JP2005318539A - 差動伝送回路及びコモンモードチョークコイル - Google Patents

差動伝送回路及びコモンモードチョークコイル Download PDF

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Osamu Shibata
修 柴田
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Abstract

【課題】 低コスト及び軽量な回路構成により伝送信号のノイズを除去し、半導体デバイスの破壊を防止する
【解決手段】 第1信号を伝送する第1伝送線路3と、第1信号とは逆位相を有する第2信号を伝送する第2伝送線路4が直列にコモンモードチョークコイル5に接続されている。第3伝送線路6及び第4伝送線路7はコモンモードチョークコイル5に直列に各々接続されて第1及び第2信号を伝送する。半導体デバイス8は第3及び第4伝送線路6,7と直列に接続されて第1及び第2信号を受信/送信する。第1終端素子は一端が第1伝送線路3に並列に接続され、他端はコモンモードチョークコイル5に接続されている。第2終端素子は一端が第2伝送線路4に並列に接続され、他端がコモンモードチョークコイル5に接続されている。このような構成により、コモンモードチョークコイル5のノイズ除去能力を高めることができる。
【選択図】 図1


Description

本発明は、差動伝送回路及びこれに使用するコモンモードチョークコイルに関する。
近年、電子機器の多様化に伴い、高周波数の信号を伝送する需要が急速に増えている。一般に、高周波数の信号伝送には差動伝送が用いられる。
特に、差動伝送は高周波数信号の伝送に適しており、外部の電子機器へ不要な電磁場を輻射することを軽減できる。更に差動伝送は、外部の電子機器から不要な電磁場を輻射されてもその影響を少なくすることができる。
ここで、外部の電子機器から強力な電磁場が輻射され、差動伝送は影響を受けて2つの伝送信号にノイズがのった場合を考える。2つの信号にのったノイズが差動レシーバの入力レンジを越えるほどの大きいレベルである場合、差動レシーバは2つの信号のノイズにより誤動作を起こすおそれがある。そこで、一般的に、信号のノイズを除去するために、差動伝送回路の差動レシーバ入力端にはコモンモードチョークコイルを接続する。コモンモードチョークコイルはノイズを除去する役割を持つ。そのため、差動レシーバへのノイズの侵入を防ぐことができる。
しかしながら、コモンモードチョークコイルのノイズ抑制能力、即ちコモンモードインピーダンスは、周波数特性をもつ。そのため、コモンモードチョークコイルは、全ての周波数帯域において均一に高いコモンモードインピーダンスを有することはできない。コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンスが低い周波数帯域ではノイズ抑制能力が低下してしまうため、外部の電子機器から輻射された電磁場の影響を受けて伝送信号にノイズがのっても、コモンモードチョークコイルが信号のノイズを効果的に除去することは難しい。
一方、コモンモードチョークは、コモンモードチョークコイルへ流れるノイズのコモンモード電流量に比例して磁場を発生させる。しかしながら、ノイズのコモンモード電流量が多い場合、コモンモードチョークコイルは磁束飽和を生じてしまう。結果、コモンモードチョークコイルのノイズ抑制能力は低下してしまう。
これら問題を解決するために、特許文献1には、終端素子を用いてコモンモードチョークコイルに流れるノイズの量を少なくさせる方法を開示している。図23は、特許文献1の差動伝送回路図である。
このような構成により、第1及び第2信号のノイズは第1及び第2終端素子710、711とコモンモードチョークコイル705とに分割して流れる。従って、第1及び第2信号が低い周波数帯域であってコモンモードチョークコイル705のノイズ抑制能力が低くても、コモンモードチョークコイル705に流れるノイズの量が軽減されているためノイズを除去することができる。また、コモンモードチョークコイル705へ流れるノイズのコモンモード電流量が少なくなるため、コモンモードチョークコイル705の磁束飽和現象も減少できる。従って、コモンモードチョークコイル705で除去できずに差動レシーバ709へ到達してしまうノイズの量も必然的に減少する。
また、コモンモードチョークコイルのノイズ抑制能力低下を防ぐために、特許文献2には、終端素子を用いてコモンモードチョークコイルに流れるノイズの量を減らし、かつ外部の機器と伝送線路とをシールドで覆われたケーブルで接続する方法を開示している。図24は、特許文献2の差動伝送回路図である。
この構成では、シールド762のノイズと第1及び第2終端素子760、761に流れたノイズとが、コモンモードチョークコイル755に流れる。このため、コモンモードチョークコイル755は第1及び第2終端素子760、761に流れずにコモンモードチョークコイル755に流れた残りのノイズに対してだけではなく、シールド762と第1及び第2終端素子760,761からのノイズに対しても逆起電力を発生させる。従って、特許文献1の方法よりもコモンモードチョークコイル755のノイズ抑制能力は高い。従って、コモンモードチョークコイル755で除去できずに差動レシーバ759に到達してしまうノイズの量はさらに減少する。
特開2002−261842号公報 特開2003−46655号公報
しかしながら、これらの差動伝送には以下の問題点がある。
特許文献1では、第1及び第2信号のノイズが、第1及び第2終端素子710、711とコモンモードチョークコイル705とを用いても除去できないほど大きい場合、ノイズを差動レシーバ709の許容範囲に至るまで除去することができない。すると、ノイズにより差動レシーバ709が誤動作を起こし、場合によっては半導体デバイスが破壊するおそれがある。この現象は、特に自動車に搭載された機器間の信号伝送に差動伝送を使用する場合等に注意が必要である。図25に、車載に搭載された機器間に差動伝送を用いた例を示す。図25の自動車には、エンジン及びブレーキ装置等の他に車載機器A及び車載機器Bが搭載されている。車載機器A及びBは、例えばカーナビゲーションやオーディオ機器などである。そして、車載機器A及びBには、差動伝送の受送信装置C,Dがそれぞれ具備されている。車載機器A及び車載機器Bは、差動伝送の送受信装置C,Dを用いて信号の送受信を行う。一方、エンジンは強い電磁場輻射を行う。そのため、差動伝送を用いても車載機器A及びB間を伝送する信号は影響を受けてしまう。結果、差動伝送回路内の差動レシーバは除去しきれていないノイズの入力により誤動作を起こす可能性が高い。また、差動伝送は伝送信号のノイズを除去しないと電磁場を外部の機器に対して不要に輻射してしまい、ブレーキ装置がこの影響を受けて誤動作を起こす可能性もある。従って、自動車のように外部機器からの不要な電磁場輻射レベルが非常に高い環境においては、この方法を適用することは難しい。
また、特許文献2では、伝送線路752をシールド762で覆っているため、重量がありコストが高くかかってしまう。特に、特許文献2の差動伝送回路を自動車に搭載すると、シールドの重量は50〜100Kgほどとなる。従って、シールドの重量及びコストは無視できなくなる。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、低コスト及び軽量である差動伝送の回路構成によりノイズを除去して差動レシーバの保護性能を向上させた差動伝送回路とこれに使用するコモンモードチョークコイルとを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明1は、第1伝送線路、第2伝送線路、コモンモードチョークコイル、第3伝送線路、第4伝送線路、半導体デバイス、第1終端素子及び第2終端素子を含む差動伝送回路を提供する。第1伝送線路は第1信号を伝送する。第2伝送線路は、前記第1信号とは逆位相を有する第2信号を伝送する。コモンモードチョークコイルは、前記第1伝送線路及び前記第2伝送線路に直列に接続されている。第3伝送線路は、前記コモンモードチョークコイルに直列に接続され前記コモンモードチョークコイルから出力される前記第1信号を伝送する。第4伝送線路は、前記コモンモードチョークコイルに直列に接続され前記コモンモードチョークコイルから出力される前記第2信号を伝送する。半導体デバイスは、前記第3伝送線路及び前記第4伝送線路と直列に接続されて前記第1信号及び第2信号を受信/送信する。第1終端素子は、一端が前記第1伝送線路又は第3伝送線路に並列に接続され、他端が前記コモンモードチョークコイルに接続されている。第2終端素子は、一端が前記第2伝送線路又は第4伝送線路に並列に接続され、他端が前記コモンモードチョークコイルに接続されている。
このような構成を有する差動伝送回路によると、第1伝送線路を介して伝送された第1信号は、コモンモードチョークコイルを通過する。第2伝送線路を介して伝送された第2信号は、コモンモードチョークコイルを通過する。また、第1終端素子及び第2終端素子を通過した第1及び第2信号にのっているノイズはコモンモードチョークコイルへ流れる。すると、第1伝送線路及び第2伝送線路を介して伝送された第1及び第2信号のノイズにより逆起電力が発生し、更に第1終端素子と第2終端素子を介してコモンモードチョークコイルに流れる第1及び第2信号ノイズにより逆起電力が発生する。コモンモードチョークコイルには、発生した逆起電力に応じた電流が流れて磁束線が発生し、ノイズを防ぐ。従って、第1伝送線路及び第2伝送線路を介して伝送された信号のみがコモンモードチョークコイルに流れる場合よりもコモンモードチョークコイルに発生する逆起電力が大きく、磁束線が増強される。そのため、コモンモードチョークコイルの信号ノイズを除去する能力が高まり、大きいノイズが半導体デバイスに入力されることを防止できる。従って、大きいノイズによる半導体デバイスの破壊を防ぎ、周りの他の機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止することができる。
発明2は、前記発明1において、前記第1終端素子は一端が前記第1伝送線路に並列に接続され、前記第2終端素子は一端が前記第2伝送線路に並列に接続されていることを特徴とする差動伝送回路を提供する。
この構成によると、第1及び第2信号のノイズのうちの大部分は第1及び第2終端素子を通じてコモンモードチョークコイルに流れる。第1及び第2信号の残りのノイズは、コモンモードチョークコイルに入力されて除去される。即ち、第1及び第2信号のノイズのうちの大部分が第1及び第2終端素子を経てコモンモードチョークコイルに入力されるため、コモンモードチョークコイルに発生する逆起電力がその分大きくなる。このため、コモンモードチョークコイルのノイズ除去能力が高められ、大きいノイズが半導体デバイスに入力されることを防止できる。
発明3は、前記発明1において、前記第1終端素子は一端が前記第3伝送線路に並列に接続され、前記第2終端素子は一端が前記第4伝送線路に並列に接続されていることを特徴とする差動伝送回路を提供する。
この構成によると、第1及び第2信号は先ずコモンモードチョークコイルに入力されてノイズが除去される。その後、除去されずに残っている第1及び第2信号のノイズは、第3及び第4伝送線路に出力され、第1及び第2終端素子を通じてコモンモードチョークコイルに再び入力される。この場合、コモンモードチョークコイルには、残りのノイズに応じた逆起電力が更に発生する。このため、コモンモードチョークコイルは更に発生した逆起電力の分だけノイズの除去能力が高まる。このため、大きいノイズが半導体デバイスに入力されることを防止できる。さらに、第1及び第2終端素子は伝送線路全体のインピーダンスを整合させている。従って、コモンモードチョークコイルのノイズを除去する能力を高めると共に、信号の反射を防止して信号波形を歪ませることなく高品位に安定した信号を伝送することができる。
発明4は、前記発明3において、前記第1終端素子及び第2終端素子の他端は、第1及び第2信号の伝送方向とは逆の方向からコモンモードチョークコイルに接続されていることを特徴とする差動伝送回路を提供する。
この構成を備える差動伝送回路のコモンモードチョークコイルには、1本が逆巻きの構成をもつコイルを用いるとよい。これらの構成によると、第1及び第2終端素子のそれぞれの他端からコモンモードチョークコイルまでの配線距離を短くすることができる。従って、差動伝送回路のプリント基板の設計が容易となる。
発明5は、前記発明2において、前記第3伝送線路に並列に接続された第3終端素子と、前記第4伝送線路に並列に接続された第4終端素子と、を更に含むことを特徴とする差動伝送回路を提供する。
第3終端素子及び第4終端素子は、第3及び第4伝送線路のインピーダンスを整合させている。従って、第1及び第2信号の反射現象を防止し、信号波形を歪ませることなく高品位に安定した第1及び第2信号を伝送させることができる。また、この構成は、第1及び第2信号のノイズが発明2の構成では除去仕切れないほどの大きさである場合にも有効である。第1及び第2信号のノイズが、第1及び第2終端素子とコモンモードチョークコイルとにより除去しきれないほど大きいと、除去されずに残っている第1及び第2信号のノイズは第3及び第4伝送線路を通じて半導体デバイスに入力されてしまう。そこで、第3及び第4伝送線路に並列に第3及び第4終端素子をそれぞれ接続する。すると、コモンモードチョークコイルを通過してしまった第1及び第2信号のノイズは、第3及び第4終端素子を通じて安定電位へ流れる。従って、この構成によると、第1及び第2信号のノイズを除去すると共に、高品位で安定した信号を伝送させることができる。
発明6は、前記発明3において、前記第1伝送線路に並列に接続された第3終端素子と、前記第2伝送線路に並列に接続された第4終端素子と、を更に含むことを特徴とする差動伝送回路を提供する。
この構成は、第1及び第2信号のノイズによりコモンモードチョークコイルが磁束飽和してしまう場合に有効である。この場合、第1及び第2伝送線路に並列に第3及び第4終端素子を挿入する。すると、先ずは第1及び第2信号のノイズの大部分が第3及び第4終端素子に流れるため、コモンモードチョークコイルの磁束飽和を防止することができる。そして、第1及び第2信号の残りのノイズはコモンモードチョークコイルに流れ、コモンモードチョークコイルでも除去しきれなかった残りのノイズは、第1及び第2終端素子に流れる。コモンモードチョークコイルには第1及び第2終端素子を通じて第1及び第2信号の残りのノイズが入力される。コモンモードチョークコイルはこれに応じた逆起電力を更に発生させるため、コモンモードチョークコイルのノイズ除去能力がその分高まる。さらに、第1乃至第4終端素子は、伝送線路全体に渡るインピーダンスを整合させている。従って、この構成によると、第1及び第2信号のノイズを除去すると共に、高品位で安定した信号を伝送させることができる。
発明7は、前記発明1乃至6のうちいずれか1つにおいて、前記第1伝送線路及び前記第2伝送線路を1対とする第1伝送線路対は第1シールドで覆われており、前記第1シールドは前記コモンモードチョークコイルに接続されていることを特徴とする差動伝送回路を提供する。
第1シールドには第1伝送線路対を流れる信号のノイズがのっている。第1シールドはコモンモードチョークコイルに接続されているため、第1シールドの信号ノイズはコモンモードチョークコイルに入力される。すると、第1シールドからコモンモードチョークコイルへ流れる信号ノイズに対応した逆起電力が更に発生する。従って、発明1〜6の場合よりも更に第1シールドからのノイズ分だけ逆起電力が増強されるため、コモンモードチョークコイルのノイズ除去能力は更に高まる。即ち、この構成では第1シールドのノイズを有効利用している。従って、大きいノイズが半導体デバイスに入力されることを防止し、周りの他の機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止することができる。
発明8は、前記発明7において、以下の特徴を有する差動伝送回路を提供する。第5伝送線路は、前記コモンモードチョークコイルと直列に接続され第3信号を伝送する。第6伝送線路は、前記コモンモードチョークコイルと直列に接続され、前記第3信号とは逆位相を有する第4信号を伝送する。第7伝送線路は、前記コモンモードチョークコイル及び前記半導体デバイスと直列に接続され、前記コモンモードチョークコイルから出力される第3信号を伝送する。第8伝送線路は、前記コモンモードチョークコイル及び前記半導体デバイスと直列に接続され、前記コモンモードチョークコイルから出力される第4信号を伝送する。また、前記第5伝送線路及び前記第6伝送線路を1対とする第2伝送線路対は第1シールドで覆われている。前記第1伝送線路対及び前記第2伝送線路対は第2シールドで覆われている。そして、前記第2シールドは前記コモンモードチョークコイルにさらに接続されている。
第1シールド及び第2シールドには第1伝送線路対及び第2伝送線路対を流れる信号ノイズがのっている。第2シールドはさらにコモンモードチョークコイルに接続されているため、第2シールドの信号ノイズはコモンモードチョークコイルへ入力される。すると、第2シールドからコモンモードチョークコイルへ流れる信号ノイズに対応した逆起電力が更に発生する。従って、第2シールドからのノイズ分だけ逆起電力が増強されるため、コモンモードチョークコイルのノイズ除去能力は更に高まる。即ち、この構成では第1シールド及び第2シールドのノイズを有効利用している。従って、大きいノイズが半導体デバイスに入力されることを防止し、周りの他の機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止することができる。
また、前記課題を解決するために、発明9は、請求項1に記載の差動伝送回路に用いられ、磁性体と、前記磁性体に巻回されるN本(Nは正の整数)の導線とを含むことを特徴とするコモンモードチョークコイルを提供する。
この構成は、前記発明1と同様の作用効果を奏する。
発明10は、前記発明9において、前記N本の導線は3本であって、前記導線のうちの2本は前記磁性体の表面上に巻回されて第1層目を形成し、前記導線のうち残りの1本は前記第1層目を形成する導線上に巻回されて第2層目を形成し、前記2本の導線は互いに逆位相を有する第1信号及び第2信号を伝送し、前記第2層目を形成する前記1本の導線は安定電位に接続されており、前記第2層目を形成する導線の断面の中心は、前記第1層目を形成する2本の導線の断面の中心から等距離にあることを特徴とするコモンモードチョークコイルを提供する。
例えば、安定電位がグランドであるとすると、グランドに対する各導線のインピーダンスが等しく安定している。従って、信号の品質を良好な状態に保ったまま伝送することができる。また、特性インピーダンスのバランスが安定しているため、高周波信号を伝送する場合にも適用できる。
発明11は、前記発明9において、前記導線のうちの1本と残りの前記導線とは、互いに逆向きに巻回されていることを特徴とするコモンモードチョークコイルを提供する。
この構成を有するコモンモードチョークコイルは、発明4に記載の差動伝送回路のコモンモードチョークコイルに使用すると良い。1本の導線は、信号の出力側から第1及び第2終端素子に接続されているため、第1及び第2終端素子とコモンモードチョーク間の配線を短くすることができる。
また、前記課題を解決するために、発明12は、磁性体と、前記磁性体に巻回される4本の導線とを含むコモンモードチョークコイルを提供する。このコモンモードチョークコイルは、前記導線のうちの2本は差動信号を伝送する信号線に接続され、残りの2本の導線は安定電位に接続され、前記信号線に接続される2本の導線は安定電位に接続される2本の導線の間に挟まれた状態で、4本の導線が前記磁性体の表面上に巻回されていることを特徴とするコモンモードチョークコイルを提供する。
例えば、安定電位はグランドであるとする。このような導線の巻き方によると、互いに逆位相である差動信号が伝送される2本の信号線に接続される導線は常に隣同士である。さらに、信号線に接続される2本の導線はグランドに接続される2本の導線の間に挟まれて一列に配列されている。そのため、グランドに接続される導線と一対の信号線に接続される導線間のインピーダンスのバランスは安定している。従って、信号の品質を良好な状態に保ったまま伝送することができる。
また、前記課題を解決するために、発明13は、磁性体と、前記磁性体に巻回される4本の導線とを含むコモンモードチョークコイルを提供する。このコモンモードチョークコイルは、前記導線のうちの2本は差動信号を伝送する信号線に接続され、残りの2本の導線は安定電位に接続され、前記信号線に接続される導線と前記安定電位に接続される導線とが交互に配列された状態で、4本の導線が前記磁性体の表面上に巻回されていることを特徴とするコモンモードチョークコイルを提供する。
この構成は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の擬似差動伝送を行う場合に好適である。擬似差動伝送とは、差動ドライバが差動信号の正相側と逆相側との信号を交互に出力する伝送方法である。安定電位を例えばグランドであるとすると、信号線に接続される各々の導体はグランドに接続される各々の導体と隣同士である。そのため、信号線に接続される各々の導線は、互いに逆相である差動信号の帰還経路であるグランドと強くカップリングでき、不要な電磁場輻射を抑制することができる。また、グランドに接続される導線と一対の信号線に接続される導線との間のインピーダンスバランスが安定しているため、信号の品質を良好な状態に保ったまま伝送することができる。
また、前記課題を解決するために、発明14は、出力装置と接続されている車載搭載用の映像音声受送信装置であって、請求項1に記載の差動伝送回路と、前記差動伝送回路が伝送した信号を前記出力装置に出力する制御手段とを含むことを特徴とする、車載搭載用の映像音声受送信装置を提供する。
本発明1の差動伝送回路は、コモンモードチョークコイルの信号ノイズを除去する能力を高めることで、ノイズを除去した第1及び第2信号を伝送することができる。また、本発明1の差動伝送回路は、伝送線路をシールドで覆うことなく他の機器へ不要に電磁場を輻射させることを防止することができる。従って、自動車に搭載するAV機器間などの映像音声受送信装置に本発明1の差動伝送回路を適用するとよい。これにより、例えばエンジンなどの他の機器から電磁場が輻射されて影響をうけてもノイズを除去することができるため、画質や音質の良い映像及び音声を受送信することができる。また、他の機器へ不要に電磁場を輻射することを防止できるため、自動車のエンジン装置やブレーキ装置に対し悪影響を及ぼすことがなく、安全である。さらに、シールドを用いない差動伝送回路を用いることで、自動車の軽量化を図ることができる。
本発明の差動伝送回路を用いると、低コスト及び軽量である回路構成により、コモンモードチョークコイルに発生する逆起電力を増強することができる。従って、外部の機器からの不要な電磁場輻射が大きい場合でもコモンモードノイズを除去し、差動レシーバの保護性能を向上させることができる。
《差動伝送回路》
以下より、本発明に係る差動伝送回路を図1乃至図15を用いて詳細に説明する。
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る差動伝送回路図である。この差動伝送回路は、例えばカーナビゲーションやオーディオ機器等の車載搭載用機器に用いられ、車載搭載用機器間の信号伝送を行う。
(1−1)構成
図1の差動伝送回路1は、第1伝送線路3、第2伝送線路4、第3伝送線路6、第4伝送線路7、コモンモードチョークコイル5、半導体デバイス8、第1終端素子10及び第2終端素子11を含む。第1伝送線路3及び第2伝送線路4は差動伝送回路1の外部でより線の形状をなしている伝送線路対と接続され、差動伝送回路1を外部の電子機器と接続している。第1伝送線路3は外部の電子機器から送られてきた第1信号を伝送し、第2伝送線路4は外部の電子機器から送られてきた第2信号を伝送する。尚、第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。コモンモードチョークコイル5は、3本の導線5a、b、cを有し、全てが同じ向きに巻かれている。導線5aの一端は第1伝送線路3と直列に接続され、導線5bの一端は第2伝送線路4に直列に接続されている。導線5aの他端は第3伝送線路6と直列に接続され、導線5bの他端は第4伝送線路と直列に接続されている。導線5cの一端は第1終端素子10及び第2終端素子11と接続され、他端はグランドに接続されている。また、半導体デバイス8は、信号を受信するための差動レシーバ9を含む。差動レシーバ9は、第3伝送線路6及び第4伝送線路7に直列に接続されている。このため、第1信号は第1伝送線路3、導線5a及び第3伝送線路6を介して差動レシーバ9に入力される。第2信号は第2伝送線路4、導線5b及び第4伝送線路7を介して差動レシーバ9に入力される。
第1終端素子10の一端は、第1伝送線路3に並列に接続されている。第2終端素子11の一端は、第2伝送線路4に並列に接続されている。第1終端素子10の他端及び第2終端素子11の他端は、コモンモードチョークコイル5の導線5cと並列に接続されている。
尚、図1は、第1終端素子10及び第2終端素子11をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路1を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路1では、半導体デバイス8には信号を受信するための差動レシーバ9を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線5cの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
また、終端素子は、抵抗に限定することはなく、コンデンサーやコイルであってもよい。
さらに、終端素子10,11とコモンモードチョークコイル5の導線5cとの間、もしくは導線5cとグランドとの間に直列にコンデンサーを入れてもよい。これにより、伝送線路を伝わる消費電流を抑えることができる。
(1−2)ノイズの除去
次に、図1の差動伝送回路1において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。以下より、外部の電子機器から伝送回路内に入力された信号のノイズ量、即ち、コモンモード電流量の全体を100%とする。
先ず、第1及び第2信号は、外部の電子機器から差動伝送回路1内の第1伝送線路3及び第2伝送線路4にそれぞれ入力される。第1及び第2信号は第1伝送線路3及び第2伝送線路4内を流れる。第1信号は第1伝送線路3と第1終端素子10との分岐点に到達し、第2信号は第2伝送線路4と第2終端素子11との分岐点に到達する。すると、第1信号のノイズの大部分が第1終端素子10へ流れる。第2信号のノイズの大部分が第2終端素子11へ流れる。ここで、第1及び第2終端素子10,11に流れた第1信号及び第2信号のノイズを、例えば各々80%とする。すると、第1信号のノイズの残り20%は、コモンモードチョークに入力される。また、第2信号のノイズの残り20%は、コモンモードチョークコイル5に入力される。
一方、第1終端素子10及び第2終端素子11に流れた第1及び第2信号のノイズ80%は、第1終端素子10及び第2終端素子11を経てコモンモードチョークコイル5に入力される。
一般に、コモンモードチョークコイル5は、入力されたノイズにより逆起電力を発生させてノイズを除去する。コモンモードチョークコイルに入力されるノイズが多いほど、発生する逆起電力は増強され、ノイズを除去する能力も高まる。本実施形態では、第1及び第2終端素子10,11で除去したノイズをコモンモードチョークコイル5に入力する分、コモンモードチョークコイル5に入力されるノイズが多い。具体的には、本実施形態に係るコモンモードチョークコイル5に入力されるノイズとその入力経路には、以下の2つがあげられる。
(a)第1及び第2終端素子10,11に流れずに、第1及び第2伝送線路3,4から直接コモンモードチョークコイルに入力されるノイズ;20%
(b)第1及び第2終端素子10,11を通過した第1及び第2信号のノイズ;80%
即ち、コモンモードチョークコイル5には、経路(a)と経路(b)から100%分のノイズが入力される。これは、上記経路(a)のみでノイズを入力するのに比べて5倍の逆起電力が発生することを意味する。
一方、差動レシーバ9には、コモンモードチョークコイル5によりノイズが除去された第1及び第2信号が入力される。コモンモードチョークコイル5に入力される第1及び第2信号には20%分のノイズしかのっていないにも関わらず、コモンモードチョークコイル5には100%のノイズに対応する起電力が発生している。従って、コモンモードチョークコイル5は入力される第1及び第2信号のノイズを除去することができる。
このようにして、コモンモードチョークコイル5は、ノイズを除去した第1信号を第3伝送線路6へ出力し、第2信号を第4伝送線路7へ出力する。そして、ノイズを除去された第1及び第2信号は第3及び第4伝送線路6、7をそれぞれ経て差動レシーバ9に入力される。
仮に、コモンモードチョークコイル5に入力されたノイズの量が許容量を越えているために磁束が飽和した場合を考える。具体的に、コモンモードチョークコイル5は入力されたノイズ100%に対して逆起電力を発生しようとするが、コモンモードチョークコイル5の磁束が飽和したために、80%のノイズに応じた逆起電力しか発生しなかったとする。しかし、コモンモードチョークコイル5がノイズ除去を行う該当のノイズは20%であるため、コモンモードチョークコイル5のノイズ除去能力には60%の余裕がある。従って、コモンモードチョークコイル5が飽和してしまっても、ノイズを除去することができる。
(1−3)効果
本実施形態の構成を用いれば、第1及び第2終端素子10,11により除去したノイズをコモンモードチョークコイル5にさらに入力するため、第1及び第2信号に元々のっている総ノイズに対応する逆起電力が、コモンモードチョークコイル5に発生する。そのため、コモンモードチョークコイル5のノイズ除去能力が高まり、差動レシーバ9の許容範囲を超えるノイズが差動レシーバ9に入力されて差動レシーバ9の誤動作を引き起こすことを防止できる。
従って、半導体デバイスへ入力される残りの第1及び第2信号のノイズを除去し、差動レシーバ9の誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。また、外部の他の電子機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止する。
尚、本実施形態の差動伝送回路1は、コモンモードチョークコイル5と差動レシーバ9との間の配線、即ち第3伝送線路6及び第4伝送線路7をできるだけ短くすると良い。コモンモードチョークコイル5と差動レシーバ9との距離をできるだけ短くすることにより、第3伝送線路6及び第4伝送線路7のスタブ配線により生じるインピーダンス不整合の影響は無視できる。従って、第3及び第4伝送線路6,7のインピーダンス整合を行わなくても、信号の反射があまり生じることがなく、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
(2)第2実施形態
(2−1)構成
図2は、本発明の第2実施形態に係る差動伝送回路図である。本実施形態の差動伝送回路21は、第3及び第4伝送線路26、27の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7よりも長い場合に適用するとよい。
図2の差動伝送回路21は、第1終端素子30及び第2終端素子31の一端はそれぞれ第3伝送線路26及び第4伝送線路27に並列に接続されている。第1終端素子30及び第2終端素子31の他端は、信号の伝送方向側からコモンモードチョークコイル25が有する導線25cの一端に接続されている。導線25cの他端は、グランドに接続されている。この差動伝送回路21のその他の構成は、第1実施形態と同様である。即ち、第1信号を伝送する第1伝送線路23と第2信号を伝送する第2伝送線路24とは、コモンモードチョークコイル25が有する導線25a、25bの一端にそれぞれ直列に接続されている。コモンモードチョークコイル25が有する導線25a、bの他端はそれぞれ第3伝送線路26及び第4伝送線路27に直列に接続されている。第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。また、導線25a、25b、25cは全てが同じ向きに巻かれている。第3伝送線路26は、コモンモードチョークコイル25より出力される第1信号を伝送する。第4伝送線路27は、コモンモードチョークコイル25より出力される第2信号を伝送する。半導体デバイス28が有する差動レシーバ29は第3伝送線路26及び第4伝送線路27に直列に接続されている。
尚、図2は、第1終端素子30及び第2終端素子31をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路21を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路21では、半導体デバイス28には信号を受信するための差動レシーバ29を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線25cの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
(2−2)ノイズの除去
次に、図2の差動伝送回路21において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。以下より、外部の電子機器から伝送回路内に入力された信号のノイズ量、即ち、コモンモード電流量の全体を100%とする。
先ず、第1及び第2信号は、外部の電子機器から差動伝送回路21内の第1伝送線路23及び第2伝送線路24にそれぞれ入力される。第1及び第2信号は第1伝送線路23及び第2伝送線路24内を通過し、コモンモードチョークコイル25に入力される。すると、コモンモードチョークコイル25には入力された第1及び第2信号のノイズ100%に対応した逆起電力が発生し、ノイズ除去能力を発生する。このコモンモードチョークコイル25により、第1及び第2信号にのっているノイズのうち80%が除去されたとする。残り20%のノイズを含む第1及び第2信号は、コモンモードチョークコイル25から出力され、第3伝送線路26及び第4伝送線路27にそれぞれ入力される。
第1信号は第3伝送線路26と第1終端素子30との分岐点に到達し、第2信号は第4伝送線路27と第2終端素子31との分岐点に到達する。すると、第1信号に残ったノイズ20%は第1終端素子30へ流れてコモンモードチョークコイル25に入力される。同様に、第2信号に残ったノイズ20%は第2終端素子31へ流れてコモンモードチョークコイル25に入力される。
このとき、コモンモードチョークコイル25に入力されるノイズとその入力経路は、以下の2つがあげられる。
(a)第1及び第2伝送線路23,24から直接入力されるノイズ;100%
(b)第1及び第2終端素子30,31を介して入力されるノイズ;20%
コモンモードチョークコイル25は、経路(a)に加えて経路(b)からのノイズに対応した逆起電力を発生させる。即ち、コモンモードチョークコイル25は、経路(a)と経路(b)から120%分のノイズが入力される。これは、経路(a)のみでノイズを入力するのに比べて1.2倍の逆起電力が発生することを意味する。
従って、逆起電力の損失があるとしても、コモンモードチョークコイル25のノイズ除去能力が高まるので、第1及び第2終端素子30,31を直接安定電位に接続する場合に比して差動レシーバ29に入力されるノイズを減少させることができる。
(2−3)インピーダンスの整合
また、本実施形態では、第3及び第4伝送線路26,27の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7の長さよりも長い。従って、第3及び第4伝送線路26,27のインピーダンスが無視できなくなり信号に影響を及ぼす。すると、信号には反射現象が生じて信号波形が歪んでしまい、歪んだ波形をもつ信号が差動レシーバ29へ入力されてしまう。これは、信号のノイズと同様に、差動レシーバ29の誤動作を引き起こすおそれがある。そこで、本実施形態では、第1終端素子30の抵抗値は、第3伝送線路26を含む第1信号伝送用の伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。また、第2終端素子31の抵抗値は、第4伝送線路27を含む第2信号伝送用の伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。すると、第3及び第4伝送線路26、27の長さが長い場合であっても、反射現象を防止して歪みのない信号波形を伝送させることができる。
このようにして、ノイズを除去されて反射現象を防止された第1及び第2信号が差動レシーバ29に入力される。
(2−4)効果
本実施形態では、第3及び第4伝送線路26、27の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7よりも長い場合、第1及び第2終端素子30,31により第3及び第4伝送線路26,27のインピーダンスを整合させている。コモンモードチョークコイル25を通過しても残っている第1及び第2信号の残りのノイズを、第1及び第2終端素子30,31を経てコモンモードチョークコイル25に入力し、コモンモードチョークコイル25のノイズ除去能力を高めている。従って、第1及び第2終端素子30,31を設けない場合に比べてノイズが軽減された第1及び第2信号が差動レシーバ29に入力されるため、差動レシーバ29の誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。また、外部の他の電子機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止する。さらに、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
(3)第3実施形態
(3−1)構成
図3は、本発明の第3実施形態に係る差動伝送回路図である。本実施形態の差動伝送回路41は、第2実施形態の差動伝送回路21と同様に、第3及び第4伝送線路46、47の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6、7よりも長い場合に適用するとよい。
図3の差動伝送回路41は、以下の2点で第2実施形態の構成と異なる。第1に、第1終端素子及び第2終端素子50,51は、信号の伝送方向とは逆側からコモンモードチョークコイル45が有する導線45cの一端に接続されている。第2に、コモンモードチョークコイルの導線45cは、他の導線a,bとは逆向きに巻かれている。導線45cの他端はグランドに接続されている。
この差動伝送回路41のその他の構成は、第2実施形態と同様である。即ち、第1信号を伝送する第1伝送線路43と第2信号を伝送する第2伝送線路44とは、コモンモードチョークコイル45が有する導線45a、bの一端にそれぞれ直列に接続されている。尚、第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。コモンモードチョークコイル45が有する導線45a、bの他端はそれぞれ第3伝送線路46及び第4伝送線路47に直列に接続されている。第3伝送線路46は、コモンモードチョークコイル45より出力される第1信号を伝送する。第4伝送線路47は、コモンモードチョークコイル45より出力される第2信号を伝送する。半導体デバイス48が有する差動レシーバ49は第3伝送線路46及び第4伝送線路47に直列に接続されている。第1終端素子50及び第2終端素子51は、それぞれ第3伝送線路46及び第4伝送線路47に並列に接続されている。
尚、図3は、第1終端素子50及び第2終端素子51をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路41を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路41では、半導体デバイス48には信号を受信するための差動レシーバ49を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線45cの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
(3−2)ノイズの除去
次に、図3の差動伝送回路41において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。図3の差動伝送回路41に係るノイズ除去については、第2実施形態と同様である。即ち、コモンモードチョークコイル45には、第1及び第2伝送線路43,44から第1及び第2信号が入力する。入力された第1及び第2信号のノイズ量に応じて、コモンモードチョークコイル45には逆起電力が発生してノイズ除去能力が生じる。第1及第2信号のノイズはコモンモードチョークコイル45により大部分が除去される。コモンモードチョークコイル45において除去されず残った第1及び第2信号のノイズは、第3伝送線路46及び第4伝送線路47に出力され、第1及び第2終端素子51,51を経てコモンモードチョークコイル45の導線45cに流れる。すると、コモンモードチョークコイル45は導線45cに流れたノイズに対しても更に逆起電力を発生させる。そのため、コモンモードチョークコイル45が発生させる全逆起電力は、第1及び第2伝送線路を経たノイズのみがコモンモードチョークコイル45に入力した場合よりも、導線45cを経たノイズに相当する分だけ増加する。従って、コモンモードチョークコイルの信号ノイズを除去する能力が高まる。このようにしてコモンモードチョークコイル45は第1及び第2信号のノイズは除去される。
(3−3)インピーダンスの整合
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、第3及び第4伝送線路46,47の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7の長さよりも長い。従って、第3及び第4伝送線路46,47のインピーダンスが無視できなくなり信号に影響を及ぼす。そこで、第1及び第2終端素子50、51の抵抗値は、第3及び第4伝送線路46、47を含む伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。これにより、第3及び第4伝送線路46、47の長さが長い場合であっても、反射現象を防止して歪みのない信号波形を伝送させることができる。
このようにして、ノイズを除去され反射現象を防止された第1及び第2信号は差動レシーバ49に入力される。
(3−4)効果
本実施形態では、第2実施形態と同様の効果を持つ。即ち、第3及び第4伝送線路46、47の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7よりも長い場合、第1及び第2終端素子50,51により第3及び第4伝送線路46,47のインピーダンスを整合させている。第1及び第2伝送線路43,44を介して伝送された信号のみがコモンモードチョークコイル45に流れる場合よりも、コモンモードチョークコイル45に発生する逆起電力が増強されるためノイズ除去能力が高まる。そのため、ノイズを除去した第1及び第2信号が差動レシーバ49に入力され、差動レシーバ49の誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。また、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
さらに、本実施形態では、第1及び第2終端素子50,51の他端の配線52は第3及び第4伝送線路側から導線45cと接続されている。導線45cは、導線45a、bとは逆巻きである。これにより、第2実施形態時よりも、第1及び第2終端素子50,51の他端からコモンモードチョーク45までの配線が短くて済む。従って、本実施形態の差動伝送回路のプリント基板設計が容易である。
(4)第4実施形態
(4−1)構成
図4は、本発明の第4実施形態に係る差動伝送回路図である。本実施形態の差動伝送回路61は、第1実施形態の構成において、伝送線路を伝わる差動信号の品質を更に高品位に保つ場合に適用するとよい。図4の差動伝送回路61は、第3終端素子72及び第4終端素子73を含む。第3終端素子72の一端は第3伝送線路66に並列に接続され、第4終端素子73の一端は第4伝送線路67に並列に接続されている。第3及び第4終端素子72,73の他端はグランドに接続されている。この差動伝送回路61のその他の構成は、第1実施形態と同様である。即ち、第1信号を伝送する第1伝送線路63と第2信号を伝送する第2伝送線路64とは、コモンモードチョークコイル65が有する導線65a、bの一端にそれぞれ直列に接続されている。コモンモードチョークコイル65が有する導線65a、bの他端はそれぞれ第3伝送線路66及び第4伝送線路67に直列に接続されている。コモンモードチョークコイル65が有する導線65cの一端は第1及び第2終端素子70,71の一端に並列に接続され、他端はグランドに接続されている。導線65a、b、cはそれぞれ同じ向きに巻かれている。尚、第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。また、第1終端素子70及び第2終端素子71の他端は、第1伝送線路63及び第2伝送線路64それぞれに並列に接続されている。第3伝送線路66は、コモンモードチョークコイル65より出力される第1信号を伝送する。第4伝送線路67は、コモンモードチョークコイル65より出力される第2信号を伝送する。半導体デバイス68が有する差動レシーバ69は第3伝送線路66及び第4伝送線路67に直列に接続されている。
尚、図4は、第1及び第2終端素子70、71、第3及び第4終端素子72,73をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路61を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路61では、半導体デバイス68には信号を受信するための差動レシーバ69を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線65cの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
(4−2)ノイズの除去
次に、図4の差動伝送回路61において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。ここで、外部の電子機器から伝送回路内に入力された信号のノイズ量、即ち、コモンモード電流量の全体を100%とする。
先ず、第1及び第2信号は、外部の電子機器から差動伝送回路61内の第1伝送線路63及び第2伝送線路64にそれぞれ入力される。第1信号は第1伝送線路63と第1終端素子70との分岐点に到達し、第2信号は第2伝送線路64と第2終端素子71との分岐点に到達する。すると、第1信号のノイズの一部分は第1終端素子70へ流れる。第2信号のノイズの一部分は第2終端素子71へ流れる。ここで、本実施形態は、第1実施形態の構成では除去しきれないほどノイズが大きい場合とし、第1及び第2終端素子70、71に流れた第1及び第2信号のノイズを、例えば各々40%とする。すると、第1信号及び第2信号の残りのノイズは各々60%である。第1及び第2信号の残りのノイズ60%はコモンモードチョークコイル65にそれぞれ入力される。
一方、第1終端素子70及び第2終端素子71に流れた第1及び第2信号のノイズ40%は、第1終端素子70及び第2終端素子71を経てコモンモードチョークコイル65に入力される。
このとき、コモンモードチョークコイル65に入力されるノイズとその入力経路は、以下の2つがあげられる。
(a)第1及び第2終端素子70,71に流れずに、第1及び第2伝送線路63,64から直接コモンモードチョークコイル65に入力されるノイズ;60%
(b)第1及び第2終端素子70,71を通過した第1及び第2信号のノイズ;40%
即ち、コモンモードチョークコイル65は、経路(a)と経路(b)から100%分のノイズが入力される。これは、上記経路(a)のみによりノイズが入力される場合に比べて2.5倍の逆起電力が発生することを意味する。
ここで、本実施形態では、コモンモードチョークコイル65は第1及び第2信号のノイズを完全に除去することができないほど、第1及び第2信号のノイズが大きいとする。コモンモードチョークコイル65が除去できなかった第1及び第2信号のノイズを各々20%とする。第1及び第2信号の残りのノイズ20%は第3及び第4伝送線路66,67へ出力される。第1信号が第3伝送線路66と第3終端素子72との分岐点に到達し、第2信号は第4伝送線路67と第4終端素子73との分岐点に到達する。すると、第1及び第2信号の残りのノイズ20%は第3終端素子72及び第4終端素子73の経路を経てグランドへ入力される。即ち、第1及び第2信号の残りのノイズ20%は、第3及び第4終端素子72,73により除去される。
(4−3)インピーダンスの整合
また、本実施形態では、第3及び第4伝送線路66,67の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7の長さよりも長い。従って、第3及び第4伝送線路66,67のインピーダンスが無視できなくなり信号に影響を及ぼす。そこで、第3及び第4終端素子72、73の抵抗値は、第3及び第4伝送線路66、67を含む伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。これにより、第3及び第4伝送線路66、67の長さが長い場合であっても、反射現象を防止して歪みのない信号波形を伝送させることができる。
更に、第1乃至第4終端素子の合成した値が伝送線路全体に渡るインピーダンスを整合させている。そのため、第1及び第2信号は反射現象を防止した高品位な状態で伝送される。
このようにして、ノイズを除去され反射現象を防止された第1及び第2信号は差動レシーバ69に入力される。
(4−4)効果
本実施形態の構成は、第1実施形態の構成において、伝送線路を伝わる差動信号の品質を更に高品位に保つ場合に好適である。即ち、本実施形態では、第3及び第4伝送線路66、67の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7よりも長い場合、第3及び第4終端素子72,73により第3及び第4伝送線路66,67のインピーダンスを整合させている。そして、第1乃至第4終端素子70,71,72,73の合成した値が伝送線路全体のインピーダンスを整合させている。さらに、本実施形態は、第1実施形態の構成において、第1及び第2信号のノイズがコモンモードチョークコイル5でも除去しきれなかった場合にも有効である。即ち、第1及び第2終端素子70,71により除去したノイズをコモンモードチョークコイル65にさらに入力するため、第1及び第2信号に元々のっている総ノイズに対応する起電力がコモンモードチョークコイル65に発生する。また、第3及び第4終端素子72,73は第3及び第4伝送線路66,67のインピーダンスを整合させていると共にノイズを除去する効果を持つ。そのため、コモンモードチョークコイル65のノイズ除去能力が高まるとともに、コモンモードチョークコイル65でも落としきれなかったノイズは第3及び第4終端素子72,73で除去される。従って、第1及び第2終端素子だけでは落としきれないほどノイズが大きい場合でも、ノイズをさらに軽減させることができ、ノイズが軽減された第1及び第2信号が差動レシーバ69へ入力される。そのため、差動レシーバ69の誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。さらに、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
(5)第5実施形態
(5−1)構成
図5は、本発明の第5実施形態に係る差動伝送回路図である。本実施形態の差動伝送回路81は、第2実施形態の構成ではコモンモードチョークコイルが磁束飽和してしまう場合に好適である。さらに、第2実施形態と同様に、差動伝送回路81は、第3及び第4伝送線路83,84の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6、7よりも長い場合に適用するとよい。
図5の差動伝送回路81は、第3終端素子92及び第4終端素子93を含む。第3終端素子92の一端は第1伝送線路83に並列に接続され、第4終端素子93の一端は第4伝送線路84に並列に接続されている。第3及び第4終端素子92,93の他端はグランドに接続されている。この差動伝送回路81のその他の構成は、第2実施形態と同様である。即ち、第1信号を伝送する第1伝送線路83と第2信号を伝送する第2伝送線路84とは、コモンモードチョークコイル85が有する導線85a、bの一端にそれぞれ直列に接続されている。尚、第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。コモンモードチョークコイル85が有する導線85a、bの他端はそれぞれ第3伝送線路86及び第4伝送線路87に直列に接続されている。コモンモードチョークコイル85が有する導線85cの一端は信号の出力側から第1及び第2終端素子90,91の一端に並列に接続され、他端はグランドに接続されている。導線85a、b、cは、すべて同じ向きにまかれている。第1終端素子90及び第2終端素子91の他端は、それぞれ第3伝送線路86及び第4伝送線路87に並列に接続されている。第3伝送線路86は、コモンモードチョークコイル85より出力される第1信号を伝送する。第4伝送線路87は、コモンモードチョークコイル85より出力される第2信号を伝送する。半導体デバイス88が有する差動レシーバ89は第3伝送線路86及び第4伝送線路87に直列に接続されている。
尚、図5は、第1及び第2終端素子90、91、第3及び第4終端素子92,93をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路81を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路81では、半導体デバイス88には信号を受信するための差動レシーバ89を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線85cの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
(5−2)ノイズ除去
次に、図5の差動伝送回路81において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。ここで、本発明の第2実施形態と同様に、外部の電子機器から伝送回路内に入力された信号のノイズ量、即ち、コモンモード電流量の全体を100%とする。
先ず、第1及び第2信号は、外部の電子機器から差動伝送回路81内の第1伝送線路83及び第2伝送線路84にそれぞれ入力される。第1信号及び第2信号は、第1伝送線路83と第3終端素子92との分岐点及び第2伝送線路84と第4終端素子93との分岐点にそれぞれ到達する。すると、第1信号のノイズは第3終端素子92を経てグランドへ流れる。第2信号のノイズは第4終端素子93を経てグランドへ流れる。ここで、第3及び第4終端素子92、93に流れた第1及び第2信号のノイズを例えば各々60%とし、第1信号及び第2信号の残りのノイズを各々40%とする。これにより、コモンモードチョークコイル85には第1及び第2信号の残りのノイズ40%が入力される。従って、コモンモードチョークコイル85に入力されるノイズの量は減少するため、コモンモードチョークコイルの磁束飽和を防止することができる。
このとき、コモンモードチョークコイル85は、入力された第1及び第2信号のノイズ40%に対応した逆起電力を発生する。このコモンモードチョークコイル85により、第1及び第2信号は20%のノイズが除去されたとする。残り20%のノイズを有する第1及び第2信号は、コモンモードチョークコイル85から出力され、第3伝送線路86及び第4伝送線路87にそれぞれ入力される。
第1信号は第3伝送線路86と第1終端素子90との分岐点に到達し、第2信号は第4伝送線路87と第2終端素子91との分岐点に到達する。すると、第1及び第2信号の残りのノイズ20%は、第1及び第2終端素子90、91を経てコモンモードチョークコイル85に入力される。
このとき、コモンモードチョークコイル85に入力されるノイズとその入力経路は、以下の2つがあげられる。
(a)第3及び第4終端素子92,93に流れずに第1及び第2伝送線路83,84から入力されるノイズ;40%
(b)第1及び第2終端素子90,91を介して入力されるノイズ;20%
コモンモードチョークコイル85は、経路(a)と経路(b)から60%分のノイズが入力される。これは、経路(a)のみでノイズを入力するのに比べて約1.5倍の逆起電力が発生することを意味する。
従って、逆起電力の損失があるとしても、コモンモードチョークコイル85のノイズ除去能力が高まるので、第1及び第2終端素子90,91を直接安定電位に接続する場合に比べて差動レシーバ89に入力されるノイズを軽減させることができる。
(5−3)インピーダンスの整合
また、本実施形態では、第3及び第4伝送線路86,87の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7の長さよりも長い。従って、第3及び第4伝送線路86,87のインピーダンスが無視できなくなり信号に影響を及ぼす。そこで、第1及び第2終端素子90、91の抵抗値は、第3及び第4伝送線路86、87を含む伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。これにより、第3及び第4伝送線路86、87の長さが長い場合であっても、反射現象を防止して歪みのない信号波形を伝送させることができる。 更に、第1乃至第4終端素子の合成の値は、伝送線路全体のインピーダンスを整合させている。そのため、第1及び第2信号は高品位の状態を保ったまま伝送される。
このようにして、ノイズを除去され反射現象を防止された第1及び第2信号は差動レシーバ89に入力される。
(5−4)効果
本実施形態によると、本実施形態の差動伝送回路81は、第2実施形態の構成ではノイズによりコモンモードチョークコイルが磁束飽和してしまう場合に好適である。さらに、第3及び第4伝送線路86、87の長さが第1実施形態の第3及び第4伝送線路6,7よりも長い場合に適用するとよい。即ち、第3及び第4終端素子92,93は、第1及び第2信号に元々のっているノイズの大部分を除去し、コモンモードチョークコイル85の磁束飽和を防止する。そして、コモンモードチョークコイル85を通過しても残っている第1及び第2信号の残りのノイズは、第1及び第2終端素子90,91を経てコモンモードチョークコイル85に入力し、コモンモードチョークコイル85のノイズ除去能力を高めている。そのため、第1及び第2信号のノイズは除去される。そして、第1及び第2終端素子90,91は第3及び第4伝送線路86,87のインピーダンスを整合させており、更に第1及至第4終端素子90,91,92,93の合成の値は伝送線路全体のインピーダンスを整合させている。従って、ノイズが更に軽減された第1及び第2信号が差動レシーバ89へ入力されるため、差動レシーバ89の誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。更に、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
(6)第6実施形態
(6−1)構成
本発明は、第1及び第2伝送線路を1対とした第1伝送線路対をシールドで覆っているケーブルを使用する場合でも適用することができる。
図6は、本発明の第6実施形態に係る差動伝送回路図である。本実施形態の差動伝送回路101は、第1伝送線路103及び第2伝送線路104を一対とする第1伝送線路対102が第1シールド113で覆われている。第1シールド113から延びた配線114は、コモンモードチョークコイル105が有する導線105cの一端と接続されている。導線105cの他端は、グランドに接続されている。尚、コモンモードチョークコイル105が有する4本の導線105a、b、c、dは全て同じ向きに巻かれている。この差動伝送回路101のその他の構成は、第1実施形態と同様である。即ち、第1信号を伝送する第1伝送線路103と第2信号を伝送する第2伝送線路104とは、コモンモードチョークコイル105が有する導線105a、bの一端にそれぞれ直列に接続されている。また、導線105dは、一端は第1及び第2終端素子110,111に並列に接続され、他端はグランドに接続されている。尚、第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。コモンモードチョークコイル105が有する導線105a、bの他端は、それぞれ第3伝送線路106及び第4伝送線路107に直列に接続されている。第3伝送線路106は、コモンモードチョークコイル105より出力される第1信号を伝送する。第4伝送線路107は、コモンモードチョークコイル105より出力される第2信号を伝送する。半導体デバイス108が有する差動レシーバ109は、第3伝送線路106及び第4伝送線路107に直列に接続されている。第1終端素子110及び第2終端素子111は、それぞれ第1伝送線路103及び第2伝送線路104に並列に接続されている。
尚、図6は、第1及び第2終端素子110、111をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路101を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路101では、半導体デバイス108には信号を受信するための差動レシーバ109を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線105c、dの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
(6−2)ノイズ除去
次に、図6の差動伝送回路101において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。ここで、本発明の第1実施形態と同様に、外部の電子機器から伝送回路内に入力された信号のノイズ量、即ち、コモンモード電流量の全体を100%とする。
先ず、第1及び第2信号は、外部の電子機器から第1シールド113内の第1伝送線路対102を通って、差動伝送回路101内の第1伝送線路103及び第2伝送線路104にそれぞれ入力される。第1及び第2信号は第1伝送線路103及び第2伝送線路104内を流れる。第1信号は、第1伝送線路103と第1終端素子110との分岐点に到達し、第2信号は、第2伝送線路104と第2終端素子111との分岐点に到達する。すると、第1信号のノイズの大部分は第1終端素子110へ流れる。第2信号のノイズの大部分は第2終端素子111へ流れる。ここで、本実施形態では、第1及び第2終端素子110、111に流れた第1及び第2信号のノイズを、例えば80%とする。すると、第1信号及び第2信号の残りのノイズ20%はコモンモードチョークコイル105に入力される。第1及び第2信号のノイズ80%は、第1及び第2終端素子110、111を経てコモンモードチョークコイル105に入力する。
一方、第1シールド113には、第1伝送線路対102を流れる第1及び第2信号のノイズや、外部の電子機器からの電磁場輻射によるノイズ等がのっている。第1シールド113にのっているノイズは、配線114を通じてコモンモードチョークコイル105に入力される。
このとき、コモンモードチョークコイル105に流れているノイズとその入力経路は、以下の3つがあげられる。
(a)第1及び第2終端素子110,111に流れずに、第1及び第2伝送線路103,104から直接コモンモードチョークコイル105に入力されるノイズ;20%
(b)第1及び第2終端素子110,111を通過した第1及び第2信号のノイズ;80%
(c)第1シールド113からのノイズ;100%
ここで、経路(c)のノイズを、例えば100%とする。上記より、コモンモードチョークコイル105は、経路(a)、経路(b)に加えて経路(c)からのノイズに対応した逆起電力を発生させる。これは、経路(a)及び(b)のノイズを入力する時に比べて約2倍以上の逆起電力が発生することを意味する。
一方、差動レシーバ109には、コモンモードチョークコイル105によりノイズが除去された信号が入力される。コモンモードチョークコイル105に入力される第1及び第2信号には20%分のノイズしかのっていないにも関わらず、コモンモードチョークコイル105には200%以上のノイズに対応する逆起電力が発生している。従って、コモンモードチョークコイル105には入力される第1及び第2信号のノイズを除去することができる。
このようにして、コモンモードチョークコイル105は、ノイズを除去した第1信号を第3伝送線路106へ出力し、第2信号を第4伝送線路107へ出力する。そして、ノイズを除去された第1及び第2信号は第3及び第4伝送線路106,107をそれぞれ経て差動レシーバ109に入力される。
仮に、コモンモードチョークコイル105に入力されたノイズの量がコモンモードチョークコイル105の許容量を超えているために、磁束が飽和した場合を考える。具体的に、コモンモードチョークコイル105は入力されたノイズ200%に対して逆起電力を発生しようとするが、コモンモードチョークコイル105の磁束が飽和したために、140%のノイズに応じた逆起電力しか発生しなかったとする。しかし、コモンモードチョークコイル105がノイズ除去を行う該当のノイズは20%であるため、コモンモードチョークコイル105のノイズ除去能力には120%の余裕がある。従って、コモンモードチョークコイル105が飽和してしまっても、ノイズを除去することができる。
(6−3)効果
本実施形態の構成を用いれば、第1及び第2伝送線路103,104を1対とした第1伝送線路対を第1シールド113で覆っているケーブルを適用することができる。具体的には、第1及び第2ノイズ除子抵抗110,111により除去したノイズをコモンモードチョークコイル105に入力している。更に、第1シールド113にのっているノイズをコモンモードチョークコイル105に入力している。そのため、第1及び第2信号に元々のっているノイズと第1シールドを経て入力されたノイズとに対応する逆起電力が、コモンモードチョークコイル105に発生する。そのため、第1シールドを用いない場合よりもさらにコモンモードチョークコイル105のノイズ除去能力が高まり、差動レシーバ109の許容範囲を超えるノイズが差動レシーバ109に入力されて差動レシーバ109の誤動作を引き起こすことを防止できる。
従って、差動レシーバ109に入力される残りの第1及び第2信号のノイズを除去し、差動レシーバ109の誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。また、外部の他の電子機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止する。
尚、本実施形態の差動伝送回路101は、コモンモードチョークコイル105と差動レシーバ109との間の配線、即ち第3伝送線路106及び第4伝送線路107をできるだけ短くすると良い。コモンモードチョークコイル105と差動レシーバ109との距離をできるだけ短くすることにより、第3伝送線路106及び第4伝送線路107のスタブ配線により生じるインピーダンス不整合の影響は無視できる。従って、第3及び第4伝送線路106、107のインピーダンス整合を行わなくても、信号の反射があまり生じることがなく、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
また、本実施形態では、第1実施形態の差動伝送回路1の構成に第1シールドを用いてコモンモードチョークコイルのノイズ除去能力を高めているが、これに限定されなくてよい。図7乃至10は、第2乃至第5実施形態において第1シールドをそれぞれ用いた差動伝送回路を示している。図7の差動伝送回路121は、第3及び第4伝送線路126、127が本実施形態よりも長い場合に適用した構成である。これによると、第1シールド133のノイズを有効利用するだけでなく、第3及び第4伝送線路126,127のインピーダンス整合されているため、高品質な信号の伝送ができる。図8の差動伝送回路141は、第1及び第2終端素子150,151の配線は第3及び第4伝送線路146,147側からコモンモードチョークコイル145へ接続されている。これにより、配線152を短くすることができる。図9の差動伝送回路161は、第3及び第4伝送線路166,167の長さが本実施形態の第3及び第4伝送線路よりも長い場合で、かつ第1及び第2信号のノイズが本実施形態の構成では除去仕切れないほど大きい場合に好適である。また、図10の差動伝送回路181は、コモンモードチョークコイルの磁束飽和を防止したい場合で、かつ伝送信号を反射することなく高品位に伝送したい場合に有効である。このように、本実施形態に係る第1シールドを用いる構成は、コモンモードチョークコイルの能力や除去対象のノイズ量、第3及び第4伝送線路の長さに応じて、適度に用いることができる。
(7)第7実施形態
(7−1)構成
図11は、本発明の第7実施形態に係る差動伝送回路図である。本実施形態の差動伝送回路201は、第1伝送線路203及び第2伝送線路204を一対とする伝送線路対202が第1シールド213で覆われている。さらに、このような伝送線路対は複数個存在し、第1シールド213で覆われている複数個の伝送線路対は第2シールド214でさらに覆われている。
図12に、複数個の伝送線路対の各々が第1シールドで覆われ、さらに第2シールドで覆われているケーブルの断面図を示す。図12のケーブルでは、第1乃至第3伝送線路対を有している。それぞれの伝送線路対は、互いに逆位相を有している信号を伝送するため、+と−との伝送線路を含む。そして、この伝送線路対はそれぞれが第1シールド231,232,233で覆われている。さらに、第1シールド231,232,233で覆われた3つの伝送線路対は第2シールド230で覆われて、1本のケーブルを形成している。
ここで、簡単のため、図11では、図12の複数個の伝送線路対のうち1つの第1伝送線路対について図示している。図11の差動伝送回路201では、第1シールド213及び第2シールド214から延びた配線215がコモンモードチョークコイル205の有する導線205dの一端と接続されている。導線205dの他端はグランドに接続されている。この差動伝送回路205のその他の構成は、第2実施形態と同様である。即ち、第1信号を伝送する第1伝送線路203と第2信号を伝送する第2伝送線路204とは、コモンモードチョークコイル205が有する導線205a、bの一端にそれぞれ直接に接続されている。尚、第1信号と第2信号とは互いに逆の位相を有している。コモンモードチョークコイル205が有する導線205a、bの他端はそれぞれ第3伝送線路206及び第4伝送線路207に直列に接続されている。導線205cの一端は、第3及び第4伝送線路206,207側からは第1及び第2終端素子210、211にそれぞれ並列に接続され、他端はグランドに接続されている。導線205a、b、dと導線205cとは互いに逆向きに巻かれている。第3伝送線路206は、コモンモードチョークコイル205より出力される第1信号を伝送する。第4伝送線路207は、コモンモードチョークコイル205より出力される第2信号を伝送する。半導体デバイス208が有する差動レシーバ209は第3伝送線路206及び第4伝送線路207に直列に接続されている。第1終端素子210及び第2終端素子211は、それぞれ第3伝送線路206及び第4伝送線路207に並列に接続されている。
尚、図11は、第1及び第2終端素子210、211をそれぞれ1つだけ用いた差動伝送回路201を示しているが、これらを複数個用いる構成でもよい。また、この差動伝送回路201では、半導体デバイス208には信号を受信するための差動レシーバ209を具備しているが、信号を送信するための差動ドライバであってもよい。また、導線205c、dの他端が接続されている電位は特に制限はなく、グランドのように安定した電位であればよい。
(7−2)ノイズ除去
次に、図11の差動伝送回路201において、第1信号及び第2信号に含まれるノイズがどのように除去されるかについて説明する。ここで、本発明の第1実施形態と同様に、外部の電子機器から伝送回路内に入力された信号のノイズ量、即ち、コモンモード電流量の全体を100%とする。
先ず、第1及び第2信号は、外部の電子機器から第1シールド213内の第1伝送線路対202を通って、差動伝送回路201内の第1伝送線路203及び第2伝送線路204にそれぞれ入力される。第1信号及び第2信号は第1伝送線路203及び第2伝送線路204内を通過し、コモンモードチョークコイル205に入力される。すると、コモンモードチョークコイル205には入力された第1及び第2信号のノイズ100%に対応した逆起電力が発生し、ノイズ除去能力を発生する。コモンモードチョークコイル205により、第1及び第2信号にのっているノイズのうち80%が除去されたとする。残り20%のノイズを含む第1及び第2信号は、コモンモードチョークコイル205から出力され、第3伝送線路206及び第4伝送線路207にそれぞれ入力される。
第1信号は第3伝送線路206と第1終端素子210との分岐点に到達し、第2信号は第4伝送線路207と第2終端素子211の分岐点に到達する。すると、第1信号に残ったノイズ20%は第1終端素子210へ流れてコモンモードチョークコイル205に入力される。
一方、第1シールド213には、第1伝送線路対202を流れる第1及び第2信号のノイズ等がのっている。第2シールド214には、外部の電子機器からの電磁場輻射によるノイズ等がのっている。第1シールド213及び第2シールド214にのっているノイズは、配線215を通じてコモンモードチョークコイル205に入力される。
このとき、コモンモードチョークコイル205に流れているノイズとその入力経路は、以下の4つがあげられる。
(a)第1及び第2伝送線路203,204から直接入力されるノイズ;100%
(b)第1及び第2終端素子210,211を介して入力されるノイズ;20%
(c)第1シールド213からのノイズ;100%
(d)第2シールド214からのノイズ;100%
ここで、経路(c)及び経路(d)のノイズを、例えば100%とする。上記より、コモンモードチョークコイル205は、経路(a)、経路(b)、経路(c)に加えて経路(d)からのノイズに対応した逆起電力を発生させる。即ち、コモンモードチョークコイル205は経路(a)〜(d)から320%分のノイズが入力される。これは、経路(a)、(b)、(c)のノイズを入力する時に比べて約1.4倍以上の逆起電力が発生することを意味する。
従って、逆起電力の損失があるとしても、コモンモードチョークコイル205のノイズ除去能力が高まるので、第2シールド214がない場合に比べて差動レシーバ209に入力されるノイズを減少させることができる。
(7−3)インピーダンスの整合
また、本実施形態では、第3及び第4伝送線路206,207の長さ無視できないほど長い場合に有効である。具体的には、本実施形態では、第3及び第4伝送線路206,207の長さが第1実施形態や第6実施形態の第3及び第4伝送線路よりも長い。そこで、第1終端素子210は第3伝送線路206を含む伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。第2終端素子211は第4伝送線路207を含む伝送線路全体のインピーダンスを整合させるように調整されている。すると、第3及び第4伝送線路206、207の長さが長い場合であっても、差動信号の反射現象を防止して歪みのない信号波形を伝送させることができる。
このようにして、ノイズを除去されて反射現象を防止された第1及び第2信号は差動レシーバ209に入力される。
(7−4)複数の伝送線路対の配線
次に、伝送線路対が複数対存在した場合の、ケーブルと差動伝送回路201との配線について説明する。図13は、図11の差動伝送回路201に図12の断面図をもつケーブルを用いた配線図である。図13の差動伝送回路は、それぞれの伝送線路対に対して図11の差動伝送回路201が接続されている構成である。従って、個々の差動伝送回路の構成は図11と同様である。
即ち、第1伝送線路対は、+の信号を伝送する第1伝送線路a1と−の信号を伝送する第2伝送線路b1とを有し、互いに逆位相を有する第1及び第2信号を伝送する。第2伝送線路対は、+の信号を伝送する第5伝送線路a2と、−の信号を伝送する第6伝送線路b2とを有し、互いに逆位相を有する第3及び第4信号を伝送する。第3伝送線路対は、+の信号を伝送する第9伝送線路a3と−の信号を伝送する第10伝送線路b3とを有し、互いに逆位相を有する第5及び第6信号を伝送する。第1乃至第3伝送線路対は、それぞれ第1シールドで覆われており、複数の第1シールド251は更に第2シールド250で覆われている。それぞれの第1シールド及び第2シールドは、配線283を通じてコモンモードチョークコイル258に接続されている。また、各伝送線路やコモンモードチョークコイルなどのその他の構成は、(7−1)で既に述べた図11の構成と同様のため省略する。
尚、図13では、伝送線路対は3対であるが、3対以上であってもよい。その場合も、図13と同様に接続することが好ましい。
また、第3信号及び第5信号は、第1信号と同じ信号であってもよいし、異なる信号であってもよい。第4信号及び第6信号は、第2信号と同じ信号であってもよいし、異なる信号であってもよい。
(7−5)効果
本実施形態の構成を用いれば、複数の伝送線路対を第2シールド214で覆っているケーブルを適用することができる。具体的には、第1シールド213にのっているノイズをコモンモードチョークコイル205に入力している。さらに、第2シールド214にのっているノイズをコモンモードチョークコイル205に入力している。そのため、伝送信号に元々のっているノイズと第1及び第2シールド213,214を経て入力されたノイズの総ノイズに対応する逆起電力が、コモンモードチョークコイル205に発生する。そのため、第2シールド213を用いない場合よりもさらにコモンモードチョークコイル205のノイズ除去能力が高まり、差動レシーバ209の許容範囲を超えるノイズが差動レシーバ209に入力されて差動レシーバ209の誤動作を引き起こすことを防止できる。
また、終端素子は伝送線路全体のインピーダンスを整合させているため、信号波形を歪ませることなく高品質な信号を安定して伝送することができる。
従って、差動レシーバの誤動作を防ぎ半導体デバイスの破壊を防止することができる。また、外部の他の電子機器が信号ノイズにより影響を受けることを防止する。
また、本実施形態では、第3実施形態(図8)の差動伝送回路141において第2シールド214を用いた構成をしめしているが、これに限定されなくてよい。本実施形態は、第1実施形態〜第2実施形態(図6〜7)や第4乃至第6実施形態(図9〜10)の差動伝送回路でも同様に第2シールド含むケーブルを用いることができる。
(その他の差動伝送回路例)
次に、本発明に係る差動伝送回路図の応用例を説明する。図14は、本発明に係る差動伝送回路の応用例その1である。図14の差動伝送回路301では、半導体デバイス308は、差動レシーバ309と差動ドライバ310とを有している。即ち、差動伝送回路301は差動受送信装置であり、信号の送信及び受信が可能となる。このように、半導体デバイスは差動レシーバに限定されることはなく、差動ドライバであってもよい。
図15は、本発明に係る差動伝送回路の応用例その2である。図15は差動伝送システムの一例である。図15の差動伝送システムは、2台の差動伝送回路321,334が伝送線路対を有するケーブルで接続されている。2台の差動伝送回路321,334のうち、差動伝送回路321は、半導体デバイス328内に差動ドライバを含む差動信号送信回路である。また差動伝送回路334は、半導体デバイス340内に差動レシーバ341を含む差動信号受信回路である。この構成を有する差動伝送システムによると、ノイズに対して高い耐性を持つ構成であるため、差動信号送信回路321及び差動信号受信回路334間では高品質な信号の伝送ができる。
さらに、図示していないが、第1及至第7実施形態やその他の差動伝送回路例において、第1乃至第4伝送線路に並列にサージ対策部品を用いてもよい。また、第1乃至第4伝送線路に直列にローパスフィルタを用いてもよい。これらにより、ノイズをさらに除去することができる。
さらに、本発明に係る差動伝送回路は、伝送線路をシールドで覆うことなく他の機器へ不要に電磁場を輻射させることを防止することができるため、自動車に搭載するAV機器間などの映像音声受送信装置に適用することができる。具体的には、車載搭載用の映像音声受送信装置であって、外部の出力装置と接続されている。この映像音声受送信装置は、本発明の差動伝送回路と制御手段を含む。差動伝送回路は信号を伝送し、制御手段は差動伝送回路が伝送した信号を外部の出力装置に出力する。このような構成を持つ映像音声受送信装置により、例えばエンジンなどの他の機器から電磁場が輻射されて影響をうけてもノイズを除去することができるため、画質や音質の良い映像及び音声を受送信することができる。また、他の機器へ不要に電磁場を輻射することを防止できるため、自動車のエンジン装置やブレーキ装置に対し悪影響を及ぼすことがなく、安全である。さらに、シールドを用いない差動伝送回路を用いることで、自動車の軽量化を図ることができる。
《コモンモードチョークコイル》
以下より、本発明に係るコモンモードチョークコイルを図16乃至図22を用いて詳細に説明する。
(8)第8実施形態
(8−1)構成
図16は、本発明の第8実施形態に係るコモンモードチョークコイルの図である。図16のコモンモードチョークコイル400は、上述した第1、2,4,5実施形態の差動伝送回路1、21、61、81(図1、2、4、5)において用いることができる。
図16のコモンモードチョークコイル400は、磁性体410と3本の導線401、402、403とを含む。3本の導線401、402、403は磁性体410に全て同じ向きに巻回されている。
図17は、図16のコモンモードチョークコイル400の断面図である。即ち、図17は、導体401、402、403の巻回されている方向に対する図16のコモンモードチョークコイル400の垂直断面図である。図17によると、コモンモードチョークコイル400は、磁性体430の表面上には、+の導線421と−の導線422とが交互に巻回されて第1層目を形成している。また、第1層目上には、導線423が、第1層目の+の導線と−の導線の中間に位置するように巻回されて第2層目を形成している。同一の第2層目の導線423に接する第1層目の導線421,422の中心から、前記導線423の中心までの距離は等しい。
尚、+の導線521は第1伝送線路に接続され、−の導線は第2伝送線路に接続される。また、+の導線421と−の導線422とは、互いに逆相の信号を伝送する。即ち、+の導線421は正相の信号を伝送し、−の導線422は逆相の信号を伝送する。また、導線423はグランドなどの安定電位に接続される。
(8−2)効果
この構成を有するコモンモードチョークによると、逆相の信号を伝送する導線421,422から安定電位の導線423までの距離が等しくなる。このため、安定電位に対する各導線のインピーダンスが等しく安定している。従って、信号の品質を良好な状態に保ったまま伝送することができる。また、特性インピーダンスのバランスが非常に安定しているため、高周波信号を伝送する場合にも適用できる。
(9)第9実施形態
(9−1)構成
図18は、本発明の第9実施形態に係るコモンモードチョークコイルの図である。図18のコモンモードチョークコイル450は、上述した第3実施形態の差動伝送回路41(図3)において用いることができる。
図18のコモンモードチョークコイル450は、磁性体460と3本の導線451、452、453とを含む。3本の導線451、452、453のうち、2本の導線451と452とは同じ向きに磁性体460に巻回されている。残り1本の導線453は、2本の導線451、452とは反対の向きに磁性体460に巻回されている。
また、本実施形態に係るコモンモードチョークコイル450を、図3の差動伝送回路41に用いる場合、差動伝送回路41のコモンモードチョークコイル45が有する導線45a及び導線bは、図18に係るコモンモードチョーク450の導線451、452が対応する。そして、図3の差動伝送回路41のコモンモードチョークコイル45の有する導線45cは、図18に係るコモンモードチョーク450の導線453に対応する。
このようにコモンモードチョークコイル450を差動伝送回路に適用する場合、差動伝送回路中どの配線とコモンモードチョークコイル450のどの導線とを接続するかは、コモンモードチョークコイル450の各導線に流れるコモンモード電流の流れる向きによって決まる。即ち、図3の差動伝送回路41において、コモンモード電流の流れる向きが同じである第1乃至第4伝送線路43,44,46,47には図18の導線451,452が接続され、配線52には導線453が接続される。具体的には、図3の第1及び第2伝送線路43,44には、図18のコモンモードチョークコイル450の導線の一端4511,4521がそれぞれ接続される。第3及び第4伝送線路46,47には、図18のコモンモードチョークコイル450の導線の他端4512、4522,がそれぞれ接続される。また、第1及び第2終端素子50,51には、コモンモードチョークコイル450の導線の一端4531の一端が接続され、他端はグランドに接続される。また、図3の第1乃至第4伝送線路43,44,46,47と、第1及び第2終端素子50,51の他端からの配線52とは、コモンモード電流の流れる向きが逆である。そのため、図3の配線52には、図18の導線の−端4532が接続される。図18の導線の一端4531は安定電位に接続される。
尚、第9実施形態に係るコモンモードチョークコイル450の導線は、1本と複数本とが逆巻きであればよい。例えば、1本と3本とが互いに逆巻きである例を図19に示す。
(9−2)効果
この構成に係るコモンモードチョークコイル450を図3の差動伝送回路41に用いるとよい。導線45cは、信号の出力側から第1及び第2終端素子50,51に接続されているため、第1及び第2終端素子50,51とコモンモードチョークコイル450間の配線を短くすることができる。
(10)第10実施形態
(10−1)構成
図20は、本発明の第10実施形態に係るコモンモードチョークコイルの図である。図19のコモンモードチョークコイル500は、上述した第6実施形態の差動伝送回路101、121、161、181(図6、7、9、10)において用いることができる。
図20のコモンモードチョークコイル500は、磁性体510と4本の導線501、502、503、504とを含む。4本の導線501、502、503、504は磁性体510に全て同じ向きに巻回されている。
(10−2―1)導線の断面形状1
図21は、図20のコモンモードチョークコイル500の断面図である。即ち、図21は、導体501、502、503、504の巻回されている方向に対する図20のコモンモードチョークコイル500の垂直切断図である。図21によると、コモンモードチョークコイル500は、磁性体530の表面に、+の導線522と−の導線523とが隣合せで巻回されている。そして、+の導線522と−の導線523とは、安定電位に接続される導線521,524により挟まれた状態で巻回されている。
尚、+の導線522と−の導線523とは互いに逆相の信号を伝送する。即ち、+の導線522は正相の信号を伝送し、−の導線523は逆相の信号を伝送する。従って、+の導線522は第1及び第3伝送線路に接続され、−の導線523は第2及び第4伝送線路に接続されることが好ましい。また、導線521,524はグランドなどの安定電位に接続されている。従って、導線521及び524は、第1及び第2終端素子や第1及び第2シールドなどに接続するとよい。
(10−2−2)効果
図21のように導線が巻回されているコモンモードチョークコイルによると、伝送線路に接続されて互いに逆位相の信号が流れる+の導線と−の導線とは常に隣同士である。そして、+、−の導線は、グランドなどの安定電位に接続される導線の間に挟まれて配列されている。そのため、グランドなどの安定電位に接続される導線と伝送線路に接続される個々の導線との間のインピーダンスのバランスは安定している。従って、信号の品質を良好な状態に保ったまま信号を伝送することができる。
(10−3―1)導線の断面形状2
図22は、図20のコモンモードチョークコイル500の断面図である。即ち、図22は、導体501、502、503、504の巻回されている方向に対する図20のコモンモードチョークコイル500の垂直切断図である。図22によると、コモンモードチョークコイル500は、+の導線542及び−の導線544と安定電位に接続される導体541,543とが交互に配列された状態で、磁性体550の表面上に巻回されている。即ち、信号が伝送される導線は隣合わせになることはない。
尚、+の導線542と−の導線544とは互いに逆相の信号を伝送する。即ち、+の導線542は正相の信号を伝送し、−の導線544は逆相の信号を伝送する。従って、+の導線542は第1及び第3伝送線路に接続され、−の導線544は第2及び第4伝送線路に接続されることが好ましい。また、導線541,543はグランドなどの安定電位に接続されている。従って、導線541及び544は、第1及び第2終端素子や第1及び第2シールドなどに接続するとよい。
(10−3−2)効果
図22のように導線が巻回されているコモンモードチョークコイルは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の擬似差動伝送を行う場合に好適である。擬似差動伝送とは、差動ドライバが差動信号の正相側と逆相側との信号を交互に出力する伝送方法である。安定電位を例えばグランドである。すると、差動伝送回路の第1及び第2伝送線路に接続される各々の導線はグランドに接続される各々の導線と隣同士である。そのため、第1伝送線路及び第2伝送線路に接続される各々の導線は、第1及び第2信号の帰還経路であるグランドと強くカップリングでき、不要な電磁場輻射を抑制することができる。また、グランドに接続される導線と第1及び第2伝送線路に接続される導線との間のインピーダンスバランスが安定しているため、信号の品質を良好な状態に保ったまま伝送することができる。
尚、本発明では、コモンモードチョークコイルでは、導線が3本及び4本について説明しているが、導線は5本であってもよい。即ち、本発明に係るコモンモードチョークコイルでは、N本の導線を含むことができる。
本発明による差動伝送回路は、民生機器分野のLANに適用することができる。特に、本発明による差動伝送回路は、車載LAN等の外来ノイズが高いレベルである環境において用いることができる。
第1実施形態に係る差動伝送回路図。 第2実施形態に係る差動伝送回路図。 第3実施形態に係る差動伝送回路図。 第4実施形態に係る差動伝送回路図。 第5実施形態に係る差動伝送回路図。 第6実施形態に係る差動伝送回路図。 第6実施形態に係る差動伝送回路図。 第6実施形態に係る差動伝送回路図。 第6実施形態に係る差動伝送回路図。 第6実施形態に係る差動伝送回路図。 第7実施形態に係る差動伝送回路図。 第8実施形態に係るケーブルの断面図。 図12のケーブルと差動伝送回路との詳細な配線図。 その他の差動伝送回路図の例1。 その他の差動伝送回路図の例2。 第8実施形態に係るコモンモードチョークコイル。 図16のコモンモードチョークコイルの断面図。 第9実施形態に係るコモンモードチョークコイル。 第9実施形態に係るコモンモードチョークコイルの他の例。 第10実施形態に係るコモンモードチョークコイル。 図20のコモンモードチョークコイルの断面図の一例。 図20のコモンモードチョークコイルの断面図の他例。 特許文献1に係る信号受信回路図。 特許文献2に係る信号受信回路図。 差動伝送回路を車載に搭載した場合の従来の課題を示す図面。
符号の説明
1 差動伝送回路
2 伝送線路対
3 第1伝送線路
4 第2伝送線路
5 コモンモードチョークコイル
6 第3伝送線路
7 第4伝送線路
8 半導体デバイス
9 差動レシーバ
10 第1終端素子
11 第2終端素子
92 第3終端素子
93 第4終端素子
113 第1シールド
214 第2シールド
310 差動ドライバ
401、402、403、453 導線

Claims (14)

  1. 第1信号を伝送する第1伝送線路と、
    前記第1信号とは逆位相を有する第2信号を伝送する第2伝送線路と、
    前記第1伝送線路及び前記第2伝送線路に直列に接続されたコモンモードチョークコイルと、
    前記コモンモードチョークコイルに直列に接続され前記コモンモードチョークコイルから出力される前記第1信号を伝送する第3伝送線路と、
    前記コモンモードチョークコイルに直列に接続され前記コモンモードチョークコイルから出力される前記第2信号を伝送する第4伝送線路と、
    前記第3伝送線路及び前記第4伝送線路と直列に接続されて前記第1信号及び第2信号を受信/送信する半導体デバイスと、を含む差動伝送回路であって、
    一端が前記第1伝送線路又は第3伝送線路に並列に接続され、他端が前記コモンモードチョークコイルに接続されている第1終端素子と、
    一端が前記第2伝送線路又は第4伝送線路に並列に接続され、他端が前記コモンモードチョークコイルに接続されている第2終端素子と、
    を含むことを特徴とする、差動伝送回路。
  2. 前記第1終端素子は、一端が前記第1伝送線路に並列に接続され、
    前記第2終端素子は、一端が前記第2伝送線路に並列に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の差動伝送回路。
  3. 前記第1終端素子は、一端が前記第3伝送線路に並列に接続され、
    前記第2終端素子は、一端が前記第4伝送線路に並列に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の差動伝送回路。
  4. 前記第1終端素子及び第2終端素子の他端は、第1及び第2信号の伝送方向とは逆の方向からコモンモードチョークコイルに接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の差動伝送回路。
  5. 前記第3伝送線路に並列に接続された第3終端素子と、
    前記第4伝送線路に並列に接続された第4終端素子と、
    を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の差動伝送回路。
  6. 前記第1伝送線路に並列に接続された第3終端素子と、
    前記第2伝送線路に並列に接続された第4終端素子と、
    を更に含むことを特徴とする、請求項3に記載の差動伝送回路。
  7. 前記第1伝送線路及び前記第2伝送線路を1対とする第1伝送線路対は第1シールドで覆われており、前記第1シールドは前記コモンモードチョークコイルに接続されていることを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか1つに記載の差動伝送回路。
  8. 前記コモンモードチョークコイルと直列に接続され、第3信号を伝送する第5伝送線路と、
    前記コモンモードチョークコイルと直列に接続され、前記第3信号とは逆位相を有する第4信号を伝送する第6伝送線路と、
    前記コモンモードチョークコイル及び前記半導体デバイスと直列に接続され、前記コモンモードチョークコイルから出力される第3信号を伝送する第7伝送線路と、
    前記コモンモードチョークコイル及び前記半導体デバイスと直列に接続され、前記コモンモードチョークコイルから出力される第4信号を伝送する第8伝送線路と、をさらに含み、
    前記第5伝送線路及び前記第6伝送線路を1対とする第2伝送線路対は第1シールドで覆われており、
    前記第1伝送線路対及び前記第2伝送線路対は第2シールドで覆われており、
    前記第2シールドは前記コモンモードチョークコイルにさらに接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の差動伝送回路。
  9. 請求項1に記載の差動伝送回路に用いられ、磁性体と、前記磁性体に巻回されるN本(Nは正の整数)の導線とを含むことを特徴とする、コモンモードチョークコイル。
  10. 前記N本の導線は3本であって、
    前記導線のうちの2本は前記磁性体の表面上に巻回されて第1層目を形成し、前記導線のうち残りの1本は前記第1層目を形成する導線上に巻回されて第2層目を形成し、
    前記2本の導線は互いに逆位相を有する第1信号及び第2信号を伝送し、前記第2層目を形成する前記1本の導線は安定電位に接続されており、
    前記第2層目を形成する導線の断面の中心は、前記第1層目を形成する2本の導線の断面の中心から等距離にあることを特徴とする、請求項9に記載のコモンモードチョークコイル。
  11. 前記導線のうちの1本と残りの前記導線とは、互いに逆向きに巻回されていることを特徴とする、請求項9に記載のコモンモードチョークコイル。
  12. 磁性体と、前記磁性体に巻回される4本の導線とを含むコモンモードチョークコイルであって、
    前記導線のうちの2本は差動信号を伝送する信号線に接続され、残りの2本の導線は安定電位に接続され、
    前記信号線に接続される2本の導線は安定電位に接続される2本の導線の間に挟まれた状態で、4本の導線が前記磁性体の表面上に巻回されていることを特徴とする、コモンモードチョークコイル。
  13. 磁性体と、前記磁性体に巻回される4本の導線とを含むコモンモードチョークコイルであって、
    前記導線のうちの2本は差動信号を伝送する信号線に接続され、残りの2本の導線は安定電位に接続され、
    前記信号線に接続される導線と前記安定電位に接続される導線とが交互に配列された状態で、4本の導線が前記磁性体の表面上に巻回されていることを特徴とする、コモンモードチョークコイル。
  14. 出力装置と接続されている車載搭載用の映像音声受送信装置であって、
    請求項1に記載の差動伝送回路と、前記差動伝送回路が伝送した信号を前記出力装置に出力する制御手段と、を含むことを特徴とする、車載搭載用の映像音声受送信装置。

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