JPWO2010053116A1 - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

吹き消え等の発生を抑制し、着火性の向上を図ることのできるスパークプラグ及びその製造方法を提供する。スパークプラグの接地電極27には、中心電極5に対向する凸部28が形成されている。凸部28の先端面には、その中央に貴金属チップ32を備えるとともに、当該貴金属チップ32の周囲に隣接して環状の溶融部33と、さらにその外周側において環状の電極母材面とを備えている。そして、貴金属チップ32を含む凸部28の先端と、中心電極5との間において火花放電ギャップ35が形成される。

Description

本発明は、自動車エンジン等の内燃機関に使用されるスパークプラグ及びその製造方法に関するものである。
一般的に自動車エンジン等の内燃機関に使用されるスパークプラグは、中心電極と接地電極との間の火花放電ギャップにおいて火花放電を生じさせることにより、内燃機関の燃焼室に供給される混合気に点火する構成となっている。
近年では、排ガス規制への対応や燃費向上の観点から、リーンバーンエンジンや、直噴エンジン、低排ガスエンジン等の内燃機関の開発が積極的に行われている。このような内燃機関においては、混合気に点火するために、従来よりも着火性の高いスパークプラグが要求される。
着火性を高めたスパークプラグとしては、接地電極側において凸部を備えたものが知られている。
例えば、ニッケル合金等により形成される接地電極の電極母材に対し、耐火花消耗性や耐酸化消耗性に優れるイリジウム合金や白金合金等の貴金属チップを溶接して凸部を形成したものや、貴金属チップの代わりに、接地電極の電極母材自体を加工して凸部を形成したものなどが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−286469号公報
しかしながら、内燃機関側でも、着火性を向上させるため、燃焼室内における混合気の流速を速くした高スワールのものが増えてきている。このような内燃機関では、火花放電ギャップにおいて発生した火花が吹き流されて失火する、いわゆる吹き消え等の不具合が発生するおそれが高くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吹き消え等の発生を抑制し、着火性の向上を図ることのできるスパークプラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる中心電極と、当該中心電極を保持する絶縁体と、当該絶縁体を保持する主体金具と、当該主体金具の先端部に自身の基端部が接合され、屈曲して自身の先端部の内側面が前記中心電極の先端部を臨むように固定される接地電極と、前記接地電極の内側面に接合された貴金属チップとを備え、前記中心電極と前記接地電極の貴金属チップとの間に火花放電間隙が形成されるスパークプラグであって、
前記接地電極の内側面には、ニッケルを主成分とした当該接地電極の電極母材からなりかつ前記軸線方向に沿って突出した柱状の凸部が形成され、
前記凸部の先端面には、当該凸部の先端面の面積よりも断面積の小さい前記貴金属チップが接合されるとともに、当該貴金属チップの周囲の少なくとも一部において前記接地電極の電極母材からなる放電許容面が形成され、
前記軸線方向における前記中心電極の放電面から前記接地電極の貴金属チップの放電面までの距離である前記火花放電間隙の間隔が0.8mm以上であり、
前記軸線方向における前記接地電極の貴金属チップの放電面から前記接地電極の内側面までの距離である前記接地電極の貴金属チップの突き出し寸法が0.5mm以上であり、
前記軸線方向と直交する平面に前記中心電極の放電面と前記接地電極の貴金属チップの放電面とを投影したとき、前記接地電極の貴金属チップの放電面の投影像の領域外に前記中心電極の放電面の投影像がはみ出さないことを特徴とする。
上記構成1によれば、接地電極に形成された凸部の先端面には、主として放電面を構成する貴金属チップが接合されるとともに、当該貴金属チップの周囲に、ニッケルを主成分とした電極母材からなる放電許容面が形成されている。
これにより、通常時には、中心電極と接地電極の貴金属チップとの間で放電が行われるのに対し、スワール等の影響により火花が流された場合には、貴金属チップの周囲の放電許容面(ニッケル母材部分)が放電面として機能し、放電が維持される。
電極母材となるニッケル合金は、貴金属チップを構成するイリジウムや白金等の貴金属に比べて酸化しやすい。このため、スパークプラグの使用を進めるうちに、燃焼室内で高温の雰囲気に晒されることで、電極母材表面には酸化膜が形成される。一般的に金属酸化物はイリジウムや白金等の貴金属に比べて、仕事関数が小さくなることから、酸化膜が形成された電極母材部分において放電が起こる場合には、放電が維持されやすいと考えられる。
結果として、貴金属チップを用いて電極の耐久性低下を抑制しつつも、吹き消え等の発生を抑制し、着火性の向上を図ることができる。
但し、軸線方向と直交する平面に中心電極の放電面と接地電極の貴金属チップの放電面とを投影したとき、接地電極の貴金属チップの放電面の投影像の領域外に中心電極の放電面の投影像がはみ出すような構成では、放電許容面(ニッケル母材部分)に火花が飛びやすくなってしまい、耐久性が低下するおそれがある。つまり、耐久性向上のために貴金属チップを設ける意味が薄れる。
これに対し、本構成1のように、接地電極の貴金属チップの放電面の投影像の領域外に中心電極の放電面の投影像がはみ出さない構成とすれば、スワール等の影響がない状況下においては中心電極と接地電極の貴金属チップとの間において放電が行われ、スワール等によって火花が流された際には、放電許容面で放電が維持される。結果として、放電許容面への飛火を抑え、耐久性低下を抑制することができる。
また、火花放電間隙の間隔が0.8mmを下回る構成や、接地電極の貴金属チップの突き出し寸法が0.5mmを下回る構成のスパークプラグにおいては、そもそも吹き消えなど上記不具合は発生し難い。従って、上述した本構成1の作用効果は、火花放電間隙の間隔が0.8mm以上で、かつ、貴金属チップの突き出し寸法が0.5mm以上のスパークプラグにおいて、より奏効することとなる。
ここで、「主成分」とあるのは、材料中、最も質量比の高い成分を指すものである(以下、同様とする)。
尚、貴金属チップを凸部にレーザ溶接した場合には、貴金属チップの周囲に溶融部が形成されるが、この溶融部は接地電極の電極母材と貴金属チップとが溶け合ってできたものであるため、「接地電極の電極母材からなる放電許容面」には含まれない。
一方、貴金属チップを凸部に抵抗溶接した場合には、当該溶接に際し貴金属チップによって電極母材表面が押し退けられるようにして当該貴金属チップの周囲に溶接ダレが形成されるが、この溶接ダレは、電極母材と同様の成分組成となっているため、「接地電極の電極母材からなる放電許容面」に含まれることとしてもよい。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、
前記放電許容面の端縁に面取り部を形成したことを特徴とする。
面取り部としては、例えば、湾曲形状のR面取り部や、テーパ形状のC面取り部などが挙げられる。
上記構成2によれば、放電許容面の端縁、すなわち凸部の先端面と側面とがなす角部に面取り加工が施され、面取り部が形成されることにより、角部での吹き消えの発生を抑制することができる。結果として、上記構成1の作用効果をより高めることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、
前記放電許容面は前記貴金属チップの周囲全周にわたって形成されていることを特徴とする。
上記構成3によれば、貴金属チップの周囲全周にわたって放電許容面が形成されているため、スワール等によって火花が如何なる方向に流された際でも、確実に放電が維持されることとなる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、
前記凸部の外周と前記貴金属チップの外周との最小距離を0.1mm以上、0.5mm以下としたことを特徴とする。
凸部の先端面の面積よりも貴金属チップの断面積を小さく設定したとしても、両者の外周の最小距離が0.1mmを下回って放電許容面の面積が小さい場合には、上記構成1の作用効果を得ることが難しくなるおそれがある。また、両者の外周の最小距離が0.5mmを上回って放電許容面の面積が大きくなってしまうと、着火性や加工性の低下を招くおそれがある。これに鑑み、上記構成4を採用することで、このような不具合の発生を防ぐとともに、上記構成1の作用効果がより確実に奏されることとなる。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、
前記軸線方向における前記凸部の先端面からの前記貴金属チップの出寸法を0mm以上、0.2mm以下としたことを特徴とする。
貴金属チップの出寸法が0mmを下回る場合、すなわち貴金属チップが凸部の先端面よりも凹んでいる場合には、中心電極と貴金属チップ周囲の放電許容面との距離が中心電極と貴金属チップとの距離よりも小さくなるため、放電許容面に火花が飛びやすくなってしまい、耐久性が低下するおそれがある。つまり、耐久性向上のために貴金属チップを設ける意味が薄れる。また、出寸法が0.2mmを上回るくらいに大きくなると、従来同様に吹き消えが発生するおそれが高まる。これに鑑み、通常時は貴金属チップにおいて放電を行い、スワール等によって火花が流された際には、放電許容面で放電が維持されるようにするためには、上記構成5とすることが好ましい。この結果、上記構成1の作用効果がより確実に奏されることとなる。
構成6.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、
前記軸線方向に対して前記接地電極の内側面とは反対にあたる外側面において、前記凸部に対応する位置に穴部が形成されていることを特徴とする。
構成7.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる中心電極と、当該中心電極を保持する絶縁体と、当該絶縁体を保持する主体金具と、当該主体金具の先端部に自身の基端部が接合され、屈曲して自身の先端部の内側面が前記中心電極の先端部を臨むように固定される接地電極と、前記接地電極の内側面に設けられた柱状の凸部と、前記凸部の先端面に接合された貴金属チップとを備え、前記中心電極と前記接地電極の貴金属チップ及び前記凸部の先端面との間に火花放電間隙が形成されるスパークプラグの製造方法であって、
略直棒状に形成された前記接地電極の原体に対し前記貴金属チップを溶接する溶接工程と、
前記接地電極の原体のうち少なくとも前記貴金属チップの含まれる範囲を前記貴金属チップを溶接した側とは反対側から押出加工して前記凸部を成形する押出工程と、
前記接地電極の原体を屈曲加工して、前記貴金属チップを含む前記凸部の先端面を前記中心電極の先端部に臨ませるようにして前記火花放電間隙を形成する屈曲工程とを備えたことを特徴とする。
上記構成7によれば、凸部を形成する前に貴金属チップの溶接を行うことで、溶接工程が比較的容易となる。さらに、押出加工により凸部を形成することで、凸部の所望の突出量を確保しやくなる。
本実施形態のスパークプラグの全体を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部(中心電極及び接地電極)付近の要部を拡大した一部破断拡大図である。 接地電極の凸部を中心電極側から軸線方向に見た模式図である。 接地電極の凸部付近を示す断面模式図である。 中心電極及び接地電極付近の要部を拡大した一部破断拡大図である。 軸線方向と直交する平面に投影された中心電極の貴金属チップと接地電極の貴金属チップの投影像を示す模式図である。 従来の中心電極及び接地電極付近の要部を拡大した一部破断拡大図である。 別の実施形態における接地電極の凸部を中心電極側から軸線方向に見た模式図である。 別の実施形態における接地電極の凸部付近を示す断面模式図である。 別の実施形態における接地電極の凸部付近を示す断面模式図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線C1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、長尺状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線C1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入・固定され、後端部側には端子電極6が挿入・固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、軸線C1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成され、内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。なお、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
主体金具3の先端面26には、略L字状をなす接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その内側面が中心電極5の先端部と対向するように配置されている。
ここで、中心電極5及び接地電極27の構成について図2を参照して詳しく説明する。図2は、スパークプラグ1の先端部(中心電極5及び接地電極27)付近の要部を拡大した一部破断拡大図である。
中心電極5及び接地電極27の電極母材は、ニッケルを主成分とするニッケル(Ni)合金からなる。但し、中心電極5の内部には、熱伝導性を高めるため、銅又は銅合金からなる伝導芯が埋め込まれている。これにより、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5A及びNi合金からなる外層5Bからなる。
中心電極5は、全体として棒状をなすとともに、その先端側が縮径されている。中心電極5の先端には、円柱状をなす貴金属チップ31が抵抗溶接やレーザ溶接等により接合されている。
また、これに対向する接地電極27の内側面27aには、貴金属チップ31に対向して凸部28が形成されている。凸部28は、軸線C1方向に沿って、接地電極27の内側面27aから中心電極5側に向け突出し、軸線C1方向と直交する径方向(図2左右方向)に沿った断面形状が略円形の円柱状をなす。凸部28は、後述するように、接地電極27の外側面27bから押出し加工により形成される。そのため、接地電極27の外側面27bには、押出し加工の際に形成された有底の穴部29が開口している。
凸部28の先端面には、円柱状の貴金属チップ32がレーザ溶接により接合されている。貴金属チップ32は、イリジウムや白金等の貴金属を主成分とする貴金属合金により形成されている。
図3,4に示すように、貴金属チップ32の断面積は、凸部28の先端面の面積よりも小さく設定されている。このため、凸部28の先端面は、中央に貴金属チップ32を備えるとともに、当該貴金属チップ32の周囲に隣接して、レーザ溶接に際し形成された環状の溶融部33と、さらにその外周側において環状の電極母材面28aとを有した構成となっている。当該電極母材面28aが本実施形態における放電許容面を構成する。本実施形態における電極母材面28aは、貴金属チップ32の周囲全周にわたって形成されており、凸部28の径方向における幅(凸部28の外周と、貴金属チップ32及び溶融部33を含むエリアの外周との最小距離)Xが0.1mm以上、0.5mm以下となるように設定されている。
また、図4に示すように、貴金属チップ32は、凸部28の電極母材面28aと面一又は当該電極母材面28aから突出するように接合されている。本実施形態では、凸部28の電極母材面28aから貴金属チップ32の放電面(中心電極5の貴金属チップ31と対向する面)32aまでの軸線C1方向に対する距離、すなわち貴金属チップ32の出寸法Yが0mm以上、0.2mm以下となるように設定されている。
上記構成の下、中心電極5と凸部28との間に火花放電間隙としての火花放電ギャップ35が形成される。そして、通常時は、主として上記貴金属チップ31,32間において放電が行われる一方、スワール等の影響により火花が流れた場合には、貴金属チップ32の周囲の電極母材面28aが放電面として機能し、放電が維持されることとなる。
結果として、上記構成のスパークプラグ1によれば、接地電極27の耐久性低下を抑制しつつも、吹き消え等の発生を抑制できかつ着火性の向上を図ることができる。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、接地電極27原体を作製する。より詳しくは、先ずNi合金を鋳造・焼鈍して接地電極27原体を作製する。例えば、真空溶解炉を用いて、Ni合金の溶湯を調製し、真空鋳造等にて各溶湯から鋳塊を調製した後、この鋳塊を、熱間加工、線引き加工等して、所定の寸法及び形状に加工して、接地電極27原体を作製する。
続いて、このように形成された接地電極27原体を主体金具中間体の先端面に抵抗溶接する。その後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27原体の溶接された主体金具3が得られる。接地電極27原体が溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキ等が施される。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。ここでは、Ni合金からなる外層5Bが鍛造加工され、その中央部には銅又は銅合金からなる内層5Aが設けられる。さらに、その先端部には、貴金属チップ31が抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27原体を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
続いて、絶縁碍子2を組み付けた主体金具3における接地電極27原体の所定部位に、貴金属チップ32をレーザ溶接により接合する。当該工程が本実施形態における溶接工程に相当する。
なお、貴金属チップ32をレーザ溶接する場合には、例えば接地電極27原体の所定部位に貴金属チップ32を予め抵抗溶接しておき、この抵抗溶接された貴金属チップ32の周囲にレーザ光を照射することによって貴金属チップ32と接地電極27原体とをレーザ溶接する。このため、貴金属チップ32の周囲には、当該溶接に際して、接地電極27の電極母材であるNi合金と、貴金属チップ32の成分である貴金属合金とが溶け合ってできる溶融部33が形成される。
そして、貴金属チップ32の溶接箇所を接地電極27原体の反対側から押出し加工して、凸部28及び穴部29を形成する。当該工程が本実施形態における押出工程に相当する。
このような接地電極27原体を作製するには、穴部を形成することのできるパンチ具を備えた公知の押出加工機を用いる方法等を採用することができる。
押出加工機としては、例えば、パンチ具と、当該パンチ具が貫通する貫通孔を有する板状の押え型と、接地電極27原体を収容する溝状の収容部及びこの収容部内に設けられた貫通孔を有し、押え型が上面に配置される受け型と、当該受け型の貫通孔に挿入される受けピンとを備えた押出加工機等が挙げられる。
この押出加工機を用いて接地電極27原体に対して押出し加工を行うには、接地電極27原体を収容部に収容した受け型の上面に押え型を重ね合わせて固定し、押え型の貫通孔から接地電極27原体にパンチ具を押圧し、これによって、受け型の貫通孔から接地電極27としたときの凸部28が受けピンで受けつつ押し出される。このとき、パンチ具の形状及び寸法を調整することによって穴部29の形状及び寸法を調整することができ、また、前記受け型の貫通孔及び/又は前記受けピンの形状及び寸法を調整することによって凸部28の形状及び寸法を調整することができる。
そして、最後に、接地電極27原体を屈曲させることで接地電極27を最終形状とし、火花放電ギャップ35を形成する。当該工程が本実施形態における屈曲工程に相当する。この際、中心電極5先端の貴金属チップ31と接地電極27側の貴金属チップ32を含む凸部28の先端面との間のギャップ調整が行われる。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認するべく、上述した電極母材面28aの幅X(以下、単に電極母材幅Xという)及び貴金属チップ32の出寸法Y(以下、単にチップ出寸法Yという)の異なる各種サンプルをそれぞれ1本ずつ作製し、机上火花放電試験を行い、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。
なお、サンプルとしては、電極母材幅Xを0mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mmに設定したものをそれぞれグループA〜グループHとし、グループB〜Hに対して、チップ出寸法Yを−0.1mm(貴金属チップ32の放電面32aが凸部28の電極母材面28aよりも凹んだもの)、0mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mmに設定したものをそれぞれサンプル1〜6として作製した。
そして、机上火花放電試験として、火花飛火性能試験及び火花飛火位置確認試験の2種類の試験を行った。
火花飛火性能試験では、0.4MPaの大気雰囲気下に設定されたチャンバー内に各サンプルを取付け、火花放電ギャップ35間に流速5.0m/secのエア流を与えた状態で、それぞれ100回の火花放電を行った。そして、各サンプルについて、吹き消え(放電の途切れ)の発生回数をビデオ映像及び放電波形の測定にて確認し、吹き消え発生率について検証した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2010053116
表1では、吹き消え発生率が10%未満にあるものを、火花飛火性能に特に優れるとして「◎」の評価を下し、吹き消え発生率が10%以上20%未満にあるものを、火花飛火性能に優れるとして「○」の評価を下すこととした。一方、吹き消え発生率が20%以上のものについては、火花飛火性能に問題があるとして「×」の評価を下すこととした。但し、表1で示す評価は、本試験における相対評価を示すものであり、判定が不可(×)であったとしても必ずしも製品として使用できないことを示すものではない。
表1から判るように、電極母材幅Xを0mmとしたグループAに関しては、吹き消え発生率が28%となり、他のグループB〜Hと比較して極端に吹き消え発生率が高いことが判る。なお、電極母材幅Xが0mm、すなわち貴金属チップ32の周囲に電極母材面28a(放電許容面)を有しないグループA(図7参照)に関しては、チップ出寸法Yと無関係であるため、この火花飛火性能試験においては、貴金属チップ32の厚みが0.3mmのサンプル(チップ出寸法Yが0.3mmのものに相当)のみ試験を行った。
また、グループB〜Hに関しては、サンプル1〜4と、サンプル5,6とを比較して判るように、チップ出寸法Yが0.3mm以上のサンプル5,6では、吹き消え発生率が高くなることが判る。これは、中心電極5から凸部28の電極母材面28aまでの火花放電ギャップ35の間隔が実質的に長くなるためと考えられる。
上記結果を踏まえて判断すると、電極母材幅Xに関しては0.1mm以上に設定するのが好ましく、チップ出寸法Yに関しては0.2mm以下に設定するのが好ましいことが判る。さらに、電極母材幅Xが0.6mm以上となるグループG,Hでは各サンプル1〜6とも、グループFのものと吹き消え発生率にほとんど差が見られないことから、電極母材幅Xの上限に関しては、着火性や加工性の低下などを考慮して、0.5mm以下とすることが好ましい。
また、火花飛火位置確認試験では、0.4MPaの大気雰囲気下に設定されたチャンバー内に各サンプルを取付けた上で、エア流を与えることなく、それぞれ100回の火花放電を行った。そして、各サンプルについて、接地電極27側の火花飛火位置をビデオ映像にて確認し、貴金属チップ32の放電面32aへの飛火率について検証した。その評価結果を表2,表3,表4に示す。なお、表2,表3,表4には、便宜上、グループB,D,F,Hのサンプル1〜4についてのみ示す。
Figure 2010053116
表2は、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1(図5参照)を0.8mm、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2(図5参照)を0.8mmに設定したサンプルの評価結果を示したものである。
Figure 2010053116
表3は、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1を0.8mm、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2を0.7mmに設定したサンプルの評価結果を示したものである。
Figure 2010053116
表4は、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1を0.8mm、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2を0.9mmに設定したサンプルの評価結果を示したものである。
表2から判るように、チップ出寸法Yを−0.1mmに設定したサンプル1については、各グループB,D,F,Hとも、貴金属チップ32の放電面32aへの飛火率が他のサンプル2〜4と比較して極端に低い。つまり、凸部28の電極母材面28aへの飛火率が高い。これは、貴金属チップ32の放電面32aが凸部28の電極母材面28aよりも凹んだ位置にあると、スワール等の影響がない状況においても、中心電極5(貴金属チップ31)と貴金属チップ32の周囲の電極母材面28aとの距離が中心電極5(貴金属チップ31)と貴金属チップ32の放電面32aとの距離よりも小さくなるため、凸部28の電極母材面28aに火花が飛びやすい状態となるためと考えられる。
従って、接地電極27の電極母材であるNi合金が貴金属チップ32よりも耐久性が低いことを考慮すれば、チップ出寸法Yを0mm以上に設定して、耐久性の向上を図ることが好ましい。
表2と表3に示した結果を比較して判るように、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1よりも、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2が小さい場合には、各グループB,D,F,Hの各サンプルとも、貴金属チップ32の放電面32aへの飛火率が極端に低い。つまり、凸部28の電極母材面28aへの飛火率が高い。これは、中心電極5の貴金属チップ31の放電面31a(図5参照)と軸線C1方向に対向する凸部28の電極母材面28aの面積が多いためと考えられる。
一方、表2と表4に示した結果を比較して判るように、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1よりも、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2が大きい場合には、両貴金属チップ31,32の径φ1,φ2が同一の場合と同様に、各グループB,D,F,Hの各サンプルとも、貴金属チップ32の放電面32aへの飛火率が高い。また、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1よりも、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2が大きい場合と、両貴金属チップ31,32の径φ1,φ2が同一の場合とでは、吹き消え発生率にほとんど差も見られない。
以上の結果から、図6に示すように、軸線C1方向と直交する平面に中心電極5の貴金属チップ31の放電面31aと接地電極27の貴金属チップ32の放電面32aとを投影したとき、接地電極27の貴金属チップ32の放電面32aの投影像32xの領域外に中心電極5の貴金属チップ31の放電面31aの投影像31xがはみ出さない構成とすることがより好ましいことが判る。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認するべく、比較例として、図7に示すような貴金属チップ32の周囲に電極母材面28a(放電許容面)を有しないスパークプラグに関し、接地電極27の内側面27aから貴金属チップ32の放電面32aまでの軸線C1方向に対する距離、すなわち貴金属チップ32の突き出し寸法Z(以下、単にチップ突き出し寸法Zという)、及び、火花放電ギャップ35の間隔G(以下、単にギャップ間隔Gという)を異ならせた各種サンプルをそれぞれ1本ずつ作製し、上記火花飛火性能試験と同条件下で同試験を行い、吹き消え発生率について検証した。その評価結果を表5に示す。
サンプルとしては、ギャップ間隔Gを0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.1mmに設定したものをそれぞれグループJ〜グループMとし、当該各グループ毎に、チップ突き出し寸法Zを0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.8mmに設定したものをそれぞれサンプル1〜5として作製した。なお、各サンプルとも、中心電極5の貴金属チップ31の径φ1は0.8mm、接地電極27の貴金属チップ32の径φ2は0.8mmに設定されている。
Figure 2010053116
表5では、吹き消え発生率が20%未満にあるものを、火花飛火性能に優れるとして「○」の評価を下すこととした。一方、吹き消え発生率が20%以上のものについては、火花飛火性能に問題があるとして「×」の評価を下すこととした。但し、表5で示す評価は、本試験における相対評価を示すものであり、判定が不可(×)であったとしても必ずしも製品として使用できないことを示すものではない。
表5から判るように、ギャップ間隔Gを0.6mm,0.7mmとしたグループJ,Kに関しては、チップ突き出し寸法Zが異なるすべてのサンプル1〜5において、吹き消え発生率が20%未満となり、他のグループL,M,Nと比較して吹き消え発生率が低いことが判る。つまり、ギャップ間隔Gが0.8mmを下回るような構成においては、そもそも吹き消え等が発生し難いことが判る。
また、グループL,M,Nに関しては、サンプル1,2と、サンプル3〜5とを比較して判るように、サンプル1,2では、吹き消え発生率が20%未満となり、チップ突き出し寸法Zが0.5mm以上のサンプル3〜5と比較して吹き消え発生率が低いことが判る。つまり、チップ突き出し寸法Zが0.5mmを下回るような構成においては、そもそも吹き消え等が発生し難いことが判る。
上記結果を踏まえて判断すると、ギャップ間隔Gが0.8mm以上でかつチップ突き出し寸法Zが0.5mm以上となるものにおいては、吹き消え等が発生する状況となりやすいと考えられるため、上述してきた本実施形態の種々の作用効果がより奏効することとなる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、凸部28の電極母材面28aの幅Xが0.1mm以上、0.5mm以下となるように設定されている。これに限らず、少なくとも貴金属チップ32の断面積が凸部28の先端面の面積よりも小さく設定され、凸部28の先端面にて、貴金属チップ32の周囲に電極母材面28aが形成される構成となっていればよい。但し、上記検証結果からも判るとおり、電極母材面28aの幅Xが0.1mm以上、0.5mm以下となることがより好ましい。
(b)上記実施形態では、貴金属チップ32の出寸法Yが0mm以上、0.2mm以下となるように設定されているが、出寸法Yはこれに限定されるものではない。但し、上記検証結果からも判るとおり、出寸法Yが0mm以上、0.2mm以下となることがより好ましい。
(c)上記実施形態における貴金属チップ31,32は、イリジウム合金や白金合金により形成されているが、これに限らず、他の貴金属を主成分とする貴金属合金により形成されたものであってもよい。また、中心電極5側の貴金属チップ31が省略された構成としてもよいが、耐久性向上の面からすれば、中心電極5側にも貴金属チップ31を備えることが好ましい。
(d)上記実施形態では、貴金属チップ32をレーザ溶接により接地電極27に接合しているが、これに限らず、抵抗溶接など他の方法により接合する構成としてもよい。抵抗溶接の場合には溶融部33が形成されないため、貴金属チップ32を除く大部分が電極母材面28aとなる。
(e)凸部28や貴金属チップ32としては、上記実施形態の円形状(円柱形状や断面円形チップ)のものに限定されず、異なる形状のもの、例えば多角形状(角柱形状や角チップ)のものを採用してもよい。例えば、図8,9に示すように、接地電極27の先端部に、当該接地電極27の先端面に沿って軸線C1方向(図9上下方向)に突出する四角柱形状の凸部28を形成するとともに、当該凸部28の先端面(図9上側)において、軸線C1方向と直交する方向(図8,9左右方向)に沿った断面形状が四角形状(長方形状)となる貴金属チップ32を接地電極27の先端面に沿って配設した構成としてもよい。
(f)上記実施形態では、電極母材面28aが貴金属チップ32の周囲全周にわたって形成されているが、これに限らず、図8,9に示すように、貴金属チップ32の周囲の少なくとも一部に電極母材面28aが形成された構成としてもよい。但し、貴金属チップ32の周囲全周にわたって電極母材面28aが形成されている方が、スワール等によって火花が如何なる方向に流された際でも、確実に放電が維持されることとなるため、より好ましい。
(g)上記実施形態に限らず、図10に示すように、電極母材面28aの端縁に面取り加工を施し、面取り部28bを設けた構成としてもよい。また、図10では、面取り部28bとして、湾曲形状のR面取り部が例示されているが、これに限らず、テーパ形状のC面取り部などを採用してもよい。
ここで、電極母材幅X及びチップ出寸法Yを異ならせた上記グループA〜グループHのサンプル1〜6に関し、それぞれ電極母材面28aの端縁に面取り部28bを設けた場合の吹き消え発生率と、面取り部28bを設けない場合の吹き消え発生率について比較検証する。各サンプルについて、上記実施形態の火花飛火性能試験と同条件下で同試験を行った結果を以下の表6に示す。
Figure 2010053116
表6では、吹き消え発生率が10%未満にあるものを、火花飛火性能に特に優れるとして「◎」の評価を下し、吹き消え発生率が10%以上20%未満にあるものを、火花飛火性能に優れるとして「○」の評価を下すこととした。なお、表6には、便宜上、グループB,D,F,G,Hのサンプル4〜6についてのみ示す。
表6から判るように、すべてのサンプルにおいて、電極母材面28aの端縁に面取り部28bを設けた場合の方が、設けない場合よりも、吹き消え発生率を低減できることが判る。これは、面取り部28aが形成されることにより、飛火可能な放電許容面の面積が実質的に増えるためと考えられる。
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、5…中心電極、27…接地電極、28…凸部、28a…電極母材面、29…穴部、31,32…貴金属チップ、33…溶融部、35…火花放電ギャップ、C1…軸線、X…電極母材幅、Y…チップ出寸法。

Claims (7)

  1. 軸線方向に延びる中心電極と、当該中心電極を保持する絶縁体と、当該絶縁体を保持する主体金具と、当該主体金具の先端部に自身の基端部が接合され、屈曲して自身の先端部の内側面が前記中心電極の先端部を臨むように固定される接地電極と、前記接地電極の内側面に接合された貴金属チップとを備え、前記中心電極と前記接地電極の貴金属チップとの間に火花放電間隙が形成されるスパークプラグであって、
    前記接地電極の内側面には、ニッケルを主成分とした当該接地電極の電極母材からなりかつ前記軸線方向に沿って突出した柱状の凸部が形成され、
    前記凸部の先端面には、当該凸部の先端面の面積よりも断面積の小さい前記貴金属チップが接合されるとともに、当該貴金属チップの周囲の少なくとも一部において前記接地電極の電極母材からなる放電許容面が形成され、
    前記軸線方向における前記中心電極の放電面から前記接地電極の貴金属チップの放電面までの距離である前記火花放電間隙の間隔が0.8mm以上であり、
    前記軸線方向における前記接地電極の貴金属チップの放電面から前記接地電極の内側面までの距離である前記接地電極の貴金属チップの突き出し寸法が0.5mm以上であり、
    前記軸線方向と直交する平面に前記中心電極の放電面と前記接地電極の貴金属チップの放電面とを投影したとき、前記接地電極の貴金属チップの放電面の投影像の領域外に前記中心電極の放電面の投影像がはみ出さないことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記放電許容面の端縁に面取り部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記放電許容面は前記貴金属チップの周囲全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記凸部の外周と前記貴金属チップの外周との最小距離を0.1mm以上、0.5mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 前記軸線方向における前記凸部の先端面からの前記貴金属チップの出寸法を0mm以上、0.2mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 前記軸線方向に対して前記接地電極の内側面とは反対にあたる外側面において、前記凸部に対応する位置に穴部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスパークプラグ。
  7. 軸線方向に延びる中心電極と、当該中心電極を保持する絶縁体と、当該絶縁体を保持する主体金具と、当該主体金具の先端部に自身の基端部が接合され、屈曲して自身の先端部の内側面が前記中心電極の先端部を臨むように固定される接地電極と、前記接地電極の内側面に設けられた柱状の凸部と、前記凸部の先端面に接合された貴金属チップとを備え、前記中心電極と前記接地電極の貴金属チップ及び前記凸部の先端面との間に火花放電間隙が形成されるスパークプラグの製造方法であって、
    略直棒状に形成された前記接地電極の原体に対し前記貴金属チップを溶接する溶接工程と、
    前記接地電極の原体のうち少なくとも前記貴金属チップの含まれる範囲を前記貴金属チップを溶接した側とは反対側から押出加工して前記凸部を成形する押出工程と、
    前記接地電極の原体を屈曲加工して、前記貴金属チップを含む前記凸部の先端面を前記中心電極の先端部に臨ませるようにして前記火花放電間隙を形成する屈曲工程とを備えたことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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