JPWO2009139462A1 - 有機シリコン化合物およびシリカ系微粒子形成用材料 - Google Patents

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Abstract

特定のアルコキシオルガノポリシロキサン部分と、このポリシロキサン部分に結合されたアルコキシシラン基を含む部分と、このポリシロキサン部分に結合された樹脂相溶性鎖または反応性官能基を含む部分とを有する有機シリコン化合物。

Description

本発明は、有機シリコン化合物およびシリカ系微粒子形成用材料に関する。
プラスチックは様々な産業分野で使用されているが、特に電子機器や自動車などの耐久製品では、強度の向上が求められている。
プラスチックの強度を向上するための関連技術として、微粒子状の金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニア等)を充填剤として配合することが行われている。近年、直径1ミクロン以下、特にナノサイズのシリカ超微粒子の配合による高い補強効果が注目されている。
しかしながら、シリカ微粒子は、表面の水酸基によって凝集しやすいため、プラスチック中での分散性が低く、またプラスチックの種類によっては、プラスチック/微粒子界面での密着性が不十分な場合があり、十分な改善効果が得られないことが多い。
そこで、シリカ微粒子の表面を、反応性有機化合物、例えば、有機シリコン化合物や有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物などの有機金属化合物、各種カルボン酸で処理することで、プラスチック中でのシリカ微粒子の分散性やプラスチック/微粒子界面の密着性を改善することが行われている。例えば特許文献1(特開2004−269773号公報)には、シリカ等の酸化化合物を、疎水基を含む改質剤と極性基を含む改質剤を用いて順次表面処理し、その酸化化合物を熱可塑性樹脂に配合することによって、酸化化合物が均一に分散し、熱可塑性樹脂の官能基と強固に結合した樹脂組成物が得られることが記載されている。また特許文献2(特開昭62−236821号公報)には、エポキシ樹脂と、硬化剤と、シリカ等の無機物表面にシリコーンゴム層および樹脂との反応層を順次被覆した無機充填剤との混合物からなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物が記載されている。
その他の表面処理技術として、シリカ微粒子の表面に特定の有機化合物層、例えばポリシロキサン層を設けることによりシリカ微粒子表層における応力を緩和するなど、高機能化の検討が行われている。この例として、特許文献3(特開平2002−327030号公報)には、シリカ微粒子をコアとし、その表面に共有結合を介してポリオルガノシロキサン及び疎水性重合性モノマーの重合物を含むシェル層を設けたコアシェル型微粒子が記載されている。
一方、近年、アルコキシシラン化合物をプラスチック中に予め混合し、その後、アルコキシ基同士を縮合させ、ナノサイズのシリカ微粒子あるいはこれに類似する構造をもつ微粒子(以下これらを総称して「シリカ系微粒子」という)をプラスチック中で形成させる、いわゆる、ゾル−ゲル法ナノコンポジットの検討が行われている。この方法は、プラスチック中のシリカ系微粒子の高分散化に有効であり、結果、高い補強効果、特に剛性(弾性率、ヤング率)の向上を図ることができる。この例として、例えば、特許文献4(特開平6−136321号公報)には、ポリウレタンと、加水分解性アルコキシシラン(又はその部分縮合物)と、必要に応じて触媒とを低級アルコールに溶解し、得られたアルコールゾル溶液を基材に塗布し、乾燥して、ポリウレタン・シリカハイブリッド体を製造することが記載されている。また、特許文献5(特開2006−183021号公報)には、親水性基を有する水分散ポリウレタンと、珪酸塩と、酸とを反応させるか、又はこの水分散ポリウレタンと、アルキル珪酸とを中性あるいはアルカリ性下で反応させることによって、ポリウレタンとポリケイ酸を同時に析出させ、ポリウレタン・ポリケイ酸コンポジットを得ることが記載されている。
上記のような、各種有機化合物を用いた表面処理による表面改質微粒子は、プラスチックと複合化した際の機能向上に有効ではあるが、微粒子への表面処理剤の噴霧や処理剤溶液中での微粒子の浸漬などの表面処理工程が必要であり、その処理自体に手間がかかり、製造プロセスが煩雑になる。表面処理工程では、微粒子が凝集しやすく、特に直径1ミクロン以下の超微粒子は凝集しやすいため、微粒子の表面処理を、凝集を防ぎながら行うことは困難であり、結果、処理効果が不十分となったり、製品中の凝集物が増大したりする問題が生じる。また、微粒子表面に異なる機能をもつ複数の層を形成する場合は、一層複雑な工程を要し、多大な手間がかかる。さらに、表面処理剤同士が反応しやすいため、処理効率が低下したり、残存した処理剤の回収や再利用が難しい。このため、表面処理により高機能化された金属酸化物微粒子の生産性は、極めて低いという問題がある。
これに対して、上記のようなゾル−ゲル法ナノコンポジット技術は、プラスチック中の微粒子の高分散化に有効である。しかし、このようなナノコンポジット技術は、プラスチックの剛性の向上には有効であっても、伸び(破断時、または最大応力時)に対しては不十分であった。すなわち、ナノサイズの超微粒子表面の高機能化の取り組みは不十分であり、破断時の最大応力とともに伸びを向上させる、つまり強靭性の改良は重要な課題である。
本発明の目的は、上述した課題を解決する、プラスチックの強度向上に有効なシリカ系微粒子を生産性よく形成可能な、有機シリコン化合物を提供することにある。
本発明の態様によれば、以下の有機シリコン化合物およびシリカ系微粒子形成用材料を提供することができる。
(1)式(I):
Figure 2009139462
(R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基、Xは連結基を示し、aは2又は3、bは0、1又は2、cは2又は3、dは0又は自然数を示し、但しa−bは1以上であり、aが2の場合は1個のRがROの結合するSi原子に直接結合し、cが2の場合は1個のRがROの結合するSi原子に直接結合する)
で表される第1セクションと、
式(IIa):
Figure 2009139462
(Rは炭素数がR、R及びRの炭素数以上のアルキル基を示し、Rは炭素数が1から10のアルキル基、炭素数が6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基または炭素数が7から10のアラルキル基を示し、R及びRがそれぞれ一分子中に複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい)
で表される単位を有するアルコキシオルガノシロキサン構造部からなり、第1セクションに結合している第2セクションと、
第2セクションに結合している、式(III):
Figure 2009139462
(Rは有機分子鎖もしくは有機シリコン分子鎖または反応性官能基を示し、Yは連結基を示す)
で表される第3セクションを有する有機シリコン化合物。
(2)Rは炭素数がR、R及びRの炭素数より1から4個多いアルキル基である、上記1項に記載の有機シリコン化合物。
(3)R、R及びRがメチル基またはエチル基である、上記1項又は2項に記載の有機シリコン化合物。
(4)R、R及びRはメチル基またはエチル基であり、Rは炭素数がR、R及びRの炭素数と同じアルキル基である、上記1項又は2項に記載の有機シリコン化合物。
(5)dが0である、上記1項から4項のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
(6)第1セクションは、式(IV):
Figure 2009139462
(Rは炭素数1から3のアルキル基、Xは連結基を示し、nは3以上の整数を示す。)
で表される、請求項1に記載の有機シリコン化合物。
(7)Rは炭素数がRの炭素数より1から4個多いアルキル基である、上記6項に記載の有機シリコン化合物。
(8)Rがアルキル基である、上記1項から7項のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
(9)式(IIa)で表される単位と式(IIb):
Figure 2009139462
(R及びRはそれぞれ独立に炭素数が1から10のアルキル基、炭素数が6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基または炭素数が7から10のアラルキル基を示し、R及びRがそれぞれ一分子中に複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい)
で表される他のシロキサン単位のモル比([IIa]/([IIa]+[IIb]))が0.2〜1の範囲にある、上記1項から8項のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
(10)第2セクションのオルガノシロキサン構造部の重合度が2から30の範囲にある、上記1項から9項のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
(11)第2セクションのオルガノシロキサン構造部の重合度が3から15の範囲にある、上記1項から9項のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
(12)上記1項から11項のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物からなるシリカ系微粒子形成用材料。
本発明によれば、プラスチックの強度向上に有効なシリカ系微粒子を生産性よく形成可能な、有機シリコン化合物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本実施形態における有機シリコン化合物は、高機能なシリカ系微粒子を形成することができ、このシリカ系微粒子をプラスチックに配合することにより、強度が改善された樹脂組成物を得ることができる。
表面処理剤を用いて既存のシリカ微粒子を処理する前述の関連技術とは異なり、特定の構造を持つ本有機シリコン化合物を用いることによって、高機能なシリカ系微粒子を、直接、効率よく製造することができる。そして、このシリカ系微粒子は、有機シリコン化合物の構造に由来する、シリカ系コア領域(以下適宜「コア」と表記する)と中間領域(アルコキシオルガノシロキサン縮合体構造を有する領域)と表面領域(有機分子鎖もしくは有機シリコン分子鎖または反応性官能基を含む領域)を持つ層状構造を有し、この層状構造の機能により、このシリカ系微粒子と混合されるプラスチックの強度、特に強靭性を大幅に向上することができる。ここで、「シリカ系コア」とは、シリカ又はこれに近い構造のコアを意味する。
本有機シリコン化合物は、式(I)で示されるアルコキシシラン基を含む部分(第1セクション)と、式(IIa)で示される単位を含む特定のアルコキシオルガノシロキサン部分(第2セクション)と、式(III)で示される有機分子鎖もしくは有機シリコン分子鎖(以下「樹脂相溶性鎖」)または反応性官能基を含む部分(第3セクション)の三つのセクションを有する。
シリカ系微粒子の形成に際しては、第1セクションのアルコキシシラン基同士が分子間で反応してコア(シリカ系コア領域)が形成され、第2セクションのアルコキシ基同士が分子間で反応して中間領域(アルコキシオルガノシロキサン縮合体構造を有する領域)が形成され、そして第3セクションの樹脂相溶性鎖あるいは反応性官能基がシリカ系微粒子表面に配置される。シリカ系微粒子表面の樹脂相溶性鎖のプラスチックに対する相溶効果により、あるいはシリカ系微粒子表面の反応性官能基のプラスチックの官能基との結合により、微粒子/プラスチック界面の密着性が改善される。
この有機シリコン化合物は、第1セクションのアルコキシシラン基のアルコキシ基同士の反応速度が、第2セクションのアルコキシ基同士の反応速度より大きい。これを利用して、第1セクションのアルコキシシラン基同士を反応させ、その後に第2セクションのアルコキシ基同士を反応させることにより、コア、中間領域、表面領域を持つシリカ系微粒子を容易に形成できる。この第1セクションのアルコキシ基が第2セクションのアルコキシ基より反応速度が大きい理由は、第1セクションの方が、第2セクションよりも、アルコキシ基の炭素数が少なく、さらに、アルコキシ基の密度が高く、加えて、分子先端に位置するためである。第1セクションのアルコキシ基の炭素数が1個か2個の場合、反応性が著しく高いため、第2セクションのアルコキシ基と同じ炭素数であっても、アルコキシ基の存在密度と分子の先端位置の要因のみで、第1セクションのアルコキシ基の方が優先的に反応できるので、目的とするシリカ系微粒子を形成できる。
本有機シリコン化合物は、溶液中で、極性と反応性が最も高い第1セクションのアルコキシシラン基の部位を中心にして会合し、そのアルコキシシラン基のアルコキシ基同士が分子間で縮合し、高弾性のケイ素酸化物系コア(シリカ系コア)が形成される。特に、第1セクションが式(IV)で示されるアルコキシシロキサンを有する場合、このアルコキシシロキサン部分は、あらかじめ重合されたシロキサン単位の連鎖であるため、ケイ素酸化物系領域が形成しやすく、高弾性なコアが得られる。その後に、第2セクションのアルコキシ基同士が縮合し、架橋して、低弾性、すなわち応力緩和性のある中間領域(例えばシリコーン領域)がコア上に形成される。そして残った第3セクションが表面側に配置され、すなわち、シリカ系微粒子の表面に所定のプラスチックとの相溶性の高い相溶性鎖や、所定のプラスチックの官能基と結合する反応性官能基が配置される。
本有機シリコン化合物は、第2セクションのアルコキシ基の反応性が第1セクションのアルコキシシラン基内のアルコキシ基の反応性より低いため、このような2段階の反応により、シリカ系微粒子を容易に且つ効率的に形成することができる。前述の関連技術のようにシリカ微粒子の煩雑な表面処理工程を実施することなく、高機能なシリカ系微粒子を製造できるので、その生産性を大幅に向上できる。
また、本有機シリコン化合物から形成されたシリカ系微粒子は、所定のプラスチックに対する微粒子表面の高密着性、中間領域による応力緩和性、コアによる高弾性(高剛性)を併せ持つため、プラスチックの破断時の最大応力と伸び、いわゆる強靭性を大幅に向上できる。さらに、衝撃強度などの他の機械的特性も向上させることができる。
以下、本実施形態についてさらに詳細に説明する。
本実施形態における有機シリコン化合物は、第1セクションとして、式(I)に示されるように、反応性と極性が高いアルコキシシラン基を有している。特に、末端のアルコキシシラン基は、アルコキシ基を2個以上有し、3個有することが好ましい。さらに、反応性および形成されるコアの弾性の観点から、末端のアルコキシラン基と、当該末端アルコキシシラン基のケイ素原子に酸素を介して結合するケイ素原子を含むアルコキシシラン構造部とを有することができる(式中のbが1又は2の場合に相当)。また、コアの形成し易さやコアの弾性の観点から、アルコキシシロキサン単位を有していてもよい(式中のdが0でない場合に相当)。
第1セクションのアルコキシ基(OR、OR、OR)は互いに同一であっても、異なっていてもよい。また、これらのアルコキシ基は、十分な反応性およびコアの弾性を得る観点から、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基(すなわち、R、R、Rがメチル基、エチル基又はプロピル基)であり、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、特にメトキシ基が好ましい。ここで、「プロピル」は、「n−プロピル」又は「イソプロピル」を含む。
式(I)で示される第1セクションは、例えば、以下の構造のいずれかを有することができる。
(1)二つ以上のアルコキシ基を持つ末端ケイ素原子を含むアルコキシシラン構造(例えばb=d=0の場合)、
(2)二つのアルコキシ基を持つ末端ケイ素原子と、該末端ケイ素原子に結合する酸素原子と、該酸素原子に結合し且つ一つ又は二つのアルコキシ基を持つケイ素原子とを含むSi−O−Si構造(例えば、bが1又は2、d=0の場合)、及び
(3)上記構造(1)とアルコキシシラン単位とを含む構造(例えば、式(IV)で示される構造:a=3、b=0、R=R(=R)且つd≧2の場合、これはa=c=3、b=1、R=R=R(=R)且つd≧1の場合と同じ)。
式(I)中のXは、第2セクションとの任意の連結基であり、第1セクションのアルコキシシラン基を第2セクション(アルコキシオルガノシロキサン部分)へ導入する方法に応じた構造を有することができる。すなわち、後述の第2セクション形成用のアルコキシオルガノシロキサンの結合官能基と第1セクションの結合官能基との結合構造に応じた連結部が形成される。シリカ系微粒子の形成後において、中間領域(シリコーン領域)のケイ素原子とコアのケイ素原子とがこの連結部を介して結合した構造を得ることができる。
連結基Xは、第1セクションのケイ素原子に結合した炭化水素基R10を含んでいてもよく、第1セクションのケイ素原子Siと、第2セクションのケイ素原子Siに接続する連結基X’との間に介在して、次式:
Si−R10−X’−Si
で表される連結結合を形成してもよい。炭化水素基R10としては、炭素数1から5の直鎖または分岐のアルキレン基が挙げられる。また、連結基Xは、第1セクションのケイ素原子と第2セクションのケイ素原子との間に酸素原子が介在して、次式:
Si−O−Si
で表される連結結合を形成してもよい。
第1セクションは、式(I)で示される構造に代えて、下記式に示されるような、ケイ素原子に代わるチタン原子、ジルコニウム原子、亜鉛原子、アルミニウム原子を含む種々の構造とすることができる。なお、アルミニウム原子を含む場合は、式中のaは1又は2、bは0又は1、cは1又は2を示し、他の場合は式(I)と同じである。
Figure 2009139462
また、第1セクションは、式(IV)で示されるアルコキシシロキサンを有する構造とすることができる。その場合、このアルコキシ基(OR)は、十分な反応性およびコアの弾性を得る観点から、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基(すなわち、Rがメチル基、エチル基又はプロピル基)であり、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、特にメトキシ基が好ましい。ここで、「プロピル」は、「n−プロピル」又は「イソプロピル」を含む。また、このアルコキシシロキサン部分の平均重合度はその下限側が3以上であることが好ましく、4以上がより好ましく、上限側は特に限定されないが30以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。この平均重合度が低すぎると剛性付与効果等のアルコキシシロキサン部分の導入効果が十分でなくなり、逆に高すぎると、形成されるケイ素酸化物系微粒子が大きくなりすぎて、プラスチック中での分散性や強靭性改良効果が低下する場合がある。
第1セクションは、式(IV)で示される構造に代えて、下記式に示されるような、ケイ素原子に代わるチタン原子、ジルコニウム原子、亜鉛原子、アルミニウム原子を含む種々の構造とすることができる。
Figure 2009139462
本有機シリコン化合物の第2セクションのアルコキシ基(OR)は、第1セクションのアルコキシシラン基のアルコキシ基(OR、OR、OR)より反応性を低くする点から、当該アルコキシ基より炭素数が1から4個多いことが好ましく、より十分な反応性の違いを得る点から炭素数が2から4個多いことがより好ましく、さらに十分な反応性を確保する点を考慮すると炭素数7個以下が好ましく、5個以下がより好ましい。なお、前記の通り、第1セクションのアルコキシ基の炭素数が1個か2個の場合は、第2セクションのアルコキシ基(OR)の炭素数が第1セクションのアルコキシ基の炭素数と同じであっても所望の反応性の違いを得ることができる。アルコキシ基(OR)を持つシロキサン単位間でRは互いに同じであっても異なっていてもよい。このようなアルコキシ基は、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基から選択することができる。すなわち、上記式中のRは、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、直鎖又は分岐したペンチル基、直鎖又は分岐したヘキシル基、直鎖又は分岐したヘプチル基から選択することができる。
第1セクションのアルコキシ基がメトキシ基の場合、第2セクションのRは、メチル基にすることができ、また、第1セクションのアルコキシ基と第2セクションのアルコキシ基の反応性差をより大きくする点から、炭素数2から5のアルキル基から選択することができ、炭素数3から5のアルキル基から選択することが好ましく、プロピル基又はブチル基がより好ましく、プロピル基(特にn−プロピル基)が最も好ましい。また、第1セクションのアルコキシ基がエトキシ基の場合、第2セクションのRは、エチル基にすることができ、また、第1セクションのアルコキシ基と第2セクションのアルコキシ基の反応性差をより大きくする点から、炭素数3から6のアルキル基から選択することができ、炭素数3から5のアルキル基から選択することが好ましい。
第2セクションの有機基Rは、炭素数1から10のアルキル基、好ましくは1から5のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基、炭素数7から10のアラルキル基である。Rを持つシロキサン単位が分子内に複数ある場合は、Rはシロキサン単位間で互いに同じであっても異なっていてもよい。炭素数1から10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、直鎖または分岐したペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。炭素数6から10のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数2から10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等が挙げられる。炭素数7から10のアラルキル基としては、前記アルキル基に前記アリール基が置換したものが挙げられる。
第2セクションの有機基R、Rは、それぞれ独立に、炭素数が1から10、好ましくは1から5のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基、炭素数7から10のアラルキル基である。R、Rを持つシロキサン単位が分子内に複数ある場合は、R、Rはそれぞれシロキサン単位間で互いに同じであっても異なっていてもよい。R、Rのアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基としては、Rについて例示した上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基が挙げられる。
本有機シリコン化合物の第2セクションのシロキサン部分の平均重合度はその下限側が2以上であり、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、上限側は特に限定されないが30以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。この平均重合度が低すぎると応力緩和効果が十分でなくなり、逆に高すぎると、形成されるシリカ系微粒子が大きくなりすぎて、プラスチック中での分散性や強靭性改良効果が低下する場合がある。
第2セクションのシロキサン部分は、その末端ケイ素原子に、原料のアルコキシシランに由来するアルコキシ基および有機基が結合した構造を有することができる。これらのアルコキシ基および有機基は、上述の第2セクションのシロキサン単位のアルコキシ基および有機基と同様なものが挙げられる。この末端ケイ素原子を含む末端シロキサン単位に、第1セクション又は第3セクションが導入されていてもよい。
第3セクションのRは、樹脂相溶性鎖または反応性官能基であり、本有機シリコン化合物から形成されるシリカ系微粒子を配合する所定のプラスチックと相溶性のある鎖、または所定のプラスチックの官能基と結合可能な官能基である。この第3セクションは、所定のプラスチックの種類に応じて、相溶性または結合反応性を考慮して任意の構造とすることができる。この樹脂相溶性鎖は、有機分子鎖または有機シリコン分子鎖であり、有機シリコン分子鎖とは、シロキサン結合鎖(オルガノポリシロキサン)、または、有機分子がケイ素又はシロキサンに結合したものを意味する。これらは、第1及び第2セクションの縮合反応の際に、反応性が低い、或いは反応しないものが望ましい。
このような第3セクションは、第2セクションのシロキサン単位へ連結基Yを介して結合される。この連結基Yは、第2セクションへの第3セクションの導入方法に応じた構造を有することができる。すなわち、後述の第2セクション形成用のアルコキシオルガノシロキサンの結合官能基と第3セクションの結合官能基との結合構造に応じた連結部が形成される。シリカ系微粒子形成後において、樹脂相溶性鎖または反応性官能基と中間領域(例えばシリコーン領域)のケイ素原子とがこの連結部を介して結合した構造を得ることができる。
本有機シリコン化合物は、第1セクションが他のセクションより高い極性を持つため、前述のように、溶液中で、第1セクションのアルコキシシラン基を中心にして会合し、そのアルコキシ基同士が分子間で縮合して、高弾性のケイ素酸化物系材料からなるコアが形成される。第2セクションのアルコキシ基は、第1セクションのアルコキシシラン基中のアルコキシ基より反応速度が遅く、しかも存在密度が低いため、これを利用してコア形成の際に縮合反応を抑えることができ、コアが形成された後に、縮合して架橋することができる。このようにしてコアの外周に形成された中間領域は、第2セクション中のシロキサン単位に由来する低極性の構造を有するため、低弾性、すなわち応力緩和性を持つ。そしてこの中間領域の形成とともに、第3セクション由来の樹脂相溶性鎖あるいは反応性官能基が、形成されたシリカ系微粒子の最も外側に配置され、プラスチックとの相溶化や結合が可能な表面領域が形成される。
本有機シリコン化合物の第2セクションのアルコキシオルガノシロキサン部分は、式(IIa)の単位の単独連鎖から形成されていてもよいし、式(IIa)の単位と他のシロキサン単位との連鎖から形成されていてもよい。他のシロキサン単位としては、式(IIb)で表される単位が好ましい。第2セクションのアルコキシオルガノシロキサン部分における式(IIa)の単位の含有量は20モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。他のシロキサン単位が式(IIb)の単位である場合は、式(IIa)の単位と式(IIb)の単位のモル比([IIa]/([IIa]+[IIb]))は、0.2〜1の範囲に設定することができ、0.4〜1の範囲が好ましい。式(IIa)の単位の含有比率が低すぎると、シリカ系微粒子形成時の反応性が低下して十分な架橋構造が形成されない場合がある。
このような有機シリコン化合物から形成されるシリカ系微粒子の中間領域のR/Si比(Si原子と、シロキサンケイ素原子に直接結合する有機基Rとのモル比)は、1〜1.8の範囲に設定することができ、1〜1.6の範囲が好ましい。このR/Si比が高すぎると、十分な架橋構造が形成されていないために、所望の効果が得られない場合がある。なお、シロキサンケイ素原子に直接結合する有機基Rは、式中のR、R、Rを含む。
本有機シリコン化合物の製造は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノシロキサンに、第1セクション(アルコキシシラン基含有部)、および第3セクション(樹脂相溶性鎖または反応性官能基含有部)を導入することによって実施できる。
例えば、第2セクションの構造を有するアルコキシオルガノポリシロキサン(アルコキシシリコーン)に、第3セクションを含む化合物(第3セクション導入用化合物)を反応させた後で、第1セクションを含む化合物(第1セクション導入用化合物)を反応させることができる。あるいは、これらの反応の順序を入れ替えてもよい。反応性官能基の組み合わせを最適化できれば、これらの化合物を一緒に混合して反応させることも可能である。
本有機シリコン化合物の製造において、第1セクション導入用化合物として、アルコキシオルガノシロキサンと反応できる官能基(結合官能基)と、式(I)で示される構造に対応する複数個のアルコキシ基を持つアルコキシシラン基を有する有機シリコン化合物を用いることができる。
このような第1セクション導入用化合物としては、結合官能基を有するアルコキシオルガノシラン化合物(例えば、結合官能基を有するトリアルコキシオルガノシラン、結合官能基を有するジアルコキシオルガノシラン)を用いることができる。このアルコキシオルガノシラン化合物のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基である。このアルコキシ基の一部は塩素原子等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。このアルコキシオルガノシラン化合物が有する結合官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、ビニル基、メタクリル基、ヒドロキシル基、ヒドロシリル基が挙げられ、アルコキシオルガノシロキサンのユニット中の官能基と反応できる基であればよい。このような結合官能基を持つアルコキシオルガノシラン化合物の具体例としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、カルボキシメチルトリメトキシシラン、カルボキシメチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等がある。
特に、第1セクション導入用化合物が、式(IV)で示されるアルコキシシロキサンを有する場合、結合官能基としては、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基が挙げられる。このヒドロキシル基は、アルコキシ基の反応により形成することができる。アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基等の官能基は、これらの官能基、及びアルコキシ基(若しくはヒドロキシル基)と反応する基を持つ化合物を、アルコキシシロキサン中のアルコキシ基(若しくはヒドロキシル基)と反応させることにより導入することができる。このような結合官能基を持つアルコキシシロキサンとしては、メトキシシリコーン、エトキシシリコーン、プロピルオキシシリコーンなどが挙げられる。これらのアルコキシシロキサンは、そのアルコキシ基を結合官能基としてそのまま利用したり、このアルコキシ基から変換されたヒドロキシル基を結合官能基として利用することができ、結合官能基を導入するための工程を省略あるいは簡略化できる。
第2セクション形成用の化合物としては、第1セクションのアルコキシシラン基中のアルコキシ基よりも反応性が低いアルコキシ基と有機基(アルキル基等)を持つシロキサン単位を有するアルコキシシリコーン等のアルコキシオルガノシロキサンを用いることができる。このアルコキシオルガノシロキサンは、第1セクション導入用化合物の結合官能基と結合させるための官能基と、第3セクション形成用化合物と結合させるための官能基を有する。
第2セクション形成用のアルコキシオルガノシロキサンのアルコキシ基は、第1セクションのアルコキシシラン基のアルコキシ基より炭素が1から4個多いことが好ましい。また、このシロキサン単位中のアルキル基は、炭素数1から10、好ましくは炭素数1から5であり、このアルキル基に代えて炭素数6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基、又は炭素数7から10のアラルキル基であってもよい。特に、第1セクションのR、R及びRがメチル基又はエチル基の場合、第2セクションのRは、R、R及びRと同じ炭素数のアルキル基にしてもよい。このアルコキシオルガノシロキサン中のシロキサンケイ素原子に直接結合するアルコキシ基と有機基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基)の割合は、これらの総数に対してアルコキシ基のモル比を10%以上に設定でき、20%以上が好ましく、また80%以下に設定でき、60%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。アルコキシ基の割合が低すぎると、シリカ系微粒子形成時の反応性が低下して十分な架橋構造が形成されない場合があり、この割合が高すぎると、架橋密度が高くなりすぎて応力緩和性が不十分になる場合がある。
第1セクション導入用化合物または第3セクション導入用化合物と結合させるための、第2セクション形成用のアルコキシオルガノシロキサン中の官能基(結合官能基)としては、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基が挙げられる。このヒドロキシル基は、アルコキシ基の反応により形成することができる。アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基等の官能基は、これらの官能基、及びアルコキシ基(若しくはヒドロキシル基)と反応する基を持つ化合物を、アルコキシオルガノシロキサン中のアルコキシ基(若しくはヒドロキシル基)と反応させることにより導入することができる。このような結合官能基を持つアルコキシオルガノシロキサンとしては、プロピルオキシメチルシリコーン、プロピルオキシヒドロキシメチルシリコーン、プロピルオキシヒドロキシフェニルメチルシリコーンなどが挙げられる。これらのアルコキシオルガノポリシロキサンは、そのアルコキシ基を結合官能基としてそのまま利用したり、このアルコキシ基から変換されたヒドロキシル基を結合官能基として利用することができ、結合官能基を導入するための工程を省略あるいは簡略化できる。
第3セクション形成用の化合物は、本有機シリコン化合物から形成されたシリカ系微粒子を配合する所定のプラスチックと相溶できる樹脂相溶性鎖、またはこのプラスチックと反応できる官能基(反応性官能基)と、第2セクションと結合できる官能基(結合官能基)とを有する、有機化合物あるいは有機シリコン化合物である。これらの化合物の構造は、所定のプラスチックの分子構造に応じて決定することができる。
第2セクションと結合できる結合官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、ビニル基、メタクリル基、ヒドロキシル基、ヒドロシリル基が挙げられ、アルコキシオルガノシロキサンのユニット中の官能基と反応できる基であればよい。
樹脂相溶性鎖を有する第3セクション形成用化合物は、その樹脂相溶性鎖部分が所定のプラスチックの構造と共通する部分を有していたり、類似する部分を有していたり、例えば同じ或いは類似の単位の連鎖を有していることが好ましい。この樹脂相溶性部分の数平均分子量は、十分な相溶性効果を得る点から、所定のプラスチックの平均分子量より小さいことが好ましく、50%以下であることがより好ましく、また所定のプラスチックの数平均分子量に対して1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。また、この樹脂相溶性部分の数平均分子量は、100以上が好ましく、200以上がより好ましく、また10000以下が好ましく、2000以下がより好ましい。この平均分子量が低すぎると十分な相溶性効果が得られない場合があり、この平均分子量が高すぎると、シリカ系微粒子の表層が厚くなりすぎて、本シリカ系微粒子が凝集しやすくなり、十分な分散性が得られない場合がある。
この樹脂相溶性鎖は、所定のプラスチックとの相溶性が十分であれば、所定のプラスチックと共通あるいは類似の構造を有していなくてもよい場合がある。その際は、樹脂相溶性鎖の溶解度パラメーター(SP値)が所定のプラスチックのSP値と同じか近いことが好ましく、具体的には、そのプラスチックのSP値の70%以上130%以下の範囲内であることが好ましい。
所定のプラスチックと反応できる反応性官能基としては、例えば、アルコキシ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基、チオール基、ビニル基、メタクリル基、ヒドロシリル基などが挙げられる。
第3セクション形成用化合物は、所定のプラスチックが、ポリエステルの場合は、ポリエステル誘導体、ポリカプロラクトン、ポリエチレングルコール、エポキシシリコーン、ポリオキシアルキレンシリコーンなどが挙げられ、エポキシ樹脂の場合は、エポキシ樹脂誘導体、フェノール樹脂誘導体、カルボキシシリコーン、アミノシリコーン、ヒドロキシシリコーン、エポキシシリコーン、ポリオキシアルキレンシリコーン、ポリカプロラクトンなどが挙げられ、ポリオレフィンの場合はポリオレフィン誘導体などが挙げられ、ポリスチレンの場合は、ポリスチレン誘導体、アクリロニトリル誘導体などが挙げられる。セルロース系樹脂、例えば酢酸セルロースの場合は、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
例えば以下のようにして、本有機シリコン化合物からシリカ系微粒子を形成し、このシリカ系微粒子をプラスチックへ配合し、分散させ、樹脂組成物(プラスチック複合材料)を製造することができる。
本有機シリコン化合物が溶解または分散できる溶媒中に本有機シリコン化合物を添加して混合溶液を作製し、この溶液中で適切な条件下、例えば、加熱、酸触媒または塩基触媒、さらに必要に応じて適正量の水を加えて、本有機シリコン化合物からシリカ系微粒子を形成できる。この後、この溶液に所定のプラスチックを加え、溶解あるいは分散させ、その後で、溶媒を蒸発させて複合材料を形成できる。あるいは、この溶媒を蒸発させた後に、プラスチックを加え、加熱溶融して混合することで複合材料を形成できる。さらに、特定の条件下であれば、分散あるいは溶融等による液状化したプラスチック中に本有機シリコン化合物を添加し、プラスチック存在下でシリカ系微粒子を形成して、複合材料を製造することもできる。
上記の溶媒としては、本有機シリコン化合物が、溶解あるいは分散できるものであれば、特に制限はない。例えば、親水性溶媒の、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ピリジンなどを使用でき、または、クロロホルム、ジクロロメタンなどの疎水性溶媒も使用でき、さらにこれらの混合溶媒も使用できる。
上記の酸触媒としては、ギ酸、酢酸等の有機酸、塩酸等の無機酸などが挙げられ、塩基触媒としては、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
本発明によるシリカ系微粒子の粒子径は、十分な樹脂強度向上効果を得る点から、1nm〜10μmの範囲が好ましく、1nm〜1000nmの範囲がより好ましく、5nm〜500nmの範囲がさらに好ましく、5〜100nmの範囲が特に好ましい。
本有機シリコン化合物から形成されたシリカ系微粒子を配合するプラスチックとしては、特に制限はないが、本有機シリコン化合物から形成されるシリカ系微粒子(あるいは有機シリコン化合物自体)と溶液中、あるいはプラスチックの分散物あるいは溶融物中で、均一に混合できるものが好ましい。例えば、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネート、ポリカーボネートなどのポリエステルや、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミド、セルロース系樹脂、特に酢酸セルロースなどが挙げられる。
本有機シリコン化合物から形成されたシリカ系微粒子のプラスチック中の添加量は、十分な添加効果を得る点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。一方、成形性等のプラスチックの特性を大きく損なわない観点から、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
本シリカ系微粒子を含む樹脂組成物には、通常使用されている添加剤をさらに配合してもよく、この添加剤としては、例えば、有機物や無機物の繊維状または粒子状の充填剤、難燃剤、可とう性付与剤、可塑剤、耐候剤などが挙げられる。この樹脂組成物への添加剤の混合方法は、特に制限はなく、公知の混合機、例えば、タンブラー、リボンブレンダー、単軸や二軸の混練機等による混合や、押出機、ロール等による溶融混合が挙げられる。
本シリカ系微粒子を含む樹脂組成物は、圧縮成形法、射出成形法、フィルム成形法、ブロー成形法、発泡成形法等の通常の成形法により、電化製品の筐体などの電気・電子機器用途、建材用途、自動車部品用途、日用品用途、医療用途、農業用途などの成形体に加工できる。
以下、比較例とともに実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
有機シリコン化合物とシリカ系微粒子は以下の合成例に従って製造した。
[合成例1](有機シリコン化合物1の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(A)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのプロポキシ基のプロピル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(B)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(C)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物1は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンに樹脂相溶性鎖を導入し、次いで、アルコキシシラン基を含有する有機基を導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)プロピルオキシメチルシリコーンを合成、
(b)末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成、
(c)プロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを結合してシリコーン結合体を形成、
(d)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンにシラノール基を形成、
(e)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンのシラノール基とイソシアネートプロピルトリメトキシシランを結合。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)
200mlのナスフラスコに、メチルトリプロポキシシラン(信越化学工業株式会社製、LS−3630)22.0g(100mmol)、1−プロパノール60g(1mol)及びpHを2.5に調節した塩酸水溶液9.0gを加え、大気中20℃で3時間攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液2.4gを加えて、塩酸を中和し、次いで硫酸マグネシウム(無水)300gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、次いでロータリーエバポレーターを用いて、1−プロパノールと未反応のメチルトリプロポキシシランを留去し、直鎖状のプロピルオキシメチルシリコーンを得た。収率は80%であった。H−NMRからこの数平均分子量は800(平均重合度:6)であることを確認した。
工程(b)
下記反応式に示すように、次のようにして、1−ブタノールを開始剤として、ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製、PLACCE M)を開環重合し、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成した。
100mlのナスフラスコに、ε−カプロラクトン22.8g(200mmol)、1−ブタノール5.0g(67mmol)、触媒としてオクチル酸スズ6.8×10−3gを加え、窒素雰囲気下150℃で、10時間攪拌した。その後、加熱減圧蒸留(150℃、10mmHg(1.33kPa))により、未反応のε−カプロラクトン、1−ブタノールを除去した。H−NMRから、数平均分子量が550のオリゴマーであることを確認した。収率は95%であった。
Figure 2009139462
工程(c)
上記のプロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを、次のようにして、プロピルオキシ基とヒドロキシル基間での脱アルコール反応により結合させた。
100mlの三口ナスフラスコに、プロピルオキシメチルシリコーン5.4g、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトン3.3g(6mmol)、触媒としてメタンスルホン酸6.0×10−2g(6mmol)、トルエン20mlを加え、これに減圧蒸留装置と滴下ロートを備え付け、トルエンを毎分1mlの速度で滴下し、150mmHg(20kPa)の減圧下60℃で、発生する1−プロパノールとトルエンを留去しながら、5時間攪拌した。その後、ピリジン4.9×10−2g(6mmol)を加えて、メタンスルホン酸を中和し、ろ過により、塩を除去後、ロータリーエバポレーターを用いて、残存した1−プロパノールとトルエンを留去した。H−NMRから、反応率は98%であった。
工程(d)
上記結合体のプロピルオキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換した。
100mlの三角フラスコに、上記結合体3.8g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液1.5g、アセトン30mlを加え、大気中20℃で1時間攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.4gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は13%と算出され(平均で1分子中に一つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
工程(e)
シラノール基が形成された上記結合体とイソシアネートプロピルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製、SII6456.0)とを、次のようにして、シラノール基とイソシアネート基間での反応により結合させた。
20mlのナスフラスコに、上記結合体3.4g、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン0.5g(2.5mmol)、触媒としてオクチル酸スズ1.0×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、24時間静置した。H−NMRから、反応率は90%であった。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、1700であった。
[合成例2](シリカ系微粒子1の製造)
上記の有機シリコン化合物から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子を製造した。
(1)第1セクションのメトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのプロピルオキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3セクション由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
50mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物を1.9g、純水1.8g(100mmol)、28%アンモニア水1.6g、アセトン10mlを加え、大気中20℃で、48時間静置した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したメタノール、水、アンモニア、アセトンを留去した。H−NMRから、メトキシ基の反応率は83%であり、プロピルオキシ基の反応は、ほとんど進行していないこと(5%以下)を確認した。
工程(2)
200mlのナスフラスコに冷却管を備え付け、工程(1)で得られた縮合体0.5g、クロロホルム100ml、純水5.0×10−2g(2.8mmol)、アセトン5mlを加え、大気中70℃でクロロホルムを沸点還流させ、10時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したプロパノール、水、クロロホルムの一部を留去し、シリカ系微粒子のクロロホルム分散溶液を得た。H−NMRから、シリコン化合物の第2セクションのプロピルオキシ基の反応率は85%であることを確認した。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約30nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例1]
脂肪族ポリエステル樹脂としてポリ乳酸(ユニチカ製、TE−4000、数平均分子量9.1×10)100gを、上記シリカ系微粒子5gを含むクロロホルム500ml中に、添加・混合した。その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去して、シリカ系微粒子を5質量%含むポリ乳酸樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を180℃のホットプレート上で加熱溶融して、型に流しこみ、厚さ2mm、長さ40mm、幅25mmの試験片を作製した。そしてこの試験片を、JIS K7171規格で規定された方法で、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。最大応力の時点で破断しないサンプルに対しては、伸びが10%になるまで測定を継続した。そして試験片5本の測定値の平均を求め、小数点以下の数値は四捨五入した。評価結果を表1に示す。
[合成例3](有機シリコン化合物2の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(D)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのエトキシ基のエチル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(E)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(C)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物2は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンに樹脂相溶性鎖を導入し、次いで、アルコキシシラン基を含有する有機基を導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)エトキシメチルシリコーンを合成、
(b)末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成、
(c)エトキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを結合してシリコーン結合体を形成、
(d)上記結合体中のエトキシメチルシリコーンにシラノール基を形成、
(e)上記結合体中のエトキシメチルシリコーンのシラノール基とイソシアネートプロピルトリエトキシシランを結合。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)
200mlのナスフラスコに、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、LS−1890)18g(100mmol)、エタノール46g(1mol)、pHを2.5に調節した塩酸水溶液3.0gを加え、大気中20℃で3時間攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.8gを加えて、塩酸を中和し、次いで硫酸マグネシウム(無水)300gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、次いでロータリーエバポレーターを用いて、エタノールと未反応のメチルトリエトキシシランを留去し、直鎖状のエトキシメチルシリコーンを得た。収率は80%であった。H−NMRからこの数平均分子量は700(平均重合度:6)であることを確認した。
工程(b)
合成例1と同様にして、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを調製した。
工程(c)
上記のエトキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを、次のようにして、エトキシ基とヒドロキシル基間での脱アルコール反応により結合させた。
100mlの三口ナスフラスコに、エトキシメチルシリコーン8.4g、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトン6.6g(12mmol)、触媒としてメタンスルホン酸1.2×10−1g(12mmol)、トルエン20mlを加え、これに減圧蒸留装置と滴下ロートを備え付け、トルエンを毎分1mlの速度で滴下し、150mmHg(20kPa)の減圧下60℃で、発生するエタノールとトルエンを留去しながら、5時間攪拌した。その後、ピリジン9.5×10−2g(12mmol)を加えて、メタンスルホン酸を中和し、ろ過により、塩を除去後、ロータリーエバポレーターを用いて、残存したエタノールとトルエンを留去した。H−NMRから、反応率は98%であった。
工程(d)
上記結合体のエトキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換した。
200mlの三角フラスコに、上記結合体13g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液2.0g、アセトン120mlを加え、大気中20℃で1時間攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.4gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は13%と算出され(平均で1分子中に一つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
工程(e)
シラノール基が形成された上記結合体とイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、LS−3415)とを、次のようにして、シラノール基とイソシアネート基間での反応により結合させた。
50mlのナスフラスコに、上記結合体9.0g、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1.8g(7.5mmol)、触媒としてオクチル酸スズ2.7×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、24時間攪拌した。H−NMRから、反応率は90%であった。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、1600であった。
[合成例4](シリカ系微粒子2の製造)
上記合成例3の有機シリコン化合物2から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子2を製造した。
(1)第1セクションのエトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのエトキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3セクション由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
200mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物を9.5g、純水9.0g(0.5mol)、29%アンモニア水16g、アセトン30mlを加え、大気中20℃で、12時間攪拌した。
工程(2)
工程(1)で得られた溶液に、29%アンモニア水16g、アセトン200mlを加え、大気中20℃で24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したエタノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、シリコン化合物のエトキシ基の反応率は85%であることを確認した。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約25nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例2]
上記合成例4のシリカ系微粒子2を、実施例1と同じ条件で、同じポリ乳酸と混合し組成物を得た。実施例1と同様にして、この組成物を成形し、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[合成例5](有機シリコン化合物3の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(A)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのプロポキシ基のプロピル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(B)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(F)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物3は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンに樹脂相溶性鎖を導入し、次いで、アルコキシシラン基を含有する有機基を導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)プロピルオキシメチルシリコーンを合成、
(b)末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成、
(c)プロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを結合してシリコーン結合体を形成、
(d)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンにシラノール基を形成、
(e)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンのシラノール基とイソシアネートプロピルトリメトキシシランを結合。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)
合成例1と同様にして、直鎖状のプロピルオキシメチルシリコーンを調製した。
工程(b)
下記反応式に示すように、次のようにして、1−ブタノールを開始剤として、ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製、PLACCE M)を開環重合し、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成した。
200mlのナスフラスコに、ε−カプロラクトン69g(600mmol)、1−ブタノール5.7g(76mmol)、触媒としてオクチル酸スズ2.1×10−3gを加え、窒素雰囲気下150℃で、15時間攪拌した。その後、加熱減圧蒸留(150℃、10mmHg(1.33kPa))により、未反応のε−カプロラクトン、1−ブタノールを除去した。H−NMRから、数平均分子量が1000のオリゴマーであることを確認した。収率は95%であった。
Figure 2009139462
工程(c)
上記のプロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを、次のようにして、プロピルオキシ基とヒドロキシル基間での脱アルコール反応により結合させた。
100mlの三口ナスフラスコに、プロピルオキシメチルシリコーン5.6g、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトン7.0g(7mmol)、触媒としてメタンスルホン酸6.7×10−2g(7mmol)、トルエン20mlを加え、これに減圧蒸留装置と滴下ロートを備え付け、トルエンを毎分1mlの速度で滴下し、150mmHg(20kPa)の減圧下60℃で、発生する1−プロパノールとトルエンを留去しながら、5時間攪拌した。その後、ピリジン5.5×10−2g(7mmol)を加えて、メタンスルホン酸を中和し、ろ過により、塩を除去後、ロータリーエバポレーターを用いて、残存した1−プロパノールとトルエンを留去した。H−NMRから、反応率は98%であった。
工程(d)
上記結合体のプロピルオキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換した。
200mlの三角フラスコに、上記結合体9.8g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液1.8g、アセトン60mlを加え、大気中20℃で150分攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.6gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は15%と算出され(平均で1分子中に一つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
工程(e)
シラノール基が形成された上記結合体とイソシアネートプロピルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製、SII6456.0)とを、次のようにして、シラノール基とイソシアネート基間での反応により結合させた。
50mlのナスフラスコに、上記結合体8.2g、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン1.0g(5.0mmol)、触媒としてオクチル酸スズ2.5×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、48時間攪拌した。H−NMRから、反応率は86%であった。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、2300であった。
[合成例6](シリカ系微粒子3の製造)
上記の有機シリコン化合物3から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子を製造した。
(1)第1セクションのメトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのプロピルオキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3セクション由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
200mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物3を8.7g、29%アンモニア水16g、アセトン100mlを加え、大気中20℃で、24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したメタノール、水、アンモニア、アセトンを留去した。H−NMRから、メトキシ基の反応率は85%であり、プロピルオキシ基の反応は、ほとんど進行していないこと(5%以下)を確認した。
工程(2)
1Lの三角フラスコに、工程(1)で得られた縮合体6.0g、29%アンモニア水80g、アセトン500mlを加え、大気中20℃で、36時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生した1−プロパノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、プロピルオキシ基の反応率は82%であった。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約30nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例3]
上記合成例6のシリカ系微粒子3を、実施例1と同じ条件で、同じポリ乳酸と混合し組成物を得た。実施例1と同様にして、この組成物を成形し、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[合成例7](有機シリコン化合物4の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(A)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのプロポキシ基のプロピル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(G)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(C)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物4は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンに樹脂相溶性鎖を導入し、次いで、2種のアルコキシ基を有するアルコキシシラン化合物を導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)プロピルオキシシメチルシリコーンを合成、
(b)末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成、
(c)プロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを結合してシリコーン結合体を形成、
(d)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンにシラノール基を形成、
(e)イソシアネートプロピルトリエトキシシランとテトラメトキシシシランとを結合してシラン結合体を形成。
(f)上記シリコーン結合体中の工程(d)で形成されたシラノール基と、工程(e)で合成されたシラン結合体のイソシアネート基との反応。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)から(d)
合成例1と同様にして、工程(a)から(d)を実施した。
工程(e)
イソシアネートプロピルトリエトキシシランの一部を加水分解させたものと、テトラメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、LS−540)とを、次のようにして、シラノール基とメトキシ基間での反応により結合させ、シラン結合体を得た。
イソシアネートプロピルトリエトキシシランの部分加水分解反応は次のようにして行った。50mlのナスフラスコに、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン4.9g(20mmol)、pH1.7に調整した塩酸水溶液0.4g、テトラヒドロフラン3mlを加え、大気中20℃で、30分攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.2gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したエタノール、テトラヒドロフランを留去した。H−NMRから、エトキシ基からシラノール基への変換率は30%と算出され(平均で1分子中に一つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
次に、50mlナスフラスコに、上記の部分加水分解された化合物2.4gと、テトラメトシキシラン1.5g(10mmol)、メタンスルホン酸9.6×10−2g(10mmol)を加え、窒素雰囲気下60℃で3時間攪拌した。その後、ピリジン7.9×10−2g(10mmol)を加えて、ろ過により塩を除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のテトラメトキシシランを留去した。H−NMRから、反応率は88%であった。
工程(f)
工程Eで得られたシラン結合体と工程(c)、(d)で得られたシリコーン結合体とを、次のようにして、シラン結合体のイソシアネート基とシリコーン結合体のシラノール基との間での反応により結合させた。
50mlのナスフラスコに、工程(e)で得られたシラン結合体2.0g、工程(c)、(d)で得られたシリコーン結合体7.8g、触媒としてオクチル酸スズ2.3×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、24時間攪拌した。H−NMRから、反応率は80%であった。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、2000であった。
[合成例8](シリカ系微粒子4の製造)
上記の有機シリコン化合物4から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子を製造した。
(1)第1セクションのメトキシ基及びエトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのプロピルオキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3セクション由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
500mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物を19g、純水18g(1mol)、29%アンモニア水32g、アセトン60mlを加え、大気中20℃で、12時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したメタノールとエタノール、水、アンモニア、アセトンを留去した。H−NMRから、メトキシ基とエトキシ基の反応率は85%であり、プロピルオキシ基の反応は、ほとんど進行していないこと(5%以下)を確認した。
工程(2)
1Lのナスフラスコに、工程(1)で得られた縮合体6.0g、29%アンモニア水80g、アセトン500mlを加え、大気中20℃で24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生した1−プロパノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、シリコン化合物の第2セクションのプロピルオキシ基の反応率は82%であることを確認した。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約30nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例4]
上記合成例6のシリカ系微粒子4を、実施例1と同じ条件で、同じポリ乳酸と混合し組成物を得た。実施例1と同様にして、この組成物を成形し、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[合成例9](有機シリコン化合物5の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(A)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのプロポキシ基のプロピル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(H)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(F)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物5は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンに樹脂相溶性鎖を導入し、次いで、第1セクションに相当するメトキシシリコーンを導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)プロピルオキシメチルシリコーンを合成、
(b)末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを合成、
(c)プロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを結合してシリコーン結合体を形成、
(d)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンにシラノール基を形成、
(e)上記結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンのシラノール基とメトキシシリコーンを結合。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)
合成例1と同様にして、直鎖状のプロピルオキシメチルシリコーンを調製した。
工程(b)
合成例5と同様にして、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンを調製した。
工程(c)
上記のプロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとを、次のようにして、プロピルオキシ基とヒドロキシル基間での脱アルコール反応により結合させた。
100mlの三口ナスフラスコに、プロピルオキシメチルシリコーン5.6g、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトン7.0g(7mmol)、触媒としてメタンスルホン酸6.7×10−2g(7mmol)、トルエン20mlを加え、これに減圧蒸留装置と滴下ロートを備え付け、トルエンを毎分1mlの速度で滴下し、150mmHg(20kPa)の減圧下60℃で、発生する1−プロパノールとトルエンを留去しながら、5時間攪拌した。その後、ピリジン5.5×10−2g(7mmol)を加えて、メタンスルホン酸を中和し、ろ過により、塩を除去後、ロータリーエバポレーターを用いて、残存した1−プロパノールとトルエンを留去した。H−NMRから、反応率は98%であった。
工程(d)
上記結合体のプロピルオキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換した。
200mlの三角フラスコに、上記結合体9.8g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液1.8g、アセトン60mlを加え、大気中20℃で150分攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.6gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は15%と算出され(平均で1分子中に一つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
工程(e)
シラノール基が形成された上記結合体とメトキシシリコーン(信越化学工業株式会社製、X−40−2308)とを、次のようにして、シラノール基とメトキシ基間での脱アルコール反応により結合させた。
100mlの三口ナスフラスコに、上記結合体8.2g、メトキシシリコーン2.8g、触媒としてメタンスルホン酸5.4×10−1g(56mmol)、テトラヒドロフラン20mlを加え、テトラヒドロフランを毎分1mlの速度で滴下し、窒素下70℃で、発生するメタノールとテトラヒドロフランを留去しながら、3時間攪拌した。その後、ピリジン4.4×10−1g(56mmol)を加えて、メタンスルホン酸を中和し、ろ過により、塩を除去後、ロータリーエバポレーターを用いて、残存したメタノールとテトラヒドロフランを留去した。H−NMRから、反応率は98%であった。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、2500であった。
[合成例10](シリカ系微粒子5の製造)
上記の有機シリコン化合物5から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子を製造した。
(1)第1セクションのメトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのプロピルオキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3ユニット由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
200mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物5を8.7g、29%アンモニア水16g、アセトン100mlを加え、大気中20℃で、24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したメタノール、水、アンモニア、アセトンを留去した。H−NMRから、メトキシ基の反応率は85%であり、プロピルオキシ基の反応は、ほとんど進行していないこと(5%以下)を確認した。
工程(2)
1Lの三角フラスコに、工程(1)で得られた縮合体6.0g、29%アンモニア水80g、アセトン500mlを加え、大気中20℃で、36時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生した1−プロパノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、プロピルオキシ基の反応率は78%であった。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約20nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例5]
上記合成例10のシリカ系微粒子5を、実施例1と同じ条件で、同じポリ乳酸と混合し組成物を得た。実施例1と同様にして、この組成物を成形し、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[合成例11](有機シリコン化合物6の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(A)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのプロピルオキシ基のプロピル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(E)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(J)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Etはエチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物6は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンにアルコキシシラン基を含有する有機基を導入し、次いで、反応性官能基を含有する有機基を導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)プロピルオキシシメチルシリコーンを合成、
(b)プロピルオキシメチルシリコーンにシラノール基を形成(平均で1分子中に二つのシラノール基を形成)、
(c)プロピルオキシメチルシリコーンのシラノール基の一部とイソシアネートプロピルトリエトキシシランを結合してシリコーン−トリエトキシシラン結合体を形成、
(d)上記シリコーン−トリエトキシシラン結合体中のプロピルオキシメチルシリコーンのシラノール基とビスフェノールA型エポキシ化合物を結合。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)
合成例1と同様にして、直鎖状のプロピルオキシメチルシリコーンを調整した。
工程(b)
プロピルオキシメチルシリコーンのプロピルオキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換し、シラノール変性プロピルオキシメチルシリコーンを調整した。
200mlの三角フラスコに、プロピルオキシメチルシリコーン14g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液6.0g、アセトン120mlを加え、大気中20℃で1時間攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液1.6gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は28%と算出され(平均で1分子中に二つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
工程(c)
上記工程(b)で得られたシラノール変性プロピルオキシメチルシリコーンとイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、LS−3415)とを、次のようにして、形成されたシラノール基の一部とイソシアネート基間での反応により結合させた(シラノール基に対してイソシアネート基は1/2当量)。
50mlのナスフラスコに、シラノール変性プロピルオキシメチルシリコーン11g、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1.9g(7.5mmol)、触媒としてオクチル酸スズ3.3×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、48時間攪拌した。H−NMRから、イソシアネート基の反応率は95%であった。
工程(d)
上記工程(c)で得られたシリコーン−トリエトキシシラン結合体と化学式(J)で示されるビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(aldrich製 D3415)とを、次のようにして、残ったシラノール基とエポキシ基間での反応により結合させた(シラノール基に対してエポキシ基は2当量)。
200mlのナスフラスコに、上記結合体10g、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル9g、トルエン100mlを加え、反応時に発生する水をソックスレーにより抽出しながら、窒素雰囲気下100℃で3時間攪拌した。H−NMRから、エポキシ基の反応率は45%であり、シラノール基の消失を確認した。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、2000であった。
[合成例12](シリカ系微粒子6の製造)
上記合成例11の有機シリコン化合物6から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子6を製造した。
(1)第1セクションのエトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのプロピルオキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3ユニット由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
200mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物6を10g、純水9.0g(0.5mol)、アセトン30mlを加え、大気中20℃で、48時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したエタノール、水、アセトンを留去した。H−NMRから、エトキシ基の反応率は87%であり、プロピルオキシ基およびエポキシ基の反応は、ほとんど進行していない(5%以下)ことを確認した。
工程(2)
1Lの三角フラスコに、工程(1)で得られた縮合体6.0g、純水27g(1.5mol)、アセトン500mlを加え、大気中20℃で、48時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生した1−プロパノール、水、アセトンを留去した。H−NMRから、プロピルオキシ基の反応率は83%であった。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約35nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例6]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ社製 AER260)100gを、上記合成例12のシリカ系微粒子6を5.0g含むアセトン500ml中に、添加・混合した。その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去した。さらに、硬化剤としてジエチレントリアミン11gを添加・混合して、シリカ系微粒子を5質量%含むエポキシ樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をホットプレート上で型に流しこみ、室温で48時間放置し、120℃で3時間、さらに150℃で3時間加熱して硬化させ、厚さ2mm、長さ40mm、幅25mmの試験片を作製した。そしてこの試験片を、実施例1と同様の方法で曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[合成例13](有機シリコン化合物7の合成)
本発明による有機シリコン化合物の一例として、下記化学式(D)で示されるアルコキシオルガノポリシロキサンに対して、そのエトキシ基のエチル基部分に代えて、第1セクションに対応する下記化学式(E)で示される基、及び第3セクションに対応する下記化学式(J)で示される基が結合された化合物を合成した。式中のMeはメチル基、Etはエチル基を示す。
Figure 2009139462
有機シリコン化合物7は、第2セクションに相当するアルコキシオルガノポリシロキサンを調製し、このポリシロキサンにアルコキシシラン基を含有する有機基を導入し、次いで、反応性官能基を含有する有機基を導入して得た。具体的には、以下の工程順で有機シリコン化合物を合成した。
(a)エトキシメチルシリコーンを合成、
(b)エトキシメチルシリコーンにシラノール基を形成(平均で1分子中に二つのシラノール基を形成)、
(c)エトキシメチルシリコーンのシラノール基の一部とイソシアネートプロピルトリエトキシシランを結合してシリコーン−トリエトキシシラン結合体を形成、
(d)上記シリコーン−トリエトキシシラン結合体中のエトキシメチルシリコーンのシラノール基とビスフェノールA型エポキシ化合物を結合。
以下、この工程順に説明する。
工程(a)
合成例3と同様にして、直鎖状のエトキシメチルシリコーンを調製した。
工程(b)
エトキシメチルシリコーンのエトキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換し、シラノール変性エトキシメチルシリコーンを調製した。
200mlの三角フラスコに、エトキシメチルシリコーン14g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液4.0g、アセトン100mlを加え、大気中20℃で1時間攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液0.8gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は28%と算出され(平均で1分子中に二つのシラノール基が形成)、シラノール基同士の反応による縮合反応は十分に抑えながらシラノール基を形成できた。
工程(c)
上記工程(b)で得られたシラノール変性エトキシメチルシリコーンとイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、LS−3415)とを、次のようにして、形成されたシラノール基の一部とイソシアネート基間での反応により結合させた(シラノール基に対してイソシアネート基は1/2当量)。
50mlのナスフラスコに、シラノール変性エトキシメチルシリコーン12g、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1.9g(7.5mmol)、触媒としてオクチル酸スズ3.6×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、48時間攪拌した。H−NMRから、反応率は85%であった。
工程(d)
上記工程(c)で得られたシリコーン−トリエトキシシラン結合体と化学式(J)で示されるビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(aldrich製 D3415)とを、次のようにして、残ったシラノール基とエポキシ基間での反応により結合させた(シラノール基に対してエポキシ基は2当量)。
200mlのナスフラスコに、上記結合体10g、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル9g、トルエン100mlを加え、反応時に発生する水をソックスレーにより抽出しながら、窒素雰囲気下100℃で3時間攪拌した。H−NMRから、エポキシ基の反応率は45%であり、シラノール基の消失を確認した。
得られた有機シリコン化合物の数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、株式会社 島津製作所製「10A−VP」、カラム:GPC−80MCを2本及びGPC−8025Cを1本、展開溶媒:クロロホルム、標準試料:ポリスチレン)によって測定した結果、2000であった。
[合成例14](シリカ系微粒子7の製造)
上記合成例13の有機シリコン化合物7から、下記2段階の工程によりシリカ系微粒子7を製造した。
(1)第1セクションのエトキシ基のゾルゲル反応(コアの形成)、
(2)第2セクションのエトキシ基のゾルゲル反応(中間領域の形成。結果、第3ユニット由来の表層の形成)。
以下、この工程順に説明する。
工程(1)
200mlのナスフラスコに、上記有機シリコン化合物を10g、純水9.0g(0.5mol)、アセトン50mlを加え、大気中20℃で、24時間攪拌した。
工程(2)
工程(1)で得られた溶液に、29%アンモニア水1.0g、アセトン200mlを加え、大気中20℃で24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したエタノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、シリコン化合物のエトキシ基の反応率は83%であることを確認した。
得られたシリカ系微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、このシリカ系微粒子の平均粒径は約40nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
[実施例7]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ社製 AER260)100gを、上記合成例14のシリカ系微粒子7を5.0g含むアセトン500ml中に、添加・混合した。その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去した。さらにこれを80℃に加熱後、硬化剤としてジエチレントリアミン11gを添加・混合して、シリカ系微粒子を5質量%含むエポキシ樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をホットプレート上で型に流しこみ、85℃で2時間加熱後、150℃で2時間硬化させ、厚さ2mm、長さ40mm、幅25mmの試験片を作製した。そしてこの試験片を、実施例1と同様の方法で曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
合成例2のシリカ系微粒子1を、実施例6と同じ条件で、同じエポキシ樹脂および硬化剤と混合し組成物を得た。実施例6と同様にして、この組成物を成形し、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
セルロース系樹脂として酢酸セルロース(ダイセル製、L−40、数平均分子量4.4×10)100gを、合成例2のシリカ系微粒子1を6.5g含むクロロホルム500ml中に、添加・混合し、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去した。その後、可塑剤としてクエン酸トリエチル(モルフレックス製、CITROFLEX2)を30g添加し、シリカ系微粒子を5質量%含む酢酸セルロース樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を220℃のホットプレート上で加熱溶融して、型に流しこみ、厚さ2mm、長さ40mm、幅25mmの試験片を作製した。そしてこの試験片を、実施例1と同様の方法で曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[実施例10]
合成例6のシリカ系微粒子3を、実施例9と同じ条件で、さらに同じ酢酸セルロースと可塑剤に混合し組成物を得た。実施例9と同様にして、この組成物を成形し、曲げ強度と伸び(曲げひずみ)を測定した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたポリ乳酸を単独で実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
ナノサイズの直径(平均粒径12nm)を持つシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、AEROJIL(R)200)5gを、クロロホルム500mlに分散させ、それにポリ乳酸100gを添加・混合し、その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去して、シリカ微粒子を5質量%含む樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例3]
合成例1と同様にして調製した、プロピルオキシメチルシリコーンと末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとの結合体を、次のようにしてゾルゲル反応でプロピルオキシ基を縮合させ微粒子を得た。
300mlのナスフラスコに、上記結合体6.0g、29%アンモニア水40g、アセトン100mlを加え、大気中20℃で24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生した1−プロパノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、プロピルオキシ基の反応率は75%であることを確認した。
得られた微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、この微粒子の平均粒径は約500nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
この微粒子5gをクロロホルム500mlに分散させ、それにポリ乳酸100gを添加・混合した。その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去して、上記微粒子を5質量%含む樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例4]
合成例1と同様にして調製したプロピルオキシメチルシリコーンとイソシアネートプロピルトリメトキシシランとを反応させ、これらの結合体を作製し、この結合体を用いて、ゾルゲル反応でプロピルオキシ基を縮合させ、微粒子を得た。
上記の製造プロセスにおいて、上記プロピルオキシメチルシリコーンのプロピルオキシ基の一部を、次のようにして、加水分解により、シラノール基へ変換し、これとイソシアネートプロピルトリメトキシシラン中のイソシアネート基と反応させ、結合体を得た。
300mlの三角フラスコに、プロピルオキシメチルシリコーン23g、pHを2.5に調節した塩酸水溶液5.4g、アセトン180mlを加え、大気中20℃で150分攪拌した。その後、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液1.8gを加えて、塩酸を中和し、硫酸マグネシウム(無水)50gを加え、2時間脱水乾燥した。その後、ろ過により、塩と硫酸マグネシウムを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて、アセトンを留去した。H−NMRから、シラノール基の変換率は15%と算出された(平均で1分子中に一つのシラノール基が形成)。
次に、20mlのナスフラスコに、上記のシラノールが形成されたプロピルオキシメチルシリコーン15g、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン4.0g(20mmol)、触媒としてオクチル酸スズ4.5×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、16時間攪拌した。H−NMRから、反応率は90%であった。
以上のようにして得られた結合体を用いて、次のようにして微粒子を形成した。
500mlのナスフラスコに、上記結合体を10g、純水9g(0.5mol)、29%アンモニア水16g、アセトン100mlを加え、大気中20℃で、12時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したメタノール、水、アンモニア、アセトンを留去した。H−NMRから、メトキシ基の反応率は78%であり、プロピルオキシ基の反応は、ほとんど進行していないことを確認した。
次に、500mlのナスフラスコに、上記の工程で得られた縮合体8.0g、29%アンモニア水60g、アセトン600mlを加え、大気中20℃で24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生した1−プロパノール、アンモニア水、アセトンを留去した。H−NMRから、縮合体のプロピルオキシ基の反応率は89%であることを確認した。
得られた微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、この微粒子の平均粒径は約15nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
この微粒子5gをクロロホルム500mlに分散させ、それにポリ乳酸100gを添加・混合した。その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去して、上記微粒子を5質量%含む樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例5]
合成例1と同様にして調製した末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトンとイソシアネートプロピルトリメトキシシランとを反応させ、これらの結合体を作製し、この結合体を用いて、ゾルゲル反応でメトキシ基を縮合させ、微粒子を得た。具体的には次のように行った。
20mlのナスフラスコに、末端ヒドロキシ変性ポリカプロラクトン5.5g(10mmol)、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン2.0g(10mmol)、触媒としてオクチル酸スズ1.8×10−3gを加え、窒素雰囲気下20℃で、24時間攪拌した。H−NMRから、反応率は90%であった。
次に、500mlのナスフラスコに、上記工程により得られた化合物を6.0g、純水5.4g(0.3mol)、29%アンモニア水16g、アセトン50mlを加え、大気中20℃で、24時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて、発生したメタノール、水、アンモニア、アセトンを留去した。H−NMRから、メトキシ基の反応率は85%であった。
得られた微粒子のSTEM(走査透過電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HD−2300)による観察から、この微粒子の平均粒径は約10nmであった。このSTEM観察では、ランダムに選んだ10個の微粒子の直径を測定し、その平均値を算出し、平均粒径とした。
この微粒子5gをクロロホルム500mlに分散させ、それにポリ乳酸100gを添加・混合した。その後、50℃で加熱しながら、アスピレータで減圧して溶剤を除去して、上記微粒子を5質量%含む樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例6で用いたエポキシ樹脂100gに、硬化剤としてジエチレントリアミン11gを添加・混合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物について、実施例6と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例7]
実施例9で用いた酢酸セルロース100gに、可塑剤としてクエン酸トリエチル30gを添加・混合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物について、実施例9と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2009139462
Figure 2009139462
以上に説明した通り、本発明による有機シリコン化合物から、ナノサイズのシリカ系微粒子を容易かつ効率的に得ることができる。
さらに、表1と表2の結果から明らかなように、本発明による有機シリコン化合物から得られたシリカ系微粒子を樹脂に添加すると、シリカ系微粒子無添加の樹脂や、前述の関連技術によるシリカ微粒子を含む樹脂組成物や、本有機シリコン化合物の必須構成成分を持たないシリコン化合物で作製された微粒子を含む樹脂組成物に比べて、曲げ強度や伸びが大幅に向上し、高い強靭性改良効果が得られることが分かる。
以上、実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2008年5月16日に出願された日本出願特願2008−129584及び2009年2月6日に出願された日本出願特願2009−26352を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (12)

  1. 式(I):
    Figure 2009139462
    (R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基、Xは連結基を示し、aは2又は3、bは0、1又は2、cは2又は3、dは0又は自然数を示し、但しa−bは1以上であり、aが2の場合は1個のRがROの結合するSi原子に直接結合し、cが2の場合は1個のRがROの結合するSi原子に直接結合する)
    で表される第1セクションと、
    式(IIa):
    Figure 2009139462
    (Rは炭素数がR、R及びRの炭素数以上のアルキル基を示し、Rは炭素数が1から10のアルキル基、炭素数が6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基または炭素数が7から10のアラルキル基を示し、R及びRがそれぞれ一分子中に複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい)
    で表される単位を有するアルコキシオルガノシロキサン構造部からなり、第1セクションに結合している第2セクションと、
    第2セクションに結合している、式(III):
    Figure 2009139462
    (Rは有機分子鎖もしくは有機シリコン分子鎖または反応性官能基を示し、Yは連結基を示す)
    で表される第3セクションを有する有機シリコン化合物。
  2. は炭素数がR、R及びRの炭素数より1から4個多いアルキル基である、請求項1に記載の有機シリコン化合物。
  3. 、R及びRがメチル基またはエチル基である、請求項1又は2に記載の有機シリコン化合物。
  4. 、R及びRはメチル基またはエチル基であり、Rは炭素数がR、R及びRの炭素数と同じアルキル基である、請求項1又は2に記載の有機シリコン化合物。
  5. dが0である、請求項1から4のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
  6. 第1セクションは、式(IV):
    Figure 2009139462
    (Rは炭素数1から3のアルキル基、Xは連結基を示し、nは3以上の整数を示す。)
    で表される、請求項1に記載の有機シリコン化合物。
  7. は炭素数がRの炭素数より1から4個多いアルキル基である、請求項6に記載の有機シリコン化合物。
  8. がアルキル基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
  9. 式(IIa)で表される単位と式(IIb):
    Figure 2009139462
    (R及びRはそれぞれ独立に炭素数が1から10のアルキル基、炭素数が6から10のアリール基、炭素数2から10のアルケニル基または炭素数が7から10のアラルキル基を示し、R及びRがそれぞれ一分子中に複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい)
    で表される他のシロキサン単位のモル比([IIa]/([IIa]+[IIb]))が0.2〜1の範囲にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
  10. 第2セクションのオルガノシロキサン構造部の重合度が2から30の範囲にある、請求項1から9のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
  11. 第2セクションのオルガノシロキサンの重合度構造部が3から15の範囲にある、請求項1から9のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の有機シリコン化合物からなるシリカ系微粒子形成用材料。
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