JP5839736B2 - 感光性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS(微小電子機械システム)部品、マイクロマシン部品、マイクロ流体部品、μ−TAS(微小全分析システム)部品、インクジェットプリンター部品、マイクロ反応器部品、導電性層、LIGA部品、微小射出成形及び熱エンボス向けの型またはこれらのスタンプ、微細印刷用途向けスクリーン又はステンシル、MEMSパッケージ部品、半導体パッケージ部品、BioMEMS及びバイオフォトニックデバイス、並びにプリント配線板の製作において有用な、感度および解像度に優れ、高温での貯蔵弾性率が低く接合性に優れたアルカリ現像型感光性樹脂組成物とその硬化物に関する。
フォトリソグラフィー加工可能なレジストは、最近半導体やMEMS・マイクロマシンアプリケーションに広範に用いられている。このようなアプリケーションでは、フォトリソグラフィー加工は基板上でパターニング露光し、ついで、現像液で現像することで露光領域もしくは非露光領域を選択的に除去することで達成される。フォトリソグラフィー加工可能なレジスト(フォトレジスト)にはポジタイプと、ネガタイプがあり、露光部が現像液に溶解するのがポジタイプであり、逆に不溶となるものがネガタイプである。先端技術のエレクトロパッケージアプリケーションやMEMSアプリケーションでは均一なスピンコーティング膜の形成能だけではなく、高アスペクト比、厚膜におけるストレートな側壁形状、基板への高密着性等が要求される。ここで、アスペクト比とは、レジスト膜厚/パターン線幅により算出され、フォトリソグラフィーの性能を示す重要な特性である。
このようなフォトレジストとしては、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPON SU−8レジン、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツ製)及びACETO Corporate USA製CPI 6974等の光酸発生剤(この光酸発生剤は芳香族スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートのプロピレンカーボネート溶液からなる)からなるネガタイプの化学増幅型フォトレジスト組成物が知られている。該フォトレジスト組成物は350〜450nmの波長域に非常に低い光吸収を持つことから、厚膜フォトリソグラフィーが加工可能なフォトレジスト組成物として知られている。このフォトレジスト組成物を種々の基板上にスピンコートもしくはカーテンコート等の手法で塗布し、ついでベーキングにより溶剤を揮発させることで100μmもしくはそれ以上の厚みの固体フォトレジスト層を形成し、さらにコンタクト露光、プロキシミティ露光又はプロジェクション露光等の各種露光方法により、フォトマスクを通して近紫外光を照射することでフォトリソグラフィー加工が施される。続いて、現像液中に浸漬し、非露光領域を溶解させることで、基板上に高解像なフォトマスクのネガイメージを形成することができる。
一方、MEMS部品やMEMS及び半導体パッケージ等の分野では、パッケージ材料の物性がデバイスの信頼性に影響することが知られている。MEMS素子及び半導体素子は、周囲の温度や湿度の変化あるいは微細なごみや埃の影響でその特性が劣化したり、また機械的振動や衝撃を受けることにより破損しやすい。これら外的要因から保護するために、MEMS及び半導体素子は、各種材料で封止された形態や、各種材料の外壁で囲われた中空構造(キャビティ)に内包された形態、即ち、パッケージとして使用に供されている。封止剤や外壁の材料に金属やセラミックスを用いる気密封止方式の場合、得られるパッケージは信頼性に優れるが、製造コストが高いことや寸法精度が悪いことなどの欠点を有する。これに対して、封止剤や外壁の材料に樹脂を用いる樹脂封止の場合、製造コストは比較的低く、かつ寸法精度も高いが、耐湿性や耐熱性等に問題があった。例えば、樹脂材料が外部環境から吸収した水分によって封止剤が基板や素子から剥離したり、高温環境下に晒された際にパッケージから発生するアウトガスに起因する不良が問題となっている。また、樹脂材料を用いて設けられたキャビティの上にガラスやシリコン基板などの被着体を接合する際、樹脂の貯蔵弾性率が高いためにわずかな凹凸が埋められず、基板内部や外周部にボイドを生じるといった問題が生じている。さらに、近年では安全性や人体に対する影響などからアルカリ現像可能で高アスペクト比を満たす樹脂材料が求められている。
特許文献1には、エポキシ基にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物を付加率50%で付加させ、さらにこれを多塩基酸無水物でカルボン酸変性させて得られたポリカルボン酸樹脂を含有する感光性樹脂組成物が、アルカリ現像可能であることが記載されている。しかしながら、エポキシ基にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物を付加率80%以上で付加させ、さらにこれをカルボン酸変性させて得られるポリカルボン酸樹脂を含有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物が、感度、アルカリ現像性及び解像度に優れると共に、該組成物の硬化物が低貯蔵弾性率であることは何ら記載されていない。
特許文献2には、エポキシ基を脂肪族モノカルボン酸類と反応させたエポキシ樹脂や、このエポキシ樹脂が有している水酸基の一部にカルボキシル基を導入して得られるカルボキシル基含有エポキシ樹脂を添加物として添加することにより塗料安定性に優れたアニオン電着塗料組成物が得られることが記載されているが、これら組成物のアルカリ現像性、接合性については何ら言及されていない。
特開2001−19740号公報 特開2008−1788号公報
MEMS部品やMEMS及び半導体パッケージ等の分野では、レジストを塗布した基板にガラスやシリコン基板を接合する際に、接合温度における樹脂組成物の貯蔵弾性率が高いことにより、わずかな凹凸が埋められず、基板内部や外周部にボイドを生じることが問題となっている。本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、感度及び解像度に優れた、ガラスやシリコン基板などの被着体接合時に基板内部や外周部にボイドを生じない低貯蔵弾性率のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、並びにその硬化物を提供することを目的する。
本発明者らは、鋭意、検討を重ねた結果、両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基にアルコール性水酸基含有カルボン酸によって水酸基を導入し、さらにカルボン酸変性することで得られるポリカルボン酸樹脂と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び光酸発生剤とを組み合わせたアルカリ現像型感光性樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、
(1)両末端にエポキシ基を有するエポキシ当量が600〜1300g/eq.の二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と、アルコール性水酸基を有するモノカルボン酸化合物(b)との反応物(ab)に、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるポリカルボン酸樹脂(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)及び光酸発生剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対する該モノカルボン酸化合物(b)の付加率が80当量%以上であり、かつ反応物(ab)の1級水酸基1当量に対する多塩基酸無水物の付加率が80当量%以上であるアルカリ現像型感光性樹脂組成物、
(2)エポキシ樹脂(a)が、ビスフェノールA型またはF型である前項(1)に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、
(3)モノカルボン酸化合物(b)が、ジメチロールプロピオン酸またはジメチロールブタン酸である前項(1)または(2)に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、
(4)多塩基酸無水物(c)が、無水フタル酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸からなる群から選択される1種または2種以上である前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、
(5)ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が、90〜105mg・KOH/gである前項(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、
(6)エポキシ樹脂(B)が、両末端にエポキシ基を有する二官能のエポキシ樹脂である前項(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、
(7)前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型観光性樹脂組成物からなるドライフィルムレジスト。
(8)前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、若しくは前項(7)に記載のドライフィルムレジストの硬化物、
に関する。
本発明の感光性樹脂組成物は、良好な画像解像度、熱安定性、耐薬品及び溶媒溶解性を有し、高感度でかつ高温時の貯蔵弾性率が低く接合性に優れるという特徴を有する。ガラスやシリコン基板などの被着体接合時に基板内部や外周部にボイドを生じないため、ウエハーレベルパッケージ用感光性樹脂組成物として好適に用いられる。
以下に、本発明について説明する。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物(以下、単に「感光性樹脂組成物」とも記載する)は、両末端にエポキシ基を有するエポキシ当量が600g/eq.以上の二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂(a)(以下、単に「エポキシ樹脂(a)とも記載する」)と、特定量以上のアルコール性水酸基を有するモノカルボン酸化合物(b)(以下、単に「化合物(b)とも記載する)との反応物(ab)に、さらに特定量以上の多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるポリカルボン酸樹脂(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)(以下、単に「エポキシ樹脂(B)」とも記載する)及び光酸発生剤(C)を含有することを特徴とする。この感光性樹脂組成物は高温の貯蔵弾性率が低いため、基板の内部または外周部にボイドを生じずにガラスやシリコン基板などの被着体を接合することができる。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物が含有するポリカルボン酸樹脂(A)の原料であるエポキシ樹脂(a)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びビスフェノールI型エポキシ樹脂等の両末端にエポキシ基を有する二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
これらエポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は、通常600〜1300g/eq.であり、700〜1200g/eq.であることが好ましく、800〜1100g/eq.であることがより好ましい。エポキシ当量が600g/eq.未満の場合は、露光によって本来硬化するべき部分もアルカリ溶液に溶解してしまう恐れがあり、1300g/eq.を超える場合は、アルカリ溶液に不溶となってしまう恐れがある。尚、本発明におけるエポキシ当量は、JIS K−7236に準じて測定した値である。
前記のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂(a)の具体的としては、jER1003及びjER1004(三菱化学株式会社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER4004P及びjER4005P(三菱化学株式会社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物が含有するポリカルボン酸樹脂(A)の原料である化合物(b)としては、例えばモノメチロールプロピオン酸、ジメチロールプロピオン酸、モノメチロールブタン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられるが、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基と化合物(b)とを反応させて得られる反応物(ab)に、後述する多塩基酸無水物(c)と反応可能な多くのアルコール性水酸基を導入することができることから、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸が好ましい。これらの化合物(b)は、単独で用いても、また2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ樹脂(a)と化合物(b)との反応は、通常ヒドロキシ基を有さない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばアセトン、エチルメチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及びジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトン等のエステル類、メタノール、エタノール、セレソルブ及びメチルセレソルブ等のアルコール類、オクタン及びデカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ及びソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。また、エポキシ樹脂(a)と化合物(b)との反応には、付加反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、その具体例としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。触媒の使用量は、エポキシ樹脂(a)と化合物(b)の合計に対して、通常0.1〜10質量%である。反応温度は通常60〜150℃、反応時間は通常5〜60時間である。
エポキシ樹脂(a)のエポキシ基と化合物(b)のカルボキシル基との付加反応における化合物(b)の付加率は、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して通常80当量%以上であり、90当量%以上であることが好ましく、100当量%であることがより好ましい。付加率が80当量%未満の場合、反応物(ab)に導入されるアルコール性水酸基の量が少ないために、反応物(ab)に付加する多塩基酸無水物(c)の量が少なくなり、アルカリ現像性が低下する恐れがある。
本発明の感光性樹脂組成物が含有するポリカルボン酸樹脂(A)の原料である多塩基酸無水物(c)としては、例えば無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸及び無水ピロメリット酸等が挙げられ、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水マレイン酸であることが好ましく、テトラヒドロ無水フタル酸であることがより好ましい。これらの多塩基酸無水物(c)は、単独で用いても、また2種以上を混合して用いてもよい。 反応物(ab)と多塩基酸無水物(c)との付加反応は、前記で得られた反応物(ab)を含む溶液に、必要量の多塩基酸無水物を添加して加熱するだけでよく、反応温度は通常60〜150℃であり、反応時間は通常5〜10時間である。
該付加反応における多塩基酸無水物(c)の付加率は、反応物(ab)の1級水酸基1当量に対して通常80当量%以上であり、90当量%以上であることが好ましく、100当量%であることがより好ましい。付加率が80当量%未満の場合、付加反応により生成するカルボン酸の量が少なくなり、アルカリ現像性が低下する恐れがある。こうして得られたポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価は、90〜105mg・KOH/gであることが好ましい。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物が含有するエポキシ樹脂(B)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に制限なく用いることができるが、硬化物の貯蔵弾性率が下がるという意味では、両末端にエポキシ基を有する二官能のエポキシ樹脂であることが好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂であることがより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂であることが特に好ましい。エポキシ樹脂(B)の具体例としては、エポキシ樹脂(a)の具体例と同様のものが挙げられる。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物が含有する光酸発生剤(C)は、紫外線、遠紫外線、KrFやArFなどのエキシマレーザー、X線および電子線などの放射線の照射によりカチオンを発生し、そのカチオンが重合開始剤となりうる化合物であり、通常感エネルギー線酸発生剤ともいわれている。光酸発生剤(C)としては、芳香族ヨードニウム錯塩や芳香族スルホニウム錯塩を挙げることができる。このうち、芳香族ヨードニウム錯塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(ローディア社製、商品名 ロードシルフォトイニシエーター2074)、ジ(4−ターシャリブチル)ヨードニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド(BASF社製、商品名 CGI BBIC C1)等が挙げられる。また、芳香族スルホニウム錯塩の具体例としては、4−チオフェニルジフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート(サンアプロ株式会社製、商品名 CPI−101A)、チオフェニルジフェニルスルフォニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(サンアプロ株式会社製、商品名 CPI−210S)、4−{4−(2−クロロベンゾイル)フェニルチオ}フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(株式会社アデカ製、商品名 SP−172)、4−チオフェニルジフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートを含有する芳香族スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物(ACETO Corporate USA製、商品名 CPI 6976)及びトリフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド(BASF社製、商品名 CGI TPS C1)、トリス[4−(4−アセチルフェニル)スルホニルフェニル]スルホニウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(BASF社製、商品名 GSID 26−1)、トリス[4−(4−アセチルフェニル)スルホニルフェニル]スルホニウムテトラキス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ボレート(BASF社製、商品名 PAG290)等が好適に用いられる。以上の光酸発生剤のうち、本発明では芳香族スルホニウム錯塩が熱安定性から好ましく、芳香族スルホニウム錯塩のなかでは非アンチモン系のチオフェニルジフェニルスルフォニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチルフェニル)スルホニルフェニル]スルホニウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリス[4−(4−アセチルフェニル)スルホニルフェニル]スルホニウムテトラキス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ボレート等がより好ましい。
次に本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物における各成分の配合割合について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリカルボン酸樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計を100質量部としたとき、好ましくは30〜70質量部のポリカルボン酸樹脂(A)と70〜30質量部のエポキシ樹脂(B)を、より好ましくは40〜60質量部のポリカルボン酸樹脂(A)と40〜60質量部のエポキシ樹脂(B)を含有する。また本発明の感光性樹脂組成物は、ポリカルボン酸樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1.0〜2.0質量部の光酸発生剤(C)を含有する。光酸発生剤(C)の波長300〜380nmにおけるモル吸光係数が高い場合は、感光性樹脂組成物を用いる際の膜厚に応じて適切な含有量に調整する必要がある。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物には、樹脂組成物の粘度を下げ、塗膜性を向上させるために溶剤(D)を用いることができる。溶剤としては、インキや塗料等に通常用いられる有機溶剤であって、感光性樹脂組成物の各構成成分を溶解可能なものであれば特に制限なく用いることができる。溶剤(D)の具体例としては、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノン等のケトン類、トルエン、キシレン及びテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及びジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトン等のエステル類、メタノール、エタノール、セレソルブ及びメチルセレソルブ等のアルコール類、オクタン及びデカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ及びソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
これら溶剤は、単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。溶剤(D)成分は、基材へ塗布する際の膜厚や塗布性を調整する目的で加えるものであり、主成分の溶解性や成分の揮発性、組成物の液粘度等を適正に保持する為のその使用量は、感光性樹脂組成物中において95質量%以下が好ましく、特に好ましくは10〜90質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに基板に対する密着性を向上させる目的で、混和性のある密着性付与剤(F)を使用してもよい。密着性付与剤(F)としてはシランカップリング剤又はチタンカップリング剤などのカップリング剤を用いることができ、好ましくはシランカップリング剤が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これら密着性付与剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
密着性付与剤は主成分とは未反応性のものであるため、基材界面で作用する成分以外は硬化後に残存成分として存在することになり、多量に使用すると物性低下などの悪影響を及ぼす。基材によっては、少量でも効果を発揮する点から、悪影響を及ぼさない範囲内での使用が適当であり、その使用割合は、感光性樹脂組成物中において15質量%以下が好ましく、特に好ましくは5質量%以下である。
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに紫外線を吸収し、吸収した光エネルギーを光カチオン重合開始剤に供与するために増感剤を使用してもよい。増感剤としては、例えばチオキサントン類、9位と10位にアルコキシ基を有するアントラセン化合物(9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体)が好ましい。前記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等のC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体は、さらに置換基を有していても良い。置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基等のC1〜C4のアルキル基やスルホン酸アルキルエステル基、カルボン酸アルキルエステル基等が挙げられる。スルホン酸アルキルエステル基やカルボン酸アルキルエステル基におけるアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル等のC1〜C4のアルキルが挙げられる。これら置換基の置換位置は2位が好ましい。
チオキサントン類の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられ、2,4−ジエチルチオキサントン(商品名 カヤキュアーDETX−S、日本化薬株式会社製)、2−イソプロピルチオキサントンが好ましい。
9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジエトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジプロポキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−クロロアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジメトキシアントラセン−2−カルボン酸メチルエステル等を挙げることができる。
これらは、単独であるいは2種以上混合して用いることができるが、2,4−ジエチルチオキサントン及び、9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセンの使用が最も好ましい。増感剤成分は、少量で効果を発揮する為、その使用割合は、光酸発生剤(C)成分に対し30質量%以下が好ましく、特に好ましくは20質量%以下である。
本発明の樹脂組成物には、光酸発生剤(C)由来のイオンによる悪影響を低減する必要がある場合には、イオンキャッチャーを添加してもよい。イオンキャッチャーの具体例としては、トリスメトキシアルミニウム、トリスエトキシアルミニウム、トリスイソプロポキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム及びトリスブトキシアルミニウム等のアルコキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウム及びトリスパラメチルフェノキシアルミニウム等のフェノキシアルミニウム、トリスアセトキシアルミニウム、トリスステアラトアルミニウム、トリスブチラトアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、ジアセチルアセトナトジピバロイルメタナトアルミニウム及びジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物等が挙げられる。これら成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その配合量は、ポリカルボン酸樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び光酸発生剤(C)の合計に対して10質量%以下である。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、熱可塑性樹脂、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等の各種添加剤を用いることが出来る。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート等があげられ、着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジン・グリーン、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等が挙げられ、増粘剤としては、例えオルベン、ベントン、モンモリロナイト等があげられ、消泡剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系および高分子系等の消泡剤があげられ、これらの添加剤等を使用する場合、その使用量は感光性樹脂組成物中、例えば、それぞれ30質量%以下が一応の目安であるが、使用目的に応じ適宜増減し得る。
更に、本発明の感光性樹脂組成物には、例えば硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤を用いることができる。その使用量は、本発明の感光性樹脂組成物中60質量%以下である。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物は、必須成分であるポリカルボン酸樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)および光酸発生剤(C)、並びに必要により、任意成分である溶剤、密着性付与剤、増感剤、イオンキャッチャー、熱可塑性樹脂、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤および無機充填剤等を、通常の方法で混合、攪拌することにより調整される。混合、攪拌の際には、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過を施してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、好ましくは液状で使用される。例えばシリコン、アルミニウム、銅等の金属基板、リチウムタンタレート、ガラス、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド等のセラミック基板、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート等の基板上に、スピンコーター等を用いて本発明の感光性樹脂組成物を0.1〜1000μmの厚みで塗布し、60〜130℃で5〜60分間程度の熱処理で溶剤を除去して感光性樹脂組成物層を形成する。次に、感光性樹脂組成物層に所定のパターンを有するマスクを載置して紫外線を照射し、50〜130℃で1〜50分間程度の加熱処理を行った後、アルカリ性の現像液を用いて室温〜50℃で1〜180分間程度の条件で未露光部分を現像してパターンを形成し、最後に130〜200℃の条件で加熱処理を施ことにより、諸特性を満足する永久保護膜が得られる。現像液としては、例えば2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、1%炭酸ナトリウム溶液等を用いることができる。現像にはパドル型、スプレー型、シャワー型等の現像装置を用いてもよく、必要に応じて超音波照射を行ってもよい。尚、本発明の感光性樹脂組成物を使用する好ましい金属基板としては、アルミニウムが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ドライフィルムレジストとして用いることもできる。例えば、ベースフィルム上に、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター等を用いて感光性樹脂組成物を塗布した後、45〜100℃に設定した乾燥炉で乾燥し、所定量の溶剤を除去し、また、必要に応じてカバーフィルム等を積層することによりドライフィルムレジストを得ることができる。この際、ベースフィルム上のレジストの厚さは、2〜100μmに調整される。ベースフィルム及びカバーフィルムとしては、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、TAC、ポリイミド等のフィルムが使用される。これらフィルムは必要に応じてシリコーン系離型処理剤や非シリコーン系離型処理剤等により離型処理されたフィルムを用いてもよい。このドライフィルムレジストを使用するには、例えばカバーフィルムをはがして、ハンドロール、ラミネーター等により、温度40〜100℃、圧力0.05〜2MPaで基板に転写し、前記液状の感光性樹脂組成物と同様に露光、露光後ベーク、現像、加熱処理をすればよい。
感光性樹脂組成物をフィルムとして供給すれば、支持体上への塗布、および乾燥の工程を省略することが可能であり、より簡便に本発明の感光性樹脂組成物を用いたパターン形成が可能となる。
MEMSパッケージ及び半導体パッケージとして用いる場合は、本発明の感光性樹脂組成物で被覆、又は中空構造を作製することにより使用できる。MEMSパッケージ及び半導体パッケージの基板としては種種形状のシリコンウエハ上に、スパッタリング又は蒸着によりアルミニウム、金、銅、クロム、チタン等の金属薄膜を10〜5000Åの膜厚で成膜し、エッチング法等によりその金属を微細加工した基板等が用いられる。場合によっては、さらに無機の保護膜としてシリコンオキサイドやシリコンナイトライドが10〜10000Åの膜厚で成膜されることもある。次いで基板上に、MEMSデバイス又は半導体デバイスを作製又は設置し、このデバイスを外気から遮断するために、被覆又は中空構造を作製する必要がある。本発明の感光性樹脂組成物で被覆する場合は、前記の方法で行なうことができる。また、中空構造を作製する場合は、基板上へ前記の方法で隔壁を形成させ、その上にさらに、前記の方法でドライフィルムをラミネート及び隔壁上の蓋となるようにパターニングを行なうことで、中空パッケージ構造を作製することができる。また、作製後、必要に応じて130〜200℃で10〜120分間、加熱処理をすることで諸特性を満足するMEMSパッケージ部品及び半導体パッケージ部品が得られる。
尚、「パッケージ」とは、基板、配線、素子等の安定性を保つため、外気の気体、液体の浸入を遮断するために用いられる封止方法又は封止されたものである。本発明で記載するパッケージとは、MEMSのような駆動部があるものや、SAWデバイス等の振動子をパッケージするための中空パッケージや、半導体基板、プリント配線版、配線等の劣化を防ぐために行う表面保護や、樹脂封止等をいう。「ウエハーレベルパッケージ」とはウエハーの状態で保護膜、端子、配線加工、パッケージまで行い、その後チップへ切り出すパッケージ工法のことを表す。
本発明の感光性樹脂組成物は、良好な画像解像度、熱安定性、耐薬品及び溶媒溶解性を有し、高温時の貯蔵弾性率が低く、ガラスやシリコン基板などの被着体接合時に基板内部や外周部にボイドを生じないという特徴があるので、例えば、MEMS(微小電子機械システム)部品、マイクロマシン部品、マイクロ流体部品、μ−TAS(微小全分析システム)部品、インクジェットプリンター部品、マイクロ反応器部品、導電性層、LIGA部品、微小射出成形及び熱エンボス向けの型又はこれらのスタンプ、微細印刷用途向けスクリーン又はステンシル、MEMSパッケージ部品、半導体パッケージ部品、BioMEMS及びバイオフォトニックデバイス、並びに、プリント配線板の製作等に利用される。中でも特に、MEMSパッケージ部品及び半導体パッケージ部品において有用である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
合成例1:ポリカルボン酸樹脂(A)の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン429.5g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4004P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量868g/eq.)を868.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.43g加え、120℃に加熱して26時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸304.3g、そして、シクロペンタノン272.5gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価99.6mg・KOH/gのポリカルボン酸樹脂(A)を68%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−1)を得た。
合成例2:ポリカルボン酸樹脂(A)の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン505.8g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4005P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量1070g/eq.)を1070.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.72g加え、120℃に加熱して26時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸304.3g、そして、シクロペンタノン327.4gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価98.4mg・KOH/gのポリカルボン酸樹脂(A)を67%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−2)を得た。
合成例3:ポリカルボン酸樹脂(A)の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン500.3g、エポキシ樹脂(a)としてjER−1004(三菱化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量950g/eq.)を950.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.55g加え、120℃に加熱して30時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸326.2g、そして、シクロペンタノン294.8gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価100.8mg・KOH/gのポリカルボン酸樹脂(A)を66%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−3)を得た。
合成例4:ポリカルボン酸樹脂(A)の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン417.9g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4004P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量868g/eq.)を868.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を107.3g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.39g加え、120℃に加熱して20時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸243.5g、そして、シクロペンタノン265.2gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価92mg・KOH/gのポリカルボン酸樹脂(A)を66%(固形分濃度)含有する樹脂溶液を(A−4)を得た。
合成例5:比較用のポリカルボン酸樹脂の合成
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(10当量)、ジメチロールプロピオン酸(2モル)及びテトラヒドロ無水フタル酸2.55モルを用いて、特開平10−097070号公報の合成例2の記載に準じて、固形分酸化73.0mg・KOH/gの比較用ポリカルボン酸樹脂(A)を70%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−5)を得た。
合成例6:比較用のポリカルボン酸樹脂の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン429.5g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4004P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量868g/eq.)を868.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を40.2g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.29g加え、120℃に加熱して20時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸91.3g、そして、シクロペンタノン246.9gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価40mg・KOH/gの比較用のポリカルボン酸樹脂(A)を68%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−6)を得た。
合成例7:比較用のポリカルボン酸樹脂の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン400.7g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4004P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量868g/eq.)を868.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を67.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.34g加え、120℃に加熱して20時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸152.1g、そして、シクロペンタノン254.3gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価61mg・KOH/gの比較用のポリカルボン酸樹脂(A)を67%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−7)を得た。
合成例8:比較用のポリカルボン酸樹脂の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン500.3g、エポキシ樹脂(a)としてYDF−8170C(新日鐵化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量160g/eq.)を160g仕込み、100℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.42g加え、100℃に加熱して5時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸326.2g、そして、シクロペンタノン294.8gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価98.2mg・KOH/gの比較用ポリカルボン酸樹脂(A)を68%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−8)を得た。
合成例9:比較用のポリカルボン酸樹脂の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン1008.1g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4007P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量2218g/eq.)を2218.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを3.36g加え、120℃に加熱して30時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸326.2g、そして、シクロペンタノン594.8gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価104.2mg・KOH/gの比較用ポリカルボン酸樹脂(A)を68%(固形分濃度)含有する樹脂溶液を(A−9)を得た。
合成例10:ポリカルボン酸樹脂の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン1008.1g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4004P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量868g/eq.)を868.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.50g加え、120℃に加熱して30時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸121.7g、そして、シクロペンタノン594.8gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価80.0mg・KOH/gの比較用ポリカルボン酸樹脂(A)を70%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−10)を得た。
合成例11:比較用のポリカルボン酸樹脂の合成
5Lフラスコに、反応溶媒としてシクロペンタノン1008.1g、エポキシ樹脂(a)としてjER−4004P(三菱化学株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量868g/eq.)を868.0g仕込み、120℃に加熱して樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にアルコール性水酸基含有モノカルボン酸化合物(b)としてジメチロールプロピオン酸を134.1g、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを1.50g加え、120℃に加熱して30時間反応させた。反応液の酸価が7mg・KOH/g以下になったことを確認した後、多塩基酸無水物(c)としてテトラヒドロ無水フタル酸60.9g、そして、シクロペンタノン594.8gを加え、80℃で8時間反応させて、固形分酸価50.2mg・KOH/gの比較用ポリカルボン酸樹脂(A)を68%(固形分濃度)含有する樹脂溶液(A−11)を得た。
以下にアルカリ現像型感光性樹脂組成物の実施例1〜5及び比較例1〜6の調整方法について説明する。
(アルカリ現像型感光性樹脂組成物の調製)
表1に記載の配合量(単位は質量部)に従って、ポリカルボン酸樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、光酸発生剤(C)及びその他の成分を、攪拌機付きフラスコで60℃、1時間攪拌混合し、本発明及び比較用の感光性樹脂組成物を得た。
(感光性樹脂組成物のパターニング)
実施例1〜5及び比較例1〜6の各感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ上にスピンコーターで塗布後、乾燥して、表1に示す膜厚(表1における「塗工後膜厚」は塗布、乾燥した後の膜厚を意味する。)を有する感光性樹脂組成物層を得た。この感光性樹脂組成物層にホットプレートにより65℃で5分間および95℃で15分間のプリベークを行った。その後、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いてパターン露光(ソフトコンタクト、i線)を行い、ホットプレートにより95℃で6分間の露光後ベーク(以下「PEB」と記載する)を行い、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて浸漬法により23℃で5分間現像処理を行い、基板(シリコンウエハ)上に硬化した樹脂パターンを得た。
(感光性樹脂組成物のアルカリ現像性の評価)
上記パターン露光において、現像時アルカリ現像液への溶解性を下記の評価基準で評価した。
評価基準
○:未露光部のみ溶解
△:露光部も溶解
×:溶解しない
(感光性樹脂組成物の感度評価)
前記パターン露光において、マスク転写精度が最良となる露光量を最適露光量とし、それぞれの感光性樹脂組成物の感度の評価を行った。最適露光量の値が小さいほど感度が高いことを表す。結果を下記表1に示した。なお、表中「−」で示したものについては、上記アルカリ現像性の評価において未露光部が溶解しなかった、または露光部も溶解してしまったため感度の評価が不能であったものである。
(感光性樹脂組成物の解像度評価)
前記で得られた最適露光量によるパターン露光において、1、5、10及び20μmのラインアンドスペースのフォトマスクを使用し、残渣がなく解像されたレジストパターン中、基板へ密着している最も細かいパターン幅を測定して解像度の評価を行った。結果を下記表1に示した。なお、表中「−」で示したものについては、上記アルカリ現像性の評価において未露光部が溶解しなかった、または露光部も溶解してしまったため感度の評価が不能であったものである。
(感光性樹脂組成物の貯蔵弾性率評価)
実施例1〜5及び比較例1〜6の各感光性樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(テイジン株式会社製)上に均一に塗布し、ホットプレートにより65℃で5分間及び95℃で15分間のプリベークを行った。その後、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いて全面露光(i線)を行い、ホットプレートにより95℃で6分間のPEBを行い、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて浸漬法により23℃で5分間現像処理を行い、窒素ブローにて乾燥後、ダンベルカッターにて切り出し、オーブンにより180℃で60分間のベークを行い、貯蔵弾性率測定用サンプルを作製した。動的粘弾性測定装置(DMS、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)で、これらサンプルの30℃から300℃までの貯蔵弾性率を測定し、150℃での貯蔵弾性率を下記の評価基準で評価した。結果を下記表1に示した。尚、この測定サンプルはJIS規格(JIS K7162)に従い作製した。
評価基準
150℃での貯蔵弾性率が
○:5MPa未満
△:5MPa以上10MPa未満
×:10MPa以上
Figure 0005839736
尚、表1における(A−1)〜(F)はそれぞれ下記を示す。
(A−1):合成例1に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−2):合成例2に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−3):合成例3に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−4):合成例4に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−5):合成例5に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−6):合成例6に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−7):合成例7に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−8):合成例8に記載のポリカルボン酸樹脂
(A−9):合成例9に記載のポリカルボン酸樹脂
(B−1):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名 jER4007、三菱化学株式会社製、エポキシ当量2270g/eq.)
(B−2):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名 YDF−8170C、新日鐵化学株式会社製、エポキシ当量160g/eq.)
(C):光酸発生剤(トリス[4−(4−アセチルフェニル)スルホニルフェニル]スルホニウムテトラキス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ボレート、商品名 PAG290、BASF社製)
(D):溶剤(シクロペンタノン、日本ゼオン株式会社製)
(E):フッ素系レベリング剤(商品名 ベイシロン3739、バイエル社製)
(F):シランカップリング剤(商品名 S−510、チッソ株式会社製)
実施例6
(本発明の感光性樹脂組成物からなるドライフィルムレジスト)
上記実施例1にて得られた感光性樹脂組成物を膜厚15μmのポリプロピレン(PP)フィルム(ベースフィルム、東レ株式会社製)上に均一に塗布し、温風対流乾燥機により65℃で5分間および80℃で20分間乾燥した後、露出面上に膜厚38μmのPPフィルム(カバーフィルム)をラミネートして、15μmの膜厚のドライフィルムレジストを含んでなる感光性樹脂組成物積層体を調製した。
(ドライフィルムレジストのパターニング)
前記で得られた感光性樹脂組成物積層体からカバーフィルムを剥離し、ロール温度70℃、エアー圧力0.2MPa、速度0.5m/minでシリコンウエハ上にラミネートした後にベースフィルムを剥離することからなる工程を4回行い、60μmの感光性樹脂組成物層を得た。この感光性樹脂組成物層に、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いてパターン露光(ソフトコンタクト、i線)を行った。その後、ホットプレートにより95℃で4分間のPEBを行い、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて浸漬法により23℃で4分間現像処理を行い、基板上に硬化した樹脂パターンを得た。最適露光量500mJ/cm、細線密着パターン幅10μmと良好な結果が得られた。
本発明にかかる感光性樹脂組成物は、良好な画像解像度、熱安定性、耐薬品及び溶媒性特性を保有し、高感度でかつ高温での貯蔵弾性率が低いため、ガラスやシリコン基板などの被着体をボイドなく接合することについて有用であり、特に、MEMS部品、MEMSパッケージ部品及び半導体パッケージ等の分野で寸法安定性が高く、耐久性の高い樹脂成形に適している。

Claims (8)

  1. 両末端にエポキシ基を有するエポキシ当量が600〜1300g/eq.の二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂(a)及びアルコール性水酸基を有するモノカルボン酸化合物(b)の反応物(ab)と、多塩基酸無水物(c)との反応物であるポリカルボン酸樹脂(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)並びに光酸発生剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対する該モノカルボン酸化合物(b)の付加率が80当量%以上であり、かつ反応物(ab)の1級水酸基1当量に対する多塩基酸無水物の付加率が80当量%以上であるアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(a)が、ビスフェノールA型またはF型である請求項1に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  3. モノカルボン酸化合物(b)が、ジメチロールプロピオン酸またはジメチロールブタン酸である請求項1または2に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  4. 多塩基酸無水物(c)が、無水フタル酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸からなる群から選択される1種または2種以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  5. ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が、90〜105mg・KOH/gである請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  6. エポキシ樹脂(B)が、両末端にエポキシ基を有する二官能のエポキシ樹脂である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなるドライフィルムレジスト。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物、若しくは請求項7に記載のドライフィルムレジストの硬化物。
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