JPWO2010092661A1 - 無段変速機構およびその無段変速機構を用いた変速機 - Google Patents
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Abstract
トルクの伝達を媒介する転動体の傾転角度に応じて変速比を設定する無段変速機構であって、三つの要素の間でトルクを伝達できる機構を提供する。回転中心軸線を傾斜させることのできかつ外周面が滑らかな曲面に形成された転動体4の外周面所定箇所に回転部材がトルク伝達可能に接触して配置され、その転動体の回転中軸線を傾斜させることにより前記回転部材がトルク伝達可能に接触している箇所の回転半径を変化させて前記回転部材の回転数を変化させる無段変速機構1において、外周面に前記転動体4がトルク伝達可能に接触している第1回転部材2,3と、前記回転中心軸線を挟んで前記第1回転部材とは反対側で前記転動体の外周面にトルク伝達可能に接触しかつ前記第1回転部材に対して相対回転可能な第2回転部材25,26および第3回転部材とを備えている。
Description
この発明は、入力回転数と出力回転数との比率である変速比を連続的に変化させる無段変速機構およびその無段変速機構を使用した変速機に関するものである。
変速比を連続的に変化させる機構として、駆動側の部材と従動側の部材との間にディスクやローラなどの転動体を介在させ、その転動体に対する駆動側部材あるいは従動側部材の連結状態を連続的に変化させるように構成された機構が知られている。その一例がトロイダル型無段変速機であり、また他の例が、回転中心軸線を傾斜させることのできるボールを転動体とし、そのボールの外周面にトルク伝達可能に駆動側の部材と従動側の部材とを接触させ、ボールの回転中心軸線を傾斜させることにより、これらの部材がボールに接触している箇所の半径を連続的に変化させるように構成された無段変速機である。その例が特開平6−257655号公報や特開2008−75878号公報に記載されている。
特開平6−257655号公報に記載されている回転速度変換機は、外周面にテーパ面を有する駆動軸と、そのテーパ面で遊星状に支持されたボールとを備えている。そのボールの外周面の所定位置に、トルク伝達可能に接触する第1回転体と、他の位置にトルク伝達可能に接触する第2回転体とが設けられ、そのボールを自転および公転させることにより、ボールをプラネタリピニオンとして機能させて差動作用を生じさせるように構成されている。そして、ボールとテーパ面との接触位置、あるいはボールに対する各回転体の接触位置の半径を変化させることにより、第1回転体と第2回転体との回転数比を変化させるように構成されている。
また、特開2008−75878号公報に記載されている無段変速機は、主軸と、その外周面に回転自在に嵌合させられた支持部材とを備えている。その支持部材の外周面に、主軸に対する回転中軸線の傾斜角度を変更することのできるボールが接触させられ、そのボールの外周面の二箇所に、駆動部材および被駆動部材がトルク伝達可能に接触させられている。したがって、特開2008−75878号公報に記載された無段変速機では、ボールの回転中心軸線の傾斜角度を変化させることにより、ボールにおける前記駆動部材および被駆動部材の接触位置の回転半径が変化するので、これら駆動部材と被駆動部材との回転数の比率である変速比が変化する。
なお、車両の変速機として、特表2006−527337号公報にはツインクラッチトランスミッションが記載されている。そのツインクラッチトランスミッションは、入力軸に対してクラッチを介して選択的に連結される二本の中間軸を有し、その各中間軸と出力軸との間に複数のギヤ対が設けられている。そして、特表2006−527337号公報に記載されたツインクラッチトランスミッションは、シンクロナイザーなどのシフト要素によって、それらのギヤ対を中間軸もしくは出力軸に連結することにより、各ギヤ対に応じた変速比を設定するように構成されている。
特開平6−257655号公報に記載された回転速度変換機では差動作用が生じる。したがって、前記ボールの外周面に接触している二つの回転体の内の一方を固定し、あるいは回転させることにより、駆動軸と他方の回転体である従動部材との回転数の比率が変化する。すなわち、特開平6−257655号公報に記載された回転速度変換機は、駆動軸から従動軸に対して動力を伝達し、その駆動軸と従動軸との間の変速比を変更するように構成された装置である。そのため、例えば特表2006−527337号公報に記載されているように、入力軸から二つの中間軸に動力を分割して伝達する装置に使用するとした場合には、二つの回転速度変換機を使用せざるを得ず、装置が大型化したり、制御が複雑になるなどの課題が生じる。
また、特開2008−75878号公報に記載されている無段変速機によれば、駆動部材と被駆動部材との回転数の比率を連続的に変化させることができる。しかしながら、特開2008−75878号公報に記載されている無段変速機は、特開平6−257655号公報に記載されている回転速度変換機と同様に、二つの部材の間で動力を伝達し、かつその回転数比を変化させるように構成されている。そのため、例えば特表2006−527337号公報に記載されているようなトランスミッションにおけるクラッチに替えて使用するとすれば、二つの無段変速機を使用することにより、その結果、装置が大型化したり、制御が複雑になるなどの課題が生じる。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、三つの回転要素の間でトルクを伝達することができ、かつ入力要素と一つの出力要素との間の変速比および入力要素と他の一つの出力要素との間の変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機構およびその無段変速機構を用いた変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、回転中心軸線を傾斜させることができかつ外周面が滑らかな曲面に形成された転動体の外周面所定箇所に回転部材がトルク伝達可能に接触して配置され、その転動体の回転中心軸線を傾斜させることにより、前記回転部材がトルク伝達可能に接触している箇所の回転半径を変化させて前記回転部材の回転数を変化させる無段変速機構において、外周面に前記転動体がトルク伝達可能に接触している第1回転部材と、前記回転中心軸線を挟んで前記第1回転部材とは反対側で前記転動体の外周面にトルク伝達可能に接触しかつ前記第1回転部材に対して相対回転可能な第2回転部材および第3回転部材とを備えていることを特徴とするものである。
また、この発明は、上記の発明において、前記転動体を、その回転中心軸線が前記第1回転部材の回転中心軸線を含む平面内で該第1回転部材の回転中心軸線に対する角度が変化するように傾斜させる傾転角度調整機構を更に備えていることを特徴とする無段変速機構である。
さらに、この発明は、上記の発明において、前記第2回転部材と第3回転部材とは、前記転動体の中心と前記転動体が前記第1回転部材に接触している点とを通る線を挟んだ両側で、前記転動体の外周面にトルク伝達可能に接触していて、前記第2回転部材と第3回転部材とのいずれか一方の回転部材の回転数が増大するように前記転動体の回転中心軸線が傾斜した場合に他方の回転部材の回転数が低下するように構成されていることを特徴とする無段変速機構である。
さらに、この発明は、上記いずれかに記載の無段変速機構を用いた変速機であって、前記第1回転部材に連結された入力部材と、前記第2回転部材に連結された第1中間軸と、前記第3回転部材に連結された第2中間軸と、これら第1中間軸および第2中間軸に選択的にトルク伝達可能に連結される出力部材と、前記第1中間軸と前記出力部材との間に設けられかつこれら第1中間軸と出力部材との回転数比を所定の比率に設定する第1伝動機構と、その第1伝動機構をトルク伝達可能な状態とトルクを伝達しない状態とに選択的に切り替える第1切替機構と、前記第2中間軸と前記出力部材との間に設けられかつこれら第2中間軸と出力部材との回転数比を前記第1伝動機構による比率とは異なる比率に設定する第2伝動機構と、その第2伝動機構をトルク伝達可能な状態とトルクを伝達しない状態とに選択的に切り替える第2切替機構とを備えていることを特徴とするものである。
さらに、この発明は、上記の発明において、前記第1切替機構は、前記第1伝動機構を前記第1中間軸もしくは出力部材に選択的に連結する係合部材を含み、前記第2切替機構は、前記第2伝動機構を前記第2中間軸もしくは出力部材に選択的に連結する他の係合部材を含み、前記第1切替機構と第2切替機構とのいずれか一方の切替機構によって前記出力部材にトルクを伝達している状態で、他方の切替機構の回転数が該他方の切替機構によって連結するべきいずれかの中間軸もしくは出力部材の回転数と同期した際に該他方の切替機構の係合部材を係合状態に切り替えかつ前記一方の切替機構の係合部材を解放状態に切り替える制御手段を更に備えていることを特徴とする変速機である。
さらに、この発明は、上記の発明において、前記第1伝動機構および第2伝動機構のそれぞれは、互いに噛み合っている一対の歯車を含むことを特徴とする変速機である。
さらに、この発明は、上記いずれかの発明において、前記第1切替機構および第2切替機構は、ドグクラッチを含むことを特徴とする変速機である。
この発明においては、第1回転部材が回転すると、その外周面に接触している転動体が回転する。また、その転動体の外周面に第2回転部材および第3回転部材がトルク伝達可能に接触している。したがって、転動体を介して、第1回転部材と第2回転部材との間でトルクが伝達され、また第1回転部材と第3回転部材との間でトルクが伝達される。すなわち、三つの回転要素の間でトルクを伝達することができる。そして、転動体における前記各回転部材が接触している箇所の周速は、転動体の回転中心軸線からの距離に応じた速度となるから、転動体の回転中心軸線の傾斜角度を変化させると、各回転部材が接触している箇所の回転半径が変化し、かつその変化は転動体の外周面が滑らかな曲面であることにより連続的な変化となる。その結果、第1回転部材と第2回転部材との間の変速比および第1回転部材と第3回転部材との間の変速比を連続的に変化させることができる。
また、この発明では、転動体の最大回転半径位置を挟んだ両側で第2回転部材と第3回転部材とが転動体の外周面に接触することになるので、回転中心軸線の傾斜角度が変化するように転動体を傾斜させると、いずれか一方の回転部材が接触している箇所の回転半径が増大するとともに、他方の回転部材が接触している箇所の回転半径が減少する。すなわち、増速方向の変速と減速方向の変速とを同時に生じさせることができる。
さらに、この発明では、第1回転部材が入力要素となり、第2回転部材および第3回転部材のそれぞれが出力要素となる。そして、その第2回転部材は、第1中間軸および第1伝動機構ならびに第1切替機構を介して出力部材に選択的に連結され、また第3回転部材は、第2中間軸および第2伝動機構ならびに第2切替機構を介して出力部材に選択的に連結される。その第2回転部材あるいは第3回転部材の回転数は、前述したように、転動体の回転中心軸線を傾斜させることにより連続的に変化するので、第1伝動機構を介して出力部材に動力を伝達している状態、あるいは第2伝動機構を介して出力部材に動力を伝達している状態で、入力部材と出力部材との回転数の比率である変速比を連続的に変化させることができる。すなわち、無段変速が可能になる。また、入力部材と出力部材との回転数の比率である変速比は、無段変速機構による変速比と、各伝動機構による変速比とに基づいたものとなり、しかも第1伝動機構によって動力を伝達する状態と、第2伝動機構によって動力を伝達する状態とに切り替えることができるから、変速機の全体としての変速比の変化幅を、前記転動体を傾転させることによる変速比の変化幅より広くすることができる。
さらに、この発明によれば、転動体を傾転させることにより、一方の回転部材の回転数を低下させると同時に、他方の回転部材の回転数を増大させるように構成することができるので、いずれか一方の回転部材から所定の伝動機構を介して出力部材に動力を伝達している状態で、転動体を傾転させると、出力軸に対するトルクの伝達を行っていない他の伝動機構の回転数と出力軸もしくは中間軸との回転数が次第に同期する。その同期状態で解放状態にあった係合部材が係合状態に切り替えられ、また係合状態にあった係合部材が解放状態に切り替えられる。すなわち、出力部材に対するトルクの伝達に関与する伝動機構の切り替えを、回転数の急激な変化やそれに起因する慣性トルクの急変を生じさせることなく、スムースに行うことができる。
さらに、この発明によれば、各切替機構がドグクラッチによって構成されていることにより、それらの切替機構を介してトルクを伝達している状態では滑りが生じず、その結果、動力損失を低減することができる。特に、請求項5の発明のように構成された変速機にドグクラッチを採用した場合には、ドグクラッチを係合させる際の回転数の急激な変化やそれに起因するショックを回避することができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。この発明に係る無段変速機構1は、その一例を図1に示すように、三つの回転要素の間でトルクの伝達を行い、かつ第1の回転要素と第2の回転要素との間の変速比、および第1の回転要素と第3の回転要素との間の変速比を連続的に変化させるように構成されている。図1において、符号2は入力軸を示し、その外周側に入力軸2と一体となって回転するローラ3が取り付けられている。そのローラ3は、円筒状の部材であって、その外周面がトルク伝達面となっている。そのトルク伝達面に接触した状態に複数の転動体4が配置されている。
この転動体4は、後述するようにトルクの伝達を媒介するとともに変速比を変化させるためのものであって、その外周面は、入力軸2およびローラ3の回転に伴って円滑に回転するように滑らかな曲面に形成されている。具体的には、この転動体4は、鋼球などの球体、あるいはラグビーボールのような断面が楕円形状もしくは長円形状を成す部材などによって構成されている。なお、以下の説明では、転動体4が鋼球などのボール(球体)によって構成されている例を説明し、したがって転動体4をボール4と記すことがある。
これら複数のボール4は、ローラ3の外周側に等間隔に配置され、かつそれぞれローラ3とはトルク伝達可能に接触している。各ボール4は、その中心を貫通する支持軸5を備えており、その支持軸5を中心にして、すなわち回転中心軸線を中心にして自転するように保持されている。そのボール4を公転させずに自転するように保持するための機構は特には図示しないが、例えば無段変速機構1のケースに一体化されているサポート部をボール4の近傍にまでの延ばした状態に形成し、そのサポート部によって支持軸5の両端部を保持すればよい。その場合、支持軸5を回転自在に保持してもよく、あるいは支持軸5は回転しないように保持し、その支持軸5に対してボール4が回転するように構成してもよい。
図1に示す例では、転動体4の回転中心軸線である支持軸5は、入力軸2およびローラ3の回転中心軸線を含む平面内に位置し、かつその状態で入力軸2およびローラ3の回転中心軸線に対して傾斜するように保持されている。すなわち、図1では、支持軸5が左右に揺動するように構成されている。このようにボール4あるいはその支持軸5を傾斜させるための傾転角調整機構6の一例を図2に示してある。
図2に示す例では、入力軸2の内部に中空部7が形成されており、その中空部7と同一内径の貫通孔8を有する中空円筒状のスライドピン9が、入力軸2の軸線方向での中間部に挟み込まれている。その中空部7と貫通孔8とが繋がって一つのシリンダ10を形成しており、そのシリンダ10の内部にピストン11が、液密状態を維持して軸線方向に前後動するように配置されている。そのピストン11の軸線方向での一方の端部側には、ピストン11を軸線方向に押圧するリターンスプリング12が配置されている。また、シリンダ10における前記リターンスプリング12とは反対側の部分には、入力軸2の内部にその軸線方向に沿って形成された油路13が連通している。その油路13の他方の端部は、入力軸2の外周面のうちケース14に嵌合している部分に開口している。そして、そのケース14には、油圧発生装置15に連通している油路16が形成されており、これらの油路13,16が、入力軸2とケース14との嵌合箇所で連通している。なお、油圧発生装置15は、油路16に対する圧油の供給および排出を制御するための制御機器(図示せず)を含んでいる。したがって、前記ピストン11を図2の左方向に押圧して移動させる油圧をシリンダ10に供給する制御と、その油圧を排出する制御とを、油圧発生装置15によって行うように構成されている。
前記スライドピン9には、その内外に貫通した所定長さのスリット17が、軸線方向に沿って形成されている。このスリット17の長さは、前述したピストン11の長さより短く、したがってピストン11が軸線方向に前後動した場合であっても、ピストン11によって閉じられている。そのピストン11には、スライドピン9のスリット17を貫通してスライドピン9の外周側に突出したピン18が取り付けられている。また、スライドピン9の外周面には、軸線方向には移動可能であり、かつ回転方向には一体化された円筒状のローラステータ19が嵌合している。そして、ピストン11に取り付けられている前記ピン18の先端が、ローラステータ19に差し込まれて連結されている。したがって、ピストン11とローラステータ19とが、ピン18によって一体化するように連結されている。
前述したローラ3は、上記のようにピストン11と共に軸線方向に前後動するローラステータ19の外周面に嵌合され、かつキー20によって回転方向に対して一体化され、かつスナップリング21によって軸線方向に対して一体化されている。ローラ3は、軸線方向に移動してもボール4との接触を維持するように、軸線方向に所定の長さを有している。そして、このローラ3の軸線方向の両端部には、外表面がテーパ状をなすスラストアイドラ22が取り付けられている。そして、ボール4を貫通している支持軸5の両端部には、スラストアイドラ22の表面の近くにまで先端部が延びたボールステータ23が取り付けられており、そのボールステータ23の先端部に、スラストアイドラ22の表面に接触するガイドローラ24が取り付けられている。前記支持軸5およびこれによって支持されているボール4は、入力軸2の軸線方向には移動せずに、支持軸5が傾転するように保持されている。したがって、図2に示す傾転角調整機構6は、スラストアイドラ22およびこれが取り付けられたローラ3が軸線方向に移動すると、ガイドローラ24がスラストアイドラ22の表面に沿って図2の上下方向に移動し、支持軸5およびこれによって支持されているボール4が傾転するように構成されている。
図3の(a)および(b)は、傾転角調整機構6の動作状態を示しており、油圧発生装置15からシリンダ10に圧油を供給すると、その圧力がリターンスプリング12の弾性力より大きくなることにより、ピストン11がリターンスプリング12を圧縮しつつ図3の左方向に移動する。このピストン11にはピン18を介してローラステータ19が連結されているので、ローラ3およびその左右両側のスラストアイドラ22が図3の左方向に移動する。そのため、スラストアイドラ22の傾斜している表面に接触しているガイドローラ24がスラストアイドラ22の表面に沿って転動し、ボールステータ23を介してガイドローラ24に連結されている支持軸5が図3の(a)に示すように右下がりに傾斜する。
これとは反対にシリンダ10から圧油を排出すると、その圧力がリターンスプリング12の弾性力より小さくなることにより、ピストン11がリターンスプリング12に押されて図3の右方向に移動する。このピストン11にはピン18を介してローラステータ19が連結されているので、ローラ3およびその左右両側のスラストアイドラ22が図3の右方向に移動する。そのため、スラストアイドラ22の傾斜している表面に接触しているガイドローラ24がスラストアイドラ22の表面に沿って転動し、ボールステータ23を介してガイドローラ24に連結されている支持軸5が図3の(b)に示すように左下がりに傾斜する。
このように、シリンダ10内の圧油の量を制御することにより、ピストン11の位置、すなわちボール4およびこれを支持している支持軸5の傾転角度を調整することができる。そして、その傾転角度の制御は、目標とする変速比を算出し、その目標変速比と実変速比との偏差に基づくフィードバック制御によって行うことができる。
ボール4およびその支持軸5を傾転させるのは、変速比を変化させるためであり、このボール4を介してトルクを伝達される二つの出力部材が、ボール4の外周面に接触した状態に配置されている。図1に示す例においては、出力部材として、第1出力ディスク25および第2出力ディスク26が設けられている。これらのディスク25,26は、前記入力軸2の中心軸線を中心に回転するように配置された薄い皿形状もしくは薄い椀形状をなす回転部材であり、その開口端の内周縁をボール4の外周面にトルク伝達可能な状態に接触させている。なお、ボール4と各ディスク25,26との接触、およびボール4と前記ローラ3との接触は、それぞれの素材が直接接触する金属接触であってもよく、あるいはトラクションオイルの油膜を介した接触であってもよい。
第1出力ディスク25および第2出力ディスク26は、共に同一形状もしくは対称形状に形成されていることが好ましく、これらのディスク25,26は、ボール4を挟んで左右対称の位置に配置されている。したがって、各ディスク25,26は、ボール4の外周面における左右対称の位置に接触している。より具体的に説明すると、図4は機構説明図であって、ボール4の中心Oと、ボール4が前記ローラ3に接触する点Pとを結んだ線Lを挟んだ左右両側の互いに対称となる位置に各ディスク25,26の開口端部が接触している。それぞれの接触位置P1,P2の周速は、それぞれの回転中心である支持軸5の中心からの距離r1,r2に比例するから、ボール4が傾転していずに支持軸5が入力軸2と平行になっている状態では、各接触位置P1,P2の周速すなわち各ディスク25,26の回転速度が等しくなり、ボール4が傾転して支持軸5が入力軸2に対して傾斜すると、いずれか一方のディスク25(26)の回転速度が相対的に速くなり、かつ他方のディスク26(25)の回転速度が相対的な遅くなる。なお、支持軸5が傾斜した状態で各ディスク25,26の回転速度が等しくなるように構成することも可能であり、その場合には、ボール4に対する各ディスク25,26の接触位置は、上記の線Lを挟んだ対称位置から幾分外れた位置になる。
ボール4と各ディスク25,26との間のトルク伝達は、摩擦によって行われ、あるいはトラクションオイルを介した摩擦によって行われるので、伝達可能なトルクは、ボール4と各ディスク25,26との接触圧力に比例したトルクとなる。したがって、各ディスク25,26は、所期の伝達トルク容量となるように、ボール4に向けて押圧され、所定の圧力でボール4に接触している。そのための押圧機構は特には図示しないが、皿ばねなどの弾性機構や油圧によってディスク25,26を軸線方向に押圧する油圧機構などによって構成されている。
上述した無段変速機構1の作用について次に説明する。入力軸2にトルクが入力されて入力軸2と共にローラ3が回転すると、その外周面に接触しているボール4にトルクが伝達されてボール4が回転する。その回転方向はローラ3の回転方向とは反対の方向であり、またボール4の回転中心軸線は支持軸5の中心線である。ボール4の外周面には第1出力ディスク25および第2出力ディスク26がトルク伝達可能に接触しているから、ボール4から各ディスク25,26にトルクが伝達されて各ディスク25,26が回転する。これら各ディスク25,26の回転方向はボール4の回転方向と同じであり、したがって各ディスク25,26は入力軸2とは反対の方向に回転する。すなわち、ボール4がアイドラーとして機能し、入力軸2のトルクがボール4を介して各ディスク25,26に伝達される。その場合、ローラ3に対するボール4の回転数や各ディスク25,26の回転数(もしくは回転速度)は、それぞれのボール4との接触位置の回転半径(ボール4の回転中心軸線あるいは支持軸5の中心軸線からの距離)に応じて決まり、それらの回転半径は以下に説明するように、ボール4(もしくはその支持軸5)の傾転角度αによって変化する。したがって、ボール4の傾転角度αを変化させることにより、入力軸2の回転数に対する第1出力ディスク25および第2出力ディスク26の回転数の比率すなわち変速比を変化させることができる。
これを図4を参照して具体的に説明すると、ボール4の外周面のうち、前述した線Lを中心とした左右対称位置に各ディスク25,26が接触しているとした場合、傾斜していない状態の支持軸5の中心線からその接触位置P1,P2までの距離(すなわち回転半径)は、ボール4の半径rより小さくなる。その割合(接触位置係数)をkとすれば、
β=cos-1k
である。ここで、βは、前記各接触位置P1,P2の前記線Lからの開き角度である。支持軸5が傾斜していない場合の中心軸線から各接触位置P1,P2までの距離は(k×r)となる。また、ローラ3の半径をrs、各ディスク25,26のボール4に接触する部分の半径(入力軸2の中心軸線からの半径:回転半径)をrdとすると、
rd=rs+r(1+k)
である。
β=cos-1k
である。ここで、βは、前記各接触位置P1,P2の前記線Lからの開き角度である。支持軸5が傾斜していない場合の中心軸線から各接触位置P1,P2までの距離は(k×r)となる。また、ローラ3の半径をrs、各ディスク25,26のボール4に接触する部分の半径(入力軸2の中心軸線からの半径:回転半径)をrdとすると、
rd=rs+r(1+k)
である。
ボール4の傾転角度(すなわち支持軸5の入力軸2に対する傾斜角度)をαとした場合における第1出力ディスク25のボール4に対する接触位置P1の回転半径をr1、第2出力ディスク26のボール4に対する接触位置P2の回転半径をr2、ボール4のローラ3に対する接触点Pの回転半径をr3は、それぞれ下記の式で表される。なお、回転半径とは、支持軸5の中心軸線(ボール4の回転中心軸線)からの距離である。
r1=r×sin[π/2−(α+β)]=r×cos(α+β)
r2=r×sin[π/2+(α−β)]=r×cos(α−β)
r3=r×cosα
となる。
r1=r×sin[π/2−(α+β)]=r×cos(α+β)
r2=r×sin[π/2+(α−β)]=r×cos(α−β)
r3=r×cosα
となる。
したがって、入力軸2(ローラ3)の回転数をnrとした場合の第1出力ディスク25の回転数n1、第2出力ディスク26の回転数n2は、
n1=nr×rs/r3×r1/rd
n2=nr×rs/r3×r2/rd
となる。さらに、これらの回転数比は、
n2/n1=cos(α−β)/cos(α+β)
である。
n1=nr×rs/r3×r1/rd
n2=nr×rs/r3×r2/rd
となる。さらに、これらの回転数比は、
n2/n1=cos(α−β)/cos(α+β)
である。
上記のβの値を一定(例えば30°)としてボール4の傾転角度αを変化させた場合におけるcos(α−β)およびcos(α+β)の値の変化を線図で示せば図5のとおりである。すなわち、傾転角度αが正方向あるいは負方向に変化すると、cos(α−β)およびcos(α+β)の一方が増大し、かつ他方が減少する。そして、その変化は連続的である。
傾転角度αの変化に伴う各ディスク25,26の回転数の変化を求めて線図で示すと、図6のとおりである。図6における符号D1は、第1出力ディスク25の回転数を示し、符号D2は、第2出力ディスク26の回転数を示す。この図6から明らかなように、傾転角度αが正方向に増大する(図4では支持軸5が右下がりに傾斜する)と、傾転角度αの増大に従って第1出力ディスク25の回転数が低下し、かつ第2出力ディスク26の回転数が増大する。これとは反対に傾転角度αが負方向に増大する(図4では支持軸5が左下がりに傾斜する)と、傾転角度αが負方向に増大するのに従って、第1出力ディスク25の回転数が増大し、かつ第2出力ディスク26の回転数が低下する。
このように、この発明に係る無段変速機構1によれば、入力軸2と二つの出力ディスク25,26との合計三つの回転部材の間でトルク伝達することができる。また、入力軸2と一方の出力ディスク25(26)との間の変速比と、入力軸2と他方の出力ディスク26(25)との間の変速比とを同時に変化させることができ、しかも増速と減速とを同時に生じさせることができる。そして、入力軸2の回転数に対して各ディスク25,26の回転数を小さくする減速機として機能させることができる。
上記の無段変速機構1を使用した変速機30の一例を次に説明する。図7に示す例は、前進4段の変速段を設定できるように構成した例であり、入力軸2は入力用伝動機構31を介して駆動力源(図示せず)に連結されている。この入力伝動機構31は、発進クラッチあるいはトルクコンバータなどによって構成されており、変速機30を搭載した車両が停止している状態であっても駆動力源を回転させ続け得るようにするために設けられている。図7に示す例では、前述した第1出力ディスク25および第2出力ディスク26は、外周面に歯車を備えたカウンタドライブギヤとして構成されている。その第1出力ディスク25に噛み合っている第1カウンタドリブンギヤ32と、第2出力ディスク26に噛み合っている第2カウンタドリブンギヤ33とが設けられている。さらに、第1カウンタドリブンギヤ32は第1中間軸34に取り付けられ、また第2カウンタドリブンギヤ33は第2中間軸35に取り付けられている。したがって、各中間軸34,35は互いに平行に配置され、また前記入力軸2と平行になっている。
第1中間軸34には、第1速用駆動ギヤ36と第3速用駆動ギヤ37とが回転自在に取り付けられている。また、これら第1速用駆動ギヤ36と第3速用駆動ギヤ37との間に、この発明における第1切替機構に相当する第1ドグクラッチ38が設けられている。この第1ドグクラッチ38は、第1速用駆動ギヤ36と第3速用駆動ギヤ37とを、第1中間軸34に対して選択的に連結するためのものであって、これらの駆動ギヤ36,37に選択的に噛み合いかつ第1中間軸34にスプライン嵌合されたドグを備えている。そのドグがこの発明における係合部材に相当する。そのドグを第1中間軸34の軸線方向に移動させる機構は、手動操作されてドグを移動させる機構や、電気的に制御されて油圧もしくは電磁力によって動作する機構のいずれであってもよい。なお、第1切替機構はドグクラッチ38に替えて、シンクロナイザーや多板クラッチなどに置き換えることもできる。
また、第2中間軸35には、第2速用駆動ギヤ39と第4速用駆動ギヤ40とが回転自在に取り付けられている。また、これら第2速用駆動ギヤ39と第4速用駆動ギヤ40との間に、この発明における第2切替機構に相当する第2ドグクラッチ41が設けられている。この第2ドグクラッチ41は、第2速用駆動ギヤ39と第4速用駆動ギヤ40とを、第2中間軸35に対して選択的に連結するためのものであって、これらの駆動ギヤ39,40に選択的に噛み合いかつ第2中間軸35にスプライン嵌合されたドグを備えている。そのドグを第2中間軸35の軸線方向に移動させる機構は、手動操作されてドグを移動させる機構や、電気的に制御されて油圧もしくは電磁力によって動作する機構のいずれであってもよい。なお、第2切替機構はドグクラッチ41に替えて、シンクロナイザーや多板クラッチなどに置き換えることもできる。
上記の第1中間軸34および第2中間軸35と平行に出力軸42が回転自在に配置されており、その出力軸42に第1速用従動ギヤ43、第2速用従動ギヤ44、第3速用従動ギヤ45、第4速用従動ギヤ46が取り付けられている。その第1速用従動ギヤ43は前述した第1速用駆動ギヤ36に噛み合っており、第2速用従動ギヤ44は前述した第2速用駆動ギヤ39に噛み合っている。また、第3速用従動ギヤ45は前述した第3速用駆動ギヤ37に噛み合っており、第4速用従動ギヤ46は前述した第4速用駆動ギヤ40に噛み合っている。なお、出力軸42は、例えばギヤ対47を介してデファレンシャル48に連結されている。
ここで、上記の第1速用のギヤ対ないし第4速用のギヤ対におけるギヤ比(それぞれの駆動ギヤの歯数に対する従動ギヤの歯数の比)は、第1速用のギヤ対で最も大きく、第2速用のギヤ対、第3速用のギヤ対の順に次第に小さくなり、第4速用のギヤ対のギヤ比が最も小さくなっている。
なお、この発明における切替機構は、出力軸42に対してトルクを伝達する状態を選択的に設定するためのものであるから、各駆動ギヤをそれぞれの中間軸に選択的に連結するように構成された機構に替えて、各従動ギヤを出力軸42に選択的に連結するように構成された機構としてもよい。
図7に示す変速機30は、上記のドグクラッチ38,41を電気的に切替制御する自動変速機として構成することができ、その場合には、それらのドグクラッチ38,41を制御するための電子制御装置(図示せず)が設けられる。その電子制御装置は、変速機30が搭載されている車両の車速やアクセル開度などのデータと予め記憶している変速線図などのデータとに基づいて変速段を判断し、その変速段を達成するように、各ドグクラッチ38,41を動作させる。
このように自動制御によって設定される変速段、もしくは前記各ドグクラッチ38,41を手動操作して設定される変速段について説明する。先ず、第1速は、第1ドグクラッチ38を図7の左側に動作させて第1速用駆動ギヤ36を第1中間軸34に連結する。すなわち、第1速用のギヤ対を第1中間軸34と出力軸42との間でトルクを伝達する状態に設定する。その状態で無段変速機構1における入力軸2にトルクが入力されると、入力軸2と共に前記ローラ3が回転することにより、前記ボール4を介して第1出力ディスク25および第2出力ディスク26にトルクが伝達され、これらの出力ディスク25,26が入力軸2とは反対の方向に回転する。また、各出力ディスク25,26の回転数は、ボール4の傾転角度αおよび入力軸2の回転数(入力回転数)に応じた回転数になる。
各出力ディスク25,26にカウンタドリブンギヤ32,33が噛み合っているから、第1中間軸34と第2中間軸35とにトルクが伝達されるが、第2中間軸35に設けられている第2ドグクラッチ41がいわゆる中立位置にあって、第2中間軸35には第2速用駆動ギヤ39および第4速用駆動ギヤ40のいずれも連結されていないので、第2中間軸35から出力軸42に対してはトルクが伝達されない。これに対して第1中間軸34に設けられている第1ドグクラッチ38によって第1速用駆動ギヤ36が第1中間軸34に連結されているので、第1中間軸34から第1速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。結局、入力軸2から第1出力ディスク25および第1中間軸34ならびに第1速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。したがって、第1速における変速比は、ボール4の傾転角度αに応じたローラ3と第1出力ディスク25との間の変速比および第1速用のギヤ対のギヤ比とに応じた値となる。
第2速状態は、以下のようにして設定される。第1速を設定している状態で、第1出力ディスク25および第1中間軸34の回転速度が増大する方向にボール4の傾転角度αを増大させると、第2出力ディスク26およびこれと一体の第2中間軸35の回転数が次第に低下する。また、第1中間軸34の回転速度が増大することにより、第1中間軸34からトルクが伝達されている出力軸42の回転速度も次第に増加するので、第2速用のギヤ対および第4速用のギヤ対の回転数が次第に増大する。そのため、第1速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクを伝達している状態(以下、この状態を仮に第1速状態と記す)で無段変速機構1におけるボール4の傾転角度αを増大させると、所定の傾転角度αにおいて第2速用のギヤ対の回転数(より正確には第2速用駆動ギヤ39の回転数)が第2中間軸35の回転数に一致する。すなわち、回転数の同期状態が生じる。
この同期状態で、第1ドグクラッチ38を中立位置に動作させて、第1中間軸34に対する第1速用駆動ギヤ36の連結を解除し、かつ第2ドグクラッチ41を図7の左方向に動作させて、第2速用駆動ギヤ39を第2中間軸35に連結する。すなわち、第2速用のギヤ対を第2中間軸35と出力軸42との間でトルクを伝達する状態(以下、仮にこの状態を第2速状態と記す)に設定する。その状態で無段変速機構1における入力軸2にトルクが入力されると、入力軸2と共に前記ローラ3が回転することにより、前記ボール4を介して第1出力ディスク25および第2出力ディスク26にトルクが伝達され、これらの出力ディスク25,26が入力軸2とは反対の方向に回転する。また、各出力ディスク25,26の回転数は、ボール4の傾転角度αおよび入力軸2の回転数(入力回転数)に応じた回転数になる。
各出力ディスク25,26にカウンタドリブンギヤ32,33が噛み合っているから、第1中間軸34と第2中間軸35とにトルクが伝達されるが、第1中間軸34に設けられている第1ドグクラッチ38がいわゆる中立位置にあって、第1中間軸34には第1速用駆動ギヤ36および第3速用駆動ギヤ37のいずれも連結されていないので、第1中間軸34から出力軸42に対してはトルクが伝達されない。これに対して第2中間軸35に設けられている第2ドグクラッチ41によって第2速用駆動ギヤ39が第2中間軸35に連結されているので、第2中間軸35から第2速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。結局、入力軸2から第2出力ディスク26および第2中間軸35ならびに第2速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。したがって、第2速における変速比は、ボール4の傾転角度αに応じたローラ3と第2出力ディスク26との間の変速比および第2速用のギヤ対のギヤ比とに応じた値となる。
第1速状態と第2速状態との間の切り替えを上記のように回転数が同期した状態で実行することにより、回転数の急激な変化やそれに起因するショックを生じることなくスムースな切り替えを行うことができる。このようないわゆる変速制御は前述した電子制御装置によって実行することができ、このような装置がこの発明における制御手段に相当する。
第3速状態は、第1ドグクラッチ38によって第3速用駆動ギヤ37を第1中間軸34に連結し、かつ第2ドグクラッチ41を中立位置に移動させて第2速用駆動ギヤ39と第2中間軸35との連結を解除することにより設定される。このようなドグクラッチ38,41の動作状態の切り替えは、第1速状態から第2速状態に切り替える場合と同様に、回転数が同期した状態で実行することが好ましい。
第3速状態は、第1ドグクラッチ38を図7の右側に動作させて第3速用駆動ギヤ37を第1中間軸34に連結する。すなわち、第3速用のギヤ対を第1中間軸34と出力軸42との間でトルクを伝達する状態に設定する。その状態で無段変速機構1における入力軸2にトルクが入力されると、入力軸2と共に前記ローラ3が回転することにより、前記ボール4を介して第1出力ディスク25および第2出力ディスク26にトルクが伝達され、これらの出力ディスク25,26が入力軸2とは反対の方向に回転する。また、各出力ディスク25,26の回転数は、ボール4の傾転角度αおよび入力軸2の回転数(入力回転数)に応じた回転数になる。
各出力ディスク25,26に各カウンタドリブンギヤ32,33が噛み合っているから、第1中間軸34と第2中間軸35とにトルクが伝達されるが、第2中間軸35に設けられている第2ドグクラッチ41がいわゆる中立位置にあって、第2中間軸35には第2速用駆動ギヤ39および第4速用駆動ギヤ40のいずれも連結されていないので、第2中間軸35から出力軸42に対してはトルクが伝達されない。これに対して第1中間軸34に設けられている第1ドグクラッチ38によって第3速用駆動ギヤ37が第1中間軸34に連結されているので、第1中間軸34から第3速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。結局、入力軸2から第1出力ディスク25および第1中間軸34ならびに第3速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。したがって、第3速における変速比は、ボール4の傾転角度αに応じたローラ3と第1出力ディスク25との間の変速比および第3速用のギヤ対のギヤ比とに応じた値となる。
さらに、第4速状態は以下のようにして設定される。前述した第1速状態を設定している場合と同様に、第3速を設定している状態で、第1出力ディスク25および第1中間軸34の回転速度が増大する方向にボール4の傾転角度αを増大させると、第2出力ディスク26およびこれと一体の第2中間軸35の回転数が次第に低下する。また、第1中間軸34の回転速度が増大することにより、第1中間軸34からトルクが伝達されている出力軸42の回転速度も次第に増加するので、第2速用のギヤ対および第4速用のギヤ対の回転数が次第に増大する。そのため、第3速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクを伝達している状態(以下、この状態を仮に第3速状態と記す)で無段変速機構1におけるボール4の傾転角度αを増大させると、所定の傾転角度αにおいて第4速用のギヤ対の回転数(より正確には第4速用駆動ギヤ40の回転数)が第2中間軸35の回転数に一致する。すなわち、回転数の同期状態が生じる。
この同期状態で、第1ドグクラッチ38を中立位置に動作させて、第1中間軸34に対する第3速用駆動ギヤ37の連結を解除し、かつ第2ドグクラッチ41を図7の右方向に動作させて、第4速用駆動ギヤ40を第2中間軸35に連結する。すなわち、第4速用のギヤ対を第2中間軸35と出力軸42との間でトルクを伝達する状態(以下、仮にこの状態を第4速状態と記す)に設定する。その状態で無段変速機構1における入力軸2にトルクが入力されると、入力軸2と共に前記ローラ3が回転することにより、前記ボール4を介して第1出力ディスク25および第2出力ディスク26にトルクが伝達され、これらの出力ディスク25,26が入力軸2とは反対の方向に回転する。また、各出力ディスク25,26の回転数は、ボール4の傾転角度αおよび入力軸2の回転数(入力回転数)に応じた回転数になる。
各出力ディスク25,26にカウンタドリブンギヤ32,33が噛み合っているから、第1中間軸34と第2中間軸35とにトルクが伝達されるが、第1中間軸34に設けられている第1ドグクラッチ38がいわゆる中立位置にあって、第1中間軸34には第1速用駆動ギヤ36および第3速用駆動ギヤ37のいずれも連結されていないので、第1中間軸34から出力軸42に対してはトルクが伝達されない。これに対して第2中間軸35に設けられている第2ドグクラッチ41によって第4速用駆動ギヤ40が第2中間軸35に連結されているので、第2中間軸35から第4速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。結局、入力軸2から第2出力ディスク26および第2中間軸35ならびに第4速用のギヤ対を介して出力軸42にトルクが伝達される。したがって、第4速状態における変速比は、ボール4の傾転角度αに応じたローラ3と第2出力ディスク26との間の変速比および第4速用のギヤ対のギヤ比とに応じた値となる。
第3速と第4速との間の切り替えを上記のように回転数が同期した状態で実行することにより、回転数の急激な変化やそれに起因するショックを生じることなくスムースな切り替えを行うことができる。このようないわゆる変速制御は前述した電子制御装置によって実行することができ、このような装置がこの発明における制御手段に相当する。
上述した第1速ないし第4速の各変速段での動作状態および同期変速について図8に示す線図を参照して更に説明する。図8の(a)〜(d)は、ボール4の傾転角度αを横軸に採り、各中間軸34,35の回転数ならびに各変速段用のギヤ対の回転数(より具体的には切替機構によって中間軸に選択的に連結されるギヤの回転数)を縦軸に採ってそれぞれの部材の回転数の変化を示す線図である。なお、ここにおける「回転数」は入力軸2の回転数に対する相対的な回転数である。
図8の(a)は第1速状態を示しており、ボール4の傾転角度αを負の方向に増大させる(図2および図3では支持軸5が左上がりとなるように傾斜させ、その角度を大きくする)と、第1中間軸34の回転数S1が次第に増大するとともに、第2中間軸35の回転数S2が次第に低下する。すなわち、第1速状態での変速比が次第に小さくなり、連続的にアップシフトする。一方、出力軸42に対するトルクの伝達に関与していない第2中間軸35の回転数S2は次第に低下する。
上記の連続的なアップシフトに伴って出力軸42の回転数(入力軸2の回転数に対する相対的な回転数)が増大するので、第2速用のギヤ対の回転数N2、第3速用のギヤ対の回転数N3ならびに第4速用のギヤ対の回転数N4が次第に増大する。第2速用のギヤ対の回転数N2がこのように増大するのに対して、第2中間軸35の回転数S2が、上記の連続的なアップシフトに伴って次第に低下するので、これらの回転数N2,S2が所定の傾転角度αで一致する。すなわち、回転同期が生じる。この回転同期状態では、第2ドグクラッチ41によって連結するべき第2中間軸35の回転数S2と第2速用駆動ギヤ39の回転数とに差がないので、第2ドグクラッチ41におけるドグを第2速用駆動ギヤ39に係合させて第2速用駆動ギヤ39を第2中間軸35に連結することができる。すなわち、第2速状態にシフトすることができ、またその場合、回転数の急激な変化やそれに伴うショックが生じることはない。なお、第2速状態へのシフトに伴って第1ドグクラッチ38におけるドグを中立位置に後退させて、第1速用駆動ギヤ36との係合を解除する。
このようにして設定された第2速状態を図8の(b)に示してあり、傾転角度αは負の角度(支持軸5が図4での左下がりに傾斜した状態)になっている。この状態から傾転角度αを次第に小さくするとともに正の方向に傾斜(支持軸5を図4での右下がり傾斜)させ、その傾斜角度を次第に増大させると、第2中間軸35の回転数S2が次第に増大する。すなわち、連続的なアップシフトが生じる。
傾転角度αのこのような変化に伴って第1中間軸34の回転数S1が次第に低下する。また、アップシフトおよびそれに伴う出力軸42の回転数の増大に伴って第3速用のギヤ対の回転数N3が次第に増大する。そのため、傾転角度αが所定の角度になった時点に、第1中間軸34の回転数S1とこれに連結するべき第3速用のギヤ対の回転数N3とが一致する。すなわち、回転同期が生じる。この回転同期状態では、第1ドグクラッチ38によって連結するべき第1中間軸34の回転数S1と第3速用駆動ギヤ37の回転数とに差がないので、第1ドグクラッチ38におけるドグを第3速用駆動ギヤ37に係合させて第3速用駆動ギヤ37を第1中間軸34に連結することができる。すなわち、第3速状態にシフトすることができ、またその場合、回転数の急激な変化やそれに伴うショックが生じることはない。なお、第3速状態へのシフトに伴って第2ドグクラッチ41におけるドグを中立位置に後退させて、第2速用駆動ギヤ39との係合を解除する。
このようにして設定された第3速状態を図8の(c)に示してあり、傾転角度αは正の角度(支持軸5が図4での右上がりに傾斜した状態)になっている。この状態から傾転角度αを次第に小さくするとともに負の方向に傾斜(支持軸5を図4での左下がり傾斜)させ、その傾斜角度を次第に増大させると、第1中間軸34の回転数S1が次第に増大する。すなわち、連続的なアップシフトが生じる。
傾転角度αのこのような変化に伴って第2中間軸35の回転数S2が次第に低下する。また、アップシフトおよびそれに伴う出力軸42の回転数の増大に伴って第4速用のギヤ対の回転数N4が次第に増大する。そのため、傾転角度αが所定の角度になった時点に、第2中間軸35の回転数S2とこれに連結するべき第4速用のギヤ対の回転数N4とが一致する。すなわち、回転同期が生じる。この回転同期状態では、第2ドグクラッチ41によって連結するべき第2中間軸35の回転数S2と第4速用駆動ギヤ40の回転数とに差がないので、第2ドグクラッチ41におけるドグを第4速用駆動ギヤ40に係合させて第4速用駆動ギヤ40を第2中間軸35に連結することができる。すなわち、第4速状態にシフトすることができ、またその場合、回転数の急激な変化やそれに伴うショックが生じることはない。なお、第4速状態へのシフトに伴って第1ドグクラッチ38におけるドグを中立位置に後退させて、第3速用駆動ギヤ37との係合を解除する。
このようにして設定された第4速状態を図8の(d)に示してあり、傾転角度αは負の角度(支持軸5が図4での左下がりに傾斜した状態)になっている。この状態から傾転角度αを次第に小さくするとともに正の方向に傾斜(支持軸5を図4での右下がり傾斜)させ、その傾斜角度を次第に増大させると、第2中間軸35の回転数S2が次第に増大する。すなわち、連続的なアップシフトが生じる。
なお、一方のドグクラッチ38(41)を係合状態に切り替えるとともに他方のドグクラッチ41(38)を解放状態に切り替える動作を短時間に完了するように制御すれば、第1速状態から第4速状態までの変速を実質的に無段階に行うことができる。また、図8には一つの傾転角度αで各変速状態での同期が生じる例を示してあるが、図8から知られるよう、傾転角度αを更に大きくすることができるように構成した場合には、第2中間軸35の回転数S2が第2速用のギヤ対の回転数N2に同期する傾転角度αと、第4速用のギヤ対の回転数N4に同期する回転数とを生じさせることができる。あるいは第1中間軸34の回転数S1が第1速用のギヤ対の回転数N1に同期する傾転角度αと、第3速用のギヤ対の回転数N3に同期する回転数とを生じさせることができる。したがってこのように構成した場合には、第1速状態と第4速状態との間のシフトも可能になる。
さらに、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、設定可能な変速状態は4段以上もしくは4段以下であってもよい。また、上記の具体例では、入力軸2から二つの出力ディスク25,26にトルクを伝達するように構成した例を示したが、この発明は上記の具体例に限られず、いずれかの出力ディスクを入力要素とし、他の出力ディスクおよび前記入力軸2を出力要素としてもよい。また、この発明に係る変速機での伝動機構は、ギヤ対以外にベルト伝動機構やローラ式伝動機構などの他の伝動機構であってもよい。そして、この発明に係る変速機の切替機構は、各伝動機構毎に設けてもよく、また中間軸上に設けずに、出力軸もしくは出力部材と同軸上に設けてもよい。
Claims (7)
- 回転中心軸線を傾斜させることができかつ外周面が滑らかな曲面に形成された転動体の外周面所定箇所に回転部材がトルク伝達可能に接触して配置され、その転動体の回転中心軸線を傾斜させることにより、前記回転部材がトルク伝達可能に接触している箇所の回転半径を変化させて前記回転部材の回転数を変化させる無段変速機構において、
外周面に前記転動体がトルク伝達可能に接触している第1回転部材と、
前記回転中心軸線を挟んで前記第1回転部材とは反対側で前記転動体の外周面にトルク伝達可能に接触しかつ前記第1回転部材に対して相対回転可能な第2回転部材および第3回転部材と
を備えていることを特徴とする無段変速機構。 - 前記転動体を、その回転中心軸線が前記第1回転部材の回転中心軸線を含む平面内で該第1回転部材の回転中心軸線に対する角度が変化するように傾斜させる傾転角度調整機構を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機構。
- 前記第2回転部材と第3回転部材とは、前記転動体の中心と前記転動体が前記第1回転部材に接触している点とを通る線を挟んだ両側で、前記転動体の外周面にトルク伝達可能に接触していて、
前記第2回転部材と第3回転部材とのいずれか一方の回転部材の回転数が増大するように前記転動体の回転中心軸線が傾斜した場合に他方の回転部材の回転数が低下するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機構。 - 前記第1回転部材に連結された入力部材と、
前記第2回転部材に連結された第1中間軸と、
前記第3回転部材に連結された第2中間軸と、
これら第1中間軸および第2中間軸に選択的にトルク伝達可能に連結される出力部材と、
前記第1中間軸と前記出力部材との間に設けられかつこれら第1中間軸と出力部材との回転数比を所定の比率に設定する第1伝動機構と、
その第1伝動機構をトルク伝達可能な状態とトルクを伝達しない状態とに選択的に切り替える第1切替機構と、
前記第2中間軸と前記出力部材との間に設けられかつこれら第2中間軸と出力部材との回転数比を前記第1伝動機構による比率とは異なる比率に設定する第2伝動機構と、
その第2伝動機構をトルク伝達可能な状態とトルクを伝達しない状態とに選択的に切り替える第2切替機構と
を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無段変速機構を用いた変速機。 - 前記第1切替機構は、前記第1伝動機構を前記第1中間軸もしくは出力部材に選択的に連結する係合部材を含み、
前記第2切替機構は、前記第2伝動機構を前記第2中間軸もしくは出力部材に選択的に連結する他の係合部材を含み、
前記第1切替機構と第2切替機構とのいずれか一方の切替機構によって前記出力部材にトルクを伝達している状態で、他方の切替機構の回転数が該他方の切替機構によって連結するべきいずれかの中間軸もしくは出力部材の回転数と同期した際に該他方の切替機構の係合部材を係合状態に切り替えかつ前記一方の切替機構の係合部材を解放状態に切り替える制御手段を更に備えている
ことを特徴とする請求項4に記載の変速機。 - 前記第1伝動機構および第2伝動機構のそれぞれは、互いに噛み合っている一対の歯車を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の変速機。
- 前記第1切替機構および第2切替機構は、ドグクラッチを含むことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の変速機。
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