JPWO2010013525A1 - 複合体の測定方法およびそれに用いるキット - Google Patents

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Abstract

物質Aと物質Bとの複合体ABを含む可能性のある試料中の複合体ABのレベルを測定する際に、試薬として、物質Aに対する特異的結合パートナーCを含む試薬、物質Bに対する特異的結合パートナーDを含む試薬、物質A又はその類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子を含む試薬、および、物質Aに対する特異的結合パートナーCと物質Bに対する特異的結合パートナーDとを含む試薬を用いて、競合的均一系凝集測定法により複合体を測定することにより、試料中の複合体を簡単に測定でき、また、汎用型の生化学自動分析装置に適用できる。

Description

本発明は、試料中の複合体の測定方法およびそれに用いるキットに関する。更に詳細には、本発明は、試料中の複合体の競合的均一系凝集測定法による測定法であって、試料中に存在するIgA−アルブミン複合体のような2つの異なる物質の複合体の測定に適した複合体の測定方法およびそれに用いるキットに関する。
血液試料には、2つの異なる物質が結合された複合体として存在しているものが数多くある。そのような複合体としては、トランスフェリン−トランスフェリンレセプター複合体、トロンビン−アンチトロンビン複合体、第VIIa因子−アンチトロンビン複合体、酸化LDL−CRP複合体、PSA−α2−マクログロブリン複合体、PSA−アンチキモトリプシン複合体、酸化LDL−α1−アンチトリプシン複合体、プロテインCインヒビター−プロテアーゼ複合体、プラスミン−α2−プラスミンインヒビター複合体、PSA−プロテインCインヒビター複合体、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター−組織プラスミノーゲンアクチベーター複合体、ハプトグロビン−ヘモグロビン複合体、トランスサイレチン−レチノールバインディングプロテイン複合体等が知られている。
これらの複合体、すなわち、物質Aと物質Bとの複合体を判別もしくは、レベルを測定する方法としては、例えば、以下のような方法が知られている。第一の方法は、電気泳動を用いる方法である(特許文献1)。第二の方法は、物質Aに対する抗体と物質Bに対する抗体のいずれか一方の抗体を固相に結合させた固相抗体に、試料中のその複合体を接触させ、同時に固相に固定されていない他方の抗体を用いた標識抗体を作用させて、その複合体を測定する方法である(特許文献2)。第三の方法は、その複合体に対する特異的な抗体でその個々の遊離成分には親和性の少ない抗体を用いて種々の免疫測定法により複合体を測定する方法である(特許文献3)。しかし、第一の方法は、感度と定量性が低く測定操作も煩雑であるという欠点がある。第二の方法は、固相を用いる方法のため汎用型の生化学自動分析装置では測定できず、洗浄操作、反応時間等に時間がかかるという問題がある。第三の方法は、その複合体に抗体を作成するための抗原や特異性のある抗体が入手しにくい場合もあり、また、特異性の問題から正確に複合体を測定しにくいという問題があった。したがって、均一系において、試薬が入手しやすく、生化学自動分析装置に適用する簡便な複合体の測定方法の開発が望まれている。
一方、最近、複合体としてIgA−アルブミン複合体が5人のIgA型M蛋白血症の患者から単離され、その複合体をウェスタンブロットにて存在を確認したという報告がある(非特許文献1)が、そのレベルを簡単に測定する方法は知られていない。
特開平2−114181号公報 特開平2−193071号公報 特開平5−207893号公報
Fujitaら、J Electrophoresis,50巻,19頁,2006年
したがって、本発明の目的は、特に均一系において、試薬が入手しやすく、生化学自動分析装置に適用できる簡便な複合体の測定方法およびそれに用いるキットを提供することである。また、本発明の目的は、複合体としてIgA−アルブミン複合体のレベルを簡単に測定できる方法を提供することである。
そのような状況下、これらの問題を解決するため、本発明者らは、IgA−アルブミン複合体等の物質Aと物質Bとの複合体のレベルを簡単に測定できる方法を検討した。その結果、2種類の物質を担持させたラテックス試薬を開発し、それを用いて、さらに物質Aに対する抗体等の特異的結合パートナーを含む試薬、物質Bに対する抗体等の特異的結合パートナーを含む試薬、物質Aに対する特異的結合パートナーと物質Bに対する特異的結合パートナーとを含む試薬の3種類の試薬を組み合わせて3回の競合的均一系凝集測定法を行い、3回の測定で得られる値から、目的の複合体のレベルを自動分析装置で測定できることを発見した。同時にこの方法により、複合体のIgA−アルブミン複合体のレベルを簡単に測定できることを見出した。本発明はかかる経過により達成されたものである。
すなわち、本発明は、物質Aと物質Bとの複合体ABを含む可能性のある試料中の複合体ABのレベルを測定する方法であって、
i)該試料と、物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質A又はその類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーCと、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質Aおよび該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーCと該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との凝集の度合いから、該試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質AのレベルPを測定し、かつ、
ii)該試料と、物質Bに対する特異的結合パートナーDと、物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーDと、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質Bおよび該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーDと該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との凝集の度合いから、該試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質BのレベルQを測定し、かつ、
iii)該試料と、物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDと、物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーCと、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質Aおよび該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との間、かつ、該特異的結合パートナーDと、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質Bおよび該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーCと該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との凝集の度合と、該特異的結合パートナーDと該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との凝集の度合の和からレベルRを測定し、かつ、
iv)α=P+Q−Rにより複合体ABのレベルαを求めることを特徴とする試料中の複合体ABの測定方法である。
さらに本発明は、試料中の物質Aと物質Bとの複合体ABのレベルを測定するためのキットであって、
i)物質A又はその類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子を含む試薬、
ii−A)物質Aに対する特異的結合パートナーCを含む試薬、
ii−B)物質Bに対する特異的結合パートナーDを含む試薬、及び
ii−C)物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDとを含む試薬、
から構成される、試料中の複合体ABのレベルを測定するためのキットである。
さらに本発明は、物質Aと物質Bとの複合体ABを含む可能性のある試料中の複合体ABのレベルを測定する方法であって、
i)該試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質AのレベルPを測定し、かつ
ii)該試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質BのレベルQを測定し、かつ
iii)該試料と、物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDと、物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーCと、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質Aおよび該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との間、かつ、該特異的結合パートナーDと、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質Bおよび該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーCと該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との凝集の度合と、該特異的結合パートナーDと該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との凝集の度合との和からレベルRを測定し、かつ、
iv)α=P+Q−Rにより複合体ABのレベルαを求める、
ことを特徴とする試料中の複合体ABの測定方法である。
さらに本発明は、試料中のIgA−アルブミン複合体をIgAに対する抗体とアルブミンに対する抗体を用いて免疫測定法により測定することを特徴とする、IgA−アルブミン複合体の測定方法である。
本発明の方法およびキットにより、入手しやすい試薬を用いて簡便に試料中の複合体を測定できる。また、この方法およびキットは、汎用型の生化学自動分析装置に適用できるので、多試料中の目的の複合体を短時間で簡便に測定できる。また、複合体としてIgA−アルブミン複合体のレベルを簡単に測定できる。
実施例1において、第一試薬および第二試薬−Aを用いて、標準試料を測定した際の吸光度変化量を示す。 実施例1において、第一試薬および第二試薬−Bを用いて、標準試料を測定した際の吸光度変化量を示す。 実施例1において、第一試薬および第二試薬−Cを用いて、標準試料を測定した際の吸光度変化量を示す。 実施例1において、第一試薬および第二試薬−Aを用いて、試料中のIgAを測定した結果と、従来の免疫比濁法(TIA法)を用いて試料中のIgAを測定した結果との相関性を示す。 実施例1において、第一試薬および第二試薬−Bを用いて、試料中のアルブミンを測定した結果と、従来の免疫比濁法(TIA法)を用いて試料中のアルブミンを測定した結果との相関性を示す。 実施例1において、IgA−アルブミン複合体を含まない血清、及びIgA−アルブミン複合体を含む検体について、[第二試薬−Aから算出された値+第二試薬−Bから算出された値](X)と[第二試薬−Cから算出された値](Y)の相関性を示す。 実施例1において、IgA−アルブミン複合体を含まない血清について、[第二試薬−Aから算出された値+第二試薬−Bから算出された値](X)と[第二試薬−Cから算出された値](Y)の相関性を示す。
本発明は、競合的均一系免疫凝集測定法等の競合的均一系凝集測定法で、反応試薬および生成物のうちの、1個のみが濁りを有し、他の成分が水に溶解するということに基づいて試料中の物質を測定できるということを応用している。
本明細書において、競合的均一系免疫凝集測定法とは、測定すべき抗原を含む試料と、該抗原に対する抗体と、その抗体と結合可能な抗原を担持してある微細粒子とを混合し、該抗体と、試料中の抗原および微細粒子が担持した抗原との間で、抗原抗体反応を競合させて、微細粒子が担持した抗原と抗体との抗原抗体反応による凝集の度合いから、測定すべき抗原のレベルを定量する方法である。
本明細書において、競合的均一系凝集測定法とは、測定すべき物質を含む試料と、該物質に対する特異的結合パートナーと、その特異的結合パートナーと結合可能な物質を担持してある微細粒子とを混合し、該特異的結合パートナーと、試料中の物質および微細粒子が担持した物質との間で、特異的結合反応を競合させて、微細粒子が担持した物質と特異的結合パートナーとの特異的結合反応による凝集の度合いから、測定すべき物質のレベルを定量する方法である。
この競合的均一系凝集測定法の一般的な原理を、以下に例示して説明する。
まず、試料と試薬とを混合して反応させるものとして、(i)試料中の測定しようとする物質、(ii)試薬としての、測定しようとする物質と同じ物質またはその類似物と微細粒子との結合体、(iii)試薬としての、測定しようとする物質に対する特異的結合パートナーを用いるが、これら(i)−(iii)の物質および試薬は、すべて水に可溶あるいは均一分散可能である。次いで、これらを混合して抗原抗体反応等の特異的結合反応をさせると、(iv)(ii)の結合体と(iii)の特異的結合パートナーとの結合物、および(v)(i)の物質と(iii)の特異的結合パートナーとの結合物の2つの特異的結合反応物が競合して生成する。(iv)の結合物は水に不溶性で濁りが生じるのに対し、(v)の結合物は水に可溶性である。従って、(iv)の結合物が多く形成されればされるほど、反応液の濁度(凝集の度合い)が増加する。
この競争反応では、(i)の物質は、(ii)の結合体と、限定量の(iii)の特異的結合パートナーに対して競争反応し、それによって、生じる不溶性の(iv)の結合物の量を減少させると同時に、反応溶液中の濁度を低下させる。そのため、試料中の測定しようとする物質が高濃度になればなるほど、反応液の濁りが小さくなる。従って、濁りの度合いから試料中の物質を測定することができる。
この本発明に用いる競合的均一系免疫凝集測定法等の競合的均一系凝集測定法は、検量線が減衰曲線なので、通常の免疫凝集法等の均一系凝集測定法の弱点であるプロゾーン現象が起こらないという長所を有する。
本発明の複合体の測定法においては、例えば、上記原理中の(ii)の「試薬としての、測定しようとする物質と同じ物質またはその類似物と微細粒子との結合体」として「試薬としての、物質Aまたはその類似物、及び物質Bまたはその類似物が微細粒子に担持された結合体」を用いたことに特徴がある。本発明においては、好ましくは3度の競合的均一系凝集測定法を実施し、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質AのレベルP、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質BのレベルQ、また、レベルRを求める。この場合、3度の測定においては、上記原理中の(iii)の「試薬としての、測定しようとする物質に対する特異的結合パートナー」としては、それぞれ、「試薬としての、物質Aに対する特異的結合パートナー」、「試薬としての、物質Bに対する特異的結合パートナー」、「試薬としての、物質Aに対する特異的結合パートナーと物質Bに対する特異的結合パートナーの両方」を用いて行い、それぞれの凝集の度合いとしてレベルP、Q、Rを求める。最終的に、α=P+Q−Rにより複合体ABのレベルαを求めて試料中の複合体ABのレベルを測定することができる。
なお、本発明においては、物質AのレベルP、物質BのレベルQは、既知の方法により測定しても構わない。既知の方法としては、免疫比濁法(TIA法)、ラテックス免疫比濁法等を例示できる。
本発明は、物質Aと物質Bとの複合体ABを含む可能性のある試料中の複合体ABのレベルを測定する方法である。
本発明において、複合体ABは、2つの異なる物質Aと物質Bとの複合体であれば特に限定しない。複合体としては、例えば、トランスフェリン−トランスフェリンレセプター複合体、トロンビン−アンチトロンビン複合体、第VIIa因子−アンチトロンビン複合体、酸化LDL−CRP複合体、PSA−α2−マクログロブリン複合体、PSA−アンチキモトリプシン複合体、酸化LDL−α1−アンチトリプシン複合体、プロテインCインヒビター−プロテアーゼ複合体、プラスミン−α2−プラスミンインヒビター複合体、PSA−プロテインCインヒビター複合体、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター−組織プラスミノーゲンアクチベーター複合体、ハプトグロビン−ヘモグロビン複合体、トランスサイレチン−レチノールバインディングプロテイン複合体、IgA−アルブミン複合体等が好適である。本発明においては、複合体を構成する2つの物質A、物質Bのうちのいずれかまたは両方がその複合体とは別な形、例えば、結合されていない遊離物質として試料中に存在していても構わない。
試料としては、複合体ABが含む可能性のある試料であれば限定しないが、生体試料が好ましく、そのような試料として、血漿、血清、尿などが例示できる。
本明細書において、物質Aに対する特異的結合パートナーC、物質Bに対する特異的結合パートナーDとは、それぞれ、複合体ABにおける物質Aおよび遊離物質としての物質Aと特異的結合反応しうるもの、複合体ABにおける物質Bおよび遊離物質としての物質Bと特異的結合反応しうるものであれば特に限定しないが、特異性と汎用性の点から、それぞれ、物質A、物質Bに対する抗体が好適である。このような抗体とは、抗原、すなわち測定すべき物質に対する抗体であり、そのような抗体であれば抗血清、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれをも用いることができる。
物質がアビジン、ビオチン、ホルモン、ホルモンレセプターの場合、抗体以外の特異的結合パートナーとして、それぞれ、ビオチン、アビジン、ホルモンレセプター、ホルモン等を例示できる。
本明細書において、「物質A又はその類似物」における「類似物」とは、物質Aに対する特異的結合パートナーと特異的結合反応しうる物質であって物質A以外の物質であれば特に限定しないが、一般的には、物質Aと構造が類似しているものである。物質Aが蛋白質の場合、その蛋白質の構造中の一部のアミノ酸が欠損したり、付加したりした類似物で特異的結合パートナーと特異的結合反応しうるもの等を例示できる。
本明細書において、「物質B又はその類似物」における「類似物」とは、物質Bに対する特異的結合パートナーと特異的結合反応しうる物質であって物質B以外の物質であれば特に限定しないが、一般的には、物質Bと構造が類似しているものである。物質Bが蛋白質の場合、その蛋白質の構造中の一部のアミノ酸が欠損したり、付加したりした類似物で特異的結合パートナーと特異的結合反応しうるもの等を例示できる。
本明細書において、特異的結合反応とは、特異的結合パートナーが抗体であるときは、抗原抗体反応であるが、その他としてアビジン−ビオチン結合反応、ホルモン−ホルモンレセプター結合反応を例示できる。
本明細書において、微細粒子とは、臨床検査の分野で用いられている免疫凝集反応に通常使用される微細粒子をそのまま使用することができる。最も一般的な微細粒子は、ラテックス粒子である。微細粒子は、例えば、粒径10〜500 nmのものが使用される。
本発明において、物質またはその類似物を微細粒子に担持しておく場合、担持の方法は、疎水性相互作用による物理的吸着法や共有結合法等の通常の担持する方法等の公知の担持法を用いることができる。
本発明においては、凝集の度合いを測定する方法としては、通常、生成する濁りを吸光度、好ましくは波長340〜940 nmのいずれかの吸光度で測定するのが好ましい。また、凝集の度合いを測定する方法としては、凝集塊を肉眼で観察したり、凝集をしなかった微細粒子を計数したりすることによっても実施することができる。それにより、該試料中の物質のレベルを測定できる。
本明細書において、自動分析装置とは、試料に少なくとも1以上の液状試薬を自動的に加えて均一系で試料中の成分を凝集の度合いから測定できる装置であれば限定しないが、臨床検査分野で用いられる汎用型の生化学自動分析装置が好ましい。そのような装置として、例えば、日立7180型自動分析装置、7170S型自動分析装置、7600型自動分析装置、日本電子BM2250型自動分析装置、東芝TBA−200FR型自動分析装置、オリンパスAU640型自動分析装置、BECKMAN COULTER IMMAGE800等を例示することができる。
本発明において、試料中の複合体ABのレベルを測定するためには、例えば、i)物質A又はその類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子を含む試薬、ii−A)物質Aに対する特異的結合パートナーCを含む試薬、ii−B)物質Bに対する特異的結合パートナーDを含む試薬、ii−C)物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDとを含む試薬から構成される、試料中の複合体ABのレベルを測定するためのキットを用いることができる。
本発明の複合体ABの測定法を実施するには、特異的結合パートナーとして抗体を用いることができる点から、物質Aと物質Bは、ともに蛋白質が好適である。その場合の具体的な方法として、例として、3種類の競合的均一系免疫比濁測定法を用いたIgA−アルブミン複合体の測定方法に関してさらに詳細に具体例を説明する(この場合に、物質Aと物質Bが、ともに蛋白質の場合は、以下のIgA、アルブミンをそれぞれ、物質A、物質Bとすればより一般的に説明になる)。
i)IgAとアルブミンが感作されたラテックス粒子を含む試薬(物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子を含む試薬)
3〜20%濃度とした、表面にカルボキシル基を有する粒径10〜500nmのラテックス粒子溶液に、緩衝液で溶解した1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)溶液1mLを添加し、EDC添加ラテックス溶液を調製する。
次いで、IgA溶液をEDC添加ラテックス溶液に加え、0〜40℃にて5分〜10時間攪拌しラテックス粒子のカルボキシル基と、IgAのアミノ基の縮合反応により結合させた後、アルブミン溶液を加えて反応を停止させる。その後、3,000〜30,000rpmで遠心分離を行い、上清を廃棄し沈殿物を回収する。この沈殿物に、アルブミン溶液を加え沈殿物を懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させた後、0〜40℃で攪拌する。次いで、3,000〜30,000rpmで遠心分離を行い、得られた沈殿物に、緩衝液を加えて懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させIgA・アルブミン感作ラテックス粒子を得、これを緩衝液で希釈し第一試薬として用いる。
ii−A)抗IgA抗体含有試薬(物質Aに対する特異的結合パートナーCを含む試薬)
抗ヒトIgAヤギ血清等の抗IgA抗体に緩衝液を加え抗IgA抗体含有試薬溶液とし、それを第二試薬−Aとして用いる。この抗IgA抗体は、IgA−アルブミン複合体におけるIgAおよび遊離の形態にあるIgAの両者に対して特異的結合反応しうるものである。
ii−B)抗アルブミン抗体含有試薬(物質Bに対する特異的結合パートナーDを含む試薬)
抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション等の抗アルブミン抗体に緩衝液を加え抗アルブミン抗体含有試薬とし、それを第二試薬−Bとして用いる。この抗アルブミン抗体は、IgA−アルブミン複合体におけるアルブミンおよび遊離の形態にあるアルブミンの両者に対して特異的結合反応しうるものである。
ii−C)抗IgA抗体と抗アルブミン抗体を含む試薬(物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDとを含む試薬):
上記した、抗ヒトIgAヤギ血清等の抗IgA抗体と、抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション等の抗アルブミン抗体とを緩衝液で希釈し、混合抗血清溶液等の抗IgA抗体と抗アルブミン抗体を含む試薬とし、それを第二試薬−Cとして用いる。
IgA−アルブミン複合体の測定
IgA−アルブミン複合体の測定をするため、日立7180形等の汎用型の生化学自動分析装置を用い、試料2〜20μLに対し第一試薬50〜200μL、第二試薬(−A、B、及びCのいずれか)50〜200μLを反応させ、波長340〜800nmにて、例えば、16−34測光ポイント間(第二試薬添加直後から5分後に相当)における2ポイントエンド法による吸光度変化量を測定する。
試料を第一試薬と第二試薬−A(抗IgA抗体)の組み合わせで反応させると、競合的均一系凝集測定法にて試料中のIgA−アルブミン複合体におけるIgAおよび遊離の形態にあるIgAのレベル(P値)を測定できる。試料を第一試薬と第二試薬−B(抗アルブミン抗体)の組み合わせで反応させると、競合的均一系免疫凝集測定法にて試料中のIgA−アルブミン複合体におけるアルブミンおよび遊離の形態にあるアルブミンのレベル(Q値)を測定できる。また、試料を第一試薬と第二試薬−C(抗IgA抗体と抗アルブミン抗体)の組み合わせで反応させ、競合的均一系免疫凝集測定法にて測定できる値をR値として求める。
P値、Q値、R値の単位は、例えば、3者が同一の単位であればよく、吸光度変化量そのものでもよく、検量線でmg/dL等の重量濃度、mmol/L等のモル濃度に換算したものを用いてもよい。この値から、P+Q−Rをα値として求め、得られる値αをIgA−アルブミン複合体のレベルとする。
なお、IgA−アルブミン複合体は、上記のように3種類の競合的均一系免疫比濁測定法を用いて測定することが最も好ましいが、それ以外に、例えば、試料中のIgA−アルブミン複合体をIgAに対する抗体とアルブミンに対する抗体を用いた免疫測定法により測定できる。例えば、IgAに対する抗体とアルブミンに対する抗体のいずれか一方を固相に結合させた固相抗体に、試料中のその複合体を接触させ、同時に固相に固定されていない方の抗体を用いた標識抗体を作用させて、その複合体を測定する方法によっても測定できる。これらのような方法にてIgA−アルブミン複合体のレベルを測定し、IgA型M蛋白血症の判定をすることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
ヒト血清中IgA−アルブミン複合体のレベルの測定
1)ヒトIgAとヒトアルブミンが感作されたラテックス粒子(以下、IgA・アルブミン感作ラテックス粒子と記載することもある)の調製
ラテックス粒子へのヒトIgAおよびヒトアルブミンの結合は以下のように行った。
2−モルホリノエタンスルホン酸1水和物(MES)緩衝液で11.76%濃度とした、表面にカルボキシル基を有する粒径108nmのラテックス粒子溶液8.5mLに、MES緩衝液で400mg/mLに調製した1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)溶液1mLを添加しEDC添加ラテックス溶液を調製した。
次いで、それとは別に、正常ヒト血清より粗精製された、ヒトIgA(33mg/mL)をトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)緩衝液−1で0.3mg/mLとなるように希釈した。この溶液100mLをEDC添加ラテックス溶液に加え、室温にて1時間攪拌しラテックス粒子のカルボキシル基と、IgAのアミノ基の縮合反応により結合させた後、ヒトアルブミン溶液を50mL加えて反応を停止させた。その後、20,000rpmで1時間遠心分離を行い、上清を廃棄し沈殿物を回収した。この沈殿物に、ヒトアルブミン溶液を50mL加え沈殿物を懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させた後、室温で1時間攪拌した。次いで、20,000rpm遠心分離を行い得られた沈殿物に、Tris緩衝液−2 100mL加えて懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させ1%濃度IgA・アルブミン感作ラテックス粒子を得た。
2)ヒトIgA−アルブミン複合体測定用第一試薬の調製
IgA・アルブミン感作ラテックス粒子を用いて、第一試薬を調製した。
第一試薬は、1%濃度IgA・アルブミン感作ラテックス粒子10mLにTris緩衝液−2を90mLを加えてラテックス0.1%濃度の溶液として用いた。
3)ヒトIgA−アルブミン複合体測定用第二試薬の調製
抗ヒトIgAヤギ血清、抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション、及びこれら2つの血清を混合したものを用いて、3種類の第二試薬を調製した。
第二試薬−A(抗IgA抗体)は、抗ヒトIgAヤギ血清0.15mLにTris緩衝液−2 99.85mLを加え抗ヒトIgAヤギ血清0.15%濃度の溶液として用いた。
第二試薬−B(抗アルブミン抗体)は、抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション1.1mLにTris緩衝液−2を98.9mL加え抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション1.1%濃度の溶液として用いた。
第二試薬−C(抗IgA抗体と抗アルブミン抗体)は、抗ヒトIgAヤギ血清0.15mL、抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション1.1mLにTris緩衝液−2 98.75mLを加え抗ヒトIgAヤギ血清0.15%濃度、抗ヒトアルブミンヤギ血清γ−フラクション1.1%濃度の混合抗血清溶液として用いた。
これら調製した3種類の第二試薬に対して、おのおのの第一試薬は、前述したラテックス溶液を共通して用いた。
試料を第一試薬と第二試薬−A(抗IgA抗体)の組み合わせで反応させると、競合的均一系凝集測定法にて試料中のIgA(P値)を測定できる。試料を第一試薬と第二試薬−B(抗アルブミン抗体)の組み合わせで反応させると、競合的均一系免疫凝集測定法にて試料中のアルブミン(Q値)を測定できる。また、試料を第一試薬と第二試薬−C(抗IgA抗体と抗アルブミン抗体)の組み合わせで反応させ、競合的均一系免疫凝集測定法にて測定できる値をR値として求める。
各試薬の組成は以下の通りである。
Tris緩衝液−1
Tris 50mM pH7.4
塩化ナトリウム 100mM
ヒトアルブミン溶液
Tris 12.4mM pH7.5
尿素 20mM
ヒトアルブミン(SCRIPPS社製) 10%
Tris緩衝液−2
Tris 50mM pH7.4
塩化ナトリウム 100mM
Triton−X100 0.1%
4)検量線の作成
標準試料は、ヒトIgA及びヒトアルブミン濃度既知の血清を、Tris緩衝液−2を用いて適宜希釈して使用した。また、第二試薬−Cの標準試料濃度は、単一血清中で、濃度既知のIgA濃度とアルブミン濃度を加えたものとした。
ヒトIgA・アルブミン複合体の測定をするため、日立7180形自動分析装置を用い、試料12μLに対し第一試薬120μL、第二試薬(−A、B、及びCのいずれか)120μLを反応させ、波長570nmにて16−34測光ポイント間(第二試薬添加直後から5分後に相当)における2ポイントエンド法による吸光度変化量を測定した。
第一試薬は共通で用い、第二試薬−A、B、及びC試薬を用いて、標準試料を測定した際の吸光度変化量をそれぞれ表1、2、3及び図1、2、3に示した。
Figure 2010013525
Figure 2010013525
Figure 2010013525
表1、2、3及び図1、2、3に示したように、いずれの試薬においても、標準液中のヒトIgA及びヒトアルブミンが増すにつれて競合反応により吸光度変化量が減少した。
このことは、第一試薬と第二試薬−A,B,Cとの組み合わせにて、各吸光度変化量を求めることによりIgA、アルブミン、R値を濃度としても求められることを示している。
5)第二試薬−A、Bを用いたIgA、アルブミンの測定の確認
第二試薬−A、Bを用いた試薬で、試料中のIgA、アルブミンを正確に測定できるかどうかを確認するため、これらの試薬と、免疫比濁法(TIA法)を用いた血清IgA、及び血清アルブミン測定試薬との相関性の有無を検討した。
試料は、ウエスタンブロット法にて確認されたIgA−アルブミン複合体を含まない血清を、Tris緩衝液−2にて適宜希釈して使用した。測定値は、前述の標準試料を用い、日立7180形自動分析装置の多点検量線作成機能により求められた検量線から算出させた。測定試薬は本発明試薬の第一試薬、第二試薬−A、Bを用い、また対照試薬として市販TIA法の「N−アッセイ TIA IgA−RC」、「N−アッセイ TIA MicroAlb」(日東紡績)を用いた。
本発明試薬の測定パラメーターは前述した条件を使用し、TIA法は指定されたパラメーター及び標準液を用いた。
本発明試薬との相関性の結果を図4、図5に示す。ただし、試料は適宜希釈し測定しているため、値は希釈倍数を掛け直し表した。
図4、図5に示すように、TIA法をX、本発明試薬をYとして相関性を確認した結果、第二試薬−Aでは、Y=1.006X+10.65相関係数0.9962、第二試薬−Bでは、Y=0.9481X+144.9相関係数0.9981と共に良好な結果が得られた。TIA法との相関性が確認されたことから、第二試薬−A、Bを用いた試薬では、血清IgA及び血清アルブミンを、共に正確に測定できていると言える。
6)ヒト血清中IgA−アルブミン複合体のレベル
測定試薬は、第一試薬及び、第二試薬−A、B、Cを用い、前述と同一の測定条件にて測定した。
試料は前述のものに加え、ウエスタンブロット法にて確認されたIgA−アルブミン複合体を含む血清もTris緩衝液−2にて適宜希釈して使用した。
本発明試薬において、[第二試薬−Aから算出された値+第二試薬−Bから算出された値](X)と[第二試薬−Cから算出された値](Y)の相関性を図6、図7に示す。
図6はIgA−アルブミン複合体を含まない血清、及びIgA−アルブミン複合体を含む検体の全てを含む結果であり、図7はIgA−アルブミン複合体を含まない血清のみの相関図である。
相関性を確認したところ、IgA−アルブミン複合体を含まない血清のみ(図7)においてはY=0.9962X−29.91相関係数0.9963と良好な結果が得られた。しかし、図6に示したようにIgA−アルブミン複合体を含む血清は、複合体を含まない血清から得られた相関式から大きく乖離した結果となった。これは、IgA−アルブミン複合体を含む血清に、特異的に現れる傾向である。
ここで、[第二試薬−Aから測定された値]IgAのレベルをP、[第二試薬−Bから測定された値]アルブミンのレベルをQ、[第二試薬−Cから測定された値]をRとすると、IgA−アルブミン複合体を含まない場合は、α=P+Q−R≒0の関係が成り立つ。一方、IgA−アルブミン複合体を含む場合は、α=P+Q−R>0の関係となる。表4に示したように、実際の血清を測定した結果から、複合体を含まない検体のαよりも、複合体を含む検体のαが有意に高くなっており、この関係式が成り立っていることが証明できる。
Figure 2010013525
したがって、以上のことより本発明試薬は、共通の第一試薬と3種類の第二試薬を用いることで、網羅的かつ特異的にヒト血清中IgA−アルブミン複合体のレベルを測定できることが判明した。また、IgA−アルブミン複合体のレベルを求めることにより、IgA型M蛋白血症の患者を判定できることが判明した。
本発明の競合的均一系凝集測定法による複合体の測定法方法およびキットにより、入手しやすい試薬を用いて簡便に試料中のIgA−アルブミン複合体などの複合体のレベルを簡単に測定できる。また、この方法およびキットは、汎用型の生化学自動分析装置に適用できるので、多試料中の目的の複合体を短時間で簡便に測定できる。

Claims (12)

  1. 物質Aと物質Bとの複合体ABを含む可能性のある試料中の複合体ABのレベルを測定する方法であって、
    i)該試料と、物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質A又はその類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーCと、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質Aおよび該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーCと該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との凝集の度合いから、該試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質AのレベルPを測定し、かつ、
    ii)該試料と、物質Bに対する特異的結合パートナーDと、物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーDと、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質Bおよび該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーDと該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との凝集の度合いから、該試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質BのレベルQを測定し、かつ、
    iii)該試料と、物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDと、物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーCと、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質Aおよび該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との間、かつ、該特異的結合パートナーDと、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質Bおよび該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーCと該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との凝集の度合と、該特異的結合パートナーDと該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との凝集の度合の和からレベルRを測定し、かつ、
    iv)α=P+Q−Rにより複合体ABのレベルαを求めることを特徴とする試料中の複合体ABの測定方法。
  2. 特異的結合パートナーが抗体である、請求項1記載の測定方法。
  3. 物質Aと物質Bが互いに異なる蛋白質である、請求項2記載の測定方法。
  4. 微細粒子がラテックス粒子である、請求項1から3に記載のいずれかの測定方法。
  5. 凝集の度合いを波長340〜940 nmのいずれかの吸光度で測定する、請求項4に記載の測定方法。
  6. 試料が生体試料である、請求項1から5に記載のいずれかの測定方法。
  7. 物質AがIgAであり、物質Bがアルブミンであり、特異的結合パートナーCがIgAに対する抗体であり、特異的結合パートナーDがアルブミンに対する抗体であり、複合体ABがIgA−アルブミン複合体であり、かつ、特異的結合反応が抗原抗体反応である、請求項1から6に記載のいずれかの測定方法。
  8. 試料中のIgA−アルブミン複合体をIgAに対する抗体とアルブミンに対する抗体を用いて免疫測定法により測定することを特徴とする、IgA−アルブミン複合体の測定方法。
  9. 請求項7または8に記載のIgA−アルブミン複合体の測定方法により、ヒト由来生体試料中のIgA−アルブミン複合体のレベルを測定し、そのレベルからIgA型M蛋白血症を判定する方法。
  10. 試料中の物質Aと物質Bとの複合体ABのレベルを測定するためのキットであって、
    i)物質A又はその類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子を含む試薬、
    ii−A)物質Aに対する特異的結合パートナーCを含む試薬、
    ii−B)物質Bに対する特異的結合パートナーDを含む試薬、及び
    ii−C)物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDとを含む試薬、
    から構成される、試料中の複合体ABのレベルを測定するためのキット。
  11. 物質AがIgA、かつ、物質Bがアルブミン、かつ、複合体ABがIgA−アルブミン複合体である、請求項10記載のキット。
  12. 物質Aと物質Bとの複合体ABを含む可能性のある試料中の複合体ABのレベルを測定する方法であって、
    i)該試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質AのレベルPを測定し、かつ
    ii)該試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質BのレベルQを測定し、かつ
    iii)該試料と、物質Aに対する特異的結合パートナーCと、物質Bに対する特異的結合パートナーDと、物質A又その類似物と物質B又はその類似物とを担持した微細粒子とを、混合して、該特異的結合パートナーCと、試料中の複合体ABにおける物質Aおよび遊離の形態にある物質Aおよび該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との間、かつ、該特異的結合パートナーDと、試料中の複合体ABにおける物質Bおよび遊離の形態にある物質Bおよび該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との間で特異的結合反応を競合させて、該特異的結合パートナーCと該微細粒子に担持された物質A又はその類似物との凝集の度合と、該特異的結合パートナーDと該微細粒子に担持された物質B又はその類似物との凝集の度合との和から得られるレベルRを測定し、かつ、
    iv)α=P+Q−Rにより複合体ABのレベルαを求める、
    ことを特徴とする試料中の複合体ABの測定方法。
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