JP2002161953A - ベルト式無段変速装置 - Google Patents

ベルト式無段変速装置

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JP2002161953A
JP2002161953A JP2001151151A JP2001151151A JP2002161953A JP 2002161953 A JP2002161953 A JP 2002161953A JP 2001151151 A JP2001151151 A JP 2001151151A JP 2001151151 A JP2001151151 A JP 2001151151A JP 2002161953 A JP2002161953 A JP 2002161953A
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JP
Japan
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pulley
axis
belt
shaft
support plate
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English (en)
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Atsushi Tsukisaki
敦史 月▲さき▼
Satoshi Hiraiwa
聡 平岩
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速時に両プーリのV溝相互間に生じる芯ズ
レを簡単に行うことができる芯ズレ補正機構を有するベ
ルト式無段変速装置を提供する。 【解決手段】 ベルト式無段変速装置の変速時に、各プ
ーリPa,Pbに対するベルト1の巻き掛け径が変化する
ことによる両プーリPa,PbのV溝5相互間の芯ズレ
を、両プーリPa,Pbの軸間距離aを変化させることに
より補正するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のトランス
ミッションなどに使用されるベルト式無段変速装置に関
し、特に、変速時に生じる両プーリのV溝相互間の芯ズ
レ現象をなくすようにした芯ズレ補正機構に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車用変速装置は、いわゆるC
VT(Continuously Variable Transmission)と称される
ベルト式無段変速装置が多用されている。
【0003】この種の無段変速装置は、一般に、入力側
プーリと出力側プーリがそれぞれ可動シーブと固定シー
ブを有し、一方のプーリの可動シーブと固定シーブは、
他方のプーリの軸方向反対側となるように配置され、両
シーブ間のV溝にそれぞれベルトが嵌合して巻き掛けら
れている。
【0004】変速作動を行なう場合には、各可動シーブ
を油圧シリンダなどにより軸方向に移動し、ベルトの巻
き掛け位置、つまり各プーリにおけるベルトの巻き掛け
径を変化させることにより無段階に入力側プーリと出力
側プーリの回転数を変化させることにより行なう。
【0005】しかし、この無段変速装置は、変速時に両
プーリのV溝相互間の中心位置が不一致となる現象(以
下、「芯ズレ」と略称する)が生じることが知られてい
る(例えば、特開昭63−115937号公報参照)。
【0006】芯ズレが生じると、ベルトが捩れて駆動さ
れ、プーリと片当りし、正常なトルク伝達、回転伝達が
行われず、変速機能が低下し、ベルト自体も偏磨耗によ
り寿命が短くなるなど、種々の不具合が起きる。
【0007】この無段変速装置においては、変速作動時
でも、ベルト周長や、入力軸と出力軸の軸間距離が常に
一定であるため、入力側プーリの可動シーブを固定シー
ブに対して軸方向に移動して一定量開いた場合、これに
対応する量だけ出力側プーリの可動シーブを軸方向に移
動して一定量狭めれば、両プーリ間のV溝中心は一致す
るはずであり、芯ズレが生じるはずはない。
【0008】ところが、変速作動時には、各プーリに対
するベルトの巻き掛け径が徐々に変化し、この径変化が
ベルトに影響を及ぼし、両プーリのV溝間で芯ズレが生
じる。この芯ズレ量は、ベルトの周長や前記軸間距離が
一定であっても、巻き掛け径の変化量とは一義的に対応
せず、巻き掛け径の小さい方が、巻き掛け径の変化量、
芯ズレ量共に大きくなる傾向がある。
【0009】この芯ズレ量の特性は、入力側プーリ及び
出力側プーリに対するベルトの巻き掛け径の比、つまり
プーリ比により異なり、図11に示すような傾向となる
ので、実際に芯ズレを防止するには、芯ズレ量を+側や
−側に振り分けたり、プーリ比の小さいところでゼロに
なるように組付けることが試みられている。
【0010】また、最近提案されたものとしては、入力
側あるいは出力側のいずれか一方のプーリを、可動シー
ブのみでなく固定シーブも軸に対し可動となるようにボ
ールスプライン等を介して軸に取付けたもの、いわゆる
フローティング構造としたものがある(特開2000−
88068号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このフ
ローティング構造のものは、固定シーブを軸に対し自動
的に位置調整しようとしても、ベルト張力の変動やハン
チングなどにより正確な位置調整ができず、ベルトに無
理な力が作用し、ベルトの耐久性が低下する。
【0012】また、固定シーブと軸との間にボールスプ
ライン等の機構を設けると、極めて構造が複雑となり、
高価にもなり、実用性に欠けるという不具合もある。
【0013】本発明者らは、無段変速装置において、変
速作動時に各プーリに対するベルトの巻き掛け径が徐々
に変化することにより生じるV溝相互間の芯ズレは、む
しろ軸間距離を一定としていることに要因があると考
え、この軸間距離を変化させると芯ズレが補正される点
に着目し、本発明を完成させるに至ったのである。
【0014】つまり、変速する場合のベルトの状態を調
べると、各プーリに対するベルトの巻き掛け径が徐々に
変化しつつ所定の巻き掛け径に落ち着くが、この巻き掛
け径が変化しているときには、各プーリに対するベルト
の巻き掛け量も変化し、このときのベルトからの影響に
よりV溝間の芯ズレが生じる。
【0015】この巻き掛け量が変化するということは、
換言すれば、巻きかけられていないベルト量が変化する
ことをも意味するが、この巻きかけられていないベルト
量の変化は、プーリの軸間距離を変化させると吸収でき
るはずであり、結果的に前記芯ズレを補正できるはずで
ある。
【0016】ところが、ベルトの周長は一定であり、可
動シーブが固定シーブに一定圧で常時押し付けられてい
ることもあって、プーリの軸間距離を強制的に変化させ
ると、例えば、出力側プーリでは可動シーブと固定シー
ブの間隔が広がり、入力側プーリでは逆に狭まる状態と
なる。これでは、変速比も変化し、無段変速装置として
は設定値以外の変速比となり妥当でない。
【0017】このため、本発明者らは、入出力側プーリ
に卷回されたベルトのプーリ比とV溝相互間の芯ズレが
ゼロとなる軸間距離との関係を予め求めておき、この関
係に基づき軸間距離を変化させ、所望のプーリ比としつ
つ、芯ズレゼロを達成するようにしたのである。
【0018】したがって、本発明の目的は、上述した従
来の課題を解決するとともに、入出力プーリの軸間距離
を変えることによりV溝相互間の芯ズレを補正し、簡単
に円滑な変速を行うことができるベルト式無段変速装置
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0020】(1)固定シーブと可動シーブからなる第
1プーリと第2プーリを所定の軸間距離離間して設け、
各シーブの間隔を変化させ、両プーリ間に卷回されたベ
ルトにより一方のプーリから他方のプーリに回転を伝達
するようにしたベルト式無段変速装置において、変速時
に各プーリに対するベルトの巻き掛け径が変化すること
による前記両プーリのV溝相互間の芯ズレを、前記両プ
ーリの軸間距離を変化させることにより補正するように
した芯ズレ補正機構を有するベルト式無段変速装置。
【0021】(2)前記芯ズレ補正機構は、両プーリの
内のいずれか一方のプーリを支持しかつ当該両プーリの
軸間距離を変化することができるように位置可動に設け
られた第1軸と、当該第1軸に対し位置固定に設けられ
た第2軸と、前記第1軸を前記第2軸の周りで移動させ
る移動機構とを有し、該移動機構が前記支持板を移動し
両プーリの軸間距離を設定するようにしたことを特徴と
する(1)のベルト式無段変速装置。
【0022】(3)前記移動機構は、前記第1軸に第1
歯車を設け、前記第2軸に第2歯車を前記第1歯車と噛
合するように設け、前記第1軸と第2軸とを支持板によ
り連結し、当該支持板を第2軸の周りで移動させるアク
チュエータを有することを特徴とする(2)のベルト式
無段変速装置。
【0023】(4)前記移動機構は、前記第1軸と、該
第1軸の軸線と平行の軸線を有する第2軸とを連結する
支持板の端部にアクチュエータからの動力を加え、当該
支持板を第2軸の周りで移動させるようにしたことを特
徴とする(2)又は(3)のベルト式無段変速装置。
【0024】(5)前記移動機構は、前記支持板と前記
第1軸のプーリとを、前記プーリの軸方向の移動を前記
支持板の第2軸を中心とする回動力に変換するカム式の
移動機構としたことを特徴とする(2)のベルト式無段
変速装置。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明では、変速作動時のV溝
相互間の芯ズレを、両プーリの軸間距離を変化させるこ
とにより補正するようにしたので、固定シーブや可動シ
ーブを軸方向に変位させる必要がなく、V溝の中心がプ
ーリのベルトが掛かった位置で一義的に決定され、中心
合わせが極めて容易となり、簡単で円滑な変速作動が可
能となる。しかも、高価なボールスプライン等の機構が
必要なく、構造が簡素化し、実用的のものとなる。
【0026】請求項2の発明では、一方のプーリの第1
軸と、当該第1軸に対し位置固定に設けられた第2軸と
を支持板で連結した移動機構を動作することにより、両
プーリの軸間距離を設定するので、出力軸となる軸の位
置や他の機器との関係で軸間距離を変えたり、また新た
な軸を設けることなく簡単に芯ズレの補正が可能とな
る。
【0027】請求項3の発明では、位置可動の第1軸に
第1歯車を設け、位置固定の第2軸に第2歯車を設け、
両歯車を噛合すると共に両軸を支持板により連結し、当
該支持板をアクチュエータにより第2軸の周りで移動さ
せ、両プーリの軸間距離を設定するので、精度よく支持
板を回動できる。しかも、既存の装置を使用するので、
構造的に簡単で、コスト的にも有利である。
【0028】請求項4の発明では、位置可動の第1軸と
位置固定の第2軸を平行に設け、両軸を支持板により連
結し、支持板の端部にアクチュエータからの動力を加え
て支持板を回動し、両プーリの軸間距離を設定するの
で、容易に支持板を回動でき、コンパクトで簡単な構造
のものとなる。
【0029】請求項5の発明では、プーリの軸方向の移
動を利用し、カム式の移動機構を介して支持板を回動
し、両プーリの軸間距離を設定するようにしたので、電
気や油圧などを使用せず、極めて安価な装置となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。
【0031】<第1の実施形態>図1は本発明の第1の
実施形態を示す概略断面図、図2は同実施形態の要部側
面図である。図1,2に示すように、本実施形態に係る
ベルト式無段変速装置は、相互間にベルト1が巻き掛け
られた入力側プーリPaと出力側プーリPbを有してい
る。入力側プーリPaは、位置固定の基軸2に連結さ
れ、出力側プーリPbは、位置可変の第1軸J1に連結さ
れているが、基軸2と第1軸J1の軸間距離aは芯ズレ
補正機構Hにより修正されるようになっている。
【0032】さらに詳述する。入力側プーリPaは、位
置固定の基軸2が固定シーブ3aの中心を挿通し、端部
が軸受Bにより回動可能に支持されているが、この基軸
2には固定シーブ3aと対向する可動シーブ4aが摺動可
能に設けられている。
【0033】一方、出力側プーリPbは、位置可変の第1
軸J1が固定シーブ3bの中心を挿通し、端部が軸受Bに
より回動可能に支持され、第1軸J1上に固定シーブ3b
と対向する可動シーブ4bが摺動可能に設けられてい
る。この可動シーブ4bと固定シーブ3bは、前記基軸2
の可動シーブ4aと固定シーブ3aに対し軸方向反対側と
なるように配置されている。
【0034】各可動シーブ4a,4bと固定シーブ3a
aの間に形成されたV溝5には、ベルト1が嵌め込ま
れて巻き掛けられ、このベルト1により入力側プーリP
aの回転を出力側プーリPbに所定の変速比で伝達する
が、この変速は、各可動シーブ4a,4bを油圧シリンダ
などにより軸方向に移動し、ベルト1の巻き掛け位置を
変化させることにより行なう。つまり、各プーリPa
bにおけるベルト1の巻き掛け径を変化させ、基軸2
と第1軸J1の変速比を無段階に変化させている。
【0035】前記芯ズレ補正機構Hは、第1軸J1の位
置を基軸2に対し変位させるもので、どのような機構で
あってもよいが、本実施形態では既存の歯車機構や軸機
構を用いている。
【0036】この機構は、第1軸J1の両端を軸受Bに
より支持し、これら軸受Bと第2軸J2を支持する軸受
Bは、それぞれ支持板6a,6bにより支持されてお
り、支持板6aを後述する移動機構Mにより移動させる
ようになっている。
【0037】なお、第2軸J2は、同軸的に設けられた
メインの第2軸J2(図示する右側)とサブの第2軸J2
(図示する左側)から構成されているが、サブの第2軸
2及び支持板6bは、メインの第2軸J2及び支持板6
aの移動に従って動するのみである。
【0038】第1軸J1には、第1歯車G1が設けられて
いるが、この第1歯車G1は、メインの第2軸J2に設け
られた第2歯車G2と相互に噛合されている。メインの
第2軸J2には、さらに第3歯車G3も設けられている
が、この第3歯車G3は、第3軸J3に設けられた第4歯
車G4と噛合されており、これら第3歯車G3及び第4歯
車G4は、出力側の動力伝達用である。なお、第1軸
1,第2軸J2及び第3軸J3は、それぞれ平行に設置
されている。
【0039】図3は前記実施形態の芯ズレ補正機構Hに
おける支持板6aの移動機構Mを示す概略側面図であ
り、図1,2に示す部材と共通する部材には同一符号を
付し、説明を一部省略する。
【0040】この移動機構Mは、出力側プーリPbにお
いて、並進アクチュエータ10とリンク11により支持
板6aを回動するもので、支持板6aのほぼ中央位置の
上端部に回転自由な継手12が設けれ、この継手12に
リンク11の先端が連結され、該リンク11の後端と並
進アクチュエータ10の駆動ロッド13が回転自由な継
手14を介して連結されている。
【0041】この並進アクチュエータ10が並進動作す
れば、該アクチュエータ10の直進動作がリンク11を
介して支持板6aの上端部に伝達されるので、該支持板
6aは第2軸J2を中心に小さなトルクで揺動し、基軸2
に対する第1軸J1の位置を変位させる。この場合、第
1軸J1の位置変位は、基軸2の側とは別個に設けられ
ている第1歯車G1が第2歯車G2と噛合された状態で第
2歯車G2の周りを移動するのみであるため、円滑に問
題なく行われる。そして、変速比が所定の値であって、
軸間距離aを後に詳述する芯ズレゼロとなるように設定
する。
【0042】また、この移動機構Mは、軸間距離aを変
える場合に、第1軸J1を直接移動させず、並進アクチ
ュエータ10により支持板6を介して第1軸J1の移動
を行なうので、精度よく支持板を移動させることがで
き、しかも、出力軸となる軸の位置や他の機器との関係
で軸間距離を変えたり、また新たな軸を設ける必要もな
く、コンパクトで簡単な構造で、しかも既存の歯車等を
使用するので、コスト的にも有利となる。
【0043】このように構成された芯ズレ補正機構H
は、プーリPa,Pbの回転力により自動的に第1軸J1
と基軸2との軸間距離aを変化させ、ベルト1の芯ズレ
を防止するが、この芯ズレの防止は、予め入出力側プー
リのプーリ比と、芯ズレがゼロとなる軸間距離との関係
を求めておき、この関係に基づき軸間距離aを変化さ
せ、変速比を所定の値にしつつ、芯ズレがゼロの状態と
なるようにしている。
【0044】この点に関し詳述する。まず、軸間距離a
とプーリ比との関係を求める。
【0045】図4は入力側プーリPaと出力側プーリPb
にベルト1が卷回されている状態を示す要部概略断面
図、図5はプーリに卷回されたベルト1の状態を示す正
面図である。
【0046】図において、各部分及び各部分の値を下
記のように定める。
【0047】 a:入力側プーリPaと出力側プーリPbの軸間距離 θ:シーブ角(=11°) U:シーブ間距離(=39mm) l:ベルト周長(=703mm) w:ベルト幅(=29.6) r1:入力側プーリPaの有効半径 r2:出力側プーリPbの有効半径 Z1:入力側プーリPaのベルト中心 Z2:出力側プーリPbのベルト中心 図より、芯ズレ量はZ1−Z2で表されるので、これを
数式で表すと、Z1−Z2=(AB+CD)−wである。
【0048】この式に前記値を入れた式を作ると、 Z1−Z2=Ucosθ+[r2−(a-r1−Usinθ)]tanθ−
w この式を整理すると、 Z1−Z2=U/cosθ+(r1+r2)tanθ−w+atanθ………………… また、ベルト周長とベルトの半径の関係は、図5より l=2√[a2−(r1+r2)2]+π(r1+r2)+2(r1−r2)sin-1(r1−r2)/a ……… r1,r2の関係は、プーリ比により決定されるため、プ
ーリ比と前記式を連立させることによりプーリ比と
軸間距離aの関係を求めて、図6を作成する。
【0049】この手順を以下に説明する。まず、プーリ
比を任意の値、例えば1.2に設定する。
【0050】 1.2=r2/r1……………………………………………………………… ここで、式よりr2(=1.2r1)を式に代入する。
【0051】なお、lは703で一定であり、aも従来
例で示す固定値、例えば170mmを用いる。
【0052】すると、式よりr1の値が求まり、さら
に式からr2が求まる。
【0053】次に、式で求めたr1,r2の値を式に
代入し、芯ズレ量Z1−Z2=0としてaの値を求める。
【0054】以上の計算を前記プーリ比を種々変更して
行ってaを求め、図6に示すグラフを作成する。
【0055】本実施形態は、このようにして作成された
グラフを利用して、予め芯ズレがゼロとなる軸間距離a
とプーリ比との関係を求め、この関係に基づき軸間距離
aを変化させ、変速比を所定の値にしつつ、芯ズレをゼ
ロにしている。
【0056】例えば、プーリ比が0.5であれば、軸間
距離aは、0.994×aとなり、このような軸間距離
aとなるように前記第1軸J1を回動あるいは揺動すれ
ば、芯ズレが生じることのない、所望のプーリ比、つま
り変速比の状態とすることができる。
【0057】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0058】入力側プーリPaが回転すると、ベルト1
を介して出力側プーリPbに伝達される。出力側プーリ
bが所定の変速比で回転しているときに、変速比が変
化すると、自動的に芯ズレ補正機構Hが作動し、前記関
係式に基づき設定される軸間距離aとなり、変速比を所
定の値にしつつ、芯ズレがゼロの状態となる。
【0059】さらに詳述する。プーリPa,Pb及びベル
ト1の回転により第1軸J1が回転すると、第1歯車G1
も回転するが、この第1歯車G1は、位置可動の第1軸
1に取付けられており、しかも位置固定の第2軸J2
設けられた第2歯車G2とも噛合されているので、当該
第1歯車G1の回転を第2歯車G2に伝達し、さらに第2
軸J2に設けられた第3歯車G3を介して第3軸J3に設
けられた第4歯車G4の動力が伝達され、図外の伝達機
構に出力側として動力伝達される。
【0060】一方、第1軸J1が芯ズレを補正するため
に移動される。この第1軸J1の移動は、図3に示す移
動機構Mを作動し、支持板6aを移動することにより行
われる。この移動機構Mの並進アクチュエータ10が動
作すると、リンク11を介して支持板6aの上端部にト
ルクがG加えられ、該支持板6aが第2軸J2を中心に容
易に回動する。この回動は、図2の矢印Eに沿うよう
に、最大軸間距離と最小軸間距離との間で行われる。
【0061】この結果、第1軸J1は、基軸2に対する
第1軸J1の位置が変化し、基軸2と第1軸J1との間の
軸間距離aが所定の設定値とされる。この軸間距離aの
変化は、各プーリPa,Pbに対するベルト1の巻き掛け
量の変化を吸収することになり、ベルト1からのプーリ
a,Pbに対する影響を防止し、V溝の芯ズレを防止す
る。
【0062】この場合、プーリPa,Pbの軸間距離aを
強制的に変化させると、変速比も変化することになる
が、本実施形態では、固定シーブ3bや可動シーブ4b
軸方向に変位させる必要がなく、V溝5の中心がプーリ
a,Pbのベルト1がかかった位置で一義的に決定され
ることになり、中心合わせが極めて容易で、簡単に円滑
な変速が可能となる。つまり、軸間距離aの変化が所望
のプーリ比と対応しており、変速比が無関係な値とはな
らず、再度変速比を調整する必要はない。
【0063】しかも、この軸間距離aの変化によりV溝
相互間の芯ズレもゼロとなるので、ベルト1がプーリP
a,Pbに及ぼす悪影響も生じることもない。このような
悪影響が生じなければ、前記第1軸J1は、変位した状
態のまま維持され、入力側プーリPaの回転は、ベルト
1を介して出力側プーリPbに円滑に伝達され、当該出
力側プーリPbは、所定の回転数で回転され、車軸等に
伝達される状態が継続的に行われる。
【0064】このように本実施形態によれば、変速装置
と車軸等との間に支持板を介在するのみであるため、第
2軸J2と第3軸J3の軸間を変えたり、新たに軸を追加
する必要がなく、構成がきわめて簡素化され、コスト的
にも有利となる。
【0065】<第2の実施形態>図7は本発明の第
実施形態を示す概略側面図であり、図1〜4に示す部材
と共通する部材には同一符号を付し、説明を一部省略す
る。
【0066】の芯ズレ補正機構Hは、出力側プーリP
bに設けられているが、前記実施形態との相違は、移動
機構Mが、並進アクチュエータ10と同様の機能をする
サーボモータ15と、当該モータ15により回転される
ウォーム軸16と、このウォーム軸16が噛合されるよ
うに上端部に歯17が形成された支持板6aとを有し、
前記サーボモータ15の回動によりウォーム軸16を介
して支持板6aの上端部を移動するようにした点であ
る。
【0067】このように構成した本実施形態の芯ズレ補
正機構Hも、サーボモータ15が回動すれば、ウォーム
軸16を介して支持板6aの上端部が駆動され、該支持
板6aが第2軸J2を中心に移動し、変速比が所定の値
であって、芯ズレゼロとなる軸間距離aが設定される。
【0068】本実施形態も、軸間距離aを変える場合
に、第1軸J1を直接移動させるものではなく、サーボ
モータ15によりウォーム軸16を介して支持板6を回
動するので、前述の場合と同様、精度よく支持板6aを
回動でき、しかも構成が簡素化され、コンパクトで、コ
スト的にも有利となる。また、本実施形態では、ウォー
ム軸16により支持板6aの上端部を駆動するので、小
さなトルクで支持板6aを移動できることになる。
【0069】<第3の実施形態>図8は本発明の第3の実
施形態を示す概略断面図、図9は図8の9−9線に沿う
矢視図、図10は図8の10−10線に沿う矢視図であ
り、図1〜4に示す部材と共通する部材には同一符号を
付し、説明を一部省略する。
【0070】本実施形態に係る芯ズレ補正機構Hは、可
動シーブ4bにより支持板6aを移動するカム式の移動
機構Mを有している。
【0071】可動シーブ4bは、固定シーブ3bとは反対
側の面にリング状フランジ部20が形成され、このリン
グ状フランジ部20の外周面にリング溝21が形成され
ている。このリング溝21には、カム式の移動機構Mの
一部を構成する作動部材19の第1カムフロア22が嵌
合されている。
【0072】この作動部材19は、一端に前記第1カム
フロア22が設けられ、この第1カムフロア22の下端
部が前記リング溝21に嵌合され、このカムフロア22
の上端部がケースなどの固定部材23に形成された、円
弧状のカム溝24に嵌合されている。このカム溝24
は、出力側プーリPbの可動シーブ4bが作動部材19を
軸方向(図8に示す矢印F方向)に移動するときの駆動
力により、当該作動部材19を前後方向(図8の紙面に
対し垂直な方向)に移動するように円弧状に形成されて
いる。
【0073】また、作動部材19の他端は、図10に示
すように、支持板6aの頂部に形成された溝部25に係
合されているが、前記可動シーブ4bが作動部材19の
一端をカム溝24により変位させると、この変位に伴っ
て支持板6aを図10の矢印G方向に移動するようにな
っている。
【0074】なお、この支持板6aの矢印G方向への移
動を保障するために、当該作動部材19の他端も、前記
カム溝24と対応するように円弧状に形成されたカム溝
26にピン部材27が嵌合するように構成しておくこと
が好ましい。
【0075】このように作動部材19の両端が、相互に
対応するカム溝24,26により支持されていれば、可
動シーブ4bが作動部材19の一端を矢印Fの軸方向に
移動する駆動力で、当該作動部材19の他端が支持板6
aを移動させることができることになる。
【0076】なお、前記可動シーブ4bは、固定シーブ
bより突設された第1軸J1を中心として回動するよう
になっているが、軸方向移動を確実にするため、第1軸
1との間にベアリング28を設けてもよく、また、こ
この潤滑を円滑に行うために、第1軸J1に油孔29を
穿設してもよい。図中符号「30」は可動シーブ4b
支持する支持部材である。
【0077】このように構成した本実施形態の芯ズレ補
正機構Hは、可動シーブ4bが軸方向に変位すると、作
動部材19のカムフロア22がカム溝24に沿って変位
し、作動部材19の他端も矢印G方向への移動がカム溝
26により保障されるので、支持板6aが第2軸J2
中心に回動する。
【0078】この支持板6aの回動により、前記実施形
態のものと同様、変速比が所定の値であって、芯ズレゼ
ロとなる軸間距離aが設定される。
【0079】本実施形態は、軸間距離を変える場合に、
電気や油圧などの前記アクチュエータ10,15などを
使用せず、可動シーブ4bの駆動力を利用して支持板6
aを作動するので、構成がきわめて簡素化され、コスト
的にも有利となる。
【0080】本発明は、上述した実施形態のみに限定さ
れるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変使用す
ることができる。例えば、上記した実施形態では、出力
側プーリPb側に芯ズレ補正機構Hを設け、出力側プー
リPbの軸を変位しているが、必ずしもこれのみに限定
されるものではなく、入力側プーリPa側に同機構を設
け、入力側プーリPa側の軸を変位してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す概略断面図である。
【図2】 同実施形態の要部側面図である。
【図3】 同実施形態の移動機構を示す概略側面図であ
る。
【図4】 入力側プーリと出力側プーリにベルトが卷回
されている状態を示す要部概略断面図である。
【図5】 プーリにベルトを卷回した状態の正面図であ
る。
【図6】 プーリ比と軸間距離の関係を示すグラフであ
る。
【図7】 本発明の第2の実施形態を示す概略側面図で
ある。
【図8】 本発明の第3の実施形態を示す概略断面図で
ある。
【図9】 図8の9−9線に沿う矢視図である。
【図10】 図8の10−10線に沿う矢視図である。
【図11】 芯ズレ量とプーリ比の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1…ベルト、 3a,3b…固定シーブ、 4a,4b…可動シーブ、 5…V溝、 6a,6b…支持板、 10,15…アクチュエータ、 a…軸間距離、 G1…第1歯車、 G2…第2歯車、 H…芯ズレ補正機構、 J1…第1軸、 J2…第2軸、 M…移動機構、 Pa…入力側プーリ(第1プーリ)、 Pb…出力側プーリ(第2プーリ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J049 AA02 BA02 BA07 BG10 BH02 CA04 3J050 AA03 BA03 BA09 CE06 CE08 CE09 CE10 DA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定シーブと可動シーブからなる第1プ
    ーリと第2プーリを所定の軸間距離離間して設け、各シ
    ーブの間隔を変化させ、両プーリ間に卷回されたベルト
    により一方のプーリから他方のプーリに回転を伝達する
    ようにしたベルト式無段変速装置において、 変速時に各プーリに対するベルトの巻き掛け径が変化す
    ることによる前記両プーリのV溝相互間の芯ズレを、前
    記両プーリの軸間距離を変化させることにより補正する
    ようにした芯ズレ補正機構を有するベルト式無段変速装
    置。
  2. 【請求項2】 前記芯ズレ補正機構は、両プーリのいず
    れか一方のプーリを支持しかつ当該両プーリの軸間距離
    を変化することができるように位置可動に設けられた第
    1軸と、当該第1軸に対し位置固定に設けられた第2軸
    と、前記第1軸を前記第2軸の周りで移動させる移動機
    構とを有し、該移動機構が前記支持板を移動し両プーリ
    の軸間距離を設定するようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載のベルト式無段変速装置。
  3. 【請求項3】 前記移動機構は、前記第1軸に第1歯車
    を設け、前記第2軸に第2歯車を前記第1歯車と噛合す
    るように設け、前記第1軸と第2軸とを支持板により連
    結し、当該支持板を第2軸の周りで移動させるアクチュ
    エータを有することを特徴とする請求項2に記載のベル
    ト式無段変速装置。
  4. 【請求項4】 前記移動機構は、前記第1軸と、該第1
    軸の軸線と平行の軸線を有する第2軸とを連結する支持
    板の端部にアクチュエータからの動力を加え、当該支持
    板を第2軸の周りで移動させるようにしたことを特徴と
    する請求項2又は3に記載のベルト式無段変速装置。
  5. 【請求項5】 前記移動機構は、前記支持板と前記第1
    軸のプーリとを、前記プーリの軸方向の移動を前記支持
    板の第2軸を中心とする回動力に変換するカム式の移動
    機構としたことを特徴とする請求項2に記載のベルト式
    無段変速装置。
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