JP4059262B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents

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本発明は、複数種類のディスク状記録媒体の領域に対して安定したトラッキングサーボ制御を行うことができるディスクドライブ装置に関するものである。
光学ディスク記録媒体としてCD(コンパクトディスク)が広く普及しており、音楽用途をはじめとしてCD方式のディスクは各種分野で使用されている。また音楽用CDは通常、再生専用メディアとされるが、CD−R(コンパクトディスク−レコーダブル)と呼ばれる追記型のディスクも開発されている。
一方、マルチメディア用途に好適な光学ディスク記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)と呼ばれるディスクも開発されている。DVDはビデオデータ、オーディオデータ、コンピュータデータなどの広い分野で適応することが提唱されている。またDVDはCDと同サイズのディスク(直径12cm)でありながら、記録トラックの小ピッチ化やデータ圧縮技術等により、記録容量も著しく増大されている。そして、このDVDでは再生専用のDVD−ROM、1回だけ書き込み可能なDVD−R、何回でも書き換え可能なDVD−RAMなどの種別が提案されている。
このような各種ディスク状記録媒体の記録/再生を行うことができるディスクドライブ装置においては、光スポットのトラッキングを制御するため、ディスクに形成されているピット列やグルーブなどのトラックガイド情報に対する反射光から得られたトラッキングエラー信号によって光学ヘッドの対物レンズを駆動させる2軸機構と光学ヘッド全体とディスク盤面の相対位置をディスク半径方向に変位させるスレッド機構が設けられている。
光スポットのトラッキング制御方法としては、3スポット法やプッシュプル法がよく知られている。
しかしながら、3スポット法はディスクの主データを検出するためのメインスポットとは別にトラッキングエラー信号を検出するための2つのサイドスポットが必要なため光学系が複雑になるという欠点や、グレーティングが必要になるという欠点があった。
また、光スポットの左右の強度分布差からトラッキングエラー信号を生成するプッシュプル法は、3スポット法に比べて1つのスポットで光学系を構成できるという利点があるものの、トラッキング動作により光学ヘッドの対物レンズがシフトするとプッシュプル信号にオフセット電圧が生じるため、このオフセット電圧を除去する工夫が必要になるという欠点があった。
そこで、上記したような欠点がないトラッキング制御方法として位相差法やヘテロダイン法が知られている。
位相差法は例えば図2に示すような検出部A,B,C,Dからなる4分割ディテクタ21の対角に位置する検出部A,Cの和信号(A+C)と、検出部B,Dの和信号(B+D)との位相差によってトラッキングエラー信号を得るようにしたものである。なお、その詳細については特公平2−56734号公報に開示されている。
また、位相差法の一種であるヘテロダイン法は例えばディテクタ21の検出部A,B,C,Dの和信号(A+B+C+D)と、差信号(A+C)−(B+D)の立上り及び立ち下がり時のゼロクロス点を検出することによって得られるサンプリングパルス信号からトラッキングエラー信号を得るようにしたものである。なお、その詳細については特公平2−21056号公報に開示されている。
しかしながら、上記したような位相差法やヘテロダイン法においては、後述するようにディスクにトラックガイド情報として形成されているピットの深さが1/4波長(λ/4)の整数倍でない時は、ディテクタ21の検出部A,Bと検出部C,Dとの間で投影される遠視野像の強度信号の位相にずれが生じる。このように位相がズレた状態で例えばトラッキング動作のために光学ヘッド部の対物レンズがトラックのラジアル方向に移動した場合は、ディテクタ21の検出部A、Dと検出部B,Cとの間、つまりディテクタ21のラジアル方向の光強度がアンバランスになってしまう。
このため、位相差法やヘテロダイン法によってトラッキングエラー信号を生成する場合、ピットの深さが1/4波長の整数倍でないディスクではトラッキングエラー信号にオフセット電圧が含まれ、このようなオフセット電圧が含まれたトラッキングエラー信号では安定したトラッキングサーボ制御を行うことができないという欠点があった。
ここで、ROMディスクなどに形成されているピットの深さについて説明しておく。
通常、ピットとはディスクの製造過程でレーザが照射されるレジスト部分のことを表しており、図12に示すようにディスクの読み取り側(すなわち、光源のある側、光の入射する側)から見て近い方がピットとされている。よって、本明細書に記されているピットの深さは読み取り側をプラスとして定義している。
また、図13に示すようなRAMディスクなどの案内溝(グルーブ)が形成されているディスクも同様に読み取り側から見て近い方がグルーブとされ、グルーブの深さは読み取り側をプラスとして定義している。
よって、例えば図14に示すような張り合わせ型ROMディスクの場合は、読み取り側に近いA面のROMディスクのピットの深さはプラスであり、読み取り側から遠いB面のROMディスクのピットの深さはマイナスとなる。
以下本明細書では、ピットの深さを表す単位として波長の単位λの代わりにπ(π=λ/2)を用いて説明する。従って、図14に示すようなピットの深さが1/6波長とされる張り合わせ型ROMディスクのB面ディスクのピットの深さは−π/3と表すこととする。
次に、ディスクに形成されているピットの深さと、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bと下流側の検出部C,Dとの間で発生する位相差との関係を図15を参照して説明する。なお、ディテクタ21の上流側あるいは下流側とは、図2に示すようにディスクの回転方向に対する位置であり、よってディテクタ21の上流側がディスクの再生進行方向となる。
図15(a),(b)は、ディスクに形成されているピット及びグルーブの深さと位相差の関係を示した図である。
図15(a)に示すようにディスク形成されているピットの深さと、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と下流側の検出部C,Dの出力信号との間に生じる位相差は、ピットの深さが1/2波長(π)周期で同期するような波形の信号となる。
また、図15(b)に示すようにディスク形成されているグルーブの深さと、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と下流側の検出部C,Dの出力信号との間に生じる位相差も、グルーブの深さが1/2波長(π)周期で同期するような波形の信号となる。
但し、図15(a),(b)からわかるようにピットの深さによって生じる位相差と、グルーブの深さによって生じる位相差とでは、位相の進み(遅れ)の特性が反転したものとなる。
従って、ディスクに形成されているピット(グルーブ)の深さが1/2波長(π)より深いディスクの場合は、ピット(グルーブ)の物理的な深さからπの整数倍を引いた量をピット(グルーブ)の深さとして取り扱うことが可能になる。すなわち、例えば図15(a)に示すように、ディスクに形成されているピットの物理的な深さが1.4π(図中にAとして示されている)の場合、ピットの深さは、この物理的なピットの深さ(1.4π)からπを引いた量である0.4π(図中にA’として示されている)として取り扱うことが可能となる。
よって、以下本明細書において言うピット(グルーブ)の深さとは、物理的なピット(グルーブ)の深さを示すものでなく、物理的なピット(グルーブ)の深さからπの整数倍を差し引いたピットの深さを示すものとする。
図15(a)に示すようにディスクに形成されているピットの深さが1/4波長(π/2)の整数倍の時は、ディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bの出力信号と、下流側に位置する検出部C,Dの出力信号の位相は一致しており位相差は生じない。
ところが、ピットの深さがπ/2より浅くなると、上流側の検出部A,Bの出力信号の位相が下流側の検出部C,Dの出力信号の位相に対して進み、ピットの深さがπ/4になった時に上流側の検出部A,Bの出力信号の位相進みが最大になる。その後ピットの深さが浅くなるにしたがって上流側の検出部A,Bの出力信号の位相進みが小さくなり、ピットの深さが0になった時に上流側の検出部A,Bと下流側の検出部C,Dの出力信号の位相が再び一致する。
一方、ピットの深さがπ/2より深くなると、上流側の検出部A,Bの出力信号の位相が下流側の検出部C,Dの出力信号の位相に対して遅れ、ピットの深さが3π/4になった時に上流側の検出部A,Bの出力信号の位相遅れが最大になる。その後ピットの深さが深くなるにしたがって上流側の検出部A,Bの出力信号の位相遅れが小さくなり、ピットの深さがπになった時に上流側の検出部A,Bと下流側の検出部C,Dの出力信号の位相が再び一致する。
言い換えれば、ピットの深さがπ/2より深くなると、下流側の検出部C,Dの出力信号の位相が上流側の検出部A,Bの出力信号の位相に対して進み、ピットの深さが3π/4になった時に下流側の検出部C,Dの出力信号の位相進みが最大になる。その後ピットの深さが深くなるにしたがって下流側の検出部C,Dの出力信号の位相進みが小さくなり、ピットの深さがπになった時に下流側の検出部C,Dと上流側の検出部A,Bの出力信号の位相が再び一致する。
このようにROMディスクのピットの深さが1/4波長の整数倍でない時は、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と、下流側の検出部C,Dの出力信号との間には、ROMディスクに形成されているピットの深さに依存した位相差が生じることになり、この位相差がオフセット電圧としてトラッキングエラー信号に含まれ、安定したトラッキング制御を行うことができなくなるという問題点があった。
そこで、このような問題点を解決するために、ピットの深さが1/4波長より浅く形成されるディスクに対応する場合は、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号を遅延させ、ピットの深さによってディテクタ21の上流側の検出部A,Bと下流側の検出部C,Dとの間に生じる位相差を除去するようにしたトラッキング制御方式が例えば特公平6−3648号公報に開示されている。
ところで、近年、マルチメディアの発達によりCDやDVDなどの異なる種類のディスクやDVD−ROMやDVD−RAMなどのデータ領域の形態が異なるディスクに対応するディスクドライブ装置が求められている。
しかしながら、上記したようなトラッキング制御方式を採用したディスクドライブ装置において、例えばピットの深さが1/4波長(2/π)より浅いディスク(例えばCD)に対応するようにディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号を遅延させた場合は、CDに対しては安定したトラッキング制御を行うことができるが、CDとピットの深さが異なる例えばDVD−ROMに対しては安定したトラッキング制御を行うことができない。つまり、上記したようなトラッキング制御方式を採用したディスクドライブ装置においては、ピットの深さが異なる複数のディスクに対して、安定したトラッキングサーボ制御を行うことができないという欠点があった。
また、DVD−R、DVD−RAMなどのディスク、例えば相変化媒体などのレーザによる熱反射の仕方によってクリスタル/アモルファスを相変化させることができ、その反射率差や位相差、またはその両方によって情報の記録再生を行うことができるディスクにおいては、例えばトラックガイド情報としてグルーブ領域に記録されているデータによってトラッキング制御が行われることになるが、このようなディスクの場合はグルーブの深さによってディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と、下流側の検出部C,Dの出力信号との間に生じる位相差がピットの場合と反対になる。
すなわち、図15(b)に示すようにグルーブの深さが1/4波長(π/2)の整数倍となる時は、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と下流側の検出部C,Dの出力信号の位相はピットの場合と同様一致するが、グルーブの深さがπ/2より浅くなると、上流側の検出部A,Bの出力信号の位相が下流側の検出部C,Dの出力信号の位相に対して遅れ、グルーブの深さが浅くなるにしたがって検出部A,Bの出力信号の位相遅れが大きくなる。そしてグルーブの深さがπ/4になった時に検出部A,Bの出力信号の位相遅れが最大になる。その後グルーブの深さが浅くなるにしたがって検出部A,Bの出力信号の位相遅れが小さくなり、ピットの深さが0になった時に検出部A,Bと検出部C,Dの出力信号の位相が再び一致する。
一方、グルーブの深さがπ/2より深くなると、上流側の検出部A,Bの出力信号の位相が下流側の検出部C,Dの出力信号の位相に対して進み、グルーブが深くなるにしたがってが位相進みが大きくなる。そしてグルーブの深さが3π/4になった時に上流側の検出部A,Bの出力信号の位相進みが最大になる。その後グルーブの深さが深くなるにしたがって検出部A,Bの出力信号の位相進みが小さくなり、グルーブの深さがπになった時に検出部A,Bの出力信号の位相と検出部C,Dの出力信号の位相が再び一致する。
このようにグルーブの深さが1/4波長の整数倍でない時は、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と下流側の検出部C,Dの出力信号との間に生じる位相差はピットの場合と逆になり、上記したようなトラッキング制御方式を採用したディスクドライブ装置においては、トラックガイド情報がピットによって形成されるディスク(領域)と、トラックガイド情報がグルーブあるいはランドに形成されるディスク(領域)とに対して、安定したトラッキングサーボ制御を行うことができないという欠点があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、複数種類のディスク領域に対して安定したトラッキング制御を行うことができるディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のディスクドライブ装置は、第1〜第4の受光領域を有し、第1、第2の受光領域と第3、第4の受光領域とはディスク状記録媒体のトラックの接線方向と直交する方向に対応する分割線で分割され、第1、第4の受光領域と第2、第3の受光領域とは前記ディスク状記録媒体のトラックの接線方向に対応する分割線によって分割されている光検出手段と、前記第1〜第4の各受光領域から得られる信号をそれぞれ遅延させる第1〜第4の遅延手段と、前記ディスク状記録媒体の種類を判別する判別手段と、該判別手段の判別結果によって検出される前記ディスク状記録媒体に形成された案内溝の深さに対応して、前記ディスク状記録媒体の回転方向に対して上流側に位置する前記第1及び第2の受光領域から出力される出力信号を前記第1及び第2の遅延手段によって遅延させるか、前記ディスク状記録媒体の回転方向に対して下流側に位置する前記第3及び第4の受光領域から出力される出力信号を前記第3及び第4の遅延手段によって、遅延させるかを選択的に制御することができる遅延制御手段と、前記第1〜第4の遅延手段から出力される出力信号からトラッキング制御信号を生成するトラッキング制御信号生成手段と、を備え、前記案内溝の深さが、所定の深さより浅い場合には、前記第3及び第4の受光領域から出力される出力信号を前記第3及び第4の遅延手段によって、遅延させるようにした。
さらに、前記案内溝の深さが、所定の深さより深い場合には、前記第1及び第2の受光領域から出力される出力信号を前記第1及び第2の遅延手段によって、遅延させるようにする。
また、ランド記録方式による記録方式を採用し、前記案内溝の深さが、所定の深さより浅い場合には、前記第1及び第2の受光領域から出力される出力信号を前記第1及び第2の遅延手段によって、遅延させるようにする。
前記トラッキング制御信号生成手段は、前記第1の遅延手段の出力信号と前記第3の遅延手段の出力信号の加算値と、前記第2の遅延手段の出力信号と前記第4の遅延手段の出力信号の加算値との位相を比較してトラッキング制御信号を生成するようにする。
以上、説明したように本発明によれば、判別手段によってディスク状記録媒体の種類及びドライブ実行領域の種類を判別し、その判別結果に基づいて光検出手段の第1、第2の受光領域、または第3、第4の受光領域の出力信号を第1、第2の遅延手段、または第3、第4の遅延手段によって遅延するようにしているため、複数種類のディスク状記録媒体や複数の領域のディスク状記録媒体に対して安定したトラッキング制御を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態であるディスクドライブ装置を例にあげ次の順序で説明する。

<1.第1の実施の形態>
1−1.ディスクドライブ装置の再生系の要部の構成
1−2.トラッキング制御ブロックの構成
1−3.ディスクドライブ装置にROMタイプのディスクが装填された場合
1−4.ディスクドライブ装置にRAMタイプのディスクが装填された場合
1−5.トラッキング制御ブロックの他の構成

<2.第2の実施の形態>
2−1.トラッキング制御ブロックの構成
2−2.トラッキング制御ブロックの他の構成
<1.第1の実施の形態>
1−1.ディスクドライブ装置の再生系の要部の構成

図1は本例のディスクドライブ装置の再生系の要部の構成を示したブロック図である。
ディスクDは、ピットディスク(例えばCD、CD−ROM)やグルーブディスク(例えば、光磁気ディスク(MOディスク;Magnetic Optical Disk))、DVD−R、DVD−RAM)を示し、このディスクDはターンテーブル7に積載され、再生動作時においてスピンドルモータ1によって一定線速度(CLV:Constant Linear Velocity)あるいは一定角速度(CAV:Constant Angular Velocity )で回転駆動される。
そしてピックアップ1によってディスクDにピット形態で記録されているデータ(主データ)の読み出しが行なわれる。
ピックアップ1には例えばDVD−ROM、DVD−RAM、CD、MOに対応可能な光学系(場合によっては複数の光学系)が設けられている。例えばDVD−ROMに最適な光学系としてはレーザ光源となるレーザダイオード4は出力するレーザーの中心波長が650nmもしくは635nmのものとされ、また対物レンズ2はNA=0.6 とされる。
対物レンズ2は二軸機構3によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
ディスクDに対してピックアップ1が用いられてデータ読取動作が行なわれるわけであるが、ピックアップ1においてはディスクDからの反射光情報はディテクタ5によって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてRFアンプ9に供給される。
RFアンプ9は、電流電圧変換回路、増幅回路、マトリクス演算回路等を備え、ディテクタ5からの信号に基づいて必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、いわゆる和信号であるプルイン信号PIなどを生成する。
なお、RFアンプ9内に設けられているトラッキングエラー信号TEを生成するトラッキング制御ブロックの構成は後述する。
ディテクタ5としては図2に示すようなディスクのトラックの接線方向と平行な分割線と、この分割線と垂直な分割線によって4分割されたディテクタ21からなり、ディスクの回転方向に対して上流側に検出部A,Bが、下流側に検出部C,Dがそれぞれ設けられている。この場合フォーカスエラー信号FEは検出部A,B,C,Dの出力について、(A+C)−(B+D)の演算により生成される。またプルイン信号PI=(A+B+C+D)となる。
RFアンプ9で生成される各種信号は、2値化回路11、サーボプロセッサ14に供給される。即ちRFアンプ9からの再生RF信号は2値化回路11へ、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIはサーボプロセッサ14に供給される。
RFアンプ9で得られた再生RF信号は2値化回路11で2値化されることで例えばDVDの場合はいわゆるEFM+信号(8−16変調信号)とされ、デコーダ12に供給される。デコーダ12ではEFM+復調,CIRCデコード等を行ない、また必要に応じてCD−ROMデコード、MPEGデコードなどを行なってディスクDから読み取られた情報の再生を行なう。
デコードされたデータはインターフェース部13を介してホストコンピュータなどの外部接続機器に供給される。
サーボプロセッサ14は、RFアンプ9からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEや、デコーダ12もしくはシステムコントローラ10からのスピンドルエラー信号SPE等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ16に供給する。二軸ドライバ16はフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号に基づいた電流をピックアップ1における二軸機構3のフォーカスコイル、トラッキングコイルに与え、二軸機構3を駆動することになる。これによってピックアップ1、RFアンプ9、サーボプロセッサ14、二軸ドライバ16によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボプロセッサ14はスピンドルモータドライバ17に対して、スピンドルエラー信号SPEに応じて生成したスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ17はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ6に印加し、スピンドルモータ6のCLV回転を実行させる。またサーボプロセッサ14はシステムコントローラ11からのスピンドルキック(加速)/ブレーキ(減速)制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ17によるスピンドルモータ6の起動または停止などの動作も実行させる。
サーボプロセッサ14は、例えばトラッキングエラー信号TEの低域成分から得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ17に供給する。スレッドドライバ17はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8を駆動する。スレッド機構8とはピックアップ1の全体をディスク半径方向に移動させる機構であり、スレッドドライバ17がスレッドドライブ信号に応じてスレッドモータ8を駆動することで、ピックアップ1の適正なスライド移動が行なわれる。
ピックアップ1におけるレーザダイオード4はレーザドライバ18によってレーザ発光駆動される。
サーボプロセッサ14は、システムコントローラ10からの指示に基づいて再生時などにピックアップ1のレーザ発光を実行すべきレーザドライブ信号を発生させ、レーザドライバ18に供給する。これに応じてレーザドライバ18がレーザダイオード4を発光駆動することになる。
以上のようなサーボ及びデコードなどの各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ10により制御される。
例えば再生開始、終了、トラックアクセス、早送り再生、早戻し再生などの動作は、システムコントローラ10がサーボプロセッサ14やピックアップ1の動作を制御することで実現される。

1−2.トラッキング制御ブロックの構成

次に、図3に上記したようなディスクドライブ装置のRFアンプ9に設けられているトラッキング制御ブロックの構成を示す。
この図において、破線で囲った遅延回路部22には4分割ディテクタ21の検出部A,B,C,Dの出力をそれぞれ遅延させる遅延回路22a,22b,22c,22dが設けられている。
加算器23aは遅延回路22aからの出力信号と遅延回路22cからの出力信号を加算して和信号を出力する。加算器23bは遅延回路22bの出力信号と遅延回路22dの出力信号を加算して和信号を出力する。
HPF・波形整形回路24a,24bは、加算器23a,23bからそれぞれ出力される信号の波形整形を行うと共に、高域通過フィルタ(HPF)によって低域成分を除去するようにされる。
例えば装填されたディスクがグルーブを有するディスクの場合、ディテクタ21の検出部A〜Dから得られる出力信号には、光スポットがグルーブを横断する時に現れる光強度変化による変調成分が含まれ、例えば図10(a)に示すようにその出力波形のエンベロープが+側と−側で非対称の波形になる。このような出力信号Sを2値化してトラッキングエラー信号を生成した場合は、図10(b)に示すようにトラック間Lのトラッキングエラー信号TEが劣化することになる。
そこで、HPF・波形整形回路24a,24bには、ディテクタ21の検出部A〜Dから得られる出力信号SA 〜SD に含まれるグルーブによる変調成分(低域成分)を十分減衰することができるようなカットオフ周波数の高いHPFを設けるようにしている。これにより、ディテクタ21の検出部A〜Dから得られる出力信号Sは、例えば図11(a)に示すようにグルーブによる変調成分が除去された信号となり、図11(b)に示すようなグルーブによる変調成分の影響による劣化のないトラッキングエラー信号TEが得られることになる。
位相比較器25は、HPF・波形整形回路24aの出力信号と、HPF・波形整形回路24bの出力信号の位相を比較して比較信号を出力する。
LPF26は低域通過フィルタであり、位相比較器25から出力される比較信号を平滑してトラッキングエラー信号TEとして出力する。
ディスク判別回路27は、装填されたディスクの種類やディスク上での再生領域の種類(すなわちピット領域であるかグルーブ領域であるか)を判別する判別回路とされており、例えば装填されたディスクの内周側に記録された管理情報や再生時に読み出されるアドレスによって領域の種類を判別する。
また、ディスク判別回路27はレーザ光がディスク表面に合焦した状態で得られる反射光情報と、レーザ光がディスクの信号面に合焦した状態で得られる反射光情報を用いてディスク種類を判別するようにしてもよい。すなわち、例えばレーザ光の合焦点位置を可変範囲内で強制的に所定速度で変化させていきながら、光量信号やフォーカスエラー信号からディスク表面に合焦したタイミングとディスク信号面に合焦したタイミングの時間差を計測し、その計測値に基づいてCDであるかDVDであるかなどの判別を行うようにしても良い。
遅延制御回路28はディスク判別回路27で判別された判別結果に基づいて、装填されたディスクの種類や領域を判別し、遅延回路22a,22bあるいは遅延回路22c,22dのいずれかの遅延回路の遅延時間を制御している。
つまり、遅延制御回路28はディスクや領域の判別結果に基づいて、トラックガイド情報が形成されているピットやグルーブの深さによってディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号と下流側の検出部C,Dの出力信号との間に生じる位相差をなくすように遅延回路22a,22bあるいは遅延回路22c,22dの遅延時間を制御している。
以下、上記したようなトラッキング制御ブロックでトラッキングエラー信号を生成する場合の動作について説明する。

1−3.ディスクドライブ装置にROMタイプのディスクが装填された場合
まず、図1に示した本例のディスクドライブ装置のターンテーブル7にROMタイプのディスクが装填された場合について説明する。
ROMタイプのディスクが装填された場合は、先ずディスク判別回路27によって装填されたディスクの種類が判別され、この判別結果が遅延制御回路28に出力される。遅延制御回路28ではディスク判別回路27の判別結果に基づいて、遅延回路22a,22bあるいは遅延回路22c,22dのいずれかの遅延時間を制御することになる。
このようにディスク判別回路27でディスクの種類が判別された状態で、ピックアップ1によってデータの読み出し動作が行われ、ピックアップ1においてはディスクからの反射光情報がディテクタ21で検出されることになる。
ここで、装填されたディスクのピットの深さ(ここでいうピットの深さとは上述したように実際の物理的なピットの深さからπの整数倍を差し引いた深さである)より浅いディスク(例えばCD)である場合は、ディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bから出力される出力信号SA ,SB は、図4(a)に示すような波形となり、下流側に位置する検出部C,Dの出力信号SC ,SD は図4(b)に示すような波形となる。
すなわち、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号のSA ,SB は、下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD に比べて所定の時間Tだけ位相が進んだ波形となり、このような出力信号SA 〜SD がそれぞれ遅延回路22a〜22dに供給される。
この時、遅延回路22a〜22dは、遅延制御回路28によって遅延回路22a,22bに供給されるディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB を時間Tだけ遅延させるように設定されており、遅延回路22a〜22dから出力される出力信号SA'〜SD'のうち、遅延回路22a,22bの出力信号SA',SB'は、図4(c)に示すように破線で示した検出部A,Bの出力信号SA ,SB を時間Tだけ遅延した信号となる。つまり、遅延回路22a,22bの出力信号SA',SB'と、遅延回路22c,22dの出力信号SC',SD'の位相が一致することになる。
これにより、ピットの深さによってディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB と下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD との間に生じた位相差が除去されることになる。
よって、遅延回路22a、22cの出力信号SA'、SC'が加算器23aで加算されると共に、遅延回路22b、22dの出力信号SB'、SD'が加算器23bで加算され、それぞれの和信号がHPF・波形整形回路24a,24bで波形整形された後、位相比較器25に供給される。そして位相比較器25で位相比較が行われ、その比較信号がLPF26を介してトラッキングエラー信号として出力されることになる。
一方、装填されたディスクのピットの深さがπ/2より深くπより浅いディスクである場合は、ディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bから出力される出力信号SA ,SB に対して下流側に位置する検出部C,Dの出力信号SC ,SD の位相が進むことになるが、この場合もディスク判別回路27でディスクの種類を判別しているため、遅延制御回路28でディテクタ21の下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD を所定の時間Tだけ遅延させるような制御を行うことができる。よって、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB と下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD との間に生じる位相差を除去することができる。
なお、何らかの事情により装填されたディスクの回転方向が図3に矢印で示した方向と逆方向に回転しているとディスク判別回路27で判別された場合は、ディテクタ21の上流側と下流側の位置が逆になるため、この場合は例えばピットの深さがπ/2より浅い時は、遅延制御回路28でディテクタ21の下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD を所定の時間Tだけ遅延させ、ピットの深さがπ/2より深くπより浅い時は、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB を所定の時間Tだけ遅延させるようにすればよい。

1−4.ディスクドライブ装置にRAMタイプのディスクが装填された場合
次に、図1に示した本例のディスクドライブ装置にRAMディスク(すなわちグルーブ領域を有するディスク)として、例えば磁界ピットによってトラックガイド情報が記録されている光磁気ディスクが装填された場合について説明する。 この場合も、先ずディスク判別回路27によって装填されたディスクの種類が判別され、この判別結果が遅延制御回路28に出力される。遅延制御回路28ではディスク判別回路27の判別結果に基づいて、遅延回路22a,22bあるいは遅延回路22c,22dのいずれかの遅延時間を制御することになる。
このようにディスク判別回路27でディスクの種類が判別された状態で、ピックアップ1によってグルーブからの反射光情報がディテクタ21で検出されることになる。
ここで、装填されたディスクのグルーブの深さ(ここでいうグルーブ深さとは上述したように実際の物理的なグルーブの深さからπの整数倍を差し引いた深さである)がπ/2より浅い場合は、ディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bから出力される出力信号SA ,SB は図5(a)に示すような波形となり、ディテクタ21の下流側に位置する検出部C,Dの出力信号SC ,SD は図5(b)に示すような波形となる。
すなわち、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号のSA ,SB は、下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD に比べて時間Tだけ位相が遅れた波形となり、このような出力信号SA 〜SD がそれぞれ遅延回路22a〜22dに供給される。
この時、遅延回路22a〜22dは遅延制御回路28によって遅延回路22c,22dに供給されるディテクタ21の下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD を時間Tだけ遅延させるように設定されており、遅延回路22a〜22dから出力される出力信号SA'〜SD'のうち、遅延回路22c,22dから出力される出力信号SC',SD'は、図5(c)に示すように、破線で示した検出部C,Dの出力信号SC ,SD を時間Tだけ遅延した信号となる。すなわち、遅延回路22a,22bの出力信号SA',SB'と、遅延回路22c,22dの出力信号SC',SD'と位相が一致することになる。
これにより、グルーブの深さによってディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB と下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD との間に生じた位相差が除去されることになる。
よって、遅延回路22a、22cの出力信号SA'、SC'が加算器23aで加算されると共に、遅延回路22b、22dの出力信号SB'、SD'が加算器23bで加算され、それぞれの和信号がHPF・波形整形回路24a,24bでフィルタリング及び波形整形された後、位相比較器25に供給される。そして位相比較器25で位相比較が行われ、その比較信号がLPF26を介してトラッキングエラー信号として出力されることになる。
一方、装填されたディスクのグルーブの深さがπ/2より深くπより浅いディスクである場合は、ディテクタ21の下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD に対して上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB の位相が進むことになるが、この場合もディスク判別回路27でディスクの種類を判別しているため、遅延制御回路28でディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB を所定の時間Tだけ遅延させるような制御を行うことができる。
よって、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB と下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD との間に生じる位相差を除去することができる。
なお、何らかの事情により装填されたディスクの回転方向が図3に矢印で示した方向と逆方向に回転しているとディスク判別回路27で判別された場合は、ディテクタ21の上流側と下流側の位置が逆になるため、この場合も上記同様、遅延制御回路28による遅延回路22a,22bと遅延回路22c,22dの制御を入れ替えるようにすればよい。
また、グルーブディスクの場合は、グルーブにデータが記録されるグルーブ記録方式とランドにデータが記録されるランド記録方式があるが、上記説明はグルーブ記録方式のものについてであり、ランド記録方式の場合はディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB と下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD との間に生じる位相差が上記図5に示した場合と逆になる。よって、この場合も遅延制御回路28による遅延回路22の制御を入れ替えるようにすれば良い。
このように本例のトラッキング制御ブロックは、ディスク判別回路27でディスクの種類やディスクの領域さらにはディスクの回転方向を判別し、その判別結果に基づいて遅延制御回路28でディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bあるいは下流側に位置する検出部C,Dの遅延時間を制御できるようにしているため、ディスクに形成されているピットやグルーブの深さによって生じる上流側の検出部A,Bの出力信号と下流側の検出部C,Dの出力信号との間の位相差をなくすことができる。よって、このようなトラッキング制御ブロックを有するディスクドライブ装置においては、種類の異なる複数のディスクや領域の異なる複数のディスクに対して安定したトラッキングサーボ制御を行うことができるようになる。

1−5.トラッキング制御ブロックの他の構成

次に、図6にトラッキング制御ブロックの他の構成例を示す。
なお、図3と同一ブロックには同一番号を付し説明は省略する。
この図に示すトラッキング制御ブロックは、遅延回路22aの出力信号SA'がHPF・波形整形回路24cに、遅延回路22bの出力信号SB'がHPF・波形整形回路24bに、遅延回路22cの出力信号SC'がHPF・波形整形回路24aに、遅延回路22dの出力信号SD'がHPF・波形整形回路24dにそれぞれ供給され、それぞれのHPF・波形整形回路24a〜24dで供給された出力信号SA'〜SD'の低域成分が除去されると共に波形整形が行われる。
HPF・波形整形回路24a及びHPF・波形整形回路24bの出力信号は位相比較25aに供給され、HPF・波形整形回路24c及びHPF・波形整形回路24dの出力信号は位相比較25bに出力され、位相比較器25a,25bでそれぞれ位相比較が行われる。
よって、位相比較器25aと位相比較器25bの出力信号を加算器23で加算し、その和信号をLPF26を介して出力すれば、トラッキングエラー信号TEを生成することができる。
また、例えばディスクドライブ装置に装填されるディスクがRAMタイプのディスクでグルーブの深さ(ここでいうグルーブの深さとは上述したように実際の物理的なグルーブの深さからπの整数倍を差し引いた深さである)がπ/2より浅いディスクに限定されている場合は、必ずディテクタ21の下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD の位相が進むためトラッキング制御ブロックを図7に示すように構成すれば良い。
すなわち、この場合は遅延回路22としてディテクタ21の下流側の検出部C,Dの出力信号SC ,SD を遅延させるための遅延回路22c,22dだけを設けるように構成すれば良い。なお、他の構成は図3に示すトラッキング制御ブロックと同一の構成とされるため説明は省略する。
このようにディスクドライブ装置に装填されるディスクがRAMタイプのディスクでグルーブの深さがπ/2より浅いディスクに限定されている場合は、遅延回路22を簡略化することができる。
ところで、上記したような本発明の第1実施の形態とされるディスクドライブ装置のトラッキング制御ブロックでは、ディスク判別回路27でディスクの種類やディスクの領域、さらにはディスクの回転方向を判別し、その判別結果に基づいて遅延制御回路28でディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bあるいは下流側に位置する検出部C,Dの遅延時間を制御するようにしている。このため、例えばディスクに形成されているピットあるいはグルーブの深さが異なる多数のディスクに対応したディスクドライブ装置に適用した場合は、制御遅延制御回路28における遅延時間の切り替え制御が煩雑になることが考えられる。
また、ディスクをCAV(角速度一定)方式で回転駆動して再生するディスクドライブ装置に適用した場合は、ディスクDの線速度が変化するごとにディテクタ21の上流側に位置する検出部A,Bあるいは下流側に位置する検出部C,Dの遅延時間を制御する必要がある。このため、CAV方式で回転駆動されるディスクドライブ装置に適用した場合は、遅延制御回路28における遅延時間の切り替え制御が困難になることが予想される。
そこで、ディスクの種類や領域が異なる場合でも遅延制御回路28における遅延時間の切り替え制御を行う必要がなく、しかもCAV方式のディスクドライブ装置に好適なトラッキング制御ブロックの構成を第2の実施の形態として説明する。

<2.第2の実施の形態>

2−1.トラッキング制御ブロックの構成

図8に本発明の第2の実施の形態とされるディスクドライブ装置のトラッキング制御ブロックの構成例を示す。なお、図3と同一ブロックには同一番号を付し説明は省略する。
この図8に示すトラッキング制御ブロックは、4分割ディテクタ21の検出部A,B,C,Dの出力信号のうち、検出部Aからの出力信号SA がHPF・波形整形回路24aに、検出部Bからの出力信号SB がHPF・波形整形回路24bに、検出部Cからの出力信号SC がHPF・波形整形回路24cに、検出部Dからの出力信号SD がHPF・波形整形回路24dに、それぞれ供給される。そして、HPF・波形整形回路24a〜24dでは、供給された出力信号SA 〜SD に含まれる低域成分を除去すると共に、波形整形を行って出力するようにされる。
HPF・波形整形回路24aとHPF・波形整形回路24bの出力信号は、位相比較器25aに、HPF・波形整形回路24cとHPF・波形整形回路24dの出力信号は位相比較器25bに、それぞれ出力されて位相比較が行われる。そして、この位相比較器25a,25bからそれぞれ出力される比較信号は、加算器23で加算して、その和信号をLPF26を介してトラッキングエラー信号TEとして出力するようにしている。
このような構成とされるトラッキング制御ブロックにおいては、ディテクタ21の検出部A〜Dからの出力信号SA 〜SD をHPF・波形整形回路24で波形整形した後、位相比較器25a,25bでディテクタ21の上流側の検出部A,Bからの出力信号SA ,SB 及び下流側の検出部C,Dからの出力信号SC ,SD の位相比較をそれぞれ行うようにしている。すなわち、位相比較器25a,25bでは、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bからの出力信号SA ,SB と、下流側の検出部C,Dからの出力信号SC ,SD との位相比較を行うようにしている。
この場合、位相比較器25a,25bからそれぞれ出力される比較信号の間には、ディスクの種類や領域によって生じる位相差がないため、これらの比較信号を加算器23で加算して、LPF26を通すことで、ディスクの種類や領域によって生じるオフセット電圧のない安定したトラッキングエラー信号TEを生成することができるようになる。
このように本発明の第2の実施の形態とされるトラッキング制御ブロックによれば、ディスクの種類や領域によってディテクタ21の上流側の検出部A,Bからの出力信号SA,SB または下流側の検出部C,Dからの出力信号SC ,SD を位相差に応じて遅延させる必要がない。このため、装填されるディスクの種類を判別するディスク判別回路27や、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bや下流側の検出部C,Dからの出力信号SA 〜SD を遅延させる遅延回路24a〜24d及びこの遅延回路24a〜24dを制御する遅延制御回路28を設けることなく、しかも遅延制御回路28における遅延時間の切り替え制御を行うことなく、複数種類のディスクや複数の領域のディスクに対して安定したトラッキングエラー信号TEを生成することができるようになる。

2−2.トラッキング制御ブロックの他の構成

次に、図9に本発明の第2の実施の形態とされるトラッキング制御ブロックの他の構成例を示す。なお、図3と同一ブロックには同一番号を付し説明は省略する。
この図9に示すトラッキング制御ブロックの他の構成例としては、4分割ディテクタ21の検出部A,B,C,Dの出力信号のうち、検出部Aからの出力信号SA がHPF・波形整形回路24aに、検出部Bからの出力信号SB がHPF・波形整形回路24bに、それぞれ供給される。そして、HPF・波形整形回路24a,24bでは供給された出力信号SA ,SB に含まれる低域成分が除去すると共に波形整形を行って出力するようにされる。
HPF・波形整形回路24a及びHPF・波形整形回路24bの出力信号は、位相比較器25に出力されて位相比較が行われ、この位相比較器25から出力される位相比較信号をLPF26を介してトラッキングエラー信号TEとして出力するようにしている。
このような構成とされるトラッキング制御ブロックにおいては、ディテクタ21の検出部A,Bからの出力信号SA ,SB をHPF・波形整形回路24で波形整形した後、位相比較器25で位相比較を行うようにしている。
この場合、位相比較器25で位相比較される出力信号SA ,SB は、ディスクの種類や領域が異なる場合でも位相差がないため、位相比較器25から出力される比較信号には、ディスクの種類や領域によって生じる位相差がないため、この比較信号をLPF26を通すことでディスクの種類や領域によって生じるオフセット電圧のない安定したトラッキングエラー信号TEを生成することができるようになる。
このような構成とされるトラッキング制御ブロックは、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bから出力される出力信号SA ,SB の低域除去及び波形整形を行うHPF・波形整形回路24a,24bと、このHPF・波形整形回路24a,24bの出力信号を加算する加算器25を設けることで構成することができるため、上記図8に示したトラッキング制御ブロックに比べて構成をより簡略化することができるようになる。なお、本実施の形態においては、ディテクタ21の上流側の検出部A,Bの出力信号SA ,SB に基づいてトラッキングエラー信号を生成するようにしているが、ディテクタ21の下流側の検出部C,Dから出力される出力信号SC ,SD ,からトラッキングエラー信号を生成するようにしてもよい。
ところで、図8及び図9に示したHPF・波形整形回路24a〜24dにおいても、ディテクタ21の検出部A〜Dからそれぞれ出力される出力信号SA 〜SD の波形整形を行うと共に、高域通過フィルタ(HPF)によって低域成分を除去するようにされる。例えば上記同様に装填されたディスクがグルーブを有するディスクの場合、ディテクタ21の検出部A〜Dから得られる出力信号には、光スポットがグルーブを横断する時に現れる光強度変化による変調成分が含まれ、例えば図10(a)に示すようにその出力波形のエンベロープが+側と−側で非対称の波形になる。このような出力信号Sを2値化してトラッキングエラー信号を生成した場合は、図10(b)に示すようにトラック間Lのトラッキングエラー信号TEが劣化することになる。
そこで、HPF・波形整形回路24a〜24dには、ディテクタ21の検出部A〜Dから得られる出力信号SA 〜SD に含まれるグルーブによる変調成分(低域成分)を十分減衰することができるようなカットオフ周波数の高いHPFを設けるようにしている。これにより、ディテクタ21の検出部A〜Dから得られる出力信号Sは、例えば図11(a)に示すようにグルーブによる変調成分が除去された信号となり、図11(b)に示すようなグルーブによる変調成分の影響による劣化のないトラッキングエラー信号TEが得られることになる。
なお、本例のトラッキング制御ブロックにおいては、ディテクタ21の検出部A〜Dの出力信号の位相差を比較してトラッキングエラー信号を生成する位相差法を用いた場合について説明したが、例えばトラッキング制御ブロックをヘテロダイン法によって構成することも当然可能である。
本発明の実施の形態であるディスクドライブ装置の再生系の要部の構成を示した図である。 ディテクタの構成を示した図である。 第1の実施の形態とされるトラッキング制御ブロックの構成を示した図である。 ROMタイプのディスクが装填された時にディテクタの検出部から得られる出力信号の波形を示した図である。 RAMタイプのタイプが装填された時にディテクタの検出部から得られる出力信号の波形を示した図である。 第1の実施の形態とされるトラッキング制御ブロックの他の構成を示した図である。 第1の実施の形態とされるRAMタイプのディスクでグルーブの深さがπ/2より浅いディスクに限定される場合のトラッキング制御ブロックの構成を示した図である。 第2の実施の形態とされるトラッキング制御ブロックの構成を示した図である。 第2の実施の形態とされるトラッキング制御ブロックの他の構成を示した図である。 RAMディスクを再生した時にディテクタの検出部で得られる検出信号の波形及びその時のトラッキングエラー信号の波形を示した図である。 RAMディスクを再生した時にディテクタの検出部で得られる検出信号の波形及びその時のトラッキングエラー信号の波形を示した図である。 ディスクのピットの深さについて説明した図である。 ディスクのグルーブの深さについて説明した図である。 張り合せ型ディスクのピットの深さについて説明した図である。 ディスクに形成されるピット及びグルーブの深さとディテクタの上流側に位置する検出部と下流側に位置する検出部の位相差の関係を示した図である。
符号の説明
1 ピックアップ,2 対物レンズ,3 二軸機構,4 レーザダイオード,5 ディテクタ,6 スピンドルモータ,7 ターンテーブル,8 スレッド機構,9 RFアンプ,10 システムコントローラ,11 2値化回路,12 デコーダ,13 インタフェース,14 サーボプロセッサ,15 スレッドドライバ,16 二軸ドライバ,17 スピンドルドライバ,18 レーザドライバ,21 ディテクタ,22 22a〜22d 遅延回路,23 加算器,24 24a〜24d HPF・波形整形回路,25 25a 25b 位相比較器,26 LPF,27 ディスク判別回路,28 遅延制御回路

Claims (4)

  1. 第1〜第4の受光領域を有し、第1、第2の受光領域と第3、第4の受光領域とはディスク状記録媒体のトラックの接線方向と直交する方向に対応する分割線で分割され、第1、第4の受光領域と第2、第3の受光領域とは前記ディスク状記録媒体のトラックの接線方向に対応する分割線によって分割されている光検出手段と、
    前記第1〜第4の各受光領域から得られる信号をそれぞれ遅延させる第1〜第4の遅延手段と、
    前記ディスク状記録媒体の種類を判別する判別手段と、
    該判別手段の判別結果によって検出される前記ディスク状記録媒体に形成された案内溝の深さに対応して、前記ディスク状記録媒体の回転方向に対して上流側に位置する前記第1及び第2の受光領域から出力される出力信号を前記第1及び第2の遅延手段によって遅延させるか、前記ディスク状記録媒体の回転方向に対して下流側に位置する前記第3及び第4の受光領域から出力される出力信号を前記第3及び第4の遅延手段によって、遅延させるかを選択的に制御することができる遅延制御手段と、
    前記第1〜第4の遅延手段から出力される出力信号からトラッキング制御信号を生成するトラッキング制御信号生成手段と、を備え
    前記案内溝の深さが、所定の深さより浅い場合には、前記第3及び第4の受光領域から出力される出力信号を前記第3及び第4の遅延手段によって、遅延させること
    を特徴とするディスクドライブ装置。
  2. 前記案内溝の深さが、所定の深さより深い場合には、前記第1及び第2の受光領域から出力される出力信号を前記第1及び第2の遅延手段によって、遅延させることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
  3. ランド記録方式による記録方式を採用し、前記案内溝の深さが、所定の深さより浅い場合には、前記第1及び第2の受光領域から出力される出力信号を前記第1及び第2の遅延手段によって、遅延させることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
  4. 前記トラッキング制御信号生成手段は、前記第1の遅延手段の出力信号と前記第3の遅延手段の出力信号の加算値と、前記第2の遅延手段の出力信号と前記第4の遅延手段の出力信号の加算値との位相を比較してトラッキング制御信号を生成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
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