発明の一実施例で用いた有機金属化合物液の焼成温度と金属反射材の光反射率の関係を示す図である。 本発明の他の実施例におけるシンチレータ素子間隔とクロストークとの関係を示す図である。 従来の白色塗料反射材の厚さと光透過率の関係を示す図である。 従来の成膜方法で加工溝に金属反射材を形成したときの膜厚分布を示す図である。 従来の金属微粒子を用いたAg反射材の光反射率を示す図である。 本発明の実施の形態に係る金属反射材のSEM像を表す説明図である。 本発明の実施例の一例に係る金属反射材のSEM像を表す説明図である。
本願発明の放射線検出器及び製造方法に係る実施の形態を以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施例の放射線検出器を示す斜視図である。本願発明の放射線検出器1は、半導体光検出素子アレイ2上にシンチレータアレイ3が接着層4を介して取り付けられたものである。半導体光検出素子アレイ2は、複数の半導体光検出素子21を平板上に配列したもので、図1の例では行方向にN個、列方向にM個のマトリクス状に配列したものとしているが、配列の方法はこれに限られない。シンチレータアレイ3は、柱状に加工されたシンチレータ素子31を含む。このシンチレータアレイ3は、各シンチレータ素子31が、その底面がそれぞれ対応する半導体光検出素子21の表面に一致するように位置あわせされ、接着層4を介して取り付けられる。
シンチレータ素子31は、例えば、CdWO、BiGe12、GdSなどのセラミックスシンチレータ材料を用いることができ、接着層4は光透過率が高い光学用接着剤、例えばEpoxy Technologies社製、Epo−Tek301(商標)などを用いる。図1中には示されていないが、シンチレータ素子31の側面および上面(半導体光検出素子31と対向する面の反対面)には、シンチレータ素子31が発した可視光を反射する反射材が形成されている。
図2は図1に示した放射線検出器1の断面を拡大した模式図である。シンチレータ素子31の側面には、下地材32、金属反射材33が順に形成され、シンチレータ素子31は、接着層4を介して対応する半導体光検出素子21に対向して取り付けられる。
ここで下地材32は、酸化シリコンや酸化チタンなど、シンチレータ素子31の発光波長において光透過率が高い無機酸化物材料を用いて、10nm〜10μmの厚さに形成する。金属反射材33には、Ag、Au、Al、Niの少なくとも一つを含み、シンチレータ素子31の発光波長において光反射率が高い材料を用いて、0.1μm〜10μmの厚さに形成する。金属反射材33の酸化を防ぐために、金属反射材33の上にさらに酸化シリコンなどの保護材をコーティングしても良い。
側面に下地材32と金属反射材33を形成した複数のシンチレータ素子31の間に隙間が生じる場合には、隣り合うシンチレータ素子31との隙間に充填材34を充填しても良い。充填材34にはエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂を用いることができる。さらに、これらの樹脂にタングステン、モリブデンなどの重金属粉末を混練したものを充填すれば、シンチレータ素子31間の放射線遮蔽効果を強め、クロストークの発生をより一層防ぐことができる。
シンチレータ素子31の半導体光検出素子21と対向する面の反対面には、上面反射材35が形成される。この上面反射材35はシンチレータ側面と同様に、下地材32と金属反射材33を順に形成したものを用いても良いし、従来の放射線検出器で反射材として用いられる、酸化チタン粉末などをエポキシ系樹脂などで混練した白色塗料を用いても良い。
次に、図3を用いて、本実施の形態に係る放射線検出器の製造方法を、工程を追いながら説明する。
まず工程1では、所望のサイズに加工したGdSのシンチレータ基板5に、機械加工で溝を略一定のピッチで格子状に形成する(図3(a))。
次に工程2で、溝加工したシンチレータ基板5を、日立化成工業(株)製、HSG−R7−13のSOG液6に浸漬して、シンチレータ基板5に形成した溝内にSOG液6を充填する(図3(b))。なお、このようなディップコーティング法でシンチレータ基板5の溝内部にSOG液6を充填する方法に代えて、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法などの方法を用いて充填を行ってもよい。
SOG液6とシンチレータ基板5の濡れ性が悪い場合には、SOG液6を溝内部に充填する前に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理や、酸素プラズマ照射などの濡れ性改善の前処理を行なっても良い。さらに、溝内のSOG液6が過剰な場合には、遠心力を使ってSOG液6を振り切るか、あるいは、不織布(旭化成せんい株式会社製、ベンコット)でSOG液6を吸い取るなどして、余分なSOG液6を除去しても良い。
SOG液6は、粘度が高くなると溝内に充填される際に気泡を巻き込みやすく、均一充填が困難になるので、その粘度については実験的に適切になるように検討したうえでSOG液6を調製することが好ましい。本実施の形態では、15cP(0.015Pa・s)の粘度のSOG液6を用いる例を示す。
次に工程3では、SOG液6を焼成して酸化シリコンを含む下地材32を形成する。焼成には電気炉を用い、室温から昇温し、予め定めた温度で予め定めた時間だけ保持する。焼成中の酸素濃度は十分低減して、例えば1000ppm以下としておく。この焼成により、酸化シリコンを含む下地材32が溝加工面に形成され、溝加工面の面荒れが緩和される。本実施の形態では、400℃で30分保持する焼成を行い、溝加工面上の下地材32の厚さが0.1〜2μm、溝加工面の表面粗さRaが500nm以下となった基板を得た(図3(c))。
本実施の形態では、SOG液6をシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、酸化シリコンを含む下地材32を形成したが、他の無機酸化物を含む下地材を形成しても良い。例えば、酸化チタンの前駆体液をシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、酸化チタンを含む下地材32を形成しても良い。他の酸化物の前駆体液を用いる場合でも、溝への充填のし易さから、液の粘度は20cP(0.020Pa・s)以下であるのが好ましい。
無機酸化物を含む下地材32とすることで、次工程において、下地材32上の有機金属化合物液7から金属が偏析しにくくなり、均一な金属反射材33とすることができる。この効果は、無機酸化物を含む下地材32が有機化合物液7に含まれる有機溶剤と反応しにくく、金属が偏析する起点が生じにくいためと考えられる。
次に工程4では、下地材32を形成したシンチレータ基板5を有機金属化合物液7に浸漬して、シンチレータ基板5の溝内に有機金属化合物液7を充填する。本実施の形態のある例では、有機金属化合物液7として、有機銀化合物液である藤倉化成(株)製、ナノ・ドータイト XA−9069を用いることとする(図3(d))。
なお、本実施の形態では、ディップコーティング法でシンチレータ基板5の溝内部に有機金属化合物液7を充填したが、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法など他の方法を用いて充填しても良い。さらに、溝内の有機金属化合物液7が過剰な場合には、遠心力を使って有機金属化合物液7を振り切るか、あるいは、不織布(旭化成せんい(株)製、ベンコット)で有機金属化合物液7を吸い取るなどして、余分な有機金属化合物液7を除去しても良い。
有機金属化合物液7は、粘度が高くなると溝内に充填される際に気泡を巻き込みやすく、均一充填が困難になるので、その粘度については実験的に適切になるように検討したうえでSOG液6を調製することが好ましい。本実施の形態では、15cP(0.015Pa・s)の粘度の有機金属化合物液7を用いることとする。
次に工程5では、有機金属化合物7を焼成してAgを含む金属反射材33を形成する。焼成にはホットプレートを用い、予め定めた温度(例えば150℃)で予め定めた時間(例えば30分間)だけ保持する。焼成前の有機金属化合物7は無色透明であるが、焼成中にAg粒子が析出すると茶色に変色し、その後Ag粒子同士が結合して銀色の連続膜となる。このAgを含む、溝内の金属反射材33の厚さは0.1〜数μmとなる(図3(e))。
本実施の形態では、有機金属化合物液7をシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、Agを含んだ金属反射材33を形成したが、本発明の実施の形態はこれに限られず、可視光に対して、他の金属に比べ比較的光反射率の高い、Ag、Au、Al、Niなどを含む金属微粒子ペーストをシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、金属微粒子焼成体を含んだ金属反射材33を形成しても良い。このような金属微粒子ペーストを用いる場合でも、溝への充填のし易さから、ペーストの粘度は20cP(0.020Pa・s)以下とするのが好ましい。
次に工程6では、シンチレータ基板5の溝内に充填材34を充填する。本実施の形態では、この充填材34として、硬化剤を混合したエポキシ樹脂を用い、スクリーン印刷法によってシンチレータ基板5の溝内に充填する。なお、スクリーン印刷法を用いてエポキシ樹脂の充填を行う例に代えて、ディスペンス法など、他の充填方法を用いても良い。さらに、エポキシ樹脂の充填は、減圧雰囲気中で行い、エポキシ樹脂内部に気泡が残留しないようにするのがより好ましい。そしてこのエポキシ樹脂を、予め定めた温度に設定した電気オーブン中で、予め定めた時間だけ加熱して硬化させる(図3(f))。
次に工程7では、シンチレータ基板5の表面を研削する。基板表面(溝加工面)を研削することで、シンチレータ基板5表面に付着した、下地材32、金属反射材33、充填材34を除去するのである(図3(g))。
次に工程8では、上面反射材35を形成する。本実施の形態では、上面反射材35として、硬化剤を混合したエポキシ樹脂に、さらに酸化チタン粉末を混練して白色塗料としたものを用い、シンチレータ基板5の表面(溝加工面)にスクリーン印刷法で塗布することとする。なお、スクリーン印刷法で白色塗料の塗布を行う例に代えて、ディスペンス法など、他の塗布方法を用いても良い。さらにこの白色塗料を、予め定めた温度に設定した電気オーブン中で、予め定めた時間だけ加熱して硬化させる(図3(h))。
本実施の形態では、上面反射材35としてエポキシ樹脂と酸化チタン粉末を混練した白色塗料を用いたが、これに代えて、シンチレータ素子31が発光する可視光を反射する白色粉末、例えば酸化シリコンや酸化アルミニウムの粉末や、酸化チタンの粉末に酸化シリコンをコーティングした粉末を用いた白色塗料を用いても良い。また、白色塗料を用いずに、工程2〜工程6と同様の条件で、下地材と金属反射材とを順に形成しても良い。
次に工程9では、シンチレータ基板5の裏面(溝加工面の反対面)を研削し、シンチレータ基板5の裏面に付着した下地材32と金属反射材33、充填材34を除去する。これにより、シンチレータ基板5が、複数の柱状のシンチレータ素子31に分離され、シンチレータアレイ3が形成されることとなる(図3(i))。
最後に工程10として、複数のシンチレータ素子31と複数の半導体光検出素子21とが対向するように位置合わせをして、シンチレータアレイ3の上面反射材35の反対面と半導体光検出素子アレイ2の表面とを接着層4を介して接着する。接着層4には、光学用接着剤を用い、予め定めた温度に設定した電気炉中で予め定めた時間だけ加熱することで、シンチレータアレイ3と半導体光検出素子アレイ2とを接着する。こうして本実施の形態の放射線検出器1が完成する(図3(j))。
(実施例1)
次に、本発明の実施例について述べる。本実施例において、隣り合うシンチレータ素子31の間隔は100μm以下とする。
まず工程1では、幅73mm、高さ22mm、厚さ2.0mmに加工したGdSのシンチレータ基板5に、機械加工で、幅80μm、深さ1.7mmの溝を1mmピッチで格子状に形成した(図3(a))。
次に工程2で、溝加工したシンチレータ基板5を、日立化成工業(株)製、HSG−R7−13のSOG液6に浸漬して、シンチレータ基板5に形成した溝内にSOG液6を充填した(図3(b))。
本実施例では、ディップコーティング法でシンチレータ基板5の溝内部にSOG液6を充填したが、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法などの方法を用いて充填しても良い。
SOG液6とシンチレータ基板5の濡れ性が悪い場合には、SOG液6を溝内部に充填する前に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理や、酸素プラズマ照射などの濡れ性改善の前処理を行なっても良い。さらに、溝内のSOG液6が過剰な場合には、遠心力を使ってSOG液6を振り切るか、あるいは、不織布(旭化成せんい(株)製、ベンコット)でSOG液6を吸い取るなどして、余分なSOG液6を除去しても良い。
SOG液6は、粘度が高くなると溝内に充填される際に気泡を巻き込みやすく、均一充填が困難になる。本願発明者は、種々の粘度のSOG液6を作製して検討を重ねた結果、SOG液6の粘度が20cP(0.020Pa・s)以下であれば気泡を巻き込まずに均一に充填できることを確認し、本実施例では、余裕をもって15cP(0.015Pa・s)の粘度のSOG液6を用いた。
次に工程3で、SOG液6を焼成して酸化シリコンを含む下地材32を形成した。焼成には電気炉を用い、室温から昇温して400℃で30分間保持した。焼成中の酸素濃度は1000ppm以下とした。焼成後、酸化シリコンを含む下地材32が溝加工面に形成され、溝加工面の面荒れが緩和された。溝加工面上の下地材32の厚さは0.1〜2μm、溝加工面の表面粗さRaは500nm以下となった(図3(c))。ここで表面粗さRaは、原子間力顕微鏡、すなわちAFM(Digital Instruments社製:Nano Scope III)を用い、タッピングモードで5μm角(5mm×5mm)の領域における溝加工面の表面とプローブとの距離を測定し、溝加工面の表面の凹凸の差を算出したものである。
本実施例では、SOG液6をシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、酸化シリコンを含む下地材32を形成したが、同様に他の無機酸化物を含む下地材を形成しても良い。例えば、酸化チタンの前駆体液をシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、酸化チタンを含む下地材32を形成しても良い。他の酸化物の前駆体液を用いる場合でも、溝への充填のし易さから、液の粘度は20cP(0.020Pa・s)以下であるのが好ましい。
無機酸化物を含む下地材32とすることで、次工程において、下地材32上の有機金属化合物液7から金属が偏析しにくく、均一な金属反射材33とすることができる。この効果は、無機酸化物を含む下地材32が有機化合物液7に含まれる有機溶剤と反応しにくく、金属が偏析する起点が生じにくいためと考えられる。
もっとも、この下地材32は、次に説明する有機金属化合物液によって溶かされないものを選択する。例えばシリコン樹脂コーティング材を下地材32として利用すると、有機金属化合物液に、このシリコン樹脂コーティング材が溶解されてしまう。従って、ここではシリコーン(silicone)樹脂を含まず、二酸化ケイ素または他の無機酸化物を含んだSOG液6等の物質を用い、酸化シリコン、または他の無機酸化物を含んだ下地材32を形成する。
次に工程4で、下地材32を形成したシンチレータ基板5を有機金属化合物液7に浸漬して、シンチレータ基板5の溝内に有機金属化合物液7を充填した。本実施例では、有機金属化合物液7として、有機銀化合物液である藤倉化成(株)製、ナノ・ドータイト XA−9069を用いた(図3(d))。
本実施例では、ディップコーティング法でシンチレータ基板5の溝内部に有機金属化合物液7を充填したが、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法などの方法を用いて充填しても良い。さらに、溝内の有機金属化合物液7が過剰な場合には、遠心力を使って有機金属化合物液7を振り切るか、あるいは、不織布(旭化成せんい(株)製、ベンコット)で有機金属化合物液7を吸い取るなどして、余分な有機金属化合物液7を除去しても良い。
有機金属化合物液7は、粘度が高くなると溝内に充填される際に気泡を巻き込みやすく、均一充填が困難になる。本願発明者は、種々の粘度の有機金属化合物液7を作製して検討を重ねた結果、有機金属化合物液7の粘度が20cP(0.020Pa・s)以下であれば気泡を巻き込まずに均一に充填できることが確認し、本実施例では、余裕をもって15cP(0.015Pa・s)の粘度の有機金属化合物液7を用いた。
次に工程5で、有機金属化合物7を焼成してAgからなる金属反射材33を形成した。焼成にはホットプレートを用い、150℃で30分間保持した。焼成前の有機金属化合物7は無色透明であったが、焼成中にAg粒子が析出すると茶色に変色し、その後Ag粒子どうしが結合して銀色の連続膜になった。Agからなる溝内の金属反射材33の厚さは0.1〜数μmであった(図3(e))。
図4は、焼成後の金属反射材33表面のSEM像であり、図11は、粒状を目立たせるために図4のコントラストを調整したものである。有機銀が熱分解することで図4(又は図11)に示されるような連続したAg微細組織が形成された。金属反射材33表面の光反射率と光透過率を波長500nmで測定したところ、光反射率は95.26%、光透過率は0%であり、放射線検出器1に用いる金属反射材33として十分な光反射特性であることが確認できた。
光反射率を向上することで、シンチレータ素子で発光した可視光をシンチレータ素子内部に閉じ込める能力が向上し、該シンチレータ素子で発光した可視光が効率良く半導体光検出素子に導かれることとなって、放射線検出器の出力を高めることができる。
(実施例2)
次に工程5における焼成温度を異ならせた実施例について説明する。まず、互いに異なる複数の焼成温度に設定したホットプレートで30分間保持して金属反射材33を得る。そして各焼成温度での金属反射材33のSEM像に対して2ミクロン長さのラインを5本引き、ラインにかかるAg粒の個数をカウントして平均個数を求め、2ミクロンを平均個数で割って粒径を算出した結果を次に示す。
140℃焼成:(連続膜状態でカウント不能)
150℃焼成:カウント38.4個、平均粒径 52nm。
160℃焼成:カウント25.6個、平均粒径 78nm。
180℃焼成:カウント17.6個、平均粒径114nm。
200℃焼成:カウント28.2個、平均粒径 71nm。
250℃焼成:カウント16.2個、平均粒径123nm。
この実施例から焼成温度を高くするほど、カウント値は小さくなり、平均粒径が大きくなる傾向があると結論できる。なお、波長500nmで測定した光反射率は90%を超え、例えば93%以上、好ましくは95%以上であることが、放射線検出器1に用いる金属反射材33として十分な光反射特性と言える。反射率は、SEM像の観察によると、Ag粒間に生じる凹部の面積が大きくなるほど低下するが、この凹部は平均粒径が100nm以上になると目立って生じる傾向があることが実験からわかった。したがって上述のような反射率の特性は、平均粒径が100nm未満において達成される。また、金属反射膜の組織の粒径が、光の波長500nmの1/10程度以下であると、さらに散乱が抑えられ、反射率の向上に寄与することが確かめられている。そこで、より好ましい反射率の特性は、平均粒径が60nm未満において達成される。また、組織が接合され、一体化したAg膜となっているのも好ましい。従って上の例から、工程5での焼成温度は、140℃を超え、200℃以下とすることが好適であり、より好ましくは、140℃を超え、160℃未満、例えば150℃程度とすることが好適である。
図5は、250℃のホットプレートで30分間保持して、有機金属化合物7を焼成した金属反射材33表面のSEM像であり、図12は、図5における粒状が目立つようにコントラストを調整したものである。焼成温度を高くすることで、Agの微細組織は図4(又は図11)と比較して大きく不揃いな粒子となった。また、粒子間の凹部の面積も多くなっている。金属反射材33表面の光反射率と光透過率を波長500nmで測定したところ、光透過率は0%であったものの、光反射率は92.54%であり、焼成温度を上げることで金属反射材33の光反射率は低下することが確認された。
なお、図4、5(又は図11,12)のSEM像は、同条件で作製した測定用サンプルで観察した。即ち、図2の構成で、金属反射材33の面に沿うように力を加え続けていき、下地材32をへき開させて、露出した面をSEMで観察し、Agの微細組織写真を得たものである。
図6は、波長500nmで測定した金属反射材33の光反射率と焼成温度との関係を調べたものである。焼成温度が高くなると、金属反射材33の光反射率は低下する傾向が見られた。
金属反射材33の光反射特性が焼成温度に対して変化した原因は、焼成温度に対する金属反射材組織の違いによるものと考えられる。有機金属化合物7を低温で焼成すると有機銀の分解反応が緩やかなため、析出したAg粒子は時間をかけて結合して連続した微細組織になるのに対し、高温で焼成すると有機銀の分解反応速度が速く、連続した微細組織になる前に析出したAg粒子が結合し反応が完了してしまうので、大きく不揃いな粒子の組織になったと考えられる。従って、有機金属化合物7を焼成する温度は、熱分解反応が生じる温度範囲内でできるだけ低温であるのが好ましい。
本実施例では、有機金属化合物液7をシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、Agからなる金属反射材33を形成したが、同様にして、金属微粒子ペーストをシンチレータ基板5の溝内に充填、焼成して、金属微粒子焼成体からなる金属反射材33を形成しても良い。金属微粒子ペーストに用いる金属微粒子は、可視光に対して光反射率の高い、Ag、Au、Al、Niなどを含む金属微粒子を用いるのが好ましい。金属微粒子ペーストを用いる場合でも、溝への充填のし易さから、ペーストの粘度は20cP(0.020Pa・s)以下であるのが好ましい。
次に工程6で、シンチレータ基板5の溝内に充填材34を充填した。本実施例では、充填材34として、(株)スリーボンド製、主剤2023、硬化剤2131Dのエポキシ樹脂を、主剤100:硬化剤30(重量比)で混合したものを用い、スクリーン印刷法でシンチレータ基板5の溝内に充填した。本実施例では、スクリーン印刷法を用いてエポキシ樹脂の充填を行ったが、ディスペンス法など、他の充填方法を用いても良い。さらに、エポキシ樹脂の充填は、減圧雰囲気中で行い、エポキシ樹脂内部に気泡が残留しないようにするのがより好ましい。エポキシ樹脂は、電気オーブン中100℃で1時間加熱して硬化させた(図3(f))。
次に工程7で、シンチレータ基板5の表面を研削した。基板表面(溝加工面)を研削することで、シンチレータ基板5表面に付着した、下地材32、金属反射材33、充填材34を除去した(図3(g))。
次に工程8で、上面反射材35を形成した。本実施例では、上面反射材35として、(株)スリーボンド製、主剤2023、硬化剤2131Dのエポキシ樹脂を、主剤100:硬化剤30(重量比)で混合したものに、平均粒径約0.3μmの酸化チタン粉末を混練して白色塗料としたものを用い、シンチレータ基板5の表面(溝加工面)にスクリーン印刷法で塗布した。本実施例では、スクリーン印刷法で白色塗料の塗布を行ったが、ディスペンス法など、他の塗布方法を用いても良い。白色塗料は、電気オーブン中100℃で1時間加熱して硬化させた。(図3(h))。
ここで工程6までの間に形成した下地材32及び金属反射材33は、シンチレータ素子同士の間に形成するのに最適な条件で形成したものである。そのため、上面に形成した下地材及び金属反射材は上面側としては膜が厚く、屈曲した角でクラックが入り、剥離することがある。そこで、工程7においてシンチレータ基板5の上面側に付着した下地材32及び金属反射材33を一旦除去し、その後に、工程8で上面反射材35を形成し直す。
本実施例では、上面反射材35としてエポキシ樹脂と酸化チタン粉末を混練した白色塗料を用いたが、シンチレータ素子31が発光する可視光を反射する白色粉末、例えば酸化シリコンや酸化アルミニウムの粉末や、酸化チタンの粉末に酸化シリコンをコーティングした粉末を用いた白色塗料を用いても良い。また、白色塗料を用いずに、工程2〜工程6と同様の条件で、下地材と金属反射材を順に形成しても良い。
次に工程9で、シンチレータ基板5の裏面(溝加工面の反対面)を研削した。シンチレータ基板5の裏面に付着した下地材32と金属反射材33、充填材34を除去し、シンチレータ基板5の厚みが、当初の2.0mmから1.7mmになるまで研削したことで、シンチレータ基板5は複数の柱状のシンチレータ素子31に分離され、シンチレータアレイ3が形成された(図3(i))。
最後に工程10で、複数のシンチレータ素子31と複数の半導体光検出素子21とが対向するようにして、シンチレータアレイ3の上面反射材35の反対面と半導体光検出素子アレイ2の表面とを接着層4を介して接着した。接着層4には、Epoxy Technologies社製、Epo−Tek301の光学用接着剤を用い、電気炉中80℃で1時間加熱することで、シンチレータアレイ3と半導体光検出素子アレイ2は硬化して接着し、放射線検出器1が完成した(図3(j))。
(実施例3)
次に、本願発明の放射線検出器と、従来の白色塗料の反射材を用いた放射線検出器とのクロストークを比較した。本実施例では、実施例1と同じ製造方法で、20μmから150μmの異なるシンチレータ素子間隔の放射線検出器を作製した。また比較例として、本実施例と同じシンチレータ素子サイズで、20μmから150μmの異なるシンチレータ素子間隔の放射線検出器を、(株)スリーボンド製、主剤2023、硬化剤2131Dのエポキシ樹脂を、主剤100:硬化剤30(重量比)で混合したものに、平均粒径約0.3μmの酸化チタン粉末を混練した白色塗料反射材を用いて作製した。
こうして作製した本実施例、及び比較例の放射線検出器の単一のシンチレータ素子に対し、直径約100μmに集光したX線を照射し、X線を照射したシンチレータ素子に取り付けられた半導体光検出素子の出力電流と、隣接するシンチレータ素子に取り付けられた半導体光検出素子の出力電流の比からクロストークを算出した。
図7は、シンチレータ素子間隔とクロストークの関係である。白色塗料を光反射材として用いた比較例の放射線検出器は、シンチレータ素子間隔が狭くなるにつれクロストークが増大したが、金属反射材を用いた本実施例の放射線検出器では、シンチレータ素子間隔が狭くなってもクロストークが小さく抑えられている。以上から、本実施例の放射線検出器が比較例の放射線検出器と比較して、クロストークに優位性があることが確認できた。
1 放射線検出器、
2 半導体光検出素子アレイ、
21 半導体光検出素子、
3 シンチレータアレイ、
31 シンチレータ素子、
32 下地材、
33 金属反射材、
34 充填材、
35 上面反射材、
4 接着層、
5 シンチレータ基板、
6 SOG液、
7 有機金属化合物液。

Claims (12)

  1. 複数の半導体光検出素子がマトリクス状に配列された半導体光検出素子アレイ上に、複数のシンチレータ素子の各々がその底面を各半導体光検出素子に対向して配列され、シンチレータ素子の底面以外の面に光反射材を設けた放射線検出器であって、
    前記シンチレータ素子は互いに100μm以下の間隔をもって隣り合って配列され、光反射材は下地材と金属反射材とが順に形成されたものであることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記下地材が無機酸化物を含む下地材であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記無機酸化物が酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記無機酸化膜が酸化チタンを含むことを特徴とする請求項2に記載の放射線検出器。
  5. 前記酸化シリコンを含む無機酸化物がSOG(Spin On Glass)の焼成物であることを特徴とする請求項3に記載の放射線検出器。
  6. 前記酸化チタンを含む無機酸化物が酸化チタン前駆体の焼成物であることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  7. 前記金属反射材がAg、Au、Al、Niの少なくとも一つを含む有機金属化合物の焼成物であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  8. シンチレータ基板の片面に格子状で幅100μm以下の加工溝を形成する工程、
    前記加工溝側面に無機酸化物の下地材と金属反射材とを順に形成する工程、
    前記シンチレータ基板の溝加工面と反対の面を加工して複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイを形成する工程、
    複数の半導体光検出素子からなる半導体光検出素子アレイと、前記シンチレータアレイとを、それぞれの半導体光検出素子とシンチレータ素子とが対向するように接着する工程、
    を備えたことを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  9. 無機酸化物の前駆体溶液を、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法のいずれかの方法で前記加工溝に充填し焼成して、前記下地材を形成することを特徴とする請求項8に記載の放射線検出器の製造方法。
  10. 前記無機酸化物の前駆体溶液の粘度を20cP以下とすることを特徴とする請求項9に記載の放射線検出器の製造方法。
  11. 有機金属化合物溶液を、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコーティング法、ディスペンス法のいずれかの方法で前記下地材を形成した前記加工溝に充填し焼成して、前記金属反射材を形成することを特徴とする請求項9に記載の放射線検出器の製造方法。
  12. 前記有機金属化合物溶液の粘度を20cP以下とすることを特徴とする請求項11に記載の放射線検出器の製造方法。
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