JPWO2010016529A1 - 表示媒体用粒子およびこれを用いた情報表示用パネル - Google Patents

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Abstract

少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂を含む原料により形成した母粒子32、およびその表面に子粒子33が付加されている複合型粒子として構成され、前記ベース樹脂は、260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000Pa・s以下であって、かつ、耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂とされている。粘度および耐熱温度について最適な条件が特定されているので、製造後の後処理として球形化のための加熱処理を施すと効率良く球形化することができる。

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに係る技術に関し、特に表示媒体を構成する表示媒体用粒子に関する。
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板(例えばガラス基板)間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群として構成した表示媒体を封入して、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルについて提案がある。
上記のような情報表示用パネルは、例えば基板間の表示媒体を、画像等の情報に応じて電気的に移動させることにより所期の画像等の情報を表示するようにしている。ここでは、表示要求のあった情報に応じて、粒子群(表示媒体用粒子)が基板間の空間を繰り返し移動する。よって、表示媒体とする粒子群を構成する、均質で耐久性を備えた表示媒体用粒子が求められる。
そこで、表示媒体用粒子に対して、その電気特性の安定化や繰り返し表示書き換えを行った場合の耐久性を改善する意図で、表示媒体用粒子の母体となる大きな粒子に、他の微小粒子を付加した、いわゆる複合型の粒子に係る技術が提案されている。例えば、特許文献1は、母粒子の表面に子粒子を付加した複合型の表示媒体用粒子、およびこれを用いる情報表示用パネルについて開示する。所定条件の子粒子を母粒子に付加した形態とすることで、表示書き換えのために表示媒体用粒子を繰り返し移動させた場合の耐久性を改善することができる。
特開2006−72283号公報
しかしながら、上述した複合型粒子の製造において、子粒子を母粒子表面に均一に付着、或るいは固着させることは困難である。一般に子粒子は、母粒子の製造後の埋め込み或いは固着等の工程で、母粒子表面に付加させられる。ところが、製造した母粒子の外形形状が製造工程で変形する(いびつな形状になる)場合が多い。このような場合、母粒子の表面に子粒子を均一に配置できない。そのため、複合型粒子であっても電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性において期待した効果が得られない場合がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決して、子粒子を母粒子の表面に均一に配置してある複合型の表示媒体用粒子、及びそれを用いた情報表示用パネルを提供することにある。
上記目的は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂を含む原料により形成した母粒子、およびその表面に子粒子が付加されている複合型粒子として構成され、前記ベース樹脂は260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000Pa・s以下であって、かつ、耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂とされていると共に、当該熱可塑性樹脂が、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂およびシクロオレフィン系樹脂からなる群から選択される樹脂またはこの群から選択される2種類以上の樹脂を混合した樹脂である表示媒体用粒子によって達成できる。なお、ここで、シクロオレフィン系樹脂には、シクロオレフィンポリマ(COP)およびシクロオレフィンコポリマ(COC)の両方を含むものである。
そして、上記目的は、表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用した情報表示用パネルにより達成できる。
本発明によると、複合型粒子の母粒子に用いるベース樹脂について、粘度および耐熱温度について最適な条件が特定されているので、製造後の後処理として球形化のための加熱処理を施すと効率良く円形(球形)化することができる。円形度の高い母粒子は、その表面に子粒子を均一に付加できるので、耐久性を備えた複合型の表示媒体用粒子を製造できる。このような表示媒体用粒子を採用すると、電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性に優れた情報表示用パネルを提供できる。
なお、母粒子のベース樹脂に求められる条件は、より粘度が低く(粘りが少なく)、より耐熱温度が高いものである。現時点において入手できる熱可塑性樹脂から具体的に特定すると、260℃、剪断速度122/sで示される粘度について1000Pa・s以下、熱重量分析測定による加熱減量曲線で示される初期重量から20%減少した時の温度として定義される耐熱温度については430℃以上となる。
(a)、(b)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 (a)〜(d)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は複合型の表示媒体用粒子の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係る表示媒体用粒子の製造工程を順に示したプロセスブロック図である。 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。まず、表示媒体用粒子を帯電性粒子として作製し、この表示媒体用粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルを一例として、粒子群を表示媒体とする情報表示用パネルの概略構成を説明する。
前記情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する表示媒体用粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の表示媒体用粒子を帯電性粒子として調整して表示媒体として用いる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図4(a)、(b)、図5(a)〜(d)を参照して説明する。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図3(a)、(b)に示す例では、3個のセルで表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図3(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−3の全てに負帯電性白色表示媒体3Wと正帯電性黒色表示媒体3Bとを充填してある。第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22Bを設けてある。これら第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の3個のセルで表示単位(1ドット)を構成している。
本例では、カラー表示を行う際には、第1セル21−1〜第3のセル21−3のいずれかのセルで観察側に白色表示媒体を移動させると共に他のセルで観察側に黒色表示媒体を移動させて赤色、緑色、青色ドット表示を行い、図3(a)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動することで、観察者に対し白色ドット表示を行い、図3(b)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動することで、観察者に対し黒色ドット表示を行う。なお、この図3(a)、(b)に例示の構成でも、手前にある隔壁は省略している。各セル内での表示媒体の移動を適宜に行って多色カラー表示を行うことができる。
図4(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される1種類の表示媒体(ここでは負帯電性表示媒体用白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と黒色電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる。そして、図4(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図4(b)に示すように、黒色電極6の色を観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示をすることができる。なお、図4(a)、(b)で示す例でも手前にある隔壁は省略している。
更に、図5(a)〜(d)に示す例は、まず、図5(a)、(c)に示すように、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段7と基板2の外側に設けた外部電界形成手段8との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図5(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図5(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行えるように構成している。なお、図5(a)〜(d)で示す例でも手前にある隔壁は省略している。また、基板1の内側には導電部材9を設けるとともに、基板2の内側には導電部材10を設けている。これら導電部材は設けなくてもよい。
次に、本発明の特徴となる表示媒体用粒子を、図を参照しながら詳細に説明する。本発明の表示媒体用粒子は、図1(a)、(b)〜図5(a)、(b)の情報表示用パネルに適用することができ、上記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。
図6(a)、(b)は、表示媒体用粒子の一例を模式的に示した図である。この表示媒体用粒子は、母粒子の表面に子粒子が付加された複合型粒子である。図6(a)は、母粒子32の表面に子粒子33を固着させて複合型粒子を構成した形態例である。また、図6(b)は、母粒子32の表面に子粒子33を付着させて複合型粒子を構成した形態例である。
本発明は、「固着」あるいは「付着」のいずれの形態であるかを問わず、子粒子が母粒子の表面に均一に付加された表示媒体用粒子を効率よく得ようとするもののである。母粒子の表面に子粒子が均一に配置されている図6のような表示媒体用粒子31を採用する情報表示用パネルは、表示書き換えを繰り返す場合の耐久性を向上できる。
また、「付着」とは、子粒子33が母粒子32の表面に静電気力、クーロン力、ファンデルワールス力などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に子粒子33の移動があるものを意味し、また「固着」とは、子粒子33が母粒子32の表面に埋設、接着、粘着などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に子粒子33の移動がないものを意味する、と解することができる。
本願発明者等は、図6(a)、(b)に示すような、母粒子32表面に子粒子33を均一に付加するには、母粒子に熱処理を施して球状化することが有効であることを確認し、更には母粒子用のベース樹脂として所定条件のものを採用すると、より確実に球状化できることを見出して、本発明に至ったものである。具体的には、本発明は母粒子のベース樹脂として、260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000Pa・s以下であって、かつ、熱重量分析測定による加熱減量曲線で示される初期重量から20%減少した時の温度として定義される耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂を採用することにより、母粒子製造時の後処理として熱処理を施することにより効率良く球状化させることを、要旨とするものである。
図7は、本発明の一実施形態に係る表示媒体用粒子の製造工程を順に示したプロセスブロック図である。図に沿って表示媒体用粒子の製造工程の概略を説明する。
母粒子製造用に所定の樹脂原料(ベース樹脂)を準備する。ベース樹脂として、260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000Pa・s以下であって、かつ、熱重量分析測定による加熱減量曲線で示される初期重量から20%減少した時の温度として定義される耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂とするのが好ましい。このような条件を満たしている樹脂を採用すると、後述するように母粒子表面の熱処理(「サフュージョン処理」とも称す)を行ったときに球形化できる。
まず、ベース樹脂を凍結粉砕機で粉砕し、これを乾燥、秤量する。これと並行して、ベース樹脂に配合する配合剤(例えば二酸化チタンTiO2)を準備して、これを秤量する。秤量したベース樹脂と配合剤とをヘンシェルミキサーで予備混合し、これを乾燥してから、2軸混練り機を用いて混練りして押出して、例えば直径2mm×長さ5mm程度のペレットを製造する。
上記ペレットを、更に凍結粉砕機で例えば粒子径100〜250μm程度となるよう粗粉砕して粗粉砕品を得る。この粗粉砕品を乾燥してから粒子径が8〜10μm程度となるように微粉砕処理し、分級して目的サイズの母粒子を得る。ここまでの工程(図7において破線で囲む領域)は、常法により樹脂原料を混練り、粉砕、分級して母粒子を得るものと同様である。
そして、上記のように得た母粒子を更に熱処理装置で処理する。ここでの熱処理装置は、例えば粒子を熱風中に噴出し、分散させ、熱風により該粒子を溶融状態とし、表面張力により球状化させるものである。このように熱処理(サフュージョン処理)を施した処理済母粒子は、その表面に子粒子を付加するとき(子粒子複合化処理をするとき)に、いわゆる子粒子の自己組織化配列(Ordered Mixture)が円滑に進行して、母粒子表面に子粒子が均一に配置付加できる。よって、子粒子複合化処理で、球形母粒子の表面に子粒子が均一配置付加されている理想的形状の複合型粒子を製造できる。
上記で説明した本発明による表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用すると、電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性が格段に改善した情報表示用パネルを得ることができる。
以下では、更に、本発明による表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、それ以外の領域や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、視認側基板の情報表示画面領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。それ以外の領域や背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図8に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
そして、本発明による複合型の表示媒体用粒子では、母粒子の主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。更に、以下で樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
表示媒体用粒子の前駆体となる熱処理用原材料母粒子は、一般に混練りした後、粉砕されることにより作製される。このため、表示媒体用粒子の主成分となる樹脂は、熱可塑性を有すると共に、粉砕しやすいことも必要である。この観点から、熱可塑性樹脂として多くの樹脂が市販されているが、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂、シクロオレフィン系樹脂が好ましい。そして、これらの樹脂を2種類以上、あるいは、他の熱可塑性樹脂と混合しても使用することができる。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
また、表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて、2種類の表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、その2種類の表示媒体用粒子は、最大径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)に対する最小径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザ回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザ光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)〜図4(a)、(b)、図5(a)〜(d)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3W、3Bの占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明による表示媒体用粒子が採用される情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、更に、本発明の実施例として製造した複合型粒子の表示媒体用粒子について説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
シクロオレフィン系の樹脂4種類を母粒子用ベース樹脂として準備した。エチレンとシクロオレフィンとの共重合体であるシクロオレフィン系樹脂A(TOPAS 6013:ポリプラスチック(株)製)、エチレンとシクロオレフィンとの共重合体であるシクロオレフィン系樹脂B(TOPAS 5013:ポリプラスチック(株)製)、シクロオレフィンの単独共重合体であるシクロオレフィン系樹脂C(ZEONEX 330R:日本ゼオン(株)製)、エチレンとシクロオレフィンとの共重合体であるシクロオレフィン系樹脂D(TOPAS 6015:ポリプラスチック(株)製)である。
なお、下記、(表1)に樹脂A〜樹脂D及び後述する配合剤A、配合剤B並びに処理、測定で用いた各装置のメーカ、名称/型式や機能、条件など、をまとめて示してある。
Figure 2010016529
そして、下記表(2−1)に示すように、樹脂Aによるものを実施例1、樹脂Bによるものを実施例2、更に上記樹脂A/樹脂Dをそれぞれ(10/90)の重量比で混合した混合物を実施例3とした。ここで採用する樹脂は、粘度については260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000Pa・s以下とするのが好ましく、熱重量分析測定による加熱減量曲線で示される初期重量から20%減少した時の温度として定義される耐熱温度は430℃以上であるものが好ましい。この条件に沿って、実施例1〜3の樹脂A、B、樹脂A/樹脂Dが採用されている。
Figure 2010016529
母粒子用ベース樹脂の粘度は、表1の(*2)で示す条件で粘度測定装置「キャピログラフ」((株)東洋精機製作所 製)を用いて測定した。また、その耐熱温度は、表1の(*3)で示す条件で熱重量分析装置「TGA Q600」(TAインスツルメント 製)を用いて測定した。樹脂の耐熱温度はTGA曲線(温度と重量減の関係)で初期重量から20%減少した時の温度と定義した。
なお、実施例3における樹脂Aと樹脂Dとのブレンド物については樹脂のブレンド常法である2軸混練機を使用してペレットを作製した後、粒度と耐熱温度の測定に供した。
上記実施例に対して、比較例1として粘度条件(1000Pa・s以下)を満たさないもの、また比較例2として耐熱温度条件(430℃以上)を満たさないものとして準備した。
さらに、下記の実施例、比較例についても確認した。
実施例4〜6、比較例3〜4(白母粒子)
白母粒子を作製するため、下記の表(2−2)に示すように表(2−1)のベース樹脂100重量部と、配合剤Aとして二酸化チタン(TiO2)(タイペーク CR−90:石原産業(株)製)100重量部とを、2軸混練機により溶融混練して、ペレットを製造して一旦、粗粉砕品とし、これを更に微粉砕、分級し平均粒子径d(0.5)を9μmとした。
Figure 2010016529
実施例7〜9、比較例5〜6(黒母粒子)
黒母粒子を作製するため、下記の表(2−3)に示すように、表(2−1)のベース樹脂100重量部と、配合剤としてカーボンブラック(C/B)(Special Black4:エボニック デクサ ジャパン(株)製)5重量部を2軸混練機により溶融混練して、ペレットを製造した。この後、白母粒子と同様に粉砕、分級し平均粒子径d(0.5)を9μmとした。
Figure 2010016529
実施例4〜9、および比較例3〜6による母粒子について、円形度及び樹脂の劣化状態について評価した。その結果を上記表(2−2)、(2−3)の下段にまとめて示している。なお、円形度とは粒子の投影面積と等しい円の周囲長を粒子の投影周囲長で割った値として定義され、例えば真円であれば円形度1.000、正六角形は0.952、正五角形は0.930、正方形は0.886、正三角形は0.777となるものである。母粒子の円形度は表1の(*5)で示すフロー式粒子像分析装置FPIA2000(シスメックス(株)製)を用いて測定し、実施例による母粒子は、この円形度が0.98以上もあることが確認できる。また、実施例による母粒子は、球状化のための熱処理(表1(*4))に示す装置、条件によるサフュージョン処理)による熱による樹脂の劣化もないことが確認できる。
(表示媒体用粒子)
さらに、上記実施例4〜9の母粒子、また、比較例3〜6の母粒子を用いた表示媒体用粒子を以下で記載するように作製して、これをパネル基板間に封入して、実施例10、11、12および比較例7、8の情報表示用パネルを作製し、コントラストおよび耐久性について評価した。その結果を下記の表(2−4)に示した。
1)正帯電性の子粒子
市販のメラミン樹脂の微粒子(EPOSTER−S:(株)日本触媒 製 平均粒子径240[nm])を用いて、正帯電性の子粒子とした。
2)負帯電性の子粒子
乳化重合法の標準的な手法に基づいて作製し、精製水で十分に洗浄して真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥粉体としたポリジビニルベンゼン粒子(以下、DVB粒子ともいう)(平均粒子径250[nm])を負帯電性の子粒子とした。
3)表示媒体用粒子の作製、母粒子、子粒子の組み合わせ
下記複合化装置で母粒子と子粒子とを固着複合化した。母粒子と子粒子の組合として、例えば(黒色正帯電母粒子+メラミン樹脂子粒子)、(白色負帯電母粒子+ポリジビニルベンゼン子粒子)とすることができる。
4)母粒子+子粒子、固着複合化処理
装置:サンプルミル SK−M10((株)協立理工社 製)
条件:70℃、16500rpm×30〜90分間
表(2−4)に示す組合せにより母粒子100重量部に対して子粒子8重量部の割合で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積130cm)を上記装置に一括投入し所定条件において複合化処理を行った後、目開き150μmのステンレス製篩で篩い分けして篩を通過したものを複合型の表示媒体用粒子とした。
さらに、この複合化した粒子に対して市販のシリカ微粒子(HDK H3004:ワッカー社 製)を表面に付着処理を行った。
5)シリカ微粒子付着処理
カーボンミキサー(エスエムテー社 製)
条件:25℃、4000rpm×15分間
複合粒子に対してシリカ微粒子(HDK H3004:ワッカー社 製)を重量分率2%で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積200cm)を上記装置に一括投入し上記条件において付着処理を行った後、目開き150μmのステンレス製篩で篩い分けして篩を通過させて処理粉体を表示媒体とする粒子群として得た。
6)初期コントラスト比の評価法
黒色粒子群と白色粒子群とを当体積量混合撹拌して摩擦帯電を行い、100μmのスペーサーを介して配置された、一方が内側ITO処理された電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填して、評価用に簡易な情報表示用パネルを得た。
ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となる様に直流電圧をかけると、正帯電の黒色粒子群は低電位極側に、負帯電の白色粒子群は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子群(表示媒体)はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察された。印加電圧を−200[V]〜+200[V]まで、10[V]ごとに変化させ、それぞれの表示状態において反射率を測定し、同絶対値の電圧印加時の白表示時反射率と黒表示時反射率の比をその電圧におけるコントラスト比として、耐久性評価前に±200[V]印加した時のコントラスト比を初期のコントラスト比(初期C200)として表示粒子としての鮮明表示性の指標とした。
7)耐久性評価試験法
初期のコントラスト比を求めた後、情報表示用パネルに電圧±200[V]を周波数1[kHz]で100万回交互に印加して表示媒体を反転移動させた後に、上記同様に各印加電圧におけるコントラスト比を測定して100万回反転移動を繰り返した後に電圧±200[V]を印加した時のコントラスト比 を求め、それを耐久試験後のコントラスト比(耐久後C200)として鮮明表示性の指標とした。
8)評価結果を下記表(2−4)に示す。
Figure 2010016529
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係る表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、表示書換え時にのみ外部電界形成手段や外部書換え手段を用いて表示を書換えるいわゆるリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
なお、情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式が適用できる。

Claims (2)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
    前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂を含む原料により形成した母粒子、およびその表面に子粒子が付加されている複合型粒子として構成され、
    前記ベース樹脂は260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000Pa・s以下であって、かつ、耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂とされていると共に、当該熱可塑性樹脂が、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂およびシクロオレフィン系樹脂からなる群から選択される樹脂またはこの群から選択される2種類以上の樹脂を混合した樹脂である、ことを特徴とする表示媒体用粒子。
  2. 請求項1に記載の表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用したことを特徴とする情報表示用パネル。
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