欠陥管理方法および欠陥管理装置
技術分野
[0001] 本発明は、欠陥管理機能を備えた情報記録媒体に対する欠陥管理方法および欠 陥管理装置に関し、特に気泡の混入というような広範囲に跨る欠陥を有する光デイス ク等に対して有効な欠陥管理方法および欠陥管理装置に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、大容量で交換可能な情報記録媒体、およびそれを駆動するディスクドライブ 装置が広く普及している。
[0003] 大容量で交換可能な情報記録媒体としては、 DVDや Blu-ray Disc (以下、 BDと略 称)といった光ディスクが一般に広く知られている。光ディスクを駆動する光ディスク記 録再生装置は、レーザ光を用いて光ディスク上に微小なビームスポットを結像させ、 これにより情報記録媒体の物理特性を変化させることによって記録再生を行う装置で ある。例えば、情報記録媒体である光ディスクに対して、光ディスク記録再生装置は 結晶状態力もアモルファス状態に相変化させてマーク等を形成することによって、当 該光ディスクの記録再生を行うものである。光ディスク記録再生装置は大容量で交換 可能な情報記録に適している(例えば、" 120mm (4, 7Gbytes per side) and 80mm (1, 46Gbytes per side) DVD -Rewritable Disk (DVD -RAM) ", Standard ECMA—330, December 2001、を参照)。レーザ光として、 DVD の記録再生には赤色レーザが用いられ、 BDの記録再生には赤色レーザより波長が 短い青色レーザを用いられている。これにより、 BDは DVDよりも記録密度が高ぐ大 容量ィ匕を実現している。
[0004] 図 20は、情報記録媒体として一般的な光ディスクの記録領域構成図である。円盤 状の光ディスク 1には、スパイラル状に多数のトラック 2が形成されており、各トラック 2 には細力べ分けられた多数のブロック 3が形成されている。
[0005] ここでは、 BDのトラック 2の幅(トラックピッチ)を 0. 32 μ mとする。また、ブロック 3は 、エラー訂正の単位であり、記録および再生動作が行われる最小の単位である。例
えば、 DVDの場合には 1ECC (サイズ: 32KByte)、 BDの場合には 1クラスタ(サイズ: 6 4KByte)である。光ディスクのデータの最小単位であるセクタ(サイズ: 2KByte) t 、う 単位を用いて説明すると、 1ECC = 16セクタ、 1クラスタ = 32セクタとなる。なお、以下 の文中においてクラスタと記載した場合は、全て、 BDでのブロック 3と同じ意味である とする。
[0006] 図 21は、一般的な記録型光ディスクにおけるデータ構造を示す図である。
光ディスク 1は、内周側のリードイン領域 4と外周側のリードアウト領域 6とその間にあ るデータ領域 5とに分けられる。
[0007] 図 21に示すように、データ領域 5は、ユーザデータ領域 14と、内周スペア領域 15A と外周スペア領域 15Bとを有するスペア領域 15とを有して構成される。
[0008] ユーザデータ領域 14とは、音楽やビデオなどのリアルタイムデータ、文章やデータ ベースなどのコンピュータデータなど、ユーザによって任意の情報が記録可能な領 域である。
[0009] スペア領域 15である内周スペア領域 15Aと外周スペア領域 15Bとは、ユーザデー タ領域 14内のあるブロック 3 (図 1参照)の代わりにデータを記録する交替領域のこと である。内周スペア領域 15Aと外周スペア領域 15Bは、例えば、ユーザデータ領域 1 4において欠陥ブロックが検出された場合などに、そのブロックの交替領域として使 用される領域である。図 21は、スペア領域 15がデータ領域の内周側(つまりリードィ ン領域側)と外周側 (つまりリードアウト領域側)に 1つずつ存在する場合を示した図 である。交替記録は、ユーザデータ領域 14内の欠陥ブロックを、交替領域である内 周スペア領域 15Aまたは外周スペア領域 15Bに交替記録することにより、データの 信頼性を高めることができるというメリットがある。しかし、交替記録は、現在アクセス中 のユーザデータ領域 14から、別領域である内周スペア領域 15Aまたは外周スペア 領域 15Bへ移動(シーク)して記録を行う必要があるため、処理時間が長くなり、記録 再生のパフォーマンスが低下すると 、うデメリットを有して 、る。
[0010] リードイン領域 4は、光ディスク 1の径方向においてデータ領域 5より内周側に配置 された領域であり、またリードアウト領域 6は光ディスク 1の径方向においてデータ領 域 5より外周側に配置された領域である。これらのリードイン領域 4およびリードアウト
領域 6は、光ディスク 1に関する管理情報等が格納される他に、光ピックアップ(図示 せず)のオーバーランを防ぐ役割を果たす領域でもある。
[0011] リードイン領域 4は、第 1の欠陥管理領域 10 (以下、 DMA1と略称: DMA=Defect M anagement Area)と第 2の欠陥管理領域 11 (以下、 DMA2と略称)を備えている。 DM
A1と DMA2は、共に光ディスク 1のデータ構造および欠陥に関する情報などの当該 光ディスク 1の管理情報を記録するための領域である。
[0012] リードアウト領域 6は、第 3の欠陥管理領域 12 (以下、 DMA3と略称)と、第 4の欠陥 管理領域 13 (以下、 DMA4と略称)を備えている。 DMA3と DMA4は、共に光ディスク
1のデータ構造および欠陥に関する情報などの当該光ディスク 1の管理情報を記録 するための領域である。
[0013] DMAとは、狭義には、前述のように欠陥管理領域(Defect Management Area)のこと を示すが、欠陥管理情報以外にも光ディスク 1に関する様々な情報 (ディスク管理情 報)を示し得るため、ここでは、 DMAをもっと広い意味で、ディスク管理領域 (Disc Ma nagement Area)の意味を持つものとして扱う。
[0014] 上記のように構成された DMA1〜DMA4はそれぞれが光ディスク 1における所定の 位置に配置されており、 DMA1〜DMA4のそれぞれには全て同じ情報が多重記録さ れている。これは、 DMA1〜DMA4のいずれかが欠陥に冒されている場合の備えで ある。このように構成されているため、例え正しく再生されない DMAがあったとしても、 どれか 1つでも正しく再生できる DMAがあれば、当該光ディスク 1の欠陥管理情報を 取得することができる。
[0015] DMA1〜DMA4はそれぞれディスク定義構造 20 (以下、 DDS20と略称)と欠陥リスト
21 (以下、 DFL21と略称)を備えて!/、る(図 2参照。 )。
[0016] DFL21は、欠陥ブロックの交替記録など、交替処理に関する情報 (欠陥等による交 替元のアドレスと、その交替先のアドレスとを含む交替エントリ)を含む情報である。こ こで、交替処理に関する情報とは、欠陥等による交替元のアドレスと、その交替先の アドレスとを含む交替エントリである。
[0017] 以下、光ディスク 1のブロック 3の位置情報を示すアドレスについて簡単に説明する
一般的に光ディスク 1に対して記録再生などのアクセス処理を行う場合、物理的に 光ディスク 1の記録層上に備えられたアドレス (物理アドレス:以下、 PSNと略称)と、ホ スト装置などのユーザ力 アクセス可能な領域、つまり論理空間であるデータ領域 5 に対して仮想的に連続して付けられたアドレス (論理アドレス:以下、 LSNと略称)とを 用いて制御が行われる。なお、これらのアドレスは、一般的にはセクタ単位、あるいは ブロック 3中における所定数を一単位として割り当てられる。
[0018] 図 22は、 PSN (物理アドレス)および LSN (論理アドレス)の関係を簡単に説明するた めの説明図である。なお、図 22においては、通常セクタ単位に割り当てられる PSNお よび LSNの説明を簡略ィ匕するために、ブロック単位で説明する。
図 22の(1)は、通常時の光ディスク 1における PSNと LSNの関係を示したものである
[0019] 書換え型の BDである BD- REの場合、 PSNとしては、光ディスク 1上のトラック 2、つま り記録溝の壁面に波打たせる形 (ウォーブル)で付与される ADIPと呼ばれるアドレスと 、ブロック 3に記録されたデータ中に付与される AUNと呼ばれるアドレスが相当する。 一方、 LSNはデータ領域 5に対して 0から始まる一連の番号が仮想的に連続して振ら れたアドレス情報である。 LSNは、図 22の(1)に示すように、通常はユーザデータ領 域 14中の全てのブロック 3に対して、その先頭ブロックを 0として順に割り振られるアド レスである。このように通常時の LSNは、ユーザデータ領域 14中の対応するブロック 3 に割り振られた PSNと一対一で対応する。例えば、 LSN=0は、 PSN=Aに対応し、 LS N= lは、 PSN=A+ 1に対応し、そして LSN= 2は、 PSN=A+ 2に対応する。このよう な通常時の PSN (物理アドレス)のことを、以下の説明において、オフセット PSN (物理 アドレス)と略称する。
[0020] し力し、例えばユーザデータ領域 14内のあるブロックが欠陥のためスペア領域中に 交替記録されたような場合には、ユーザデータ領域 14内において欠陥だったブロッ クに割り振られるはずだった LSNは、交替先として使用されたスペア領域中のブロック に対して割り振られる。
[0021] 図 22の(2)は、ユーザデータ領域 14中の PSN (A+ 2)のブロックが欠陥ブロックで あり、外周スペア領域 15B中の PSN (A+N+ 1)のブロックに交替記録されている場
合の例を示す図である。このような場合、欠陥ブロックである PSN (A+ 2)のブロックに 割り当てられるはずだった LSN (2)は、交替先である外周スペア領域 16中の PSN (A + N+ 1)のブロックに割り振られる。このため、 LSN (2)に対応する PSNは、 PSN (A+ N+ 1)となる。このように欠陥ブロック存在時の PSNのことを、以下の説明において実 アクセス PSNと略称する。
[0022] このため、ホスト装置力 要求された LSNを基にして実際にアクセスする実アクセス P SNを求める際には、以下の処理が行われる。
1) LSNをオフセット PSNに変換する(以下、オフセット変換と略称)。
2) DFL21を基にして、オフセット PSNが交替記録されていないか、若しくは交替記 録されて!/、るかを確認する。
交替記録されていない場合には、オフセット PSNが実アクセス PSNとして算出される 交替記録されている場合には、交替先の PSN力 実アクセス PSNとして算出される。
[0023] 以下、光ディスク 1のディスク構造について、図 23を参照しつつ簡単に説明する。
図 23に示す光ディスク 1は、記録層を 2層有する記録型 BDの断面を示す概略図で ある。記録型 BDは、一般的に、ディスク基板 50上に反射層、保護層および記録層が 積層されている。図 23に示す記録型 BDにおいては、その表面側力も順番に第 1の 保護層 51、第 1の記録層 52、中間層 53、第 2の記録層 54、第 2の保護層 55、およ びレーザ光を反射させるための反射層 56が形成されて 、る。第 1の保護層 51はデ ータを格納するための第 1の記録層 52を保護し、第 2の保護層 55はデータを格納す るための第 2の記録層 54を保護する。中間層 53は、第 1の記録層 52と第 2の記録層 54の間に存在し、第 1の保護層 51および第 2の保護層 55と同様の役割を果たす。こ のように構成された記録型 BDに対して、ディスク表面側カゝらレーザ光が照射されて、 第 1の記録層 52および第 2の記録層 54に対してデータの記録再生が行われる。
[0024] 従来における、 BDの製造方法としては、ディスク基板 50の上に各層に対応した複 数の膜を貼り合わせる方法が用いられて 、た。
しかし、膜を貼り合わせて光ディスクを製造する方法では、膜の生成工程が必要で あることに加え、貼り合わせ作業が必要である。このため、製造工程が多ぐ製造に要
する時間が長くなり、製造コストが高くなり、ディスク価格が高くなるという欠点があつ た。そのため、近年、スピンコート技術を用いた製造方法が注目されている。このスピ ンコート技術を用いた光ディスクの製造方法は、簡単に言えば、基板を高速回転の 基板上に膜形成用榭脂を垂らして、回転により生じる遠心力を使って当該榭脂を基 板上に均等に行き渡せて、記録膜と保護膜を形成するものである。
[0025] しかし、このようなスピンコート技術を用いて製造した光ディスクには、記録層や保護 層などの膜中に空気が混入した状態、つまり気泡が膜中に存在する可能性が高 、こ とが問題視されている。例えば、第 2の保護層 55の厚みが 100 mであれば、気泡 が略球形である場合、気泡の大きさは最大径で 100 mとなり、その気泡が混入した 領域は大きな欠陥領域となる。さらに膜中には、気泡に限らず異物が混入しても欠陥 となり、その光ディスクは大きな欠陥領域を有することとなる。
[0026] このような欠陥を有する光ディスクに対して記録再生を行う場合、光ディスク記録再 生装置においては、気泡のような欠陥が存在する領域からはレーザ光に対する正常 な反射光が得られないため、その領域を有するブロックを欠陥ブロックとして扱い、そ の欠陥ブロックに記録しょうとしていたデータを交替用領域であるスペア領域 15に交 替記録する。
[0027] 図 24は、光ディスク 1の膜中に気泡が存在する場合の光ディスク 1の概念図である 。図 24に示す光ディスク 1においては、記号 A力 Nで示すそれぞれの領域力 ブロ ック 3に相当し、例えば最内周側のブロック Aとブロック Bとが 1つのトラック 2を構成し ている。
[0028] 前述したように、 BDのトラックピッチは 0. 32 μ mであるのに対して、 1つの気泡のサ ィズは、例えば 100 m程度であるため、 1つの気泡によって約 300トラックが影響を 受け、多くの欠陥ブロックが存在することになる。また、気泡の状態によっては、図 24 に示すように、実際の気泡自体が存在する範囲だけでなぐ気泡が存在している箇 所を中心として、その周りの領域も気泡の影響を受けて、例えば気泡のサイズの約 3 倍である約 300 m程度の範囲で欠陥領域が存在する場合がある。 BDにおいて、 例えば内周側のデータ領域 5の場合、図 24に示したように 1トラックに約 2クラスタ(2 ブロック)が含まれるため、 1クラスタおきに正常なクラスタと気泡により影響を受けた
欠陥クラスタが順番に混在することになる。この結果、欠陥クラスタ (欠陥ブロック)へ の記録の度に交替記録が発生することになる。
[0029] ここで、記録再生のパフォーマンスを上げるために、光ディスク記録再生装置がキヤ ッシュ機能を持っている場合を考える。キャッシュ機能とは、ホスト装置と光ディスク記 録再生装置との間でのコマンド (要求)応答処理速度の高速化を目的として動作する 機能である。具体的には、ホスト装置からの記録要求に対して、記録データを光ディ スク記録再生装置に設けられたキャッシュメモリが受領完了した時点で、実際に光デ イスクへの記録を行う前にコマンドを完了させる。そして、光ディスク記録再生装置は 、それ以降の任意のタイミングで光ディスク 1への実記録処理を行うことにより、コマン ド応答処理速度の向上を実現して!/、る。
[0030] 光ディスク記録再生装置が、キャッシュ有効状態において、ホスト PCのようなホスト 装置力も記録要求されたデータを連続して受け付けたが、まだ記録して 、な 、状態 において、即ち記録されるはずのデータがまだキャッシュメモリ上にある状態におい て、ホスト装置からの読み出し要求が来た場合、キャッシュメモリが保持している未記 録データを光ディスク 1に記録して力 要求された領域のデータ読み出し処理を行う
。しかし、この際、記録先が上記のように気泡を含んだ領域だった場合、交替記録が 多発することにより、力えって処理時間が増大し、読み出し処理を実行するまでに長 い時間がかかる。 PC (パーソナルコンピュータ)において、ホスト装置からの要求(コマ ンド)は通常 7秒、もしくは 7. 5秒でタイムアウトする。このため、前述のような場合には 読み出し要求がタイムアウトする可能性が高くなるという問題が発生する。
[0031] さらに、気泡の状態によっては、トラッキングできないようなクラスタが存在する場合 がある。そのようなクラスタを有する光ディスク 1に対しては、データの記録再生、およ び PSN (物理アドレス)である AUNを取得できな!/、のはもちろん、対象クラスタのトラッ ク 2 (記録溝)に付与されたゥォブルによる反射光も正しく取得できない。したがって、 反射光の波長の変化により読み出す ADIPアドレスを取得できず、 PSNが読み出せな い状態となる可能性が高い。
[0032] 一般的に光ディスク 1は、 目的のアドレスへアクセスする際、アクセス位置の確定処 理(同期ィ匕)を行うために、 目的のアドレスの領域よりも手前の領域に光ヘッドを移動
(シーク)させた後、フォーカスサーボによって、光ディスク 1の回転を利用してトラック 2からの反射光を頼りにトラック 2に沿って目的のアドレスの領域に迪り着き、 目的のァ ドレスからの記録再生用レーザ光の発光の準備を行うと 、う方法を採用して 、る。し かし、気泡の混入によってトラック 2からの反射光が取得できないため、トラッキングサ ーボが実行できず、微小ビームスポットをトラック 2に沿った状態で走査させることが困 難となる。
[0033] そのため、気泡が混入したクラスタはもちろんのこと、そのクラスタの後続のクラスタ へも結果的にアクセスできないという問題が生じ得る。具体的には、例えば図 24のよ うにブロック I、 κ、 Μの領域が気泡の影響を受ける場合、そのブロックのアドレスが取 得できな!/、ため光ビームがトラッキングして ヽる現在位置が特定できず、後続するブ ロック J、 L、 Nへもアクセスできない事態が発生する場合がある。
[0034] 図 25は、記録型 BDディスクの膜中(この場合は、第 2の保護層 55中)に気泡が存 在した場合を示す説明図である。図 25に示すように気泡や異物などによる欠陥は、 それによつて膜が盛り上がった状態、即ち立体的に凹凸形状をした欠陥となる。この ような欠陥は大きくても数百 m程度であり、実際に人間の肉眼で確認できるようなス クラッチキズなどとは違って、肉眼で発見することは非常に困難である。また、異物混 入による欠陥において、特に気泡混入による欠陥の場合は、該当する箇所を、顕微 鏡などを用いて拡大して見たとしても、実際に目で見える気泡そのものの箇所に加え て、実際のディスクではその前後の領域についてもその気泡を中心とした同心円波 のように膜が波打った形となる。このため、気泡の周りの領域においても、記録再生 時にアクセスを失敗する欠陥領域となる可能性が極めて高い。即ち、気泡による欠陥 領域の範囲は、 目で見える立体的形状の気泡そのもののサイズにカ卩え、その気泡の 前後に、例えば気泡と同一サイズ分程度の大きさとなる。言い換えると、気泡による欠 陥領域の大きさは、おおよそ立体的形状の気泡サイズの約 3倍程度になる。
[0035] このような光ディスクに対して記録再生を行う光ディスク記録再生装置においては、 気泡のような欠陥が存在する領域からは、レーザ光に対する正常な反射光が得られ な 、ため欠陥ブロックとして扱われ、光ディスク記録再生装置は本来この欠陥ブロッ クに記録しょうとしていたデータを交替用領域であるスペア領域に対して交替記録す
る。
また、図 25に示したように、複数の記録層を備えた多層ディスクの場合、光ディスク の膜中、特にレーザ光を照射する側であるディスク表面と、照射されたレーザ光を反 射させるための反射層 56との間、に気泡が存在すると、気泡に近い第 2の記録層 54 のみならず、その他の記録層である第 1の記録層 52において、気泡が存在する位置 とほぼ同一半径位置に相当する領域への記録再生時のアクセスに失敗する。即ち、 1つの気泡が存在することにより各記録層において欠陥領域となる。
[0036] 従来の光ディスク記録再生装置における欠陥管理方法の分野においては、記録信 号に基づいてトラッキングサーボを実行させようとする場合に欠陥ブロックが存在する といった好ましくない事態に対応するため、各種の技術が提案されている。例えば、 欠陥管理方法の一例として、欠陥ブロックとそれ以降の所定範囲を含めて欠陥領域 として扱い、その欠陥領域のリストの情報を登録して、再生を行う場合には欠陥領域 を回避して、交替先へアクセスさせることで欠陥ブロックの影響を受けずに再生を行う ことができる技術が提案されている。このような技術は、例えば、日本の特開 2002— 184116号公報
に開示されている。
特許文献 1 :特開 2002— 184116号公報
非特許文献 1 :,, 120mm (4, 7Gbytes per side) and 80mm (1, 46Gbytes per side) DVD -Rewritable Disk (DVD -RAM) ", Standard ECMA— 330, December 2001
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0037] しかし、前述の従来の技術は、欠陥ブロックを検出した場合、欠陥ブロックからの信 号取得の成否といったその欠陥ブロックの状態如何に関わらず、常に欠陥ブロックと それ以降の所定範囲を欠陥領域として扱うというものである。このため、追記型光ディ スクに対しては効果があるが、例えば書換え型光ディスクの場合には対応できない場 合がある。具体的には、欠陥として仮に判定されたブロックの次のブロックに既にデ ータが記録されて 、るような場合などである。ディスク表面に付着した薄 、汚れによつ
て欠陥ブロックとして判定されたブロックの場合などでは、サーボを制御する記録信 号は最低限取得できる場合がある。このため、欠陥ブロックと判定された次のブロック に対しては正しくアクセス可能である。このような場合であっても、前述の従来技術に おいては欠陥ブロック以降の所定範囲のブロックが強制的に欠陥ブロックとして扱わ れ、交替先の交替領域へアクセスさせるよう構成されている。ここで、欠陥ブロックの 次のブロックに対してのデータ読み出し要求が来た場合、交替先へのアクセスを行う ことになる。この時点では、当然交替先にはデータは記録されていないため、データ の読み出しを正しく行うことは出来な 、と 、う問題がある。
[0038] さらに、情報記録媒体において交替先として使用可能なスペア領域のサイズは有 限であるため、気泡でなくとも汚れによる欠陥の場合などでも常に欠陥ブロック以降 の所定範囲のブロックが連続して欠陥ブロックとして扱われる。このため、例えば指紋 のような広範囲に薄く広がった汚れがディスク面に付着すると、すぐに交替領域であ るスペア領域を使 、尽くしてしまうと!、う問題がある。
[0039] 本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、キャッシュメモリにより処理パ フォーマンスの向上を図りつつ、動作途中で読み出し命令を受けても正しくデータの 記録 ·読み出しを制御することができる欠陥管理方法を実現し、信頼性の高い欠陥 管理装置を提供することを目的としたものである。
課題を解決するための手段
[0040] 本発明の第 1の観点の欠陥管理方法は、複数の記録層を含む複数の層を有し、ェ ラー訂正単位のブロック単位で記録再生が行われる情報記録媒体に対する欠陥管 理方法であって、
1つの記録層にお 、て所定の欠陥判定条件を満たした欠陥ブロックを検出したとき 、当該記録層における前記欠陥ブロックを基準とする所定範囲の領域を欠陥領域と して欠陥リストに登録するとともに、前記複数の記録層における他の記録層における 前記所定範囲と同一半径位置に対応する範囲の領域を欠陥領域として欠陥リストに 登録する欠陥管理方法である。
[0041] 前記のように構成された本発明の欠陥管理方法は、早い段階で正確に、気泡など の異物により広範隨こ侵された欠陥領域を予測して対処することが可能な構成となる
。また、本発明の欠陥管理方法においては、動作途中で読み出し命令を受けても正 しくデータの記録 ·読み出しを制御することができる。
[0042] 本発明の第 2の観点の欠陥管理方法においては、前記第 1の観点における前記層 内に存在する立体的形状の異物により前記層に生じた凹凸の影響で記録再生が正 常に行えな 、ブロックを欠陥ブロックとしてもよ 、。
[0043] 本発明の第 3の観点の欠陥管理方法においては、前記第 1の観点の欠陥管理方 法におけるブロックへのデータの記録処理において、トラッキング異常、或いはァドレ ス取得失敗の 、ずれかの原因によるエラーが一定方向にぉ 、て連続して所定回数 発生した場合を所定の欠陥判定条件としてもよ!、。
[0044] 本発明の第 4の観点の欠陥管理方法においては、前記第 1の観点における前記情 報記録媒体は、欠陥ブロックを交替するためのスペア領域を備え、
前記欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの交替先の領域である前記スペア領域 にお 、て、ブロックが連続するよう割り当てられてもよ 、。
[0045] 本発明の第 5の観点の欠陥管理方法においては、前記第 1の観点における欠陥管 理方法のシーケンシャル記録中にお!、て前記所定の欠陥判定条件を満たした欠陥 ブロックを検出したとき、当該欠陥ブロックより後方の所定範囲を欠陥領域として前記 欠陥リストに登録し、
ランダム記録中にお!ヽて前記所定の欠陥判定条件を満たした欠陥ブロックを検出 したとき、当該欠陥ブロックを基準とする前方および後方の前記所定範囲を前記欠 陥領域として前記欠陥リストに登録してもよい。
[0046] 本発明の第 6の観点の欠陥管理方法においては、前記第 1の観点における前記所 定範囲が、前記欠陥ブロックを基準とした領域に対する検査において、トラッキング 異常、若しくはアドレス取得失敗が発生した範囲としてもよ!、。
[0047] 本発明の第 7の観点の欠陥管理方法においては、前記第 2の観点における前記所 定範囲の大きさが、前記層内に存在する立体的形状の異物を中心として、前記異物 の直径の実質的に 3倍のサイズに相当する領域としてもよい。
[0048] 本発明の第 8の観点の欠陥管理方法においては、前記第 4の観点における前記情 報記録媒体が、前記スペア領域を複数備え、
前記欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの交替先としていずれの前記スペア領 域にぉ ヽても連続して割り当てられな ヽとき、最も長く連続して前記欠陥ブロックの交 替先としてブロックを割り当てることができる前記スペア領域力 優先的に使用しても よい。
[0049] 本発明の第 9の観点の欠陥管理方法においては、前記第 4の観点における前記欠 陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの位置である交替元位置情報と、前記スペア領 域内のブロックの位置である交替先位置情報と、交替先が割り当てられていることを 示す属性情報とを備えた交替エントリを、前記欠陥領域への記録を行う前に前記欠 陥リストへ登録することで、前記欠陥領域への記録を前記交替先の領域への記録と して制御してもよい。
[0050] 本発明の第 10の観点の欠陥管理方法においては、前記第 4の観点における前記 欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの位置である交替元位置情報と、前記スペア 領域内のブロックの位置である交替先位置情報と、前記欠陥領域への記録を行う前 に登録されて 、た情報であることを示す属性情報とを備えた交替エントリを、前記欠 陥領域への記録を行う前に前記欠陥リストへ登録することで、前記欠陥領域への記 録を前記交替先の領域への記録として制御してもよ 、。
[0051] 本発明の第 11の観点の欠陥管理方法においては、前記第 4の観点における前記 欠陥領域に関する位置情報を一時的に記憶し、前記欠陥領域に含まれるブロックへ の記録を、前記交替先の領域への記録として制御してもよ 、。
[0052] 本発明の第 12の観点の欠陥管理装置は、複数の記録層を含む複数の層を有し、 エラー訂正単位のブロック単位で記録再生が行われる情報記録媒体に対する欠陥 管理装置であって、
前記欠陥管理装置は、装置全体の制御を行うシステム制御部、
前記ステム制御部が制御を行うための各種情報を一時的に記憶しているメモリ部、 前記情報記録媒体を回転させるモータ部、
前記情報記録媒体にデータを記録または前記情報記録媒体からデータを読み出 す光ピックアップ部、
記録及び読み出したデータを一時的に格納するデータバッファ、および
前記情報記録媒体の欠陥ブロックに関する情報を有する欠陥リストを保持する DFL 情報格納バッファ、を備えており、
前記システム制御部力 1つの記録層にお 、て所定の欠陥判定条件を満たした欠 陥ブロックを検出したとき、当該記録層における前記欠陥ブロックを基準とする所定 範囲の領域を欠陥領域として前記欠陥リストに登録するとともに、前記複数の記録層 における他の記録層における前記所定範囲と同一半径位置に対応する範囲の領域 を欠陥領域として前記欠陥リストに登録するよう構成されている。
前記のように構成された本発明の欠陥管理装置は、早い段階で正確に、気泡など の異物により広範隨こ侵された欠陥領域を予測して対処することが可能な構成となる
。また、本発明の欠陥管理装置においては、動作途中で読み出し命令を受けても正 しくデータの記録 ·読み出しを制御することができ、信頼性の高い欠陥管理装置とな る。
[0053] 本発明の第 13の観点の欠陥管理装置においては、前記第 12の観点における前 記システム制御部が、前記層内に存在する立体的形状の異物により前記層に生じた 凹凸の影響で記録再生が正常に行えないブロックを前記欠陥ブロックとして処理す るよう構成してちょい。
[0054] 本発明の第 14の観点の欠陥管理装置においては、前記第 12の観点における前 記システム制御部力 ブロックへのデータの記録処理において、トラッキング異常、或 いはアドレス取得失敗の 、ずれかの原因によるエラーが一定方向にぉ 、て連続して 所定回数発生した場合を所定の欠陥判定条件として判定するよう構成してもよい。
[0055] 本発明の第 15の観点の欠陥管理装置においては、前記第 12の観点における前 記情報記録媒体は、欠陥ブロックを交替するためのスペア領域を備えており、 前記欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの交替先の領域である前記スペア領域 にお 、て、ブロックを連続して割り当てられるよう構成してもよ 、。
[0056] 本発明の第 16の観点の欠陥管理装置においては、前記第 12の観点における前 記システム制御部が、シーケンシャル記録中にぉ 、て前記所定の欠陥判定条件を 満たした欠陥ブロックを検出したとき、当該欠陥ブロックより後方の所定範囲を欠陥領 域として前記欠陥リストに登録し、ランダム記録中において前記所定の欠陥判定条件
を満たした欠陥ブロックを検出したとき、当該欠陥ブロックを基準とする前方および後 方の前記所定範囲を前記欠陥領域として前記欠陥リストに登録するよう構成してもよ い。
[0057] 本発明の第 17の観点の欠陥管理装置においては、前記第 12の観点における前 記所定範囲とは、前記欠陥ブロックを基準とした領域に対する検査において、トラッ キング異常、若しくはアドレス取得失敗が発生した範囲としてもょ 、。
[0058] 本発明の第 18の観点の欠陥管理装置においては、前記第 13の観点における前 記所定範囲の大きさは、前記層内に存在する立体的形状の異物を中心として、前記 異物の直径の実質的に 3倍のサイズに相当する領域としてもよい。
[0059] 本発明の第 19の観点の欠陥管理装置においては、前記第 15の観点における前 記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、
前記欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの交替先の前記スペア領域において、 ブロックが連続するよう割り当てられないとき、最も長く連続して前記欠陥ブロックの交 替先としてブロックを割り当てることができる前記スペア領域力 優先的に使用するよ う構成してちょい。
[0060] 本発明の第 20の観点の欠陥管理装置においては、前記第 15の観点における前 記システム制御部が、前記欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの位置である交替 元位置情報と、前記スペア領域内のブロックの位置である交替先位置情報と、交替 先が割り当てられていることを示す属性情報とを備えた交替エントリを、前記欠陥領 域への記録を行う前に前記欠陥リストへ登録することで、前記欠陥領域への記録を 前記交替先の領域への記録とするよう構成してもよ 、。
[0061] 本発明の第 21の観点の欠陥管理装置においては、前記第 15の観点における前 記システム制御部が、前記欠陥領域に含まれる前記欠陥ブロックの位置である交替 元位置情報と、前記スペア領域内のブロックの位置である交替先位置情報と、前記 欠陥領域への記録を行う前に登録されていた情報であることを示す属性情報とを備 えた交替エントリを、前記欠陥領域への記録を行う前に前記欠陥リストへ登録するこ とで、前記欠陥領域への記録を前記交替先の領域への記録とするよう構成してもよ い。
[0062] 本発明の第 22の観点の欠陥管理装置においては、前記第 15の観点における前 記欠陥領域に関する位置情報を前記メモリ部に一時的に記憶し、前記欠陥領域に 含まれるブロックへの記録を、前記交替先の領域への記録とするよう構成してもよ 、。
[0063] 前記のように構成された本発明の欠陥管理方法および欠陥管理装置においては、 早い段階で正確に、気泡などの異物により広範囲に侵された欠陥領域を予測するこ とが可能となる。また、本発明の欠陥管理方法においては、検出された欠陥ブロック より後の所定範囲の領域を欠陥領域として扱いつつ、その欠陥領域への記録要求に 対してはスペア領域などの交替領域へ連続交替記録させる。さらに、交替記録実施 後の読み出し要求に対しては、連続して交替先力 の読み出しを行うように制御する ことにより、処理パフォーマンスの向上を図り、ホスト装置からの記録 '読み出し要求 がタイムアウトするのを防止することができる。また、交替記録の実施前の読み出し要 求時には、交替先ではなく要求を受けた領域力 データ読み出しを行うように制御す ることにより、正確なデータの読み出しが可能となる。さらに、本発明の欠陥管理方法 によれば、欠陥と判定されたブロック近辺の領域の状態を考慮して総合的に判断す ることが可能となり、当該情報記録媒体において、連続交替が必要な領域を高精度 に決定する機能を提供することができる。
発明の効果
[0064] 本発明によれば、従来における課題を解決することが可能であり、キャッシュメモリ により処理パフォーマンスの向上を図りつつ、記録 '読み出しの動作途中において読 み出し命令を受けても、正しくデータの記録 ·読み出しを制御することが可能となる信 頼性の高い欠陥管理方法および欠陥管理装置を提供するができる。
図面の簡単な説明
[0065] [図 1]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図 [図 2]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における連続欠陥予測 領域の割り当て方法の一例を示す説明図
[図 3]従来の光ディスク記録再生装置における交替記録処理手順の説明図
[図 4]光ディスクである BDの交替エントリに関する説明図
[図 5]追記型光ディスクである BD-Rの CRD属性に関する説明図
[図 6]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、 RADO属性に 対する連続アクセス可能数算出の説明図
[図 7]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、 NRD属性、 PB A属性に対する連続アクセス可能数算出の説明図
[図 8]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、 RAD1属性に 対する連続アクセス可能数算出の説明図
圆 9]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、 CRD属性に対 する連続アクセス可能数算出の説明図
[図 10]追記型光ディスクである BD-Rの領域構造の説明図
[図 11]本発明係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、連続アクセス可 能数算出処理の説明図
圆 12]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、欠陥リストを 用いた連続欠陥予測領域検出時の処理動作を示すフローチャート
圆 13]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、連続欠陥予 測領域検出時の処理の説明図
[図 14]本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置における、メモリを用い た連続欠陥予測領域の検出時の交替処理を説明するフローチャート
[図 15]本発明に係る実施の形態 2の光ディスク記録再生装置における、ストリーム記 録時の連続欠陥領域対応処理の手順を説明するフローチャート
圆 16]本発明に係る実施の形態 2の光ディスク記録再生装置における、複数の記録 層を備えた情報記録媒体での連続欠陥予測領域の割り当て方法の一例を示す説明 図
圆 17]本発明に係る実施の形態 3の光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック 図
圆 18]本発明に係る実施の形態 3の光ディスク記録再生装置における、連続欠陥判 定処理の手順を説明するフローチャート
圆 19]本発明に係る実施の形態 3の光ディスク記録再生装置における、連続欠陥領 域登録の手順を説明するフローチャート
[図 20]—般的な光ディスクの領域を示す構成図
[図 21]—般的な光ディスクのデータ構造の説明図
[図 22]—般的な光ディスクでの物理アドレスと論理アドレスの関係を示す説明図 [図 23]—般的な光ディスクのディスク断面構造を示す説明図
[図 24]光ディスクに混入した気泡に関する概略説明図
[図 25]複数の記録層を有する光ディスクに存在する気泡に関する概略説明図 発明を実施するための最良の形態
[0066] 以下、本発明に係る好適な実施の形態の光ディスク記録再生装置を用いて欠陥管 理方法および欠陥管理装置について添付の図面を参照しつつ説明する。
[0067] なお、以下の各実施の形態の光ディスク記録再生装置にお!/、ては、情報記録媒体 として光ディスク、特に、 BD (Blu-ray Disc)を例に説明する。
[0068] [実施の形態 1]
光ディスク記録再生装置において、上位制御装置から情報記録媒体への記録 '読 み出し処理要求に対しては、大別して通常処理 (以下、 PC処理と略称)とストリーム処 理のいずれかの処理が実行される。 PC処理とは、簡単に言えば、スペア領域のよう な交替先への交替記録を行う処理、または交替先力 の読み出しを行う処理であり、 データの信頼性が要求される PC (パーソナルコンピュータ)などで広く用いられる方 法である。一方、ストリーム処理とは、スペア領域のような交替先への交替記録、およ び交替先からの読み出しを行わない処理であり、処理のリアルタイム性が求められる レコーダ装置などで広く用いられる方法である。
[0069] 本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置においては、 PC処理の場合 について説明する。
[0070] (1)光ディスク記録再生装置の構成
図 1は、本発明に係る実施の形態 1の光ディスク記録再生装置 100の構成を示す ブロック図である。
[0071] 光ディスク記録再生装置 100は、上位制御装置(図示せず)に IZOバス 170を介し て接続されている。上位制御装置としては、例えば、ホスト装置であるホストコンビュ ータである。
[0072] 光ディスク記録再生装置 100は、該光ディスク記録再生装置 100全体の制御を行う システム制御部 110と、メモリ部 120と、光ディスク 1を回転させるモータ部 130と、光 ピックアップ部 140と、データバッファ 150と、欠陥リスト情報格納バッファ(以下、 DFL 情報格納バッファと略称) 160と、を機能的に備えている。メモリ部 120はシステム制 御部 110が制御を行う際に使用する各種情報を一時的に記憶して 、る。モータ部 13 0は光ディスク 1に対してデータの記録、読み出しを行うために光ディスク 1を回転さ せる。光ピックアップ部 140は回転している光ディスク 1のトラック 2に沿ってレーザビ 一ムスポットを照射することによりデータを記録し、光ディスク 1へレーザビームスポット を照射することにより得られた光ディスク 100からの反射光を読み出してデータに変 換する等の役割を有する。データバッファ 150は記録及び読み出しのデータを一時 的に格納する。 DFL情報格納バッファ 160は光ディスク 1の欠陥位置や交替先などに 関する情報である欠陥リスト (以下、 DFLと略称)の最新の情報を保持する。
[0073] システム制御部 110は、回路的にはマイクロプロセッサー等により構成されており、 プログラムによって、ホスト制御部 111、機構制御部 112、論理記録再生部 113、お よびデータキャッシュ部 114で代表される機能ブロックに分かれて動作する。ホスト制 御部 111は、上位制御装置からの命令を処理する。機構制御部 112はモータ部 130 と光ピックアップ部 140などの光ディスク記録再生装置 100に備えられた各種機構を 制御している。機構制御部 112は、光ピックアップ部 140の光ピックアップを目的位 置へ移動(シーク)させ、光ディスク 1へのデータの記録処理、または読み出し処理を 制御する。論理記録再生部 113は、 DFL情報格納バッファ 160に格納された DFL等 の情報を管理し、上位制御装置力 記録要求、または読み出し要求された論理アド レス (LSN)を実際の光ディスク 1上のアクセス対象アドレス (PSN)に変換するなどの制 御を行う。データキャッシュ部 114はデータバッファ 150中の記録データおよび読み 出しデータを管理する。
[0074] ここで、 DFL情報格納バッファ 160を用いた光ディスク 1の欠陥位置や交替先など に関する情報の管理方法について簡単に説明する。
[0075] 光ディスク 1が光ディスク記録再生装置 100に挿入されると、システム制御部 110は 、モータ部 130等を制御して光ディスク 1を起動させ、光ピックアップ部 140を駆動制
御して、光ディスク 1に記録された光ディスク 1の現在の状態を示す欠陥リスト (DFL) 等のディスク管理情報を読み出す。光ディスク 1から読み出された DFLのディスク管 理情報は、 DFL情報格納バッファ 160に格納される。
[0076] 以降、起動中の光ディスク 1に対する記録処理または読み出し処理が行われるが、 その際に論理記録再生部 113は、 DFL情報格納バッファ 160に格納されて 、る DFL の情報である DFLデータを用いて処理を行う。
[0077] 記録処理または読み出し処理において、新たに欠陥ブロックが検出された場合等 には、論理記録再生部 113がその欠陥位置および交替処理に関する情報を交替ェ ントリとして生成する。交替エントリとして生成されたデータは、 DFL情報格納バッファ 160中で管理されている DFLデータ中に登録されて、最新の DFLデータが作成され る。
[0078] 実施の形態 1の光ディスク記録再生装置 100において、欠陥ブロックの検出とは、 例えば、記録を行う位置 (ブロック)へ記録を行おうとした場合にトラッキング異常が発 生して記録に失敗したとき、正しく記録できたかの読み出し確認 (Verify)を含む記録 処理 (Write & Verify)の確認処理 (Verify)で、記録データが正しく読み出せなかった ときなどの場合である。即ち、欠陥ブロックの検出とは、記録対象のブロックへの記録 要求に対して正しく記録が出来な力つた場合に当該ブロックを欠陥ブロックとして判 断するという意味である。
[0079] 上記のように、光ディスク 1に関する最新の DFLデータは DFL情報格納バッファ 160 に格納される。光ディスク 1の起動を停止する時など、光ディスク 1が光ディスク記録 再生装置 100から排出される前の任意のタイミングにおいて、システム制御部 110は 、 DFL情報格納バッファ 160に格納された最新の DFLデータが光ピックアップ部 140 を制御して光ディスク 1の欠陥管理領域へ DFLとして記録される。このように、光ピック アップ部 140を制御して光ディスク 1の欠陥管理領域へ DFLとして記録することにより 、光ディスク 1にお 、て最新の DFLデータが反映される。
[0080] 以降の説明においては、例えば、交替エントリを DFLへ登録するという意味は、交 替エントリを DFL情報格納バッファ 160中に格納されている最新の DFLデータ中に登 録 (挿入)すると 、う意味と同じである。
[0081] (2)連続欠陥領域判定方法
次に、光ディスク記録再生装置 100が気泡混入のような連続欠陥領域を予測判定 する方法について説明する。
[0082] 連続欠陥領域は、記録処理がある程度連続して失敗し、且つ複数のブロックにお いて記録処理を失敗した(=欠陥領域が検出された)場合に、気泡のような連続欠陥 が存在する可能性が高いと予測判定することができる。このような予測判定は、より多 くの (広 、範囲への)記録処理結果、即ち広 、範囲に対する記録処理結果を用 、る ほど、より精度の高い予測判定を行うことができる。逆に、判定材料としての記録処理 結果の情報が少ないほど誤判定を行う可能性が高くなる。
[0083] しかし、予測判定に求められるのは、ある程度の精度を確保して、できるだけ早く連 続欠陥領域を予測判定することである。時間をかけて多くの領域に対する記録処理 結果を用いようとすると、欠陥領域に対する交替記録が多発する結果となり、前述し たようなタイムアウトが発生するという問題が解決することができない。このため、精度 の高さと処理の速さのバランスをとつて連続欠陥領域を予測判定することが重要とな る。
[0084] 以下、気泡が混入した領域、即ち異物により侵された領域の特性について簡単に 説明する。
前述したように、気泡が約 100 mの大きさ、つまり約 300トラックに跨って円形に 存在し、気泡が混入したブロックは、トラッキングサーボが機能せずに、ディスク製造 時にトラックに沿って埋め込まれている ADIP'AUNといった物理アドレス情報すら読 めない状態となる可能性がある。さらに、そのような光ディスク 1においては、次のプロ ックにアクセスできない場合がある。結局、複数のトラックに跨って周期的にほぼ同じ 位置 (即ち、径方向において同じ位置)に連続して欠陥ブロックが存在することになる 。より具体的には、そのような光ディスク 1は、ほぼトラック 1周毎に欠陥ブロックが存在 する。このように、気泡が混入した領域を有する光ディスクにおいては、周期的に欠 陥ブロックが存在する。
[0085] し力し、光ディスク記録再生装置 100においては、前述したように、あるアドレスのブ ロック 3へアクセスする場合には、一般的にアクセス位置への同期化が行われる。より
具体的には、アクセス対象のブロックに対して、その数ブロック前(例えば 1〜2ブロッ ク前)のアドレスを目指して光ピックアップを移動(シーク)させる。そして、光ピックアツ プは光ディスク 1の回転を利用して、以降のトラックに沿ってトラッキングをさせた状態 を維持しつつ、対象となるアドレスのブロックへ到達する。このため、仮にアクセス対 象のブロック自体が気泡に侵されていなくとも、その数ブロック前までのブロック中に 気泡が混入した欠陥ブロックが存在した場合には、アドレス取得ができず、あるいは 意図しな!、領域にジャンプ(これをアブノーマルジャンプ、と言う)してしまうと!、つたト ラッキング異常の現象が発生する。このため、指定したアドレスのブロックまで光ピック アップが迪り着けず (アクセスできず)、結果としてアクセス対象のブロックが欠陥であ ると判定される場合が多々生じる。
[0086] 上記のように、指定されたブロックへアクセスをする場合、その数ブロック前のアドレ スを目指してシークを行うのは、アクセス対象の光ディスクの回転速度と、光ピックアツ プ自体の移動速度とに差があるためである。直接目的のアドレスにアクセスしょうと制 御した場合、 目的のアドレスを行き過ぎてしまうなどの問題が生じ、制御が非常に困 難である。
[0087] したがって、光ディスク 1に気泡が存在する場合には、光ディスク 1の径方向に連続 して欠陥ブロックが存在することにカ卩えて、周方向にも数ブロック連続して欠陥ブロッ クが存在すると判断される場合が多い。
[0088] また、ブロックへのデータの記録は、欠陥管理機能を備える光ディスク 1の場合、一 般的に記録と確認 (Write & Verify)という処理が採用される。この処理は、対象ブロッ クに対してデータを記録 (Write)した後、そのブロック力 データを読み出して、記録 しょうとしたデータが正しく記録できて 、る力否かを確認 (Verily)する処理である。
[0089] 例えば、指紋が付着したことに起因する欠陥は、その指紋による汚れの度合いにも 左右されるが、一般的にそのブロックへの記録は正しく行えるものの、正しくデータを 読み出すことができずに確認でエラーとして判定されることが多い。一方、対象とする アドレスが気泡の混入したブロックの場合には、アドレスを取得できな 、ことなどの原 因により記録すらできず、記録でエラーと判定されやす 、と 、う特徴がある。
[0090] また、追記型メディアやストリーム記録などでは、記録処理は記録と確認 (Write & V
erify)の処理でなぐ記録 (Write)のみを行うと 、う方法も多く採用されて 、る。この場 合も上記と同様に、指紋が付着したブロックへの記録の場合には成功する可能性が 高いものの、気泡の場合には失敗する可能性が高い。
[0091] さらに、気泡に起因するブロックに対して記録に失敗した場合の記録エラー (Write error)の要因は、ある程度限定される。つまり、このような場合の記録エラーの要因は 、前述したようなアドレス取得ができない場合、若しくはトラッキング異常 (アブノーマ ルジャンプ)の場合等がほとんどである。
その理由は、気泡が指紋等のように平面的に遮光性のある欠陥ではなぐ立体的 で透明性のある欠陥だ力もである。つまり、指紋が単にトラックに照射される光の一部 を減衰させるに止まるのに対し、気泡はそのレンズ効果により光の光軸そのものを曲 げるものである。その結果、気泡の混入はトラッキングエラー信号を単に減衰させるの ではなぐトラッキングエラー信号を不規則に歪ませ、トラッキング制御を乱す力もであ る。
[0092] 以上から、光ディスク 1において気泡の混入に起因して欠陥ブロックとなる場合には 、次のような特徴が挙げられる。
(A)記録 (Write)、若しくは記録と確認 (Write & Verify)の記録で失敗する場合、
(B)記録エラー (Write error)の要因は、アドレスを取得できない(アドレス取得 NG) 場合、或 、はアブノーマルジャンプに代表されるサーボトラッキング異常が発生する σ、
(C)径方向に連続して欠陥ブロックが存在する場合、および。
(D)周方向に連続して欠陥ブロックが存在する場合。
[0093] そこで、気泡混入に起因して欠陥ブロックとなる場合の上記の特徴を考慮して、実 施の形態 1においては、検出された欠陥ブロックが以下に示す条件のうちのいずれ かの条件を満たした場合には、当該光ディスク 1には気泡が存在すると予測判定する 即ち、記録エラーによる欠陥であって、エラー要因がアドレス取得 NG、若しくはトラ ッキング異常であり、該欠陥ブロックを含んだ前方、または後方、若しくは前後ブロッ クに対して以下の i)または ii)の条件を満たした場合、当該光ディスク 1には気泡が存
在すると予測判定する。ここで、該当ブロックの前方とは、光ディスク 1の回転に伴い 光ピックアップが光ディスクのトラックをトレースしていく方向において該当ブロックに 対してトレース済みのブロックの方向を言い、後方とは該当ブロックに対して未だトレ ースをして!/、な!/、ブロックの方向である。
[0094] i)径方向に連続して N個(Nは 1以上の正数)の欠陥ブロックを検出した場合、また は
ii)周方向に連続して M個(Mは 1以上の正数)の欠陥ブロックを検出した場合。 本発明に係る実施の形態 1においては、 N、 Mの正数をそれぞれ 3とし、前方に連 続した場合を例にとって以下に説明するが、本発明はこの例に限定されるものでは ない。
[0095] また、上記の予測判定方法により気泡混入などに起因する連続欠陥領域であると 予測した領域のことを、以下においては連続欠陥予測領域と略称する。
DFL (欠陥リスト)に登録された交替エントリを用いて、上記の i)および ii)の条件によ り連続性の判定を行う。つまり、該欠陥ブロックのアドレスの径方向、若しくは周方向 の 1ブロック前のブロックのアドレスを交替元とする交替エントリが存在するか否かの 判定を行う。以下において、前方に連続した場合を例に取って説明を行うのは、シー ケンシャル記録のような連続記録が行われる場合を想定したためである。
[0096] なお、連続性の判定に DFLを用いるのでは無ぐ例えばシーケンシャル記録の場合 に重点をおいて、所定数分の欠陥ブロック情報をメモリ部 120に保持しておき、その 情報のみを用いて連続性の確認を行うと 、う方法等を用いても良 、。
[0097] 記録エラーによる欠陥か否かの判定、またはエラー要因の確認については、実施 の形態 1においては、今回欠陥と判定された欠陥ブロックに対してのみ行う。連続性 を確認するための前後のブロックに関しては、その欠陥要因の確認は行わない方法 を用いる。これは、連続性を確認するために使用する DFLの交替エントリに、そのよう な情報を備えていないことを前提としたためである。しかし、例えば、連続性の判定に 用いる情報中に欠陥要因情報等を備え、連続性を判断するために用いる前後のブ ロックに対しても欠陥要因を含めて判断するという方法等を用いても良い。または、交 替エントリ自身に欠陥要因情報を備えても良い。
[0098] ここで、 N、 Mをそれぞれ 3とする理由について簡単に説明する。これらの数値は、 本発明が解決することを目的としているタイムアウトを発生させないことを考慮した数 値である。特に、タイムアウトまで 7. 5禾少のホストコンピュータにおいてタイムアウトに かからな!/、ように定めた数値である。
[0099] さらに周方向の連続数 M = 3というのは、光ディスク記録再生装置のシーク処理の 特性を考慮したものである。つまり前述したように、あるブロックへのアクセスを行う場 合には、アクセス位置の同期化を行う為、一般的にそのブロックの 1〜2ブロック前の アドレスをターゲットとしてシーク処理を行い、そのままトラックに沿ってサーボを保ち ながら目的ブロックへアクセスするという処理を行う。このため、仮に目的ブロックが気 泡混入の影響を受けている場合でも、 目的ブロックだけでなぐその 1〜2ブロック後 に続くブロックも欠陥として判定される可能性が高いことを考慮したものである。
[0100] また、径方向の連続数 N = 3というのも、アブノーマルジャンプが発生した際に実際 にジャンプする可能性があるトラック数などを考慮した数値である。
なお、上記の判定予測方法において示した数値はあくまで一例であり、同様の効 果を得ることができれば良ぐ本発明はこれらの数値に限定されるものではない。
[0101] なお、連続欠陥領域であると判定する方法としては上記の方法に限ったものではな い。例えば、気泡が光ディスク 1の内周側に存在する場合、内周側の 1トラックが 2ブ ロックで構成されるため、基本的にほぼ全てのクラスタが連続して欠陥と判定される。 また、気泡が光ディスク 1の外周側に存在する場合、外周側の 1トラックが 5ブロックで 構成されるため、 5ブロックのうちの数ブロックへは正常にアクセスできる可能性があり 、各トラックで 2ブロックが連続した欠陥として、径方向に連続して存在する場合もある 。このため、欠陥ブロックが存在するトラックに含まれるブロックの数に応じて、上記判 定方法における条件の組み合わせや連続数などを制御するという方法も有効である
[0102] その他の判定方法としては、例えば光ピックアップ部 140から得られたアドレス、再 生データ等の各種信号の状態を判定条件に加えても良い。さらに、光ディスク 1に対 して記録 '読み出し用のビームとは異なる特殊なビームを照射して、その反射光から 表面の凹凸等の状態を割り出すことにより、予め気泡が存在する位置を発見するとい
つた方法でも良い。
[0103] なお、前述した判定方法、判定条件等については、気泡混入をターゲットとして設 定したものであり、これらの条件等を変えることにより、気泡以外の広範囲に跨るよう な欠陥に対応することも可能である。
また、前述した判定方法、判定条件等については、気泡混入をターゲットとして設 定したものである力 本発明は気泡混入だけをターゲットに限って処理するものでは ない。つまり、例えば、強い傷など気泡混入以外の欠陥でこの条件に合致した場合 でも、同様に連続欠陥予測領域として扱う。
[0104] (3)連続欠陥予測領域の特定
前述の(2)連続欠陥領域判定方法によって連続欠陥領域が存在すると判定された 場合、判定基準とした欠陥ブロックの次のブロック (または判定基準とした欠陥ブロッ ク)を先頭として、以降に存在する所定トラック数分の領域(=連続欠陥予測領域)に 含まれる全てのブロックを一括して欠陥ブロックとして扱う。そして、これらの連続欠陥 予測領域への記録要求は、全て交替先へ交替記録するように制御される。
[0105] 本発明に係る実施の形態 1における所定トラック数分としては、気泡のサイズ (直径 )である 100 m相当のトラック数を基準に算出し、 320トラック分とする。なお、 1つの トラックに含まれるブロックの個数は、ディスクの内周側と外周側等の位置によって異 なる。そのため、連続欠陥予測領域に含まれる総ブロック数も、その領域が存在する 位置によって変化することになる。実施の形態 1では、総ブロック数として、連続欠陥 予測領域の先頭ブロックが存在するトラックに含まれるブロック数に、総トラック数であ る 320を乗算して求めたブロック数とする。
[0106] なお、実施の形態 1においては、気泡のサイズを 100 mとして説明する力 気泡 混入による影響を受けて欠陥と判定される領域のサイズは、約 300 m前後となる場 合がある。このサイズを気泡のサイズとして用いても良い。即ち、実施の形態 1におい て説明した気泡のサイズが 100 mであり、それに影響を受けるトラック数が 320トラ ックである、という数値はあくまで一例である。例えば、気泡のサイズが 100 mでは なぐ 300 mでも良い。また、前述の(2)連続欠陥領域判定方法において連続欠 陥予測領域の大きさを判定する機能を持たせるなどによって検出された予測サイズ
等に応じて、欠陥と判定される領域を可変としても良い。
[0107] なお、実施の形態 1にお 、て、連続欠陥予測領域の総ブロック数として、連続欠陥 予測領域の先頭ブロックが存在するトラックに含まれるブロック数に、求めた総トラック 数を乗算する方法で説明したが、例えば、各トラックに含まれる欠陥ブロックの個数を 加算して求める方法、あるいは連続欠陥予測領域の最終トラックに含まれるブロック 数に総トラック数である 320を乗算して求める方法でも良い。
[0108] なお、上記の説明では、判定基準としたブロック以降の所定範囲を連続欠陥予測 領域として設定する方法で説明を行ったが、連続欠陥予測領域とみなす領域は必ず しも判定基準としたブロック以降のブロックである必要はない。つまり、判定基準とした ブロックを基準にしてその前後の所定範囲を連続欠陥予測領域としてみなすという方 法も効果的である。図 2は、連続欠陥予測領域の算出方法の例を示した説明図であ る。
[0109] 具体的には、例えば連続 (シーケンシャル)記録を行っている最中に前述の(2)連 続欠陥領域判定方法によって連続欠陥領域であると判定された場合、判定対象の ブロックに至るまでは正常に記録が行えたということである。この場合、気泡混入によ り連続欠陥の可能性があるのは、判定基準としたブロック以降の領域であり、上記で 説明したように判定基準としたブロックより後の所定範囲を連続欠陥予測領域として みなせば良い。
[0110] 一方、ランダム記録を行っている最中に前述の(2)連続欠陥領域判定方法によつ て連続欠陥領域であると判定された場合、シーケンシャル記録の場合と違って、どの 領域が正常に記録できた領域かは特定できない。このため、判定基準としたブロック を基準として、その前後の所定範囲を連続欠陥予測領域とみなすという方法を用い る。このように、ランダム記録の場合には、判定基準としたブロックを基準としてその前 後の所定範囲を連続欠陥予測領域としてみなせば良い。
[0111] なお、連続欠陥予測領域の別の特定方法としては、光ディスク 1に対して実際にトラ ッキングを行って気泡が混入して 、る力否かを検査し、その検査結果にぉ 、てエラー と判定されたサイズ分を連続欠陥領域のサイズとする方法がある。
[0112] (4)連続欠陥予測領域検出時の対応方法
図 3は、欠陥が連続して存在する領域に対して、従来の手法で記録処理を行った 場合の動作手順を簡単に説明した図である。なお、図 3においては、本来セクタ単位 に割り当てられる PSN、 LSNを、説明簡略ィ匕のために、ブロック単位で割り振った形で 説明を行う。また、以下の説明においては、図 21において説明したユーザデータ領 域 14、スペア領域 15 (内周スペア領域 15Aおよび外周スペア領域 15B)を用いる。
[0113] 図 3において、物理アドレス(PSN)で示されるブロック番号: Uと U+ 1のブロックが 気泡混入の影響を受けて欠陥ブロックとなっている。それぞれの欠陥ブロック (U、 U + 1)の交替先として使用可能なスペア領域 15 (図 3においては、外周スペア領域 15 B)がブロック番号: Sと S + 1である。以下、それぞれを交替記録する場合を例に説明 する。
[0114] 連続した欠陥ブロック (U、 U+ 1)に対して連続して記録処理を行う場合の動作手 順を図 3において番号を付して説明する。
[ 1 ]ユーザデータ領域 14中のブロック: Uへ記録するが、失敗。
[2]外周スペア領域 15B内のブロック: Sを交替先として割り当てて、交替記録のた め移動(シーク)。
[3]交替先のブロック: Sへ記録 (成功)。
[4]次の記録先であるユーザデータ領域 14中のブロック: U+ 1へ移動。
[5]ユーザデータ領域 14中のブロック: U+ 1へ記録する力 失敗。
[6]外周スペア領域 15B内のブロック: S + 1を交替先として割り当てて、交替記録 のため移動(シーク)。
[7]交替先のブロック: S + 1へ記録 (成功)。
[0115] 以上の手順により連続した欠陥ブロック (U、 U+ 1)に関する連続した記録処理が 行われる。
さらに、欠陥ブロックが連続する場合には、上記の処理が繰り返される。この場合、 交替記録に伴って、ユーザデータ領域 14とスペア領域 15 (この場合は外周スペア領 域 15B)との記録位置間の移動 (シーク)が頻繁に行われる結果となり、多大な処理 時間を要することになる。
[0116] このような移動 (シーク)が多発することを回避するため、(2)連続欠陥領域判定方
法にぉ 、て述べた予測判定方法にお!、て、気泡のような連続欠陥領域が存在すると 予測した場合、その領域の代わりに、予め欠陥交替用の領域であるスペア領域内の ブロックを連続して交替先として割り当て (置き換え)ておく。そして、以降発生する連 続欠陥領域であると予測した領域への記録要求に対しては、その連続欠陥領域へ のアクセス (記録処理)は行わず、全て交替記録先であるスペア領域 15に対して連 続して記録処理を行うように制御する。このように制御することにより、欠陥ブロックを 検出するたびにユーザデータ領域 14からスペア領域 15へ交替記録する場合と比べ て、処理時間を大幅に短縮ィ匕することができる。
[0117] 一方、 BD-REのような書換え型メディアの場合には、気泡と予測して交替先を割り 当てようとした範囲内には、これより以前に既に記録に成功してデータを有するブロッ クが存在することがありうる。そのため、気泡混入と予測して交替先を割り当てたプロ ックにおいて、次に記録要求が来た場合には交替先として割り当てたスペア領域 15 へ記録するが、記録要求が来る前に再生要求が来た場合には交替先ではなぐ交 替元のブロックを読み出すように制御する必要がある。
[0118] 以上の条件を満たしつつ、連続欠陥領域の代わりに欠陥交替用のスペア領域 15 を割り当てる方法について、具体的に説明する。
気泡混入に起因する連続欠陥領域の交替先としてスペア領域 15を割り当てる方法 としては、以下のようなスペア領域割り当て方法がある。
[0119] 1)実記録実施前に予め欠陥リスト(DFL)に交替エントリとして登録する。
2)連続欠陥領域の位置情報をメモリ部 120 (図 1参照)等に記憶しておき、その領 域内への記録要求に対して、記録先アドレスをスペア領域 15内のアドレスに意図的 に変換する。
[0120] ここで、交替先として割り当てるスペア領域 15が図 21に示したように複数存在(内 周スペア領域 15Aと外周スペア領域 15B)するような場合、交替先として割り当てるス ペア領域 15を決定する際の考え方について説明する。
[0121] なお、スペア領域 15を決定する際の考え方としては、連続欠陥予測領域の交替先 として、連続したブロックを割り当てることが出来るスペア領域 15を交替先として使用 することである。即ち、前述したように、交替先への連続アクセスが可能となるように、
交替先ブロックを連続して割り当てられることが最優先である。
[0122] しかし、いずれのスペア領域 15も、連続欠陥予測領域分の交替先ブロックを連続し て割り当てることが出来ないような状態の場合が考えられる。このような場合には、最 も連続したブロックを割り当てることが出来るスペア領域 15を交替先ブロックとして使 用し、次に連続したブロックを割り当てることが出来るスペア領域 15を交替先ブロック として割り当てて 、く方法を用いる。
[0123] 以上の考え方に基づいて、使用するスペア領域 15の決定方法としては、下記に示 すような様々な方法がある。
最も一般的な方法としては、欠陥領域にアドレス的に距離が最も近いスペア領域を 使用する方法である。しかし、例えば、最も近いスペア領域の使用可能ブロックが、 割り当てに必要なブロック数に対して少な 、場合、またはスペア領域自身に欠陥が 多い場合など、交替先として連続割り当てが困難な場合には、交替先として連続割り 当てが可能なスペア領域を優先的に採用する。即ち、具体的には、以下に述べるス ペア領域決定方法である。
[0124] a)連続欠陥領域の交替先として、連続的に割り当てが可能なスペア領域を選択す る、という条件にカ卩えて、さらに
bl)連続欠陥領域とのアドレス距離が近いスペア領域を選択する、および c)スペア領域自身における欠陥ブロックが少な!、スペア領域を選択する、 という条件に最も合致するスペア領域を交替先のスペア領域として決定する方法で ある。ここで、スペア領域自身に欠陥が多い場合は、そのスペア領域を気泡混入検 出時の交替先としては使わな 、と 、う方法を用いても良!、。
[0125] 使用するスペア領域 15の別の決定方法としては、スペア領域自身に気泡が存在す る場合である。このような場合に対するひとつの対応方法としては、前述した通り、欠 陥が多!、スペア領域は交替先として割り当てな 、と 、う方法である。
[0126] スペア領域自身に気泡が存在する場合において、ユーザデータ領域 14内におい て検出した気泡力スペア領域に影響を与えている場合も考えられる。このため、別の 対応方法としては、例えば、ユーザデータ領域 14内において検出した気泡がデイス ク外周側の場合には、内周スペア領域 15Aを交替先として使用する。一方、ユーザ
データ領域 14内において検出した気泡がディスク内周側の場合には、外周スペア領 域 15Bを交替先として使用する。このように、連続欠陥領域を検出した位置とは逆側 に存在するスペア領域を交替先として割り当てるという対応方法である。即ち、上記 の a)とじ)は同じ条件であるが、それに加えて
b2)連続欠陥領域とのアドレス距離が遠 ヽスペア領域を選択する、
という条件を入れて、これらの条件に最も合致するスペア領域を交替先のスペア領域 として決定する方法である。
[0127] さらに、図 23に示したように 2層メディアなど複数の記録層 (52, 54)を備えたメディ ァの場合、気泡混入などによって最も影響を受けるのは、気泡が存在する記録層で あるため、連続欠陥領域を検出した層とは別の層に存在するスペア領域を優先的に 交替先として割り当てるという方法が効果的である。即ち、上記の a)と c)は同じ条件 であるが、それに加えて、
[0128] b3)連続欠陥領域を検出した層とは別の層に存在するスペア領域を選択する、 という条件を入れて、これらの条件に最も合致するスペア領域を交替先のスペア領域 として決定する方法である。
[0129] なお、本発明に係る実施の形態 1においては、一番初めに説明した a)、 bl)、 c)の 条件に最も合致するスペア領域を交替先として割り当てる対応方法を用いて以下の 説明を行う。
しかし、割り当てるスペア領域の決定方法は、必ずしも上記に説明したとおりでなく とも良い。具体的には、例えば、スペア領域決定方法における条件の a)に合致する スペア領域にぉ 、て、最も物理アドレスの小さ 、スペア領域を交替先として割り当て ると ヽぅ対応方法でも実現可能である。
[0130] 以下、前述のスペア領域割り当て方法における 1)と 2)の条件によるそれぞれの対 応方法について詳細に説明する。
(4- 1)欠陥リスト (DFL)を用いた対応方法
この対応方法は、 BD-REのような書換え型メディアにおいて有効な方法である。こ の対応方法は簡単に言えば、前述の(2)連続欠陥領域判定方法で示した方法によ つて気泡混入のような連続欠陥領域を検出した場合に、その時点で、連続欠陥予測
領域内のブロックに対して、スペア領域内のブロックを交替記録先ブロックとして割り 当てるために、交替エントリとして DFLに登録する。即ち、図 1に示した DFL情報格納 バッファ 160中の最新の DFLデータを更新する。
[0131] まず、 DFLに含まれる交替エントリにつ 、て簡単に説明する。
図 4は、書換え型光ディスクである BD-RE、および追記型光ディスクである BD-Rに おける、欠陥リスト(DFL)に登録される交替エントリの種類の一例を示す図である。
[0132] 図 4の(1)は交替エントリの構成を示す説明図である。図 4の(1)に示すように、交 替エントリは、エントリ属性 30 (4ビット)、および交替元先頭物理アドレス等を示す第 1 の交替情報 31 (28ビット)、エントリ属性 30の付帯情報であるサブ属性 32 (4ビット)、 および交替先先頭物理アドレス等を示す第 2の交替情報 33 (28ビット)を備えた 8バ イトの情報力 構成される。
[0133] 図 4の(2)は、書換え型光ディスクである BD-REの交替エントリの種類を示す。 BD-
REの交替エントリには、エントリ属性 30として、 RAD、 NRD、 PBA、 UNUSEという属性 が存在する。
[0134] RAD属性とは、単独ブロックの交替を示す属性であり、第 1の交替情報 31として交 替元ブロックの先頭物理アドレス(交替元 PSN)と、第 2の交替情報 33として交替先ブ ロックの先頭物理アドレス(交替先 PSN)が含まれる。 RAD属性には RADOと RAD1力 S 存在する。 RADOは、実際に第 1の交替情報 31の示す交替元ブロックが、第 2の交替 情報 33の示す交替先ブロックへ交替記録されていることを表す。 RAD1は、第 2の交 替情報 33の示す交替先ブロックを、第 1の交替情報 31の示す交替元ブロックのため に割り当てているが、実際にはまだ第 2の交替情報 33の示すブロックに対して交替 記録されていないことを表す。即ち、 RAD1に示された第 2の交替情報 33の示すブロ ックは使用されていない。
[0135] NRD属性とは、交替がなされていない単独欠陥ブロックを示すエントリであり、第 1 の交替情報 31として欠陥ブロックの先頭物理アドレス (欠陥 PSN)のみが含まれる。
[0136] PBA属性とは、欠陥の可能性がある 1ブロック以上の領域を示すエントリであり、第 1 の交替情報 31として先頭物理アドレス (欠陥 PSN)と、第 2の交替情報 33として連続ブ ロック数が含まれる。
[0137] UNUSE属性とは、交替先として使用されるスペア領域中における単独欠陥ブロック を示す属性であり、第 2の交替情報 33として欠陥ブロックの先頭物理アドレス (欠陥 P SN)のみが含まれる。
[0138] 図 4の(3)は、追記型光ディスクである BD-Rの交替エントリの種類を示す。
BD-Rの交替エントリには、エントリ属性 30として、 RAD、 CRD、 NRDという属性が存在 する。
[0139] RAD属性、 NRD属性は、前述の BD-REの場合と同様である。ここで追記型光デイス クである BD-Rの場合、交替元ブロックと交替先ブロックのいずれも一回のみ記録可 能であり、上書きして再使用することができない。このため、 RAD属性とは RADO属性 と同義であり、 RAD1属性は存在しない。
[0140] CRD属性とは、 2ブロック以上の連続ブロックの交替を示すエントリであり、第 1の交 替情報 31として交替元ブロックの先頭物理アドレス(交替元 PSN)と、第 2の交替情報 33として交替先ブロックの先頭物理アドレス(交替先 PSN)が含まれる。 CRD属性には 、連続ブロックの開始位置を示す CRD (0001)と、終端位置を示す CRD (0010)があ り、サブ属性 32によって区別されている。開始位置を示す CRDと終端位置を示す CR Dは必ずペアで存在する。
[0141] 図 5はエントリ属性の CRD属性の具体例を示す交替エントリの図である。図 5の(1) に示すような CRD属性の交替エントリが存在した場合、図 5の(2)に示すように、連続 したブロック aからブロック cが、連続したブロック bからブロック dの位置へ交替記録さ れているということを示す。
[0142] なお、以下の説明にお!/、ては、交替元ブロックの先頭物理アドレスのことを交替元 P SN、および交替先ブロックの先頭物理アドレスのことを交替先 PSNとそれぞれを略称 して説明する。
[0143] ここで、実施の形態 1の光ディスク記録再生装置 100におけるシステム制御部 110 の論理記録再生部 113が行うアクセス情報算出処理の方法について簡単に説明す る。アクセス情報算出処理は、 DFL (欠陥リスト)に含まれる欠陥や交替情報といった ディスク管理情報を用いて、指定された論理アドレス (LSN)を対応する実アクセス物 理アドレス(実アクセス PSN)に変換するアドレス変換処理と、実アクセス PSN以降、連
続して記録 ·読み出し処理可能なブロック数である連続アクセス可能数を算出する連 続アクセス可能数算出処理とを含む。
[0144] まず、アクセス情報算出処理におけるアドレス変換処理について説明する。
当該光ディスク記録再生装置にお 、て、上位制御装置力 アクセス要求された LSN に対応する通常状態の PSNであるオフセット PSN力 DFLの交替エントリにおける交替 元 PSNとして登録されていた場合、論理記録再生部 113は、交替元 PSNが登録され て 、る交替エントリのエントリ属性 30に応じて、実際のアクセス先である実アクセス PS Nを算出する。具体的には、交替先ブロックが割り当てられている場合、つまり RADO 属性や CRD属性の場合には、交替エントリの交替先 PSNとして登録されて 、るァドレ スを実アクセス PSNとして算出する。一方、 NRD属性や PBA属性といった交替先が割 り当てられて 、な 、交替属性の場合には、交替元 PSNをそのまま実アクセス PSNとし て算出する。
[0145] ただし、 BD-REに規定された RAD1属性のみ、他の属性と比べて多少扱いが違う。
RAD1属性は RADO属性と同様に交替先ブロックが割り当てられている力 実際に交 替記録が行われていない。即ち、オフセット PSNと RAD1属性の交替元 PSNとが一致 した場合、それが記録処理用のアドレス変換の場合には、 RADO属性等と同様に割り 当てられた交替先 PSNを実アクセス PSNとして算出する。しかし、読み出し要求の場 合には、 NRD属性等と同様に交替元 PSNをそのまま実アクセス PSNとして算出する。 なお、 RAD1属性の交替先 PSNが示すブロックに対して実際に交替記録を行った場 合、その属性は RAD1属性力も RADO属性に変わる。
[0146] なお、 BD- REに規定された UNUSE属性は、交替先、つまりスペア領域 15における 欠陥ブロックを示す属性であり、オフセット PSNが UNUSE属性に登録されたアドレスと 一致することはありえない。
[0147] 次に、連続アクセス可能数算出処理について、図 6から図 11を用いて説明する。な お、図 6から図 11においては、本来セクタ単位に割り当てられる PSN (物理アドレス) および LSN (論理アドレス)を、説明簡略ィ匕のために、ブロック単位で割り振った状態 で説明する。
[0148] 図 6は、 BD-REのエントリ属性 30において RADO属性が存在する場合を例示したも
のである。
図 6の(1)は、 PSN:Cのブロック力 PSN:Vのブロックに交替記録されている場合を 示している。この場合、 PSN:Aからの連続記録 '読み出し可能ブロック数は、 PSN:C のブロックが交替記録されているので、いずれも 2ブロック(PSN:A、 B相当分)となる 。そして、交替記録された PSN:C力 の連続記録 '読み出し可能ブロック数は 1ブロッ ク(PSN: V相当分)、 PSN: Dからは以降交替記録されたブロックが存在しな!、ため、 ブロック Uまでのブロック数分が連続記録 ·読み出し可能ブロック数として算出される
[0149] 図 6の(2)は、図 6の(1)に示した状態に加えて、さらに PSN:Eのブロックが、 PSN:
Wのブロックに交替記録されている場合を示している。この場合、図 6の(1)の場合と 同様に、 PSN:Aからの連続記録 '読み出し可能ブロック数は 2ブロック(PSN:A、 B相 当分)、 PSN: Cからの連続記録 ·読み出し可能ブロック数は 1ブロック(PSN: V相当分 )である。また、 PSN:Dからの連続記録'読み出し可能ブロック数は、 PSN:Eのブロッ クが交替記録されて 、るため 1ブロック(PSN: D相当分)、 PSN: E力もの連続記録 ·読 み出し可能ブロック数は 1ブロック(PSN:W相当分)となる。
[0150] 図 6の(3)は、図 6の(1)に示した状態に加えて、さらに PSN:Dのブロック力 PSN:
Wのブロックに交替記録されている場合である。この場合、図 6の(1)の場合と同様に 、 PSN:Aからの連続記録 '読み出し可能ブロック数は 2ブロックとなる。連続したブロッ クである PSN:C、 Dのブロックは、それぞれ連続したブロックである PSN:V、 Wのブロ ックへ交替記録されて 、るため、 PSN: C力 の連続記録 ·読み出し可能ブロック数は 2ブロック (PSN:V、 W相当分)として算出される。 PSN:Eからの連続記録 ·読み出し可 會なブロック数は、ブロック Uまでのブロック数分となる。
[0151] 上記のように、連続アクセス可能数算出処理においては、連続した交替元ブロック が連続した交替先ブロックへ交替記録されているような場合、連続記録'読み出し可 能ブロック数を算出する。これにより交替先へアクセスする場合のアクセスパフォーマ ンスを向上させることができる。
[0152] 図 7は、 NRD属性または PBA属性に対する連続アクセス可能数算出処理の例として 、 NRD属性が存在した場合を例示したものである。
[0153] 図 7の(1)は、 PSN: Cのブロックが欠陥ブロックである力 交替記録されず、交替先 も割り当てられて!/、な 、場合である。この場合の連続記録 ·読み出し可能ブロック数 の算出方法としては次の 2通りの方法がある。
[0154] 1)交替記録されていないので、欠陥ブロックを気にせずそのまま連続アクセス可能 と判断して連続記録 ·読み出し可能ブロック数を算出する。
2)欠陥ブロックが存在するため、その欠陥ブロックだけ独立して連続アクセス可能 と判断して連続記録 ·読み出し可能ブロック数を算出する。
[0155] 上記の 1)の算出方法は、欠陥ブロックへの記録 ·読み出しを失敗する可能性があ る力 失敗したときはそのブロックでー且処理が止まるため、連続アクセス可能サイズ としては欠陥であることを考慮せずに算出するという考え方である。この算出方法を 用いた場合、 PSN:Aからの連続記録'読み出し可能ブロック数は、ブロック Uまでの ブロック数分となる。
[0156] 一方、上記の 2)の算出方法は、欠陥ブロックへの記録 ·読み出しは失敗する可能 性が高いため、欠陥ブロックへのアクセスと通常ブロックへのアクセスとは連続させな いという考え方である。したがって、 2)の方法を用いた場合、 PSN:Aからの連続記録 •読み出し可能ブロック数は 2ブロック(PSN:A、 B相当分)、 PSN: Cからの連続記録 · 読み出し可能ブロック数は 1ブロック(PSN: C相当分)、 PSN: Dからはブロック Uまでの ブロック数分を連続記録 ·読み出し可能ブロック数として算出する。
[0157] 図 7の(2)は、図 7の(1)に示した状態に加えて、さらに PSN: Dのブロックが欠陥ブ ロックである力 交替記録されず、交替先も割り当てられていない場合である。
図 7の(2)に示した状態において、図 7の(1)に示した状態の場合と同様に、上記 の 1)の算出方法を用いた場合は、 PSN: A力 の連続記録 ·読み出し可能ブロック数 は、ブロック Uまでのブロック数となる。
[0158] 一方、上記の 2)の算出方法を用いた場合は、欠陥ブロックが連続していても、どち らのブロックも記録 ·読み出しを失敗する可能性が高いため、それぞれの欠陥ブロッ クに対して独立してアクセスするという考え方である。したがって、 2)の算出方法を用 いた場合、 PSN:Aからの連続記録 '読み出し可能ブロック数は 2ブロック(PSN:A、 B 相当分)、 PSN: Cからの連続記録 ·読み出し可能ブロック数は 1ブロック(PSN: C相当
分)、 PSN: D力 の連続記録 ·読み出し可能ブロック数も 1ブロック(PSN: D相当分)、 PSN: Eからはブロック Uまでのブロック数分を連続記録 ·読み出し可能ブロック数とし て算出する。
[0159] 図 8は、 BD-REのエントリ属性において RAD1属性が存在する場合を例示したもの である。 RAD1属性への連続アクセス可能数算出処理は、記録処理時は RADOと同 様であり、読み出し処理時は NRD .PBA属性と同様であり、記録処理時と読み出し処 理時とで制御方法 (算出する実アクセス PSN)が変わることが特徴である。
[0160] 図 8の(1)は、 PSN: Cのブロックの交替先ブロックとして、 PSN:Vのブロックが割り当 てられて!/、るが、交替記録はなされて 、な 、場合である。
図 8の(1)に示す状態の場合、 PSN: Cのブロックの交替記録先として PSN:Vのブロ ックが割り当てられているので、連続記録可能ブロック数は、 PSN:Aからは 2ブロック( PSN:A、 B相当分)となる。そして、交替先ブロックが割り当てられている PSN:じから の連続記録可能ブロック数は 1ブロック(PSN:V相当分)、 PSN: Dからは以降交替記 録されたブロックが存在しな 、ため、ブロック Uまでのブロック数分を連続記録可能ブ ロック数として算出する。
[0161] 一方、連続読み出し可能ブロック数は、 PSN: Cのブロックが交替記録されていない ので、前述の NRD'PBA属性の場合と同様である。したがって、上記の 1)の算出方法 を用いた場合には、 PSN:Aからの連続読み出し可能ブロック数は、ブロック Uまでの ブロック数分となる。上記の 2)の算出方法を用いた場合には、 PSN:A力もの連続読 み出し可能ブロック数は 2ブロック(PSN:A、 B相当分)、 PSN: Cからの連続読み出し 可能ブロック数は 1ブロック(PSN : C相当分)、 PSN: Dからはブロック Uまでのブロック 数分を連続読み出し可能ブロック数として算出する。
[0162] 図 8の(2)は、 PSN: Cのブロックの交替先ブロックとして、 PSN: Vのブロックが割り当 てられている力 交替記録はされていない場合であり、さらに PSN: Dのブロックの交 替先ブロックとして PSN :Wのブロックが割り当てられて!/、るが、交替記録はされて!、な い場合である。
[0163] 図 8の(2)に示す状態の場合、 PSN: C、 Dのブロックの交替記録先として PSN: V、
Wのブロックが割り当てられているので、連続記録可能ブロック数は、 PSN:Aからは 2
ブロック(PSN :A、 B相当分)となる。さらに、連続したブロックである PSN : C、 Dのブロ ックに対して、それぞれ連続したブロックである PSN:V、 Wのブロックが交替記録先と して割り当てられて!/、るため、 PSN: Cからの連続記録可能ブロック数は 2ブロック(PS N :V、 W相当分)として算出する。 PSN :E力もの連続記録可能ブロック数は、ブロック Uまでのブロック数分となる。
[0164] 一方、連続読み出し可能ブロック数は、 PSN: C、 Dのブロックは交替記録されてい ないので、前述の NRD.PBA属性の場合と同様である。上記の 1)の算出方法を用い た場合には、 PSN:A力 の連続読み出し可能ブロック数は、ブロック Uまでのブロック 数分となる。上記の 2)の算出方法を用いた場合には、 PSN: Aからの連続読み出し可 能ブロック数は 2ブロック(PSN :A、 B相当分)、 PSN: C力もの連続読み出し可能ブロ ック数は 1ブロック(PSN: C相当分)、 PSN: Dからの連続読み出し可能ブロック数も 1ブ ロック(PSN: D相当分)、 PSN :Eからはブロック Uまでのブロック数分を連続読み出し 可能ブロック数として算出する。
[0165] 以下、追記型光ディスクである BD-Rでの連続アクセス可能数算出処理についても 簡単に説明する。
図 9は、 BD-Rにおいて CRD属性が存在する場合を例示したものである。この例で は、 PSN : Bから PSN: Dのブロックが連続して、 PSN:Vから PSN:Xのブロックに交替記 録されている。
[0166] ここで、 BD-Rの領域構造について簡単に説明する。図 10は、追記型光ディスクで ある BD-Rの領域構造を示す図である。 BD-Rのような追記型メディアの場合は、 SRR( Sequential Recording Range)と呼ばれるある記録範囲に分割され、その記録範囲内 において追記記録する。次の記録開始位置は、 NWA (Next Writable Address)で示 される未記録先頭位置からとなる。具体的には、図 10の場合、 SRR# 1の NWAは PSN : Eのブロック先頭、 SRR# 2の NWAは PSN:Iのブロック先頭となる。また追記型メディ ァであるため、連続記録可能ブロック数は、 NWA位置力もその SRR終端までの未記 録ブロック相当数分となる。図 10の例の場合には、 SRR# 1にぉぃてはPSN:Eのブロ ック力 、 PSN: Gのブロックまでのブロック数分となる。追記型メディアであるため、記 録開始位置である NWA以降で、その SRR内に記録済みのブロックが存在することは
無い。そのため当然、該当するブロックが欠陥リスト(DFL)に登録されていることも無 い。また、連続記録可能ブロック数は、書換え型メディアである BD-REのように DFLの 内容によって左右されることは無 、。
[0167] なお、 BD- Rには、擬似 OW (Over Write)と呼ばれる機能も用意されている。この擬 似 OWは、本来 NWAの示す位置から追記することしかできな 、追記メディアに対して 、記録済みの領域に対する上書きを論理的に可能とする仕組みである。より具体的 には、記録済みの領域に対する再記録要求が来た場合、そのブロックを交替元 (第 1 の交替情報 31)、 NWAが示す位置を交替先 (第 2の交替情報 33)とした交替エントリ を DFLに登録し、 NWAが示す位置に対して交替記録を行うものである。このように処 理することにより、読み出し時には交替エントリが示す交替先ブロックを読み出すこと になるため、仮想的に上書きしたように見せることができる。ただし、この場合にも、連 続記録可能ブロック数は、 NWA位置力もの追記の場合と同じである。
[0168] 一方、連続読み出し可能ブロック数は、 SRRにおける記録済みのブロックに対して 可能として算出する。即ち、図 9に示した例の場合、 PSN : Aからの連続読み出し可能 ブロック数は 1ブロック(PSN :A相当分)となる。 PSN: Bから Dのブロックが PSN:Vから Xのブロックに連続交替されているので、 PSN: B力 の連続読み出し可能ブロック数 は 3ブロック(PSN:V、 W、 X相当分)であり、 PSN:Eからの連続読み出し可能ブロック 数は 1ブロック (PSN:E相当分)として算出される。また PSN:F以降のブロックは未記 録状態であるため、仮に PSN:F力 の連続読み出し可能ブロック数の算出が要求さ れた場合は、 0として算出することになる。
[0169] 図 11は、書換え型光ディスクである BD-REにおいて、 RAD0、 RAD1、 NRDが混在し て存在する場合の例である。この場合も、考え方は前述してきたそれぞれの属性に おける連続記録 ·読み出し可能ブロック数算出処理と同じ考え方で対応できる。
[0170] 図 11では、 PSN: C、 Fのブロックが、 PSN:V、 Xのブロックにそれぞれ交替記録され ており、さらに PSN: Dのブロックの交替記録先として PSN :Wのブロックが割り当てられ 、さらに PSN :Eのブロックは、欠陥ブロックである力 交替記録されず、交替先も割り 当てられて!/ヽな ヽ場合である。
[0171] 図 11に示す状態の場合、 PSN: Cのブロックは既に交替先である PSN:Vのブロック
へ交替記録されて 、るが、 PSN: Dのブロックはまだ交替記録されて 、な 、と 、う違 ヽ はあるものの、連続した PSN: C、 Dの交替記録先ブロックとして、それぞれ連続した PS N :V、 Wのブロックが割り当てられ、連続したブロックに記録することになる。したがつ て、連続記録可能ブロック数は、 PSN: A力 の連続記録可能ブロック数は 2ブロック( PSN:A、 B相当分)、 PSN: Cからの連続記録可能ブロック数も 2ブロック(PSN : V、 W 相当分)となる。 PSN:Eからの連続記録可能ブロック数は 1ブロック(PSN:E相当分)、 PSN: Fは PSN: Xのブロックに交替記録されるため、連続記録可能ブロック数は 1ブロ ック(PSN: X相当分)、 PSN: Gからの連続記録可能ブロック数は、 PSN: Uまでのブロッ ク数分となる。
[0172] 一方、連続読み出し可能ブロック数は、 PSN: C、 Fのブロックは、それぞれ PSN:V、 Xのブロックに交替記録されているため、読み出し先は PSN:V、 Xのブロックとなる。ま た、 PSN: Dのブロックは、交替先は割り当てられているが交替記録されていないため 、読み出し先は PSN: Dのブロックのままとなる。
[0173] 即ち、前述の 1)の算出方法を用いた場合、連続読み出し可能ブロック数は、 PSN:
Aからは 2ブロック(PSN:A、 B相当分)、 PSN : Cからは 1ブロック(PSN: V相当分)、 PS ^ 0からは2ブロック 3^ 0、 E相当分)、 PSN:Fからは 1ブロック(PSN:X相当分)、 PSN: Gからは PSN: Uまでのブロック数分を連続読み出し可能ブロック数として算出す る。
[0174] 一方、前述の 2)の算出方法を用いた場合、連続読み出し可能ブロック数は、 PSN:
Aからは 2ブロック(PSN:A、 B相当分)、 PSN : Cからは 1ブロック(PSN: V相当分)、 PS N : Dからは 1ブロック(PSN: D相当分)、 PSN、 Eからも 1ブロック(PSN: E相当分)、 PSN : Fからも 1ブロック(PSN: X相当分)、 PSN : Gからは、 PSN:Uまでのブロック数分を連 続読み出し可能ブロック数として算出する。
[0175] なお、本発明に係る実施の形態 1においては、アクセス可能数はブロック数で算出 することとして説明を行ったが、例えばセクタ単位で算出するなど他の単位を用いて も上記の実施の形態 1と同様の効果を得ることができ、本発明におけるアクセス可能 数をブロック単位に限定するものではな 、。
[0176] 上記の連続記録 ·読み出し可能ブロック数の算出方法は、交替エントリにおけるェ
ントリ属性 30ごとにアクセス情報算出処理が異なるという特性を活力したものである。 あるブロックへの記録処理にお!、て、前述の(2)連続欠陥領域判定方法によって欠 陥領域であると判定された場合、そのブロックより後に存在する所定トラック数分の領 域(=連続欠陥予測領域)に含まれるブロックを一括して欠陥ブロックとして扱う。そし て、その連続欠陥予測領域中に含まれるブロックを交替元 (第 1の交替情報 31)とし 、交替記録用の領域であるスペア領域のブロックを交替先 (第 2の交替情報 33)とし た RAD1属性の交替エントリとして、 DFL^ ^—括して登録する。
[0177] 図 12は、連続欠陥予測領域を検出する際の動作を示すフローチャートである。
ステップ 1601:記録処理中に欠陥ブロックが検出される。
ステップ 1602 :ステップ 1601で検出された欠陥ブロックの交替記録用ブロックとし てスペア領域内のブロックを割り付け、交替記録実施を示す RADO属性の交替ェント リとして登録する。ここで、登録で使用する属性は、 RAD1属性でも構わない。ただし 、 RAD1属性を使用した場合には、後述ステップ 1606の後で実施する、ステップ 160 1で検出した欠陥ブロックの交替記録を実施した後、 RADO属性に変更する処理を行 えばよい。
[0178] ステップ 1603 :ステップ 1601で検出した欠陥ブロック力 連続欠陥予測領域の気 泡判定条件に合致して 、る力否かを判定する。
ステップ 1604:気泡判定条件に合致して 、ると判定した場合、連続欠陥予測領域 のサイズを算出する。具体的には、前述の(3)連続欠陥予測領域の特定で説明した 方法で算出する。例えば、ステップ 1601で検出した欠陥ブロックが存在するトラック に含まれるブロック数に、連続欠陥予測領域分に相当するトラック数 (この例では 320 )を乗算することにより、連続欠陥予測領域のサイズを算出する。
[0179] ステップ 1605 :連続欠陥予測領域の交替先として割り当てるスペア領域、交替先 ブロックを決定する。具体的には、前述の (4)連続欠陥予測領域検出時の記録'読 み出し処理で説明した方法で決定する。例えば、
a)連続欠陥領域の交替先として、連続的に割り当てが可能なスペア領域を選択す る、
bl)連続欠陥領域とのアドレス距離が近いスペア領域を選択する、および
c)スペア領域自身における欠陥ブロックが少な 、スペア領域を選択する、 という条件に最も合致するスペア領域を交替先のスペア領域として割り当てて、交替 先ブロックとする。
[0180] ステップ 1606 :連続欠陥予測領域内のブロックを交替元 (第 1の交替情報 31)とし 、ステップ 1605で求めたスペア領域内のブロックを交替先(第 2の交替情報 33)とし た RAD1属性の交替エントリを欠陥リストに登録する。この登録処理を、連続欠陥予測 領域に含まれるブロック数分繰り返して行う。この際、 RAD1属性における交替元プロ ックおよび交替先ブロックが各々連続するように RAD1属性を登録する。
[0181] なお、連続欠陥予測領域中のブロックを交替元 Z欠陥ブロックとする交替エントリが 既に DFLに登録されている場合には、そのブロックに該当する RAD1属性は登録しな い。具体的には、既に登録されている交替エントリが RADO属性および RAD1属性の 交替エントリの場合には何も行わず、 NRD属性および PBA属性の交替エントリの場合 には、 RAD1属性に変更して再登録するのが好ましい。
[0182] 以上が連続欠陥予測領域を検出した際の動作手順である。この後、ステップ 1601 で検出した欠陥ブロックの交替記録として、ステップ 1602で RADO属性として登録し た交替先ブロックへの記録を行う。
[0183] 図 13は、図 12の手順を簡略ィ匕した説明図である。図 13に示すように、 PSN: Dのブ ロックが記録処理中に欠陥として判定され、前述の(2)連続欠陥領域判定方法に示 す条件を満たしていた場合について以下に説明する。この場合、当該欠陥ブロック( D)より後の所定数分のブロック(PSN:Eのブロックから、 PSN :Fのブロックまで)を欠 陥とみなし、それぞれを交替先(PSN : Sのブロックから、 PSN:Tのブロックが相当)に 割り当てた RAD1属性の交替エントリとして DFLへ登録する。
[0184] ここで RAD1属性として登録するのは、前述の図 8等で説明した RAD1属性の特性 を活用するためである。即ち、この時点ではまだ連続欠陥予測領域の交替先として 割り当てたブロックへの実記録処理が行われて 、な 、ため、 RAD1属性として登録す る。記録要求が来た場合には交替先ブロックに記録し、読み出し要求がきた場合に は交替元ブロックに対して読み出し処理を行うように制御する。具体的には、例えば 、図 13の物理アドレス: Fのブロック力 連続欠陥領域として検出される前の時点で正
常にアクセスできたために何らかのデータが記録され、かつその後新たなデータの記 録が行われて 、な 、場合、この PSN: Fのブロック内に存在するデータは有効データ であり、読み出し要求が来た場合にはこのデータを読み出す必要がある。この際、連 続欠陥領域として検出された PSN:Fのブロックを交替元とする RAD1属性の交替ェン トリとして登録することで、新たな記録要求がなされた場合には交替先として割り当て たブロック、つまり PSN:Tのブロックへの記録を行う。一方、新たな記録処理がなされ る前に読み出し要求が来た場合には、交替元ブロック、即ち PSN :Fのブロック力 デ ータ読み出しを行うように制御する。
[0185] なお、前述したように、連続欠陥予測領域であるとして RAD1属性を登録したブロッ クの交替元への読み出しが成功した場合、このブロックは欠陥では無いと判断できる ため、このブロックに相当する RAD1属性の交替エントリを欠陥リストから削除しても良 い。あるいは、そのブロック以降の、連続欠陥予測領域として登録したブロックを交替 元とする RAD1属性の交替エントリは全て削除すると!/、つた方法を用いても良 、。
[0186] 或いは、連続欠陥領域として検出して RAD1属性をエントリ属性として登録したプロ ックのうちで、交替先を割り当てたが交替先への記録が行われな力つたブロックにお いて、そのブロックに、以前の記録処理でデータが記録された状態のブロックが存在 した場合、連続欠陥領域内へのアクセスを失敗する可能性が高い。このため、そのブ ロックへ記録されているデータを読み出して、交替先として割り当てたブロックへコピ 一し、 RAD1属性から RADO属性へ変更すると!/、つた処理を行っても良!、。
[0187] ここで、 RAD1属性として登録された交替元への記録要求がなされ、交替先ブロック に記録を行った場合には、交替元ブロックではなく交替先ブロック内のデータが有効 となる。このため、 RAD1属性力 RADO属性にエントリ属性が変更される。
[0188] ここで、前述したように、条件に合致する起因となった PSN: Dのブロック(つまり、ス テツプ 1601で検出した欠陥ブロック)については、欠陥ブロックとして検出された時 点で、交替先を割り当てて交替先への記録が行われることが確定されている。この欠 陥ブロックに関しては、 RADO属性の交替エントリとして別途登録するため、上記の RA D1属性の交替エントリとして登録する対象には含んでいない。しかし、この欠陥ブロ ック力 RAD1属性の交替エントリとして DFLに登録し、交替先への実記録が完了した
時点で RADO属性の交替エントリに変換するという処理でも実現可能である。
[0189] 上記の処理方法を用いることのメリットは、連続欠陥領域を予測した時点で RAD1属 性を登録するという処理を行うだけで、それより後の記録 ·読み出し処理においては、 気泡混入に起因する連続欠陥領域を全く意識する必要がないことである。したがって 、ー且 DFLに交替エントリを登録してしまえば、それ以降は、論理記録再生部 113が 、 DFL等のディスク管理情報を用いたアドレス変換処理および連続アクセス可能数算 出処理と!/、うアクセス情報算出処理を行うことになるため、メディアである光ディスク 1 に対して行う通常のアクセス情報算出処理と上記の処理を共通化できるメリットがある
[0190] 光ディスク記録再生装置 100においては、上記のように RAD1属性を登録するとい う処理を実施することにより、この処理以降にホスト装置力 連続欠陥予測領域内の ブロックに対する記録要求を受けた場合、論理記録再生部 113が行うアドレス変換 処理によって、交替先として割り当てたスペア領域内のブロック 3が実アクセス PSNと して算出される。そのため、連続欠陥予測領域内に対して記録処理を行うことなぐ 連続欠陥予測領域を避けて、交替先であるスペア領域へ記録処理を行うことができ る。このため、交替処理が頻繁に行われることによる記録処理パフォーマンスが低下 することを防止することが可能となるとともに、連続した交替元の欠陥ブロックを連続し た交替先に割り当てることにより、交替先のブロックへの連続記録 ·連続読み出しを可 能とすることが出来る。
[0191] なお、上記の処理方法では、書換え型光ディスクである BD-REの場合を例に取つ て説明したが、登録する交替エントリのエントリ属性を RADまたは CRDとして、 BD-Rの ような追記型メディアへ適用しても良い。但し、連続欠陥予測領域に対して実際の記 録処理を行う前に交替エントリを DFLへ登録することになるため、 BD-Rのような追記 型メディアに適用してもほとんど効果を得ることはできない。
[0192] なお、上記の処理方法では、 BD-REに規定されている交替エントリのエントリ属性 3 0を例にとって説明を行ったが、使用する情報はこれらに限ったものではない。より具 体的には、事前予測によって登録された交替エントリであることを示す情報を設ける などしても良く、同様の意味'役割を果たす情報であれば、それらを用いても同様の
効果を得ることができる。
[0193] なお、 BD-REのような書き換え型メディアの場合、検出条件に合致して事前予測で 求めた連続欠陥予測領域に対して、光ディスク記録再生装置 100が例えばアイドル 状態 (コマンド待ち状態)の場合などの忙しくない時に、連続欠陥予測領域として登 録した領域に対して、本当に欠陥力否かの検査を行っても良い。具体的には、 RAD1 属性の交替エントリ、若しくは前述した事前予測によって登録されたことを示す情報 を持った交替エントリの交替元位置に対して検査を行うという方法で実現できる。そし てこの検査において OKと判定されたブロックについては、事前登録した交替エントリ を削除するなどしても良い。
[0194] (4 2)意図的にアドレスを変換する方法
この(4— 2)のアドレス変換方法は、 BD-Rのような追記型メディアにおいて有効な 方法である。この方法は簡単に言えば、前述の(2)連続欠陥領域判定方法で説明し た方法によって気泡混入に起因するような連続欠陥領域を検出した場合に、気泡混 入として予測した連続欠陥予測領域に関する情報 (具体的には、連続欠陥予測領域 の先頭物理アドレスと、領域サイズ (または最終物理アドレス)等)をメモリ部 120に連 続欠陥予測領域情報として記憶する。それ以降、連続欠陥予測領域情報が示す領 域内への記録要求がなされた場合には、アクセス情報算出処理において、その記録 先として交替用の領域であるスペア領域を算出する。そして、交替先への記録が完 了した時点で、記録要求なされたブロックを交替元、実際に記録したスペア領域のブ ロックを交替先とした交替エントリとして DFLに登録する。即ち、 DFL情報格納バッファ 160中の最新 DFL情報を更新する。
[0195] 図 14は、このアドレス変換方法を用いた記録時の処理手順を示すフローチャートで ある。図 14において示すフローチャートの例では、追記型メディアである BD-Rへの シーケンシャル記録を行う場合を説明する。すでに連続欠陥予測領域が検出され、 メモリ部 120の連続欠陥予測領域情報には連続欠陥予測領域に関する情報が設定 されているものとする。
[0196] まず、システム制御部 110中の論理記録再生部 113は、アクセス情報算出処理を 行う。
ステップ 1801:ホスト装置力も記録要求を受けた論理アドレス(LSN)をオフセット変 換し、オフセット PSNを算出する。
[0197] ステップ 1802 :次に、論理記録再生部 113は、ステップ 1801で求めたオフセット PS Nが、メモリ部 120中の連続欠陥予測領域情報に保持している領域内の PSNか否か を判定する。具体的には、オフセット PSNが、連続欠陥予測領域情報に保持している 先頭物理アドレスよりも大きぐ終端物理アドレスよりも小さい場合には、連続欠陥予 測領域内への記録であると判断する。
[0198] ステップ 1803 :連続欠陥予測領域内への記録であると判断した場合、論理記録再 生部 113は、メモリ部 120中の連続欠陥記録フラグをセットする。
ステップ 1804 :次に、論理記録再生部 113は、交替記録先を実アクセス PSNとして 算出する。具体的には、追記型メディアの場合、交替記録先として使用可能なスペア 領域も追記で使用されるため、交替先として使用可能なブロックは、スペア領域にお ける NWAが示す位置を実アクセス PSNとして算出する。ここで、図 21に示したようにス ペア領域が複数存在する場合は、前述したような方法で使用するスペア領域を求め る。具体的には、連続して交替先ブロックを割り当て可能なスペア領域で、例えばォ フセット PSNに最も近いスペア領域の NWAが示す位置を算出する。或いは、検出した 連続欠陥予測領域より遠いスペア領域を交替先として選択するという方法等で求め る。
[0199] ステップ 1805 :次に、論理記録再生部 113は、連続アクセス可能数、即ち連続記 録可能ブロック数、を算出する。具体的には、実際に記録を行おうとした SRRにおける NWA位置から終端までの記録可能ブロック数 (つまり、未記録ブロック数)と、交替先 として割り当てたスペア領域における NWA位置から終端までの記録可能ブロック数( つまり、未記録ブロック数)のうち、小さい方を連続記録可能ブロック数として算出する
[0200] ステップ 1806 :ステップ 1802において連続欠陥予測領域内への記録ではないと 判断した場合、論理記録再生部 113は、メモリ部 120中の連続欠陥記録フラグをタリ ァする。
ステップ 1807 :次に、論理記録再生部 113は、実アクセス PSNを算出する。具体的
には、シーケンシャル記録であるため、ホスト装置力 記録要求された LSNに相当す るオフセット PSNを実アクセス PSNとして算出する。ここで、ホスト装置から記録要求さ れた LSNに相当するオフセット PSNは、シーケンシャル記録であるため、実際に記録 を行う SRRにおける NWA位置と合致する。
[0201] ステップ 1808 :次に、論理記録再生部 113は、連続アクセス可能数、即ち連続記 録可能ブロック数を算出する。具体的には、ステップ 1807で求めた実アクセス PSNで ある NWA位置から終端までの記録可能ブロック数 (つまり、未記録ブロック数)を連続 記録可能ブロック数として算出する。
[0202] ここまでのステップがアクセス情報算出処理となる。
ステップ 1809 :システム制御部 110は、ホスト装置力も記録要求されたデータの記 録を行う。具体的には、アクセス情報算出処理において実アクセス PSNとして算出さ れたブロック力 記録を行う。ここで記録するデータサイズは、記録要求されたデータ サイズと、連続記録可能ブロック数として求めたサイズのうちの小さ 、方のサイズ分と なる。
[0203] ステップ 1810 :ステップ 1809での記録が連続欠陥予測領域内への記録であった か否かを判断する。具体的には、連続欠陥記録フラグがセットされている場合、連続 欠陥予測領域内への記録であつたと判断する。ステップ 1809での記録が連続欠陥 予測領域内への記録でない場合には、後述するステップ 1812に移行する。
[0204] ステップ 1811:ステップ 1810で連続欠陥予測領域内への記録であると判断した場 合、論理記録再生部 113は、記録要求された論理アドレスに対応するオフセット PSN を交替元 (第 1の交替情報 31)とし、実アクセス PSNとして求めた位置を交替先 (第 2 の交替情報 33)とする交替エントリを DFLに登録する。実際には、 DFL情報格納バッ ファ 160中で管理されている DFLデータ中へ登録する。このとき、追記型メディアが B D-Rの場合、記録したブロック数が 1つの場合には RAD属性の交替エントリとして登 録し、 2ブロック以上の場合には CRD属性 (先頭 Z終端)の交替エントリとして登録す る。
[0205] ステップ 1812 :ホスト装置力も記録要求されたサイズ分のデータ記録が完了したか 否かを判断する。ステップ 1812において、データ記録が完了していないと判断され
た場合には、ステップ 1801からステップ 1811までの処理を、記録要求されたデータ サイズ分の記録が完了するまで繰り返される。これらのステップにおいて、記録出来 なカゝつた残りのデータサイズ分の記録を行うため、記録先、および残記録データサイ ズを更新して、再度実アクセス PSN、および連続記録可能ブロック数を求めて実記録 を行 、、必要であれば交替エントリ登録が行われる。
[0206] 以上が、ホスト装置力もの記録要求を受けたときの処理手順である。なお、ホスト装 置からのデータの読み出し要求に対しては、通常のアクセス情報算出処理と同様の 方法で算出して処理し、特別な処理は行わな!/、。
[0207] 以上に示すように、上記のアドレス変換方法においては、気泡混入のような連続欠 陥予測領域に関する情報をメモリ部 120上に記憶しておき、記録要求された位置が 連続欠陥予測領域内のブロックの場合には、アクセス情報算出処理におけるァドレ ス変換処理の際に、 DFLの情報を用いるのではなぐその時点で使用可能なスペア 領域を交替記録先として実アクセス PSNとして求めることで、交替記録先への退避記 録を実現している。
[0208] なお、上記のアドレス変換方法では、追記型メディアである BD-Rの場合を例にとつ て説明したが、書換え型メディアである BD-REなど、追記型メディア以外のメディアに 適用しても、同様の効果を得ることができる。
[0209] なお、上記のアドレス変換方法では、追記型メディアである BD-Rへのシーケンシャ ル記録の場合を例に取って説明した力 BD-Rに規定されて 、る擬似 OW記録の場 合にも適用可能である。擬似 OW記録の場合には、ステップ 1802でオフセット PSNが 連続欠陥予測領域内か否かを判断して ヽたが、擬似 OW交替記録先 PSNが連続欠 陥予測領域内か否かで判断する点、およびステップ 1807で算出した実アクセス PSN がオフセット PSNではなく擬似 OW交替先 PSNと合致する点を除 、て、上記のアドレス 変換方法と同様の処理手順で同等の効果を得ることができる。
[0210] 上記のアドレス変換方法を用いることのメリットは、連続欠陥予測領域への記録であ るカゝ否かを考慮に入れた処理を行っているため、追記型メディアに対しても、書換え 型メディアに対しても共通に適用可能な点である。
[0211] なお、本発明に係る実施の形態 1においては、連続欠陥の要因として気泡混入を
例に挙げて説明している力 連続欠陥領域として扱うのは気泡混入に限ったもので はない。即ち、実施の形態 1において説明した方法は、気泡混入でなくとも、同様に 連続して記録に失敗するような傷などに対しても有効な方法である。
[0212] 本発明に係る実施の形態 1にお!/ヽては、気泡混入のような連続欠陥領域の交替記 録先として、ユーザデータ領域中の欠陥交替用の領域であるスペア領域を割り当て るとして説明したが、交替記録先として用いる領域は、必ずしもスペア領域でなくとも 、交替先として使用できる領域であれば良い。
[0213] 本発明に係る実施の形態 1においては、ユーザデータ領域における気泡混入のよ うな連続欠陥領域を検出する例について説明したが、この方法は交替先として使用 するスペア領域における連続欠陥領域を検出する方法として適用しても良い。具体 的には、例えば、書換え型メディアである BD-REの場合、連続欠陥に侵されていると 判定された場合、スペア領域内のブロックを UNUSE属性に置き換える等の方法を用 いればよい。また、スペア領域内ブロックが欠陥ブロックとして検出されたということは 、スペア領域への交替記録中であったと言えるため、その交替記録の記録先ブロック として、自らとは違うスペア領域を割り当てる等の方法を用いても良い。
[0214] [実施の形態 2]
以下、本発明に係る実施の形態 2の光ディスク記録再生装置を用いて欠陥管理方 法および欠陥管理装置について添付の図面を参照しつつ説明する。本発明に係る 実施の形態 2にお ヽては、光ディスク記録再生装置における欠陥管理方法および欠 陥管理装置のストリーム処理について説明する。
[0215] (1)光ディスク記録再生装置の構成
実施の形態 2における光ディスク記録再生装置は、前述の実施の形態 1における「( 1)光ディスク記録再生装置の構成」の項で示した光ディスク記録再生装置 100と回 路構成上 (マイクロプロセッサーなど)は実質的に同じである(図 1参照)。しかし、論 理記録再生部 113とデータキャッシュ部 114を中心とした、システム制御部 110の処 理プログラムが異なって 、る。この処理プログラムの機能にっ ヽては後述する。
[0216] (2)連続欠陥領域判定方法
実施の形態 2における連続欠陥領域判定方法は、実行プログラムも含めて、前述
の実施の形態 1における「(2)連続欠陥領域判定方法」で示した方法と同じであり、こ こでの説明は省略する。
[0217] (3)連続欠陥予測領域の特定
ストリーム記録は、前述したように、データ記録 '読み出し処理のリアルタイム性が求 められるレコーダ装置などで広く用いられる処理である。このため、ストリーム記録は 欠陥を検出してもスペア領域のような交替先への交替記録 ·交替読み出しを行わな い処理である。
[0218] しかしながら、当然ストリーム記録においても、記録領域中に欠陥などが存在した場 合には、記録データの品質を保っために、その欠陥領域を回避して記録したいという 要望がある。即ち、欠陥ブロックにデータを記録しても正しく記録できないため、デー タ読み出し時にはこのデータが欠落してしまうことになり、例えば再生映像が乱れる、 停止するなどの影響が出る。これを回避するため、ストリーム記録においてはスリップ (Slip)記録処理と呼ばれる方法がある。このスリップ記録処理方法は、簡単に言うと 、記録しようしたブロックが欠陥であった場合、スペア領域のような交替領域へ交替記 録するよりもシークによるロス時間を極力短くすることを目的として、欠陥ブロックに後 続するブロックに交替 (Slip)してデータを記録する方法である。しかし、スリップ記録 を連続して繰り返すと、その部分に記録したデータを読み出す際に、読み出せるデ ータ量が減ってしまうため再生映像が止まってしまうといった影響が出る。当然、再生 映像が止まってしまう時間は、データが読み出せる量に影響を受けるため、スリップ 記録は少な 、ほど好まし 、。
[0219] 気泡混入のような連続欠陥領域が存在する場合、その欠陥領域へデータを記録し ても読み出せないが、前述の実施の形態 1における「(3)連続欠陥予測領域の特定」 において説明した連続欠陥相当分を一括して欠陥とみなしてスリップ記録した場合 にはデータ読み出し時の再生映像が停止する時間が非常に長くなつてしまう。
[0220] 実施の形態 2にお 、ては、上記の問題を解決するために、連続欠陥予測領域とし ては実施の形態 1で示した場合と同様のサイズとして扱うが、一括して交替エントリを DFLに登録するのではなぐ連続欠陥予測領域内を分割して扱い、分割サイズの切 れ目で実記録を試すという方法を採用する。このように分割処理する方法は、連続欠
陥予測領域であったとしても、誤検出の可能性があり、或いは連続欠陥予測領域内 であっても記録可能なブロックが存在する可能性もあると!/、うことを考慮して、できる 限りスリップ数を少なく抑えることを目的としている。
[0221] 上記の分割処理する方法の詳細については、以下の(4)連続欠陥予測領域検出 時の対応方法にぉ 、て説明する。
(4)連続欠陥予測領域検出時の対応方法
まず初めに、ストリーム処理における、アクセス情報算出処理について簡単に説明 する。
[0222] 実施の形態 2のストリーム処理においては、前述の実施の形態 1において説明した 通常処理である PC処理の場合と同様にアドレス変換処理および連続アクセス可能数 算出処理のアクセス情報算出処理を行うが、その処理方法が異なって 、る。
[0223] 具体的には、ストリーム処理におけるアドレス変換処理においては、オフセット変換 処理のみを行い、 DFLなどの管理情報を用いたアドレス変換処理は行わない。また、 連続アクセス可能数算出処理は、交替エントリに示される欠陥が存在する場合でも、 これらの存在を考慮せず、その領域の終端 (例えば記録層を 2層備えたメディアの場 合は、その層の終端)までを連続アクセス可能数として算出する。
[0224] なお、ストリーム処理のストリーム再生の際には、欠陥等を考慮しないでデータ読み 出しを行うため、データ読み出しに失敗する場合がある。このような場合には、読み出 しが失敗したことをホスト装置に通知することにより、ホスト装置側で再生映像として使 用するデータを選別するのが一般的である。
[0225] 図 15は、書換え型メディアである BD-REにおいて、ストリーム処理のストリーム記録 の際に連続欠陥領域を検出した場合のシステム制御部 110が行う処理手順を示す フローチャートである。
[0226] なお、ストリーム記録の場合は、 PC処理の PC記録の場合と違い、まず記録に使用 する領域 (以下、ストリーム領域と略称)がホスト装置力 セットされ、そのストリーム領 域に対してアドレスを示さな!/、形で記録要求が発せられる。そして記録データを管理 するシステム制御部 110のデータキャッシュ部 114力 セットされたストリーム領域内 に、連続して記録を行うよう記録先アドレスを制御しながら記録が行う。
[0227] ステップ 1901 :あるブロック(以下、基準ブロックと略称)への記録時において連続 欠陥領域を検出すると、論理記録再生部 113は、連続欠陥領域と判定した基準プロ ックの先頭物理アドレスを連続欠陥予測領域情報に登録する。また、前述の実施の 形態 1における「(3)連続欠陥予測領域の特定」において説明した方法により求めた ブロック数 (サイズ)を連続欠陥領域のブロック数 (サイズ)として、連続欠陥予測領域 情報に登録する。
[0228] ステップ 1902 :論理記録再生部 113は、連続欠陥領域と判定した基準ブロックより 後の所定サイズの領域を欠陥ブロックのアドレスとして、前述の実施の形態 1におけ る「 (4— 1) DFLを用いた方法」にお 、て説明した方法と同様の方法で交替エントリ ( 一部)を DFLに登録する。
[0229] ここで、連続欠陥領域と判定した基準ブロックより後の所定サイズとは、連続欠陥予 測領域全体のサイズよりも小さいサイズである。この所定サイズは、欠陥によって引き 起こされる可能性があるアブノーマルジャンプで飛びうるサイズ、再生映像にぉ 、て どのくらいの再生時間に相当する力、さらにはホスト装置力も設定されているストリー ム領域の残サイズなどを考慮して決定するのが好まし 、。実施の形態 2にお 、ては、 例えば 5トラックサイズ分とする。
[0230] また、交替エントリを DFLに登録する際に、登録する交替エントリのエントリ属性 30 は、スペア領域が存在する場合には RAD1属性、或いは NRD属性または PBA属性、 スペア領域が存在しない場合には NRD属性または PBA属性として登録する。
[0231] ステップ 1903 :論理記録再生部 113は、スリップ (Slip)対象として交替エントリを D FLに登録したブロック数をデータキャッシュ部 114へ報告する。
[0232] ステップ 1904 :報告を受けたデータキャッシュ部 114は、報告されたブロック数分を スリップ (Slip)記録させるため、報告されたブロック数分先のブロック(以下、 Slip先 ブロックと略称)に対して、基準ブロックに記録しょうとしていたデータを再記録するよ う制御する。システム制御部 110は再度その Slip先ブロックに対して記録を行う。な お、この際、データキャッシュ部 114は、 Slip記録する分だけホスト装置力も設定され た使用可能なストリーム領域のサイズが減るため、 Slip記録したブロック数をホスト装 置へ通知する。
[0233] ステップ 1905: Slip先ブロックへの記録が成功したか否かを判断する。 ステップ 1910 :ステップ 1905において Slip先ブロックへの記録が成功したと判断さ れた場合は、連続欠陥予測領域情報をクリアして、以降通常にストリーム記録を実施 する。
[0234] ステップ 1906 :ステップ 1905において Slip先ブロックへの記録に失敗した場合に は、記録しょうとしている領域は連続欠陥領域であると判断して、連続欠陥予測領域 情報として保持して!/ゝる連続欠陥領域サイズから、前記ステップ 1902で登録した 5ト ラック分を減算した残りサイズ分 (ブロック数分)の交替エントリを DFLに登録する。
[0235] ステップ 1907 :次に、連続欠陥予測領域情報をクリアする。
ステップ 1908:ステップ 1906で交替エントリとして登録したブロック数をデータキヤ ッシュ部 114へ通知する。
[0236] ステップ 1909 :報告を受けたデータキャッシュ部 114は、ステップ 1904と同様、報 告されたブロック数分先のブロックに対して、基準ブロックに記録しょうとしていたデー タを再記録するよう制御する。なお、このスリップ記録の際、データキャッシュ部 114 は、 Slip記録する分だけホスト装置力も設定された使用可能なストリーム領域のサイ ズが減るため、 Slip記録したブロック数をホスト装置へ通知する。
[0237] 以上が、ストリーム記録の際の連続欠陥領域に対応する処理手順である。
なお、上記のストリーム記録は連続欠陥予測領域中へ 1回のみ試し記録 (ステップ 1 902からステップ 1904に相当)するものとして説明した力 この試し記録を複数回実 施しても良い。試し記録を複数回実施する場合、ステップ 1902で一部交替エントリと して登録するブロック数を、試し記録ごとに変えて 、つても良!、。
[0238] なお、連続欠陥領域による Slip記録が発生した場合は、ホスト装置と協力した制御 を行うのも効果的である。即ち、データキャッシュ部 114力ものデータに基づき、連続 欠陥領域を検出し、 Slip記録が発生したことをホスト装置が認識した場合、前に設定 していたストリーム領域を一旦破棄し、新たにその連続欠陥領域を考慮してストリーム 領域を設定しなおすという処理を行う。このよう〖こ処理することは、光ディスク記録再 生装置 100単体で行うよりも効果的である。
[0239] なお、実施の形態 2において、ストリーム記録を説明する際の連続欠陥領域に対応
する処理において用いた数値はあくまで具体的な一例であり、これらの数値により本 発明が限定されるものではなぐ上記の処理と同様の目的を果たせる数値であれば 良い。
[0240] なお、実施の形態 2においては、書換え型メディアである BD-REの場合を例に取つ て説明したが、追記型メディアである BD-Rに適用しても良ぐその場合にも同様の効 果を得ることが出来る。
[0241] なお、前述の実施の形態 1では通常処理 (PC処理)の場合、実施の形態 2ではスト リーム処理の場合を例にとって説明したが、本発明はこれらの処理の組合せを制限 するものではない。即ち、例えば、 PC処理の際に実施の形態 2において説明した方 法を用いても、同様の効果を得ることができる。
[0242] なお、実施の形態 1および実施の形態 2においては、いずれも、複数トラックに跨る 欠陥の例として気泡混入による欠陥を例に取って説明したが、連続欠陥領域の判定 方法、および判定条件を制御することによって、これらの方法は気泡混入による欠陥 以外にも適用可能であることは言うまでもない。
[0243] なお、光ディスクにおいて気泡が混入すると、照射光だけでなく反射光も影響を受 けるという気泡の特徴を考慮すると、実施の形態 1および実施の形態 2においては、 複数の記録層を備えたメディアである光ディスク 1の場合、連続欠陥予測領域として 予測した領域と同一半径位置における他の層の領域も、同様に連続欠陥予測領域 として扱うという方法が有効である。具体的には、図 16に示すように、第 1の記録層 5 2が第 2の記録層 54よりディスク表面側に形成されている場合、レーザ光は第 1の保 護層 51の側力も照射されるため、もし第 1の保護層 51に気泡が存在する場合、その 気泡と同一半径位置に存在する各層の領域は気泡の影響を受けやすいことに変わ りはない。そのため、例えば第 1の記録層 52の PSN:Aのブロックで連続欠陥予測条 件に合致した場合、 PSN: B力ら PSN: Dの範囲を連続欠陥予測領域としてみなすこと に加えて、その領域と同一半径位置に存在する第 2記録層の PSN: E力 PSN: H (あ るいは PSN: G)の範囲も同様に連続欠陥予測領域としてみなすと!/、う方法を用いても 良い。
[0244] なお、欠陥ブロックの交替先として使用可能なスペア領域がなくなり、交替先を割り
当てることができない状態において、連続欠陥予測領域が検出される場合が想定さ れる。このような場合には、実施の形態 1および実施の形態 2においては、例えば書 換え型光ディスクである BD-REの場合、交替先を割り当てることは出来ないが、連続 欠陥予測領域を欠陥位置として示す NRD属性、若しくは PBA属性の交替エントリとし て登録しても良い。こうすれば、例えばレコーダのような装置の場合には、交替ェント リとして欠陥の可能性の高い領域を登録しておくことにより、この領域を避けてストリー ム領域を設定することができる。
[0245] [実施の形態 3]
以下、本発明に係る実施の形態 3の光ディスク記録再生装置を用いて欠陥管理方 法および欠陥管理装置について添付の図面を参照しつつ説明する。本発明に係る 実施の形態 3においては、前述の実施の形態 1の光ディスク記録再生装置を更に具 体的に示したものである。したがって、実施の形態 3の説明においては、前述の実施 の形態 1と同様の機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略す る。
[0246] (1)光ディスク記録再生装置の構成
図 17は、本発明に係る実施の形態 3の光ディスク記録再生装置 100の構成を示す ブロック図である。
光ディスク記録再生装置 100は、上位制御装置(図示せず)に IZOバス 170を介し て接続されている。上位制御装置としては、典型的には、ホストコンピュータである。
[0247] 光ディスク記録再生装置 100は、該光ディスク記録再生装置 100全体の制御を行う システム制御部 110と、メモリ部 120と、光ディスク 1を回転させるモータ部 130と、光 ピックアップ部 140と、データバッファ 150と、 DFL情報格納バッファ 160とを機能的 に備えている。また、光ピックアップ部 140にはプッシュプル検出器 180とエラー検出 器 190が設けられている。実施の形態 3の光ディスク記録再生装置 100において、光 ピックアップ部 140に設けられて 、るプッシュプル検出器 180は、光ピックアップで受 け取った反射光力もトラック 2中心に対する差信号を求め、その低周波側の信号から 得られるトラッキングエラー信号 (ΤΕ信号)と、高周波側から得られるアドレス信号か ら照射光とトラック 2とのずれ (つまりトラッキング異常)を判断する。また、光ピックアツ
プ部 140に設けられているエラー検出器 190は、プッシュプル検出部 180によって検 出されたトラッキング異常など光ディスク 1への記録再生中に発生したエラーの判断 を行う。
[0248] システム制御部 110は、ホスト制御部 111、機構制御部 112、論理記録再生部 113 、およびデータキャッシュ部 114を有して構成されている。ホスト制御部 111は上位制 御装置からの命令を処理する。機構制御部 112は、モータ部 130や光ピックアップ部 140などの光ディスク記録再生装置 100に備えられた機構を制御し、光ピックアップ 部 140の光ピックアップを目的位置へ移動(シーク)させて 、る。また、機構制御部 11 2は、エラー検出部 190からのエラー判定結果を考慮して光ディスク 1へのデータの 記録処理、または読み出し処理を制御する。論理記録再生部 113は、欠陥情報格納 ノ ッファ(以下、 DFL情報格納バッファと略称) 160に格納された DFL21等の情報を 管理し、上位制御装置力も記録要求、または読み出し要求された論理アドレス (LSN) を実際の光ディスク 1上のアクセス対象アドレス (PSN)に変換するなどの制御を行う。 データキャッシュ部 114はデータバッファ 150中の記録データおよび読み出しデータ を管理する。
[0249] 本発明に係る実施の形態 3における、 DFL情報格納バッファ 160を用いた光デイス ク 1の欠陥位置や交替先などに関する情報の管理方法は、前述の実施の形態 1にお V、て詳細に説明したのでここでは省略する。
また、実施の形態 3の光ディスク記録再生装置における(2)連続欠陥領域判定方 法、(3)連続欠陥予測領域の特定、および (4)連続欠陥予測領域検出時の対応方 法に関しては、前述の実施の形態 1における光ディスク再生装置と実質的の同じ方 法であるため、以下の説明においては実施の形態 1と異なる点について説明する。
[0250] (2)連続欠陥領域判定方法
次に、実施の形態 3の光ディスク記録再生装置 100が気泡のような連続欠陥領域を 予測判定する方法について説明する。なお、前述の実施の形態 1と重複する説明は 省略する。
[0251] 前述したように、気泡は約 100 m程度の大きさ、つまり約 300トラックに跨って円 形に存在する。その結果、気泡の混入したブロックはディスク製造時にトラックに沿つ
て埋め込まれて 、る ADIP' AUNと!、つた物理アドレス情報すら読めな 、状態となる可 能性がある。さらに多くの場合、光をディスクに照射させて得られる反射光を頼りに、ト ラックに沿って目的領域にデータの記録 ·再生を行うための光ピックアップがトラック に沿うことすら困難な状態となる。より具体的には、光ピックアップがトラックに沿って いるかを判断するプッシュプル検出部 180において、その判定に用いる差信号に、 気泡混入の影響でノイズが生じる。このため、気泡の混入した領域では、実際には正 しく目標のトラックに沿っているにも関わらずトラッキングがずれていると誤判定したり 、アドレス情報が正しく取得できな力つたり、あるいは目標トラック近傍のトラックに誤つ て飛んでしまい、そのトラックに沿った状態になるアブノーマルジャンプなど、トラツキ ングに関するエラーが非常に発生しやす 、。
[0252] 例えば、気泡に犯された領域が直径 100 μ mの大きさであるとすると、トラックのサ ィズは 0. 32 /z mであるため、基本的には複数のトラックに跨って周期的にほぼ同じ 位置(つまり径方向)に連続して欠陥ブロックが存在することになる。より具体的には、 ほぼトラック 1周毎に、周期的に欠陥ブロックが存在することになる。
[0253] しかし、光ディスクドライブである光ディスク記録再生装置 100は、前述したように、 ある指定されたアドレスのブロックへアクセスする場合、一般的にアクセス位置への同 期化を行う。より具体的には、アクセス対象のブロックに対して、その数ブロック前(多 くは 1〜2ブロック前)のアドレスを目指して光ピックアップを移動(シーク)させ、光ディ スク 1の回転を利用して、以降トラックに沿ってトラッキングをさせた状態を保ちながら 、対象となるアドレスのブロックへ迪り着くという処理を行う。このため、仮にアクセス対 象のブロック自体が気泡に侵されていなくとも、その数ブロック前までのブロック中に 気泡の混入した欠陥ブロックが存在した場合には、アドレス取得できな ヽ(アドレス取 得 NG)、或いは意図しな!、領域に対してジャンプ(アブノーマルジャンプ)するなどの トラッキングに関するエラーが発生する。このため、対象アドレスのブロックまで光ピッ クアップが迪り着けず (アクセスできず)、結果としてアクセス対象のブロックが欠陥で あると誤判定される場合が多々発生する。
[0254] 前述の実施の形態 1においても説明したように、気泡に起因する欠陥には、次のよ うな特徴が挙げられる。
(A)記録 (Write)、若しくは記録と確認 (Write & Verify)の記録で失敗する場合、
(B)記録エラー(Write error)の要因は、アドレス取得 NGの場合、或いはアブノー マルジャンプに代表されるサーボトラッキング異常が発生した場合、
(C)径方向に連続して欠陥ブロックが存在した場合、および
(D)周方向に連続して欠陥ブロックが存在した場合。
[0255] そこで、気泡の混入に起因して欠陥ブロックとなる場合の上記の特徴を考慮して、 実施の形態 3においては、検出された欠陥ブロックが以下に示す条件のうちのいず れかの条件を満たした場合には、当該光ディスク 1には気泡が存在すると予測判定 する。
即ち、記録エラーによる欠陥であって、エラー要因がアドレス取得 NG、若しくはトラ ッキング異常であり、該欠陥ブロックを含んだ前方、または後方、若しくは前後ブロッ クに対して以下の i)、 ii)または iii)の条件を満たした場合、当該光ディスクには気泡 が存在すると予測判定する。ここで、該当ブロックの前方とは、光ディスク 1の回転に 伴 、光ピックアップが光ディスクのトラックをトレースして 、く方向にお 、て該当ブロッ クに対してトレース済みのブロックの方向を言い、後方とは該当ブロックに対して未だ トレースをして ヽな ヽブロックの方向である。
[0256] i)径方向に連続して N個(Nは 1以上の正数)の欠陥ブロックを検出した場合、 ii)周方向に連続して M個(Mは 1以上の正数)の欠陥ブロックを検出した場合、ま たは
iii)所定範囲内に S (Lは 1以上の正数)の欠陥ブロックを検出した場合。 上記の i)、 ii)または iii)のいずれかの条件に合致した場合、当該光ディスクには気 泡が存在すると予測判定する。
本発明に係る実施の形態 3においては、 N、 Mをそれぞれ 3とし、前方に連続した 場合について説明する力 本発明はこの数値に限定するものではない。
[0257] 次に、実施の形態 3における判定処理についてフローチャートを用いて簡単に説明 する。図 18は、実施の形態 3の光ディスク記録再生装置において、気泡に代表され る連続欠陥判定処理手順を示すフローチャートであり、 M = 3とした場合を例に取つ たものである。
[0258] ステップ 2401:記録を行う先頭アドレス (A)、記録サイズを確定する。より具体的に は、システム制御部 110中のホスト制御部 111は、ホスト PC (図示せず)からの記録要 求をもとに記録を行う先頭アドレス (A)、記録サイズを確定し、記憶する。
[0259] ステップ 2402 :ステップ 2401で確定したアドレスに対して記録を実施する。より具 体的には、システム制御部 110中の機構制御部 112は、記録先頭アドレス Aへの記 録を行うベぐ同期化に必要な数トラック前 (つまりアドレス: A— 2〜A— 1)を目指し て光ピックアップを移動(シーク)させる。そして、光ピックアップ部 140が記録に必要 な各種設定を行った後、アドレス: Aへの記録を実施する。
[0260] ステップ 2403:ステップ 2402における記録が正しく実施されたか否かを判定する。
より具体的には、エラー検出部 190は、プッシュプル検出部 180におけるトラッキング 異常判定結果など、記録処理中に何らかのエラーが発生したか否かを確認し、その 結果をシステム制御部 110へ通知する。
[0261] 何らかのライトエラーが発生して 、た場合は、エラー要因を記憶し、ステップ 2404 へ進む。
ライトエラーが発生していない場合 (つまり正常に記録が実施できた場合)は、次の 記録要求に対応するため、ステップ 2401へ戻る。
[0262] ステップ 2404:記録に失敗したアドレス (A)を欠陥情報として欠陥リスト (DFL)に登 録する。より具体的には、システム制御部 110中の論理記憶再生部 113は、記録に 失敗したアドレス (つまり欠陥アドレス)を欠陥情報として、 DFLに登録する。より具体 的には、この欠陥情報が DFL情報格納バッファ 160中の最新 DFL情報に登録される
[0263] ステップ 2405:ステップ 2403で判定されたライトエラーが発生したエラー要因がト ラッキング異常、若しくはアドレス取得 NGに関するものであるか否かを判定する。より 具体的には、システム制御部 110中の機構制御部 112は、ステップ 2403において 記憶したエラー要因を確認し、ライトエラーが何の要因によるものかを判定する。
[0264] トラッキング異常、若しくはアドレス取得 NGによるエラーの場合には、ステップ 240 6へ進む o
トラッキング異常、若しくはアドレス取得 NGによるエラーではない場合には、次の記
録要求に対応するため、ステップ 2401へ戻る。
[0265] ステップ 2406 :欠陥ブロックが 3つ連続しているか否かを判定する。より具体的には 、システム制御部 110中の論理記録再生部 113は、今回エラーと判定されたアドレス Aの前方に連続する、アドレス: A— 2および A— 1が既に DFLに登録されて!、るか否 かを判定する。より具体的には、今回エラーと判定されたアドレス Aの前方に 2つの欠 陥ブロック (A— 2, A—1)が連続して DFL情報格納バッファ 160に登録されているか 否かを判定する。
[0266] なお、ここでは前方に 3ブロックが連続欠陥の場合の判定処理を例に説明するが、 その確認方向は前方に限るものではなぐ後方に 3ブロック、若しくは前後計 3ブロッ クが連続して欠陥登録されているカゝ否かで判定を行っても良いのは言うまでもない。
[0267] ここで連続して 3ブロックというのは、上記の例におけるものであり、前述した連続欠 陥判定条件 i)、 ii)または iii)の条件を満足するか否かの判定であれば良ぐ本発明 は 3ブロックと 、う数に限定されるものではな!/、。
なお、連続ブロックが DFLに登録されていない場合には、次の記録要求に対応する ため、ステップ 2401へ戻る。
[0268] 連続して 3ブロックが DFLに登録されている場合には、ステップ 2407へ進む。
ステップ 2407:当該光ディスクには気泡に代表される連続欠陥領域が存在すると 判断する。
また、上記方法によって気泡のような連続欠陥領域であるとして予測した領域のこと を、以下では連続欠陥予測領域と呼ぶ。
[0269] 上記の方法にぉ 、て、 i)および ii)につ 、ては、 DFLに登録された交替エントリを用 いて連続性の判定を行う。つまり、当該欠陥ブロックのアドレスの径方向、若しくは周 方向 1ブロック前のブロックのアドレスを交替元とする交替エントリが存在する力否かと いう判定を行う。なお、上記方法の説明において、前方に連続した場合を例に挙げ て説明したのは、シーケンシャル記録のような連続記録が行われる場合を想定したた めである。
[0270] なお、連続性の判定に DFLを用いるのではなぐ例えばシーケンシャル記録の場合 に重点をおいて、所定数分の欠陥ブロック情報をメモリ部 120に保持しておき、その
欠陥ブロック情報のみを用いて連続性の確認を行うと!、う方法等を用いても良 、。
[0271] また、ライトエラー (Write error)による欠陥力否力、およびエラー要因に関して、本 発明の実施の形態 1においては、欠陥と判定された欠陥ブロックに対してのみ判断 するものとし、連続性を確認する前後のブロックについては、その欠陥要因について は確認しない方法を用いる。これは、連続性を確認するために使用する DFLの交替 エントリに、そのような情報を備えていないことを前提としたためである。しかし、例え ば、連続判定に用いる情報中に欠陥要因情報等を備え、連続性を判断するために 用いる前後のブロックに対しても欠陥要因も含めて判断すると 、う方法等を用いても 良い。また、交替エントリ自身に欠陥要因情報を備えても良い。
[0272] なお、 N、 Mをそれぞれ 3とする理由については、前述の実施の形態 1において説 明したように、本発明が解決することを目的としているタイムアウトを発生させないこと を考慮した数値であり、特にホストコンピュータが用いる 7. 5秒タイムアウトにかからな いように定めた数値である。また、周方向の連続数 M = 3というのは、光ディスク記録 再生装置のシーク処理の特性を考慮したものである。さらに、径方向の連続数 N = 3 というのも、アブノーマルジャンプが発生した際に実際にジャンプする可能性があるト ラック数などを考慮しての数値である。
[0273] なお、これらの数値はあくまで一例であり、同様の効果を得ることができれば良ぐ 本発明はこれらの数値に限定されるものではない。
なお、連続欠陥領域であると判定する方法としては、上記の方法に限定したもので はない。例えば、気泡が光ディスクの内周側に存在する場合、内周側の 1トラックが 2 ブロックで構成されるため、基本的にほぼ全てのクラスタが連続して欠陥と判定される
。また、気泡が光ディスクの外周側に存在する場合、外周側の 1トラックが 5ブロックで 構成されるため、 5ブロックのうちの数ブロックへは正常にアクセスできる可能性があり 、各トラックで 2ブロック連続した欠陥として、径方向に連続して存在する場合がある。 そのため、欠陥ブロックが存在するトラックに含まれるブロックの数に応じて、上記判 定方法における条件の組み合わせや連続数などを制御するという方法も有効である
[0274] その他の判定方法としては、例えば光ピックアップ力 得られたアドレス、再生デー
タ等の各種信号の状態を判定条件に加えても良い。さらに、光ディスクに対して記録 •読み出し用のビームとは異なる特殊なビームを照射して、その反射光から表面の凹 凸等の状態を割り出すことで、予め気泡が存在する位置を発見するといつた方法で も良い。
[0275] なお、前述した判定方法、判定条件等につ!、ては、気泡をターゲットとして設定し たものであり、これらの条件等を変えることにより、気泡以外の広範囲に跨るような欠 陥に対応することも可能である。
なお、前述した判定方法、判定条件等については、気泡をターゲットとして設定し たものである力 本発明は気泡だけをターゲットに限って処理するものではない。つ まり、例えば、強い傷など気泡以外の欠陥でこの条件に合致した場合でも、同様に連 続欠陥予測領域として扱う。
[0276] 光ディスクにおいて気泡が混入すると、照射光だけでなく反射光も影響を受けると いう気泡の特徴を考慮すると、前述の実施の形態 1および実施の形態 2において、複 数の記録層を備えたメディアである光ディスクの場合、連続欠陥予測領域として予測 した領域と同一半径位置における他の層の領域も、同様に連続欠陥予測領域として 扱うという方法が有効である。具体的には、図 16に示したように、第 1の記録層 52が 第 2の記録層 54よりディスク表面側に形成されている場合、レーザは第 1の保護層 5 1の側力も照射されるため、もし第 1の保護層 51に気泡が存在する場合、その気泡と 同一半径位置に存在する各層の領域は気泡の影響を受けやすいことに変わりは無 い。
[0277] 図 19は、複数の記録層を備えた記録媒体である光ディスクにおいて連続欠陥領域 を検出した場合の処理手順を簡単に説明したフローチャートである。なお、図 19に 示したフローチャートでは、連続欠陥として検出した領域を DFLに登録する場合を例 に説明している。
[0278] ステップ 2501:ある記録層にお 、て連続欠陥検出条件に合致したため、当該記録 層は連続欠陥ありと判定する。ステップ 2501は、前述した図 18に示した連続欠陥判 定処理のステップ 2407の処理を言い換えたもの、即ち、ステップ 2501は図 18に示 した連続欠陥判定処理のステップ 2401からステップ 2407までの処理と同一である。
[0279] ステップ 2502 :連続欠陥領域の範囲を確定する。より具体的には、システム制御部 110は、所定範囲のトラックに含まれる全てのブロックを欠陥領域として判定する。実 施の形態 3においては、所定範囲のトラックとは、例えば 100 m相当分のトラックで ある。なお、連続欠陥領域の範囲の確定は、例えば連続欠陥ありと判定した位置を 基準に実際に光ピックアップを制御してトラッキングをかけて、トラッキング異常となる か否かを実際に試してみるという方法などでも良い。但し、本発明はこのような範囲確 定方法に限定するものではな 、。
[0280] ステップ 2503:ステップ 2502で確定された範囲を連続欠陥領域として登録する。
より具体的にはシステム制御部 110中の論理記録再生部 113は、ステップ 2502で 求めた範囲を連続欠陥領域であるとして、 DFLに登録する。より詳細には、ステップ 2 502で求めた範囲を DFL情報格納バッファ 160に登録する。
[0281] 次に、当該記録媒体において存在する全ての記録層(実際に連続欠陥を検出した 層を除く)に対して連続欠陥領域の登録処理を繰り返し行う。
ステップ 2504 :最初は、実際に連続欠陥を検出した記録層とは別の記録層を連続 欠陥領域の判定対象とする。次回からは連続欠陥領域の登録を終了した記録層以 外の記録層を判定対象とする。
[0282] ステップ 2505 :実際に連続欠陥を検出した記録層とは別の記録層において、ステ ップ 2502で連続欠陥領域として検出した範囲と同一半径位置に相当する領域情報 を算出する。具体的には、システム制御部 110中の論理記録再生部 113は、ステツ プ 2502で求めた連続欠陥領域の先頭アドレス、終端アドレス情報などから、連続欠 陥として判定した当該光ディスクの半径位置情報として求める。その半径位置情報に 基づ ヽて、判定対象となって ヽる記録層における該半径位置に相当するアドレス情 報として算出する。
[0283] ステップ 2506 :ステップ 2505で算出した領域を連続欠陥領域として登録する。より 具体的には、システム制御部 110中の論理記録再生部 113は、ステップ 2505で算 出した範囲を連続欠陥領域であるとして、 DFLに登録する。より詳細には判定対象の 記録層において算出された連続欠陥領域を DFL情報格納バッファ 160に登録する。
[0284] ステップ 2507:ステップ 2506にお!/、て判定対象となった記録層の連続欠陥領域
の登録で全ての記録層の判定が終了したかを検出する。全ての判定が終了してい ればこの連続欠陥領域の登録処理は終了する。一方、まだ、未判定の記録層が存 在して 、ればステップ 2504に戻り、連続欠陥領域の登録処理を続行する。
以上が複数の記録層を備えた記録媒体である光ディスクにおいて連続欠陥領域を 検出した場合の処理手順である。
[0285] 上記のように、本発明の欠陥管理方法および欠陥管理装置においては複数の記 録層を有する光ディスクに気泡が混入して 、ても、各記録層における連続欠陥領域 力 ¾FL情報格納バッファ 160に登録されるため記録再生の失敗のない、信頼性の高 Vヽ光ディスク記録再生装置を提供することが可能となる。
[0286] 上記のように、本発明によれば、キャッシュメモリにより処理パフォーマンスの向上を 図りつつ、動作途中で読み出し命令を受けても、正しくデータの記録 ·読み出しを制 御することができ、信頼性の高い欠陥管理方法および欠陥管理装置を提供すること ができる。具体的には、本発明においては、気泡などの影響で連続、または周期的 に欠陥ブロックが存在するような領域に対して記録を行う場合であっても、連続欠陥 領域を予測し、その領域への実アクセスを抑制し、交替先に対して実アクセスを行う ように制御する。したがって、本発明によれば、キャッシュメモリを保持されている未記 録データの記録の際に欠陥による交替記録が多発することを防止することができ、処 理パフォーマンスの向上を図りつつ、信頼性の高い欠陥管理方法および欠陥管理 装置を提供することができる。
[0287] 本発明においては、所定の条件に従って気泡のような広範囲にわたる連続欠陥を 予測し、その領域を意図的に連続欠陥としてみなして交替先も連続となるように割り 当てて欠陥リストに交替登録している。このように処理することにより、予測領域内へ の記録要求に対して、交替先に連続交替記録するように制御することが可能となり、 気泡のように一定条件に従って欠陥が連続して存在するような場合でも、交替記録 によるオーバーヘッドを削減することができる。また、本発明の欠陥管理方法および 欠陥管理装置は、上記のように構成されているため、パーソナルコンピュータ (PC)の ようなホスト装置からのコマンド (要求)処理力タイムアウトする可能性を低減すること ができる。
[0288] さらに、本発明においては、連続欠陥とみなした領域内であっても、交替記録を行 う前に読み出し要求が来た場合などのときは、交替先ではなく要求を受けた領域を 読み出すように制御することで、書換え型メディア、追記型メディアといったメディアの 種類によらず正しくデータの記録再生を行うことができる。
産業上の利用可能性
[0289] 本発明に係る欠陥管理方法および欠陥管理装置は、例えば、欠陥管理機能を備 えた光ディスクを記録再生可能な光ディスク記録再生装置に適用できる。