JP2010276951A - 表示媒体用粒子、表示媒体用粒子の製造方法および情報表示用パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な表示書き換え性能を初期から継続維持できる耐久性に優れた情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、少なくとも1種類の表示媒体用粒子がノルボルネンモノマーを重合して得たポリノルボルネン樹脂を含む母粒子の表層に少なくとも1種類の子粒子を固着させた後にγ線を照射することによって架橋させて得られた複合粒子である。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、少なくとも1種類の表示媒体用粒子がノルボルネンモノマーを重合して得たポリノルボルネン樹脂を含む母粒子の表層に少なくとも1種類の子粒子を固着させた後にγ線を照射することによって架橋させて得られた複合粒子である。
【選択図】図3
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子、この表示媒体用粒子の製造方法およびこの表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルに関するものである。
従来より、液晶表示装置(LCD)装置に代わる情報表示装置として、帯電粒子を液体中で駆動させる方式(電気泳動方式)の情報表示装置や、帯電粒子を気体中で駆動させる方式(例えば電子粉流体方式)の情報表示装置が知られている。
帯電粒子駆動方式の情報表示装置に用いる情報表示用パネルとしては、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の空間に、帯電性粒子を含む粒子群として構成された表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する方式の情報表示用パネルが知られている(例えば特許文献1)。
上述した情報表示用パネルにおいて、従来の構成および材料を用いて、混練し、粉砕し、分級して得られた粒子を表示媒体を構成する表示媒体用粒子として用いた場合、繰り返して表示書き換えを行った時に粒子同士の衝突や粒子とパネル構成部材との衝突によって作用する力学的応力によって粒子表面の凹凸形状が変化することや、母粒子表面に付着している子粒子が母粒子内部に埋没することにより、粒子群となった粉体としての流動特性の悪化や帯電特性の変化などの現象が起こる。このことにより、繰り返して表示書き換えを行った時に初期性能を維持することができず、表示コントラストなどの表示性能が低下するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、繰り返し表示書き換えを行った際の、粒子の帯電特性の変化を抑制し、繰り返し表示書き換えを行った場合でも表示媒体用粒子としての初期性能を維持することができ、耐久性に優れた情報表示用パネルを実現できる表示媒体用粒子、この表示媒体用粒子の製造方法およびこの表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルを提供することにある。
本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、少なくとも1種類の表示媒体用粒子がノルボルネンモノマーを重合して得たポリノルボルネン樹脂を含む母粒子の表層に少なくとも1種類の子粒子を固着させた後にγ線を照射することによって架橋させて得られた複合粒子であることを特徴とするものである。
本発明の表示媒体用粒子は、前記母粒子のゲル化率が10%以上であること、キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記子粒子の帯電量が絶対値で10μC/g以上であること、前記子粒子による前記母粒子の表面の被覆率が50%以上であること、前記母粒子が、ノルボルネンモノマーを開環メタセシス重合して得られるシクロオレフィンポリマー樹脂を含むことが好適である。
また、本発明の表示媒体用粒子の製造方法は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体に電界を付与することによって、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる前記表示媒体を構成する、表示媒体用粒子の製造方法において、ノルボルネンモノマーを重合して得たポリノルボルネン樹脂を含む母粒子の表層に少なくとも1種類の子粒子を固着させ、前記子粒子を固着させた前記母粒子にγ線を照射することによって架橋させる、ことを特徴とするものである。
また、本発明の情報表示用パネルは、上述した表示媒体用粒子を表示媒体として用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、繰り返し表示書き換えを行った時、表示媒体用粒子の表面形状の変化や子粒子の母粒子内部への埋没を抑制することができ、該表示媒体用粒子を表示媒体として用いることによって、良好な表示書き換え性能を初期から継続維持できる耐久性に優れた情報表示用パネルを提供することができる。
まず、本発明の対象となる情報表示用パネルの構成について説明する。本発明の対象となる情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の対象となる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板2に設けたストライプ電極6と基板1に設けたストライプ電極5とが対向直交交差して形成する画素電極対に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させるパッシブ駆動方式の構成としている。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示している。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板2に設けたストライプ電極6と基板1に設けたストライプ電極5とが対向直交交差して形成する画素電極対に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させるパッシブ駆動方式の構成としている。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示している。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とが対向して形成する画素電極対に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させるアクティブ駆動方式の構成としている。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示している。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図3(a)、(b)はそれぞれ本発明の表示媒体用粒子の一例の構成を示す図であり、図3(a)はその正面図を示し、図3(b)はその断面図を示している。図3(a)、(b)に示す例において、本発明の表示媒体用粒子11は、母粒子12の表層に母粒子12より粒子径の小さな子粒子13を固着してなる複合粒子から構成されている。「固着」とは、子粒子13が母粒子12の表層に埋設、接着、粘着などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に子粒子13の移動がないものを意味する。
なお、本例では子粒子13が1層の例を示しているが、その層数は特に限定されるものではなく、2層以上の層数とすることもできる。また、本例では1種類の子粒子13を用いた例を示しているが、2種類以上の子粒子13を用いることもできる。
ここで、母粒子12に埋設された子粒子13が、母粒子12の表面から露出されるように表示媒体用粒子11構成し、この表示媒体用粒子11の表面に凹凸を付けることが、この表示媒体用粒子11を用いた情報表示用パネルの駆動電圧を下げる観点から重要である。
なお、本例では子粒子13が1層の例を示しているが、その層数は特に限定されるものではなく、2層以上の層数とすることもできる。また、本例では1種類の子粒子13を用いた例を示しているが、2種類以上の子粒子13を用いることもできる。
ここで、母粒子12に埋設された子粒子13が、母粒子12の表面から露出されるように表示媒体用粒子11構成し、この表示媒体用粒子11の表面に凹凸を付けることが、この表示媒体用粒子11を用いた情報表示用パネルの駆動電圧を下げる観点から重要である。
本発明の表示媒体用粒子11の特徴は、母粒子12がノルボルネンモノマーを重合した樹脂を含み、その母粒子12の表層に子粒子13を固着させた後にγ線を照射することによって架橋させて得られた複合粒子から構成されている点である。特に、母粒子12がノルボルネンモノマーを開環メタセシス重合して得られるシクロオレフィンポリマー樹脂(以下、COP樹脂ともいう)を含むことが好適である。
COP樹脂は、透明性、耐熱性が優れているため粉砕法で作製する白色の母粒子12のベースとして有効に用いることができる。さらに、COP樹脂は、γ線架橋が可能であるため、COP樹脂で構成した母粒子12の表層に子粒子13を固着させた後にγ線を照射することによって、母粒子部分を構成するCOP樹脂が三次元架橋し、これによって繰り返し表示書き換えを行った時の子粒子13の脱離や母粒子12内部への埋没を抑制することができる。より詳細には、表示媒体用粒子11では帯電性能は子粒子13が担い、子粒子13の埋没深度によって帯電特性が変化するため、上記のように母粒子部分を架橋させることによって子粒子13の埋没を抑制することによって、帯電特性の変化を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。なお、充分な架橋を達成するという観点から、γ線を照射する際にγ線照射量が1×106Gy以上であることが好ましく、1.5×106Gy以上であることがより好ましい。
COP樹脂は、透明性、耐熱性が優れているため粉砕法で作製する白色の母粒子12のベースとして有効に用いることができる。さらに、COP樹脂は、γ線架橋が可能であるため、COP樹脂で構成した母粒子12の表層に子粒子13を固着させた後にγ線を照射することによって、母粒子部分を構成するCOP樹脂が三次元架橋し、これによって繰り返し表示書き換えを行った時の子粒子13の脱離や母粒子12内部への埋没を抑制することができる。より詳細には、表示媒体用粒子11では帯電性能は子粒子13が担い、子粒子13の埋没深度によって帯電特性が変化するため、上記のように母粒子部分を架橋させることによって子粒子13の埋没を抑制することによって、帯電特性の変化を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。なお、充分な架橋を達成するという観点から、γ線を照射する際にγ線照射量が1×106Gy以上であることが好ましく、1.5×106Gy以上であることがより好ましい。
表示媒体用粒子11の、子粒子13の帯電量は、キャリアを用いてブローオフ法により測定した帯電量絶対値で10μC/g以上であることが好ましい。帯電量の絶対値が10μC/g未満であると、電界の変化に対する応答速度が遅くなり、表示メモリ性(一度表示した状態を次に表示書き換えするまで保持すること)も低くなるおそれがある。また、帯電量の絶対値が高すぎると、電極や基板への鏡像力が強すぎ、表示メモリ性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなるおそれがあるため、帯電量の絶対値は、10〜1000μC/gの範囲であるのがより好ましい。
子粒子13の飽和帯電量q/mの測定は以下の通り行う。
ブローオフ法の標準的な手法によって基準キャリアと混合攪拌したときの飽和帯電量を測定し、重量あたりの帯電量q/mを求める。ブローオフ帯電量装置としてTB-203(京セラケミカル社製)、混合攪拌装置としては一般的なスイングアーム式振とう機YD-8(ヤヨイ社製)、基準キャリアとして球状フェライトキャリアF96-80(パウダーテック社製)を用いる。キャリアと測定サンプルの混合重量比は100:0.1とする。
ブローオフ法の標準的な手法によって基準キャリアと混合攪拌したときの飽和帯電量を測定し、重量あたりの帯電量q/mを求める。ブローオフ帯電量装置としてTB-203(京セラケミカル社製)、混合攪拌装置としては一般的なスイングアーム式振とう機YD-8(ヤヨイ社製)、基準キャリアとして球状フェライトキャリアF96-80(パウダーテック社製)を用いる。キャリアと測定サンプルの混合重量比は100:0.1とする。
本発明の表示媒体用粒子11において、子粒子13の粒子径が小さすぎると子粒子間の凝集力が強く、子粒子13の粒子径が大きすぎると母粒子12との複合化の際に必要なエネルギーが大きくなりすぎ、いずれも良好な複合化を行えない。また、複合化装置および複合化工程の設計が困難になる。従って、子粒子13の平均粒子径Dが30nm<D<500nmの関係を満たすことが好ましく、50nm<D<400nmの関係を満たすことがより好ましい。
本発明において、子粒子13の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日立製S2700)像の画像解析より100個の子粒子13について粒子径を測定してそれらの平均値を子粒子平均粒子径dとする。
本発明において、子粒子13の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日立製S2700)像の画像解析より100個の子粒子13について粒子径を測定してそれらの平均値を子粒子平均粒子径dとする。
また、本発明の表示媒体用粒子11においては、繰り返し表示書き換えに対する耐久性をさらに向上させるという観点から、母粒子12のゲル化率が10%以上であることが好ましい。ここで、ゲル化率は溶剤抽出法で測定した不溶解度であって、以下のようにして測定される。
母粒子樹脂成分率R[%]の被測定サンプル(γ線照射後NC粒子)W0[g]をソックスレー抽出機により40℃で6時間抽出操作を行い、抽出後操作後に溶解せずにフィルターに残ったサンプル重量W1を測定する。ゲル化率Gc[%]は(式1)で定義される。
母粒子樹脂成分率R[%]の被測定サンプル(γ線照射後NC粒子)W0[g]をソックスレー抽出機により40℃で6時間抽出操作を行い、抽出後操作後に溶解せずにフィルターに残ったサンプル重量W1を測定する。ゲル化率Gc[%]は(式1)で定義される。
子粒子13による母粒子12の表面の被覆率が50%以上であることが好ましい。
子粒子13による母粒子12の表面被覆率は、粒子径単分散の真球体による平面最密充填被覆率で近似する。すなわち、母粒子12の平均粒子径D、配合量(体積分率)Φ、子粒子13の平均粒子径d、配合量(体積分率)φのとき子粒子13による母粒子表面被覆率Cは(式2)で定義する。
子粒子13による母粒子12の表面被覆率は、粒子径単分散の真球体による平面最密充填被覆率で近似する。すなわち、母粒子12の平均粒子径D、配合量(体積分率)Φ、子粒子13の平均粒子径d、配合量(体積分率)φのとき子粒子13による母粒子表面被覆率Cは(式2)で定義する。
なお、本発明の表示媒体用粒子を表示媒体として使用する情報表示用パネルを構成する各部材は、以下の仕様とすることが好ましい。
基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体を確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面側基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、絶縁膜で被膜した金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型の情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体を確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面側基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、絶縁膜で被膜した金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型の情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
必要に応じて設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法、金属箔(例えば圧延銅箔など)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性や光透過性を鑑みて決定され、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmである。背面側基板に設ける電極の材質や厚みについては光透過性を鑑みる必要はない。
必要に応じて基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。基板間ギャップを確保するために配置する隔壁の高さは、確保したい基板間ギャップと合わせる。基板間空間をセルに仕切るために配置する隔壁の高さは、基板間ギャップと同じにしても、低くしてもよい。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明で表示媒体用粒子の母粒子を構成する帯電性粒子について説明する。帯電性粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の帯電性粒子を作製できる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の帯電性粒子を作製できる。
また、帯電性粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1μm〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに、粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、帯電性粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、帯電性粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、複数の表示媒体を使用する場合には、使用した表示媒体を構成する帯電性粒子の内、平均粒子径d(0.5)が最大を示す帯電性粒子のd(0.5)に対する、平均粒子径d(0.5)が最小を示す帯電性粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる帯電性粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にすることで容易に移動できるようになるので好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、帯電性粒子を含んで構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる方式とする場合には、パネル基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるようにパネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるようにパネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象とする情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が駆動できて、コントラストを維持できればよいが、通常2〜500μm、好ましくは5〜200μmに調整される。
情報表示用パネルを帯電粒子気体中空間移動方式とする場合は、基板と基板との間隔は10〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で調整される。さらに、基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての粒子の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
帯電性粒子を移動させて表示する方式には、この帯電性粒子を絶縁液体とともにマイクロカプセルに封止し、このマイクロカプセルを対向電極対間に配置したものもあるが、本発明の表示媒体用粒子は、このような方式の情報表示用パネルにも適用できる。
情報表示用パネルを帯電粒子気体中空間移動方式とする場合は、基板と基板との間隔は10〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で調整される。さらに、基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての粒子の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
帯電性粒子を移動させて表示する方式には、この帯電性粒子を絶縁液体とともにマイクロカプセルに封止し、このマイクロカプセルを対向電極対間に配置したものもあるが、本発明の表示媒体用粒子は、このような方式の情報表示用パネルにも適用できる。
以下、実施例および比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)母粒子の製造
正帯電性母粒子B1、B2および負帯電性母粒子W1〜W3を以下の手順により製造した。
ベース樹脂としてポリノルボルネン樹脂(ゼオネックス330R:日本ゼオン社)及び、着色剤としてカーボンブラック(スペシャルブラックNo.5;デグッサ社)をベース樹脂に対して5重量%を2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化し粒子径が0.5〜50μmの範囲で平均粒子径9.0μmの正帯電性母粒子B1を得た。
正帯電性母粒子B1、B2および負帯電性母粒子W1〜W3を以下の手順により製造した。
ベース樹脂としてポリノルボルネン樹脂(ゼオネックス330R:日本ゼオン社)及び、着色剤としてカーボンブラック(スペシャルブラックNo.5;デグッサ社)をベース樹脂に対して5重量%を2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化し粒子径が0.5〜50μmの範囲で平均粒子径9.0μmの正帯電性母粒子B1を得た。
ベース樹脂としてポリメチルメタクリル酸樹脂(デルペット80N;旭化成ケミカル社製)及び、着色剤としてカーボンブラック(スペシャルブラックNo.5;デグッサ社)をベース樹脂に対して5重量%、荷電制御剤としてアジン系正帯電荷電制御剤(ボントロンN-7;オリヱント化学工業社)をベース樹脂に対して3重量%を2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化し粒子径が0.5〜50μmの範囲で平均粒子径9.5μmの正帯電性母粒子B2を得た。
ベース樹脂としてポリノルボルネン樹脂(ゼオネックス330R:日本ゼオン社)及び、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90;石原産業社)をベース樹脂に対して50重量%を2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化し粒子径が0.5〜50μmの範囲で平均粒子径9.9μmの負帯電性母粒子W1を得た。
ベース樹脂としてポリノルボルネン樹脂(ゼオノア1060R:日本ゼオン社)及び、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90;石原産業社)をベース樹脂に対して50重量%を2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化し粒子径が0.5〜50μmの範囲で平均粒子径9.1μmの負帯電性母粒子W2を得た。
ベース樹脂としてポリメチルメタクリル酸樹脂(デルペット80N;旭化成ケミカル社製)及び、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90;石原産業社)をベース樹脂に対して50重量%、荷電制御剤としてアルミニウム錯塩系負帯電荷電制御剤(ボントロンE-88;オリヱント化学工業社)をベース樹脂に対して3重量%を2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化し粒子径が0.5〜50μmの範囲で平均粒子径9.5μmの負帯電性母粒子W3を得た。
(2)固着型子粒子の製造
固着型子粒子n1、n2、n3については乳化重合法の標準的な手法に従い上表に示すモノマー重量比、表1に示す化学種、重量比の乳化剤、および表1に示す化学種、重量比の開始剤をモノマー重量の6倍量の精製水中に分散乳化させ70℃×38時間、窒素ガス還流雰囲気下で合成し、精製水で十分に洗浄して真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥した試料を粉として得た。モノマーはいずれも和光純薬工業(株)製試薬を精製して用いた。乳化剤、重合開始剤はいずれも和光純薬工業(株)製のものを用いた。
固着型子粒子p1は市販品(EPOSTER-S;日本触媒社)をそのまま用いた。
子粒子の平均粒子径と飽和帯電量を表1に示す。
固着型子粒子n1、n2、n3については乳化重合法の標準的な手法に従い上表に示すモノマー重量比、表1に示す化学種、重量比の乳化剤、および表1に示す化学種、重量比の開始剤をモノマー重量の6倍量の精製水中に分散乳化させ70℃×38時間、窒素ガス還流雰囲気下で合成し、精製水で十分に洗浄して真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥した試料を粉として得た。モノマーはいずれも和光純薬工業(株)製試薬を精製して用いた。乳化剤、重合開始剤はいずれも和光純薬工業(株)製のものを用いた。
固着型子粒子p1は市販品(EPOSTER-S;日本触媒社)をそのまま用いた。
子粒子の平均粒子径と飽和帯電量を表1に示す。
(3)表示媒体用粒子作製方法と母粒子、子粒子の組み合わせ
母粒子B1、B2、W1〜W3に対して、表1に示す子粒子を選び、下記(i)の方法で複合化装置を用いて母粒子と子粒子を固着複合化した。
さらにこの複合化粒子に対して下記(ii)の方法でシリカ微粒子(HDK H3004;ワッカー社製)を表面に付着処理したものを表示粒子とした。
母粒子B1、B2、W1〜W3に対して、表1に示す子粒子を選び、下記(i)の方法で複合化装置を用いて母粒子と子粒子を固着複合化した。
さらにこの複合化粒子に対して下記(ii)の方法でシリカ微粒子(HDK H3004;ワッカー社製)を表面に付着処理したものを表示粒子とした。
(i)母粒子+子粒子固着複合化処理方法
装置:サンプルミル SK-M10 (協立理工(株)製)
条件:70℃、16500rpm×30〜90分間
母粒子と子粒子とを所定の割合で混合した混合粉体を上記装置に一括投入し所定条件において複合化処理を行った後、目開き150mmのステンレス製の篩で篩い分けして篩を通過したものを複合粒子とした。
装置:サンプルミル SK-M10 (協立理工(株)製)
条件:70℃、16500rpm×30〜90分間
母粒子と子粒子とを所定の割合で混合した混合粉体を上記装置に一括投入し所定条件において複合化処理を行った後、目開き150mmのステンレス製の篩で篩い分けして篩を通過したものを複合粒子とした。
(ii)シリカ微小粒子(外添剤)付着処理方法
カーボンミキサー(エスエムテー社)
条件:25℃、4000rpm×15分間
複合粒子とシリカ微粒子(HDK H3004;ワッカー社製)を重量比2%の割合で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積200cm3)を上記装置に一括投入し上記条件において付着処理を行った後、目開き150mmのステンレス製の篩で篩い分けして篩を通過させて処理粉体を得た。
カーボンミキサー(エスエムテー社)
条件:25℃、4000rpm×15分間
複合粒子とシリカ微粒子(HDK H3004;ワッカー社製)を重量比2%の割合で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積200cm3)を上記装置に一括投入し上記条件において付着処理を行った後、目開き150mmのステンレス製の篩で篩い分けして篩を通過させて処理粉体を得た。
(4)γ線照射方法
厚さ5mmのアルミニウム製密閉容器に複合粒子と内部の酸素濃度を0%にするのに十分な量の酸素吸着剤とともにを封入して、コバルト60線源より25cmの距離から時間重量吸収線量率10E+4[Gy/h]のγ線照射をT[時間]行った。このときの照射線量をT×10E+4[Gy]とする。
表2に実施例及び比較例の照射線量を示す。
厚さ5mmのアルミニウム製密閉容器に複合粒子と内部の酸素濃度を0%にするのに十分な量の酸素吸着剤とともにを封入して、コバルト60線源より25cmの距離から時間重量吸収線量率10E+4[Gy/h]のγ線照射をT[時間]行った。このときの照射線量をT×10E+4[Gy]とする。
表2に実施例及び比較例の照射線量を示す。
(5)評価法と評価結果
表2に示す組み合わせの正帯電性表示媒体用粒子と負帯電性表示媒体用粒子とを当重量混合攪拌して摩擦帯電を行い、
100mmのスペ−サ−を介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、テスト表示用パネルを得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となる様に電圧をかけると、正帯電性表示媒体用粒子は低電位極側に、負帯電性表示媒体用粒子は高電位極側にそれぞれ移動する。ここで正帯電性表示媒体用粒子が黒色、負帯電性表示媒体用粒子が白色の場合、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察され、次に印可電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察される。印加電圧を-200[V]〜+200[V]まで10[V]ごとに変化させ、それぞれの表示状態において反射率を測定し、同絶対値の電圧印加時の白表示時反射率と黒表示時反射率の比をその電圧におけるコントラスト比とし、±200[V]印加時のコントラスト比をC200として表示媒体用粒子の鮮明表示性の指標とした。
具体的には、表示駆動初期のC200を初期C200とし、初期C200が10.0以上のパネルを初期特性が非常に良好であると判断し、初期C200が5.0以上で10.0未満のパネルを初期特性が良好であると判断し、初期C200が5.0未満のパネルを初期特性が不良であると判断した。評価結果を表2に示す。
表2に示す組み合わせの正帯電性表示媒体用粒子と負帯電性表示媒体用粒子とを当重量混合攪拌して摩擦帯電を行い、
100mmのスペ−サ−を介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、テスト表示用パネルを得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となる様に電圧をかけると、正帯電性表示媒体用粒子は低電位極側に、負帯電性表示媒体用粒子は高電位極側にそれぞれ移動する。ここで正帯電性表示媒体用粒子が黒色、負帯電性表示媒体用粒子が白色の場合、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察され、次に印可電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察される。印加電圧を-200[V]〜+200[V]まで10[V]ごとに変化させ、それぞれの表示状態において反射率を測定し、同絶対値の電圧印加時の白表示時反射率と黒表示時反射率の比をその電圧におけるコントラスト比とし、±200[V]印加時のコントラスト比をC200として表示媒体用粒子の鮮明表示性の指標とした。
具体的には、表示駆動初期のC200を初期C200とし、初期C200が10.0以上のパネルを初期特性が非常に良好であると判断し、初期C200が5.0以上で10.0未満のパネルを初期特性が良好であると判断し、初期C200が5.0未満のパネルを初期特性が不良であると判断した。評価結果を表2に示す。
さらにこのテスト表示用パネルに電圧±200[V]、周波数1[kHz]で100万回交互に電圧を印加して表示媒体用粒子を反転移動させた後に上記同様に各印加電圧におけるコントラスト比を測定して100万回繰り返し表示書き換え後のコントラスト比を100万耐久後C200として耐久性の指標とした。具体的には、100万回繰り返し表示書き換え後のコントラスト比、100万耐久後C200が10.0以上のパネルを耐久性が非常に良好であると判断し、100万回繰り返し表示書き換え後のコントラスト比、100万耐久後C200が5.0以上で10.0未満のパネルを耐久性が良好であると判断し、100万回繰り返し表示書き換え後のコントラスト比C200が5.0未満のパネルを耐久性が不良であると判断した。評価結果を表2に示す。
なお、実施例及び比較例に記載している物性の測定方法として、子粒子の平均粒子径、子粒子による母粒子表面被覆率、子粒子の飽和帯電量q/m、ゲル化率の測定方法は上述した通りである。
なお、抽出溶媒はトルエンを使用した。トルエンが各樹脂を完全に相溶させ得ることを予め確認している。
なお、抽出溶媒はトルエンを使用した。トルエンが各樹脂を完全に相溶させ得ることを予め確認している。
表2の結果から、ポリノルボルネン樹脂を含む母粒子に子粒子を固着して得られた複合粒子にγ線を照射したものを用いた実施例では、繰り返して表示書き換えを行った後にも初期性能がほぼ維持されていることが分かる。
本発明の表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP(Point of presence, Point of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部や、外部表示書き換え手段と接続して表示書き換えを行う表示部(いわゆるリライタブルペーパー)として好適に用いられる。
1、2 基板
3W 白色表示媒体
3Wa 白色負帯電性粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色正帯電性粒子
4 隔壁
5、6 電極
11 表示媒体用粒子
12 母粒子
13 子粒子
3W 白色表示媒体
3Wa 白色負帯電性粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色正帯電性粒子
4 隔壁
5、6 電極
11 表示媒体用粒子
12 母粒子
13 子粒子
Claims (6)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、
少なくとも1種類の表示媒体用粒子がノルボルネンモノマーを重合して得たポリノルボルネン樹脂を含む母粒子の表層に少なくとも1種類の子粒子を固着させた後にγ線を照射することによって架橋させて得られた複合粒子であることを特徴とする表示媒体用粒子。 - 前記母粒子のゲル化率が10%以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。
- キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記子粒子の帯電量が絶対値で10μC/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示媒体用粒子。
- 前記子粒子による前記母粒子の表面の被覆率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示媒体用粒子。
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体に電界を付与することによって、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる前記表示媒体を構成する、表示媒体用粒子の製造方法において、
ノルボルネンモノマーを重合して得たポリノルボルネン樹脂を含む母粒子の表層に少なくとも1種類の子粒子を固着させ、
前記子粒子を固着させた前記母粒子にγ線を照射することによって架橋させる、
ことを特徴とする表示媒体用粒子の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の表示媒体用粒子を表示媒体として用いたことを特徴とする情報表示用パネル。
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---|---|---|---|
JP2009130751A JP2010276951A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 表示媒体用粒子、表示媒体用粒子の製造方法および情報表示用パネル |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2013091759A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-16 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 樹脂微粒子 |
-
2009
- 2009-05-29 JP JP2009130751A patent/JP2010276951A/ja not_active Withdrawn
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