JP2010256723A - 光学的反射率および帯電性を有する粒子ならびに情報表示用パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】作製した粒子に光を当てながら測定した表面電位に基づいて規定した粒子の電荷保持率が良好な粒子を用いることにより、情報表示用パネルの表示品質を良好にする。
【解決手段】基板1,2間の空間に光学的反射率および帯電特性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4となる電荷保持率Dを有するように構成された光学的反射率および帯電性を有する粒子を用いる。
【選択図】図1
【解決手段】基板1,2間の空間に光学的反射率および帯電特性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4となる電荷保持率Dを有するように構成された光学的反射率および帯電性を有する粒子を用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する光学的反射率および帯電性を有する粒子、ならびに、該粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を用いる情報表示用パネルに関するものである。
液晶表示装置(LCD)に代わる情報表示装置として、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている。この情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する光学的反射率および帯電性を有する粒子の製造方法としては、重合法や粉砕法で作製した母粒子の表面に微粒子を付着させて作製する方法(例えば特許文献1参照)がある。この光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を着色する際には、母粒子に有機または無機の各種顔料を添加するが、顔料の中でも着色力の強さから、有機顔料が好適に用いられる。
着色力が強い有機顔料の中には、光を当てると導電性を発現するものがあり、そのような有機顔料を用いると、導電性の大小が異なってくる。また、顔料を好適に分散させるために分散剤が添加されるが、この分散剤と顔料との相互作用によっても、導電性の大小が異なってくる。このような有機顔料および分散剤を用いて表示媒体を構成する光学的反射率および帯電性を有する粒子を作製すると、パネルに光(自然光や照明光など)が当たることによって、粒子が持っていた電荷が逃げてしまい、帯電量が低くなってしまう。その結果、間欠駆動における長時間停止時に良好な反転が行われなくなり、表示品質が低下してしまう。
本発明は、作製した粒子に光を当てながら測定した表面電位に基づいて規定した粒子の電荷保持率が良好な粒子を用いることにより、情報表示用パネルに用いたときにその表示品質を良好にする技術(光学的反射率および帯電性を有する粒子ならびに情報表示用パネル)を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する、光学的反射率および帯電性を有する粒子であって、粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4となる電荷保持率Dを有するように構成されたことを特徴とする。
本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子の好適例としては、 前記粒子の初期表面電位D0は、銅セルに粒子を層厚300μmで充填し、ニードル印加電圧を±20kVとし、グリッド電圧を±1kVとしたスコロトロン帯電器を用いて、粒子表面電位が±1kVとなるように電荷を付与したときに測定される表面電位であり、前記粒子の24時間静置後表面電位D1は、前記銅セルをグラウンド結線して、室温において粒子表面を蛍光灯照明光で照射しながら24時間静置した後の表面電位であること、および、電荷減衰の少ない荷電制御剤を含むこと、がある。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの表示媒体を構成する光学的反射率および帯電性を有する粒子として請求項1〜3の何れか1項に記載の光学的反射率および帯電性を有する粒子を用いて作製される。
上記本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子によれば、粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4となる電荷保持率Dを有する光学的反射率および帯電性を有するように構成された粒子を用いるから、この光学的反射率および帯電性を有する粒子は、後に説明する実施例によって立証されるように、情報表示用パネルに用いたときに情報表示用パネルの表示品質を良好にすることができるものとなる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を用いる情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。この情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間の空間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルの例を、図1(a),(b)〜図4(a),(b)、図5(a)〜(d)に基づき説明する。
図1(a),(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(個別電極)と基板2に設けた電極6(個別電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は、基板の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は、基板の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図3(a),(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する帯電粒子を含んだ粒子群として構成される1種類の表示媒体(ここでは帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる。そして、図3(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図3(b)に示すように、黒色板7を観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図4(a)、(b)に示す例では、3個のセルで表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図4(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−3の全てに白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22Bを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の3個のセルで表示単位(1ドット)を構成している。本例では、図4(a)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動することで、観察者に対し白色ドット表示を行うか、あるいは、図4(b)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動することで、観察者に対し黒色ドット表示を行っている。なお、図4(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は、基板の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。各セルにおいて表示媒体の移動のさせ方で多色カラー表示を行うことができる。
図5(a)〜(d)に示す例では、まず、図5(a)、(c)に示すように、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される少なくとも2種以上の表示媒体(ここでは帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群からなる白色表示媒体3Wと帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段11と基板2の外側に設けた外部電界形成手段12との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図5(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図5(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図5(a)〜(d)において、手前にある隔壁は省略している。また、基板1の内側には導電部材13を設けるとともに、基板2の内側には導電部材14を設けている。これら導電部材は設けなくてもよい。
以下、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子について説明する。本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、図1(a),(b)〜図4(a),(b)、図5(a)〜(d)の情報表示用パネルの表示媒体を構成する粒子として用いることができるものであり、上記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電特性を有する表示媒体を構成して封入されるものである。本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、帯電性白色粒子や帯電性黒色粒子とすることができるとともに、帯電性赤色粒子や帯電性青色粒子等の帯電性有色粒子とすることができる。本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4、好ましくはD>0.6、さらに好ましくはD>0.8となる電荷保持率Dを有するように構成されたものが用いられる。
粒子の初期表面電位D0は、銅セルに粒子を層厚300μmで充填し、ニードル印加電圧を±20kVとし、グリッド電圧を±1kVとしたスコロトロン帯電器を用いて、粒子表面電位が±1kVとなるように電荷を付与したときに測定される表面電位である。
粒子の24時間静置後表面電位D1は、銅セルをグラウンド(GND)結線して、室温(例えば22℃)において粒子表面を蛍光灯照明光(例えば照度2500LX)で照射しながら24時間静置した後に測定される表面電位である。
粒子の24時間静置後表面電位D1は、銅セルをグラウンド(GND)結線して、室温(例えば22℃)において粒子表面を蛍光灯照明光(例えば照度2500LX)で照射しながら24時間静置した後に測定される表面電位である。
本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、電荷減衰の少ない荷電制御剤を含むことが好ましい。
また、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、顔料を選択する際に、光導電性のない顔料や分散剤を使用することが好ましい。具体的には、光導電性の有無を確認するために、作製した粒子の電荷減衰を光を当てながら計測したときに、電荷減衰の少ない粒子が良好である。
また、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、顔料を選択する際に、光導電性のない顔料や分散剤を使用することが好ましい。具体的には、光導電性の有無を確認するために、作製した粒子の電荷減衰を光を当てながら計測したときに、電荷減衰の少ない粒子が良好である。
本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子によれば、粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4、好ましくはD>0.6、さらに好ましくはD>0.8となる電荷保持率Dを有するように構成された、光学的反射率および帯電性を有する粒子を用いるから、上記のような電荷保持率Dを有する光学的反射率および帯電性を有する粒子を用いて構成した表示媒体を封入した情報表示用パネルは、間欠駆動における長時間停止時に良好な反転が行われるので、後に説明する実施例によって立証されるように、表示品質が良好になる。
以下、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んで構成した粒子群を表示媒体として用いる本発明の情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフィン(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可撓性のあるもの、および、ガラス、石英などの可撓性のない無機シートが挙げられる。表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
必要に応じて情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側であり透明である必要のある表示面側基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmである。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
必要に応じて基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜適正設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは5〜500μm、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは5〜100μm、特に好ましくは5〜50μmに調整される。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図6に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図6に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子について説明する。光学的反射率および帯電性を有する粒子は、そのまま該光学的反射率および帯電性を有する粒子だけで粒子群を構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて粒子群を構成して表示媒体としたりして用いられる。
光学的反射率および帯電性を有する粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、光学的反射率および帯電性を有する粒子を構成する樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
光学的反射率および帯電性を有する粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、光学的反射率および帯電性を有する粒子を構成する樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することができる。特に、粉砕および球状化を行う観点から、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂が好適である。
正帯電性の荷電制御剤としては、ポリアミン樹脂、3級アミノ基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等の荷電制御樹脂、イミダゾール化合物、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、並びにトリアミノトリフェニルメタン化合物等を用いることができる。
負帯電性の荷電制御剤としては、スルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体、及びカルボン酸塩基含有共重合体等の荷電制御樹脂、並びにCr、Co、Al、及びFe等の元素記号で表される金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物、並びにアルキルサルチル酸金属酸化物等がある。
上記の荷電制御剤の中でも、荷電制御樹脂を用いることが好ましいし、荷電制御樹脂は、帯電性を付与する官能基の含有量が0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の粒子を作製できる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の粒子を作製できる。
子粒子の材料としては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂材料、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどの無機材料などが挙げられる。
また、本発明の光学的反射率および帯電性を有する粒子は、平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに本発明では、光学的反射率および帯電性を有する粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、光学的反射率および帯電性を有する粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、光学的反射率および帯電性を有する粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、複数の粒子群を表示媒体として使用する場合には、使用した粒子群の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す粒子群のd(0.5)に対する、最小の平均粒子径d(0.5)を示す粒子群のd(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる表示媒体粒子群が互いに反対方向に動くので、互いの表示媒体粒子群を構成する粒子のサイズが近く、互いの表示媒体が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電量は、ほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電挙動の飽和量が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電量測定を行うことにより、光学的反射率および帯電性を有する粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電量は、ほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電挙動の飽和量が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、光学的反射率および帯電性を有する粒子の帯電量測定を行うことにより、光学的反射率および帯電性を有する粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
さらに、光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる方式の情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、例えば図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、例えば図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明の実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[帯電性黒色粒子の作製]
帯電性黒色粒子としてメチルメタクリレ−ト(関東化学試薬)60重量部及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ−としてエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電性の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンNO7:オリエント化学(株)製)3重量部及び、黒色着色剤として、カ−ボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ(株)製)5重量部をサンドミルにより分散させた後、さらに重合の開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製)2重量部を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王(株)製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業(株))を用いて分級を行い、平均粒子径9.0μmの黒色粒子を得た。この黒色粒子に、シリカ微粒子(H3050:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性黒色粒子B1を得た。上述した方法で測定した帯電性黒色粒子B1の電荷保持率Dは0.88であった。
[帯電性黒色粒子の作製]
帯電性黒色粒子としてメチルメタクリレ−ト(関東化学試薬)60重量部及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ−としてエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電性の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンNO7:オリエント化学(株)製)3重量部及び、黒色着色剤として、カ−ボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ(株)製)5重量部をサンドミルにより分散させた後、さらに重合の開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製)2重量部を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王(株)製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業(株))を用いて分級を行い、平均粒子径9.0μmの黒色粒子を得た。この黒色粒子に、シリカ微粒子(H3050:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性黒色粒子B1を得た。上述した方法で測定した帯電性黒色粒子B1の電荷保持率Dは0.88であった。
[帯電性白色粒子の作製]
帯電性白色粒子として、シクロオレフィン樹脂(ゼオネックス330R:日本ゼオン(株)製)100重量部及び、白色着色剤として、酸化チタン(タイペ−クCR−90:石原産業(株)製)100重量部、負帯電性の荷電制御剤としてサリチル酸金属錯体(ボントロンE−84:オリエント化学(株)製)3重量部をヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌して混合した後、2軸押出機(KZW15−45MG:テクノベル(株)製)を用いて210℃にて溶融・混錬した後、気流式粉砕機(LJ:日本ニュ−マチック工業(株))を用いて粉砕し、更に分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業(株))を用いて分級を行い、平均粒子径9.0μmの白色粒子を得た。この白色粒子に、シリカ微粒子(H3004:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性白色粒子W1を得た。上述した方法で測定した帯電性白色粒子W1の電荷保持率Dは0.92であった。
帯電性白色粒子として、シクロオレフィン樹脂(ゼオネックス330R:日本ゼオン(株)製)100重量部及び、白色着色剤として、酸化チタン(タイペ−クCR−90:石原産業(株)製)100重量部、負帯電性の荷電制御剤としてサリチル酸金属錯体(ボントロンE−84:オリエント化学(株)製)3重量部をヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌して混合した後、2軸押出機(KZW15−45MG:テクノベル(株)製)を用いて210℃にて溶融・混錬した後、気流式粉砕機(LJ:日本ニュ−マチック工業(株))を用いて粉砕し、更に分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業(株))を用いて分級を行い、平均粒子径9.0μmの白色粒子を得た。この白色粒子に、シリカ微粒子(H3004:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性白色粒子W1を得た。上述した方法で測定した帯電性白色粒子W1の電荷保持率Dは0.92であった。
<性能評価法>
[パネル特性]
帯電性黒色粒子B1及び帯電性白色粒子W1を、100μmのスペーサーを介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、表示用パネルを得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位になるように、銅基板を高電位になるように直流電圧を印加すると、正帯電粒子からなる帯電性黒色粒子B1は低電位極側に、負帯電粒子からなる帯電性白色粒子W1は高電位極側に、それぞれ移動し、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察された。印加する電圧を±200Vとして交互に100回印加し、黒色表示時の黒濃度ODB および白色表示時の黒濃度ODW を反射画像濃度計(RD−19I:グレタグマクベス社製)を用いて測定し、初期コントラストを次式から算出した。
初期コントラスト=10(ODB−ODW)
次に、この表示用パネルを、電圧の印加を行わずに、22℃の環境において、2000LXの照明光(蛍光灯照明光)を当てながら24時間静置した。24時間静置した後に±200Vを1回ずつ印加し、それぞれの表示状態において間欠動作後のコントラストを算出した。測定結果および判定結果を表1に示す。
[パネル特性]
帯電性黒色粒子B1及び帯電性白色粒子W1を、100μmのスペーサーを介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、表示用パネルを得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位になるように、銅基板を高電位になるように直流電圧を印加すると、正帯電粒子からなる帯電性黒色粒子B1は低電位極側に、負帯電粒子からなる帯電性白色粒子W1は高電位極側に、それぞれ移動し、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察された。印加する電圧を±200Vとして交互に100回印加し、黒色表示時の黒濃度ODB および白色表示時の黒濃度ODW を反射画像濃度計(RD−19I:グレタグマクベス社製)を用いて測定し、初期コントラストを次式から算出した。
初期コントラスト=10(ODB−ODW)
次に、この表示用パネルを、電圧の印加を行わずに、22℃の環境において、2000LXの照明光(蛍光灯照明光)を当てながら24時間静置した。24時間静置した後に±200Vを1回ずつ印加し、それぞれの表示状態において間欠動作後のコントラストを算出した。測定結果および判定結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、帯電性赤色粒子を作製するために、ジケトピロロピロール系赤色顔料(クロモフタル2028:永瀬産業(株)製)を用いたこと以外は実施例1に記載の帯電性黒色粒子と同様にして平均粒子径8.9μmの赤色粒子を得た。この赤色粒子に、シリカ微粒子(H3050:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性赤色粒子R1を得た。上述した方法で測定した帯電性赤色粒子R1の電荷保持率Dは0.69であった。
実施例1と同様にして表示用パネルを作製し、初期コントラスト及び間欠動作後のコントラストを算出した。ただし、光学濃度の測定はマゼンタ濃度を用いて行った。測定結果および判定結果を表1に示す。
実施例1において、帯電性赤色粒子を作製するために、ジケトピロロピロール系赤色顔料(クロモフタル2028:永瀬産業(株)製)を用いたこと以外は実施例1に記載の帯電性黒色粒子と同様にして平均粒子径8.9μmの赤色粒子を得た。この赤色粒子に、シリカ微粒子(H3050:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性赤色粒子R1を得た。上述した方法で測定した帯電性赤色粒子R1の電荷保持率Dは0.69であった。
実施例1と同様にして表示用パネルを作製し、初期コントラスト及び間欠動作後のコントラストを算出した。ただし、光学濃度の測定はマゼンタ濃度を用いて行った。測定結果および判定結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、帯電性青色粒子を作製するために、銅フタロシアニン系青色顔料(ファストゲン:大日本インキ化学工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1に記載の帯電性黒色粒子と同様にして平均粒子径8.9μmの青色粒子を得た。この青色粒子に、シリカ微粒子(H3004:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性青色粒子A1を得た。上述した方法で測定した帯電性青色粒子A1の電荷保持率Dは0.52であった。
実施例1と同様にして表示用パネルを作製し、初期コントラスト及び間欠動作後のコントラストを算出した。ただし、光学濃度の測定はシアン濃度を用いて行った。測定結果および判定結果を表1に示す。
実施例1において、帯電性青色粒子を作製するために、銅フタロシアニン系青色顔料(ファストゲン:大日本インキ化学工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1に記載の帯電性黒色粒子と同様にして平均粒子径8.9μmの青色粒子を得た。この青色粒子に、シリカ微粒子(H3004:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性青色粒子A1を得た。上述した方法で測定した帯電性青色粒子A1の電荷保持率Dは0.52であった。
実施例1と同様にして表示用パネルを作製し、初期コントラスト及び間欠動作後のコントラストを算出した。ただし、光学濃度の測定はシアン濃度を用いて行った。測定結果および判定結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例3において、帯電性青色粒子を作製する時にアルカリ処理された銅フタロシアニン系青色顔料(ファストゲン:大日本インキ化学工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1に記載の帯電性青色粒子と同様にして平均粒子径9.3μmの青色粒子を得た。この青色粒子に、シリカ微粒子(H3004:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性青色粒子A2を得た。上述した方法で測定した帯電性青色粒子A2の電荷保持率Dは0.37であった。
実施例1と同様にして表示用パネルを作製し、初期コントラスト及び間欠動作後のコントラストを算出した。ただし、光学濃度の測定はシアン濃度を用いて行った。測定結果および判定結果を表1に示す。
実施例3において、帯電性青色粒子を作製する時にアルカリ処理された銅フタロシアニン系青色顔料(ファストゲン:大日本インキ化学工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1に記載の帯電性青色粒子と同様にして平均粒子径9.3μmの青色粒子を得た。この青色粒子に、シリカ微粒子(H3004:日本クラリアント(株))を2重量%添加し、ヘンシェルミキサー(FM5C:三井金属鉱山(株))にて攪拌し、帯電性青色粒子A2を得た。上述した方法で測定した帯電性青色粒子A2の電荷保持率Dは0.37であった。
実施例1と同様にして表示用パネルを作製し、初期コントラスト及び間欠動作後のコントラストを算出した。ただし、光学濃度の測定はシアン濃度を用いて行った。測定結果および判定結果を表1に示す。
表1の測定結果および判定結果から、実施例1〜実施例3と比較例1とを比較すると、実施例1〜実施例3のように、粒子の電荷保持率Dが、D>0.4を満たすように構成することで、初期表示特性および間欠動作表示特性の両方が必要と考えられている7.0を超えており、良好な表示特性を示すことが分かる。
本発明の粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants )と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence 、Point Of Purchase advertising )、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、外部電界形成手段によって表示を書き換える表示部(いわゆるリライタブルペーパー)としても好適に用いられる。
なお、本発明の粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルは、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動型表示用パネルやスタティック駆動型表示用パネル、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動型表示用パネルなど、情報表示用パネルのパネル基板間に封入した粒子群を表示媒体として駆動させる種々のタイプの駆動方式の情報表示用パネルとすることができる。
なお、本発明の粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルは、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動型表示用パネルやスタティック駆動型表示用パネル、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動型表示用パネルなど、情報表示用パネルのパネル基板間に封入した粒子群を表示媒体として駆動させる種々のタイプの駆動方式の情報表示用パネルとすることができる。
1、2 基板
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
3Wa 帯電性白色粒子
3Ba 帯電性黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
7 黒色板
11,12 外部電界形成手段
13,14 導電部材
21−1 第1のセル
21−2 第2のセル
21−3 第3のセル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22B 青色カラーフィルター
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
3Wa 帯電性白色粒子
3Ba 帯電性黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
7 黒色板
11,12 外部電界形成手段
13,14 導電部材
21−1 第1のセル
21−2 第2のセル
21−3 第3のセル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22B 青色カラーフィルター
Claims (4)
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する、光学的反射率および帯電性を有する粒子であって、
粒子の初期表面電位をD0とし、粒子に光を当てた状態における粒子の24時間静置後表面電位をD1とし、電荷保持率DをD=D1/D0としたとき、D>0.4となる電荷保持率Dを有するように構成されたことを特徴とする光学的反射率および帯電性を有する粒子。 - 前記粒子の初期表面電位D0は、銅セルに粒子を層厚300μmで充填し、ニードル印加電圧を±20kVとし、グリッド電圧を±1kVとしたスコロトロン帯電器を用いて、粒子表面電位が±1kVとなるように電荷を付与したときに測定される表面電位であり、
前記粒子の24時間静置後表面電位D1は、前記銅セルをグラウンド結線して、室温において粒子表面を蛍光灯照明光で照射しながら24時間静置した後の表面電位であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射率および帯電性を有する粒子。 - 電荷減衰の少ない荷電制御剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光学的反射率および帯電性を有する粒子。
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間の空間に光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入し、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの表示媒体を構成する光学的反射率および帯電性を有する粒子として請求項1〜3の何れか1項に記載の光学的反射率および帯電性を有する粒子を用いたことを特徴とする情報表示用パネル。
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JP2009108285A JP2010256723A (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | 光学的反射率および帯電性を有する粒子ならびに情報表示用パネル |
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