JPWO2010067621A1 - 環状化合物及びそれを用いたフォトレジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

下記式(1)で表わされ、下記の条件(A)〜(C)のいずれか1つ以上を満たす環状化合物。(A)少なくとも分子中に2種以上の溶解性調整基を有する(B)少なくとも分子中に2種以上の酸解離性溶解抑止基を有する(C)少なくとも分子中に溶解性調整基及び酸解離性溶解抑止基を有する

Description

本発明は、半導体等の電気・電子分野や光学分野等で用いられるフォトレジスト基材に関し、特に超微細加工用フォトレジスト基材に関する。
極端紫外光(Extream Ultra Violet Light:以下、EUVLと表記する場合がある)又は電子線によるリソグラフィーは、半導体等の製造において、高生産性、高解像度の微細加工方法として有用であり、それに用いる高感度、高解像度のフォトレジストが求められている。フォトレジストは、所望する微細パターンの生産性、解像度等の観点から、その感度を向上させることが欠かせない。
EUVLによる超微細加工の際に用いられるフォトレジストとしては、例えば、他のレジスト化合物と比較して光酸発生剤の濃度が高い化学増幅ポジ型フォトレジストを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、実施例のフォトレジストは、ラインエッジラフネスの観点から、電子線を用いた場合で例示された100nmまでの加工が限界であると考えられる。これは基材として用いる高分子化合物の集合体又は各々の高分子化合物分子が示す立体的形状が大きく、該作製ライン幅及びその表面粗さに影響を及ぼすことがその主原因と推定される。
本発明者は既に高感度、高解像度のフォトレジスト材料としてカリックスレゾルシナレン化合物を提案している(特許文献2及び3参照)。また、特許文献4には、カリックスレゾルシナレン化合物が開示されている。
特開2002−055457号公報 特開2004−191913号公報 特開2005−075767号公報 米国特許6093517号
しかしながら、EUVLによる超微細加工技術として、さらなる高感度、高解像度が求められている。本発明の目的は、高感度、高解像度のフォトレジスト材料を提供することである。
本発明によれば、以下の環状化合物等が提供される。
1.下記式(1)で表わされ、下記の条件(A)〜(C)のいずれか1つ以上を満たす環状化合物。
(A)少なくとも分子中に2種以上の溶解性調整基を有する
(B)少なくとも分子中に2種以上の酸解離性溶解抑止基を有する
(C)少なくとも分子中に溶解性調整基及び酸解離性溶解抑止基を有する
[式中、Rは水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基、あるいはこれら基のうち2種以上を組み合わせた基、又は下記式(2)〜(4)のいずれかで表される基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
は水素、水酸基、溶解性調整基1、又は式(I)〜(IV)のいずれかで示す酸解離性溶解抑止基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
前記溶解性調整基1は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーロキシ基、アルコキシアルキロキシ基、シロキシ基、又はこれらの基と二価の基とが結合した基であり、
前記二価の基は、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、置換もしくは無置換のアリーレンオキシ基、置換もしくは無置換のシリレンオキシ基、これらの基が2以上結合した基、又はこれらの基と、エステル結合、炭酸エステル結合又はエーテル結合が結合した基である。
は前記Rで表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
(式(2)〜(4)中、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基、又はアルキレン基及びエーテル結合の少なくとも一方の1つ以上と置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基を組み合わせた基であり、
置換基を有する場合の置換基は、臭素、フッ素、ニトリル基、又は炭素数1〜10のアルキル基である。
は水酸基、溶解性調整基2、又は下記式(I)〜(IV)のいずれかで示す酸解離性溶解抑止基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
前記溶解性調整基2は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、シリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基であり、
前記二価の基は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合した基、又はこれらの基1以上と、エステル結合、炭酸エステル結合及びエーテル結合から選択される1以上の基が結合した基である。
、Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、それぞれのR又はRは同じであっても異なっていても良い。
は、アルキレン基、エーテル結合、アルキレン基を2以上組み合わせた基、又はアルキレン基1以上とエーテル結合1以上を組み合わせた基である。
xは1〜5、yは0〜3、zは0〜4の整数である。
複数のAr、A、x、y及びzは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
(式(I)〜(IV)において、
αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
βは、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基である。
γは、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基、又は芳香族構造、単環状脂肪族構造、複環状脂肪族構造のうち1以上の構造と、炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が置換したアルコキシ基である。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。)]
2.前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(6)〜(37)から選択される基である1に記載の環状化合物。
(式中、rはそれぞれ上記式(6)〜(34)で表される置換基のいずれかを表す。)
3.上記1又は2に記載の環状化合物と溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
4.上記1又は2に記載の環状化合物を含む薄膜。
5.上記3に記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
6.上記5に記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
本発明の環状化合物をフォトレジストに用いた場合に、より高い高感度、高解像度を得ることができる。
製造例2で合成した環状化合物(2)のH−NMRスペクトルである。 実施例1で合成した環状化合物(3)のH−NMRスペクトルである。 実施例2で合成した環状化合物(A)のH−NMRスペクトルである。 製造例3で合成した環状化合物(4)のH−NMRスペクトルである。 実施例3で合成した環状化合物(5)のH−NMRスペクトルである。 製造例4で合成した環状化合物(6)のH−NMRスペクトルである。 実施例4で合成した環状化合物(7)のH−NMRスペクトルである。 実施例5で合成した環状化合物(B)のH−NMRスペクトルである。 実施例6で合成した環状化合物(C)のH−NMRスペクトルである。 実施例7で合成した環状化合物(D)のH−NMRスペクトルである。 実施例8で合成した環状化合物(E)のH−NMRスペクトルである。
本発明の環状化合物は、下記式(1)で表わされ、下記の条件(A)〜(C)のいずれか1つ以上を満たす。
(A)少なくとも分子中に2種以上の溶解性調整基を有する
(B)少なくとも分子中に2種以上の酸解離性溶解抑止基を有する
(C)少なくとも分子中に溶解性調整基及び酸解離性溶解抑止基を有する
本発明の環状化合物では、種類の異なる2種以上の酸解離性溶解抑止基、種類の異なる2種以上の溶解性調整基、又は、溶解性調整基及び酸解離性溶解抑止基を有する。これにより、化合物の特性を微調整することができ、バランスのよい特性を有するフォトレジスト材料を得ることができる。具体的に、2種の溶解性調整基の間、2種の酸解離性溶解抑止基の間、又は溶解性調整基と酸解離性溶解抑止基の間で、互いに不足する性能を補完することにより、特性上の欠点を補うことができる。
式(1)に示す環状化合物において、異なる種類の基を導入する位置については、特に制限はない。例えば、複数のRのうち、1つが溶解性調整基Aである場合、他のRの少なくとも1つが異なる溶解性調整基Bであるか、酸解離性溶解抑止基であればよい。また、複数のRのうち、1つが酸解離性溶解抑止基Aである場合、他のRの少なくとも1つが異なる酸解離性溶解抑止基Bであるか、溶解性調整基であればよい。R、R(後述するR)についても同様である。
また、Rの少なくとも1つと、Rの少なくとも1つが、それぞれ異なる種類の溶解性調整基又は酸解離性溶解抑止基であってもよく、いずれか一方が溶解性調整基で他方が酸解離性溶解抑止基であってもよい。RとRの関係やRとRの関係についても同様である。
本発明においては、合成の観点から、環状化合物はR及び/又はRの位置に溶解性調整基及び/又は酸解離性溶解抑止基を導入することが好ましい。また、Rは水素原子であることが好ましい。
上記式(1)において、Rは水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基、あるいはこれら基のうち2種以上を組み合わせた基、又は下記式(2)〜(4)のいずれかで表される基である。
尚、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
式(2)〜(4)中、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基、又はアルキレン基及びエーテル結合の少なくとも一方の1つ以上と置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基を組み合わせた基であり、置換基を有する場合の置換基は、臭素、フッ素、ニトリル基、又は炭素数1〜10のアルキル基である。
は水酸基、溶解性調整基2、又は下記式(I)〜(IV)のいずれかで示す酸解離性溶解抑止基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
溶解性調整基2は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、シリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。
上記二価の基は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合した基、又はこれらの基1以上と、エステル結合(−CO−)、炭酸エステル結合(−CO−)及びエーテル結合(−O−)から選択される1以上の基が結合した基である。
式(I)〜(IV)において、αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
βは、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基である。好ましくは、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基に含まれる三級炭素が、酸素原子に結合する。
γは、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基、又は芳香族構造、単環状脂肪族構造、複環状脂肪族構造のうち1以上の構造と、炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が置換したアルコキシ基である。芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基は、好ましくは、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基に含まれる三級炭素が、酸素原子に結合する。
δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
又はRは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、それぞれのR又はRは同じであっても異なっていても良い。
は、アルキレン基、エーテル結合、アルキレン基を2以上組み合わせた基、又はアルキレン基1以上とエーテル結合1以上を組み合わせた基である。
xは1〜5、yは0〜3、zは0〜4の整数である。
複数のAr、A、x、y及びzは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
式(1)のRは水素、水酸基、溶解性調整基1、又は式(I)〜(IV)のいずれかで示す酸解離性溶解抑止基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
上記の溶解性調整基1は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーロキシ基、アルコキシアルキロキシ基、シロキシ基、又はこれらの基と二価の基とが結合した基であり、
上記二価の基は、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、置換もしくは無置換のアリーレンオキシ基、置換もしくは無置換のシリレンオキシ基、これらの基が2以上結合した基、又はこれらの基と、エステル結合、炭酸エステル結合又はエーテル結合が結合した基である。
は、上述したRで表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基である。それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
本発明において、酸解離性溶解抑止基及び溶解性調整基は、下記の特性を有する官能基が好ましい。
1)フォトレジスト溶液への溶解性を向上する(主に溶解性調整基の特性):運動性の高い置換基(直鎖状脂肪族基、分岐状脂肪族基等)
2)フォトレジスト薄膜の基板への密着性を向上する(酸解離性溶解抑止基、及び溶解性調整基の特性):ヘテロ原子を有する置換基(水酸基、アルコキシ基、チオエーテル基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシ基、アセタール基、ラクトン構造を有する基等)
3)酸解離性溶解抑止基の反応性が高い(主に酸解離性溶解抑止基の特性):結合エネルギーが低く、生成物の安定性が高い置換基、酸拡散性を阻害しない置換基(三級炭素を起点とする置換基、分子空隙を有する置換基、酸の作用により結合が切断した後に酸を増殖する置換基)
4)レジストアウトガスを低減する酸解離性溶解抑止基(主に酸解離性溶解抑止基の特性):解離後にガス成分を発生しない置換基、具体的には、酸解離反応が進行した結果生じる分子の分子量が80以上となる置換基、活性部位が解離しても他の部位の結合が保持されている置換基(単環式環状脂肪族基、複環式環状脂肪族基、芳香族基)
本願では、溶解性調整基として、上述した溶解性調整基1及び溶解性調整基2を挙げているが、上記の特性に合わせて適宜選択することができる。好ましい溶解性調整基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、イソプロピロキシ基、n−ブチロキシ基、イソブチロキシ基、シクロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基、フェノキシ基、トリメチルシロキシ基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑止基としては、特に、下記式(6)〜(37)から選択される基が好ましい。
(式中、rはそれぞれ上記式(6)〜(34)で表される置換基のいずれかを表す。)
本発明の環状化合物は、例えば、公知の方法により、酸触媒存在下、対応する構造のアルデヒド化合物と、溶解性調整基と水酸基を併せ持つ芳香族化合物との縮合環化反応により、カリックスレゾルシナレン誘導体(前駆体)を合成し、各基に対応する化合物を、エステル化反応、エーテル化反応、アセタール化反応等により前駆体に導入することで合成できる。
本発明のフォトレジスト組成物は、上記の式(1)の環状化合物と溶剤を含有する。式(1)の環状化合物は基材として用いられる。
環状化合物の配合量は、溶剤を除く全組成物中好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは75〜95重量%である。環状化合物をフォトレジスト基材として用いるとき、一種単独で用いてもよく、また、本発明の効果を損なわない範囲で、二種以上を組合せて用いてもよい。
本発明のフォトレジスト組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル(PE)等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
組成物中の溶剤以外の成分、即ちフォトレジスト固形分の量は所望のフォトレジスト層の膜厚を形成するために適する量とするのが好ましい。具体的にはフォトレジスト組成物の全重量の0.1〜50重量%が一般的であるが、用いる基材や溶剤の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。溶剤は全組成物中好ましくは50〜99.9重量%配合する。
本発明のフォトレジスト組成物は、基材の分子が、EUV及び/又は電子線に対して活性なクロモフォアを含み単独でフォトレジストとしての能力を示す場合には特に添加剤は必要としないが、フォトレジストとしての性能(感度)を増強する必要がある場合は、必要に応じて、クロモフォアとして光酸発生剤(PAG)等を含むことが一般的である。
光酸発生剤としては、特に限定されず、化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類等のジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、下記式(a−0)で表される酸発生剤が例示できる。
[式中、R51は、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、又は直鎖、分岐鎖又は環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖又は分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、又は直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;u’’は1〜3の整数である。]
式(a−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、又は直鎖、分岐鎖又は環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子を全てフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
51は、直鎖状のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、直鎖、又は分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、又は直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基である。
52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
52において、アルキル基は、直鎖又は分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜3である。
52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
52において、アルコキシ基としては、直鎖状又は分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜3である。
52は、これらの中でも水素原子が好ましい。
53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基等が挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザー等の露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖又は分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)等を挙げることができる。
53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u’’は1〜3の整数であり、2又は3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
式(a−0)で表される酸発生剤の好ましいものとしては、以下の化学式で表されるものを挙げることができる。
式(a−0)で表される酸発生剤は1種又は2種以上混合して用いることができる。
式(a−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記式(a−1)又は(a−2)で表される化合物が挙げられる。
[式中、R”〜R”,R”,R”は、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリール基又はアルキル基を表し;R”は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”及びR”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(a−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立に置換又は無置換のアリール基又はアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つは置換又は無置換のアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上が置換又は無置換のアリール基であることが好ましく、R”〜R”の全てが置換又は無置換のアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の置換基であるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、tert‐ブチル基が最も好ましい。
前記アリール基の置換基であるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”は全てフェニル基であることが最も好ましい。
”は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖又は分岐のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子を全てフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
”としては、直鎖又は環状のアルキル基、又はフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(a−2)中、R”及びR”はそれぞれ独立に置換又は無置換のアリール基又はアルキル基を表す。R”及びR”のうち、少なくとも1つは置換又は無置換のアリール基を表す。R”及びR”の全てが置換又は無置換のアリール基であることが好ましい。
”〜R”の置換又は無置換のアリール基としては、R”〜R”の置換又は無置換のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は全てフェニル基であることが最も好ましい。
式(a−2)中のR”としては上記式(a−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(a−1)、(a−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記式(a−1)又は(a−2)において、アニオン部を下記式(a−3)又は(a−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(a−1)又は(a−2)と同様)。
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”,Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”,Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”,Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶剤への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”,Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
本発明において、光酸発生剤として以下の式(40)〜(45)で示される化合物も使用できる。
式(40)中、Qはアルキレン基、アリーレン基又はアルコキシレン基であり、R15はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基又はハロゲン置換アリール基である。
前記式(40)で示される化合物は、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エンー2,3−ジカルボキシイミド及びN−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
式(41)中、R16は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝又は環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基又は任意に置換されたアラルキル基である。
前記式(41)で示される化合物は、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン及びジ(4−トルフルオロメチルフェニル)ジスルフォンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
式(42)中、R17は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝又は環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基又は任意に置換されたアラルキル基である。
前記式(42)で示される化合物は、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル及びα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
式(43)中、R18は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、1以上の塩素原子及び1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素原子数は1〜5が好ましい。
式(44)及び(45)中、R19及びR20はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜3のアルコキシ基、又はフェニル基、トルイル基、ナフチル基等のアリール基であり、好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基である。
19及びL20はそれぞれ独立に1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基である。1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基としては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を好ましいものとして挙げることができる。特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。
pは1〜3の整数、qは0〜4の整数、かつ1≦p+q≦5である。
19は単結合、炭素原子数1〜4のポリメチレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、下記式(44a)で表わされる基、カルボニル結合、エステル結合、アミド結合又はエーテル結合を有する基である。
19はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基であり、X20は、それぞれ独立に下記式(45a)で示される基である。
式(45a)中、Z22はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R22はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基であり、rは0〜3の整数である。
その他の酸発生剤として、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルアゾメチルスルホニル)デカン等のビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等のハロゲン含有トリアジン誘導体等が挙げられる。
これらの光酸発生剤の中で、特に好ましくは活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物が好ましい。
PAGの配合量は、溶剤を除く全組成物中0〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
本発明においては、放射線照射により酸発生剤から生じた酸のレジスト膜中における拡散を制御して、未露光領域での好ましくない化学反応を阻止する作用等を有する酸拡散制御剤(クエンチャー)をフォトレジスト組成物に配合してもよい。この様な酸拡散制御剤を使用することにより、フォトレジスト組成物の貯蔵安定性が向上する。また解像度が向上するとともに、電子線照射前の引き置き時間、電子線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
このような酸拡散制御剤としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン;1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の環状アミン等の窒素原子含有塩基性化合物、塩基性スルホニウム化合物、塩基性ヨードニウム化合物等の電子線放射分解性塩基性化合物が挙げられる。酸拡散制御剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
クエンチャーの配合量は、溶剤を除く全組成物中0〜40重量%、好ましくは0.01〜15重量%である。
本発明においては、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解制御剤、増感剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、顔料等を適宜、添加含有させることができる。
溶解制御剤は、環状化合物のアルカリ現像液に対する溶解性が高すぎる場合に、その溶解性を低下させて現像時の溶解速度を適度にする作用を有する成分である。
溶解制御剤としては、例えば、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、アセナフテン等の芳香族炭化水素類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、フェニルナフチルケトン等のケトン類;メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホン等のスルホン類等を挙げることができる。さらに、例えば、酸解離性官能基が導入されたビスフェノール類、t−ブチルカルボニル基が導入されたトリス(ヒドロキシフェニル)メタン等をも挙げることができる。これらの溶解制御剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。溶解制御剤の配合量は、使用する環状化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜50重量%が好ましく、0〜40重量%がより好ましく、0〜30重量%がさらに好ましい。
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ビアセチル類、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの増感剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、固形成分全重量の0〜50重量%が好ましく、0〜20重量%がより好ましく、0〜10重量%がさらに好ましい。
界面活性剤は、本発明のフォトレジスト組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができる。これらのうち、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤は、フォトレジスト組成物に用いる溶剤との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等の他、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等の各シリーズ製品を挙げることができるが、特に限定はされない。界面活性剤の配合量は、固形成分全重量の0〜2重量%が好ましく、0〜1重量%がより好ましく、0〜0.1重量%がさらに好ましい。
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できる。さらに、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
酸拡散制御剤を配合した場合の感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸又はその誘導体を含有させることができる。尚、これらの化合物は、酸拡散制御剤と併用することもできるし、単独で用いてもよい。有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好適である。リンのオキソ酸又はその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸又はそれらのエステル等の誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸又はそれらのエステル等の誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸及びそれらのエステル等の誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
レジストパターンを形成するには、まず、シリコンウェハー、ガリウムヒ素ウェハー、アルミニウムで被覆されたウェハー等の基板上に本発明のフォトレジスト組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって塗布することによりレジスト膜を形成する。
必要に応じて、基板上に表面処理剤を予め塗布してもよい。表面処理剤としては、例えばヘキサメチレンジシラザン等のシランカップリング剤(重合性基を有する加水分解重合性シランカップリング剤等)、アンカーコート剤又は下地剤(ポリビニルアセタール、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等)、これらの下地剤と無機微粒子とを混合したコーティング剤が挙げられる。
必要に応じて、大気中に浮遊するアミン等が侵入するのを防ぐために、レジスト膜に保護膜を形成してもよい。保護膜を形成することにより、放射線によりレジスト膜中に発生した酸が、大気中に不純物として浮遊しているアミン等の酸と反応する化合物と反応して失活し、レジスト像が劣化し感度が低下することを防止できる。保護膜用の材料としては水溶性かつ酸性のポリマーが好ましい。例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸等が挙げられる。
高精度の微細パターンを得るため、また露光中のアウトガスを低減するため、放射線照射前(露光前)に加熱するのが好ましい。その加熱温度は、フォトレジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜150℃である。
次いで、KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する。露光条件等は、フォトレジスト組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後(露光後)に加熱するのが好ましい。露光後加熱温度(PEB)は、フォトレジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜150℃である。
次いで、露光されたレジスト膜をアルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成できる。前記アルカリ現像液としては、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物の1種以上を溶解した、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%のアルカリ性水溶液を使用する。アルカリ現像液には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類や前記界面活性剤を適量添加することもできる。これらのうちイソプロピルアルコールを10〜30重量%添加することが特に好ましい。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を用いた場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
酸解離性溶解抑止基を有する環状化合物をフォトレジスト基材として用いる場合は、KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光することにより、酸解離性溶解抑止基が脱離ないし構造が変化することにより、アルカリ現像液に溶解するようになる。一方、パターンの露光されていない部分はアルカリ現像液に溶解しないことが好ましい。
アルカリ現像液に対する非溶解性については、形成するパターンのサイズ、使用するアルカリ現像液の種類等の現像条件により、好ましい非溶解性が異なるため一概に規定することはできないが、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液をアルカリ現像液として用いる場合、フォトレジスト基材からなる薄膜の現像液溶解速度で表される非溶解性としては、1ナノメートル/秒未満が好ましく、0.5ナノメートル/秒未満が特に好ましい。
尚、場合によっては上記アルカリ現像後、ポストベーク処理を行ってもよいし、基板とのレジスト膜の間には有機系又は無機系の反射防止膜を設けてもよい。
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングは、プラズマガスを使用するドライエッチング、アルカリ溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液等を用いるウェットエッチング等公知の方法で行うことができる。レジストパターンを形成した後、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等のめっき処理を行うこともできる。
エッチング後の残留レジストパターンは、有機溶剤やアルカリ現像液より強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記有機溶剤としては、PGMEA、PGME、EL、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、強アルカリ水溶液としては、例えば、1〜20重量%の水酸化ナトリウム水溶液、及び1〜20重量%の水酸化カリウム水溶液が挙げられる。剥離方法としては、例えば、浸漬方法、スプレイ方式等が挙げられる。またレジストパターンが形成された配線基板は、多層配線基板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
本発明のフォトレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した後、金属を真空蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶離する方法、すなわちリフトオフ法により配線基板を形成することもできる。
本発明のフォトレジスト組成物を用いて微細加工方法により、半導体装置を作製できる。この半導体装置は、テレビ受像機、携帯電話、コンピュータ等の電気製品(電子機器)、ディスプレイ、コンピュータ制御する自動車等の様々な装置に備えることができる。
本発明の化合物は公知の成形方法によって各種成形品(シリコンウェハ等の基板に形成した薄膜、フィルム、薄板、ファイバー等)を製造することができる。
成形方法としては、射出成型法、射出圧縮成型法、押出成型法、ブロー成型法、加圧成型法、トランスファー成型法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、キャスト法、蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法等が挙げられ、これら成形方法を所望の製品の形態、性能に応じて適宜選択できる。
また、本発明の化合物を用いて上記の方法により薄膜を得て、得られた薄膜を熱、紫外線、深紫外線、真空紫外線、極端紫外線、電子線、プラズマ、X線等により硬化(環化付加反応)させてもよい。
スピンコーティング法等により本発明の化合物を薄膜状に成形する場合、本発明の化合物を有機溶媒に溶解させた塗料を使用することができる。
有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アニソール、アセトフェノン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。
塗料中における本発明の化合物の濃度は、塗料の粘度や薄膜形成方法等を考慮して適宜調製すればよい。
薄膜の厚さは特に限定されないが、一般に10nm〜10μm程度のものが好適に使用される。薄膜の膜厚は、エリプソメータ、反射光学式膜厚計等による光学的膜厚測定、触針式膜厚測定器やAFM等による機械的膜厚測定が可能である。
本発明の薄膜は、フォトレジスト薄膜としての用途の他、光学レンズ、光ファイバー、光導波路、フォトニック結晶等の種々の光情報処理装置向け光学薄膜、半導体用層間絶縁膜、半導体用保護膜等のULSI装置向け薄膜、液晶ディスプレー、液晶プロジェクター、プラズマディスプレー、ELディスプレー、LEDディスプレー等の画像表示装置向け薄膜、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等に使用される薄膜として有用である。さらにこれら薄膜は、CPU、DRAM、フラッシュメモリ等の半導体装置、情報処理用小型電子回路装置、高周波通信用電子回路装置等の電子回路装置、画像表示装置、光情報処理用装置、光通信用装置等の部材、表面保護膜、耐熱膜において利用することもできる。
[環状化合物の合成]
製造例1
下記式に示す環状化合物の前駆体(1)を合成した。
窒素導入管、温度計、メカニカルスターラー及びジムロート氏冷却管を備えた容量300mlの4口フラスコに、5.51gのレゾルシノール(50ミリモル:和光純薬工業製)、p−ホルミル安息香酸7.51g(50ミリモル:和光純薬工業製)を仕込み、エタノール40mlを加えて撹拌し、窒素を導入して窒素雰囲気とした。続いて滴下ロートから、濃塩酸10mlを、フラスコ内部の温度が35℃を超えない程度にゆっくりと加えた。濃塩酸滴下終了後、フラスコをオイルバスにつけて80℃(フラスコ内部)に加熱し3時間反応させた。加熱を停止して、反応フラスコ内部を室温程度に冷却した後に、反応で生成した固体を、ろ過し、少量のエタノールで洗浄した。
得られた固体を、200〜300mlのビーカーに移し、脱イオン水100mlを加え、マグネチックスターラーで10分間程度撹拌した。撹拌の後、再びろ過し、脱イオン水で洗浄した。同じ操作をもう一度繰り返し、ろ液が中性であることを確認した後に真空下で16時間乾燥させた。
得られた6.41gの白色の結晶体を300mlのナスフラスコに仕込み、80mlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を加え、マグネチックスターラーで撹拌しながら65℃のオイルバスで加熱して完全に溶かした。
一晩放置した後に、撹拌しながらアセトンを少量ずつ、濁りが消えなくなるまで加え、その後1日放置した。得られた結晶をろ過して取り出し、少量のアセトンで洗浄し、真空下で16時間乾燥させて回収した。
H−NMRの結果から、回収した化合物が上記の前駆体(1)(カリックスレゾルシナレン誘導体)であることを確認した(収量:1.73g(1.79ミリモル)収率:14%)。
H−NMRデータ:(内部標準テトラメチルシラン:溶媒(CDSO:ppm):5.49(2H,s),5.58(4H,s),6.14(2H,s),6.34(2H,s),6.40(2H,s),6.70(8H,d),7.47(8H,d),8.58(4H,s),8.77(4H,s),12.26(4H,bs)
製造例2
下記式に示す環状化合物(2)を合成した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換した三口フラスコ(容量1リットル)に、製造例1において合成した前駆体(1)(10.0g、10ミリモル)及びジメチルホルムアミド(344ミリリットル)を封入し、40℃まで加熱することで溶解させた。室温まで放冷した後0℃まで冷却し、トリエチルアミン(10.4g、103ミリモル)を加え10分攪拌し、アダマンチルオキシメチレンクロリド(10.9g、54ミリモル)を加えた。室温まで昇温し21時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、前駆体(2)を10.5g得た(6.5ミリモル、収率62%)。H−NMRの結果(図1)から、環状化合物(2)であることを確認した。
実施例1
十分乾燥し窒素ガスにて置換した二口フラスコ(容量100ミリリットル)に、製造例2において合成した前駆体(2)(0.69g、0.42ミリモル)、炭酸ナトリウム(0.45g、4.24ミリモル)及びジメチルホルムアミド(14ミリリットル)を封入し攪拌した。続いて、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.41g、2.1ミリモル)を加え、70℃で3時間加熱攪拌を行った。室温まで放冷した後0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、下記に示す環状構造に含まれる芳香環の置換基Rが水酸基又はtert−ブチロキシカルボニルメチレンオキシ基である環状化合物の混合物であり、混合物中における環状構造に含まれる芳香環の置換基Rのtert−ブチロキシカルボニルメチレンオキシ基の導入率の平均値が43%である環状化合物(3)を得た(0.61g、0.30ミリモル、収率72%、保護率43%)。H−NMRの結果(図2)から、本発明の環状化合物(3)であることを確認した。
実施例2
窒素気流下、200ml三口フラスコに製造例2において合成した前駆体(2)(1.498g,0.92ミリモル)、DMF30ml、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(0.77ml)を封入し、室温にて10分間攪拌を行った。その後、0℃にて3−クロロメチル−6−ヒドロキシ−2−ノルボルナンカルボン酸ラクトン0.856gを加えた。室温に戻し、8.5時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、下記に示す環状化合物(A)を得た(1.32g)。H−NMRの結果(図3)から、本発明の環状化合物(A)であることを確認した。
製造例3
下記式に示す環状化合物(4)を合成した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換した二口フラスコ(容量1リットル)に、製造例1において合成した前駆体(1)(5.0g、5.1ミリモル)、炭酸水素ナトリウム(2.0g、24ミリモル)及び1−メチル−2−ピロリドン(100ml)を封入し攪拌した。続いて、ブロモ酢酸tert−ブチル(4.5g、23ミリモル)を加え、70℃で17時間加熱攪拌を行った。室温まで放冷した後0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ環状化合物(4)を得た(6.8g、4.8ミリモル、収率92%)。H−NMRの結果(図4)から、環状化合物(4)であることを確認した。
実施例3
十分乾燥し窒素ガスにて置換した二口フラスコ(容量200ミリリットル)、製造例3において合成した環状化合物(4)(1.5g、1.0ミリモル)及び炭酸セシウム(2.7g、8.3ミリモル)、ジメチルホルムアミド(35ミリリットル)を封入し撹拌した。反応溶液を0℃まで冷却し、ヨードメタン(0.59g、4.2ミリモル)を加えた後に室温まで昇温し29時間撹拌を行った。続いて、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させ、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、下記に示す、環状構造に含まれる芳香環の置換基Rが水酸基又はメトキシ基である環状化合物の混合物であり、混合物中における環状構造に含まれる芳香環の置換基Rのメトキシ基の導入率の平均値が50%である環状化合物(5)を得た(1.2g、0.85ミリモル、収率83%)。H−NMRの結果(図5)から、環状化合物(5)であることを確認した。
製造例4
下記式に示す環状化合物(6)を合成した。
十分乾燥し窒素ガスにて置換した二口フラスコ(容量1リットル)に、製造例1において合成した前駆体(1)(10g、10ミリモル)、炭酸水素ナトリウム(3.9g、46ミリモル)及び1−メチル−2−ピロリドン(100ml)を封入した。続いて、1−エチルシクロヘキシル−2−ブロモアセテート(11g、44ミリモル)を加え、70℃にて22時間撹拌を行った。続いて、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることで反応を停止させ、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、環状化合物(6)を得た(14g、8.5ミリモル、収率82%)。H−NMR(図6)の結果から、環状化合物(6)であることを確認した。
実施例4
十分乾燥し窒素ガスにて置換した二口フラスコ(容量100ミリリットル)、製造例4において合成した環状化合物(6)(0.5g、0.3ミリモル)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(1.0g、6.6ミリモル)、ジメチルホルムアミド(10ミリリットル)を封入し撹拌した。反応溶液を0℃まで冷却し、ヨードメタン(0.8g、5.6ミリモル)を加えた後に室温まで昇温し、16時間攪拌を行った。続いて、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させ、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、下記に示す、環状構造に含まれる芳香環の置換基Rが水酸基又はメトキシ基である環状化合物の混合物であり、混合物中における環状構造に含まれる芳香環の置換基Rのメトキシ基の導入率の平均値が30%である環状化合物(7)を得た(0.4g、0.2ミリモル、収率86%)。H−NMRの結果(図7)から、環状化合物(7)であることを確認した。
実施例5
窒素気流下、200ml三口フラスコに製造例4において合成した前駆体(6)(1.502g,0.91ミリモル)、DMF30ml、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(3.1ml)を封入し、室温にて10分間攪拌を行った。その後、0℃にてイソブチルブロミド2.3gを加えた。室温に戻し、9時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、下記に示す環状構造に含まれる芳香環の置換基Rが水酸基又はイソブチレンオキシ基である環状化合物の混合物であり、混合物中における環状構造に含まれる芳香環の置換基Rのイソブチレンオキシ基の導入率の平均値が22%である環状化合物(B)を得た(1.243g)。H−NMRの結果(図8)から、本発明の環状化合物(B)であることを確認した。
実施例6
窒素気流下、200ml三口フラスコに製造例4において合成した前駆体(6)(1.498g、0.91ミリモル)、DMF30ml、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(1.55ml)を封入し、室温にて10分間攪拌を行った。その後、0℃にてクロロメチルシクロヘキシルエーテル1.25gを加えた。室温に戻し、9時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えることで反応を停止させた。続いて、酢酸エチルにて反応溶液を抽出し、純水及び飽和食塩水にて洗浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンの混合溶媒にて再沈殿させ、下記に示す環状構造に含まれる芳香環の置換基Rが水酸基又はシクロヘキシロキシメチレンオキシ基である環状化合物の混合物であり、混合物中における環状構造に含まれる芳香環の置換基Rのシクロヘキシロキシメチレンオキシ基の導入率の平均値が46%である環状化合物(C)を得た(1.559g)。H−NMRの結果(図9)から、本発明の環状化合物(C)であることを確認した。
実施例7
実施例6のクロロメチルシクロヘキシルエーテルの代わりに2−クロロメトキシアダマンタン(0.846g)を用いた以外は、実施例6と同様に下記化合物(D)を白色固体として得た(収量1.582g)。H−NMRの結果(図10)から、本発明の環状化合物(D)であることを確認した。
実施例8
実施例6のクロロメチルシクロヘキシルエーテルの代わりに3−クロロメチル−6−ヒドロキシ−2−ノルボルナンカルボン酸ラクトン(0.857g)を用いた以外は、実施例6と同様の手順で下記化合物(E)を白色固体として得た(収量1.534g)。H−NMRの結果(図11)から、本発明の環状化合物(E)であることを確認した。
[フォトレジスト組成物の作製]
実施例9
基材として、実施例1にて製造した官能基が2種類存在する環状化合物(3)を87重量部使用し、PAGとしてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート20重量部、クエンチャーとして1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン3重量部を使用した。これらの固体成分の濃度が2.5重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させて、環状化合物(3)を基材として用いたフォトレジスト組成物を製造した。
実施例10〜16 比較例1,2
環状化合物(3)に代えて、表1に記載の環状化合物(実施例2〜8及び製造例2,3で合成したもの)を使用した他は、実施例9と同様にしてフォトレジスト組成物を製造した。
[電子線描画装置によるパターン形成]
実施例9〜16及び比較例1,2で作製したフォトレジスト組成物を、それぞれ、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施したシリコンウェハ上にスピンコートし、100℃で180秒加熱することにより薄膜を形成させた。
次いで、この薄膜を有する基板に対して電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画し、100℃で60秒ベークした後、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像処理し、純水にて60秒洗浄、その後、窒素気流により乾燥した。
ここで、比較例1[環状化合物(4)]の場合は、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて処理したところ、シリコンウェハ上の薄膜が全て溶解し、パターンが得られなかった。
その他の例の場合は、電子線を照射した部分のみが溶解し、所望の微細パターンが得られた。それぞれの走査型電子顕微鏡による観察結果から得られた、サイズが1/1のライン/スペースパターンを作製した際の解像度(ハーフピッチ)と感度(必要な電子線ドーズ量)を表1に示す。
尚、クエンチャーとして1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンの代わりにトリn−オクチルアミンを用いても結果は同一であった。
[EUV露光装置によるパターン形成]
上記のフォトレジスト薄膜を有する基板に対して、電子線描画装置に替えてEUV露光装置を用いてEUV光(波長:13.5nm)を照射した。その後、100℃で90秒ベークし、2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で30秒間、イオン交換水で30秒間リンスすることでパターンを形成した。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、電子線描画装置の場合と同様の解像度であることが観察された。
本発明の環状化合物は、フォトレジスト基材又は組成物、特に極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト基材又は組成物に好適に使用できる。本発明の化合物及びフォトレジスト組成物は、半導体装置等の電気・電子分野や光学分野等において好適に用いられる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表わされ、下記の条件(A)〜(C)のいずれか1つ以上を満たす環状化合物。
    (A)少なくとも分子中に2種以上の溶解性調整基を有する
    (B)少なくとも分子中に2種以上の酸解離性溶解抑止基を有する
    (C)少なくとも分子中に溶解性調整基及び酸解離性溶解抑止基を有する
    [式中、Rは水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基、あるいはこれら基のうち2種以上を組み合わせた基、又は下記式(2)〜(4)のいずれかで表される基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
    は水素、水酸基、溶解性調整基1、又は式(I)〜(IV)のいずれかで示す酸解離性溶解抑止基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
    前記溶解性調整基1は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状アルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーロキシ基、アルコキシアルキロキシ基、シロキシ基、又はこれらの基と二価の基とが結合した基であり、
    前記二価の基は、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、置換もしくは無置換のアリーレンオキシ基、置換もしくは無置換のシリレンオキシ基、これらの基が2以上結合した基、又はこれらの基と、エステル結合、炭酸エステル結合又はエーテル結合が結合した基である。
    は前記Rで表される基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族基又は酸素原子を含む基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
    (式(2)〜(4)中、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基、又はアルキレン基及びエーテル結合の少なくとも一方の1つ以上と置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリーレン基を組み合わせた基であり、
    置換基を有する場合の置換基は、臭素、フッ素、ニトリル基、又は炭素数1〜10のアルキル基である。
    は水酸基、溶解性調整基2、又は下記式(I)〜(IV)のいずれかで示す酸解離性溶解抑止基であり、それぞれのRは同じであっても異なっていても良い。
    前記溶解性調整基2は、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、シリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基であり、
    前記二価の基は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合した基、又はこれらの基1以上と、エステル結合、炭酸エステル結合及びエーテル結合から選択される1以上の基が結合した基である。
    、Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、それぞれのR又はRは同じであっても異なっていても良い。
    は、アルキレン基、エーテル結合、アルキレン基を2以上組み合わせた基、又はアルキレン基1以上とエーテル結合1以上を組み合わせた基である。
    xは1〜5、yは0〜3、zは0〜4の整数である。
    複数のAr、A、x、y及びzは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
    (式(I)〜(IV)において、
    αは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。
    βは、三級脂肪族構造、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基である。
    γは、芳香族構造、単環状脂肪族構造又は複環状脂肪族構造を有する基が置換したアルコキシ基、又は芳香族構造、単環状脂肪族構造、複環状脂肪族構造のうち1以上の構造と、炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基を組み合わせた基が置換したアルコキシ基である。
    δは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の分岐脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基である。)]
  2. 前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(6)〜(37)から選択される基である請求項1に記載の環状化合物。
    (式中、rはそれぞれ上記式(6)〜(34)で表される置換基のいずれかを表す。)
  3. 請求項1又は2に記載の環状化合物と溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の環状化合物を含む薄膜。
  5. 請求項3に記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
  6. 請求項5に記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
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