JPWO2009136542A1 - 熱伝導性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の熱伝導性樹脂組成物は、(a)マトリックス成分と、(b)大粒径熱伝導性無機粉体と、(c)小粒径熱伝導性無機粉体と、(d)加硫剤及び/又は硬化剤とを含む熱伝導性樹脂組成物であって、前記小粒径熱伝導性無機粉体は、選択的にR(CH3)aSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で処理され、その量が小粒径熱伝導性無機粉体の全表面積を覆うのに必要な量よりも少ない量で表面処理されている。これにより、樹脂成分に対して熱伝導性無機粉体を大量に充填しても、硬度が低く、熱伝導率が高く、表面処理剤由来のアウトガスが少なく、かつ保存安定性のある熱伝導性樹脂組成物を提供する。

Description

本発明は、電子部品等の熱伝導部品等に使用される熱伝導性樹脂組成物に関するものである。詳しくは、高い熱伝導性を有するポリマーベースのゴム,ゲル,パテ等の放熱材料組成物を提供し、またそれら放熱材料の製造に有用な組成物に関する。
コンピュータ(CPU)、トランジスタ、発光ダイオード(LED)等の半導体は使用中に発熱し、その熱のため電子部品の性能が低下することがある。そのため発熱するような電子部品には放熱体が取り付けられる。しかし、放熱体は金属であることが多いため電子部品と放熱部との密着がよくない。そのためシート状にした熱伝導性組成物を挿入して密着度を高める方法がとられている。しかしながら近年の電子部品の性能向上はめざましくそれに伴い発熱量も膨大である。そのため熱伝導性ポリマー組成物の高熱伝導率化の研究が盛んである。このような熱伝導性ポリマー組成物は、最終目的である放熱材料の熱伝導率を向上させるためには熱伝導性無機粉体を大量に含有させなければならない。しかし、熱伝導性無機粉体の配合を単純に増加すると、さまざまな問題が生じることが知られていた。例えば、エラストマー状の放熱材の場合には硬度が高くなり過ぎて、電子部品と放熱器の間隔を規定の薄さにセットできない、更に、電子部品と放熱器の間隙を期待どおりに埋めることができない等の問題があった。また、エラストマーやゲル状放熱材の場合には、圧縮永久歪みが大きくなって長期信頼性も低下する傾向があった。さらに硬化前の組成物が高粘度になり作業性が大きく低下したり、硬化特性の経時変化が大きくなったり等の問題があった。
これらの問題を解決するために、従来からさまざまな手法が提案されてきた。特定の粒度分布や形状をもった熱伝導性無機粉体を使用する方法や、数種類の熱伝導性無機粉体を組み合わせる提案がなされてきた。従来、熱伝導無機粉体の粒度分布が広い粉体を使う提案(特許文献1)、10〜50μmの球状アルミナと、10μm未満の非球状アルミナを使用する放熱材料の提案(特許文献2)、0.1〜5μmの無定型アルミナと5〜50μmの球状アルミナを使用する提案(特許文献3)、平均粒径2〜10μm、吸油量15ml/g以上のアルミナを使う提案(特許文献4)等がある。さらに、熱伝導性無機粉体の表面処理をおこなう方法も提案され、酸化亜鉛と酸化マグネシウムの組み合わせに表面処理剤をする放熱材料の提案(特許文献5)、炭素数6以上の長鎖脂肪族アルキルアルコキシシランで処理する提案(特許文献6)、片末端アルコキシシリル官能性シロキサンで処理する提案(特許文献7)等がある。さらに、熱伝導性無機粉体をシランカップリング剤処理する提案もある(特許文献8)。しかし、これらの従来法では、熱伝導性が高く放熱性に優れるが、表面処理剤由来のアウトガスが多く発生し、ゴム硬度が高く、原料の保存安定性に大きな問題があった。
特開平2−97599号公報 特開昭62−251466号公報 特開平2−41362号公報 特開昭58−219259号公報 特開昭62−184058号公報 特開平11−209618号公報 再表2002−92693号公報 特開2008−106231号公報
本発明は、樹脂に対して熱伝導性無機粉体を大量に充填しても、従来の前記、熱伝導性樹脂組成物に比べて、表面処理剤由来のアウトガスの発生が少なく、硬度が低く、熱伝導率が高く、保存安定性があり、製造コストも安い熱伝導性樹脂組成物を提供する。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、
(a)マトリックス成分と、
(b)比表面積が0.06m/g以上1.0m/g以下の大粒径熱伝導性無機粉体と、
(c)処理前の比表面積が1.0m/gを越え20m/g以下の小粒径熱伝導性無機粉体と、
(d)加硫剤及び/又は硬化剤とを含む熱伝導性樹脂組成物であって、
前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体は、R(CHSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で処理され、その量が小粒径熱伝導性無機粉体の全表面積を覆うのに必要な量よりも少ない量で表面処理されており、
前記(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体の表面積の割合は、前記(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体と前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体の合計表面積の10%以下であり、
熱伝導率が0.8W/m・K以上であることを特徴とする。
本発明は、熱伝導性無機粉体が樹脂に大量に充填されているにもかかわらず、表面処理剤由来のアウトガスが少なく、硬度が低く、熱伝導率が高い熱伝導性樹脂組成物を提供できる。さらには、原料段階における混合物の保存安定性があり、製造コストも安い熱伝導性樹脂組成物を提供できる。
本発明の(a)成分は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びゴムから選ばれる少なくとも一つである。熱硬化性樹脂にはエポキシ樹脂,フェノール樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,メラミン樹脂等があるがここに挙げた限りではない。熱可塑性樹脂にはポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン,ポリエステル,ナイロン,ABS樹脂,メタクリル樹脂,ポリフェニレンスルフィド,弗素樹脂,ポリスルホン,ポリエーテルイミド,ポリエーテルスルホン,ポリエーテルケトン,液晶ポリエステル,ポリイミド等があるがここに挙げた限りではない。また二種以上の熱可塑性樹脂の混合物を用いることも可能である。ゴムには、天然ゴム(ASTM略語NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエン(1,2−BR)、スチレンーブタジエン(SBR)、クロロプレンゴム(CR),二トリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンープロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化プリエチレン(CSM)アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)多硫化ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(U)等があるがここに挙げた限りではない。
本発明の(b)成分は、比表面積が0.06m/g以上1.0m/g以下の大粒径熱伝導性無機粉体である。大粒径熱伝導性無機粉体はアルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。大粒径熱伝導性無機粉体の形状は球状,鱗片状,多面体状,不定形形状等があるが比表面積は0.06〜1.0m/gの範囲であればどのような形状のものでも使用できる。前記比表面積はBET比表面積であり、測定はJIS R1626にしたがう。なお、粒径を球形とみなしたとき、前記比表面積が0.06m/g以上1.0m/g以下の大粒径粒子は、d50平均粒子径が20μm以上である。この場合、粒子径の測定はレーザ回折散乱法に従う。また、前記したように無機粉体の形状は球状以外に,鱗片状,多面体状,不定形形状等があるので、一概に平均粒子径で整理できないことから、比表面積で特定するのが妥当である。
本発明の(c)成分は比表面積が1m/gを超え20m/g以下の小粒径熱伝導性無機粉体である。小粒径熱伝導性無機粉体はアルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。小粒径熱伝導性無機粉体の形状は球状,鱗片状,多面体状等があるが、比表面積は1〜20m/gの範囲であればどのような形状のものでも使用できる。前記比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。なお、粒径を球形とみなしたとき、前記比表面積が1m/gを超え20m/g以下の小粒径粒子は、d50平均粒子径が20μm未満である。この場合も、粒子径の測定はレーザ回折散乱法に従う。また、前記したように無機粉体の形状は球状以外に,鱗片状,多面体状,不定形形状等があるので、一概に平均粒子径で整理できないことから、比表面積で特定するのが妥当である。
小粒径熱伝導性無機粉体はR(CHSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)のシラン、もしくはその部分加水分解物で表面処理される。R(CHSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物(以下単に「シラン」という。)は、一例としてヘキシルトリメトキシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,オクチルトリメトキシシラン,オクチルトリエトキシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ドデシルトリメトキシシラン,ドデシルトリエトキシシラン,ヘキサドデシルトリメトキシシラン,ヘキサドデシルトリエトキシシシラン,オクタデシルトリメトキシシラン,オクタデシルトリエトキシシシラン等がある。前記シラン化合物は、一種又は二種以上混合して使用することができる。
前記成分の小粒径熱伝導性無機粉体は、R(CHSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)のシランは一種又は二種以上の混合物で表面処理する。ここでいう表面処理とは共有結合のほか吸着なども含む。
処理方法としては、(1)乾式法、(2)湿式法、(3)インテグラルブレンド法等があるが、インテグラルブレンド法は揮発成分が多くなることから好ましくない。
(1)乾式法
乾式法は、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、振動ミルのような機械的な撹拌により熱伝導性無機粉体を撹拌しながら、これに薬剤を滴下して表面処理をおこなう方法である。薬剤にはシランをアルコール溶剤で希釈した溶液や、シランをアルコール溶剤で希釈し、さらに水を添加した溶液や、シランをアルコール溶剤で希釈しさらに水、酸を添加した溶液等がある。薬剤の調整方法はシランップリング剤製造会社のカタログ等に記載されているが、どの方法を選択するかはシランの加水分解速度や熱伝導性無機粉体の種類によってどのような方法で処理するかを決める。
(2)湿式法
湿式法は、熱伝導性無機粉体を薬剤に直接浸漬しておこなう方法である。薬剤はシランをアルコール溶剤で希釈した溶液や、シランをアルコール溶剤で希釈しさらに水を添加した溶液や、シランをアルコール溶剤で希釈しさらに水、酸を添加した溶液等があり、薬剤の調整方法は、どのような方法を選択するかはシランの加水分解速度や熱伝導性無機粉体の種類によってどのような方法で処理するかを決める。
(3)インテグラルブレンド法
インテグラルブレンド法は、樹脂と熱伝導性無機粉体を混合するときにシランを原液またはアルコール等で希釈したものを混合機の中に直接添加し、撹拌する方法である。薬剤の調整方法は乾式法及び湿式法と同様であるが、インテグラルブレンド法でおこなう場合のシラン量は前記、乾式法、湿式法に比べて多くすることが一般的である。
乾式法及び湿式法においては、薬剤の乾燥を必要に応じて適宜おこなう。アルコール等を使用した薬剤を添加した場合は、アルコールを揮発させる必要がある。アルコールが最終的に配合物に残るとポリマー分に悪影響を及ぼし、製品からガスとなって発生することになる。乾燥温度は使用した溶剤の沸点以上にすることが好ましい。さらには熱伝導性無機粉体と反応しなかったシランを迅速に除去するために装置を用い、高い温度に加熱することが好ましいが、シランの耐熱性も考慮しシランの分解点未満の温度に保つのが好ましい。処理温度は約80〜150℃、処理時間は0.5〜4時間が好ましい。乾燥温度と時間は処理量により適宜選択することによって溶剤や未反応シランも除去することが可能になる。
熱伝導性無機粉体の表面を処理するのに必要なシラン量は次式で計算することができる。
シラン量(g)=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)/シランの最小被覆面積(m/g)
「シランの最小被覆面積」は次の計算式で求める。
シランの最小被覆面積(m/g)=(6.02×1023)×(13×10−20)/シランの分子量
前記式中、6.02×1023:アボガドロ定数
13×10−20:1分子のシランが覆う面積(0.13nm
必要なシラン量はこの計算式で計算されるシラン量の0.5倍以上1.0倍未満であることが好ましい。上限が1.0倍未満であるのは未反応分を考慮して実際に熱伝導性無機粉体表面に存在するシラン量を1.0より小さくするためである。下限値を上記計算式で計算される量としたのは0.5倍量でもゴムへの熱伝導性無機粉体充填性の向上には充分効果のある量であるためである。
同じように大粒径熱伝導性無機粉体も処理することは可能である。しかし、もともと大粒径熱伝導性無機粉体は比表面積が小さいためシランで表面処理しても樹脂に対する充填性が格段によくなるわけでなく、処理費用でコストが高くなることから、処理は不要である。しかし、コストアップを考慮しても処理が必要ならば大粒径熱伝導性無機粉体も処理したものを使用してもよい。大粒径熱伝導性無機粉体を乾式法で処理するのは、単にシランの費用だけではなく、処理コストが高くなるという問題がある。モース硬度でいうとアルミナはダイヤモンドに次いで硬い。よって装置中で撹拌することでステンレス釜及び攪拌羽根が著しく磨耗する。撹拌速度が大きいと余計である。そのため処理後の大粒径熱伝導性無機粉体は研磨された装置の金属が混入し、黒ずむことが多い。それらの問題と樹脂に対する充填性を考えた場合、大粒径熱伝導性無機粉体は処理をしないのが好ましい。以上から本発明は、(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体を選択的にシラン処理するのが好ましい。
樹脂に添加する熱伝導性無機粉体量は、(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体の表面積の割合が(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体と(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体の合計表面積の10%以下である。さらに詳しく述べると以下になる。
(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体の表面積(m)=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)・・・I
(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体の表面積(m)=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)・・・II
[I/(I+II)]×100≦10である。
なお(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体は1種類のみでなく比表面積が0.06〜1.0m/gの範囲にある別の大熱伝導性無機粉体を多数組み合わせてもよい。
(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体も同様に1種類のみでなく比表面積が1〜20m/gの範囲にある別の小粒径熱伝導性無機粉体を多数組み合わせてもよい。さらに組み合わせる小粒径熱伝導性無機粉体の表面処理はシランの種類、処理方法は違っていてよい。
アルミナにはさまざまな種類がある。結晶系でわけるとα、γ、θ−アルミナ等があるが熱伝導性が高いことからα−アルミナを使うのがとくに好ましい。純度は99.5質量%以上が好ましく、ソーダ分は少ないほうがよい。形状もさまざまであり鱗片状、球状、多面体等がある。市販されているもの一種類又は二種類以上の混合物が好適に用いられる。同じ平均粒径で比較すると比表面積は球状品が小さくなる。粒度分布がブロードのものであると、比表面積は大きくなる傾向にある。
酸化亜鉛,酸化マグネシウム,シリカにも形状もさまざまであり無定型,球状等があり市販されているもの一種類又は二種類以上の混合物が好適に用いられる。酸化亜鉛,酸化マグネシウム,シリカの純度は高いのが望ましい。
白金触媒には、塩化白金酸,白金−アルコール変性錯体,白金カルボニルビニルメチル錯体,白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体,白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体等がありここに挙げた限りではない。一種類又は二種類以上の混合物が好適に用いられる。添加量は白金原子に換算して1〜100ppmの範囲であることが好ましい。
白金触媒による硬化する熱伝導性ポリマー組成物は、硬化前の保存性に優れている必要がある。製造工程上ポリマー成分に熱伝導性無機粉体を配合後、すぐに硬化成形又は加硫成形の工程に移るとは限らない。休日になる場合等がある。その様な場合、ポリマー成分に熱伝導性無機粉体を混練りしすぐ硬化成形又は加硫成形した場合とポリマー成分に熱伝導性無機粉体を混練り後、しばらく保管して硬化成形又は加硫成形した場合とで同じ特性である必要がある。熱伝導性はポリマー成分に対する熱伝導性無機粉体の充填量に依存するが、硬度,引っ張り強さ,伸び,引き裂き強さ,モジュラスに代表されるゴム物性は硬化,加硫が充分におこなわれないとゴム物性がかなりばらつく。それを防ぐには保存中に白金触媒,ポリマー成分の一種である架橋剤が失活しないようにする必要がある。ポリマー成分に無処理の熱伝導性無機粉体を添加し一定時間放置した後に、硬化させようとしても硬化しなくなる事が多い。原因は熱伝導性無機粉体が白金触媒,ポリマー成分の一種である架橋剤を吸着していることにある。熱伝導性無機粉体をミクロ的にみれば熱伝導性無機粉体表面はかなり凸凹している。そこに白金触媒,ポリマー成分の一種である架橋剤が吸着される。そうなるとポリマー成分系内から白金触媒,ポリマー成分の一種である架橋剤濃度が低下するため硬化させようとしても硬化しなくなると考えられる。吸着は熱伝導性無機粉体の比表面積が大きいほど顕著である。よって小粒径熱伝導性無機粉体のみを選択して表面処理することは保存性の観点から効果的である。
同様に大粒径熱伝導性無機粉体も表面処理することによって同じ効果は得られる。大粒径熱伝導性無機粉体はもともと比表面積が小さいので白金触媒、及び架橋剤を吸着が少ない。とはいえ選択する大粒径熱伝導性無機粉体の種類によっては保存中に白金触媒、及び架橋剤が失活する場合もある。これは大粒径熱伝導性無機粉体自体の性質によるところが大きく、且つ、白金触媒の失活が主原因である。又、ナトリウム分等が多い場合このような傾向になる場合が多い。
白金触媒により硬化する熱伝導性ポリマー組成物にポリマー成分の一種である架橋剤を添加する。ポリマー成分に分散可能で架橋剤として作用すればどれを用いてもよいが、メチルハイドロジェンシロキサンージメチルシロキサン共重合体又はメチルハイドロジェンシロキサンージメチルシロキサン共重合体をポリマー成分に相溶しやすいように変性したものを使用してもよい。
ポリマー成分で構成された軟化剤はポリマー成分とする。ナフテン系、パラフィン系等があり、選択するポリマー成分により適宜選択される。
燐酸エステル等ポリマー成分で構成されていない軟化剤はポリマー成分としない。しかし、硬化によりポリマーとなる成分についてはポリマー成分とする。
熱伝導無機粉体の表面処理としてチタンカップリング剤,アルミニウムカップリング剤,ジルコニウムカップリング剤を使用してもよく、さらにR(CHSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)のシランカップリング剤は、一種又は二種以上の混合物で処理した熱伝導無機粉体と同時に用いることができる。
その他の添加剤として、顔料,耐熱剤,難燃剤を必要に応じて添加してもよい。顔料としては無機物と有機物があるが、好ましいのは無機物である。具体例として酸化鉄,酸化コバルト等があるがここに挙げた限りではない。耐熱剤にも無機物と有機物があり無機物には酸化セリウム,水酸化セリウム,酸化鉄等があり有機物にはフェノール系酸化防止剤,ホスファイト系酸化防止剤,チオエーテル系酸化防止剤等があるがここに挙げた限りではない。難燃剤も燐系,燐酸系,酸化鉄,カーボン,金属水酸化物等があるがここに挙げた限りではない。いずれもポリマー成分の硬化,加硫反応を阻害しない、さらにポリマー成分の物性に影響のないものを適宜選択する。むろん一種又は二種以上の混合物を添加してもよい。
本発明は(c)成分由来の揮発ガス量が5μg/cm以下が好ましい。(c)成分由来の揮発ガス量とは表面処理する際に未反応分として残ったシランとその分解物である。揮発ガス量の測定方法はガスクロマトグラフによるのが好ましい。本発明では以下のように測定をしている。厚さ2mmの樹脂組成物を用意し、それを縦:13mm、横:30mmの形状にして、更に四等分する。これを容量22mlのバイアル瓶に詰め100℃で20分熱暴露し、そのとき発生するガスをガスクロマトグラフで定量する。なお測定装置は島津製作所製GC−2010を使用し、カラムはDB−5,検出器はFIDである。
本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(実施例1〜9,比較例1〜9)
1.材料成分
(1)ポリマー成分
ポリマー成分としてポリイソブチレンであるEP200A(製品名、カネカ社製)、PAO−5010(製品名、出光興産社製),CR300(製品名、カネカ社製)を使用した。
(2)白金触媒と遅延剤
白金触媒として、PT−VTSC−3.0IPA(製品名、ユミコアプレシャスメタルズ・ジャパン社製)、遅延剤としてサーフィノール61(製品名、日信化学工業製)を使用した。
(3)小粒径熱伝導性無機粉体
小粒径熱伝導性無機粉体としてAL43L(製品名、昭和電工株式会社製,比表面積3.2m/g、レーザ回折散乱法によるd50平均粒子径は1.1μm)を使用した。
(4)大粒径熱伝導性無機粉体
大粒径熱伝導性無機粉体としてAS10(製品名、昭和電工株式会社製、比表面積0.5m/g、レーザ回折散乱法によるd50平均粒子径は39μm)を使用した。
(5)シラン
シランとしてヘキシルトリエトキシシランKBE3063(製品名、信越化学工業株式会社製)を使用した。KBE3063の必要量=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)/シランの最小被覆面積(m/g)で算出した。KBE3063の最小被覆面積は315m/gであることから1000g×3.2m/g/315m/g=10.2gとした。
(6)無機粉体のシラン処理1
小粒径熱伝導性無機粉体は以下の処理をおこなった。
(乾式法1)
ブレンダーにAL43Lを1kg投入し撹拌しながらKBE3063、10.2gを少しずつ添加し15分撹拌し1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(乾式法2)
ブレンダーにAL43Lを1kg投入し撹拌しながらKBE3063、10.2g、イソプロパノール20g、水1gの割合で混合した薬剤を少しずつ添加し、15分撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(湿式法)
ブレンダーにAL43Lを1kg投入し撹拌しながらKBE3063 10.2g、イソプロパノール1000g、水0.5gの割合で混合した薬剤を少しずつ添加し、30分撹拌し、そのまま1日放置後、溶剤分を除いた後に100℃で2時間乾燥した。
(7)無機粉体のシラン処理2
大粒径熱伝導性無機粉体は以下の処理をおこなった。
(乾式法2)
AS10の場合:ブレンダーにAS10を1kg投入し撹拌しながらKBE3063、1.6g、イソプロパノール10g、水0.5gの割合で混合した薬剤を少しずつ添加し、15分撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
AW50−74の場合:ブレンダーにAS10を1kg投入し撹拌しながらKBE3063 0.22g、イソプロパノール5g、水0.1gの割合で混合した薬剤を少しずつ添加し、15分撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(インテグラル法)
コンパウンド作成する時にシランを添加することでおこなった。
(8)コンパウンドの作成
EP200A,PAO−5010及びCR300を各々、所定の質量部に対して無機粉体を所定の質量部、さらに酸化鉄,白金触媒,遅延剤を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドにした。
インテグラル法で無機粉体の表面処理をおこなう場合はシランも追加し添加して同様な加工をおこなった。コンパウンドの配合は表1の実施例と表2の実施例の条件でおこなった。
(9)シート成形
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに厚さ2mmの金枠を置きコンパウンドを流し込み、もう一枚のフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載せる。これを5MPaの圧力で120℃、20分間硬化して試験片を成形した。
以上の実施例1〜9の条件と結果を表1に、比較例1から9の条件と結果を表2にまとめて示す
Figure 2009136542
表中の添加量は質量部を示す。以下の表においても同じ。
Figure 2009136542
表1及び表2において、比率は下式(A)により算出した(以下同じ)。
大粒径熱伝導性無機粉体の表面積(m)=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)・・・I
小粒径熱伝導性無機粉体の表面積(m)=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)・・・II
[I/(I+II)]×100・・・(A)
各物性の測定は以下の方法でおこなった。
(i)熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)熱物性測定装置TPA−501(製品名)を使用して測定した。この装置の説明は同社のホームページに掲載されている。
測定試料は以下のように作成した。
各実施例,比較例で記述してあるシート成形方法にて作成した厚み2mmシートを大きさ縦25mm×横25mmにカットしこれを4枚重ね合わせて1つのブロックとした。これを2個用意した。直径7mmのセンサ−を、用意したブロックで上下に挟み、冶具にセットした。冶具を挟むトルクは30N・cmでおこなった。なお自己粘着性のないシートも重ね合わせて1つのブロックとした。
測定方法は、冶具にセットしたら風があたらないよう冶具付属の覆いをし、15分間安定化させた。安定化したら測定を開始し、数字を読みとった。別の試料を測定する場合は同じ作業を繰り返す。
(ii)硬度:ASTM D2240 Shore A
(iii)揮発ガス量:ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ
(iv)低分子シロキサン揮発量:ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ
(v)粘度は硬化前のコンパウンドの粘度:精密回転粘度計による測定
表1から、小粒径熱伝導性無機粉体の表面処理方法の違いによって硬度、熱伝導率の物性が大きく変わることはないといえる。しかし、表2から明らかなとおり、揮発ガス量はインテグラルブレンド法(比較例4〜6)でおこなうと多かった。
実施例1〜9は表面処理をした熱伝導性無機粉体を添加しているため硬化前のコンパウンド粘度は比較例1〜3よりも低くなった。同様に硬度も実施例1〜9は比較例1〜3よりも低くなった。
(実施例10〜12,比較例10〜15)
次に小粒径熱伝導無機粉体を二種以上の混合にして実験した。上記のアルミナに加えてAL160SG−1(製品名、昭和電工株式会社製,比表面積6.6m/g、レーザ回折散乱法によるd50平均粒子径は0.4μm),AW50−74(製品名、株式会社マイクロン社製、比表面積0.07m/g、レーザ回折散乱法によるd50平均粒子径は55μm)を使用した。AL160SG−1粒径熱伝導性無機粉体は以下の処理をおこなった。
(乾式法1)
ブレンダーにAL160SG−1を1kg投入し、撹拌しながらKBE3063、21.0gを少しずつ添加し15分撹拌し1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(乾式法2)
ブレンダーにAW50−74を1kg投入し、撹拌しながらKBE3063、0.22g、イソプロパノール、5g、水、0.1gの割合で混合した薬剤を少しずつ添加し、15分撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。コンパウンド作成方法及びシート成形は表1の実施例1〜9及び表2の比較例1〜9と同様である。コンパウンドの配合は表3の条件でおこなった。
表3に実施例10〜12及び比較例10〜15の条件と結果をまとめて示す。
Figure 2009136542
比率及び各物性は表1〜表2の下の説明と同じである。
表3から、比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体をシランで処理することによってポリマー成分への充填性はよくなり、ゴム硬度は低くなることがわかる。また、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、熱伝導性無機粉体がポリマー成分に大量に充填されているにもかかわらず、硬度が低く、かつ熱伝導率が高く、表面処理剤由来のアウトガスが少なくなった。
表3の実施例10〜12は表面処理をした熱伝導性無機粉体を添加しているため硬化前のコンパウンド粘度は表3の比較例10〜12よりも低くなった。同様に硬度も実施例10〜12は比較例10〜12よりも低くなった。比表面積の大きな小粒径熱伝導性無機粉体をシランで処理するとコンパウンドの低粘度化,ゴム硬度の低硬度化に顕著な効果が確認できる。
大粒径熱伝導無機粉体をシランで処理した粉体を検討したのが表3の比較例13〜15である。表3の実施例10〜12と諸物性を比較するとコンパウンド粘度は実施例10〜12より低いが硬度,揮発ガス量は同じような値になっている。ただし、表3の比較例15はシランで処理した大粒径熱伝導無機粉体の充填量が多いためコンパウンドの低粘度化,ゴム硬度の低硬度化している。
(実施例13〜21,比較例16〜24)
下記の実施例及び比較例では、同様な実験を別のポリマー成分でおこなった。
(1)ポリマー成分としてエチレン−プロピレン共重合体X−4010(製品名、三井化学社製)、ダイアナプロセスオイルPW−90(製品名、出光興産社製),CR300(製品名、カネカ社製)を使用した。
(2)白金触媒は、PT−VTSC−3.0IPA(製品名、ユミコアプレシャスメタルズ・ジャパン社製)を使用した。
(3)遅延剤は、サーフィノール61(製品名、日信化学工業社製)を使用した。
(4)コンパウンドの作成
X−4010,ダイアナプロセスオイルPW−90及びCR300各々を所定の質量部に対して無機粉体を所定の質量部さらに酸化鉄,白金触媒,遅延剤を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドにした。
インテグラル法にて無機粉体の表面処理をおこなう場合はシランも追加し添加して同様な加工をおこなった。コンパウンドの配合は表4の実施例,表5の実施例とおりおこなった。
(5)シート成形方法
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに厚さ2mmの金枠を置きコンパウンドを塊でおきもう一枚のフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載せる。これを5MPaの圧力で120℃、20分間硬化した。
実施例13〜21の条件と結果を表4に示し、比較例16〜24の条件と結果を表5に示す。なお揮発ガス量はシートに残存するKBE3063の量とした。
Figure 2009136542
Figure 2009136542
比率及び各物性は表1及び表2の下の説明と同じである。可塑度は、ウォ−レス可塑計を使用して測定した。
表4の実施例13〜15と実施例16〜18と実施例19〜21は小粒径熱伝導無機粉体の表面処理の違いによる検討である。コンパウンドの粘度,ゴム硬度,熱伝導率のゴム物性はほぼ同等である。揮発ガス量は表面処理方法により違いはある。
実施例13〜18と比較例16〜18を比較すると小粒径熱伝導無機粉体の表面をシランで処理するとコンパウンドの低粘度化,ゴム硬度の低硬度化の効果が確認できる。
実施例13〜18と比較例19〜21と比較すると揮発ガス量の違いが顕著である。比較例19〜21はインテグラル法による処理方法のため揮発ガス量がかなり多い。
表5の比較例22〜24は大粒径熱伝導無機粉体にも表面処理する検討である。表4の実施例13〜18は小粒径熱伝導無機粉体のみ処理をしている検討であるが、比較するとコンパウンドの粘度,ゴム硬度,熱伝導率のゴム物性はほぼ同等である。
(実施例22〜24,比較例25〜30)
以下の表6の実施例22〜24及び比較例25〜30は、小粒径熱伝導性無機粉体を二種以上の混合にして表6のように実験をした。小粒径熱伝導性無機粉体はAL160SG−1(製品名、昭和電工株式会社製。比表面積6.6m/g),AW50−74(製品名、株式会社マイクロン社製、比表面積0.07m/g)を使用し処理方法は、表3の実施例10〜12及び比較例10〜15で使用した熱伝導性無機粉体と同様の処理をおこなった。
以上の実施例22〜24及び比較例25〜30の条件と結果をまとめて表6に示す。
Figure 2009136542
表6の実施例22〜24と比較例28〜30の比較から解る通り、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理したものとほぼ同等の物性を示している事がわかる。
これに対して、実施例22と比較例25、実施例23と比較例26、実施例24と比較例27の比較から、小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理しないと硬度が高くなる傾向にあることがわかる。
以上のとおり、実施例1〜24,比較例1〜30から、比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を選択的にシランで処理することによって、ポリマー成分への充填性は充分よくなることが確認できた。これは、粘度又は可塑度の値が小さくなることからも明らかである。加えて、小粒径熱伝導性無機粉体のみに選択的にシランで処理することによって、表面処理剤由来の揮発ガス量も抑えることができる。すなわち、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても、比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、熱伝導性無機粉体がポリマー成分に大量に充填されているにもかかわらず、硬度が低く、かつ熱伝導率が高く、表面処理剤由来の揮発ガスが少ないポリマー組成物でありかつ製造管理が容易である熱伝導性ポリマー組成物をつくることができた。
(比較例31〜34)
次に小粒径無機粉体(AL43L,AL160SG−1)の全表面積を覆う計算値の2倍量のシランで表面処理した場合の検討をした。また、前記式(A)において、10を越えた場合も併せて検討した。
(乾式法3)
(1)AL43Lの処理の場合
ブレンダーにAL43Lを1kg投入し撹拌しながらKBE3063を20.2g少しずつ添加し、15分間撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(2)AL160SG−1の処理の場合
ブレンダーにAL160SG−1を1kg投入し撹拌しながらKBE3063を42.0g少しずつ添加し、15分間撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
コンパウンド作成方法,作成方法は表3の実施例10〜12及び比較例10〜15と同様におこなった。
表7に比較例31〜34の条件と結果を実施例10〜12と対比して示す。
Figure 2009136542
表7の比較例31は比率が10を超えたときの検討である。比較例31を実施例11〜12と比較すると、ポリマー分100質量部に対して、熱伝導性無機粉体は800質量部添加している。これらの比較から、大粒径熱伝導性無機粉体を単に増やすだけでは、熱伝導率が低下することがわかる。
さらに、実施例10〜12に対して比較例32〜34は、小粒径熱伝導性無機粉体の全表面積を覆うことができる2倍のシラン量で表面処理した小粒径熱伝導性無機粉体を使用した例である。小粒径熱伝導性無機粉体の全部表面積を覆う以上のシランが存在するため、余分なシランが揮発ガス量となり、好ましくなかった。
(実施例25〜33,比較例35〜40)
以下、二液室温硬化シリコーンゴムの実施例で説明する。
1.材料成分
(1)シリコーン成分
シリコーン成分として二液室温硬化シリコーンゴム(二液RTV)はSE1885(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を使用した。なお、SE1885には白金触媒と硬化剤が予め添加されている。
(2)小粒径熱伝導性無機粉体
実施例冒頭部の「材料成分」の(3)と同じものを使用した。
(3)大粒径熱伝導性無機粉体
実施例冒頭部の「材料成分」の(4)と同じものを使用した。
(4)シラン
実施例冒頭部の「材料成分」の(5)同じのものを使用した。
(5)小粒径熱伝導性無機粉体のシラン処理
実施例冒頭部の「材料成分」の(6)と同じ様に処理をおこなった。
(6)シート成形加工方法
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに厚さ2mmの金枠を置きコンパウンドを流し込み、もう一枚のフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載せた。これを5MPaの圧力で、120℃、10分硬化した。
上記実施例及び比較例の熱伝導率、硬度、揮発ガス量を表8及び表9に示す。表8及び表9において、比率は前記式(A)により算出した。
各物性の測定方法は以下の通りとした。
熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)
硬度:ASTM D2240 Shore00
揮発ガス量:ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ
なお排ガス量はシートに残存するKBE3063の量とした。
配合は表8の実施例25〜33及び表9の比較例35〜40でおこない、結果をまとめて表8及び表9に示す。
Figure 2009136542
Figure 2009136542
表8は小粒径熱伝導性無機粉体の表面処理方法の違いと、シリコーン成分に添加する熱伝導性無機粉体を変えて検討した結果をまとめた。表8から、小粒径熱伝導性無機粉体の表面処理方法の違いによって硬度、熱伝導率の物性が大きく変わらないといえる。しかし、表9から明らかなとおり、揮発ガス量はインテグラルブレンド法(比較例38〜40)でおこなうと多かった。
(実施例34〜36,比較例41〜43)
次に、実施例34〜36で小粒径熱伝導性無機粉体を二種以上混合し実験をした。前記、実施例25〜33で使用した、AL43L(商品名、昭和電工株式会社製、比表面積3.2m/g)、AS−10(商品名、昭和電工株式会社製、比表面積0.5m/g)に加えてAL160SG−1(製品名、昭和電工株式会社製、比表面積6.6m/g)、AW50−74(製品名、株式会社マイクロン社製、比表面積0.07m/g)を使用した。AL160SG−1熱伝導性無機粉は前記表6と7の間に記載されている乾式法(3)と同様な処理をおこなった。シート成形は前記(6)シート成形加工方法と同様におこなった。
表10に実施例34〜36及び比較例41〜43のサンプル作成の条件と結果を示す。
Figure 2009136542
表10から明らかなとおり、実施例34〜36は、確実にゴムが硬化した。これは、小粒径熱伝導性無機粉体表面がシラン化合物でコーティングされるため、白金触媒及び架橋剤が吸着されることを防ぐためと推定される。また、小粒径熱伝導性無機粉体の充填比率が多いほど揮発ガス量も多くなる。
これに対して、比較例41〜43は小粒径熱伝導性無機粉体の比表面積が大きくなるとゴムが硬化しにくくなることを示しており、とくに比較42、43は硬化しなくなった。これは、小粒径熱伝導性無機粉体表面が、白金触媒及び架橋剤を吸着してしまうことによる。
次に、小粒径熱伝導性無機粉体に処理するシランを代えて検討した。使用する小粒径熱伝導性無機粉体はアルミナAL43L(製品名、昭和電工株式会社製、比表面積3.2m/g)を使用した。
シランは以下を使用した。すべて製造メーカーはすべて東レ・ダウコーニング株式会社製である。
(1)オクチルトリエトキシラン Z6341(最小被覆面積:283m/g)
(2)デシルトリメトキシシラン AY43−210MC(最小被覆面積:298m/g)
(3)オクタデシルトリメトキシシラン AY43−218MC(最小被覆面積:205m/g)
(4)メチルトリエトキシシラン SZ6072(最小被覆面積:439m/g)
処理方法は前記実施例同様に(乾式法1)で以下の処方でおこなった。ブレンダーにAL43Lを1kg投入し撹拌しながら下記の添加量にて薬剤を作成し、その薬剤を少しずつ添加し15分撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
以上のシランの処理内容をまとめて表11に示す。
Figure 2009136542
(実施例37)
SE1885を100質量部に乾式法1によりオクチルトリエトキシランで処理したAL43Lを300質量部、AS10を200質量部、酸化鉄を5質量部添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(実施例38)
SE1885を100質量部に乾式法1によりオクチルトリエトキシランで処理したAL43Lを400質量部、AS10を100質量部、酸化鉄を5質量部添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(実施例39)
SE1885を100質量部に乾式法1によりデシルトリメトキシシランで処理したAL43Lを300質量部、AS10を200質量部、酸化鉄を5質量部添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(実施例40)
SE1885を100質量部に乾式法1によりデシルトリメトキシシランで処理したAL43Lを400質量部、AS10を100質量部、酸化鉄を5質量部添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(実施例41)
SE1885を100質量部に乾式法1によりオクタデシルトリメトキシシランで処理したAL43Lを300質量部、AS10を200質量部、酸化鉄を5質量部添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(実施例42)
SE1885を100質量部に乾式法1によりオクタデシルトリメトキシシランで処理したAL43Lを400質量部、AS10を100質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(比較例43)
SE1885を100質量部に乾式法1によりメチルトリメトキシシランで処理したAL43Lを300質量部、AS10を200質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(比較例44)
SE1885を100質量部に乾式法1により、メチルトリメトキシシランで処理したAL43Lを400質量部、AS10を100質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(比較例45)
SE1885を100質量部に無処理のAL43Lを300質量部、AS10を200質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
(比較例46)
SE1885を100質量部に無処理のAL43Lを400質量部、AS10を100質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得た。これをシート成形加工した。
表12において、硬化性の試験は以下のようにおこなった。実施例37を例に挙げると以下のようにおこなった。実施例38〜42、比較例44〜47も同様におこなった。
SE1885のA液100質量部に、乾式法1にてオクチルトリエトキシランで処理したAL43L、300質量部、無処理のAS10、200質量部、酸化鉄、5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら5分撹拌してA液コンパウンドとした。同様にシリコーン成分SE1885のB液100質量部に、乾式法1にてオクチルトリエトキシランで処理したAL43L、300質量部、無処理のAS10、200質量部、酸化鉄、5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してB液コンパウンドとした。直後にA液コンパウンドとB液コンパウンドを1:1でプラネタリーミキサーにて脱泡しながら5分撹拌してコンパウンドを得て、それをシート成形した。このゴムシートの硬度を測定した。これを初期の硬度とした。
A液コンパウンドとB液コンパウンドを別々に1週間室温で保管したのちA液コンパウンドとB液コンパウンドを1:1でプラネタリーミキサーにて脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得て、それをシート成形した。このゴムシートの硬度を測定した。これを一週間後の硬度とした。
表12に実施例37〜42及び比較例44〜47の条件と結果をまとめて示す。
Figure 2009136542
表12から明らかなとおり、熱伝導性無機粉体のシラン処理剤の炭素数が多くなるにつれて硬度は下がる傾向にある。これは、シリコーン成分との相溶性が向上するからと推定される。また、炭素数の多いシランで処理することによって保存性が向上する。実施例37〜42は初期硬度と1週間後の硬度の差が0〜1であるのに対して、比較例44〜47は初期硬度と1週間後の硬度差は5〜13であり、炭素数の多いシランで処理する事で保存性が改善される。
(比較例48〜49)
比較例として大粒径無機粉体にも表面処理したものを使用することも実験した。使用する大粒径熱伝導性無機粉体はAS10(商品名、昭和電工株式会社製、比表面積0.5m/g),AW50−74(商品名、株式会社マイクロン社製、比表面積0.07m/g)シランとしてヘキシルトリエトキシシランKBE3063(製品名、信越化学工業株式会社製)を使用した。各大粒径無機粉体に対するKBE3063の必要量は、実施例の冒頭部分の実施例の冒頭部分の材料成分(5)と同様とした。
各大粒径熱伝導性無機粉は、実施例の冒頭部分の材料成分(5)と同様に処理をおこなった。
表13に比較例48、49の条件及び結果と、実施例27、35、を併せて示す。
Figure 2009136542
表13において、硬化性の試験は以下のようにおこなった。実施例27を例に挙げると以下のようにおこなった。実施例35、比較例37,48と49も同様におこなった。
SE1885のA液100質量部に、乾式法1で処理をしたAL43Lを300質量部、無処理のAS10を200質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら5分撹拌してA液コンパウンドとした。同様にシリコーン成分SE1885のB液100質量部に、乾式法1により処理をしたAL43Lを300質量部、無処理のAS10を200質量部、酸化鉄を5質量部を添加してプラネタリーミキサーで脱泡しながら10分撹拌してB液コンパウンドとした。直後にA液コンパウンドとB液コンパウンドを1:1でプラネタリーミキサーにて脱泡しながら5分撹拌してコンパウンドを得て、それをシート成形した。このゴムシートの硬度を測定した。これを初期の硬度とした。
A液コンパウンドとB液コンパウンドを別々に1週間室温で保管したのちA液コンパウンドとB液コンパウンドを1:1でプラネタリーミキサーにて脱泡しながら10分撹拌してコンパウンドを得て、それをシート成形した。このゴムシートの硬度を測定した。これを一週間後の硬度とした。
表面処理した小粒径熱伝導性無機粉体を添加したコンパウンドは保存性がよい。初期硬度と一週間後の硬度の差が小さい。実施例27と比較例37を比較すると、実施例27の初期硬度と一週間後の硬度の差が1であるのに対して比較例37は初期硬度と1週間後の硬度の差が10であり、比表面積の大きな小粒径熱伝導無機粉体を使うと初期硬度と1週間後の硬度の差が大きくなる。表面処理をした小粒径熱伝導無機粉体を使用すると初期硬度と1週間後の硬度の差が小さくなる。すなわち保存性がよくなる。
また、比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を使う系ほど硬度の差が顕著である。比較例39にあるように無処理の小粒径熱伝導性無機粉体を使用すると硬化しない場合もある。実施例27と比較例37を比較し、実施例35と比較例39を比較する。実施例35,比較例39は、実施例27,比較例37よりも比表面積の大きな小粒径熱伝導無機粉体を使用している。そのため比較例39は初期で硬化すらしない。保存性が全くないことを意味する。
一方、小粒径熱伝導性無機粉体にはもちろん、大粒径熱伝導性無機粉体にも処理をしても保存性はよい。しかし、大粒径熱伝導性無機粉体は処理をしなくとも著しく一週間後の硬度が初期硬度比べて低下するわけではない。実施例27と比較例48又は実施例35比較例49を比較する。比較例48と比較例49は大粒径熱伝導無機粉体にも表面処理をしている。それに対して実施例27と実施例35は大粒径熱伝導無機粉体には表面処理していないが硬度も同じ値でありかつ、保存性も同じ程度である。
(実施例43〜44、比較例50〜52)
次にシリコーン成分としてミラブル型シリコーンゴムを用いて検討した。
ミラブル型シリコーンゴムとしてはTSE201(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)及びSH8311CVU(製品名、東レ・ダウコーニング社製)を使用した。
小粒径熱伝導性無機粉体としてアルミナA0502(製品名、株式会社アドマファイン社製、比表面積7.5m/g)、大粒径熱伝導性無機粉体としてアルミナAS20(製品名、昭和電工株式会社製、比表面積0.8m/g)、シランとしてヘキシルトリメトキシシラン、KBE3063(製品名、信越化学工業株式会社製)をおのおのの処理に使用した。
小粒径熱伝導性無機粉体を処理するのに必要な量は、「“KBE3063”の必要量=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)/シランの最小被覆面積(m/g)」で算出した。“KBE3063”の最小被覆面積は315m/gであることから、1000g×7.5m/g/315m/g=23.8gとした。
小粒径熱伝導性無機粉体AL43Lは、実施例の冒頭部分の材料成分(6)の処理をおこなった。
大粒径熱伝導性無機粉体AS20(比表面積:0.8m/g)も用意した。この場合KBE3063の必要量は2.5gである。大粒径熱伝導性無機粉体は以下の処理をおこなった。白金触媒はTC−25A(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を使用した。架橋剤はTC−25B(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を使用した。
AS20の場合:ブレンダーにAS20を1kg投入し撹拌しながら、KBE3063、2.5g、イソプロパノール10g、水0.5gの割合で混合し薬剤を少しずつ添加し15分撹拌し1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(シート成形方法)
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに厚さ2mmの金枠を置きコンパウンドを流し込み、もう一枚のフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載せた。これを5MPaの圧力で170℃、10分硬化した。さらに200℃、4時間オーブンで熱処理をした。
表14に実施例43〜44、比較例50〜52の条件と結果を示す。
Figure 2009136542
表14の物性測定方法は次のとおりである。
(1)熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)
(2)硬度:ASTM D2240 Shore A
(3)揮発ガス量:ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ
表14から明らかなとおり、シリコーン成分としてミラブル型シリコーンゴムを使用した系では、小粒径熱伝導性無機粉に表面処理をしないと充填もできなかった。比較例52は、比率が10を越えている。10を越えるということは大粒径無機粉体のシリコーンへの充填量は増えることになる。熱伝導性の向上のためには大粒径無機粉体の間隙に小粒径無機粉体が入るようにするのがよいが比較例52は実施例43と同じシリコーンへの充填量にかかわらず熱伝導率が0.7W/m・Kと低下した。
(比較例53)
TSE201、50質量部、とSH8311CVU、45質量部を二本ロールで素練りし、さらに乾式法2で処理したAO502(製品名、株式会社アドマテックス製、比表面積7.5m/g、レーザ回折散乱法によるd50平均粒子径は0.7μm)、200質量部、乾式法2で処理したAS20(製品名、昭和電工株式会社製、比表面積0.8m/g、レーザ回折散乱法によるd50平均粒子径は22μm)、100質量部添加し、混練りした。さらにTC−25B、5質量部を加え、混練りし、最後にTC−25A、1質量部添加し、混練りしてコンパウンドを作成した。
(比較例54)
TSE201、50質量部、SH8311CVU、45質量部を二本ロールで素練りし、さらに乾式法2で処理したAO502、200質量部、乾式法2で処理したAS20、200質量部を添加し、混練りした。さらにTC−25B、5質量部を加え、混練りし、最後にTC−25A、1質量部を添加し、混練りしてコンパウンドを作成した。
表15に比較例53〜54の条件と結果を示す。
Figure 2009136542
表14及び表15から、大粒径熱伝導性無機粉体に表面処理しても(比較例53〜54)、しない場合(実施例43〜44)と比較して、硬度の差は小さくほぼ同じ硬度になった。揮発ガス量は、200℃で4時間の二次加硫をしているので、すべてゼロであった。
実施例25〜44、比較例35〜54から、比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体にシランで処理することによってシリコーン成分への充填性はよくなり、コンパウンドの保存性もよくなり、揮発ガス量も少なくなることが確認できた。
大粒径熱伝導性無機粉体は、表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、熱伝導性無機粉体がシリコーン成分に大量に充填されているにもかかわらず、硬度が低く、かつ熱伝導率が高く、表面処理剤由来のアウトガスが少ないシリコーン組成物でありかつ保存安定性のある熱伝導性シリコーン組成物をつくることができた。
(比較例55〜58)
次に小粒径無機粉体(AL43L,AL160SG−1)の全表面積を覆う2倍量のシランで表面処理した場合の検討をした。また、前記式(A)において10を越えた場合も併せて検討した。
(乾式法3)
(1)AL43Lの場合
ブレンダーにAL43Lを1kg投入し撹拌しながらKBE3063、20.2g少しずつ添加し、15分間撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
(2)AL160SG−1の場合
ブレンダーにAL160SG−1を1kg投入し撹拌しながらKBE3063、42.0g少しずつ添加し、15分間撹拌し、1日放置後、100℃で2時間乾燥した。
表16の実施例35,36は前記と同じである。
表16に比較例55〜58の条件と結果、及び実施例35,36と対比して示す。
Figure 2009136542
表16の比較例55は比率が10を越える検討である。実施例35,36と比較例55,比較例58を比較すると、シリコーン100質量部に対して熱伝導無機粉体は800質量部添加している。大粒径熱伝導無機粉体を単に増やすだけでは熱伝導率が低下することがわかる。比較例56,比較例57は小粒径熱伝導無機粉体の全表面積を覆うことができる2倍のシラン量で表面処理した小粒径熱伝導無機粉体を使用した例である。小粒径熱伝導無機粉体の全表面積を覆う以上のシランが存在するため余分なシランが揮発ガス量となった。
(実施例45〜53,比較例59〜67)
下記の実施例では、樹脂成分としてポリエチレン ノバテックUJ480(製品名、日本ポリエチレン社製)を使用し、小粒径熱伝導性無機粉としてAL43L,比表面積3.2m/g(製品名、昭和電工株式会社製)大粒径熱伝導性無機粉としてAS10,比表面積0.5m/g(製品名、昭和電工株式会社製)、シランとしてヘキシルトリエトキシシランKBE3063(製品名、信越化学工業株式会社製)を使用した。KBE3063の量は実施例の冒頭部分の材料成分(5)と同様とした。小粒径熱伝導性無機粉は、同材料成分(6)と同様に処理をおこなった。
大粒径熱伝導性無機粉は、同材料成分(7)と同様に処理をおこなった。
インテグラル法の場合は表18の比較例62〜64に示すとおりとし、コンパウンド作成の際にKBE3063を必要量添加した。
(コンパウンド作成方法)
二軸ロールにて90℃で加温しながらポリエチレンを1分間素練し、熱伝導無機粉体を投入し二軸ロールで5分混練りしてコンパウンドを作成した。
(シート成型方法)
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに厚さ2mmの金枠を置きコンパウンドを流し込み、もう一枚のフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載せる。これを5MPaの圧力で120℃で10分加熱し、その後冷却し熱伝導性樹脂組成物を得た。
比率は前記式(A)とした。
各物性の測定方法は以下の通り。
熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)
硬度:ASTM D2240 Shore D
揮発ガス量:ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ
流動性:厚み2.0mm、直径13mmのサンプルを作成し、150℃を保持したヒータ上にサンプルをおき、150℃に保温した500gの重りを載せ10分後の厚みを測定した。厚みが薄いほど流動性がよいことを示す。
まず、熱伝導無機粉体の表面処理方法の違いよる検討、小粒径熱伝導無機粉体の処理の有無,処理した大粒径熱伝導無機粉体を使用した場合の検討をした。表17及び表18の配合でコンパウンド作成,シート化し各物性を測定した。
Figure 2009136542
Figure 2009136542
表17の実施例45〜53と表18の比較例59〜61を比較すると、小粒径熱伝導性無機粉の処理方法を変えてかつ小径熱伝導性無機粉と大粒径熱伝導性無機粉の比率を変えた結果、小粒径熱伝導性無機粉の処理方法によって硬度,熱伝導率の違いはほとんどない。それに対して小粒径熱伝導性無機粉を処理しないと硬度は大きくなる。流動性については小粒径熱伝導性無機粉に処理をすることによって顕著な効果が確認できる。実施例45〜53と比較例62〜64を比較するとインテグラルブレンド法で小粒径熱伝導性無機粉を処理したものは揮発ガス量が多いことがわかる。実施例45〜53と比較例65〜67を比較すると大粒径熱伝導性無機粉を表面処理したものをポリマー分に添加しても小粒径熱伝導性無機粉のみを処理したものを使えば硬度,熱伝導率,揮発ガス量もほぼ同等になることがわかる。
大粒径熱伝導性無機粉に表面処理を処理しなくとも小粒径熱伝導性無機粉体のみを表面処理することで硬度は低く,流動性はよく(加工しやすい)、揮発ガス量の少ない熱伝導性ポリマー組成物となった。
(実施例54〜56,比較例68〜73)
表17及び表18と同様に小粒径熱伝導無機粉体の処理の有無,処理した大粒径熱伝導無機粉体を使用した場合の検討をした。しかし、小粒径熱伝導無機粉体を二種以上の混合にして実験した。
前記のアルミナに加えてAL160SG−1,比表面積6.6m/g(昭和電工株式会社製),AW50−74,比表面積0.07m/g(株式会社マイクロン社製)を使用した。熱伝導性無機粉体はAL160SG−1は、前記表3の下に記載した乾式法1,AW50−74は、実施例の冒頭部分の材料成分(7)と同様に処理をおこなった。
以上の条件と結果を表19に示す。なお比率および各物性は前記と同様である。
Figure 2009136542
表19から比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体にシランで処理することによって硬度が低くなる。これは小粒径熱伝導性無機粉体にシランで処理することによって樹脂に熱伝導性無機粉体が充填しやすいことを示している。また、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、硬度は低くなることがわかる。流動性はついては小粒径熱伝導性無機粉に処理をすることによって顕著な効果が確認できる。揮発ガス量は大粒径熱伝導性無機粉体に表面処理してもしなくとも似たような揮発ガス量となった。
(実施例57〜65,比較例74〜82)
同様な実験を別の樹脂成分でおこなった。樹脂成分:エポキシ樹脂 エビコート825(製品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、硬化剤:アミキュアMY−H(製品名、味の素ファインテクノ株式会社製)小粒径熱伝導性無機粉は以下の処理をおこなった。これら処理は表17の実施例45〜表19の56,比較例59〜73で使用した熱伝導性無機粉と同様である。
(コンパウンド作成方法)
プラネタリーミキサーにてエポキシ樹脂に熱伝導無機粉体を投入し10分間室温にて混練りし、硬化剤を投入してさらに5分混練りしてコンパウンドを作成した。
(シート成型方法)
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに厚さ2mmの金枠を置きコンパウンドを流し込み、もう一枚のフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載せる。これを5MPaの圧力で120℃で45分加熱し、その後冷却し熱伝導性樹脂組成物を得た。
各物性の測定方法は以下の通り。
熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)
硬度:ASTM D2240 Shore D
揮発ガス量:ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ
粘度は硬化前のコンパウンドの粘度:精密回転粘度計による測定。
まず、熱伝導無機粉体の表面処理方法の違いよる検討、小粒径熱伝導無機粉体の処理の有無,処理した大粒径熱伝導無機粉体を使用した場合の検討をした。表20〜21の配合でコンパウンド作成,シート化し各物性を測定した。比率は前記式(A)とした。
Figure 2009136542
Figure 2009136542
表20及び表21は小粒径熱伝導性無機粉体の表面処理方法の違い,大粒径熱伝導性無機粉体の表面処理の有無,ポリマー成分に添加する大粒径熱伝導性無機粉体と小粒径熱伝導性無機粉体の比率を変えて検討した結果が記述してある。表20及び表21から、小粒径熱伝導性無機粉体の表面処理方法の違いによって硬度,熱伝導率の物性がおおきく変わることはないといえる。また、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、硬度は低く、揮発ガス量の少ない熱伝導性ポリマー組成物となった。粘度は表面処理した熱伝導性無機粉体を添加する系としない系では大きく違った。
(実施例66〜68,比較例83〜88)
表20及び表21と同様に小粒径熱伝導無機粉体の処理の有無,処理した大粒径熱伝導無機粉体を使用した場合の検討をした。しかし、小粒径熱伝導無機粉体を二種以上の混合にして実験した。前記のアルミナに加えてAL160SG−1,比表面積6.6m/g(昭和電工株式会社製),AW50−74,比表面積0.07m/g(株式会社マイクロン社製)を使用した。処理方法はAL160SG−1は、前記表3の下の乾式法1,AW50−74は、実施例の冒頭部分の材料成分(7)と同様である。
シート成形は実施例57〜65,比較例74〜82と同様である。条件と結果を表22に示す。
Figure 2009136542
表22から比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体に表面処理をすることによってコンパウンドの粘度は格段に低くなる。これは小粒径熱伝導性無機粉体にシランで処理することによってポリマーに熱伝導性無機粉体が充填しやすいことを示している。樹脂成分が熱伝導性無機粉体を取り込みやすいことを示している。また、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、硬化前のコンパウンドの粘度は低く、硬化後物は揮発ガス量の少ない熱伝導性樹脂組成物となった。
実施例45〜68,比較例59〜88から比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体にシランで処理することによって、コンパウンドの粘度が小さくなる又は流動性がよくなることが確認できた。これはポリマーに熱伝導性無機粉体が充填しやすいことを示している。ポリマーが熱伝導性無機粉体を取り込みやすいことを示している。また、小粒径熱伝導性無機粉体のみにシランで処理することによって表面処理剤由来の揮発ガス量も抑えることができる。すなわち、大粒径熱伝導性無機粉体は表面処理をしなくても比表面積の大きい小粒径熱伝導性無機粉体を表面処理するのみで、コンパウンドの粘度が低い又は流動性がよくなり、すなわち加工しやすくなる。そのうえ、得られた成型物,硬化物の硬度は低く、揮発ガス量の少ない熱伝導性樹脂組成物になる。

Claims (15)

  1. (a)マトリックス成分と、
    (b)比表面積が0.06m/g以上1.0m/g以下の大粒径熱伝導性無機粉体と、
    (c)処理前の比表面積が1.0m/gを越え20m/g以下の小粒径熱伝導性無機粉体を含み、
    前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体は、R(CHSi(OR’)3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で処理され、その量が小粒径熱伝導性無機粉体の全表面積を覆うのに必要な量よりも少ない量で表面処理されており、
    前記(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体の表面積の割合は、前記(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体と前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体の合計表面積の10%以下であり、
    熱伝導率が0.8W/m・K以上であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
  2. 前記(a)成分が熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びゴムから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  3. 前記(a)成分がシリコーンゴムである請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  4. 前記(b)成分及び前記(c)成分の熱伝導性無機粉体が、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  5. 前記(c)成分由来の揮発ガス量が5μg/cm以下である請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  6. 前記(a)成分は熱硬化性樹脂であり、硬化剤を含む請求項2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  7. 前記(a)成分のシリコーンゴムは、白金触媒により硬化されている請求項3に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  8. 前記(b)成分及び前記(c)成分の比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626に従う請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  9. 前記シラン化合物の量は、下記計算式で計算されるシラン化合物量の0.5倍以上1.0倍未満である請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
    シラン化合物量(g)=熱伝導性無機粉体の量(g)×熱伝導性無機粉体の比表面積(m/g)/シランの最小被覆面積(m/g)
  10. 前記シランの最小被覆面積(m/g)は[(6.02×1023)×(13×10−20)/シランの分子量]によって求める請求項9に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  11. 前記シラン化合物もしくはその部分加水分解物で被覆処理された前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体は、前記(b)成分の大粒径熱伝導性無機粉体とともに(a)マトリックス成分に混合されている請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  12. 前記シラン化合物もしくはその部分加水分解物は、乾式法又は湿式法により前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体に被覆されている請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  13. 前記乾式法又は湿式法により前記シラン化合物もしくはその部分加水分解物を前記(c)成分の小粒径熱伝導性無機粉体に被覆した後、未反応物は除去されている請求項12に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  14. 前記アルミナは、純度99.5質量%以上のα−アルミナである請求項4に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  15. 前記熱伝導性無機粉体の粒径を球形とみなしたとき、前記比表面積が0.06m/g以上1.0m/g以下の大粒径粒子は、平均粒子径が20μm以上であり、
    前記比表面積が1m/gを超え20m/g以下の小粒径粒子は、平均粒子径が20μm未満である請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
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