JPWO2010087184A1 - 差動伝送回路及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

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Abstract

差動伝送回路にて、伝送信号を劣化させずに高い静電耐圧を実現すること。差動伝送回路は、伝送線路(3,4)とグランドの間に接続されたESD保護素子(5,6)と、伝送線路(3)と伝送線路(10)との間に直列接続されたインダクタ素子(7)と伝送線路(4)と伝送線路(11)の間に直列接続されたインダクタ素子(8)とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタ(9)と、伝送線路(10,11)にカソードが接続され、アノードがグランドに接続されたESD保護ダイオード(12,13)と、伝送線路(10,11)に一方の端子が接続され、伝送線路(16,17)に他方の端子が接続された抵抗(14,15)とを備える。ここで、抵抗(14,15)の値はそれぞれ10〜15オームとし、ESD保護素子(5,6)の静電容量の値はそれぞれ0.3pFより小さく、ESD保護ダイオード(12,13)のクリップ電圧は10Vより小さい値とする。

Description

本発明は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)等の高速信号伝送回路を有する電子機器を、静電気から保護する目的で使用される、差動伝送回路及びそれを備えた電子機器に関する。
近年、デジタル機器の高性能化、高機能化に伴い、データ伝送速度の高速化、広帯域化が急速に進んでいる。これに対応するため、HDMIをはじめとした高速データ伝送のための規格が急速に普及してきている。
また、ポータブル機器、携帯電話又は車載機器等に代表されるように、これらの機器が使用される場所も屋内外を問わずあらゆる場所に広がってきており、これらの電子機器には従来以上に高い信頼性が要求されている。しかしながら、これらの機器に使用されるIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の半導体部品は、小型化、高速動作の実現のため、年々回路の微細化が進んでおり、外部から進入する静電気に対する耐性が低下してきている。これは、半導体そのものの耐性の低下に加え、内蔵できる保護素子の規模が減少してきていることも大きく影響している。
一般にLSIの入出力端子直後には保護ダイオードが設けられており、この働きによって内部の回路は外来の静電パルス等から保護されている。この保護ダイオードは、一定値以上の電圧が印加されると瞬時にオンし、グランドへ電流をバイパスする。これを多段に接続することでLSIに流せる電流量を増やし、これによって、所定の静電破壊耐圧が確保されている。しかしながら、これらの保護ダイオードはその構成上、容量成分を持っているため、多段に接続した場合は大きな容量値となり、高周波帯域の信号に対して悪影響を及ぼすことになる。よって、高速伝送線路等に用いられるLSIでは、内蔵できる保護素子が限られ、結果的に静電破壊耐性が弱くなっている。
これらの用途に用いられている従来の静電破壊保護回路100は、図18に示すように、第1の入出力端子101に接続された第1の伝送線路103と、第2の入出力端子102に接続された第2の伝送線路104と、第1の伝送線路103とグランドの間に接続された第1のESD(ElectroStatic Discharge)保護素子105と、第2の伝送線路104とグランドの間に接続された第2のESD保護素子106とを備えている。従来の差動伝送回路は、第1の伝送線路103と第3の入出力端子118に接続された第3の伝送線路110の間に直列接続された第1のインダクタ素子107と、第2の伝送線路104と第4の入出力端子119に接続された第4の伝送線路111の間に直列接続された第2のインダクタ素子108とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタ109をさらに備えている。
この構成において、第1および第2のESD保護素子105,106はESDサプレッサ等が用いられる。ESDサプレッサは例えばバリスタやツェナーダイオード等と比較して容量値が0.1〜0.3pF程度と低いため、高速伝送線路に用いても規定の特性インピーダンスを乱すことがないため、高周波帯域の信号に対しての悪影響を最少限にすることが出来る。(例えば、特許文献1参照)
日本国特開2008−28214号公報(第8頁、第9図)
しかしながら、従来の差動伝送回路では、保護素子としてESDサプレッサ等の低容量の保護素子のみが用いられているため、抑制できる静電パルスの大きさが限られていた。
また、従来の差動伝送回路によれば、伝送線路に付加される容量成分は最小限に抑えられるが、反面、放電開始直後のクリップ電圧の値が大きいため、LSIに内蔵された保護素子に流れ込む電流が大きくなる。上記のごとく高速伝送線路等に用いられるLSIでは、内蔵できる保護素子が限られているため、従来以上の強い静電パルスに対しては、より効果的な外部保護回路の追加が必要となってくる。一般的なAV(Audio Visual)機器の静電気試験は、IEC61000−4−2に規定されているが、車載機器等には、個別規格(ISO−TR−10164)により更に厳しい条件での試験が要求されている。
本発明は、上記の問題を解決するためのもので、伝送信号を劣化させること無く、高い静電耐圧を実現できる差動伝送回路及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る差動伝送回路は、第1の伝送線路とグランドの間に接続された第1のESD保護素子と、第2の伝送線路とグランドの間に接続された第2のESD保護素子と、第1の伝送線路と第3の伝送線路との間に直列接続された第1のインダクタ素子と、第2の伝送線路と第4の伝送線路の間に直列接続された第2のインダクタ素子とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタと、第3の伝送線路にカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第1のESD保護ダイオードと、第4の伝送線路にカソードが接続されアノードがグランドに接続された第2のESD保護ダイオードと、第3の伝送線路に一方の端子が接続され、第5の伝送線路に他方の端子が接続された第1の抵抗と、第4の伝送線路に一方の端子が接続され、第6の伝送線路に他方の端子が接続された第2の抵抗とを備える。ここで、第1及び第2の抵抗の値はそれぞれ10〜15オームとし、第1及び第2のESD保護素子の静電容量の値はそれぞれ0.3pFより小さく、第1及び第2のESD保護ダイオードのクリップ電圧は10Vより小さい値とする。
また、本発明に係る電子機器は、上記差動伝送回路を備える。
上記のような構成の差動伝送回路及びそれを備えた電子機器によれば、第1及び第2の伝送線路に加えられた静電パルスの電流の一部は第1及び第2のESD保護素子によって、グランドへバイパスされる。また、第1及び第2のESD保護素子で落としきれない静電パルスの電流は、後段に設けられた第1及び第2のESD保護ダイオードによって、グランドへバイパスされ、更に後段に設けられた第1及び第2の抵抗により、第1及び第2の抵抗に接続される負荷(例えば、LSI)へ流れ込む電流を抑制することが出来る。
上記のような作用により、高速伝送回路における伝送信号の劣化を最小限に抑えつつ、高い静電耐圧を確保できる差動伝送回路及びそれを備えた電子機器を提供することができる。
本発明の一実施形態の差動伝送回路80の構成を示す模式図 図1に示す差動伝送回路80の使用環境を示す模式図 ESD試験に用いられる放電装置の等価回路を示す模式図 図3に示す等価回路における各素子の値を例示する図 図3に示す等価回路における放電波形を示す図 図1に示す第1のESD保護素子5の詳細な構造を示す模式図 図1のESD保護素子5,6とESD保護ダイオード12,13とによる抑圧波形を示す図 図1に示す第1のESD保護ダイオード12のツェナー電圧を示す図 第1の抵抗14を挿入した場合におけるTDR測定の波形を示す図 本発明の差動伝送回路を備えた車載用ディスプレイモニタの内部構成図 本発明の差動伝送回路にESD対策部品が取り付けられたときの簡略な等価回路を示す図 図11に示す等価回路において容量値を変化させた場合のTDRシミュレーション波形を示す図 HDMI送信機器および受信機器の差動伝送方式を示す模式図 HDMI送信機器の出力端での差動信号のアイパターンを示す図 HDMI送信機器の出力端でのシングルエンド出力の電圧波形を示す図 HDMI受信機器に入力される最小電圧のアイパターンを示す図 本実施の形態における伝送ケーブルの等価回路を示す図 従来の差動伝送回路100の構成を示す模式図
以下、本発明の実施形態に係る差動伝送回路について、図1〜図9を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の差動伝送回路80の構成を示す模式図である。
図1に示すように、差動伝送回路80は、例えばデジタルTVのような第1の送受信機器22に収容されており、第1の入出力端子1に接続された第1の伝送線路3と、第2の入出力端子2に接続された第2の伝送線路4と、第1の伝送線路3とグランドの間に接続された第1のESD保護素子5と、第2の伝送線路4とグランドの間に接続された第2のESD保護素子6とを備えている。第1及び第2のESD保護素子5,6の静電容量の値は、概ね0.3pF以下に選ばれる。
差動伝送回路80はさらに、第1の伝送線路3と第3の伝送線路10の間に直列接続された第1のインダクタ素子7と、第2の伝送線路4と第4の伝送線路11の間に直列接続された第2のインダクタ素子8とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタ9を備える。
差動伝送回路80にはさらに、第3の伝送線路10とカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第1のESD保護ダイオード12と、第4の伝送線路11とカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第2のESD保護ダイオード13とが備わる。
差動伝送回路80にはさらに、第3の伝送線路10に一方の端子が接続された第1の抵抗14と、第4の伝送線路11に一方の端子が接続された第2の抵抗15と、第1の抵抗14の他方の端子と接続され第3の入出力端子18に接続された第5の伝送線路16と、第2の抵抗15の他方の端子と接続され第4の入出力端子19と接続された第6の伝送線路17とが備わる。ここで、第1の抵抗14及び第2の抵抗15の値は、おおむね10〜15オームの範囲内に選ばれる。
上記構成において、第3の入出力端子18及び第4の入出力端子19は、負荷の一例としてのLSI20に接続され、第1の入出力端子1及び第2の入出力端子2は外部コネクタ21に接続されている。
ここで、図2は、図1に示す差動伝送回路80の使用環境を示す模式図である。図2に示すように、第1の送受信機器22に接続された一方の外部コネクタ21は、伝送ケーブル23に接続された他方の外部コネクタ24を介し、第2の送受信機器25に接続されている。
ここで第1の送受信機器22及び第2の送受信機器25は、例えばデジタルTV及びDVDプレーヤーなどであり、伝送ケーブル23は、例えばHDMIケーブルである。
本実施形態の差動伝送回路80は、第1の送受信機器22の入出力回路の一部として備えられており、上記の伝送ケーブルを伝わって付加される静電パルスによる機器の破壊を防ぐものである。また同様に第2の送受信機器25にも同様な回路を設けることが出来る。
ここで、図10を用いて本実施形態の差動伝送回路80の使用例について、更に詳細に説明する。図10はHDMIコネクタ48を備えた車載用ディスプレイモニタの内部構成図である。
図10に示す車載用ディスプレイモニタは、表示装置65と、音声出力装置66と、受信装置64とを備える。
受信装置64は、HDMIコネクタ48と、差動伝送回路49と、HDMI受信回路50と、デジタル映像信号処理回路51と、LVDS送信回路52と、映像入力端子56と、
音声入力端子58と、映像用AD変換回路57と、音声用DA変換回路59とを備える。
音声出力装置66は、アナログ音声処理回路60と、音声増幅回路61と、スピーカー62と、ヘッドフォン端子63とを備える。
表示装置65は、LVDS受信回路53と、表示制御回路54と、液晶パネル55とを備える。
ここで、図10に示すHDMIコネクタ48を備えた車載用ディスプレイモニタにおいて、差動伝送回路49が、本実施形態の差動伝送回路80に相当する。
図10において、HDMIコネクタ48にはDVDプレーヤーやブルーレイディスクプレーヤー等の外部接続機器から、映像信号及び音声信号が入力される。この信号はTMDSと呼ばれる暗号化された差動信号であり、差動伝送回路49を介してHDMI受信回路50に入力される。
HDMI受信回路50は入力されたTMDS信号の暗号を解読した後、デジタルビデオ信号とデジタル音声信号を分離し、それぞれ次段のデジタル映像信号処理回路51と音声用DA変換回路59に出力する。
このデジタル映像信号はデジタル映像信号処理回路51により画像処理された後、LVDS送信回路52によりLVDS信号に変換され、表示装置65に送られる。
表示装置65ではLVDS受信回路53によりLVDS信号を受信し、表示制御回路54により液晶パネル55に表示される。
一方、前述のHDMI受信回路50から出力されたデジタル音声信号は、音声用DA変換回路59により、アナログ音声に変換され、音声出力装置66に入力される。
音声出力装置66ではアナログ音声処理回路60により音声処理され、ヘッドフォン端子63やスピーカー62から出力するための音声増幅回路61に出力される。
この受信装置64は更に外部入力端子として、映像入力端子56および音声入力端子58を備えている。
映像入力端子56には外部からアナログ映像信号が入力され、映像用AD変換回路57によりデジタル変換され、前述のデジタル映像信号処理回路51に入力される。
この信号は前述のHDMIコネクタ48からの映像と共にデジタル処理され、後段に出力される。
一方、音声入力端子58には外部からアナログ音声入力が入力され、アナログ音声処理回路60に入力される。
静電気による破壊に関しては、人体が機器に触れた場合を想定して試験規格が定められており、国際規格のIEC61000−4−2に規定された試験方法を用いるのが一般的であるが、用途に応じこれを元に定められた個別の規格も存在する。
図3は、ESD試験に用いられる放電装置の等価回路を示している。ここで、高電圧源31により発生した直流電圧は、スイッチ33と充電抵抗34とを介してエネルギー蓄積容量32に蓄えられる。このときスイッチ36はオープンとなっているため、放電抵抗35へは電流は流れない。つぎにスイッチ33をオープンにし、スイッチ36をオンすると、エネルギー蓄積容量32に蓄えられた電荷が、放電抵抗35とスイッチ36を介して、放電端子37に流れる。放電端子37は外部の非測定物に接触又は空気を介して近接させてあるため、放電された電荷は非測定物へ流れ込む。
また、図4は、上記ESD試験に用いられる各素子の値を例示する図である。なお、各素子の値は、適用する試験規格によって用いるエネルギー蓄積容量Csと放電抵抗Rdの値が異なっており、エネルギー蓄積容量Csが大きいほど、高いエネルギーを加えることが出来る。
次に、図5を参照して、放電波形40について説明する。グラフの横軸は放電開始からの時間を、縦軸は放電電流の電流値を示している。放電開始時に電流が流れ出し、放電電流のピーク値39に対して10%のポイントから90%のポイントに達するまでの立ち上がり時間38、放電電流のピーク値39に対して10%のポイントから30nS後の放電電流の電流値41、及び放電電流のピーク値39に対して10%のポイントから60nS後の放電電流の電流値42の値が規格化されている。
このような放電波形40の静電パルスは、伝送ケーブル23と一方の外部コネクタ21(図2参照)を介し、第1の入出力端子1に加わる。
なお第2の入出力端子2に静電パルスが加わった場合も以下と同一の動作をするため、以下には第1の入出力端子1に静電パルスが加わった場合における差動伝送回路80(図1参照)についてのみ説明する。
ここで、図1に示す第1のESD保護素子5としてはESDサプレッサが用いられている。第1のESD保護素子5は、図6に示すような構成をしており、一方の電極26aと他方の電極26bとが絶縁体27上で、電圧依存性抵抗材料28に覆われた領域で対向した構造となっている。入力された静電パルスは第1の伝送線路3を介し、第1のESD保護素子5の一方の電極26aに印加される。
ここで、一方の電極26aと他方の電極26bとは10μm程度の非常に狭い間隔で対向しているため、一定値以上の電圧が加わると電極26a,26bの間で放電が開始する。その結果、静電パルスによる電流はグランドに向かって流れ、それ以降の回路には入力された電圧よりも十分に低い電圧が発生する。また第1のESD保護素子5は、構造上非常に低い静電容量(0.1pF程度)しか持たないため、伝送線路のインピーダンスに及ぼす影響は少なく、信号劣化も最小限に抑えられる。このときの抑圧された静電パルスを、図7の波形44に示す。
図11は差動伝送回路67にESD対策部品が取り付けられたときの簡略な等価回路を示している。図11において容量68aと容量68bはESD対策部品の容量性インピーダンスを示しており、ESDパルスが印加されていない状態では容量成分として働く。また69aおよび69bは50オーム終端抵抗である。
この等価回路において容量68a及び容量68bの値を可変させた場合のTDRシミュレーション波形を図12に示す。図12の縦軸は、差動インピーダンス[Ω]の値を示し、図12の横軸は、時間[nS]を示す。図中、直線70aは、HDMIのインピーダンス規格値の上限値[Ω]、直線70bは、HDMIのインピーダンス規格値の下限値[Ω]を示す。
図12では、容量68a及び容量68bの合計値を、0.1pF、0.3pF、0.5pF、及び0.75pFに変化させた場合のTDR波形のシミュレーション値を示す。
ここで、TDR波形とは、伝送線路上の各部の特性インピーダンスを時間軸上にあらわしたもので、図1の外部コネクタ21から負荷20の方向を見た波形である。
図12に示されるシミュレーション結果では、付加される容量の値が0.75pF未満であれば、HDMIのインピーダンス規格値の上限70aおよび下限70bの範囲に収まる事がわかる。
しかしながら実際にプリント基板上に構成される伝送ラインのインピーダンスは、プリント基板の製造条件によって大きなバラツキを持ち、特別な管理をしない限りは設計値に対して約5〜6%程度の許容値を見込む必要がある。よって、実使用上においてHDMI規格を満たす許容容量値は0.3pF程度となる。
次に、図1の第1のESD保護ダイオード12について説明する。ESD保護ダイオード12は、カソードが第3の伝送線路10に接続され、アノードがグランドに接続されている。
ここに、第3の伝送線路10を介し一定以上の電圧が加わると、第1のESD保護ダイオード12のインピーダンスが急激に低下する。その結果、静電パルスによる電流はグランドに向かって流れ、それ以降の回路には、入力された電圧よりも十分に低い電圧が発生する。
このときの電圧の閾値(クリップ電圧)は、一般的に図8の43に示すように、ダイオードに逆バイアスをかけた際に1mAの電流が流れ出すポイントをツェナー電圧として規定されており、この値は、負荷(LSI)20(図1参照)に入力可能な最大電圧よりも低く、且つ伝送線路にかかるバイアス電圧よりも高くする必要がある。
なお、HDMIにおいては伝送線路は3.3Vの固定バイアスがかかっており、負荷(LSI)20の内部回路の最大電圧は一般的に10V程度であるため、第1のESD保護ダイオード12のツェナー電圧は3.3V〜10Vの範囲とする必要がある。ここで抑圧された静電パルスの波形を図7の波形45に示す。
しかしながら、図1に示す第1のESD保護ダイオード12は、第3の伝送線路10とグランドの間に数pF(1〜3pF程度)の静電容量を持っており、第3の伝送線路10の特性インピーダンスを下げてしまう。そのため直後に第1の抵抗14を挿入することで、特性インピーダンスの低下を防ぐことが出来る。第1の抵抗14は、入力された静電パルスのエネルギーが負荷(LSI)20の内部へ流入するのを妨げると同時に、負荷20に内蔵されたESD保護回路(図示せず)の動作開始タイミングを遅らせ、静電パルスが外部の保護素子で十分に抑圧された状態で、内部の保護素子が動作開始するように機能するものだが、抵抗値の分だけ伝送線路のインピーダンスは高くなる。そこで、上記のごとく、第1のESD保護ダイオード12の直後に第1の抵抗14を配置することで、上記静電容量によるインピーダンスの低下を抵抗値で補うことができる。これを、TDR(Time Domain Reflectometry)測定の波形で示したものを、図9に示す。
ここで、TDR波形とは、上述のように、伝送線路上の各部の特性インピーダンスを時間軸上にあらわしたもので、図1の外部コネクタ21から負荷20の方向を見た波形である。
図9に示すように、抵抗挿入前のTDR波形30に対し、抵抗挿入時のTDR波形29は抵抗の効果により、特性インピーダンスが100オームに近づいており、第1のESD保護ダイオード12などのESD保護素子の容量成分による劣化を補っていることがわかる。
ここで、この抵抗値について図13〜図16を用いて説明する。図13は、HDMI送信機器および受信機器の差動伝送方式を示す模式図である。図14は、HDMI送信機器の出力端での差動信号のアイパターンを示す図である。図15は、HDMI送信機器の出力端でのシングルエンド出力の電圧波形を示す図である。図16は、HDMI受信機器に入力される最小電圧のアイパターンを示す図である。図17は、本実施の形態における伝送ケーブルの等価回路を示す図である。
図13に示すように、HDMIの試験規格では差動伝送回路の終端負荷として3.3V電源にプルアップされた50オームの終端抵抗71aおよび71bが用いられる。
送信機器72がこの終端抵抗71aおよび71bを介して差動送信回路73aおよび73bが交互に信号電流を引き込むことで終端抵抗71aおよび71bの端子電圧が変化し受信回路74に信号が入力される。
HDMIの規格によれば、送信機器72から出力する差動信号の波形は、図14のアイパターンに示すように最小で±200mV以上、最大で±780mV以下と定められている。
これをシングルエンドの電圧に置き換えて考えると、図15に示すように、シングルエンドの電圧が3.3Vを基準に、Lレベルが規定値である2.6〜2.9Vに収まる様に差動送信回路73aおよび73bの電流引込能力が調整される必要があることがわかる。
一方、伝送ケーブル75は、図17のような等価回路で示す事ができるが、この等価回路中の直列抵抗成分77a及び77bは、送信機器72から見ると受信機器76の終端抵抗71aおよび71bが加算され、送信機器72がより大きな値の負荷を介し電流を引き込むことになる。
また本実施の形態のごとく、受信回路の直前に直列抵抗が挿入された場合には、伝送線路の直列抵抗成分に加え、静電気対策用の直列抵抗が作用し、送信機器72のコネクタ端での振幅レベルが抑圧され、受信機器76側での信号振幅が受信可能な最小レベルよりも小さくなる可能性がある。
HDMIの規格では受信機器の最小受信レベルは図16のアイパターンに示すように±150mV以上と定められているが、車載機器を想定した受信機器の場合、受信機器は適用温度範囲等を考慮し±100mVまたはそれ以下の信号振幅でも正しく受信できる様に設計されている。
この値は150mVに対して約30%の振幅の減少なので、負荷抵抗の増加分に置き換えると15Ωの増加となる。このことから本実施の形態では直列抵抗値の上限値を15Ωとしている。
ここで、上記のESD保護素子5,6としてのESDサプレッサ、ESD保護ダイオード12,13及び抵抗14,15を同時に用いた場合の差動伝送回路の動作について説明する。既に述べたように図7の波形44及び波形45は、ESDサプレッサ及びESD保護ダイオードによる抑圧波形である。どちらも図3に示す放電回路でCs=330pF、Rd=2000オームとし、気中放電にて15kVの静電パルスを印加したときの波形である。
ここで注目すべきは、図7のそれぞれの波形のピーク点の時間差46と、ピーク後のクリップ電圧47の差である。つまり、ESDサプレッサは、応答は速いがクリップ電圧は高く、ESD保護ダイオードは、応答は遅いがクリップ電圧が低くなっている。この反応時間の差は約1nSとなっている。またクリップ電圧についてはESDサプレッサが約70Vであるのに対し、ESD保護ダイオードのそれは10V以下の値となっている。
このことからESDの抑圧効果はESD保護ダイオードの方が高く、ESDサプレッサはピークの立ち上がりを抑制する効果があるといえる。これらの素子を組み合わせ、更に上記の抵抗によるLSIへ流れ込む電流抑制効果とを合わせることで、より高いレベルの差動伝送回路を形成している。
次に、図1に示すコモンモードフィルタ9について説明する。この素子は第1のインダクタ素子7と第2のインダクタ素子8が磁気的に結合された構造となっており、差動信号に重畳されたコモンモードノイズを低減する機能がある。また第1のインダクタ素子7のインダクタンス成分と両端に接続されたESD保護素子の容量成分が、π形のローパスフィルタとして機能することにより、入力される静電パルスの高調波成分を抑制する効果がある。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2009年1月29日出願の日本特許出願(特願2009−017563)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明にかかる差動伝送回路は、高速伝送回路における伝送信号の劣化を最小限に抑えつつ、高い静電耐圧を確保することができるという効果を有し、車載機器等の厳しい使用環境に適合した差動伝送回路として有用である。
1,2,18,19 入出力端子
3,4,10,11,16,17 伝送線路
5,6 ESD保護素子
9 コモンモードフィルタ
12,13 ESD保護ダイオード
14,15 抵抗
80 差動伝送回路
本発明は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)等の高速信号伝送回路を有する電子機器を、静電気から保護する目的で使用される、差動伝送回路及びそれを備えた電子機器に関する。
近年、デジタル機器の高性能化、高機能化に伴い、データ伝送速度の高速化、広帯域化が急速に進んでいる。これに対応するため、HDMIをはじめとした高速データ伝送のための規格が急速に普及してきている。
また、ポータブル機器、携帯電話又は車載機器等に代表されるように、これらの機器が使用される場所も屋内外を問わずあらゆる場所に広がってきており、これらの電子機器には従来以上に高い信頼性が要求されている。しかしながら、これらの機器に使用されるIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の半導体部品は、小型化、高速動作の実現のため、年々回路の微細化が進んでおり、外部から進入する静電気に対する耐性が低下してきている。これは、半導体そのものの耐性の低下に加え、内蔵できる保護素子の規模が減少してきていることも大きく影響している。
一般にLSIの入出力端子直後には保護ダイオードが設けられており、この働きによって内部の回路は外来の静電パルス等から保護されている。この保護ダイオードは、一定値以上の電圧が印加されると瞬時にオンし、グランドへ電流をバイパスする。これを多段に接続することでLSIに流せる電流量を増やし、これによって、所定の静電破壊耐圧が確保されている。しかしながら、これらの保護ダイオードはその構成上、容量成分を持っているため、多段に接続した場合は大きな容量値となり、高周波帯域の信号に対して悪影響を及ぼすことになる。よって、高速伝送線路等に用いられるLSIでは、内蔵できる保護素子が限られ、結果的に静電破壊耐性が弱くなっている。
これらの用途に用いられている従来の静電破壊保護回路100は、図18に示すように、第1の入出力端子101に接続された第1の伝送線路103と、第2の入出力端子102に接続された第2の伝送線路104と、第1の伝送線路103とグランドの間に接続された第1のESD(ElectroStatic Discharge)保護素子105と、第2の伝送線路104とグランドの間に接続された第2のESD保護素子106とを備えている。従来の差動伝送回路は、第1の伝送線路103と第3の入出力端子118に接続された第3の伝送線路110の間に直列接続された第1のインダクタ素子107と、第2の伝送線路104と第4の入出力端子119に接続された第4の伝送線路111の間に直列接続された第2のインダクタ素子108とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタ109をさらに備えている。
この構成において、第1および第2のESD保護素子105,106はESDサプレッサ等が用いられる。ESDサプレッサは例えばバリスタやツェナーダイオード等と比較して容量値が0.1〜0.3pF程度と低いため、高速伝送線路に用いても規定の特性インピーダンスを乱すことがないため、高周波帯域の信号に対しての悪影響を最小限にすることが出来る。(例えば、特許文献1参照)
日本国特開2008−28214号公報(第8頁、第9図)
しかしながら、従来の差動伝送回路では、保護素子としてESDサプレッサ等の低容量の保護素子のみが用いられているため、抑制できる静電パルスの大きさが限られていた。
また、従来の差動伝送回路によれば、伝送線路に付加される容量成分は最小限に抑えられるが、反面、放電開始直後のクリップ電圧の値が大きいため、LSIに内蔵された保護素子に流れ込む電流が大きくなる。上記のごとく高速伝送線路等に用いられるLSIでは、内蔵できる保護素子が限られているため、従来以上の強い静電パルスに対しては、より効果的な外部保護回路の追加が必要となってくる。一般的なAV(Audio Visual)機器の静電気試験は、IEC61000−4−2に規定されているが、車載機器等には、個別規格(ISO−TR−10164)により更に厳しい条件での試験が要求されている。
本発明は、上記の問題を解決するためのもので、伝送信号を劣化させること無く、高い静電耐圧を実現できる差動伝送回路及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る差動伝送回路は、第1の伝送線路とグランドの間に接続された第1のESD保護素子と、第2の伝送線路とグランドの間に接続された第2のESD保護素子と、第1の伝送線路と第3の伝送線路との間に直列接続された第1のインダクタ素子と、第2の伝送線路と第4の伝送線路の間に直列接続された第2のインダクタ素子とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタと、第3の伝送線路にカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第1のESD保護ダイオードと、第4の伝送線路にカソードが接続されアノードがグランドに接続された第2のESD保護ダイオードと、第3の伝送線路に一方の端子が接続され、第5の伝送線路に他方の端子が接続された第1の抵抗と、第4の伝送線路に一方の端子が接続され、第6の伝送線路に他方の端子が接続された第2の抵抗とを備える。ここで、第1及び第2の抵抗の値はそれぞれ10〜15オームとし、第1及び第2のESD保護素子の静電容量の値はそれぞれ0.3pFより小さく、第1及び第2のESD保護ダイオードのクリップ電圧は10Vより小さい値とする。
また、本発明に係る電子機器は、上記差動伝送回路を備える。
上記のような構成の差動伝送回路及びそれを備えた電子機器によれば、第1及び第2の伝送線路に加えられた静電パルスの電流の一部は第1及び第2のESD保護素子によって、グランドへバイパスされる。また、第1及び第2のESD保護素子で落としきれない静電パルスの電流は、後段に設けられた第1及び第2のESD保護ダイオードによって、グランドへバイパスされ、更に後段に設けられた第1及び第2の抵抗により、第1及び第2の抵抗に接続される負荷(例えば、LSI)へ流れ込む電流を抑制することが出来る。
上記のような作用により、高速伝送回路における伝送信号の劣化を最小限に抑えつつ、高い静電耐圧を確保できる差動伝送回路及びそれを備えた電子機器を提供することができる。
本発明の一実施形態の差動伝送回路80の構成を示す模式図 図1に示す差動伝送回路80の使用環境を示す模式図 ESD試験に用いられる放電装置の等価回路を示す模式図 図3に示す等価回路における各素子の値を例示する図 図3に示す等価回路における放電波形を示す図 図1に示す第1のESD保護素子5の詳細な構造を示す模式図 図1のESD保護素子5,6とESD保護ダイオード12,13とによる抑圧波形を示す図 図1に示す第1のESD保護ダイオード12のツェナー電圧を示す図 第1の抵抗14を挿入した場合におけるTDR測定の波形を示す図 本発明の差動伝送回路を備えた車載用ディスプレイモニタの内部構成図 本発明の差動伝送回路にESD対策部品が取り付けられたときの簡略な等価回路を示す図 図11に示す等価回路において容量値を変化させた場合のTDRシミュレーション波形を示す図 HDMI送信機器および受信機器の差動伝送方式を示す模式図 HDMI送信機器の出力端での差動信号のアイパターンを示す図 HDMI送信機器の出力端でのシングルエンド出力の電圧波形を示す図 HDMI受信機器に入力される最小電圧のアイパターンを示す図 本実施の形態における伝送ケーブルの等価回路を示す図 従来の差動伝送回路100の構成を示す模式図
以下、本発明の実施形態に係る差動伝送回路について、図1〜図9を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の差動伝送回路80の構成を示す模式図である。
図1に示すように、差動伝送回路80は、例えばデジタルTVのような第1の送受信機器22に収容されており、第1の入出力端子1に接続された第1の伝送線路3と、第2の入出力端子2に接続された第2の伝送線路4と、第1の伝送線路3とグランドの間に接続された第1のESD保護素子5と、第2の伝送線路4とグランドの間に接続された第2のESD保護素子6とを備えている。第1及び第2のESD保護素子5,6の静電容量の値は、概ね0.3pF以下に選ばれる。
差動伝送回路80はさらに、第1の伝送線路3と第3の伝送線路10の間に直列接続された第1のインダクタ素子7と、第2の伝送線路4と第4の伝送線路11の間に直列接続された第2のインダクタ素子8とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタ9を備える。
差動伝送回路80にはさらに、第3の伝送線路10とカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第1のESD保護ダイオード12と、第4の伝送線路11とカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第2のESD保護ダイオード13とが備わる。
差動伝送回路80にはさらに、第3の伝送線路10に一方の端子が接続された第1の抵抗14と、第4の伝送線路11に一方の端子が接続された第2の抵抗15と、第1の抵抗14の他方の端子と接続され第3の入出力端子18に接続された第5の伝送線路16と、第2の抵抗15の他方の端子と接続され第4の入出力端子19と接続された第6の伝送線路17とが備わる。ここで、第1の抵抗14及び第2の抵抗15の値は、おおむね10〜15オームの範囲内に選ばれる。
上記構成において、第3の入出力端子18及び第4の入出力端子19は、負荷の一例としてのLSI20に接続され、第1の入出力端子1及び第2の入出力端子2は外部コネクタ21に接続されている。
ここで、図2は、図1に示す差動伝送回路80の使用環境を示す模式図である。図2に示すように、第1の送受信機器22に接続された一方の外部コネクタ21は、伝送ケーブル23に接続された他方の外部コネクタ24を介し、第2の送受信機器25に接続されている。ここで第1の送受信機器22及び第2の送受信機器25は、例えばデジタルTV及びDVDプレーヤーなどであり、伝送ケーブル23は、例えばHDMIケーブルである。
本実施形態の差動伝送回路80は、第1の送受信機器22の入出力回路の一部として備えられており、上記の伝送ケーブルを伝わって付加される静電パルスによる機器の破壊を防ぐものである。また同様に第2の送受信機器25にも同様な回路を設けることが出来る。
ここで、図10を用いて本実施形態の差動伝送回路80の使用例について、更に詳細に説明する。図10はHDMIコネクタ48を備えた車載用ディスプレイモニタの内部構成図である。
図10に示す車載用ディスプレイモニタは、表示装置65と、音声出力装置66と、受信装置64とを備える。
受信装置64は、HDMIコネクタ48と、差動伝送回路49と、HDMI受信回路50と、デジタル映像信号処理回路51と、LVDS送信回路52と、映像入力端子56と、音声入力端子58と、映像用AD変換回路57と、音声用DA変換回路59とを備える。
音声出力装置66は、アナログ音声処理回路60と、音声増幅回路61と、スピーカー62と、ヘッドフォン端子63とを備える。
表示装置65は、LVDS受信回路53と、表示制御回路54と、液晶パネル55とを備える。
ここで、図10に示すHDMIコネクタ48を備えた車載用ディスプレイモニタにおいて、差動伝送回路49が、本実施形態の差動伝送回路80に相当する。
図10において、HDMIコネクタ48にはDVDプレーヤーやブルーレイディスクプレーヤー等の外部接続機器から、映像信号及び音声信号が入力される。この信号はTMDSと呼ばれる暗号化された差動信号であり、差動伝送回路49を介してHDMI受信回路50に入力される。
HDMI受信回路50は入力されたTMDS信号の暗号を解読した後、デジタルビデオ信号とデジタル音声信号を分離し、それぞれ次段のデジタル映像信号処理回路51と音声用DA変換回路59に出力する。
このデジタル映像信号はデジタル映像信号処理回路51により画像処理された後、LVDS送信回路52によりLVDS信号に変換され、表示装置65に送られる。
表示装置65ではLVDS受信回路53によりLVDS信号を受信し、表示制御回路54により液晶パネル55に表示される。
一方、前述のHDMI受信回路50から出力されたデジタル音声信号は、音声用DA変換回路59により、アナログ音声に変換され、音声出力装置66に入力される。
音声出力装置66ではアナログ音声処理回路60により音声処理され、ヘッドフォン端子63やスピーカー62から出力するための音声増幅回路61に出力される。
この受信装置64は更に外部入力端子として、映像入力端子56および音声入力端子58を備えている。
映像入力端子56には外部からアナログ映像信号が入力され、映像用AD変換回路57によりデジタル変換され、前述のデジタル映像信号処理回路51に入力される。
この信号は前述のHDMIコネクタ48からの映像と共にデジタル処理され、後段に出力される。
一方、音声入力端子58には外部からアナログ音声入力が入力され、アナログ音声処理回路60に入力される。
静電気による破壊に関しては、人体が機器に触れた場合を想定して試験規格が定められており、国際規格のIEC61000−4−2に規定された試験方法を用いるのが一般的であるが、用途に応じこれを元に定められた個別の規格も存在する。
図3は、ESD試験に用いられる放電装置の等価回路を示している。ここで、高電圧源31により発生した直流電圧は、スイッチ33と充電抵抗34とを介してエネルギー蓄積容量32に蓄えられる。このときスイッチ36はオープンとなっているため、放電抵抗35へは電流は流れない。つぎにスイッチ33をオープンにし、スイッチ36をオンすると、エネルギー蓄積容量32に蓄えられた電荷が、放電抵抗35とスイッチ36を介して、放電端子37に流れる。放電端子37は外部の非測定物に接触又は空気を介して近接させてあるため、放電された電荷は非測定物へ流れ込む。
また、図4は、上記ESD試験に用いられる各素子の値を例示する図である。なお、各素子の値は、適用する試験規格によって用いるエネルギー蓄積容量Csと放電抵抗Rdの値が異なっており、エネルギー蓄積容量Csが大きいほど、高いエネルギーを加えることが出来る。
次に、図5を参照して、放電波形40について説明する。グラフの横軸は放電開始からの時間を、縦軸は放電電流の電流値を示している。放電開始時に電流が流れ出し、放電電流のピーク値39に対して10%のポイントから90%のポイントに達するまでの立ち上がり時間38、放電電流のピーク値39に対して10%のポイントから30nS後の放電電流の電流値41、及び放電電流のピーク値39に対して10%のポイントから60nS後の放電電流の電流値42の値が規格化されている。
このような放電波形40の静電パルスは、伝送ケーブル23と一方の外部コネクタ21(図2参照)を介し、第1の入出力端子1に加わる。
なお第2の入出力端子2に静電パルスが加わった場合も以下と同一の動作をするため、以下には第1の入出力端子1に静電パルスが加わった場合における差動伝送回路80(図1参照)についてのみ説明する。
ここで、図1に示す第1のESD保護素子5としてはESDサプレッサが用いられている。第1のESD保護素子5は、図6に示すような構成をしており、一方の電極26aと他方の電極26bとが絶縁体27上で、電圧依存性抵抗材料28に覆われた領域で対向した構造となっている。入力された静電パルスは第1の伝送線路3を介し、第1のESD保護素子5の一方の電極26aに印加される。
ここで、一方の電極26aと他方の電極26bとは10μm程度の非常に狭い間隔で対向しているため、一定値以上の電圧が加わると電極26a,26bの間で放電が開始する。その結果、静電パルスによる電流はグランドに向かって流れ、それ以降の回路には入力された電圧よりも十分に低い電圧が発生する。また第1のESD保護素子5は、構造上非常に低い静電容量(0.1pF程度)しか持たないため、伝送線路のインピーダンスに及ぼす影響は少なく、信号劣化も最小限に抑えられる。このときの抑圧された静電パルスを、図7の波形44に示す。
図11は差動伝送回路67にESD対策部品が取り付けられたときの簡略な等価回路を示している。図11において容量68aと容量68bはESD対策部品の容量性インピーダンスを示しており、ESDパルスが印加されていない状態では容量成分として働く。また69aおよび69bは50オーム終端抵抗である。
この等価回路において容量68a及び容量68bの値を可変させた場合のTDRシミュレーション波形を図12に示す。図12の縦軸は、差動インピーダンス[Ω]の値を示し、図12の横軸は、時間[nS]を示す。図中、直線70aは、HDMIのインピーダンス規格値の上限値[Ω]、直線70bは、HDMIのインピーダンス規格値の下限値[Ω]を示す。
図12では、容量68a及び容量68bの合計値を、0.1pF、0.3pF、0.5pF、及び0.75pFに変化させた場合のTDR波形のシミュレーション値を示す。
ここで、TDR波形とは、伝送線路上の各部の特性インピーダンスを時間軸上にあらわしたもので、図1の外部コネクタ21から負荷20の方向を見た波形である。
図12に示されるシミュレーション結果では、付加される容量の値が0.75pF未満であれば、HDMIのインピーダンス規格値の上限70aおよび下限70bの範囲に収まる事がわかる。
しかしながら実際にプリント基板上に構成される伝送ラインのインピーダンスは、プリント基板の製造条件によって大きなバラツキを持ち、特別な管理をしない限りは設計値に対して約5〜6%程度の許容値を見込む必要がある。よって、実使用上においてHDMI規格を満たす許容容量値は0.3pF程度となる。
次に、図1の第1のESD保護ダイオード12について説明する。ESD保護ダイオード12は、カソードが第3の伝送線路10に接続され、アノードがグランドに接続されている。
ここに、第3の伝送線路10を介し一定以上の電圧が加わると、第1のESD保護ダイオード12のインピーダンスが急激に低下する。その結果、静電パルスによる電流はグランドに向かって流れ、それ以降の回路には、入力された電圧よりも十分に低い電圧が発生する。
このときの電圧の閾値(クリップ電圧)は、一般的に図8の43に示すように、ダイオードに逆バイアスをかけた際に1mAの電流が流れ出すポイントをツェナー電圧として規定されており、この値は、負荷(LSI)20(図1参照)に入力可能な最大電圧よりも低く、且つ伝送線路にかかるバイアス電圧よりも高くする必要がある。
なお、HDMIにおいては伝送線路は3.3Vの固定バイアスがかかっており、負荷(LSI)20の内部回路の最大電圧は一般的に10V程度であるため、第1のESD保護ダイオード12のツェナー電圧は3.3V〜10Vの範囲とする必要がある。ここで抑圧された静電パルスの波形を図7の波形45に示す。
しかしながら、図1に示す第1のESD保護ダイオード12は、第3の伝送線路10とグランドの間に数pF(1〜3pF程度)の静電容量を持っており、第3の伝送線路10の特性インピーダンスを下げてしまう。そのため直後に第1の抵抗14を挿入することで、特性インピーダンスの低下を防ぐことが出来る。第1の抵抗14は、入力された静電パルスのエネルギーが負荷(LSI)20の内部へ流入するのを妨げると同時に、負荷20に内蔵されたESD保護回路(図示せず)の動作開始タイミングを遅らせ、静電パルスが外部の保護素子で十分に抑圧された状態で、内部の保護素子が動作開始するように機能するものだが、抵抗値の分だけ伝送線路のインピーダンスは高くなる。そこで、上記のごとく、第1のESD保護ダイオード12の直後に第1の抵抗14を配置することで、上記静電容量によるインピーダンスの低下を抵抗値で補うことができる。これを、TDR(Time Domain Reflectometry)測定の波形で示したものを、図9に示す。
ここで、TDR波形とは、上述のように、伝送線路上の各部の特性インピーダンスを時間軸上にあらわしたもので、図1の外部コネクタ21から負荷20の方向を見た波形である。
図9に示すように、抵抗挿入前のTDR波形30に対し、抵抗挿入時のTDR波形29は抵抗の効果により、特性インピーダンスが100オームに近づいており、第1のESD保護ダイオード12などのESD保護素子の容量成分による劣化を補っていることがわかる。
ここで、この抵抗値について図13〜図16を用いて説明する。図13は、HDMI送信機器および受信機器の差動伝送方式を示す模式図である。図14は、HDMI送信機器の出力端での差動信号のアイパターンを示す図である。図15は、HDMI送信機器の出力端でのシングルエンド出力の電圧波形を示す図である。図16は、HDMI受信機器に入力される最小電圧のアイパターンを示す図である。図17は、本実施の形態における伝送ケーブルの等価回路を示す図である。
図13に示すように、HDMIの試験規格では差動伝送回路の終端負荷として3.3V電源にプルアップされた50オームの終端抵抗71aおよび71bが用いられる。
送信機器72がこの終端抵抗71aおよび71bを介して差動送信回路73aおよび73bが交互に信号電流を引き込むことで終端抵抗71aおよび71bの端子電圧が変化し受信回路74に信号が入力される。
HDMIの規格によれば、送信機器72から出力する差動信号の波形は、図14のアイパターンに示すように最小で±200mV以上、最大で±780mV以下と定められている。
これをシングルエンドの電圧に置き換えて考えると、図15に示すように、シングルエンドの電圧が3.3Vを基準に、Lレベルが規定値である2.6〜2.9Vに収まる様に差動送信回路73aおよび73bの電流引込能力が調整される必要があることがわかる。
一方、伝送ケーブル75は、図17のような等価回路で示す事ができるが、この等価回路中の直列抵抗成分77a及び77bは、送信機器72から見ると受信機器76の終端抵抗71aおよび71bが加算され、送信機器72がより大きな値の負荷を介し電流を引き込むことになる。
また本実施の形態のごとく、受信回路の直前に直列抵抗が挿入された場合には、伝送線路の直列抵抗成分に加え、静電気対策用の直列抵抗が作用し、送信機器72のコネクタ端での振幅レベルが抑圧され、受信機器76側での信号振幅が受信可能な最小レベルよりも小さくなる可能性がある。
HDMIの規格では受信機器の最小受信レベルは図16のアイパターンに示すように±150mV以上と定められているが、車載機器を想定した受信機器の場合、受信機器は適用温度範囲等を考慮し±100mVまたはそれ以下の信号振幅でも正しく受信できる様に設計されている。
この値は150mVに対して約30%の振幅の減少なので、負荷抵抗の増加分に置き換えると15Ωの増加となる。このことから本実施の形態では直列抵抗値の上限値を15Ωとしている。
ここで、上記のESD保護素子5,6としてのESDサプレッサ、ESD保護ダイオード12,13及び抵抗14,15を同時に用いた場合の差動伝送回路の動作について説明する。既に述べたように図7の波形44及び波形45は、ESDサプレッサ及びESD保護ダイオードによる抑圧波形である。どちらも図3に示す放電回路でCs=330pF、Rd=2000オームとし、気中放電にて15kVの静電パルスを印加したときの波形である。
ここで注目すべきは、図7のそれぞれの波形のピーク点の時間差46と、ピーク後のクリップ電圧47の差である。つまり、ESDサプレッサは、応答は速いがクリップ電圧は高く、ESD保護ダイオードは、応答は遅いがクリップ電圧が低くなっている。この反応時間の差は約1nSとなっている。またクリップ電圧についてはESDサプレッサが約70Vであるのに対し、ESD保護ダイオードのそれは10V以下の値となっている。
このことからESDの抑圧効果はESD保護ダイオードの方が高く、ESDサプレッサはピークの立ち上がりを抑制する効果があるといえる。これらの素子を組み合わせ、更に上記の抵抗によるLSIへ流れ込む電流抑制効果とを合わせることで、より高いレベルの差動伝送回路を形成している。
次に、図1に示すコモンモードフィルタ9について説明する。この素子は第1のインダクタ素子7と第2のインダクタ素子8が磁気的に結合された構造となっており、差動信号に重畳されたコモンモードノイズを低減する機能がある。また第1のインダクタ素子7のインダクタンス成分と両端に接続されたESD保護素子の容量成分が、π形のローパスフィルタとして機能することにより、入力される静電パルスの高調波成分を抑制する効果がある。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2009年1月29日出願の日本特許出願(特願2009−017563)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明にかかる差動伝送回路は、高速伝送回路における伝送信号の劣化を最小限に抑えつつ、高い静電耐圧を確保することができるという効果を有し、車載機器等の厳しい使用環境に適合した差動伝送回路として有用である。
1,2,18,19 入出力端子
3,4,10,11,16,17 伝送線路
5,6 ESD保護素子
9 コモンモードフィルタ
12,13 ESD保護ダイオード
14,15 抵抗
80 差動伝送回路

Claims (2)

  1. 第1の伝送線路とグランドの間に接続された第1のESD保護素子と、
    第2の伝送線路とグランドの間に接続された第2のESD保護素子と、
    前記第1の伝送線路と第3の伝送線路との間に直列接続された第1のインダクタ素子と、前記第2の伝送線路と第4の伝送線路の間に直列接続された第2のインダクタ素子とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタと、
    前記第3の伝送線路にカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第1のESD保護ダイオードと、
    前記第4の伝送線路にカソードが接続されアノードがグランドに接続された第2のESD保護ダイオードと、
    前記第3の伝送線路に一方の端子が接続され、第5の伝送線路に他方の端子が接続された第1の抵抗と、
    前記第4の伝送線路に一方の端子が接続され、第6の伝送線路に他方の端子が接続された第2の抵抗とを備え、
    前記第1及び前記第2の抵抗の値はそれぞれ10〜15オームとし、前記第1及び前記第2のESD保護素子の静電容量の値はそれぞれ0.3pFより小さく、前記第1及び第2のESD保護ダイオードのクリップ電圧は10Vより小さい値とした、差動伝送回路。
  2. 第1の伝送線路とグランドの間に接続された第1のESD保護素子と、
    第2の伝送線路とグランドの間に接続された第2のESD保護素子と、
    前記第1の伝送線路と第3の伝送線路との間に直列接続された第1のインダクタ素子と、前記第2の伝送線路と第4の伝送線路の間に直列接続された第2のインダクタ素子とが互いに磁気結合されたコモンモードフィルタと、
    前記第3の伝送線路にカソードが接続され、アノードがグランドに接続された第1のESD保護ダイオードと、
    前記第4の伝送線路にカソードが接続されアノードがグランドに接続された第2のESD保護ダイオードと、
    前記第3の伝送線路に一方の端子が接続され、第5の伝送線路に他方の端子が接続された第1の抵抗と、
    前記第4の伝送線路に一方の端子が接続され、第6の伝送線路に他方の端子が接続された第2の抵抗とを備え、
    前記第1及び前記第2の抵抗の値はそれぞれ10〜15オームとし、前記第1及び前記第2のESD保護素子の静電容量の値はそれぞれ0.3pFより小さく、前記第1及び第2のESD保護ダイオードのクリップ電圧は10Vより小さい値とした、差動伝送回路を備えた電子機器。
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