JPWO2010004707A1 - 光ディスク、光ディスク装置、光ディスクの欠陥登録方法、光ディスクの記録方法および光ディスクの再生方法 - Google Patents

光ディスク、光ディスク装置、光ディスクの欠陥登録方法、光ディスクの記録方法および光ディスクの再生方法 Download PDF

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Abstract

本発明の光ディスクは、永久的でない欠陥に属する第1の欠陥管理情報が登録され得る第1欠陥管理領域6と、永久的な欠陥に属する第2の欠陥管理情報が登録され得る第2欠陥管理領域7とを備えた光ディスク1であって、第2欠陥管理領域7に登録された第2の欠陥管理情報は、書き換えが禁止される。

Description

本発明は、光ディスク、光ディスク装置、光ディスクの欠陥登録方法、光ディスクの記録方法および光ディスクの再生方法に関する。本発明は、特に0.85以上の高NA(開口数)で波長が405nmの青紫色のレーザ光源を使用した光ディスク技術に関している。
特許文献1に示されるようにDVD−RAMにおいて、各領域の欠陥状態の検証(サーティファイ)は、光ディスク出荷時に、光ディスクメーカによって、光ディスクの全領域に対し予め実行される。このような光ディスクは、かかるサーティファイ結果が光ディスクの欠陥管理領域(DNA:Defect Management Area)に記録された状態で出荷されている。そして、ユーザが光ディスクを購入し、その光ディスクに光ディスク装置(ドライブ)でデータを記録するとき、光ディスク装置は、かかるDMAに記録された情報を元に、光ディスクの各領域に対する記録の可否を判別し、記録可能領域を選んでデータの記録がなされている。
特開2000−222831号公報
特許文献1に開示されているような従来の光ディスク技術によれば、指紋、光ディスクの汚れ、擦り傷、掻き傷、埃(ほこり)などの各ディフェクトの種類を区別しない。より詳細には、データを光ディスクに記録した後のベリファイ時(ライトベリファイ時)に或る領域でジッタが増大したならば、その領域に「ディフェクト」が存在することを検出する。このため、どんなディフェクトでも同じように欠陥登録の対象として、その欠陥の交代領域を一元的に確保していた。長期の使用などでディフェクトが増加して交代領域を全て使ってしまうと、記録禁止(ライトプロテクト)の処理を行って、システムの破綻を防止していた。このように、除去できる指紋や汚れなどの欠陥(以下、「非永久欠陥」と称する。)と、傷(スクラッチ)のように除去できない永久的な欠陥(以下、「永久欠陥」と称する。)とを同一に取り扱う欠陥管理方法は、効率よいディーフェクトマネージメントとは言えない。
DVDの次世代光ディスクとして近年急速に普及しつつあるブルーレイ光ディスク(BD)は、CDやDVDに比べて、スクラッチやゴミ、指紋に対して非常に敏感である。にもかかわらず、BDはベア光ディスク(裸光ディスク)で標準化されている。新品BDをケースから出し、ドライブに装填する際に意図せず微少な指紋が付着しやすい。ドライブに装填されたBDに指紋が付着していると、その影響でトラック飛びやベリファイエラー(ジッタ増大)を発生する場合がある。
NAを高くしたBD特有のディフェクトとして、記録層と保護層の間に混入した気泡の影響を大きく受けることがわかっている。このような気泡は、大規模欠陥であり、1つのBDに複数の気泡が形成されると、交代領域の消費が顕著になる。欠陥登録の頻度が高くなると、使用可能な交代領域が短時間で全てなくなってしまいやすい。新しいBDへの交換が容易ではない環境、例えば屋外や車載などの厳しい環境においては、使用時にディスク表面に付着した欠陥のせいですぐに記録ができなくなってしまうという問題がある。
現在、BDメーカは厳格なスペックを満足するように出荷前にBDの品質管理を行っているため、スペックを満足しない不良品の発生頻度が高く、製造歩留りの低下に起因する価格上昇が問題になっている。BDの単価を下げるには、スペックを下げて歩留りを高める手法が有効となってくる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、欠陥の種別に応じた措置を適切に行うことができる光ディスク、光ディスク装置、光ディスクの欠陥登録方法、光ディスクの記録方法および光ディスクの再生方法を提供することを目的とする。
本発明の光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している。
好ましい実施形態において、前記欠陥属性情報は、前記欠陥の属性または種類に応じて異なる情報を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記欠陥属性情報は、前記欠陥の名称を示す情報を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記欠陥管理領域には、出荷時において、前記欠陥属性情報が記録されている。
好ましい実施形態において、前記欠陥属性情報は、前記欠陥が非永久欠陥であることを示す第1の欠陥属性情報と、前記欠陥が永久欠陥であることを示す第2の欠陥属性情報とを含む。
好ましい実施形態において、前記永久欠陥は、前記光ディスクの内部に含まれる気泡を含み、前記非永久欠陥は、前記光ディスクの表面に存在する指紋またはダストを含む。
好ましい実施形態において、前記永久欠陥は、前記光ディスク内の表面に存在するスクラッチを含む。
本発明の他の光ディスクは、積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数)を備え、前記N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層へのデータの記録が禁止されており、データの記録が禁止された前記情報記録層を特定する情報が記録されている。
本発明の更に他の光ディスクは、積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数)を備え、前記N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層の数をX層(Xは1以上の整数)とするとき、前記永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる前記情報記録層へのデータの記録が禁止され、N−X層の情報記録層を有する光ディスクとして販売される。
好ましい実施形態において、データの記録が禁止された前記情報記録層を特定する情報がディスク表面またはディスク内部に記録されている。
本発明の光ディスクの欠陥登録方法は、光ディスクの欠陥を検出し、検出された欠陥の属性または種類を決定するするステップ(A)と、前記欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報を、欠陥の位置を示す欠陥位置情報と共に前記光ディスクに記録するステップ(B)とを含む。
好ましい実施形態において、前記属性情報は、前記欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別する情報である。
好ましい実施形態において、前記属性情報は、前記欠陥の名称を示す情報である。
好ましい実施形態において、前記ステップ(B)は、前記欠陥が非永久欠陥であると判別されると、非永久欠陥であることを示す第1の欠陥属性情報とその欠陥の位置を示す欠陥位置情報とを含む第1の欠陥管理情報を前記光ディスクの欠陥管理領域に登録するステップと、前記欠陥が永久的な欠陥であると判別されると、永久欠陥であることを示す第2の欠陥属性情報とその欠陥の位置を示す欠陥位置情報とを含む第2の欠陥管理情報を前記光ディスクの欠陥管理領域に登録するステップとを含む。
好ましい実施形態において、前記光ディスクは、追記型の光ディスクであり、TDMSのアップデータユニットにおける臨時欠陥リスト(TDFL)には、永久的でない欠陥を示す第1の欠陥管理情報を登録するが、永久的な欠陥を示す第2の欠陥管理情報を登録しない。
好ましい実施形態において、前記第2の欠陥管理情報は、書換えを禁止される。
好ましい実施形態において、前記光ディスクの出荷前に前記ステップ(A)、(B)を実行する。
好ましい実施形態において、前記ステップ(A)は、反射光量、再生エラーレート、およびトラッキングエラーに基づいて欠陥の種別を判別する。
本発明の光ディスクのデータ処理方法は、光ディスクにデータを記録する処理、および前記光ディスクからデータを再生する処理の少なくとも1つを行う光ディスクのデータ処理方法であって、前記光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、前記光ディスクの検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有しており、前記管理領域から前記欠陥属性情報および前記欠陥位置情報を読み出すステップと、前記位置情報で示される位置に存在す永久欠陥を避けて前記少なくとも1つの処理を行うステップとを含む。
本発明の光ディスク装置は、光ディスクにデータを記録する処理、および前記光ディスクからデータを再生する処理の少なくとも1つの処理を行う光ディスク装置であって、前記光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、前記光ディスクの検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有しており、光ディスクに対して光学的にアクセスする光ピックアップと、前記光ピックアップによって前記光ディスクからデータを再生する手段と、前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記位置情報で示される位置に存在する永久欠陥を避けて前記少なくとも1つの処理を行う手段とを備える。
好ましい実施形態において、前記非永久欠陥の除去を行うクリーニング装置を更に備え、前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記欠陥属性情報に基づいて、前記光ディスクが所定量以上の非永久欠陥を有していることを検知した場合、前記クリーニング装置は、前記非永久欠陥に対するクリーニングを実行する。
好ましい実施形態において、ユーザに求めるメッセージを表示するディスプレイを更に備え、前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記欠陥属性情報に基づいて、前記光ディスクが所定量以上の非永久欠陥を有していることを検知した場合、前記非永久欠陥の除去をユーザに求めるメッセージを前記ディスクプレイに表示する。
本発明の装置は、上記何れかの光ディスク装置を備える装置であって、前記光ピックアップによって前記光ディスクにデータを記録する手段とを備え、前記光ディスクに映像音響ファイルデータを記録するとき、前記永久欠陥および前記非永久欠陥の両方を避けて前記データを光ディスクに記録し、前記光ディスクにPCファイルデータを記録するとき、前記永久欠陥を避けて前記データを光ディスクに記録する。
本発明の光ディスクは、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している。このため、本発明の光ディスクが装填された光ディスク装置では、光ディスクの欠陥が永久欠陥か否かに応じて最適な処理を実行することが可能である。例えば、欠陥が指紋などの非永久欠陥であれば、その欠陥を除去するようにクリーニングを実行したり、ユーザに指紋の拭き取りをリクエストする処理を行うことが可能になる。
また、欠陥が永久的か否かに応じて、多層光ディスクに含まれる特定の情報層を記録禁止に設定したり、アクセス禁止に設定することも可能になる。
更に、本発明によれば、3層以上の情報層を備える多層光ディスクにおいて、永久欠陥の個数または割合が基準値を超える特定情報層(欠陥情報層)に対するアクセスを禁止し、ユーザから欠陥情報層の存在が把握されないようにして販売することも可能である。例えば16層の情報層を備える光ディスクであるのに、2層の欠陥情報層が存在する場合は、14層の光ディスクとして販売することが可能である。
(a)は、気泡が存在する光ディスクの模式図であり、(b)は、気泡とトラックとの関係を示す拡大図 (a)、(b)、(c)は、それぞれ、単層、2層、4層ディスクにおける気泡の影響を示す模式断面図 (a)、(b)、(c)は、いずれも、2層ディスクにおける気泡の影響を示す模式断面図 (a)及び(b)は、いずれも、2層ディスクにおける気泡が形成される多様な位置を示す模式断面図 本発明の実施形態1による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す図 実施形態1における光ディスクの出荷前に欠陥登録する手順を示すフローチャート 光ディスクで信号に影響の出る代表的な5つの欠陥に対する、TE信号とAS信号の変化の様子を示した図 BDにおける各種欠陥のAS信号に対する影響と、TE信号に対する影響についてまとめた図 図5のDSP及びシステムコントローラで実現する欠陥サーチにおける欠陥検出ブロックの構成図 所定の閾値と検出ゲートを備えたアブノーマルジャンプ検出回路の動作説明図 所定の閾値と検出ゲートを備えたBDO検出回路の動作説明図 多層光ディスク1の詳細なデータ構造を示す図 光ディスクに記録される欠陥管理情報の構成例を示す図 本発明による光ディスク装置の駆動方法を示すフローチャート 本発明による光ディスク装置の他の駆動方法を示すフローチャート 欠陥リストの一例 PC記録行う場合に、ホストからドライブへ送信されるコマンドと、ドライブの動作との関係を示す表 AV記録行う場合に、ホストからドライブへ送信されるコマンドと、ドライブの動作との関係を示す表 PC記録およびAV記録で異なる処理の一部を示すフローチャート PC記録およびAV記録で異なる処理の残りの部分を示すフローチャート (a)は、クリーナ付光ピックアップの構成を示す平面図、(b)は、その断面図 ディスク表面に欠陥が存在する4層ディスクを示す断面図 多層BDが有する複数の情報層のうち、ディスク表面から最も奥に位置する第1情報層(L0)の最内周領域(半径22.2mm〜23.65mmの領域)の構成を模式的に示す図 図22のAccess control Areaの構成を示す図 (a)および(b)は、それぞれ、多層BDにおけるBCAの配置を示す平面図 ディスクメーカが使用する検査装置の構成例を示すブロック図
本発明の実施形態を説明する前に、まず、気泡及び気泡による大規模欠陥領域を説明する。
図1(a)は、気泡11が存在するBD10の光ディスク表面を模式的に示す。理解の容易のため、気泡11を視認できるように記載しているが、視認できない気泡も存在する。
典型的な気泡の大きさ(直径)は、500μm〜1000μm程度である。BDの情報層と光透過層との間に気泡が形成されると、光透過層が薄い(厚さ:約100μm)ため、光透過層の表面が局所的に盛り上がっている。気泡の中心部(核の部分)では、反射光が殆ど戻ってこないが、気泡の周囲において盛り上がった部分でも、光ビームの透過に異常が生じる。BDの記録・再生に用いられる対物レンズの開口数NAは高く、光ディスク表面から浅い位置の情報層に焦点を結ぶため、光透過層の僅かな歪みに対しても、球面収差が大きく変化し、反射光強度が変動しやすい。
このような気泡は、積層された複数の情報層を備える多層ディスクにも形成され得る。以下、多層ディスクに気泡が形成されることによって生じる問題を説明する。
図2(a)及び(b)は、それぞれ、単層ディスク、及び、2層の情報層を備える2層ディスクの断面を模式的に示している。図2(a)の単層ディスクでは、第1情報層(L0)は厚さ約100μmの光透過層56で覆われている。一方、図2(b)に示す2層ディスクでは、第1情報層(L0)は厚さ約25μmの光透過層52に覆われ、第2情報層(L1)は厚さ約75μmの光透過層54に覆われている。図2(a)に示す単層ディスクでは、光ディスク表面から約100μmの深さに位置する第1情報層(L0)と光透過層56との間に気泡11が形成されており、図2(b)に示す2層ディスクでは、光ディスク表面から約100μmの深さに位置する第1情報層(L0)と光透過層52との間に気泡11が形成されている。
図2(b)に示すように、2層ディスクの場合、光ディスク基板50と第1情報層(L0)に気泡11が混入しても、第1情報層(L0)と第2情報層(L1)との間が僅か25μmしかないため、気泡11の周囲において盛り上がった部分は第2情報層(L1)まで影響する。
また、図2(c)に示すように、4層の情報層を備える4層ディスクであっても、第1情報層(L0)の近傍に気泡11が形成された場合には、全ての情報層に対してその影響が及ぶ。
本願発明者は、実験により、光ディスクの表面から計測した気泡11の深さがどのようなものであっても、多層ディスクの全ての情報層に対して気泡11の影響が及ぶことを見出した。以下、図3(a)から図3(c)を参照しながら、この理由を説明する。
図3(a)に示すように、第1情報層(L0)と光透過層52との間に気泡11が存在した場合において、第1情報層(L0)に光ビームがフォーカスしているとき、気泡11に起因して生じた光透過層54の湾曲部分(直径:1mm〜1.5mm)を光ビームが横切ることになる。このような光ディスク表面の湾曲部分を光ビームが透過するとき、湾曲部分で屈折方向にズレが生じるため、情報層からの反射光に基づいて形成されるトラッキング信号などに、後述する「擬似成分」が付与される。この「擬似成分」による悪影響の詳細については、後に詳しく説明する。
一方、図3(b)に示すように、図3(a)の光ディスクにおいて、第2情報層(L1)に光ビームがフォーカスしているときでも、気泡11に起因して生じた光透過層54の湾曲部分を光ビームが横切るため、トラッキング信号に擬似成分が発生することになる。
また、図3(c)に示すように、第2情報層(L1)と光透過層54との間に気泡11が存在した場合において、第1情報層(L0)に光ビームがフォーカスしているときでも、気泡11に起因して生じた光透過層54の湾曲部分を光ビームが横切ると、トラッキング信号に擬似成分が発生することになる。
このように、気泡11がどの深さに存在している場合でも、気泡11を複数の情報層(L0、L1)の各々に垂直に投影した領域(「気泡領域」と称する場合がある)を光ビームが通過するとき、トラッキング信号などに異常が現れることになる。
次に、光ディスク表面に傷や塵などの表面欠陥59a、59bが存在する場合を考える。光ディスク表面における光ビームの直径よりも小さな欠陥59aが存在すると、それによって光ビームの透過が部分的にカットされる。このため、情報層(L0、L1)のいずれに光ビームがフォーカスしている場合でも、情報層(L0、L1)からの反射光の光量が低下する現象が観察される。ただし、光量の低下は、光ディスク表面における光ビームの断面サイズに対して表面欠陥59aの面積が占める割合に依存する。なお、例えば、開口率NA=0.85の場合、第1情報層(L0)に直径0.29μmの光ビームスポットを形成するとき、光ディスク表面における光ビームの直径は140μm(0.14mm)程度になる。
図3(a)と図3(b)とを対比すると明らかなように、光ディスク表面に近い情報層(L1)に光ビームがフォーカスしている場合は、より遠い情報層(L0)に光ビームがフォーカスしている場合に比べて、光ディスク表面上における光ビームの断面が相対的に小さくなる。光ビームのフォーカスが位置する情報層の深さによって光ディスク表面における光ビームの直径は変化する。したがって、光ディスク表面において光ビームの断面サイズに対する傷や塵の面積が占める割合は、光ビームがフォーカスしている情報層が光ディスク表面に近いほど大きくなる。
本願発明者の実験によると、目視によって発見しにくいような小さな表面欠陥59aが光ディスク表面に存在している場合は、光ビームの焦点を光ディスク表面から離れた情報層(L0)に合わせているとき、傷や塵による反射光量低下の影響を無視することができる。ただし、このような場合でも、光ビームの焦点を光ディスク表面に近い情報層(L1)に合わせているときは、表面欠陥59aによる反射光量低下の影響を無視できず、情報層(L1)についてはデータの記録再生にエラーが生じやすくなる。
以上の説明からわかるように、光ディスク表面に形成される傷や塵による悪影響は、光ディスク表面に近い情報層に光ビームがフォーカスしている場合に大きくなるが、光ディスク表面から離れた情報層にフォーカスしている場合には無視できる場合がある。すなわち、光ディスク表面に形成される傷や塵は、光ディスク内部に形成される気泡11とは異なり、全ての情報層に悪影響を与えるわけではない。したがって、傷や塵の場合は、各情報層に垂直に投影した部分の全てを「欠陥領域」として一律に使用禁止にしてしまうことは好ましくない。
なお、図3(a)及び図3(b)に示すように、光ディスク表面における光ビームの断面よりも大きな表面欠陥59bが形成されている場合もあり得る。このように極めて大きな表面欠陥59bを光ビームが横切るときは、光ビームがいずれの情報層にフォーカスしている場合でも、反射光量の低下が顕著となり、データの記録再生にエラーが発生してしまう。しかしながら、そのように大きな傷や塵が光ディスク表面に存在している場合は、目視によっても容易に欠陥を発見できるため、このような光ディスク自体を欠陥品として処理することが可能である。
このような傷や塵と異なり、気泡は光ディスクの内部に存在する。気泡によって生じる光ディスク表面の膨らみ、また湾曲は緩やかであるため、気泡による影響が及ぶ領域は広い(1mm〜1.5mm)が、目視による発見が困難である。また、気泡が見つかった光ディスクを「不良品」として廃棄することは、光ディスクの製造コストを増加させるため、好ましくない。
気泡は、BDの製造工程の種類により、形成されやすい場合と、形成されにくい場合がある。スピンコート法によって光透過層が形成されたBDは、気泡を多く含む傾向にあるが、貼り合わせ法によって光透過層(保護シート)が貼り付けられたBDには気泡が少ない傾向にある。ただし、後者の方法によっても気泡は形成され得る。
また、通常のスピンコート法では、単層ディスクであっても多層ディスクであっても、光ディスク基板と光透過層(情報層)との間に気泡が混入することが多いが、貼り合わせ法などの工法によっては、第1情報層(L0)と第2情報層(L1)との間の中間層(光透過層)や、第2情報層(L1)の表面側を覆う光透過層に気泡が混入することもある。このような場合も、第1情報層(L0)から第n情報層(nは2以上の整数)まで気泡の影響を受けることとなる。
図4(a)は、気泡11が光透過層52と第2情報層(L1)との間、及び、光透過層52と第1情報層(L0)との間の両方に形成された2層ディスクの断面を示している。一方、図4(b)は、気泡11が光透過層52の内部に形成された2層ディスクの断面を示している。図4(a)及び図4(b)から明らかなように、気泡の深さによらず、光ディスク表面には緩やかな凸部が形成され、湾曲が発生している。したがって、気泡によって湾曲した光ディスク表面を光ビームが横切るときは、光ビームがフォーカスしている情報層がどの層であっても、トラッキング信号に擬似成分が発生することになる。
このように気泡11が形成される深さは様々であるが、前述したように、気泡の影響は、気泡の深さによらず、全ての情報層に及ぶ。また、ディスク表面に形成される欠陥が情報層に対するデータの記録や情報層からのデータの再生に悪影響が及ぶ程度または領域の広さは、ディスク表面から情報層までの距離(情報層の深さ)が深くなるほど小さくなる。更には、ディスク表面に形成される欠陥のうち、埃、塵、指紋は、スクラッチと異なり、クリーニングによって除去することも可能である。
本発明は、このような欠陥の種類を判別して欠陥管理を行い、欠陥の種類・特性に応じた処理を実行する点に特徴を有している。
(実施形態1)
以下、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。本実施形態では、光ディスクを出荷する前に欠陥の検査をする。出荷前に光ディスクを検査する光ディスク検査装置は、図5に示す光ディスク装置の構成と同一の構成を備えている。ただし、光ディスク検査装置は、光ディスクのデータ領域にユーザデータを記録したり、あるいは、光ディスクのデータ領域からユーザデータを再生する機能は必要ない。
(光ディスク装置)
図5は、本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す。図5を参照しながら、光ディスクドライブ102のハードウェア構成を説明する。
光ディスクドライブ102は、光ディスクモータ111と、光ピックアップ610と、光ディスクコントローラ(ODC)620と、駆動部625とシステムコントローラ630とを備えている。システムコントローラ630は、内蔵された制御プログラムに従って、光ディスクドライブ102の全体動作を制御する。
光ピックアップ610は、光源204、カップリングレンズ205、偏向光ビームスプリッタ206、対物レンズ203、集光レンズ207、光検出器208を備えている。
光源204は、好適には半導体レーザであり、本実施形態では波長415nm以下の光ビームを放射する。光源204から放射された光ビームは直線偏光であり、その偏光方向は、放射される光ビームの光軸に関して光源204の向きを回転させることにより任意に調整することができる。カップリングレンズ205は、光源204から放射された光ビームを平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ206に入射させる。偏向光ビームスプリッタ206は、特定方向に偏光した直線偏光は反射するが、その基準方向に対して垂直な方向に偏光した直線偏光は透過する特性を有している。本実施形態の偏光ビームスプリッタ206は、カップリングレンズ205で平行光に変換された光ビームを対物レンズ203に向けて反射するよう構成されている。
対物レンズ203に向けて偏向された光ビームはコリメータレンズ210を通過して、対物レンズ203に入射される。コリメータレンズ210は、ステッピングモータ(不図示)などによって光軸に水平に駆動され、球面収差をそれぞれの層に合致するように調整することができる。
対物レンズ203は、偏向光ビームスプリッタ206で反射された光ビームを集束し、BD1の情報層上に光ビームスポットを形成する。
BD1で反射された光ビームは、光ピックアップ610の対物レンズ203で平行な光ビームに変換された後、偏向光ビームスプリッタ206に入射する。このときの光ビームは、その偏光方向がBD1に入射するときの光ビームの偏光方向から90°回転したものになるため、偏向光ビームスプリッタ206を透過し、そのまま集光レンズ207を経て光検出器208に入射することになる。
光検出器208は、集光レンズ207を通過してきた光を受け、その光を電気信号(電流信号)に変換する。図示されている光検出器208は、受光面上で4分割された領域A、B、C、Dを有しており、領域A〜Dの各々が、受けた光に応じた電気信号を出力する。
光ディスクモータ111によって所定速度で回転しているBD1の情報層上において所望のトラックを光ビームの焦点が追従するためには、BD1で反射された光ビームに基づいて、トラッキングずれ及びフォーカスずれを示すトラッキングエラー(TE)信号及びフォーカスエラー(FE)信号を検出する必要がある。これらはODC620によって生成される。
TE信号について説明すると、光ディスクドライブ102は、記録時にはプッシュプル法によりTE信号を生成し、再生時には位相差法によりTE信号を生成する。
本実施形態による光ディスクドライブ102はBD1へのデータ記録前にTE信号を利用してサーボエラーの有無を判定する。したがって、データが記録されていない領域からの反射光の受光信号に基づいてTE信号を生成する必要がある。したがって、記録時と同様、プッシュプル法によりTE信号を生成することが好ましい。以下ではまずプッシュプルTE信号を生成する処理から説明する。
ODC620の加算器408は光検出器208の領域BとDの和信号を出力し、加算器414は光検出器208の領域AとCの和信号を出力する。差動増幅器410は、加算器408、414からの出力を受け取り、その差を表すプッシュプルTE信号を出力する。ゲイン切換回路416は、プッシュプルTE信号を所定の振幅(ゲイン)に調整する。AD変換器420は、ゲイン切換回路416からのプッシュプルTE信号をディジタル信号に変換してDSP412に出力する。
次に、位相差TE信号は以下のようにして得られる。加算回路344は、領域Aの出力と領域Dの出力とを合計した大きさに相当する信号A+Dを出力し、加算回路346は、領域Bの出力と領域Cの出力とを合計した大きさに相当する信号B+Cを出力する。加算の仕方を変更することにより、他の信号を生成することも可能である。コンパレータ352、354は、それぞれ、加算回路344、346からの信号を2値化する。位相比較器356は、コンパレータ352、354からの信号の位相比較を行う。
差動増幅器360は、位相比較器356からの信号を入力して位相差TE信号を出力する。この位相差TE信号は、光ビームがBD1のトラック上を正しく走査するように制御するために用いられる。
ゲイン切換回路366は、位相差TE信号を所定の振幅に調整する。AD(アナログ・ディジタル)変換器370は、ゲイン切換回路366から出力された位相差TE信号をディジタル信号に変換する。
FE信号は、差動増幅器358によって生成される。FE信号の検出法は特に限定されず、非点収差法を用いたものでもよいし、ナイフエッジ法を用いたものであってもよいし、SSD(スポット・サイズド・ディテクション)法を用いたものであってもよい。検出法に応じて回路構成を適宜変更することになる。ゲイン切換回路364は、FE信号を所定の振幅に調整する。AD変換器368は、ゲイン切換回路364から出力されるFE信号をディジタル信号に変換する。
DSP412は、TE信号及びFE信号等に基づいて駆動部625を制御する。DSP412から出力されるフォーカス制御のための制御信号FEPWM及びトラッキング制御のための制御信号TEPWMは、それぞれ、駆動部625の駆動回路136及び駆動回路138に送られる。
駆動回路136は、制御信号FEPWMに応じてフォーカスアクチュエータ143を駆動する。フォーカスアクチュエータ143は、対物レンズ203をBD1の情報層とほぼ垂直な方向に移動させる。駆動回路138は、制御信号TEPWMに応じてトラッキングアクチュエータ202を駆動する。トラッキングアクチュエータ202は、対物レンズ203をBD1の情報層とほぼ平行な方向に移動させる。なお、駆動部625は、光ピックアップ610を載置する移送台の駆動回路(図示せず)も備えている。駆動回路への印加電圧によって移送台を駆動することにより、光ピックアップ610は半径方向の任意の位置に移動することができる。
次に、データを再生するための構成を説明する。
加算回路372は、光検出器208の領域A、B、C、Dの出力を加算して、全光量和信号(A+B+C+D)を生成する。全光量和信号(A+B+C+D)はODC620のHPF373に入力される。
HPF373で低周波成分が除去された加算信号は、イコライザ部374を介して2値化部375で2値化され、ECC/変復調回路376でPLL、エラー訂正、復調などの処理が行われ、バッファ377に一時的に蓄積される。バッファ377の容量は、種々の再生条件を考慮して決定されている。
バッファ377内のデータは映像等の再生タイミングに応じて再生され、再生データとしてI/Oバス170を介してホストコンピュータやエンコーダ/デコーダ(不図示)へ出力される。これにより、映像等が再生される。
次に、データを記録するための構成を説明する。
バッファ377内に格納された記録データは、ECC/変復調回路376によりエラー訂正符号を付加されて符号化データとなる。次いで、符号化データはECC/変復調回路376により変調されて変調データとなる。さらに、変調データはレーザ駆動回路378に入力される。レーザ駆動回路378が変調データに基づいて光源204を制御することにより、レーザ光がパワー変調される。
後述する他の実施形態でも、光ディスク装置の基本的には、図5に示す構成を備えている。
(欠陥登録手順)
図6は光ディスクの出荷前に欠陥登録する手順を示すフローチャートである。これを参照して光ディスクの欠陥登録の一例を説明する。
まず、ステップS1では、公知の方法により、光ディスクを作製する。この実施形態では、単一の記録層を備える単層光ディスクを作製する。勿論、本発明で用いる光ディスク装置は、単層光ディスクに限定されず、積層された複数の記録層を備える多層光ディスクであってもよい。
次に、ステップS2において、光ディスクの表面チェック(欠陥サーチ)を行う。 ここで、図7(a)〜(e)を参照して、各種の欠陥の特徴と、個々の欠陥を識別して検出する方法とを説明する。
図7(a)〜(e)は、それぞれ、光ディスクの代表的な5つの欠陥によって生じるTE信号(トラッキングエラー信号)とAS信号(全光量信号)の変化の様子を示した図である。TE信号は、図5での差動増幅器410の出力に相当し、AS信号は、加算器372の出力に相当する。
埃は、光ディスクの表面の広い範囲(典型的には全面)に薄く付着し、目視可能である。このため、ユーザが光ディスクの使用前に目視によって光ディスク上に埃を見つけたときは、布やティッシュなどで埃を拭き取ることが可能である。しかし、ユーザが埃の存在を気づかないこともあり、また、拭き取ろうとしても拭き残しにより、埃が光ディスクの表面に付着したままになる可能性がある。
図7(a)に示すように、埃はディスク表面の広い範囲に一様に付着するため、埃のサイズは光ビームの直径に対して十分大きい。このため、光ディスクの回転に伴って光ビームが埃を横切るとき、光ビームが大きく偏向することはなく、±1次回折光の差動で生成するTE信号には大きな変動は現れない。しかし、表面の埃があると、埃を透過して反射層まで達する光の量と、反射層で反射してくる光の量とが低下してしまうため、反射光から得たAS信号は低下してしまう。
塵は、BDO(ブラックドット)と呼ばれ、埃よりも光透過率が低い(遮光性が高い)欠陥である。CDが商品化された時代から、塵に相当する欠陥を備えたテスト用光ディスクがドライブの性能検証などで使用されていた。塵は、埃と同様にディスク表面に付着するとはいえ、反射光量を50%以上も低下させる点で、埃から識別可能である。また、一般的には、塵が付着している領域の面積は、埃が付着している領域の面積よりも小さい。以上のことから、ディスク表面に塵が存在すると、図7(b)に示すように、AS信号の振幅は、狭い領域で局所的に大きく低下する。一方、±1次回折光は、それぞれ、塵によって等しく遮光されるため、TE信号は、大きな偏心などの外乱がない限りは、0近傍で出力される。したがって、塵によってTE信号に大きな変動は生じない。光ビームが塵を横切る時の外乱の影響でTE信号が変動することを軽減するため、光ディスク装置が塵を検出したとき、光ビームが塵を横切る期間に相当する長さのゲート信号を生成し、そのゲート信号でトラッキングの駆動をホールドすることが実施されている。このようなトラッキングのホールドにより、光ビームが塵を横切る間はTE信号の変動が無視されることになる。その結果、塵を原因とするトラック外れを防止できる。
指紋は、CD、DVD用の光ビームでは、ディスク表面におけるスポット径が指紋のドットサイズよりも大きかったので、検出が困難であった。しかし、BDの場合、ディスク表面でのビームスポット径が絞られるため、指紋のドット検出が可能である。また、BDの場合は、NA=0.85と大きく、収差の影響も大きくなる。このため、光ビームが指紋のドットを通過する毎に反射光量の変動が生じる。その結果、図7(c)に示すように、AS信号は、光ビームが指紋のドットを通過する毎にレベルが低下するような波形を示す。TE信号は差動をとっているため、反射光量低下、球面収差の影響がキャンセルされるため、変動は若干に留まる。
上述した埃、塵、および指紋は、光ディスクの製造後にディスク表面に発生する欠陥(表面欠陥、二次欠陥)であり、ディスク表面から除去することが可能である。このため、これらの欠陥は、永久的でない欠陥(非永久欠陥)と称することができる。
気泡は、光ディスクの製造段階において、ディスク表面ではなく、光ディスク内部に発生する欠陥であり、情報層上に光透過層を形成するとき、情報層と光透過層との間に形成されやすい。BDでの典型的な気泡の大きさ(直径)は、500μm〜1000μm程度である。気泡は、光ディスクの製造後には修復も除去もできない永久的な欠陥(永久欠陥)である。この点で、気泡は、上述した埃、塵、および指紋とは大きく異なる。
図2に示したように、BDの情報層と光透過層との間に気泡が形成されると、光透過層が薄い(厚さ:約100μm)ため、光透過層の表面が局所的に盛り上がる。
光ビームが気泡の中心部(核の部分)を照射するとき、反射光は殆ど戻ってこない。また、光ビームが気泡の核の周囲において盛り上がった部分(直径:500μm〜1000μm程度の領域)を照射するときは、光ビームの透過光および反射光が歪んで異常が生じる。BDの記録・再生に用いられる対物レンズのNAは高く、ディスク表面から浅い位置の情報層に焦点を結ぶため、光透過層の僅かな歪みに対しても、球面収差が大きく変化し、回折光強度が変動しやすい。
したがって、図7(d)に示すように、BDの光ビームが気泡を横切るとき、AS信号は気泡の核による局所的な低下に留まるが、TE信号は、気泡の核の周囲の広い範囲で影響を受け、外乱波形が現れる。このような波形は、光ビームがトラックの中心線上にあっても気泡に起因して出現するため、TE信号の「擬似オフトラック成分」と称することにする。このような擬似オフトラック成分がTE信号に現れると、擬似オフトラック成分に応答してトラッキング制御が行われるため、光ビームスポットが目的トラックから外れてしまう(トラック飛びが発生してしまう)という問題がある。
多層光ディスクにおいて気泡が形成された場合は、ディスク表面からの気泡の核の位置(深さ)によらず、光ビームが気泡を横切るとき、TE信号に擬似オフトラック成分が発生する。すなわち、ディスク表面に垂直な方向に気泡を各記録層へ投影した領域は、永久欠陥の領域として管理され、その領域に対するアクセスが禁じられることが好ましい。
多層光ディスクの内部に1つの気泡が存在すると、各記録層において、例えば20Mバイト程度の領域が「欠陥」の領域として登録される。1つの記録層のデータ記録容量が20Gバイト程度の記録層が4枚積層された光ディスクでは、1個の気泡の存在により、20Mバイト×4=80Mバイト程度、データ記録容量が減少する。この場合、1個の気泡が存在すると、全ての記録層において、データ記録容量が1%程度減少するため、10個の気泡が存在すると、光ディスク全体として10%もデータ記録容量が低下することになる。
なお、今後、1つのBDに多数(5層以上、例えば16層)の記録層が積層されることが検討されている。このように多数の記録層が積層されたBDでは、1つの気泡が全ての記録層に悪影響を与えるとは限らない。気泡の核から離れた記録層では、気泡が投影された領域を「永久欠陥」として登録する必要が無いこともあり得る。具体的には、16層の記録層が積層されたBDでは、気泡の核からの距離が近い4つの記録層については、気泡が投影とされた領域を「永久欠陥」として登録し、それ以外の記録層では、気泡が投影された領域を「永久欠陥」として登録しないようにしてもよい。
スクラッチは、外力によって光ディスクの表面に形成される欠陥であり、通常は、修復も除去もできないため、「永久欠陥」に属する。光ディスクを机や台の上に、ケースに入れず放置して誤って光ディスクをこすってしまったり、ドライブのトレイに出し入れするときに誤ってトレイの角等に光ディスクをぶつけてしまったりすると、スクラッチが形成されやすい。スクラッチは、ディスク表面が物理的に凹んだ部分であるため、図7(e)に示すように、他の表面欠陥に比べ、TE信号にもAS信号にも相当の影響が出る。スクラッチの深さにもよるが、記録信号やトラッキング信号に影響の出るレベルで考えると、AS信号の振幅低下は指紋と同程度、TE信号の影響は気泡と同程度である。
上記のBDにおける各種欠陥のAS信号に対する影響と、TE信号に対する影響を図8の表にまとめた。各種欠陥のAS信号に対する影響は、反射光量変化やエラーレートに基づいて検出され、TE信号に対する影響は、「トラック飛び」として検出される。図8における「○」は、エラーレートについて「低い」ことを意味し、トラック飛びについて「生じにくい」ことを意味する。一方、「×」は、エラーレートについて「高い」ことを意味し、トラック飛びについて「生じやすい」ことを意味する。例えば、気泡の場合、エラーレートは高く、トラック飛びは生じやすい。
図8からわかるように、気泡はトラック飛びが生じやすく、TE信号の変動に基づいて欠陥が「気泡」であることを検出することが容易である。指紋は、トラック飛びは生じにくく、TE信号の変動は小さいが、光量変化が大きいため、AS信号の変動をカウントすることにより、欠陥が「指紋」であることを検出可能である。塵は、光量変化が大きいため、AS信号の変動の大きさに基づいて、欠陥が「塵」であることを検出することができる。
以上より、TE信号およびAS信号に基づいて、指紋、気泡、および、塵は一意的に検出することができる。一方、埃、スクラッチ、および、その他の欠陥は、光量変化の大きさと光量変化が生じる範囲(図8に示す「外乱範囲」)の大きさに基づいて推定することができる。すなわち、反射光量、再生エラーレート、およびトラッキングエラーに基づいて、欠陥の種類を判別することが可能である。
図9は、図5のDSP及びシステムコントローラで実現する欠陥検出ブロックの構成図である。差動増幅器410(図5)から得られたTE信号は、図9に示すLPF(ローパスフィルタ回路)81に入力される。TE信号はLPF81でノイズを除去された後、アブノーマルジャンプ(ABJ)検出回路82に入力される。ABJ検出回路82は、図10に示すように、TE信号が所定の閾値を超えたとき、検出信号を出力する構成を備えている。ABJ検出回路82は、気泡で発生するTE信号の大きな変動部分を検出することができる。
ABJ検出回路82の出力は、図9に示すように、波形整形回路83に入力される。波形整形回路83に入力された信号はノイズ除去とデジタライズが行われた後、比較器88に入力される。
AS信号はLPF84でノイズを除去された後、BDO検出回路85に入力される。BDO検出回路85は、図11に示すように、AS信号が所定の閾値を超えたとき、検出信号を出力する構成を備えている。BDO検出回路85は、塵で発生するAS信号の大きな変動を検出することができる。
BDO検出回路85の出力は、波形整形回路86に入力される。波形整形回路86に入力された信号は、波形整形回路86でノイズ除去とデジタライズが行われた後、比較器88に入力される。
指紋の検出を行うため、BDOの波形整形回路86の出力は、カウンタ87にも入力される。指紋ドットに相当するAS信号の変動が所定回数(例えば5回以上)カウントできたとき、指紋が検出される。比較器88の信号は、システムコントローラ(CPU)89に入力される。TE信号の変動とAS信号の変動の組み合わせに基づいて、指紋、気泡、塵の識別を行うことができる。
指紋、気泡、塵の3種類の欠陥以外の欠陥であるスクラッチ、埃は大きさや深さ(厚み)が、一定ではない。前記3種類の欠陥を識別できるため、埃およびスクラッチは、まず、前記3種類の欠陥以外の欠陥として検出される。そして、埃かスクラッチかを判別することにより、欠陥を埃またはスクラッチであると推定することが可能になる。具体的には、上述した推定方法を用いる。
以上説明した欠陥サーチにより、欠陥の種類を特定できる。
再び、図6を参照する。
ステップS3では、上記の欠陥サーチによって検出した欠陥の位置及びサイズを含む欠陥管理情報を光ディスクの所定領域に記録する。本実施形態では、欠陥の種別を判別し、永久欠陥でないと判別されると、永久欠陥でないこと、すなわち「非永久欠陥」であることを示す識別子(Flag)を付与して欠陥の種別と共に所定の第1の欠陥管理領域にその欠陥を登録する。また永久欠陥であると判別されると、永久欠陥であることを示す識別子(Flag)を付与して欠陥の種別と共に所定の第2欠陥管理領域にその欠陥を登録する。
本実施形態では、気泡およびスクラッチを「永久欠陥」に割り当てているが、BDのスクラッチを修復する技術が実用化された場合は、スクラッチを「非永久欠陥」に割り当てるようにしてもよい。
本実施形態の光ディスク検査装置による検査が完了すると、光ディスク検査装置により、光ディスクの欠陥管理領域に欠陥管理情報が記録される。光ディスクが書換え型の光ディスク(例えばBD−RE)の場合、光ディスクの図12に示す欠陥管理領域30a、31a、32a、33aに永久欠陥である否かを示す識別子(Flag)、指紋、気泡、塵などの各欠陥の種別、各欠陥のサイズ及び位置を示す情報が記録される。一方、光ディスクが追記型の光ディスク(例えばBD−R)である場合は、まず、図12に示す先頭の一時光ディスク管理領域34に永久欠陥である否かを示す識別子(Flag)、指紋、気泡、塵の各欠陥の種別、各欠陥のサイズ及び位置を示す情報を記録することになる。この情報は、ファイナライズ処理により、一時光ディスク管理領域(TDMA)34から欠陥管理領域(DMA)30a、31a、32a、33aに書き移され、最終的には欠陥管理領域30a、31a、32a、33aに格納される。また、BD-RにおいてTDMSのアップデータユニットにおける臨時欠陥リスト(TDFL)には、永久的でない欠陥を含むが、永久的な欠陥を含まないようにすれば、一時光ディスク管理領域(TDMA)34の消耗を減らすことができる。
光ディスクメーカが光ディスクの出荷前に検査によって得た欠陥管理情報は、光ディスクメーカの光ディスク検査装置によって出荷前に光ディスクに記録される。上記の例では、欠陥管理情報は、図12に示す第1の欠陥管理領域(DMA1)30aよりも光ディスク内周側に位置する領域に設けた「欠陥登録エリア」に格納されることが好ましい。光ディスクにおけるリードインエリア4の内周側には、「ドライブエリア(図12において不図示)」が設けられている。「ドライブエリア」は、図12に示すリードイン領域4においてDMA領域よりも光ディスク内周側に位置し、光ディスク装置のメーカごとに区分された領域である。特定のメーカに割り当てられたドライブ領域には、そのメーカが製造した光ディスク装置の動作に必要な情報が適宜記録されることになる。本実施形態における欠陥登録エリアは、このドライブエリア内に配置される。
図13は、「欠陥別登録エリア」の構成と配置を示す図である。本実施形態で好適に使用され得る光ディスク検査装置は、図13に示す欠陥別登録エリア(ドライブエリア)5に欠陥管理情報を記録する。この欠陥別登録エリアは、Access Control Areaに設けられている。Access Control Areaの詳細は、後に、図23を参照しながら説明する。
図13に示す例では、永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報である識別子(Flag)と、指紋(Finger−Print)、気泡(Bubble)、BDO(塵)などの各欠陥の種別ごとに欠陥の名称を示す欠陥識別情報と、各欠陥のサイズ及び位置を示す欠陥位置情報とを含む欠陥管理情報がドライブエリア5内に記録される。図13の例では、Flag‘0’は、欠陥が永久的でない欠陥(第1のディフェクト)であることを示し、Flag‘1’は、永久的な欠陥(第2のディフェクト)であることを示している。非永久欠陥には指紋および塵が含まれ、永久欠陥には気泡が含まれる。
欠陥のサイズは、「Start PSN」と「END PSN」との差によって実質的に表示されている。欠陥の始点位置及び欠陥のサイズが特定されると、欠陥の終点位置が定まる。したがって、欠陥の位置・サイズに関して登録すべき情報は、欠陥の始点及び終点位置、または、欠陥の始点位置及びサイズのいずれであっても良い。
図13の例では、永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報として識別子(Flag)を用いているが、本発明で使用する欠陥管理情報は、このようなものに限定されない。欠陥管理領域をアドレスが固定された2つの欠陥管理領域に分け、その一方の領域に永久欠陥に関する欠陥管理情報を登録し、もう一方の領域に永久的でない欠陥に関する欠陥管理情報を登録してもよい。このようにすれば、必ずしも欠陥属性情報として識別子(Flag)を用いなくても、永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報を付与することが可能である。
非永久的な欠陥に関する欠陥情報は、従来どおり、例えばDMA領域に記録され、永久欠陥に関する欠陥情報を、その位置を示す欠陥位置情報とともに、DMA領域とは別の欠陥管理領域に記録しても良い。その場合、永久欠陥に関する情報が記録された欠陥管理領域にアクセスし、その欠陥管理領域に記録された情報を読み出せば、永久欠陥の位置を知ることが可能である。したがって、このような場合でも、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報が欠陥管理領域に記録されていることになる。
このように、本発明の好ましい実施形態では、光ディスクが、少なくとも、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、その欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している。この欠陥属性情報は、欠陥の属性または種類に応じて異なる情報を含んでいてもよいし、また、欠陥の名称を示す情報を含んでいてもよい。ある好ましい実施形態においては、検出された欠陥が気泡か否かを欠陥属性情報に基づいて識別できる情報を含んでいれば良い。
永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報は、例えば1ビットで識別され得る。欠陥の名称を示す欠陥識別情報は、例えば3ビットで欠陥の名称が識別される。
気泡は、製造段階で形成される一次的な欠陥(Primary defect)であり、かつ、光ディスク上の広い範囲でTE信号を歪ませるという特徴を有している。気泡を含む光ディスクが光ディスク装置に搭載され、光ディスク装置が気泡の存在する領域にアクセスしようとすると、トラック飛びなどの不都合が生じるため、気泡領域へのアクセスは未然に防止することが好ましい。
図6のステップS4では、上記の情報が記録された光ディスクの出荷が行われる。
このようにして光ディスクメーカが、出荷前における光ディスクのドライブ領域5に、永久欠陥か否かを示す識別子などの情報を記録しておけば、この光ディスクの上記ドライブ領域5から永久欠陥か否かを示す識別子などの欠陥管理情報を取得することにより、欠陥の種類に応じて異なる措置を適切に行うことが可能になる。例えば、第1欠陥管理領域6に登録された永久欠陥でない第1のディフェクトは、更新可能とする一方、第2欠陥管理領域7に登録された永久欠陥である第2のディフェクトは、書き換えが禁止(更新禁止)される。
図13に示すように各欠陥登録領域に欠陥の種類別に欠陥の情報が配置されていると、欠陥の種別に応じた処理を実行することができる。例えば、交代領域がなくなった場合でも、拭き取り可能な埃や指紋の欠陥リストが多い場合は、その旨を通知してクリーニングを促すことが可能である。クリーニング実行後は、欠陥登録を解除すればよい。このような処理を行えば、永久的でない欠陥の数を低減できるため、光ディスクの記録可能な領域を増加させることができる。
また、気泡については、「スリップ交替」を行うことが好ましい。「スリップ交替」とは、論理アドレスを物理アドレスに対応付ける際、気泡が存在する領域の物理アドレスを飛ばしてしまうことを意味する。スリップ交替の結果、気泡が存在する領域は、光ディスク装置から見て存在しないも同然の領域になる。出荷時に光ディスクに記録された欠陥管理情報に基づいて、「スリップ交替」を行うことにより、光ディスクを購入したユーザがその光ディスクにデータを記録するとき、気泡が存在する領域にアクセスすることを防止できる。
上記の説明は、光ディスクメーカが出荷前に行う光ディスクの欠陥検出と光ディスクへの欠陥管理情報の記録の処理に関しているが、同様の処理は、光ディスクを購入したユーザがその光ディスクを最初に光ディスク装置にロードした後に行われても良い。各種の欠陥のうち、特に気泡は、製造段階で発生するものであるため、出荷前、または光ディスクが最初に使用される際に検出し、その位置やサイズを示す情報を光ディスクに記録しておくことが好ましい。
なお、光ディスクのユーザが使用する光ディスク装置(プレーヤやレコーダ)で欠陥サーチを行う場合、その光ディスク装置が前述した「光ディスク検査装置」の構成および機能に相当する構成および機能を併せ持つ。
非永久欠陥は、光ディスクの製造段階に発生することは稀であり、通常、出荷前に発生した非永久欠陥は、出荷前に除去される。このため、出荷段階の光ディスクには、典型的には、気泡に関する欠陥情報のみが記録される。ただし、比較的に小さなスクラッチが存在する光ディスクであれば、廃棄することなく、低価格で販売するなどの目的のため、出荷してもよい。その場合、スクラッチは、気泡と同様に、出荷前に検出され、スクラッチに関する欠陥管理情報が光ディスクに記録されることが好ましい。
(光ディスクの起動・再生方法)
以下、主として図14を参照しながら、欠陥管理情報が既に記録された光ディスクを光ディスク装置にロードしたときの光ディスク装置の駆動方法を説明する。
なお、この光ディスクは、本実施形態で使用する光ディスク装置で欠陥サーチを行ったものであるか、否かは問わない。上述のように、光ディスクメーカが出荷前に光ディスクに対して欠陥サーチを行い、それによって得た欠陥管理情報を光ディスクに記録してから出荷したものであってよい。
本実施形態で使用する光ディスクのドライブエリア5には、図13に示すように、永久欠陥である否かを示す識別子(Flag)、指紋、気泡、塵などの各欠陥の種別、各欠陥のサイズ及び位置を示す情報が格納されている。
以下、本実施形態における光ディスク装置の駆動方法を説明する。
まず、図5に示す光ディスク装置の電源がオンされて、上記欠陥登録がなされた光ディスクが光ディスク装置に装填される。すると、ステップS5において、光ディスクを回転させるスピンドルモータ111の回転が開始される(スピンドルON)。その後、ステップS6において、フォーカス制御及びトラッキング制御を開始する。こうして、上記欠陥情報が記録されているドライブエリア5に光ビームでアクセスすることが可能になる。
そして、ステップS7において、アドレスのリードを行い、光ビームのスポットが存在する現在の位置を確定する。BDの場合、アドレスは、トラック溝のウォブリングによって記録されている。その後、ステップS8において、光ディスクの最内周におけるリードイン領域4内のドライブエリア5にアクセスし、ステップS9において、欠陥管理情報の有無を確認する。ステップS10において、欠陥管理情報が光ディスクに記録されている場合(事前登録ありの場合)、ステップS11に進み、欠陥位置情報を光ディスクから読み出す。
ステップS10において、光ディスクに欠陥管理情報が記録されていない場合は、ステップS12に進み、欠陥サーチを行う。ステップS13において、光ディスクのドライブエリア5に欠陥情報を登録する。
欠陥情報が予め登録された光ディスクでは、起動時に2、3分かけて欠陥の初期サーチをする必要がなく、20ミリ秒程度の時間をかけて欠陥情報をリードすることにより、欠陥領域を確実に避けてデータを記録することが可能となる。したがって、起動時間を短縮し、かつ、記録失敗の可能性を低く抑えることができる。また、ランダムアクセス時、光ビームのフォーカス位置が欠陥に突入して、フォーカスが外れることも低減することができる。
本発明の光ディスク装置や光ディスクは、データを受け取って逐次記録するリアルタイム記録性能の向上に有効である。本発明によれば、欠陥によってエラーを起こすことを防止し、安定な録画性能を実現することができる。BDは、ディジタル放送のストリームコンテンツの録画に用いられることが多い。特にデジタル放送のフォーマットであるMPEG−TSからMPEG2への変換処理を行うときや、MPEG4−AVCでリアルタイムに再エンコード処理を行うときに、光ディスク装置でリトライ処理に許される時間が少なくなる場合がある。このような場合、本発明の効果は顕著である。
(実施形態2)
本実施形態では、光ディスクに記録するデータがAVファイル(リアルタイム記憶が行われるデータ)である場合に実行され得る好ましい動作の一例を、図15を用いて説明する。
まず、記録を開始する前に、ステップS20で光ディスクから欠陥情報を取得する。欠陥情報の取得は、図13に示すように光ディスクに既に登録されている欠陥種別ごとの欠陥リストの内容を光ディスクから読み出すことによって行うことができる。また、光ディスクに対して欠陥サーチを行うことによって欠陥種別ごとの欠陥情報を取得(検出)してもよい。欠陥サーチを行った場合は、それによって欠陥情報を取得する一方で、得た欠陥情報を光ディスクに登録または更新することが好ましい。
ステップS21では、目的とする情報層において、全ての種類の欠陥領域の総面積の、データ記録領域(ユーザ領域)の面積に対する面積比率が所定値(本実施形態では10%)を超えているか否かを判定する。なお、着目する情報層に記録可能なユーザデータの最大量(1層の記録容量)を「層容量」と称し、その情報層に存在する全欠陥領域に本来は記録できたはずのデータ記録量を「欠陥領域記録量」と称することとする。この場合、上述の面積比率は、「欠陥領域記録量/層容量」に相当する。本明細書では、「欠陥領域記録量/層容量」を「欠陥領域の記録容量比率」または「記録容量比率」と称することとする。
本実施形態では、永久欠陥による記録容量比率が10%を超えている場合は、ステップS28に進む。この記録容量比率が10%を超えていないとき(「No」のとき)、ステップS22において、目的の情報層に対するデータの記録を実行する。
一方、ステップS21で、上記全ての種類の欠陥の記録容量比率が10%を超えているとき(「Yes」のとき)は、ステップS23に進み、クリーニングが必要であることをユーザに警告する。この警告は、音声または画像により、例えば「光ディスクの表面から指紋を拭きとってください」などのメッセージである。なお、後述するように、光ディスク装置がクリーニング装置を備えている場合は、光ディスク装置が自動的に光ディスクのクリーニングを実行すればよい。
ステップS24で光ディスクのクリーニングが実行された後、ステップS25で光ディスクの欠陥検査が実行される。既に取得した欠陥情報(欠陥リスト)に基づいて、クリーニング前に検出された指紋などの非永久欠陥の位置にクリーニング後も欠陥が残存するか否かをチェックすることが好ましい。しかし、光ディスクの全体または欠陥が存在する位置を含む広い範囲を対象に欠陥サーチを行っても良い。
ステップS26では、ステップS25による光ディスクの欠陥検査によって得た非永久欠陥に関する欠陥情報を光ディスクに登録更新する。
ステップS27において、全ての種類の欠陥の面積がデータ記録領域(ユーザ領域)の面積に対する比率が所定値(例えば10%)を超えているか否かを算出する。この記録容量比率が10%を超えていないとき(「No」のとき)、ステップS22において、目的の情報層に対するデータの記録を実行する。
一方、ステップS27で、上記欠陥の記録容量比率が10%を超えているとき(「Yes」のとき)は、ステップS28に進み、この情報層に対するデータの書き込みを禁止する。そして、多層光ディスクの場合は、ステップS29で、他の情報層への記録を行う処理に進む。他の情報層に対しては、ステップS20からステップS29までの処理と同様の処理を実行することになる。
ここでは、欠陥の記録容量比率を評価するための基準値の例として「10%」の値を用いたが、本発明の好ましい実施形態は、このような数値例に限定されない。目的とする情報層の記録容量から欠陥によって減少する記録容量を差し引いた値(実効的な記録容量)を算出し、記録すべきAVデータのデータ量と比較するようにしてもよい。この場合、記録すべきAVデータのデータ量よりも情報層の実効的な記録容量が少ない場合に、クリーニングを行えばよい。クリーニング後も、記録すべきAVデータのデータ量より情報層の実効的な記録容量が少ない場合には、その情報層へはAVデータを記録せず、他の情報層への記録を行うことになる。
(実施形態3)
本実施形態では、光ディスクに記録するデータがAVファイル(リアルタイム記憶データ)またはPCファイル(非リアルタイム記憶データ)の何れかであるかに応じて、異なる記録処理を実行する。
具体的には、リアルタイム記録の必要性が無いPC記録の場合、欠陥の中でも、気泡のようにアクセスに困難が伴う欠陥以外の欠陥には記録を試みることが可能である。そのような欠陥に記録できる場合もあるからである。また、記録に失敗した場合は、他の領域へ記録する時間余裕がある。しかしながら、リアルタイム記録が必要なAV記録では、このような記録の失敗を極力避けることが好ましい。このため、AV記録の場合は、検出された全ての欠陥を避けてデータの記録を行うことが好ましい。
本実施形態では、欠陥リスト上の欠陥の種類を考慮し、記録すべきデータの種類に応じた処理を実行する点に特徴を有している。
以下、図16から図19Bを参照する。
本実施形態では、図5に示す構成を有する光ディスク装置(以下、「ドライブ」と称する。)が「ホスト」と称される制御装置(不図示)に接続されている。データの記録処理を開始するとき、ホストからドライブに記録コマンドが送出される。記録コマンドは、光ディスクに記録すべきデータがAVファイルであるか、あるいはPCファイルであるかによって異なっている。ドライブは、ホストから入力されたコマンドに基づいて、データがAVファイルかPCファイルかを判別することができる。
まず、記録すべきデータがPCファイルである場合を説明する。
PCファイルの場合、ドライブは、欠陥リストの永久欠陥の部分、あるは永久欠陥リストを参照し、論理アドレスから物理アドレスへの変換を行う。具体的には、物理アドレスのうち、永久欠陥(気泡およびスクラッチ)が存在する領域のアドレスを除いて、論理アドレスを展開する。
図16は、欠陥リストの一例を示している。PC記録の場合、図16の欠陥リストにおける「PC記録」の列で○が付された欠陥(永久欠陥)の領域に対して記録が禁止される。一方、AV記録の場合は、この欠陥リストにおける「AV記録」の列で○が付された欠陥(永久欠陥+非永久欠陥)の領域に対して記録が禁止される。
本実施形態では、表の○が付された欠陥の領域を除く領域において、物理アドレスが展開される。従って、PC記録の場合は、欠陥リスト登録された欠陥領域であっても、×の欠陥領域(指紋、塵が付着した非永久欠陥の領域)には、データの記録が実行され得る。一方、後述するAV記録を行う場合は、欠陥リストに登録された全ての種類の欠陥(永久欠陥および非永久欠陥)の領域に対して、記録が禁止される。
次に、図17を参照する。図17の表は、PC記録を行う場合に、ホストからドライブへ送信されるコマンドと、ドライブの動作との関係を示している。表の1〜18は、ホストおよびドライブの処理を示しており、番号が大きくなるほど、時間的に後の処理に対応している。
図17に示されるように、記録すべきPCデータであるファイル1について、ホストがPC記録コマンドを発行する。このコマンドをドライブが受けると、ドライブは、欠陥リストの永久欠陥の部分、あるいは永久欠陥リストを参照し、論理アドレスから物理アドレスへの変換を行う。具体的には、物理アドレスのうち、永久欠陥(気泡およびスクラッチ)が存在する領域のアドレスを除いて、論理アドレスを展開する。次に、ドライブは、物理アドレスによって特定される記録開始アドレスの位置にシークし、その位置にアクセスする。そして、その位置から記録を開始する。ドライブでPCファイルの記録が完了すると、ホストは、PCベリファイコマンドを発行し、ドライブに入力する。ドライブは、ベリファイコマンドを受け取ると、ファイルの記録が完了した領域の記録開始アドレスの位置に再びアクセスし、ベリファイを開始する。ベリファイが完了すると、ホストは、次に記録すべきデータ(ファイル2)について、PC記録コマンドをドライブに入力する。
ドライブが次の記録開始アドレスの位置にアクセスし、記録を行っているときにトラッキングエラーが発生したとする。ホストは、リカバリのために「交替領域」への記録をドライブに指示する。ドライブは、エラーが発生したアドレスを一時的に保管し、交替記録開始アドレスの位置にアクセスし、記録を開始する。
ドライブでPCファイル(ファイル2)の記録が完了した後、ホストはPCベリファイコマンドを発行する。ドライブは、記録開始アドレスへアクセスし、ベリファイを開始する。そして、交替領域に対してもベリファイを実行する。
ベリファイが完了すると、ホストは、全記録が完了したため、電源OFFコマンドをドライブに通知する。ドライブでは、エラー発生アドレスの位置にアクセスし、欠陥サーチを実行する。その結果、欠陥の種類が「指紋」であると判定したとする。ドライブは、光ディスクの欠陥リストに指紋に関する情報を追記し、処理完了の通知をホストに発する。ホストは、READY状態または電源OFF状態となる。
次に、図18を参照しながら、記録すべきデータがAVファイルである場合を説明する。図18は、図17の表に相当する。
AV記録の場合、ホストはAV記録コマンドを発行する。このコマンドをドライブが受け取ると、ドライブは、欠陥リストを参照し、すべての欠陥を避けるように論理アドレスから物理アドレスへの変換を行う。具体的には、物理アドレスのうち、永久欠陥(気泡およびスクラッチ)のみならず、非永久欠陥を含む全ての欠陥が存在する領域のアドレスを除いて、論理アドレスを展開する。
ドライブは、物理アドレスによって特定される記録開始アドレスの位置にシークし、その位置から記録を実行する。AVファイル(ファイル1)の記録を完了した後、ホストは、次に記録すべきデータ(ファイル2)について、AV記録コマンドをドライブに入力する。ドライブは、次の記録開始アドレスの位置にアクセスし、記録を行っているときにトラッキングエラーが発生したとする。このとき、ホストは、直ちに「スリップ記録」をドライブに指示する。ドライブは、不良セクタをスキップし、記録を継続する。
AV記録を完了した後、ドライブはエラーが発生したアドレスに再度アクセスし、そのアドレスより所定の容量だけ手前のアドレス位置より、欠陥サーチを行う。その結果、欠陥の種類が「指紋」であると判定したとする。この場合、ドライブは、光ディスクの欠陥リストに指紋に関する情報を追記し、処理完了の通知をホストに発する。ホストは、READY状態または電源OFF状態となる。
このように、本実施形態では、光ディスクに記録すべきデータがPCファイルかAVファイルかによって、欠陥リストから記録禁止の対象とする欠陥を選択する基準を変更する。これにより、リアルタイムで記録されるAVファイルは、欠陥を確実に避けることができる。一方、PCファイルは、書き込みエラーが発生した場合でも繰り返して再書き込みにトライできるため、光ディスクの記録容量を可能な限り有効に利用することが可能になる。
次に、図19Aおよび図19Bを参照する。これらの図は、上述したドライブの動作の一部を示すフローチャートである。
ドライブは、記録開始コマンドを受け取ると、ステップS31において、AV記録かPC記録かを判別する。PC記録の場合、ステップS32で、欠陥リスト中の永久欠陥に関するアドレス情報を読み出し、ステップS33で論理アドレスから物理アドレスへの展開を行う。
ステップS34で記録開始アドレスの位置にシークし、ステップS35で記録を開始する。このとき、ステップS36でエラーが発生したとすると、ステップS37で交替領域にデータを記録する。ステップS38で記録が完了すると、ステップS39でエラー発生箇所の欠陥を特定するための欠陥サーチを実行する。そして、ステップS40で欠陥の種類および位置を決定し、ステップS41で光ディスクに欠陥情報の追登録を行う。
AV記録の場合、ステップS31からステップS42に進み、欠陥リスト中の全ての欠陥に関するアドレス情報を読み出し、ステップS43で論理アドレスから物理アドレスへの展開を行う。
ステップS44で記録開始アドレスの位置にシークし、ステップS45で記録を開始する。このとき、ステップS46でエラーが発生したとすると、ステップS47でエラーが発生した領域をスキップし、次の領域にデータを記録し、ステップS48で記録が完了する。
本実施形態の光ディスク装置は、PC記録およびAV記録の両方がなされ得るパーソナルコンピュータのドライブとして好適に用いられる。
(実施形態4)
本実施形態の光ディスク装置は、除去可能な非永久欠陥を除去するためのクリーニング装置を備えている。
図20(a)は、欠陥拭き取り(クリーナ)ブラシ23を備える光ピックアップ22と光ディスク1上の拭き取り可能な欠陥20との位置関係を示す平面図である。図20(b)は、光ピックアップ22の構成例を模式的に示す断面図である。
図20(a)に示す本実施形態の光ピックアップ22では、光ディスク回転方向(矢印の方向)に対して、先頭側から順番にBDレンズ21bおよびDVD用レンズ21aが配置されている。拭き取りブラシ23は、DVDレンズ21aを中心して、BDレンズ21bとは反対側に配置されている。すなわち、拭き取りブラシ23は、DVDレンズ21aおよびBDレンズ21bが対向している光ディスク1のトラック(不図示)に対向する。なお、光ディスク1の各トラックは、光ピックアップ22の近傍において、ディスク回転方向に平行に延びている。本実施形態では、欠陥検出のために使用されるBDレンズ21bの近傍に拭き取りブラシ23が配置されているので、検出された欠陥のアドレスが示す位置にシークをするだけで、拭き取りブラシ23の位置決めを簡単にすることができる。
拭き取りブラシ23の大きさ、形状、材質の選定、設計は、指紋を拭き取ることに特化させることも可能である。欠陥を拭き取るためには、所定以上の応力が必要であるので、図20(b)に示すようにローラ形状で粘着性の材料を選定したりすれば効果がある。あるいはブラシの先端に丸みを付けたり、比較的太い形状の布を重ねたりしても良い。
拭き取り動作は、一旦フォーカス制御を外し、拭き取りブラシ23を光ディスク1に接触した状態で、所定の時間、あるいは回数(回転数)、実施するのが良い。所定時間実施後、その場でフォーカスをONし、指紋によるRF信号の欠落が改善されるまで(指紋に相当する信号が検出されなくなるまで)その位置をリトレースさせる。拭き取りがOKであれば、半径位置を切り換えていくようにすれば、確実に指紋などの欠陥を除去して、記録再生の信頼性は格段にあげることができる。
更に、拭き取りブラシ23を、光ディスク1に対する光ピックアップ22の進行方向前方側に配置して、フォーカスサーボをかけたまま、光ディスク1をクリーニングするように構成すれば、所定の回転数だけ光ディスク1を回転させてクリーニングした後、その場でRF信号から得た指紋信号で拭き取れたどうか確認することができる。
なお、フォーカスサーボをかけたまま、光ディスク1をクリーニングすると、接触しているため光ディスク1には振動が伝わり、フォーカスサーボの外乱となるが、拭き取っているときには、データの記録、再生をしていることはないので、フォーカスサーボの特性(ゲインなど)を記録再生時に対してクリーニング時には切り換えておけばよい。
例えば位相余裕を十分とれば、フォーカスサーボを外れにくくすることは可能である。この場合、外乱応答性はよい特性になるが、定常偏差は多くなる。しかし、クリーニング時には、データの記録、再生を行わないので、定常偏差は多くなっても問題は無い。クリーニング時では、記録再生時に比べてゲインを小さくすることにより、周波数帯域を下げ、位相余裕を増やすことが好ましい。
このように光ピックアップ22の基台の中に一体として、レンズ21a、21bと拭き取りブラシ23を配置することにより、装置の小型化を阻害することなく、かつ基台の一体成形により低コストで自動クリーニングを実現することができる。
本発明の好ましい実施形態では、図13に示すように欠陥種別に欠陥情報が記録された欠陥リスト上の非永久欠陥に関する情報に基づいて、除去可能な表面欠陥の個数、あるいは欠陥面積が予め設定された値を超えたと判断されたとき、クリーニングを実行するようにしてもよい。
なお、光ディスク装置がクリーニング機構を備えていない場合は、クリーニングが必要であると判断されたとき、ディスクプレイに「クリーニングを行ってください」のような警告メッセージを表示するようにしてもよい。ユーザがクリーニングを行った場合、光ディスク装置は、クリーニング後に欠陥サーチを実行し、欠陥が部分的であっても除去されたか否かをチェックする。充分に除去されていない場合、ディスクプレイに「もう一度、クリーニングを行ってください」のようなメッセージ、あるいは、「汚れていない光ディスクと交換してください」というメッセージを表示するようにしてもよい。
(実施形態5)
図21は、4層の情報層が積層された多層光ディスクの断面を示している。ディスク表面には埃、塵、指紋、スクラッチなどの欠陥が存在している。このような表面欠陥が光ビームの断面積に占める割合は、最も奥に位置する第1情報層(L0層)にフォーカスしているときに最も小さくなり、ディスク表面に最も近い第4情報層(L3層)にフォーカスしているときに最も大きくなる。
表面欠陥に対応する欠陥領域の面積は、情報層の深さ(ディスク表面からの距離)が大きいほど、相対的に小さくなる。
欠陥サーチによって得られた欠陥リストから、各情報層における欠陥領域の面積がその情報層のデータ記録可能領域の面積に占める比率、すなわち記録容量比率(%)を算出することが可能である。
以下の表1は、欠陥の種類と、各情報層(L0〜L3)における欠陥領域の記録容量比率(%)の一例を示している。
Figure 2010004707
表1からわかるように、埃、塵、指紋、スクラッチでは、ディスク表面に近いほど、記録容量比率が高い。気泡は、光ディスクの内部に存在する欠陥であり、4つの情報層に略等しい影響を与えるため、情報層の深さによらず、等しい記録容量比率を示している。
上記の表に示す欠陥を有する4層光ディスクに対して、欠陥のクリーニングを行うと、表面欠陥の一部または全部を光ディスクから除去することが可能である。
以下の表2は、このようなクリーニングを行った後における欠陥の種類と、各情報層(L0〜L3)における欠陥領域の記録容量比率(%)の一例を示している。
Figure 2010004707
この例では、ディスク表面から非永久欠陥である埃、塵、および指紋が完全に除去されている。このため、これらの非永久欠陥の各情報層(L0〜L3)における記録容量比率(%)は、0%に低下している。一方、永久欠陥である気泡およびスクラッチは、クリーニングによって除去されない。このため、クリーニング後も、気泡およびスクラッチは残存している。
各情報層の記録容量比率が欠陥のせいで10%を超えると、その情報層は、ユーザが期待する記録容量を実現できない場合がある。上記の表の例では、第4情報層(L3)では、永久欠陥の記録容量比率が10%を超えている。情報層の数が充分に多い多層光ディスク(情報層の数が8層以上、好ましくは16層以上)では、永久欠陥による記録容量比率が基準値を超える情報層を「欠陥層」と認定し、このような欠陥層に対するデータの書き込みを禁止することも可能である。ただし、この場合でも、その「欠陥層」の少なくとも一部を、例えば「交替領域」として利用してもよい。
前述したように、永久欠陥である気泡が存在すると、気泡に近い位置の情報層でトラッキングエラーまたはトラック外れが生じやすい。このため、気泡の記録容量比率が基準値を超える情報層については、データの書き込みを禁止(ライトプロテクト)するだけではなく、アクセス自体の禁止(アクセス禁止)をすることが好ましい。
次に、「欠陥層」について、ライトプロテクトまたはアクセス禁止を施す方法を説明する。また、このような欠陥層を有する光ディスクが光ディスク装置にロードされたときの動作(起動時における処理)を説明する。
1.欠陥層にライトプロテクト/アクセス禁止をかける方法
複数の情報層に含まれる或る特定の情報層において、欠陥領域の記録容量が、その情報層のデータ記憶可能領域の総容量に対して、例えば10%を超えていることが分かったとする。その特定の情報層Lxにライトプロテクトやアクセス禁止をかけるため、本実施形態の光ディスクでは、各情報層についてライトプロテクトおよびアクセス禁止を制御するための情報を記録する領域を有している。情報層別にライトプロテクトおよびアクセス禁止を制御するための情報は、「ライトプロテクトビット」と称される場合があるが、本実施形態では、この情報を「ライト/アクセス・プロテクト・フラグ(WAPF)」によって表現する。WAPFは、例えば2ビットのデータである。この場合、WAPF=“00”は「記録再生可能」、WAPF=“01”は「ライトプロテクト」、WAPF=“10”は「アクセス禁止」を意味するようにフラグビットを割付けることができる。
なお、光ディスクの全体にライトプロテクトをかける従来技術では、アクセス禁止の制御は不要であった。本実施形態では、情報層別にライトプロテクトをかけるため、ライトプロテクトのみならず、リードプロテクトすなわちアクセス自体を禁止することにより、その情報層をホストから論理的に見えなくすることが可能である。特に気泡や深いスクラッチは、TE信号に大きな影響を与え、トラック飛びを起こす可能性が高いため、気泡の影響が及ぶ特定の情報層について、アクセスを禁止することが有効である。本明細書では、ライトプロテクトおよびアクセス禁止の両方を総称して「ライト/アクセス・プロテクト」と称することとする。
WAPFを記録する領域は、最もアクセスしやすい情報層、あるいは、情報層のうちで必ずアクセスする位置に設けることが好ましい。
図22は、多層BDが有する複数の情報層のうち、ディスク表面から最も奥に位置する第1情報層(L0)の最内周領域(半径22.2mm〜23.65mmの領域)の構成を模式的に示す図である。
この最内周領域は、「Protection Zone」、「Parmanent Information/Control data Zone」、「Information Zone」、「OPC Zone」、および「Reserved」を含んでいる。「Protection Zone」には、光ディスクのBOOK type、Capacity(記録容量)、物理的に何層の情報記録層を有しているかを示す基本情報と、製造メーカ、製造日、製造ライン、製造場所などの光ディスクの製造ロットに固有の情報が記録される。「Parmanent Information/Control data Zone」には、その光ディスクについて推奨される記録条件など、記録膜やディスク基板の特性で決まる光ディスクの制御に関する恒久的な情報が記録される。「Information Zone」には、ライトプロテクトに関する情報、欠陥別リスト、代替セクタ登録などのDMAに関する情報が記録される。「OPC Zone」では、テスト記録によって記録パワーや記録ストラテジを調整するため試し書きなどが行われる。「Reserved」は、将来の多層ディスクで必要となるかもしれない拡張情報が追記される領域である。
情報層別にライトプロテクトを制御するための情報は、例えばInformation ZoneのAccess control Areaに記録される。図23は、Access control Areaの構成を示す図である。Access control Areaは、図23に示すように、書き換え可、追記のみ、再生のみなどを示す「ID(種別)」が記録される領域、アクセスコントロールエリアの情報が何回更新されたかを示す「アップデート回数」が記録される領域、各情報層についてWAPFが記録される領域を含んでいる。L0WAPF〜L31WAPFは、最も奥の情報層L0から最も手前の情報層L31を意味している。図23の例では、L0WAPF〜L31WAPFの各々に、例えば“00”、“01”、“10”のいずれかが割り当てられる。
なお、特定の情報層の全体ではなく、その一部の領域に対するデータの記録または再生(アクセス)を禁止する場合、そのような「部分禁止」が行われる情報層について、例えば“11”を割り当てても良い。この場合、部分禁止が行われる情報層において、記録または再生禁止の対象となる領域を特定する除法が光ディスク内に記録される必要がある。このような追記的な情報は、例えば、図22に示す「Reserved」の領域に記録され得る。また、L0WAPF〜L31WAPFの割り当てる情報のビット数を3以上に設定する場合は、記録または再生が禁止される領域を特定する情報を3以上のビット数で表現することが可能になる。BDでは、1つの情報層が25個のゾーンに区分され、個々のゾーンの記録容量は1ギガバイトである。各情報層において、ゾーン単位で記録禁止またはアクセス禁止を行うことも可能である。
なお、アップデート回数やWAPFが記録される領域は、書き換え可能な管理領域の一部である。
本実施形態では、例えば情報層L1における欠陥領域の記録容量比率が10%以上25%未満であれば、L1WAPFを“01”に設定する。また、欠陥サーチ時にトラック飛びが発生し、欠陥サーチが正常に完了しない場合や、気泡の記録容量比率が例えば25%以上であることを検出した場合には、その情報層に対するアクセスを禁止にすることができる。例えば情報層L15において気泡の記録容量比率が25%以上であれば、L15WAPFを“10”に設定する。
なお、各情報層に関する「ライト/アクセス・プロテクト」に関する情報を情報層L0の管理領域に記録する場合において、情報層L0における欠陥の記録容量比率が10%以上であったとき、情報層L0に対するデータの記録または再生が禁止されてしまう。その場合、情報層別のライト/アクセス・プロテクトに関する情報を追記でないという問題が生じる。
このような問題を解決するには、「ライト/アクセス・プロテクト」に関する情報をBCAに記録すればよい。図24(a)および(b)は、多層BDにおけるBCAの配置を示す平面図である。通常のBDでは、光ディスクの半径21.0mmから22.2mmの範囲にBCA(以下、「BCA1」と記載する)と称される領域が存在する。この「BCA」は、バーストカッティングエリアの略である。本実施形態における多層BDでは、情報層毎にライトプロテクトまたはアクセス禁止を行うことを可能にするため、図24(a)に示すように、BCA追記領域(BCA2)を設けている。このBCA2は、通常のBCA1よりも内周側、具体的には半径20,0mmから21.0mmの範囲に位置している。多層BDをサポートする光ディスク装置では、トラバースの内周スイッチやメカストッパの位置を調整することにより、半径20.0mmの位置にアクセスする(光ビームを照射する)ことが可能である。
図24(b)に示す他の多層BDは、光ディスクの半径21.0mmから22.2mmの範囲の半分(1/2周)に従来のBCA1が設けられ、残りの半分にBCA2が設けられている。
BCA2は、図23に示す。Access control Areaと同様の構成を有している。欠陥サーチによって情報層L1に10%以上の欠陥があれる判定された場合、BCA2におけるL1WPAFを“01”に設定する。また、同様に情報層L15に10%以上の欠陥があれば、L15WPAFを“01”に設定する。
なお、BDにおけるBCAの形成は、光ディスクの最内周領域でイニシャライズ時に照射する光ビームの強度を変調させて行うことができる。このため、どの情報層にBCAを形成(記録)することも可能であるが、単層BDや2層BDとの互換を考えた場合、BCAは光ディスクの最も奥に位置するL0層に作成することが好ましい。これは、単層BDや2層BDでは、最も奥に位置するL0層にBCAが形成されているため、公知の光ディスクは、光ディスク装置は、単層BDや2層BDが装填されたとき、必ず最も奧のL0層へアクセスし、L0層に形成されたBCAを読むように制御されるからである。
例えばL8層がアクセス禁止という情報がBCAに記録されている光ディスクが光ディスク装置に装填された場合を考える。この場合、L0層にBCAがあれば、BCAから必要な情報を読み出した後にL15層へアクセスする場合でも、L8層をスキップして、フォーカスジャンプを行うことができる。このため、余計な学習やアクセスの失敗によるエラーをなくすことができる。
しかし、光ディスクの表面に形成した金属膜のレーザカッティングによってバーコード状のBCAを形成する場合は、以下の利点がある。すなわち、ディスクの表面または表面に近い情報層にフォーカスしていれば、ディスク表面のBCAに記録された情報を読み出すことができる。これは、バーコード状のBCAに設けられたカット部分の幅が充分に大きいため、光ビームがBCAにフォーカスしていない場合でも、BCAによる反射光量の変化を検知することが可能だからである。このようなBCAを有する光ディスクが光ディスク装置に装填された後、まず最初に最も手前の情報層にフォーカスを引き込み、BCAにアクセスするシーケンスを採用することが好ましい。これによって、最初にアクセス禁止の情報層を認知することができるので、層間移動の失敗やピックアップとレンズの衝突を回避することが可能となる。
Access control Areaは書き換え可能な領域であるため、光ディスク装置による情報の記録は容易である。これに対して、BCA2における情報の記録は、イニシャラズ時に変調をするため、特殊な装置によって行う必要がある。
ライト/アクセス・プロテクトに関する情報の記録方法を説明する。ライト/アクセス・プロテクトに関する情報の記録には、大きく分けて、次の4種類の方法がある。
1)ディスクメーカによる出荷検査装置で欠陥検査、アクセスコントロールエリアへ追記
2)ディスクメーカによる出荷検査装置で欠陥検査、BCA2へ追記
3)光ディスクドライブによる欠陥検査、アクセスコントロールエリアへ追記
4)光ディスクドライブによる欠陥検査、BCA2へ追記
ディスクメーカでも、光ディスクドライブでも、それぞれ1)と3)、2)と4)については、装置の大小や専用か兼用かなどの違いはあるが、基本的に同様の方法で行うことができる。またディスクメーカがドライブを改造して検査工程へ導入するのが現実的である。よって好ましい実施形態として、2)のディスクメーカによる出荷検査装置でのBCA2領域への追記する場合と、1)のディスクメーカによる欠陥検査、アクセスコントロールエリアを更新する場合について説明する。
まず、2)のディスクメーカによる出荷検査装置でのBCA2領域への追記する場合を説明する。図25は、ディスクメーカが使用する検査装置の構成例を示すブロック図である。
図25の検査装置は、初期化用の光ビーム302を生成する初期化用ピックアップ304と、光ディスク上にデータを試し書きしたり、光ディスクからデータを再生するための光ビーム301を生成する記録再生用ピックアップ303とを備えている。初期化は、通常の記録再生時に使用する光ビームよりも太い光ビームを消去パワー(定常レベルの初期化信号)で光ディスクに照射して行う。こうして、情報層の状態を記録可能な状態に安定的に揃えることができる。BCAには、この初期化信号に変調をかけることにより、半径21.0から22.2mmの位置にバーコード状の濃淡信号が記録され得る。
図25の記録用ピックアップ303を介して得られるTE、ASは、増幅器305で適当に増幅される。その後、2値化回路306によって2値化され、欠陥別検出回路307へ入力される。実施の形態1で説明したように欠陥サーチを行っている情報層に指紋、気泡、埃など欠陥別の検出を行いながら、トラックを1本、数本単位で走査していく。1つの情報層の全面の欠陥サーチが完了したら、次の層に移動して、その層の欠陥サーチをスタートする。このようにして、全ての情報層の欠陥サーチが完了すると、検出された欠陥情報はシステムコントローラ310に入力されており、ディスク上の所定の欠陥管理領域(例えば、図13の欠陥別登録エリア5)に登録される。また、例えば情報層L1、L15に容量10%以上となる大きな欠陥が検出されたときは、システムコントローラは、変調回路309および増幅器308を介して、初期化用ピックアップ304を駆動し、初期化ピックアップ303をさらに内周の20.0mmへ移動して、初期化信号を変調して、情報層L1、L15に対応するライトプロテクトをONにしたBCA2の情報を追記する。
BCAの情報は、光ディスク装置の起動時の比較的早い段階で読むことが可能である。このため、光ディスク装置の起動時にBCA2の情報を読み出せば、装填された光ディスク層における何層目の情報層がライトプロテクトされているかを決定することができる。
次に、1)のディスクメーカによる欠陥検査、Access control Areaの更新を行う場合を説明する。
光ディスクのAccess control Area(図23)には、2ビットの情報層別ライト/アクセス・プロテクトに関する情報が記録されている。このため、光ディスクドライブに光ディスクが装填されたとき、欠陥サーチを行い、Access control Areaの情報を更新することが好ましい。
更新のための欠陥サーチは、光ディスクの一番奥にある情報層L0から欠陥サーチをスタートし、実施の形態1で説明したように指紋、気泡、埃など欠陥別の検出を行いながら、トラックを1本あるいは数本単位で走査していく。1つの情報層の全面において欠陥サーチが完了したら、次の情報層に移動して、その情報層の欠陥サーチをスタートする。
すべての層の欠陥サーチが完了すると、欠陥情報は図5中のシステムコントローラ630で判定され、光ディスク上の所定の欠陥管理領域(例えば、図13の欠陥別登録エリア5に新たに登録される。この場合、新たに欠陥が増えている場合と、過去に登録していた非永久欠陥がなくなる場合がある。また、WAPFの定義に沿って変更がある場合は、WAPFの変更を行う。
なお、従来の欠陥登録は、欠陥の種類に関係なく、光ディスクの記録または再生中にドライブエラーが出たとき、検出した欠陥の位置をDMA領域に記録(登録)していた。しかし、本発明の好ましい実施形態では、欠陥サーチによって検出された欠陥は、DMA領域ではなく、Access control Areaの欠陥別登録エリアへ登録される。一方、通常のデータ記録中または再生中にエラー(トラック飛び、ベリファイNG)が発生したときは、あえて欠陥の種類を特定することはせず、従来通り、そのエラーが生じた位置を欠陥位置としてDMA領域を更新してもよい。このような従来通りの欠陥情報をDMA領域に登録した後でも、欠陥サーチ実行後に、Access control Areaを更新すればよい。
2.欠陥層を有する光ディスクが光ディスク装置にロードされたときの動作(起動時における処理)
次に、ライトプロテクトのかかった少なくとも1つの情報層を有する多層光ディスクの制御を説明する。
まず、Access control Areaに欠陥情報が記録されている場合を説明する。
例えば情報層L1、L15についてライトプロテクトが行われている16層BDディスクが装置に装填されたとする。装填された光ディスクがBDか、BDでないかをBD用の光ビームを光ディスクに照射して判別する。BDであると判別されたならば、球面収差の補正値を一番奥の情報層L0に合わせてフォーカスサーチを行う。具体的には、光ピックアップを光ディスクに可能な限り接近させた後、徐々に光ディスクから離間させる。離間させる過程で得られるフォーカスエラー信号中に最初のS字カーブを検出したとき、情報層L0でフォーカスの引き込みを行う。情報層L0でフォーカスサーボがONした後、トラッキングサーボをONする。その後、フォーカスエラー信号のオフセットや球面収差の微調整、レンズチルト調整、サーボゲインの調整など、サーボ系の自動調整を行う。
次に、BDのトラックが有するウォブルに基づいてウォブル信号を再生し、ウォブル波形としてトラックにプリフォーマットされたアドレス信号を読み取り、光ビームが照射している位置のアドレスを検出する。こうして検出された現在位置に基づいて、PIC領域(Parmanent Information/Control data Zone)へ光ビームを移動する。PIC領域から光ディスクに固定された管理情報を取得する。この管理情報は、装填された光ディスクが物理的に何層の情報層を有するかを示す情報を含む。
次に、光ビームの照射位置をPIC領域よりも外周側に位置するアクセスコントロールエリアに移動する。そこで、どこの情報層にライトプロテクトがかかっているか、どの情報層にアクセス禁止がかかっているかを判定する。
上述の例とは異なり、4層の情報層を有するBDが光ディスク装置に装填された場合を説明する。情報層L1にライトプロテクトがかかり、情報層L2にアクセス禁止がかかっているとする。この場合は、情報層L1にはアクセスを行うことができるため、情報層L1にアクセスし、サーボやPLLなどの再生に必要な学習、自動調整を行う。しかし、情報層L1での記録学習は行わないようにする。
また、情報層L2へのアクセスは禁止されているため、本来であれば情報層L2が割り当てられる論理アドレス空間を削除し、情報層L0から情報層L3へ連続するようにアドレス変換とアクセス制御を行うようにする。こうして、物理的には4つ情報層を有する光ディスクは、ホストあるいはユーザにとって、記録用媒体としては2層BDとして機能し、再生用媒体としては3層ディスクとして扱われる。
次に、光ディスクのBCAに欠陥情報が記録されている場合を説明する。
まず装填されたディスクがBDか、BDでないかをBDのビームを照射して判別する。BDであると判別されたら、球面収差の補正値を一番奥に位置する情報層L0に合わせてフォーカスサーチを行う。前述した手順と同一の手順により、情報層L0でフォーカス引き込みを行う。情報層L0でフォーカスサーボおよびトラッキングサーボをONした後、フォーカスのオフセットや球面収差の微調整、ならびにレンズチルト調整、サーボゲインの調整など、サーボ系の自動調整を行う。
次に、光ビームの照射位置をBCAへ移動させる。そして、BCAにバーコード状に記録された情報層毎の制御情報を読み出し、装填された光ディスクのどの情報層でライトプロテクトおよび/またはアクセス禁止がかかっているかを判定する。
BCAへの情報の記録は、好適には、紫外線レーザやグリーンレーザなどによって光ディスクに形成した金属膜をカッティングすることによって行われ得る。光ディスクの情報層における記録膜でなく、光ディスクの表面側に設けた金属膜に情報を記録することも可能である。このように光ディスクの表面または表面に近い位置にBCAを設けると、最も深い位置の情報層L0から情報を読み出す前に、層別のライトプロテクト・アクセス禁止に関する情報を取得することが可能になる。このため、BCAに追記された管理情報を認識した後、より奥に位置する情報層にアクセスするため、アクセス禁止の情報層が存在していても、フォーカス外れやトラッキング外れの問題を回避することが可能になる。
以上のように本発明の光ディスク装置は、光ディスクの表面に付着して、拭き取り可能な欠陥(指紋、埃、塵)、拭き取り不可能な欠陥(スクラッチ、気泡)をそれぞれ区別して検出し、さらにそのディフェクト別に配置された各欠陥領域にそれぞれ登録するため、拭き取り通知、警告、ライトプロテクトなどディフェクトに応じた処理の切換が可能となる。また拭き取り可能なディフェクトがなくなったことを確認できたら、欠陥登録を抹消するので、たとえば、たまたま使用環境が悪く埃の登録数が増えて、交替領域が欠乏しても、自動的に容易にリユースすることが可能となる。
加えて気泡などの光ディスクの製造工程で発生するディフェクトに関してはその検査工程で気泡の登録をしておけば、ユーザの使用状態では追加して発生することはないので、気泡の部分にアクセスしないように構成することができ、トラック飛びのない安定した装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、光ディスクを出荷する前に検査する場合について説明したが、本発明は、出荷前でなく出荷後の記録前に検査を行う場合にも適用できる。
さらに、本実施形態では、光ディスクの欠陥別登録エリア5に永久的な欠陥に属するか否かの識別子(欠陥属性情報)と欠陥の名称を示す種別情報(欠陥識別情報)を表記した欠陥登録リストを作成・格納したが、これら双方の情報を登録する必要はなく、永久的な欠陥に属するか否かの識別子をなくして欠陥種別情報を表記して欠陥の種別毎に欠陥登録リストを作成・登録する形態、または、欠陥の種別情報を表記しないで永久的な欠陥か否かの識別子を表記してその識別子ごとに欠陥登録リストを作成・登録する形態を用いてもよい。
また、本発明によれば、光ディスクが積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数、望ましくは4以上の整数)を備える場合、N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層へのデータの記録を禁止し、「N−X層の情報記録層を有する光ディスク」として販売することも可能である。このような光ディスクを購入したユーザは、その光ディスクに何層の情報記録層が物理的に含まれているかを知る必要は無く、記録可能な情報記録層の数あるいは総記録容量を正しく知りさえすれば足りる。今後、低コストで多層の光ディスクを製造することが求められる。本発明の多層光ディスクによれば、その一部の情報記録層が欠陥(典型的には気泡)を多く含む場合でも、廃棄することなく、商品として有効に利用することが可能になり、光ディスクの製造コスト低減に大きく寄与することができる。
以上のように、本発明は、指紋、気泡、BDO(塵)などの欠陥に対して、永久的な欠陥であるか否かの欠陥の種別を判別することで、永久的な欠陥と永久的で無い欠陥とを区分して光ディスクに記録するので、欠陥別の措置を適切に行うことができるので、BD以外の光ディスク、例えばHD-DVDにも適用可能である。
4 リードイン領域
5 ドライブエリア
6 第1欠陥管理領域
7 第2欠陥管理領域
S1 光ディスクの作製処理
S2 光ディスクの表面チェック処理
S3 光ディスクに欠陥情報記録処理
S4 光ディスクの出荷処理
本発明は、光ディスク、光ディスク装置、光ディスクの欠陥登録方法、光ディスクの記録方法および光ディスクの再生方法に関する。本発明は、特に0.85以上の高NA(開口数)で波長が405nmの青紫色のレーザ光源を使用した光ディスク技術に関している。
特許文献1に示されるようにDVD−RAMにおいて、各領域の欠陥状態の検証(サーティファイ)は、光ディスク出荷時に、光ディスクメーカによって、光ディスクの全領域に対し予め実行される。このような光ディスクは、かかるサーティファイ結果が光ディスクの欠陥管理領域(DNA:Defect Management Area)に記録された状態で出荷されている。そして、ユーザが光ディスクを購入し、その光ディスクに光ディスク装置(ドライブ)でデータを記録するとき、光ディスク装置は、かかるDMAに記録された情報を元に、光ディスクの各領域に対する記録の可否を判別し、記録可能領域を選んでデータの記録がなされている。
特開2000−222831号公報
特許文献1に開示されているような従来の光ディスク技術によれば、指紋、光ディスクの汚れ、擦り傷、掻き傷、埃(ほこり)などの各ディフェクトの種類を区別しない。より詳細には、データを光ディスクに記録した後のベリファイ時(ライトベリファイ時)に或る領域でジッタが増大したならば、その領域に「ディフェクト」が存在することを検出する。このため、どんなディフェクトでも同じように欠陥登録の対象として、その欠陥の交代領域を一元的に確保していた。長期の使用などでディフェクトが増加して交代領域を全て使ってしまうと、記録禁止(ライトプロテクト)の処理を行って、システムの破綻を防止していた。このように、除去できる指紋や汚れなどの欠陥(以下、「非永久欠陥」と称する。)と、傷(スクラッチ)のように除去できない永久的な欠陥(以下、「永久欠陥」と称する。)とを同一に取り扱う欠陥管理方法は、効率よいディーフェクトマネージメントとは言えない。
DVDの次世代光ディスクとして近年急速に普及しつつあるブルーレイ光ディスク(BD)は、CDやDVDに比べて、スクラッチやゴミ、指紋に対して非常に敏感である。にもかかわらず、BDはベア光ディスク(裸光ディスク)で標準化されている。新品BDをケースから出し、ドライブに装填する際に意図せず微少な指紋が付着しやすい。ドライブに装填されたBDに指紋が付着していると、その影響でトラック飛びやベリファイエラー(ジッタ増大)を発生する場合がある。
NAを高くしたBD特有のディフェクトとして、記録層と保護層の間に混入した気泡の影響を大きく受けることがわかっている。このような気泡は、大規模欠陥であり、1つのBDに複数の気泡が形成されると、交代領域の消費が顕著になる。欠陥登録の頻度が高くなると、使用可能な交代領域が短時間で全てなくなってしまいやすい。新しいBDへの交換が容易ではない環境、例えば屋外や車載などの厳しい環境においては、使用時にディスク表面に付着した欠陥のせいですぐに記録ができなくなってしまうという問題がある。
現在、BDメーカは厳格なスペックを満足するように出荷前にBDの品質管理を行っているため、スペックを満足しない不良品の発生頻度が高く、製造歩留りの低下に起因する価格上昇が問題になっている。BDの単価を下げるには、スペックを下げて歩留りを高める手法が有効となってくる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、欠陥の種別に応じた措置を適切に行うことができる光ディスク、光ディスク装置、光ディスクの欠陥登録方法、光ディスクの記録方法および光ディスクの再生方法を提供することを目的とする。
本発明の光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している。
好ましい実施形態において、前記欠陥属性情報は、前記欠陥の属性または種類に応じて異なる情報を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記欠陥属性情報は、前記欠陥の名称を示す情報を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記欠陥管理領域には、出荷時において、前記欠陥属性情報が記録されている。
好ましい実施形態において、前記欠陥属性情報は、前記欠陥が非永久欠陥であることを示す第1の欠陥属性情報と、前記欠陥が永久欠陥であることを示す第2の欠陥属性情報とを含む。
好ましい実施形態において、前記永久欠陥は、前記光ディスクの内部に含まれる気泡を含み、前記非永久欠陥は、前記光ディスクの表面に存在する指紋またはダストを含む。
好ましい実施形態において、前記永久欠陥は、前記光ディスク内の表面に存在するスクラッチを含む。
本発明の他の光ディスクは、積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数)を備え、前記N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層へのデータの記録が禁止されており、データの記録が禁止された前記情報記録層を特定する情報が記録されている。
本発明の更に他の光ディスクは、積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数)を備え、前記N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層の数をX層(Xは1以上の整数)とするとき、前記永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる前記情報記録層へのデータの記録が禁止され、N−X層の情報記録層を有する光ディスクとして販売される。
好ましい実施形態において、データの記録が禁止された前記情報記録層を特定する情報がディスク表面またはディスク内部に記録されている。
本発明の光ディスクの欠陥登録方法は、光ディスクの欠陥を検出し、検出された欠陥の属性または種類を決定するするステップ(A)と、前記欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報を、欠陥の位置を示す欠陥位置情報と共に前記光ディスクに記録するステップ(B)とを含む。
好ましい実施形態において、前記属性情報は、前記欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別する情報である。
好ましい実施形態において、前記属性情報は、前記欠陥の名称を示す情報である。
好ましい実施形態において、前記ステップ(B)は、前記欠陥が非永久欠陥であると判別されると、非永久欠陥であることを示す第1の欠陥属性情報とその欠陥の位置を示す欠陥位置情報とを含む第1の欠陥管理情報を前記光ディスクの欠陥管理領域に登録するステップと、前記欠陥が永久的な欠陥であると判別されると、永久欠陥であることを示す第2の欠陥属性情報とその欠陥の位置を示す欠陥位置情報とを含む第2の欠陥管理情報を前記光ディスクの欠陥管理領域に登録するステップとを含む。
好ましい実施形態において、前記光ディスクは、追記型の光ディスクであり、TDMSのアップデータユニットにおける臨時欠陥リスト(TDFL)には、永久的でない欠陥を示す第1の欠陥管理情報を登録するが、永久的な欠陥を示す第2の欠陥管理情報を登録しない。
好ましい実施形態において、前記第2の欠陥管理情報は、書換えを禁止される。
好ましい実施形態において、前記光ディスクの出荷前に前記ステップ(A)、(B)を実行する。
好ましい実施形態において、前記ステップ(A)は、反射光量、再生エラーレート、およびトラッキングエラーに基づいて欠陥の種別を判別する。
本発明の光ディスクのデータ処理方法は、光ディスクにデータを記録する処理、および前記光ディスクからデータを再生する処理の少なくとも1つを行う光ディスクのデータ処理方法であって、前記光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、前記光ディスクの検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有しており、前記管理領域から前記欠陥属性情報および前記欠陥位置情報を読み出すステップと、前記位置情報で示される位置に存在する永久欠陥を避けて前記少なくとも1つの処理を行うステップとを含む。
本発明の光ディスク装置は、光ディスクにデータを記録する処理、および前記光ディスクからデータを再生する処理の少なくとも1つの処理を行う光ディスク装置であって、前記光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、前記光ディスクの検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有しており、光ディスクに対して光学的にアクセスする光ピックアップと、前記光ピックアップによって前記光ディスクからデータを再生する手段と、前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記位置情報で示される位置に存在する永久欠陥を避けて前記少なくとも1つの処理を行う手段とを備える。
好ましい実施形態において、前記非永久欠陥の除去を行うクリーニング装置を更に備え、前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記欠陥属性情報に基づいて、前記光ディスクが所定量以上の非永久欠陥を有していることを検知した場合、前記クリーニング装置は、前記非永久欠陥に対するクリーニングを実行する。
好ましい実施形態において、ユーザに求めるメッセージを表示するディスプレイを更に備え、前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記欠陥属性情報に基づいて、前記光ディスクが所定量以上の非永久欠陥を有していることを検知した場合、前記非永久欠陥の除去をユーザに求めるメッセージを前記ディスクプレイに表示する。
本発明の装置は、上記何れかの光ディスク装置を備える装置であって、前記光ピックアップによって前記光ディスクにデータを記録する手段とを備え、前記光ディスクに映像音響ファイルデータを記録するとき、前記永久欠陥および前記非永久欠陥の両方を避けて前記データを光ディスクに記録し、前記光ディスクにPCファイルデータを記録するとき、前記永久欠陥を避けて前記データを光ディスクに記録する。
本発明の光ディスクは、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している。このため、本発明の光ディスクが装填された光ディスク装置では、光ディスクの欠陥が永久欠陥か否かに応じて最適な処理を実行することが可能である。例えば、欠陥が指紋などの非永久欠陥であれば、その欠陥を除去するようにクリーニングを実行したり、ユーザに指紋の拭き取りをリクエストする処理を行うことが可能になる。
また、欠陥が永久的か否かに応じて、多層光ディスクに含まれる特定の情報層を記録禁止に設定したり、アクセス禁止に設定することも可能になる。
更に、本発明によれば、3層以上の情報層を備える多層光ディスクにおいて、永久欠陥の個数または割合が基準値を超える特定情報層(欠陥情報層)に対するアクセスを禁止し、ユーザから欠陥情報層の存在が把握されないようにして販売することも可能である。例えば16層の情報層を備える光ディスクであるのに、2層の欠陥情報層が存在する場合は、14層の光ディスクとして販売することが可能である。
(a)は、気泡が存在する光ディスクの模式図であり、(b)は、気泡とトラックとの関係を示す拡大図 (a)、(b)、(c)は、それぞれ、単層、2層、4層ディスクにおける気泡の影響を示す模式断面図 (a)、(b)、(c)は、いずれも、2層ディスクにおける気泡の影響を示す模式断面図 (a)及び(b)は、いずれも、2層ディスクにおける気泡が形成される多様な位置を示す模式断面図 本発明の実施形態1による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す図 実施形態1における光ディスクの出荷前に欠陥登録する手順を示すフローチャート 光ディスクで信号に影響の出る代表的な5つの欠陥に対する、TE信号とAS信号の変化の様子を示した図 BDにおける各種欠陥のAS信号に対する影響と、TE信号に対する影響についてまとめた図 図5のDSP及びシステムコントローラで実現する欠陥サーチにおける欠陥検出ブロックの構成図 所定の閾値と検出ゲートを備えたアブノーマルジャンプ検出回路の動作説明図 所定の閾値と検出ゲートを備えたBDO検出回路の動作説明図 多層光ディスク1の詳細なデータ構造を示す図 光ディスクに記録される欠陥管理情報の構成例を示す図 本発明による光ディスク装置の駆動方法を示すフローチャート 本発明による光ディスク装置の他の駆動方法を示すフローチャート 欠陥リストの一例 PC記録行う場合に、ホストからドライブへ送信されるコマンドと、ドライブの動作との関係を示す表 AV記録行う場合に、ホストからドライブへ送信されるコマンドと、ドライブの動作との関係を示す表 PC記録およびAV記録で異なる処理の一部を示すフローチャート PC記録およびAV記録で異なる処理の残りの部分を示すフローチャート (a)は、クリーナ付光ピックアップの構成を示す平面図、(b)は、その断面図 ディスク表面に欠陥が存在する4層ディスクを示す断面図 多層BDが有する複数の情報層のうち、ディスク表面から最も奥に位置する第1情報層(L0)の最内周領域(半径22.2mm〜23.65mmの領域)の構成を模式的に示す図 図22のAccess control Areaの構成を示す図 (a)および(b)は、それぞれ、多層BDにおけるBCAの配置を示す平面図 ディスクメーカが使用する検査装置の構成例を示すブロック図
本発明の実施形態を説明する前に、まず、気泡及び気泡による大規模欠陥領域を説明する。
図1(a)は、気泡11が存在するBD10の光ディスク表面を模式的に示す。理解の容易のため、気泡11を視認できるように記載しているが、視認できない気泡も存在する。
典型的な気泡の大きさ(直径)は、500μm〜1000μm程度である。BDの情報層と光透過層との間に気泡が形成されると、光透過層が薄い(厚さ:約100μm)ため、光透過層の表面が局所的に盛り上がっている。気泡の中心部(核の部分)では、反射光が殆ど戻ってこないが、気泡の周囲において盛り上がった部分でも、光ビームの透過に異常が生じる。BDの記録・再生に用いられる対物レンズの開口数NAは高く、光ディスク表面から浅い位置の情報層に焦点を結ぶため、光透過層の僅かな歪みに対しても、球面収差が大きく変化し、反射光強度が変動しやすい。
このような気泡は、積層された複数の情報層を備える多層ディスクにも形成され得る。以下、多層ディスクに気泡が形成されることによって生じる問題を説明する。
図2(a)及び(b)は、それぞれ、単層ディスク、及び、2層の情報層を備える2層ディスクの断面を模式的に示している。図2(a)の単層ディスクでは、第1情報層(L0)は厚さ約100μmの光透過層56で覆われている。一方、図2(b)に示す2層ディスクでは、第1情報層(L0)は厚さ約25μmの光透過層52に覆われ、第2情報層(L1)は厚さ約75μmの光透過層54に覆われている。図2(a)に示す単層ディスクでは、光ディスク表面から約100μmの深さに位置する第1情報層(L0)と光透過層56との間に気泡11が形成されており、図2(b)に示す2層ディスクでは、光ディスク表面から約100μmの深さに位置する第1情報層(L0)と光透過層52との間に気泡11が形成されている。
図2(b)に示すように、2層ディスクの場合、光ディスク基板50と第1情報層(L0)に気泡11が混入しても、第1情報層(L0)と第2情報層(L1)との間が僅か25μmしかないため、気泡11の周囲において盛り上がった部分は第2情報層(L1)まで影響する。
また、図2(c)に示すように、4層の情報層を備える4層ディスクであっても、第1情報層(L0)の近傍に気泡11が形成された場合には、全ての情報層に対してその影響が及ぶ。
本願発明者は、実験により、光ディスクの表面から計測した気泡11の深さがどのようなものであっても、多層ディスクの全ての情報層に対して気泡11の影響が及ぶことを見出した。以下、図3(a)から図3(c)を参照しながら、この理由を説明する。
図3(a)に示すように、第1情報層(L0)と光透過層52との間に気泡11が存在した場合において、第1情報層(L0)に光ビームがフォーカスしているとき、気泡11に起因して生じた光透過層54の湾曲部分(直径:1mm〜1.5mm)を光ビームが横切ることになる。このような光ディスク表面の湾曲部分を光ビームが透過するとき、湾曲部分で屈折方向にズレが生じるため、情報層からの反射光に基づいて形成されるトラッキング信号などに、後述する「擬似成分」が付与される。この「擬似成分」による悪影響の詳細については、後に詳しく説明する。
一方、図3(b)に示すように、図3(a)の光ディスクにおいて、第2情報層(L1)に光ビームがフォーカスしているときでも、気泡11に起因して生じた光透過層54の湾曲部分を光ビームが横切るため、トラッキング信号に擬似成分が発生することになる。
また、図3(c)に示すように、第2情報層(L1)と光透過層54との間に気泡11が存在した場合において、第1情報層(L0)に光ビームがフォーカスしているときでも、気泡11に起因して生じた光透過層54の湾曲部分を光ビームが横切ると、トラッキング信号に擬似成分が発生することになる。
このように、気泡11がどの深さに存在している場合でも、気泡11を複数の情報層(L0、L1)の各々に垂直に投影した領域(「気泡領域」と称する場合がある)を光ビームが通過するとき、トラッキング信号などに異常が現れることになる。
次に、光ディスク表面に傷や塵などの表面欠陥59a、59bが存在する場合を考える。光ディスク表面における光ビームの直径よりも小さな欠陥59aが存在すると、それによって光ビームの透過が部分的にカットされる。このため、情報層(L0、L1)のいずれに光ビームがフォーカスしている場合でも、情報層(L0、L1)からの反射光の光量が低下する現象が観察される。ただし、光量の低下は、光ディスク表面における光ビームの断面サイズに対して表面欠陥59aの面積が占める割合に依存する。なお、例えば、開口率NA=0.85の場合、第1情報層(L0)に直径0.29μmの光ビームスポットを形成するとき、光ディスク表面における光ビームの直径は140μm(0.14mm)程度になる。
図3(a)と図3(b)とを対比すると明らかなように、光ディスク表面に近い情報層(L1)に光ビームがフォーカスしている場合は、より遠い情報層(L0)に光ビームがフォーカスしている場合に比べて、光ディスク表面上における光ビームの断面が相対的に小さくなる。光ビームのフォーカスが位置する情報層の深さによって光ディスク表面における光ビームの直径は変化する。したがって、光ディスク表面において光ビームの断面サイズに対する傷や塵の面積が占める割合は、光ビームがフォーカスしている情報層が光ディスク表面に近いほど大きくなる。
本願発明者の実験によると、目視によって発見しにくいような小さな表面欠陥59aが光ディスク表面に存在している場合は、光ビームの焦点を光ディスク表面から離れた情報層(L0)に合わせているとき、傷や塵による反射光量低下の影響を無視することができる。ただし、このような場合でも、光ビームの焦点を光ディスク表面に近い情報層(L1)に合わせているときは、表面欠陥59aによる反射光量低下の影響を無視できず、情報層(L1)についてはデータの記録再生にエラーが生じやすくなる。
以上の説明からわかるように、光ディスク表面に形成される傷や塵による悪影響は、光ディスク表面に近い情報層に光ビームがフォーカスしている場合に大きくなるが、光ディスク表面から離れた情報層にフォーカスしている場合には無視できる場合がある。すなわち、光ディスク表面に形成される傷や塵は、光ディスク内部に形成される気泡11とは異なり、全ての情報層に悪影響を与えるわけではない。したがって、傷や塵の場合は、各情報層に垂直に投影した部分の全てを「欠陥領域」として一律に使用禁止にしてしまうことは好ましくない。
なお、図3(a)及び図3(b)に示すように、光ディスク表面における光ビームの断面よりも大きな表面欠陥59bが形成されている場合もあり得る。このように極めて大きな表面欠陥59bを光ビームが横切るときは、光ビームがいずれの情報層にフォーカスしている場合でも、反射光量の低下が顕著となり、データの記録再生にエラーが発生してしまう。しかしながら、そのように大きな傷や塵が光ディスク表面に存在している場合は、目視によっても容易に欠陥を発見できるため、このような光ディスク自体を欠陥品として処理することが可能である。
このような傷や塵と異なり、気泡は光ディスクの内部に存在する。気泡によって生じる光ディスク表面の膨らみ、また湾曲は緩やかであるため、気泡による影響が及ぶ領域は広い(1mm〜1.5mm)が、目視による発見が困難である。また、気泡が見つかった光ディスクを「不良品」として廃棄することは、光ディスクの製造コストを増加させるため、好ましくない。
気泡は、BDの製造工程の種類により、形成されやすい場合と、形成されにくい場合がある。スピンコート法によって光透過層が形成されたBDは、気泡を多く含む傾向にあるが、貼り合わせ法によって光透過層(保護シート)が貼り付けられたBDには気泡が少ない傾向にある。ただし、後者の方法によっても気泡は形成され得る。
また、通常のスピンコート法では、単層ディスクであっても多層ディスクであっても、光ディスク基板と光透過層(情報層)との間に気泡が混入することが多いが、貼り合わせ法などの工法によっては、第1情報層(L0)と第2情報層(L1)との間の中間層(光透過層)や、第2情報層(L1)の表面側を覆う光透過層に気泡が混入することもある。このような場合も、第1情報層(L0)から第n情報層(nは2以上の整数)まで気泡の影響を受けることとなる。
図4(a)は、気泡11が光透過層52と第2情報層(L1)との間、及び、光透過層52と第1情報層(L0)との間の両方に形成された2層ディスクの断面を示している。一方、図4(b)は、気泡11が光透過層52の内部に形成された2層ディスクの断面を示している。図4(a)及び図4(b)から明らかなように、気泡の深さによらず、光ディスク表面には緩やかな凸部が形成され、湾曲が発生している。したがって、気泡によって湾曲した光ディスク表面を光ビームが横切るときは、光ビームがフォーカスしている情報層がどの層であっても、トラッキング信号に擬似成分が発生することになる。
このように気泡11が形成される深さは様々であるが、前述したように、気泡の影響は、気泡の深さによらず、全ての情報層に及ぶ。また、ディスク表面に形成される欠陥が情報層に対するデータの記録や情報層からのデータの再生に悪影響が及ぶ程度または領域の広さは、ディスク表面から情報層までの距離(情報層の深さ)が深くなるほど小さくなる。更には、ディスク表面に形成される欠陥のうち、埃、塵、指紋は、スクラッチと異なり、クリーニングによって除去することも可能である。
本発明は、このような欠陥の種類を判別して欠陥管理を行い、欠陥の種類・特性に応じた処理を実行する点に特徴を有している。
(実施形態1)
以下、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。本実施形態では、光ディスクを出荷する前に欠陥の検査をする。出荷前に光ディスクを検査する光ディスク検査装置は、図5に示す光ディスク装置の構成と同一の構成を備えている。ただし、光ディスク検査装置は、光ディスクのデータ領域にユーザデータを記録したり、あるいは、光ディスクのデータ領域からユーザデータを再生する機能は必要ない。
(光ディスク装置)
図5は、本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す。図5を参照しながら、光ディスクドライブ102のハードウェア構成を説明する。
光ディスクドライブ102は、光ディスクモータ111と、光ピックアップ610と、光ディスクコントローラ(ODC)620と、駆動部625とシステムコントローラ630とを備えている。システムコントローラ630は、内蔵された制御プログラムに従って、光ディスクドライブ102の全体動作を制御する。
光ピックアップ610は、光源204、カップリングレンズ205、偏向光ビームスプリッタ206、対物レンズ203、集光レンズ207、光検出器208を備えている。
光源204は、好適には半導体レーザであり、本実施形態では波長415nm以下の光ビームを放射する。光源204から放射された光ビームは直線偏光であり、その偏光方向は、放射される光ビームの光軸に関して光源204の向きを回転させることにより任意に調整することができる。カップリングレンズ205は、光源204から放射された光ビームを平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ206に入射させる。偏向光ビームスプリッタ206は、特定方向に偏光した直線偏光は反射するが、その基準方向に対して垂直な方向に偏光した直線偏光は透過する特性を有している。本実施形態の偏光ビームスプリッタ206は、カップリングレンズ205で平行光に変換された光ビームを対物レンズ203に向けて反射するよう構成されている。
対物レンズ203に向けて偏向された光ビームはコリメータレンズ210を通過して、対物レンズ203に入射される。コリメータレンズ210は、ステッピングモータ(不図示)などによって光軸に水平に駆動され、球面収差をそれぞれの層に合致するように調整することができる。
対物レンズ203は、偏向光ビームスプリッタ206で反射された光ビームを集束し、BD1の情報層上に光ビームスポットを形成する。
BD1で反射された光ビームは、光ピックアップ610の対物レンズ203で平行な光ビームに変換された後、偏向光ビームスプリッタ206に入射する。このときの光ビームは、その偏光方向がBD1に入射するときの光ビームの偏光方向から90°回転したものになるため、偏向光ビームスプリッタ206を透過し、そのまま集光レンズ207を経て光検出器208に入射することになる。
光検出器208は、集光レンズ207を通過してきた光を受け、その光を電気信号(電流信号)に変換する。図示されている光検出器208は、受光面上で4分割された領域A、B、C、Dを有しており、領域A〜Dの各々が、受けた光に応じた電気信号を出力する。
光ディスクモータ111によって所定速度で回転しているBD1の情報層上において所望のトラックを光ビームの焦点が追従するためには、BD1で反射された光ビームに基づいて、トラッキングずれ及びフォーカスずれを示すトラッキングエラー(TE)信号及びフォーカスエラー(FE)信号を検出する必要がある。これらはODC620によって生成される。
TE信号について説明すると、光ディスクドライブ102は、記録時にはプッシュプル法によりTE信号を生成し、再生時には位相差法によりTE信号を生成する。
本実施形態による光ディスクドライブ102はBD1へのデータ記録前にTE信号を利用してサーボエラーの有無を判定する。したがって、データが記録されていない領域からの反射光の受光信号に基づいてTE信号を生成する必要がある。したがって、記録時と同様、プッシュプル法によりTE信号を生成することが好ましい。以下ではまずプッシュプルTE信号を生成する処理から説明する。
ODC620の加算器408は光検出器208の領域BとDの和信号を出力し、加算器414は光検出器208の領域AとCの和信号を出力する。差動増幅器410は、加算器408、414からの出力を受け取り、その差を表すプッシュプルTE信号を出力する。ゲイン切換回路416は、プッシュプルTE信号を所定の振幅(ゲイン)に調整する。AD変換器420は、ゲイン切換回路416からのプッシュプルTE信号をディジタル信号に変換してDSP412に出力する。
次に、位相差TE信号は以下のようにして得られる。加算回路344は、領域Aの出力と領域Dの出力とを合計した大きさに相当する信号A+Dを出力し、加算回路346は、領域Bの出力と領域Cの出力とを合計した大きさに相当する信号B+Cを出力する。加算の仕方を変更することにより、他の信号を生成することも可能である。コンパレータ352、354は、それぞれ、加算回路344、346からの信号を2値化する。位相比較器356は、コンパレータ352、354からの信号の位相比較を行う。
差動増幅器360は、位相比較器356からの信号を入力して位相差TE信号を出力する。この位相差TE信号は、光ビームがBD1のトラック上を正しく走査するように制御するために用いられる。
ゲイン切換回路366は、位相差TE信号を所定の振幅に調整する。AD(アナログ・ディジタル)変換器370は、ゲイン切換回路366から出力された位相差TE信号をディジタル信号に変換する。
FE信号は、差動増幅器358によって生成される。FE信号の検出法は特に限定されず、非点収差法を用いたものでもよいし、ナイフエッジ法を用いたものであってもよいし、SSD(スポット・サイズド・ディテクション)法を用いたものであってもよい。検出法に応じて回路構成を適宜変更することになる。ゲイン切換回路364は、FE信号を所定の振幅に調整する。AD変換器368は、ゲイン切換回路364から出力されるFE信号をディジタル信号に変換する。
DSP412は、TE信号及びFE信号等に基づいて駆動部625を制御する。DSP412から出力されるフォーカス制御のための制御信号FEPWM及びトラッキング制御のための制御信号TEPWMは、それぞれ、駆動部625の駆動回路136及び駆動回路138に送られる。
駆動回路136は、制御信号FEPWMに応じてフォーカスアクチュエータ143を駆動する。フォーカスアクチュエータ143は、対物レンズ203をBD1の情報層とほぼ垂直な方向に移動させる。駆動回路138は、制御信号TEPWMに応じてトラッキングアクチュエータ202を駆動する。トラッキングアクチュエータ202は、対物レンズ203をBD1の情報層とほぼ平行な方向に移動させる。なお、駆動部625は、光ピックアップ610を載置する移送台の駆動回路(図示せず)も備えている。駆動回路への印加電圧によって移送台を駆動することにより、光ピックアップ610は半径方向の任意の位置に移動することができる。
次に、データを再生するための構成を説明する。
加算回路372は、光検出器208の領域A、B、C、Dの出力を加算して、全光量和信号(A+B+C+D)を生成する。全光量和信号(A+B+C+D)はODC620のHPF373に入力される。
HPF373で低周波成分が除去された加算信号は、イコライザ部374を介して2値化部375で2値化され、ECC/変復調回路376でPLL、エラー訂正、復調などの処理が行われ、バッファ377に一時的に蓄積される。バッファ377の容量は、種々の再生条件を考慮して決定されている。
バッファ377内のデータは映像等の再生タイミングに応じて再生され、再生データとしてI/Oバス170を介してホストコンピュータやエンコーダ/デコーダ(不図示)へ出力される。これにより、映像等が再生される。
次に、データを記録するための構成を説明する。
バッファ377内に格納された記録データは、ECC/変復調回路376によりエラー訂正符号を付加されて符号化データとなる。次いで、符号化データはECC/変復調回路376により変調されて変調データとなる。さらに、変調データはレーザ駆動回路378に入力される。レーザ駆動回路378が変調データに基づいて光源204を制御することにより、レーザ光がパワー変調される。
後述する他の実施形態でも、光ディスク装置の基本的には、図5に示す構成を備えている。
(欠陥登録手順)
図6は光ディスクの出荷前に欠陥登録する手順を示すフローチャートである。これを参照して光ディスクの欠陥登録の一例を説明する。
まず、ステップS1では、公知の方法により、光ディスクを作製する。この実施形態では、単一の記録層を備える単層光ディスクを作製する。勿論、本発明で用いる光ディスク装置は、単層光ディスクに限定されず、積層された複数の記録層を備える多層光ディスクであってもよい。
次に、ステップS2において、光ディスクの表面チェック(欠陥サーチ)を行う。 ここで、図7(a)〜(e)を参照して、各種の欠陥の特徴と、個々の欠陥を識別して検出する方法とを説明する。
図7(a)〜(e)は、それぞれ、光ディスクの代表的な5つの欠陥によって生じるTE信号(トラッキングエラー信号)とAS信号(全光量信号)の変化の様子を示した図である。TE信号は、図5での差動増幅器410の出力に相当し、AS信号は、加算器372の出力に相当する。
埃は、光ディスクの表面の広い範囲(典型的には全面)に薄く付着し、目視可能である。このため、ユーザが光ディスクの使用前に目視によって光ディスク上に埃を見つけたときは、布やティッシュなどで埃を拭き取ることが可能である。しかし、ユーザが埃の存在を気づかないこともあり、また、拭き取ろうとしても拭き残しにより、埃が光ディスクの表面に付着したままになる可能性がある。
図7(a)に示すように、埃はディスク表面の広い範囲に一様に付着するため、埃のサイズは光ビームの直径に対して十分大きい。このため、光ディスクの回転に伴って光ビームが埃を横切るとき、光ビームが大きく偏向することはなく、±1次回折光の差動で生成するTE信号には大きな変動は現れない。しかし、表面の埃があると、埃を透過して反射層まで達する光の量と、反射層で反射してくる光の量とが低下してしまうため、反射光から得たAS信号は低下してしまう。
塵は、BDO(ブラックドット)と呼ばれ、埃よりも光透過率が低い(遮光性が高い)欠陥である。CDが商品化された時代から、塵に相当する欠陥を備えたテスト用光ディスクがドライブの性能検証などで使用されていた。塵は、埃と同様にディスク表面に付着するとはいえ、反射光量を50%以上も低下させる点で、埃から識別可能である。また、一般的には、塵が付着している領域の面積は、埃が付着している領域の面積よりも小さい。以上のことから、ディスク表面に塵が存在すると、図7(b)に示すように、AS信号の振幅は、狭い領域で局所的に大きく低下する。一方、±1次回折光は、それぞれ、塵によって等しく遮光されるため、TE信号は、大きな偏心などの外乱がない限りは、0近傍で出力される。したがって、塵によってTE信号に大きな変動は生じない。光ビームが塵を横切る時の外乱の影響でTE信号が変動することを軽減するため、光ディスク装置が塵を検出したとき、光ビームが塵を横切る期間に相当する長さのゲート信号を生成し、そのゲート信号でトラッキングの駆動をホールドすることが実施されている。このようなトラッキングのホールドにより、光ビームが塵を横切る間はTE信号の変動が無視されることになる。その結果、塵を原因とするトラック外れを防止できる。
指紋は、CD、DVD用の光ビームでは、ディスク表面におけるスポット径が指紋のドットサイズよりも大きかったので、検出が困難であった。しかし、BDの場合、ディスク表面でのビームスポット径が絞られるため、指紋のドット検出が可能である。また、BDの場合は、NA=0.85と大きく、収差の影響も大きくなる。このため、光ビームが指紋のドットを通過する毎に反射光量の変動が生じる。その結果、図7(c)に示すように、AS信号は、光ビームが指紋のドットを通過する毎にレベルが低下するような波形を示す。TE信号は差動をとっているため、反射光量低下、球面収差の影響がキャンセルされるため、変動は若干に留まる。
上述した埃、塵、および指紋は、光ディスクの製造後にディスク表面に発生する欠陥(表面欠陥、二次欠陥)であり、ディスク表面から除去することが可能である。このため、これらの欠陥は、永久的でない欠陥(非永久欠陥)と称することができる。
気泡は、光ディスクの製造段階において、ディスク表面ではなく、光ディスク内部に発生する欠陥であり、情報層上に光透過層を形成するとき、情報層と光透過層との間に形成されやすい。BDでの典型的な気泡の大きさ(直径)は、500μm〜1000μm程度である。気泡は、光ディスクの製造後には修復も除去もできない永久的な欠陥(永久欠陥)である。この点で、気泡は、上述した埃、塵、および指紋とは大きく異なる。
図2に示したように、BDの情報層と光透過層との間に気泡が形成されると、光透過層が薄い(厚さ:約100μm)ため、光透過層の表面が局所的に盛り上がる。
光ビームが気泡の中心部(核の部分)を照射するとき、反射光は殆ど戻ってこない。また、光ビームが気泡の核の周囲において盛り上がった部分(直径:500μm〜1000μm程度の領域)を照射するときは、光ビームの透過光および反射光が歪んで異常が生じる。BDの記録・再生に用いられる対物レンズのNAは高く、ディスク表面から浅い位置の情報層に焦点を結ぶため、光透過層の僅かな歪みに対しても、球面収差が大きく変化し、回折光強度が変動しやすい。
したがって、図7(d)に示すように、BDの光ビームが気泡を横切るとき、AS信号は気泡の核による局所的な低下に留まるが、TE信号は、気泡の核の周囲の広い範囲で影響を受け、外乱波形が現れる。このような波形は、光ビームがトラックの中心線上にあっても気泡に起因して出現するため、TE信号の「擬似オフトラック成分」と称することにする。このような擬似オフトラック成分がTE信号に現れると、擬似オフトラック成分に応答してトラッキング制御が行われるため、光ビームスポットが目的トラックから外れてしまう(トラック飛びが発生してしまう)という問題がある。
多層光ディスクにおいて気泡が形成された場合は、ディスク表面からの気泡の核の位置(深さ)によらず、光ビームが気泡を横切るとき、TE信号に擬似オフトラック成分が発生する。すなわち、ディスク表面に垂直な方向に気泡を各記録層へ投影した領域は、永久欠陥の領域として管理され、その領域に対するアクセスが禁じられることが好ましい。
多層光ディスクの内部に1つの気泡が存在すると、各記録層において、例えば20Mバイト程度の領域が「欠陥」の領域として登録される。1つの記録層のデータ記録容量が20Gバイト程度の記録層が4枚積層された光ディスクでは、1個の気泡の存在により、20Mバイト×4=80Mバイト程度、データ記録容量が減少する。この場合、1個の気泡が存在すると、全ての記録層において、データ記録容量が1%程度減少するため、10個の気泡が存在すると、光ディスク全体として10%もデータ記録容量が低下することになる。
なお、今後、1つのBDに多数(5層以上、例えば16層)の記録層が積層されることが検討されている。このように多数の記録層が積層されたBDでは、1つの気泡が全ての記録層に悪影響を与えるとは限らない。気泡の核から離れた記録層では、気泡が投影された領域を「永久欠陥」として登録する必要が無いこともあり得る。具体的には、16層の記録層が積層されたBDでは、気泡の核からの距離が近い4つの記録層については、気泡が投影とされた領域を「永久欠陥」として登録し、それ以外の記録層では、気泡が投影された領域を「永久欠陥」として登録しないようにしてもよい。
スクラッチは、外力によって光ディスクの表面に形成される欠陥であり、通常は、修復も除去もできないため、「永久欠陥」に属する。光ディスクを机や台の上に、ケースに入れず放置して誤って光ディスクをこすってしまったり、ドライブのトレイに出し入れするときに誤ってトレイの角等に光ディスクをぶつけてしまったりすると、スクラッチが形成されやすい。スクラッチは、ディスク表面が物理的に凹んだ部分であるため、図7(e)に示すように、他の表面欠陥に比べ、TE信号にもAS信号にも相当の影響が出る。スクラッチの深さにもよるが、記録信号やトラッキング信号に影響の出るレベルで考えると、AS信号の振幅低下は指紋と同程度、TE信号の影響は気泡と同程度である。
上記のBDにおける各種欠陥のAS信号に対する影響と、TE信号に対する影響を図8の表にまとめた。各種欠陥のAS信号に対する影響は、反射光量変化やエラーレートに基づいて検出され、TE信号に対する影響は、「トラック飛び」として検出される。図8における「○」は、エラーレートについて「低い」ことを意味し、トラック飛びについて「生じにくい」ことを意味する。一方、「×」は、エラーレートについて「高い」ことを意味し、トラック飛びについて「生じやすい」ことを意味する。例えば、気泡の場合、エラーレートは高く、トラック飛びは生じやすい。
図8からわかるように、気泡はトラック飛びが生じやすく、TE信号の変動に基づいて欠陥が「気泡」であることを検出することが容易である。指紋は、トラック飛びは生じにくく、TE信号の変動は小さいが、光量変化が大きいため、AS信号の変動をカウントすることにより、欠陥が「指紋」であることを検出可能である。塵は、光量変化が大きいため、AS信号の変動の大きさに基づいて、欠陥が「塵」であることを検出することができる。
以上より、TE信号およびAS信号に基づいて、指紋、気泡、および、塵は一意的に検出することができる。一方、埃、スクラッチ、および、その他の欠陥は、光量変化の大きさと光量変化が生じる範囲(図8に示す「外乱範囲」)の大きさに基づいて推定することができる。すなわち、反射光量、再生エラーレート、およびトラッキングエラーに基づいて、欠陥の種類を判別することが可能である。
図9は、図5のDSP及びシステムコントローラで実現する欠陥検出ブロックの構成図である。差動増幅器410(図5)から得られたTE信号は、図9に示すLPF(ローパスフィルタ回路)81に入力される。TE信号はLPF81でノイズを除去された後、アブノーマルジャンプ(ABJ)検出回路82に入力される。ABJ検出回路82は、図10に示すように、TE信号が所定の閾値を超えたとき、検出信号を出力する構成を備えている。ABJ検出回路82は、気泡で発生するTE信号の大きな変動部分を検出することができる。
ABJ検出回路82の出力は、図9に示すように、波形整形回路83に入力される。波形整形回路83に入力された信号はノイズ除去とデジタライズが行われた後、比較器88に入力される。
AS信号はLPF84でノイズを除去された後、BDO検出回路85に入力される。BDO検出回路85は、図11に示すように、AS信号が所定の閾値を超えたとき、検出信号を出力する構成を備えている。BDO検出回路85は、塵で発生するAS信号の大きな変動を検出することができる。
BDO検出回路85の出力は、波形整形回路86に入力される。波形整形回路86に入力された信号は、波形整形回路86でノイズ除去とデジタライズが行われた後、比較器88に入力される。
指紋の検出を行うため、BDOの波形整形回路86の出力は、カウンタ87にも入力される。指紋ドットに相当するAS信号の変動が所定回数(例えば5回以上)カウントできたとき、指紋が検出される。比較器88の信号は、システムコントローラ(CPU)89に入力される。TE信号の変動とAS信号の変動の組み合わせに基づいて、指紋、気泡、塵の識別を行うことができる。
指紋、気泡、塵の3種類の欠陥以外の欠陥であるスクラッチ、埃は大きさや深さ(厚み)が、一定ではない。前記3種類の欠陥を識別できるため、埃およびスクラッチは、まず、前記3種類の欠陥以外の欠陥として検出される。そして、埃かスクラッチかを判別することにより、欠陥を埃またはスクラッチであると推定することが可能になる。具体的には、上述した推定方法を用いる。
以上説明した欠陥サーチにより、欠陥の種類を特定できる。
再び、図6を参照する。
ステップS3では、上記の欠陥サーチによって検出した欠陥の位置及びサイズを含む欠陥管理情報を光ディスクの所定領域に記録する。本実施形態では、欠陥の種別を判別し、永久欠陥でないと判別されると、永久欠陥でないこと、すなわち「非永久欠陥」であることを示す識別子(Flag)を付与して欠陥の種別と共に所定の第1の欠陥管理領域にその欠陥を登録する。また永久欠陥であると判別されると、永久欠陥であることを示す識別子(Flag)を付与して欠陥の種別と共に所定の第2欠陥管理領域にその欠陥を登録する。
本実施形態では、気泡およびスクラッチを「永久欠陥」に割り当てているが、BDのスクラッチを修復する技術が実用化された場合は、スクラッチを「非永久欠陥」に割り当てるようにしてもよい。
本実施形態の光ディスク検査装置による検査が完了すると、光ディスク検査装置により、光ディスクの欠陥管理領域に欠陥管理情報が記録される。光ディスクが書換え型の光ディスク(例えばBD−RE)の場合、光ディスクの図12に示す欠陥管理領域30a、31a、32a、33aに永久欠陥である否かを示す識別子(Flag)、指紋、気泡、塵などの各欠陥の種別、各欠陥のサイズ及び位置を示す情報が記録される。一方、光ディスクが追記型の光ディスク(例えばBD−R)である場合は、まず、図12に示す先頭の一時光ディスク管理領域34に永久欠陥である否かを示す識別子(Flag)、指紋、気泡、塵の各欠陥の種別、各欠陥のサイズ及び位置を示す情報を記録することになる。この情報は、ファイナライズ処理により、一時光ディスク管理領域(TDMA)34から欠陥管理領域(DMA)30a、31a、32a、33aに書き移され、最終的には欠陥管理領域30a、31a、32a、33aに格納される。また、BD-RにおいてTDMSのアップデータユニットにおける臨時欠陥リスト(TDFL)には、永久的でない欠陥を含むが、永久的な欠陥を含まないようにすれば、一時光ディスク管理領域(TDMA)34の消耗を減らすことができる。
光ディスクメーカが光ディスクの出荷前に検査によって得た欠陥管理情報は、光ディスクメーカの光ディスク検査装置によって出荷前に光ディスクに記録される。上記の例では、欠陥管理情報は、図12に示す第1の欠陥管理領域(DMA1)30aよりも光ディスク内周側に位置する領域に設けた「欠陥登録エリア」に格納されることが好ましい。光ディスクにおけるリードインエリア4の内周側には、「ドライブエリア(図12において不図示)」が設けられている。「ドライブエリア」は、図12に示すリードイン領域4においてDMA領域よりも光ディスク内周側に位置し、光ディスク装置のメーカごとに区分された領域である。特定のメーカに割り当てられたドライブ領域には、そのメーカが製造した光ディスク装置の動作に必要な情報が適宜記録されることになる。本実施形態における欠陥登録エリアは、このドライブエリア内に配置される。
図13は、「欠陥別登録エリア」の構成と配置を示す図である。本実施形態で好適に使用され得る光ディスク検査装置は、図13に示す欠陥別登録エリア(ドライブエリア)5に欠陥管理情報を記録する。この欠陥別登録エリアは、Access Control Areaに設けられている。Access Control Areaの詳細は、後に、図23を参照しながら説明する。
図13に示す例では、永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報である識別子(Flag)と、指紋(Finger−Print)、気泡(Bubble)、BDO(塵)などの各欠陥の種別ごとに欠陥の名称を示す欠陥識別情報と、各欠陥のサイズ及び位置を示す欠陥位置情報とを含む欠陥管理情報がドライブエリア5内に記録される。図13の例では、Flag‘0’は、欠陥が永久的でない欠陥(第1のディフェクト)であることを示し、Flag‘1’は、永久的な欠陥(第2のディフェクト)であることを示している。非永久欠陥には指紋および塵が含まれ、永久欠陥には気泡が含まれる。
欠陥のサイズは、「Start PSN」と「END PSN」との差によって実質的に表示されている。欠陥の始点位置及び欠陥のサイズが特定されると、欠陥の終点位置が定まる。したがって、欠陥の位置・サイズに関して登録すべき情報は、欠陥の始点及び終点位置、または、欠陥の始点位置及びサイズのいずれであっても良い。
図13の例では、永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報として識別子(Flag)を用いているが、本発明で使用する欠陥管理情報は、このようなものに限定されない。欠陥管理領域をアドレスが固定された2つの欠陥管理領域に分け、その一方の領域に永久欠陥に関する欠陥管理情報を登録し、もう一方の領域に永久的でない欠陥に関する欠陥管理情報を登録してもよい。このようにすれば、必ずしも欠陥属性情報として識別子(Flag)を用いなくても、永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報を付与することが可能である。
非永久的な欠陥に関する欠陥情報は、従来どおり、例えばDMA領域に記録され、永久欠陥に関する欠陥情報を、その位置を示す欠陥位置情報とともに、DMA領域とは別の欠陥管理領域に記録しても良い。その場合、永久欠陥に関する情報が記録された欠陥管理領域にアクセスし、その欠陥管理領域に記録された情報を読み出せば、永久欠陥の位置を知ることが可能である。したがって、このような場合でも、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報が欠陥管理領域に記録されていることになる。
このように、本発明の好ましい実施形態では、光ディスクが、少なくとも、検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、その欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している。この欠陥属性情報は、欠陥の属性または種類に応じて異なる情報を含んでいてもよいし、また、欠陥の名称を示す情報を含んでいてもよい。ある好ましい実施形態においては、検出された欠陥が気泡か否かを欠陥属性情報に基づいて識別できる情報を含んでいれば良い。
永久欠陥である否かを示す欠陥属性情報は、例えば1ビットで識別され得る。欠陥の名称を示す欠陥識別情報は、例えば3ビットで欠陥の名称が識別される。
気泡は、製造段階で形成される一次的な欠陥(Primary defect)であり、かつ、光ディスク上の広い範囲でTE信号を歪ませるという特徴を有している。気泡を含む光ディスクが光ディスク装置に搭載され、光ディスク装置が気泡の存在する領域にアクセスしようとすると、トラック飛びなどの不都合が生じるため、気泡領域へのアクセスは未然に防止することが好ましい。
図6のステップS4では、上記の情報が記録された光ディスクの出荷が行われる。
このようにして光ディスクメーカが、出荷前における光ディスクのドライブ領域5に、永久欠陥か否かを示す識別子などの情報を記録しておけば、この光ディスクの上記ドライブ領域5から永久欠陥か否かを示す識別子などの欠陥管理情報を取得することにより、欠陥の種類に応じて異なる措置を適切に行うことが可能になる。例えば、第1欠陥管理領域6に登録された永久欠陥でない第1のディフェクトは、更新可能とする一方、第2欠陥管理領域7に登録された永久欠陥である第2のディフェクトは、書き換えが禁止(更新禁止)される。
図13に示すように各欠陥登録領域に欠陥の種類別に欠陥の情報が配置されていると、欠陥の種別に応じた処理を実行することができる。例えば、交代領域がなくなった場合でも、拭き取り可能な埃や指紋の欠陥リストが多い場合は、その旨を通知してクリーニングを促すことが可能である。クリーニング実行後は、欠陥登録を解除すればよい。このような処理を行えば、永久的でない欠陥の数を低減できるため、光ディスクの記録可能な領域を増加させることができる。
また、気泡については、「スリップ交替」を行うことが好ましい。「スリップ交替」とは、論理アドレスを物理アドレスに対応付ける際、気泡が存在する領域の物理アドレスを飛ばしてしまうことを意味する。スリップ交替の結果、気泡が存在する領域は、光ディスク装置から見て存在しないも同然の領域になる。出荷時に光ディスクに記録された欠陥管理情報に基づいて、「スリップ交替」を行うことにより、光ディスクを購入したユーザがその光ディスクにデータを記録するとき、気泡が存在する領域にアクセスすることを防止できる。
上記の説明は、光ディスクメーカが出荷前に行う光ディスクの欠陥検出と光ディスクへの欠陥管理情報の記録の処理に関しているが、同様の処理は、光ディスクを購入したユーザがその光ディスクを最初に光ディスク装置にロードした後に行われても良い。各種の欠陥のうち、特に気泡は、製造段階で発生するものであるため、出荷前、または光ディスクが最初に使用される際に検出し、その位置やサイズを示す情報を光ディスクに記録しておくことが好ましい。
なお、光ディスクのユーザが使用する光ディスク装置(プレーヤやレコーダ)で欠陥サーチを行う場合、その光ディスク装置が前述した「光ディスク検査装置」の構成および機能に相当する構成および機能を併せ持つ。
非永久欠陥は、光ディスクの製造段階に発生することは稀であり、通常、出荷前に発生した非永久欠陥は、出荷前に除去される。このため、出荷段階の光ディスクには、典型的には、気泡に関する欠陥情報のみが記録される。ただし、比較的に小さなスクラッチが存在する光ディスクであれば、廃棄することなく、低価格で販売するなどの目的のため、出荷してもよい。その場合、スクラッチは、気泡と同様に、出荷前に検出され、スクラッチに関する欠陥管理情報が光ディスクに記録されることが好ましい。
(光ディスクの起動・再生方法)
以下、主として図14を参照しながら、欠陥管理情報が既に記録された光ディスクを光ディスク装置にロードしたときの光ディスク装置の駆動方法を説明する。
なお、この光ディスクは、本実施形態で使用する光ディスク装置で欠陥サーチを行ったものであるか、否かは問わない。上述のように、光ディスクメーカが出荷前に光ディスクに対して欠陥サーチを行い、それによって得た欠陥管理情報を光ディスクに記録してから出荷したものであってよい。
本実施形態で使用する光ディスクのドライブエリア5には、図13に示すように、永久欠陥である否かを示す識別子(Flag)、指紋、気泡、塵などの各欠陥の種別、各欠陥のサイズ及び位置を示す情報が格納されている。
以下、本実施形態における光ディスク装置の駆動方法を説明する。
まず、図5に示す光ディスク装置の電源がオンされて、上記欠陥登録がなされた光ディスクが光ディスク装置に装填される。すると、ステップS5において、光ディスクを回転させるスピンドルモータ111の回転が開始される(スピンドルON)。その後、ステップS6において、フォーカス制御及びトラッキング制御を開始する。こうして、上記欠陥情報が記録されているドライブエリア5に光ビームでアクセスすることが可能になる。
そして、ステップS7において、アドレスのリードを行い、光ビームのスポットが存在する現在の位置を確定する。BDの場合、アドレスは、トラック溝のウォブリングによって記録されている。その後、ステップS8において、光ディスクの最内周におけるリードイン領域4内のドライブエリア5にアクセスし、ステップS9において、欠陥管理情報の有無を確認する。ステップS10において、欠陥管理情報が光ディスクに記録されている場合(事前登録ありの場合)、ステップS11に進み、欠陥位置情報を光ディスクから読み出す。
ステップS10において、光ディスクに欠陥管理情報が記録されていない場合は、ステップS12に進み、欠陥サーチを行う。ステップS13において、光ディスクのドライブエリア5に欠陥情報を登録する。
欠陥情報が予め登録された光ディスクでは、起動時に2、3分かけて欠陥の初期サーチをする必要がなく、20ミリ秒程度の時間をかけて欠陥情報をリードすることにより、欠陥領域を確実に避けてデータを記録することが可能となる。したがって、起動時間を短縮し、かつ、記録失敗の可能性を低く抑えることができる。また、ランダムアクセス時、光ビームのフォーカス位置が欠陥に突入して、フォーカスが外れることも低減することができる。
本発明の光ディスク装置や光ディスクは、データを受け取って逐次記録するリアルタイム記録性能の向上に有効である。本発明によれば、欠陥によってエラーを起こすことを防止し、安定な録画性能を実現することができる。BDは、ディジタル放送のストリームコンテンツの録画に用いられることが多い。特にデジタル放送のフォーマットであるMPEG−TSからMPEG2への変換処理を行うときや、MPEG4−AVCでリアルタイムに再エンコード処理を行うときに、光ディスク装置でリトライ処理に許される時間が少なくなる場合がある。このような場合、本発明の効果は顕著である。
(実施形態2)
本実施形態では、光ディスクに記録するデータがAVファイル(リアルタイム記憶が行われるデータ)である場合に実行され得る好ましい動作の一例を、図15を用いて説明する。
まず、記録を開始する前に、ステップS20で光ディスクから欠陥情報を取得する。欠陥情報の取得は、図13に示すように光ディスクに既に登録されている欠陥種別ごとの欠陥リストの内容を光ディスクから読み出すことによって行うことができる。また、光ディスクに対して欠陥サーチを行うことによって欠陥種別ごとの欠陥情報を取得(検出)してもよい。欠陥サーチを行った場合は、それによって欠陥情報を取得する一方で、得た欠陥情報を光ディスクに登録または更新することが好ましい。
ステップS21では、目的とする情報層において、全ての種類の欠陥領域の総面積の、データ記録領域(ユーザ領域)の面積に対する面積比率が所定値(本実施形態では10%)を超えているか否かを判定する。なお、着目する情報層に記録可能なユーザデータの最大量(1層の記録容量)を「層容量」と称し、その情報層に存在する全欠陥領域に本来は記録できたはずのデータ記録量を「欠陥領域記録量」と称することとする。この場合、上述の面積比率は、「欠陥領域記録量/層容量」に相当する。本明細書では、「欠陥領域記録量/層容量」を「欠陥領域の記録容量比率」または「記録容量比率」と称することとする。
本実施形態では、永久欠陥による記録容量比率が10%を超えている場合は、ステップS28に進む。この記録容量比率が10%を超えていないとき(「No」のとき)、ステップS22において、目的の情報層に対するデータの記録を実行する。
一方、ステップS21で、上記全ての種類の欠陥の記録容量比率が10%を超えているとき(「Yes」のとき)は、ステップS23に進み、クリーニングが必要であることをユーザに警告する。この警告は、音声または画像により、例えば「光ディスクの表面から指紋を拭きとってください」などのメッセージである。なお、後述するように、光ディスク装置がクリーニング装置を備えている場合は、光ディスク装置が自動的に光ディスクのクリーニングを実行すればよい。
ステップS24で光ディスクのクリーニングが実行された後、ステップS25で光ディスクの欠陥検査が実行される。既に取得した欠陥情報(欠陥リスト)に基づいて、クリーニング前に検出された指紋などの非永久欠陥の位置にクリーニング後も欠陥が残存するか否かをチェックすることが好ましい。しかし、光ディスクの全体または欠陥が存在する位置を含む広い範囲を対象に欠陥サーチを行っても良い。
ステップS26では、ステップS25による光ディスクの欠陥検査によって得た非永久欠陥に関する欠陥情報を光ディスクに登録更新する。
ステップS27において、全ての種類の欠陥の面積がデータ記録領域(ユーザ領域)の面積に対する比率が所定値(例えば10%)を超えているか否かを算出する。この記録容量比率が10%を超えていないとき(「No」のとき)、ステップS22において、目的の情報層に対するデータの記録を実行する。
一方、ステップS27で、上記欠陥の記録容量比率が10%を超えているとき(「Yes」のとき)は、ステップS28に進み、この情報層に対するデータの書き込みを禁止する。そして、多層光ディスクの場合は、ステップS29で、他の情報層への記録を行う処理に進む。他の情報層に対しては、ステップS20からステップS29までの処理と同様の処理を実行することになる。
ここでは、欠陥の記録容量比率を評価するための基準値の例として「10%」の値を用いたが、本発明の好ましい実施形態は、このような数値例に限定されない。目的とする情報層の記録容量から欠陥によって減少する記録容量を差し引いた値(実効的な記録容量)を算出し、記録すべきAVデータのデータ量と比較するようにしてもよい。この場合、記録すべきAVデータのデータ量よりも情報層の実効的な記録容量が少ない場合に、クリーニングを行えばよい。クリーニング後も、記録すべきAVデータのデータ量より情報層の実効的な記録容量が少ない場合には、その情報層へはAVデータを記録せず、他の情報層への記録を行うことになる。
(実施形態3)
本実施形態では、光ディスクに記録するデータがAVファイル(リアルタイム記憶データ)またはPCファイル(非リアルタイム記憶データ)の何れかであるかに応じて、異なる記録処理を実行する。
具体的には、リアルタイム記録の必要性が無いPC記録の場合、欠陥の中でも、気泡のようにアクセスに困難が伴う欠陥以外の欠陥には記録を試みることが可能である。そのような欠陥に記録できる場合もあるからである。また、記録に失敗した場合は、他の領域へ記録する時間余裕がある。しかしながら、リアルタイム記録が必要なAV記録では、このような記録の失敗を極力避けることが好ましい。このため、AV記録の場合は、検出された全ての欠陥を避けてデータの記録を行うことが好ましい。
本実施形態では、欠陥リスト上の欠陥の種類を考慮し、記録すべきデータの種類に応じた処理を実行する点に特徴を有している。
以下、図16から図19Bを参照する。
本実施形態では、図5に示す構成を有する光ディスク装置(以下、「ドライブ」と称する。)が「ホスト」と称される制御装置(不図示)に接続されている。データの記録処理を開始するとき、ホストからドライブに記録コマンドが送出される。記録コマンドは、光ディスクに記録すべきデータがAVファイルであるか、あるいはPCファイルであるかによって異なっている。ドライブは、ホストから入力されたコマンドに基づいて、データがAVファイルかPCファイルかを判別することができる。
まず、記録すべきデータがPCファイルである場合を説明する。
PCファイルの場合、ドライブは、欠陥リストの永久欠陥の部分、あるは永久欠陥リストを参照し、論理アドレスから物理アドレスへの変換を行う。具体的には、物理アドレスのうち、永久欠陥(気泡およびスクラッチ)が存在する領域のアドレスを除いて、論理アドレスを展開する。
図16は、欠陥リストの一例を示している。PC記録の場合、図16の欠陥リストにおける「PC記録」の列で○が付された欠陥(永久欠陥)の領域に対して記録が禁止される。一方、AV記録の場合は、この欠陥リストにおける「AV記録」の列で○が付された欠陥(永久欠陥+非永久欠陥)の領域に対して記録が禁止される。
本実施形態では、表の○が付された欠陥の領域を除く領域において、物理アドレスが展開される。従って、PC記録の場合は、欠陥リスト登録された欠陥領域であっても、×の欠陥領域(指紋、塵が付着した非永久欠陥の領域)には、データの記録が実行され得る。一方、後述するAV記録を行う場合は、欠陥リストに登録された全ての種類の欠陥(永久欠陥および非永久欠陥)の領域に対して、記録が禁止される。
次に、図17を参照する。図17の表は、PC記録を行う場合に、ホストからドライブへ送信されるコマンドと、ドライブの動作との関係を示している。表の1〜18は、ホストおよびドライブの処理を示しており、番号が大きくなるほど、時間的に後の処理に対応している。
図17に示されるように、記録すべきPCデータであるファイル1について、ホストがPC記録コマンドを発行する。このコマンドをドライブが受けると、ドライブは、欠陥リストの永久欠陥の部分、あるいは永久欠陥リストを参照し、論理アドレスから物理アドレスへの変換を行う。具体的には、物理アドレスのうち、永久欠陥(気泡およびスクラッチ)が存在する領域のアドレスを除いて、論理アドレスを展開する。次に、ドライブは、物理アドレスによって特定される記録開始アドレスの位置にシークし、その位置にアクセスする。そして、その位置から記録を開始する。ドライブでPCファイルの記録が完了すると、ホストは、PCベリファイコマンドを発行し、ドライブに入力する。ドライブは、ベリファイコマンドを受け取ると、ファイルの記録が完了した領域の記録開始アドレスの位置に再びアクセスし、ベリファイを開始する。ベリファイが完了すると、ホストは、次に記録すべきデータ(ファイル2)について、PC記録コマンドをドライブに入力する。
ドライブが次の記録開始アドレスの位置にアクセスし、記録を行っているときにトラッキングエラーが発生したとする。ホストは、リカバリのために「交替領域」への記録をドライブに指示する。ドライブは、エラーが発生したアドレスを一時的に保管し、交替記録開始アドレスの位置にアクセスし、記録を開始する。
ドライブでPCファイル(ファイル2)の記録が完了した後、ホストはPCベリファイコマンドを発行する。ドライブは、記録開始アドレスへアクセスし、ベリファイを開始する。そして、交替領域に対してもベリファイを実行する。
ベリファイが完了すると、ホストは、全記録が完了したため、電源OFFコマンドをドライブに通知する。ドライブでは、エラー発生アドレスの位置にアクセスし、欠陥サーチを実行する。その結果、欠陥の種類が「指紋」であると判定したとする。ドライブは、光ディスクの欠陥リストに指紋に関する情報を追記し、処理完了の通知をホストに発する。ホストは、READY状態または電源OFF状態となる。
次に、図18を参照しながら、記録すべきデータがAVファイルである場合を説明する。図18は、図17の表に相当する。
AV記録の場合、ホストはAV記録コマンドを発行する。このコマンドをドライブが受け取ると、ドライブは、欠陥リストを参照し、すべての欠陥を避けるように論理アドレスから物理アドレスへの変換を行う。具体的には、物理アドレスのうち、永久欠陥(気泡およびスクラッチ)のみならず、非永久欠陥を含む全ての欠陥が存在する領域のアドレスを除いて、論理アドレスを展開する。
ドライブは、物理アドレスによって特定される記録開始アドレスの位置にシークし、その位置から記録を実行する。AVファイル(ファイル1)の記録を完了した後、ホストは、次に記録すべきデータ(ファイル2)について、AV記録コマンドをドライブに入力する。ドライブは、次の記録開始アドレスの位置にアクセスし、記録を行っているときにトラッキングエラーが発生したとする。このとき、ホストは、直ちに「スリップ記録」をドライブに指示する。ドライブは、不良セクタをスキップし、記録を継続する。
AV記録を完了した後、ドライブはエラーが発生したアドレスに再度アクセスし、そのアドレスより所定の容量だけ手前のアドレス位置より、欠陥サーチを行う。その結果、欠陥の種類が「指紋」であると判定したとする。この場合、ドライブは、光ディスクの欠陥リストに指紋に関する情報を追記し、処理完了の通知をホストに発する。ホストは、READY状態または電源OFF状態となる。
このように、本実施形態では、光ディスクに記録すべきデータがPCファイルかAVファイルかによって、欠陥リストから記録禁止の対象とする欠陥を選択する基準を変更する。これにより、リアルタイムで記録されるAVファイルは、欠陥を確実に避けることができる。一方、PCファイルは、書き込みエラーが発生した場合でも繰り返して再書き込みにトライできるため、光ディスクの記録容量を可能な限り有効に利用することが可能になる。
次に、図19Aおよび図19Bを参照する。これらの図は、上述したドライブの動作の一部を示すフローチャートである。
ドライブは、記録開始コマンドを受け取ると、ステップS31において、AV記録かPC記録かを判別する。PC記録の場合、ステップS32で、欠陥リスト中の永久欠陥に関するアドレス情報を読み出し、ステップS33で論理アドレスから物理アドレスへの展開を行う。
ステップS34で記録開始アドレスの位置にシークし、ステップS35で記録を開始する。このとき、ステップS36でエラーが発生したとすると、ステップS37で交替領域にデータを記録する。ステップS38で記録が完了すると、ステップS39でエラー発生箇所の欠陥を特定するための欠陥サーチを実行する。そして、ステップS40で欠陥の種類および位置を決定し、ステップS41で光ディスクに欠陥情報の追登録を行う。
AV記録の場合、ステップS31からステップS42に進み、欠陥リスト中の全ての欠陥に関するアドレス情報を読み出し、ステップS43で論理アドレスから物理アドレスへの展開を行う。
ステップS44で記録開始アドレスの位置にシークし、ステップS45で記録を開始する。このとき、ステップS46でエラーが発生したとすると、ステップS47でエラーが発生した領域をスキップし、次の領域にデータを記録し、ステップS48で記録が完了する。
本実施形態の光ディスク装置は、PC記録およびAV記録の両方がなされ得るパーソナルコンピュータのドライブとして好適に用いられる。
(実施形態4)
本実施形態の光ディスク装置は、除去可能な非永久欠陥を除去するためのクリーニング装置を備えている。
図20(a)は、欠陥拭き取り(クリーナ)ブラシ23を備える光ピックアップ22と光ディスク1上の拭き取り可能な欠陥20との位置関係を示す平面図である。図20(b)は、光ピックアップ22の構成例を模式的に示す断面図である。
図20(a)に示す本実施形態の光ピックアップ22では、光ディスク回転方向(矢印の方向)に対して、先頭側から順番にBDレンズ21bおよびDVD用レンズ21aが配置されている。拭き取りブラシ23は、DVDレンズ21aを中心して、BDレンズ21bとは反対側に配置されている。すなわち、拭き取りブラシ23は、DVDレンズ21aおよびBDレンズ21bが対向している光ディスク1のトラック(不図示)に対向する。なお、光ディスク1の各トラックは、光ピックアップ22の近傍において、ディスク回転方向に平行に延びている。本実施形態では、欠陥検出のために使用されるBDレンズ21bの近傍に拭き取りブラシ23が配置されているので、検出された欠陥のアドレスが示す位置にシークをするだけで、拭き取りブラシ23の位置決めを簡単にすることができる。
拭き取りブラシ23の大きさ、形状、材質の選定、設計は、指紋を拭き取ることに特化させることも可能である。欠陥を拭き取るためには、所定以上の応力が必要であるので、図20(b)に示すようにローラ形状で粘着性の材料を選定したりすれば効果がある。あるいはブラシの先端に丸みを付けたり、比較的太い形状の布を重ねたりしても良い。
拭き取り動作は、一旦フォーカス制御を外し、拭き取りブラシ23を光ディスク1に接触した状態で、所定の時間、あるいは回数(回転数)、実施するのが良い。所定時間実施後、その場でフォーカスをONし、指紋によるRF信号の欠落が改善されるまで(指紋に相当する信号が検出されなくなるまで)その位置をリトレースさせる。拭き取りがOKであれば、半径位置を切り換えていくようにすれば、確実に指紋などの欠陥を除去して、記録再生の信頼性は格段にあげることができる。
更に、拭き取りブラシ23を、光ディスク1に対する光ピックアップ22の進行方向前方側に配置して、フォーカスサーボをかけたまま、光ディスク1をクリーニングするように構成すれば、所定の回転数だけ光ディスク1を回転させてクリーニングした後、その場でRF信号から得た指紋信号で拭き取れたどうか確認することができる。
なお、フォーカスサーボをかけたまま、光ディスク1をクリーニングすると、接触しているため光ディスク1には振動が伝わり、フォーカスサーボの外乱となるが、拭き取っているときには、データの記録、再生をしていることはないので、フォーカスサーボの特性(ゲインなど)を記録再生時に対してクリーニング時には切り換えておけばよい。
例えば位相余裕を十分とれば、フォーカスサーボを外れにくくすることは可能である。この場合、外乱応答性はよい特性になるが、定常偏差は多くなる。しかし、クリーニング時には、データの記録、再生を行わないので、定常偏差は多くなっても問題は無い。クリーニング時では、記録再生時に比べてゲインを小さくすることにより、周波数帯域を下げ、位相余裕を増やすことが好ましい。
このように光ピックアップ22の基台の中に一体として、レンズ21a、21bと拭き取りブラシ23を配置することにより、装置の小型化を阻害することなく、かつ基台の一体成形により低コストで自動クリーニングを実現することができる。
本発明の好ましい実施形態では、図13に示すように欠陥種別に欠陥情報が記録された欠陥リスト上の非永久欠陥に関する情報に基づいて、除去可能な表面欠陥の個数、あるいは欠陥面積が予め設定された値を超えたと判断されたとき、クリーニングを実行するようにしてもよい。
なお、光ディスク装置がクリーニング機構を備えていない場合は、クリーニングが必要であると判断されたとき、ディスクプレイに「クリーニングを行ってください」のような警告メッセージを表示するようにしてもよい。ユーザがクリーニングを行った場合、光ディスク装置は、クリーニング後に欠陥サーチを実行し、欠陥が部分的であっても除去されたか否かをチェックする。充分に除去されていない場合、ディスクプレイに「もう一度、クリーニングを行ってください」のようなメッセージ、あるいは、「汚れていない光ディスクと交換してください」というメッセージを表示するようにしてもよい。
(実施形態5)
図21は、4層の情報層が積層された多層光ディスクの断面を示している。ディスク表面には埃、塵、指紋、スクラッチなどの欠陥が存在している。このような表面欠陥が光ビームの断面積に占める割合は、最も奥に位置する第1情報層(L0層)にフォーカスしているときに最も小さくなり、ディスク表面に最も近い第4情報層(L3層)にフォーカスしているときに最も大きくなる。
表面欠陥に対応する欠陥領域の面積は、情報層の深さ(ディスク表面からの距離)が大きいほど、相対的に小さくなる。
欠陥サーチによって得られた欠陥リストから、各情報層における欠陥領域の面積がその情報層のデータ記録可能領域の面積に占める比率、すなわち記録容量比率(%)を算出することが可能である。
以下の表1は、欠陥の種類と、各情報層(L0〜L3)における欠陥領域の記録容量比率(%)の一例を示している。
Figure 2010004707
表1からわかるように、埃、塵、指紋、スクラッチでは、ディスク表面に近いほど、記録容量比率が高い。気泡は、光ディスクの内部に存在する欠陥であり、4つの情報層に略等しい影響を与えるため、情報層の深さによらず、等しい記録容量比率を示している。
上記の表に示す欠陥を有する4層光ディスクに対して、欠陥のクリーニングを行うと、表面欠陥の一部または全部を光ディスクから除去することが可能である。
以下の表2は、このようなクリーニングを行った後における欠陥の種類と、各情報層(L0〜L3)における欠陥領域の記録容量比率(%)の一例を示している。
Figure 2010004707
この例では、ディスク表面から非永久欠陥である埃、塵、および指紋が完全に除去されている。このため、これらの非永久欠陥の各情報層(L0〜L3)における記録容量比率(%)は、0%に低下している。一方、永久欠陥である気泡およびスクラッチは、クリーニングによって除去されない。このため、クリーニング後も、気泡およびスクラッチは残存している。
各情報層の記録容量比率が欠陥のせいで10%を超えると、その情報層は、ユーザが期待する記録容量を実現できない場合がある。上記の表の例では、第4情報層(L3)では、永久欠陥の記録容量比率が10%を超えている。情報層の数が充分に多い多層光ディスク(情報層の数が8層以上、好ましくは16層以上)では、永久欠陥による記録容量比率が基準値を超える情報層を「欠陥層」と認定し、このような欠陥層に対するデータの書き込みを禁止することも可能である。ただし、この場合でも、その「欠陥層」の少なくとも一部を、例えば「交替領域」として利用してもよい。
前述したように、永久欠陥である気泡が存在すると、気泡に近い位置の情報層でトラッキングエラーまたはトラック外れが生じやすい。このため、気泡の記録容量比率が基準値を超える情報層については、データの書き込みを禁止(ライトプロテクト)するだけではなく、アクセス自体の禁止(アクセス禁止)をすることが好ましい。
次に、「欠陥層」について、ライトプロテクトまたはアクセス禁止を施す方法を説明する。また、このような欠陥層を有する光ディスクが光ディスク装置にロードされたときの動作(起動時における処理)を説明する。
1.欠陥層にライトプロテクト/アクセス禁止をかける方法
複数の情報層に含まれる或る特定の情報層において、欠陥領域の記録容量が、その情報層のデータ記憶可能領域の総容量に対して、例えば10%を超えていることが分かったとする。その特定の情報層Lxにライトプロテクトやアクセス禁止をかけるため、本実施形態の光ディスクでは、各情報層についてライトプロテクトおよびアクセス禁止を制御するための情報を記録する領域を有している。情報層別にライトプロテクトおよびアクセス禁止を制御するための情報は、「ライトプロテクトビット」と称される場合があるが、本実施形態では、この情報を「ライト/アクセス・プロテクト・フラグ(WAPF)」によって表現する。WAPFは、例えば2ビットのデータである。この場合、WAPF=“00”は「記録再生可能」、WAPF=“01”は「ライトプロテクト」、WAPF=“10”は「アクセス禁止」を意味するようにフラグビットを割付けることができる。
なお、光ディスクの全体にライトプロテクトをかける従来技術では、アクセス禁止の制御は不要であった。本実施形態では、情報層別にライトプロテクトをかけるため、ライトプロテクトのみならず、リードプロテクトすなわちアクセス自体を禁止することにより、その情報層をホストから論理的に見えなくすることが可能である。特に気泡や深いスクラッチは、TE信号に大きな影響を与え、トラック飛びを起こす可能性が高いため、気泡の影響が及ぶ特定の情報層について、アクセスを禁止することが有効である。本明細書では、ライトプロテクトおよびアクセス禁止の両方を総称して「ライト/アクセス・プロテクト」と称することとする。
WAPFを記録する領域は、最もアクセスしやすい情報層、あるいは、情報層のうちで必ずアクセスする位置に設けることが好ましい。
図22は、多層BDが有する複数の情報層のうち、ディスク表面から最も奥に位置する第1情報層(L0)の最内周領域(半径22.2mm〜23.65mmの領域)の構成を模式的に示す図である。
この最内周領域は、「Protection Zone」、「Parmanent Information/Control data Zone」、「Information Zone」、「OPC Zone」、および「Reserved」を含んでいる。「Protection Zone」には、光ディスクのBOOK type、Capacity(記録容量)、物理的に何層の情報記録層を有しているかを示す基本情報と、製造メーカ、製造日、製造ライン、製造場所などの光ディスクの製造ロットに固有の情報が記録される。「Parmanent Information/Control data Zone」には、その光ディスクについて推奨される記録条件など、記録膜やディスク基板の特性で決まる光ディスクの制御に関する恒久的な情報が記録される。「Information Zone」には、ライトプロテクトに関する情報、欠陥別リスト、代替セクタ登録などのDMAに関する情報が記録される。「OPC Zone」では、テスト記録によって記録パワーや記録ストラテジを調整するため試し書きなどが行われる。「Reserved」は、将来の多層ディスクで必要となるかもしれない拡張情報が追記される領域である。
情報層別にライトプロテクトを制御するための情報は、例えばInformation ZoneのAccess control Areaに記録される。図23は、Access control Areaの構成を示す図である。Access control Areaは、図23に示すように、書き換え可、追記のみ、再生のみなどを示す「ID(種別)」が記録される領域、アクセスコントロールエリアの情報が何回更新されたかを示す「アップデート回数」が記録される領域、各情報層についてWAPFが記録される領域を含んでいる。L0WAPF〜L31WAPFは、最も奥の情報層L0から最も手前の情報層L31を意味している。図23の例では、L0WAPF〜L31WAPFの各々に、例えば“00”、“01”、“10”のいずれかが割り当てられる。
なお、特定の情報層の全体ではなく、その一部の領域に対するデータの記録または再生(アクセス)を禁止する場合、そのような「部分禁止」が行われる情報層について、例えば“11”を割り当てても良い。この場合、部分禁止が行われる情報層において、記録または再生禁止の対象となる領域を特定する除法が光ディスク内に記録される必要がある。このような追記的な情報は、例えば、図22に示す「Reserved」の領域に記録され得る。また、L0WAPF〜L31WAPFの割り当てる情報のビット数を3以上に設定する場合は、記録または再生が禁止される領域を特定する情報を3以上のビット数で表現することが可能になる。BDでは、1つの情報層が25個のゾーンに区分され、個々のゾーンの記録容量は1ギガバイトである。各情報層において、ゾーン単位で記録禁止またはアクセス禁止を行うことも可能である。
なお、アップデート回数やWAPFが記録される領域は、書き換え可能な管理領域の一部である。
本実施形態では、例えば情報層L1における欠陥領域の記録容量比率が10%以上25%未満であれば、L1WAPFを“01”に設定する。また、欠陥サーチ時にトラック飛びが発生し、欠陥サーチが正常に完了しない場合や、気泡の記録容量比率が例えば25%以上であることを検出した場合には、その情報層に対するアクセスを禁止にすることができる。例えば情報層L15において気泡の記録容量比率が25%以上であれば、L15WAPFを“10”に設定する。
なお、各情報層に関する「ライト/アクセス・プロテクト」に関する情報を情報層L0の管理領域に記録する場合において、情報層L0における欠陥の記録容量比率が10%以上であったとき、情報層L0に対するデータの記録または再生が禁止されてしまう。その場合、情報層別のライト/アクセス・プロテクトに関する情報を追記でないという問題が生じる。
このような問題を解決するには、「ライト/アクセス・プロテクト」に関する情報をBCAに記録すればよい。図24(a)および(b)は、多層BDにおけるBCAの配置を示す平面図である。通常のBDでは、光ディスクの半径21.0mmから22.2mmの範囲にBCA(以下、「BCA1」と記載する)と称される領域が存在する。この「BCA」は、バーストカッティングエリアの略である。本実施形態における多層BDでは、情報層毎にライトプロテクトまたはアクセス禁止を行うことを可能にするため、図24(a)に示すように、BCA追記領域(BCA2)を設けている。このBCA2は、通常のBCA1よりも内周側、具体的には半径20,0mmから21.0mmの範囲に位置している。多層BDをサポートする光ディスク装置では、トラバースの内周スイッチやメカストッパの位置を調整することにより、半径20.0mmの位置にアクセスする(光ビームを照射する)ことが可能である。
図24(b)に示す他の多層BDは、光ディスクの半径21.0mmから22.2mmの範囲の半分(1/2周)に従来のBCA1が設けられ、残りの半分にBCA2が設けられている。
BCA2は、図23に示す。Access control Areaと同様の構成を有している。欠陥サーチによって情報層L1に10%以上の欠陥があれる判定された場合、BCA2におけるL1WPAFを“01”に設定する。また、同様に情報層L15に10%以上の欠陥があれば、L15WPAFを“01”に設定する。
なお、BDにおけるBCAの形成は、光ディスクの最内周領域でイニシャライズ時に照射する光ビームの強度を変調させて行うことができる。このため、どの情報層にBCAを形成(記録)することも可能であるが、単層BDや2層BDとの互換を考えた場合、BCAは光ディスクの最も奥に位置するL0層に作成することが好ましい。これは、単層BDや2層BDでは、最も奥に位置するL0層にBCAが形成されているため、公知の光ディスクは、光ディスク装置は、単層BDや2層BDが装填されたとき、必ず最も奧のL0層へアクセスし、L0層に形成されたBCAを読むように制御されるからである。
例えばL8層がアクセス禁止という情報がBCAに記録されている光ディスクが光ディスク装置に装填された場合を考える。この場合、L0層にBCAがあれば、BCAから必要な情報を読み出した後にL15層へアクセスする場合でも、L8層をスキップして、フォーカスジャンプを行うことができる。このため、余計な学習やアクセスの失敗によるエラーをなくすことができる。
しかし、光ディスクの表面に形成した金属膜のレーザカッティングによってバーコード状のBCAを形成する場合は、以下の利点がある。すなわち、ディスクの表面または表面に近い情報層にフォーカスしていれば、ディスク表面のBCAに記録された情報を読み出すことができる。これは、バーコード状のBCAに設けられたカット部分の幅が充分に大きいため、光ビームがBCAにフォーカスしていない場合でも、BCAによる反射光量の変化を検知することが可能だからである。このようなBCAを有する光ディスクが光ディスク装置に装填された後、まず最初に最も手前の情報層にフォーカスを引き込み、BCAにアクセスするシーケンスを採用することが好ましい。これによって、最初にアクセス禁止の情報層を認知することができるので、層間移動の失敗やピックアップとレンズの衝突を回避することが可能となる。
Access control Areaは書き換え可能な領域であるため、光ディスク装置による情報の記録は容易である。これに対して、BCA2における情報の記録は、イニシャラズ時に変調をするため、特殊な装置によって行う必要がある。
ライト/アクセス・プロテクトに関する情報の記録方法を説明する。ライト/アクセス・プロテクトに関する情報の記録には、大きく分けて、次の4種類の方法がある。
1)ディスクメーカによる出荷検査装置で欠陥検査、アクセスコントロールエリアへ追記
2)ディスクメーカによる出荷検査装置で欠陥検査、BCA2へ追記
3)光ディスクドライブによる欠陥検査、アクセスコントロールエリアへ追記
4)光ディスクドライブによる欠陥検査、BCA2へ追記
ディスクメーカでも、光ディスクドライブでも、それぞれ1)と3)、2)と4)については、装置の大小や専用か兼用かなどの違いはあるが、基本的に同様の方法で行うことができる。またディスクメーカがドライブを改造して検査工程へ導入するのが現実的である。よって好ましい実施形態として、2)のディスクメーカによる出荷検査装置でのBCA2領域への追記する場合と、1)のディスクメーカによる欠陥検査、アクセスコントロールエリアを更新する場合について説明する。
まず、2)のディスクメーカによる出荷検査装置でのBCA2領域への追記する場合を説明する。図25は、ディスクメーカが使用する検査装置の構成例を示すブロック図である。
図25の検査装置は、初期化用の光ビーム302を生成する初期化用ピックアップ304と、光ディスク上にデータを試し書きしたり、光ディスクからデータを再生するための光ビーム301を生成する記録再生用ピックアップ303とを備えている。初期化は、通常の記録再生時に使用する光ビームよりも太い光ビームを消去パワー(定常レベルの初期化信号)で光ディスクに照射して行う。こうして、情報層の状態を記録可能な状態に安定的に揃えることができる。BCAには、この初期化信号に変調をかけることにより、半径21.0から22.2mmの位置にバーコード状の濃淡信号が記録され得る。
図25の記録用ピックアップ303を介して得られるTE、ASは、増幅器305で適当に増幅される。その後、2値化回路306によって2値化され、欠陥別検出回路307へ入力される。実施の形態1で説明したように欠陥サーチを行っている情報層に指紋、気泡、埃など欠陥別の検出を行いながら、トラックを1本、数本単位で走査していく。1つの情報層の全面の欠陥サーチが完了したら、次の層に移動して、その層の欠陥サーチをスタートする。このようにして、全ての情報層の欠陥サーチが完了すると、検出された欠陥情報はシステムコントローラ310に入力されており、ディスク上の所定の欠陥管理領域(例えば、図13の欠陥別登録エリア5)に登録される。また、例えば情報層L1、L15に容量10%以上となる大きな欠陥が検出されたときは、システムコントローラは、変調回路309および増幅器308を介して、初期化用ピックアップ304を駆動し、初期化ピックアップ303をさらに内周の20.0mmへ移動して、初期化信号を変調して、情報層L1、L15に対応するライトプロテクトをONにしたBCA2の情報を追記する。
BCAの情報は、光ディスク装置の起動時の比較的早い段階で読むことが可能である。このため、光ディスク装置の起動時にBCA2の情報を読み出せば、装填された光ディスク層における何層目の情報層がライトプロテクトされているかを決定することができる。
次に、1)のディスクメーカによる欠陥検査、Access control Areaの更新を行う場合を説明する。
光ディスクのAccess control Area(図23)には、2ビットの情報層別ライト/アクセス・プロテクトに関する情報が記録されている。このため、光ディスクドライブに光ディスクが装填されたとき、欠陥サーチを行い、Access control Areaの情報を更新することが好ましい。
更新のための欠陥サーチは、光ディスクの一番奥にある情報層L0から欠陥サーチをスタートし、実施の形態1で説明したように指紋、気泡、埃など欠陥別の検出を行いながら、トラックを1本あるいは数本単位で走査していく。1つの情報層の全面において欠陥サーチが完了したら、次の情報層に移動して、その情報層の欠陥サーチをスタートする。
すべての層の欠陥サーチが完了すると、欠陥情報は図5中のシステムコントローラ630で判定され、光ディスク上の所定の欠陥管理領域(例えば、図13の欠陥別登録エリア5に新たに登録される。この場合、新たに欠陥が増えている場合と、過去に登録していた非永久欠陥がなくなる場合がある。また、WAPFの定義に沿って変更がある場合は、WAPFの変更を行う。
なお、従来の欠陥登録は、欠陥の種類に関係なく、光ディスクの記録または再生中にドライブエラーが出たとき、検出した欠陥の位置をDMA領域に記録(登録)していた。しかし、本発明の好ましい実施形態では、欠陥サーチによって検出された欠陥は、DMA領域ではなく、Access control Areaの欠陥別登録エリアへ登録される。一方、通常のデータ記録中または再生中にエラー(トラック飛び、ベリファイNG)が発生したときは、あえて欠陥の種類を特定することはせず、従来通り、そのエラーが生じた位置を欠陥位置としてDMA領域を更新してもよい。このような従来通りの欠陥情報をDMA領域に登録した後でも、欠陥サーチ実行後に、Access control Areaを更新すればよい。
2.欠陥層を有する光ディスクが光ディスク装置にロードされたときの動作(起動時における処理)
次に、ライトプロテクトのかかった少なくとも1つの情報層を有する多層光ディスクの制御を説明する。
まず、Access control Areaに欠陥情報が記録されている場合を説明する。
例えば情報層L1、L15についてライトプロテクトが行われている16層BDディスクが装置に装填されたとする。装填された光ディスクがBDか、BDでないかをBD用の光ビームを光ディスクに照射して判別する。BDであると判別されたならば、球面収差の補正値を一番奥の情報層L0に合わせてフォーカスサーチを行う。具体的には、光ピックアップを光ディスクに可能な限り接近させた後、徐々に光ディスクから離間させる。離間させる過程で得られるフォーカスエラー信号中に最初のS字カーブを検出したとき、情報層L0でフォーカスの引き込みを行う。情報層L0でフォーカスサーボがONした後、トラッキングサーボをONする。その後、フォーカスエラー信号のオフセットや球面収差の微調整、レンズチルト調整、サーボゲインの調整など、サーボ系の自動調整を行う。
次に、BDのトラックが有するウォブルに基づいてウォブル信号を再生し、ウォブル波形としてトラックにプリフォーマットされたアドレス信号を読み取り、光ビームが照射している位置のアドレスを検出する。こうして検出された現在位置に基づいて、PIC領域(Parmanent Information/Control data Zone)へ光ビームを移動する。PIC領域から光ディスクに固定された管理情報を取得する。この管理情報は、装填された光ディスクが物理的に何層の情報層を有するかを示す情報を含む。
次に、光ビームの照射位置をPIC領域よりも外周側に位置するアクセスコントロールエリアに移動する。そこで、どこの情報層にライトプロテクトがかかっているか、どの情報層にアクセス禁止がかかっているかを判定する。
上述の例とは異なり、4層の情報層を有するBDが光ディスク装置に装填された場合を説明する。情報層L1にライトプロテクトがかかり、情報層L2にアクセス禁止がかかっているとする。この場合は、情報層L1にはアクセスを行うことができるため、情報層L1にアクセスし、サーボやPLLなどの再生に必要な学習、自動調整を行う。しかし、情報層L1での記録学習は行わないようにする。
また、情報層L2へのアクセスは禁止されているため、本来であれば情報層L2が割り当てられる論理アドレス空間を削除し、情報層L0から情報層L3へ連続するようにアドレス変換とアクセス制御を行うようにする。こうして、物理的には4つ情報層を有する光ディスクは、ホストあるいはユーザにとって、記録用媒体としては2層BDとして機能し、再生用媒体としては3層ディスクとして扱われる。
次に、光ディスクのBCAに欠陥情報が記録されている場合を説明する。
まず装填されたディスクがBDか、BDでないかをBDのビームを照射して判別する。BDであると判別されたら、球面収差の補正値を一番奥に位置する情報層L0に合わせてフォーカスサーチを行う。前述した手順と同一の手順により、情報層L0でフォーカス引き込みを行う。情報層L0でフォーカスサーボおよびトラッキングサーボをONした後、フォーカスのオフセットや球面収差の微調整、ならびにレンズチルト調整、サーボゲインの調整など、サーボ系の自動調整を行う。
次に、光ビームの照射位置をBCAへ移動させる。そして、BCAにバーコード状に記録された情報層毎の制御情報を読み出し、装填された光ディスクのどの情報層でライトプロテクトおよび/またはアクセス禁止がかかっているかを判定する。
BCAへの情報の記録は、好適には、紫外線レーザやグリーンレーザなどによって光ディスクに形成した金属膜をカッティングすることによって行われ得る。光ディスクの情報層における記録膜でなく、光ディスクの表面側に設けた金属膜に情報を記録することも可能である。このように光ディスクの表面または表面に近い位置にBCAを設けると、最も深い位置の情報層L0から情報を読み出す前に、層別のライトプロテクト・アクセス禁止に関する情報を取得することが可能になる。このため、BCAに追記された管理情報を認識した後、より奥に位置する情報層にアクセスするため、アクセス禁止の情報層が存在していても、フォーカス外れやトラッキング外れの問題を回避することが可能になる。
以上のように本発明の光ディスク装置は、光ディスクの表面に付着して、拭き取り可能な欠陥(指紋、埃、塵)、拭き取り不可能な欠陥(スクラッチ、気泡)をそれぞれ区別して検出し、さらにそのディフェクト別に配置された各欠陥領域にそれぞれ登録するため、拭き取り通知、警告、ライトプロテクトなどディフェクトに応じた処理の切換が可能となる。また拭き取り可能なディフェクトがなくなったことを確認できたら、欠陥登録を抹消するので、たとえば、たまたま使用環境が悪く埃の登録数が増えて、交替領域が欠乏しても、自動的に容易にリユースすることが可能となる。
加えて気泡などの光ディスクの製造工程で発生するディフェクトに関してはその検査工程で気泡の登録をしておけば、ユーザの使用状態では追加して発生することはないので、気泡の部分にアクセスしないように構成することができ、トラック飛びのない安定した装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、光ディスクを出荷する前に検査する場合について説明したが、本発明は、出荷前でなく出荷後の記録前に検査を行う場合にも適用できる。
さらに、本実施形態では、光ディスクの欠陥別登録エリア5に永久的な欠陥に属するか否かの識別子(欠陥属性情報)と欠陥の名称を示す種別情報(欠陥識別情報)を表記した欠陥登録リストを作成・格納したが、これら双方の情報を登録する必要はなく、永久的な欠陥に属するか否かの識別子をなくして欠陥種別情報を表記して欠陥の種別毎に欠陥登録リストを作成・登録する形態、または、欠陥の種別情報を表記しないで永久的な欠陥か否かの識別子を表記してその識別子ごとに欠陥登録リストを作成・登録する形態を用いてもよい。
また、本発明によれば、光ディスクが積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数、望ましくは4以上の整数)を備える場合、N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層へのデータの記録を禁止し、「N−X層の情報記録層を有する光ディスク」として販売することも可能である。このような光ディスクを購入したユーザは、その光ディスクに何層の情報記録層が物理的に含まれているかを知る必要は無く、記録可能な情報記録層の数あるいは総記録容量を正しく知りさえすれば足りる。今後、低コストで多層の光ディスクを製造することが求められる。本発明の多層光ディスクによれば、その一部の情報記録層が欠陥(典型的には気泡)を多く含む場合でも、廃棄することなく、商品として有効に利用することが可能になり、光ディスクの製造コスト低減に大きく寄与することができる。
以上のように、本発明は、指紋、気泡、BDO(塵)などの欠陥に対して、永久的な欠陥であるか否かの欠陥の種別を判別することで、永久的な欠陥と永久的で無い欠陥とを区分して光ディスクに記録するので、欠陥別の措置を適切に行うことができるので、BD以外の光ディスク、例えばHD-DVDにも適用可能である。
4 リードイン領域
5 ドライブエリア
6 第1欠陥管理領域
7 第2欠陥管理領域
S1 光ディスクの作製処理
S2 光ディスクの表面チェック処理
S3 光ディスクに欠陥情報記録処理
S4 光ディスクの出荷処理

Claims (23)

  1. データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、
    前記管理領域は、
    検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有している、光ディスク。
  2. 前記欠陥属性情報は、前記欠陥の属性または種類に応じて異なる情報を含んでいる、請求項1に記載の光ディスク。
  3. 前記欠陥属性情報は、前記欠陥の名称を示す情報を含んでいる、請求項1に記載の光ディスク。
  4. 前記欠陥管理領域には、出荷時において、前記欠陥属性情報が記録されている、請求項1に記載の光ディスク。
  5. 前記欠陥属性情報は、
    前記欠陥が非永久欠陥であることを示す第1の欠陥属性情報と、
    前記欠陥が永久欠陥であることを示す第2の欠陥属性情報と、
    を含む、請求項1に記載の光ディスク。
  6. 前記永久欠陥は、前記光ディスクの内部に含まれる気泡を含み、
    前記非永久欠陥は、前記光ディスクの表面に存在する指紋またはダストを含む、請求項1に記載の光ディスク。
  7. 前記永久欠陥は、前記光ディスク内の表面に存在するスクラッチを含む、請求項6に記載の光ディスク。
  8. 積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数)を備え、
    前記N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層へのデータの記録が禁止されており、
    データの記録が禁止された前記情報記録層を特定する情報が記録されている、光ディスク。
  9. 積層されたN層の情報記録層(Nは3以上の整数)を備え、
    前記N層の情報記録層のうち、永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる情報記録層の数をX層(Xは1以上の整数)とするとき、
    前記永久欠陥が所定数以上または所定割合以上含まれる前記情報記録層へのデータの記録が禁止され、N−X層の情報記録層を有する光ディスクとして販売される、光ディスク。
  10. データの記録が禁止された前記情報記録層を特定する情報がディスク表面またはディスク内部に記録されている、請求項9に記載の光ディスク。
  11. 光ディスクの欠陥を検出し、検出された欠陥の属性または種類を決定するするステップ(A)と、
    前記欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報を、欠陥の位置を示す欠陥位置情報と共に前記光ディスクに記録するステップ(B)と、
    を含む、光ディスクの欠陥登録方法。
  12. 前記属性情報は、前記欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別する情報である、請求項11に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  13. 前記属性情報は、前記欠陥の名称を示す情報である、請求項11に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  14. 前記ステップ(B)は、
    前記欠陥が非永久欠陥であると判別されると、非永久欠陥であることを示す第1の欠陥属性情報とその欠陥の位置を示す欠陥位置情報とを含む第1の欠陥管理情報を前記光ディスクの欠陥管理領域に登録するステップと、
    前記欠陥が永久的な欠陥であると判別されると、永久欠陥であることを示す第2の欠陥属性情報とその欠陥の位置を示す欠陥位置情報とを含む第2の欠陥管理情報を前記光ディスクの欠陥管理領域に登録するステップと、
    を含む請求項11に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  15. 前記光ディスクは、追記型の光ディスクであり、
    TDMSのアップデータユニットにおける臨時欠陥リスト(TDFL)には、永久的でない欠陥を示す第1の欠陥管理情報を登録するが、永久的な欠陥を示す第2の欠陥管理情報を登録しない、請求項14に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  16. 前記第2の欠陥管理情報は、書換えを禁止される、請求項14に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  17. 前記光ディスクの出荷前に前記ステップ(A)、(B)を実行する、請求項11に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  18. 前記ステップ(A)は、反射光量、再生エラーレート、およびトラッキングエラーに基づいて欠陥の種別を判別する、請求項11に記載の光ディスクの欠陥登録方法。
  19. 光ディスクにデータを記録する処理、および前記光ディスクからデータを再生する処理の少なくとも1つを行う光ディスクのデータ処理方法であって、
    前記光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、前記光ディスクの検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有しており、
    前記管理領域から前記欠陥属性情報および前記欠陥位置情報を読み出すステップと、
    前記位置情報で示される位置に存在す永久欠陥を避けて前記少なくとも1つの処理を行うステップと、
    を含む、光ディスクのデータ処理方法。
  20. 光ディスクにデータを記録する処理、および前記光ディスクからデータを再生する処理の少なくとも1つの処理を行う光ディスク装置であって、
    前記光ディスクは、データ領域と管理領域とを有する光ディスクであって、前記管理領域は、前記光ディスクの検出された欠陥が永久欠陥および非永久欠陥のいずれであるかを区別することが可能な欠陥属性情報と、前記欠陥の位置を示す欠陥位置情報とが記録される欠陥管理領域を有しており、
    光ディスクに対して光学的にアクセスする光ピックアップと、
    前記光ピックアップによって前記光ディスクからデータを再生する手段と、
    前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記位置情報で示される位置に存在する永久欠陥を避けて前記少なくとも1つの処理を行う手段と、
    を備える光ディスク装置。
  21. 前記非永久欠陥の除去を行うクリーニング装置を更に備え、
    前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記欠陥属性情報に基づいて、前記光ディスクが所定量以上の非永久欠陥を有していることを検知した場合、前記クリーニング装置は、前記非永久欠陥に対するクリーニングを実行する、請求項20に記載の光ディスク装置。
  22. ユーザに求めるメッセージを表示するディスプレイを更に備え、
    前記光ディスクの前記管理領域から読み出された前記欠陥属性情報に基づいて、前記光ディスクが所定量以上の非永久欠陥を有していることを検知した場合、前記非永久欠陥の除去をユーザに求めるメッセージを前記ディスクプレイに表示する請求項20に記載の光ディスク装置。
  23. 請求項20に記載の光ディスク装置を備える装置であって、
    前記光ピックアップによって前記光ディスクにデータを記録する手段とを備え、
    前記光ディスクに映像音響ファイルデータを記録するとき、前記永久欠陥および前記非永久欠陥の両方を避けて前記データを光ディスクに記録し、
    前記光ディスクにPCファイルデータを記録するとき、前記永久欠陥を避けて前記データを光ディスクに記録する、装置。
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