しかしながら、上記参考例においては、反射光量、記録面までの距離、記録トラックピッチの差異が小さなものに関しての判別技術には、言及されておらず、その判別方法についても実現手段において開示がないものである。
例えば、DVD−RAM1かDVD−RAM2であるDVD−RAMと、DVD−RWかDVD+RWであるDVDRWは、反射光量がほぼ等しく、記録面までの距離もほぼ等しい。
また、記録トラックピッチの違いも、CDとDVDの差異よりも、DVD−RAMとDVDRWとの差異の方が小さいものである。
従って、DVD−RAMとDVDRWとのディスク判別は、反射光量、記録面までの距離、記録トラックピッチに基づく方法に加えて、新たな判別方法を検討する必要がある。
また、特開平11−306650号公報においては、ディスク判別する為に、CD用とDVD用の両方のレーザ光源を、一旦は必ず出射して、CD用とDVD用の両方のレーザ光源による反射光に基づく反射信号、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号を全て取得した後に総合的に判別する構成となっており、処理上煩雑なものとなっている。
ここで、本発明の目的は上記の課題を解決し、容易に光ディスクの判別を行うことができるディスク判別方法および装置を提供することにある。
本発明の目的を達成する為に、本発明のディスク判別方法は、光ディスク装置に装着された光ディスクをその反射率に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するステップと、前記光ディスクの表面からの反射信号と記録面からの反射信号の時間に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するステップと、前記光ディスクから得られるトラッキング誤差信号に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するステップとを備える。
更には、上記ステップに加えて、前記光ディスクの記録面から得られたフォーカス誤差信号に基づいて、光ディスクの記録面の数を判定するステップと、または、異なるレーザに対しての反射光の振幅値の大小によって、前記光ディスクの種類を判別するステップとを一緒に、または選択して追加するものであっても良い。
先ず、前記光ディスクから得られるトラッキング誤差信号に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するステップは、フォーカスサーボが実施されている状態において、Push-Pull方式トラッキング誤差信号の振幅を得て、所定値と比較して、前記光ディスクの種類を判別する。
即ち、Push-Pull方式のトラッキング誤差信号の感度が光ディスクによっては、異なるものがあり、この感度の違いから、前記トラッキング誤差信号の振幅値に大小の差異が生ずる為、この差異に基づいて、光ディスクの判別をすることが可能となる。
例えば、DVD−RAM1かDVD−RAM2であるDVD−RAMとDVD−RWかDVD+RWであるDVDRWとを比較すると、前記トラッキング信号の振幅値は、DVD−RAMの方がDVDRWよりも大きくなることが知られている。
従って、前記トラッキング誤差信号の振幅を所定値と比較して、所定値よりも大きければ、前記光ディスクがDVD−RAMとし、所定値よりも小さければ、前記光ディスクがDVDRWと判別することが出来る。
次に、前記光ディスクの反射率に基づき、前記光ディスクの種類を判別するステップは、前記光ディスクから得られるフォーカス誤差信号の振幅が予め定められた値より大きいか小さいかを判別して、前記光ディスクの種類を判別する。
一般的に、前記光ディスクの反射率が高い順に並べると、CDディスク、DVD1層ディスク(但し、CDディスク、DVD1層ディスクでは、反射率の差異は小さいため、等しいとしてもよい。)、CD−Rディスク、DVD2層ディスク、CD−RWディスク、DVDRWディスク(CD−RWディスク、またはDVD+RWディスク)、DVD−RAMディスク(但し、CD−RWディスク、DVD−RAMディスク、DVDRWディスクでは、反射率の差異は小さいため、等しいとしてもよい。)の順であることが知られている。
従って、これらの光ディスクからのフォーカス誤差信号の振幅の違いを比較し得る振幅値を予め設定しておき、当該予め設定した振幅値と、各々の光ディスクからのフォーカス誤差信号の振幅とを比較することによって、前記光ディスクの種類を判別することが可能となる。
例えば、前記光ディスクの反射率を判別するステップは、前記CDディスク及び前記DVD1層ディスクを反射率の大きい光ディスクと判別し、前記CD−RWディスク、前記DVDRW、及び前記DVD−RAMディスクを反射率が小さいディスクと判別することが可能となる。
前記光ディスクの種類を判別するステップは、前記光ディスクの表面に対する反射信号の得られる時間と、前記光ディスクの記録面に対する反射信号の得られる時間には時間差があるので、この時間差に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するものである。
例えば、CD関係のディスクとDVD関係のディスクでは、前記時間差は、CD関係のディスクの方が大きいことが、一般的に知られている。
従って、CD関係のディスクとDVD関係のディスクとにおいて、前記時間差が予め定められた時間より長い場合には前記光ディスクがCD関係のディスクであると判別し、短い場合にはDVD関係のディスクであると判別することが可能となる。
前記光ディスクの記録面から得られたフォーカス誤差信号に基づいて、光ディスクの記録面の数を判定するステップは、前記光ディスク装置に備えられた光ピックアップを前記装着された前記光ディスクに近づけるか、前記光ディスクから遠ざけるかの何れか一方に移動させた時に得られたフォーカス誤差信号の数を計測する。
例えば、前記DVDディスクの記録面から得られたフォーカス誤差信号の数が1つの光ディスクをDVD1層ディスクと判別し、前記DVDディスクの記録面から得られたフォーカス誤差信号の数が2つの光ディスクをDVD2層ディスクと判別することが可能である。
異なるレーザに対しての反射光の振幅値の大小によって、前記光ディスクの種類を判別するステップは、第1のレーザ及び第2のレーザとを切替えて反射信号の大小を計測する、若しくは反射信号の数を計数することによって、前記光ディスクの種類を判別する。
一般に、照射するレーザ光に対して、照射された光ディスクに依存して、反射光の振幅値に大小の生じるのが知られている。
例えば、CD−Rディスクは、DVDのレーザが照射された場合には、反射光の振幅は大きなものが得られない。
従って、CDディスクとCD−Rディスクに対して、CDレーザとDVDレーザとを照射した時に、CDレーザによるフォーカス誤差信号の振幅値の方が、DVDによるフォーカス誤差信号の振幅値よりも大きい場合は、前記光ディスクがCD−Rディスクであると判別できる。もっとも、ある所定値を予め設定しておき、当該所定値よりも大きい振幅のフォーカス誤差信号が2つ得られたものが、CDディスクと判別し、1つしか得られないものがCD−Rディスクと判別しても良い。
また、異なるレーザの照射の方法も上記に限定されるものではなく、前記光ディスク装置の光ピックアップを前記光ディスクに近づけながら第1レーザ及び第2レーザの内で一方のレーザを用いてフォーカス誤差信号を得、前記光ピックアップを前記光ディスクから遠ざけながら他方のレーザを用いてフォーカス誤差信号を得、得られたフォーカス誤差信号の振幅値の比較、数を計測するものであっても良い。
また、DVD−RAMかDVDRWかの何れかの光ディスクであると判定された後の判別方法として、次のディスク判別方法も有用である。
先ずは、前記光ディスク装置において、DVD−RAM用の設定にてフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを実施状態とする。次に得られたWobble信号の周波数に基づいて、DVD−RAMかDVDRWかのディスク判別を実施することが可能である。
一般的に、Wobble信号はDVD−RAMとDVDRWでは周波数が異なるものに規格にて定められている。
従って、上記の場合、得られたWobble信号の周波数がDVD−RAMを示すものであれば、前記ディスクをDVD−RAMであると判別することが可能となる。
もっとも、上記のようにDVD−RAMの設定後にWobble信号を取得する方法に限らず、例えば、DVD−RAMの設定後に光ディスク上の情報が再生可能である、若しくは、光ディスク上からアドレス情報が得られれば、前記光ディスクをDVD−RAMと判別するものであってもよい。
従って、上記の場合で前記光ディスクがDVDRWである場合の判別は、DVD−RAMの設定後にWobble信号の周波数がDVD−RAMとは異なる、または、光ディスク上の情報が再生出来ない、若しくは、光ディスク上からアドレス情報が得られないことに基づいて、実施されるものであっても良い。
勿論、最初に行う設定を先ずはDVDRWとして、上記と同様の処理を行ってDVDRWであるか否か、更にはDVD−RAMであるかの判別を行うものであっても良い。
なお、上記の光ディスク判別法について、トラッキングエラー信号の振幅、反射光量、反射時間、反射信号の数、レーザによって反射振幅、得られるWobble信号の周波数(但し、Wobble信号が得られるか否かに依存する。)、所定の設定にて再生出来るか否かに各々差異が生ずる点に着目して、ディスク判別を実施する方法を述べたが、これらの方法の順番、組合せは判別対象となる光ディスクの種類等や、ディスク判別を実施する状況に応じて、自由に設定可能である。実施する順番や実施する組合せを変えることで、判別に至る処理のステップ数、判別に要する時間も変えることが出来るのは勿論である。
また、上記での所定値の設定においては、上記判別方法が実施される状況を考慮して設定される必要がある。即ち、上記判別方法が実施される場合の光ピックアップの検出器の感度、若しくは用いられる増幅器等の利得等が様々なものとすることが出来る。従って、これらの要因も所定値設定には考慮されなければならない。しかしながら、上記諸要因があったとしても、ディスク判別の対象となるディスクを判別でき得る値を所定値として設定する必要がある。
さらに上記説明では、再生系についてのみ説明するものとなっているが、記録系の処理においても本発明を実施することも可能である。
本発明によれば、反射光量、記録面までの距離、記録トラックピッチの差異の小さいディスクであってもディスク判別が容易に実現可能となる。
従って、本発明をディスクの表面から記録面までの距離、記録面の層数、及び反射率では判定することができない、DVD−RAM1若しくはDVD−RAM2であるDVD−RAMと、DVD−RW若しくはDVD+RWであるDVDRWの判別に適用すれば、そのディスク判別が容易に行われることが出来ることとなる。
但し、本発明は、前記DVD−RAMとDVDRWの判別にのみ適用出来るのではなく、Push-Pull方式のトラッキング誤差信号の振幅の差異のあるディスクにおいては、判別方法として、適用できることは勿論である。
また、判別対象のディスクも上述のCD系、DVD系に限定されるものではなく、例えば、DVD系よりも、もっと高密度記録される光ディスクにおいても、本発明を用いることによって、ディスク判別を可能とするものである。
更には、本発明にて提供する判別法は、その他の判別法ととも実施することも可能であり、例えば、上述の参考例として、特開平11−306650号公報、特開平10−334574号公報、特開平9−44982号公報、特開平8−249801号公報とともに実施しても良い。
以下、本発明の第1の実施例を添付図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施例のディスク判別を行う、光ディスク再生装置の概略構成を示すブロック図である。光ピックアップ1020は光ディスク1010にレーザービームを照射し、その反射光よりディスク上の情報を電気信号として再生信号処理回路1030に出力する。再生信号処理回路1030にて振幅補正された再生信号は、再生信号復調回路1080にて復調され光ディスク1010に記録された情報が再生される。
フォーカス誤差信号作成回路1050は、光ピックアップ1020より入力された電気信号より、レーザービームの焦点のフォーカス方向の誤差信号であるフォーカス誤差信号を作成し、トラッキング誤差信号作成回路1060は光ピックアップ1020より入力された電気信号より、レーザービームの焦点のトラッキング方向の誤差信号であるトラッキング誤差信号を作成する。サーボ制御回路1100はフォーカス誤差信号作成回路1050にて作成されたフォーカス誤差信号に基づいて、レーザービームの焦点が光ディスク1010の記録面と一致するように、ドライブ回路1110とフォーカスアクチエータ1130を介してレーザービームの焦点をフォーカス方向に制御し、トラッキング誤差信号作成回路1060にて作成されたトラッキング誤差信号に基づいて、レーザービームの焦点が光ディスク1010の上の記録トラックを追従するように、ドライブ回路1110とトラッキングアクチエータ1120を介してレーザービームの焦点をトラッキング方向に制御する。さらにサーボ制御回路1100は、マイコン1090にて指令された回転速度にて光ディスク1010が回転するようにドライブ回路1110を介してディスクモータ1140の回転を制御する。
反射光量検出回路1040は光ディスク1010でのレーザービームの反射光の光量を表す信号である反射光量信号を作成し、Push-Pull方式トラッキング誤差信号作成回路1070はPush-Pull方式によるトラッキング誤差信号を作成する。また、図1においては、Push-Pull方式トラッキング誤差信号作成回路1070からの出力信号がマイコン1090に供給されているのみであるが、マイコン1090によって、Push-Pull方式トラッキング誤差信号作成回路1070が制御されるものであっても良い。
マイコン1090にて光ディスク1010の種類を判定する動作を図2のフローチャートを用いて説明する。光ディスク1010が再生装置に装着された後、最初にマイコン1090にてサーボ制御回路1100、ドライブ回路1110及びフォーカスアクチエータ1130を介してレーザービーム焦点をフォーカス方向に一定速度で動かす、いわゆるフォーカススイープ(2010)を行う。マイコン1090はフォーカススイープ時の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を取り込み(2020)、この信号より光ディスク1010の表面から記録面までの距離を算出する(2030)。ディスク表面から記録面までの距離はCD、CD−R、CD−RWなどのCD系のディスクでは約1.2mmであり、1層のDVD-ROM、DVD-R、2層のDVD-ROM、DVD−RAM1、DVD−RAM2、DVD−RW、DVD+RW等のDVD系のディスクでは約0.6mmである。図3の(A)にCD系ディスクに対してフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を示し、(B)にDVD系のディスクに対してフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を示す。図3において3010はディスク表面における反射光量を示す信号であり、3020はディスク記録面における反射光量を示す信号である。また、3030はディスク表面におけるフォーカス誤差信号であり、3040はディスク記録面におけるフォーカス誤差信号である。時間Ta、Tbはフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号のディスク表面における成分からディスク記録面における成分までの時間を表しており、フォーカススイープ時レーザービーム焦点は一定の速度にて動作しているため、時間Ta、Tbを測定することでディスク表面から記録面までの距離を算出することが可能であり、さらに光ディスク1010がCD系のディスクであるのか、DVD系のディスクであるのか判断することが可能である。
前記時間Ta、Tbを測定することでディスク表面から記録面までの距離を算出し、ディスク判別を実施するには、前記時間Ta、Tbを所定値と比較することによっても、ディスク判別することが出来る。
なお、前記時間Ta、Tbと比較する所定値は、判別対象とするディスクのディスク表面から記録面までの距離の差異を判別して、ディスク判別可能となる値を設定する必要がある。
例えば、CD系のディスク表面から記録面までの距離は、0.6mmであり、DVD系のディスク表面から記録面までの距離は、1.2mmであるので、当該距離の差異を識別できる所定値と比較することで、CD系とDVD系とのディスクを判別するものと出来る。
光ディスク1010がCD系のディスクである場合は、次の動作として反射光量信号及びフォーカス誤差信号から光ディスク1010の反射率を算出する(2040)。CD系ディスクにおいてCDとCD-Rの反射率は65%以上であり、CD-RWは25%以下である。図4の(A)にCDやCD-R等の反射率が高いディスクに対してフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を示し、(B)にCD-RW等の反射率が低いディスクに対してフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を示す。図4において4010はディスク表面における反射光量を示す信号であり、4020はディスク記録面における反射光量を示す信号である。また、4030はディスク表面におけるフォーカス誤差信号であり、4040はディスク記録面におけるフォーカス誤差信号である。ここで、電圧V1a、V1bはディスクの記録面での反射光量を示すものであり、電圧V2a、V2bはディスク記録面でのフォーカス誤差信号の振幅を示している。よって、マイコン1090にて電圧V1a、V1b若しくは電圧V2a、V2bを測定することで、光ディスク1010の反射率を算出可能であり、算出した反射率が高ければ光ディスク1010はCD若しくはCD-Rであると判定し(2060)、算出した反射率が低ければ光ディスク1010はCD-RWであると判定可能(2050)である。
前記電圧V1a、V1b若しくは前記電圧V2a、V2bを測定することでディスクの反射率を得ることが出来て、ディスク判別を実施するには、前記電圧V1a、V1b若しくは前記電圧V2a、V2bを所定値と比較することによっても、ディスク判別することが出来る。
なお、前記電圧V1a、V1b若しくは前記電圧V2a、V2bと比較する所定値は、判別対象とするディスクの反射率、及びディスクから反射光量、またはフォーカス誤差信号の振幅を考慮して設定する必要がある。
例えば、CDとCD-Rの反射率は65%以上であり、CD-RWは25%以下であるので、当該反射率の差異を識別できる所定値と比較することで、CDとCD-RとCD-RWとのディスクを判別するものと出来る。
なお、一般的に、前記光ディスクの反射率が高い順に並べると、CDディスク、DVD1層ディスク(但し、CDディスク、DVD1層ディスクでは、反射率の差異は小さいため、等しいとしてもよい。)、CD−Rディスク、DVD2層ディスク、CD−RWディスク、DVDRWディスク(CD−RWディスク、またはDVD+RWディスク)、DVD−RAMディスク(但し、CD−RWディスク、DVD−RAMディスク、DVDRWディスクでは、反射率の差異は小さいため、等しいとしてもよい。)の順であることが知られている。従って、これらのディスクを判別する場合には、これらの各々のディスクの反射率に基づき、当該反射率を識別可能とする所定値を設定する必要がある。
光ディスク1010がDVD系のディスクである場合は、次の動作として反射光量信号及びフォーカス誤差信号から光ディスク1010の記録面の層数を判定する(2070)。図5の(A)に1層ディスクに対してフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を示し、(B)に2層ディスクに対してフォーカススイープを行った場合の反射光量信号及びフォーカス誤差信号を示す。図5において5010はディスク表面における反射光量を示す信号であり、5020はディスクの第1の記録面における反射光量を示す信号であり、5030はディスクの第2の記録面における反射光量を示す信号である。また、5040はディスク表面におけるフォーカス誤差信号であり、5050はディスクの第1の記録面におけるフォーカス誤差信号であり、5060はディスクの第2の記録面におけるフォーカス誤差信号である。よって、フォーカススイープ時の反射光量信号、若しくはフォーカス誤差信号の出現回数をマイコン1090にてカウントすることで、光ディスク1の記録層数を測定することが可能であり、記録面の層数が2層である場合は2層のDVD-ROMと判定できる。
具体的には、図5の反射光量信号の5030、フォーカス誤差信号の5060から2層であると判定出来る。
光ディスク1010がDVD系のディスクであり、かつ記録面の層数が1層である場合は、次の動作として、反射光量信号及びフォーカス誤差信号から光ディスク1010の反射率を算出する(2090)。1層のDVD系ディスクにおいて1層のDVD-ROM若しくはDVD-Rの反射率は45%以上であり、DVD−RAM1かDVD−RAM2であるDVD−RAMでは15〜25%、DVD−RWかDVD+RWであるDVDRWでは18〜30%である。よって、光ディスク1010の反射率を算出し、算出した反射率が高ければ1層のDVD-ROM若しくはDVD-Rであると判定できる。
光ディスク1010がDVD−RAM1かDVD−RAM2であるDVD−RAM、若しくはDVD−RWかDVD+RWであるDVDRWである場合は、次の動作としてフォーカス誤差信号にてサーボ制御を行う状態であるフォーカスサーボON状態として(2110)、Push-Pull方式トラッキング誤差信号振幅をマイコンにて測定する(2120)。DVD−RAMは、DVDRWに比べ、Push-Pull方式のトラッキング誤差信号の感度が高くなるように作られている。図6の(A)にDVD−RAMにおけるPush-Pull方式のトラッキング誤差信号を示し、(B)にDVDRWにおけるPush-Pull方式のトラッキング誤差信号を示す。電圧V3a、V3bはPush-Pull方式のトラッキング誤差信号の振幅を示すものであり、マイコン1090にて電圧V3a、V3bを測定しこの値にて判定を行う(2130)。つまり所定値よりも大きければ光ディスク1010がDVD−RAMであると判断し(2140)、所定値よりも小さければ光ディスク1010がDVDRWであると判断できる(2150)。
なお、前記電圧V3a、V3bと比較する所定値は、判別対象とするディスクから得られる前記トラッキング誤差信号の振幅に基づき、対象とするディスクを判別し得る値を設定する必要がある。
例えば、図6の(A)おいてのV3aの振幅を100とした場合に、(B)おいて得られるV3bの振幅が20(即ち、V3aの20%)である装置があった場合には、上記所定値を、50(即ち、V3aの50%)、若しくは、30(即ち、V3aの30%)に設定することによって、V3a(100)とV3b(20)との識別が可能となる。この結果、DVD−RAMとDVDRWとを判別出来ることとなる。
但し、上記所定値として、V3aの50%、若しくは30%に設定することに限定されるものではなく、判別対象とする各々のディスクから得られる各々のPush-Pull方式のトラッキング誤差信号の振幅に基づき、各々の前記トラッキング誤差信号を識別出来る値であれば良い。
逆の表現をすると、判別対象とする各々のディスクから得られる各々のPush-Pull方式のトラッキング誤差信号の振幅を識別出来るような値を上記所定値として、設定する必要がある。
上記順序にて光ディスク1010の種類を判定した後、装置全体に光ディスク1010の種類に応じた設定を行い(2160)、光ディスク1010の記録情報を再生する(2170)。
上記第1の実施例ではトラッキング誤差信号作成回路1060とPush-Pull方式トラッキング誤差信号作成回路1070を別の回路として設けている。
これは、上記第1の実施例にて、Push-Pull方式トラッキング誤差信号を用いることを判り易く説明するために、図1において、Push-Pull方式トラッキング誤差信号作成回路1070を別途設けて記載したものである。
従って、トラッキング誤差信号作成回路1060にてPush-Pull方式トラッキング誤差信号を作成しマイコン1090とサーボ制御回路1100に接続する構成としても実現可能である。
次に本発明第2の実施例について述べる。図7は本発明の第2の実施例のディスク判別を行う光ディスク再生装置の概略構成を示すブロック図であり、図1と同一番号をつけたブロックは第1の実施例と同一の動作を行うものであるため、説明を割愛する。Wobble信号抽出回路7010はDVD−RAMにて規格化されているWobble信号を光ピックアップ1040の出力信号より抽出する回路である。
また、図7においては、Wobble信号抽出回路7010からの出力信号がマイコン1090に供給されているのみであるが、マイコン1090によって、Wobble信号抽出回路7010が制御されるものであっても良い。
また、Wobble信号抽出回路7010は、図7のように単独に別途設けるだけでなく、他の再生信号処理回路1030等において、処理を行われるものであってもよい。
第2の実施例にてマイコン1090にて光ディスク1010の種類を判定する動作を図8のフローチャートを用いて説明する。図8のフローチャートにおいて図2のフローチャートと同一番号をつけた処理は第1の実施例と同一の動作を行うため説明を割愛する。ブロック2090の判定にてDVD−RAMかDVDRWであると判定された後、DVD−RAMの装置設定にてフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをON状態にする(8010)。次にWobble信号抽出回路7010の出力をマイコン1090にて取り込む(8020)。Wobble信号抽出回路7010にて抽出されるWobble信号はDVD−RAMとDVDRWでは周波数が異なるものである。よって、マイコンにて取り込んだWobble信号の周波数がDVD−RAMの規格に合った正常なWobble信号である場合は、光ディスク1010はDVD−RAMと判定することが可能であり、そのままディスク再生を行う(2160)。また、Wobble信号の周波数がDVD−RAMの規格に合わない異常なWobble信号である場合は光ディスク1010はDVDRWであると判定でき(2140)、DVDRWに応じた装置設定を行い(2150)、光ディスク1010の再生を行う(2160)。
上記、第2の実施例ではWobble信号の状態にて判定を行ったが、DVD−RAMの装置設定にてディスク上の情報が再生可能か否かを確認して、光ディスク1010がDVD−RAMであるのかDVDRWであるのか判定可能である。つまり、DVD−RAMの装置設定にてディスク上の情報が再生可能であればDVD−RAMと判定し、DVD−RAMの装置設定にてディスク上の情報が再生不可能であればDVDRWと判定できる。
若しくは、DVD−RAMの装置設定にてディスク上の情報が再生可能であることに基づくのではなく、光ディスク上からアドレス情報が得られれば、前記光ディスクをDVD−RAMと判別するものであってもよい。
または、上記の場合で前記光ディスクがDVDRWである場合の判別は、DVD−RAMの設定後にWobble信号の周波数がDVD−RAMとは異なる、または、光ディスク上の情報が再生出来ない、若しくは、光ディスク上からアドレス情報が得られないことに基づいて、実施されるものであっても良い。
勿論、最初に行う設定を先ずはDVDRWとして、上記と同様の処理を行ってDVDRWであるか否か、更にはDVD−RAMであるかの判別を行うものであっても良い。
また、上記第2の実施例は、DVD−RAMとDVDRWとを判別するものとして、説明したが、これに限定されるものではなく、Wobble信号の記録されている光ディスクの判別にも使用可能である。例えば、CD−Rディスク、CD−RWディスク、DVD−RディスクにもWobble信号の記録されているから、これらのディスク判別にも上記第2の実施例にて説明した方法を用いることが可能である。
なお、上記Wobble信号の周波数の識別は、様々な方法にて、実現可能であり、特定の周波数成分を抽出する濾波器を用いるものや、特定の周波数よりも低い(高い)周波数を通過させる所謂低域(高域)通過型濾波器を経た後の信号に含まれる周波数成分に基づいて識別するもの等があげられる。若しくは、得られたWobble信号を分周後に、カウントして識別する方法にても実現出来る。
また、ディスクに対しての記録、または再生においては、ディスクから得られたWobble信号に基づき、信号処理を行う装置側が同期を取る処理が行われる。その際に、PLL(Phase Locked Loop)回路にて、得られたWobble信号を処理することが一般的に行われている。従って、このPLL回路から取得出来る信号を用いることによっても、Wobble信号の周波数の識別を行うことが出来る。
なお、上記特定の周波数は、Wobble信号に関する規格に定められる値に基づいて、設定することも必要である。
更に本発明のディスク判別方法を組合せる第3の実施例について、以下に説明する。以下の実施例において、光ディスク装置はCDディスク、CD−Rディスク、DVD1層ディスク、DVD2層ディスク、CD−RWディスク、DVD−RAMディスク及びDVDRW(DVD−RW、またはDVD+RW)ディスクの何れの光ディスクも再生することができるものとする。以下、これらの光ディスクを判別する方法および装置について図9を用いて説明する。
図9はCDディスクとCD−Rディスクの判別方法を説明するための模式図であり、横軸に時間tを示す。図において、図9(a)はCDレーザ及びDVDレーザの切替を示す模式図であり、図9(b)は光ピックアップの動作を示す模式図であり、図において、矢印Xは光ピックアップ1を光ディスクに近づける場合の光ピックアップ1の動作を示し、矢印Yは光ピックアップ1を光ディスクから遠ざける場合の光ピックアップ1の動作を示し、図9(c)はCD−Rディスクから得られるフォーカス誤差信号を示し、図9(d)はCDディスクから得られるフォーカス誤差信号を示す。
CD−Rディスクは他の光ディスクと異なり、CDレーザを照射した場合には、光ディスクの反射率に応じた振幅のフォーカス誤差信号を得ることができるが、DVDレーザを照射した場合には殆どフォーカス誤差信号を得ることが出来ない。このために、光ディスクの反射率の大、小の判別にはCDレーザを用いる。
(1)本実施例は、光ディスクにCDレーザを照射して、フォーカス誤差信号を得、このフォーカス誤差信号から光ディスク装置に装着された光ディスクの反射率の大、小を判別する。
(2)反射率が小さい光ディスク、すなわちCD−RWディスク、DVD−RAMディスクの場合は、第1の実施例と同様に、光ディスクの表面からの反射信号と記録面からの反射信号の時間を測定して、CD−RWディスクか、DVD−RAMディスクかを判別する。
(3)反射率が大きいグループの光ディスク、即ちCDディスク、CD−Rディスクか、DVD1層ディスク、DVD2層ディスクの場合も、まず、光ディスク表面からの反射信号と記録面からの反射信号の時間を測定し、得られた時間が予め定められた時間より長いか、短いかをマイコン1090で判定し、CD関係のディスクか、DVD関係のディスクかを判別する。時間が短い場合にはDVD関係のディスクであることが分かる。
従って、本実施例では時間が長い場合、CDディスク、CD−Rディスクと判別し、時間が短い場合は、DVD1層ディスク、DVD2層ディスクと判別する。
(4)上記(3)に基づきDVD1層ディスクか、DVD2層ディスクであると判別された後は、第1の実施例と同様に、DVDレーザを選択して、フォーカス誤差信号の数をカウントすることによって、DVD1層ディスクか、DVD2層ディスクかを判別することができる。
(5)上記(3)に基づき、光ディスクの表面と記録面からの時間を測定した結果、CD関係の光ディスク、即ちCDディスク、CD−Rディスクであることが判別された場合、矢印Xで示すように光ピックアップ1を光ディスクに近づけながらCDレーザを光ディスクに照射する。次に、DVDレーザを光ディスクに照射しながら光ピックアップ1を光ディスク2から遠ざける。このように光ディスクに照射されたレーザ光を光ピックアップ1で検出し、信号処理回路3でフォーカス誤差信号を生成して、マイコン1090に入力する。光ディスクがCD−Rディスクの場合、DVDレーザを照射しても得られるフォーカス誤差信号の振幅は極めて小さいため、フォーカス誤差信号は殆ど検出されない。従がって、CD−Rディスクの場合、CDレーザを照射したときのみフォーカス誤差信号が得られる。ところがCDディスクの場合には、CDレーザを照射した場合も、DVDレーザを照射した場合もあまり振幅変化なくフォーカス誤差信号を得ることができる。
従って、マイコン1090でフォーカス誤差信号の数をカウントすると、CD−Rディスクの場合には、フォーカス誤差信号は一つしか得られないが、CDディスクの場合には二つのフォーカス誤差信号が得られるため、フォーカス誤差信号の数によって、CDディスクかCD−Rディスクかを判別することができる。
なお、本実施例において、光ピックアップ1を光ディスクに近づける場合にCDレーザを用い、光ピックアップ1を光ディスクから遠ざける場合にDVDレーザを用いた例を示したが、逆に、光ピックアップ1を光ディスクに近づける場合にDVDレーザを用い、光ピックアップ1を光ディスクから遠ざける場合にCDレーザを用いてもよい。
(6)上記(2)にて、反射率が小さいグループとして判別されたディスク、即ちCD−RWディスク、DVD−RAMディスク、DVDRWディスクの場合も、まず、光ディスク表面からの反射信号と記録面からの反射信号の時間を測定し、得られた時間が予め定められた時間より長いか、短いかをマイコン1090で判定し、CD関係のディスクか、DVD関係のディスクかを判別する。時間が短い場合にはDVD関係のディスクであることが分かる。
従って、本実施例では時間が長い場合、CD−RWディスクと判別し、時間が短い場合は、DVD−RAMディスク、DVDRWディスクと判別する。
(7)上記(6)にて、DVD−RAMディスク、DVDRWディスクと判別された場合は、上記第1の実施例における図2のフローチャートでの(2110)以降の処理、若しくは、上記第2の実施例における図8のフローチャートでの(8010)以降の処理を実施することによって、DVD−RAMディスクとDVDRWディスクとの何れのディスクであるかを判別することが可能となる。
以上述べたように、上記実施例においては光ディスク装置はCDディスク、CD−Rディスク、DVD1層ディスク、DVD2層ディスク、CD−RWディスク、DVD−RAMディスク及びDVDRWディスクの何れの光ディスクかを判別することができる。
マイコン1090で光ディスクに装着された光ディスクが判別された場合、マイコン1090の指令によって、その光ディスクに合ったレーザが選択されると共に、その装着された光ディスクに応じてトラッキングサーボ、やフォーカスサーボのサーボ条件を設定し、また、必要によっては駆動モータ(図示せず)の回転制御の条件を設定することができる。
また、上記の説明より明らかなように、一種類のCD関係のディスクと一種類のDVD関係のディスクしか装着できない光ディスク装置においては、光ディスクの表面と記録面からの反射信号間の時間を測定することによって判別することができる。
さらに、DVD1層ディスクとDVD2層ディスクしか装着、または再生できない光ディスク装置の場合には、光ピックアップを光ディスクに近づけながら、または光ディスクから遠ざけながら、フォーカス誤差信号の数を計測することによって、これら光ディスクを判別することができる。