以下、添付の図面を参照して、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。
以下では、まず光ディスクの物理的および論理的構成、および、領域の管理方法を説明する。その後、本実施形態による光ディスク装置の構成および動作を説明する。
図1(a)は、光ディスク1の物理的構成を示す。光ディスク1は典型的にはBD−Rである。BD−Rは、ライトアットワンスメディア(1回のみ記録可能な記録媒体)である。
円盤状の光ディスク1には、スパイラル状に多数のトラック2が形成されており、各トラック2には細かく分けられた多数のセクタ3が形成されている。
図1(b)は、光ディスク1の論理構成を示す。光ディスク1の領域は、リードイン領域4と、データ領域5と、リードアウト領域6とに大別される。データの記録再生はデータ領域5に対して行われる。
データ領域5は、主としてユーザデータを記録するためのユーザデータ領域16を含んでいる。データ領域5内のユーザデータ領域16の前後には後述するスペア領域が設けられている。スペア領域は、ユーザデータ領域16内に欠陥セクタが存在する場合に、その欠陥セクタに記録されるはずであったデータを交代記録するために利用される。
リードイン領域4とリードアウト領域6は、光ヘッド(図示せず)がデータ領域5の端部へアクセスする際に光ヘッドがオーバーランしてもトラックに追随可能にするためのマージンとして機能し、いわばのりしろとしての役割を果たす。また、リードイン領域4には、ディスクをアクセスするために必要なパラメータが格納されたディスク情報領域を含んでいる。セクタ3には、そのセクタを識別するために、物理セクタ番号(Physical Sector Number;PSN)が割り付けられている。さらに、データ領域5にあるセクタ3には、ホストコンピュータなどの上位装置(図示せず)がそのセクタを認識するために、0から始まる連続した論理セクタ番号(Logical Sector Number;LSN)も割付けられている。
図2は、光ディスク1をBD−Rとしたときのユーザデータ領域16の確保方法の例を示す。図2に示す例は、いわゆるシーケンシャル記録モードと呼ばれる記録方法に基づいて確保された領域を示している。シーケンシャル記録モードは、BD−Rの記録開始位置から所定の方向(たとえば内周から外周へ向かう方向)にデータを順次記録していくモードである。シーケンシャル記録方式によれば、時間的に前後の関係が反映された状態でデータが記録されるため、再生速度を高速にすることが可能となる。
BD−Rに記録されるデータは、セッション(Session)単位で記録される。図2においては、ユーザデータ領域16が2のセッション(Session#1,#2)を含むように記述されているが、1のセッションまたは3以上のセッションであってもよい。
各セッションは、少なくとも1つの連続記録範囲SRR(Sequential Recording Range)から構成される。SRRは、BD−Rに記録される情報の最小単位である複数のクラスタ(64KB)から構成されるものであり、CD−R(Compact Disc−Recordable)メディアにおけるトラックに相当する記録単位である。1のBD−Rには最大約7600個のSRRを設定することができる。
SRRはデータの記録前に確保(または予約)される。SRRには、オープンまたはクローズドのいずれかの状態がある。SRRがオープンの状態のときはデータを連続的に記録可能である。データの記録終了後、クローズドにされると記録不能な状態となる。図2においては、SRR#1から#5が設定されており、そのうちSRR#3および#5はオープンの状態であり、それ以外のセッションはクローズドの状態である。
図2のSRR#1から#4中の“ recorded”と示される領域はデータが記録済みであることを示している。各SRR内の記録済みの領域の終端部には、最終記録アドレスLRA(Last Recorded Address)が記述されており、最終記録位置であることが示されている。
オープンセッションにおいては、LRAの直後の位置はデータの記録を開始できる位置を示している。その位置の情報は次記録可能アドレスNWA(Next Writable Address)として設定される。オープンセッションへのデータの追記は次記録可能アドレスNWAに基づいて行われる。
なお、SRR予約後に残ったユーザデータ領域16はインビジブルSRR(Invisible SRR)と呼ぶ。図2ではセッション#5がインビジブルSRRである。なお、インビジブルSRRへデータが記録されると、インコンプリートSRR(Incomplete SRR)と呼ぶ。インビジブルSRRを除くオープンSRRはクローズ可能である。クローズするとコンプリート(Complete)SRRとなる。クローズする際にデータが未記録の領域が存在する場合は、ヌルデータによるパディング処理を行ってもよいし、そのまま未記録の状態で残してもよい。
図3は、図1(b)に示す光ディスク1の詳細なデータ構造を示す。リードイン領域4は、第1の欠陥管理領域30と第2の欠陥管理領域31と一時ディスク管理領域群20とを含む。欠陥管理領域30および31は、データ領域5における欠陥ブロックの情報等を管理するための領域である。
データ領域5は、データを記録する領域であり、ユーザデータ領域16とスペア領域17とを含む。ユーザデータ領域16は、音楽やビデオなどのリアルタイムデータや文章やデータベースなどのコンピュータデータなど、任意の情報がユーザによって記録可能な領域である。スペア領域17は、データ領域5の交替領域であり、例えば、ユーザデータ領域16に欠陥ブロックが検出された場合、その欠陥ブロックの代わりにデータを記録する領域である。
図2に示された光ディスク1のデータ構造では、スペア領域17は、データ領域5の内周側(つまりリードイン領域側)と外周側(つまりリードアウト領域側)に1つずつ存在するが、スペア領域17の個数や配置は任意であって、図示されたスペア領域の個数や配置に限らない。
リードアウト領域6は、第3の欠陥管理領域32と第4の欠陥管理領域33とを含む。欠陥管理領域32および33は、データ領域5における欠陥ブロックの情報等を管理するための領域である。
欠陥管理領域30〜33の各々は、所定の位置に配置される領域であり、各々のサイズは固定長である。欠陥管理領域10〜13の各々に配置される管理情報のサイズは、例えば、欠陥ブロックの個数に応じて可変長である。
欠陥管理領域10〜13の各々は、ディスク定義構造14およびその他の情報を含む。
一時ディスク管理領域群20は、N個(Nは1以上の整数)の一時ディスク管理領域21を含む。各一時ディスク管理領域21は更新された管理情報を一時的に記録するための領域であり、連続記録範囲情報18、一時ディスク定義構造およびその他の情報を含む。
N個の一時ディスク管理領域21は、光ディスク1へのデータの記録処理ごとに更新され、最後の一時ディスク管理領域#Nが現在の光ディスク1における最新の管理情報となる。BD−Rのようなライトワンスメディアでは管理情報を書き換えできないため、最新の管理情報を保持するためには追記するより他はない。よって、一時ディスク管理領域21は累積的に記録される。N個の一時ディスク管理領域21は、一時ディスク管理領域群20の先頭から終端の方向(光ディスク1の内周から外周の方向)に沿って順に記録される。
なお、一時ディスク管理領域21を含む一時ディスク管理領域群20は、必ずしもリードイン領域4に含まれなくともよい。ユーザデータ領域16を除く領域、例えばリードアウト領域6またはスペア領域17に含まれてもよい。
次に図4を参照しながら、連続記録範囲情報18を詳細に説明する。図4は、連続記録範囲情報18のデータ構造を示す。
連続記録範囲情報18は、連続記録範囲情報ヘッダ19、M個(Mは1以上の整数)の連続記録範囲エントリ20−1〜20−m、およびその他の情報を含む。
連続記録範囲情報ヘッダ19は、ユーザデータ領域16上に確保された連続記録範囲SRRに関する情報を格納している。
一方、連続記録範囲エントリ20−1〜20−mの各々は、各SRRの始端位置(開始アドレス)の情報および最終記録アドレスLRAの情報を保持している。
なお、図4の一時ディスク管理領域21中に、プリチェックフラグ24を設けてもよい。図4では、一時ディスク管理領域21の連続記録範囲情報18とは異なる「その他の情報」中に設けられるとしている。このフラグは、光ディスク装填後、データ記録開始前において行われるディスクの欠陥領域を見つけるための表面チェックが行われたか否かを示すために用いられる。このフラグの値が、データの記録を行おうとする記録領域に対して表面チェックがすでに行われていることを示している場合には、光ディスク装置は、その表面チェック処理を省略可能となり、記録開始までに要する時間を短縮化できる。
図5は、連続記録範囲情報ヘッダ19の詳細なデータ構造を示す。連続記録範囲情報ヘッダ19は、連続記録範囲エントリ数21と、追記可能連続記録範囲エントリ数22と、P個(Pは1以上の整数)の追記可能連続記録範囲番号23−1〜23−pとを含んでいる。
連続記録範囲エントリ数21は、光ディスク1上の全ての連続記録範囲SRRの数を示す。追記可能連続記録範囲エントリ数22は、オープンの状態にあるSRRの数を示す。追記可能連続記録範囲番号23−1〜23−pは、それぞれ、連続記録範囲エントリ20−1〜20−mのうちの、追記可能なSRRに対応するエントリの番号を示す。このエントリの番号は、連続記録範囲SRRを特定する範囲特定情報であるといえる。
図2の例を挙げると、連続記録範囲エントリ数21には「5」が記述され、追記可能連続記録範囲エントリ数22には「2」が記述され、追記可能連続記録範囲番号23−1および23−2として、それぞれ「3」および「5」が記述される。
次に、本実施形態による光ディスク装置を説明する。光ディスク装置は、1度のみ記録が可能なBD−Rに対してデータを記録および再生できるBDレコーダであるとする。そこで以下では、図1(a)に示す「光ディスク1」を「BD1」と記載する。
図6は、BDレコーダ100の機能ブロックの構成を示す。
BDレコーダ100の動作を概説すると、BDレコーダ100は、光ディスク(典型的にはBD)へのデータ記録前に記録領域内の欠陥領域をサーチする。そして、光ディスクからの反射光に基づいて得られるサーボ信号によってサーボエラーを検出すると、そのエラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定して、欠陥領域のサイズを測定する。そして欠陥領域の位置およびサイズ等を特定することにより、それらに基づいて欠陥領域にデータが記録されないよう記録領域を管理する。
BDレコーダ100は、データの記録前に欠陥領域を特定しているため、欠陥領域を避けてデータを記録することが可能となる。よって、その後のデータの記録をスムーズに行うことができる。その結果、高いリアルタイム記録性能を有するBDレコーダ100を提供できる。たとえばBDレコーダ100を利用してテレビ放送番組を録画する際には、記録が失敗する可能性を非常に低く抑えることができる。
さらに、欠陥領域のサイズを測定した上で欠陥領域にデータが記録されないよう記録領域を管理するため、欠陥領域を過度に避けて記録領域を確保する必要がなくなる。よってディスクの記録領域を有効に活用できる。
以下、BDレコーダ100の構成を説明する。BDレコーダ100は、光ディスクドライブ102と、上位制御装置104と、それらが接続された入出力(I/O)バス170とを有する。
上位制御装置104は、たとえばBDレコーダ100のメインCPUである。メインCPUはメモリ(図示せず)にロードされたコンピュータプログラムを実行することによって演算処理を行い、光ディスクドライブ102などのBDレコーダ100の構成要素に対して演算結果に基づく命令を出す。命令はI/Oバス170を介して各構成要素に送られる。その命令に応答して各構成要素が個々の動作を行うことにより、BDレコーダ100の種々の機能が実現される。
以下では、まず上位制御装置104の機能を詳細に説明し、その後、その上位制御装置104から命令を受け、所定の動作を行う光ディスクドライブ102を説明する。
上位制御装置104は、命令発行部106とバッファ108とを有する。命令発行部106は、光ディスクドライブ102に対して複数種類の命令を発行する。具体的には、連続記録範囲制御命令、ディスク表面チェック命令、チェック結果返送命令、記録命令および再生命令である。命令発行部106は、各命令に対する応答を光ディスクドライブ102から受け取ると、バッファ108に格納する。
連続記録範囲制御命令は、図2に示す連続記録範囲SRRに関する制御を行うために発行される複数種類のコマンドの総称であり、たとえば連続記録範囲情報(SRRI)取得コマンド、SRR予約コマンド、SRRクローズコマンドを含んでいる。
命令発行部106は、SRRI取得コマンドに基づいて光ディスクドライブ102から得られた連続記録範囲情報を、バッファ108に格納する。また命令発行部106は、後述する記録命令を発行する前に、光ディスクドライブ102に対してSRR予約コマンドを発行し、BD1のユーザデータ領域6のSRRを予約する。さらに命令発行部106は、予約したSRRに対してクローズコマンドを発行し、そのSRRを追記録不可能状態にする。
ディスク表面チェック命令は、光ディスクドライブ102に対してBD1の表面の欠陥を検出するよう指示するために発行される。この「表面の欠陥」とは、光ディスク1の表面に存在する傷のみならず、図19に示すような気泡に起因して盛り上がった表面に起因する大規模欠陥をも含む。命令発行部106は、チェックすべき領域の始端位置およびチェック範囲の指定を含めて、光ディスクドライブ102に対してディスク表面チェック命令を発行する。光ディスクドライブ102はディスク表面チェック命令に基づいてBD1のチェックを行い、欠陥情報のリストを生成する。
チェック結果返送命令は、ディスク表面チェック命令によって光ディスクドライブ102がBD1の表面をチェックした結果を返送するよう指示するために発行される。チェック結果返送命令に基づいて光ディスクドライブ102から欠陥情報のリストが返送される。命令発行部106は、光ディスクドライブ102から返送された欠陥情報のリストをバッファ108に格納する。
記録命令は、バッファ108に格納されている記録対象のデータ(記録データ)をBD1に記録するよう指示するために発行される。記録命令は「AVwriteコマンド」とも呼ばれる。命令発行部106は、光ディスクドライブ102に対して記録命令を発行し、その後記録データを光ディスクドライブ102に送る。
再生命令は、光ディスクドライブ102に対してBD1からデータを再生するよう指示するために発行される。命令発行部106は、光ディスクドライブ102から再生されたデータ(再生データ)を受け取り、バッファ108に格納する。
次に、光ディスクドライブ102を説明する。
光ディスクドライブ102は、命令処理部110と、記録制御部120と、再生制御部130と、記録範囲制御部140と、表面チェック部150と、データバッファ160を備えている。
命令処理部110は、上位制御装置104の命令発行部106からの命令を解釈し、その命令を他の構成要素に伝送する。以下では、命令発行部106から他の命令処理部110以外の構成要素に命令が送られるとして説明するが、これは説明の便宜のためである。実際には命令処理部110が上述した処理を行い、その結果、当該構成要素に命令が送られる。
記録制御部120は、記録命令を受け取るとBD1へのデータの記録を制御する。再生制御部130は、再生命令を受け取るとBD1からのデータの再生を制御する。
記録範囲制御部140は、連続記録範囲制御命令を受け取るとBD1の連続記録範囲SRRを制御する。ここでいう「制御」とは、連続記録範囲情報SRRIの取得、SRRの予約、SRRのクローズ等の処理を意味する。
特に、後述の欠陥サイズ測定部153によって欠陥情報リストが生成されたときは、記録範囲制御部140は上位制御装置104の命令発行部106からの命令に基づいて、欠陥情報リストによって特定される領域(たとえば気泡に起因する大規模欠陥領域)にデータが記録されないよう記録領域を管理する。具体的には、上位制御装置104の命令発行部106が記録範囲制御部140に対してSRRクローズコマンドを発行すると、記録範囲制御部140は、図4および図5に記載された連続記録範囲情報ヘッダ19および連続記録範囲エントリ20−kを利用して、欠陥領域を連続記録範囲SRRとして登録するとともに、そのSRRをクローズする。これにより、その欠陥領域にデータが記録されることはなくなる。なお、命令発行部106からの命令の有無にかかわらず、記録範囲制御部140が自動的にSRRをクローズしてもよい。
記録範囲制御部140は、範囲情報処理部141と制御メモリ142とを有している。範囲情報処理部141は、連続記録範囲情報SRRIをBD1に記録し(更新も含む)、BD1から再生する。ただし、連続記録範囲情報SRRIの記録または更新は、範囲情報処理部141からの記録命令に基づいて記録制御部120が実行する。また連続記録範囲情報SRRIの再生は、範囲情報処理部141からの再生命令に基づいて再生制御部130が実行する。制御メモリ142は、再生された、または記録される連続記録範囲情報SRRIを保持する。
表面チェック部150はディスク表面チェック命令を受け取ると、BD1の欠陥を検出して欠陥情報のリストを生成する。
表面チェック部150は、サーチ部151と、欠陥判定部152と、欠陥サイズ測定部153と、欠陥情報バッファ154とを備えている。
サーチ部151は、欠陥判定部152による欠陥検出を行いながら欠陥領域をサーチする。具体的には、サーチ部151は、後述する光ピックアップを制御して、BD1の半径方向に所定の距離ずつ移動させるよう光ビームの照射位置を調整する。そして、光ビームの照射位置を移動させるたびに欠陥判定部152に欠陥領域の検出処理を行わせ、欠陥領域をサーチする。本実施形態においては、サーチ部151はユーザデータ領域16へのユーザデータ記録前に欠陥領域をサーチする。
欠陥判定部152は、サーチが行われている間に、光ピックアップから出力される受光信号に基づいてサーボエラーを検出すると、そのエラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定する。たとえば欠陥判定部152は、サーチ部151によって光ビームの照射位置が移動されるたびに、BD1のトラック一周またはそれ以上のトラック長にわたってトラッキングエラー(TE)信号を測定し、TE信号が乱れたときの検出閾値および閾値を超えた時間を計測して、サーボ欠陥(サーボエラー)の有無を判定する。この処理の詳細は、図7から図9を参照しながら後述する。
欠陥サイズ測定部153は、サーボエラーが検出された後、欠陥領域のサイズを測定し、欠陥領域を特定する欠陥情報リストを生成する。欠陥情報リストには、たとえば検出された欠陥領域の始端位置(欠陥開始位置)およびサイズが対応付けられて格納されている。
欠陥情報バッファ154は、欠陥情報リストを格納する。
データバッファ160は、記録データおよび再生データを一時的に格納する。
次に、図7を参照しながら、光ディスクドライブ102のハードウェア構成を説明する。併せて、図6に示す光ディスクドライブ102の機能ブロックとの対応を説明する。
図7は、本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す。
光ディスクドライブ102は、ディスクモータ111と、光ピックアップ610と、光ディスクコントローラ(ODC)620と、駆動部625とシステムコントローラ630とを備えている。
システムコントローラ630は、内蔵された制御プログラムに従って、光ディスクドライブ102の全体動作を制御する。
光ピックアップ610は、光源204、カップリングレンズ205、偏向ビームスプリッタ206、対物レンズ203、集光レンズ207、光検出器208を備えている。
光源204は、好適には半導体レーザであり、本実施形態では波長415nm以下の光ビームを放射する。光源204から放射された光ビームは直線偏光であり、その偏光方向は、放射される光ビームの光軸に関して光源204の向きを回転させることにより任意に調整することができる。カップリングレンズ205は、光源204から放射された光ビームを平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ206に入射させる。偏向ビームスプリッタ206は、特定方向に偏光した直線偏光は反射するが、その特定方向に対して垂直な方向に偏光した直線偏光は透過する特性を有している。本実施形態の偏光ビームスプリッタ206は、カップリングレンズ205で平行光に変換された光ビームを対物レンズ203に向けて反射するよう構成されている。対物レンズ203は、偏向ビームスプリッタ206で反射された光ビームを集束し、BD1の記録層上に光ビームスポットを形成する。
BD1で反射された光ビームは、光ピックアップ610の対物レンズ203で平行な光ビームに変換された後、偏向ビームスプリッタ206に入射する。このときの光ビームは、その偏光方向がBD1に入射するときの光ビームの偏光方向から90°回転したものになるため、偏向ビームスプリッタ206を透過し、そのまま集光レンズ207を経て光検出器208に入射することになる。
光検出器208は、集光レンズ207を通過してきた光を受け、その光を電気信号(電流信号)に変換する。図示されている光検出器208は、受光面上で4分割された領域A、B、C、Dを有しており、領域A〜Dの各々が、受けた光に応じた電気信号を出力する。
ディスクモータ111によって所定速度で回転しているBD1の記録層上において所望のトラックを光ビームの焦点が追従するためには、BD1で反射された光ビームに基づいて、トラッキングずれおよびフォーカスずれを示すトラッキングエラー(TE)信号およびフォーカスエラー(FE)信号を検出する必要がある。これらはODC620によって生成される。
TE信号について説明すると、光ディスクドライブ102は、記録時にはプッシュプル法によりTE信号を生成し、再生時には位相差法によりTE信号を生成する。
本実施形態による光ディスクドライブ102はBD1へのデータ記録前にTE信号を利用してサーボエラーの有無を判定する。したがって、データが記録されていない領域からの反射光の受光信号に基づいてTE信号を生成する必要がある。したがって、記録時と同様、プッシュプル法によりTE信号を生成することが好ましい。以下ではまずプッシュプルTE信号を生成する処理から説明する。
ODC620の加算器408は光検出器208の領域BとDの和信号を出力し、加算器414は光検出器208の領域AとCの和信号を出力する。差動増幅器410は、加算器408、414からの出力を受け取り、その差を表すプッシュプルTE信号を出力する。ゲイン切換回路416は、プッシュプルTE信号を所定の振幅(ゲイン)に調整する。AD変換器420は、ゲイン切換回路416からのプッシュプルTE信号をディジタル信号に変換してDSP412に出力する。
次に、位相差TE信号は以下のようにして得られる。加算回路344は、領域Aの出力と領域Dの出力とを合計した大きさに相当する信号A+Dを出力し、加算回路346は、領域Bの出力と領域Cの出力とを合計した大きさに相当する信号B+Cを出力する。加算の仕方を変更することにより、他の信号を生成することも可能である。
コンパレータ352,354は、それぞれ、加算回路344,346からの信号を2値化する。位相比較器356は、コンパレータ352,354からの信号の位相比較を行う。差動増幅器360は、位相比較器356からの信号を入力して位相差TE信号を出力する。この位相差TE信号は、光ビームがBD1のトラック上を正しく走査するように制御するために用いられる。
ゲイン切換回路366は、位相差TE信号を所定の振幅に調整する。AD(アナログ・ディジタル)変換器370は、ゲイン切換回路366から出力された位相差TE信号をディジタル信号に変換する。
FE信号は、差動増幅器358によって生成される。FE信号の検出法は特に限定されず、非点収差法を用いたものでもよいし、ナイフエッジ法を用いたものであってもよいし、SSD(スポット・サイズド・ディテクション)法を用いたものであってもよい。検出法に応じて回路構成を適宜変更することになる。ゲイン切換回路364は、FE信号を所定の振幅に調整する。AD変換器368は、ゲイン切換回路364から出力されるFE信号をディジタル信号に変換する。
DSP412は、TE信号およびFE信号等に基づいて駆動部625を制御する。DSP412から出力されるフォーカス制御のための制御信号FEPWMおよびトラッキング制御のための制御信号TEPWMは、それぞれ、駆動部625の駆動回路136および駆動回路138に送られる。
駆動回路136は、制御信号FEPWMに応じてフォーカスアクチュエータ143を駆動する。フォーカスアクチュエータ143は、対物レンズ203をBD1の記録層と略垂直な方向に移動させる。駆動回路138は、制御信号TEPWMに応じてトラッキングアクチュエータ202を駆動する。トラッキングアクチュエータ202は、対物レンズ203をBD1の記録層と略平行な方向に移動させる。なお、駆動部625は、光ピックアップ610を載置する移送台の駆動回路(図示せず)も備えている。駆動回路への印加電圧によって移送台を駆動することにより、光ピックアップ610は半径方向の任意の位置に移動することができる。
次に、データを再生するための構成を説明する。
加算回路372は、光検出器208の領域A,B,C,Dの出力を加算して、全光量和信号(A+B+C+D)を生成する。全光量和信号(A+B+C+D)はODC620のHPF373に入力される。
HPF373で低周波成分が除去された加算信号は、イコライザ部374を介して2値化部375で2値化され、ECC/変復調回路376でPLL、エラー訂正、復調などの処理が行われ、バッファ377に一時的に蓄積される。バッファ377の容量は、種々の再生条件を考慮して決定されている。
バッファ377内のデータは映像等の再生タイミングに応じて再生され、再生データとしてI/Oバス170を介してホストコンピュータ104へ出力される。これにより、映像等が再生される。
次に、データを記録するための構成を説明する。
バッファ377内に格納された記録データは、ECC/変復調回路376によりエラー訂正符号を付加されて符号化データとなる。次いで、符号化データはECC/変復調回路376により変調されて変調データとなる。さらに、変調データはレーザ駆動回路378に入力される。レーザ駆動回路378が変調データに基づいて光源204を制御することにより、レーザ光がパワー変調される。
図6および図7の対応関係を説明する。
図6の命令処理部110は図7のシステムコントローラ630に対応する。また、図6の記録範囲制御部140および表面チェック部150はDSP412の処理に対応する。
また図6の記録制御部120は、記録すべきデータを受け取って記録を指示するシステムコントローラ630に対応する。また記録制御部120は、プッシュプルTE信号を生成するためのODC620内のトラッキング信号生成部(加算器408,414、差動増幅器410、ゲイン切換回路416およびAD変換器420)、および、FE信号を生成するためのフォーカス信号生成部(加算器、差動増幅器358、ゲイン切換回路364およびAD変換器368)をも含む。また記録制御部120は駆動部625も含む。また記録制御部120はECC/変復調回路376、レーザ駆動回路378も含む。
図6の再生制御部130は、データの再生を指示するシステムコントローラ630に対応する。再生制御部130は、図7の構成要素372から376までの構成要素も含む。また再生制御部130は、位相差TE信号を得るための構成要素354から370およびFE信号を得るためのフォーカス信号生成部をも含む。また再生制御部130は駆動部625も含む。
図6のデータバッファ160は、図7のバッファ377に対応する。
次に、本実施形態によるBDレコーダ100の処理を説明する。まず図8から図10を参照しながら、欠陥領域の検出処理およびそのサイズ測定処理の概略を説明する。この処理は、本実施形態によるBDレコーダ100の特徴的な処理である。以下では、気泡の核が存在する領域およびその周辺領域を欠陥領域の例として説明する。
図8(a)および(b)は、本実施形態によるディスク表面チェック処理を説明する概念図である。いま、チェック始端位置は図8(a)に示すBD1のトラックaとし、チェック範囲はトラックaから300μmとする。このチェック範囲には、気泡11として示すように、気泡の核が存在する領域およびその周辺領域が含まれているとする。
ディスク表面チェック処理は、たとえばBD1がBDレコーダ100内にロードされた後で、かつデータの記録が開始される前に行われる。
まずサーチ部151は、光ピックアップ610を制御して、トラックa上に光ビームが照射されるよう調整する。光ピックアップがBD1で反射した光ビームに基づいて受光信号を生成すると、加算器408および414、差動増幅器410、ゲイン切換回路416およびAD変換器420によって、受光信号に基づいてプッシュプルTE信号が生成される。
欠陥判定部152は、サーチが行われている間に得られたプッシュプルTE信号に基づいて、サーボエラーが発生しているか否かを判定する。
サーボエラーの検出は、以下のように行う。図9は、サーボエラーを含むトラッキングエラーの波形を示す。欠陥判定部152は、BD1の対象となるトラック1回転を若干超える時間だけTE信号を取得する。そして、そのTE信号にトラックジャンプに起因するサーボエラーの成分が含まれるか否かを判断する。例えば、欠陥判定部152は、TE信号が所定の検出閾値(閾値レベル)P(>0)を超えた後、P以下になるまでの時間Qの長さに基づいてサーボエラーか否かを判定する。時間Qが規定値よりも長ければサーボエラーであると判定し、規定値以下であればサーボエラーは存在しないと判定する。さらに、TE信号が所定の検出閾値(閾値レベル)P’(<0)以下になった後、P’以上になるまでの時間Q’の長さに基づいてサーボエラーか否かを判定することも可能である。なお、欠陥判定部152は反射光量等の他要因に関する判断は行っていない。
再び図8(a)を参照する。トラックaのプッシュプルTE信号にはサーボエラーが発生しないため、サーチ部151は、光ビームの照射位置を30μm離れたトラックb上に移動させ、トラックbのプッシュプルTE信号にサーボエラーが発生するか否かを判定する。トラックbのプッシュプルTE信号にはサーボエラーが発生しないため、さらに30μm離れた次のトラックcに照射位置を移動するが、トラックcについてもサーボエラーが生じないため、同様に30μm離れた次のトラックdにさらに照射位置を移動する。
トラックd上には気泡11が存在する。そのため、欠陥判定部152は、トラックdのプッシュプルTE信号からサーボエラーを検出する。欠陥判定部152はエラーを検出すると、エラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定する。なお、トラックdに基づくプッシュプルTE信号を再度取得して、より信頼性の高い判定を行ってもよい。
欠陥判定部152によってサーボエラーが検出されると、サーチ部151はそれまでのトラックジャンプ間隔である30μm以下の距離、たとえば20μmだけ光ビームの照射位置を戻すよう、光ピックアップ610を制御する。そして欠陥判定部152は、その位置のトラックについてサーボエラーの有無を判定する。
図8(b)は、20μmだけ戻された位置のトラックeと気泡11との関係を示す。トラックcとトラックdとの間にトラックeおよびfが存在している。欠陥判定部152は、トラックdでサーボエラーDdを検出すると、トラックeから改めてサーボエラーの有無を判定する。図8(b)ではトラックe上には気泡11が存在しているため、欠陥判定部152はトラックeにおいてもサーボエラーDeを検出する。この結果、サーボエラーが発生しなかったトラックcと、トラックeとの間に気泡11の始端が存在すると判断される。
以後、サーチ部151はトラックeからトラックdに向かう半径方向に10μm単位で光の照射位置を移動させ、欠陥判定部152が各トラックにおいてサーボエラーの有無を判定する。この移動距離は、トラックaおよびトラックbの間、およびトラックbおよびトラックcの間の距離(30μm)よりも短いため、気泡11を精査できる。図8(b)の例では、欠陥判定部152はトラックeからトラックpまでに関してサーボエラーを検出する。
サーチ部151が光ビームの照射位置をトラックqに移動すると、サーボエラーは検出されない。よって気泡11は少なくともトラックeからトラックqまでの間に跨っていることが特定される。なお、サーボエラーが検出されなくなった後は、サーチ部151は再び光ビームの照射位置の移動間隔を30μmに設定し、ディスク表面チェック命令とともに指定されたチェック範囲の最後まで各トラックのサーボエラーの有無をチェックすればよい。
欠陥サイズ測定部153は、サーボエラーが検出されたトラックの存在する範囲に基づいて気泡11のサイズSを算出する。具体的には、上述の気泡11の始端からエラーが最後に検出されたトラックpまでの間でサーチしたトラック数に、サーチしたトラックの間隔(10μm)を乗算して、気泡のサイズSを求める。このようにして得られた気泡のサイズSは、トラックeから、サーボエラーが発生しなかったトラックqの1つ前の隣接するトラックまでの範囲として計算されている。
図10は、図8(a)および(b)のサーボエラー検出に関する処理を時系列に表示した図である。トラックaから順に30μm離れたトラックごとにサーボエラーの有無をチェックする。トラックdにおいてサーボエラーが検出されると、トラックeまで戻り、そのトラックから次は10μm離れたトラックごとにサーボエラーの有無をチェックする。そしてトラックpでサーボエラーが検出され、トラックqで検出されなくなると、欠陥サイズ測定部153は、サーボエラーが生じたトラックeとサーボエラーが検出されなくなったトラックqとの間に気泡11が存在すると判定する。これにより気泡11のサイズすなわち欠陥領域のサイズをほぼ特定できる。
なお、トラックeは、サーボエラーが発生し、かつ欠陥領域のサーチが開始されたトラックaに最も近いトラックとして特定される。一方、トラックqは、サーボエラーが検出された後に初めてサーボエラーが検出されなくなったトラックとして特定される。気泡11の始端はトラックcおよびeの間に存在し、終端はトラックpおよびqの間に存在するといえる。
なお、上述した処理では、トラックdにおいてサーボエラーが検出されたとき、20μmだけ戻った位置のトラックeから10μm単位の探索を行うとした。しかし、トラックcまで戻り、10μm単位の探索を行ってもよい。トラックcにはサーボエラーが検出されていないため、確実にその位置を特定できるからである。
上述した説明では、欠陥領域のサーチと欠陥判定を並行して行っていた。しかし、欠陥判定の方法は他にも種々存在する。たとえば指定された欠陥チェック範囲にわたって一旦TE信号を取得し、そのTE信号の波形データを利用して、サーチ後に欠陥判定を行ってもよい。この方法によれば、トラックdからトラックeまで戻る必要はないし、また、精探索や粗探索などを区別する必要もない。光の照射位置の移動距離を30μmごとの固定値にしてもよい。
気泡11の始端位置および範囲が特定されると、範囲情報処理部141は、連続記録範囲情報(SRRI)18を更新して、気泡11を1つのSRRとして登録するとともに、そのSRRをクローズする。この結果、図5に記載された連続記録範囲情報ヘッダ19の連続記録範囲エントリ数21は1つ増加されるが、追記可能連続範囲エントリ数22は増加されず、また、そのSRRに対応する番号は追記可能連続記録範囲番号23−1〜23−p内には記述されない。
なお、全てのトラックについてサーボエラーの有無をチェックすると気泡領域の測定に時間を要するため、サーボエラー検出前は30μmごとにトラックをチェックし、サーボエラー検出後は10μmごとにトラックをチェックした。BDのトラックピッチは0.32μmであるため、たとえば10μmごとのチェックは約30トラック(10/0.32)ごとのチェックに対応する。これにより、1トラックずつチェックするよりはすばやく気泡領域サイズの測定を行うことができる。
上述のようにサーボエラー検出前と検出後とでは、チェックするトラック間の幅を変化させている。以下の説明では、より広い幅(上述の例では30μm)の方を「粗探索サイズ」と呼び、より狭い幅(上述の例では10μm)の方を「精探索サイズ」ともよぶ。
なお、粗探索サイズを30μm、精探索サイズを10μmとしているが、より高速に気泡領域サイズを測定したい場合にはより広い幅、より詳細なサイズを測定したい場合にはより狭い幅というように各サイズを変更しても良い。
なお一部分のトラックについてはトラックごとにサーボ欠陥の有無を判定してもよい。例えば、10μmごとにトラックをチェックした結果、サーボ欠陥が生じなくなったトラックqが特定されたときにおいて、そのトラックqと最後にサーボ欠陥を生じたトラックpとの間のトラックごとにサーボ欠陥の有無を判定してもよい。これにより、気泡11の正確なサイズを特定できる。
次に、図11から図16を参照しながら、BDレコーダ100の動作を詳細に説明する。以下では、傷等に起因する欠陥領域と、気泡等に起因する欠陥領域とを含めて「欠陥領域」と記述する。欠陥領域の規模は特に問題にしないが、気泡に起因する欠陥領域は数百のトラックに跨り、非常に大きな規模になることがある。
以下、上位制御装置104および光ディスクドライブ102の役割を明確にしながら、BDレコーダ100の動作を説明する。まずBD1がBDレコーダ100に装填されると、データの記録開始に先立って、上位制御装置104は光ディスクドライブ102に対してディスク表面チェックコマンドを発行する。すると光ディスクドライブ102は記録可能領域の欠陥チェックを行う。チェックすべき領域のサイズが指定されたときは、光ディスクドライブ102はその指定されたサイズだけ記録可能領域の欠陥チェックを行う。
チェック中において欠陥が発見されると、光ディスクドライブ102はその都度上位制御装置104に報告するのではなく、チェック結果である欠陥領域を特定するためのデータリスト(欠陥情報リスト)を自ら作成してその更新を続ける。そしてチェックが完了した後、上位制御装置104がチェック結果返送コマンドを発行したときに初めて、光ディスクドライブ102は欠陥情報リストを上位制御装置104に送る。
上位制御装置104は欠陥情報リストに基づいて、光ディスクドライブ102に欠陥領域を全てクローズさせ、欠陥領域以外の一部または全部の領域を確保させてデータの記録を指示する。
なお、欠陥領域をクローズするためには、欠陥領域に対応する物理アドレスのみならず論理アドレスが必要となる。欠陥領域がクローズされた後においても、当該欠陥領域に対応する論理アドレスはクローズされた領域の論理アドレスとして割り当てられている。欠陥領域がクローズされる前後で物理アドレスと論理アドレスとの対応関係が変更されることはない。
仮に欠陥領域に論理アドレスを割り当てず、欠陥領域の直前および直後の論理アドレスを連続させるとすると、物理アドレスと論理アドレスとの対応関係は欠陥領域の前後で変化する。したがって、欠陥領域が存在するたびに物理アドレスと論理アドレスとを変換するための対応関係データが必要となる。これでは、そのデータを格納するためのメモリが必要となり、またアドレスの変換処理も必要となる。よって追加のハードウェアが必要になるともに、上位制御装置または光ディスクドライブの処理が複雑化する。
このような処理の例と比較すると、本実施形態によるBDレコーダ100の処理は追加のハードウェアを必要とせず、かつ上位制御装置または光ディスクドライブの処理負担を軽減することが可能である。
以下、図11を参照しながら、BDレコーダ100の動作をより具体的に説明する。
図11は、BDレコーダ100による欠陥領域を避けた記録処理の手順を示す。この記録処理の手順は、たとえばBD1がBDレコーダ100にロードされると同時にBD1への記録が開始されたときに実行される。
ステップS110において、上位制御装置104の命令発行部106は、チェック始端位置LBAおよびチェックサイズを指定し、光ディスクドライブ102に対してディスク表面チェックコマンドを発行する。
図12は、ディスク表面チェックコマンドのフォーマットの例である。まず第0行に記述された固有のコードによって、ディスク表面チェックコマンドであることが特定される。そして第2行から第5行までの範囲でチェック始端位置LBAが指定され、第6行から第9行までの範囲でチェックサイズが指定される。チェック始端位置LBAとチェックサイズとによって指定される領域は、たとえばBD1の全面、予めデータ長が把握できる場合にはそのデータを記録可能な領域である。このようなディスク表面チェックコマンドを受けると、表面チェック部150のサーチ部151はディスク表面のチェックを開始する。ディスク表面のチェック処理の詳細は、図15および図16を参照しながら後述する。
ステップS111において、命令発行部106は光ディスクドライブ102の動作状態をチェックするための状態チェックコマンドを発行し、返送された通知に基づいて、光ディスクドライブ102がディスク表面を指定サイズ分チェックしているか否かを判断する。そしてチェックが完了するまで監視する。チェックが進み、欠陥領域が発見されると欠陥情報リストが生成され、その後欠陥領域が発見されるとその欠陥情報リストが更新される。チェックが完了した場合は次のステップS112に進む。
ステップS112において、命令発行部106は、表面チェック部150に対してディスク表面チェック結果返送コマンドを発行する。
図13は、ディスク表面チェック結果返送命令のフォーマットの例である。第0行に記述された固有のコードによって、ディスク表面チェック結果返送コマンドであることが特定される。第6行から第9行までの範囲で、返送されるチェック結果のデータ長(転送長)が指定される。
一方、図14(a)〜(c)は返送されるチェック結果のフォーマットの例である。図14(a)に示すように、第0行から第7行までの範囲が固有のヘッダであり、第8行から第N行までの範囲でチェック結果のデータリスト、すなわち欠陥情報リストが指定される。
図14(b)はヘッダのデータ構造を示す。特に第4行から第7行までの範囲において、最後にチェックを行ったトラックのアドレスが記述される。
図14(c)は欠陥情報リストのデータ構造を示す。欠陥情報リストには連続欠陥始端LBAおよび連続欠陥長が記述されている。第0行から第3行までの範囲において連続欠陥始端LBAが記述され、第4行から第7行までの範囲において連続欠陥長(連続欠陥領域のサイズ)が記述される。命令発行部106は欠陥情報リストを取得し、欠陥情報としてバッファ108に格納する。
再び図11を参照する。ステップS113において、命令発行部106はバッファ108に格納された欠陥情報によって特定される欠陥領域を対象として、記録範囲制御部140に対してSRR予約命令を発行する。その結果、記録範囲制御部140の範囲情報処理部141は当該領域を連続記録範囲SRRとして予約し、連続記録範囲情報SRRIを更新する。
ステップS114において、命令発行部106は記録範囲制御部140に対して、予約されたSRRへのクローズ命令を発行する。
ステップS115において、命令発行部106は、バッファ108に格納された欠陥情報に記述された全ての欠陥領域をクローズしたか否かを判定する。全ての欠陥領域のクローズが完了した場合にはステップS116に進む。この時点で、バッファ108に格納された欠陥情報に記述された全ての領域は、追記不可能な状態にされている。全ての欠陥領域のクローズが未完了の場合にはステップS113の処理に戻り、全ての欠陥領域のクローズが完了するまで処理を繰り返す。
全ての欠陥領域のクローズが完了すると、命令発行部106は、図4の一時ディスク管理領域中に、光ディスクの表面チェックが完了したことを示すプリチェックフラグ24を書き込むよう指示する。なお、ステップS111において、ディスク全面のチェックが指示された場合には、ディスク全面のチェックが完了した時点において表面チェック部150がプリチェックフラグ24を書き込んでもよい。
ステップS116において、命令発行部106は、クローズされた欠陥領域以外の領域に対してSRR予約命令を発行する。範囲情報処理部141は指示された範囲を連続記録範囲SRRとして予約し、連続記録範囲情報SRRIを更新する。
ステップS117において、命令発行部106は、予約したSRRに対して記録命令(AVwriteコマンド)を発行し、併せてバッファ108から記録データを光ディスクドライブ102に出力する。記録制御部120は、データバッファ160に蓄積された記録データを記録命令によって指示されたSRRに記録する。
なお、図11の処理は一連の手順で記載されているが、常に連続して行わなければならないものではない。たとえばステップS110からステップS115まではBD1がロードされた時に行い、ステップS116およびS117は、実際に記録処理が開始される時点で行えばよい。データ記録前に記録領域内の欠陥領域のサーチが行われ、欠陥情報リストが作成され、欠陥情報リストによって特定される欠陥領域がクローズされていればよい。なお、ここでいう「データ記録前」とは、ブランクディスクに対してデータが初めて記録される前を意味し、さらに、すでに一部の記録領域にデータが記録されている非ブランクディスクに対して、データを追記する前をも意味する。
図15は、ディスク表面のチェック処理の手順を示す。以下の処理は、主として光ディスクドライブ102の表面チェック部150に含まれる構成要素によって行われる。
ステップS150において、サーチ部151は、上位制御装置104から指定されたチェック領域始端位置とチェック領域サイズからチェック領域終端位置を算出し、欠陥情報バッファ154に保存する。
ステップS151において、サーチ部151は、光ビームの照射位置をチェック領域始端位置から粗探索サイズ(30μm)分アドレスが小さい位置へ移動する。チェック領域始端位置、すなわちチェックの開始位置LBAよりもアドレスが小さい位置へ移動する理由は、上位制御装置104から指定されたチェック開始位置が欠陥領域である可能性があり、チェックを開始できなくなることを避けるためである。なお、上述の移動量は例であり、適宜変更することができる。
ステップS152において、サーチ部151は、光ビームの照射位置をチェック領域始端位置から粗探索サイズ分アドレスが大きくなる方向へチェック位置を移動する。
ステップS153において、サーチ部151は、現在位置がチェック領域終端位置を超えたか否かを判定する。チェック領域終端位置を超えていない場合はステップS154に進んで処理を継続し、超えている場合はディスク表面チェックを終了する。
ステップS154において、欠陥判定部152はトラック一周またはそれ以上のトラック長にわたってトラッキングエラー(TE)信号を測定し、TE信号の乱れ(すなわち欠陥)の有無をチェックする。
ステップS155において、欠陥判定部152は、TE信号が乱れたときの検出閾値および閾値を超えた時間が、予め定められた欠陥条件に合致するか否かを判定する。欠陥条件とは、図9に示す所定の検出閾値P、および、P以下になるまでの時間Qの長さとして規定される。欠陥条件に合致する場合には処理はステップS156に進み、合致しない場合には処理はステップS152に戻る。
ステップS156において、サーチ部151は、光の照射位置を現在位置から粗検索サイズ分アドレスが小さくなる方向へチェック位置を移動する。
ステップS157において、欠陥サイズ測定部153はその欠陥領域のサイズを測定する。欠陥サイズ測定後、処理はステップS152に戻る。
次に図16を参照しながら、欠陥サイズ測定部153が欠陥領域のサイズを測定する処理(図15のステップS157)の詳細を説明する。
図16は、欠陥領域のサイズ測定処理の手順を示す。
ステップS160において、欠陥サイズ測定部153は現在位置がチェック領域終端位置に所定サイズ加えた位置を超えたか否かを判定する。「所定サイズ」とは、チェック領域終端位置付近に欠陥領域が存在する場合に、その欠陥領域サイズを正確に算出するために余分に測定するための補正値である。ここでは、正常領域を連続して検出した場合にその領域を正常領域と判断するための閾値(正常領域検出個数3)とする。正常領域チェック領域終端位置に所定サイズ加えた位置を超えていない場合はステップS161に進んで処理を継続し、超えている場合はステップS169に進み欠陥領域サイズを確定する。なお、上述の所定サイズは例であり、適宜変更することができる。
ステップS161において、欠陥サイズ測定部153は精探索サイズ分アドレスが大きくなる方向へチェック位置を移動する。図1(a)および(b)から明らかなように、移動方向はBD1の内周から外周に向かう方向である。
ステップS162において、欠陥判定部152は現在位置が欠陥か否かチェックし、次のステップS163において、欠陥判定部152はTE信号が欠陥条件に合致するか否かを判定する。ステップS162およびS163の処理は、それぞれステップS154およびS155と同じである。
欠陥判定部152が欠陥条件に合致すると判定した場合には、現在位置が欠陥であることを意味するため、ステップS164〜S166の欠陥登録処理に進む。一方、欠陥判定部152が欠陥条件に合致すると判定しなかった場合には、ステップS167およびS168の正常領域判定処理へと移る。
ステップS164において、欠陥サイズ測定部153は、欠陥サイズ測定を開始してから初めて欠陥を検出したか否かを判定する。初めて欠陥を検出した場合にはステップS165に進み、2回目以降であればステップS166に進む。
ステップS165において、現在位置の情報を欠陥領域始端位置として欠陥情報バッファ154に格納する。チェック領域始端位置を超えていない場合は、ステップS160に戻り、光の照射位置を次のチェック位置に移動する。
ステップS166において、欠陥サイズ測定部153は、現在位置の情報を欠陥領域終端位置として欠陥情報バッファ154に格納する。これにより、欠陥領域終端位置を示す情報が更新される。その後処理はステップS160に戻る。ステップS160からの処理が繰り返されることによって再びステップS166が実行される。欠陥情報バッファ154はワーキングメモリの役割を果たしており、ステップS166が実行されるたびに、欠陥情報バッファ154には新たな欠陥領域終端位置が格納される。
次に、ステップS167およびS168の正常領域判定処理を説明する。ステップS167以下の処理は、欠陥条件に合致しないときの処理を規定する。この処理は、たとえばサーボエラーに基づく欠陥が検出されていた状態において、あるトラックではサーボエラーが検出されなかったとき、そのトラックから欠陥が存在しない正常な領域になったといえるか否かを判定するために設けられている。
ステップS167において、欠陥サイズ測定部153は、正常領域を連続して検出した個数を算出する。「正常領域を連続して検出した個数」とは、サーボエラーが検出されないトラックを連続して検出した回数を表す。
ステップS168において、欠陥サイズ測定部153は、正常領域を連続して検出した個数が閾値を超えたか否かを判定する。ここでは、閾値を3とする。これは、3回連続で正常領域を検出した時点で領域が正常であると判断することを意味している。
正常領域を連続して検出した個数が閾値以上のときは、処理はステップS169に進む。これは、探索位置が欠陥領域を超えたと判断することを意味する。一方、正常領域を連続して検出した個数が閾値より少ないときは、処理はステップS160に戻る。これは探索位置が欠陥領域を超えていないと判断することを意味する。
ステップS169では、欠陥サイズ測定部153は欠陥領域始端位置と欠陥領域終端位置とから欠陥領域のサイズを算出する。ここで、欠陥領域始端位置がチェック領域始端位置を超えない(アドレスが小さい)位置の場合は、チェック領域始端位置を欠陥領域始端位置とする。また、欠陥領域終端位置がチェック領域終端位置を超える(アドレスが大きい)位置の場合は、チェック領域終端位置を欠陥領域終端位置として欠陥領域サイズを算出する。そして、ステップS170では欠陥領域始端位置と欠陥領域サイズとを対応付けたリストを欠陥情報バッファ154に格納する。以上の処理により、欠陥領域のサイズが測定される。
図15および図16に示す処理によれば、気泡領域に代表される欠陥領域が存在する場合にはその位置およびサイズが特定される。
なお上述の図15および図16の処理においては、上位制御装置104から指定されたチェック領域よりも若干広い領域を欠陥チェックの対象として探索することを許容している。これは上述したステップS160(図16)の説明から明らかである。ステップS160についてはチェック領域終端位置を越えるとして説明したが、チェック領域のチェック領域始端位置についても同様である。チェック領域始端位置よりも手前の位置、たとえば粗探索サイズ程度手前の位置から欠陥チェックを行ってもよい。
図17(a)は、気泡領域が存在するユーザデータ領域の模式図である。たとえばブランクのBD1がBDレコーダ100に装填された後、図11のステップS116の処理が実行される段階においては、気泡領域の位置およびサイズが特定された状態である。
図17(b)は、気泡領域を連続記録範囲SRRとして確保するとともに、そのSRRをクローズしたときのユーザデータ領域の模式図である。この処理により、欠陥領域を確実に避けてデータを記録することが可能になる。上述の通り、この処理は、命令発行部106が記録範囲制御部140に対して出した指示に基づいて行われる。図17に関連して説明する以下の処理も同様である。
図17(b)から明らかなように、SRRとして確保するサイズは固定されず、欠陥領域のサイズに応じて可変的に決定されるため、記録可能領域を有効に活用できる。
さらに、図17(b)に示すような複数の気泡領域の間に含まれる記録可能領域、たとえば図17(b)のSRR#(N+2)、の領域サイズが所定の基準値以下か否かに応じて、当該記録可能領域をクローズするか否かを切り替えてもよい。具体的には、当該記録可能領域の領域サイズが所定の基準値以下であれば、気泡領域とともに記録可能領域もクローズしてもよい。このときは、当該記録可能領域は気泡領域に対応する記録可能領域と同時にクローズされる。一方、当該記録可能領域の領域サイズが所定の基準値より大きければ、気泡領域のみをクローズし、当該記録可能領域はクローズしない。
図17(c)は、2つの気泡領域とともに、それらの間に挟まれた記録可能領域をクローズしたときのユーザデータ領域の模式図である。たとえば、上述した所定の基準値を10クラスタとして設定し、図17(b)に示すSRR#(N+2)の領域サイズがそのサイズ以下であるとする。すると、図17(b)のSRR#(N+1)から#(N+3)までに対応する連続領域は、図17(c)に示すように1つの連続記録範囲SRR#(N+1)として予約し、その記録可能領域(SRR#N+1)をクローズする。これにより、記録可能領域のデータ記録時のシーク回数を低減できるため、次の記録領域へのシークを高速化できる。
上述の図17(b)および(c)は2つの気泡領域が存在するときのクローズ処理の態様を示している。しかしながら、1つの気泡領域と、すでにデータが記録された記録済みの領域との間に記録可能領域が挟まれているときも、類似の処理が可能である。
たとえば図17(d)に示す例を考える。図17(d)は、既にデータが記録された記録済み領域d1と、データがまだ記録されていない記録可能領域d2と、気泡領域d3とが連続して配置されているときのユーザデータ領域の模式図である。このユーザデータ領域はオープンの状態にあり、連続記録範囲SRR#Nとして確保されている。この順序は例であり、連続した3領域のうち、記録済み領域と気泡領域との間にデータがまだ記録されていない記録可能領域が配置されていればよい。
記録可能領域d2の領域サイズが上述した所定の基準値以下のとき、領域d1、d2およびd3は1つの連続記録範囲SRR#Nとして確保され、クローズされる。図17(e)は、クローズされた連続記録範囲SRR#Nを示す。
一方、図17(d)に示す記録可能領域d2の領域サイズが上述した所定の基準値より大きいときは、領域d1およびd2が1つの連続記録範囲SRRとして確保され、また領域d3が1つの連続記録範囲SRRとして確保される。そして領域d3に対応するSRRのみがクローズされる。
上述の図17(e)の例では、気泡領域d3の後方の領域について言及していないが、仮に気泡領域d3の後方に、連続して、データがまだ記録されていない記録可能領域および他の気泡領域が存在するときは、気泡領域d3と当該他の気泡領域との関係は図17(a)に示す例と同じである。したがって、データがまだ記録されていない記録可能領域については、その領域サイズに応じて、図17(b)のようなオープンの状態に設定することもできるし、図17(c)のようなクローズの状態に設定することもできる。後者の例では、図17(e)のクローズの状態の連続記録範囲SRR#Nが、当該他の気泡領域の末尾まで確保されることになり、さらに長くなる。
なお、図17(a)〜(e)は、BD1に円環状に設けられた複数のトラックを連続した1本の直線状に表示しているため、表記は便宜的である。必ずしも、図示されるような連続する複数のトラック全体が気泡領域に覆われているわけではない。図17(b)および(c)に示す「欠陥クラスタ」として示すような、トラック内の一部のクラスタ上に気泡が跨っている(重複している)に過ぎない。
図示された気泡領域に含まれるトラック(またはクラスタ)であっても、記録や再生などのアクセス可能なものは存在するため、クラスタ単位で欠陥領域を定義することも可能である。また、アクセスができないトラックは複数に限る必要はない。そのようなトラックが1つしか存在しない場合であっても「欠陥領域」に含めてもよい。
ただし、1トラック中の各クラスタにおいて記録できたりできなかったりという不安定な状態が発生しうるため、そのような状態にあっては記録エラーが連続するとして処理する方が信頼性を向上させ、処理を高速化できる。そのため、気泡が跨るトラック全体を気泡領域とみなすことに問題はない。
なお、本実施形態においては気泡領域を欠陥領域とみなしているが、これは気泡が現在最も顕著に大規模な欠陥領域を発生させるためである。気泡以外の他の要因で欠陥領域が発生する場合には、もちろんそのような欠陥領域が存在する光ディスクに対しても、本発明の光ディスク装置は上述の動作を行うことができる。
本実施形態によるBDレコーダ100の説明では、光ディスクを1度のみ記録が可能なBD−Rであるとしたが、これは例である。光ディスクは書き換え可能な光ディスク(いわゆるBD−RE)であってもよい。
また本実施形態においては、光ディスク装置がBDレコーダであるとして説明したが、これは例である。光ディスク装置は光ディスクに動画を撮影可能なカムコーダであってもよいし、またはPCとBDドライブとによって構成されるシステムであってもよい。後者のシステムにおいては、PCが上述した実施形態における上位制御装置に対応し、BDドライブが光ディスクドライブに対応する。
すなわち、上位制御装置および光ディスクドライブを含むシステムであれば、単一の筐体内に設けられたシステムであってもよいし、上位制御装置および光ディスクドライブが別個の筐体に設けたシステムであってもよい。なお、上位制御装置および光ディスクドライブの各々が上述の特有の処理および機能を発揮することにより、当該システムは全体で本発明の効果を奏する。よって、上位制御装置および光ディスクドライブについても、各々が新規な処理を行う装置であると言うことができる。