本発明は、光ディスク装置および光ディスクの欠陥管理方法に関し、特に、記録エラーが気泡のような広範囲に跨る欠陥を有する記録領域によって生じたときにその欠陥領域の大きさに応じて欠陥交替処理を行う技術に関する。
公知の光ディスクは、セクタ構造を有する情報記録媒体である。光ディスクは、その特性によって、大きく3種類に分類され得る。1つめは、データがディスクの凹凸によって記録されており、ユーザが新たにデータの記録ができない再生専用ディスクである。2つめは、有機色素等を記録膜として備え、1度のみ記録が可能な追記型ディスクである。3つめは、相変化材料等を記録膜として備え、複数回の記録(書換え)が可能な書換え型ディスクである。
近年、オーディオやビデオなどの音響・映像データ(以下、「AVデータ」と称する。)がディジタル化され、放送または配信されるようになってきたため、より高密度で大容量な光ディスクが要望されている。記憶容量を大きくする上で、記録層を複数にすることが有用である。例えば、DVDの再生専用ディスクでは、1枚の光ディスクに2つの記録層を形成することにより、記録層が1つの光ディスクの約2倍の容量を確保している。
図11は、従来の書換え型光ディスクが備える記録層21の領域レイアウトを示す。図11に示す記録層21においてリードイン領域22の中には、ディスク情報領域26と欠陥管理領域27(DMA)が設けられている。又、リードアウト領域25の中には、欠陥管理領域27が設けられている。又、リードイン領域22とユーザデータ領域24との間と、ユーザデータ領域24とリードアウト領域25との間には、それぞれスペア領域23が設けられる。
ディスク情報領域26は、光ディスクのデータの記録再生に必要なパラメータや物理的な特性に関する情報が格納されている。
欠陥管理領域27とスペア領域23とは、ユーザデータ領域24上の記録再生が正しくできないセクタ(これを欠陥セクタと呼ぶ)を、状態のよい他のセクタで交替する欠陥管理の為に用意された領域である。
スペア領域23は、欠陥セクタを交替するためのセクタ(スペアセクタと呼ぶ。また特に欠陥セクタと交替済みのセクタを交替セクタと呼ぶ)を含む領域である。DVD−RAMではスペア領域23はユーザデータ領域24の内周側と外周側との2箇所に配置され、欠陥セクタが予想以上に増加した場合に対応できるように外周側に配置されたスペア領域23はサイズを拡張できるようになっている。
欠陥管理領域27は、スペア領域23のサイズや配置場所の管理を含む欠陥管理に関するフォーマットを保持するディスク定義構造(DDS)28と、欠陥セクタの位置とその交替セクタの位置をリストアップした欠陥リスト(DL)29とを含む。欠陥管理領域27については、ロバストネスを考慮して、同じ内容を、内周側と外周側の欠陥管理領域27のそれぞれに2重ずつの計4重で記録する仕様の光ディスクが多い。
一方、追記型の媒体では、一度記録した情報を消すことができない。この特性のために、以前に記録した情報を書き換える代わりに、他の場所に新しい情報を継ぎ足す。換言すると、他の場所に新しい情報を追記する。このため、追記型の媒体は書換え型の媒体とは異なる管理情報を有する。
図12は、従来の追記型光ディスクであるDVD−Rが備える記録層31の領域レイアウトを示す。記録層31は、内周から外周へ向かって、R情報領域(R−Info)32と、リードイン領域33と、ユーザデータ領域34と、リードアウト領域35とを含む。
リードイン領域33の中には、ディスク情報領域37が設けられている。
R−Info32は、追記型ディスクに特有の領域であり、R−Info32の中には、記録管理領域36(以下、RMAと記す)を含む。
RMA36は、ディスクの記録状態を表している記録管理データ38(以下、RMDと記す)から構成される。最新のRMD38を取得することにより、追記可能なアドレスなどを取得することができる。
図13は、欠陥管理情報を含む従来の追記型光ディスクの記録層41の領域レイアウトを示す。
記録層41は、内周から外周へ向かって、リードイン領域42と、スペア領域43−1と、ユーザデータ領域44と、スペア領域43−2と、リードアウト領域45とを含む。
リードイン領域42の中には、ディスク情報領域46と欠陥管理領域47−1と欠陥管理作業領域群48が設けられている。又、リードアウト領域45の中には、欠陥管理領域47−2が設けられている。
欠陥管理領域47−1には、欠陥管理情報(DDS)49および欠陥管理情報(DL)50が格納されている。
追記型光ディスクの場合は、欠陥管理領域47への記録も1回しか出来ないため、書換え型光ディスクと同様の方法で常に所定位置の欠陥管理領域47へ最新の欠陥管理情報を記録しておくことは出来ない。そのため、書き換え型の光ディスクとの互換を確保するために欠陥管理作業領域群48が設けられている。
欠陥管理作業領域群48は、N個(Nは1以上の正数)の欠陥管理作業領域51から構成される。欠陥管理作業領域51は、追記型の光ディスクに対してファイナライズ処理を実施する以前において更新された欠陥管理情報を一時的に記録するための領域である。格納される情報は、欠陥セクタの位置とその交替セクタの位置をリストアップした一時欠陥リスト(TDL)52と、一時欠陥リスト52の先頭位置の情報である一時欠陥リスト先頭位置情報などを含む一時ディスク定義構造(TDDS)53から構成される。なおファイナライズ処理とは、追記型の光ディスクを書換え型の光ディスクと互換のあるデータ構造にするための処理であり、最新の欠陥管理作業領域51の内容を欠陥管理領域47に記録することをいう。
また、ディスク情報領域26(図11)、37(図12)および46(図13)は、凹凸ピットにより情報が記録されているか、ディスク出荷前等に、データ領域に記録を行う方法と同じ方法でディスク情報領域にプリ記録がなされている。一方、欠陥管理情報(DDS、DL、TDL、TDDS)や、記録管理データ(RMD)は、ディスク出荷後に、光ディスクドライブなどにより記録される。
欠陥が検出されると、その位置から所定範囲後までの領域を欠陥領域として捉え、固定長の交替領域を割り当てることもできる。たとえば特許文献1は、DVD+RWに対するそのような欠陥管理方法を開示する。
日本国特開2002−184116号公報
従来は、光ディスクには数クラスタや数トラックに跨る大規模な欠陥領域の個数は少なかったため、欠陥領域に対して固定長の交替領域を割り当てれば十分であった。
しかし、近年開発されたブルーレイ・ディスク(BD;Blu−rayディスク)においては、状況は大きく変化しており、欠陥領域に対して固定長の交替領域を割り当てる方法では新たな問題が発生している。
たとえば光透過層をBDの基板上に形成する際、スピンコート法が利用されると、光透過層と基板本体との間に空気が混入して気泡が形成されることがある。このような気泡の影響は光透過層が十分厚い従来の光ディスクでは問題とはならなかった。
しかしBDのような、光透過層がより薄く、かつトラックピッチがより狭い光ディスクにおいては、気泡の影響で光透過層は湾曲し、平坦性が局所的に失われ、さらに気泡が存在する領域は数十〜数百のクラスタまたはトラックに跨る大規模欠陥領域となる。BDにおいては、そのような大規模欠陥領域の発生頻度は高まっている。
以下、より詳しく説明する。図14(a)は、気泡11が存在するBD10を模式的に示す。理解の容易のため気泡11を視認できるように記載しているが、視認できない気泡も存在する。
図15(a)および(b)は、気泡が形成されたBDを用いて実際に測定されたディスク表面(光透過層の表面)の凸部形状を示す図である。典型的な気泡の大きさ(直径)は、500μm〜1000μm程度である。BDの情報層と光透過層との間に気泡が形成されると、光透過層が薄い(厚さ:約100μm)ため、図15に示すように光透過層の表面が局所的に盛り上がっている。気泡の中心部(核の部分)では、反射光が殆ど戻ってこないが、気泡の周囲において盛り上がった部分でも、光ビームの透過に異常が生じる。BDの記録・再生に用いられる対物レンズのNAは高く、ディスク表面から浅い位置の情報層に焦点を結ぶため、光透過層の僅かな歪みに対しても、球面収差が大きく変化し、反射光強度が変動しやすい。
気泡は、BDの製造工程の種類により、形成されやすい場合と、形成されにくい場合がある。上述のようにスピンコート法によって光透過層が形成されたBDは、気泡を多く含む傾向にあるが、貼り合わせ法によって光透過層(保護シート)が貼り付けられたBDには気泡が少ない傾向にある。ただし、後者の方法によっても気泡は形成され得る。
再び図14を参照する。図14(b)は、BD10上の気泡11とトラックとの関係を示す。図示される例では、気泡11は、トラック12a〜12cのうち、トラック12bから外周側(トラック12c側)に存在している。各トラックには、ECCブロック(または「クラスタ」ともいう)と呼ばれるデータ単位でデータが格納される。光ディスクのデータの最小単位であるセクタ(サイズ:2KByte)という単位を用いて説明すると、BDでは、1クラスタ=32セクタとなる。気泡11の一部11aおよび11bは、それぞれクラスタ13aおよび13bの記録位置上に存在している。
BDのトラックピッチは0.32μmであるのに対して、1つの気泡(核)のサイズが約100μmであるとすると、1つの気泡によって最大約300トラック(100/0.32)が影響を受ける。また、気泡周辺も影響を受けるため、典型的には200um(600トラック程度)の区間に渡って欠陥が継続する。よって、気泡の核が存在する領域およびその周辺領域は、大規模欠陥領域となる。
図16は、大規模欠陥領域14の構成を示す。図14(b)に示す気泡の一部11aおよび11bが、それぞれ異なるトラックのクラスタ13aおよび13bに跨って存在している。
データの書き込みや読み出しは、クラスタを最小単位として行われる。クラスタ境界に気泡が存在する場合には、複数のクラスタにわたってデータの書き込みや読み出しができなくなる。さらに、気泡の影響で気泡の周辺のクラスタはデータの書き込みや読み出しができないことが多い。
また、気泡の影響で、トラック方向に沿って最大1mm程度にわたり、サーボが不安定状態となるという問題がある。サーボが不安定となる領域では、トラッキングはずれやトラックジャンプ等に起因する記録リトライや、記録エラーによる欠陥交替処理が実行され、記録時間が長くかかる。記録時間が長くかかると録画中にデータの欠落が生じたり、ダビングにより多くの時間がかかるおそれがある。
BDの1周に1箇所の気泡が存在する場合には、クラスタごとにアクセスできたりできなかったり、という状態が発生しうる。たとえば、最内周には2つのクラスタしか設けられないため、1つのクラスタへのアクセスに失敗するとそのトラック全体のアクセスができなくなることがある。そこで、最悪の状況を考慮して、アクセスができない複数のトラックに跨る領域を「大規模欠陥領域14」と呼ぶ。上述したように、このような数百のトラックに含まれるクラスタの数は数千にも上ることがある。なお、大規模欠陥領域14にはアクセスが可能なクラスタが含まれ得るため、そのような場合にはクラスタ単位で大規模欠陥領域14を定義することも可能である。なお、大規模欠陥領域は「アクセスができない複数のトラックに跨る領域」であると定義したが、複数に限る必要はない。アクセスができないトラックが1つであっても「大規模欠陥領域」に含めてもよい。
図17は、大規模欠陥領域に対して、従来の手法で記録処理を行った場合の動作手順を示す。動作手順aからeの各内容は以下のとおりである。
a.ユーザデータ領域(User Area)のクラスタにデータを書き込む
b.ユーザデータ領域中のクラスタUへのデータ書き込み失敗
c.スペア領域内の交替領域Sを交替先として割り当て、光ヘッドを移動(シーク)して交替先の交替領域Sへデータを書き込む
d.次のクラスタU+1へ移動するがクラスタU+1へのデータ書き込み失敗(b’)
上述のcおよびdの処理が、大規模欠陥領域を抜けるまで繰り返されることになる。このように、交替記録に伴って、ユーザデータ領域とスペア領域との記録位置間の移動(シーク)が多発する結果となり、多大な処理時間を要することになる。
一方、上述した特許文献1は、個々の欠陥に対して交替領域を割り当てるのではなく、欠陥の検出位置から所定範囲後までの領域を欠陥領域として捉え、固定長の交替領域を割り当てる技術を開示している。
しかし、固定長の交替領域を割り当てると他の問題が発生する。
図18は、記録エラーbおよびb’が発生したときに、固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示している。図18の例では、固定長の領域は気泡領域よりも小さい。よって、処理eによる欠陥領域のサイズ以上のデータを書き込むときは、固定長の領域を終えた後の欠陥領域(気泡領域)にアクセスが発生し、データの書き込みに失敗する(処理f)。この結果、アクセス時間は長くなってしまうという問題がある。
さらに他の問題も生じ得る。図19は、記録エラーbおよびb’が発生したときに、比較的大きい固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示している。固定長の交替領域がスペア領域内に確保されるため、図示されるように固定長の交替領域の方が気泡領域よりも大きい場合には、欠陥が存在しない領域Dについてまで交替領域が設定され、スペア領域を無駄に消費するという問題がある。
気泡のサイズはまちまちであるため、固定長の領域を欠陥領域として取り扱う欠陥管理方法を採用すると図18に示す問題および図19に示す問題が発生し得る。
また、BD等の記録媒体において交替領域を確保可能なスペア領域のサイズは有限である。気泡でなくとも汚れによる欠陥等に対しても常に欠陥ブロック以降のブロックも連続して欠陥として扱うと(例えば指紋のような広範囲に薄く広がった汚れによる欠陥が存在すると)、次々と交替領域が確保される結果、瞬く間にスペア領域を使い尽くしてしまうという問題がある。
さらに図18の処理fに示すような気泡領域へのアクセスが発生する場合には、光ビームスポットが、データ書き込み対象のトラックからジャンプし、隣接するトラックのデータを破壊してしまうという問題もある。
図20(a)は、気泡によるディスク表面の凹凸を示す図であり、図20(b)は、光ビームが気泡を横切るときに測定されるTE信号および駆動信号の波形図である。光ビームがトラックの中心線上を追従しているとき、TE信号の振幅はゼロレベルにあるが、光ビームがトラックの中心線からディスク径方向にシフトすると、TE信号にはゼロではない振幅成分が現れる。このとき、トラックの中心線に対する光ビームの位置ズレ(オフトラック)を解消するように、光ピックアップ内の対物レンズのディスク径方向位置が調整される。対物レンズのディスク径方向位置は、光ピックアップ内のレンズアクチュエータの働きによって調整され、図20(b)に示す「駆動信号」は、レンズアクチュエータに供給される駆動電流の波形を示している。
図20に示すように、BDの気泡を光ビームが通過するとき、擬似的にオフトラックを示す波形成分(擬似オフトラック成分)がTE信号に現れる。擬似オフトラック成分は、光ビームがトラックの中心線上にあっても気泡に起因して出現する。このような擬似オフトラック成分がTE信号に現れると、擬似オフトラック成分に応答してトラッキング制御が行われるため、光ビームスポットが目的トラックから外れるアブノーマルトラックジャンプが発生するという問題がある。
図21は、アブノーマルトラックジャンプを模式的に示す。トラック12bにデータを書き込んでいる最中に、気泡11に起因して隣接するトラック12aへ光ビームスポットがジャンプしている。このとき、書き込み処理がトラック12aに対して継続され、既存のデータが破壊されるという非常に大きな問題が生じる。例えば、AVデータが破壊された場合には一時的な再生の不具合が生じる。また、再生に必須の管理情報が破壊された場合には、記録されたコンテンツが再生できなくなったり、最悪の場合にはそのディスクから再生ができなくなることもある。
本発明の目的は、データ書き込み中にエラーが生じたときにおいて、気泡などによる大規模欠陥領域におけるエラーであることを判定し、気泡などによる大規模欠陥領域によって生じたときにはその大規模欠陥領域の大きさに応じて交替処理を行うことである。
本発明による光ディスク装置は、光ディスクの記録領域へのデータ書き込み中に、前記記録領域内の欠陥領域に起因するエラーを検出して前記欠陥領域に代わる交替領域にデータを書き込む。前記光ディスク装置は、光ディスクに光ビームを照射し、前記光ディスクによって反射された光ビームに基づいて受光信号を生成する光ピックアップと、前記光ピックアップを制御して前記光ディスクの記録領域へのデータの書き込みを制御する記録制御部と、前記データの書き込み中にエラーが発生したときに前記エラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定し、前記欠陥領域のサイズを測定する欠陥判定部と、前記データの書き込みの指示を受けて、測定された前記欠陥領域のサイズに基づいて決定されたサイズの交替領域を前記光ディスク上に確保し、確保した前記交替領域に前記データを書き込むよう前記記録制御部に指示する欠陥管理部とを備えている。
前記光ディスク上には複数のトラックが形成されており、前記エラーが発生したときに、前記欠陥判定部は前記複数のトラックへ間欠的にアクセスするよう前記光ピックアップに指示し、その結果予め定められたエラーが発生した領域を前記欠陥領域であると判定してもよい。
前記記録制御部は、前記受光信号から生成されるサーボ信号の信号レベルが所定の閾値よりも大きかった時間に基づいてサーボエラーを検出し、前記欠陥判定部は、前記サーボエラーが発生した領域を欠陥領域であると判定してもよい。
前記欠陥判定部は予め定められた間隔の複数トラックへのアクセスを前記光ピックアップに指示し、複数回のサーボエラーが発生した領域を前記欠陥領域として判定してもよい。
前記記録制御部は、前記受光信号から生成されるサーボ信号に基づいてサーボエラーを検出することが可能であり、前記欠陥判定部は、前記エラーがシーク中のサーボエラーである場合には、前記欠陥領域のサイズの測定を開始してもよい。
前記欠陥判定部は、前記エラーがデータの記録エラーであって、かつ記録エラーが所定回数発生した場合には、前記欠陥領域のサイズの測定を開始してもよい。
前記欠陥管理部は、測定された前記欠陥領域のサイズと前記データのサイズとに応じて、前記欠陥領域のサイズ以下のサイズの交替領域を前記光ディスク上に確保してもよい。
前記欠陥領域は、前記光ディスクの製造時に形成された気泡を含む領域であってもよい。
前記欠陥領域は、前記光ディスクに形成された複数のトラックに跨る領域であってもよい。
前記欠陥管理部は、測定された前記欠陥領域のサイズと同じサイズの前記交替領域を前記光ディスク上に確保してもよい。
前記欠陥管理部は、測定された前記欠陥領域のサイズ、および、未だ記録されていないデータのサイズのうちの小さい方と同じサイズの交替領域を前記光ディスク上に確保してもよい。
前記光ディスクにはユーザデータ領域およびスペア領域が設けられており、前記欠陥管理部は、前記交替領域を前記スペア領域内に確保してもよい。
前記光ディスクにはユーザデータ領域およびスペア領域が設けられており、前記欠陥管理部は、前記交替領域を前記ユーザデータ領域内に確保してもよい。
前記交替領域への前記データの書き込み中にエラーが発生したときにおいて、前記欠陥管理部は、前記スペア領域内に他の交替領域をさらに確保し、確保した前記他の交替領域に引き続き前記データを書き込むよう前記記録制御部に指示してもよい。
前記交替領域への前記データの書き込み中にエラーが発生したときにおいて、前記欠陥管理部は、前記スペア領域内に予め定められたサイズの他の交替領域をさらに確保し、確保した前記他の交替領域に引き続き前記データを書き込むよう前記記録制御部に指示してもよい。
本発明によれば、光ディスク装置は、書き込み中にエラーが発生したときにそのエラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定し、欠陥領域のサイズを測定する。そして、測定されたそのサイズ以下のサイズの交替領域を光ディスク上に確保して、欠陥領域にデータが書き込まれないよう記録領域を管理する。
交替領域のサイズは測定された欠陥領域のサイズ以下で確保されるため、無駄なく効率的な利用が実現される。たとえば、まだ書き込まれていない残りのデータのサイズが測定された欠陥領域のサイズ以下であれば、書き込み時にそのサイズの交替領域が確保されて残りのデータが書き込まれる。一方、残りのデータのサイズが欠陥領域のサイズ以上であれば、まず欠陥領域のサイズ分の交替領域が確保されてデータが書き込まれ、さらに残ったデータが欠陥領域後の正常な記録領域に書き込まれる。これにより、スペア領域の利用を過不足なく最小限にとどめ、光ディスク全体の記録可能領域を効率的に利用できる。
(a)および(b)は本実施形態による記録方法を示す図であり、(c)は本実施形態による他の記録方法を示す図であり、(d)は一連のデータの書き込み中に気泡領域が2つ存在したときの記録方法を示す図である。
本実施形態によるBDレコーダ100の機能ブロックの構成を示す図である。
本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す図である。
光ディスクドライブ102の大規模欠陥領域の交替処理を含む記録処理の手順を示すフローチャートである。
図4のステップS47に示す大規模欠陥の仮検出および大規模欠陥測定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
(a)は図5のステップS56からS58までの気泡測定処理を説明する概念図であり、(b)は図6(a)のエラー検出に関する処理を時系列に表示した図である。
サーボ欠陥を含むトラッキングエラーの波形を示す図である。
(a)は従来の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す図であり、(b)は本実施形態の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す図である。
処理クラスタ数を変化させたときの実行時間TaおよびTbの変化を示す図である。
処理クラスタ数を変化させたときの実行時間TaおよびTbの変化を示す図である。
従来の書換え型光ディスクが備える記録層21の領域レイアウトを示す図である。
従来の追記型光ディスクであるDVD−Rが備える記録層31の領域レイアウトを示す図である。
欠陥管理情報を含む従来の追記型光ディスクの記録層41の領域レイアウトを示す図である。
(a)は気泡11が存在するBD10を模式的に示す図であり、(b)はBD10上の気泡11とトラックとの関係を示す図である。
(a)および(b)は、気泡が形成されたBDを用いて実際に測定されたディスク表面(光透過層の表面)の凸部形状を示す図である。
大規模欠陥領域(気泡領域)14の構成を示す図である。
大規模欠陥領域に対して、従来の手法で記録処理を行った場合の動作手順を示す図である。
記録エラーbおよびb’が発生したときに、固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示す図である。
記録エラーbおよびb’が発生したときに、比較的大きい固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示す図である。
(a)は気泡によるディスク表面の凹凸を示す図であり、(b)は光ビームが気泡を横切るときに測定されるTE信号および駆動信号の波形図である。
アブノーマルトラックジャンプを模式的に示す図である。
符号の説明
100 BDレコーダ
102 光ディスクドライブ
104 CPU
106 エンコーダ/デコーダ106
108 チューナ
110 命令処理部
120 記録制御部
130 再生制御部
140 欠陥管理部
150 大規模欠陥判定部
160 バッファ
160a 欠陥管理情報バッファ
160b データバッファ
160c 大規模欠陥情報バッファ
160d 大規模欠陥仮検出情報バッファ
170 I/Oバス
以下、添付の図面を参照して、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。
本発明による欠陥管理方法は光ディスク(典型的にはBD)へのデータ書き込み中に、たとえば光ディスクの欠陥領域に起因するエラーが検出されたときに、欠陥領域に代わる交替領域をスペア領域内に確保し、その交替領域にデータを書き込むために利用される。
データの書き込み中にエラーが発生したときに、光ディスク装置の欠陥判定部は、エラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定し、欠陥領域のサイズを測定する。そして欠陥管理部は、データの書き込みの指示を受けて、測定された欠陥領域のサイズに基づいて決定されたサイズの交替領域を光ディスク上に確保し、欠陥領域にデータが書き込まれないよう記録領域を管理する。
欠陥領域の一例として、スピンコート法などで光ディスクの保護層を形成した場合に、データの書き込み動作または読み出し動作が、保護層に混入した気泡の影響を受けうる気泡領域が挙げられる。
判定された気泡領域にはデータの書き込みができず、またはデータの書き込みや読み出しに多くの時間がかかるため書き込みに利用しない。
図1を参照しながら、気泡領域の測定を含む欠陥管理方法を具体的に説明する。
図1(a)は、本実施形態による第1の記録方法を示す。この図の記載は図17の記載に準ずる。ユーザデータ領域(User Area)の1単位はクラスタ(またはECCブロック)である。1クラスタは複数のセクタの集合である。
以下の実施形態の説明では、例としてクラスタ単位で欠陥領域のサイズの測定が行われるとするが、セクタ単位で欠陥領域のサイズを測定することも可能である。後者の例では、クラスタ単位で粗く欠陥領域のサイズを測定し、セクタ単位で精密に測定すればよい。
ユーザデータ領域にデータを書き込み中に、「×」で示す書き込みエラーが発生したとする。するとその領域は欠陥としてスペア領域内の交替領域に記録される。交替記録後、再度ユーザデータ領域に次のクラスタのデータを書き込もうとして再度書き込みエラーが発生する。このときもその領域は欠陥として取り扱われ、スペア領域内の交替領域に記録される。
図1(a)の例では、書き込みエラーが2回連続して発生したときは気泡に起因する大規模欠陥領域の測定処理に移る。その意味において図1の処理aは気泡の検出処理の前段階の処理(気泡仮検出処理a)である。
大規模欠陥領域の測定処理bは、大規模欠陥領域であるとして検出された2つのクラスタの次のクラスタから測定される。
例えば、大規模欠陥領域の測定処理bは、サーボエラーが生じないトラックまで、たとえば10μmずつ離散的にトラックにアクセスする。そして、サーボエラーが生じないトラックの前のトラックまでが大規模欠陥領域であるとして、その領域の大きさを測定する。本実施形態においては、このような大規模欠陥領域を気泡領域とみなす。
大規模欠陥領域が特定されると、その領域の情報をバッファに格納する。当該大規模欠陥領域に対して記録要求があると、その領域を欠陥領域として登録する処理を行い、また大規模欠陥領域と同じデータサイズを有する交替領域を確保する処理cが行われる。その後、後続のデータを交替領域に書き込む処理dが行われる。その後のデータの書き込みは、気泡領域の後から開始される。
図1(b)は、記録が大規模欠陥領域の途中で終了する場合の記録方法を示す。図1(a)との違いは、書き込まれる全データのうち、既に書き込まれたデータを除く残りのデータのサイズが大規模欠陥領域のサイズ以下の場合の交替領域の確保の仕方である。すなわち、残りのデータのサイズ分(大規模欠陥領域への記録サイズ分)だけ交替領域を確保する処理cが行われ、その後、当該残りのデータを確保された交替領域に書き込む処理dを行う。なお、記録要求がない大規模欠陥領域(図1(b)の未記録領域)を欠陥領域として欠陥登録してもよい。
図1(c)は、本実施形態による第2の記録方法を示す。図1(a)との違いは、2回目の書き込みエラーが発生したときに、スペア領域に交替記録せずに、大規模欠陥領域の測定処理bが実行されることにある。大規模欠陥領域の測定処理bは、大規模欠陥領域の2回目の書き込みエラーが発生したクラスタから測定される。後は図1(a)の処理cおよびdと同じである。
図1(a)〜(c)から明らかなように、交替記録のために確保される交替領域のサイズは固定されているのではなく、残りのデータのサイズと大規模欠陥領域のサイズとの関係によって可変であることが理解される。
次に、図1(d)は、一連のデータの書き込み中に気泡領域が2つ存在したときの記録方法を示す。図1(d)に示された符号a〜dは、それぞれ図1(a)〜(c)に示すとおり、aは気泡仮検出処理、bは気泡測定処理、cは書き込み(Write)要求分の一括交替処理、dはスペア(Spare)領域へ書き込み処理を示している。
図1(d)では、気泡が発見されるごとに図1(a)による処理が行われる。その結果、交替領域は、測定された気泡のサイズに相当するサイズだけそれぞれ確保され、確保された各交替領域にデータが記録される。気泡領域が3以上存在する場合も同様である。なお、図1(d)では各気泡領域が交替されるそれぞれの交替領域同士は隣接しているが、これは例である。他のユーザデータ領域の交替領域がそれらの間に確保されてもよい。
なお、本実施形態においては大規模欠陥領域を気泡領域とみなしているが、これは気泡が現在最も顕著に大規模欠陥領域を発生させるためである。気泡以外の他の要因で大規模欠陥領域が発生する場合には、もちろん気泡領域とみなす必要はない。その場合には以下の説明において「気泡領域」を「大規模欠陥領域」と読み替え、「気泡」を当該他の要因に読み替えることにより、本発明を適用することが可能である。
以下、本実施形態にかかる光ディスク装置の構成および動作を詳細に説明する。
図2は、本実施形態によるBDレコーダ100の機能ブロックの構成を示す。BDレコーダ100は、光ディスクであるBD、典型的には書き換え可能なBD(図示せず)に対し、データの書き込みおよび読み出しを行う。
BDレコーダ100は、光ディスクドライブ102と、中央演算ユニット(CPU)104と、エンコーダ/デコーダ106と、チューナ108と、それらの相互通信を可能とするI/Oバス170とを有する。
CPU104は、BDレコーダ100の全体の動作を制御するホストコンピュータである。光ディスクドライブ102との関係では「上位制御装置」とも称される。エンコーダ/デコーダ106は、映像、音声の符号化/復号化を行う。チューナ108は、アナログ放送波またはディジタル放送波を受信して番組の信号を取得する。
光ディスクドライブ102は、命令処理部110と、記録制御部120と、再生制御部130と、欠陥管理部140と、大規模欠陥判定部150と、バッファ160とを含んでいる。
命令処理部110は、バス170を介してCPU104から受けた命令を処理する。記録制御部120は、光ディスクへのデータ記録時の制御を行う。再生制御部130は、光ディスクからのデータ再生時の制御を行う。
欠陥管理部140は、欠陥管理情報に関する処理を行う。すなわち欠陥管理部140は、光ディスクに記録された欠陥管理情報を後述の欠陥管理情報バッファ160aに読み出す。また、欠陥情報が変化した場合には欠陥管理情報を更新するとともに、欠陥管理情報バッファ160aの内容も更新する。更新された欠陥管理情報は光ディスクに記録される。
大規模欠陥判定部150は、気泡などを含む種々の大規模欠陥領域を判定する。大規模欠陥領域であると判定した場合はその連続領域を特定する大規模欠陥情報を生成し、または更新して、大規模欠陥情報バッファ160cに格納する。
バッファ160は、欠陥管理情報バッファ160aと、データバッファ160bと、大規模欠陥情報バッファ160cと大規模欠陥仮検出情報バッファ160cとを含む。欠陥管理情報バッファ160aは光ディスクから再生した欠陥管理情報を格納する。データバッファ160bは記録されるデータおよび再生されたデータを一時的に格納する。大規模欠陥情報バッファ160cは、大規模欠陥判定部150で判定され生成された大規模欠陥情報を格納する。大規模欠陥仮検出情報バッファ160dは、大規模欠陥判定部150で、記録エラーが発生した領域の情報を格納する。
図3は、本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す。
光ディスクドライブ102は、ディスクモータ140と、光ピックアップ610と、光ディスクコントローラ(ODC)620と、駆動部630とシステムコントローラ630を備えている。
システムコントローラ630は、内蔵された制御プログラムに従って、光ディスクドライブ102の全体動作を制御する。
光ピックアップ610は、光源204、カップリングレンズ205、偏向ビームスプリッタ206、対物レンズ203、集光レンズ207、光検出器208を備えている。
光源204は、好適には半導体レーザであり、本実施形態では波長415nm以下の光ビームを放射する。光源204から放射された光ビームは直線偏光であり、その偏光方向は、放射される光ビームの光軸に関して光源204の向きを回転させることにより任意に調整することができる。カップリングレンズ205は、光源204から放射された光ビームを平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ206に入射させる。偏向ビームスプリッタ206は、特定方向に偏光した直線偏光は反射するが、その特定方向に対して垂直な方向に偏光した直線偏光は透過する特性を有している。本実施形態の偏光ビームスプリッタ206は、カップリングレンズ205で平行光に変換された光ビームは対物レンズ203に向けて反射するよう構成されている。対物レンズ203は、偏向ビームスプリッタ206で反射された光ビームを集束し、BD10の記録層上に光ビームスポットを形成する。
BD10で反射された光ビームは、光ピックアップ610の対物レンズ203で平行な光ビームに変換された後、偏向ビームスプリッタ206に入射する。このときの光ビームは、その偏光方向がBD10に入射するときの光ビームの偏光方向から90°回転したものになるため、偏向ビームスプリッタ206を透過し、そのまま集光レンズ207を経て光検出器208に入射することになる。
光検出器208は、集光レンズ207を通過してきた光を受け、その光を電気信号(電流信号)に変換する。図示されている光検出器208は、受光面上で4分割された領域A、B、C、Dを有しており、領域A〜Dの各々が、受けた光に応じた電気信号を出力する。
ディスクモータ140によって所定速度で回転しているBD10の記録層上において所望のトラックを光ビームの焦点が追従するためには、BD10で反射された光ビームに基づいて、トラッキングずれおよびフォーカスずれを示すトラッキングエラー(TE)信号およびフォーカスエラー(FE)信号を検出する必要がある。これらはODC620によって生成される。
TE信号について説明すると、光ディスクドライブ102は、書き込み時にはプッシュプル法によりTE信号を生成し、読み出し時には位相差法によりTE信号を生成する。
本実施形態による光ディスクドライブ102は、光ディスクへのデータ書き込み中にエラーを検出した場合の処理を特徴とするため、以下ではまずプッシュプルTE信号を生成する処理から説明する。
ODC620の加算器408は光検出器208の領域BとDの和信号を出力し、加算器414は光検出器208の領域AとCの和信号を出力する。差動増幅器410は、加算器408、414からの出力を受け取り、その差を表すプッシュプルTE信号を出力する。ゲイン切換回路416は、プッシュプルTE信号を所定の振幅(ゲイン)に調整する。AD変換器420は、ゲイン切換回路416からのプッシュプルTE信号をディジタル信号に変換してDSP412に出力する。
次に、位相差TE信号は以下のようにして得られる。加算回路344は、領域Aの出力と領域Dの出力とを合計した大きさに相当する信号A+Dを出力し、加算回路346は、領域Bの出力と領域Cの出力とを合計した大きさに相当する信号B+Cを出力する。加算の仕方を変更することにより、他の信号を生成することも可能である。
コンパレータ352,354は、それぞれ、加算回路344,346からの信号を2値化する。位相比較器356は、コンパレータ352,354からの信号の位相比較を行う。差動増幅器360は、位相比較器356からの信号を入力して位相差TE信号を出力する。この位相差TE信号は、光ビームが光ディスク102のトラック上を正しく走査するように制御するために用いられる。
ゲイン切換回路366は、位相差TE信号を所定の振幅に調整する。AD(アナログ・ディジタル)変換器370は、ゲイン切換回路366から出力された位相差TE信号をディジタル信号に変換する。
FE信号は、差動増幅器358によって生成される。FE信号の検出法は特に限定されず、非点収差法を用いたものでもよいし、ナイフエッジ法を用いたものであってもよいし、SSD(スポット・サイズド・ディテクション)法を用いたものであってもよい。検出法に応じて回路構成を適宜変更することになる。ゲイン切換回路364は、FE信号を所定の振幅に調整する。AD変換器368は、ゲイン切換回路364から出力されるFE信号をディジタル信号に変換する。
DSP412は、TE信号およびFE信号等に基づいて駆動部630を制御する。DSP412から出力されるフォーカス制御のための制御信号FEPWMおよびトラッキング制御のための制御信号TEPWMは、それぞれ、駆動部630の駆動回路136および駆動回路138に送られる。
駆動回路136は、制御信号FEPWMに応じてフォーカスアクチュエータ143を駆動する。フォーカスアクチュエータ143は、対物レンズ203を光ディスク102の記録層と略垂直な方向に移動させる。駆動回路138は、制御信号TEPWMに応じてトラッキングアクチュエータ202を駆動する。トラッキングアクチュエータ202は、対物レンズ203を光ディスク102の記録層と略平行な方向に移動させる。なお、駆動部630は、光ピックアップ610を載置する移送台の駆動回路(図示せず)も備えている。駆動回路への印加電圧によって移送台を駆動することにより、光ピックアップ610は半径方向の任意の位置に移動することができる。
次に、データを読み出すための構成を説明する。
加算回路372は、光検出器208の領域A,B,C,Dの出力を加算して、全光量和信号(A+B+C+D)を生成する。全光量和信号(A+B+C+D)はODC620のHPF373に入力される。
HPF373で低周波成分が除去された加算信号は、イコライザ部374を介して2値化部375で2値化され、ECC/変復調回路376でPLL、エラー訂正、復調などの処理が行われ、バッファ377に一時的に蓄積される。バッファ377の容量は、種々の再生条件を考慮して決定されている。
バッファ377内のデータは映像等の再生タイミングに応じて読み出され、再生データとしてI/Oバス170を介してホストコンピュータ104やエンコーダ/デコーダ106(図2)へ出力される。これにより、映像等が再生される。
次に、データを書き込むための構成を説明する。
バッファ377内に格納されたデータは、ECC/変復調回路376によりエラー訂正符号を付加されて符号化データとなる。次いで、符号化データはECC/変復調回路376により変調されて変調データとなる。さらに、変調データはレーザ駆動回路378に入力される。レーザ駆動回路378が変調データに基づいて光源204を制御することにより、レーザ光がパワー変調される。
図2および図3の対応関係を説明する。図2の命令処理部110は図3のシステムコントローラ630に対応する。
また図2の記録制御部120は、書き込むべきデータを受け取って書き込みを支持するシステムコントローラ630に対応する。また記録制御部120は、図3のプッシュプルTE信号を生成するためのODC620内のトラッキング信号生成部(加算器408,414、差動増幅器410、ゲイン切換回路416およびAD変換器420)、および、FE信号を生成するためのフォーカス信号生成部(加算器、差動増幅器358、ゲイン切換回路364およびAD変換器368)をも含む。また記録制御部120は駆動部630も含む。また記録制御部120はECC/変復調回路376、レーザ駆動回路378も含む。
図2の再生制御部130は、データの読み出しを支持するシステムコントローラ630に対応する。再生制御部130は、再生データを得るための図3の構成要素372から377までの構成要素も含む。また再生制御部130は、位相差TE信号を得るための構成要素354から370およびFE信号を得るためのフォーカス信号生成部をも含む。また再生制御部130は駆動部630も含む。
図2の欠陥管理部140および大規模欠陥判定部150は、システムコントローラ630の処理に対応する。
図2のデータバッファ160bは、図3のバッファ377に対応する。図2の欠陥管理情報バッファ160a、大規模欠陥情報バッファ160cおよび大規模欠陥仮検出情報バッファ160dは、システムコントローラ630内のバッファ(図示せず)に対応する。
次に、図4から図7を参照しながら、光ディスクドライブ102の動作を説明する。
図4は、光ディスクドライブ102の大規模欠陥領域の交替処理を含む記録処理の手順を示す。まず命令処理部110がCPU104等の上位制御装置から書き込み命令(Writeコマンド)を受け取ると処理が開始される。
ステップS41において、記録制御部120は記録要求されたサイズ分のデータ記録が完了したか否かを判断する。記録すべきデータが存在する場合にはステップS42へ進み、存在しない場合には処理は終了する。
ステップS42において、欠陥管理部140は大規模欠陥情報バッファ160cに保持される大規模欠陥領域情報を参照して、記録する領域が予め特定されている気泡領域か否かを判断する。大規模欠陥領域情報は、図5のステップS59で保持される。詳細は図5を参照しながら後述する。気泡領域である場合には処理はステップS43に進み、気泡領域ではない場合には処理はステップS44に進む。
ステップS43において、欠陥管理部140はその欠陥領域に代わる交替領域を割り当て、欠陥登録する。なお、大規模欠陥領域の交替領域は、連続的に割り当てられるのが望ましい。
ステップS44において、記録制御部120はデータの記録を実行する。そしてステップS45において、記録制御部120はエラーが発生したか否かを判定する。エラーが発生しない場合にはステップS41からの処理を繰り返す。エラーが発生した場合には、ステップS46に進む。
ここでいう「エラー」には様々な種類が含まれている。例えば、ベリファイの結果確認された記録エラーや、記録時にフォーカス制御やトラッキング制御に失敗するサーボ制御のエラー、データを記録する領域(目的位置)へ光ピックアップ610を移動している間のシークエラーなどである。なお、ベリファイとは、データをクラスタに記録した後にそのクラスタからそのデータを読み出して、記録しようとした元のデータと比較することによって、データが正しく記録できているかどうかを照合する処理をいう。
ステップS46では、ステップS45においてエラーの発生した記録領域に対して、欠陥交替処理を行う。すなわち、欠陥領域に代わる交替領域をスペア領域に割り当て欠陥登録し、交替領域に記録を行う。
ステップS47において、大規模欠陥判定部150が大規模欠陥領域の仮検出および大規模欠陥領域測定処理を行う。この処理の詳細は、図5を参照しながら後述する。
図5は、図4のステップS47に示す大規模欠陥の仮検出および大規模欠陥測定処理の詳細な手順を示す。以下に詳細に説明するように、BDレコーダ100は気泡領域である蓋然性が高い領域を特定し、その後にその領域が実際に気泡領域であるか、および気泡領域であるときにはその気泡のサイズを測定する。
気泡領域である蓋然性が高い領域の特定方法は、たとえばその領域のトラックに対するトラッキング制御が失敗した場合などのサーボ系エラーが生じたときや、記録エラーが所定回数連続して発生したときや所定領域内に記録エラーが所定回数発生したときなどである。
ステップS50において、欠陥管理部140はスペア領域が枯渇しているか否かを判断する。気泡領域に対する交替処理でスペア領域を使い尽くしてしまう可能性があるため、スペア領域の使用状況を考慮する必要がある。例えば、スペア領域が75%以上使用されている場合には枯渇していると判断し、処理を終了する。一方、スペア領域が75%未満しか使用されていない場合には枯渇していないと判断して処理はステップS51に進む。
ステップS51において、欠陥管理部140は欠陥管理情報を参照して、エラーが発生した記録領域が既に交替処理が行われているクラスタであるか否かを判定する。既に交替処理が行われているクラスタである場合には処理は終了し、交替処理が行われていないクラスタである場合には処理はステップS52に進む。
ステップS52において、大規模欠陥判定部150は光ピックアップ部610を目的位置(記録する領域)へ移動(シーク)中のエラーであるかを判定し、気泡領域の仮検出を行う。「仮検出」とは、発生したエラーが気泡の存在に起因するか否か不明な段階において、所定の条件によって気泡が存在する可能性が高いことを検出する処理を意味する。
シークが所定回数(例えば32回)失敗した場合や、シークは完了したがその領域のトラックに対するトラッキング制御が所定回数(例えば5回)失敗した場合には、気泡が存在する可能性が高いと考えられる。その場合には、大規模欠陥判定部150は気泡の有無を確認する更なる処理を実行するため、ステップS56に進む。シークの失敗等がない場合には処理はステップS53に進む。
ステップS53において、記録制御部120は、図4のステップS45で発生したエラーが、データ記録中の記録エラーであるか否かを判定する。記録エラーであれば処理はステップS54に進み、記録エラーでなければ処理はステップS55に進む。
ステップS54では、記録制御部120は記録エラーが発生した領域の情報(記録エラー情報)を大規模欠陥仮検出情報バッファ160dに登録する。
ステップS55において、大規模欠陥判定部150はステップS54で登録されている記録エラー情報に基づいて大規模欠陥領域の仮検出を行う。例えば、記録エラーが所定記録領域内に所定回数発生したとき(一例を挙げると15クラスタ中に3クラスタの記録エラーが発生したとき)に大規模欠陥領域であると判定する。これは、大規模欠陥領域内では、1トラック中の各クラスタにおいて記録できたりできなかったりという不安定な状態が発生しうるため、そのような状態にあっては記録エラーが連続するとして処理する方が信頼性が向上し、処理が高速化できるため、好ましいからである。
大規模欠陥領域の仮検出された場合には、ステップS56に進み、合致しない場合には処理は終了する。
なお、大規模欠陥領域の仮検出は以下のようにしてもよい。
1) 記録エラーが所定回数連続して発生したとき
2) 記録エラーの要因がサーボエラー(アドレス取得失敗やトラッキングはずれやフォーカスはずれ等)であるとき
3) 2)のサーボエラーが所定回数連続したとき
4) 2)のサーボエラーが所定記録領域内に所定回数発生したとき
上述の記録エラーの回数は、ステップS54において大規模欠陥仮検出情報バッファ160dに登録された数によって特定される。
なお、本実施形態においてはユーザデータ領域に存在する気泡領域に起因して発生する記録エラーの検出を想定している。既交替クラスタは交替領域に対するアクセスとなり、大規模欠陥領域の仮検出の対象から除外する必要がある。ステップS51を経てステップS55が実行される場合には、既交替クラスタが大規模欠陥領域の仮検出の対象から除外されていることに留意されたい。
ステップS56、ステップS57およびステップS58は、気泡領域が存在するか否かを特定し、気泡領域が存在する場合にはそのサイズを測定する処理である。これらの処理に費やすことが許容される時間は短い。その理由は、これらの処理はデータの記録処理を一時中断して行われているが、所定時間内に記録する必要があるからである。
ステップS56において、大規模欠陥判定部150は気泡領域が存在するか否かを特定する。本実施形態においては、気泡の有無はサーボ欠陥(サーボエラー)の有無によって判定される。
気泡領域であると判定するためには、複数トラックに跨った連続的な欠陥領域を検出する必要がある。よって近傍トラックの状態を確認する。エラー検出した位置から外周方向に10トラック移動した位置を2回検査し、両方においてサーボ欠陥が検出された場合に、気泡(またはサーボ欠陥)を確定とする。一方、3回検査してもサーボ欠陥が現われなかった場合には、気泡は存在しないとして測定は終了する。
気泡はサイズが大きい典型的な欠陥であるが、傷などの一般的な欠陥であってもそのサイズが気泡のサイズよりも大きくなる場合がある。よって、欠陥の大きさだけでは、従来の欠陥と区別することは困難である。
気泡と傷等の欠陥の大きな違いは、サーボの振る舞いにある。たとえば指紋に起因して生じる欠陥では一般にサーボは外れることはなく、そのブロックへの記録は正しく行われるが、正しくデータを読み出すことができずにベリファイでエラーと判定されることが多い。また、傷に起因して生じる欠陥はサーボのトラッキング制御が完全に外れてエラーになることが多い。
一方、気泡の場合は、トラッキング制御が記録すべきトラックから外れてしまうが、隣接トラックに対してトラッキング制御が行われることが多い。特に記録時には、記録済みの隣接トラックにトラッキング制御が行われてそのデータを破壊してしまうことが多い。そこで、サーボ信号(トラッキング信号)によるサーボ欠陥を利用して気泡を判定することが適切である。
上述の処理の詳細は図6および図7を参照しながら後述する。
ステップS57において、大規模欠陥判定部150は気泡領域が存在するか否かを判断する。気泡領域が存在すると判断した場合には処理はステップS58に進み、気泡領域が存在しないと判断した場合には処理は終了する。
ステップS58において、存在する気泡領域のサイズが測定される。この処理の詳細もまた図6および図7を参照しながら後述する。
ステップS59において、欠陥管理部140は、測定された気泡領域の情報を大規模欠陥情報バッファ160cに保持する。
ステップS56からS58までの処理に関連して、本願発明者らは2種類の動作を想定している。第1は、ステップS56において気泡の存在を確認すると、気泡の先頭から最後までのサイズをステップS58によって測定する動作である。第2は気泡が存在するという前提で気泡のサイズ測定を開始する動作である。後者については、気泡のサイズ測定の過程で気泡がしないと判断した場合には測定を終了する。第1および第2の動作の相違は、サーボ欠陥によって気泡が存在すると確認した後、そのサイズを測定するためにサーボ欠陥が発生した最初の位置まで戻るか、そのままサーボ欠陥がなくなる位置まで走査を継続するかにある。以下では、まず第1の気泡測定動作を説明し、その後図6(b)を参照しながら第2の気泡測定動作を説明する。
図6(a)は、図5のステップS56からS58までの気泡測定処理を説明する概念図である。
まずステップS56を説明する。トラック0へのデータ書き込み時にはサーボ欠陥は発生していないが、気泡が存在するトラック1では気泡に起因してサーボ欠陥が発生する。
サーボ欠陥の検出は、例えば以下のように行う。図7は、サーボ欠陥を含むトラッキングエラーの波形を示す。大規模欠陥判定部150は、BD10の対象となるトラック1回転を若干超える時間だけTE信号を取得する。そして、そのTE信号にトラックジャンプに起因するサーボ欠陥の成分が含まれるか否かを判断する。例えば、TE信号が所定の検出閾値(閾値レベル)P(>0)を超えた後、P以下になるまでの時間Qの長さに基づいてサーボ欠陥か否かが判定される。さらに、TE信号が所定の検出閾値(閾値レベル)P’(<0)以下になった後、P’以上になるまでの時間Q’の長さに基づいてサーボ欠陥か否かを判定することも可能である。
再び図6(a)を参照する。大規模欠陥判定部150がTE信号波形に基づいて欠陥D1を検出すると、予め定められた間隔分(たとえば約10μm)外周側に離れたトラックにアクセスするよう光ピックアップ610に指示する。次のトラックでも、大規模欠陥判定部150はやはり欠陥D2を検出する。大規模欠陥判定部150はさらに予め定められた間隔分(たとえば約10μm)外周側に離れたトラックにアクセスするよう光ピックアップ610に指示する。そして再度の欠陥D3を検出して、大規模欠陥判定部150は気泡領域が存在すると判定する。
この結果、図5のステップS57の処理はステップS58へ進む。
ステップS58では、サイズ測定処理が行われる。大規模欠陥判定部150は再びサーボ欠陥が発生した最初のトラック1(図6(a))に戻って走査を開始する。そしてサーボ欠陥が発生しなくなるまで、予め定められた間隔(たとえば10μm)で順次トラックへのアクセスを指示する。図6(a)ではトラックkまでサーボ欠陥が発生し、次にアクセスしたトラックmにはサーボ欠陥が発生しなかったとする。その結果、気泡は少なくともトラック1からトラックkまでに跨っていることが特定される。
大規模欠陥判定部150は、サーボ欠陥が発生しなくなるまでのトラックの数(合計m)に走査したトラックの間隔(10μm)を乗算して、気泡のサイズS(=10・m μm)を求める。このようにして得られた気泡のサイズSは、トラック1から、サーボ欠陥が発生しなかったトラックmの1つ前の隣接するトラックまでの範囲として計算されている。なお、データの書き込み中にエラーが発生した状況で測定を行うため、あまりに長い時間を要すると、記録時間が長くなったり、書き込むべき後続のデータがバッファできなくなるため、気泡の測定を所定の範囲にとどめ、それ以降は測定を打ち切ってもよい。
上述のように、気泡領域の測定に時間を費やせないため、10μmごとにチェックしている。BDのトラックピッチは0.32μmであるため、約30トラック(10/0.32)ごとにチェックしているといえる。これにより、1トラックずつチェックするよりはすばやく気泡領域サイズの測定を行うことができる。なお一部分のトラックについてはトラックごとにサーボ欠陥の有無を判定してもよい。例えば、10μmごとにトラックをチェックした結果、サーボ欠陥が生じなくなったトラックmが特定されたときにおいて、そのトラックmと最後にサーボ欠陥を生じたトラックkとの間のトラックごとにサーボ欠陥の有無を判定してもよい。これにより、気泡領域の正確なサイズを特定できる。
なお、上述の説明ではサーボ欠陥がないトラックが現われたときに、気泡領域ではないと判断し、トラックのサーボ欠陥チェックを終了した。しかし、サーボ欠陥がないトラックが所定領域内に所定回数(例えば3回)現われない場合および/または所定回数連続して現われない場合に、気泡領域ではないと判断してチェックを終了してもよい。一方、サーボ欠陥がないトラックが現われるまでではなく、チェックに要する処理時間を考慮するとチェックを行うトラック長の上限を決める必要がある。上限を決めて測定を打ち切った場合には、測定した領域の次の領域、または、測定した領域の所定範囲以内の領域に記録する際には、再度大規模欠陥領域判定を実行し、大規模欠陥領域を測定し、大規模欠陥領域を特定すればよい。
なお、上述のステップS56およびS58ではトラックへのアクセス間隔を10μmであるとして説明しているが、各ステップでは異なる間隔でアクセスしてもよい。たとえばステップS56では30μm間隔、ステップS58では10μm間隔でアクセスしてもよいし、その逆であってもよい。
つぎに、上述の第2の気泡測定動作を説明する。図6(b)は、第2の気泡測定動作によるエラー検出処理を時系列に表示した図である。サーボ欠陥D1の検出後、10μm離れたトラックごとにサーボ欠陥の有無をチェックする。大規模欠陥判定部150は3つ目のサーボ欠陥D3を検出すると、気泡が存在すると判定する。仮にサーボ欠陥D3が存在しなかった場合には、気泡の測定処理は終了する。
その後も順次10μm離れたトラックごとにサーボ欠陥の有無をチェックする。そしてサーボ欠陥Dkの検出後、トラックmにおいてサーボ欠陥が現われなくなると、大規模欠陥判定部150はサーボ欠陥Dkが生じたトラックと最後にチェックしたトラックmとの間に気泡領域の終端が存在すると判定する。これにより気泡領域サイズSの大きさをほぼ特定できる。
なお、ステップS56の気泡領域の有無確認は、大規模欠陥領域であるとして仮検出された領域のトラックのみのサーボ欠陥の有無によって判定してもよい。
次に、図8から図10を参照しながら、本実施形態による気泡領域の測定および欠陥処理の利点を説明する。
図8(a)は、従来の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す。記録エラーが生じるまでの時間をWt1、ユーザデータ領域とスペア領域間のシーク時間をSt、スペア領域における記録時間をWt2、記録クラスタ数をCとしたとき、実行時間Taは、
Ta=(Wt1+St+Wt2+St)*C
によって得られる。
一方、図8(b)は、本実施形態の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す。記録エラーが生じるまでの時間をWt1、ユーザデータ領域とスペア領域間のシーク時間をSt、スペア領域における記録時間をWt2、記録クラスタ数をC、大規模欠陥領域のサイズ測定時間をBtとしたとき、実行時間Tbは、
Tb=(Wt1+Bt+St)+(Wt2*C)
によって得られる。
図9および図10は、処理クラスタ数を変化させたときの実行時間TaおよびTbの変化を示す。図9および図10に示す直線は、上述のモデルケースでパラメータを以下のように設定したときに得られる。
Wt1:記録エラー時の実行時間[ms]:100
Wt2:記録の実行時間[ms]:250
St:シーク時間[ms]:250
Bt:大規模欠陥領域のサイズ測定時間[ms]:1200
図9および図10によれば、処理クラスタ数が3以上になると、本実施形態による欠陥処理方法の方が従来の方法よりも実行時間が短い。データ書き込み中のエラーに起因して交替記録を行う場合を考慮すると、短いほうが好ましいことは明らかである。
さらに本実施形態の記録方法は気泡領域のサイズと記録サイズに応じて交替領域を確保するため、従来の方法よりもスペア領域を効率的に使用できる。本実施形態においては、交替領域をスペア領域内に確保するとして説明したが、これは例である。交替領域をユーザデータ領域内に確保してもよい。
また、交替領域へのデータの書き込み中にエラーが発生したときに、どのような交替方法を採用するかについては任意である。たとえば欠陥管理部140は、スペア領域内、またはユーザデータ領域内に他の交替領域をさらに確保し、確保した他の交替領域に引き続きデータを書き込むよう記録制御部120に指示してもよい。またこのとき、欠陥管理部140は交替領域を固定長で確保してもよいし、上述の実施形態と同様、大規模欠陥判定部150にエラーが発生した交替領域のサイズを測定させて、測定されたサイズと同じサイズ他の交替領域を確保してもよい。
なお、上述したBDは、書き換え可能な光ディスク(いわゆるBD−RE)であるとして説明したが、一回に限り書き込むことが可能な光ディスク(いわゆるBD−R)であってもよい。
本発明にかかる光ディスクドライブによれば、光ディスクに気泡などを含む大規模欠陥領域が存在している場合には、サーボ制御のエラーに基づいてその大規模欠陥領域のサイズを特定し、そのサイズに応じたサイズを有する交替領域にデータを交替記録する。気泡領域はサーボが不安定であるため、気泡が存在しない交替領域にデータを交替記録することによって安定的な書き込みおよび読み出しが実現される。また、交替領域のサイズは特定された気泡領域のサイズに応じて確保されるため、過不足がなく、スペア領域の最小限かつ効率的な利用が実現される。
本発明は、光ディスク装置および光ディスクの欠陥管理方法に関し、特に、記録エラーが気泡のような広範囲に跨る欠陥を有する記録領域によって生じたときにその欠陥領域の大きさに応じて欠陥交替処理を行う技術に関する。
公知の光ディスクは、セクタ構造を有する情報記録媒体である。光ディスクは、その特性によって、大きく3種類に分類され得る。1つめは、データがディスクの凹凸によって記録されており、ユーザが新たにデータの記録ができない再生専用ディスクである。2つめは、有機色素等を記録膜として備え、1度のみ記録が可能な追記型ディスクである。3つめは、相変化材料等を記録膜として備え、複数回の記録(書換え)が可能な書換え型ディスクである。
近年、オーディオやビデオなどの音響・映像データ(以下、「AVデータ」と称する。)がディジタル化され、放送または配信されるようになってきたため、より高密度で大容量な光ディスクが要望されている。記憶容量を大きくする上で、記録層を複数にすることが有用である。例えば、DVDの再生専用ディスクでは、1枚の光ディスクに2つの記録層を形成することにより、記録層が1つの光ディスクの約2倍の容量を確保している。
図11は、従来の書換え型光ディスクが備える記録層21の領域レイアウトを示す。図11に示す記録層21においてリードイン領域22の中には、ディスク情報領域26と欠陥管理領域27(DMA)が設けられている。又、リードアウト領域25の中には、欠陥管理領域27が設けられている。又、リードイン領域22とユーザデータ領域24との間と、ユーザデータ領域24とリードアウト領域25との間には、それぞれスペア領域23が設けられる。
ディスク情報領域26は、光ディスクのデータの記録再生に必要なパラメータや物理的な特性に関する情報が格納されている。
欠陥管理領域27とスペア領域23とは、ユーザデータ領域24上の記録再生が正しくできないセクタ(これを欠陥セクタと呼ぶ)を、状態のよい他のセクタで交替する欠陥管理の為に用意された領域である。
スペア領域23は、欠陥セクタを交替するためのセクタ(スペアセクタと呼ぶ。また特に欠陥セクタと交替済みのセクタを交替セクタと呼ぶ)を含む領域である。DVD−RAMではスペア領域23はユーザデータ領域24の内周側と外周側との2箇所に配置され、欠陥セクタが予想以上に増加した場合に対応できるように外周側に配置されたスペア領域23はサイズを拡張できるようになっている。
欠陥管理領域27は、スペア領域23のサイズや配置場所の管理を含む欠陥管理に関するフォーマットを保持するディスク定義構造(DDS)28と、欠陥セクタの位置とその交替セクタの位置をリストアップした欠陥リスト(DL)29とを含む。欠陥管理領域27については、ロバストネスを考慮して、同じ内容を、内周側と外周側の欠陥管理領域27のそれぞれに2重ずつの計4重で記録する仕様の光ディスクが多い。
一方、追記型の媒体では、一度記録した情報を消すことができない。この特性のために、以前に記録した情報を書き換える代わりに、他の場所に新しい情報を継ぎ足す。換言すると、他の場所に新しい情報を追記する。このため、追記型の媒体は書換え型の媒体とは異なる管理情報を有する。
図12は、従来の追記型光ディスクであるDVD−Rが備える記録層31の領域レイアウトを示す。記録層31は、内周から外周へ向かって、R情報領域(R−Info)32と、リードイン領域33と、ユーザデータ領域34と、リードアウト領域35とを含む。
リードイン領域33の中には、ディスク情報領域37が設けられている。
R−Info32は、追記型ディスクに特有の領域であり、R−Info32の中には、記録管理領域36(以下、RMAと記す)を含む。
RMA36は、ディスクの記録状態を表している記録管理データ38(以下、RMDと記す)から構成される。最新のRMD38を取得することにより、追記可能なアドレスなどを取得することができる。
図13は、欠陥管理情報を含む従来の追記型光ディスクの記録層41の領域レイアウトを示す。
記録層41は、内周から外周へ向かって、リードイン領域42と、スペア領域43−1と、ユーザデータ領域44と、スペア領域43−2と、リードアウト領域45とを含む。
リードイン領域42の中には、ディスク情報領域46と欠陥管理領域47−1と欠陥管理作業領域群48が設けられている。又、リードアウト領域45の中には、欠陥管理領域47−2が設けられている。
欠陥管理領域47−1には、欠陥管理情報(DDS)49および欠陥管理情報(DL)50が格納されている。
追記型光ディスクの場合は、欠陥管理領域47への記録も1回しか出来ないため、書換え型光ディスクと同様の方法で常に所定位置の欠陥管理領域47へ最新の欠陥管理情報を記録しておくことは出来ない。そのため、書き換え型の光ディスクとの互換を確保するために欠陥管理作業領域群48が設けられている。
欠陥管理作業領域群48は、N個(Nは1以上の正数)の欠陥管理作業領域51から構成される。欠陥管理作業領域51は、追記型の光ディスクに対してファイナライズ処理を実施する以前において更新された欠陥管理情報を一時的に記録するための領域である。格納される情報は、欠陥セクタの位置とその交替セクタの位置をリストアップした一時欠陥リスト(TDL)52と、一時欠陥リスト52の先頭位置の情報である一時欠陥リスト先頭位置情報などを含む一時ディスク定義構造(TDDS)53から構成される。なおファイナライズ処理とは、追記型の光ディスクを書換え型の光ディスクと互換のあるデータ構造にするための処理であり、最新の欠陥管理作業領域51の内容を欠陥管理領域47に記録することをいう。
また、ディスク情報領域26(図11)、37(図12)および46(図13)は、凹凸ピットにより情報が記録されているか、ディスク出荷前等に、データ領域に記録を行う方法と同じ方法でディスク情報領域にプリ記録がなされている。一方、欠陥管理情報(DDS、DL、TDL、TDDS)や、記録管理データ(RMD)は、ディスク出荷後に、光ディスクドライブなどにより記録される。
欠陥が検出されると、その位置から所定範囲後までの領域を欠陥領域として捉え、固定長の交替領域を割り当てることもできる。たとえば特許文献1は、DVD+RWに対するそのような欠陥管理方法を開示する。
特開2002−184116号公報
従来は、光ディスクには数クラスタや数トラックに跨る大規模な欠陥領域の個数は少なかったため、欠陥領域に対して固定長の交替領域を割り当てれば十分であった。
しかし、近年開発されたブルーレイ・ディスク(BD;Blu−rayディスク)においては、状況は大きく変化しており、欠陥領域に対して固定長の交替領域を割り当てる方法では新たな問題が発生している。
たとえば光透過層をBDの基板上に形成する際、スピンコート法が利用されると、光透過層と基板本体との間に空気が混入して気泡が形成されることがある。このような気泡の影響は光透過層が十分厚い従来の光ディスクでは問題とはならなかった。
しかしBDのような、光透過層がより薄く、かつトラックピッチがより狭い光ディスクにおいては、気泡の影響で光透過層は湾曲し、平坦性が局所的に失われ、さらに気泡が存在する領域は数十〜数百のクラスタまたはトラックに跨る大規模欠陥領域となる。BDにおいては、そのような大規模欠陥領域の発生頻度は高まっている。
以下、より詳しく説明する。図14(a)は、気泡11が存在するBD10を模式的に示す。理解の容易のため気泡11を視認できるように記載しているが、視認できない気泡も存在する。
図15(a)および(b)は、気泡が形成されたBDを用いて実際に測定されたディスク表面(光透過層の表面)の凸部形状を示す図である。典型的な気泡の大きさ(直径)は、500μm〜1000μm程度である。BDの情報層と光透過層との間に気泡が形成されると、光透過層が薄い(厚さ:約100μm)ため、図15に示すように光透過層の表面が局所的に盛り上がっている。気泡の中心部(核の部分)では、反射光が殆ど戻ってこないが、気泡の周囲において盛り上がった部分でも、光ビームの透過に異常が生じる。BDの記録・再生に用いられる対物レンズのNAは高く、ディスク表面から浅い位置の情報層に焦点を結ぶため、光透過層の僅かな歪みに対しても、球面収差が大きく変化し、反射光強度が変動しやすい。
気泡は、BDの製造工程の種類により、形成されやすい場合と、形成されにくい場合がある。上述のようにスピンコート法によって光透過層が形成されたBDは、気泡を多く含む傾向にあるが、貼り合わせ法によって光透過層(保護シート)が貼り付けられたBDには気泡が少ない傾向にある。ただし、後者の方法によっても気泡は形成され得る。
再び図14を参照する。図14(b)は、BD10上の気泡11とトラックとの関係を示す。図示される例では、気泡11は、トラック12a〜12cのうち、トラック12bから外周側(トラック12c側)に存在している。各トラックには、ECCブロック(または「クラスタ」ともいう)と呼ばれるデータ単位でデータが格納される。光ディスクのデータの最小単位であるセクタ(サイズ:2KByte)という単位を用いて説明すると、BDでは、1クラスタ=32セクタとなる。気泡11の一部11aおよび11bは、それぞれクラスタ13aおよび13bの記録位置上に存在している。
BDのトラックピッチは0.32μmであるのに対して、1つの気泡(核)のサイズが約100μmであるとすると、1つの気泡によって最大約300トラック(100/0.32)が影響を受ける。また、気泡周辺も影響を受けるため、典型的には200um(600トラック程度)の区間に渡って欠陥が継続する。よって、気泡の核が存在する領域およびその周辺領域は、大規模欠陥領域となる。
図16は、大規模欠陥領域14の構成を示す。図14(b)に示す気泡の一部11aおよび11bが、それぞれ異なるトラックのクラスタ13aおよび13bに跨って存在している。
データの書き込みや読み出しは、クラスタを最小単位として行われる。クラスタ境界に気泡が存在する場合には、複数のクラスタにわたってデータの書き込みや読み出しができなくなる。さらに、気泡の影響で気泡の周辺のクラスタはデータの書き込みや読み出しができないことが多い。
また、気泡の影響で、トラック方向に沿って最大1mm程度にわたり、サーボが不安定状態となるという問題がある。サーボが不安定となる領域では、トラッキングはずれやトラックジャンプ等に起因する記録リトライや、記録エラーによる欠陥交替処理が実行され、記録時間が長くかかる。記録時間が長くかかると録画中にデータの欠落が生じたり、ダビングにより多くの時間がかかるおそれがある。
BDの1周に1箇所の気泡が存在する場合には、クラスタごとにアクセスできたりできなかったり、という状態が発生しうる。たとえば、最内周には2つのクラスタしか設けられないため、1つのクラスタへのアクセスに失敗するとそのトラック全体のアクセスができなくなることがある。そこで、最悪の状況を考慮して、アクセスができない複数のトラックに跨る領域を「大規模欠陥領域14」と呼ぶ。上述したように、このような数百のトラックに含まれるクラスタの数は数千にも上ることがある。なお、大規模欠陥領域14にはアクセスが可能なクラスタが含まれ得るため、そのような場合にはクラスタ単位で大規模欠陥領域14を定義することも可能である。なお、大規模欠陥領域は「アクセスができない複数のトラックに跨る領域」であると定義したが、複数に限る必要はない。アクセスができないトラックが1つであっても「大規模欠陥領域」に含めてもよい。
図17は、大規模欠陥領域に対して、従来の手法で記録処理を行った場合の動作手順を示す。動作手順aからeの各内容は以下のとおりである。
a.ユーザデータ領域(User Area)のクラスタにデータを書き込む
b.ユーザデータ領域中のクラスタUへのデータ書き込み失敗
c.スペア領域内の交替領域Sを交替先として割り当て、光ヘッドを移動(シーク)して交替先の交替領域Sへデータを書き込む
d.次のクラスタU+1へ移動するがクラスタU+1へのデータ書き込み失敗(b’)
上述のcおよびdの処理が、大規模欠陥領域を抜けるまで繰り返されることになる。このように、交替記録に伴って、ユーザデータ領域とスペア領域との記録位置間の移動(シーク)が多発する結果となり、多大な処理時間を要することになる。
一方、上述した特許文献1は、個々の欠陥に対して交替領域を割り当てるのではなく、欠陥の検出位置から所定範囲後までの領域を欠陥領域として捉え、固定長の交替領域を割り当てる技術を開示している。
しかし、固定長の交替領域を割り当てると他の問題が発生する。
図18は、記録エラーbおよびb’が発生したときに、固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示している。図18の例では、固定長の領域は気泡領域よりも小さい。よって、処理eによる欠陥領域のサイズ以上のデータを書き込むときは、固定長の領域を終えた後の欠陥領域(気泡領域)にアクセスが発生し、データの書き込みに失敗する(処理f)。この結果、アクセス時間は長くなってしまうという問題がある。
さらに他の問題も生じ得る。図19は、記録エラーbおよびb’が発生したときに、比較的大きい固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示している。固定長の交替領域がスペア領域内に確保されるため、図示されるように固定長の交替領域の方が気泡領域よりも大きい場合には、欠陥が存在しない領域Dについてまで交替領域が設定され、スペア領域を無駄に消費するという問題がある。
気泡のサイズはまちまちであるため、固定長の領域を欠陥領域として取り扱う欠陥管理方法を採用すると図18に示す問題および図19に示す問題が発生し得る。
また、BD等の記録媒体において交替領域を確保可能なスペア領域のサイズは有限である。気泡でなくとも汚れによる欠陥等に対しても常に欠陥ブロック以降のブロックも連続して欠陥として扱うと(例えば指紋のような広範囲に薄く広がった汚れによる欠陥が存在すると)、次々と交替領域が確保される結果、瞬く間にスペア領域を使い尽くしてしまうという問題がある。
さらに図18の処理fに示すような気泡領域へのアクセスが発生する場合には、光ビームスポットが、データ書き込み対象のトラックからジャンプし、隣接するトラックのデータを破壊してしまうという問題もある。
図20(a)は、気泡によるディスク表面の凹凸を示す図であり、図20(b)は、光ビームが気泡を横切るときに測定されるTE信号および駆動信号の波形図である。光ビームがトラックの中心線上を追従しているとき、TE信号の振幅はゼロレベルにあるが、光ビームがトラックの中心線からディスク径方向にシフトすると、TE信号にはゼロではない振幅成分が現れる。このとき、トラックの中心線に対する光ビームの位置ズレ(オフトラック)を解消するように、光ピックアップ内の対物レンズのディスク径方向位置が調整される。対物レンズのディスク径方向位置は、光ピックアップ内のレンズアクチュエータの働きによって調整され、図20(b)に示す「駆動信号」は、レンズアクチュエータに供給される駆動電流の波形を示している。
図20に示すように、BDの気泡を光ビームが通過するとき、擬似的にオフトラックを示す波形成分(擬似オフトラック成分)がTE信号に現れる。擬似オフトラック成分は、光ビームがトラックの中心線上にあっても気泡に起因して出現する。このような擬似オフトラック成分がTE信号に現れると、擬似オフトラック成分に応答してトラッキング制御が行われるため、光ビームスポットが目的トラックから外れるアブノーマルトラックジャンプが発生するという問題がある。
図21は、アブノーマルトラックジャンプを模式的に示す。トラック12bにデータを書き込んでいる最中に、気泡11に起因して隣接するトラック12aへ光ビームスポットがジャンプしている。このとき、書き込み処理がトラック12aに対して継続され、既存のデータが破壊されるという非常に大きな問題が生じる。例えば、AVデータが破壊された場合には一時的な再生の不具合が生じる。また、再生に必須の管理情報が破壊された場合には、記録されたコンテンツが再生できなくなったり、最悪の場合にはそのディスクから再生ができなくなることもある。
本発明の目的は、データ書き込み中にエラーが生じたときにおいて、気泡などによる大規模欠陥領域におけるエラーであることを判定し、気泡などによる大規模欠陥領域によって生じたときにはその大規模欠陥領域の大きさに応じて交替処理を行うことである。
本発明による光ディスク装置は、光ディスクの記録領域へのデータ書き込み中に、前記記録領域内の欠陥領域に起因するエラーを検出して前記欠陥領域に代わる交替領域にデータを書き込む。前記光ディスク装置は、光ディスクに光ビームを照射し、前記光ディスクによって反射された光ビームに基づいて受光信号を生成する光ピックアップと、前記光ピックアップを制御して前記光ディスクの記録領域へのデータの書き込みを制御する記録制御部と、前記データの書き込み中にエラーが発生したときに前記エラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定し、前記欠陥領域のサイズを測定する欠陥判定部と、前記データの書き込みの指示を受けて、測定された前記欠陥領域のサイズに基づいて決定されたサイズの交替領域を前記光ディスク上に確保し、確保した前記交替領域に前記データを書き込むよう前記記録制御部に指示する欠陥管理部とを備えている。
前記光ディスク上には複数のトラックが形成されており、前記エラーが発生したときに、前記欠陥判定部は前記複数のトラックへ間欠的にアクセスするよう前記光ピックアップに指示し、その結果予め定められたエラーが発生した領域を前記欠陥領域であると判定してもよい。
前記記録制御部は、前記受光信号から生成されるサーボ信号の信号レベルが所定の閾値よりも大きかった時間に基づいてサーボエラーを検出し、前記欠陥判定部は、前記サーボエラーが発生した領域を欠陥領域であると判定してもよい。
前記欠陥判定部は予め定められた間隔の複数トラックへのアクセスを前記光ピックアップに指示し、複数回のサーボエラーが発生した領域を前記欠陥領域として判定してもよい。
前記記録制御部は、前記受光信号から生成されるサーボ信号に基づいてサーボエラーを検出することが可能であり、前記欠陥判定部は、前記エラーがシーク中のサーボエラーである場合には、前記欠陥領域のサイズの測定を開始してもよい。
前記欠陥判定部は、前記エラーがデータの記録エラーであって、かつ記録エラーが所定回数発生した場合には、前記欠陥領域のサイズの測定を開始してもよい。
前記欠陥管理部は、測定された前記欠陥領域のサイズと前記データのサイズとに応じて、前記欠陥領域のサイズ以下のサイズの交替領域を前記光ディスク上に確保してもよい。
前記欠陥領域は、前記光ディスクの製造時に形成された気泡を含む領域であってもよい。
前記欠陥領域は、前記光ディスクに形成された複数のトラックに跨る領域であってもよい。
前記欠陥管理部は、測定された前記欠陥領域のサイズと同じサイズの前記交替領域を前記光ディスク上に確保してもよい。
前記欠陥管理部は、測定された前記欠陥領域のサイズ、および、未だ記録されていないデータのサイズのうちの小さい方と同じサイズの交替領域を前記光ディスク上に確保してもよい。
前記光ディスクにはユーザデータ領域およびスペア領域が設けられており、前記欠陥管理部は、前記交替領域を前記スペア領域内に確保してもよい。
前記光ディスクにはユーザデータ領域およびスペア領域が設けられており、前記欠陥管理部は、前記交替領域を前記ユーザデータ領域内に確保してもよい。
前記交替領域への前記データの書き込み中にエラーが発生したときにおいて、前記欠陥管理部は、前記スペア領域内に他の交替領域をさらに確保し、確保した前記他の交替領域に引き続き前記データを書き込むよう前記記録制御部に指示してもよい。
前記交替領域への前記データの書き込み中にエラーが発生したときにおいて、前記欠陥管理部は、前記スペア領域内に予め定められたサイズの他の交替領域をさらに確保し、確保した前記他の交替領域に引き続き前記データを書き込むよう前記記録制御部に指示してもよい。
本発明によれば、光ディスク装置は、書き込み中にエラーが発生したときにそのエラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定し、欠陥領域のサイズを測定する。そして、測定されたそのサイズ以下のサイズの交替領域を光ディスク上に確保して、欠陥領域にデータが書き込まれないよう記録領域を管理する。
交替領域のサイズは測定された欠陥領域のサイズ以下で確保されるため、無駄なく効率的な利用が実現される。たとえば、まだ書き込まれていない残りのデータのサイズが測定された欠陥領域のサイズ以下であれば、書き込み時にそのサイズの交替領域が確保されて残りのデータが書き込まれる。一方、残りのデータのサイズが欠陥領域のサイズ以上であれば、まず欠陥領域のサイズ分の交替領域が確保されてデータが書き込まれ、さらに残ったデータが欠陥領域後の正常な記録領域に書き込まれる。これにより、スペア領域の利用を過不足なく最小限にとどめ、光ディスク全体の記録可能領域を効率的に利用できる。
以下、添付の図面を参照して、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。
本発明による欠陥管理方法は光ディスク(典型的にはBD)へのデータ書き込み中に、たとえば光ディスクの欠陥領域に起因するエラーが検出されたときに、欠陥領域に代わる交替領域をスペア領域内に確保し、その交替領域にデータを書き込むために利用される。
データの書き込み中にエラーが発生したときに、光ディスク装置の欠陥判定部は、エラーが発生した記録領域を欠陥領域であると判定し、欠陥領域のサイズを測定する。そして欠陥管理部は、データの書き込みの指示を受けて、測定された欠陥領域のサイズに基づいて決定されたサイズの交替領域を光ディスク上に確保し、欠陥領域にデータが書き込まれないよう記録領域を管理する。
欠陥領域の一例として、スピンコート法などで光ディスクの保護層を形成した場合に、データの書き込み動作または読み出し動作が、保護層に混入した気泡の影響を受けうる気泡領域が挙げられる。
判定された気泡領域にはデータの書き込みができず、またはデータの書き込みや読み出しに多くの時間がかかるため書き込みに利用しない。
図1を参照しながら、気泡領域の測定を含む欠陥管理方法を具体的に説明する。
図1(a)は、本実施形態による第1の記録方法を示す。この図の記載は図17の記載に準ずる。ユーザデータ領域(User Area)の1単位はクラスタ(またはECCブロック)である。1クラスタは複数のセクタの集合である。
以下の実施形態の説明では、例としてクラスタ単位で欠陥領域のサイズの測定が行われるとするが、セクタ単位で欠陥領域のサイズを測定することも可能である。後者の例では、クラスタ単位で粗く欠陥領域のサイズを測定し、セクタ単位で精密に測定すればよい。
ユーザデータ領域にデータを書き込み中に、「×」で示す書き込みエラーが発生したとする。するとその領域は欠陥としてスペア領域内の交替領域に記録される。交替記録後、再度ユーザデータ領域に次のクラスタのデータを書き込もうとして再度書き込みエラーが発生する。このときもその領域は欠陥として取り扱われ、スペア領域内の交替領域に記録される。
図1(a)の例では、書き込みエラーが2回連続して発生したときは気泡に起因する大規模欠陥領域の測定処理に移る。その意味において図1の処理aは気泡の検出処理の前段階の処理(気泡仮検出処理a)である。
大規模欠陥領域の測定処理bは、大規模欠陥領域であるとして検出された2つのクラスタの次のクラスタから測定される。
例えば、大規模欠陥領域の測定処理bは、サーボエラーが生じないトラックまで、たとえば10μmずつ離散的にトラックにアクセスする。そして、サーボエラーが生じないトラックの前のトラックまでが大規模欠陥領域であるとして、その領域の大きさを測定する。本実施形態においては、このような大規模欠陥領域を気泡領域とみなす。
大規模欠陥領域が特定されると、その領域の情報をバッファに格納する。当該大規模欠陥領域に対して記録要求があると、その領域を欠陥領域として登録する処理を行い、また大規模欠陥領域と同じデータサイズを有する交替領域を確保する処理cが行われる。その後、後続のデータを交替領域に書き込む処理dが行われる。その後のデータの書き込みは、気泡領域の後から開始される。
図1(b)は、記録が大規模欠陥領域の途中で終了する場合の記録方法を示す。図1(a)との違いは、書き込まれる全データのうち、既に書き込まれたデータを除く残りのデータのサイズが大規模欠陥領域のサイズ以下の場合の交替領域の確保の仕方である。すなわち、残りのデータのサイズ分(大規模欠陥領域への記録サイズ分)だけ交替領域を確保する処理cが行われ、その後、当該残りのデータを確保された交替領域に書き込む処理dを行う。なお、記録要求がない大規模欠陥領域(図1(b)の未記録領域)を欠陥領域として欠陥登録してもよい。
図1(c)は、本実施形態による第2の記録方法を示す。図1(a)との違いは、2回目の書き込みエラーが発生したときに、スペア領域に交替記録せずに、大規模欠陥領域の測定処理bが実行されることにある。大規模欠陥領域の測定処理bは、大規模欠陥領域の2回目の書き込みエラーが発生したクラスタから測定される。後は図1(a)の処理cおよびdと同じである。
図1(a)〜(c)から明らかなように、交替記録のために確保される交替領域のサイズは固定されているのではなく、残りのデータのサイズと大規模欠陥領域のサイズとの関係によって可変であることが理解される。
次に、図1(d)は、一連のデータの書き込み中に気泡領域が2つ存在したときの記録方法を示す。図1(d)に示された符号a〜dは、それぞれ図1(a)〜(c)に示すとおり、aは気泡仮検出処理、bは気泡測定処理、cは書き込み(Write)要求分の一括交替処理、dはスペア(Spare)領域へ書き込み処理を示している。
図1(d)では、気泡が発見されるごとに図1(a)による処理が行われる。その結果、交替領域は、測定された気泡のサイズに相当するサイズだけそれぞれ確保され、確保された各交替領域にデータが記録される。気泡領域が3以上存在する場合も同様である。なお、図1(d)では各気泡領域が交替されるそれぞれの交替領域同士は隣接しているが、これは例である。他のユーザデータ領域の交替領域がそれらの間に確保されてもよい。
なお、本実施形態においては大規模欠陥領域を気泡領域とみなしているが、これは気泡が現在最も顕著に大規模欠陥領域を発生させるためである。気泡以外の他の要因で大規模欠陥領域が発生する場合には、もちろん気泡領域とみなす必要はない。その場合には以下の説明において「気泡領域」を「大規模欠陥領域」と読み替え、「気泡」を当該他の要因に読み替えることにより、本発明を適用することが可能である。
以下、本実施形態にかかる光ディスク装置の構成および動作を詳細に説明する。
図2は、本実施形態によるBDレコーダ100の機能ブロックの構成を示す。BDレコーダ100は、光ディスクであるBD、典型的には書き換え可能なBD(図示せず)に対し、データの書き込みおよび読み出しを行う。
BDレコーダ100は、光ディスクドライブ102と、中央演算ユニット(CPU)104と、エンコーダ/デコーダ106と、チューナ108と、それらの相互通信を可能とするI/Oバス170とを有する。
CPU104は、BDレコーダ100の全体の動作を制御するホストコンピュータである。光ディスクドライブ102との関係では「上位制御装置」とも称される。エンコーダ/デコーダ106は、映像、音声の符号化/復号化を行う。チューナ108は、アナログ放送波またはディジタル放送波を受信して番組の信号を取得する。
光ディスクドライブ102は、命令処理部110と、記録制御部120と、再生制御部130と、欠陥管理部140と、大規模欠陥判定部150と、バッファ160とを含んでいる。
命令処理部110は、バス170を介してCPU104から受けた命令を処理する。記録制御部120は、光ディスクへのデータ記録時の制御を行う。再生制御部130は、光ディスクからのデータ再生時の制御を行う。
欠陥管理部140は、欠陥管理情報に関する処理を行う。すなわち欠陥管理部140は、光ディスクに記録された欠陥管理情報を後述の欠陥管理情報バッファ160aに読み出す。また、欠陥情報が変化した場合には欠陥管理情報を更新するとともに、欠陥管理情報バッファ160aの内容も更新する。更新された欠陥管理情報は光ディスクに記録される。
大規模欠陥判定部150は、気泡などを含む種々の大規模欠陥領域を判定する。大規模欠陥領域であると判定した場合はその連続領域を特定する大規模欠陥情報を生成し、または更新して、大規模欠陥情報バッファ160cに格納する。
バッファ160は、欠陥管理情報バッファ160aと、データバッファ160bと、大規模欠陥情報バッファ160cと大規模欠陥仮検出情報バッファ160cとを含む。欠陥管理情報バッファ160aは光ディスクから再生した欠陥管理情報を格納する。データバッファ160bは記録されるデータおよび再生されたデータを一時的に格納する。大規模欠陥情報バッファ160cは、大規模欠陥判定部150で判定され生成された大規模欠陥情報を格納する。大規模欠陥仮検出情報バッファ160dは、大規模欠陥判定部150で、記録エラーが発生した領域の情報を格納する。
図3は、本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す。
光ディスクドライブ102は、ディスクモータ140と、光ピックアップ610と、光ディスクコントローラ(ODC)620と、駆動部630とシステムコントローラ630を備えている。
システムコントローラ630は、内蔵された制御プログラムに従って、光ディスクドライブ102の全体動作を制御する。
光ピックアップ610は、光源204、カップリングレンズ205、偏向ビームスプリッタ206、対物レンズ203、集光レンズ207、光検出器208を備えている。
光源204は、好適には半導体レーザであり、本実施形態では波長415nm以下の光ビームを放射する。光源204から放射された光ビームは直線偏光であり、その偏光方向は、放射される光ビームの光軸に関して光源204の向きを回転させることにより任意に調整することができる。カップリングレンズ205は、光源204から放射された光ビームを平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ206に入射させる。偏向ビームスプリッタ206は、特定方向に偏光した直線偏光は反射するが、その特定方向に対して垂直な方向に偏光した直線偏光は透過する特性を有している。本実施形態の偏光ビームスプリッタ206は、カップリングレンズ205で平行光に変換された光ビームは対物レンズ203に向けて反射するよう構成されている。対物レンズ203は、偏向ビームスプリッタ206で反射された光ビームを集束し、BD10の記録層上に光ビームスポットを形成する。
BD10で反射された光ビームは、光ピックアップ610の対物レンズ203で平行な光ビームに変換された後、偏向ビームスプリッタ206に入射する。このときの光ビームは、その偏光方向がBD10に入射するときの光ビームの偏光方向から90°回転したものになるため、偏向ビームスプリッタ206を透過し、そのまま集光レンズ207を経て光検出器208に入射することになる。
光検出器208は、集光レンズ207を通過してきた光を受け、その光を電気信号(電流信号)に変換する。図示されている光検出器208は、受光面上で4分割された領域A、B、C、Dを有しており、領域A〜Dの各々が、受けた光に応じた電気信号を出力する。
ディスクモータ140によって所定速度で回転しているBD10の記録層上において所望のトラックを光ビームの焦点が追従するためには、BD10で反射された光ビームに基づいて、トラッキングずれおよびフォーカスずれを示すトラッキングエラー(TE)信号およびフォーカスエラー(FE)信号を検出する必要がある。これらはODC620によって生成される。
TE信号について説明すると、光ディスクドライブ102は、書き込み時にはプッシュプル法によりTE信号を生成し、読み出し時には位相差法によりTE信号を生成する。
本実施形態による光ディスクドライブ102は、光ディスクへのデータ書き込み中にエラーを検出した場合の処理を特徴とするため、以下ではまずプッシュプルTE信号を生成する処理から説明する。
ODC620の加算器408は光検出器208の領域BとDの和信号を出力し、加算器414は光検出器208の領域AとCの和信号を出力する。差動増幅器410は、加算器408、414からの出力を受け取り、その差を表すプッシュプルTE信号を出力する。ゲイン切換回路416は、プッシュプルTE信号を所定の振幅(ゲイン)に調整する。AD変換器420は、ゲイン切換回路416からのプッシュプルTE信号をディジタル信号に変換してDSP412に出力する。
次に、位相差TE信号は以下のようにして得られる。加算回路344は、領域Aの出力と領域Dの出力とを合計した大きさに相当する信号A+Dを出力し、加算回路346は、領域Bの出力と領域Cの出力とを合計した大きさに相当する信号B+Cを出力する。加算の仕方を変更することにより、他の信号を生成することも可能である。
コンパレータ352,354は、それぞれ、加算回路344,346からの信号を2値化する。位相比較器356は、コンパレータ352,354からの信号の位相比較を行う。差動増幅器360は、位相比較器356からの信号を入力して位相差TE信号を出力する。この位相差TE信号は、光ビームが光ディスク102のトラック上を正しく走査するように制御するために用いられる。
ゲイン切換回路366は、位相差TE信号を所定の振幅に調整する。AD(アナログ・ディジタル)変換器370は、ゲイン切換回路366から出力された位相差TE信号をディジタル信号に変換する。
FE信号は、差動増幅器358によって生成される。FE信号の検出法は特に限定されず、非点収差法を用いたものでもよいし、ナイフエッジ法を用いたものであってもよいし、SSD(スポット・サイズド・ディテクション)法を用いたものであってもよい。検出法に応じて回路構成を適宜変更することになる。ゲイン切換回路364は、FE信号を所定の振幅に調整する。AD変換器368は、ゲイン切換回路364から出力されるFE信号をディジタル信号に変換する。
DSP412は、TE信号およびFE信号等に基づいて駆動部630を制御する。DSP412から出力されるフォーカス制御のための制御信号FEPWMおよびトラッキング制御のための制御信号TEPWMは、それぞれ、駆動部630の駆動回路136および駆動回路138に送られる。
駆動回路136は、制御信号FEPWMに応じてフォーカスアクチュエータ143を駆動する。フォーカスアクチュエータ143は、対物レンズ203を光ディスク102の記録層と略垂直な方向に移動させる。駆動回路138は、制御信号TEPWMに応じてトラッキングアクチュエータ202を駆動する。トラッキングアクチュエータ202は、対物レンズ203を光ディスク102の記録層と略平行な方向に移動させる。なお、駆動部630は、光ピックアップ610を載置する移送台の駆動回路(図示せず)も備えている。駆動回路への印加電圧によって移送台を駆動することにより、光ピックアップ610は半径方向の任意の位置に移動することができる。
次に、データを読み出すための構成を説明する。
加算回路372は、光検出器208の領域A,B,C,Dの出力を加算して、全光量和信号(A+B+C+D)を生成する。全光量和信号(A+B+C+D)はODC620のHPF373に入力される。
HPF373で低周波成分が除去された加算信号は、イコライザ部374を介して2値化部375で2値化され、ECC/変復調回路376でPLL、エラー訂正、復調などの処理が行われ、バッファ377に一時的に蓄積される。バッファ377の容量は、種々の再生条件を考慮して決定されている。
バッファ377内のデータは映像等の再生タイミングに応じて読み出され、再生データとしてI/Oバス170を介してホストコンピュータ104やエンコーダ/デコーダ106(図2)へ出力される。これにより、映像等が再生される。
次に、データを書き込むための構成を説明する。
バッファ377内に格納されたデータは、ECC/変復調回路376によりエラー訂正符号を付加されて符号化データとなる。次いで、符号化データはECC/変復調回路376により変調されて変調データとなる。さらに、変調データはレーザ駆動回路378に入力される。レーザ駆動回路378が変調データに基づいて光源204を制御することにより、レーザ光がパワー変調される。
図2および図3の対応関係を説明する。図2の命令処理部110は図3のシステムコントローラ630に対応する。
また図2の記録制御部120は、書き込むべきデータを受け取って書き込みを支持するシステムコントローラ630に対応する。また記録制御部120は、図3のプッシュプルTE信号を生成するためのODC620内のトラッキング信号生成部(加算器408,414、差動増幅器410、ゲイン切換回路416およびAD変換器420)、および、FE信号を生成するためのフォーカス信号生成部(加算器、差動増幅器358、ゲイン切換回路364およびAD変換器368)をも含む。また記録制御部120は駆動部630も含む。また記録制御部120はECC/変復調回路376、レーザ駆動回路378も含む。
図2の再生制御部130は、データの読み出しを支持するシステムコントローラ630に対応する。再生制御部130は、再生データを得るための図3の構成要素372から377までの構成要素も含む。また再生制御部130は、位相差TE信号を得るための構成要素354から370およびFE信号を得るためのフォーカス信号生成部をも含む。また再生制御部130は駆動部630も含む。
図2の欠陥管理部140および大規模欠陥判定部150は、システムコントローラ630の処理に対応する。
図2のデータバッファ160bは、図3のバッファ377に対応する。図2の欠陥管理情報バッファ160a、大規模欠陥情報バッファ160cおよび大規模欠陥仮検出情報バッファ160dは、システムコントローラ630内のバッファ(図示せず)に対応する。
次に、図4から図7を参照しながら、光ディスクドライブ102の動作を説明する。
図4は、光ディスクドライブ102の大規模欠陥領域の交替処理を含む記録処理の手順を示す。まず命令処理部110がCPU104等の上位制御装置から書き込み命令(Writeコマンド)を受け取ると処理が開始される。
ステップS41において、記録制御部120は記録要求されたサイズ分のデータ記録が完了したか否かを判断する。記録すべきデータが存在する場合にはステップS42へ進み、存在しない場合には処理は終了する。
ステップS42において、欠陥管理部140は大規模欠陥情報バッファ160cに保持される大規模欠陥領域情報を参照して、記録する領域が予め特定されている気泡領域か否かを判断する。大規模欠陥領域情報は、図5のステップS59で保持される。詳細は図5を参照しながら後述する。気泡領域である場合には処理はステップS43に進み、気泡領域ではない場合には処理はステップS44に進む。
ステップS43において、欠陥管理部140はその欠陥領域に代わる交替領域を割り当て、欠陥登録する。なお、大規模欠陥領域の交替領域は、連続的に割り当てられるのが望ましい。
ステップS44において、記録制御部120はデータの記録を実行する。そしてステップS45において、記録制御部120はエラーが発生したか否かを判定する。エラーが発生しない場合にはステップS41からの処理を繰り返す。エラーが発生した場合には、ステップS46に進む。
ここでいう「エラー」には様々な種類が含まれている。例えば、ベリファイの結果確認された記録エラーや、記録時にフォーカス制御やトラッキング制御に失敗するサーボ制御のエラー、データを記録する領域(目的位置)へ光ピックアップ610を移動している間のシークエラーなどである。なお、ベリファイとは、データをクラスタに記録した後にそのクラスタからそのデータを読み出して、記録しようとした元のデータと比較することによって、データが正しく記録できているかどうかを照合する処理をいう。
ステップS46では、ステップS45においてエラーの発生した記録領域に対して、欠陥交替処理を行う。すなわち、欠陥領域に代わる交替領域をスペア領域に割り当て欠陥登録し、交替領域に記録を行う。
ステップS47において、大規模欠陥判定部150が大規模欠陥領域の仮検出および大規模欠陥領域測定処理を行う。この処理の詳細は、図5を参照しながら後述する。
図5は、図4のステップS47に示す大規模欠陥の仮検出および大規模欠陥測定処理の詳細な手順を示す。以下に詳細に説明するように、BDレコーダ100は気泡領域である蓋然性が高い領域を特定し、その後にその領域が実際に気泡領域であるか、および気泡領域であるときにはその気泡のサイズを測定する。
気泡領域である蓋然性が高い領域の特定方法は、たとえばその領域のトラックに対するトラッキング制御が失敗した場合などのサーボ系エラーが生じたときや、記録エラーが所定回数連続して発生したときや所定領域内に記録エラーが所定回数発生したときなどである。
ステップS50において、欠陥管理部140はスペア領域が枯渇しているか否かを判断する。気泡領域に対する交替処理でスペア領域を使い尽くしてしまう可能性があるため、スペア領域の使用状況を考慮する必要がある。例えば、スペア領域が75%以上使用されている場合には枯渇していると判断し、処理を終了する。一方、スペア領域が75%未満しか使用されていない場合には枯渇していないと判断して処理はステップS51に進む。
ステップS51において、欠陥管理部140は欠陥管理情報を参照して、エラーが発生した記録領域が既に交替処理が行われているクラスタであるか否かを判定する。既に交替処理が行われているクラスタである場合には処理は終了し、交替処理が行われていないクラスタである場合には処理はステップS52に進む。
ステップS52において、大規模欠陥判定部150は光ピックアップ部610を目的位置(記録する領域)へ移動(シーク)中のエラーであるかを判定し、気泡領域の仮検出を行う。「仮検出」とは、発生したエラーが気泡の存在に起因するか否か不明な段階において、所定の条件によって気泡が存在する可能性が高いことを検出する処理を意味する。
シークが所定回数(例えば32回)失敗した場合や、シークは完了したがその領域のトラックに対するトラッキング制御が所定回数(例えば5回)失敗した場合には、気泡が存在する可能性が高いと考えられる。その場合には、大規模欠陥判定部150は気泡の有無を確認する更なる処理を実行するため、ステップS56に進む。シークの失敗等がない場合には処理はステップS53に進む。
ステップS53において、記録制御部120は、図4のステップS45で発生したエラーが、データ記録中の記録エラーであるか否かを判定する。記録エラーであれば処理はステップS54に進み、記録エラーでなければ処理はステップS55に進む。
ステップS54では、記録制御部120は記録エラーが発生した領域の情報(記録エラー情報)を大規模欠陥仮検出情報バッファ160dに登録する。
ステップS55において、大規模欠陥判定部150はステップS54で登録されている記録エラー情報に基づいて大規模欠陥領域の仮検出を行う。例えば、記録エラーが所定記録領域内に所定回数発生したとき(一例を挙げると15クラスタ中に3クラスタの記録エラーが発生したとき)に大規模欠陥領域であると判定する。これは、大規模欠陥領域内では、1トラック中の各クラスタにおいて記録できたりできなかったりという不安定な状態が発生しうるため、そのような状態にあっては記録エラーが連続するとして処理する方が信頼性が向上し、処理が高速化できるため、好ましいからである。
大規模欠陥領域の仮検出された場合には、ステップS56に進み、合致しない場合には処理は終了する。
なお、大規模欠陥領域の仮検出は以下のようにしてもよい。
1) 記録エラーが所定回数連続して発生したとき
2) 記録エラーの要因がサーボエラー(アドレス取得失敗やトラッキングはずれやフォーカスはずれ等)であるとき
3) 2)のサーボエラーが所定回数連続したとき
4) 2)のサーボエラーが所定記録領域内に所定回数発生したとき
上述の記録エラーの回数は、ステップS54において大規模欠陥仮検出情報バッファ160dに登録された数によって特定される。
なお、本実施形態においてはユーザデータ領域に存在する気泡領域に起因して発生する記録エラーの検出を想定している。既交替クラスタは交替領域に対するアクセスとなり、大規模欠陥領域の仮検出の対象から除外する必要がある。ステップS51を経てステップS55が実行される場合には、既交替クラスタが大規模欠陥領域の仮検出の対象から除外されていることに留意されたい。
ステップS56、ステップS57およびステップS58は、気泡領域が存在するか否かを特定し、気泡領域が存在する場合にはそのサイズを測定する処理である。これらの処理に費やすことが許容される時間は短い。その理由は、これらの処理はデータの記録処理を一時中断して行われているが、所定時間内に記録する必要があるからである。
ステップS56において、大規模欠陥判定部150は気泡領域が存在するか否かを特定する。本実施形態においては、気泡の有無はサーボ欠陥(サーボエラー)の有無によって判定される。
気泡領域であると判定するためには、複数トラックに跨った連続的な欠陥領域を検出する必要がある。よって近傍トラックの状態を確認する。エラー検出した位置から外周方向に10トラック移動した位置を2回検査し、両方においてサーボ欠陥が検出された場合に、気泡(またはサーボ欠陥)を確定とする。一方、3回検査してもサーボ欠陥が現われなかった場合には、気泡は存在しないとして測定は終了する。
気泡はサイズが大きい典型的な欠陥であるが、傷などの一般的な欠陥であってもそのサイズが気泡のサイズよりも大きくなる場合がある。よって、欠陥の大きさだけでは、従来の欠陥と区別することは困難である。
気泡と傷等の欠陥の大きな違いは、サーボの振る舞いにある。たとえば指紋に起因して生じる欠陥では一般にサーボは外れることはなく、そのブロックへの記録は正しく行われるが、正しくデータを読み出すことができずにベリファイでエラーと判定されることが多い。また、傷に起因して生じる欠陥はサーボのトラッキング制御が完全に外れてエラーになることが多い。
一方、気泡の場合は、トラッキング制御が記録すべきトラックから外れてしまうが、隣接トラックに対してトラッキング制御が行われることが多い。特に記録時には、記録済みの隣接トラックにトラッキング制御が行われてそのデータを破壊してしまうことが多い。そこで、サーボ信号(トラッキング信号)によるサーボ欠陥を利用して気泡を判定することが適切である。
上述の処理の詳細は図6および図7を参照しながら後述する。
ステップS57において、大規模欠陥判定部150は気泡領域が存在するか否かを判断する。気泡領域が存在すると判断した場合には処理はステップS58に進み、気泡領域が存在しないと判断した場合には処理は終了する。
ステップS58において、存在する気泡領域のサイズが測定される。この処理の詳細もまた図6および図7を参照しながら後述する。
ステップS59において、欠陥管理部140は、測定された気泡領域の情報を大規模欠陥情報バッファ160cに保持する。
ステップS56からS58までの処理に関連して、本願発明者らは2種類の動作を想定している。第1は、ステップS56において気泡の存在を確認すると、気泡の先頭から最後までのサイズをステップS58によって測定する動作である。第2は気泡が存在するという前提で気泡のサイズ測定を開始する動作である。後者については、気泡のサイズ測定の過程で気泡がしないと判断した場合には測定を終了する。第1および第2の動作の相違は、サーボ欠陥によって気泡が存在すると確認した後、そのサイズを測定するためにサーボ欠陥が発生した最初の位置まで戻るか、そのままサーボ欠陥がなくなる位置まで走査を継続するかにある。以下では、まず第1の気泡測定動作を説明し、その後図6(b)を参照しながら第2の気泡測定動作を説明する。
図6(a)は、図5のステップS56からS58までの気泡測定処理を説明する概念図である。
まずステップS56を説明する。トラック0へのデータ書き込み時にはサーボ欠陥は発生していないが、気泡が存在するトラック1では気泡に起因してサーボ欠陥が発生する。
サーボ欠陥の検出は、例えば以下のように行う。図7は、サーボ欠陥を含むトラッキングエラーの波形を示す。大規模欠陥判定部150は、BD10の対象となるトラック1回転を若干超える時間だけTE信号を取得する。そして、そのTE信号にトラックジャンプに起因するサーボ欠陥の成分が含まれるか否かを判断する。例えば、TE信号が所定の検出閾値(閾値レベル)P(>0)を超えた後、P以下になるまでの時間Qの長さに基づいてサーボ欠陥か否かが判定される。さらに、TE信号が所定の検出閾値(閾値レベル)P’(<0)以下になった後、P’以上になるまでの時間Q’の長さに基づいてサーボ欠陥か否かを判定することも可能である。
再び図6(a)を参照する。大規模欠陥判定部150がTE信号波形に基づいて欠陥D1を検出すると、予め定められた間隔分(たとえば約10μm)外周側に離れたトラックにアクセスするよう光ピックアップ610に指示する。次のトラックでも、大規模欠陥判定部150はやはり欠陥D2を検出する。大規模欠陥判定部150はさらに予め定められた間隔分(たとえば約10μm)外周側に離れたトラックにアクセスするよう光ピックアップ610に指示する。そして再度の欠陥D3を検出して、大規模欠陥判定部150は気泡領域が存在すると判定する。
この結果、図5のステップS57の処理はステップS58へ進む。
ステップS58では、サイズ測定処理が行われる。大規模欠陥判定部150は再びサーボ欠陥が発生した最初のトラック1(図6(a))に戻って走査を開始する。そしてサーボ欠陥が発生しなくなるまで、予め定められた間隔(たとえば10μm)で順次トラックへのアクセスを指示する。図6(a)ではトラックkまでサーボ欠陥が発生し、次にアクセスしたトラックmにはサーボ欠陥が発生しなかったとする。その結果、気泡は少なくともトラック1からトラックkまでに跨っていることが特定される。
大規模欠陥判定部150は、サーボ欠陥が発生しなくなるまでのトラックの数(合計m)に走査したトラックの間隔(10μm)を乗算して、気泡のサイズS(=10・m μm)を求める。このようにして得られた気泡のサイズSは、トラック1から、サーボ欠陥が発生しなかったトラックmの1つ前の隣接するトラックまでの範囲として計算されている。なお、データの書き込み中にエラーが発生した状況で測定を行うため、あまりに長い時間を要すると、記録時間が長くなったり、書き込むべき後続のデータがバッファできなくなるため、気泡の測定を所定の範囲にとどめ、それ以降は測定を打ち切ってもよい。
上述のように、気泡領域の測定に時間を費やせないため、10μmごとにチェックしている。BDのトラックピッチは0.32μmであるため、約30トラック(10/0.32)ごとにチェックしているといえる。これにより、1トラックずつチェックするよりはすばやく気泡領域サイズの測定を行うことができる。なお一部分のトラックについてはトラックごとにサーボ欠陥の有無を判定してもよい。例えば、10μmごとにトラックをチェックした結果、サーボ欠陥が生じなくなったトラックmが特定されたときにおいて、そのトラックmと最後にサーボ欠陥を生じたトラックkとの間のトラックごとにサーボ欠陥の有無を判定してもよい。これにより、気泡領域の正確なサイズを特定できる。
なお、上述の説明ではサーボ欠陥がないトラックが現われたときに、気泡領域ではないと判断し、トラックのサーボ欠陥チェックを終了した。しかし、サーボ欠陥がないトラックが所定領域内に所定回数(例えば3回)現われない場合および/または所定回数連続して現われない場合に、気泡領域ではないと判断してチェックを終了してもよい。一方、サーボ欠陥がないトラックが現われるまでではなく、チェックに要する処理時間を考慮するとチェックを行うトラック長の上限を決める必要がある。上限を決めて測定を打ち切った場合には、測定した領域の次の領域、または、測定した領域の所定範囲以内の領域に記録する際には、再度大規模欠陥領域判定を実行し、大規模欠陥領域を測定し、大規模欠陥領域を特定すればよい。
なお、上述のステップS56およびS58ではトラックへのアクセス間隔を10μmであるとして説明しているが、各ステップでは異なる間隔でアクセスしてもよい。たとえばステップS56では30μm間隔、ステップS58では10μm間隔でアクセスしてもよいし、その逆であってもよい。
つぎに、上述の第2の気泡測定動作を説明する。図6(b)は、第2の気泡測定動作によるエラー検出処理を時系列に表示した図である。サーボ欠陥D1の検出後、10μm離れたトラックごとにサーボ欠陥の有無をチェックする。大規模欠陥判定部150は3つ目のサーボ欠陥D3を検出すると、気泡が存在すると判定する。仮にサーボ欠陥D3が存在しなかった場合には、気泡の測定処理は終了する。
その後も順次10μm離れたトラックごとにサーボ欠陥の有無をチェックする。そしてサーボ欠陥Dkの検出後、トラックmにおいてサーボ欠陥が現われなくなると、大規模欠陥判定部150はサーボ欠陥Dkが生じたトラックと最後にチェックしたトラックmとの間に気泡領域の終端が存在すると判定する。これにより気泡領域サイズSの大きさをほぼ特定できる。
なお、ステップS56の気泡領域の有無確認は、大規模欠陥領域であるとして仮検出された領域のトラックのみのサーボ欠陥の有無によって判定してもよい。
次に、図8から図10を参照しながら、本実施形態による気泡領域の測定および欠陥処理の利点を説明する。
図8(a)は、従来の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す。記録エラーが生じるまでの時間をWt1、ユーザデータ領域とスペア領域間のシーク時間をSt、スペア領域における記録時間をWt2、記録クラスタ数をCとしたとき、実行時間Taは、
Ta=(Wt1+St+Wt2+St)*C
によって得られる。
一方、図8(b)は、本実施形態の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す。記録エラーが生じるまでの時間をWt1、ユーザデータ領域とスペア領域間のシーク時間をSt、スペア領域における記録時間をWt2、記録クラスタ数をC、大規模欠陥領域のサイズ測定時間をBtとしたとき、実行時間Tbは、
Tb=(Wt1+Bt+St)+(Wt2*C)
によって得られる。
図9および図10は、処理クラスタ数を変化させたときの実行時間TaおよびTbの変化を示す。図9および図10に示す直線は、上述のモデルケースでパラメータを以下のように設定したときに得られる。
Wt1:記録エラー時の実行時間[ms]:100
Wt2:記録の実行時間[ms]:250
St:シーク時間[ms]:250
Bt:大規模欠陥領域のサイズ測定時間[ms]:1200
図9および図10によれば、処理クラスタ数が3以上になると、本実施形態による欠陥処理方法の方が従来の方法よりも実行時間が短い。データ書き込み中のエラーに起因して交替記録を行う場合を考慮すると、短いほうが好ましいことは明らかである。
さらに本実施形態の記録方法は気泡領域のサイズと記録サイズに応じて交替領域を確保するため、従来の方法よりもスペア領域を効率的に使用できる。本実施形態においては、交替領域をスペア領域内に確保するとして説明したが、これは例である。交替領域をユーザデータ領域内に確保してもよい。
また、交替領域へのデータの書き込み中にエラーが発生したときに、どのような交替方法を採用するかについては任意である。たとえば欠陥管理部140は、スペア領域内、またはユーザデータ領域内に他の交替領域をさらに確保し、確保した他の交替領域に引き続きデータを書き込むよう記録制御部120に指示してもよい。またこのとき、欠陥管理部140は交替領域を固定長で確保してもよいし、上述の実施形態と同様、大規模欠陥判定部150にエラーが発生した交替領域のサイズを測定させて、測定されたサイズと同じサイズ他の交替領域を確保してもよい。
なお、上述したBDは、書き換え可能な光ディスク(いわゆるBD−RE)であるとして説明したが、一回に限り書き込むことが可能な光ディスク(いわゆるBD−R)であってもよい。
本発明にかかる光ディスクドライブによれば、光ディスクに気泡などを含む大規模欠陥領域が存在している場合には、サーボ制御のエラーに基づいてその大規模欠陥領域のサイズを特定し、そのサイズに応じたサイズを有する交替領域にデータを交替記録する。気泡領域はサーボが不安定であるため、気泡が存在しない交替領域にデータを交替記録することによって安定的な書き込みおよび読み出しが実現される。また、交替領域のサイズは特定された気泡領域のサイズに応じて確保されるため、過不足がなく、スペア領域の最小限かつ効率的な利用が実現される。
(a)および(b)は本実施形態による記録方法を示す図であり、(c)は本実施形態による他の記録方法を示す図であり、(d)は一連のデータの書き込み中に気泡領域が2つ存在したときの記録方法を示す図である。
本実施形態によるBDレコーダ100の機能ブロックの構成を示す図である。
本実施形態による光ディスクドライブ102のハードウェア構成の例を示す図である。
光ディスクドライブ102の大規模欠陥領域の交替処理を含む記録処理の手順を示すフローチャートである。
図4のステップS47に示す大規模欠陥の仮検出および大規模欠陥測定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
(a)は図5のステップS56からS58までの気泡測定処理を説明する概念図であり、(b)は図6(a)のエラー検出に関する処理を時系列に表示した図である。
サーボ欠陥を含むトラッキングエラーの波形を示す図である。
(a)は従来の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す図であり、(b)は本実施形態の欠陥処理方法による実行時間の計算モデルおよび計算式を示す図である。
処理クラスタ数を変化させたときの実行時間TaおよびTbの変化を示す図である。
処理クラスタ数を変化させたときの実行時間TaおよびTbの変化を示す図である。
従来の書換え型光ディスクが備える記録層21の領域レイアウトを示す図である。
従来の追記型光ディスクであるDVD−Rが備える記録層31の領域レイアウトを示す図である。
欠陥管理情報を含む従来の追記型光ディスクの記録層41の領域レイアウトを示す図である。
(a)は気泡11が存在するBD10を模式的に示す図であり、(b)はBD10上の気泡11とトラックとの関係を示す図である。
(a)および(b)は、気泡が形成されたBDを用いて実際に測定されたディスク表面(光透過層の表面)の凸部形状を示す図である。
大規模欠陥領域(気泡領域)14の構成を示す図である。
大規模欠陥領域に対して、従来の手法で記録処理を行った場合の動作手順を示す図である。
記録エラーbおよびb’が発生したときに、固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示す図である。
記録エラーbおよびb’が発生したときに、比較的大きい固定長の領域を欠陥領域として取り扱う処理eを示す図である。
(a)は気泡によるディスク表面の凹凸を示す図であり、(b)は光ビームが気泡を横切るときに測定されるTE信号および駆動信号の波形図である。
アブノーマルトラックジャンプを模式的に示す図である。
100 BDレコーダ
102 光ディスクドライブ
104 CPU
106 エンコーダ/デコーダ106
108 チューナ
110 命令処理部
120 記録制御部
130 再生制御部
140 欠陥管理部
150 大規模欠陥判定部
160 バッファ
160a 欠陥管理情報バッファ
160b データバッファ
160c 大規模欠陥情報バッファ
160d 大規模欠陥仮検出情報バッファ
170 I/Oバス