JP2005348907A - X線ct装置用x線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出効率の高いマルチスライスX線CT装置用X線検出器を提供する。
【解決手段】 このX線検出素子ブロック(群)はチャンネル方向とスライス方向にマトリックス状に配列された複数のシンチレータ素子より成るシンチレータ素子群1と各シンチレータ素子と各受光エリアの配列位置が一致するシリコンフォトダイオードアレイ3とを積層固着してX線検出器素子ブロックを形成し、かかるX線検出器素子ブロックを順次チャンネル方向に配置して形成したマルチスライス用X線検出器において、上記X線検出器素子ブロックを構成するシンチレータ素子群の隣接する各シンチレータ素子間を分離隔離する隔離壁(板)2を有し、この隔離壁(板)2が遮光用の金属薄膜2bを形成したポリマーシート2aの表面に薄膜で反射率の高い白色光反射膜2cを形成した薄板で構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の透過X線データを同時検出する多素子X線検出器に関し、特に、複数のシンチレータを配列したシンチレータアレイとフォトダイオードアレイとを組み合わせたX線CT装置用X線検出器の隣接するシンチレータの素子間を確実に隔離し、検出効率の向上が図れるシンチレータ素子間隔離板及びその製造方法に関する。
X線CT装置は、被検体を中心にして対向して配置されたX線源とX線検出器を円周上に回転させながら、X線源からX線を被検体に向かって照射し、前記X線源と対向して円弧状に複数の検出素子を配置されたX線検出器によって、被検体を透過して減弱したX線のX線量を検出し、その検出した減弱データより画像再構成演算を行って、被検体の体軸と垂直な断面の断層像を得るものである。
近年では、動く臓器の的確な撮像や、装置のスループット向上のために検査時間の短縮化が望まれており、これまでチャンネル方向に一次元的に多数のX線検出素子が配列されていたX線検出器を、スライス方向にも複数列配置することにより、1回のスキャンの間に複数のスライス分のX線量データを計測することができるマルチスライス型X線検出器を備えたX線CT装置が実用化されており、このようなX線CT装置は、マルチスライスX線CT装置と呼ばれている。
マルチスライスX線CT装置用のX線検出器は、例えば特許文献1に示されるように、チャンネル方向とスライス方向とにマトリックス状に区分配列された複数個の光感応領域(光検出エリア)を有するシリコンフォトダイオード素子群(アレイ)に、前記光検出エリアの配列位置と寸法的に合致するようにマトリックス状に区分配列されたX線感応領域(X線検出エリア)を持つシンチレータ素子群を積層してX線検出素子群を形成し、このX線検出素子群を、チャンネル方向に順次配列したものである。
特許第2948264号公報
特許文献1は、特にシンチレータ素子群の構造に特徴を有するものであって、スライス方向とチャンネル方向とのマトリックス的な分割のために、それぞれスライス方向とチャンネル方向にスリット(溝)を設け、このスリットに光反射板を挿入し、スライス方向とチャンネル方向を光学的に分割し、クロストークの軽減をはかったものである。
特許文献1を含めてX線CT装置用X線検出器ではシンチレータ素子群とシリコンフォトダイオード素子群とを積層させてX線検出器を形成する事例で重要な項目となるのは、シンチレータ素子群とシリコンフォトダイオード素子群とはスライス方向とチャンネル方向にマトリックス状に区分された対応する相互の区分が大きさ及び位置で整合(一致)できること、し、各シンチレータ素子から発せられるシンチレーション光を効率良くシリコンフォトダイオード素子群へ導くことが理想である。
これらを実現する上で問題となるのは、第1にシンチレータ素子群において隣接するスライス方向とチャンネル方向にマトリックス状に区分されたシンチレータ素子間相互のシンチレーション光の漏れ込み、即ち光のクロストークである。第2にシンチレータ素子群において隣接するスライス方向とチャンネル方向にマトリックス状に区分されたシンチレータ間を分割隔離する領域の幅、即ち隔離壁(隔離板)の厚さを最小限とし、入射するX線の利用効率を高めること。第3に前記隔離板表面での光吸収を最小限(光反射率を高く)とし、見かけ上のX線の利用効率及び変換効率の向上をはかることである。これによりシンチレータ素子群の各入力区分で捕らえたX線をシンチレーション光に変換し、この光をシリコンフォトダイオード素子群の入力区分で受光して電気信号に変換し、その出力区分側から電気信号の出力を行う。
これが理想である。しかし、これら前記第1,第2,第3の問題点は互いにリンクされており、相反する項目もあるため全てを解決するのは困難である。
第1の問題点であるクロストークの低減化であるが、一般にスライス方向とチャンネル方向にマトリックス状に区分されたシンチレータ素子群の隣接するシンチレータ素子間を光学的に確実に分割隔離する目的で、隔離壁としてシンチレータ素子間に二酸化チタンのような白色顔料を含む樹脂を充填する手段、あるいは同じく二酸化チタンのような白色顔料を含む樹脂シート(ポリマーシート)を挿入する手段を用いている。反射率を高く、かつ樹脂内の光の透過を少なくするためには、隔離壁としての樹脂層の厚さを厚くする必要があるが、この領域は検出器上では検出器出力には全く寄与しないデッドスペースであるため実装密度のさらなる向上が求められるマルチスライスX線CT装置用X線検出器では、より薄くすることが望まれる。
これらの問題点の解決手段として、例えば特許文献2に示されるように白色ポリマーシートと金属薄膜とを組合せたセパレータを用いた検出器の提案がある。
特開平5−256949号公報
特許文献2は、特にセパレータの構造に特徴を有するものであって、シンチレーション光の透過を阻止する目的の金属薄板を挟んで金属薄板の表裏両面にシンチレーション光を反射させるための白色ポリマーシートを設けたことを特徴とするセパレータ構造で、セパレータ内の光の透過を阻止するとともにその表面では光を有効的に反射させて、X線検出効率の向上を図ったものである。
具体的には金属薄板に20μm厚アルミニュウム薄板を、光反射層には75μm厚白色ポリマーシートを用い表面反射率は90%を得ている。
しかし、最近のマルチスライスX線CT装置用X線検出器では、再生画像の空間分解能向上を図るため、検出器の配列ピッチは1mm以下と狭くなっており、前記特許文献2に示されるセパレータにおいても接着層を含むと総厚で170〜175μm厚と厚く空間利用効率は82.5%と低下してしまう。
本発明の目的は、シンチレータ素子群の空間利用効率の向上を図るとともに、シンチレーション光を効率良く反射させ入射X線の利用効率の向上を図るマルチスライスX線CT装置用X線検出器及びその製造方法を提供するものである。
発明の上記課題を解決するため、本発明によれば、チャンネル方向とスライス方向の2方向からなるマトリックス状に区分配列された複数個のシンチレータ素子と、各シンチレータ素子間のチャンネル方向とスライス方向との間の光の漏洩を遮断する光隔離壁と、前記シンチレータ素子の区画とそれぞれが一致するように配置されて前記シンチレータ素子上に積層される複数個の光検出用シリコンフォトダイオード素子と、
を有するマルチスライスX線CT装置用X線検出器において、
前記光隔離壁は、ポリマーシートの表面に金属メッキを施したものの表裏両面に反射材を付加してなることを特徴とする。
また、上記光隔離壁のポリマーシートは透明であり、上記反射材の付加は白色顔料を充填した樹脂のコーティングであることを特徴とする。
また、上記複数のシンチレータ素子のチャンネル方向の両端部の隔離壁のチャンネル方向幅は、その内側のチャンネル間の隔離壁のチャンネル方向幅の1/2の幅であることを特徴とする。
また、ポリマーシートの表面に光遮蔽を目的とした金属メッキを施したものとし、前記金属メッキを施したポリマーシートの表裏両面に光を反射することが可能な反射材をコーティングし、シート状に成形したものを隣接するシンチレータ素子間に挿入した後、白色顔料を充填した接着剤で接着固定したものであることを特徴とする。
また、前記上記金属メッキを施した表裏両面に光を反射することが可能な反射材は白色顔料を充填した樹脂であることを特徴とする。
また、前記隣接するシンチレータ素子間の光学的クロストークを遮断する手段として、ポリマーシートの表面に無電界金属鍍金法や真空鍍金法で金属から成る遮光用の薄膜層を備えたことを特徴とする。
また、透明なポリマーシートはポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、等の樹脂であることを特徴とする。
また、前記白色顔料はルチル型ニ酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムから選択されるもの、若しくはこれらの組み合わせから成るものであることを特徴とする。
また、前記白色顔料に親水性無水微粉末シリカ、疎水性無水微粉末シリカ若しくはこれらの混合物を添加したことを特徴とする。
また、前記白色顔料にシランカップリング剤を添加したことを特徴とする。
本発明によれば、チャンネル方向とスライス方向とにマトリックス状に区分配列された複数個のシンチレータ素子群の各シンチレータ素子間に挿入される隔離壁(板)が前記ポリマーシート表面に白色顔料の充填率の高い樹脂をコーティングするため膜の厚さが薄くても高い反射率がえられ、かつ前記ポリマーシート表面に遮光用の金属薄膜を設けることによるクロストークの低減が可能となる。これにより検出器の空間利用効率の向上や、入射X線の利用効率が向上し、X線CT装置の空間分解能の向上、濃度分解能の向上など再生画像の向上が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に沿って具体的に説明する。
図1に、マルチスライスX線CT装置におけるX線検出器を構成する1ブロックのX線検出素子ブロックの概略斜視図を示す。図1において、7は入射するX線、1は入射するX線7を光に変換するためのシンチレータ、2はシンチレータ1のチャンネル方向及びスライス方向への光のクロストークを防ぐための隔離壁、3はシンチレータ1で発せられた光を受光し、これを電気に変換するためのシリコンフォトダイオードアレイ、5はシンチレータ1に入射する外光を遮るための上面反射板、6は回路基板である。図1記載の2次元のX線検出素子ブロックはチャンネル方向に12チャンネル、スライス方向に4スライスの構成であるので、1回のスキャンで4スライスの断層画像が得られる。チャンネル方向の寸法はチャンネルピッチが0.7mm〜1mm、スライス方向の寸法はスライスピッチが0.7mm〜4mm、隔離壁3の幅(厚さ)は0.055mm〜0.12mmである。図1は検出器ブロックの内部構造を見易くするための概略図であるため、縦、横の寸法や構成部品の寸法比を上記実際寸法とは違えて図示している。
かかるX線検出器では、被検体を透過したX線7は上面反射板5を透過して各シンチレータ1に入射する。シンチレータ1に入射したX線7はシンチレータ1において入射したX線7の強度に比例した強度のシンチレーション光を発生する。このシンチレーション光は直接シンチレータ1のなかを透過したり、隔離壁3の表面や上面反射板5に反射されてシリコンフォトダイオードアレイ3の受光面(図示略)に入射して光電変換され、入射したシンチレーション光の強度に比例した光電流として検出される。したがって、検出される光電流は入射するX線7の強度に比例した値となり、X線検出器として機能している。
このような2次元のX線検出素子ブロックにおいて、特許文献2記載の従来技術の場合より隔離壁(板)の占める領域空間を減少させ、X線検出器の空間利用効率を図るとともに、隔離壁(板)の表面の光反射率を高くしてシンチレータから発せられるシンチレーション光をより有効にシリコンフォトダイオードアレイに導くことにより入射するX線の利用効率の向上を図り、X線CT装置の空間分解能の向上、濃度分解能の向上など再生画像を向上させるために、X線検出器ブロックに用いる隔離壁(板)の詳細構造を以下に示す実施の形態とした。第1の実施の形態では図2及び図5に示す手法とした。図2は第1の実施の形態の隔離壁(板)の構造を示す断面図、図5は第1の実施の形態の隔離壁(板)の製造工程を示した。図2において、2aはベースとなる無色透明のポリマーシート、2bは光遮蔽用の金属薄膜、2cはシンチレーション光を効率良く反射させるための光反射層である。
次に隔離壁(板)を製作する際の手順を図5を用いてステップ101からステップ104まで順に説明する。
ステップ101では、ベースとなる無色透明のポリマーシート2aは表面に金属薄膜層を形成するため前処理として表面を清浄化する。ポリマーシート2aの材質には、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、等の高分子樹脂シート等を使用する。入手の容易さでは、ポリエステル樹脂製のシートが有利である。ポリマーシート2aのシート厚さは、12μm〜50μm厚のものを用いる。清浄方法は有機溶剤による浸漬洗浄、シャワー洗浄、蒸気洗浄法、プラズマ放電装置によるプラズマ洗浄法、コロナ放電装置によるコロナ放電洗浄法、紫外線照射による紫外線洗浄法、などが利用できる。
ステップ102では、清浄化されたポリマーシート2aの表面に遮光用の金属薄膜2bを形成する。金属薄膜の形成法は、ベースとなるポリマーシート2aの材質によって若干異なるが、真空蒸着法によるアルミニュウム蒸着膜形成がベースとなるポリマーシート2aの加熱温度が低温で済むことから最も一般的な手段と言える。
他に、真空鍍金法として、イオンプレーティング法、スパッタリング法、化学鍍金法、などの薄膜形成法を用いることも可能である。さらに薄膜材にはアルミニュウム(Al)の他に、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)などの金属を使用することも可能である。ただし、後にオーバーコートする白色反射膜をより薄く、より高い反射率を求める場合にはアルミニュウム(Al)、銀(Ag)が有効である。
ステップ103では、ポリマーシート2a表面に形成した金属薄膜2bの表面に白色光反射膜2cを形成する。白色光反射膜2cは樹脂に白色顔料を含有させたものを用いる。白色光反射膜材は可能な限り白色顔料の含有率を高くして光の透過を防止し、光の反射を高くする。白色顔料としては、シンチレータの発光波長を含む可視域における光の屈折率がn=2.2〜2.7程度と比較的高く、バインダーとして用いる樹脂(屈折率がn=1.48〜1.61)に充填した場合には樹脂との屈折率の差が大きく、樹脂との界面での光の散乱が生じ易く、高い光の反射率が得られ、科学的にも安定なルチル型二酸化チタン(TiO2)の微粉末が望ましい。尚、二酸化チタンは純粋な単体の二酸化チタンの他に、市販されている分散性や耐候性を改善するために表面に微細な酸化アルミニュウム(Al2O3)や酸化ケイ素(SiO2)で覆った二酸化チタン(TiO2)白色顔料も使用可能である。他に白色顔料としては若干反射率の低下があるが、酸化アルミニュウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO),炭酸カルシュウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)等の使用も可能である。
また、市販されている白色顔料には白さを強調するために蛍光増白剤を添加したものが有るが、蛍光増白剤には残光(X線照射OFF後に発光が直ちに停止せずに、暫く持続して発せられている光)の多いものもあるので、本実施の形態で使用する場合には蛍光増白剤を添加していないものを用いる必要がある。
樹脂バインダーには液体状で透明度が高く、着色が少なく、耐放射線性が高く、さらに白色顔料を多量に含有させると増粘するため、樹脂の粘度が低いものが望ましい。また、作業効率を考慮すると硬化時間の短いことも望ましい。以上の条件を考慮して本実施の形態で使用する樹脂は主剤に飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を主成分としたもの用い、硬化剤にはイソシアネートを主成分としたものを組み合わせて使用する。これらのポリエステル系樹脂は原液のままでは粘度が高過ぎるので、キシレンやトルエン等の有機溶剤で希釈して用いる。使用する樹脂は、他にウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の使用も可能である。
白色顔料と樹脂とを混合する際には白色顔料の分散性を高め、白色顔料が沈降するのを防止し、コーティングの際のべたつきや、糸引きを防止する目的で無水シリカ微粉末(平均粒径:12nm)を添加する。尚、シリカの表面をジメチルシコーンオイル等で処理し、疎水化したものを用いると、より効果的である。さらに白色顔料と樹脂との密着性、樹脂と金属薄膜との密着強度を向上させる目的でシランカップリング剤としてγ・グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加する。シランカップリング剤には他に、γ・グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ・グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ・アミノプロピルトリメトキシシラン、γ・アミノプロピルトリエトキシシラン、N・β(アミノエチル)γ・アミノプロピルトリメトキシシラン等の適用も可能である。また、白色光反射膜材への気泡の混入や膜厚ムラは光漏れや反射ムラの要因となるので消泡剤、レベリング剤としてシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル等)を添加する。
白色光反射膜材は、白色顔料の凝集などを無くすため樹脂やその他の添加剤と混合した後、ボールミルポットに攪拌用のボールと共に入れて十分に攪拌して使用する。
白色光反射膜材のコーティングには、バーコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースコーター、カーテンコーター等を用いて均一な膜厚を形成する。膜厚は20μm〜30μmで、反射率95%〜98%の白色光反射膜が得られる。
ステップ104では、次に、ポリマーシート2aの金属薄膜の形成されていない反対の面にステップ103と同様の白色光反射膜2cをコーティングして形成する。
ポリマーシート2aの表面に直接白色光反射膜材をコーティングする際にはポリマーシート2aと白色光反射膜材との密着強度を高くするためポリマーシート2aの表面には前処理を施す。前処理法には金属薄膜の形成の際と同様に、プラズマ放電処理、イオン放電処理、紫外線照射洗浄などの表面処理が有効である。但し、有機溶剤による洗浄は既に金属薄膜2b表面に形成されている裏面の白色光反射膜2cが溶解するなどの悪影響を及ぼすので採用不可である。以上で第1の実施の形態による隔離壁(板)の完成である。
図3は、第2の実施の形態によ隔離壁(板)の構造を示す断面図である。本実施の形態はベースとなるポリマーシート2aの表裏両面に光遮蔽用の金属薄膜2bを形成し、金属薄膜2bのピンホールなどの欠陥による光洩れを確実に防止するものである。本第2の実施の形態によればポリマーシート2aの片方の表面に形成した第1の金属薄膜2bにピンホールなどの欠陥による光漏れが生じても、もう片方の表面(裏面)に形成した第2の金属薄膜2bによって洩れた光を遮蔽することができるため、より確実な光遮蔽が可能となる。
図6に本第2の実施の形態による隔離壁(板)の製作する際の手順を示す。以下、ステップ201からステップ205まで順に説明する。
ステップ201では、ベースとなる厚さ12μm〜50μmのポリマーシート2a(材質は第1の実施の形態に同じ)の表裏両面を金属薄膜の密着強度を高めるため前記同様に前処理を行う。
ステップ202では、ベースとなるポリマーシート2aの片方の表面に第1の金属薄膜2bを形成する(膜の材質、形成方法は第1の実施の形態に同じ)。
ステップ203では、次にもう片方の表面(裏面)に第2の金属薄膜2bを同様に形成する。金属薄膜2bの膜厚は双方とも400Å〜600Åとする。前記上記ステップ203から205では、ポリエステルシートにアルミニュウムを蒸着した製品が市販されているので、例えば、商品名「メタルミー(登録商標)」(東レ株式会社製)を用いることもできる。
ステップ204では、ポリマーシート2a表裏両面に金属薄膜2bを形成した後、まず片方の第1の金属薄膜2bの表面に白色光反射膜2cをコーティングして形成する(膜の材質、形成方法は第1の実施の形態に同じ)。白色光反射膜2cの膜厚は第1の実施の形態と同様に20μm〜30μmとする。
ステップ205では、前記上記ステップ204において片方の第1の金属薄膜2bの表面に白色光反射膜2cをコーティングした後、もう片方(裏面)の第2の金属薄膜2bの表面に同様に白色光反射膜2cをコーティングし、本第2の実施の形態による隔離壁(板)が完成する。
図4は、第3の実施の形態によ隔離壁(板)の構造を示す断面図である。本実施の形態はベースとなるポリマーシート2aの表面に第1の実施の形態と同様に光遮蔽用の金属薄膜2bを形成し、さらに金属薄膜2bの表面に白色光反射膜2cを形成たもの2枚をポリマーシート2aの面どうしを接着剤4を用いて貼り合わせて隔離壁(板)を構成するものである。本第3の実施の形態ではベースとなるポリマーシート2aの厚さを前記、第1,第2の実施の形態の場合の1/2の厚さとする。本第3の実施の形態によれば、2枚を貼り合わせた隔離壁(板)は図1に示した前記検出素子ブロックにおけるチャンネル方向の両端部チャンネルを除く内部チャンネルの隣接するシンチレータ素子間の隔離壁(板)として用い、貼り合わせをしない1枚物の隔離壁(板)は内部チャンネル用の隔離壁(板)の1/2の厚さの隔離壁(板)としてチャンネル方向の両端部用の隔離壁(板)として用いるのに好都合である。さらに2枚を貼り合わせた隔離壁(板)は第2の実施の形態と同様に光遮蔽用の金属薄膜2bが2層となるため、第2の実施の形態と同様に、より確実な光遮蔽が可能となる。
図7に本第3の実施の形態による隔離壁(板)の製作する際の手順を示す。
以下、ステップ301から305まで順に説明する。
ステップ301では、ベースとなるポリマーシート2a(材質は第1,第2の実施の形態に同じ)の表面を金属薄膜の密着強度を高めるため前記同様に前処理を行う。ここで用いるポリマーシート2aの厚さは、仕上がりのポリマーシートの総厚の1/2の厚さのものを用いる。即ち、仕上がりのポリマーシートの総厚を25μmとするならば、ここで用いるポリマーシートの厚さは12.5μmとする。
ステップ302では、ベースとなるポリマーシート2aの表面に金属薄膜2bを形成する(膜の材質、形成方法は第1,第2の実施の形態に同じ)。金属薄膜2bの膜厚は第2の実施の形態と同様に400Å〜600Åとする。前記上記(工程イ)および(工程ロ)は第2の実施の形態と同様、市販のポリエステルシートにアルミニュウムを蒸着した商品名「メタルミー(登録商標)」(東レ株式会社製)を用いることもできる。
ステップ303では、金属薄膜2bが形成されたポリマーシート2aの金属薄膜2bの表面に白色光反射膜2cをコーティングして形成する(膜の材質、形成方法は第1,第2の実施の形態に同じ)。白色光反射膜2cの膜厚は第1の実施の形態と同様に乾燥後の厚さで20μm〜30μmとする。
尚、前記、図1に示した前記検出素子ブロックにおけるチャンネル方向の両端部用の隔離壁(板)として用いる内部チャンネル用の隔離壁(板)の1/2の厚さの隔離壁(板)はこの工程までで完成である。
ステップ304では、次にステップ303まで完了したシートを2枚用意し、それぞれのポリマーシート2aの表面を前記、第1の実施の形態で施したポリマーシート2aの表面への前処理と同様の処理を施し、一方のポリマーシート2aの表面へ接着剤4を均一な厚さになるように白色光反射膜2cのコーティングの際と同様にコーターを用いて塗布する。使用する接着剤は白色光反射膜材に用いた樹脂と同様のものを樹脂単独(白色顔料は添加しない)で用いる。接着剤4の塗布厚さはウエット状態で5μm〜10μmとする。塗布した接着剤に溶剤成分が残留すると接着後に、接着層に気泡が発生して完成後の隔離壁(板)の総厚の厚さムラの要因となるので、接着剤に残留溶剤成分が無くなるまで温風乾燥してから、もう一方のポリマーシート2a面と接着剤面をラミネータなどを用いて密着させて接着する。
ステップ305では、接着剤が硬化すれば第3の実施の形態の隔離壁(板)の完成である。
上記、第1〜第3の実施の形態の隔離壁(板)はポリマーシート2aの厚さが25μm、白色光反射膜2cの厚さがそれぞれ25μm、合計総厚が75μmと薄くすることが可能となり、反射率も95%〜98%(波長範囲450nm〜600nm)が得られる。さらに隔離壁(板)の光の透過率は0.0003%以下とすることが可能となる。
以上製作した隔離壁(板)を用いたX線検出素子ブロック(群)では検出素子(シンチレータ素子)ピッチが1mmの場合で空間利用率92.5%と高くできる。また、反射率の向上により検出器出力は約7%向上する。さらに、隣接する検出素子間のクロストークは殆ど無視できる値まで減少できる。これにより空間分解能の向上、S/Nの向上による濃度分解能の向上が図れるとともに、ノイズ、アーチファクトの少ない画像が得られるマルチスライス型X線CT装置用X線検出器が提供できる。
本発明の実施の形態におけるマルチスライスX線CT装置におけるX線検出器の1ブロックの斜視図。 本発明の第1の実施の形態における隔離壁の断面図。 本発明の第2の実施の形態における隔離壁の断面図。 本発明の第2の実施の形態における隔離壁の断面図。 本発明の第1の実施の形態における隔離壁を製作する工程の概略説明。 本発明の第2の実施の形態における隔離壁を製作する工程の概略説明。 本発明の第3の実施の形態における隔離壁を製作する工程の概略説明。
符号の説明
1 シンチレータ素子
2 隔離壁
2a ポリマーシート
2b 金属薄膜
2c 白色光反射膜
3 シリコンフォトダイオードアレイ
4 接着剤
5 上面反射板
6 回路基板
7 X線

Claims (10)

  1. チャンネル方向とスライス方向の2方向からなるマトリックス状に区分配列された複数個のシンチレータ素子と、
    各シンチレータ素子間のチャンネル方向とスライス方向との間の光の漏洩を遮断する光隔離壁と、
    前記シンチレータ素子の区画とそれぞれが一致するように配置されて、前記シンチレータ素子上に積層される複数個の光検出用シリコンフォトダイオード素子と、
    を有するマルチスライスX線CT装置用X線検出器において、
    前記光隔離壁は、ポリマーシートの表面に金属メッキを施したものの表裏両面に反射材を付加してなることを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  2. 上記光隔離壁のポリマーシートは透明であり、上記反射材の付加は白色顔料を充填した樹脂のコーティングであることを特徴とする請求項1に記載のマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  3. 上記複数のシンチレータ素子のチャンネル方向の両端部の隔離壁のチャンネル方向幅は、その内側のチャンネル間の隔離壁のチャンネル方向幅の1/2の幅であることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  4. ポリマーシートの表面に光遮蔽を目的とした金属メッキを施したものとし、前記金属メッキを施したポリマーシートの表裏両面に光を反射することが可能な反射材をコーティングし、シート状に成形したものを隣接するシンチレータ素子間に挿入した後、透明接着剤で接着固定したものであることを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  5. ポリマーシートの表面に光遮蔽を目的とした金属メッキを施したものとし、前記金属メッキを施したポリマーシートの表裏両面に光を反射することが可能な反射材をコーティングし、シート状に成形したものを隣接するシンチレータ素子間に挿入した後、白色顔料を充填した接着剤で接着固定したものであることを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  6. 前記上記金属メッキを施した表裏両面に光を反射することが可能な反射材は白色顔料を充填した樹脂であることを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  7. 前記隣接するシンチレータ素子間の光学的クロストークを遮断する手段として、ポリマーシートの表面に無電界金属鍍金法や真空鍍金法で金属から成る遮光用の薄膜層を備えたことを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  8. 前記樹脂は放射線照射による劣化の少ないエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂等であることを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  9. 前記白色顔料はルチル型ニ酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムから選択されるもの、若しくはこれらの組み合わせから成るものであることを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
  10. 前記白色顔料にシランカップリング剤を添加したことを特徴とするマルチスライスX線CT装置用X線検出器。
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