JPWO2009151050A1 - 中空パッケージ用感光性樹脂組成物、その硬化物及び該樹脂組成物を用いた積層体並びにマイクロデバイス - Google Patents

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Abstract

本発明により、高温域においても高い強度を示し、中空構造を有する素子をトランスファーモールド法により封止した場合であっても中空構造の十分な保持を可能にする中空パッケージ用感光性樹脂組成物が提供される。本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、下記式(1)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)と光カチオン重合開始剤(B)とを含有してなり、これから中空パッケージ用感光性樹脂組成物の積層体を得、これらを用いて中空構造を有する素子殊に中空構造を有するMEMS用素子が作製される。(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又はフェニル基を、mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。又、nは平均値であり、0≦n≦10である。)

Description

本発明は感光性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は半導体・MEMS用感光性材料、特にMEMSなど微細な機械構造を有するマイクロデバイスの中空パッケージに好適な中空パッケージ用感光性樹脂組成物に関する。
本願は、2008年6月10日に、日本に出願された特願2008−151273号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、マイクロデバイスの分野においては、半導体チップ等を備える半導体装置に加えて、微細な機械構造を有する加速度計や、表面弾性波(SAW)フィルタ、角速度計、圧電薄膜共振器(FBAR)、マイクロスイッチ、マイクロ可変容量等の各種のマイクロ電子機械システム(Micro−electro−mechanical Systems:以下、「MEMS」と称する。)を組み込むことによって、より幅広い用途に対応させたり、半導体チップと組み合わせることにより、より精密な制御等が可能となることが期待されている。
上記の各種のMEMSは、樹脂に埋設せしめることができる半導体チップと異なり、機械構造自身が駆動等をして機能するために、該構造の周囲に一定の空間(キャビティ)を必要とすることが多い。また、このような機械構造は大変微細であるため、ダイシングなどの後工程プロセス時に破壊され、十分に機能を発現できないことが有る。そのため、一定のキャビティを有するように保護材で囲う中空パッケージによって、ウエハレベルで機械構造部を外部環境から保護する必要がある。従来このような中空パッケージには、機械構造の設けられた基板に凹凸の有る基板を陽極接合、共晶接合、拡散接合などの手法により接合した中空パッケージが採用されている。しかしこれらの手法は一般に非常に高温での作業を必要とするため、処理に時間がかかり生産性が悪いことが問題であった。
非特許文献1にはある種の感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーを行い、中空パッケージを得る方法が提唱されている。感光性樹脂組成物を用いた方法は、一般に、高温のプロセスを必要とせず簡便かつスループット良く中空パッケージが得られるため、生産コストを低く抑えられ、しかも微細加工が比較的容易なことから素子を小型化、薄化できるといった利点がある。
特公表2007−522531号公報
The third Asia−Pacific conference of transducers and Micro−Nano Technology(APCOT2006)予稿集293ページ
しかしながら、感光性樹脂組成物の硬化物だけでは素子の使用環境における信頼性が乏しく、中空パッケージの設けられた素子に信頼性を付与する為の2次加工を施す必要があった。素子に信頼性を付与する為の方法としては様々な手法が提案されているが、そのうちトランスファーモールド法による封止は低コストかつ信頼性のある封止方法として市場で認知されている。しかしこのトランスファーモールド法により、例えば特許文献1記載の感光性樹脂組成物を用いた中空パッケージの設けられた素子を封止した場合、トランスファーモールド時の温度における中空パッケージの強度が不足し、中空パッケージの形成する空間が十分に保持できないことがある。この場合、中空パッケージ中に搭載されたMEMSが正常に動作しなくなり、マイクロデバイスとしての信頼性低下や、不良品発生による製造コスト上昇の原因となる。また、中空パッケージの形成する空間を保持しようとすると、キャビティの形状やサイズに大きな制限が加わり、マイクロデバイスの性能が著しく低下するといった問題があった。そのため高温での処理に対する耐性に優れ、トランスファーモールド法においても空間を十分に保持できる中空パッケージ用感光性樹脂組成物が望まれていた。尚、本発明はMEMSを包みこむ中空(キャビティ)を設ける為の感光性樹脂組成物を提供することを意図するものであるが、該樹脂組成物を本発明では便宜的に「中空パッケージ用感光性樹脂組成物」という。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ樹脂を選択することにより、トランスファーモールドを行う高温域においても高い強度を示し、MEMSパッケージ用材料として十分な強度を有する感光性樹脂組成物が得られ、さらに液状エポキシ樹脂を添加することにより、硬化物の強度低下を伴うことなく積層体(ドライフィルムレジスト)として扱い易い感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)と光カチオン重合開始剤(B)とを含有してなる中空パッケージ用感光性樹脂組成物
Figure 2009151050
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又はフェニル基を、mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。又、nは平均値であり、0≦n≦10である。)、
(2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)をさらに含有してなる前項(1)に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物、
(3)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)が下記式(2)
Figure 2009151050
(式(2)中、kは平均値であり、0≦k≦10である。)
で表されるエポキシ樹脂(C−1)、下記式(3)
Figure 2009151050
(式(3)中、R及びmは請求項1記載の式(1)におけるのと同じ意味を表す。又、pは平均値であり、0≦p≦10である。)
で表されるエポキシ樹脂(C−2)及び下記式(4)
Figure 2009151050
で表されるエポキシ樹脂(C−3)からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上である前項(2)に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物、
(4)反応性エポキシモノマー(D)をさらに含有してなる前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物、
(5)反応性エポキシモノマー(D)がビスフェノールAジグリシジルエーテルである前項(4)に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物、
(6)無機充填剤(F)をさらに含有してなる前項(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物、
(7)前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
(8)基板と、該基板上に形成されたマイクロ電子機械システムと、前項(7)記載の硬化物を含んで形成され、前記マイクロ電子機械システムの周囲に空間を確保するように前記マイクロ電子機械システムを被覆するキャビティ確保部と、樹脂を含んで形成され、前記キャビティ確保部を被覆するように設けられた封止層を備えてなるマイクロデバイス、
(9)前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を基材で挟み込んだ中空パッケージ用感光性樹脂組成物の積層体、
に関する。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物の硬化物は高温域においても高い強度を示すことが特徴であり、該樹脂組成物を用いることにより、トランスファーモールド法によって中空パッケージを封止する場合においても、中空パッケージにより形成される空間(キャビティ)を十分に保持できる。特に、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物はキャビティを有するMEMS素子を製造する上で有用である。
本発明の1実施形態としてのマイクロデバイスを示す断面図である。 同マイクロデバイスの製造方法におけるキャビティ確保部を形成する手順を示す概略図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明における式(1)
Figure 2009151050
(式(1)中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又はフェニル基を表す。mはRの数であり1〜3の整数を表し、nは平均値であり、0≦n≦10である。)
で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)は、それ自体公知のエポキシ樹脂であり、例えば、必要により窒素雰囲気下でフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類とを反応させて得られるフェノール誘導体を、常法によりエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンによりグリシジル化することにより製造されるものである。
尚、ここでいう「式(1)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)」とは、式(1)で表されるエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂を意味するものであり、該エポキシ樹脂を製造する際に生成する副成分や式(1)で表されるエポキシ樹脂の高分子量体等が含有される場合も本発明の技術範囲に含まれる。
式(1)のRにおける、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びシクロヘキシル基などが挙げられる。Rとしては、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
これらトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)は市場より入手することもできる。例えばEPPN−501H(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量162〜172g/eq.、軟化点51〜57℃)、EPPN−501HY(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量163〜175g/eq.、軟化点57〜63℃)、EPPN−502H(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量158〜178g/eq.、軟化点60〜72℃)、EPPN−503(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量170〜190g/eq.、軟化点80〜100℃)等として入手可能である。
本発明で使用するトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量としては400以下が好ましい。400よりも大きい場合には、架橋密度が低くなり、硬化膜の強度や耐薬品性、耐熱性、耐クラック性が低下する傾向が見られる。また、該エポキシ樹脂の軟化点が低過ぎる場合には、パターニングする際にマスクスティッキングが発生しやすく、さらに、積層体(ドライフィルムレジスト)として使用する際にも常温で軟化し易くなる傾向がある。一方、該エポキシ樹脂の軟化点が高過ぎる場合には、積層体(ドライフィルムレジスト)を基板へラミネートする際に軟化しにくく、基板への貼合性が悪くなる傾向が見られる。このような理由により、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)の好ましい軟化点は50〜100℃であり、より好ましくは60〜90℃である。
本発明において、光カチオン重合開始剤(B)とは活性エネルギー線の照射によりカチオン種を発生する化学種を意味する。本発明で用いる光カチオン重合開始剤としては、上記トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)を硬化させるに十分な性能を持つものであれば得に限定されない。使用しうる光カチオン重合開始剤(B)としては、例えば芳香族ヨードニウム錯塩や芳香族スルホニウム錯塩を挙げることができる。このうち、芳香族ヨードニウム錯塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(商品名 ロードシルフォトイニシエーター2074、ローディア社製)、ジ(4−ターシャリブチル)ヨードニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド(商品名 CGI BBIC C1、チバスペシャルティケミカルズ社製)等が挙げられる。
又、芳香族スルホニウム錯塩の具体例としては、4−チオフェニルジフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート(商品名 CPI−101A、サンアプロ株式会社製)、チオフェニルジフェニルスルフォニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(商品名 CPI−210S、サンアプロ株式会社製)、4−{4−(2−クロロベンゾイル)フェニルチオ}フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(商品名 SP−172、旭電化工業株式会社製)、4−チオフェニルジフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートを含有する芳香族スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物(商品名 UVI−6976、ダウケミカル社製)及びトリフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド(商品名 CGI TPS C1、チバスペシャルティケミカルズ社製)、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド(商品名 GSID26−1、チバスペシャルティケミカルズ社製)、(2−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−2−オキソエチル)ジメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(商品名 TAG382、東洋インキ製造株式会社製)等が好適に用いうる。
以上の光カチオン重合開始剤のうち、本発明では熱安定性に優れることから芳香族スルホニウム錯塩が好ましく、芳香族スルホニウム錯塩のなかでは非アンチモン系のチオフェニルジフェニルスルフォニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド、(2−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−2−オキソエチル)ジメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド等がより好ましい。
これらの光カチオン重合開始剤(B)は、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物に単独で又は2種以上を併用して用いることが出来る。中空パッケージ用感光性樹脂組成物中における光カチオン重合開始剤の含有量が少な過ぎる場合は充分な硬化速度を得ることが難しくなり、逆に多過ぎる場合は経済的ではない。これらの点から、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物中における光カチオン重合開始剤(B)の含有量は、エポキシ樹脂の総量(後述するエポキシ樹脂(C)及び/又は反応性エポキシモノマー(D)を含有する場合はこれらを含む)中、0.01〜15質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10質量%である。
本発明における中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、さらに1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)を含有することができる。エポキシ樹脂(C)としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば特に制限は無いが、硬化物が高温域においても高い強度を示す芳香族系多官能グリシジルエーテルが好ましい。用いうる芳香族系多官能グリシジルエーテルとしてはビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトールクレゾール共重縮合型エポキシ樹脂等が挙げられるが、下記式(2)乃至(4)で表される多官能エポキシ樹脂(C−1)乃至(C−3)が特に好ましい。
Figure 2009151050
(式(2)中、kは平均値であり0≦k≦10である。)
式(2)で表されるエポキシ樹脂(C−1)の具体例としては、jER157(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量180〜250g/eq.、軟化点80〜90℃)、EPON SU−8(商品名、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ社製、エポキシ当量195〜230g/eq.、軟化点80〜90℃)等が市場から入手できる。
Figure 2009151050
(式(3)中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又はフェニル基を表し、mはRの数であり1〜3以下の整数を表し、pは平均値であり、0≦p≦10である。)
式(3)のRにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びシクロヘキシル基などが挙げられ、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。式(3)における最も好ましい組み合わせとしては、Rがメチル基でmが1であり、かつRの置換位置がグリシジル基に対するオルト位であるo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。式(3)で表されるエポキシ樹脂(C−2)の具体例としては、EOCN−1020(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量190〜210g/eq.、軟化点55〜85℃)、EOCN−4400H(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量185〜200g/eq.、軟化点55〜64℃)、EOCN−102S(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量205〜225g/eq.、軟化点55〜80℃)、EOCN−103S(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量210〜230g/eq.、軟化点80〜90℃)、EOCN−104S(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量210〜230g/eq.、軟化点90〜95℃)、EPPN−201(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量180〜200g/eq.、軟化点65〜78℃)等が市場から入手できる。
Figure 2009151050
式(4)で表されるエポキシ樹脂(C−3)の具体例としては、NC−6000(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量205〜215g/eq.、軟化点55〜65℃)、NC−6300H(商品名、日本化薬株式会社製、エポキシ当量230〜235g/eq.、軟化点70〜72℃)等が市場から入手できる。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)の1種類又は2種類以上を任意に選択して用いることができるが、前記式(2)乃至(4)で表されるエポキシ樹脂(C−1)乃至(C−3)を1種類又は2種類以上用いることが好ましい。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物における1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)(以下、単に「C成分」という場合もある)の配合割合は、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)(以下、単に「A成分」という場合もある)、後述する反応性エポキシモノマー(D)及びC成分の合計量に対して通常0〜95質量%、好ましくは50〜95質量%である。含有量が95質量%を超えるとA成分の配合割合が少なくなりすぎ、硬化物が高温域において高い強度を示さない。また、含有量が50質量%を下回ると感光性樹脂組成物の感度が低下する虞があり、高温域においても高い強度を示す硬化物を得るためには長時間の光照射が必要になり経済的でない。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、さらに積層体(ドライフィルムレジスト)とした際の柔軟性を向上させて扱い易くするために反応性エポキシモノマー(D)(以下、単に「D成分」という場合もある)を添加してもよい。ここでいう反応性エポキシモノマーとは、常温で液体もしくは軟化点が40℃以下のエポキシ樹脂を指す。反応性エポキシモノマー(D)としては、A成分、B成分、C成分との混和性を有するグリシジルエーテル化合物が使用できるが、その具体例としては、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(商品名 ED506、株式会社アデカ製)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(商品名 ED505、株式会社アデカ製)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(商品名 EX321L、ナガセケムテックス株式会社製、低塩素タイプ)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも特に高温域においても高い強度を示す硬化物が得られることからビスフェノールAジグリシジルエーテルが好ましい。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成においては、D成分の配合割合が少なすぎると積層体(ドライフィルムレジスト)の柔軟性を改善するために不十分であり、多すぎると乾燥後の皮膜にベタツキが生じることでマスクスティッキングが起きやすくなるなど不適当である。これらのことから、D成分の添加量は、A成分、C成分及びD成分の合計に対して20質量%以下が好ましく、特に5質量%〜15質量%が好適である。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物の粘度を下げ、塗膜性を向上させるために溶剤(E)を用いることができる。溶剤としては、インキ、塗料等に通常用いられる有機溶剤が使用可能であり、前記各成分に対して十分な溶解力を有するものはすべて用いることができる。このような有機溶剤としてはアセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノン等のケトン類、トルエン、キシレン及びテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及びジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトン等のエステル類、メタノール、エタノール、セレソルブ及びメチルセレソルブ等のアルコール類、オクタン及びデカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ及びソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
これら溶剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。溶剤成分は、基材へ塗布する際の膜厚や塗布性を調整する目的で加えるものであり、前記各成分の溶解性や揮発性、樹脂組成物全体の液粘度等を適正に保持する為に、中空パッケージ用感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は95質量%以下が好ましく、特に好ましくは10〜90質量%である。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、基板に対する樹脂組成物の密着性を更に向上させる目的で、混和性のある密着性付与剤を使用してもよい。密着性付与剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を用いることができ、好ましいものとしてはシランカップリング剤が挙げられる。
用いうるシランカップリング剤の具体例としては3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これら密着性付与剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
密着性付与剤を過剰に用いた場合、本発明の中空パッケージ用エポキシ樹脂組成物の硬化物の架橋密度を低下させたり、或いは未反応のまま硬化物中に残存することで硬化物の物性値を低下させる恐れがある。密着性付与剤は、基材によっては少量でも効果を発揮する点から、悪影響を及ぼさない範囲内での使用が適当であり、その使用割合は、本発明の中空パッケージ用エポキシ樹脂組成物中において15質量%以下が好ましく、特に好ましくは5質量%以下である。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、紫外線を吸収し、吸収した光エネルギーを光カチオン重合開始剤に供与する役割を担う増感剤を使用してもよい。使用しうる増感剤の例としては、例えば9位と10位にアルコキシ基を有するアントラセン化合物(9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体)、チオキサントン類等が挙げられる。9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体におけるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体は、9位と10位以外の部位にさらに置換基を有していても良い。さらに有していても良い置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基等のC1〜C4のアルキル基やスルホン酸アルキルエステル基、カルボン酸アルキルエステル基等が挙げられる。スルホン酸アルキルエステル基やカルボン酸アルキルエステルにおけるアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル等のC1〜C4のアルキルが挙げられる。これらの置換基の置換位置は2位が好ましい。
9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体の具体例としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジエトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジプロポキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−クロロアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジメトキシアントラセン−2−カルボン酸メチルエステル等を挙げることができる。9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセンの使用が特に好ましい。
チオキサントン類の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられ、2,4−ジエチルチオキサントン(商品名 カヤキュアーDETX−S、日本化薬株式会社製)、2−イソプロピルチオキサントンが好ましく、2,4−ジエチルチオキサントンが特に好ましい。
これらの増感剤は、単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、増感剤成分は少量で効果を発揮する為、その使用割合は光カチオン重合開始剤(B)に対して100質量%以下が好ましく、特に好ましくは20質量%以下である。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、光カチオン重合開始剤(B)由来のイオンによる悪影響を低減する必要がある場合には、イオンキャッチャーを添加しても良い。イオンキャッチャーの具体例としては、トリスメトキシアルミニウム、トリスエトキシアルミニウム、トリスイソプロポキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム及びトリスブトキシアルミニウム等のアルコキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウム及びトリスパラメチルフェノキシアルミニウム等のフェノキシアルミニウム、トリスアセトキシアルミニウム、トリスステアラトアルミニウム、トリスブチラトアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、ジアセチルアセトナトジピバロイルメタナトアルミニウム及びジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物などが挙げられ、これら成分は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その配合量は、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計質量に対して10質量%以下である。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、必要に応じて、熱可塑性樹脂、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等の各種添加剤を用いることが出来る。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエーテルスルホン、ポリスチレン及びポリカーボネート等があげられる。着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジン・グリーン、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック及びナフタレンブラック等が挙げられる。増粘剤としては、例えばオルベン、ベントン及びモンモリロナイト等が挙げられる。消泡剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系および高分子系等の消泡剤が挙げられる。これらの添加剤等の使用量は本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物中、例えば、それぞれ0.1〜30質量%程度含有させるのが一応の目安であるが、使用目的に応じ適宜増減し得る。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物には、例えば硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤(F)を用いることができ、その使用量は本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物中60質量%以下である。無機充填剤の粒子径が大きすぎると光の透過性が低下し充分なリソグラフィー性能を示さなくなる恐れがある。従って、無機充填剤の平均粒子径は直径5μm以下が好ましく、直径1μm以下がより好ましい。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、前述の必須成分に必要に応じて前述の任意成分を添加して混合、撹拌するだけで調整されるが、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、好ましくは液状で使用される。本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を使用するに当たり、その塗布法、硬化法の概略を以下に説明する。
例えばシリコン、アルミニウム、銅等の金属基板、リチウムタンタレート、ガラス、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド等のセラミック基板、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート等の基板上に、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を0.1〜1000μmの厚みでスピンコーター等を用いて塗布し、60〜130℃で5〜60分間程度の熱処理により溶剤を除去して感光性樹脂組成物層を形成する。次いで、基板上に設けられた感光性樹脂組成物層に所定のパターンを有するマスクを載置して紫外線を照射し、50〜130℃で1〜50分間程度の加熱処理(PEB)を行った後、現像液を用いて未露光部を室温〜50℃で1〜180分間程度の条件で現像してパターンを形成する。更に、得られたパターンに130〜200℃で10〜360分間程度の加熱処理を施すことで、諸特性を満足する本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物の硬化物が得られる。現像液としては、例えばγ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤、あるいは、前記有機溶剤と水との混合液等を用いることができる。現像にはパドル型、スプレー型、シャワー型等の現像装置を用いてもよく、必要に応じて超音波照射を行ってもよい。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター等を用いてベースフィルム上に塗布した後、45〜100℃に設定した乾燥炉を用いて所定量の溶剤を除去し、更に必要に応じてカバーフィルム等を積層することにより積層体(ドライフィルムレジスト)とすることができる。この際、ベースフィルム上のレジストの厚さは、2〜100μmに調整される。ベースフィルム及びカバーフィルムには、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、TAC、ポリイミド等のフィルムが使用される。これらフィルムには必要に応じてシリコーン系離型処理剤や非シリコーン系離型処理剤等により離型処理が施されていてもよい。この積層体を使用するには、例えばカバーフィルムを剥離した積層体を、ハンドロール、ラミネーター等により温度40〜100℃、圧力0.05〜2MPaの条件で基板に転写して得られた感光性樹脂組成物層(樹脂層)に、前述した本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を液状で用いる場合と同様に露光、露光後ベーク、現像、加熱処理を施せばよい。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を積層体として用いれば、基板上への塗布、および乾燥の工程を省略することが可能であり、より簡便に本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を用いたパターン形成が可能となる。
前述した液状及び/又は積層体状の本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を組み合わせて、フォトリソグラフィーの手法を用いることにより、一定の空間(キャビティ)を有する樹脂硬化物の構造体を調製することができる。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、機械構造を有する素子などの周囲に一定の空間(キャビティ)を有したまま基板、配線、素子等を安定に保つことができるため、外部環境から気体や液体の浸入を遮断することを目的とした中空パッケージの作成用に好適に用いられる。特に本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、素子がMEMS素子である場合のパッケージの作成用に最も好適に使用される。
次に、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を用いたマイクロデバイスの構成及び製造方法を、図1〜図2を参照して説明する。
図1はマイクロデバイスの一例を示す断面図である。マイクロデバイス1は、基板2と、基板2上に形成されたMEMS3と、MEMS3の周囲に設けられたキャビティC(空間、中空)を確保する為のキャビティ確保部4、並びにそれらを被覆するように設けられた封止層6他とを備えて構成されている。
リードフレーム5上に設置された基板2はシリコン等から形成され、その一方の面に金属薄膜等からなる導体パターン7がエッチング等によって形成されている。MEMS3は、導体パターン7と電気的に接続されて基板2上に形成されている。導体パターン7は、ワイヤ8を介してリードフレーム5と接続されており、マイクロデバイス1を他の機器に組み込むことができるようになっている。
キャビティ確保部4は、基板2上に配置されたMEMS3の周囲を取り囲むように配置された側壁4Aと、側壁4Aの上方に設けられた天井4Bとからなる、略箱状の構造物である。MEMS3の水平方向の周囲および上方がキャビティ確保部4によって覆われることによって、MEMS3が駆動するための空間であるキャビティCが、MEMS3の周囲に形成される。
キャビティ確保部4を形成する材料として、本発明のパッケージ用感光性樹脂組成物の硬化物が用いられる。
封止層6は、基板2の外側を覆うようにトランスファー成形によって形成され、外部環境から基板2上のMEMS3や導体パターン7とワイヤ8との接続部位等を保護する機能を有する。
封止層6の材料としては、一般的な半導体チップ等の封止に用いられるのと同様の材料を採用することができ、例えば、各種のエポキシ封止剤を挙げることができる。これらエポキシ封止剤は一般にエポキシ樹脂、フェノール硬化剤、硬化促進剤、充填剤などからなり、難燃剤、離型剤、着色剤、カップリング剤を含んでいてもよい。その中でも、低圧で成型できキャビティCへのダメージが少ないことから、低粘度エポキシ樹脂を用いた高流動性のものが好ましい。
更に、上記のように構成されたマイクロデバイス1の製造方法について概略を説明する。
以下は単一のシリコンウエハ上にマイクロデバイス1の基板2を複数形成する、いわゆるウエハレベルパッケージングによってマイクロデバイス1を製造する例である。この方法は、組立工程の設備が不要である、MEMSが分割時に保護される等の利点を有するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
この製造方法においては、基板2上にMEMS3を形成する工程(第1工程)と、MEMS3を覆うようにキャビティ確保部4を形成する工程(第2工程)と、トランスファー成形によって全体を封止層6で封止する工程(第3工程)の3工程から構成される。
第1工程においては、基板上にMEMSを形成する。
基板は、シリコンウエハの表面に、複数の凹部を設けることによって形成され、その後、集積回路作成技術及び犠牲層エッチング技術を組み合わせてデバイスを作成するサーフェイスマイクロマシニング、又は主にSOI(Silicon On Insulator)ウエハや基板そのものをウェットエッチングや深堀ドライエッチング等で加工してデバイスを作成するバルクマイクロマシニング、あるいは両者の組み合わせによりMEMS及び導体パターンを形成する。
なお、導体パターンは、MEMS及びワイヤを接続する箇所以外は、SiO2やSiNといった無機絶縁膜や、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ベンゾシクロブテン、エポキシ樹脂等によって保護されてもよい。また、導体パターン7は、深堀エッチングやサンドブラストによって作成された貫通孔を介して、基板の裏面(MEMSが形成される面と反対側の面)から実装されてもよい。
第2工程においては、MEMSの周囲にキャビティ確保部を形成する。(図2を参照)
まず、MEMS3の周囲に本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を塗布したのち、フォトマスクを介し露光、PEB、現像を行い、側壁4Aを形成する。側壁4Aの厚み(図2(a)における4Aの左右方向の寸法)や高さ(図2(a)における4Aの上下方向の寸法)は、MEMS3の各部寸法や駆動態様に応じて決定される必要なキャビティの大きさに基づいて、適宜設定されてよい。
次に、図2(b)に示すように、側壁4Aの上方に中空パッケージ用感光性樹脂組成物の積層体のカバーフィルムを剥離後ラミネートして天井4Bを形成する。再度フォトマスクを介し露光、PEB、現像を行い、不要な部分を除去すると、図2(c)に示すように、キャビティCを保持するキャビティ確保部4が完成する。
また、この方法に代えて、非特許文献1に記載のように、基材上にフォトリソグラフィーにより構造体を積層した後に転写によりキャビティ確保部4を形成したり、インプリント等の手法により予め凹凸が形成されている感光性樹脂層を転写した後に、フォトリソグラフィーによりキャビティ確保部を形成したりすることも可能である。
また、MEMSを予め犠牲層材料で封止した後、液状の中空パッケージ用感光性樹脂組成物をスプレーコーター、バーコーター、スピンコーターなどで塗布後に乾燥したり、或いは中空パッケージ用感光性樹脂組成物の積層体のカバーフィルムを剥離後に真空中でラミネートしたりすることで犠牲層を覆うように中空パッケージ用感光性樹脂組成物層を形成し、次いでフォトリソグラフィーでキャビティ確保部4の一部と犠牲層を除去する穴とを同時に作製し、作製した穴より犠牲層を除去し、更に中空パッケージ用感光性樹脂組成物をコートまたはラミネートし、フォトリソグラフィーによりキャビティ確保部を形成することもできる。
なお、第2図(a)、同(b)及び同(c)において、2は基板(シリコンウエハ)を、3はMEMSを、7は導体パターンをそれぞれ表し、第2工程までの各工程は、基板(シリコンウエハ)上で行われる。
第3工程においては、キャビティ確保部が形成された基板をダイシング等で切り離し、個々の基板をリードフレーム中央に配置し、導体パターンとリードフレームとを、ワイヤを介して一括接続してから、トランスファー成形を行う。硬化終了後、不要部分を除去すると、図1に示すようなマイクロデバイスが完成する。
本実施形態のマイクロデバイスによれば、高温でも高い強度を示す本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物の硬化物でキャビティ確保部が形成されているので、トランスファー成形によって封止層が形成される際や、導体パターンとリードフレームとの一括接続時や、ダイシング等による基板の切り離し等の際に、キャビティ確保部4が変形したり、押しつぶされる等の不具合の発生が抑制される。したがって、キャビティ確保部の内部のキャビティが確実に保持され、信頼性の高いマイクロデバイスを提供することができる。
また、キャビティ確保部の形成は中空パッケージ用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー工程で行われる。したがって、キャビティ確保のために、シリコンやガラス等の材料を高温で接合する等してキャビティ確保部を形成する必要がなく、生産性良く低コストで信頼性の高いマイクロデバイスを提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、キャビティ確保部が側壁と天井とからなる例を説明したが、キャビティ確保部の構成はこれに限定されない。
一例として、キャビティ内のMEMSの駆動に支障のない位置に、天井を支える柱状構造を設け、側壁及び柱状構造で天井を支えるようにキャビティ確保部を構成してもよい。また、側壁や天井の表面に酸化膜を設けて剛性を高めてもよい。
さらに、基板の一部をエッチング等によって掘り込んで凹状のキャビティを形成し、当該キャビティ内にMEMSを形成した後、キャビティの上方に積層体状のキャビティ確保部材料を配置してキャビティを形成してもよい。この場合、キャビティ確保部は基板の一部で形成された側壁と、キャビティ確保部材料からなる天井とから形成されることとなる。
また、前記した実施形態では、キャビティ確保部が略箱状である例を説明したが、これに代えて、側壁を円形に形成することによって、キャビティ確保部を略円筒状に形成してもよい。さらに、転写等を用いて、キャビティ確保部をドーム状の形状に形成して、耐圧性をさらに高めてもよい。これらのような構成であっても、MEMSが駆動するためのキャビティを良好に確保することができる。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、強度(特に高温における強度)に極めて優れているので、中空構造を有する素子の封止層を設けるに当たり、トランスファーモールド法を採用した場合であっても、空間を十分に保持できるという特徴がある。したがって、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を用いることにより、中空構造を有するMEMS素子、半導体素子等の素子を製造するに当たり、安価で、歩留まり良く、信頼性の高い中空パッケージを得ることができる。
以下、本発明を実施例により、より詳細に説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。尚、以下において、本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を単に感光性樹脂組成物という。又、「部」は質量部を意味する。
実施例1〜7及び比較例
(感光性樹脂組成物及び樹脂組成物(比較用)の調製並びにそれらを用いた積層体の作成)
表1に記載の配合量(単位は部)に従って、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)、光カチオン重合開始剤(B)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)、反応性エポキシモノマー(D)、及びその他の成分を撹拌機付きフラスコで80℃、1時間撹拌し、それぞれ本発明の感光性樹脂組成物及び比較用の樹脂組成物を得た。これらの感光性樹脂組成物及び樹脂組成物(比較用)を膜厚50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ベースフィルム、東レ株式会社製)上に均一に塗布し、温風対流乾燥機により95℃で5分間及び110℃で5分間乾燥した後、露出面上に38μmの離型処理されたPETフィルム(カバーフィルム、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)をラミネートして、それぞれ50μm厚の感光性樹脂組成物及び樹脂組成物(比較用)の積層体(ドライフィルムレジスト)を得た。
(感光性樹脂組成物及び樹脂組成物(比較用)の積層体のパターニング)
前記で得られた各積層体のカバーフィルムを剥離し、ロール温度70℃、エアー圧0.2MPa、速度0.5m/minでシリコンウエハ上にラミネートし、50μmの感光性樹脂組成物及び樹脂組成物(比較用)の樹脂層を得た。これらの樹脂層に、マスクアライナー(MA−20、ミカサ株式会社製)を用いて250〜1000mJ/cm2の露光量でパターン露光(ソフトコンタクト、超高圧水銀灯)を行った。その後ホットプレートにより95℃で6分間露光後ベーク(PEB)を行い、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いて浸漬法により23℃で6分間現像処理を行い、基板上に硬化した樹脂パターンを得た。
(露光量の評価)
前記積層体のパターニングにおいて、50μmのラインアンドスペースのフォトマスクを使用して露光を行い、現像処理により残渣無く基板に密着した樹脂パターンが得られ、且つDSCによる分析でエポキシ基の反応に由来する発熱が観測されない最小の露光量を確認した。結果を表1に示す。
(解像性の評価)
前記パターン露光において、50μmのラインアンドスペースのフォトマスクを使用し残渣無く解像され、基板に密着しているかを評価した。結果を表1に示す。
評価基準
○:残渣無く、且つ基板にも密着
×:残渣有り、基板から剥離のいずれか、もしくは両方
(強度の評価)
前記で得られた各積層体をそれぞれ2枚用意し、それぞれのカバーフィルムを剥離し、ロール温度70℃、エアー圧0.2MPa、速度0.5m/minで貼り合せ100μm厚の積層膜をそれぞれ形成した。各積層膜の積層体の一方のベースフィルムを剥離し超高圧水銀灯露光装置(ウシオ電機社製)を用い2000mJ/cm2の露光量で露光した。露光後ホットプレートを用い95℃で10分間PEBを行い、積層膜を5mm幅に切断後、他方のベースフィルムを剥離し、更にオーブンを用い200℃で30分間熱処理を行った。得られた硬化物のフィルムを用いて動的粘弾性測定装置(DMS6100、セイコーインスツル株式会社製)を用いて180℃における貯蔵弾性率を測定し、熱時強度の指標とした。結果を表1に示す。
(エポキシモールディングコンパウンドの調製)
EOCN−1020−62(商品名、日本化薬株式会社製、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)36.8部、H−1(商品名、明和化成株式会社製、フェノールノボラック樹脂)19.6部、トリフェニルホスフィン0.624部、キクロスMSR−2212(商品名、株式会社龍森製、フィラー)340部、カルナウバワックス1号(商品名、株式会社セラリカ野田製、ワックス)1.2部及びKBM−303(商品名、信越化学工業株式会社製、シランカップリング剤)1.35部を、ニーダーを用いて均一になるまで混合した後、プレス機によってタブレット状に成型した。
(モールド耐性の評価)
前記で得られた各感光性樹脂組成物及び樹脂組成物(比較用)の積層体を各2枚用意し、それぞれのカバーフィルムを剥離し、ロール温度70℃、エアー圧0.2MPa、速度0.5m/minで貼り合せ100μm厚の感光性樹脂組成物又は樹脂組成物(比較用)の積層膜を形成した。これらの積層膜の一方のベースフィルムを剥離し、深さが50μmで一辺が100、300及び500μm角のキャビティを有するシリコンウエハの基板上に、ロール温度45℃、エアー圧0.2MPa、速度0.5m/minでラミネートした。マスクアライナー(MA−20、ミカサ株式会社製)を用いて250〜1000mJ/cm2の露光量でパターン露光(ソフトコンタクト、超高圧水銀灯)を行った。その後ホットプレートにより65℃で1分間、95℃で6分間PEBを行い、更にオーブンを用い200℃で30分間熱処理を行った後、基板を切断しキャビティの天井部が感光性樹脂組成物又は樹脂組成物の各積層膜の硬化物からなる試験片を得た。試験片をポリイミドフィルムに固定しトランスファーモールド用金型を用いて、前記エポキシモールディングコンパウンドを用い成型温度180℃、成型圧8MPaでトランスファーモールド成型を行った。ダイシングによりキャビティ部を切断し、天井部の積層膜硬化物がトランスファーモールド時の圧力で変形して基板に接触しているかどうかを顕微鏡で確認し、下記基準で評価した。結果を表1に示す。
評価基準
○:一辺が500μm角のキャビティの天井部が基板に接触していない。
△:一辺が300μm角のキャビティの天井部は基板に接触していないが、
一辺が500μm角のキャビティの天井部が基板に接触している。
×:一辺が100μm角のキャビティの天井部は基板に接触していないが、
一辺が300μm角のキャビティの天井部が基板に接触している。
Figure 2009151050
尚、表1におけるA〜Gはそれぞれ下記を示す。
A:前記式(1)におけるnが約1.3であるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(商品名 EPPN−502H、日本化薬株式会社製)
B:光カチオン重合開始剤(商品名 UVI−6976、ダウケミカル社製)
C−1:前記式(2)におけるkが約2である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(商品名 EPON SU−8、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ製)
C−2:前記式(3)におけるpが約6である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(商品名 EOCN−103S、日本化薬株式会社製)
C−3:前記式(4)で示される1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(商品名 NC−6300H、日本化薬株式会社製)
C−4:特許文献1記載のエポキシ樹脂(商品名 NC−3000H、日本化薬株式会社製)
C−5:特許文献1記載のエポキシ樹脂(商品名 NER−7604、日本化薬株式会社製)
D−1:反応性エポキシモノマー(商品名 jER828、ジャパンエポキシレジン株式会社製)
D−2:反応性エポキシモノマー(商品名 EX−321L、ナガセケムテックス株式会社製)
E:溶剤 シクロペンタノン
F:フッ素系レベリング剤(商品名 メガファックF−470、DIC株式会社製)
G:シランカップリング剤(商品名 S−510、チッソ株式会社製)
表1に示すとおり、本発明の感光性樹脂組成物は比較例1の樹脂組成物に比べて、熱時(180℃)における強度が高く、高いモールド耐性を示すことは明らかである。
実施例8
前記式(1)におけるnが約1.3であるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(商品名 EPPN−502H、日本化薬株式会社製)20部、光カチオン重合開始剤(商品名 GSID26−1、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.5部、前記式(2)におけるkが約2である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(商品名 EPON SU−8、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ製)65部、反応性エポキシモノマー(商品名 jER828、ジャパンエポキシレジン株式会社製)15部、溶剤としてシクロペンタノン40部、フッ素系レベリング剤(商品名 メガファックF−470、DIC株式会社製)0.05部、シランカップリング剤(商品名 S−510、チッソ株式会社製)2部の配合量に従い、前述した実施例1と同様の操作を行い感光性樹脂組成物の積層体を得た。得られた積層体に実施例1と同様の評価を行ったところ、露光量1000mJ/cm、解像性 ○、貯蔵弾性率2.3GPa、モールド耐性 ○であった。
実施例9
前記式(2)におけるkが約2である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(商品名 EPON SU−8、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ製)65部、プロピレングリコールモノメチルエーテル60部、ナノテックアルミナSPC(シーアイ化成株式会社製;球状アルミナ、平均粒径50nm)30部をDISPERMAT SL−C−12(英弘精機株式会社製)を用いて4時間分散させた。分散液に、前記式(1)におけるnが約1.3であるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(商品名 EPPN−502H、日本化薬株式会社製)20部、光カチオン重合開始剤(商品名 GSID26−1、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.5部、反応性エポキシモノマー(商品名 jER828、ジャパンエポキシレジン株式会社製)15部、フッ素系レベリング剤(商品名 メガファックF−470、DIC株式会社製)0.05部、シランカップリング剤(商品名 S−510、チッソ株式会社製)2部を加え、前述した実施例1と同様の操作を行い感光性樹脂組成物の積層体を得た。得られた積層体に実施例1と同様の評価を行ったところ、露光量1000mJ/cm、解像性 ○、貯蔵弾性率2.8GPa、モールド耐性 ○であった。
本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物は、フォトリソグラフィーにより中空構造を作製でき且つトランスファーモールド法においても空間を十分に保持できる中空パッケージ用感光性樹脂組成物である。本発明の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を用いることでMEMS素子及び半導体等の素子を製造するに当たり、安価で、歩留まりが良く、信頼性の高い中空パッケージを行うことができる。
1 マイクロデバイス
2 基板
3 マイクロ電子機械システム(MEMS)
4 キャビティ確保部(4A 側壁、4B 天井、C キャビティ)
5 リードフレーム
6 封止層
7 導体パターン
8 ワイヤ

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(A)と光カチオン重合開始剤(B)とを含有してなる中空パッケージ用感光性樹脂組成物。
    [化1]
    Figure 2009151050
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又はフェニル基を、mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。又、nは平均値であり、0≦n≦10である。)
  2. 1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)をさらに含有してなる請求項1に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物。
  3. 1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(C)が下記式(2)
    [化2]
    Figure 2009151050
    (式(2)中、kは平均値であり、0≦k≦10である。)
    で表されるエポキシ樹脂(C−1)、下記式(3)
    [化3]
    Figure 2009151050
    (式(3)中、R及びmは請求項1記載の式(1)におけるのと同じ意味を表す。又、pは平均値であり、0≦p≦10である。)
    で表されるエポキシ樹脂(C−2)及び下記式(4)
    [化4]
    Figure 2009151050
    で表されるエポキシ樹脂(C−3)からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上である
    請求項2に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物。
  4. 反応性エポキシモノマー(D)をさらに含有してなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物。
  5. 反応性エポキシモノマー(D)がビスフェノールAジグリシジルエーテルである請求項4に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物。
  6. 無機充填剤(F)をさらに含有してなる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  8. 基板と、該基板上に形成されたマイクロ電子機械システムと、請求項7記載の硬化物を含んで形成され、前記マイクロ電子機械システムの周囲に空間を確保するように前記マイクロ電子機械システムを被覆するキャビティ確保部と、樹脂を含んで形成され、前記キャビティ確保部を被覆するように設けられた封止層を備えてなるマイクロデバイス。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の中空パッケージ用感光性樹脂組成物を基材で挟み込んだ中空パッケージ用感光性樹脂組成物の積層体。
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