JP2011123114A - 表示媒体用粒子およびこれを用いた情報表示用パネル - Google Patents

表示媒体用粒子およびこれを用いた情報表示用パネル Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく製造できる球形の母粒子を含む複合型の表示媒体用粒子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂に粉砕助剤を配合した樹脂材料を用いて形成した母粒子、およびその表面に子粒子が付加されている複合型粒子として構成され、前記ベース樹脂が、引張力を作用させたときの破断時強度(σ)と破断時伸び(ε)との積で表される破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下であると共に、前記ベース樹脂100質量部に対して前記粉砕助剤が5質量部〜20質量部配合してある。
【選択図】図4

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに係る技術に関し、特に表示媒体を構成する表示媒体用粒子に関する。
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板(例えばガラス基板)間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群として構成した表示媒体を封入して、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルについて提案がある。
上記のような情報表示用パネルは、例えば基板間の表示媒体を、画像等の情報に応じて電気的に移動させることにより所期の情報を表示するようにしている。ここでは、表示要求のあった情報に応じて、粒子群(表示媒体用粒子)が基板間の空間を移動する。粒子群の移動は表示書き換えの度に繰り返される。よって、表示媒体とする粒子群を構成する、粒子には繰り返しの移動に対する耐久性、および表示性能に係る電気特性の安定性も求められる。
そこで、表示媒体用粒子に対して、その電気特性の安定化や繰り返し表示書き換えを行った場合の耐久性を改善する意図で、表示媒体用粒子の母体となる大きな粒子(母粒子ともいう)に、他の微小粒子(子粒子ともいう)を付加した、いわゆる複合型の粒子に係る技術が提案されている。例えば、特許文献1は、母粒子の表面に子粒子を付加した複合型の表示媒体用粒子、およびこれを用いる情報表示用パネルについて開示する。所定条件の子粒子を母粒子に付加した形態とすることで、表示書き換えのために表示媒体用粒子を繰り返し移動させた場合の耐久性を改善することができる。
特開2006−72283号公報
上述した複合型粒子の設計では、子粒子を母粒子表面に均一に固着させることが重要な要素の1つである。このように母粒子の表面に子粒子を固着できれば、電気特性に安定化が図られ繰り返し移動する際の耐久性もある表示媒体用粒子とすることができる。しかし、母粒子といえどもその直径は例えば5μm〜20μm程度の微小粒子である。塊状である樹脂を粉砕して、その母粒子を得る場合にはその塊状の樹脂を効率良く粉砕し、しかもその粉砕された粒子を球形度の高い微小粒子に形成することは技術的に種々の困難があり、未だその技術が確立されていないというのが実情である。
本発明の目的は、上述した課題を解決して、効率よく製造できる球形の母粒子を含む複合型の表示媒体用粒子、及びこれを用いた情報表示用パネルを提供することにある。
上記目的は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂に粉砕助剤を配合した樹脂材料を用いて形成した母粒子、およびその表面に子粒子が付加されている複合型粒子として構成され、
前記ベース樹脂が、引張力を作用させたときの破断時強度(σ)と破断時伸び(ε)との積で表される破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下であると共に、前記ベース樹脂100質量部に対して前記粉砕助剤が5質量部〜20質量部配合してある、ことを特徴とする表示媒体用粒子によって達成できる。
そして、前記ベース樹脂がエチレンとシクロオレフィンとの共重合体とするのが好ましい。また、前記粉砕助剤がカーボンブラック、シリカ又は酸化チタンの平均粒子径がサブミクロンオーダーの微小粒子いずれかとすることできる。
上記に記載の表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用した情報表示用パネルは、電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性が格段に改善したパネルとして提供できる。
本発明によると、複合型粒子の母粒子に用いるベース樹脂について、引張力を作用させたときの破断時強度(σ)[MPa]と破断時伸び(ε)[%]との積で表される破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下であると共に、粉砕助剤を含んで形成してあるので、効率良く粉砕処理を行えると共に、その後に球形化のための加熱処理を施すことで球形化することができる。このような母粒子を含む表示媒体用粒子を採用すると、電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性に優れた情報表示用パネルを提供できる。
なお、母粒子のベース樹脂に求められる特性は、粉砕処理がし易く、その後に球形化するための熱処理を受けたときにこれに耐える耐熱温度であることなどが必要であるが、そのために重要な条件の1つが上記の破壊強さ(W)を200[MPa・%]以下とすることであり、更に破壊開始の核となる粉砕助剤を含むことで粉砕処理を確実に効率よく行える。
(a)、(b)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の対象となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は複合型の表示媒体用粒子の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係る表示媒体用粒子の製造工程を順に示したプロセスブロック図である。
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。まず、表示媒体用粒子を移動方式の粒子として作製し、この表示媒体用粒子を含んで構成した粒子群を表示媒体として用いる情報表示用パネルを一例として、粒子群を表示媒体とする情報表示用パネルの概略構成を説明する。
前記情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界などの外力が付与される。付与された外力に応じて、表示媒体が移動することにより画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、表示媒体用粒子および情報表示用パネルを設計する必要がある。
本発明の表示媒体用粒子を帯電性粒子として調整して表示媒体として用いる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)を参照して説明する。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
更に、上記情報表示用パネルを構成する各部材について説明しておく。
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2μm〜2000μmが好ましく、さらに5μm〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、それ以外の領域や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、視認側基板の情報表示画面領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μmが好適である。それ以外の領域や背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2μm〜100μm、好ましくは3μm〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、種々の形状とすることができ、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
次に、本発明の特徴となる表示媒体用粒子を、図を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る表示媒体用粒子は、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)の情報表示用パネルに適用することができ、上記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。
図3(a)、(b)は、表示媒体用粒子の一例を模式的に示した図である。この表示媒体用粒子は、樹脂をベースに形成する母粒子の表面に子粒子が付加された複合型粒子である。図3(a)は、母粒子32の表面の一部をへこませて子粒子33を埋没状態で固着させて複合型粒子を構成した形態例である。また、図3(b)は、母粒子32の表面上に子粒子33を固着させて複合型粒子を構成した形態例である。
本発明は、子粒子がその表面に均一に固着するような母粒子を含む表示媒体用粒子を効率よく得ようとするもののである。母粒子の表面に子粒子が均一に配置されている図3のような表示媒体用粒子31を採用する情報表示用パネルは、表示書き換えを繰り返す場合の耐久性を向上できる。また「固着」とは、子粒子33が母粒子32の表面に埋設、接着、粘着などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に子粒子33の移動がないものを意味する、と解することができる。
本願発明者等は、図3(a)、(b)に示すような、母粒子32表面に子粒子33を均一に付加するには、まず母粒子に熱処理を施して球状化することが有効であることを確認し、そのためには母粒子のベース樹脂として、所定の物理特性値が所定範囲にあるものを採用することが望ましいことを見出した。そして、更に、粉砕処理を受けたときに破壊開始の核として作用する粉砕助剤を母粒子のベース樹脂に所定量配合しておくと、樹脂塊を効率良く粉砕して母粒子を作製できることも確認して、本発明に至ったものである。
本発明をより具体的に説明すると、母粒子のベース樹脂が、引張力を作用させたときの破断時強度(σ)と破断時伸び(ε)との積で表される破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下であると共に、粉砕助剤を含んで形成してあり、かつ、ベース樹脂100質量部に対して前記粉砕助剤が5質量部〜20質量部を配分したものとすることにより、製造時に効率良く粉砕を行い、その後に熱処理を施することにより球状化した母粒子を得ることを要旨とするものである。
破壊強さ(W)が200[MPa・%]を超えるベース樹脂は本出願人のこれまでの粉砕に関する検討から事実上粉砕が困難なことを見出している。
上記破断時強度(σ)と破断時伸び(ε)とは、例えば下記(表1)の*11に示す東洋精機(株)製の引張試験機VG20Eにより測定できる。ここでの測定はASTM D638に準じ、試験形状Type1、引張速度10mm/min、室温で行った。
なお、ASTMとは、American Society of Testing and Materialsの略で、米国材料試験協会で定めた引張試験方法である。
なお、上記ベース樹脂については、熱による劣化を防止しつつ効率良く母粒子を製造するという観点から、更に、より耐熱温度が高く、粘度が低い材料であることが望ましい。例えば、耐熱温度に関しては、熱重量分析測定による加熱減量曲線で示される初期重量から20%減少したときの温度として定義される耐熱温度が430℃以上であるベース樹脂を採用するのが望ましい。
図4は、本発明の一実施形態に係る表示媒体用粒子の製造工程を順に示したプロセスブロック図である。図に沿って表示媒体用粒子の製造工程の概略を説明する。なお、図4中に付してあるアスタリスク(*)1〜6は、下記の(表1)にまとめ記載している内容と対応しており、この表1には用いた材料、処理、測定で用いた各装置のメーカ、名称/型式や機能、条件など、をまとめて示してある。
母粒子製造用に所定の樹脂材料を原料として準備するが、樹脂材料の主成分となるベース樹脂は、引張力を作用させたときの破断時強度(σ)と破断時伸び(ε)との積で表される破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下である熱可塑性樹脂で、そして、このベース樹脂100質量部に対して粉砕助剤が5質量部〜20質量部を含んで構成されているものである。
複合型表示媒体用粒子の前駆体となる原材料母粒子は、一般に混練りした後、粉砕されることにより作製される。このため、表示媒体用粒子を構成する母粒子の主成分となるベース樹脂は、熱可塑性を有すると共に、粉砕し易いことが必要である。この観点から、熱可塑性樹脂として多くの樹脂が市販されているが、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂、シクロオレフィン系樹脂を採用できるが、特に、母粒子のベース樹脂として上記のように破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下を満たすことができるシクロオレフィンとエチレンとの共重合体(「COC」と略記することがある)を採用するのが望ましい。
まず図4で、母粒子の主成分となるベース樹脂を凍結粉砕機で粉砕し、これを乾燥、秤量する。これと並行して、樹脂に添加する粉砕助剤を準備して、これを秤量する。この粉砕助剤としては、塊状のベース樹脂を粉砕処理するときに、破壊開始の核として作用する素材であればよいが、粉砕後にあっては母粒子のベースとなる樹脂材料中に残存して、表示媒体用粒子を構成することにもなるので、少なくとも表示媒体用粒子に悪影響を与えるこがなく、安定な物質を選択することが望ましい。そこで、このような粉砕助剤として、母粒子が黒色である場合にはカーボンブラック、シリカ、酸化チタンなどの微小粒子、また母粒子が青色、赤色、黄色などである場合はシリカ、酸化チタンなどの微小粒子を採用できる。この粉砕助剤である微小粒子の大きさは、サブミクロンオーダーであり、1nm〜900nmが好ましく、5〜500nmが更に好ましい。
秤量したベース樹脂と粉砕助剤とをヘンシェルミキサーで予備混合し、これを乾燥してから、2軸混練り機を用いて混練りして押出して、例えば直径2mm×長さ5mm程度のペレットを製造する。
上記ペレットを、更に凍結粉砕機で例えば粒子径100μm〜250μm程度となるように冷凍粉砕機により粗粉砕して粗粉砕品を得る。この粗粉砕品を乾燥してから例えばジェットミル粉砕機(JM粉砕機)を用いて粒子径分布のピーク粒子径が10μm前後程度となるように微粉砕処理し、分級機(EJ分級機)を用いて分級して目的サイズの母粒子(後述する熱処理を受ける前の原料母粒子)を得る。
ここまでの処理工程は、樹脂原料を混練り、粉砕、分級して母粒子を得るための一般的なステップであるが、本発明による母粒子の場合は粉砕助剤を含んでいるので粉砕助剤を含まない樹脂と比較して効率良く破壊を実現できる。特に、樹脂塊を粉砕してある粗粉砕品を更に粉砕して微粉砕するときに、その処理速度を向上させるのに寄与する。また、樹脂に粉砕助剤を含ませることにより粉砕が容易となっていることで、分級後に得られる母粒子(原料母粒子)の大きさ及び形状が、従前よりも均一化するという副次的な効果も得られる。
そして、図4で示すように、上記のように得た母粒子を更に熱処理装置を用いて後処理する。ここでの熱処理装置は、例えば粒子を熱風中に噴出し、分散させ、熱風により該粒子を溶融状態とし、表面張力により球状化させるものである。このように熱処理(サフュージョン処理)を施した処理済母粒子は、その表面に子粒子を付加するとき(子粒子複合化処理をするとき)に、いわゆる子粒子の自己組織化配列(Ordered Mixture)が円滑に進行して、母粒子表面に子粒子が均一に配置できる。よって、子粒子複合化処理で、球形母粒子の表面に子粒子が均一配置付加されている理想的形状の複合型粒子を得ることができる。
Figure 2011123114
上記で説明した本発明による表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用すると、電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性が格段に改善した情報表示用パネルを得ることができる。
なお、本発明による複合型の表示媒体用粒子は、母粒子の主成分となる上記ベース樹脂に、前記粉砕助剤に加えて、必要に応じて、下記の荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
これらの顔料は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
また、表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1μm〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて、2種類の表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、その2種類の表示媒体用粒子は、最大径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)に対する最小径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)〜図2(a)〜(d)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3W、3Bの占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明による表示媒体用粒子が採用される情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10μm〜500μm、好ましくは10μm〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10μm〜100μm、好ましくは10μm〜50μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、更に、本発明の実施例として製造した複合型粒子の表示媒体用粒子について説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
母粒子のベース樹脂としてエチレンとシクロオレフィンとの共重合体である樹脂A(TOPAS 5013:ポリプラスチック(株)製)を準備した。また、比較のためシクロオレフィンの単独重合体である樹脂B(D4540:JSR(株)製)を準備した。
まず、実施例1〜4として黒色の母粒子を製造した場合、及びその比較例1〜3の母粒子を製造した場合について説明する。
なお、下記の(表2)に樹脂A、樹脂B及び後述する粉砕助剤A並び微粉砕処理条件や粉砕処理後の母粒子について測定した円形度、更には球状化熱処理後の母粒子について測定した円形度、色味、帯電量などを示してある。この表2中のアスタリスク(*)1、5、7、8、9、10も、上記で示した表1と対応している。
Figure 2011123114
母粒子を形成するための微粉砕処理は、表2での例示では粉砕圧0.7MPaとして、平均粒子径d(0.5)が約8.5μmの微粉砕品を作製し、その後、分級処理によりd(0.5)が約10μmの分級品を作製した。実施例1(粉砕助剤Aとして平均粒子径が25nmのカーボンブラックを5質量部添加する場合)の粉砕処理速度を基準1とする指数指示で、実施例2(カーボンブラックを10質量部添加)、実施例3(カーボンブラックを15質量部添加)、実施例4(カーボンブラックを20質量部添加)の場合は、粉砕処理速度が向上していることが確認できる。これにより効率の良い粉砕処理が実行できることが分る。
実施例による母粒子について、円形度、色味及び帯電量について確認している。その結果を表(2)の下段にまとめて示している。なお、円形度とは粒子の投影面積と等しい円の周囲長を粒子の投影周囲長で割った値として定義され、例えば真円であれば円形度1.000、正六角形は0.952、正五角形は0.930、正方形は0.886、正三角形は0.777となるものである。母粒子の円形度は表1の(*8)で示すフロー式粒子像分析装置FPIA2100(シスメックス(株)製)を用いて測定し、表(2)に、微粉砕処理後で球状化熱処理前の円形度及び球状化熱処理後の円形度の両データを示している。本発明の製造方法によると、実施例による母粒子は粉砕時において既に円形度が高く、既に粒子径が揃っている状態にあることが確認できる。このように円形度が相対的に高い粒子に対して、この後に球状化熱処理を施すので、効率良く、確実に球形化できる。
また、*9による色味測定装置Spectro Eye36.64.00(Gretagmacbeth AG 社製)を用いて測定した色味(L*)は白色度〜黒色度を示す指針であり、その値は、黒色であれば低い程好ましいが、ここでは10.6〜13.5であるので、この点でも実施例による黒母粒子として十分な色味であることが確認できる。
さらに、*10による粉体帯電測定装置 TB−203(京セラケミカル(株)製)で測定した帯電量は、−5〜−30[μC/g]の範囲が好ましく、この点でも実施例による黒母粒子は帯電性の点でも十分であることを確認できる。
上記実施例1〜4に対して、比較例1は粉砕助剤であるカーボンブラックが3質量部である場合、比較例2は粉砕助剤であるカーボンブラックが25質量部である場合、更に比較例3はベース樹脂がシクロオレフィン単独重合体である樹脂Bである場合である。比較例1の場合は粉砕処理速度が劣り、帯電性が適正範囲から外れる。比較例2の場合も、粉砕処理速度が速くなり製造効率は向上するが、帯電性が極端に低くなってしまっている。そして、ベース樹脂がシクロオレフィン共重合体ではない比較例3の場合は、粉砕処理速度、収率、円形度、帯電性の全てで劣るので、実用的でないことが分る。
上記実施例1〜4で例示する母粒子は、黒色母粒子で黒色材として用いるカーボンブラックを粉砕助剤として所定量添加するものであるのから、きわめて簡単に製造できるというメリットがある。
下記の(表3)は、シクロオレフィン共重合体である樹脂A(TOPAS 5013)とシクロオレフィン単独重合体である樹脂B(ARTON D4540)との破壊強さ(Wb)[MPa・%]を示している。この破壊強さ(W)は、破断時強度(σ)[MPa]と破断時伸び(ε)[MPa]との積として求められる物性値である。粉砕は破壊現象の一種であり、粉砕の難易は、この破壊強さ(W)で、ほぼ正確に表されるものである。
Figure 2011123114
この表3から樹脂Bは、破壊強さ(W)が768[MPa・%]と高く粉砕処理が極めて困難であることが分る。これに対して、樹脂Aの破壊強さ(W)は128[MPa・%]と小さく粉砕し易いことが分る。そして、本発明等は、破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下であるベース樹脂で母粒子を構成すると共に所定割合の粉砕助剤を含むと、上述した実施例と同様に粉砕処理を効率化し、粒子径の揃った粒子を製造できることを確認している。
さらに下記では、実施例5〜8として赤色母粒子で平均粒子径16nmのシリカを粉砕助剤とした場合、及びその比較例4〜6の母粒子を製造した場合について説明する。その結果を黒色母粒子の場合についてまとめた上記(表2)と同様に、下記(表4)に示す。
Figure 2011123114
上記実施例5〜8による赤色母粒子でもベース樹脂をCOCとして、ここではシリカを粉砕助剤としているが、粉砕処理を同様に効率良く行えることが確認できる。
なお、比較例4と5はベース樹脂を同じ樹脂A(COC)としてシリカの割合を変更した場合、比較例6は樹脂A(COC)に替えて樹脂Bを採用した場合で、黒色母粒子の場合と同様に実施例と比較例とを製造した。
上記実施例5〜8に対して、比較例4は粉砕助剤が3質量部である場合、比較例5は粉砕助剤が25質量部である場合、更に比較例6はベース樹脂がシクロオレフィン単独重合体(COP)である樹脂Bである場合である。比較例4の場合は粉砕処理速度が劣り、帯電性が適正範囲から外れる。比較例5の場合も、粉砕処理速度が速くなり製造効率は向上するが、帯電性が極端に低くなってしまっている。そして、ベース樹脂がシクロオレフィン共重合体ではない比較例6の場合は、粉砕処理速度、収率、円形度、帯電性の全てで劣るので、実用的でないことが分る。
以上のように製造した黒色母粒子(表2、実施例1〜4及び比較例1〜3)、赤色母粒子(表4、実施例5〜8及び比較例4〜6)に対して、情報表示用パネルに封入する対となる粒子として下記(表5)に示す白色母粒子を準備した。
Figure 2011123114
(表示媒体用粒子)
さらに、上記実施例1〜4の黒母粒子及び実施例5〜8の赤母粒子、これらに対する比較例1〜6の母粒子と、上記白色母粒子とを用いて、その表面に子粒子を固着した複合型の表示媒体用粒子を以下で記載するように作製した。これをパネル基板間に封入して情報表示用パネルを作製し、コントラストおよび耐久性について評価した。
上記実施例1〜4および比較例1〜3の黒母粒子と白母粒子の場合を下記(表6)に、実施例5〜8および比較例4〜6の赤母粒子と白母粒子の場合を下記(表7)に、それぞれ示している。
1)正帯電性の子粒子
市販のメラミン樹脂の微粒子(EPOSTER−S:(株)日本触媒製 平均粒子径240nm)を用いて、正帯電性の子粒子とした。
2)負帯電性の子粒子
乳化重合法の標準的な手法に基づいて作製し、精製水で十分に洗浄して、真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥粉体としたポリジビニルベンゼン(以下、DVB粒子ともいう)(平均粒子径250nm)を負帯電性の子粒子とした。
3)表示媒体用粒子の作製、母粒子、子粒子の組み合わせ
図4の下段に示すように、下記複合化装置を用いて母粒子と子粒子と固着複合化した。
4)母粒子+子粒子、固着複合化処理
装置:サンプルミル SK−M10((株)協立理工社 製)
条件:70℃、16500rpm×30〜90分間
実施例1〜8、比較例1〜6の黒色又は赤色母粒子100質量部に対して正帯電性の子粒子8質量部の割合で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積130cm)を上記装置に一括投入し所定条件において複合化処理を行った後、目開き150μmのステンレス製篩で篩い分けして篩を通過したものを複合型の表示媒体用黒色、又は赤色粒子とした。また、上記白色母粒子100質量部に対して負帯電性の子粒子8質量部の割合で混合し、黒、赤色母粒子と同様に処理して、複合型の表示媒体用白粒子とした。
さらに、下記に示す方法により、この複合化した粒子に対して市販のシリカ微粒子(HDK H3004:ワッカー社 製)を表面に付着処理を行った。
5)シリカ微粒子付着処理
カーボンミキサー(エスエムテー社 製)
条件:25℃、4000rpm×15分間
複合粒子に対してシリカ微粒子(HDK H3004:ワッカー社 製)を重量分率2%で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積200cm3)を上記装置に一括投入し上記条件において付着処理を行った後、目開き150μmのステンレス製篩で篩い分けして篩を通過させて処理粉体を表示媒体とする粒子群として得た。
6)初期コントラスト比の評価法
黒色粒子群又は赤色粒子群と白色粒子群とを当体積量混合撹拌して摩擦帯電を行い、100μmのスペーサーを介して配置された、一方が内側ITO処理された電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填して、評価用に簡易な情報表示用パネルを得た。
ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となる様に直流電圧をかけると、正帯電の黒色粒子群は低電位極側に、負帯電の白色粒子群は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子群(表示媒体)はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察された。印加電圧を−200[V]〜+200[V]まで、10[V]ごとに変化させ、それぞれの表示状態において反射率を測定し、同絶対値の電圧印加時の白表示時反射率と黒表示時反射率の比をその電圧におけるコントラスト比として、耐久性評価前に±200[V]印加した時のコントラスト比を初期のコントラスト比(初期C200)として表示粒子としての鮮明表示性の指標とした。
7)耐久性評価試験法
初期のコントラスト比を求めた後、情報表示用パネルに電圧±200[V]を周波数1[kHz]で100万回交互に印加して表示媒体を反転移動させた後に、上記同様に各印加電圧におけるコントラスト比を測定して100万回反転移動を繰り返した後に電圧±200[V]を印加した時のコントラスト比を求め、それを耐久試験後のコントラスト比(耐久後C200)として鮮明表示性の指標とした。
8)評価結果を、黒白表示の場合を下記表(6)に、赤白表示の場合を(7)に示す。
Figure 2011123114
Figure 2011123114
以上の説明では、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの表示媒体に用いる表示媒体用粒子について行ってきたが、帯電性粒子ではなく、導電性粒子を表示媒体に用いる情報表示用パネルにおいてはその表示媒体用粒子に本願発明を適用することもできるし、半導体性粒子を表示媒体に用いる情報表示用パネルにおいてはその表示媒体用粒子に本願発明を適用することもできる。また、帯電性粒子を絶縁液体中で移動されるいわゆる電気泳動方式の情報表示用パネルの表示媒体に用いる表示媒体用粒子に本願発明を適用することもできる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係る表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、表示書換え時にのみ外部電界形成手段や外部書換え手段を用いて表示を書換えるいわゆるリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
1、2 基板
3Wa、3Ba 表示媒体用粒子
3W、3B 表示媒体(粒子群)
31 表示媒体用粒子
32 母粒子
33 子粒子

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
    前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂に粉砕助剤を配合した樹脂材料を用いて形成した母粒子、およびその表面に子粒子が付加されている複合型粒子として構成され、
    前記ベース樹脂が、引張力を作用させたときの破断時強度(σ)と破断時伸び(ε)との積で表される破壊強さ(W)が200[MPa・%]以下であると共に、前記ベース樹脂100質量部に対して前記粉砕助剤が5質量部〜20質量部配合してある、ことを特徴とする表示媒体用粒子。
  2. 前記ベース樹脂がエチレンとシクロオレフィンとの共重合体である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。
  3. 前記粉砕助剤がカーボンブラック、シリカ又は酸化チタンの平均粒子径がサブミクロンオーダーの微小粒子いずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として採用したことを特徴とする情報表示用パネル。
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