JP2012058334A - 表示媒体用粒子およびそれを用いた情報表示用パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的安定性および耐久性に優れるのはいうまでもなく、サフュージョン(SF)を施した場合に色抜けの発生のない表示媒体用粒子を提供する。
【解決手段】母粒子の原料樹脂を、ベース樹脂と粘度調整用樹脂の混合体で構成し、
前記ベース樹脂を、260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が1000 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂とし、
前記粘度調整用樹脂を、質量比が35/65〜45/55の割合になるエチレンとシクロオレフィンとの共重合体とし、
前記粘度調整用樹脂の樹脂全体に対する配合比率を5〜30質量%とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体用粒子に関し、特に加熱溶融球状化処理(以下、サフュージョン(SF)と記す)の際に懸念される色抜けの発生を効果的に防止しようとするものである。
また、本発明は、情報表示用パネルに関し、上記した表示媒体用粒子を用いることによりパネル耐久性の一層の向上を図ろうとするものである。
液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)に代わる情報表示装置として、帯電粒子を液体中で駆動させる方式(電気泳動方式)の情報表示装置や、帯電粒子を気体中で駆動させる方式(例えば電子粉流体方式)の情報表示装置が知られている。
帯電粒子駆動方式の情報表示装置に用いる情報表示用パネルとしては、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを設け、このセル内に粒子群として構成した表示媒体を封入して、表示媒体に電界を付与することにより、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する方式の情報表示用パネルが知られている(例えば特許文献1)。
このような情報表示用パネルでは、表示要求のあった情報に応じて、粒子群(表示媒体用粒子)が基板間の空間を繰り返し移動することになる。従って、表示媒体用粒子としては、均質で耐久性に富む粒子が要求される。
上述した情報表示用パネルに用いる表示媒体用の粒子として、流動性を高めて表示媒体用粒子間の凝集力を低減したり、帯電性を向上させてパネル間の移動を容易にし、さらには電極や隔壁などの情報表示用パネル部材への付着力を低減させるために、熱可塑性樹脂ベースの母粒子の表面に、微小粒子(子粒子)を付着または固着させた複合型粒子が提案された(特許文献2)。
かような複合型粒子とすることにより、電気特性の安定化は勿論のこと、繰り返し表示書き換えを行った場合の耐久性を格段に向上させることができる。
しかしながら、上述した複合型粒子を製造する場合、子粒子を母粒子表面に均一に固着させることは極めて難しかった。一般に子粒子は、母粒子の製造後の固着工程で、母粒子表面に埋め込まれる。ところが、製造した母粒子の外形形状が製造工程で変形する(いびつな形状になる)場合が多く、かような場合には、母粒子の表面に子粒子を均一に配置することができない。そのため、複合型粒子であっても電気的特性の安定化や表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性において期待した効果が得られない場合があった。
上記の問題を解決するものとして、発明者らは先に、特許文献3において、
「 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に粒子群として構成した表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
前記表示媒体用粒子が、ベース樹脂を含む原料により形成した母粒子、およびその表面に子粒子が付加されている複合型粒子として構成され、
前記ベース樹脂は260℃、剪断速度122/sで示される粘度が1000 Pa・s以下であって、かつ、熱重量分析測定による加熱減量曲線において初期重量から20%減少した時の温度として定義される耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂とされていると共に、当該熱可塑性樹脂が、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂およびシクロオレフィン系樹脂からなる群から選択される樹脂またはこの群から選択される2種類以上の樹脂を混合した樹脂であることを特徴とする表示媒体用粒子。」
を提案した。
国際公開第2003/050606号パンフレット 特開2006−72283号公報 国際公開第2010/016529号パンフレット
複合型粒子における母粒子のベース樹脂として、上記の要件を満足する熱可塑性樹脂を採用することによって、サフュージョン(SF)による円形度が向上し、その結果、電気的特性の安定性および表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性に優れた複合型粒子が得られるようになった。
しかしながら、上記した熱可塑性樹脂をベース樹脂とした場合、着色剤として白色顔料や黒色顔料を使用した場合はともかく、白色および黒色以外の着色剤(赤色や黄色)を配合したカラー粒子では、サフュージョン(SF)の際に色が薄くなるいわゆる色抜け現象が発生するという問題があった。
本発明は、前掲した特許文献3に開示の技術の改良に係るもので、電気的安定性および耐久性に優れるのはいうまでもなく、サフュージョン(SF)を施した場合に色抜けの発生のない表示媒体用粒子を、それを用いた情報表示用パネルと共に提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記した色抜けの発生を防止すべく、ベース樹脂として特許文献3に記載のシクロオレフィン系樹脂(ポリプラスチック(株)製 TOPAS 5013)を用いて種々の実験と検討を行った。
その結果、色抜けの発生を防止するためには、サフュージョン(SF)における処理温度を低下させることが有効であることが判明した。
すなわち、上記のベース樹脂(TOPAS 5013)を母粒子として用いる場合、その円形度を0.98以上とする必要があるが、この樹脂の粘度は、260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度で260 Pa・s程度であり、そのため0.98以上の円形度を達成するためには、サフュージョン(SF)を620℃程度で行う必要があった。
この処理温度を620℃程度とした場合、着色剤として白色顔料や黒色顔料を用いた場合は、顔料自身の耐熱性が高い(耐熱温度:650℃程度)ため、色抜けの発生は生じなかったものの、赤色原料や黄色原料は耐熱性が低い(耐熱温度:480〜490℃程度)ため、サフュージョン(SF)による色抜けの発生が避けられなかった。
そこで、この「TOPAS 5013」について、耐熱性(耐熱温度)の低下を招くことなしに、その粘度を低下させることを試みた。この「TOPAS 5013」は、エチレン:23質量%、シクロオレフィン:77質量%の共重合体であり、粘度の低下に寄与すると考えられる成分はエチレンである。
そこで、「TOPAS 5013」中におけるエチレン成分の比率を高めてみたところ、エチレン成分の比率を単に高めただけでは、予測したほど粘度を低下させることはできなかった。
そこで、次に、「TOPAS 5013」に対してエチレンを含む種々の樹脂を混合させることによって、混合体の粘度の低下を試みたところ、粘度調整用樹脂としてエチレンとシクロオレフィンとの共重合体を適量混合させた場合に、耐熱温度の低下を招くことなしに、粘度を200Pa・s程度まで低下させることができ、その結果、所期した目的が有利に達成されことの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.樹脂および着色剤を含む原料により形成した母粒子の表面に子粒子を固着させた複合型粒子からなる、情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
前記樹脂は、ベース樹脂と粘度調整用樹脂の混合体からなり、
前記ベース樹脂が、260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が1000 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂であり、
前記粘度調整用樹脂が、質量比が35/65〜45/55の割合になるエチレンとシクロオレフィンとの共重合体であり、
前記粘度調整用樹脂の樹脂全体に対する配合比率が5〜30質量%である
ことを特徴とする表示媒体用粒子。
2.前記粘度調整用樹脂が、120℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が430 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が390℃以上であることを特徴とする前記1に記載の表示媒体用粒子。
3.前記混合体の260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が50〜200 Pa・sであることを特徴とする前記1または2に記載の表示媒体用粒子。
4.前記1乃至3のいずれかに記載の表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として使用することを特徴とする情報表示用パネル。
本発明によれば、複合型粒子の母粒子のサフュージョン(SF)の際に、着色剤の色抜けが発生することのない表示媒体用粒子を提供することができる。
また、本発明によれば、上記の表示媒体用粒子を使用することにより、電気特性の安定化と、繰り返し表示書き換えを行った場合の耐久性を格段に向上させた情報表示用パネルを提供することができる
本発明に従う複合型粒子の基本的な製造工程を示すプロセスブロック図である。 本発明に係る帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの原理的構成を説明するための図である。 本発明に係る帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するための図である。 本発明に係る帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するための図である。 本発明に係る帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するための図である。 本発明に係る帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するための図である。 本発明に従う複合型粒子の一例を示す模式図である。 情報表示用パネルにおけるセル形状を示した図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、複合型粒子の基本的な製造工程を、図1に示したプロセスブロック図に基づいて説明する。
通常、予め準備しておいた母粒子製造用の樹脂原料を、凍結粉砕機で粉砕し、これを乾燥、秤量する。これと並行して、ベース樹脂に配合する配合剤(例えば二酸化チタンTiO2や着色顔料)を準備して、これを秤量する。秤量した樹脂原料と配合剤とをヘンシェルミキサーで予備混合し、これを乾燥してから、2軸混練り機を用いて混練りしたのち押出して、例えば直径:2mm、長さ:5mm程度のペレットを作製する。
このペレットを、さらに凍結粉砕機により、例えば粒子径が200μm 程度となるように粗粉砕する。ついで、得られた粗粉砕品を乾燥してから粒子径が8〜10μm 程度となるように微粉砕したのち、分級して目標サイズの母粒子(8〜12μm 程度)とする。
ついで、上記のようにして得た母粒子に対して、加熱球状化処理、すなわちサフュージョン(SF)を施す。この熱処理は、例えば粒子を熱風中に噴出・分散させ、熱風により該粒子を溶融状態とし、表面張力により球状化させるものである。このような加熱処理を施した処理済母粒子は、その表面に子粒子を固着して複合化するときに、いわゆる子粒子の自己組織化配列(Ordered Mixture)が円滑に進行して、母粒子表面に均一に子粒子を配置させることができる。このため、球形母粒子の表面に子粒子が均一配置された理想的形状の複合型粒子を得ることができるのである。
上記したように、サフュージョン(SF)により、球形母粒子の表面に子粒子を均一に配置するには、母粒子のベース樹脂としては、260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が1000 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂を用いる必要がある。なお、本発明において、耐熱温度とは、熱重量分析測定による加熱減量曲線において初期重量から20%減少した時の温度と定義する。
というのは、上記で定義した粘度が1000 Pa・s超では、0.98以上という本発明で目標とする円形度を達成できず、また上記で定義した耐熱温度が430℃に満たないと、やはり満足のいく球状化が達成されないからである。
上記したような、粘度および耐熱温度をそなえる熱可塑性樹脂としては、例えばメタクリル樹脂やポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂およびシクロオレフィン系樹脂などを挙げることができ、これらは単独でも、また複合して使用することもができるが、とりわけシクロオレフィン系樹脂が好適である。
なお、かかる母粒子の粒径は1〜20μm 程度とするのが好適である。
上述したとおり、サフュージョン(SF)を施すことにより、母粒子を円形度が0.98以上の球形にすることができ、その結果、母粒子の表面に子粒子が均一配置されて、電気特性の安定化および繰り返し表示書き換え時の耐久性に優れた複合型粒子を得ることができる。
しかしながら、従来は、このサフュージョン(SF)の際に620℃程度の処理温度を必要としたことから、着色剤として耐熱性が低い赤色原料や黄色原料を用いた場合には、色抜けの発生が免れ得なかったことは、前述したとおりである。
この理由は、従来のベース樹脂は粘度が比較的高かったため、サフュージョン温度をかなり高くしないと所望の円形度とすることができず、そのため赤色原料や黄色原料のような耐熱性が低い顔料を用いた場合は色抜けが発生していたのである。
そこで、本発明では、上記のベース樹脂に対して、適量の粘度調整用樹脂を混合し、混合体からなる原料樹脂の粘度を適正に低下させるのである。
本発明では、上記した粘度調整用樹脂として、エチレンとシクロオレフィンとの共重合体を使用する。
ここに、粘度調整用樹脂として、エチレンとシクロオレフィンとの共重合体を採用した理由は、この共重合体は、ベース樹脂と混合した場合に、相溶化し、そして混合体の耐熱温度をほとんど低下させることなしに、粘度の低減に有効に寄与するからである。
ただし、この共重合体において、ベース樹脂との相溶性を確保するためには、エチレンとシクロオレフィンとの組成比がベース樹脂のそれと近いことが必要である。具体的には、エチレンとシクロオレフィンとの組成比を、質量比で35/65〜45/55の割合とすることが重要である。というのは、シクロオレフィンに対するエチレンの割合が質量比で35/65に満たないと粘度の低下効果に乏しく、一方質量比で45/55を超えると耐熱温度が低下するからである。
そして、上記したように、エチレンとシクロオレフィンとの組成比を適正な割合に調整することにより、120℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が430 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が390℃以上という、低粘度かつ高耐熱性の粘度調整用樹脂を得ることができる。
そして、上記した粘度調整用樹脂の樹脂全体における配合比率は5〜30質量%とする必要がある。というのは、この配合比率が5質量%を下回ると粘度の低下効果が十分とは言えず、一方30質量%を超えると耐熱温度が低下して、サフュージョン(SF)を上手く行えなくなる。
上記の条件を満足する範囲で、ベース樹脂に対して粘度調整用樹脂を混合することにより、耐熱温度が430℃以上という優れた耐熱性を保持したまま、混合体の粘度を、 260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度で50〜200 Pa・sの範囲に低下させることができる。
従って、サフュージョン温度を従来の620℃から450〜470℃まで低下させることができ、その結果、着色剤として耐熱温度の低い赤色顔料や黄色顔料を用いた場合であっても、色抜けが発生することはない。
次に、本発明の特徴となる表示媒体用粒子を、図を参照しながら詳細に説明する。本発明の表示媒体用粒子は、例えば図2(a),(b)〜図6(a)〜(d)に示すような情報表示用パネルに適用することができ、上記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。
図7(a)、(b)は、表示媒体用粒子の一例を模式的に示した図である。この表示媒体用粒子は、母粒子の表面に子粒子が付加された複合型粒子31である。図7(a)は、母粒子32の表面に子粒子33を固着させて複合型粒子を構成した形態例である。また、図6(b)は、母粒子32の表面に子粒子33を付着させて複合型粒子を構成した形態例である。
本発明は、「固着」あるいは「付着」のいずれの形態であるかを問わず、子粒子が母粒子の表面に均一に付加された表示媒体用粒子を効率よく得ようとするもののである。母粒子の表面に子粒子が均一に配置されている図7のような表示媒体用粒子31を採用する情報表示用パネルは、表示書き換えを繰り返す場合の耐久性を向上できる。
また、「付着」とは、子粒子33が母粒子32の表面に静電気力、クーロン力、ファンデルワールス力などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に子粒子33の移動があるものを意味し、また「固着」とは、子粒子33が母粒子32の表面に埋設、接着、粘着などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に子粒子33の移動がないものを意味する、と解することができる。
そして、上記した樹脂混合体を母粒子の樹脂原料として複合型粒子を作製し、この複合型粒子を表示媒体用粒子として採用することにより、電気的特性が安定化で、しかも表示書き換えを繰り返して行った場合の耐久性に優れた情報表示用パネルを得ることができるのである。
また、子粒子としては、とくに制限はなく、従来から公知のものいずれもが使用することができる。
すなわち、正帯電粒子としては、メラミン樹脂やベンゾグアナミン樹脂などを、一方負帯電粒子としては、シリカやポリジビニルベンゼンなどを好適に使用することができる。
そして、これら子粒子の粒径はいずれも100〜300 nm程度とするのが好ましい。より好ましくは200〜300 nmの範囲である。
次に、着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
すなわち、黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が挙げられる。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
また、青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられる。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等が挙げられる。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等が挙げられる。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等が挙げられる。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
そして、本発明による複合型の表示媒体用粒子では、母粒子の主成分となる樹脂に、上記した着色剤の他、必要に応じて、荷電制御剤、無機添加剤等を含めることができる。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
本発明の複合型粒子からなる表示媒体用粒子は、平均粒子径d(0.5)が1〜20μm の範囲であり、均一で 揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに、本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5以下、好ましくは3以下とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμm で表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμm で表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμm で表した数値である。)
上記のSpanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
またさらに、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて、2種類の表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、その2種類の表示媒体用粒子は、最大径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)に対する最小径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが好ましい。
次に、前記した表示媒体用粒子を表示媒体として用いる情報表示用パネルを一例として、粒子群を表示媒体とする情報表示用パネルの概略構成を説明する。
前記情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する表示媒体用粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の表示媒体用粒子を帯電性粒子として調整して表示媒体として用いる情報表示用パネルの例を、図2(a),(b)〜図4(a),(b)、図5(a)〜(d)を参照して説明する。
図2(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2に対して垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行うことができる。
なお、図2(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図3(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2に対して垂直に移動させる場合である。
また、図4(a)、(b)に示す例は、3個のセルで表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図4(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−3の全てに負帯電性白色表示媒体3Wと正帯電性黒色表示媒体3Bとを充填してある。第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22Bを設けてある。これら第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の3個のセルで表示単位(1ドット)を構成している。
本例では、各セル内での表示媒体の移動を適宜に行うことによって多色カラー表示を行うことができる。
図5(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される1種類の表示媒体を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と黒色電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる場合である。そして、図5(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図5(b)に示すように、黒色電極6の色を観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示をすることができる。
更に、図6(a)〜(d)に示す例は、まず、図6(a)、(c)に示すように、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段7と基板2の外側に設けた外部電界形成手段8との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2に対して垂直に移動させる場合である。そして、図6(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図6(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、するなど、白黒のドットでマトリックス表示を行えるように構成している。
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが好ましい。
空隙部分の気体としては、相対湿度が上述した好適範囲にあれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。
本発明による表示媒体用粒子が採用される情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10〜100μm、好ましくは10〜50μm に調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
次に、本発明による表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μm が好ましく、さらに5〜1000μm が好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μm より厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、それ以外の領域や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、視認側基板の情報表示画面領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。それ以外の領域や背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適に設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μm である。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図9に示すように、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法も本発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
本発明に従うベース樹脂(樹脂A)として、エチレンとシクロオレフィンとの共重合体(エチレンとシクロオレフィンの質量比は23:77)であるシクロオレフィン系樹脂(TOPAS 5013:ポリプラスチック(株)製)を準備した。
また、本発明に従う粘度調整用樹脂(樹脂B)として、質量比が38:62の割合になるエチレンとシクロオレフィンとの共重合体(TOPAS TM:ポリプラスチック(株)製)を準備した。
なお、樹脂Cは、エチレンとシクロオレフィンの質量比は23:77の割合になるエチレンとシクロオレフィンとの共重合体であるシクロオレフィン系樹脂(TOPAS 6013:ポリプラスチック(株)製)であり、樹脂Aに比べ、高分子量のため、粘度が高いものである。そして、熱重量分析測定において、初期重量から20%減少した時の温度と定義される耐熱温度は、樹脂A,B,Cはそれぞれ、460℃,398℃,460℃である。
また、着色剤としては、赤色顔料と黄色顔料の二種類を準備した。
ここに、赤色顔料(顔料A)としては、チバ・ジャパン(株)製の「クロモフタールレッド 2028」を、また黄色顔料(顔料B)としては、大日精化工業(株)製の「PY138」を用いた。
表1に、母粒子樹脂として、上記したベース樹脂(樹脂A)および樹脂Cをそれぞれ単味で使用した場合、ならびにベース樹脂(樹脂A)に粘度調整用樹脂(樹脂B)を種々の割合で配合した場合の合計9種類(樹脂(1)〜(9))の樹脂の粘度および耐熱温度を示す。
なお、耐熱温度は、熱重量分析測定による加熱減量曲線において初期重量から20%減少した時の温度である。
また、表2には、顔料A(赤色)と顔料B(黄色)の耐熱温度を示す。
さらに、表3に、粘度や耐熱温度、粒度分布、サフュージョン(SF)処理、色味(色抜け)、融着および円形度の判定に用いた装置や測定条件を、まとめて示す。
なお、円形度とは、粒子の投影面積と等しい円の周囲長を粒子の投影周囲長で割った値として定義され、例えば真円であれば円形度1.000、正六角形は0.952、正五角形は0.930、正方形は0.886、正三角形は0.777となるものである。母粒子の円形度は、表3に示したフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス(株)製)を用いて測定し、この円形度が0.980以上であれば、優れた粒子形状ということができる。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
表1に示した母粒子樹脂(1)〜(9)に対し、着色料として表2に示した顔料A(赤色)を適用した場合のサフュージョン(SF)の前後における平均粒子径d(0.5)およびスパン、ならびにSF処理後の色味(色抜け)、融着および円形度について調べた結果を、表4に示す。
表4に示したとおり、母粒子樹脂として、本発明に従い、ベース樹脂である樹脂Aに、粘度調整用樹脂として樹脂Bを適量配合した母粒子樹脂(3)〜(7)を用いた場合(実施例1〜5)はいずれも、色抜けや粒子間の融着はほとんどなく、また円形度も0.980以上と良好であった。
これに対し、粘度調整用樹脂として樹脂Bを配合しなかった場合(比較例1)や樹脂Bの配合量が少なかった場合(比較例2)は、満足のいく円形度が得られなかった。
また、樹脂Bを上限値を超えて配合した場合(比較例3)は、粒子間の融着が生じ、円形度も劣化した。さらに、母粒子樹脂として樹脂Cのみを用いた場合(比較例4)は、円形度の劣化が著しかった。
(実施例6〜10、比較例5〜8)
次に、表1に示した母粒子樹脂(1)〜(9)に対し、着色料として表2に示した顔料B(黄色)を適用した場合のサフュージョン(SF)の前後における平均粒子径d(0.5)およびスパン、ならびにSF処理後の色味(色抜け)、融着および円形度について調べた結果を、表5に示す。
なお、この例では、配合剤AとしてTiO2も併せて添加した。
表5に示したとおり、母粒子樹脂として、本発明に従い、ベース樹脂である樹脂Aに、粘度調整用樹脂として樹脂Bを適量配合した母粒子樹脂(3)〜(7)を用いた場合(実施例6〜10)はいずれも、色抜けや粒子間の融着はほとんどなく、また円形度も0.980以上と良好であった。
これに対し、粘度調整用樹脂として樹脂Bを配合しなかった場合(比較例5)や樹脂Bの配合量が少なかった場合(比較例6)は、満足のいく円形度が得られなかった。
また、樹脂Bを上限値を超えて配合した場合(比較例7)は、粒子間の融着が生じ、円形度も劣化した。さらに、母粒子樹脂として樹脂Cのみを用いた場合(比較例8)は、円形度の劣化が著しかった。
(表示媒体用粒子)
さらに、上記した実施例1〜5(赤色)および実施例6〜10(黄色)の母粒子、また比較例1〜4(赤色)および比較例5〜8(黄色)の母粒子を用いた表示媒体用粒子を以下のようにして作製し、これらをパネル基板間に封入して、情報表示用パネルを作製した。
1)正帯電性の子粒子
市販のメラミン樹脂の微粒子(EPOSTER−S:(株)日本触媒製 平均粒子径:240 nm)を用いて、正帯電性の子粒子とした。
2)負帯電性の子粒子
乳化重合法の標準的な手法に基づいて作製し、精製水で十分に洗浄して真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥粉体としたポリジビニルベンゼン粒子(以下、DVB粒子ともいう)(平均粒子径:250 nm)を負帯電性の子粒子とした。
3)表示媒体用粒子の作製、母粒子、子粒子の組み合わせ
以下に述べる複合化装置を用いて、母粒子と子粒子とを固着複合化した。母粒子と子粒子の組合として、例えば、白色負帯電母粒子+ポリジビニルベンゼン子粒子の組合せ、黒色正帯電母粒子+メラミン樹脂子粒子の組合せとすることができる。
4)母粒子+子粒子、固着複合化処理
装置:サンプルミル SK−M10((株)協立理工社製)
条件:70℃、16500 rpm×30〜90分間
母粒子:100質量部に対して子粒子:8質量部の割合で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積 130 cm3)を上記装置に一括投入し、所定の条件で複合化処理を行った後、目開き:150μm のステンレス製篩で篩い分けして篩を通過したものを複合型の表示媒体用粒子とした。
さらに、この複合化した粒子に対して、市販のシリカ微粒子(HDK H3004:ワッカー社製)の表面付着処理を行った。
5)シリカ微粒子付着処理
カーボンミキサー(エスエムテー社製)
条件:25℃、4000 rpm×15分間
複合粒子に対してシリカ微粒子(HDK H3004:ワッカー社製)を質量分率:2%で混合した混合粉体(嵩体積=みかけの体積 200 cm3)を上記装置に一括投入し上記条件において付着処理を行った後、目開き:150μm のステンレス製篩で篩い分けして篩を通過させて処理粉体を表示媒体とする粒子群として得た。
6)対となる複合型粒子
表4に示した赤色母粒子の対となる複合型粒子としては、表6に示す白色母粒子を用いた。
また、表5に示した黄色母粒子の対となる複合型粒子としては、表7に示す黒色母粒子を用いた。
(実施例11〜14、比較例9〜12)
表4に実施例1〜5および比較例1〜4として示した赤色母粒子に、子粒子としてメラミン粒子を固着させて赤色の複合型粒子とする一方、対となる複合型粒子として、表6に示す白色母粒子に、子粒子としてポリジビニルベンゼン粒子を固着させた白色の複合型粒子を用い、これら各複合型粒子を表示媒体用粒子としてパネル基板間に封入して、情報表示用パネルとした。
かくして得られた情報表示用パネルのコントラスト比および耐久性について評価した結果を、表8に示す。
なお、初期コントラスト比の評価法および耐久性評価試験法は次のとおりである。
7)初期コントラスト比の評価法
黒色粒子群と白色粒子群とを当体積量混合撹拌して摩擦帯電を行い、100μm のスペーサーを介して配置された、一方が内側ITO処理された電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率:30%で充填して、評価用に簡易な情報表示用パネルを得た。
ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となる様に直流電圧をかけると、正帯電の黒色粒子群は低電位極側に、負帯電の白色粒子群は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子群(表示媒体)はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察された。印加電圧を−200V〜+200Vまで、10Vごとに変化させ、それぞれの表示状態において反射率を測定し、同絶対値の電圧印加時の白表示時反射率と黒表示時反射率の比をその電圧におけるコントラスト比として、耐久性評価前に±200V印加した時のコントラスト比を初期のコントラスト比(初期C200)として表示粒子としての鮮明表示性の指標とした。
8)耐久性評価試験法
初期のコントラスト比を求めた後、情報表示用パネルに電圧:±200Vを周波数:1kHzで100万回交互に印加して表示媒体を反転移動させた後に、上記同様に各印加電圧におけるコントラスト比を測定して100万回反転移動を繰り返した後に電圧±200Vを印加した時のコントラスト比 を求め、それを耐久試験後のコントラスト比(耐久後C200)として鮮明表示性の指標とした。
ここに、C200の値が5以上であれば、コントラスト比は良好であるといえ、特に10以上であれば非常に良好であるといえる。
表8に示したとおり、赤色母粒子として、本発明に従う実施例1〜5の母粒子を用いた場合(実施例11〜15)はいずれも、初期C200は非常に良好で、耐久後C200も良好であり、これにより、本発明の母粒子を用いて表示媒体用粒子を作製すると、耐久性に優れる情報表示用パネルが得られることが分かる。
これに対し、母粒子として、比較例1,2を用いた場合(比較例9,10)は、初期C200は良好であったものの、耐久後C200は不良またはやや不良であり、本発明ほど良好な耐久性は得られなかった。
また、同様に、母粒子として、比較例3,4を用いた場合(比較例11,12)は、耐久後C200が不良であり、耐久性に劣っていた。
(実施例16〜20、比較例13〜16)
表5に実施例6〜10および比較例5〜8として示した黄色母粒子に、子粒子としてポリジビニルベンゼン粒子を固着させて黄色の複合型粒子とする一方、対となる複合型粒子として、表7に示した黒色母粒子に、子粒子としてメラミン粒子を固着させた黒色の複合型粒子を用い、これら各複合型粒子を表示媒体用粒子としてパネル基板間に封入して、情報表示用パネルとした。
かくして得られた情報表示用パネルのコントラスト比および耐久性について評価した結果を、表9に示す。
表9に示したとおり、赤色母粒子として、本発明に従う実施例6〜10の母粒子を用いた場合(実施例11〜15)はいずれも、初期C200は非常に良好で、耐久後C200も良好であり、これにより、本発明の母粒子を用いて表示媒体用粒子を作製すると、耐久性に優れる情報表示用パネルが得られることが分かる。
これに対し、母粒子として、比較例5,6を用いた場合(比較例13,14)は、初期C200は良好であったものの、耐久後C200は不良またはやや不良であり、本発明ほど良好な耐久性は得られなかった。
また、同様に、母粒子として、比較例7,8を用いた場合(比較例15,16)は、耐久後C200が不良であり、耐久性に劣っていた。
本発明に係る表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、表示書換え時にのみ外部電界形成手段や外部書換え手段を用いて表示を書換えるいわゆるリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
なお、情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式が適用できる。
1,2 基板
3 粒子
4 隔壁
5,6 電極
21 セル
22 カラーフィルター
31 複合型粒子
32 母粒子
33 子粒子

Claims (4)

  1. 樹脂および着色剤を含む原料により形成した母粒子の表面に子粒子を固着させた複合型粒子からなる、情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子であって、
    前記樹脂は、ベース樹脂と粘度調整用樹脂の混合体からなり、
    前記ベース樹脂が、260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が1000 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が430℃以上である熱可塑性樹脂であり、
    前記粘度調整用樹脂が、質量比が35/65〜45/55の割合になるエチレンとシクロオレフィンとの共重合体であり、
    前記粘度調整用樹脂の樹脂全体に対する配合比率が5〜30質量%である
    ことを特徴とする表示媒体用粒子。
  2. 前記粘度調整用樹脂が、120℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が430 Pa・s以下で、かつ耐熱温度が390℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。
  3. 前記混合体の260℃、剪断速度:122s-1で示される粘度が50〜200 Pa・sであることを特徴とする請求項1または2に記載の表示媒体用粒子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の表示媒体用粒子を含む粒子群を表示媒体として使用することを特徴とする情報表示用パネル。
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