JP2011248011A - 表示媒体用粒子およびこれを用いた情報表示用パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】外添剤を付着させたる形態で、低電圧で駆動ができる表示媒体用粒子を提案する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、当該粒子の外側に付着される、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を更に含んで形成してある。当該表示媒体用粒子の本体が、樹脂からなる母粒子およびその表面に子粒子が固着されている複合型粒子として構成されているものでもよい。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、当該粒子の外側に付着される、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を更に含んで形成してある。当該表示媒体用粒子の本体が、樹脂からなる母粒子およびその表面に子粒子が固着されている複合型粒子として構成されているものでもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに係る技術に関し、特に表示媒体を構成する表示媒体用粒子に関する。
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板(例えばガラス基板)間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群として構成した表示媒体を封入して、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが近年、注目されている。
上記のような情報表示用パネルは、例えば基板間の表示媒体を、画像等の情報に応じて電気的に移動させることにより所期の画像等を表示するようにしている。ここでは、表示要求のあった情報に応じて、表示媒体用粒子(粒子群)が基板間の空間を繰り返し移動する。そして、移動後に改めて書き換えのための電界が印加されない間は、その状態を維持して画像等を安定して表示し続けることができるので電力消費量を抑えることができるという優れた長所がある。
上記のように情報表示用パネルで採用される表示媒体用粒子に関しては、粒子の流動性や帯電特性などを改善する目的で、外添剤と称される微粒子を表面に付与する技術が従来から提案されている。例えば、特許文献1は、一定以上の剛性をもって形成してある母粒子に外添剤を付着させる表示媒体用粒子について開示している。
また、表示媒体用粒子に関しては、その電気特性の安定化や繰り返し表示書き換えを行った場合の帯電性や耐久性を改善する意図で、表示媒体用粒子の本体となる母粒子の表面にこの母粒子より小径の子粒子を付加した、いわゆる複合型の粒子について提案がされている。例えば、特許文献2は複合型の表示媒体用粒子、およびこれを用いる情報表示用パネルについて開示しており、表示書き換えのために繰り返し移動させた場合の耐久性や帯電性を改善している。
上記複合型の表示媒体用粒子では、子粒子が表示媒体用粒子全体としての帯電性に関係している。ところが、母粒子の表面硬度設計と子粒子の帯電設計との関係で互いの粒子設計に制約があり、その結果として表示媒体用粒子の帯電量が高い状態となる場合がある。このような状況となったときに、前述した外添剤を用いて対処することが考えられる。しかし、従来から知られた外添剤を単に採用するだけでは、帯電量を適性値まで下げることが困難であった。
一般に、ディスプレイ設計に用いられる駆動電圧ドライバー部品は仕様電圧が高いほど高額なものとなる。そのため、低電圧駆動において駆動ができる表示媒体用粒子を設計することが製品のコストを低減するために重要な技術である。従来において一般的である母粒子の表面に外添剤だけを付着した表示媒体用粒子および上記複合型粒子の表面に外添剤を付着した表示媒体用粒子のいずれでも低電圧で駆動する技術は未だ確立されていないというのが実情である。
一般に、ディスプレイ設計に用いられる駆動電圧ドライバー部品は仕様電圧が高いほど高額なものとなる。そのため、低電圧駆動において駆動ができる表示媒体用粒子を設計することが製品のコストを低減するために重要な技術である。従来において一般的である母粒子の表面に外添剤だけを付着した表示媒体用粒子および上記複合型粒子の表面に外添剤を付着した表示媒体用粒子のいずれでも低電圧で駆動する技術は未だ確立されていないというのが実情である。
本発明の目的は、外添剤を付着させたる形態で、低電圧で駆動ができる表示媒体用粒子を提案することである。
上記目的は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
当該粒子の外側に付着される、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を更に含んで形成してある、ことを特徴とする表示媒体用粒子により達成できる。
当該粒子の外側に付着される、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を更に含んで形成してある、ことを特徴とする表示媒体用粒子により達成できる。
また、前記外添剤が、第1の外添剤と第2の外添剤とであって、
前記第1の外添剤の体積抵抗率が1.0×1014Ω・cm以上、前記第2の外添剤の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm〜1.0×1014Ω・cm未満であるのが好ましい。そして、前記第2の外添剤の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm〜1.0×107Ω・cmであるのがより好ましい。
前記第1の外添剤の体積抵抗率が1.0×1014Ω・cm以上、前記第2の外添剤の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm〜1.0×1014Ω・cm未満であるのが好ましい。そして、前記第2の外添剤の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm〜1.0×107Ω・cmであるのがより好ましい。
また、前記第1の外添剤と前記第2の外添剤との割合が、90:10〜50:50とするのが望ましい。
そして、前記第1の外添剤は、SiO2とすることができる。また、前記第2の外添剤は、TiO2、Al2O3、及び(SiO2/TiO2)複合酸化物の群から選択される何れかとすることができる。
当該表示媒体用粒子の本体が、樹脂からなる母粒子およびその表面に子粒子が固着されている複合型粒子として構成されているものでもよい。
上記表示媒体用粒子を表示媒体として採用した情報表示用パネルは、低電圧駆動において駆動できる表示媒体用粒子を用いることになるので、製造コストを低減することができる情報表示用パネルとして提供できる。
本発明による表示媒体用粒子では、従来において一般的であったSiO2などの体積抵抗率が相対的に高い外添剤の他に、これよりも体積抵抗率が低い新たな外添剤を併用することで、外添剤に求められる流動性の機能を維持しつつ、帯電量の低減を図ることができる。よって、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を更に含んで形成してある表示媒体用粒子は低電圧で駆動できる。これにより、このような表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、駆動回路の部品において製造コストを抑制できるので低価格で提供できる。
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。まず、表示媒体用粒子を帯電性粒子として作製し、この表示媒体用粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルを一例として、粒子群を表示媒体とする情報表示用パネルの概略構成を説明する。
前記情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する表示媒体用粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の表示媒体用粒子を帯電性粒子として調整して表示媒体として用いる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)を参照して説明する。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
更に、上記情報表示用パネルを構成する各部材について説明しておく。
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、それ以外の領域や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、視認側基板の情報表示画面領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。それ以外の領域や背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、それ以外の領域や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、視認側基板の情報表示画面領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。それ以外の領域や背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、種々の形状とすることができ、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、種々の形状とすることができ、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
次に、本発明の特徴となる表示媒体用粒子を、図を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る表示媒体用粒子は、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)の情報表示用パネルに適用することができ、上記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。
図3(a)、(b)は、本発明に係る表示媒体用粒子の一例を模式的に示した図である。この表示媒体用粒子は、樹脂をベースに形成される母粒子の表面に子粒子が付加された複合型粒子31である。図3(a)は、母粒子32の表面の一部をへこませて子粒子33を埋没状態で固着させて複合型粒子31を構成した形態例である。また、図3(b)は、母粒子32の表面上に子粒子33を固着させて複合型粒子31を構成した形態例である。そして、図3(a)、(b)に示すように、複合粒子31の表面には体積抵抗率の異なる第1の外添剤34aと第2の外添剤34bが付与されている。
上記のように、本発明に係る表示媒体用粒子の特徴は、複合型粒子の表面に体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を付与してなる表示媒体用粒子である。ここで、体積抵抗率が異なる2種類、例えば従来において一般的であった体積抵抗率が相対的に高いSiO2などの第1の外添剤と、これより体積抵抗率が低い金属酸化物(例えば、TiO2、Al2O3)などによる第2の外添剤とを併用することにより、複合型粒子の帯電量が高い場合に、外添剤に要求されている流動性の向上を図りつつ、帯電量を適正値に低減できることを確認して、本願発明に至ったものである。
前記第1の外添剤は、その体積抵抗率を例えば1.0×1014Ω・cm以上とするのが好ましい。そして、前記第2の外添剤は、その体積抵抗率を例えば1.0×105Ω・cm〜1.0×1014Ω・cm未満とするのが好ましく、更には1.0×105Ω・cm〜1.0×107Ω・cmとするのがより好ましい。そして、第1の外添剤と前記第2の外添剤との割合が、90:10〜50:50とするのが望ましい。
このように第1の外添剤は相対的に高抵抗であるが、これは表示媒体用粒子の流動性や環境安定性(周囲の湿度などが変化したときの耐久性)に配慮したものである。従来にあっては、この種の外添剤が採用される傾向が強く、例えば、SiO2の表面を疎水化処理したものが広く採用されていた。ところが、このような高抵抗の外添剤を用いると帯電量が高くなり過ぎる傾向があって、これでは低電圧駆動に不向きな仕様の表示媒体用粒子となってしまう。
そこで、本願発明では第2の外添剤として、相対的に体積抵抗率が低い材料を混ぜている。これにより、従来にあっては困難であった帯電量の調整を実現できる。
このように第1の外添剤は相対的に高抵抗であるが、これは表示媒体用粒子の流動性や環境安定性(周囲の湿度などが変化したときの耐久性)に配慮したものである。従来にあっては、この種の外添剤が採用される傾向が強く、例えば、SiO2の表面を疎水化処理したものが広く採用されていた。ところが、このような高抵抗の外添剤を用いると帯電量が高くなり過ぎる傾向があって、これでは低電圧駆動に不向きな仕様の表示媒体用粒子となってしまう。
そこで、本願発明では第2の外添剤として、相対的に体積抵抗率が低い材料を混ぜている。これにより、従来にあっては困難であった帯電量の調整を実現できる。
そして、更には、上記外添剤として複合酸化物(例えば、(SiO2/TiO2)、(SiO2/Al2O3)、(TiO2/Al2O3)、(SiO2/TiO2/Al2O3)など)を採用するのがより望ましい。
なお、外添剤の体積固有抵抗率は例えば三菱化学Hiresta UP(MCP-HT450,MCP-PD41)による測定装置を使用して測定できる。より具体的には、この測定装置を使用し、外添剤30gを50MPa圧力にて圧縮凝集させ、印加電圧1kVにて抵抗測定を行う。その際の外添剤の厚みと装置測定面積とから、体積固有抵抗率(Ω・cm)=測定抵抗値(Ω)×測定面積(cm2)/ 外添剤厚み(cm)の計算により求めることができる。
本発明において、上述した複合型の表示媒体用粒子の特徴事項は、以下に示すような本発明者らの検討によって得られたものである。まず、ディスプレイ内の表示媒体用粒子を低電圧で駆動させるために重要な粒子設計指針として、(1)表示媒体用粒子の帯電量を低減させること、(2)流動性の維持を図ることが必要であることが分かった。これらの設計指針に対して具体的な方法として、通常、表示媒体用粒子の流動性向上目的で使用している外添剤設計によりおこなった。(1)の設計指針に対し、一般的なSiO2外添剤のみの設計に対し、TiO2やAl2O3などの体積固有抵抗の低い金属酸化物を併用することにより表示媒体用粒子を低帯電化し、合わせて(2)従来と同様にSiO2外添剤を使用することで表示媒体用粒子に必要な流動性も確保した。以上の外添剤の設計改良により、低電圧で長期に安定した駆動が可能な表示媒体用粒子を作製した。
なお、本発明による複合型の表示媒体用粒子は、母粒子の主成分となる上記ベース樹脂に、必要に応じて、下記の荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。
ベース樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを好適に用いることができる。
ベース樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを好適に用いることができる。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
上記母粒子の表面に固着させる子粒子については、特に限定は無く、従来公知の材料を用いて調製した粒子を広く採用でき、材質、粒径等は適宜に設計すればよい。
また、表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて、2種類の表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、その2種類の表示媒体用粒子は、最大径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)に対する最小径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)〜図2(a)〜(d)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3W、3Bの占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)〜図2(a)〜(d)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3W、3Bの占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明による表示媒体用粒子が採用される情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、更に、本発明の実施例として製造した、体積抵抗率が異なる2種類の外添剤を付着してある複合型粒子の表示媒体用粒子について説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
以下、更に本発明の実施例について説明する。
下記実施例では、表示媒体用粒子の好適例として粒子本体を樹脂からなる母粒子およびその表面に子粒子が固着されている複合型粒子の場合を示し、その表面に2種類の外添剤を付着する場合を説明するが、本願発明が適用される表示媒体用粒子は複合型粒子に限らない。表示媒体用粒子の本体を複合型粒子としない場合は、粒子の表面に外添剤を付着する従来一般な形態とすればよい。
樹脂ベースで形成される母粒子を、以下に示すように、混練りおよび粉砕方法により作製し、母粒子表面に子粒子を固着する処理を施して複合化した粒子を形成し、更に下記の表1に示す外添剤を付与して、実施例および比較例の表示媒体用粒子を作製した(図3参照)。それぞれの表示媒体用粒子をパネルに充填した後、電圧印加により画像を表示させてその性能を評価した。
下記実施例では、表示媒体用粒子の好適例として粒子本体を樹脂からなる母粒子およびその表面に子粒子が固着されている複合型粒子の場合を示し、その表面に2種類の外添剤を付着する場合を説明するが、本願発明が適用される表示媒体用粒子は複合型粒子に限らない。表示媒体用粒子の本体を複合型粒子としない場合は、粒子の表面に外添剤を付着する従来一般な形態とすればよい。
樹脂ベースで形成される母粒子を、以下に示すように、混練りおよび粉砕方法により作製し、母粒子表面に子粒子を固着する処理を施して複合化した粒子を形成し、更に下記の表1に示す外添剤を付与して、実施例および比較例の表示媒体用粒子を作製した(図3参照)。それぞれの表示媒体用粒子をパネルに充填した後、電圧印加により画像を表示させてその性能を評価した。
上記で使用した外添剤の体積固有抵抗率は下記の通りである。
H3004(−)(SiO2):5.5×1015cm・Ω
H3050(+)(SiO2):2.3×1015cm・Ω
NKT90(−)(TiO2):4.3×106cm・Ω
JMT150ANO(+)(TiO2):9.8×105cm・Ω
STX801(−)(SiO2/TiO2複合):1.8×1010cm・Ω
C805(+)(Al2O3):5.6×105cm・Ω
なお、上記体積抵抗率については、三菱化学アナリテック社製の抵抗率計 ハイレスタUP(MCP−HT450型)を用い、測定治具内にサンプル重量:0.1g、電極距離d:15μm、電極面積S:10cm2として測定した。これにより、圧密状態の外添剤の体積固有抵抗率ρ[Ω・cm]を測定抵抗値R[Ω]から
ρ=R×S[cm2]/d[cm]として算出した。
H3004(−)(SiO2):5.5×1015cm・Ω
H3050(+)(SiO2):2.3×1015cm・Ω
NKT90(−)(TiO2):4.3×106cm・Ω
JMT150ANO(+)(TiO2):9.8×105cm・Ω
STX801(−)(SiO2/TiO2複合):1.8×1010cm・Ω
C805(+)(Al2O3):5.6×105cm・Ω
なお、上記体積抵抗率については、三菱化学アナリテック社製の抵抗率計 ハイレスタUP(MCP−HT450型)を用い、測定治具内にサンプル重量:0.1g、電極距離d:15μm、電極面積S:10cm2として測定した。これにより、圧密状態の外添剤の体積固有抵抗率ρ[Ω・cm]を測定抵抗値R[Ω]から
ρ=R×S[cm2]/d[cm]として算出した。
☆表示媒体用粒子の作製方法について
表1に示すそれぞれの外添剤を付与する母粒子は、母材となるベース樹脂、白色顔料または黒色顔料、荷電制御剤をミキサーで混合させた後、混合物を加熱練機で溶融混練し、固形物凝集の塊砕をして樹脂中に他の材料を均一に分散させた。加熱練機の制御温度は200℃程度とした。次に、溶融樹脂を練機により押し出し、ペレットの成型を行った。次に、ペレットを粉砕処理機にて粉砕し、粉体を作製した。その後、分級機により所望の粒径分布となる母粒子を作製した。次に、このように粉砕して作製した母粒子を日本ニューマチック工業社製の粒子表面改質装置(サフュージョン処理装置 MR−10)を用い、その表面に熱を加えることにより球状の母粒子とした。
そして、上記母粒子とは別に、子粒子を準備し、母粒子に対して子粒子を所定割合で混合した混合粉体を複合化装置(複合及び固定化ノビルタミルなど)に一括投入し所定条件において複合化処理を行った後、所定の目開き(例えば150μm)のステンレス製篩で篩い分けして篩を通過したものを複合型の表示媒体用粒子とした。
実施例および比較例のそれぞれにおいて、以上の方法にて作製した複合型の表示媒体用粒子に対し、表1に示すように、白色用の粒子及び黒用の粒子のそれぞれに外添剤を付与して、負帯電性の白色表示媒体用粒子および正帯電性の黒色表示媒体用粒子を作製した。
表1に示すそれぞれの外添剤を付与する母粒子は、母材となるベース樹脂、白色顔料または黒色顔料、荷電制御剤をミキサーで混合させた後、混合物を加熱練機で溶融混練し、固形物凝集の塊砕をして樹脂中に他の材料を均一に分散させた。加熱練機の制御温度は200℃程度とした。次に、溶融樹脂を練機により押し出し、ペレットの成型を行った。次に、ペレットを粉砕処理機にて粉砕し、粉体を作製した。その後、分級機により所望の粒径分布となる母粒子を作製した。次に、このように粉砕して作製した母粒子を日本ニューマチック工業社製の粒子表面改質装置(サフュージョン処理装置 MR−10)を用い、その表面に熱を加えることにより球状の母粒子とした。
そして、上記母粒子とは別に、子粒子を準備し、母粒子に対して子粒子を所定割合で混合した混合粉体を複合化装置(複合及び固定化ノビルタミルなど)に一括投入し所定条件において複合化処理を行った後、所定の目開き(例えば150μm)のステンレス製篩で篩い分けして篩を通過したものを複合型の表示媒体用粒子とした。
実施例および比較例のそれぞれにおいて、以上の方法にて作製した複合型の表示媒体用粒子に対し、表1に示すように、白色用の粒子及び黒用の粒子のそれぞれに外添剤を付与して、負帯電性の白色表示媒体用粒子および正帯電性の黒色表示媒体用粒子を作製した。
☆外添剤の種類とその組合せについて
表1に示す外添剤および組み合せを使用した。外添剤の処理方法は、予め作製してある上記複合型粒子に、表示媒体用粒子全体の重量100%に対して、5%量の外添剤を配合する形態で作製した。外添剤の付与は、粒子と外添剤とを収容した容器を手で振盪しておおまかに粒子と外添剤とをなじませた後、ミキサー処理機(SMT社製 HFM001C)により複合型粒子と外添剤とを高速撹拌し、母粒子表面に外添剤が均一付与するように処理を行った。
表1に示す外添剤および組み合せを使用した。外添剤の処理方法は、予め作製してある上記複合型粒子に、表示媒体用粒子全体の重量100%に対して、5%量の外添剤を配合する形態で作製した。外添剤の付与は、粒子と外添剤とを収容した容器を手で振盪しておおまかに粒子と外添剤とをなじませた後、ミキサー処理機(SMT社製 HFM001C)により複合型粒子と外添剤とを高速撹拌し、母粒子表面に外添剤が均一付与するように処理を行った。
☆パネル充填について:
上述したように作製した、白色表示媒体用粒子と黒色表示媒体用粒子とを組み合わせて、透明電極(ITO)が成膜されているパネル間に粒子充填量を5g/m2で充填し、実施例および比較例の評価パネルを作製した。今回用いたパネルは電極間距離が40μmとなるもので、40Vの電圧印加において1×106(V/m)の電界を表示媒体用粒子に作用させるものとなる。
上述したように作製した、白色表示媒体用粒子と黒色表示媒体用粒子とを組み合わせて、透明電極(ITO)が成膜されているパネル間に粒子充填量を5g/m2で充填し、実施例および比較例の評価パネルを作製した。今回用いたパネルは電極間距離が40μmとなるもので、40Vの電圧印加において1×106(V/m)の電界を表示媒体用粒子に作用させるものとなる。
☆パネル評価について
作製した実施例および比較例の各々の評価パネルの電極間に40Vの電圧を電圧の向きを変えて印加することで、評価パネルにおいて白表示および黒表示を行った。そして、白表示および黒表示のそれぞれにおいて、光学濃度計:RD19I(サカタインクスエンジニアリング社)を用いてOD値(光学濃度)の測定を行った。白表示のOD:WODと黒表示のOD:BODをもとにコントラスト比CR=10(BOD−WOD)を算出し、これをパネル性能の指標とした。40V駆動時のCRがCR>5となる場合を合格(○)とし、CR≦5となる場合を不合格(×)とした。
作製した実施例および比較例の各々の評価パネルの電極間に40Vの電圧を電圧の向きを変えて印加することで、評価パネルにおいて白表示および黒表示を行った。そして、白表示および黒表示のそれぞれにおいて、光学濃度計:RD19I(サカタインクスエンジニアリング社)を用いてOD値(光学濃度)の測定を行った。白表示のOD:WODと黒表示のOD:BODをもとにコントラスト比CR=10(BOD−WOD)を算出し、これをパネル性能の指標とした。40V駆動時のCRがCR>5となる場合を合格(○)とし、CR≦5となる場合を不合格(×)とした。
表示性能についての判定結果を下記表2に示す。表2の結果から、白色表示媒体用粒子および黒色表示媒体用粒子ともに、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤とから構成された外添剤を使用した場合(実施例)は、白色表示媒体用粒子および黒色表示媒体用粒子のいずれか一方の外添剤として通常のSiO2外添剤のみを使用した場合(比較例)と比べ、駆動電圧が低減し、これらの表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルにおいて良好な画像特性となった。
なお、上記表2では全ての例を示さなかったが、白3、黒3は、それぞれ黒3、4、白3、4との組合せでなければ○判定となり、白4、黒4はどれとの組合せでも×判定となった。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。上記実施例では、2種類の外添剤を用いる場合を例示したが必要に応じて3種以上としてもよい。
本発明に係る表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、表示書換え時にのみ外部電界形成手段や外部書換え手段を用いて表示を書換えるいわゆるリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
1、2 基板
3Wa、3Ba 表示媒体用粒子
3W、3B 表示媒体(粒子群)
31 表示媒体用粒子
32 母粒子
33 子粒子
34a 第1の外添剤
34b 第2の外添剤
3Wa、3Ba 表示媒体用粒子
3W、3B 表示媒体(粒子群)
31 表示媒体用粒子
32 母粒子
33 子粒子
34a 第1の外添剤
34b 第2の外添剤
Claims (8)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
当該粒子の外側に付着される、体積抵抗率が異なる少なくとも2種類の外添剤を更に含んで形成してある、ことを特徴とする表示媒体用粒子。 - 前記外添剤が、第1の外添剤と第2の外添剤とであって、
前記第1の外添剤の体積抵抗率が1.0×1014Ω・cm以上、前記第2の外添剤の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm〜1.0×1014Ω・cm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。 - 前記第2の外添剤の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm〜1.0×107Ω・cmである、ことを特徴とする請求項2に記載の表示媒体用粒子。
- 前記第1の外添剤と前記第2の外添剤との割合が、90:10〜50:50である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示媒体用粒子。
- 前記第1の外添剤は、SiO2である、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示媒体用粒子。
- 前記第2の外添剤は、TiO2、Al2O3、及び(SiO2/TiO2)複合酸化物の群から選択される何れかである、ことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の表示媒体用粒子。
- 当該表示媒体用粒子の本体が、樹脂からなる母粒子およびその表面に子粒子が固着されている複合型粒子として構成されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示媒体用粒子。
- 請求項1から7のいずれかに記載の表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用したことを特徴とする情報表示用パネル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11192340B2 (en) | 2014-04-09 | 2021-12-07 | Corning Incorporated | Device modified substrate article and methods for making |
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-
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- 2010-05-25 JP JP2010119702A patent/JP2011248011A/ja active Pending
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