JPWO2010082431A1 - 無線通信システムにおける同期処理回路、同期処理方法 - Google Patents

無線通信システムにおける同期処理回路、同期処理方法 Download PDF

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Abstract

無線通信システムにおける同期処理回路において、複数の無線方式における種々の同期処理に対応させるため、相関演算部を再構成可能な並列構成とし、柔軟性を向上させる。無線通信システムにおける同期処理回路において、相関演算を行う複数の相関演算モジュール31〜3Nを備え、相関演算モジュールが、複数の相関器60と、相関コードをシフトするための複数のシフトレジスタ50と、シフトした相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡すインタフェースと、外部から個別に入力したコード相関処理用の相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して相関コードとする相関コード選択部40を含む。

Description

本発明は、無線通信システムにおける同期処理回路に関し、特に、複数の無線方式における種々の同期処理に対応するための相関演算部の並列化技術、再構成技術、柔軟性向上技術に関する。
無線通信システムにおいては、基地局側と端末側、または、端末同士間における同期を確立するための同期処理が必要である。このような同期処理においては、例えば、セルサーチ処理の第1段階(タイミング相関処理)、第2段階(コード相関処理)、パスサーチ処理(タイミング相関処理)などの様々な相関演算処理が必要とされている。ここで、タイミング相関処理とは、同一の相関コード(以下、単にコードと略す場合がある)を複数のタイミングに対して相関処理を行い、ピークを検出することで、送受信データ信号の基準となるタイミングを検出する処理を示している。また、コード相関処理とは、求められた1つの基準タイミングに対して複数の相関コードによる相関処理を行い、ピークを検出することで、所望のコードを検出する処理を示している。タイミング相関処理、コード相関処理においては、マッチドフィルタやスライディング相関器などの専用回路を用いて実現することが一般的である。ただし、これらの相関演算処理は多くの演算量を必要とするため、コードやデータ、相関器等を共有化することなどにより、処理の効率的な並列化、高速化が必要という課題がある。
この問題を解決するための関連技術が、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1では、同期処理回路が同期検出モードとデータ検出モードを切り替え可能とし、各相関器を共用する技術が提案されている。特許文献1に記載の関連技術では、同期検出モードとデータ検出モードの切り替え可能なスライディング相関器を備え、同期検出モード時に、受信データ信号に対して互いに異なる位相の同期検出用相関係数で相関処理して相関タイミングを検出し、タイミング検出後、データ検出モードに切り替えて、複数のデータ用拡散系列にて当該タイミングにおける相関処理して受信データを取得するものである。
しかしながら、特許文献1記載の関連技術の場合、各相関器を同期検出モード時とデータ検出モード時にて共用でき有効活用できるという利点があるものの、相関器ごとに同期検出用とデータ検出用の各々のコード生成器を必要とする構成であるため、対応するコードの種類が増加する場合、相関器数分の回路修正が必要な上、相関器数に比例して回路規模が増加し、効率が悪く拡張性が低いという問題がある。
また、他の関連技術が、例えば、特許文献2に記載されている。この特許文献2では、同期捕捉時に、全位相範囲を4つの探索範囲に分け、各探索範囲を4つの複素コリレータユニットにそれぞれ割り当てることで高速化する技術が提案されている。特許文献2記載の関連技術では、4つの同期探索範囲を4つの複素コリレータにそれぞれ割り当てて同期確立を高速に行う技術の例が開示されている。
ただし、特許文献2記載の関連技術においても、位相が異なるだけの同一の拡散コード符号を各コリレータユニットでそれぞれ生成しているという問題や、タイミング相関処理専用の回路構成であるため、他のコード相関処理等との更なる共用は難しいという問題がある。
また、さらに他の関連技術が、例えば、特許文献3に記載されている。この特許文献3では、相関器セットごとにユーザ符号を選択し、相関器セット内の各相関器にて複数のアンテナにおける受信データ信号のうち1つを選択して入力することで、各相関器をどのアンテナ信号に対する相関処理を行うかを再構成できる技術が提案されている。
ただし、特許文献3記載の関連技術においても、各相関器をどのアンテナ信号に対する相関処理を行うか再構成可能であるという利点はあるものの、それを実現するために、アンテナ数分のデータ受信信号から1つを選択するというセレクタが各々の相関器ごとに必要という、回路規模におけるオーバヘッドが非常に大きいという問題がある。また、相関器セットごとにユーザ符号を入力するため、複数の相関器セットにてタイミングの異なった同一のユーザ符号を処理する場合には、各々のユーザ符号を個別に生成する必要があるという問題がある。
特開2006−203354号公報 特開2000−115148号公報 特開2007−104729号公報
第1の課題は、上述した特許文献1〜3等に記載の関連技術では、無線通信システムにおける同期処理回路において、タイミング相関処理とコード相関処理の両方に効率的に対応できないことである。
その理由は、無線通信端末が基地局と同期するためには、当該基地局からの受信タイミングと基地局コードの検出を行うセルサーチ処理が必要であるが、タイミングとコードの両方を同時に検出するのは膨大な演算量を必要とする。このため、一般的に、多段階セルサーチと呼ばれる手法、すなわち、第1段階ではタイミング相関処理による受信タイミング検出を行い、第2段階あるいは第3段階では検出した受信タイミングにおけるコード相関処理により基地局コード検出を行うという、段階的に基地局との同期を確立する手法が用いられている。したがって、その第1段階や第2段階(第3段階)、あるいはパスサーチ処理とで同期処理回路を共通利用することが同期処理回路の有効活用(稼働率)という面では重要となるためである。ただし、相関器ごとに両方のコード生成器を実装していたのでは回路規模へのオーバヘッドが大きいため、より効率的に実現するという点で問題がある。また、特にタイミング相関処理においては一般的に必要処理量が膨大なため、更なる並列化による高速化も課題となる。
第2の課題は、上述した特許文献1〜3等に記載の関連技術では、無線通信システムにおける同期処理回路において、複数の同期処理を並列に実行することができず、かつ、各同期処理への相関演算器数の割り当てを可変できないことである。
その理由は、一般的に、同期処理では特に相関演算において膨大な演算量を必要とし、かつ、できるだけ速く処理結果を得られればその分だけ同期性能が高まるため、セルサーチ処理とパスサーチ処理等は並列に実行できた方が良いためである。また、並列に実行する各々の同期処理において使用可能な相関演算器数が固定されていると、いずれかの要求処理性能が高まった場合や、お互いの要求性能を考慮して効率的に負荷分散処理したい場合に、お互いの相関演算器を有効活用できないという問題があるためである。
第3の課題は、上述した特許文献1〜3等に記載の関連技術では、複数の無線方式における種々の同期処理に柔軟に対応できないことである。
その理由は、一般的に同期処理の内容やコードはそれぞれの無線方式の仕様に大きく依存しており、かつ、必要演算量も比較的大きいため、無線方式ごとに専用の同期処理回路を実装することで実現しているためである。
ところで、近年のシステムLSIの大規模化、高速化などによる処理能力向上に伴い、今後は、同じハードウェア回路で複数の無線方式に対応可能な、マルチモード無線機やソフトウェア無線機(SDR: Software Defined Radio)と呼ばれる複数の無線方式に効率的に対応可能な汎用的な同期処理回路の実現が望まれている。特に、マルチモード無線機(ソフトウェア無線機)の実現に向け、同一の回路を用いて、各々の同期処理の要求処理性能に応じて、並列に処理する相関演算器数を可変にできる構成を、回路規模的なオーバヘッドを少なく効率的に実現する技術が求められている。
(発明の目的)
本発明の目的は、無線通信システムにおける同期処理回路において、タイミング相関処理とコード相関処理との両方に効率的に対応できる無線通信システムにおける同期処理回路、同期処理方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の同期処理を並列に実行でき、その場合にそれぞれの同期処理に割り当てる相関演算器数を可変にできる、柔軟性および拡張性の高い無線通信システムにおける同期処理回路、同期処理方法を提供することにある。
本発明の第1の無線通信システムにおける同期処理回路によれば、無線通信システムにおける同期処理回路において、相関演算を行う複数の相関器を搭載した複数の相関演算装置を備え、相関演算装置内の隣接する相関器間において相関コードをシフトさせて渡し、かつシフトした相関コードを隣接する他の相関演算装置に渡すことにより、各相関演算装置で受信データについて異なるタイミングで相関演算を行うタイミング相関処理と、外部から各相関演算装置に個別に入力した相関コードによって、各相関演算装置で受信データについて同一タイミングで相関演算を行うコード相関処理とを、相関演算装置単位で選択的に切り替える手段を含む。
本発明の第2の無線通信システムにおける同期処理回路によれば、無線通信システムにおける同期処理回路において、相関演算を行う複数の相関演算装置を備え、相関演算装置が、複数の相関器と、相関コードをシフトするための複数のシフト手段と、シフトした相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡すインタフェースと、外部から個別に入力したコード相関処理用の相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して相関コードとする第1の相関コード選択手段を含む。
本発明の第1の無線通信システムにおける同期処理方法によれば、無線通信システムにおける同期処理回路の同期処理方法において、相関演算を行う複数の相関器を搭載した複数の相関演算装置にて、相関演算装置内の隣接する相関器間において相関コードをシフトさせて渡し、かつシフトした相関コードを隣接する他の相関演算装置に渡すことにより、各相関演算装置で受信データについて異なるタイミングで相関演算を行うタイミング相関処理と、外部から各相関演算装置に個別に入力した相関コードによって、各相関演算装置で受信データについて同一タイミングで相関演算を行うコード相関処理とを相関演算装置単位で選択的に切り替える。
本発明の第2の無線通信システムにおける同期処理方法によれば、無線通信システムにおける同期処理回路の同期処理方法において、相関演算を行う複数の相関器を搭載した複数の相関演算装置にて、相関コードを複数のシフト手段でシフトし、シフトした相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡し、外部から入力した相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して相関コードとする。
本発明によれば、同一の相関コードを用いて異なる受信タイミングにおける相関演算を行うタイミング相関処理と、同一の受信タイミングにおいて異なる相関コードを用いて相関演算を行うコード相関処理との両方に、同一の同期処理回路にて効率的に対応可能となる。
また、複数の同期処理を並列に実行でき、その場合にそれぞれの同期処理に割り当てる相関演算器数を可変にできる、柔軟性および拡張性の高い同期処理回路を実現できる。
本発明の第1の実施の形態における同期処理回路の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における相関演算モジュールの構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態におけるタイミング相関処理時とコード相関処理時の動作イメージを示す図である。 第1の実施の形態におけるタイミング相関処理時とコード相関処理時の動作タイミングを示す図である。 第1の実施の形態における近傍タイミングを含めたコード相関処理時の動作イメージを示す図である。 第1の実施の形態における相関器の処理割り当て数と動作タイミングの関係を示す図である。 第1の実施の形態における複数の無線方式にて同期処理回路の処理マッピング変更例を示す図である。 本発明の実施例1における同期処理回路の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1における各相関器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1における複数無線方式間での処理マッピング変更を示す図である。 本発明の実施例1における相関コード生成部の接続構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における同期処理回路の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における相関演算モジュールの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における相関演算モジュールなどの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態におけるオーバーサンプリング処理の並列動作タイミングを示す図である。
以下、図1から図15を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。第1の実施の形態では、無線通信システムにおける同期処理回路の基本構成と特徴、その動作について詳説する。また、第2の実施の形態では、特に複数の同期処理を並列処理する必要がない場合の、同期処理回路の例について詳説する。第3の実施の形態では、各相関演算モジュールの内部をオーバーサンプリング処理の高速化に対応させるために並列化した場合の例について詳説する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による無線通信システムにおける同期処理回路の構成例を示すブロック図である。ここでは、例えば複数(4個または8個など)の相関器を搭載した相関演算モジュールを1単位として、この相関演算モジュールを複数個(図1の例ではN個)実装する階層的な並列構成の全体構成を示している。また、図2は、第1の実施の形態における各相関演算モジュールの構成例を示すブロック図である。
図1では、例えば、3種類までの同期処理を並列に処理できるように同期処理回路全体を3並列化した構成の例を示している。ただし、並列処理数については、特に「3」に限定するものではない。
第1の実施の形態による同期処理回路は、並列処理数分の入力データ制御部10と、相関演算モジュール数分の入力データ選択部21〜2Nと、相関演算モジュール31〜3Nと、並列処理数分の相関結果データ出力選択部90と、後段の電圧加算部100、電力計算部110、平均化処理部120を含む。
また、図示されていないが、相関演算モジュールの処理割り当て、それに伴う入力データ選択部、相関結果データ出力選択部の選択制御を行う全体制御部も含まれており、場合によっては、後段に相関結果データからピークを検出するピーク検出部なども含まれる。また、各モジュールは必要に応じてオンチップメモリ(RAM)11、101、121に接続される。
第1の実施の形態では、図1および図2に示すように、コード長の異なる様々な相関コードに対応するために、隣接する相関器60間において相関コード(Code)をシフトレジスタ(遅延素子)50によりシフト(スライド)し、受信データとして共通のデータを入力する累積加算型のスライディング相関器の構成をベースとする。
そして、例えば、複数(4個または8個など)の相関器60を実装した相関演算モジュールを1単位として、この相関演算モジュールを複数個(相関演算モジュール31〜3N)実装する階層的な並列構成を基本とする。
また、各相関演算モジュール31〜3Nでは、複数の相関演算モジュールを用いて共通のタイミング相関処理を行えるように、隣接する各相関演算モジュール31〜3Nにて、シフト(スライド)した相関コードをそのまま受け渡す構成としている。さらに、複数の相関演算モジュールにて共通のコード相関処理も行えるように、個別に外部からの相関コードを入力し、隣接する相関演算モジュールから受け渡された相関コードと、個別に入力した相関コードとを選択できる構成としている。
すなわち、相関演算モジュール31〜3N内に、隣接する相関演算モジュールから入力した相関コードと外部から入力した相関コードとを選択する相関コード選択部40を備える。また、シフト(スライド)した相関コードを隣接する相関演算モジュールに対して出力するモジュール間のインタフェースも備える。
各相関演算モジュール31〜3Nへの受信データ信号(IQ Input)を、並列処理のどの処理へのマッピングにも対応させるため、並列処理する受信データ制御部10のいずれの受信データ信号でも選択入力できるように、相関演算モジュールごとに入力データ選択部21〜2Nを備える。また、相関演算モジュール31〜3Nごとに、個別の相関コードを入力するための入力インタフェースも備える。
ただし、相関演算モジュール31〜3N内の各相関器60では、受信データ信号は入力した1系統の受信データ信号(IQ Input)を共通して使用し、相関コードについては、相関コード選択部40で選択した共通の相関コードをシフトレジスタ(遅延素子)50にてシフト(スライド)して使用する構成とする。
このように、相関演算モジュール内の各相関器60間では共通の受信データ信号、共通の相関コードを使用する構成とすることにより、相関器60ごとにコード生成部や選択回路を設ける必要がないため、各相関演算モジュールを比較的簡単に構成でき、回路規模的なオーバヘッドが少ない構成とすることができる。
各相関演算モジュール31〜3Nから電圧加算部100、電力計算部110、平均化処理部120などの後段モジュールへの各相関結果データの出力に関しては、相関演算モジュール31〜3N内にて各相関器60からの相関結果データの出力制御する相関データ出力制御部70を備えている。また、相関演算モジュール31〜3Nの外部にて、各相関演算モジュール31〜3Nからの相関結果データを並列処理するいずれの後段モジュールへも出力できるように、並列処理数分の相関結果データ出力選択部90を備えている。
(第1の実施の形態の動作)
上述した第1の実施の形態の動作について図1から図7を用いて以下に説明する。
第1の実施の形態における同期処理の基本的な動作としては、まず、図1に示すように、入力データ制御部10からの受信データ信号(IQ Input)と当該処理用の相関コード(Code1〜CodeN)を用いて、各相関演算モジュール31〜3N内の各相関器60にて相関演算を行う。
そして、得られた相関結果データに対して、必要に応じて、電圧加算部100においてI成分及びQ成分それぞれの電圧加算処理(同相加算処理)を行い、電力計算部110において電力を計算し、平均化処理部120において平均化処理(電力加算処理)などを行う。
平均化処理後の相関結果データをプロファイルとして出力し、あるいはメモリに格納し、図示していないがCPUやDSPまたはピーク検出部などによりピーク検出を行うことで同期処理を実現する。
図3は、図1および図2に示した複数個の相関演算モジュール31〜3Nを用いて、(a)タイミング相関処理を行う場合と、(b)コード相関処理を行う場合のそれぞれにおける動作イメージの例を示す図である。
(a)タイミング相関処理を行う場合には、割り当てた相関演算モジュールへの入力データは、共通の受信データ信号を入力するように入力データ制御部21〜2Nの設定を行う。また、割り当てた相関演算モジュール内の相関コード選択部40は、先頭の相関演算モジュールのみ外部からの当該相関コード入力を選択し、その他の相関演算モジュールについては、隣接する相関演算モジュールから入力する共通の相関コードを選択するように設定する。その結果、図3(a)に示すような動作イメージとなる。そして、各相関演算モジュール内では、相関コードをシフトレジスタ(遅延素子)50によりシフト(スライド)させて各相関器60にて相関演算処理を行うことにより、共通の受信データと共通の相関コードに対して相関タイミングをずらしながらのタイミング相関処理が可能となる。
(b)コード相関処理を行う場合も、割り当てた相関演算モジュールへの入力データは、共通の受信データ信号を入力するように入力データ制御部21〜2Nの設定を行う。一方、割り当てた相関演算モジュール内の相関コード選択部40は、それぞれ、外部から入力する個別の相関コードを選択するように設定する。その結果、図3(b)に示すような動作イメージとなる。そして、選択した個別の相関コードを用いて相関演算モジュール内のある1つの相関器60にて相関演算処理を行うことにより、同一タイミングの共通の受信データ信号に対する異なるコード相関処理が可能となる。
図4は、図1および図2に示した複数個の相関演算モジュール31〜3Nを用いて、図3に示したように、(a)タイミング相関演算処理と(b)コード相関処理を動作させた場合の動作タイミングの例を示す図である。
入力データ制御部10は、サンプルごとに順次受信データ信号(IQ Input)を割り当てられた相関演算モジュールに対して出力する。
(a)タイミング相関処理の場合は、割り当てられた相関演算モジュール群にて、各相関器60間および各相関演算モジュール31〜3N間にてシフトした同一の相関コードを用いて、共通の受信データについて異なるタイミングで相関演算処理を行う。各相関器60は、お互いに異なるタイミングから動作を開始し、異なるタイミングにて相関結果を順次出力する。ここで、各相関演算モジュール内の相関データ出力制御部70では、出力タイミングの早い相関器60の相関結果から順次選択して出力する。また、相関演算モジュール外の相関結果データ出力選択部90も、出力タイミングの早い相関演算モジュールからの相関結果から順次選択して後段モジュールに出力する。
(b)コード相関演算処理の場合は、割り当てられた相関演算モジュール群にて別々の相関コードを使用し、各相関演算モジュール内のある1つの相関器60にて共通の受信データについて同一のタイミングで相関演算処理を行う。使用する相関器60は、同一のタイミングから動作開始し、同一のタイミングにて相関結果を出力する。したがって、各相関演算モジュール内の相関データ出力制御部70では、使用する相関器60の相関結果のみ選択して出力する。また、相関演算モジュール外の相関結果データ出力選択部90では、同時に出力される各相関結果のアクセス調停を実施し、各相関演算モジュール31〜3Nからの相関結果を順番に選択して後段モジュールに出力する。ここで、各相関演算モジュール内の相関データ出力制御部70は、アクセスを受け付けられる(ACK)までは相関結果の出力(Output)を待たせるアクセス制御機構を備える。
また、入力データ選択部21〜2N、及び、相関演算モジュール内のコード選択部40、相関結果データ出力選択部90の制御は、全体制御部等からパラメータを設定することで実行する。各相関演算モジュール31〜3Nにて使用する相関コード(Code1〜CodeN)の生成は、パラメータ設定により種々のコード系列に対応できる柔軟なランダム系列発生器や、相関コードを予めメモリに格納し、当該メモリから順次相関コードを読み出すコード格納回路などにより実現することができる。
(近傍タイミングにおけるコード相関処理時の動作の説明)
セルサーチ処理では、第1段階にてタイミング相関処理による受信タイミング検出を行い、第2段階以降で検出した受信タイミングにおけるコード相関処理により基地局コードの検出を行うという多段階セルサーチと呼ばれる方法が用いられる場合がある。ここで、第2段階以降のコード相関処理時に、第1段階で検出した受信タイミングに対して±1サンプル分あるいは±2サンプル分タイミングをずらした近傍タイミング(連続した複数の受信タイミング)においてコード相関処理を行い、受信タイミングの微調整とコード検出を同時に行うことでセルサーチ処理の精度を高める方法が知られている。
図5は、図1および図2に示した第1の実施の形態による同期処理回路を用いて、近傍タイミングにおけるコード相関処理を動作させた場合の(c1)動作イメージと(c2)動作タイミングの例を示す図である。
この場合、割り当てた相関演算モジュール内の相関コード選択部40は、それぞれ、外部から入力する個別の相関コードを選択する設定とし、各相関演算モジュール内では、相関コードをシフトレジスタ(遅延素子)50によりシフト(スライド)させて各相関器60にて相関演算処理を行う。その結果、相関演算モジュール31〜3N間では異なる相関コードを使用して、各相関演算モジュール内では相関タイミングをずらしながら同一の相関コードを使用しての相関演算処理となり、近傍タイミングにおけるコード相関処理が可能となる(図5の(c1))。
相関結果の出力は、割り当てられた相関演算モジュールから異なる相関コードを使用しての近傍タイミングにおける相関結果が順次出力されるため、相関演算モジュール外の相関結果データ出力選択部90では、同時に順次出力される各相関結果出力のアクセス調停を実施し、各相関演算モジュールからの相関結果を順番に選択して後段モジュールに出力する(図5の(c2))。このため、各相関演算モジュール内の相関データ出力制御部70(図2)では、アクセスを受け付けられる(ACK)までは相関結果の出力(Output)を待たせるアクセス制御機構を備える。
(相関演算モジュールの割り当て数と動作タイミングの説明)
図6は、相関演算モジュールの割り当て数と相関処理動作タイミングの関係を示す図である。
各相関器60の1回分の動作時間は、使用する相関コード長で決定される。したがって、(a)タイミング相関処理の場合は、図6(a1)に示すように、各相関演算モジュール内の相関器60の合計数が相関コード長より多くなるように相関演算モジュール数を割り当てた場合は、入力データ制御部10からは、受信データ信号をサンプルごとに1回ずつ出力することで対応できる。この時、相関コード1回分の相関処理を終了した相関器は、相関器の合計数(並列数)分の次のタイミングから再利用する。
また、図6(a2)に示すように、割り当てた相関演算モジュール内の相関器60の合計数が相関コード長より少ない場合は、相関器60の合計数(並列数)分の相関結果が得られた時点で、入力データ制御部10から次の相関演算に必要となる受信データ信号を再度出力し直すことで対応できる。
(b)コード相関処理の場合は、図6(b1)に示すように、割り当てた相関演算モジュール数が相関コード数より多くなるように相関演算モジュール数を割り当てた場合は、入力データ制御部10からは、相関コード長分の受信データ信号をサンプルごとに1回ずつ出力することで対応できる。
また、図6(b2)に示すように、割り当てた相関演算モジュール数が相関コード数より少ない場合は、各相関結果が得られた時点で、次の相関コード分を処理するための受信データ信号を入力データ制御部10から再度出力し直すことで対応できる。したがって、入力データ制御部10は、オフセットを付けながら繰り返し入力データ格納メモリ11から入力データ信号(IQ Input)を読み出し、各相関演算モジュール31〜3Nに対して出力するためのメモリアドレス生成回路などの機構を備えることで、図6に示した前記全ての場合に対応できる構成とする。
(複数の同期処理の並列動作の説明)
図7は、図1および図2に示した同期処理回路を用いて、例えばセルサーチ処理の第1段階、第2段階、パスサーチ処理など複数の同期処理を並列動作させる場合の動作イメージ例を示す図である。
図1に示したような本発明の第1の実施の形態における構成では、相関演算モジュール部31〜3Nは階層化された並列構成となっているが、その他の入力データ制御部10、相関結果データ出力選択部90、後段の電圧加算部100、電力計算部110、平均化処理部120などは並列処理したい同期処理数分だけ並列に並べる構成を基本としている。本実施の形態において、特にその並列数は「3」に限定されないが、図1が3並列の場合の構成例を示しているため、図7も3並列の場合を例にして説明する。ただし、相関演算モジュール31〜3N数は6個の場合の例である。
本実施の形態においては、入力データ選択部21〜2N、各相関演算モジュール内の相関コード選択部40、相関結果データ出力選択部90を制御することで、各相関演算モジュールを並列処理するどの同期処理に割り当てるかを任意に変更し、同期処理回路全体を再構成することができる。
ここで、共通のタイミング相関処理に複数の相関演算モジュールを割り当てる場合は、相関コード選択部40にて隣接した相関演算モジュールから入力した相関コードを選択するため、隣接する複数の相関演算モジュールを割り当てる。そして、相関演算モジュール31〜3Nごとの入力データ選択部21〜2Nでは、割り当てられた処理の受信データ信号(IQ
Input)を入力するように選択設定を行う。また、相関結果データ出力選択部90では、当該処理に割り当てられた相関演算モジュールからの相関結果だけを後段モジュールに出力するように選択設定を行う。
このように、本発明においては比較的簡単な選択回路21〜2N、90を備え、これに対する選択設定だけを行うことにより、図7に示すように、並列動作させる複数の同期処理への相関演算モジュール31〜3Nの割り当て数を任意に変更することができる。
図8は、第1の実施の形態を、具体的な例の1つとして、3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて規格化されているW−CDMA(Wideband Code
Division Multiple Access)無線方式とLTE(Long Term Evolution)無線方式の両方に対応可能な無線通信処理システムに適用した場合の同期処理回路の実施例を示す図である。
(構成の説明)
図8は、両方式ともに3種類までの同期処理を並列に処理できるように同期処理回路全体を3並列化し、相関演算モジュールを8個(符号31〜38)実装した場合の実施例を示している。
本実施例1は、3並列処理数分の入力データ制御部10と、相関演算モジュール数である8個分の入力データ選択部21〜28、相関演算モジュール31〜38、並列処理数分の相関結果データ出力選択部90、後段の電圧加算部100、電力計算部110、平均化処理部120、などから構成される。各相関演算モジュール31〜38の内部構成は図2に示したものと同様である。
図9は、各相関演算モジュール内に実装する各相関器60の構成例を示す図である。LTE方式では、主に図9(a)に示すような一般的な複素乗算型の相関器と、図9(b)に示すような相関コードが±1の2値である場合に限定した複素加算型の相関器などが用いられる。
また、W−CDMA方式では図9(c)に示すような相関コードが±1の2値であり、受信データであるIQ信号を複素平面上で回転させる相関器や、更に、図9(d)に示すように図9(c)の相関コードの値がIとQで等しい場合に限定した符号選択型の相関器などが用いられる。
ここで、本実施例1では、特定の2つの相関演算モジュール(図8の31、32)が、図9(a)に示した複素乗算型の相関器60を8個ずつ備え、残りの6つの相関演算モジュール(図8の符号33〜38)が、図9(b)に示した複素加算型の相関器60を4個ずつ備えるものとする。
図9(b)の複素加算型の相関器60は、モード設定により、図9(c)および図9(d)の複素選択型、符号選択型の相関器の機能も容易に実現することができる。これは、回路規模のインパクトが大きい複素乗算型の相関器は必要最小限の個数を実装し、回路規模インパクトにあまり差がないその他の相関器60は共用可能な複素加算型の相関器にて実装することで、回路規模インパクトを抑えつつ、相関器の利用効率や柔軟性が向上するという利点がある。
(動作の説明)
図10は、図8に示した本発明の実施例1における同期処理回路を、(a)LTE無線方式と(b)W−CDMA無線方式のそれぞれの場合の動作イメージを示す図である。
同期処理回路の動作クロック周波数と各同期処理の要求処理性能から各相関演算モジュール31〜38の実装数および処理割り当てを決定する。
(a)LTE無線方式として動作させる場合、セルサーチ処理の第1段階、セルサーチ処理の第2段階、パスサーチ処理の3つの並列処理が可能なように構成する。ここで、セルサーチ処理の第1段階のみ複素乗算型の相関器が必要となるため、31と32の2つの相関演算モジュールを割り当てる。例えば2×8=16個の複素乗算型相関器60を用いてセルサーチ処理の第1段階であるタイミング相関処理を行う。
セルサーチ処理の第2段階は、例えば符号33〜36の4つの相関演算モジュールを使用してコード相関処理を行う。ここで、第1段階で検出した受信タイミングだけにコード相関処理を行う場合は4個の相関器60を用いて、また、近傍タイミングを含めてコード相関処理を行う場合は最大4×4=16個の相関器60を用いて実施する。同様にしてパスサーチ処理には例えば符号37の1つの相関演算モジュールを割り当てる。
(b)W−CDMA無線方式の場合は、セルサーチ処理の第1段階、セルサーチ処理の第2段階と第3段階、パスサーチ処理の3つの並列処理が可能なように構成する。ここで、セルサーチ処理の第2段階と第3段階は回路を共用し、第2段階の処理終了後に同じ回路を用いて第3段階の処理を行うことで実現する。
W−CDMA無線方式の場合、複素乗算型の相関器を用いる必要はないため、セルサーチ処理の第1段階に例えば符号33〜35の3つの相関演算モジュールを割り当て、3×4=12個の相関器60を用いてタイミング相関処理を行う。セルサーチ処理の第2段階、第3段階に例えば符号36の1つの相関演算モジュールを割り当て、1個あるいは近傍タイミングを処理する場合は最大1×4=4個の相関器60を用いて第2段階および第3段階のコード相関処理を行う。同様にしてパスサーチ処理は例えば符号37と38の2つの相関演算モジュールを割り当て、2×4=8個の相関器60を用いてタイミング相関処理を行う。
(相関コード生成方法の説明)
図11は、図8に示した実施例1における同期処理回路において、Code1〜Code8の相関コード生成部の構成例を示す図である。本発明の実施例1においては、並列処理する各同期処理に必要な分だけの相関コード生成回路を実装し、各相関演算モジュールへの相関コード入力は、割り当てられた同期処理に対応する相関コードを選択可能な相関コード入力選択部81〜88を備えることで実現している。
各相関コード生成回路は、パラメータ設定により種々の相関コードを生成可能なランダム系列生成回路によって実現しても、読み出し専用メモリ(ROM)によって実現しても問題はない。ランダム系列生成回路の場合、同一の回路にて複数のコードを生成できるよう各生成部にて回路を共用する。
また、図11とは少し異なる相関コードの生成方法として、各相関コード(Code1〜Code8)向けにそれぞれ相関コード用メモリを実装し、各無線方式での相関演算モジュールの処理割り当てを決定した段階で、対応する相関コードの値を書き込んでおき、それを読み出すことで相関コードを生成する方法でも特に問題はない。この場合、図11の相関コード入力選択部81〜88は不要となる。
いずれにしても、本実施例においては、相関器60ごとや相関演算モジュール31〜3Nごとに相関コード生成回路を実装することは不要であり、各無線方式にて並列に処理するために必要な分だけの相関コードを生成することで実現できるという利点がある。
(第1の実施の形態による効果)
以下、本実施の形態による効果について説明する。
第1の効果は、無線通信システムにおける同期処理回路において、同一の相関コードを用いて異なる受信タイミングにおける相関演算を行うタイミング相関処理と、同一の受信タイミングにおいて異なる相関コードを用いて相関演算を行うコード相関処理との両方に、同一の同期処理回路にて効率的に対応可能なことである。
その理由は、本実施の形態では、シフトレジスタを用いて相関コードをシフト(スライド)するスライディング相関器の構成をベースに、4個または8個などの複数の相関器60を搭載した相関演算モジュール31〜3Nを1単位として、その相関演算モジュールを複数個実装する階層的な並列構成であり、かつ、隣接する相関演算モジュールにてシフト(スライド)した相関コードをそのまま受け渡し、更に、外部からの相関コードと選択して入力できる構成としたためである。
本構成により、タイミング相関処理の場合は、先頭の相関演算モジュールだけに外部から該当する相関コードを入力し、その他の相関演算モジュールについては隣接する相関演算モジュールからシフトして受け渡された相関コードを選択使用して、相関器ごとに動作タイミングをずらしながら相関演算を実施することにより、相関器60または相関演算モジュール31〜3Nごとには相関コードを生成する必要なく対応可能である。また、コード相関処理の場合は、割り当てられた相関演算モジュールにて外部から入力した個別の相関コードを選択して使用し、各相関演算モジュール内のある特定の相関器60を使用して、相関演算モジュール間では同一のタイミングで相関演算を実施することにより対応可能である。
また、図5に示したように、相関演算モジュール31〜3N間では外部から入力した個別の相関コードを使用し、各相関演算モジュール内ではタイミング相関演算時と同様、当該相関コードをシフト(スライド)させて、動作タイミングをずらしながら各相関器60を動作させることにより、±1サンプルなど近傍のタイミングを含めたコード相関処理にもそのままの回路構成で対応可能であるという利点がある。
ここで、本実施の形態では、複数の相関器60をまとめて1つの相関演算モジュール31〜3Nを構成し、追加する相関コード選択部40は各相関演算モジュール内に1つだけの実装で良いため、相関器60ごとに相関コード選択回路を必要とする構成に比べて回路規模オーバヘッドが小さいという利点がある。結果として、タイミング相関処理専用やコード相関処理専用の同期処理回路に対する回路オーバヘッドも比較的少ない。また、相関器ごとに複数のコード生成回路を実装していたのでは回路規模上のオーバヘッドが大きいが、コード生成回路も、並列に処理するために必要な分だけの実装で実現可能であり、より少ないオーバヘッドで非常に効率良く高い柔軟性を実現することができる。
第2の効果は、無線通信システムにおける同期処理回路において、各同期処理を並列処理する場合に、相関演算モジュールの各処理への割り当て数を任意に変更することが可能なことである。
その理由は、本実施の形態では、並列に処理したい分のいずれの入力データ制御部10からの受信データ信号(IQ Input)も各相関演算モジュール31〜3Nに入力できるように相関演算モジュールごとに入力データ選択部21〜2Nを備え、各相関結果データもいずれの後段モジュールにも出力できるように、必要な相関結果データだけを後段に出力する相関結果データ出力選択部90を備えているためである。
更に、各相関演算モジュール31〜3Nでは、相関結果データの出力が待たされても対応できるように、相関データ出力制御部70にてアクセスを受け付けられる(ACK)までは相関結果の出力(Output)を待たせるアクセス制御機能を備えているためである。
第1の効果に記載した構成と本構成の組合せにより、セルサーチ処理の第1段階(タイミング相関処理)、及び第2段階(コード相関処理)、パスサーチ処理(タイミング相関処理)などの各同期処理の並列処理に効率的に対応でき、更に、各同期処理に割り当てる相関演算モジュール数を任意に変更することが可能となる。これは、並列処理による高速化と、処理割り当て数が可変であることによる効率的な負荷分散化を、同時に実現できるという利点がある。
また、前記入力データ選択部21〜2N、各相関演算モジュール31〜3N、相関結果データ出力選択部90以外については、単純に並列処理したい分だけ並列化することで実現できるため、比較的簡単に並列処理化が可能という利点がある。
第3の効果は、無線通信システムにおける同期処理回路において、複数の無線方式における種々の同期処理に対して、回路を共用することで同一の同期処理回路で対応可能であり、選択設定により容易に回路を再構成できることである。
その理由は、様々な無線方式における各同期処理の内容や相関コードは、一般的にその無線方式に依存して異なるが、処理内容については、本実施の形態におけるタイミング相関処理またはコード相関処理のいずれか、または両者の組合せにより実現できる可能性が非常に高いためである。
ここで、本実施の形態では、まず第1の効果にて示したように、複数の相関器60を搭載した相関演算モジュール31〜3Nを1単位として、その相関演算モジュールを複数個実装する階層的な並列構成であり、かつ、隣接する相関演算モジュールにて受け渡した相関コードと外部からの相関コードとを選択して入力できる構成としたため、タイミング相関処理とコード相関処理の両方に効率的に対応できるという利点がある。
また、第2の効果にて示したように、各相関演算モジュールをどの同期処理に割り当てるか、そのマッピングを任意に変更可能という利点もある。したがって、本実施の形態における同期処理回路を用いて、かつ、実施例1にて示したような各無線方式に対応可能な相関コード生成部を実装することにより、図10に示したように無線方式ごとに各相関演算モジュールの処理割り当てを変更することで、複数の無線方式における同期処理への効率的な対応が可能となる。
その結果、無線方式ごとに別々の専用の同期処理回路を実装した場合に比べて、回路規模を大幅に削減できる。ここで、各無線方式の同期処理ごとに必要な処理性能は異なると予想されるため、各処理に割り当てる相関演算モジュール数を変更できることは、複数無線方式における効率的な負荷分散化という点でも大きな利点がある。また、相関演算モジュール内の相関器60の構成も、回路規模は大きいが全てに対応可能な複素乗算型の相関器を必要最小限の個数だけ実装し、残りの相関演算モジュールは相関コードが2値の場合の全てに対応可能な複素加算型の相関器を実装することで、回路規模オーバヘッドを抑えつつ、より多くの無線方式に柔軟に対応できるという利点もある。
(第2の実施の形態)
図12は、本発明の第2の実施の形態による、特に複数の同期処理を並列処理する必要がない場合の同期処理回路の構成例を示すブロック図である。
第1の実施の形態と同様、本実施の形態における無線通信システムは、例えば4個または8個など複数の相関器を搭載した相関演算モジュールを1単位として、この相関演算モジュールを複数個(図12の例ではN個)実装する階層的な並列構成の同期処理回路を備えている。
ここで、第1の実施の形態では、例えば3種類までの同期処理を並列に処理できるように同期処理回路全体を3並列化した場合の例を示したが、第2の実施の形態では、特に複数の同期処理を並列処理する必要がない場合について示している。したがって、1つの入力データ制御部10と、相関演算モジュール31〜3N、1つの相関結果データ出力選択部90、後段の電圧加算部100、電力計算部110、平均化処理部120、などから構成される。
また、図示されていないが、相関演算モジュールの処理割り当て、それに伴う入力データ選択部と相関結果データ出力選択部の選択制御を行うための全体を制御する制御部を含んでいる。また、場合によってはピーク検出部などを含むことも可能である。また、各モジュールは必要に応じてオンチップメモリ(RAM)11に接続される。ここで、第2の実施の形態では、第1の実施の形態で必要だった相関演算モジュール数分の入力データ選択部21〜2Nは不要となる。
図13は、第2の実施の形態における各相関演算モジュール31〜3Nの構成例を示す図である。第1の実施の形態と同様、隣接する相関器60間において、相関コード(Code)をシフトレジスタ(遅延素子)50によりシフト(スライド)し、受信データとして共通のデータを入力する累積加算型のスライディング相関器の構成をベースとする。その上で、階層的な並列構成であること、タイミング相関処理に対応するための隣接する相関演算モジュールから入力する相関コードと、コード相関処理に対応するための外部から入力する相関コードとを選択する相関コード選択部40を備えることも第1の実施の形態と同様である。
図13に示す第2の実施の形態に特有の構成は、各相関演算モジュール31〜3N内にクロック制御部41を備えることである。クロック制御部41は、相関演算モジュールの処理割り当て時における外部からの設定に基づいて、図13の点線にて示すように、相関演算モジュール内の各相関器60および各シフトレジスタ(遅延素子)50に対する動作クロックを個別にゲーティング制御できる機能を備える。もちろん、このクロック制御部41を備えた相関演算モジュール31〜3Nは、図1および図8に示したような第1の実施の形態および実施例1にも適用可能である。
(第2の実施の形態の動作)
本発明の第2の実施の形態における動作については、基本的には図3から図6に示した第1の実施の形態における動作と同様である。すなわち、各相関演算モジュールの処理割り当てを変更することで、(a)タイミング相関処理、(b)コード相関処理、(c)近傍タイミングにおけるコード相関処理などに対応可能である。
ここで、第2の実施の形態に特有の動作としては、複数の同期処理における並列処理を考慮していない構成のため、図1に示した入力データ選択部21〜2Nの設定は不要となり、入力データ信号(IQ Input)は全ての相関演算モジュール31〜3Nに共通して出力するように簡単化できることである。
この第2の実施の形態における同期処理回路を用いて、複数の同期処理を実施する場合は、時分割(シリアル処理)にて異なる同期処理を実現する。すなわち、ある同期処理終了後、外部から入力する各相関コード(Code1〜Code8)及び入力データ制御部10からの受信データ信号(IQ Input)、各相関演算モジュール31〜3N内の相関コード選択部40の設定等を変更することにより、同期処理回路を再構成し、次の同期処理を行う。
具体的には、セルサーチ処理の第1段階(タイミング相関処理)終了後、セルサーチ処理の第2段階(コード相関処理)を行い、その後、パスサーチ処理を行うなどの例が考えられる。ここで、各同期処理の要求性能に依存して、ある同期処理に割り当てる相関演算モジュールの数は任意に変更可能である。未使用となった相関演算モジュール31〜3Nに対しては、当該相関演算モジュール内のクロック制御部41にその旨設定することで、当該相関演算モジュール内の各相関器60および各シフトレジスタ50への動作クロックを全て停止させることが可能である。
また、ある1タイミングにおけるコード相関処理時など、処理が割り当てられた相関演算モジュール内における複数の相関器60のうち、一部分だけが必要で全ては必要としない場合も同様に、クロック制御部41にどの相関器60を使用するかを設定することで、各相関演算モジュール31〜3N内にて未使用の相関器60とシフトレジスタ50に対する動作クロックを個別に停止させることが可能である。これは、同期処理回路の低消費電力化という点で大きな利点がある。また、このクロック制御部41を備えた相関演算モジュール31〜3Nは、図1および図8に示したような第1の実施の形態および実施例1にも適用可能である。
(第2の実施の形態の効果)
以下、第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態による効果に加え、クロック制御部41を制御することにより、各無線方式にて未使用の相関演算モジュールおよび相関器等への動作クロックを停止させることもでき、効率的な低消費電力化も実現できる。
すなわち、図13または図14に示したように、相関演算モジュール内のクロック制御部41にて、未使用の相関演算モジュール内の全てのシフトレジスタ(遅延素子)50や相関器60に対する動作クロックを停止させたり、一部の相関器60だけを使用する場合は個別に未使用のシフトレジスタ(遅延素子)50や相関器に対する動作クロックだけを停止させたりする機能を備えることで、無駄な動作電力を消費しないよう効率的な低消費電力化が可能となる。
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施の形態による、各相関演算モジュールの内部をオーバーサンプリング処理の高速化に対応させるために並列化可能な構成にした場合の構成例を示すブロック図である。
本発明の第3の実施の形態における基本的な同期処理回路の構成は、図1および図12に示したような第1及び第2の実施の形態と同様である。
第3の実施の形態に特有の構成として、図14に示すように、例えば2倍のオーバーサンプリング処理の並列化に対応させるために、各相関演算モジュール31〜3Nに入力する受信データ信号(IQ Input)を2サンプル分並列に入力可能な構成とする(IQ Input(H,L))。
そして、相関演算モジュール31〜3N内の各相関器60へは、奇数番目の相関器には下位側(L)の受信データ信号(IQ Input(L))を、偶数番目の相関器には上位側(H)の受信データ信号(IQ Input(H))を接続する構成とする。
また、相関コードに関しては、奇数番目と偶数番目のシフトレジスタ(遅延素子)50にて同一の相関コードをラッチできるように、偶数番目のシフトレジスタ(遅延素子)50の入力にオーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42を備えている。このオーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42は、直前の奇数番目のシフトレジスタ(遅延素子)50からの出力と、もう1つ前段の偶数番目のシフトレジスタ(遅延素子)50の出力(または相関コード選択部40の出力)とを選択する機能を有している。
また、第3の実施の形態に特有のその他の構成として、入力データ制御部10、入力データ格納メモリ11がある。入力データ格納メモリ11では、例えば2倍のオーバーサンプリング処理の並列化に対応させるために、2倍のオーバーサンプリングレート(OSR)でサンプルした受信データ信号(IQ Input)を1アドレスに2サンプル分または2サンプル分以上を格納できる構成とする。
ここで、2サンプル分ずつ格納した場合、各アドレスの上位側(Odd IQ)または下位側(Even IQ)だけを読み出すことで、通常のオーバーサンプリングしない受信データ信号が取得できることとなる。また、入力データ制御部10では、この入力データ格納メモリ11から読み出した2サンプル分または2サンプル分以上の受信データ信号を、同期処理の処理レートに応じて整形するデータ整形部12を備える。
データ整形部12では、2サンプル分(Odd IQとEven
IQ)をそのまま上位側(H)と下位側(L)にそれぞれ割り当てるものと、2サンプル分の下位側(Even IQ)だけを常に上位側(H)と下位側(L)の両方に割り当てるもの、2サンプル分の上位側(Odd
IQ)だけを常に上位側(H)と下位側(L)の両方に割り当てるもの、を設定により選択して出力する機能を有する。
(第3の実施の形態の動作)
本発明の第3の実施の形態に特有の動作について、図14及び図15を用いて説明する。
本発明の第3の実施の形態に特有の動作は、2倍オーバーサンプリングレート(OSR2)でのタイミング相関処理、または2倍オーバーサンプリングレート(OSR2)での近傍タイミングを含めたコード相関処理の場合に、2サンプル分ずつ並列に相関演算させることが可能なことである。
2倍オーバーサンプリングレート(OSR2)での相関処理にて2サンプル分ずつ並列処理する場合は、入力データ制御部10では、入力データ格納メモリ11から読み出した2サンプル分または2サンプル分以上の受信データ信号に対して、データ整形部12を用いて、2サンプル分(Odd IQとEven IQ)の受信データ信号(IQ Input)をそのまま上位側(H)と下位側(L)にそれぞれ割り当てて(OSR2)出力する。
また、各相関演算モジュール31〜3N内では、奇数番目と偶数番目の隣接する2つの相関器60に入力する相関コードが常に同一となるように、オーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42の設定を、2つ前段の偶数番目のシフトレジスタ(遅延素子)50の出力(または相関コード選択部40の出力)を選択するように設定する。そして、奇数番目と偶数番目の隣接する2つの相関器を同じタイミングで動作させることにより、2サンプル分の受信データ信号(IQ Input(H,L))に対して2並列に相関演算を行うことが可能となる。また、必要に応じて、クロック制御部41を用いて、使用していない相関器60やシフトレジスタ(遅延素子)50の動作クロックを停止させることも可能である。
図15は、2倍オーバーサンプリングレート(OSR2)でのタイミング相関処理時に、2サンプル分ずつ並列に相関演算を実施した場合の動作タイミングの例を示す図である。
2倍のオーバーサンプリングレート(OSR2)で取得した2サンプル分ずつの受信データ信号(IQ Input(H,L))に対して、奇数番目と偶数番目の隣接する2つの相関器60を同一の相関コードを用いて同じタイミングで動作させることにより、相関演算を2並列に処理することが可能となる。これは、第1の実施の形態における図2に示した相関演算モジュール31〜3Nの構成を用いて処理する場合に比べて、相関演算部分を約2倍に高速化できるという利点がある。
ここで、図14に示した相関演算モジュール31〜3Nの場合、後段の相関結果データ出力選択部90以降の構成は変更しなくても良いように、相関データ出力制御部70では1サンプル分ずつ相関結果を出力するように制御する。このように後段モジュールは1サンプル分ずつ処理する構成のままとしても、一般的に、相関演算部の必要処理量は他の後段モジュールの処理量に比べて非常に大きいため、相関演算部分の並列処理化は高速化の観点で非常に利点がある。
また、モード設定により第1及び第2の実施の形態と同様の動作も可能である。図14に示した構成にてオーバーサンプリング処理しない(OSR1)通常の同期処理を実行する場合、入力データ制御部10では、入力データ格納メモリ11から読み出した受信データ信号(IQ Input)のうち、データ整形部12を用いて、必要な1サンプル分の受信データ信号(Odd IQまたはEven IQのいずれか)を常に上位側(H)と下位側(L)の両方に割り当てて(OSR1)出力する。
そして、各相関演算モジュール31〜3N内では、全てのシフトレジスタ(遅延素子)50が図2または図13に示した構成と同等に動作するよう、オーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42の設定を、直前の奇数番目のシフトレジスタ(遅延素子)50の出力を選択するように設定する。
そして、相関演算モジュール31〜3N内の全ての相関器60を異なるタイミングで動作させることにより、1サンプル分ずつ相関演算を行うことが可能となる。その場合の動作タイミングは、図4から図6に示した動作タイミングと等しくなる。すなわち、本実施の形態では、第1及び第2の実施の形態における入力データ制御部10、各相関演算モジュール31〜3N内に、第3の実施の形態である図14に示したようなデータ整形部12の追加、受信データ信号(IQ Input)の2サンプル化、オーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42の追加、という比較的簡単な回路拡張を実施している。これにより、拡張前と同様の処理も実現可能なままで、2倍オーバーサンプリング処理時における相関演算を高速化できるという大きな効果が得られるという利点がある。
特に、入力データ制御部10にデータ整形部12を備えることにより、相関器60ごとに受信データ信号の上位側(H)と下位側(L)を選択するような構成に比べて、回路規模的なオーバヘッドが少ない構成とすることができる。ここで、図14および図15では2倍オーバーサンプリング(OSR2)処理を並列化する場合の例を示したが、本発明における第3の実施の形態では、同様の拡張を更に行うことにより、4倍や8倍といったオーバーサンプリング処理の並列化にも容易に対応可能であり、本発明がそれらを含むことは明白である。
(第3の実施の形態による効果)
第3の実施の形態によれば、上述した第1および第2の実施の形態による効果に加え、無線通信システムにおける同期処理回路において、比較的演算量を必要とするオーバーサンプリングレートでの同期処理を高速化できるという効果を実現することができる。
その理由は、本第3の実施の形態では、各相関演算モジュール31〜3Nにて受信データ信号(IQ Input)を複数サンプル分並列に入力し、オーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42を用いながら複数の相関器60を同一の相関コードとタイミングで並列動作させることにより、各相関器60の高い稼働率を維持したまま、オーバーサンプリング分の複数の受信データ信号を並列に処理可能なためである。また、一般的に、オーバーサンプリングレートでの同期処理は、必要処理能力もそれに比例して求められるため、並列処理化できることは要求処理能力を満足する点において大きな利点がある。本実施例においては、入力データ制御部10におけるデータ整形部12の追加と、各相関演算モジュール31〜3N内におけるオーバーサンプリング処理用相関コードセレクタ42の追加という比較的簡単な回路拡張にて実現可能なため、並列処理化するための回路規模オーバヘッドが少ないという点でも利点がある。
最後に、各相関演算モジュール31〜3N内に実装する相関器60の個数と効果の関係について説明する。基本的には、本発明における同期処理回路全体の相関器60数は各無線方式の必要処理量と動作クロック周波数の関係によって決定される。そして、全体の相関器数(合計数)が決定された場合、選択回路などの回路規模オーバヘッドを少なくするためには1個の相関演算モジュール当たりの相関器数は多い方が良いし、処理割り当ての組合せ数を増やすためには少ない方が良い。
ここで、(A)処理する割り当て数を柔軟に変更できること、および、入力データ制御部10や後段の電圧加算部100等のメモリアドレス生成回路の簡単さ等を考慮する場合、相関器の個数は、2個、4個、8個、16個などの2のべき乗の個数が好ましい。処理する割り当て数の柔軟さについては、タイミング相関処理時に相関器4個の相関演算モジュールを4個使用する場合と、相関器8個の相関演算モジュールを2個使用する場合とでは、同等の処理性能が実現できるため、2のべき乗の個数で並べて実装するとマッピングの選択肢増加が期待できるためである。また、アドレス生成回路については、例えばオフセットを付けながら繰り返しアドレス生成する場合に、当該処理に割り当てた相関器数によりオフセット値が決まるため、2のべき乗の個数である場合にオフセット値の算出回路を実現しやすいという利点がある。
一方で、(B)相関器の稼働率を考慮する場合、タイミング相関処理の場合は相関器数に依存せず高い稼働率となるが、コード相関処理の場合は、各相関演算モジュール内では特定の相関器のみ動作するため、相関演算モジュールあたりの相関器数が多い場合は稼働率が低下する。ただし、近傍タイミングを含めたコード相関処理の場合は、±1サンプル分を含める場合は少なくとも3個、±2サンプル分を含める場合は少なくとも5個の相関器を実装することが好ましい。
(C)また、第3の実施の形態に示したようなオーバーサンプリング処理に対応する相関演算モジュールの場合は、相関器の個数は、稼働率を考慮すると偶数(2の倍数)である必要がある。したがって、本発明では、複数の無線方式における種々の同期処理に柔軟に効率的に対応できることを目的としているため、(A)処理する割り当て数の柔軟さとアドレス生成回路の簡単さを重視し、合わせて(B)演算器の稼働率(3個または5個より大きく、ただしそれに近い数)も考慮して、4個または8個の組合せで相関器を実装するのが最も大きい効果が得られると考える。すなわち、タイミング相関処理の場合も近傍タイミングを含めたコード相関処理の場合も高い演算器稼働率を保ちつつ、高い柔軟性と効率性を実現することができる。また、(B)相関器の稼働率を重視する場合は、3個または5個の相関器を実装するのが好ましい。(C)オーバーサンプリング処理に対応する相関演算モジュールの場合も同様に、4個または8個の相関器の実装が最も効果が大きく、12個、16個も有用であり、稼働率を考慮すると6個も好ましいと言える。
以上好ましい実施の形態と実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態及び実施例に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
この出願は、2009年1月15日に出願された日本出願特願2009−007039を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (22)

  1. 無線通信システムにおける同期処理回路において、
    相関演算を行う複数の相関器を搭載した複数の相関演算装置を備え、
    前記相関演算装置内の隣接する相関器間において相関コードをシフトさせて渡し、かつ前記シフトした前記相関コードを隣接する他の相関演算装置に渡すことにより、各相関演算装置で受信データについて異なるタイミングで相関演算を行うタイミング相関処理と、外部から各相関演算装置に個別に入力した相関コードによって、各相関演算装置で受信データについて同一タイミングで相関演算を行うコード相関処理とを、前記相関演算装置単位で選択的に切り替える手段を備えることを特徴とする同期処理回路。
  2. 各前記相関演算装置が、
    前記相関コードをシフトさせる複数のシフト手段と、
    シフトした前記相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡すインタフェースを備え、
    外部から入力した相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して前記相関コードとする第1の相関コード選択手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の同期処理回路。
  3. 無線通信システムにおける同期処理回路において、
    相関演算を行う複数の相関演算装置を備え、
    前記相関演算装置が、
    複数の相関器と、
    相関コードをシフトするための複数のシフト手段と、
    シフトした前記相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡すインタフェースと、
    外部から個別に入力したコード相関処理用の相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して前記相関コードとする第1の相関コード選択手段を備える
    ことを特徴とする同期処理回路。
  4. 前記相関演算装置が、前記複数の相関器からの相関結果データに対して出力選択制御とアクセス制御とを行う相関データ出力制御手段を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の同期処理回路。
  5. 前記複数の相関演算装置に対して所望の受信データ信号を転送する入力データ制御手段と、
    前記複数の相関演算装置からの相関結果データを選択かつ調停して後段部に出力する相関結果データ出力選択手段と
    を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れかに記載の同期処理回路。
  6. 前記受信データ信号を格納する受信データ格納メモリを備え、
    前記入力データ制御手段が、オフセットを付けながら繰り返し前記受信データ信号を転送可能とするアドレス生成手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の同期処理回路。
  7. 前記入力データ制御手段を並列処理数分備え、
    前記相関演算装置ごとに前記並列処理数分の入力データ制御手段からの所望の受信データ信号を選択する入力データ選択手段を備え、
    前記相関結果データ出力選択手段を並列処理数分備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の同期処理回路。
  8. 前記相関演算装置が、受信データ信号を2サンプル分ずつ入力し、前記複数の相関器に対していずれか一方の受信データ信号を接続する受信データ信号インタフェースと、隣接する前記複数のシフト手段間において1つ前段からの相関コードと更にもう1つ前段からの相関コードとを選択可能な第2の相関コード選択手段を備えることを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の同期処理回路。
  9. 前記入力データ制御手段が、2サンプル分の前記受信データ信号インタフェースに対して、2サンプル分の受信データ信号をそれぞれマッピングする場合と、1サンプル分の受信データ信号を両方にマッピングして転送する場合と、を選択可能とするデータ整形手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の同期処理回路。
  10. 複数の相関コード生成手段を備え、前記相関演算装置ごとに、前記複数の相関コード生成手段から出力される相関コードのうち所望の相関コードを選択する相関コード入力選択手段を備えることを特徴とする請求項2から請求項9の何れかに記載の同期処理回路。
  11. 前記相関演算装置が、前記複数の相関器と前記複数のシフト手段に対して、それぞれ個別に未動作時に動作クロックをゲーティング制御するクロック制御手段を備えることを特徴とする請求項2から請求項10の何れかに記載の同期処理回路。
  12. 前記複数の相関演算装置が、前記相関器として全ての相関コードに対応可能な複素乗算型の相関器を備える相関演算装置と、前記相関器として全ての2値の相関コードに対応可能な複素加算型の相関器を備える相関演算装置と、の組合せにより構成されることを特徴とする請求項2から請求項11の何れかに記載の同期処理回路。
  13. 前記相関演算装置の前記複数の相関器と前記複数のシフト手段の個数が、4個または8個であることを特徴とする請求項2から請求項12の何れかに記載の同期処理回路。
  14. 電圧加算処理や同相加算処理を行う電圧加算部と、電力を計算する電力計算部と、電力を加算して平均化する平均化処理部と、を備えることを特徴とする請求項2から請求項13の何れかに記載の同期処理回路。
  15. 無線通信システムにおける同期処理回路の同期処理方法において、
    相関演算を行う複数の相関器を搭載した複数の相関演算装置にて、
    前記相関演算装置内の隣接する相関器間において相関コードをシフトさせて渡し、かつ前記シフトした前記相関コードを隣接する他の相関演算装置に渡すことにより、各相関演算装置で受信データについて異なるタイミングで相関演算を行うタイミング相関処理と、外部から各相関演算装置に個別に入力した相関コードによって、各相関演算装置で受信データについて同一タイミングで相関演算を行うコード相関処理とを、前記相関演算装置単位で選択的に切り替えることを特徴とする同期処理方法。
  16. 各前記相関演算装置が、
    前記相関コードを複数のシフト手段でシフトするステップと、
    シフトした前記相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡すステップと、
    外部から入力した相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して前記相関コードとするステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の同期処理方法。
  17. 無線通信システムにおける同期処理回路の同期処理方法において、
    相関演算を行う複数の相関器を搭載した複数の相関演算装置にて、
    相関コードを複数のシフト手段でシフトし、
    シフトした前記相関コードをタイミング相関処理用に隣接する相関演算装置に渡し、
    外部から個別に入力したコード相関処理用の相関コードと隣接する相関演算装置から渡された相関コードとを選択して前記相関コードとする
    ことを特徴とする同期処理方法。
  18. 前記複数の相関演算装置に対して所望の受信データ信号を転送する入力データ制御ステップと、
    前記複数の相関演算装置からの相関結果データを選択かつ調停して後段装置に出力する相関結果データ出力選択ステップを有することを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の同期処理方法。
  19. 前記入力データ制御ステップで、前記受信データ信号を並列処理数分転送し、
    前記相関演算装置で、前記並列処理数分の前記受信データ信号から所望の受信データ信号を選択する入力データ選択ステップを実行することを特徴とする請求項18に記載の同期処理方法。
  20. 前記相関演算装置が、受信データ信号を2サンプル分ずつ入力し、前記複数の相関器に対していずれか一方の受信データ信号を接続し、隣接する前記複数のシフト手段間において1つ前段からの相関コードと更にもう1つ前段からの相関コードとを選択する相関コード選択ステップを実行することを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の同期処理方法。
  21. 前記入力データ制御ステップが、2サンプル分の受信データ信号インタフェースに対して、2サンプル分の受信データ信号をそれぞれマッピングする場合と、1サンプル分の受信データ信号を両方にマッピングして転送する場合と、を選択とするデータ整形ステップを有することを特徴とする請求項20に記載の同期処理方法。
  22. 前記相関演算装置が、前記複数の相関器と前記複数のシフト手段に対して、それぞれ個別に未動作時に動作クロックをゲーティング制御するクロック制御を行うことを特徴とする請求項16から請求項21の何れかに記載の同期処理方法。
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